(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-27
(45)【発行日】2023-03-07
(54)【発明の名称】プロテインキナーゼ阻害剤としての1H-ピラゾロ[4,3-H]キナゾリン系化合物
(51)【国際特許分類】
C07D 487/04 20060101AFI20230228BHJP
C07D 519/00 20060101ALI20230228BHJP
A61K 31/519 20060101ALI20230228BHJP
A61K 31/5377 20060101ALI20230228BHJP
A61K 31/551 20060101ALI20230228BHJP
A61K 31/541 20060101ALI20230228BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20230228BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20230228BHJP
A61P 9/00 20060101ALI20230228BHJP
A61P 31/00 20060101ALI20230228BHJP
A61P 29/00 20060101ALI20230228BHJP
A61P 37/06 20060101ALI20230228BHJP
A61P 13/12 20060101ALI20230228BHJP
A61P 35/02 20060101ALI20230228BHJP
A61P 9/10 20060101ALI20230228BHJP
A61P 31/10 20060101ALI20230228BHJP
A61P 33/02 20060101ALI20230228BHJP
A61P 33/06 20060101ALI20230228BHJP
A61P 31/22 20060101ALI20230228BHJP
A61P 31/20 20060101ALI20230228BHJP
A61P 31/14 20060101ALI20230228BHJP
A61P 19/02 20060101ALI20230228BHJP
A61P 17/06 20060101ALI20230228BHJP
【FI】
C07D487/04 141
C07D487/04 CSP
C07D519/00 311
A61K31/519
A61K31/5377
A61K31/551
A61K31/541
A61P43/00 111
A61P43/00 123
A61P35/00
A61P9/00
A61P31/00
A61P29/00
A61P37/06
A61P43/00 105
A61P13/12
A61P35/02
A61P9/10 101
A61P31/10
A61P33/02
A61P33/06
A61P31/22
A61P31/20
A61P31/14
A61P19/02
A61P29/00 101
A61P17/06
(21)【出願番号】P 2020529798
(86)(22)【出願日】2018-08-10
(86)【国際出願番号】 CN2018099825
(87)【国際公開番号】W WO2019029663
(87)【国際公開日】2019-02-14
【審査請求日】2021-06-03
(31)【優先権主張番号】201710684436.0
(32)【優先日】2017-08-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】519352975
【氏名又は名称】晟科薬業(江蘇)有限公司
【氏名又は名称原語表記】SHENGKE PHARMACEUTICALS (JIANGSU) LTD.
【住所又は居所原語表記】Level 5, Building 6, 88 Zhenbei Road, Tongan, Hi-tech District, Suzhou, Jiangsu, China
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100126778
【氏名又は名称】品川 永敏
(74)【代理人】
【識別番号】100162695
【氏名又は名称】釜平 双美
(74)【代理人】
【識別番号】100156155
【氏名又は名称】水原 正弘
(74)【代理人】
【識別番号】100162684
【氏名又は名称】呉 英燦
(72)【発明者】
【氏名】劉 斌
(72)【発明者】
【氏名】程 航
(72)【発明者】
【氏名】熊 維艷
(72)【発明者】
【氏名】張 成剛
(72)【発明者】
【氏名】チェンジー・ユー
【審査官】伊佐地 公美
(56)【参考文献】
【文献】特表2007-502851(JP,A)
【文献】特表2020-513034(JP,A)
【文献】特表2007-516202(JP,A)
【文献】特表2011-525516(JP,A)
【文献】特表2011-529467(JP,A)
【文献】特表2016-513737(JP,A)
【文献】国際公開第2016/173505(WO,A1)
【文献】特表2014-508808(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第105294655(CN,A)
【文献】特表2014-503531(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
A61K
A61P
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I)
:
【化1】
但し、
A
1はNであり;
A
2はCR
3であり;
A
3はCR
3であり;
R
1は、H、ハロゲン、-CN、-OR
a、-SR
a、-NR
bR
c、-C(O)R
a、-C(O)OR
a、-C(O)NR
bR
c、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル基、C
6-10アリール基、または5~10員ヘテロアリール基から選択され、前記C
3-7シクロアルキル基または3~7員ヘテロシクリル基は、オキソ基またはチオキソ基で置換されていてもよく;
R
2は、H、ハロゲン、-CN、-C(O)R
a、-C(O)OR
a、-C(O)NR
bR
c、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル基、C
6-10アリール基、または5~10員ヘテロアリール基から選択され、前記C
3-7シクロアルキル基または3~7員ヘテロシクリル基は、オキソ基またはチオキソ基で置換されていてもよく;
R
3は、H、ハロゲン、-CN、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、-L’-C
3-7シクロアルキル基、-L’-3~11員ヘテロシクリル基、-L’-C
6-10アリール基または-L’-5~10員ヘテロアリール基から選択され、これらの基は、それぞれ1、2、3、4または5個のR
6基で置換されていてもよく;
R
4は、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル基、C
6-10アリール基、または5~10員ヘテロアリール基から選択され;
R
5は、H
であり;
R
6は、H、-NH
2、-NHC
1-6アルキル基、-N(C
1-6アルキル)
2、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル基、C
6-10アリール基、または5~10員ヘテロアリール基から選択され;
或いは、同じ炭素原子上の2つのR
6は、一緒にオキソ基またはチオキソ基を形成していてもよく;
ここで、
R
4は、1、2または3個のR’基で置換されていてもよく、R’は、独立して、H、ハロゲン、-CN、-NO
2、-OR
a、-SR
a、-NR
bR
c、-C(O)OR
a、-C(O)NR
bR
c、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル基、C
6-10アリール基、または5~10員ヘテロアリール基から選択され;
R
1-R
2およ
びR
6は、それぞれ1、2または3個のR”基で置換されていてもよく、R”基は、独立して、H、-OH、ハロゲン、-NO
2、カルボニル基、-L-CN、-L-OR
a、-L-SR
a、-L-NR
bR
c、-L-C(O)R
a、-L-C(S)R
a、-L-C(O)OR
a、-L-C(S)OR
a、-L-C(O)-NR
bR
c、-L-C(S)-NR
bR
c、-L-O-C(O)R
a、-L-O-C(S)R
a、-L-N(R
b)-C(O)-R
a、-L-N(R
b)-C(S)-R
a、-L-S(O)
mR
a、-L-S(O)
mOR
a、-L-S(O)
mNR
bR
c、-L-N(R
b)-S(O)
m-R
a、-L-N(R
b)-S(O)
m-NR
bR
c、-L-N(R
b)-C(O)OR
a、-L-N(R
b)-C(S)OR
a、-L-O-C
1-6アルキレン-OR
a、-L-C(O)-C
1-6アルキレン-NR
bR
c、-L-N(R
b)-C(O)-NR
bR
c、-L-N(R
b)-C(S)-NR
bR
c、-L-O-C(O)-NR
bR
c、-L-O-C(S)-NR
bR
c、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
2-6アルケニル基、C
2-6アルキニル基、-L-C
3-7シクロアルキル基、-L-3~7員ヘテロシクリル基、-L-C
6-10アリール基、または-L-5~10員ヘテロアリール基から選択され;ここで、前記C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
2-6アルケニル基、C
2-6アルキニル基、-L-C
3-7シクロアルキル基、-L-3~7員ヘテロシクリル基、-L-C
6-10アリール基、または-L-5~10員ヘテロアリール基は、-L-CN、-NO
2、カルボニル基、-L-OR
a、-L-SR
a、-L-NR
bR
c、-L-C(O)R
a、-L-C(S)R
a、-L-C(O)OR
a、-L-C(S)OR
a、-L-C(O)-NR
bR
c、-L-C(S)-NR
bR
c、-L-O-C(O)R
a、-L-O-C(S)R
a、-L-N(R
b)-C(O)-R
a、-L-N(R
b)-C(S)-R
a、-L-S(O)
mR
a、-L-S(O)
mOR
a、-L-S(O)
mNR
bR
c、-L-N(R
b)-S(O)
m-R
a、-L-N(R
b)-S(O)
m-R
bR
c、-L-N(R
b)-C(O)OR
a、-L-N(R
b)-C(S)OR
a、-L-O-C
1-6アルキレン-OR
a、-L-C(O)-C
1-6アルキレン-NR
bR
c、-L-N(R
b)-C(O)-NR
bR
c、-L-N(R
b)-C(S)-NR
bR
c、-L-O-C(O)-NR
bR
c、-L-O-C(S)-NR
bR
cからなる群から選択される1つ以上の基でさらに置換されていてもよく;
R
aは、独立して、H、C
1-6アルキル基、C
2-6アルケニル基、C
2-6アルキニル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル基、C
6-10アリール基、または5~10員ヘテロアリール基から選択され;
R
bおよびR
cは、独立して、H、C
1-6アルキル基、C
2-6アルケニル基、C
2-6アルキニル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル基、C
6-10アリール基、または5~10員ヘテロアリール基から選択され;または、R
b、R
cはN原子と一緒に3~7員ヘテロシクリル基を形成し;
Lは、化学結合、-C
1-6アルキレン-、-C
2-6アルケニレン-、または-C
2-6アルキニレン-から選択され;
L’は、化学結合、-C(O)-、-C(O)NH-、-NHC(O)-、-C
1-6アルキレン-、-C
2-6アルケニレン-、または-C
2-6アルキニレン-から選択され;
mは0、1、または2である、
で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、溶媒和物、水和物、結晶多形
、または
重水素同位体変異体、およびそれらの混合物。
【請求項2】
一般式(II)
:
【化2】
但し、
R
2は、H、ハロゲン、-CN、-C(O)R
a、-C(O)OR
a、-C(O)NR
bR
c、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル基、C
6-10アリール基、または5~10員ヘテロアリール基から選択され;
R
3は、以下の基から選択され:
【化3】
(ここで、*は、該基が該一般式の残部に結合する位置を示す)、
R
3aは、H、ハロゲン、-CN、-NO
2、C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
3bは、H、ハロゲン、-CN、-NO
2、C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
3c、R
3d、R
3eおよびR
3fは、独立して、H、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル基、C
6-10アリール基、または5~10員ヘテロアリール基から選択され;
R
4は、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、3~11員ヘテロシクリル基、C
6-10アリール基、または5~10員ヘテロアリール基から選択され;
R
2は、1、2または3個のR”基で置換されていてもよく、R”基は、独立して、H、ハロゲン、-CN、-NO
2、-OR
a、-SR
a、-NR
bR
c、-C(O)R
a、-C(S)R
a、-C(O)OR
a、-C(S)OR
a、-C(O)-NR
bR
c、-C(S)-NR
bR
c、-O-C(O)R
a、-O-C(S)R
a、-N(R
b)-C(O)-R
a、-N(R
b)-C(S)-R
a、-O-C
1-6アルキレン-OR
a、-C(O)-C
1-6アルキレン-NR
bR
c、-N(R
b)-C(O)-NR
bR
c、-N(R
b)-C(S)-NR
bR
c、-O-C(O)-NR
bR
c、-O-C(S)-NR
bR
c、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
2-6アルケニル基、またはC
2-6アルキニル基から選択され;
R
aは、独立して、H、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル基、C
6-10アリール基、または5~10員ヘテロアリール基から選択され;
R
bおよびR
cは、独立して、H、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル基、C
6-10アリール基、または5~10員ヘテロアリール基から選択される、
で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、溶媒和物、水和物、結晶多形
、または
重水素同位体変異体、およびそれらの混合物。
【請求項3】
R
2は、H、ハロゲン、CN、C
1-6アルキル基、-C(O)R
a、またはC
6-10アリール基から選択され;
R
3は、以下の基から選択され:
【化4】
(ここで、*は、該基が該一般式の残部に結合する位置を示す)、
R
3aは、H、ハロゲン、またはC
1-6アルキル基から選択され;
R
3bは、H、ハロゲン、またはC
1-6アルキル基から選択され;
R
3c、R
3d、R
3eおよびR
3fは、独立して、H、またはC
1-6アルキル基から選択され;
R
4は、C
1-6アルキル基、またはC
3-7シクロアルキル基から選択され;
R
2は、1、2または3個のR”基で置換されていてもよく、R”基は、独立して-OR
aから選択され;
R
aは、独立して、H、またはC
1-6アルキル基から選択される、
請求項2に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、溶媒和物、水和物、結晶多形
、または
重水素同位体変異体、およびそれらの混合物。
【請求項4】
R
2は、H、ハロゲン、-CN、-C(O)R
a、-C(O)OR
a、-C(O)NR
bR
c、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル基、C
6-10アリール基、または5~10員ヘテロアリール基から選択され;
R
3は、以下の基から選択され:
【化5】
(ここで、*は、該基が該一般式の残部に結合する位置を示す)、
R
3aは、H、ハロゲン、-CN、-NO
2、C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
3bは、H、ハロゲン、-CN、-NO
2、C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
3c、R
3d、R
3eおよびR
3fは、独立して、H、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル基、C
6-10アリール基、または5~10員ヘテロアリール基から選択され;
R
4は、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、3~11員ヘテロシクリル基、C
6-10アリール基、または5~10員ヘテロアリール基から選択され;
R
2は、1、2または3個のR”基で置換されていてもよく、R”基は、独立して、H、ハロゲン、-CN、-NO
2、-OR
a、-SR
a、-NR
bR
c、-C(O)R
a、-C(S)R
a、-C(O)OR
a、-C(S)OR
a、-C(O)-NR
bR
c、-C(S)-NR
bR
c、-O-C(O)R
a、-O-C(S)R
a、-N(R
b)-C(O)-R
a、-N(R
b)-C(S)-R
a、-O-C
1-6アルキレン-OR
a、-C(O)-C
1-6アルキレン-NR
bR
c、-N(R
b)-C(O)-NR
bR
c、-N(R
b)-C(S)-NR
bR
c、-O-C(O)-NR
bR
c、-O-C(S)-NR
bR
c、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
2-6アルケニル基、またはC
2-6アルキニル基から選択され;
R
aは、独立して、H、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル基、C
6-10アリール基、または5~10員ヘテロアリール基から選択され;
R
bおよびR
cは、独立して、H、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル基、C
6-10アリール基、または5~10員ヘテロアリール基から選択される、
請求項2に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、溶媒和物、水和物、結晶多形
、または
重水素同位体変異体、およびそれらの混合物。
【請求項5】
R
2は、H、ハロゲン、CN、C
1-6アルキル基、-C(O)R
a、またはC
6-10アリール基から選択され;
R
3は、以下の基から選択され:
【化6】
(ここで、*は、該基が該一般式の残部に結合する位置を示す)、
R
3aは、H、ハロゲン、またはC
1-6アルキル基から選択され;
R
3bは、H、ハロゲン、またはC
1-6アルキル基から選択され;
R
3c、R
3d、R
3eおよびR
3fは、独立して、H、またはC
1-6アルキル基から選択され;
R
4は、C
1-6アルキル基、またはC
3-7シクロアルキル基から選択され;
R
2は、1、2または3個のR”基で置換されていてもよく、R”基は、独立して-OR
aから選択され;
R
aは、独立して、H、またはC
1-6アルキル基から選択される、
請求項2に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、溶媒和物、水和物、結晶多形
、または
重水素同位体変異体、およびそれらの混合物。
【請求項6】
R
2は、H、-CN、-C(O)R
a、-C(O)OR
a、-C(O)NR
bR
c、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル基、C
6-10アリール基、または5~10員ヘテロアリール基から選択され;
R
3は、以下の基から選択され:
【化7】
(ここで、*は、該基が該一般式の残部に結合する位置を示す)、
R
3aはHであり;
R
3bは、H、ハロゲン、-CN、-NO
2、C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
3c、R
3dおよびR
3eは、独立して、H、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル基、C
6-10アリール基、または5~10員ヘテロアリール基から選択され;
R
4は、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、3~11員ヘテロシクリル基、C
6-10アリール基、または5~10員ヘテロアリール基から選択され;
R
2は、1、2または3個のR”基で置換されていてもよく、R”基は、独立して、H、ハロゲン、-CN、-NO
2、-OR
a、-SR
a、-NR
bR
c、-C(O)R
a、-C(S)R
a、-C(O)OR
a、-C(S)OR
a、-C(O)-NR
bR
c、-C(S)-NR
bR
c、-O-C(O)R
a、-O-C(S)R
a、-N(R
b)-C(O)-R
a、-N(R
b)-C(S)-R
a、-O-C
1-6アルキレン-OR
a、-C(O)-C
1-6アルキレン-NR
bR
c、-N(R
b)-C(O)-NR
bR
c、-N(R
b)-C(S)-NR
bR
c、-O-C(O)-NR
bR
c、-O-C(S)-NR
bR
c、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
2-6アルケニル基、またはC
2-6アルキニル基から選択され;
R
aは、独立して、H、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル基、C
6-10アリール基、または5~10員ヘテロアリール基から選択され;
R
bおよびR
cは、独立して、H、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル基、C
6-10アリール基、または5~10員ヘテロアリール基から選択される、
請求項2に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、溶媒和物、水和物、結晶多形
、または
重水素同位体変異体、およびそれらの混合物。
【請求項7】
R
2は、H、CN、C
1-6アルキル基、-C(O)R
a、またはC
6-10アリール基から選択され;
R
3は、以下の基から選択され:
【化8】
(ここで、*は、該基が該一般式の残部に結合する位置を示す)、
R
3aはHであり;
R
3bは、H、ハロゲン、またはC
1-6アルキル基から選択され;
R
3c、R
3dおよびR
3eは、独立して、H、またはC
1-6アルキル基から選択され;
R
4は、C
1-6アルキル基、またはC
3-7シクロアルキル基から選択され;
R
2は、1、2または3個のR”基で置換されていてもよく、R”基は、独立して-OR
aから選択され;
R
aは、独立して、H、またはC
1-6アルキル基から選択される、
請求項2に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、溶媒和物、水和物、結晶多形
、または
重水素同位体変異体、およびそれらの混合物。
【請求項8】
R
2は、-C(O)R
a、-C(O)OR
a、または-C(O)NR
bR
cから選択され;
R
3は、以下の基から選択され:
【化9】
(ここで、*は、該基が該一般式の残部に結合する位置を示す)、
R
3aはHであり;
R
3bはHであり;
R
3cは、H、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル基、C
6-10アリール基、または5~10員ヘテロアリール基から選択され;
R
4は、イソプロピル基、またはシクロペンチル基から選択され;
R
aは、独立して、H、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル基、C
6-10アリール基、または5~10員ヘテロアリール基から選択され;
R
bおよびR
cは、独立して、H、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル基、C
6-10アリール基、または5~10員ヘテロアリール基から選択される、
請求項2に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、溶媒和物、水和物、結晶多形
、または
重水素同位体変異体、およびそれらの混合物。
【請求項9】
R
2は-C(O)R
aであり;
R
3は、以下の基から選択され:
【化10】
(ここで、*は、該基が該一般式の残部に結合する位置を示す)、
R
3aはHであり;
R
3bはHであり;
R
3cは、H、またはC
1-6アルキル基から選択され;
R
4はイソプロピル基であり;
R
aは、H、またはC
1-6アルキル基から選択される、
請求項2に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、溶媒和物、水和物、結晶多形
、または
重水素同位体変異体、およびそれらの混合物。
【請求項10】
一般式(II)で表される化合物であって、
【化11】
但し、
R
2は、-CN、-C(O)R
a、-C(O)OR
a、-C(O)NR
bR
c、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル基、C
6-10アリール基、または5~10員ヘテロアリール基から選択され;
R
3は、以下の基から選択され:
【化12】
(ここで、*は、該基が該一般式の残部に結合する位置を示す)、
R
3aはHであり;
R
3bは、H、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル基、C
6-10アリール基、または5~10員ヘテロアリール基から選択され;
R
3cは、H、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル基、C
6-10アリール基、または5~10員ヘテロアリール基から選択され;
R
4は、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、3~11員ヘテロシクリル基、C
6-10アリール基、または5~10員ヘテロアリール基から選択され;
R
2は、1、2または3個のR”基で置換されていてもよく、R”基は、独立して、H、ハロゲン、-CN、-NO
2、-OR
a、-SR
a、-NR
bR
c、-C(O)R
a、-C(S)R
a、-C(O)OR
a、-C(S)OR
a、-C(O)-NR
bR
c、-C(S)-NR
bR
c、-O-C(O)R
a、-O-C(S)R
a、-N(R
b)-C(O)-R
a、-N(R
b)-C(S)-R
a、-O-C
1-6アルキレン-OR
a、-C(O)-C
1-6アルキレン-NR
bR
c、-N(R
b)-C(O)-NR
bR
c、-N(R
b)-C(S)-NR
bR
c、-O-C(O)-NR
bR
c、-O-C(S)-NR
bR
c、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
2-6アルケニル基、またはC
2-6アルキニル基から選択され;
R
aは、独立して、H、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル基、C
6-10アリール基、または5~10員ヘテロアリール基から選択され;
R
bおよびR
cは、独立して、H、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル基、C
6-10アリール基、または5~10員ヘテロアリール基から選択される、
請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、溶媒和物、水和物、結晶多形
、または
重水素同位体変異体、およびそれらの混合物。
【請求項11】
R
2は、CN、C
1-6アルキル基、-C(O)R
a、またはC
6-10アリール基から選択され;
R
3は、以下の基から選択され:
【化13】
(ここで、*は、該基が該一般式の残部に結合する位置を示す)、
R
3aはHであり;
R
3bはHであり;
R
3cは、H、またはC
1-6アルキル基から選択され;
R
4は、C
1-6アルキル基、またはC
3-7シクロアルキル基から選択され;
R
2は、1、2または3個のR”基で置換されていてもよく、R”基は、独立して-OR
aから選択され;
R
aは、独立して、H、またはC
1-6アルキル基から選択される、
請求項10に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、溶媒和物、水和物、結晶多形
、または
重水素同位体変異体、およびそれらの混合物。
【請求項12】
R
2は-C(O)R
a、-C(O)OR
a、-C(O)NR
bR
c、C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
3は、
【化14】
であり
(ここで、*は、該基が該一般式の残部に結合する位置を示す);
R
3aはHであり;
R
3bは、H、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル基、C
6-10アリール基、または5~10員ヘテロアリール基から選択され;
R
3cは、H、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル基、C
6-10アリール基、または5~10員ヘテロアリール基から選択され;
R
4は、イソプロピル基、またはシクロペンチル基から選択され;
R
aは、独立して、H、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル基、C
6-10アリール基、または5~10員ヘテロアリール基から選択され;
R
bおよびR
cは、独立して、H、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル基、C
6-10アリール基、または5~10員ヘテロアリール基から選択される、
請求項10に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、溶媒和物、水和物、結晶多形
、または
重水素同位体変異体、およびそれらの混合物。
【請求項13】
R
2は、-C(O)R
a、-C(O)OR
a、-C(O)NR
bR
c、またはC
1-6アルキル基から選択され;
R
3は、
【化15】
であり
(ここで、*は、該基が該一般式の残部に結合する位置を示す);
R
3aはHであり;
R
3bは、H、C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
3cは、C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
4は、イソプロピル基、またはシクロペンチル基から選択され;
R
aは、独立して、H、C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
bおよびR
cは、独立して、H、C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択される、
請求項10に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、溶媒和物、水和物、結晶多形
、または
重水素同位体変異体、およびそれらの混合物。
【請求項14】
R
2は、C
1-6アルキル基、または-C(O)R
aから選択され;
R
3は、
【化16】
であり
(ここで、*は、該基が該一般式の残部に結合する位置を示す);
R
3aはHであり;
R
3bはHであり;
R
3cはC
1-6アルキル基であり;
R
4は、イソプロピル基、またはシクロペンチル基から選択され;
R
aは、H、またはC
1-6アルキル基から選択される、
請求項10に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、溶媒和物、水和物、結晶多形
、または
重水素同位体変異体、およびそれらの混合物。
【請求項15】
R
2はHであり;
R
3は、以下の基から選択され:
【化17】
(ここで、*は、該基が該一般式の残部に結合する位置を示す)、
R
3aはHであり;
R
3bは、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル基、C
6-10アリール基、または5~10員ヘテロアリール基から選択され;
R
3cは、H、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル基、C
6-10アリール基、または5~10員ヘテロアリール基から選択され;
R
4はイソプロピル基である、
請求項
1に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、溶媒和物、水和物、結晶多形
、または
重水素同位体変異体、およびそれらの混合物。
【請求項16】
R
2はHであり;
R
3は、以下の基から選択され:
【化18】
(ここで、*は、該基が該一般式の残部に結合する位置を示す)、
R
3aはHであり;
R
3bは、C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
3cは、C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
4はイソプロピル基である、
請求項
1に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、溶媒和物、水和物、結晶多形
、または
重水素同位体変異体、およびそれらの混合物。
【請求項17】
【化19】
【化20】
【化21】
【化22】
から選択される、
化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、溶媒和物、水和物、結晶多形
、または
重水素同位体変異体。
【請求項18】
請求項1~17のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、溶媒和物、水和物、結晶多形
、または
重水素同位体変異体と、
薬学的に許容される賦形剤と
を含む医薬組成物であって、
任意に、さらに他の治療剤を含む、医薬組成物。
【請求項19】
CDKによる疾患を治療及び/又は予防するための薬物の調製への、請求項1~17のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、溶媒和物、水和物、結晶多形
、または
重水素同位体変異体の使用。
【請求項20】
前記CDKによる疾患は、癌、心血管疾患、感染症、慢性炎症性疾患、自己免疫疾患、および他の細胞増殖性障害
から選択される細胞増殖性疾患
である、請求項19に記載の使用。
【請求項21】
前記癌
は、固形腫瘍および血液悪性腫瘍
から選択され;
前記心血管疾患は、再狭窄、アテローム性動脈硬化、バルーン血管形成術に続発する血管平滑筋増殖と内膜増殖、および他の異常な細胞増殖による血管障害
から選択され、
前記感染症
は、真菌
の感染、原虫
の感染、DNA
ウイルスの
感染、およびRNAウイルスの感染
から選択され、
前記慢性炎症性疾患は
、関節リウマチであり、
前記他の細胞増殖性障害
は、乾癬、糸球体腎炎、およびループス
から選択される、
請求項
20に記載の使用。
【請求項22】
前記癌は、乳がん、神経芽細胞腫、悪性横紋筋肉腫、高分化型および脱分化型脂肪肉腫、神経膠腫、肺がん、結腸直腸がん、胃がん、消化管間質腫瘍(GIST)、肝細胞がん、前立腺腫瘍、肉腫、卵巣がん、子宮頸がん、膵臓がん、メラノーマ、甲状腺がん、胆管がん、子宮内膜がん、腎がん、中皮腫、リンパ腫、白血病、非ホジキンリンパ腫、マントル細胞リンパ腫、未分化大細胞リンパ腫、急性骨髄性白血病(AML)、および多発性骨髄腫から選択され、
前記感染症は、単純ヘルペスウイルス(HSV)感染または熱帯熱マラリア原虫であり、
前記他の細胞増殖性障害は、ケラチン生成細胞の過剰増殖を特徴とする乾癬である、
請求項19または20に記載の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サイクリン依存性キナーゼ(cyclin-dependent kinase,CDK)阻害剤として、CDKに対して広いスペクトルおよび強力な阻害活性を有する1H-ピラゾロ[4,3-H]キナゾリン系化合物を提供する。本発明の化合物は、癌および炎症などの疾患の治療に有効である。
【背景技術】
【0002】
癌は、世界中で二番目に多い死因である。世界保健機関が発表した「World Cancer Report 2014」は、世界中のがん患者と死亡症例が増加していることを明らかにした。新しい癌の症例のほぼ半数はアジアで発生し、そのほとんどは中国で発生した。また、このレポートは、世界中の癌の症例が2012年の1400万人から2025年の1900万人まで増加して2035年には2400万人に達する急速な成長傾向を予測した。その中、中国は世界の21.9%を占める。データによると、過去30年間に、中国では、癌による死亡率が80%増加し、癌の年間発症者数は約260万人、死亡者数は約180万人であった。
【0003】
細胞周期は細胞の生命活動の重要な部分である。研究によると、多種の悪性腫瘍の発生や成長は、細胞周期調節機構の障害と密接に関連しているため、腫瘍も細胞周期の疾患と見なされている。1970年代から、米国と英国の3人の科学者は、相次いでサイクリン依存性キナーゼとサイクリン(cyclin)の細胞調節における重要な役割を発見したため、2001年のノーベル生理学/医学賞を受賞した。細胞周期調節機構に関する研究の継続的な進歩に伴い、特に細胞周期調節におけるCDKの中心的な重要性を明らかにすることにより、サイクリン依存性キナーゼは、現在の抗癌剤の研究のホットスポットとなった。現在、CDK1、2、4、6および7が主に細胞周期への調節作用を発揮すると考えられる。
【0004】
CDK4およびCDK6の選択的阻害剤に加えて、すべてのCDK1、CDK2、CDK5、CDK9およびCDK12に対する阻害活性を有するDinaciclib(SCH-727965、MK-7965)などの汎用CDK阻害剤も臨床試験段階に入り、固形腫瘍の標的療法における有望な抗癌活性を示す。
【0005】
さまざまな疾患を治療する臨床ニーズを満たすには、より多くのCDK阻害剤が必要である。より高い有効性と選択的活性を備えたCDK阻害剤は、いくつかの特定の疾患(癌、心血管障害、感染症、自己免疫疾患など)に対してより優れた治療効果を示すため、この分野で追い求めている目標になる。
【発明の概要】
【0006】
本発明は、サイクリン依存性キナーゼ阻害剤として広いスペクトルおよび強力な阻害活性を有する1H-ピラゾロ[4,3-H]キナゾリン系化合物を提供する。本発明の化合物は、例えば、再狭窄、癌および炎症などの細胞増殖性障害の治療に有効である。既知の薬物と比較して、本発明の化合物は、既知の化合物に比べて、代謝安定性およびクリアランスを含む薬物動態特性をさらに改善する。さらに、本発明の化合物は、合成しやすく、様々な方法によって患者に投与される。
【0007】
本発明の一局面では、一般式(I)で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、溶媒和物、水和物、結晶多形(polymorph)、プロドラッグ或いは同位体変異体、およびそれらの混合物を提供する。
【化1】
但し、
A
1はCR
3またはNから選択され;
A
2はCR
3またはNから選択され;
A
3はCR
3またはNから選択され;
R
1は、H、ハロゲン、-CN、-OR
a、-SR
a、-NR
bR
c、-C(O)R
a、-C(O)OR
a、-C(O)NR
bR
c、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル基、C
6-10アリール基、または5~10員ヘテロアリール基から選択され、前記C
3-7シクロアルキル基または3~7員ヘテロシクリル基は、オキソ基またはチオキソ基で置換されていてもよく;
R
2は、H、ハロゲン、-CN、-OR
a、-SR
a、-NR
bR
c、-C(O)R
a、-C(O)OR
a、-C(O)NR
bR
c、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3~7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル基、C
6-10アリール基、または5~10員ヘテロアリール基から選択され、前記C
3-7シクロアルキル基または3~7員ヘテロシクリル基は、オキソ基またはチオキソ基で置換されていてもよく;
R
3は、H、ハロゲン、-CN、-NO
2、-L-OR
a、-L-SR
a、-L-NR
bR
c、-L-C(O)R
a、-L-C(O)OR
a、-L-C(O)NR
bR
c、-L-S(O)
mR
a、-L-S(O)
mOR
a、-L-S(O)
mNR
bR
c、-O-C
1-6アルキレン-R
6、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、-L’-C
3-7シクロアルキル基、-L’-3~11員ヘテロシクリル、-L’-C
6-10アリール、または-L’-5~10員ヘテロアリールから選択され、これらの基は、それぞれ1、2、3、4または5個のR
6基で置換されていてもよく;
R
4は、H、-C(O)R
a、-C(O)OR
a、-C(O)NR
bR
c、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル基、C
6-10アリール基または5~10員ヘテロアリール基から選択され;
R
5は、H、ハロゲン、-CN、-OR
a、-SR
a、-NR
bR
c、-C(O)R
a、-C(O)OR
a、-C(O)NR
bR
c、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル基、C
6-10アリール基、または5~10員ヘテロアリール基から選択され、前記C
3-7シクロアルキル基または3~7員ヘテロシクリル基は、オキソ基またはチオキソ基で置換されていてもよく;
R
6は、H、-NH
2、-NHC
1-6アルキル、-N(C
1-6アルキル)
2、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、-C
1-6アルキレン-OR
a、-L-C
3-7シクロアルキル、-L-3~7員ヘテロシクリル、-L-C
6-10アリール、または-L-5~10員ヘテロアリールから選択され;
或いは、同じ炭素原子上の2つのR
6基は、一緒にオキソ基またはチオキソ基を形成していてもよく;
ここで、
R
4は、1、2または3個のR’基で置換されていてもよく、R’は、独立して、H、ハロゲン、-CN、-NO
2、-OR
a、-SR
a、-NR
bR
c、-C(O)OR
a、-C(O)NR
bR
c、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル基、C
6-10アリール基、または5~10員ヘテロアリール基から選択され;
R
1-R
2およびR
5-R
6は、それぞれ1、2または3個のR”基で置換されていてもよく、R”基は、独立して、H、-OH、ハロゲン、-NO
2、カルボニル基、-L-CN、-L-OR
a、-L-SR
a、-L-NR
bR
c、-L-C(O)R
a、-L-C(S)R
a、-L-C(O)OR
a、-L-C(S)OR
a、-L-C(O)-NR
bR
c、-L-C(S)-NR
bR
c、-L-O-C(O)R
a、-L-O-C(S)R
a、-L-N(R
b)-C(O)-R
a、-L-N(R
b)-C(S)-R
a、-L-S(O)
mR
a、-L-S(O)
mOR
a、-L-S(O)
mNR
bR
c、-L-N(R
b)-S(O)
m-R
a、-L-N(R
b)-S(O)
m-NR
bR
c、-L-N(R
b)-C(O)OR
a、-L-N(R
b)-C(S)OR
a、-L-O-C
1-6アルキレン-OR
a、-L-C(O)-C
1-6アルキレン-NR
bR
c、-L-N(R
b)-C(O)-NR
bR
c、-L-N(R
b)-C(S)-NR
bR
c、-L-O-C(O)-NR
bR
c、-L-O-C(S)-NR
bR
c、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
2-6アルケニル基、C
2-6アルキニル基、-L-C
3-7シクロアルキル基、-L-3~7員ヘテロシクリル基、-L-C
6-10アリール基、または-L-5~10員ヘテロアリール基から選択され;ここで、前記C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
2-6アルケニル基、C
2-6アルキニル基、-L-C
3-7シクロアルキル基、-L-3~7員ヘテロシクリル基、-L-C
6-10アリール基、または-L-5~10員ヘテロアリール基は、-L-CN、-NO
2、カルボニル基、-L-OR
a、-L-SR
a、-L-NR
bR
c、-L-C(O)R
a、-L-C(S)R
a、-L-C(O)OR
a、-L-C(S)OR
a、-L-C(O)-NR
bR
c、-L-C(S)-NR
bR
c、-L-O-C(O)R
a、-L-O-C(S)R
a、-L-N(R
b)-C(O)-R
a、-L-N(R
b)-C(S)-R
a、-L-S(O)
mR
a、-L-S(O)
mOR
a、-L-S(O)
mNR
bR
c、-L-N(R
b)-S(O)
m-R
a、-L-N(R
b)-S(O)
m-R
bR
c、-L-N(R
b)-C(O)OR
a、-L-N(R
b)-C(S)OR
a、-L-O-C
1-6アルキレン-OR
a、-L-C(O)-C
1-6アルキレン-NR
bR
c、-L-N(R
b)-C(O)-NR
bR
c、-L-N(R
b)-C(S)-NR
bR
c、-L-O-C(O)-NR
bR
c、-L-O-C(S)-NR
bR
cからなる群から選択される1つ以上の基でさらに置換されていてもよく;
R
aは、独立して、H、C
1-6アルキル基、C
2-6アルケニル基、C
2-6アルキニル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、-L-C
3-7シクロアルキル基、-L-3~7員ヘテロシクリル基、-L-C
6-10アリール基、または-L-5~10員ヘテロアリール基から選択され;
R
bおよびR
cは、独立して、H、C
1-6アルキル基、C
2-6アルケニル基、C
2-6アルキニル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、-L-C
3-7シクロアルキル基、-L-3~7員ヘテロシクリル基、-L-C
6-10アリール基、または-L-5~10員ヘテロアリール基から選択され;または、R
bおよびR
cはN原子と一緒に3~7員ヘテロシクリル基を形成し;
R
a、R
bおよびR
cはそれぞれ、C
1-6アルキル基、C
2-6アルケニル基、C
2-6アルキニル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、-L-C
3-7シクロアルキル基、-L-3~7員ヘテロシクリル基、-L-C
6-10アリール基、または-L-5~10員ヘテロアリール基からなる群から選択される1つ以上の基でさらに置換されていてもよく;
Lは、化学結合、-C
1-6アルキレン-、-C
2-6アルケニレン-または-C
2-6アルキニレン-から選択され;
L’は、化学結合、-O-、-NH-、-C(O)-、-C(O)NH-、-NHC(O)-、-C
1-6アルキレン-、-C
2-6アルケニレン-、または-C
2-6アルキニレン-から選択され;
mは0、1、または2である。
【0008】
また、別の局面では、本発明は、本発明の化合物、および薬学的に許容される任意の賦形剤を含む医薬組成物を提供する。
【0009】
また、別の局面では、本発明は、本発明の化合物および薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物を提供し、この医薬組成物は、さらに他の治療薬を含む。
【0010】
また、別の局面では、本発明は、本発明の化合物、他の治療薬、および薬学的に許容される担体、アジュバントまたは媒介物を含むキットを提供する。
【0011】
また、別の局面では、本発明は、CDKによる疾患を治療及び/又は予防するための薬物の調製への、本発明の化合物の使用を提供する。
【0012】
また、別の局面では、本発明は、本発明の化合物または本発明の組成物を被験者に投与することを含む、前記被験者におけるCDKによる疾患を治療および/または予防する方法を提供する。
【0013】
また、別の局面では、本発明は、CDKによる疾患の治療および/または予防のための本発明の化合物または本発明の組成物を提供する。
【0014】
具体的な実施形態において、前記疾患は、癌、心血管疾患、感染症、慢性炎症性疾患、自己免疫疾患、および他の細胞増殖性障害を含むが、これらに限定されない。より具体的には、前記癌として、例えば、乳がん、神経芽細胞腫、悪性横紋筋肉腫、高分化型および脱分化型脂肪肉腫、神経膠腫、肺がん、結腸直腸がん、胃がん、消化管間質腫瘍(GIST)、肝細胞がん、前立腺腫瘍、肉腫、卵巣がん、子宮頸がん、膵臓がん、メラノーマ、甲状腺がん、胆管がん、子宮内膜がん、腎がん、中皮腫、リンパ腫、白血病、非ホジキンリンパ腫、マントル細胞リンパ腫、未分化大細胞リンパ腫、急性骨髄性白血病(AML)、および多発性骨髄腫などの固形腫瘍および血液悪性腫瘍が挙げられるが、これらに限定されない。前記心血管疾患は、例えば、再狭窄、アテローム性動脈硬化、バルーン血管形成術に続発する血管平滑筋増殖と内膜増殖、および異常な細胞増殖による血管障害である。前記感染症として、真菌、原虫(例えば、熱帯熱マラリア原虫など)、ならびに単純ヘルペスウイルス(HSV)感染などのDNAおよびRNAウイルスの感染を含む。前記慢性炎症性疾患は、例えば関節リウマチである。前記他の細胞増殖性障害として、(ケラチン生成細胞の過剰増殖を特徴とする)乾癬、糸球体腎炎、ループスなどが挙げれれる。
【0015】
本発明の他の目的および利点は、以下の具体的な実施形態、実施例および特許請求の範囲から、当業者に明らかである。
【0016】
定義
化学定義
以下、具体的な官能基と化学用語の定義についてより詳細に説明する。
【0017】
数値範囲が挙げられる場合、その範囲内の各値および部分範囲を含む。例えば、「C1-6アルキル基」は、C1、C2、C3、C4、C5、C6、C1-6、C1-5、C1-4、C1-3、C1-2、C2-6、C2-5、C2-4、C2-3、C3-6、C3-5、C3-4、C4-6、C4-5、C5-6アルキル基を含む。
【0018】
「C1-6アルキル基」とは、1~6個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖の飽和炭化水素基を指す。一部の実施形態では、C1-4アルキル基が好ましい。C1-6アルキル基の例として、メチル(C1)、エチル(C2)、n-プロピル(C3)、イソプロピル(C3)、n-ブチル(C4)、tert-ブチル(C4)、sec-ブチル(C4)、イソブチル(C4)、n-ペンチル(C5)、3-ペンチル(C5)、ペンチル(C5)、ネオペンチル(C5)、3-メチル-2-ブチル(C5)、tert-ペンチル(C5)、n-ヘキシル(C6)などが挙げられる。「C1-6アルキル基」という用語には、1個以上(例えば、1、2、3または4個)の炭素原子がヘテロ原子(例えば、酸素、硫黄、窒素、ホウ素、ケイ素、リン)で置換されたヘテロアルキル基も含まれる。アルキル基は、1個以上の置換基、例えば1~5個の置換基、1~3個の置換基または1個の置換基で置換されてもよい。通常、アルキルの略語として、Me(-CH3)、Et(-CH2CH3)、iPr(-CH(CH3)2)、nPr(-CH2CH2CH3)、n-Bu(-CH2CH2CH2CH3)またはi-Bu(-CH2CH(CH3)2)が挙げられる。
【0019】
「C2-6アルケニル基」とは、2~6個の炭素原子および少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を有する直鎖または分岐鎖の炭化水素基を指す。一部の実施形態では、C2-4アルケニル基が好ましい。C2-6アルケニル基の例として、ビニル(C2)、1-プロペニル(C3)、2-プロペニル(C3)、1-ブテニル(C4)、2-ブテニル(C4)、ブタジエニル(C4)、ペンテニル(C5)、ペンタジエニル(C5)、ヘキセニル(C6)などが挙げられる。「C1-6アルケニル基」という用語には、1個以上(例えば、1、2、3または4個)の炭素原子がヘテロ原子(例えば、酸素、硫黄、窒素、ホウ素、ケイ素、リン)で置換されたヘテロアルケニル基も含まれる。アルケニル基は、1個以上の置換基、例えば1~5個の置換基、1~3個の置換基または1個の置換基で置換されされてもよい。
【0020】
「C2-6アルキニル基」とは、2~6個の炭素原子、少なくとも1つの炭素-炭素三重結合、および必要に応じて1つ以上の炭素-炭素二重結合を有する直鎖または分岐鎖の炭化水素基を指す。一部の実施形態では、C2-4アルキニル基が好ましい。C2-6アルキニル基の例として、エチニル(C2)、1-プロピニル(C3)、2-プロピニル(C3)、1-ブチニル(C4)、2-ブチニル(C4)、ペンチニル(C5)、ヘキシニル(C6)などが挙げられるが、これらに限定されない。「C2-6アルキニル基」という用語には、1個以上(例えば、1、2、3または4個)の炭素原子がヘテロ原子(例えば、酸素、硫黄、窒素、ホウ素、ケイ素、リン)で置換されたヘテロアルキニル基も含まれる。アルキニル基は、1個以上の置換基、例えば1~5個の置換基、1~3個の置換基または1個の置換基で置換されてもよい。
【0021】
「-C1-6アルキレン-、-C2-6アルケニレン-、または-C2-6アルキニレン-」とは、以上定義された「C1-6アルキル基、C2-6アルケニル基、またはC2-6アルキニル基」の二価の基を指す。
【0022】
「C1-6アルキレン」は、C1-6アルキル基から他の1つの水素を除去した二価の基を指し、置換または非置換のアルキレンであってもよい。一部の実施形態では、C1-4アルキレンが特に好ましい。非置換アルキレンとして、メチレン(-CH2-)、エチレン(-CH2CH2-)、プロピレン(-CH2CH2CH2-)、ブチレン(-CH2CH2CH2CH2-)、ペンチレン(-CH2CH2CH2CH2CH2-)、ヘキシレン(-CH2CH2CH2CH2CH2CH2-)などが挙げられるが、これらに限定されない。典型的な置換アルキレンとして、例えば、置換メチレン(-CH(CH3)-、-C(CH3)2-)、置換エチレン(-CH(CH3)CH2-、-CH2CH(CH3)-、-C(CH3)2CH2-、-CH2C(CH3)2-)、置換プロピレン(-CH(CH3)CH2CH2-、-CH2CH(CH3)CH2-、-CH2CH2CH(CH3)-、-C(CH3)2CH2CH2-、-CH2C(CH3)2CH2-、-CH2CH2C(CH3)2-)などの1つ以上のアルキル(メチル)で置換されたアルキレンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0023】
「C2-6アルケニレン」は、C2-6アルケニレンから他の1つの水素を除去した二価の基を指し、置換または非置換のアルケニレンであってもよい。一部の実施形態では、C2-4アルケニレンが特に好ましい。例示的な非置換アルケニレン基として、エテニレン(-CH=CH-)およびプロペニレン(例えば、-CH=CHCH2-、-CH2-CH=CH-)が挙げられるが、これらに限定されない。例示的な置換アルケニレン基として、例えば、置換エテニレン(-C(CH3)=CH-、-CH=C(CH3)-)、置換プロペニレン(-C(CH3)=CHCH2-、-CH=C(CH3)CH2-、-CH=CHCH(CH3)-、-CH=CHC(CH3)2-、-CH(CH3)-CH=CH-、-C(CH3)2-CH=CH-、-CH2-C(CH3)=CH-、-CH2-CH=C(CH3)-)などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0024】
「C2-6アルキニレン」は、C2-6アルキニレンから他の1つの水素を除去した二価の基を指し、置換または非置換のアルキニレンであってもよい。一部の実施形態では、C2-4アルキニレンが特に好ましい。例示的なアルキニレン基として、エチニレン(-C≡C-)、置換または非置換プロピニレン(-C≡CCH2-)などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0025】
「ハロゲン化」または「ハロゲン」は、フッ素(F)、塩素(Cl)、臭素(Br)およびヨウ素(I)を意味する。
【0026】
「C1-6ハロゲン化アルキル基」とは、1つ以上のハロゲン基で置換された前記「C1-6アルキル基」を意味する。例として、モノハロゲン化、ジハロゲン化、およびパーハロゲン化が挙げられる。モノハロゲン置換基は、1つのヨウ素、臭素、塩素またはフッ素原子を有しても良い。ジハロゲン置換基およびポリハロゲン置換基は、2つ以上の同一のハロゲン原子または異なるハロゲンの組み合わせを有しても良い。好ましいハロゲン化アルキル基の例として、モノフルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、ペンタフルオロエチル、ヘプタフルオロプロピル、ジフルオロクロロメチル、ジクロロフルオロメチル、ジフルオロエチル、ジフルオロプロピル、ジクロロエチルおよびジクロロプロピルが挙げられる。ハロゲン化アルキル基は、任意の利用可能な結合部位に、例えば、1~5個の置換基、1~3個の置換基、または1個の置換基で置換される。
【0027】
「C3-7シクロアルキル基」とは、3~7個の環炭素原子および0個のヘテロ原子を持つ非芳香族環式炭化水素基を指す。一部の実施形態において、C3-6シクロアルキル基は特に好ましく、C5-6シクロアルキル基が更に好ましい。シクロアルキル基には、さらに、前記シクロアルキル環が1個以上のアリール基或はヘテロアリール基と縮合した環系を含み、ここで、連結点はシクロアルキル環に位置し、また、このような場合、炭素数は依然としてシクロアルキル系中の炭素数を示す。例示的な前記シクロアルキル基として、シクロプロピル(C3)、シクロプロペニル(C3)、シクロブチル(C4)、シクロブテニル(C4)、シクロペンチル(C5)、シクロペンテニル(C5)、シクロヘキシル(C6)、シクロヘキセニル(C6)、シクロヘキサジエニル(C6)、シクロヘプチル(C7)、シクロヘプテニル(C7)、シクロヘプタジエニル(C7)、シクロヘプタトリエニル(C7)などが挙げられるが、それらに限定されない。シクロアルキル基は、1個以上の置換基、例えば1~5個の置換基、1~3個の置換基または1個の置換基で置換されてもよい。
【0028】
「3~11員ヘテロシクリル基」は、環炭素原子と1~5個の環ヘテロ原子を有する3~11員非芳香環系の基であり、ここで、各ヘテロ原子は独立して窒素、酸素、硫黄、ホウ素、リンおよびケイ素から選択される。1個以上の窒素原子を含むヘテロシクリル基において、結合価が許容される限り、連結部位は炭素または窒素原子であってもよい。一部の実施形態では、環炭素原子および1~5個の環ヘテロ原子を有する3~9員の非芳香族環系である3~9員ヘテロシクリル基が好ましい。一部の実施形態では、環炭素原子および1~4個の環ヘテロ原子を有する3~7員の非芳香族環系である3~7員ヘテロシクリル基が好ましい。環炭素原子および1~3個の環ヘテロ原子を有する3~6員の非芳香族環系である3~6員ヘテロシクリル基が好ましい。環炭素原子および1~3個の環ヘテロ原子を有する4~6員の非芳香族環系である4~6員ヘテロシクリル基が好ましい。環炭素原子および1~3個の環ヘテロ原子を有する5~6員の非芳香族環系である5~6員ヘテロシクリル基がより好ましい。さらに、ヘテロシクリル基は、前記ヘテロシクリル基環と1つ以上のシクロアルキル基と縮合した環系を含み、ここで、連結点はシクロアルキル環上に位置する;或は、前記ヘテロシクリル環が一つ或は複数のアリール基或はヘテロアリール基と縮合した環系を含み、その中、連結点はヘテロシクリル環上に位置する。且つ、このような情況で、環員数は、依然としてヘテロシクリル基の環の員数を示す。1個のヘテロ原子を含む例示的な3員ヘテロシクリルの例として、アジリジニル、オキシラニル、チオレニル(thiorenyl)が挙げられるが、それらに限定されない。1個のヘテロ原子を含む例示的な4員ヘテロシクリル基の例として、アゼチジニル、オキセタニル、およびチエタニルが挙げられるが、これらに限定されない。1個のヘテロ原子を含む例示的な5員ヘテロシクリル基の例として、テトラヒドロフラニル、ジヒドロフラニル、テトラヒドロチオフェニル、ジヒドロチオフェニル、ピロリジニル、ジヒドロピロリル、およびピロリル-2,5-ジオンが挙げられるが、それに限定されない。2個のヘテロ原子を含む例示的な5員ヘテロシクリルの例として、ジオキソラニル、オキサスルフラニル(oxasulfuranyl)、ジスルフラニル(disulfuranyl)、オキサゾリジン-2-オンが挙げられるが、これらには限定されない。3個のヘテロ原子を含む例示的な5員ヘテロシクリル基の例として、トリアゾリニル、オキサジアゾリニル、およびチアジアゾリニルが挙げられるが、これらに限定されない。1個のヘテロ原子を含む例示的な6員ヘテロシクリル基の例として、ピペリジニル、テトラヒドロピラニル、ジヒドロピリジニル、およびチアニル(thianyl)が挙げられるが、それらに限定されない。2個のヘテロ原子を含む例示的な6員ヘテロシクリル基の例として、ピペラジニル、モルホリニル、ジチアニル、ジオキサニルが挙げられるが、それらに限定されない。3個のヘテロ原子を含む例示的な6員ヘテロシクリルの例として、トリアジナニル(triazinanyl)が挙げられるが、それに限定されない。1個のヘテロ原子を含む例示的な7員ヘテロシクリル基の例として、アゼパニル、オキセパニル、チエパニルが挙げられるが、これらに限定されない。C6アリール環に縮合された例示的な5員ヘテロシクリル基(本明細書では、5,6-二環式ヘテロシクリルとも称される)として、インドリニル、イソインドリニル、ジヒドロベンゾフラニル、ジヒドロベンゾチエニル、ベンゾオキサゾリノニルなどが挙げられるが、これらに限定されない。C6アリール環に縮合された例示的な6員ヘテロシクリル基(本明細書では、6,6-二環式ヘテロシクリル基とも称される)として、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニルなどが挙げられるが、これらには限定されない。ヘテロシクリル基は、1個以上の置換基、例えば1~5個の置換基、1~3個の置換基または1個の置換基で置換されてもよい。
【0029】
さらに、3~11員のヘテロシクリル基には、スピロヘテロシクリル基、即ち、2つの環(例えば、ヘテロシクリルおよびカルボシクリル)が1つの炭素原子を共有する基を含み、ここで、少なくとも1つの環は上記で定義したヘテロシクリル基である。より具体的には、前記スピロヘテロシクリル基は、2つの4員環、2つの5員環、2つの6員環、1つの4員環と1つの5員環、1つの4員環と1つの6員環、または1つの5員環と1つの6員環によって形成されたスピロ環であり、ここで、少なくとも1つの環が上記で定義した4~6員ヘテロシクリル基、1個、2個または3個のヘテロ原子O、N又はSを含む4~6員ヘテロシクリル基が好ましく、1個のヘテロ原子Nを含む4~6員ヘテロシクリル基がより好ましい。具体的に、スピロヘテロシクリル基として、以下のものが挙げられるが、これらに限定されない。
【化2】
【0030】
好ましいヘテロシクリル基として、ピロリニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、テトラヒドロピラニル、ジヒドロピラニル、ジヒドロフリル、チアゾリジニル、ジヒドロチアゾリル、2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジオキソール、インドリニル、イソインドリニル、ジヒドロベンゾチオフェン、ジヒドロベンゾフラニル、ジヒドロベンゾピラニル、1,2-ジヒドロイソキノリン、1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン、1,2,3,4-テトラヒドロキノリン、2,3,4,4a,9,9a-ヘキサヒドロ-1H-3-アザフルオレン、5,6,7-トリヒドロ-1,2,4-トリアゾロ[3,4-a]イソキノリル、3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[1,4]オキサジニル、ベンゾ[1,4]ジオキソール、2,3-ジヒドロ-1H-lk’-ベンゾ[d]イソチアゾール-6-イル、2,3-ジベンゾ[1,4]ジオキシニル、ジヒドロベンゾフラン、2-オキソアジリジン-1-イル、2-オキソアゼチジン-1-イル、2-オキソピロリジン-1-イル、2-オキソピペリジン-1-イル、2-オキソアゼパン-1-イル、2-オキソアゾカン-1-イル、2-オキソアゾナン-1-イル、2-オキソアゼカン-1-イル、アジリジン、アゼチジン、ピロリジニル、ピペリジン、アゼパン、アゾカン、アゾナン、アゼカン、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、ジアザスピロ[3.3]ヘプタン、ジアザスピロ[3.4]オクタン、ジアザスピロ[3.5]ノナン、ジアザスピロ[4.4]ノナン、ジアザスピロ[4.5]デカン、およびジアザスピロ[5.5]ウンデカンが挙げられる。
【0031】
「C6-10アリール基」は、6~10個の環炭素原子および0個のヘテロ原子を有する単環式または多環式(例えば、二環式)の4n+2芳香環系(例えば、環状の配列で共有する6または10個のπ電子を有する)の基を指す。一部の実施形態において、アリール基は、6個の環炭素原子を有する(「C6アリール」;例えば、フェニル基)。一部の実施形態において、アリール基は、10個の環炭素原子を有する(「C10アリール」;例えば、1-ナフチル、2-ナフチルなどのナフチル)。アリール基は、更に前記アリール環が1個以上のシクロアルキル基或はヘテロシクリル基と縮合した環系を含み、且つ、連結部位は前記アリール環に位置し、この場合、炭素原子数は依然として前記アリール環系内の炭素原子数を示す。アリール基は、1個以上の置換基、例えば1~5個の置換基、1~3個の置換基または1個の置換基で置換されてもよい。
【0032】
「5~10員ヘテロアリール基」は、環炭素原子および1~4個の環ヘテロ原子を有する5~10員の単環式または二環式の4n+2芳香環系(例えば、環状の配列で共有された6または10個のπ電子を有する)を有する基であり、ここで、各ヘテロ原子は独立して窒素、酸素および硫黄から選択される。1個以上の窒素原子を含むヘテロアリール基において、結合価が許容される限り、連結点は炭素または窒素原子であり得る。ヘテロアリール二環式環系は、一方または両方の環に1個以上のヘテロ原子を含み得る。ヘテロアリール基は、さらに前記ヘテロアリール環が一つ或は複数のシクロアルキル基或はヘテロシクリル基と縮合した環システムを含み、且つ連結部位は前記ヘテロアリール環に位置し、その場合、炭素原子数は依然として前記ヘテロアリール環系中の炭素原子数を示す。一部の実施形態において、環炭素原子と1-4の環ヘテロ原子を有する5-6員単環式或は双環の4n+2芳香環系である5~6員ヘテロアリール基は特に好ましい。1個のヘテロ原子を含む例示的な5員ヘテロアリール基として、ピロリル、フラニル、およびチオフェニルが挙げられるが、これらに限定されない。2個のヘテロ原子を含む例示的な5員ヘテロアリール基として、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、およびイソチアゾリルが挙げられるが、これらに限定されない。3個のヘテロ原子を含む例示的な5員ヘテロアリール基として、トリアゾリル、オキサジアゾリル(例えば、1,2,4-オキサジアゾリル)、およびチアジアゾリルが挙げられるが、これらに限定されない。4個のヘテロ原子を含む例示的な5員ヘテロアリール基として、テトラゾリルが挙げられるが、これに限定されない。1個のヘテロ原子を含む例示的な6員ヘテロアリール基として、ピリジニルが挙げられるが、これらに限定されない。2個のヘテロ原子を含む例示的な6員ヘテロアリール基として、ピリダジニル、ピリミジニル、およびピラジニルが挙げられるが、これらに限定されない。3または4個のヘテロ原子を含む例示的な6員ヘテロアリール基として、それぞれトリアジニルおよびテトラジニルが挙げられるが、これらに限定されない。1個のヘテロ原子を含む例示的な7員ヘテロアリール基として、アゼピニル、オキセピニル、およびチエピニルが挙げられるが、これらに限定されない。例示的な5,6-二環式ヘテロアリール基として、インドリル、イソインドリル、インダゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾチオフェニル、イソベンゾチオフェニル、ベンゾフラニル、ベンゾイソフラニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンズイソオキサゾリル、ベンゾオキサジアゾリル、ベンズチアゾリル、ベンズイソチアゾリル、ベンズチアジアゾリル、インドリジニル、およびプリニルが挙げられるが、これらに限定されない。例示的な6,6-二環式ヘテロアリール基として、ナフチリジニル、プテリジニル、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、キノキサリニル、フタラジニル、およびキナゾリニルが挙げられるが、これらに限定されない。ヘテロアリール基は、1個以上の置換基、例えば1~5個の置換基、1~3個の置換基または1個の置換基で置換されてもよい。
【0033】
好ましいヘテロアリール基の例として、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、2-ピリジル、3-ピリジル、4-ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、トリアゾリル(4H-1,2,4-トリアゾリル、1H-1,2,3-トリアゾリル、2H-1,2,3-トリアゾリル、ピラニル、2-フリル、3-フラン、2-チエニル、3-チエニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサゾリル(1,2,4-オキサゾリル、1,3,4-オキサゾリル、1,2,5-オキサゾリル)、チアゾリル、チアジアゾリル(1,2,4-チアジアゾリル、1,3,4-チアジアゾリル、1,2,5-チアジアゾリル)が挙げられる。
【0034】
「カルボニル」は、単独で使用される場合にも、または他の用語と組み合わせて使用される(例えば、アミノカルボニル)場合にも、-C(O)-で表される。
【0035】
「オキソ」は=Oを表す。
【0036】
「チオキソ」は=Sを表す。
【0037】
本明細書で定義されるアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、カルボシクリル基、ヘテロシクリル基、アリール基、およびヘテロアリール基は、置換されていてもよいものである。
【0038】
例示的な炭素原子置換基としては、ハロゲン、-CN、-NO2、-N3、-SO2H、-SO3H、-OH、-ORaa、-ON(Rbb)2、-N(Rbb)2、-N(Rbb)3
+X-、-N(ORcc)Rbb、-SH、-SRaa、-SSRcc、-C(=O)Raa、-CO2H、-CHO、-C(ORcc)2、-CO2Raa、-OC(=O)Raa、-OCO2Raa、-C(=O)N(Rbb)2、-OC(=O)N(Rbb)2、-NRbbC(=O)Raa、-NRbbCO2Raa、-NRbbC(=O)N(Rbb)2、-C(=NRbb)Raa、-C(=NRbb)ORaa、-OC(=NRbb)Raa、-OC(=NRbb)ORaa、-C(=NRbb)N(Rbb)2、-OC(=NRbb)N(Rbb)2、-NRbbC(=NRbb)N(Rbb)2、-C(=O)NRbbSO2Raa、-NRbbSO2Raa、-SO2N(Rbb)2、-SO2Raa、-SO2ORaa、-OSO2Raa、-S(=O)Raa、-OS(=O)Raa、-Si(Raa)3、-OSi(Raa)3、-C(=S)N(Rbb)2、-C(=O)SRaa、-C(=S)SRaa、-SC(=S)SRaa、-SC(=O)SRaa、-OC(=O)SRaa、-SC(=O)ORaa、-SC(=O)Raa、-P(=O)2Raa、-OP(=O)2Raa、-P(=O)(Raa)2、-OP(=O)(Raa)2、-OP(=O)(ORcc)2、-P(=O)2N(Rbb)2、-OP(=O)2N(Rbb)2、-P(=O)(NRbb)2、-OP(=O)(NRbb)2、-NRbbP(=O)(ORcc)2、-NRbbP(=O)(NRbb)2、-P(Rcc)2、-P(Rcc)3、-OP(Rcc)2、-OP(Rcc)3、-B(Raa)2、-B(ORcc)2、-BRaa(ORcc)、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、アルキニル、炭素環基、複素環基、アリール、およびヘテロアリールが挙げられるが、これらに限定されず、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、炭素環基、複素環基、アリール、およびヘテロアリールは、独立して、0、1、2、3、4もしくは5個のRdd基で置換される;
または、炭素原子上の2つのジェミナル水素は、=O、=S、=NN(Rbb)2、=NNRbbC(=O)Raa、=NNRbbC(=O)ORaa、=NNRbbS(=O)2Raa、=NRbbもしくは=NORcc基で置換される;
各Raaは、独立して、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、アルキニル、炭素環基、複素環基、アリール、およびヘテロアリールから選択されるか、または2つのRaa基が連結して、複素環基もしくはヘテロアリール環を形成し、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、炭素環基、複素環基、アリール、およびヘテロアリールは、独立して、0、1、2、3、4もしくは5個のRdd基で置換される;
各Rbbは、独立して、水素、-OH、-ORaa、-N(Rcc)2、-CN、-C(=O)Raa、-C(=O)N(Rcc)2、-CO2Raa、-SO2Raa、-C(=NRcc)ORaa、-C(=NRcc)N(Rcc)2、-SO2N(Rcc)2、-SO2Rcc、-SO2ORcc、-SORaa、-C(=S)N(Rcc)2、-C(=O)SRcc、-C(=S)SRcc、-P(=O)2Raa、-P(=O)(Raa)2、-P(=O)2N(Rcc)2、-P(=O)(NRcc)2、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、アルキニル、炭素環基、複素環基、アリール、およびヘテロアリールから選択されるか、または2つのRbb基が連結して、複素環基もしくはヘテロアリール環を形成し、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、炭素環基、複素環基、アリール、およびヘテロアリールは、独立して、0、1、2、3、4もしくは5個のRdd基で置換される;
各Rccは、独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、アルキニル、炭素環基、複素環基、アリール、およびヘテロアリールから選択されるか、または2つのRcc基が連結して、複素環基もしくはヘテロアリール環を形成し、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、炭素環基、複素環基、アリール、およびヘテロアリールは、独立して、0、1、2、3、4もしくは5個のRdd基で置換される;
各Rddは、独立して、ハロゲン、-CN、-NO2、-N3、-SO2H、-SO3H、-OH、-ORee、-ON(Rff)2、-N(Rff)2、-N(Rff)3
+X-、-N(ORee)Rff、-SH、-SRee、-SSRee、-C(=O)Ree、-CO2H、-CO2Ree、-OC(=O)Ree、-OCO2Ree、-C(=O)N(Rff)2、-OC(=O)N(Rff)2、-NRffC(=O)Ree、-NRffCO2Ree、-NRffC(=O)N(Rff)2、-C(=NRff)ORee、-OC(=NRff)Ree、-OC(=NRff)ORee、-C(=NRff)N(Rff)2、-OC(=NRff)N(Rff)2、-NRffC(=NRff)N(Rff)2、-NRffSO2Ree、-SO2N(Rff)2、-SO2Ree、-SO2ORee、-OSO2Ree、-S(=O)Ree、-Si(Ree)3、-OSi(Ree)3、-C(=S)N(Rff)2、-C(=O)SRee、-C(=S)SRee、-SC(=S)SRee、-P(=O)2Ree、-P(=O)(Ree)2、-OP(=O)(Ree)2、-OP(=O)(ORee)2、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、アルキニル、炭素環基、複素環基、アリール、ヘテロアリールから選択され、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、炭素環基、複素環基、アリール、およびヘテロアリールは、独立して、0、1、2、3、4もしくは5個のRgg基で置換されるか、または2つのジェミナルRdd置換基が連結して=Oもしくは=Sを形成し得る;
各Reeは、独立して、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、アルキニル、炭素環基、アリール、複素環基、およびヘテロアリールから選択され、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、炭素環基、複素環基、アリール、およびヘテロアリールは、独立して、0、1、2、3、4もしくは5個のRgg基で置換される;
各Rffは、独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、アルキニル、炭素環基、複素環基、アリール、およびヘテロアリールから選択されるか、または2つのRff基が連結して、複素環基またはヘテロアリール環を形成し、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、炭素環基、複素環基、アリール、およびヘテロアリールは、独立して、0、1、2、3、4もしくは5個のRgg基で置換される;
各Rggは、独立して、ハロゲン、-CN、-NO2、-N3、-SO2H、-SO3H、-OH、-OC1-6アルキル基、-ON(C1-6アルキル基)2、-N(C1-6アルキル基)2、-N(C1-6アルキル基)3
+X-、-NH(C1-6アルキル基)2
+X-、-NH2(C1-6アルキル基)+X-、-NH3
+X-、-N(OC1-6アルキル基)(C1-6アルキル基)、-N(OH)(C1-6アルキル基)、-NH(OH)、-SH、-SC1-6アルキル基、-SS(C1-6アルキル基)、-C(=O)(C1-6アルキル基)、-CO2H、-CO2(C1-6アルキル基)、-OC(=O)(C1-6アルキル基)、-OCO2(C1-6アルキル基)、-C(=O)NH2、-C(=O)N(C1-6アルキル基)2、-OC(=O)NH(C1-6アルキル基)、-NHC(=O)(C1-6アルキル基)、-N(C1-6アルキル基)C(=O)(C1-6アルキル基)、-NHCO2(C1-6アルキル基)、-NHC(=O)N(C1-6アルキル基)2、-NHC(=O)NH(C1-6アルキル基)、-NHC(=O)NH2、-C(=NH)O(C1-6アルキル基)、-OC(=NH)(C1-6アルキル基)、-OC(=NH)OC1-6アルキル基、-C(=NH)N(C1-6アルキル基)2、-C(=NH)NH(C1-6アルキル基)、-C(=NH)NH2、-OC(=NH)N(C1-6アルキル基)2、-OC(NH)NH(C1-6アルキル基)、-OC(NH)NH2、-NHC(NH)N(C1-6アルキル基)2、-NHC(=NH)NH2、-NHSO2(C1-6アルキル基)、-SO2N(C1-6アルキル基)2、-SO2NH(C1-6アルキル基)、-SO2NH2、-SO2C1-6アルキル基、-SO2OC1-6アルキル基、-OSO2C1-6アルキル基、-SOC1-6アルキル基、-Si(C1-6アルキル基)3、-OSi(C1-6アルキル基)3、-C(=S)N(C1-6アルキル基)2、C(=S)NH(C1-6アルキル基)、C(=S)NH2、-C(=O)S(C1-6アルキル基)、-C(=S)SC1-6アルキル基、-SC(=S)SC1-6アルキル基、-P(=O)2(C1-6アルキル基)、-P(=O)(C1-6アルキル基)2、-OP(=O)(C1-6アルキル基)2、-OP(=O)(OC1-6アルキル基)2、C1-6アルキル基、C1-6ハロアルキル基、C2-C6アルケニル基、C2-C6アルキニル基、C3-C7炭素環基、C6-C10アリール基、C3-C7複素環基、C5-C10ヘテロアリール基であるか;または2つのジェミナルRgg置換基が連結して=Oもしくは=Sを形成してもよく;ここで、X-は、対イオンである。
【0039】
例示的な窒素原子上の置換基としては、水素、-OH、-ORaa、-N(Rcc)2、-CN、-C(=O)Raa、-C(=O)N(Rcc)2、-CO2Raa、-SO2Raa、-C(=NRbb)Raa、-C(=NRcc)ORaa、-C(=NRcc)N(Rcc)2、-SO2N(Rcc)2、-SO2Rcc、-SO2ORcc、-SORaa、-C(=S)N(Rcc)2、-C(=O)SRcc、-C(=S)SRcc、-P(=O)2Raa、-P(=O)(Raa)2、-P(=O)2N(Rcc)2、-P(=O)(NRcc)2、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、アルキニル、炭素環基、複素環基、アリール、およびヘテロアリールが挙げられるが、これらに限定されないか、または窒素原子に結合した2つのRcc基は、連結して、複素環基もしくはヘテロアリール環を形成し、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、炭素環基、複素環基、アリール、およびヘテロアリールは、独立して、0、1、2、3、4もしくは5個のRdd基で置換され、ここで、Raa、Rbb、RccおよびRddは、上記の通りである。
【0040】
他の定義
「癌」という用語は、乳房、卵巣、子宮頸部、前立腺、精巣、食道、胃、皮膚、肺、骨、結腸、膵臓、甲状腺、胆道、頬面窩洞および咽頭(口)、唇、舌、口、咽頭、小腸、結腸直腸、大腸、直腸、脳および中枢神経系の癌、神経膠芽腫、神経芽細胞腫、角化棘細胞腫、類表皮癌、大細胞癌、腺癌、腺腫、濾胞状癌、未分化癌、乳頭癌、セミノーマ、メラノーマ、肉腫、膀胱癌、肝臓癌、腎臓癌、骨髄障害、リンパ障害、ホジキン病、有毛細胞癌、および白血病などの癌が含まれるが、これらに限定されない。
【0041】
本明細書で使用される「治療」という用語は、この用語が適用される障害または病状、或いはこのような障害または病状の1つ以上の症状の進行または予防の逆転、緩和、抑制に関する。本明細書で使用される名詞「治療」は、動詞である治療の行為に関連し、後者は前記定義の通りである。
【0042】
本明細書で使用される「薬学的に許容される塩」という用語は、本発明の化合物のカルボン酸塩やアミノ酸付加塩は、健全な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー反応などを伴わずに、患者の組織と接触して使用することに適し、合理的な利益/リスク比に見合って、それらの所望の応用に有効であり、可能であれば、本発明の化合物の双性イオン型を含む。
【0043】
「塩」という用語は、本発明の化合物の比較的非毒性の無機および有機酸付加塩を意味する。これらの塩は、化合物の最終的な単離および精製段階にin situで調製され、或いは、遊離塩基形態の精製化合物を適切な有機または無機酸と別々に反応させて生成される塩を単離することにより調製される。本発明の化合物が塩基性化合物である限り、それらは様々な無機酸および有機酸と複数の異なる塩を形成することができる。このような塩は動物への投与に対して薬学的に許容される必要があるが、実際には、最初に反応混合物から塩基性化合物の薬学的に許容されない塩を単離した後、塩基性の試薬で処理して単純に遊離塩基化合物に変換し、続いて遊離塩基を薬学的に許容される酸付加塩に変換する。塩基性化合物の酸付加塩は、通常の方法で遊離塩基形態を十分な量の所望の酸と接触させて塩を形成することにより調製される。遊離塩基は、通常の方法で塩の形態を塩基と接触させ、さらに遊離塩基を単離することで、再生される。遊離塩基の形態は、例えば、極性溶媒への溶解度などの物理的特性がそれぞれの塩の形態によって多少異なるが、本発明の目的では、塩はそれぞれの遊離塩基と同等である。
【0044】
薬学的に許容される塩基付加塩は、例えば、アルカリ金属およびアルカリ土類金属の水酸化物または有機アミンなどの金属またはアミンで形成される。カチオンとして使用される金属の例として、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウムなどが挙げられる。好ましいアミンの例として、N、N’-ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、N-メチルグルカミンおよびプロカインが挙げられる。
【0045】
酸性化合物の塩基付加塩は、従来の方法で遊離酸の形態と十分な量の必要な塩基とを接触させて塩を形成することにより調製することができる。遊離酸は、通常の方法で塩の形態を酸と接触させ、さらに遊離酸を単離することで、再生される。遊離酸の形態は、例えば、極性溶媒への溶解度などの物理的特性がそれぞれの塩の形態とは多少異なる。しかし、本発明の目的で、塩はそれぞれの遊離酸と同等である。
【0046】
塩は、無機酸から調製される、硫酸塩、ピロ硫酸塩、重硫酸塩、亜硫酸塩、重亜硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、リン酸一水素塩、リン酸二水素塩、メタリン酸塩、ピロリン酸塩、塩化物、臭化物およびヨウ化物であっても良い。酸の例として、塩酸、硝酸、硫酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、リン酸などが挙げられる。代表的な塩として、臭化水素酸塩、塩酸塩、硫酸塩、重硫酸塩、硝酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩、吉草酸塩、オレイン酸塩、パルミチン酸塩、ステアリン酸塩、ラウリン酸塩、ホウ酸塩、安息香酸塩、乳酸塩、リン酸塩、トシレート、クエン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、ナフタレート、メタンスルホン酸塩、グルコヘプタン酸塩、ラクトビオン酸塩、ラウリルスルホン酸塩、およびイセチオン酸塩などが挙げられる。塩は、有機酸から調製される、脂肪族モノカルボン酸およびジカルボン酸、フェニル置換アルカン酸、ヒドロキシアルカン酸、アルカン二酸、芳香族酸、脂肪族および芳香族スルホン酸などであっても良い。代表的な塩として、酢酸塩、プロピオン酸塩、オクタン酸塩、イソ酪酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、スベリン酸塩、セバシン酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、マンデル酸塩、安息香酸塩、クロロ安息香酸塩、メチル安息香酸塩、ジニトロ安息香酸塩、ナフトエート、ベシル酸塩、トシレート、フェニル酢酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩 、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩などが挙げられる。薬学的に許容される塩として、例えば、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどのアルカリ金属およびアルカリ土類金属によるカチオン、ならびにアンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、エチルアミンなどを含むがこれらに限定されない無毒のアンモニウム、四級アンモニウム、およびアミンカチオンが挙げられる。さらに、例えば、アルギニン塩、グルコン酸塩、ガラクツロン酸塩などのアミノ酸の塩もが挙げられる(例えは、Berge S.M.et al.,“Pharmaceutical Salts.”J.Pharm.Sci.,1977;66:1-19を参照)。
【0047】
本発明の化合物の薬学的に許容される非毒性アミドの例として、アルキル基が直鎖または分岐鎖であるC1-C6アルキルエステルが挙げられる。許容可能なエステルは、C5-C7シクロアルキルエステル、及びベンジルエステルなどのアリールアルキルエステルも含まれるが、これらに限定されない。C1-C4アルキルエステルが好ましい。本発明の化合物のエステルは、従来の方法、例えば、March’s Advanced Organic Chemistry, 5 Edition,M.B.Smith & J.March,John Wiley & Sons,2001に従って調製することができる。
【0048】
本発明の化合物の薬学的に許容される非毒性アミドの例として、アンモニア、第一級C1-C6アルキルアミンおよび第二級C1-C6ジアルキルアミンから誘導されるアミドが挙げられ、ここで、アルキル基が直鎖または分岐鎖である。第二級アミンでは、アミンは、1個の窒素原子を含む5員または6員の複素環の形態であってもよい。アンモニア、C1-C3アルキル第一級アミンおよびC1-C2ジアルキル第二級アミンから誘導されるアミドが好ましい。本発明の化合物のアミドは、従来の方法、例えば、March’s Advanced Organic Chemistry, 5 Edition,M.B.Smith & J.March,John Wiley & Sons,2001に従って調製することができる。
【0049】
「プロドラッグ」という用語とは、例えば血中での加水分解により、生体内で急速に変換されて上記式の親化合物を与える化合物を指す。その詳細については、T.Higuchi and V.Ste11a,,“Pro-drugs as Novel Delivery Systems,”Vol.14 of the A.C.S.Symposium Series、及びBioreversible Carriers in Drug Design,ed.Edward B.Roche,American Pharmaceutical Association and Pergamon Press,1987を参照し、両方とも参照により本明細書に組み込まれる。
【0050】
投与される「被験者」としては、ヒト(すなわち、任意の年齢群、例えば、小児被験者(例えば、乳児、小児、青年)または成人被験者(例えば、若年成人、中年成人または高齢成人)の男性または女性)および/または非ヒト動物、例えば、哺乳動物(例えば、霊長類(例えば、カニクイザル、アカゲザル)、ウシ、ブタ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、げっ歯類、ネコおよび/またはイヌ)が挙げられるが、これらに限定されない。一部の実施形態において、被験者は、ヒトである。一部の実施形態において、被験者は、非ヒト動物である。用語「ヒト」、「患者」および「被験者」は、本明細書中で交換可能に使用される。
【0051】
「疾患」、「障害」および「病状」は、本明細書中で交換可能に使用される。
【0052】
他に規定がない限り、本明細書中で使用される用語「治療」は、被験者が特定の疾患、障害または病状を罹患している間に行われ、その疾患、障害または病状の重篤度を低下させるか、あるいは疾患、障害または病状の進行を遅延させるかまたは遅くする行為(「治療性治療」)を想定し、そしてまた、被験者が特定の疾患、障害または病状を罹患し始める前に行われる行為(「予防性治療」)を想定する。
【0053】
一般に、化合物の「有効量」とは、所望の生物学的応答を引き起こすために充分な量のことを指す。当業者によって理解されるように、本発明の化合物の有効量は、所望の生物学的目標、化合物の薬物動態学、治療される疾患、投与様式、ならびに被験者の年齢、健康状態、および病状などの要因に依存して、変わり得る。有効量とは、治療有効量および予防有効量を含む。
【0054】
他に規定がない限り、本明細書中で使用される化合物の「治療有効量」とは、疾患、障害または病状の治療において治療上の利点を提供するか、あるいはその疾患、障害または病状に関連する1つまたは1つより多くの症状を遅延させるかまたは最小にするために充分な量である。化合物の治療有効量とは、その疾患、障害または病状の治療において治療上の利点を提供する、単独でまたは他の治療法と組み合わせる時の治療剤の量を意味する。用語「治療有効量」は、治療全体を改善させる量、疾患または病状の症状または原因を減少させるかまたは回避する量、あるいは別の治療剤の治療効果を増強する量を含む。
【0055】
他に規定がない限り、本明細書中で使用される化合物の「予防有効量」とは、疾患、障害もしくは病状、またはその疾患、障害もしくは病状に関連する1つもしくは1つより多くの症状を予防するため、あるいはその再発を予防するために充分な量である。化合物の予防有効量とは、その疾患、障害または病状の予防において予防上の利点を提供する、単独でまたは他の薬剤と組み合わせる時の治療剤の量を意味する。用語「予防有効量」は、予防全体を改善させる量、または別の予防剤の予防効果を増強する量を含む。
【0056】
「組み合わせ」及び関連用語は、本発明の化合物と他の治療剤とを同時に又は順次投与することを意味する。例えば、本発明の化合物は、別々の単位製剤で他の治療剤と同時に又は順次に投与したり、単一の単位製剤で他の治療剤と同時に投与したりすることができる。
【発明を実施するための形態】
【0057】
本明細書で使用される「本発明の化合物」という用語は、以下の式(I)または式(II)で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、溶媒和物、水和物、結晶多形、プロドラッグまたは同位体変異体、及びそれらの混合物を指す。
【0058】
本明細書では、化合物は、一般に標準的な命名法で記載される。不斉中心を有する化合物については、特に明記しない限り、すべての光学異性体およびその混合物を含むことが理解されるべきである。さらに、本発明に含まれるすべての異性体化合物および炭素-炭素二重結合は、特に明記しない限り、ZおよびEの形で現れる可能性がある。異なる互変異性型で存在する化合物について、前記化合物は、特定の互変異性体に限定されず、すべての互変異性型を含むことを意図する。説明や変数を含む通常の式は、一部の化合物に使用される。特に指定のない限り、このような式の各変数は、他の変数、および各出現で式中の各変数を独立して定義した複数の変数とは独立して定義される。
【0059】
一実施形態において、本発明は、一般式(I)で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、溶媒和物、水和物、結晶多形、プロドラッグ或いは同位体変異体、およびそれらの混合物に関する。
【化3】
但し、
A
1はCR
3またはNから選択され;
A
2はCR
3またはNから選択され;
A
3はCR
3またはNから選択され;
R
1は、H、ハロゲン、-CN、-OR
a、-SR
a、-NR
bR
c、-C(O)R
a、-C(O)OR
a、-C(O)NR
bR
c、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル基、C
6-10アリール基、または5~10員ヘテロアリール基から選択され、前記C
3-7シクロアルキル基または3~7員ヘテロシクリル基は、オキソ基またはチオキソ基で置換されていてもよく;
R
2は、H、ハロゲン、-CN、-OR
a、-SR
a、-NR
bR
c、-C(O)R
a、-C(O)OR
a、-C(O)NR
bR
c、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3~7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル基、C
6-10アリール基、または5~10員ヘテロアリール基から選択され、前記C
3-7シクロアルキル基または3~7員ヘテロシクリル基は、オキソ基またはチオキソ基で置換されていてもよく;
R
3は、H、ハロゲン、-CN、-NO
2、-L-OR
a、-L-SR
a、-L-NR
bR
c、-L-C(O)R
a、-L-C(O)OR
a、-L-C(O)NR
bR
c、-L-S(O)
mR
a、-L-S(O)
mOR
a、-L-S(O)
mNR
bR
c、-O-C
1-6アルキレン-R
6、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、-L’-C
3-7シクロアルキル基、-L’-3~11員ヘテロシクリル、-L’-C
6-10アリール、または-L’-5~10員ヘテロアリールから選択され、これらの基は、それぞれ1、2、3、4または5個のR
6基で置換されていてもよく;
R
4は、H、-C(O)R
a、-C(O)OR
a、-C(O)NR
bR
c、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル基、C
6-10アリール基または5~10員ヘテロアリール基から選択され;
R
5は、H、ハロゲン、-CN、-OR
a、-SR
a、-NR
bR
c、-C(O)R
a、-C(O)OR
a、-C(O)NR
bR
c、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル基、C
6-10アリール基、または5~10員ヘテロアリール基から選択され、前記C
3-7シクロアルキル基または3~7員ヘテロシクリル基は、オキソ基またはチオキソ基で置換されていてもよく;
R
6は、H、-NH
2、-NHC
1-6アルキル、-N(C
1-6アルキル)
2、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、-C
1-6アルキレン-OR
a、-L-C
3-7シクロアルキル、-L-3~7員ヘテロシクリル、-L-C
6-10アリール、または-L-5~10員ヘテロアリールから選択され;
或いは、同じ炭素原子上の2つのR
6基は、一緒にオキソ基またはチオキソ基を形成していてもよく;
ここで、
R
4は、1、2または3個のR’基で置換されていてもよく、R’は、独立して、H、ハロゲン、-CN、-NO
2、-OR
a、-SR
a、-NR
bR
c、-C(O)OR
a、-C(O)NR
bR
c、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル基、C
6-10アリール基、または5~10員ヘテロアリール基から選択され;
R
1-R
2およびR
5-R
6は、それぞれ1、2または3個のR”基で置換されていてもよく、R”基は、独立して、H、-OH、ハロゲン、-NO
2、カルボニル基、-L-CN、-L-OR
a、-L-SR
a、-L-NR
bR
c、-L-C(O)R
a、-L-C(S)R
a、-L-C(O)OR
a、-L-C(S)OR
a、-L-C(O)-NR
bR
c、-L-C(S)-NR
bR
c、-L-O-C(O)R
a、-L-O-C(S)R
a、-L-N(R
b)-C(O)-R
a、-L-N(R
b)-C(S)-R
a、-L-S(O)
mR
a、-L-S(O)
mOR
a、-L-S(O)
mNR
bR
c、-L-N(R
b)-S(O)
m-R
a、-L-N(R
b)-S(O)
m-NR
bR
c、-L-N(R
b)-C(O)OR
a、-L-N(R
b)-C(S)OR
a、-L-O-C
1-6アルキレン-OR
a、-L-C(O)-C
1-6アルキレン-NR
bR
c、-L-N(R
b)-C(O)-NR
bR
c、-L-N(R
b)-C(S)-NR
bR
c、-L-O-C(O)-NR
bR
c、-L-O-C(S)-NR
bR
c、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
2-6アルケニル基、C
2-6アルキニル基、-L-C
3-7シクロアルキル基、-L-3~7員ヘテロシクリル基、-L-C
6-10アリール基、または-L-5~10員ヘテロアリール基から選択され;ここで、前記C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
2-6アルケニル基、C
2-6アルキニル基、-L-C
3-7シクロアルキル基、-L-3~7員ヘテロシクリル基、-L-C
6-10アリール基、または-L-5~10員ヘテロアリール基は、-L-CN、-NO
2、カルボニル基、-L-OR
a、-L-SR
a、-L-NR
bR
c、-L-C(O)R
a、-L-C(S)R
a、-L-C(O)OR
a、-L-C(S)OR
a、-L-C(O)-NR
bR
c、-L-C(S)-NR
bR
c、-L-O-C(O)R
a、-L-O-C(S)R
a、-L-N(R
b)-C(O)-R
a、-L-N(R
b)-C(S)-R
a、-L-S(O)
mR
a、-L-S(O)
mOR
a、-L-S(O)
mNR
bR
c、-L-N(R
b)-S(O)
m-R
a、-L-N(R
b)-S(O)
m-R
bR
c、-L-N(R
b)-C(O)OR
a、-L-N(R
b)-C(S)OR
a、-L-O-C
1-6アルキレン-OR
a、-L-C(O)-C
1-6アルキレン-NR
bR
c、-L-N(R
b)-C(O)-NR
bR
c、-L-N(R
b)-C(S)-NR
bR
c、-L-O-C(O)-NR
bR
c、-L-O-C(S)-NR
bR
cからなる群から選択される1つ以上の基でさらに置換されていてもよく;
R
aは、独立して、H、C
1-6アルキル基、C
2-6アルケニル基、C
2-6アルキニル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、-L-C
3-7シクロアルキル基、-L-3~7員ヘテロシクリル基、-L-C
6-10アリール基、または-L-5~10員ヘテロアリール基から選択され;
R
bおよびR
cは、独立して、H、C
1-6アルキル基、C
2-6アルケニル基、C
2-6アルキニル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、-L-C
3-7シクロアルキル基、-L-3~7員ヘテロシクリル基、-L-C
6-10アリール基、または-L-5~10員ヘテロアリール基から選択され;または、R
bおよびR
cはN原子と一緒に3~7員ヘテロシクリル基を形成し;
R
a、R
bおよびR
cはそれぞれ、C
1-6アルキル基、C
2-6アルケニル基、C
2-6アルキニル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、-L-C
3-7シクロアルキル基、-L-3~7員ヘテロシクリル基、-L-C
6-10アリール基、または-L-5~10員ヘテロアリール基からなる群から選択される1つ以上の基でさらに置換されていてもよく;
Lは、化学結合、-C
1-6アルキレン-、-C
2-6アルケニレン-または-C
2-6アルキニレン-から選択され;
L’は、化学結合、-O-、-NH-、-C(O)-、-C(O)NH-、-NHC(O)-、-C
1-6アルキレン-、-C
2-6アルケニレン-、または-C
2-6アルキニレン-から選択され;
mは0、1、または2である。
【0060】
A1、A2およびA3
一実施形態において、A1はCR3であり;別の実施形態において、A1はCHであり;別の実施形態において、A1はC(OMe)であり;別の実施形態において、A1はNである。
【0061】
一実施形態において、A2はCR3であり;別の実施形態において、A2はCHであり;別の実施形態において、A2はCR3bであり、且つR3bの定義がR3と同じであり;別の実施形態において、A2はNである。
【0062】
一実施形態において、A3はCR3であり;別の実施形態において、A3はCHであり;別の実施形態において、A2はCR3aであり、且つR3aの定義がR3と同じであり;別の実施形態において、A3はCMeであり;別の実施形態において、A3はNである。
【0063】
R1
一実施形態において、R1はHであり;別の実施形態において、R1はハロゲンであり;別の実施形態において、R1は-CNであり;別の実施形態において、R1は-ORaであり;別の実施形態において、R1は-SRaであり;別の実施形態において、R1は-NRbRcであり;別の実施形態において、R1は-C(O)Raであり;別の実施形態において、R1は-C(O)ORaであり;別の実施形態において、R1は-C(O)NRbRcであり;別の実施形態において、R1はC1-6アルキル基であり;別の実施形態において、R1はMeであり;別の実施形態において、R1はC1-6ハロゲン化アルキル基であり;別の実施形態において、R1はC3-7シクロアルキル基であり;別の実施形態において、R1は3~7員ヘテロシクリル基であり;別の実施形態において、R1はC6-10アリール基であり;別の実施形態において、R1は5~10員ヘテロアリール基である。
【0064】
R1の上記の実施形態では、前記C3-7シクロアルキル基または3~7員ヘテロシクリル基は、オキソ基で置換されていてもよい。R1の上記の実施形態では、前記C3-7シクロアルキル基または3~7員ヘテロシクリル基は、チオキソ基で置換されていてもよい。
【0065】
R2
一実施形態において、R2はHであり;別の実施形態において、R2はハロゲンであり;別の実施形態において、R2は-CNであり;別の実施形態において、R2は-ORaであり;別の実施形態において、R2は-SRaであり;別の実施形態において、R2は-NRbRcであり;別の実施形態において、R2は-C(O)Raであり;別の実施形態において、R2は-C(O)ORaであり;別の実施形態において、R2は-C(O)NRbRcであり;別の実施形態において、R2はC1-6アルキル基であり;別の実施形態において、R2はC1-6ハロゲン化アルキル基であり;別の実施形態において、R2はC3-7シクロアルキル基であり;別の実施形態において、R2は3~7員ヘテロシクリル基であり;別の実施形態において、R2はC6-10アリール基であり;別の実施形態において、R2は5~10員ヘテロアリール基である。
【0066】
R2の上記の実施形態では、前記C3-7シクロアルキル基または3~7員ヘテロシクリル基は、オキソ基で置換されていてもよい。R2の上記の実施形態において、前記C3-7シクロアルキル基または3~7員ヘテロシクリル基は、チオキソ基で置換されていてもよい。
【0067】
R
2のより具体的な実施形態では、R
2は、H、-CN、5~6員ヘテロアリール基、およびオキソやチオキソで置換されていてもよい3~7員ヘテロシクリル基から選択される。別のより具体的な実施形態では、前記R
2は、H、-CN、5~6員ヘテロアリール基、およびオキソやチオキソで置換されていてもよい3~7員ヘテロシクリル基から選択され、ここで、5~6員ヘテロアリール基および3~7員のヘテロシクリル基は、以下の基からなる群から選択される。
【化4】
【0068】
R
2のより具体的な実施形態では、R
2は、H、-CN、5~6員ヘテロアリール基から選択され、ここで、5~6員ヘテロアリール基は、以下の基からなる群から選択される。
【化5】
【0069】
R3
一実施形態において、R3はHであり;別の実施形態において、R3はハロゲンであり;別の実施形態において、R3は-CNであり;別の実施形態において、R3は-NO2であり;別の実施形態において、R3は-L-ORaであり;別の実施形態において、R3は-L-SRaであり;別の実施形態において、R3は-L-NRbRcであり;別の実施形態において、R3は-L-C(O)Raであり;別の実施形態において、R3は-L-C(O)ORaであり;別の実施形態において、R3は-L-C(O)NRbRcであり;別の実施形態において、R3は-L-S(O)mRaであり;別の実施形態において、R3は-L-S(O)mORaであり;別の実施形態において、R3は-L-S(O)mNRbRcであり;別の実施形態において、R3は-O-C1-6アルキレン-R6であり;別の実施形態において、R3はC1-6アルキル基であり;別の実施形態において、R3はC1-6ハロゲン化アルキル基であり;別の実施形態において、R3は-L’-C3-7シクロアルキル基であり;別の実施形態において、R3は-L’-3~11員ヘテロシクリル基であり;別の実施形態において、R3は-L’-3-9員ヘテロシクリル基であり;別の実施形態において、R3は-L’-C6-10アリール基であり;別の実施形態において、R3は-L’-5~10員ヘテロアリール基である。
【0070】
R3の上記の実施形態において、前記基は、1、2、3、4または5個のR6基で置換されていてもよい。一実施形態において、前記基は1個のR6基で置換された。別の実施形態において、前記基は2つのR6基で置換された。別の実施形態において、前記基は3つのR6基で置換された。別の実施形態において、前記基は4つのR6基で置換されている。別の実施形態において、前記基は5個のR6基で置換された。
【0071】
より具体的な実施形態において、R
3は-L’-3~11員ヘテロシクリル基から選択され、ここで、前記3~11員ヘテロシクリル基は以下の基からなる群から選択される。
【化6】
【0072】
より具体的な実施形態において、R
3はH、-L-OR
a、-O-C
1-6アルキレン-R
6、C
1-6アルキル基、または-L’-3~11員ヘテロシクリル基から選択され、ここで、前記3~11員ヘテロシクリル基は以下の基からなる群から選択される。
【化7】
【0073】
R4
一実施形態において、R4は、Hであり;別の実施形態において、R4は、-C(O)Raであり;別の実施形態において、R4は、-C(O)ORaであり;別の実施形態において、R4は、-C(O)NRbRcであり;別の実施形態において、R4は、C1-6アルキル基であり;別の実施形態において、R4は、C1-6ハロゲン化アルキル基であり;別の実施形態において、R4は、C3-7シクロアルキル基であり;別の実施形態において、R4は、3~7員ヘテロシクリル基であり;別の実施形態において、R4は、C6-10アリール基り;別の実施形態において、R4は、5~10員ヘテロアリール基である。
【0074】
R4の上記の実施形態では、前記の基は、1、2または3個のR’基で置換されていても良い。一実施形態では、前記の基は、1個のR’基で置換された。別の実施形態では、前記の基は、2個のR’基で置換された。別の実施形態では、前記の基は、3個のR’基で置換された。
【0075】
上記の実施形態では、R’は、Hであり;別の実施形態では、R’は、ハロゲンであり;別の実施形態では、R’は、-CNであり;別の実施形態では、R’は、-NO2であり;別の実施形態では、R’は、-ORaであり;別の実施形態では、R’は、-SRaであり;別の実施形態では、R’は、-NRbRcであり;別の実施形態では、R’は、-C(O)ORaであり;別の実施形態では、R’は、-C(O)NRbRcであり;別の実施形態では、R’は、C1-6アルキル基であり;別の実施形態では、R’は、C1-6ハロゲン化アルキル基であり;別の実施形態では、R’は、C3-7シクロアルキル基であり;別の実施形態では、R’は、3~7員ヘテロシクリル基であり;別の実施形態では、R’は、C6-10アリール基であり;別の実施形態では、R’は、5~10員ヘテロアリール基である。
【0076】
R5
一実施形態において、R5は、Hであり;一実施形態において、R5は、ハロゲンであり;一実施形態において、R5は、-CNであり;一実施形態において、R5は、-ORaであり;一実施形態において、R5は、-SRaであり;一実施形態において、R5は、-NRbRcであり;一実施形態において、R5は、-C(O)Raであり;一実施形態において、R5は、-C(O)ORaであり;一実施形態において、R5は、-C(O)NRbRcであり;別の実施形態において、R5は、C1-6アルキル基であり;別の実施形態において、R5は、C1-6ハロゲン化アルキル基であり;別の実施形態において、R5は、C3-7シクロアルキル基であり;別の実施形態において、R5は、3~7員ヘテロシクリル基であり;別の実施形態において、R5は、C6-10アリール基であり;別の実施形態において、R5は、5~10員ヘテロアリール基である。
【0077】
R5の上記の実施形態では、前記C3-7シクロアルキル基または3~7員ヘテロシクリル基は、オキソ基で置換されていてもよい。R5の上記の実施形態では、前記C3-7シクロアルキル基または3~7員ヘテロシクリル基は、チオキソ基で置換されていてもよい。
【0078】
R6
一実施形態において、R6は、Hであり;別の実施形態において、R6は、-NH2であり;別の実施形態において、R6は、-NHC1-6アルキル基であり;別の実施形態において、R6は、-N(C1-6アルキル基)2であり;別の実施形態において、R6は、C1-6アルキル基であり;別の実施形態において、R6は、C1-6ハロゲン化アルキル基であり;別の実施形態において、R6は、-C1-6アルキレン-ORaであり;別の実施形態において、R6は、-L-C3-7シクロアルキル基であり;別の実施形態において、R6は、-L-3~7員ヘテロシクリル基であり;別の実施形態において、R6は、-L-C6-10アリール基であり;別の実施形態において、R6は、-L-5~10員ヘテロアリール基であり;別の実施形態において、同一の炭素原子上の2個のR6は一緒にオキソを形成する。別の実施形態において、同一の炭素原子上の2個のR6は一緒にチオキソを形成する。
【0079】
L
一実施形態において、Lは、化学結合であり;別の実施形態において、Lは、-C1-6アルキレン-であり;別の実施形態において、Lは、-C2-6アルケニレン-であり;別の実施形態において、Lは、-C2-6アルキニレン-である。
【0080】
L’
一実施形態において、L’は、化学結合であり;別の実施形態において、L’は、-O-であり;別の実施形態において、L’は、-NH-であり;別の実施形態において、L’は、-C(O)-であり;別の実施形態において、L’は、-C(O)NH-であり;別の実施形態において、L’は、-NHC(O)-であり;別の実施形態において、L’は、-C1-6アルキレン-であり;別の実施形態において、L’は、-C2-6アルケニレン-であり;別の実施形態において、L’は、-C2-6アルキニレン-である。
【0081】
m
一実施形態において、mは0であり;別の実施形態において、mは1であり;別の実施形態において、mは2である。
【0082】
上記のいずれの実施形態におけるいずれかの技術構成またはそれらの任意の組み合わせは、他の実施形態におけるいずれかの技術構成またはそれらの任意の組み合わせと組み合わせることができる。たとえば、A1におけるいずれかの技術構成またはそれらの任意の組み合わせは、A2、A3、R1~R6、R’、R”、Ra、Rb、Rc、L、L’およびmなどにおけるいずれかの技術構成またはそれらの任意の組み合わせと組み合わせることができる。本発明は、これらの技術構成のすべての組み合わせを含むが、その詳細は一つ一つ列挙しない。
【0083】
より具体的な実施形態において、本発明は、一般式(I)で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、溶媒和物、水和物、結晶多形、プロドラッグまたは同位体変異体、およびそれらの混合物である技術構成1を提供する。
【化8】
但し、
A
1は、Nであり;
A
2は、CR
3であり;
A
3は、CR
3であり;
R
1は、Hであり;
R
2は、H、ハロゲン、-CN、-C(O)R
a、-C(O)OR
a、-C(O)NR
bR
c、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3~7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル基、C
6-10アリール基、または5~10員ヘテロアリール基から選択され、前記C
3-7シクロアルキル基または3~7員ヘテロシクリル基は、オキソ基またはチオキソ基で置換されていてもよく;
R
3は、H、ハロゲン、-CN、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、-L’-C
3-7シクロアルキル基、-L’-3~11員ヘテロシクリル、-L’-C
6-10アリール、または-L’-5~10員ヘテロアリールから選択され、これらの基は、1、2、3、4または5個のR
6基で置換されていてもよく;
R
4は、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル基、C
6-10アリール基または5~10員ヘテロアリール基から選択され;
R
5は、H、ハロゲン、-CN、-OR
a、-SR
a、-NR
bR
c、-C(O)R
a、-C(O)OR
a、-C(O)NR
bR
c、C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
6は、H、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル基、C
6-10アリール基、または5~10員ヘテロアリール基から選択され;
或いは、同じ炭素原子上の2つのR
6基は、一緒にオキソ基またはチオキソ基を形成していてもよく;
ここで、
R
2およびR
5-R
6は、1、2または3個のR”基で置換されていてもよく、ここで、R”基は、独立して、H、ハロゲン、-NO
2、-CN、-OR
a、-SR
a、-NR
bR
c、-C(O)R
a、-C(S)R
a、-C(O)OR
a、-C(S)OR
a、-C(O)-NR
bR
c、-C(S)-NR
bR
c、-O-C(O)R
a、-O-C(S)R
a、-N(R
b)-C(O)-R
a、-N(R
b)-C(S)-R
a、-O-C
1-6アルキレン-OR
a、-C(O)-C
1-6アルキレン-NR
bR
c、-N(R
b)-C(O)-NR
bR
c、-N(R
b)-C(S)-NR
bR
c、-O-C(O)-NR
bR
c、-O-C(S)-NR
bR
c、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
2-6アルケニル基、またはC
2-6アルキニル基から選択され;
R
aは、独立して、H、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、-C
3-7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル基、C
6-10アリール基、または5~10員ヘテロアリール基から選択され;
R
bおよびR
cは、独立して、H、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル基、C
6-10アリール基、または5~10員ヘテロアリール基から選択され;または、R
b、R
cはN原子と一緒に3~7員ヘテロシクリル基を形成し;
L’は、化学結合、-C(O)-、-C
1-6アルキレン-、-C
2-6アルケニレン-または-C
2-6アルキニレン-から選択される。
【0084】
別のより具体的な実施形態では、本発明は、技術構成1に記載の化合物に関する技術構成2を提供する。
ただし、
R2は、H、ハロゲン、-CN、-C(O)Ra、-C(O)ORa、-C(O)NRbRc、C1-6アルキル基、C1-6ハロゲン化アルキル基、C3~7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル基、C6-10アリール基、または5~10員ヘテロアリール基から選択され;
好ましくは、R2は、H、ハロゲン、-CN、-C(O)Ra、-C(O)ORa、-C(O)NRbRc、C1-6アルキル基、C1-6ハロゲン化アルキル基、C6-10アリール基、または5~10員ヘテロアリール基から選択され;
好ましくは、R2は、H、ハロゲン、-CN、C1-6アルキル基、-C(O)Ra、またはC6-10アリール基から選択され;
好ましくは、R2は、H、-C(O)Ra、-C(O)ORa、または-C(O)NRbRcから選択され;
好ましくは、R2は、H、または-C(O)Raから選択され;
好ましくは、R2は、-C(O)Raである。
【0085】
別のより具体的な実施形態では、本発明は、技術構成1または2に記載の化合物に関する技術構成3を提供する。
ただし、
R3は、H、ハロゲン、C1-6アルキル基、C1-6ハロゲン化アルキル基、C3-7シクロアルキル基、または3~11員ヘテロシクリル基から選択され、これらの基は、1、2、3、4または5個のR6基で置換されていてもよく;
好ましくは、R3は、H、ハロゲン、C1-6アルキル基、または3~11員ヘテロシクリル基から選択され、これらの基は、1、2、3、4または5個のR6基で置換されていてもよく;
好ましくは、R3は、H、C3-7シクロアルキル基、または3~11員ヘテロシクリル基から選択され、これらの基は、1、2、3、4または5個のR6基で置換されていてもよく;
好ましくは、R3は、H、または3~11員ヘテロシクリル基から選択され、これらの基は、1、2、3、4または5個のR6基で置換されていてもよい。
【0086】
別のより具体的な実施形態では、本発明は、技術構成1~3のいずれか一項に記載の化合物に関する技術構成4を提供する。
ただし、
R4は、C1-6アルキル基、C1-6ハロゲン化アルキル基、C3-7シクロアルキル基、または3~7員ヘテロシクリル基から選択され;
好ましくは、R4は、C1-6アルキル基、またはC3-7シクロアルキル基から選択され;
好ましくは、R4は、イソプロピル基、またはまたはシクロペンチル基から選択され;
好ましくは、R4は、イソプロピル基である。
【0087】
別のより具体的な実施形態では、本発明は、技術構成1~4のいずれか一項に記載の化合物に関する技術構成5を提供する。
ただし、
R6は、H、C1-6アルキル基、C1-6ハロゲン化アルキル基、C3-7シクロアルキル基、または3~7員ヘテロシクリル基から選択され;或いは、同じ炭素原子上の2つのR6基は、一緒にオキソ基またはチオキソ基を形成していてもよく;
好ましくは、R6は、H、C1-6アルキル基、またはC1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;或いは、同じ炭素原子上の2つのR6基は、一緒にオキソ基またはチオキソ基を形成していてもよく;
好ましくは、R6は、H、C1-6アルキル基、またはC1-6ハロゲン化アルキル基から選択される。
【0088】
別のより具体的な実施形態では、本発明は、技術構成1~5のいずれか一項に記載の化合物に関する技術構成6を提供する。
ただし、
R2およびR6は、1、2または3個のR”基で置換されていてもよく、ここで、R”基は、独立して、H、ハロゲン、-NO2、-CN、-ORa、-SRa、-NRbRc、-C(O)Ra、-C(S)Ra、-C(O)ORa、-C(S)ORa、-C(O)-NRbRc、-C(S)-NRbRc、-O-C(O)Ra、-O-C(S)Ra、-N(Rb)-C(O)-Ra、-N(Rb)-C(S)-Ra、C1-6アルキル基、C1-6ハロゲン化アルキル基、C2-6アルケニル基、またはC2-6アルキニル基から選択され;
好ましくは、R2は、1、2または3個のR”基で置換されていてもよく、ここで、R”基は、独立して、H、ハロゲン、-NO2、-CN、-ORa、-SRa、または-NRbRcから選択され;
好ましくは、R2は、1、2または3個のR”基で置換されていてもよく、ここで、R”基は、独立して、H、または-ORaから選択される。
【0089】
別のより具体的な実施形態では、本発明は、技術構成1~6のいずれか一項に記載の化合物に関する技術構成7を提供する。
ただし、
Raは、独立して、H、C1-6アルキル基、またはC1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
好ましくは、Raは、独立して、H、またはC1-6アルキル基から選択される。
【0090】
別のより具体的な実施形態では、本発明は、技術構成1~7のいずれか一項に記載の化合物に関する技術構成8を提供する。
ただし、
RbおよびRcは、独立して、H、C1-6アルキル基、またはC1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;または、Rb、RcはN原子と一緒に3~7員ヘテロシクリル基を形成し;
好ましくは、RbおよびRcは、独立して、H、C1-6アルキル基、またはC1-6ハロゲン化アルキル基から選択される。
【0091】
別の実施形態において、本発明は、一般式(II)で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、溶媒和物、水和物、結晶多形、プロドラッグまたは同位体変異体、およびそれらの混合物である技術構成9を提供する。
【化9】
但し、
R
2は、H、ハロゲン、-CN、-C(O)R
a、-C(O)OR
a、-C(O)NR
bR
c、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3~7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル基、C
6-10アリール基、または5~10員ヘテロアリール基から選択され;
R
3は、以下の基から選択され:
【化10】
R
3aは、H、ハロゲン、-CN、-NO
2、C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
3bは、H、ハロゲン、-CN、-NO
2、C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
3c、R
3d、R
3eおよびR
3fは、独立して、H、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル基、C
6-10アリール基、または5~10員ヘテロアリール基から選択され;
R
4は、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、3~11員ヘテロシクリル基、C
6-10アリール基、または5~10員ヘテロアリール基から選択され;
R
2は、1、2または3個のR”基で置換されていてもよく、ここで、R”基は、独立して、H、ハロゲン、-CN、-NO
2、-OR
a、-SR
a、-NR
bR
c、-C(O)R
a、-C(S)R
a、-C(O)OR
a、-C(S)OR
a、-C(O)-NR
bR
c、-C(S)-NR
bR
c、-O-C(O)R
a、-O-C(S)R
a、-N(R
b)-C(O)-R
a、-N(R
b)-C(S)-R
a、-O-C
1-6アルキレン-OR
a、-C(O)-C
1-6アルキレン-NR
bR
c、-N(R
b)-C(O)-NR
bR
c、-N(R
b)-C(S)-NR
bR
c、-O-C(O)-NR
bR
c、-O-C(S)-NR
bR
c、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
2-6アルケニル基、またはC
2-6アルキニル基から選択され;
R
aは、独立して、H、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル基、C
6-10アリール基、または5~10員ヘテロアリール基から選択され;
R
bおよびR
cは、独立して、H、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル基、C
6-10アリール基、または5~10員ヘテロアリール基から選択される。
【0092】
別のより具体的な実施形態では、本発明は、技術構成9に記載の化合物に関する技術構成10を提供する。
ただし、
R2は、H、-CN、-C(O)Ra、-C(O)ORa、-C(O)NRbRc、C1-6アルキル基、C1-6ハロゲン化アルキル基、C3-7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル基、C6-10アリール基、または5~10員ヘテロアリール基から選択され;
好ましくは、R2は、H、ハロゲン、-CN、-C(O)Ra、-C(O)ORa、-C(O)NRbRc、C1-6アルキル基、C6-10アリール基、または5~10員ヘテロアリール基から選択され;
好ましくは、R2は、H、-CN、-C(O)Ra、-C(O)ORa、-C(O)NRbRc、C1-6アルキル基、C6-10アリール基、または5~10員ヘテロアリール基から選択され;
好ましくは、R2は、H、ハロゲン、-CN、C1-6アルキル基、-C(O)Ra、またはC6-10アリール基から選択され;
好ましくは、R2は、H、CN、C1-6アルキル基、-C(O)Ra、またはC6-10アリール基から選択され;
好ましくは、R2は、H、-C(O)Ra、-C(O)ORa、または-C(O)NRbRcから選択され;
好ましくは、R2は、H、または-C(O)Raから選択され;
好ましくは、R2は、H、Br、CN、Me、CH3C(O)-、またはPh(OMe)2から選択され;
好ましくは、R2は、H、CN、Me、CH3C(O)-、またはPh(OMe)2から選択され;
好ましくは、R2は、H、またはCH3C(O)-から選択され;
好ましくは、R2は、CH3C(O)-である。
【0093】
別のより具体的な実施形態では、本発明は、技術構成9~10のいずれか一項に記載の化合物に関する技術構成11を提供する。
ただし、
R
3は、以下の基から選択され:
【化11】
好ましくは、R
3は、以下の基から選択され:
【化12】
好ましくは、R
3は、以下の基から選択され:
【化13】
好ましくは、R
3は、以下の基から選択され:
【化14】
好ましくは、R
3は、以下の基から選択され:
【化15】
好ましくは、R
3は、以下の基から選択され:
【化16】
好ましくは、R
3は、以下の基から選択され:
【化17】
好ましくは、R
3は、以下の基から選択され:
【化18】
好ましくは、R
3は、以下の基から選択され:
【化19】
好ましくは、R
3は、以下の基から選択される。
【化20】
【0094】
別のより具体的な実施形態では、本発明は、技術構成9~11のいずれか一項に記載の化合物に関する技術構成12を提供する。
ただし、
R3aは、H、ハロゲンまたはC1-6アルキル基から選択され;
好ましくは、R3aは、H、FまたはMeから選択され;
好ましくは、R3aは、Hである。
【0095】
別のより具体的な実施形態では、本発明は、技術構成9~12のいずれか一項に記載の化合物に関する技術構成13を提供する。
ただし、
R3bは、H、ハロゲンまたはC1-6アルキル基から選択され;
好ましくは、R3bは、H、FまたはMeから選択され;
好ましくは、R3bは、Hである。
【0096】
別のより具体的な実施形態では、本発明は、技術構成9~13のいずれか一項に記載の化合物に関する技術構成14を提供する。
ただし、
R3c、R3d、R3eおよびR3fは、独立して、H、C1-6アルキル基、またはC1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
好ましくは、R3c、R3d、R3eおよびR3fは、独立して、HまたはC1-6アルキル基から選択され;
好ましくは、R3cは、H、C1-6アルキル基、C1-6ハロゲン化アルキル基、C3-7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル基、C6-10アリール基、または5~10員ヘテロアリール基から選択され;
好ましくは、R3cは、H、C1-6アルキル基、またはC1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
好ましくは、R3cは、HまたはC1-6アルキル基から選択される。
【0097】
別のより具体的な実施形態では、本発明は、技術構成9~14のいずれか一項に記載の化合物に関する技術構成15を提供する。
ただし、
R4は、C1-6アルキル基、C1-6ハロゲン化アルキル基、C3-7シクロアルキル基、または3~11員ヘテロシクリル基から選択され;
好ましくは、R4は、C1-6アルキル基、またはC3-7シクロアルキル基から選択され;
好ましくは、R4は、エチル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、またはシクロペンチル基から選択され;
好ましくは、R4は、イソプロピル基またはシクロペンチル基から選択され;
好ましくは、R4は、イソプロピル基である。
【0098】
別のより具体的な実施形態では、本発明は、技術構成9~15のいずれか一項に記載の化合物に関する技術構成16を提供する。
ただし、
R2は、1、2または3個のR”基で置換されていてもよく、ここで、R”は、独立して、H、ハロゲン、-CN、-NO2または-ORaから選択され;
R2は、1、2または3個のR”基で置換されていてもよく、ここで、R”は、独立して-ORaから選択される。
【0099】
別のより具体的な実施形態では、本発明は、技術構成9~16のいずれか一項に記載の化合物に関する技術構成17を提供する。
ただし、
Raは、独立してH、C1-6アルキル基、またはC1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
好ましくは、Raは、独立してHまたはC1-6アルキル基から選択される。
【0100】
別のより具体的な実施形態では、本発明は、技術構成9~17のいずれか一項に記載の化合物に関する技術構成18を提供する。
ただし、
RbおよびRcは、独立してH、C1-6アルキル基、またはC1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
好ましくは、RbおよびRcは、独立してHまたはC1-6アルキル基から選択される。
【0101】
別の実施形態において、本発明は、一般式(II)で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、溶媒和物、水和物、結晶多形、プロドラッグまたは同位体変異体、およびそれらの混合物である技術構成19を提供する。
【化21】
但し、
R
2は、-CN、-C(O)R
a、-C(O)OR
a、-C(O)NR
bR
c、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3~7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル基、C
6-10アリール基、または5~10員ヘテロアリール基から選択され;
R
3は、以下の基から選択され:
【化22】
R
3aは、Hであり;
R
3bは、H、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル基、C
6-10アリール基、または5~10員ヘテロアリール基から選択され;
R
3cは、H、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル基、C
6-10アリール基、または5~10員ヘテロアリール基から選択され;
R
4は、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、3~11員ヘテロシクリル基、C
6-10アリール基、または5~10員ヘテロアリール基から選択され;
R
2は、1、2または3個のR”基で置換されていてもよく、ここで、R”基は、独立して、H、ハロゲン、-CN、-NO
2、-OR
a、-SR
a、-NR
bR
c、-C(O)R
a、-C(S)R
a、-C(O)OR
a、-C(S)OR
a、-C(O)-NR
bR
c、-C(S)-NR
bR
c、-O-C(O)R
a、-O-C(S)R
a、-N(R
b)-C(O)-R
a、-N(R
b)-C(S)-R
a、-O-C
1-6アルキレン-OR
a、-C(O)-C
1-6アルキレン-NR
bR
c、-N(R
b)-C(O)-NR
bR
c、-N(R
b)-C(S)-NR
bR
c、-O-C(O)-NR
bR
c、-O-C(S)-NR
bR
c、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
2-6アルケニル基、またはC
2-6アルキニル基から選択され;
R
aは、独立して、H、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル基、C
6-10アリール基、または5~10員ヘテロアリール基から選択され;
R
bおよびR
cは、独立して、H、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル基、C
6-10アリール基、または5~10員ヘテロアリール基から選択される。
【0102】
別のより具体的な実施形態では、本発明は、技術構成19に記載の化合物に関する技術構成20を提供する。
ただし、
R2は、-CN、-C(O)Ra、-C(O)ORa、-C(O)NRbRc、C1-6アルキル基、C6-10アリール基、または5~10員ヘテロアリール基から選択され;
好ましくは、R2は、-C(O)Ra、-C(O)ORa、-C(O)NRbRc、C1-6アルキル基またはC1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
好ましくは、R2は、-C(O)Ra、-C(O)ORa、-C(O)NRbRc、またはC1-6アルキル基から選択され;
好ましくは、R2は、CN、C1-6アルキル基、-C(O)Ra、またはC6-10アリール基から選択され;
好ましくは、R2は、C1-6アルキル基、または-C(O)Raから選択され;
好ましくは、R2は、CN、Me、CH3C(O)-、またはPh(OMe)2から選択され;
好ましくは、R2は、Me、またはCH3C(O)-から選択され;
好ましくは、R2は、Hである。
【0103】
別のより具体的な実施形態では、本発明は、技術構成19~20の何れか一項に記載の化合物に関する技術構成21を提供する。
ただし、
R
3は、以下の基から選択され:
【化23】
好ましくは、R
3は、
【化24】
であり;
好ましくは、R
3は、以下の基から選択され:
【化25】
好ましくは、R
3は、以下の基から選択され:
【化26】
好ましくは、R
3は、以下の基から選択される。
【化27】
【0104】
別のより具体的な実施形態では、本発明は、技術構成19~21の何れか一項に記載の化合物に関する技術構成22を提供する。
ただし、
R3bは、C1-6アルキル基、C1-6ハロゲン化アルキル基、C3-7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル基、C6-10アリール基、または5~10員ヘテロアリール基から選択され;
好ましくは、R3bは、H、C1-6アルキル基、またはC1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
好ましくは、R3bは、C1-6アルキル基、またはC1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
好ましくは、R3bは、H、またはC1-6アルキル基から選択され;
好ましくは、R3bは、C1-6アルキル基であり;
好ましくは、R3bは、H、またはMeから選択され;
好ましくは、R3bは、Meから選択され;
好ましくは、R3bは、Hである。
【0105】
別のより具体的な実施形態では、本発明は、技術構成19~22の何れか一項に記載の化合物に関する技術構成23を提供する。
ただし、
R3cは、H、C1-6アルキル基、またはC1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
好ましくは、R3cは、C1-6アルキル基、またはC1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
好ましくは、R3cは、H、またはC1-6アルキル基から選択され;
好ましくは、R3cは、C1-6アルキル基である。
【0106】
別のより具体的な実施形態では、本発明は、技術構成19~23の何れか一項に記載の化合物に関する技術構成24を提供する。
ただし、
R4は、C1-6アルキル基、C1-6ハロゲン化アルキル基、C3-7シクロアルキル基、または3~11員ヘテロシクリル基から選択され;
好ましくは、R4は、C1-6アルキル基、またはC3-7シクロアルキル基から選択され;
好ましくは、R4は、エチル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、またはシクロペンチル基から選択され;
好ましくは、R4は、イソプロピル基、またはシクロペンチル基から選択され;
好ましくは、R4は、イソプロピル基である。
【0107】
別のより具体的な実施形態では、本発明は、技術構成19~24の何れか一項に記載の化合物に関する技術構成25を提供する。
ただし、
R2は、1、2または3個のR”基で置換されていてもよく、ここで、R”基は、独立して、H、ハロゲン、-CN、-NO2、または-ORaから選択され;
好ましくは、R2は、1、2または3個のR”基で置換されていてもよく、ここで、R”基は、独立して、-ORaから選択される。
【0108】
別のより具体的な実施形態では、本発明は、技術構成19~25の何れか一項に記載の化合物に関する技術構成26を提供する。
ただし、
Raは、独立して、H、C1-6アルキル基、またはC1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
好ましくは、Raは、独立して、H、またはC1-6アルキル基から選択される。
【0109】
別のより具体的な実施形態では、本発明は、技術構成19~26の何れか一項に記載の化合物に関する技術構成27を提供する。
ただし、
RbおよびRcは、独立して、H、C1-6アルキル基、またはC1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
好ましくは、RbおよびRcは、独立して、H、またはC1-6アルキル基から選択される。
【0110】
本発明の化合物は、1つ以上の不斉中心を含み得るので、様々な異性体、例えば、エナンチオマーおよび/またはジアステレオマーとして存在し得る。例えば、本発明の化合物は、個々のエナンチオマー、ジアステレオマーもしくは幾何異性体(例えば、シスおよびトランス異性体)の形態であり得るか、または立体異性体の混合物(ラセミ体混合物、および1つ以上の立体異性体を多く含む混合物を含む)の形態であり得る。異性体は、当業者に公知の方法(キラル高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)ならびにキラル塩の形成および結晶化を含む)によって混合物から単離され得るか;または好ましい異性体が、不斉合成によって調製され得る。
【0111】
当業者は、有機化合物が、溶媒中で反応するか、または溶媒から沈殿あるいは結晶化して、当該溶媒と複合体を形成し得ることを理解できる。これらの複合体は「溶媒和物」と呼ばれる。溶媒が水である場合、複合体は「水和物」と呼ばれる。本発明は、本発明の化合物のすべての溶媒和物を含む。
【0112】
「溶媒和物」という用語とは、一般的に、加溶媒分解反応により形成された、溶媒と組み合わせた化合物またはその塩の形態を指す。この物理的な会合は、水素結合が含まれる。通常の溶媒は、水、メタノール、エタノール、酢酸、DMSO、THF、ジエチルエーテルなどが含まれる。本発明の化合物は、例えば結晶として調製され、且つ溶媒和されることができる。適切な溶媒和物は、薬学的に許容される溶媒和物が含まれ、さらに化学量論的溶媒和物および非化学量論的溶媒和物が含まれる。特定の実施形態において、例えば、1つまたは複数の溶媒分子が結晶性固体の結晶格子に組み込まれている場合、前記の溶媒和物が単離される。「溶媒和物」は、溶液状態の溶媒和物と分離可能な溶媒和物が含まれる。代表的な溶媒和物として、水和物、エタノレート、およびメタノレートが挙げられる。
【0113】
「水和物」という用語は、水と組み合わせた化合物を指す。通常、化合物の水和物に含まれる水分子数の、該水和物中の該化合物分子数に対する比率は、一定である。したがって、化合物の水和物は、たとえば、一般式RxH2Oで表れる。ここで、Rは該化合物であり、xは0より大きい数である。所定の化合物は、複数のタイプの水和物を形成する可能性がある。例えば、一水和物(xは1)、低次水和物(xは0より大きく1より小さい数、例えば、半水和物(R0.5H2O))、および多水和物(xは1より大きい数、例えば、二水和物(R2H2O)および六水和物(R6H2O))が挙げられる。
【0114】
本発明の化合物は、非晶質または結晶質(結晶多形)のいずれでもよい。また、本発明の化合物は、1種または複数の結晶として存在してもよい。したがって、本発明は、本発明の化合物のすべての非晶質または結晶形をその範囲に含む。「結晶多形」という用語とは、特定の結晶が堆積して並んだ化合物の結晶形(あるいはその塩、水和物または溶媒和物)を指す。すべての多形体は同じ元素組成を有する。異なる結晶形は通常、異なるX線回折パターン、赤外スペクトル、融点、密度、硬度、結晶形状、光電特性、安定性、および溶解度を有する。再結晶溶媒、結晶化速度、貯蔵温度、および他の要因により、優勢な結晶形が生じる可能性がある。化合物の様々な多形体は、異なる条件下で結晶化することによって調製できる。
【0115】
また、本発明には、式(I)に記載されたものと同等の同位体標識化合物を含むが、1つ以上の原子は、原子質量または質量数が天然に典型的に見られる原子質量または質量数と異なる原子によって置換された。本発明の化合物に導入できる同位体の例として、水素、炭素、窒素、酸素、リン、硫黄、フッ素および塩素の同位体、例えばそれぞれ2H、3H、13C、11C、14C、15N、18O、17O、31P、32P、35S、18Fおよび36Clが挙げる。上記同位体および/または他の原子の他の同位体を含む本発明の化合物、そのプロドラッグ、および前記化合物または前記プロドラッグの薬学的に許容される塩は、本発明の範囲内に含まれる。放射性同位体(例えば3Hおよび14C)を導入したものなどの一部の同位体標識された本発明の化合物は、薬物および/または基質の組織分布に関する測定に用いられる。トリチウム(即ち、3H)と炭素-14(即ち、14C)の同位体は、その製造と検出が容易であるため特に好ましい。さらに、重水素、すなわち2Hのようなより重い同位体での置換は、代謝安定性に優れているため、治療で利点がある。例えば、インビボでの半減期の延長や投与量の削減ができるので、状況に応じて優先に考えられることがある。通常、同位体標識された本発明の式(I)の化合物およびそのプロドラッグは、以下のスキームおよび/または実施例および調製例で開示されるプロセスが行われる場合、非同位体標識試薬の代わりに、容易に入手可能な同位体標識試薬を使用することにより調製することができる。
【0116】
さらに、プロドラッグも本発明の明細書に含まれる。本明細書で使用される「プロドラッグ」という用語は、インビボで、例えば血液中での加水分解によって医学的な効果を有する活性形態に変換される化合物を指す。薬学的に許容されるプロドラッグは、T. HiguchiおよびV. Stella,Prodrugs as Novel Delivery Systems,A.C.S.Symposium SeriesのVol.14,Edward B.Roche,ed.,Bioreversible Carriers in Drug Design,American Pharmaceutical Association and Pergamon Press,1987、ならびにD.Fleisher、S.RamonおよびH.Barbra“Improved oral drug delivery:solubility limitations overcome by the use of prodrugs”,Advanced Drug Delivery Reviews(1996)19(2)115-130に記載されたが、それらはそれぞれ参照により本明細書に組み入れられる。
【0117】
プロドラッグは、患者に投与されると、インビボで母体化合物を放出する、任意の共有結合の本発明の化合物である。プロドラッグは、典型的には、通常の操作またはインビボで切断されて母体化合物を生じることができるように官能基を修飾することによって調製される。プロドラッグには、例えば、水酸基、アミノ基またはメルカプト基が任意の基に結合している本発明の化合物が含まれ、それらを患者に投与すると、切断されて、水酸基、アミノ基またはメルカプト基を形成することができる。したがって、プロドラッグの代表例としては、式(I)で表される化合物の水酸基、アミノ基またはメルカプト基とのアセテート/アセトアミド、ホルメート/ホルムアミドおよびベンゾエート/ベンズアミド誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。また、カルボン酸(-COOH)の場合は、メチルエステル、エチルエステル等のエステルを用いることができる。エステル自体は活性を有してもよく、および/またはヒトの体内の条件下で加水分解されてもよい。適切な薬学的に許容されるインビボで加水分解可能なエステル基には、人体中で容易に分解して母体酸またはその塩を放出する基が含まれる。
【0118】
本発明は、治療有効量の式(I)で表される化合物またはその治療上許容される塩、および薬学的に許容される担体、希釈剤または賦形剤を含む医薬製剤も提供する。これらの形態はすべて本開示に含まれる。
【0119】
好ましい本発明の化合物として、以下に示される化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、溶媒和物、水和物、結晶多形、プロドラッグまたは同位体変異体、およびそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【化28】
【化29】
【化30】
【0120】
医薬組成物、製剤およびキット
他の様態では、本発明は、本発明の化合物(「活性成分」とも呼ばれる)および薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物を提供する。一部の実施形態において、前記医薬組成物は、有効量の本発明化合物を含む。一部の実施形態において、前記医薬組成物は、治療有効量の本発明化合物を含む。一部の実施形態において、前記医薬組成物は、予防有効量の本発明化合物を含む。
【0121】
本発明の薬学的に許容される賦形剤とは、配合される化合物の薬理学的活性を無効にしない非毒性担体、アジュバントまたは媒体を指す。本発明の組成物で使用できる薬学的に許容される担体、アジュバントまたは媒体には、イオン交換体、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、血清アルブミン(例えば、ヒト血清アルブミン)、緩衝物質(例えば、リン酸塩)、グリシン、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、飽和植物性脂肪酸の部分グリセリド混合物、水、塩または電解質(例えば、硫酸プロタミン)、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩、コロイド状シリカ、三ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、セルロースベースの物質、ポリエチレングリコール、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、ポリアクリレート、ワックス、ポリエチレン-ポリオキシプロピレン-ブロックポリマー、ポリエチレングリコールおよび羊毛脂が含まれるが、これらに限定されない。
【0122】
本発明は、更に、キット(例えば、医薬パック)を含む。提供されるキットは、本発明の化合物、他の治療剤、ならびに本発明の化合物、他の治療剤を含有する第1および第2容器(例えば、バイアル、アンプル、ボトル、シリンジ、および/または分散パッケージ、あるいは他の適切な容器)を含む。一部の実施形態において、提供されるキットは、また、本発明の化合物および/または他の治療薬を希釈または懸濁するための薬学的に許容される賦形剤を含む第3の容器も有しても良い。一部の実施形態において、第1容器および第2の容器内の本発明の化合物を他の治療薬と組み合わせて単位製剤を形成して提供する。
【0123】
投与
本発明によって提供される医薬組成物は、経口投与、非経口投与、吸入投与、局所投与、直腸内投与、鼻腔投与、口腔投与、膣内投与、インプラントによる投与または他の投与方法などの様々な方式によって投与することができるが、これらに限定されない。例えば、本発明で用いた非経口投与には、皮下投与、皮内投与、静脈内投与、筋肉内投与、関節内投与、動脈内投与、滑膜腔内投与、胸骨内投与、脳脊髄膜内投与、病巣内投与、頭蓋内の注射や輸液技術が含まれる。
【0124】
通常、有効量で本発明によって提供する化合物を投与する。治療される病状、選択される投与方式、実際に投与される化合物、患者の年齢、体重および反応、患者の症状の重篤度などを含む状況に応じて、実際に投与される化合物の量は医師によって決定される。
【0125】
本明細書に記載した病状を予防するために使用される場合、本発明によって提供される化合物は、前記病状を発症するリスクのある被験者に投与され、典型的には、医師の推奨に基づいて上記の用量レベルで投与される。特定の病状を発症するリスクのある被験者には、典型的に、前記病状の家族の歴史を有する被験者、または遺伝子検査もしくはスクリーニングによって前記病状を発症しやすい被験者が含まれる。
【0126】
本発明によって提供される医薬組成物(「長期投与」)は長期的に投与することもできる。長期投与とは、例えば3ヶ月、6ヶ月、1年、2年、3年、5年などの長期間にわたって化合物またはその医薬組成物を投与できるか、または、例えば被験者の余生において無期限に連続的に投与できることを指す。たとえば、一部の実施形態において、長期投与は、例えば治療ウィンドウ内で、長期間にわたって血液中に一定レベルの前記化合物を提供することを意図している。
【0127】
本発明の医薬組成物は、様々な投与方式を用いてさらに送達することができる。例えば、一部の実施形態において、医薬組成物は、例えば、血液中の化合物の濃度を有効レベルまで増加させるために、ボーラス注射によって投与することができる。ボーラス用量の配置は、身体全体で望まれる活性成分の全身レベルに依存し、例えば、筋肉内または皮下のボーラス用量は、活性成分をゆっくり放出することを可能にし、一方で、静脈に直接送達されるボーラス(例えば、IV滴注による)をより速く送達することを可能にし、これにより、血液中の活性成分の濃度を有効レベルまで迅速に上昇させる。他の実施形態において、この薬学的組成物は、連続注入で、例えば、IV滴注によって投与されて、被験者の身体内での、活性成分の定常状態濃度の維持を提供する。さらに、他の実施形態において、医薬組成物は、最初にボーラス用量で投与され、続いて連続して注入される。
【0128】
経口投与用の組成物は、バルク液体の溶液もしくは懸濁液またはバルク粉末の形態を採用できる。しかしながら、一般的に、上記組成物は、精確な投薬量で投与できるために、単位投与量で提供される。用語「単位製剤」とは、ヒト被験者および他の哺乳動物への単位投与量に好適な物理的な不連続単位を指し、各単位は、好適な薬学賦形剤と、所望の治療効果をもたらすのに適合な活性物質とを所定量で含む。典型的な単位製剤としては、液体組成物が予め測定されて予め充填されたアンプルもしくは注射器、または固体組成物の場合は丸剤、錠剤、カプセルなどが挙げられる。そのような組成物において、上記化合物は、通常、少量の成分(約0.1~約50重量%または好ましくは約1~約40重量%)であり、残りは、所望の投薬形態を形成するのに役立つ様々な担体または賦形剤および加工助剤である。
【0129】
経口投与の用量について、1日あたり1~5回、特に2~4回、典型的には3回の経口投与量が、代表的なレジメンである。これらの投薬パターンを使用するとき、各用量は、約0.01~約20mg/kgの本発明の化合物を提供し、好ましい用量は、それぞれ約0.1~約10mg/kg、特に、約1~約5mg/kgを提供する。
【0130】
一般に、経皮用量は、注射用量を使用して達成されるレベルと類似であるかまたはより低い血液中レベルを提供するように選択され、通常、約0.01重量%~約20重量%、好ましくは、約0.1重量%~約20重量%、好ましくは、約0.1重量%~約10重量%、そしてより好ましくは、約0.5重量%~約15重量%の範囲の量である。
【0131】
注射剤の用量レベルは、約1~約120時間、特に、24~96時間にわたって、約0.1mg/kg/時間~少なくとも10mg/kg/時間の範囲である。約0.1mg/kg~約10mg/kgまたはそれ以上の前負荷ボーラス(preloading bolus)も、適切な定常状態レベルを達成するために投与されてもよい。最大総用量は、40~80kgのヒト患者にとって約2g/日を超えない。
【0132】
経口投与に適した液体の形態は、好適な水性または非水性の担体、および緩衝剤、懸濁剤、分散剤(dispensing agents)、着色剤、香料などを含み得る。固体の形態は、例えば、以下の成分または同様の性質の化合物のいずれかを含み得る:結合剤(例えば、微結晶性セルロース、トラガカントゴムまたはゼラチン);賦形剤(例えば、デンプンまたはラクトース)、崩壊剤(例えば、アルギン酸、Primogelまたはトウモロコシデンプン);滑剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム);滑剤(例えば、コロイド状二酸化ケイ素);甘味剤(例えば、スクロースまたはサッカリン);または香味料(例えば、ペパーミント、サリチル酸メチルまたはオレンジフレーバー)。
【0133】
注射可能な組成物は、典型的には、注射可能な滅菌された食塩水もしくはリン酸緩衝食塩水または当該分野で公知の他の注射可能な賦形剤に基づくものである。以上のとおり、そのような組成物における活性化合物は、典型的には、約0.05~10重量%である少量の成分であり、残りは、注射可能な賦形剤などである。
【0134】
経皮の組成物は、典型的には、活性成分を含む局所用軟膏またはクリームとして製剤化される。軟膏として製剤化される場合、活性成分は、典型的には、パラフィン軟膏基剤または水混合性軟膏基剤と混合される。あるいは、活性成分は、例えば、水中油型クリーム基剤とともに、クリームとして製剤化される。このような経皮的製剤は、当該分野で周知であり、一般に、活性成分または製剤の皮膚浸透力または安定性を高めるさらなる成分を含む。そのような公知の経皮の製剤および成分のすべてが、本発明の範囲内に含まれる。
【0135】
本発明の化合物は、経皮的デバイスによっても投与され得る。従って、経皮的投与は、レザバー(reservoir)タイプもしくは多孔質膜タイプ、または多種の固体マトリックスのパッチを用いて実現される。
【0136】
経口投与、注射、または局所的な投与のための組成物の上述構成要素は、単に代表的なものである。他の材料ならびに加工手法などは、Remington’s Pharmaceutical Sciences,第17版,1985,Mack Publishing Company,Easton,PennsylvaniaのPart8(参照により本明細書中に組み入れられる)に示されている。
【0137】
また、本発明の化合物は、徐放形態でまたは徐放薬物送達系から投与され得る。代表的な徐放材料の説明は、Remington’s Pharmaceutical Sciencesに見出すことができる。
【0138】
本発明は、本発明の化合物の薬学的に許容される製剤にも関する。一実施形態において、上記製剤は、水を含む。別の実施形態において、上記製剤は、シクロデキストリン誘導体を含む。最も一般的なシクロデキストリンは、連結される糖部分上に必要に応じて1つ以上の置換基(メチル化、ヒドロキシアルキル化、アシル化およびスルホアルキルエーテル置換が挙げられるが、これらに限定されない)を含む、それぞれ6、7および8個のα-1,4-結合グルコース単位からなるα-、β-およびγ-シクロデキストリンである。一部の実施形態において、シクロデキストリンは、スルホアルキルエーテルβ-シクロデキストリン、例えば、Captisolとしても知られるスルホブチルエーテルβ-シクロデキストリンである。例えば、米国特許第5,376,645号を参照する。一部の実施形態において、上記製剤は、ヘキサプロピル-β-シクロデキストリン(例えば、水において10~50%)を含む。
【0139】
治療
本発明は、本発明の化合物またはその組成物を治療有効量で哺乳動物に投与することを含む、哺乳動物(ヒトを含む)における以下の疾患や病症の治療方法を提供する。前記疾患や病症は、例えば、癌、アテローム性動脈硬化症に関連する血管平滑筋増殖、術後血管狭窄、再狭窄、子宮内膜症などの細胞増殖性障害;ヘルペスのようなDNAウイルスやHIVのようなRNAウイルスなどのウイルス感染、および真菌感染を含む感染;乾癬、関節リウマチにような炎症、ループス、I型糖尿病、糖尿病性腎症、多発性硬化症および糸球体腎炎などの自己免疫疾患;移植片対宿主病を含む臓器移植拒絶反応が挙げられる。
【0140】
また、本発明は、例えば癌などの異常な細胞増殖の治療に有用な本発明の化合物を提供する。さらに、本発明は、このような治療を必要とする被験者に、本発明の化合物またはその組成物を治療有効量で投与することを含む、例えば以下の癌から選択される癌などの異常な細胞増殖の治療方法を提供する。前記癌は、乳房、卵巣、子宮頸部、前立腺、精巣、食道、胃、皮膚、肺、骨、結腸、膵臓、甲状腺、胆道、頬面窩洞および咽頭(口)、唇、舌、口、咽頭、小腸、結腸直腸、大腸、直腸、脳および中枢神経系の癌、神経膠芽腫、神経芽細胞腫、角化棘細胞腫、類表皮癌、大細胞癌、腺癌、腺腫、濾胞状癌、未分化癌、乳頭癌、セミノーマ、メラノーマ、肉腫、膀胱癌、肝臓癌、腎臓癌、骨髄障害、リンパ障害、ホジキン病、有毛細胞癌、および白血病などの癌が含まれるが、これらに限定されない。
【0141】
さらに、本発明は、血管平滑筋細胞の増殖による疾患に罹患する患者を治療する方法に関する。本発明の化合物は、血管平滑筋細胞の増殖および移動を効果的に阻害する。この方法は、治療を必要とする被験者に、血管平滑筋の増殖および/または移動を阻害することに対して十分な量の本発明の化合物またはその組成物を投与することを含む。
【0142】
さらに、本発明は、治療を必要とする被験者に、本発明の化合物またはその組成物を、病症を治療することに十分な量で投与することを含む、痛風に罹患する被験者を治療する方法を提供する。
【0143】
さらに、本発明は、治療を必要とする対象に、本発明の化合物またはその組成物を、病症を治療することに十分な量で投与することを含む、例えば多嚢胞性腎疾患などの腎疾患に罹患する被験者を治療する方法を提供する。
【0144】
CDKおよび他のキナーゼに対するそれらの阻害活性によって、本発明の化合物は、これらのキナーゼの作用機序をインビトロおよびインビボで研究するための有用な研究ツールでもある。
【0145】
本発明の化合物は、癌(例えば、白血病、肺、乳房、前立腺およびメラノーマなどの皮膚の癌)および他の増殖性疾患(乾癬、HSV、HIV、再狭窄およびアテローム性動脈硬化を含むが、これらに限定されない)の治療に有用である。本発明の化合物で癌を治療するために、少なくとも1つの本発明の化合物を含む薬学的に許容される組成物を、治療有効量でこのような治療を必要とする患者、例えば癌または別の増殖性疾患に罹患する患者に投与する。
【0146】
本発明の化合物の有効量は、通常、1日あたり0.01mg~50mg化合物/kg患者の体重、好ましいは0.1mg~25mgの化合物/kg患者の体重で、1回または複数回投与する。通常、本発明の化合物は、この治療を必要とする患者に、患者1人当たり約1mg~約3500mgの範囲の1日投与量で、好ましいは10mg~1000mgの範囲の1日投与量で投与することができる。例えば、患者あたりの1日投与量は10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250、300、350、400、500、600、700、800、900または1000mgであってもよい。毎日、毎週(または数日間隔)、または間歇スケジュールで、1回または複数回投与することができる。例えば、毎週(例えば毎週の月曜日)に加え、1日に1回または複数回、不定期に、または数週間、例えば、4~10週間連続的に前記化合物を投与することができる。或いは、数日間(例えば、2~10日間)毎日投与した後に、数日間(例えば、1~30日間)化合物を投与せず、そして、このサイクルを任意に繰り返すか、または所定の回数、例えば4~10回で繰り返す。例えば、本発明の化合物は、5日間毎日連続的に投与し、次いで9日間中断し、さらに5日間毎日連続的に投与し、次いで9日間中断するようなサイクルを不定期に、または計4~10回繰り返すことができる。
【0147】
併用療法
本発明の化合物または組成物は、併用療法として、1つまたは複数の他の薬剤と同時に、或いは他の薬剤の投与前または投与後に投与してもよい。薬剤には、治療薬が含まれる。また、薬剤には、予防薬も含まれる。薬剤として、例えば、医薬品化合物(米国食品医薬品局によって承認された、連邦規則集(CFR)におけるヒト用・動物用化合物)のようの小さな有機分子、ペプチド、タンパク質、炭水化物、単糖、オリゴ糖、多糖、核タンパク質、ムコタンパク質、リポタンパク質、合成ポリペプチドまたはタンパク質、タンパク質に結合した小分子、糖タンパク質、ステロイド、核酸、DNA、RNA、ヌクレオチド、ヌクレオシド、オリゴヌクレオチド、アンチセンスオリゴヌクレオチド、脂質、ホルモン、ビタミンおよび細胞が挙げられる。一部の実施形態では、上記の他の薬剤は、本明細書に記載の疾患を治療および/または予防するための薬剤である。他の薬剤は、それぞれの薬剤によって決定される用量および/またはタイムスケジュールで投与しても良い。上記の他の薬剤は、互いにおよび/または本明細書に記載の化合物あるいは組成物とともに、単回投与量で投与されてもよく、異なる投与量で別々に投与されてもよい。このレジメンで使用される特定の組み合わせは、本発明の化合物と他の薬剤との適合性および/または達成する所望の治療効果および/または予防効果を考慮する。一般に、他の薬剤は、組み合わせて使用される際に、それらが別々で使用されるレベルを超えないレベルで使用される。一部の実施形態では、組み合わせて使用されるレベルは、個別に使用されるレベルよりも低くなる。
【0148】
他の医薬品として、抗増殖剤、抗癌剤、血管新生阻害剤、抗炎症剤、免疫抑制剤、抗菌剤、抗ウイルス剤、心血管薬、脂質低下薬、糖尿病薬、抗アレルギー薬、避妊薬、および鎮痛薬が挙げられるが、これらに限定されない。一実施形態では、他の医薬品は抗増殖剤である。一実施形態では、他の薬剤は抗癌剤である。一実施形態では、他の薬剤は抗白血病薬である。一実施形態では、上記の他の薬剤は、ABITREXATE(メトトレキサート)、ADE、ADRIAMYCIN RDF(ドキソルビシン塩酸塩)、Ambochlorin(クロラムブシル)、ARRANON(ネララビン)、ARZERRA(オファツムマブ)、BOSULIF(ボスチニブ)、BUSULFEX(ブスルファン)、CAMPATH(アレムツズマブ)、CERUBIDINE(ダウノルビシン塩酸塩)、CLAFEN(シクロホスファミド)、CLOFAREX(クロファラビン)、CLOLAR(クロファラビン)、CVP、CYTOSAR-U(シタラビン)、CYTOXAN(シクロホスファミド)、ERWINAZE(アスパラギナーゼエルウィニアクリサンチミー)、FLUDARA(リン酸フルダラビン)、FOLEX(メトトレキサート)、FOLEX PFS(メトトレキサート)、GAZYVA(オビヌツズマブ、obinutuzumab)、GLEEVEC(イマチニブメシル酸塩)、Hyper-CVAD、ICLUSIG(ポナチニブ塩酸塩)、IMBRUVICA(イブルチニブ)、LEUKERAN(クロラムブシル)、LINFOLIZIN(クロラムブシル)、MARQIBO(硫酸ビンクリスチンリボソーム)、METHOTREXATE LPF(メトトレキサート)、MEXATE(メトトレキサート)、MEXATE-AQ(メトトレキサート)、ミトキサントロン塩酸塩、MUSTARGEN(メクロレタミン塩酸塩)、MYLERAN(ブスルファン)、NEOSAR(シクロホスファミド)、ONCASPAR(ペガスパルガーゼ)、PURINETHOL(メルカプトプリン)、PURIXAN(メルカプトプリン)、Rubidomycin(ダウノルビシン塩酸塩)、SPRYCEL(ダサチニブ)、SYNRIBO(オマセタキシンメペスクシナート)、TARABINE PFS(シタラビン)、TASIGNA(ニロチニブ)、TREANDA(ベンダムスチン塩酸塩)、TRISENOX(三酸化二ヒ素)、VINCASAR PFS(ビンクリスチン硫酸塩)、ZYDELIG(イデラリシブ、idelalisib)、またはそれらの組み合わせである。一実施形態では、上記の他の医薬品は、抗リンパ腫薬である。一実施形態では、上記の他の薬剤は、ABITREXATE(メトトレキサート)、ABVD、ABVE、ABVE-PC、ADCETRIS(ブレンツキシマブベドチン、brentuximab vedotin)、ADRIAMYCIN PFS(ドキソルビシン塩酸塩)、ADRIAMYCIN RDF(ドキソルビシン塩酸塩)、AMBOCHLORIN(クロラムブシル)、AMBOCLORIN(クロラムブシル)、ARRANON(ネララビン)、BEACOPP、BECENUM(カルムスチン)、BELEODAQ(belinostat)、BEXXAR(トシツモマブおよびヨウ素I 131トシツモマブ)、BICNU(カルムスチン)、BLENOXANE(ブレオマイシン)、CARMUBRIS(カルムスチン)、CHOP、CLAFEN(シクロホスファミド)、COPP、COPP-ABV、CVP、CYTOXAN(シクロホスファミド)、DEPOCYT(シタラビンリポソーム)、DTIC-DOME(ダカルバジン)、EPOCH、FOLEX(メトトレキサート)、FOLEX PFS(メトトレキサート)、FOLOTYN(プララトレキサート)、HYPER-CVAD、ICE、IMBRUVICA(イブルチニブ)、INTRON A(組換えインタージェロンアルファ-2b)、ISTODAX(ロミデプシン)、LEUKERAN(クロラムブシル)、LINFOLIZIN(クロラムブシル)、ロムスチン、MATULANE(プロカルバジン塩酸塩)、METHOTREXATE LPF(メトトレキサート)、MEXATE(メトトレキサート)、MEXATE-AQ(メトトレキサート)、MOPP、MOZOBIL(プレリキサホル、Plerixafor)、MUSTARGEN(メクロレタミン塩酸塩)、NEOSAR(シクロホスファミド)、OEPA、ONTAK(デニロイキンジフチトクス2)、OPPA、R-CHOP、REVLIMID(レナリドミン)、RITUXAN(リツキシマブ)、STANFORD V、TREANDA(ベンダムスチン塩酸塩)、VAMP、VELBAN(ビンブラスチン硫酸塩)、VELCADE(ボルテゾミブ)、VELSAR(ビンブラスチン硫酸塩)、VINCASAR PFS(ビンクリスチン硫酸塩)、ZEVALIN(イブリツモマブチウキセタン)、ZOLINZA(ボリノスタット)、ZYDELIG(イデラリシブ、idelalisib)、またはそれらの組み合わせである。一実施形態では、上記の他の医薬品は、REVLIMID(レナリドミン)、DACOGEN(デシタビン)、VIDAZA(アザシチジン)、CYTOSAR-U(シタラビン)、IDAMYCIN(イダルビシン)、CERUBIDINE(ダウノルビシン)、LEUKERAN(クロラムブシル)、NEOSAR(シクロホスファミド)、FLUDARA(フルダラビン)、LEUSTATIN(クラドリビン)、またはそれらの組み合わせである。一実施形態では、上記の他の医薬品は、ABITREXATE(メトトレキサート)、ABRAXANE(パクリタキセルアルブミン安定化ナノ粒子製剤)、AC、AC-T、ADE、ADRIAMYCIN PFS(ドキソルビシン塩酸塩)、ADRUCIL(フルオロウラシル)、AFINITOR(エベロリムス)、AFINITOR DISPERZ(エベロリムス)、ALDARA(イミキモド)、ALIMTA(ペメトレキセド二ナトリウム)、AREDIA(パミドロン酸二ナトリウム)、ARIMIDEX(アナストロゾール)、AROMASIN(エキセメスタン)、AVASTIN(ベバシズマブ)、BECENUM(カルムスチン)、BEP、BICNU(カルムスチン)、BLENOXANE(ブレオマイシン)、CAF、CAMPTOSAR(イリノテカン塩酸塩)、CAPOX、CAPRELSA(バンデタニブ)、CARBOPLATIN-TAXOL、CARMUBRIS(カルムスチン)、CASODEX(ビカルタミド)、CEENU(ロムスチン)、CERUBIDINE(ダウノルビシン塩酸塩)、CERVARIX(組換えHPV二価ワクチン)、CLAFEN(シクロホスファミド)、CMF、COMETRIQ(カボザンチニブ-s-リンゴ塩)、COSMEGEN(ダクチノマイシンD)、CYFOS(イホスファミド)、CYRAMZA(ラムシルマブ)、CYTOSAR-U(シタラビン)、CYTOXAN(シクロホスファミド)、DACOGEN(デシタビン)、DEGARELIX、DOXIL(ドキソルビシン塩酸塩リポソーム)、ドキソルビシン塩酸塩、DOX-SL(ドキソルビシン塩酸塩リポソーム)、DTIC-DOME(ダカルバジン)、EFUDEX(フルオロウラシル)、ELLENCE(エピルビシン塩酸塩)、ELOXATIN(オキサリプラチン)、ERBITUX(セツキシマブ)、ERIVEDGE(ビスモデギブ、vismodegib)、ERIVEDGE(リン酸エトポシド)、EVACET(ドキソルビシン塩酸塩リポソーム)、FARESTON(トレミフェン)、FASLODEX(フルベストラント)、FEC、FEMARA(レトロゾール)、FLUOROPLEX(フルオロウラシル)、FOLEX(メトトレキサート)、FOLEX PFS(メトトレキサート)、FOLFIRI、FOLFIRI-BEVACIZUMAB、FOLFIRI-CETUXIMAB、FOLFIRINOX、FOLFOX、FU-LV、GARDASIL(組換えヒトパピローマウイルス(HPV)四価ワクチン)、GEMCITABINE-CISPLATIN、GEMCITABINE-OXALIPLATIN、GEMZAR(ゲムシタビン塩酸塩)、GILOTRIF(アファチニブジマレイン酸塩)、GLEEVEC(イマチニブメシル酸塩)、GLIADEL(カルムスチンインプラント)、GLIADEL WAFER(カルムスチンインプラント)、HERCEPTIN(トラスツズマブ)、HYCAMTIN(トポテカン塩酸塩)、IFEX(イホスファミド)、IFOSFAMIDUM(イホスファミド)、INLYTA(アキシチニブ)、INTRON A(組換えインタージェロンアルファ-2b)、IRESSA(ゲフィチニブ)、IXEMPRA(イキサピロン)、JAKAFI(ルキソリチニブリン酸塩)、JEVTANA(カバジタキセル)、KADCYLA(ado-trastuzumab emtansine)、KEYTRUDA(pembrolizumab)、KYPROLIS(カーフィルゾミブ)、LIPODOX(ドキソルビシン塩酸塩リポソーム)、LUPRON(リュープロレリン酢酸塩)、LUPRON DEPOT(リュープロレリン酢酸塩)、LUPRON DEPOT-3 MONTH(リュープロレリン酢酸塩)、LUPRON DEPOT-4 MONTH(リュープロレリン酢酸塩)、LUPRON DEPOT-PED(リュープロレリン酢酸塩)、MEGACE(メゲストロール)、MEKINIST(トラメチニブ)、METHAZOLASTONE(テモゾロミド)、METHOTREXATE LPF(メトトレキサート)、MEXATE(メトトレキサート)、MEXATE-AQ(メトトレキサート)、ミトキサントロン塩酸塩、MITOZYTREX(マイトマイシンc)、MOZOBIL(プレリキサホル、Plerixafor)、MUSTARGEN(メクロレタミン塩酸塩)、MUTAMYCIN(マイトマイシンc)、MYLOSAR(アザシチジン)、NAVELBINE(酒石酸ビノレルビン)、NEOSAR(シクロホスファミド)、NEXAVAR(トシル酸ソラフェニブ)、NOLVADEX(酒石酸ビノレルビン)、NOVALDEX(酒石酸ビノレルビン)、OFF、PAD、PARAPLAT(カルボプラチ)、PARAPLATIN(カルボプラチ)、PEG-INTRON(ペグインターフェロンアルファ-2b)、ペメトレキセド二ナトリウム、PERJETA(ペルツズマブ)、PLATINOL(シスプラチン)、PLATINOL-AQ(シスプラチン)、POMALYST(ポマリドミド)、プレドニゾン、PROLEUKIN(アルデスロイキン)、PROLIA(デノスマブ)、PROVENGE(sipuleucel-t)、REVLIMID(レナリドミン)、RUBIDOMYCIN(ダウノルビシン塩酸塩)、SPRYCEL(ダサチニブ)、STIVARGA(レゴラフェニブ)、SUTENT(リンゴ酸スニチニブ)、SYLATRON(ペグインターフェロンアルファ-2b)、SYLVANT(セツキシマブ)、SYNOVIR(サリドマイド)、TAC、TAFINLAR(ダブラフェニブ)、TARABINE PFS(シタラビン)、TARCEVA(エルロチニブ塩酸塩)、TASIGNA(ニロチニブ)、TAXOL(パクリタキセル)、TAXOTERE(ドセタキセル)、TEMODAR(テモゾロミド)、THALOMID(サリドマイド)、TOPOSAR(エトポシド)、TORISEL(シロリムス)、TPF、TRISENOX(三酸化二ヒ素)、TYKERB(ラパチニブトシル酸塩)、VECTIBIX(パニツムマブ)、VEIP、VELBAN(ビンブラスチン硫酸塩)、VELCADE(ボルテゾミブ)、VELSAR(ビンブラスチン硫酸塩)、VEPESID(エトポシド)、VIADUR(リュープロレリン酢酸塩)、VIDAZA(アザシチジン)、VINCASAR PFS(ビンクリスチン硫酸塩)、V
OTRIENT(パゾパニブ塩酸塩)、WELLCOVORIN(ロイコボリンカルシウム)、XALKORI(クリゾチニブ)、XELODA(カペシタビン)、XELOX、XGEVA(デノスマブ)、XOFIGO(塩化ラジウム223)、XTANDI(エンザルタミド)、YERVOY(イピリムマブ)、ZALTRAP(アフリベルセプト)、ZELBORAF(ベムラフェニブ)、ZOLADEX(酢酸ゴセレリン)、ZOMETA(ゾレドロン酸)、ZYKADIA(セリチニブ)、ZYTIGA(酢酸アビラテロン)、またはそれらの組み合わせである。
【0149】
一実施形態では、上記の他の医薬品は抗ウイルス剤である。一実施形態では、上記の他の医薬品は、エピジェネティックまたは転写モジュレーター(例えば、DNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤(HDAC阻害剤)、リジンメチルトランスフェラーゼ阻害剤)、抗有糸分裂薬(例えば、タキサンおよびビンカアルカロイド)、ホルモン受容体調節剤(例えば、エストロゲン受容体調節剤およびアンドロゲン受容体調節剤)、細胞シグナル伝達経路阻害剤(例えば、チロシンキナーゼ阻害剤)、タンパク質安定性の調節剤(例えば、プロテアソーム阻害剤)、Hsp90阻害剤、グルココルチコイド、全トランス型レチノイン酸、および分化を促進する他の薬物から選択される。一実施形態において、本発明の化合物または医薬組成物は、抗癌療法と組み合わせて投与されてもよく、ここで、上記の抗癌療法は、手術、放射線療法、移植(例えば、幹細胞移植、骨髄移植)、免疫療法および化学療法を含むが、これらに限定されない。
【0150】
実施例
以下の実施例は、本発明の範囲を限定することではなく、本発明を例示することを目的として本発明の請求項で保護される方法と化合物を実施、製造、評価する完全な開示および説明を当業者に提供するために、提供される。
【0151】
本発明の化合物の調製プロトコルは、スキーム1に示される。
反応式1
【化31】
【0152】
一般式Iで表される化合物は、上記の一般的な反応スキームに従って調製することができる。まず、4-メチルベンゼンスルホン酸の触媒作用下で化合物(1)をエタノールと反応させ、エノールエーテル中間体(2)を得、さらに、N,N-ジメチルホルムアミドジメチルアセタールと反応させてエナミン中間体(3)を得た。(3)をアルキルヒドラジン塩酸塩と反応させ、ピラゾール環を形成し、中間体(4)を生成した。その後、再びN,N-ジメチルホルムアミドジメチルアセタールと反応させて、エナミン中間体(5)を得た。次に、(5)をS-メチルイソチオ尿素硫酸塩と反応させてピリミジン環を形成し、三環式中間体(6)を得た。(6)を二酸化マンガンと反応して芳香族中間体(7)を形成した。(7)をAIBNの触媒作用下でN-ブロモスクシンイミドと反応させて(8)を調製した。(8)は、パラジウムの触媒作用下で、それぞれ対応するクロスカップリング反応を実行し、(9)、(10)、(11)および(12)をそれぞれ得た。中間体(7-12)のメチルチオ基はDavis試薬で酸化され、メチルスルフィニル中間体(13)を得た。化合物(13)をアミン(14)とカップリングさせて、式(I)の化合物を得た。
【0153】
実施例1:
1-イソプロピル-N-(5-(ピペラジン-1-イル)ピリジン-2-イル)-1H-ピラゾロ[4,3-H]キナゾリン-8-アミン塩酸塩(I-1)の調製
【化32】
【0154】
1-イソプロピル-1,4,5,6-テトラヒドロ-7H-インダゾール-7-オン(4a)
中間体3の粗生成物(25g,128.2mmol)をメタノール(500mL)に溶解し、室温で氷酢酸(50mL)およびイソプロピルヒドラジン塩酸塩(42.5g,384.6mmol)を加え、さらにこの温度で10時間攪拌して反応させた。反応完了後、減圧下で濃縮してほとんどの溶媒を除去し、得られた残渣をフラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=10:1)で分離、精製し、白色固体として表題化合物4a(18.5g,103.8mmol,81%)を得た。1H NMR(400MHz,クロロホルム-d,ppm) δ 7.37(s,1H),5.44(p,J=6.6Hz,1H),2.75(t,J=6.1Hz,2H),2.55(dd,J=7.1,5.6Hz,2H),2.09(p,J=6.3Hz,2H),1.46(d,J=6.6Hz,6H)。
【0155】
(Z)-6-((ジメチルアミノ)メチレン)-1-イソプロピル-1,4,5,6-テトラヒドロ-7H-インダゾール-7-オン(5a)
4a(18g,101.1mmol)およびN,N-ジメチルホルムアミドジメチルアセタール(67.1mL,505.3mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(200mL)溶液を、120℃で13時間攪拌して反応させた。反応液を室温まで冷却した後、減圧下で濃縮し、褐色油状物として表題化合物5a(20.5g,87.9mmol,87%)の粗生成物を得、さらに精製しなく、そのまま次の反応に用いられる。LC-MS(ESI),C13H20N3O[M+H]+:m/z=234.2。
【0156】
1-イソプロピル-8-(メチルチオ)-4,5-ジヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-H]キナゾリン(6a)
5a(20g,85.8mmol)およびS-メチルイソチオ尿素硫酸塩(73.6g,257.4mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(600mL)に懸濁させ、110℃に昇温し、16時間攪拌して反応させ。反応液を室温まで冷却した後、減圧下で濃縮してほとんどの溶媒を除去した。得られた残渣に酢酸エチル(300mL)および水(500mL)を加えて希釈し、水層を分離し、酢酸エチル(3×150mL)で抽出した。有機相を合わせ、飽和食塩水(2×100mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、濃縮し、得られた残渣をフラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=1:1~0:1)で精製し、褐色固体として表題化合物6a(9.6g,36.9mmol,43%)を得た。1H NMR(400MHz,クロロホルム-d,ppm) δ 8.32(s,1H),7.41(s,1H),5.84(p,J=6.6Hz,1H),2.86(dd,J=8.1,5.9Hz,2H),2.78(ddd,J=8.5,6.3,1.7Hz,2H),2.19(s,3H),1.56(d,J=6.6Hz,6H)。LC-MS(ESI),C13H17N4S[M+H]+:m/z=261.2。
【0157】
1-イソプロピル-8-(メチルチオ)-1H-ピラゾロ[4,3-H]キナゾリン(7a)
6a(9.5g,36.5mmol)をアセトニトリル(150mL)に溶解し、2-ヨードキシ安息香酸(20.4g,73.0mmol)を加え、75℃に加熱して16時間攪拌した。反応液を室温まで冷却した後、濾過し、濃縮した。得られた残渣フラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、淡黄色の固体として表題化合物7a(7.64g,29.6mmol,81%)を得た。1H NMR(600MHz,クロロホルム-d,ppm) δ 9.24(s,1H),8.11(s,1H),7.66(d,J=8.5Hz,1H),7.43(d,J=8.6Hz,1H),6.34(p,J=6.7Hz,1H),2.35(s,3H),1.70(d,J=6.6Hz,6H)。LC-MS(ESI),C13H15N4S[M+H]+:m/z=259.1。
【0158】
1-イソプロピル-8-(メチルスルフィニル)-1H-ピラゾロ[4,3-H]キナゾリン(13a)
7a(7.3g,28.3mmol)をクロロホルム(150mL)に溶解し、2-フェニルスルホニル-3-フェニルオキサジリジン(8.9g,34.0mmol)を加え、室温で18時間攪拌して反応させた。濃縮し、得られた粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/アセトン=2:1~0:1)により精製して、灰白色固体として表題化合物13a(7.1g,25.8mmol,91%)を得た。LC-MS(ESI),C13H15N4OS [M+H]+:m/z=275.1。
【0159】
4-(6-((1-イソプロピル-1H-ピラゾロ[4,3-h]キナゾリン-8-イル)アミノ)ピリジン-3-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチルエステル(I-1a)
13a(82.2mg,0.3mmol)および4-(6-アミノピリジン-3-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチルエステル14a(83.5mg,0.3mmol)をキシレン(0.6mL)に懸濁させ、アルゴンガスで3回置換し、130℃に加熱して21時間反応させた。反応液を室温に冷却した後、少量の酢酸エチルを添加し、さらに約2時間攪拌し、黄色固体が反応液から析出した。吸引ろ過し、得られた残渣を石油エーテル/酢酸エチル(2:1,2×2mL)で洗浄し、真空乾燥で淡黄色粉末として表題化合物I-1a(30.7mg,21.1%)を得た。1H NMR(400MHz,クロロホルム-d,ppm) δ 9.18(s,1H),8.44(s,1H),8.33(d,J=9.0Hz,1H),8.16-8.04(m,2H),7.56(d,J=8.5Hz,1H),7.41-7.31(m,2H),6.42(hept,J=6.6Hz,1H),3.74-3.55(m,4H),3.25-3.04(m,4H),1.69(d,J=6.6Hz,7H),1.50(s,9H)。
【0160】
1-イソプロピル-N-(5-(ピペラジン-1-イル)ピリジン-2-イル)-1H-ピラゾロ[4,3-H]キナゾリン-8-アミン塩酸塩(I-1)
I-1a(20mg,0.041mmol)をジクロロメタン/メタノール(1:1,2mL)に溶解し、塩化水素(4M,1,4-ジオキサン溶液,0.82mL)を添加し、室温で3時間攪拌した後、減圧下で濃縮し、得られた粗生成物を酢酸エチル中で1時間攪拌した後、濾過を行い、黄色粉末として表題化合物I-1(17.2mg,99%)を得た。
1H NMR(400MHz,水-d
2,ppm) δ 9.19(s,1H),7.94(s,1H),7.78(d,J=9.4Hz,1H),7.59(d,J=8.6Hz,1H),7.48(d,J=8.6Hz,1H),7.35(s,1H),7.01(d,J=9.4Hz,1H),5.90(dq,J=13.1,6.2Hz,1H),3.62-3.47(m,4H),3.47-3.31(m,4H),1.60(d,J=6.6Hz,6H)。
【表1-1】
【表1-2】
【0161】
実施例1におけるI-1の合成法を参照し、13a(39.0mg,0.14mmol)および14(2equiv.)から、化合物I-2(12.9mg,29.4μmol,21%)、I-3(11.7mg,26.6μmol,19%)、I-10(11.1mg,25.2μmol,18%)、I-11(13.6mg,30.8μmol,22%)、I-12(10.4mg,23.8μmol,17%)、I-13(14.6mg,32.2μmol,23%)、I-14(12.7mg,28.8μmol,20%)、I-22(9.8mg,22.4μmol,16%)、I-25(8.4mg,18.2μmol,13%)、I-26(5.8mg,12.6μmol,9%)、I-27(4.7mg,9.8μmol,7%)を調製した。
【0162】
実施例1におけるI-1aの合成法を参照し、13a(39.0mg,0.14mmol)および14(2equiv.)から、化合物I-4(14.6mg,36.4μmol,26%)、I-5(18.1mg,43.4μmol,31%)、I-6(15.7mg,37.8μmol,27%)、I-7(19.2mg,46.2μmol,33%)、I-8(18.1mg,42.0μmol,30%)、I-9(15.7mg,36.4μmol,26%)、I-15(15.8mg,40.6μmol,29%)、I-16(16.4mg,40.6μmol,29%)、I-17(18.7mg,44.8μmol,32%)、I-18(12.4mg,30.8μmol,22%)、I-19(14.1mg,35.0μmol,25%)、I-20(14.6mg,35.0μmol,25%)、I-21(11.7mg,28.0μmol,20%)、I-23(18.4mg,47.6μmol,34%)、I-24(5.4mg,12.6μmol,9%)、I-28(6.7mg,15.4μmol,11%)、I-29(5.1mg,11.2μmol,8%)、I-30(3.2mg,7.0μmol,5%)、I-31(6.5mg,12.6μmol,9%)、I-32(11.8mg,30.8μmol,22%)、I-33(7.9mg,21.0μmol,15%)、I-34(9.4mg,23.8μmol,17%)を調製した。
【0163】
I-2 1H NMR(400MHz,水-d2,ppm) δ 9.26(s,1H),7.98(d,J=9.0Hz,1H),7.87(s,1H),7.65-7.54(m,2H),7.12(d,J=9.1Hz,1H),5.95(dd,J=13.5,7.1Hz,1H),3.61(t,J=4.9Hz,4H),3.33(d,J=5.0Hz,4H),2.58(s,3H),1.66(d,J=6.6Hz,6H)。
【0164】
I-3 1H NMR(400MHz,水-d2,ppm) δ 9.23(s,1H),7.94(s,1H),7.69-7.45(m,3H),6.79(s,1H),5.93(p,J=6.6Hz,1H),3.53(t,J=5.0Hz,4H),3.22(d,J=5.0Hz,4H),2.38(s,3H),1.60(d,J=6.7Hz,6H)。
【0165】
I-4 1H NMR(400MHz,クロロホルム-d,ppm) δ 9.15(s,1H),8.30(d,J=9.0Hz,1H),8.13-8.06(m,3H),7.56(d,J=8.6Hz,1H),7.39-7.31(m,2H),6.43(p,J=6.7Hz,1H),3.23(t,J=5.0Hz,4H),2.63(t,J=4.9Hz,4H),2.39(s,3H),1.69(d,J=6.6Hz,6H)。
【0166】
I-5 1H NMR(400MHz,クロロホルム-d,ppm) δ 9.16(s,1H),8.22(s,1H),8.17(s,1H),8.10(s,1H),8.07(s,1H),7.58(d,J=8.6Hz,1H),7.35(d,J=8.6Hz,1H),6.45(q,J=6.6Hz,1H),3.72(q,J=7.1Hz,1H),3.04(t,J=4.8Hz,4H),2.63(s,3H),2.43(s,3H),2.40(s,3H),1.70(d,J=6.6Hz,6H)。
【0167】
I-6 1H NMR(400MHz,クロロホルム-d,ppm) δ 9.15(s,1H),8.18(d,J=8.7Hz,1H),8.08(s,1H),7.99(s,1H),7.56(d,J=8.6Hz,1H),7.43(d,J=8.7Hz,1H),7.34(d,J=8.6Hz,1H),6.42(p,J=6.7Hz,1H),3.02-2.88(m,4H),2.62(s,4H),2.51(s,3H),2.39(s,3H),1.68(d,J=6.6Hz,6H)。
【0168】
I-7 1H NMR(400MHz,クロロホルム-d,ppm) δ 9.15(s,1H),8.30(d,J=9.0Hz,1H),8.16(s,1H),7.56(d,J=8.6Hz,1H),7.39-7.32(m,2H),6.43(p,J=6.7Hz,1H),3.24(t,J=5.0Hz,4H),2.67(t,J=5.0Hz,4H),2.51(q,J=7.2Hz,2H),1.70(s,3H),1.68(s,3H),1.15(t,J=7.2Hz,3H)。
【0169】
I-8 1H NMR(400MHz,クロロホルム-d,ppm) δ 9.16(s,1H),8.21(s,1H),8.12-8.05(m,3H),7.58(d,J=8.5Hz,1H),7.35(d,J=8.5Hz,1H),6.45(p,J=6.7Hz,1H),3.05(t,J=4.7Hz,4H),2.65(s,3H),2.53(q,J=7.2Hz,2H),2.43(s,3H),1.71(s,3H),1.69(s,3H),1.16(t,J=7.2Hz,3H)。
【0170】
I-9 1H NMR(400MHz,クロロホルム-d,ppm) δ 9.15(s,1H),8.18(d,J=8.6Hz,1H),8.08(s,1H),8.00(s,1H),7.56(d,J=8.6Hz,1H),7.44(d,J=8.6Hz,1H),7.33(d,J=8.6Hz,1H),6.42(dt,J=13.2,6.8Hz,1H),2.98(t,J=4.6Hz,4H),2.66(s,4H),2.53(d,J=7.5Hz,5H),1.68(d,J=6.7Hz,6H),1.16(t,J=7.2Hz,3H)。
【0171】
I-10a 1H NMR(400MHz,クロロホルム-d,ppm) δ 9.22(s,1H),8.29(s,1H),8.14(s,1H),8.09(d,J=3.5Hz,2H),7.61(d,J=8.6Hz,1H),7.38(d,J=8.6Hz,1H),6.30(dt,J=13.3,6.5Hz,1H),3.73-3.59(m,4H),3.24(d,J=4.4Hz,4H),1.65(d,J=6.6Hz,6H),1.50(s,9H)。
【0172】
I-10 LC-MS(ESI),C21H24FN8[M+H]+:m/z=407.2,408.1。
【0173】
I-11a 1H NMR(400MHz,クロロホルム-d,ppm) δ 9.22(s,1H),8.21(d,J=8.4Hz,1H),8.11(d,J=4.8Hz,2H),7.60(d,J=8.6Hz,1H),7.45-7.32(m,2H),6.39(p,J=6.7Hz,1H),3.71-3.52(m,4H),3.14-2.95(m,4H),1.70(d,J=6.7Hz,6H),1.50(s,9H)。
【0174】
I-11 LC-MS(ESI),C21H24FN8[M+H]+:m/z=407.2,408.2。
【0175】
I-12a 1H NMR(400MHz,クロロホルム-d,ppm) δ 9.15(s,1H),8.34-8.29(m,1H),8.09(s,1H),8.06(s,1H),8.05-8.03(m,1H),7.57(d,J=8.6Hz,1H),7.34(d,J=8.6Hz,1H),6.42(p,J=6.7Hz,1H),4.40(s,1H),4.01(d,J=13.2Hz,1H),3.72(d,J=6.7Hz,1H),3.46(d,J=11.5Hz,1H),3.35-3.25(m,2H),2.97(dd,J=11.7,3.9Hz,1H),2.79(td,J=11.7,3.5Hz,1H),1.70(d,J=6.6Hz,6H),1.50(s,10H),1.36(d,J=6.8Hz,3H)。
【0176】
I-12 LC-MS(ESI),C22H27N8[M+H]+:m/z=403.3。
【0177】
I-13a 1H NMR(400MHz,クロロホルム-d,ppm) δ 9.15(s,1H),8.31(d,J=9.0Hz,1H),8.18-8.01(m,3H),7.57(d,J=8.6Hz,1H),7.39-7.29(m,2H),6.43(dt,J=13.3,6.7Hz,1H),4.35-4.22(m,2H),3.31(d,J=11.6Hz,2H),2.94(dd,J=11.7,4.1Hz,2H),1.70(d,J=6.7Hz,5H),1.51(s,8H),1.41(d,J=6.8Hz,6H)。
【0178】
I-13 LC-MS(ESI),C23H29N8[M+H]+:m/z=417.2。
【0179】
I-14a 1H NMR(400MHz,クロロホルム-d,ppm) δ 9.13(s,1H),8.25(d,J=9.0Hz,1H),8.08(s,1H),7.96-7.88(m,2H),7.55(d,J=8.6Hz,1H),7.33(d,J=8.6Hz,1H),7.15(dd,J=9.1,3.0Hz,1H),6.43(p,J=6.6Hz,1H),3.84-3.79(m,2H),3.72(dd,J=6.8,3.4Hz,3H),3.39(t,J=5.6Hz,2H),3.27(s,2H),1.70(s,3H),1.68(s,3H),1.51(s,9H),1.47(s,6H)。
【0180】
I-14 LC-MS(ESI),C23H29N8[M+H]+:m/z=417.2。
【0181】
I-15 1H NMR(400MHz,クロロホルム-d,ppm) δ 9.15(s,1H),8.32(d,J=9.0Hz,1H),8.09(s,1H),8.05(d,J=2.9Hz,1H),8.01(s,1H),7.57(d,J=8.6Hz,1H),7.38-7.31(m,2H),6.42(p,J=6.7Hz,1H),3.96-3.87(m,4H),3.23-3.14(m,4H),1.69(d,J=6.7Hz,6H)。
【0182】
I-16 1H NMR(400MHz,クロロホルム-d,ppm) δ 9.17(s,1H),8.32(d,J=9.1Hz,2H),8.08(s,2H),7.56(d,J=8.5Hz,1H),7.34(dd,J=8.7,4.3Hz,2H),6.43(dt,J=13.3,6.6Hz,1H),4.09-4.01(m,1H),3.90-3.76(m,2H),3.40(dd,J=19.4,11.6Hz,2H),2.89(td,J=11.5,3.2Hz,1H),2.55(t,J=10.8Hz,1H),1.70(d,J=6.6Hz,6H),1.29(d,J=6.3Hz,3H)。
【0183】
I-17 1H NMR(400MHz,クロロホルム-d,ppm) δ 9.16(s,1H),8.31(d,J=9.1Hz,1H),8.25(s,1H),8.14-7.96(m,2H),7.56(d,J=8.5Hz,1H),7.43-7.29(m,2H),6.43(dt,J=13.2,6.7Hz,1H),3.86(dd,J=8.9,5.1Hz,2H),3.40(d,J=10.7Hz,2H),2.48(t,J=11.0Hz,2H),1.70(d,J=6.6Hz,6H),1.30(d,J=6.3Hz,6H)。
【0184】
I-18 1H NMR(400MHz,クロロホルム-d,ppm) δ 9.16(s,1H),8.21(d,J=8.7Hz,1H),8.09(s,1H),8.03(s,1H),7.57(d,J=8.6Hz,1H),7.42(d,J=8.7Hz,1H),7.34(d,J=8.6Hz,1H),6.43(p,J=6.7Hz,1H),3.94-3.83(m,4H),3.72(q,J=7.2Hz,1H),2.97-2.89(m,4H),2.53(s,3H),1.69(d,J=6.6Hz,6H)。
【0185】
I-19 1H NMR(400MHz,クロロホルム-d,ppm) δ 9.16(s,1H),8.21(d,J=8.7Hz,1H),8.09(s,1H),8.02(s,1H),7.57(d,J=8.6Hz,1H),7.42(d,J=8.7Hz,1H),7.34(d,J=8.6Hz,1H),6.43(p,J=6.6Hz,1H),3.96-3.84(m,4H),2.95-2.88(m,4H),2.53(s,3H),1.69(d,J=6.6Hz,6H)。
【0186】
I-20 1H NMR(400MHz,クロロホルム-d,ppm) δ 9.17(s,1H),8.22(d,J=13.8Hz,2H),8.10(s,1H),8.05(s,1H),7.58(d,J=8.6Hz,1H),7.36(d,J=8.5Hz,1H),6.44(dt,J=13.2,6.6Hz,1H),3.99(d,J=11.9Hz,1H),3.90-3.78(m,2H),2.96(q,J=11.0,10.3Hz,3H),2.70-2.62(m,1H),2.44(s,3H),1.70(d,J=6.6Hz,6H),1.24(d,J=6.3Hz,3H)。
【0187】
I-21 1H NMR(400MHz,クロロホルム-d,ppm) δ 9.16(s,1H),8.20(d,J=8.7Hz,1H),8.08(s,1H),8.03(s,1H),7.57(d,J=8.6Hz,1H),7.40(d,J=8.7Hz,1H),7.34(d,J=8.6Hz,1H),6.43(dt,J=13.1,6.6Hz,1H),3.99(d,J=10.8Hz,1H),3.91-3.78(m,2H),2.98-2.82(m,3H),2.63-2.45(m,4H),1.70(d,J=6.6Hz,6H),1.24(d,J=6.3Hz,3H)。
【0188】
I-22a 1H NMR(400MHz,クロロホルム-d,ppm) δ 9.12(s,1H),8.20(d,J=9.1Hz,1H),8.07(s,1H),8.03(s,1H),7.91(s,1H),7.53(d,J=8.6Hz,1H),7.32(d,J=8.6Hz,1H),7.11(dd,J=9.1,2.8Hz,1H),6.43(p,J=6.7Hz,1H),3.60(dd,J=11.8,5.6Hz,6H),3.38(t,J=5.2Hz,1H),3.28(t,J=6.0Hz,1H),2.02(h,J=6.4Hz,2H),1.68(d,J=6.7Hz,6H),1.42(d,J=20.8Hz,9H)。
【0189】
I-22 LC-MS(ESI),C22H27N8[M+H]+:m/z=403.3。
【0190】
I-23 1H NMR(400MHz,クロロホルム-d,ppm) δ 9.14(s,1H),8.27(d,J=9.1Hz,1H),8.10-8.03(m,3H),7.55(d,J=8.6Hz,1H),7.38-7.35(m,1H),7.35-7.32(m,1H),6.43(p,J=6.7Hz,1H),3.26-3.09(m,4H),1.76(q,J=5.8Hz,4H),1.69(d,J=6.6Hz,6H),1.65-1.55(m,6H)。
【0191】
I-24 1H NMR(400MHz,クロロホルム-d,ppm) δ 9.14(s,1H),8.29(d,J=9.0Hz,1H),8.10-8.03(m,3H),7.56(d,J=8.6Hz,1H),7.37(dd,J=9.1,3.0Hz,1H),7.34(d,J=8.6Hz,1H),6.43(p,J=6.7Hz,1H),3.79-3.62(m,3H),2.78(td,J=12.1,2.4Hz,2H),2.37(s,7H),2.01(d,J=12.5Hz,2H),1.75(t,J=6.0Hz,2H),1.69(d,J=6.7Hz,6H)。
【0192】
I-25a 1H NMR(400MHz,クロロホルム-d,ppm) δ 9.16(s,1H),8.20(d,J=8.7Hz,1H),8.08(s,1H),8.05(s,1H),7.57(d,J=8.6Hz,1H),7.39(d,J=8.7Hz,1H),7.34(d,J=8.6Hz,1H),6.42(p,J=6.6Hz,1H),3.61(t,J=4.9Hz,4H),2.87(t,J=4.9Hz,4H),2.53(s,3H),1.69(d,J=6.6Hz,6H),1.50(s,9H)。
【0193】
I-25 LC-MS(ESI),C24H29N8[M+H]+:m/z=429.3。
【0194】
I-26a 1H NMR(600MHz,クロロホルム-d,ppm) δ 9.12(s,1H),8.23(d,J=8.8Hz,1H),8.08(s,1H),7.94(s,1H),7.65(d,J=2.8Hz,1H),7.54(d,J=8.5Hz,1H),7.33(d,J=8.5Hz,1H),6.88(dd,J=8.8,2.9Hz,1H),6.42(p,J=6.7Hz,1H),3.70(s,4H),3.43(t,J=5.5Hz,4H),1.82(t,J=5.5Hz,4H),1.68(d,J=6.6Hz,6H),1.47(s,9H)。
【0195】
I-26 LC-MS(ESI),C24H29N8[M+H]+:m/z=429.3。
【0196】
I-27a 1H NMR(400MHz,クロロホルム-d,ppm) δ 9.11(s,1H),8.19(d,J=8.9Hz,1H),8.07(s,1H),7.88(s,1H),7.73(s,1H),7.53(d,J=8.6Hz,1H),7.32(d,J=8.6Hz,1H),6.95(dd,J=9.0,2.9Hz,1H),6.44(dt,J=13.5,6.7Hz,1H),3.62-3.32(m,6H),3.20(s,2H),1.95(t,J=6.9Hz,2H),1.68(d,J=6.6Hz,4H),1.63(d,J=6.8Hz,6H),1.48(s,9H)。
【0197】
I-27 LC-MS(ESI),C25H31N8[M+H]+:m/z=443.3。
【0198】
I-28 1H NMR(400MHz,クロロホルム-d,ppm) δ 9.17(s,1H),8.40(d,J=9.0Hz,1H),8.10(t,J=4.2Hz,3H),7.59(d,J=8.5Hz,1H),7.42-7.33(m,2H),6.40(dt,J=12.9,6.3Hz,1H),3.84-3.74(m,4H),3.26-3.15(m,4H),1.70(d,J=6.7Hz,6H)。
【0199】
I-29 1H NMR(400MHz,DMSO-d6,ppm) δ 10.03(s,1H),9.36(s,1H),8.22(s,1H),8.15(s,1H),8.06(s,1H),7.66(d,J=8.5Hz,1H),7.51(d,J=8.5Hz,1H),6.42-6.35(m,2H),3.45-3.37(m,4H),2.40(s,3H),1.58(d,J=6.6Hz,6H).
【0200】
I-30 LC-MS(ESI),C22H26N7O2S[M+H]+:m/z=452.2。
【0201】
I-31 1H NMR(400MHz,クロロホルム-d,ppm) δ 9.25(s,1H),8.65(s,1H),8.55(d,J=8.6Hz,1H),8.47(d,J=2.2Hz,1H),8.11(s,1H),7.85(dd,J=8.7,2.2Hz,1H),7.64(d,J=8.5Hz,1H),7.39(d,J=8.6Hz,1H),6.39(p,J=6.6Hz,1H),4.79-4.55(m,1H),4.12-3.90(m,1H),3.28-2.77(m,3H),2.76-2.37(m,8H),2.30(s,3H),2.01-1.88(m,2H),1.71(d,J=6.7Hz,6H),1.60-1.49(m,2H)。
【0202】
I-32 LC-MS(ESI),C22H21N6O[M+H]+:m/z=385.2。
【0203】
I-33 1H NMR(400MHz,クロロホルム-d,ppm) δ 9.07(s,1H),7.96(s,1H),7.39(d,J=8.6Hz,1H),7.24(d,J=8.6Hz,1H),7.06(dt,J=9.5,4.6Hz,1H),6.90-6.78(m,1H),5.73(s,1H),5.58(d,J=8.4Hz,1H),4.10(d,J=10.0Hz,2H),3.94-3.85(m,2H),2.57-2.48(m,1H),2.10(m,1H),1.52(s,6H)。
【0204】
I-34 1H NMR(400MHz,クロロホルム-d,ppm) δ 9.05(s,1H),7.95(s,1H),7.38(d,J=8.6Hz,1H),7.22(d,J=9.3Hz,1H),7.04(d,J=7.8Hz,1H),6.94(d,J=10.0Hz,1H),6.92-6.86(m,1H),5.65(s,1H),5.33(s,1H),4.08(s,2H),3.91(q,J=9.2,8.7Hz,2H),3.21(s,2H),2.50(q,J=9.0Hz,2H),2.07(m,2H),1.51(s,6H)。
【0205】
中間体1-シクロペンチル-8-(メチルスルフィニル)-1H-ピラゾロ[4,3-H]キナゾリン(13b)の調製
【化33】
【0206】
実施例1における13aの合成法を参照し、3(2.6g,13.3mmol)から、5つの反応工程により化合物13b(0.76g,2.53mmol,19%)を調製した。LC-MS(ESI),C
15H
17N
4OS[M+H]
+:m/z=301.1。
表2 実施例I-35~I-44
【表2】
【0207】
実施例1におけるI-1の合成法を参照し、13b(45.0mg,0.15mmol)および14(2equiv.)から、化合物I-35(15.5mg,34.5μmol,23%)、I-36(13.3mg,28.5μmol,19%)、I-37(10.4mg,22.5μmol,15%)を調製した。
【0208】
実施例1におけるI-1aの合成法を参照し、13b(45.0mg,0.15mmol)および14(2equiv.)から、化合物I-38(12.8mg,30.0μmol,20%)、I-39(17.2mg,39.0μmol,26%)、I-40(21.2mg,46.5μmol,31%)、I-41(13.0mg,28.5μmol,19%)、I-42(11.8mg,28.5μmol,19%)、I-43(13.5mg,31.5μmol,21%)、I-44(10.3mg,24.0μmol,16%)を調製した。
【0209】
I-35 1H NMR(400MHz,メタノール-d4,ppm) δ 9.54(s,1H),8.20(s,1H),8.10(s,1H),7.85(d,J=8.7Hz,1H),7.65(d,J=8.7Hz,1H),7.51(s,1H),6.70-6.60(m,1H),3.46(dd,J=6.5,3.4Hz,4H),3.32(d,J=5.5Hz,4H),2.61(s,3H),2.34(dtd,J=13.1,8.7,7.8,3.8Hz,2H),2.27-2.12(m,2H),2.12-1.96(m,J=5.0Hz,2H),1.86(dtd,J=12.0,7.5,3.4Hz,2H)。
【0210】
I-36 1H NMR(400MHz,メタノール-d4,ppm) δ 9.54(s,1H),8.20(s,1H),8.10(s,1H),7.85(d,J=8.7Hz,1H),7.65(d,J=8.7Hz,1H),7.51(s,1H),6.70-6.60(m,1H),3.46(dd,J=6.5,3.4Hz,4H),3.32(d,J=5.5Hz,4H),2.61(s,3H),2.34(dtd,J=13.1,8.7,7.8,3.8Hz,2H),2.27-2.12(m,2H),2.12-1.96(m,J=5.0Hz,2H),1.86(dtd,J=12.0,7.5,3.4Hz,2H)。
【0211】
I-37a 1H NMR(600MHz,クロロホルム-d,ppm) δ 9.15(s,1H),8.19(d,J=8.6Hz,1H),8.08(s,1H),8.00(s,1H),7.56(d,J=8.5Hz,1H),7.38(d,J=8.7Hz,1H),7.34(d,J=8.5Hz,1H),6.58(p,J=7.6Hz,1H),3.64-3.59(m,4H),2.91-2.84(m,4H),2.53(s,3H),2.32-2.23(m,4H),2.06(ddd,J=9.4,6.5,3.6Hz,2H),1.80(q,J=6.0Hz,2H),1.50(s,11H)。
【0212】
I-37 LC-MS(ESI),C24H29N8[M+H]+:m/z=429.3。
【0213】
I-38 1H NMR(400MHz,クロロホルム-d,ppm) δ 9.14(s,1H),8.28(d,J=9.1Hz,1H),8.07(s,2H),8.02(s,1H),7.55(dd,J=8.6,2.9Hz,1H),7.33(dt,J=5.9,2.6Hz,2H),6.58(dd,J=9.1,6.4Hz,1H),3.22(t,J=3.4Hz,4H),2.64(d,J=5.4Hz,4H),2.39(d,J=2.8Hz,3H),2.26(d,J=8.4Hz,4H),2.04(s,2H),1.79(s,2H)。
【0214】
I-39 1H NMR(600MHz,クロロホルム-d,ppm) δ 9.15(s,1H),8.28(d,J=9.0Hz,1H),8.14(s,1H),8.09(d,J=3.0Hz,1H),8.07(s,1H),7.55(d,J=8.5Hz,1H),7.37-7.31(m,2H),6.59(p,J=7.6Hz,1H),3.24(t,J=5.0Hz,4H),2.68(t,J=5.0Hz,4H),2.52(q,J=7.2Hz,2H),2.31-2.22(m,4H),2.05(dt,J=10.0,4.4Hz,2H),1.79(q,J=6.1Hz,2H),1.16(t,J=7.2Hz,3H)。
【0215】
I-40 1H NMR(400MHz,クロロホルム-d,ppm) δ 9.15(s,1H),8.17(d,J=8.7Hz,1H),8.06(d,J=8.8Hz,2H),7.55(d,J=8.5Hz,1H),7.44(d,J=8.7Hz,1H),7.33(d,J=8.6Hz,1H),6.59(p,J=7.7Hz,1H),2.98(t,J=4.7Hz,4H),2.83-2.57(m,4H),2.53(d,J=7.7Hz,5H),2.26(tt,J=12.9,6.2Hz,4H),2.10-1.98(m,2H),1.85-1.72(m,2H),1.16(t,J=7.2Hz,3H)。
【0216】
I-41 1H NMR(400MHz,クロロホルム-d,ppm) δ 9.16(s,1H),8.20(s,2H),8.07(d,J=4.4Hz,2H),7.57(d,J=8.5Hz,1H),7.34(d,J=8.6Hz,1H),6.64-6.55(m,1H),3.06(t,J=4.7Hz,4H),2.87-2.59(m,4H),2.55(q,J=7.2Hz,2H),2.41(s,3H),2.34-2.19(m,4H),2.09-1.97(m,2H),1.78-1.73(m,2H),1.17(t,J=7.2Hz,3H)。
【0217】
I-42 1H NMR(600MHz,クロロホルム-d,ppm) δ 9.15(s,1H),8.31(d,J=9.0Hz,1H),8.08(s,1H),8.06(d,J=3.0Hz,1H),8.04(s,1H),7.56(d,J=8.5Hz,1H),7.35-7.31(m,2H),6.59(p,J=7.6Hz,1H),3.94-3.89(m,4H),3.19-3.15(m,4H),2.27(p,J=6.7Hz,4H),2.06(q,J=6.4Hz,2H),1.80(t,J=6.1Hz,2H)。
【0218】
I-43 1H NMR(400MHz,クロロホルム-d,ppm) δ 9.16(s,1H),8.19(d,J=8.7Hz,1H),8.06(d,J=7.1Hz,2H),7.56(d,J=8.6Hz,1H),7.41(d,J=8.7Hz,1H),7.34(d,J=8.6Hz,1H),6.59(p,J=7.6Hz,1H),3.96-3.80(m,4H),2.99-2.84(m,4H),2.53(s,3H),2.26(ddt,J=9.7,7.5,3.7Hz,4H),2.12-2.00(m,2H),1.80(dqt,J=11.9,8.0,4.0Hz,2H)。
【0219】
I-44 1H NMR(400MHz,クロロホルム-d,ppm) δ 9.18(s,1H),8.34(s,1H),8.22(s,1H),8.08(d,J=3.0Hz,2H),7.57(d,J=8.5Hz,1H),7.35(d,J=8.5Hz,1H),6.59(p,J=7.0Hz,1H),4.02-3.73(m,4H),3.11-2.86(m,4H),2.42(s,3H),2.36-2.19(m,J=7.4,6.8Hz,4H),2.11-1.94(m,2H),1.84-1.69(m,2H)。
【0220】
中間体1-エチル-8-(メチルスルフィニル)-1H-ピラゾロ[4,3-H]キナゾリン(13c)の調製
【化34】
【0221】
実施例1における13aの合成法を参照し、3(1.9g,9.74mmol)から、5つの反応工程により化合物13c(0.53g,2.05mmol,21%)を調製した。
1H NMR(400MHz,クロロホルム-d,ppm) δ 9.21(s,1H),8.06(s,1H),7.63(d,J=8.6Hz,1H),7.40(d,J=8.6Hz,1H),5.16(q,J=7.2Hz,2H),2.52(s,3H),1.60(t,J=7.2Hz,3H);LC-MS(ESI),C
12H
13N
4OS[M+H]
+:m/z=261.1。
表3 実施例I-45~I-52
【表3】
【0222】
実施例1におけるI-1の合成法を参照し、13c(39.0mg,0.15mmol)および14(2equiv.)から、化合物I-45(6.8mg,16.5μmol,11%)、I-46(12.2mg,28.5μmol,19%)、I-47(8.4mg,19.5μmol,13%)を調製した。
【0223】
実施例1におけるI-1aの合成法を参照し、13c(39.0mg,0.15mmol)および14(2equiv.)から、化合物I-48(12.1mg,30.0μmol,20%)、I-49(14.4mg,34.5μmol,23%)、I-50(12.4mg,33.0μmol,22%)、I-51(15.7mg,39.0μmol,26%)、I-52(11.1mg,28.5μmol,19%)を調製した。
【0224】
I-45a 1H NMR(400MHz,クロロホルム-d,ppm) δ 9.16(s,1H),8.36(d,J=9.0Hz,1H),8.26(s,1H),8.08(d,J=2.9Hz,1H),8.05(s,1H),7.56(d,J=8.6Hz,1H),7.41-7.32(m,2H),5.19(q,J=7.2Hz,2H),3.73-3.52(m,4H),3.23-3.04(m,4H),1.65-1.59(m,6H),1.50(s,9H)。
【0225】
I-45 LC-MS(ESI),C20H23N8[M+H]+:m/z=375.2。
【0226】
I-46a 1H NMR(400MHz,クロロホルム-d,ppm) δ 9.23(s,1H),8.30(s,1H),8.15(s,1H),8.12(s,1H),8.06(s,1H),7.60(d,J=8.6Hz,1H),7.38(d,J=8.6Hz,1H),5.16(q,J=7.2Hz,2H),3.75-3.57(m,4H),3.32-3.14(m,4H),1.56(t,J=7.2Hz,3H),1.51(s,9H)。
【0227】
I-46 LC-MS(ESI),C20H22FN8[M+H]+:m/z=393.2,394.1。
【0228】
I-47 LC-MS(ESI),C20H22FN8[M+H]+:m/z=393.1,394.2。
【0229】
I-48 1H NMR(400MHz,クロロホルム-d,ppm) δ 9.16(s,1H),8.37-8.24(m,2H),8.09(d,J=2.9Hz,1H),8.04(s,1H),7.55(d,J=8.6Hz,1H),7.41-7.30(m,2H),5.19(q,J=7.2Hz,2H),3.32-3.15(m,4H),2.75-2.58(m,4H),2.51(q,J=7.2Hz,2H),1.61(t,J=7.2Hz,3H),1.15(t,J=7.2Hz,3H)。
【0230】
I-49 1H NMR(400MHz,クロロホルム-d,ppm) δ 9.17(s,1H),8.40(s,1H),8.25(s,1H),8.11(s,1H),8.06(s,1H),7.57(d,J=8.6Hz,1H),7.35(d,J=8.6Hz,1H),5.23(q,J=7.2Hz,2H),3.05(t,J=4.7Hz,4H),2.65(s,3H),2.52(q,J=7.2Hz,2H),2.41(s,3H),1.61(t,J=7.2Hz,3H),1.15(t,J=7.2Hz,3H)。
【0231】
I-50 1H NMR(400MHz,クロロホルム-d,ppm) δ 9.17(s,1H),8.36(d,J=9.1Hz,2H),8.09(d,J=2.8Hz,1H),8.05(s,1H),7.56(d,J=8.5Hz,1H),7.42-7.31(m,2H),5.19(q,J=7.2Hz,2H),4.00-3.83(m,4H),3.25-3.09(m,4H),1.62(t,J=7.2Hz,3H)。
【0232】
I-51 1H NMR(400MHz,クロロホルム-d,ppm) δ 9.16(s,1H),8.25(s,2H),8.07(d,J=9.4Hz,2H),7.57(d,J=8.6Hz,1H),7.36(d,J=8.6Hz,1H),5.24(q,J=7.2Hz,2H),3.03(t,J=4.7Hz,4H),2.61(s,4H),2.40(d,J=10.9Hz,6H),1.61(t,J=7.2Hz,3H)。
【0233】
I-52 1H NMR(400MHz,クロロホルム-d,ppm) δ 9.16(s,1H),8.28(s,1H),8.12(s,1H),8.06(d,J=4.7Hz,2H),7.58(d,J=8.6Hz,1H),7.36(d,J=8.6Hz,1H),5.24(q,J=7.2Hz,2H),3.94-3.82(m,4H),3.05-2.94(m,4H),2.43(s,3H),1.63(d,J=7.2Hz,3H)。
【0234】
中間体1-シクロプロピル-8-(メチルスルフィニル)-1H-ピラゾロ[4,3-H]キナゾリン(13d)の調製
【化35】
【0235】
実施例1における13aの合成法を参照し、3(1.6g,8.2mmol)から、5つの反応工程により化合物13d(312.8mg,1.15mmol,14%)を調製した。
1H NMR(400MHz,クロロホルム-d,ppm) δ 9.31(d,J=1.8Hz,1H),8.16(s,1H),8.02(d,J=8.7Hz,1H),7.74(d,J=8.7Hz,1H),4.11(td,J=7.1,3.6Hz,1H),2.44(s,3H),1.41(dd,J=8.0,6.0Hz,2H),1.22-1.14(m,2H)。LC-MS(ESI),C
13H
13N
4OS[M+H]
+:m/z=273.1。
表4 実施例I-53~I-60
【表4】
【0236】
実施例1におけるI-1の合成法を参照し、13d(35.0mg,0.13mmol)および14(2equiv.)から、化合物I-53(8.2mg,19.5μmol,15%)、I-54(7.4mg,16.9μmol,13%)を調製した。
【0237】
実施例1におけるI-1aの合成法を参照し、13d(35.0mg,0.13mmol)および14(2equiv.)から、化合物I-55(10.2mg,24.7μmol,19%)、I-56(9.7mg,23.4μmol,18%)、I-57(12.8mg,29.9μmol,23%)、I-58(10.6mg,27.3μmol,21%)、I-59(10.4mg,26.0μmol,20%)、I-60(12.0mg,29.9μmol,23%)を調製した。
【0238】
I-53 1H NMR(400MHz,水-d2,ppm) δ 9.07(s,1H),7.82(d,J=4.6Hz,1H),7.71(s,1H),7.57-7.47(m,1H),7.39(d,J=9.4Hz,1H),7.31(s,1H),6.99(s,1H),4.51-4.45(p,J=6.7Hz,1H),3.49(s,4H),3.41(s,4H),1.27(d,J=7.2Hz,2H),1.18(s,2H)。
【0239】
I-54 1H NMR(400MHz,クロロホルム-d,ppm) δ 9.23(s,1H),8.28(s,1H),8.14(s,1H),7.99(s,1H),7.59(d,J=8.6Hz,1H),7.39(d,J=8.6Hz,1H),5.00(tt,J=7.6,4.0Hz,1H),3.69-3.62(m,4H),3.21(s,4H),1.51(s,10H),1.46-1.41(m,3H),1.20(tt,J=7.7,4.2Hz,2H)。
【0240】
I-55 1H NMR(400MHz,クロロホルム-d,ppm) δ 9.23(s,1H),8.28(s,1H),8.14(s,1H),7.99(s,1H),7.59(d,J=8.6Hz,1H),7.39(d,J=8.6Hz,1H),5.00(tt,J=7.6,4.0Hz,1H),3.69-3.62(m,4H),3.21(s,4H),1.51(s,10H),1.46-1.41(m,3H),1.20(tt,J=7.7,4.2Hz,2H)。
【0241】
I-56 1H NMR(400MHz,クロロホルム-d,ppm) δ 9.09(s,1H),8.39(s,1H),7.92(q,J=7.9,5.2Hz,2H),7.50(d,J=8.6Hz,1H),7.31(d,J=8.6Hz,1H),4.89(d,J=8.9Hz,1H),3.65-3.51(m,2H),3.31(d,J=8.0Hz,4H),3.19(s,4H),1.44-1.34(m,2H),1.19-1.13(m,5H)。
【0242】
I-57 1H NMR(400MHz,クロロホルム-d,ppm) δ 9.18(s,1H),8.36(s,1H),8.19(s,1H),8.08(s,1H),7.98(s,1H),7.56(d,J=8.6Hz,1H),7.37(d,J=8.6Hz,1H),5.10(tt,J=7.6,3.9Hz,1H),3.08(s,4H),2.71(s,2H),2.58(d,J=7.4Hz,2H),2.30(d,J=0.7Hz,2H),1.52-1.43(m,2H),1.28-1.17(m,5H)。
【0243】
I-58 1H NMR(400MHz,クロロホルム-d,ppm) δ 9.16(s,1H),8.50(d,J=9.1Hz,1H),8.02(d,J=2.9Hz,1H),7.98(s,1H),7.55(d,J=8.6Hz,1H),7.36(d,J=8.6Hz,1H),7.29(dd,J=9.2,2.9Hz,1H),5.02(tt,J=7.5,3.9Hz,1H),3.95-3.85(m,4H),3.20-3.13(m,4H),1.48(td,J=5.3,4.5,3.1Hz,2H),1.23-1.19(m,2H)。
【0244】
I-59 1H NMR(400MHz,クロロホルム-d,ppm) δ 9.19(s,1H),8.39(s,1H),8.34(s,1H),8.05(s,1H),7.98(s,1H),7.57(d,J=8.6Hz,1H),7.37(d,J=8.6Hz,1H),5.09(tt,J=7.6,3.9Hz,1H),3.98-3.79(m,4H),3.09-2.89(m,4H),2.33(s,3H),1.52-1.41(m,2H),1.23-1.18(m,2H)。
【0245】
I-60 1H NMR(400MHz,クロロホルム-d,ppm) δ 9.16(s,1H),8.49(d,J=9.1Hz,1H),8.19(s,1H),8.02(d,J=3.0Hz,1H),7.97(s,1H),7.55(d,J=8.6Hz,1H),7.36(d,J=8.6Hz,1H),7.28(dd,J=9.1,2.8Hz,1H),5.02(tt,J=7.6,3.9Hz,1H),4.05(ddd,J=11.5,3.5,1.4Hz,1H),3.85(dd,J=11.5,2.6Hz,1H),3.80(ddd,J=10.5,5.9,2.5Hz,1H),3.40(dt,J=11.5,2.1Hz,1H),3.37-3.31(m,1H),2.87(td,J=11.6,3.4Hz,1H),2.53(dd,J=11.5,10.1Hz,1H),1.28(d,J=6.3Hz,3H),1.22(tt,J=7.6,4.0Hz,3H)。
【0246】
中間体4-ブロモ-1-イソプロピル-8-(メチルスルフィニル)-1H-ピラゾロ[4,3-H]キナゾリン(13e)の調製
【化36】
【0247】
4-ブロモ-1-イソプロピル-8-(メチルチオ)-1H-ピラゾロ[4,3-H]キナゾリン(8)
7a(2.5g,9.69mmol)、N-ブロモスクシンイミド(1.7g,9.69mmol)、およびアゾビスイソブチロニトリル(478.0mg,2.91mmol)を、トルエン(100mL)に懸濁させ、アルゴンガスで雰囲気を3回置換した。反応を100℃に昇温し、10時間攪拌して反応させた。減圧下で濃縮してほとんどの溶媒を除去し、得られた残渣をフラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=3:1)で精製し、淡黄色粉末として表題化合物8(682mg,2.03mmol,21%)を得た。1H NMR(400MHz,クロロホルム-d,ppm) δ 9.22(s,1H),8.19(s,1H),7.67(s,1H),6.26(p,J=6.6Hz,1H),2.23(s,3H),1.68(d,J=6.6Hz,6H).
【0248】
4-ブロモ-1-イソプロピル-8-(メチルスルフィニル)-1H-ピラゾロ[4,3-H]キナゾリン(13e)
【0249】
13aの合成法を参照し、8(650g,1.93mmol)および2-フェニルスルホニル-3-フェニルオキサジリジン(605mg,2.32mmol,1.2equiv.)から、表題化合物13e(532mg,1.51mmol,78%)を得た。LC-MS(ESI),C
13H
14BrN
4OS[M+H]
+:m/z=353.1,355.1。
【表5】
【0250】
実施例1におけるI-1の合成法を参照し、13e(42.2mg,0.12mmol)および14(2equiv.)から、化合物I-61(7.8mg,15.6μmol,13%)、I-62(6.9mg,13.2μmol,11%)を調製した。
【0251】
実施例1におけるI-1aの合成法を参照し、13e(42.2mg,0.12mmol)および14(2equiv.)から、化合物I-63(9.8mg,20.4μmol,17%)、I-64(9.5mg,19.2μmol,16%)、I-65(11.8mg,25.2μmol,21%)を調製した。
【0252】
I-61 LC-MS(ESI),C21H24BrN8[M+H]+:m/z=467.1,469.1。
【0253】
I-62 LC-MS(ESI),C21H23BrFN8[M+H]+:m/z=485.1,487.1。
【0254】
I-63 LC-MS(ESI),C22H26BrN8[M+H]+:m/z=481.1,483.1。
【0255】
I-64 1H NMR(400MHz,クロロホルム-d,ppm) δ 9.06(s,1H),8.23(d,J=9.0Hz,1H),8.09(s,1H),8.07(d,J=2.9Hz,1H),8.03(s,1H),7.51(s,1H),7.35(dd,J=9.0,3.0Hz,1H),6.38(s,1H),3.27-3.22(m,4H),2.67(t,J=5.0Hz,3H),2.51(d,J=7.3Hz,2H),1.68(d,J=6.6Hz,6H),1.25(s,2H),1.15(s,3H)。
【0256】
I-65 LC-MS(ESI),C21H23BrN7O[M+H]+:m/z=468.1,470.1。
【0257】
中間体1-イソプロピル-4-甲基-8-(メチルスルフィニル)-1H-ピラゾロ[4,3-H]キナゾリン(13f)の調製
【化37】
【0258】
1-イソプロピル-4-メチル-8-(メチルチオ)-1H-ピラゾロ[4,3-H]キナゾリン(9)
8(500mg,1.49mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(6mL)に懸濁させ、トリメチルボロキシン(3.5M in THF,2mL)、炭酸カリウム(4.3g,31.2mmol)、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロリド(220.0mg,0.30mmol)および脱イオン水(3.6mL)を順次に加え、アルゴンガスで雰囲気を3回置換した。反応液を100℃に昇温し、10時間攪拌して反応させた。室温まで冷却し、酢酸エチル(100mL)および水(150mL)を添加して反応液を希釈し、有機層を分離し、酢酸エチル(2×100mL)で水層を抽出した。有機層を合わせて、水(50mL)および飽和食塩水(50mL)で順次に洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、吸引ろ過し、濃縮させ、得られた残渣をフラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=4:1)で分離、精製し、茶色粉末として表題化合物9(360mg,1.32mmol,89%)を得た。1H NMR(600MHz,クロロホルム-d,ppm) δ 9.25(s,1H),8.20(s,1H),6.44(p,J=6.6Hz,1H),2.74(s,3H),2.43(s,3H),1.79(d,J=6.7Hz,6H)。
【0259】
1-イソプロピル-4-メチル-8-(メチルスルフィニル)-1H-ピラゾロ[4,3-H]キナゾリン(13f)
【0260】
13aの合成法を参照し、9(355mg,1.31mmol)および2-フェニルスルホニル-3-フェニルオキサジリジン(410mg,1.57mmol,1.2equiv.)から、表題化合物13f(淡黄色固体,340mg,1.18mmol,90%)を調製した。LC-MS(ESI),C
14H
17N
4OS[M+H]
+:m/z=289.1。
【表6】
【0261】
実施例1におけるI-1の合成法を参照し、13f(40.0mg,0.14mmol)および14(2equiv.)から、化合物I-66(12.6mg,28.8μmol,20%)、I-67(13.4mg,29.4μmol,21%)を調製した。
【0262】
実施例1におけるI-1aの合成法を参照し、13f(40.0mg,0.14mmol)および14(2equiv.)から、化合物I-68(9.3mg,22.4μmol,16%)、I-69(15.7mg,36.4μmol,26%)、I-70(8.5mg,21.0μmol,15%)を調製した。
【0263】
I-66 1H NMR(400MHz,水-d2,ppm) δ 9.03(s,1H),7.97(s,1H),7.82(s,1H),7.43(s,1H),7.14(brs,2H),5.89(s,1H),3.48(d,J=23.7Hz,8H),1.58(brs,6H).
【0264】
I-67a 1H NMR(400MHz,クロロホルム-d,ppm) δ 9.14(s,1H),8.27(s,1H),8.14(s,1H),8.09(s,1H),7.12(s,1H),6.30(p,J=6.7Hz,1H),3.67(t,J=4.7Hz,4H),3.25(t,J=4.8Hz,4H),2.63(s,3H),1.65(d,J=6.4Hz,6H),1.50(s,9H)。
【0265】
I-67 LC-MS(ESI),C22H26FN8[M+H]+:m/z=421.2,422.2。
【0266】
I-68 LC-MS(ESI),C23H29N8[M+H]+:m/z=417.2。
【0267】
I-69 1H NMR(400MHz,クロロホルム-d,ppm) δ 9.07(s,1H),8.30(d,J=9.1Hz,1H),8.08(s,1H),8.06(d,J=3.0Hz,1H),7.99(s,1H),7.36(dd,J=9.0,3.0Hz,1H),7.09(d,J=1.3Hz,1H),6.42(p,J=6.7Hz,1H),3.27(t,J=4.8Hz,4H),2.73(s,4H),2.62(d,J=1.1Hz,3H),2.58(d,J=9.0Hz,2H),1.69(d,J=6.6Hz,6H),1.24(t,J=7.0Hz,3H)。
【0268】
I-70 1H NMR(400MHz,Chloroform-d) δ 9.09(s,1H),8.29(d,J=17.4Hz,2H),8.08(s,1H),8.06(d,J=2.9Hz,1H),7.34(dd,J=9.0,3.0Hz,1H),7.09(s,1H),6.42(p,J=6.7Hz,1H),3.91(t,J=4.7Hz,4H),3.26-3.11(m,4H),2.62(s,3H),1.69(d,J=6.6Hz,6H)。
【0269】
中間体1-イソプロピル-8-(メチルスルフィニル)-1H-ピラゾロ[4,3-H]キナゾリン-4-カルボニトリル(13g)の調製
【化38】
【0270】
1-イソプロピル-8-(メチルチオ)-1H-ピラゾロ[4,3-H]キナゾリン-4-カルボニトリル(10)
8(360mg,1.07mmol)をアセトニトリル(10mL)に溶解し、シアン化第一銅(192mg,2.14mmol)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(243mg,0.21mmol)を加え、アルゴンガスで雰囲気を3回置換した。反応を100℃に昇温し、10時間攪拌して反応させた。反応液を室温まで冷却し、セライトケーキで吸引ろ過し、ろ液を濃縮し、得られた残渣をフラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=2:1)で分離、精製し、黄色粉末として表題化合物10(233mg,0.824mmol,77%)を得た。1H NMR(600MHz,クロロホルム-d,ppm) δ 9.25(s,1H),8.20(s,1H),7.26(s,1H),6.44(dq,J=13.3,6.6Hz,1H),2.74(s,3H),2.51(s,3H),1.79(d,J=6.7Hz,6H)。
【0271】
1-イソプロピル-8-(メチルスルフィニル)-1H-ピラゾロ[4,3-H]キナゾリン-4-カルボニトリル(13g)
13aの合成法を参照し、10(230mg,0.81mmol)および2-フェニルスルホニル-3-フェニルオキサジリジン(254mg,0.97mmol,1.2equiv.)から、表題化合物13g(淡黄色固体,224mg,0.75mmol,93%)を調製した。LC-MS(ESI),C
14H
14N
5OS[M+H]
+:m/z=300.1。
【表7】
【0272】
実施例1におけるI-1の合成法を参照し、13g(40mg,0.134mmol)および14(2equiv.)から、化合物I-71(4.2mg,9.4μmol,7%)、I-72(3.7mg,8.0μmol,6%)を調製した。
【0273】
実施例1におけるI-1aの合成法を参照し、13g(40mg,0.134mmol)および14(2equiv.)から、化合物I-73(6.5mg,14.7μmol,11%)、I-74(5.0mg,12.1μmol,9%)を調製した。
【0274】
I-71 1H NMR(400MHz,メタノール-d4,ppm) δ 9.60(s,1H),8.33(s,1H),8.24(s,1H),8.22(d,J=3.0Hz,1H),7.88(d,J=2.9Hz,1H),7.65(d,J=9.6Hz,1H),6.46(p,J=6.7Hz,1H),3.89(t,J=4.8Hz,4H),3.28(t,J=4.8Hz,4H),1.67(d,J=6.6Hz,6H)。
【0275】
I-72 1H NMR(400MHz,クロロホルム-d,ppm) δ 9.35(s,1H),8.40(s,1H),7.40(s,1H),7.22(s,1H),6.79(s,1H),6.27(p,J=6.7Hz,1H),3.67(d,J=5.3Hz,4H),3.20(d,J=5.3Hz,4H),1.64(d,J=6.6Hz,6H),1.52(s,9H)。
【0276】
I-73 1H NMR(400MHz,クロロホルム-d,ppm) δ 9.16(s,1H),8.20(s,1H),8.18(d,J=8.5Hz,1H),8.03(d,J=2.9Hz,1H),7.81(s,1H),7.36(dd,J=9.1,2.9Hz,1H),7.30(s,1H),6.33(p,J=6.7Hz,1H),3.62(q,J=7.1Hz,2H),3.37-3.32(m,4H),2.74(brs,4H),1.64(d,J=6.7Hz,6H),1.17(t,J=7.1Hz,3H)。
【0277】
I-74 1H NMR(400MHz,クロロホルム-d,ppm) δ 9.19(s,1H),8.41(s,1H),8.26(d,J=9.1Hz,2H),8.10(d,J=2.9Hz,1H),7.80(s,1H),7.36(dd,J=9.1,3.0Hz,1H),6.36(p,J=6.7Hz,1H),3.64(t,J=5.1Hz,4H),3.16(t,J=5.1Hz,4H),1.69(d,J=6.6Hz,6H)。
【0278】
4-(1-n-ブトキシビニル)-1-イソプロピル-8-(メチルスルフィニル)-1H-ピラゾロ[4,3-H]キナゾリン(13h)の調製
【化39】
【0279】
4-(1-n-ブトキシビニル)-1-イソプロピル-8-(メチルチオ)-1H-ピラゾロ[4,3-H]キナゾリン(11)
8(240mg,0.45mmol)、ビニル-n-ブチルエーテル(0.54mL,3.75mmol)、酢酸パラジウム(40mg,0.18mmol)、1,3-ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン(82.4mg,0.2mmol)およびトリエチルアミン(75μL,0.54mmol)を、1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート(10mL)に懸濁させ、アルゴンで雰囲気を3回、十分に置換した。反応を100℃に昇温し、10時間攪拌して反応させた。反応液を室温まで冷却し、酢酸エチル(20mL)で希釈し、セライトケーキで吸引ろ過し、ろ液を濃縮して、得られた残渣をフラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=2:1)で分離、精製し、茶色粉末として表題化合物11(121mg,0.34mmol,76%)を得た。1H NMR(400MHz,クロロホルム-d,ppm) δ 9.25(s,1H),7.62(s,1H),8.16(s,1H),6.44(dq,J=13.3,6.7Hz,1H),4.58(d,J=2.3Hz,1H),4.37(d,J=2.4Hz,1H),3.84(t,J=6.8Hz,2H),2.35(s,3H),1.72(d,J=6.6Hz,6H),1.69-1.60(m,2H),1.42-1.35(m,2H),0.92(t,J=7.4Hz,3H)。
【0280】
4-(1-n-ブトキシビニル)-1-イソプロピル-8-(メチルスルフィニル)-1H-ピラゾロ[4,3-H]キナゾリン(13h)
13aの合成法を参照し、11(120mg,0.337mmol)および2-フェニルスルホニル-3-フェニルオキサジリジン(106mg,0.404mmol,1.2equiv.)から、表題化合物13h(淡黄色固体,142.9mg,0.384mmol,95%)を調製した。LC-MS(ESI),C
19H
25N
4O
2S[M+H]
+:m/z=373.1。
【表8】
【0281】
実施例1におけるI-1の合成法を参照し、13h(27mg,72.5μmol)および14(2equiv.)から、化合物I-75(3.7mg,8.0μmol,11%)、I-76(2.5mg,5.1μmol,7%)を調製した。
【0282】
実施例1におけるI-1aの合成法を参照し、13h(27mg,72.5μmol)和14(2equiv.)から、化合物I-77(4.2mg,9.4μmol,13%)、I-78(3.7mg,8.0μmol,11%)、I-79(4.4mg,10.2μmol,14%)を調製した。
【0283】
I-75 1H NMR(400MHz,メタノール-d4,ppm) δ 9.45(s,1H),8.45(s,1H),8.14(s,1H),8.05(d,J=3.0Hz,1H),7.81(d,J=2.9Hz,1H),7.66(d,J=9.6Hz,1H),6.31(p,J=6.7Hz,1H),3.83(t,J=4.8Hz,4H),3.34(t,J=4.8Hz,4H),2.78(s,3H),1.68(d,J=6.6Hz,6H).
【0284】
I-76 LC-MS(ESI),C23H26FN8O[M+H]+:m/z=449.2,450.2。
【0285】
I-77 LC-MS(ESI),C24H29N8O[M+H]+:m/z=445.3。
【0286】
I-78 1H NMR(400MHz,クロロホルム-d,ppm) δ 9.26(s,1H),8.21(s,1H),8.10(d,J=8.5Hz,1H),8.05(d,J=2.9Hz,1H),7.81(s,1H),7.45(dd,J=9.1,2.9Hz,1H),7.33(s,1H),6.26(p,J=6.7Hz,1H),3.81(q,J=7.1Hz,2H),3.45(m,4H),3.02(brs,4H),2.71(s,3H),1.65(d,J=6.7Hz,6H),1.16(t,J=7.1Hz,3H).
【0287】
I-79 LC-MS(ESI),C23H26N7O2[M+H]+:m/z=432.2。
【0288】
4-(3,5-ジメトキシフェニル)-1-イソプロピル-8-(メチルスルフィニル)-1H-ピラゾロ[4,3-H]キナゾリン(13i)
【化40】
【0289】
8(200mg,0.595mmol)、3,5-ジメトキシフェニルボロン酸(217mg,1.19mmol)、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロリド、および炭酸カリウム(132mg,0.18mmol)を、1,2-ジクロロエタン(10mL)に懸濁させ、アルゴンで雰囲気を3回、十分に置換した。反応を100℃に昇温し、10時間攪拌して反応させた。反応液を室温まで冷却し、酢酸エチル(20mL)で希釈し、セライトケーキで吸引ろ過し、ろ液を濃縮し、得られた残渣をフラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=2:1)で分離、精製し、茶色粉末として表題化合物12(200mg,0.51mmol,85%)を得た。1H NMR(400MHz,クロロホルム-d,ppm) δ 9.28(s,1H),8.24(s,1H),7.46(s,1H),6.86(d,J=2.4Hz,2H),6.57(t,J=2.4Hz,1H),6.41(p,J=7.2Hz,1H),3.88(s,6H),2.34(s,3H),1.72(d,J=6.6Hz,6H)。
【0290】
4-(3,5-ジメトキシフェニル)-1-イソプロピル-8-(メチルスルフィニル)-1H-ピラゾロ[4,3-H]キナゾリン(13i)
13aの合成法を参照し、12(180mg,0.46mmol)および2-フェニルスルホニル-3-フェニルオキサジリジン(144mg,0.55mmol,1.2equiv.)から、表題化合物13i(淡黄色固体,167.0mg,0.41mmol,85%)を調製した。LC-MS(ESI),C
21H
23N
4O
3S[M+H]
+:m/z=411.1。
【表9】
【0291】
実施例1におけるI-1の合成法を参照し、13i(50mg,0.127mmol)および14(2equiv.)から、化合物I-80(6.4mg,11.4μmol,9%)を調製した。
【0292】
実施例1におけるI-1aの合成法を参照し、由13i(50mg,0.127mmol)および14(2equiv.)から、化合物I-81(4.9mg,8.9μmol,7%)、I-82(4.7mg,8.9μmol,7%)を調製した。
【0293】
I-80 LC-MS(ESI),C29H33N8O2[M+H]+:m/z=525.3。
【0294】
I-81 LC-MS(ESI),C31H37N8O2[M+H]+:m/z=553.3。
【0295】
I-82 LC-MS(ESI),C39H32N7O3[M+H]+:m/z=526.2。
【0296】
実施例83
生化学的キナーゼ阻害アッセイによる力価測定。キナーゼ活性アッセイおよびIC50測定。まず、10ngの組換えCDK4/サイクリンD1(Life Technologies PV4204)をキナーゼ緩衝液(20mM Tris pH7.5,10mM MgCl2,0.01% NP-40,2mM DTT)に希釈し、阻害剤の表示濃度に応じて室温で30分間インキュベートした。1μg(1.5μm)の組換え網膜芽細胞腫タンパク質、5μM ATPおよび10μ Ci γ-32P-ATPを添加することにより、キナーゼ反応を開始した。30℃で該反応を20分間インキュベートし、2×Laemmliサンプル緩衝液を加えて反応を停止し、95℃で3分間加熱し、12%アクリルアミドSDS-PAGEで溶解して、オートラジオグラフィーを行った。濃度計(Bio-Rad)を使用して、対応するリン酸化基質タンパク質バンドを定量した。得られた濃度値をPrism 4 Graphpadソフトウェアで対数薬物濃度の関数としてプロットし、可変勾配の非線形回帰曲線をプロットすることにより、IC50値を決定した。
【0297】
同様の方法で、CDK6/サイクリンD1に対する本発明の化合物の阻害活性を試験した。
【0298】
最も代表的な本発明の化合物の酵素阻害活性の結果を以下の表に示す。化合物に対して、IC50の10倍量である10μMの開始濃度から3倍連続希釈で試験した。対照化合物であるスタウロスポリンに対して、IC50の10倍量である20μMの開始濃度から4倍連続希釈で試験した。反応は、10μMのATPの条件下で行った。
【表10-1】
【表10-2】
【表10-3】
【0299】
本発明の化合物の大部分は、酵素阻害活性の観点からCDK6/サイクリンD1とCDK4/サイクリンD1との間の選択性も有することは注目に値する。例えば、CDK6/サイクリンD1に対する化合物I-6、I-9、I-18、I-37、I-75、I-77、I-78およびI-79の選択性は、10倍を超え;CDK6/サイクリンD1に対する化合物I-68およびI-69の選択性は、5倍を超え;CDK6/サイクリンD1に対する化合物I-45、I-48、I-50、I-56、I-58、I-66、I-71、I-73、I-74、I-80、I-81およびI-82の選択性は、約3倍であり、CDK6/サイクリンD1に対する化合物I-46、I-47、I-49、I-51、I-53、I-54、I-55、I-62、I-67、I-72およびI-76の選択性は、約2倍である。
【0300】
上記の内容は、好ましい実施形態を参照して本発明に対する詳細な説明であるが、本発明は、以上の説明に限定されない。本発明の精神および範囲を離れることなく、様々な変更および修正が可能であることは、当業者にとって明らかである。
[請求項1]
一般式(I)で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、溶媒和物、水和物、結晶多形、プロドラッグまたは同位体変異体、およびそれらの混合物であって、
[化1]
但し、
A
1
はNであり;
A
2
はCR
3
であり;
A
3
はCR
3
であり;
R
1
は、H、ハロゲン、-CN、-OR
a
、-SR
a
、-NR
b
R
c
、-C(O)R
a
、-C(O)OR
a
、-C(O)NR
b
R
c
、C
1-6
アルキル基、C
1-6
ハロゲン化アルキル基、C
3-7
シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル基、C
6-10
アリール基、または5~10員ヘテロアリール基から選択され、前記C
3-7
シクロアルキル基または3~7員ヘテロシクリル基は、オキソ基またはチオキソ基で置換されていてもよく;
R
2
は、H、ハロゲン、-CN、-C(O)R
a
、-C(O)OR
a
、-C(O)NR
b
R
c
、C
1-6
アルキル基、C
1-6
ハロゲン化アルキル基、C
3-7
シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル基、C
6-10
アリール基、または5~10員ヘテロアリール基から選択され、前記C
3-7
シクロアルキル基または3~7員ヘテロシクリル基は、オキソ基またはチオキソ基で置換されていてもよく;
R
3
は、H、ハロゲン、-CN、C
1-6
アルキル基、C
1-6
ハロゲン化アルキル基、-L’-C
3-7
シクロアルキル基、-L’-3~11員ヘテロシクリル基、-L’-C
6-10
アリール基または-L’-5~10員ヘテロアリール基から選択され、これらの基は、それぞれ1、2、3、4または5個のR
6
基で置換されていてもよく;
R
4
は、C
1-6
アルキル基、C
1-6
ハロゲン化アルキル基、C
3-7
シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル基、C
6-10
アリール基、または5~10員ヘテロアリール基から選択され;
R
5
は、H、ハロゲン、-CN、-OR
a
、-SR
a
、-NR
b
R
c
、-C(O)R
a
、-C(O)OR
a
、-C(O)NR
b
R
c
、C
1-6
アルキル基、C
1-6
ハロゲン化アルキル基、C
3-7
シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル基、C
6-10
アリール基、または5~10員ヘテロアリール基から選択され、前記C
3-7
シクロアルキル基または3~7員ヘテロシクリル基は、オキソ基またはチオキソ基で置換されていてもよく;
R
6
は、H、-NH
2
、-NHC
1-6
アルキル基、-N(C
1-6
アルキル)
2
、C
1-6
アルキル基、C
1-6
ハロゲン化アルキル基、C
3-7
シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル基、C
6-10
アリール基、または5~10員ヘテロアリール基から選択され;
或いは、同じ炭素原子上の2つのR
6
は、一緒にオキソ基またはチオキソ基を形成していてもよく;
ここで、
R
4
は、1、2または3個のR’基で置換されていてもよく、R’は、独立して、H、ハロゲン、-CN、-NO
2
、-OR
a
、-SR
a
、-NR
b
R
c
、-C(O)OR
a
、-C(O)NR
b
R
c
、C
1-6
アルキル基、C
1-6
ハロゲン化アルキル基、C
3-7
シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル基、C
6-10
アリール基、または5~10員ヘテロアリール基から選択され;
R
1
-R
2
およびR
5
-R
6
は、それぞれ1、2または3個のR”基で置換されていてもよく、R”基は、独立して、H、-OH、ハロゲン、-NO
2
、カルボニル基、-L-CN、-L-OR
a
、-L-SR
a
、-L-NR
b
R
c
、-L-C(O)R
a
、-L-C(S)R
a
、-L-C(O)OR
a
、-L-C(S)OR
a
、-L-C(O)-NR
b
R
c
、-L-C(S)-NR
b
R
c
、-L-O-C(O)R
a
、-L-O-C(S)R
a
、-L-N(R
b
)-C(O)-R
a
、-L-N(R
b
)-C(S)-R
a
、-L-S(O)
m
R
a
、-L-S(O)
m
OR
a
、-L-S(O)
m
NR
b
R
c
、-L-N(R
b
)-S(O)
m
-R
a
、-L-N(R
b
)-S(O)
m
-NR
b
R
c
、-L-N(R
b
)-C(O)OR
a
、-L-N(R
b
)-C(S)OR
a
、-L-O-C
1-6
アルキレン-OR
a
、-L-C(O)-C
1-6
アルキレン-NR
b
R
c
、-L-N(R
b
)-C(O)-NR
b
R
c
、-L-N(R
b
)-C(S)-NR
b
R
c
、-L-O-C(O)-NR
b
R
c
、-L-O-C(S)-NR
b
R
c
、C
1-6
アルキル基、C
1-6
ハロゲン化アルキル基、C
2-6
アルケニル基、C
2-6
アルキニル基、-L-C
3-7
シクロアルキル基、-L-3~7員ヘテロシクリル基、-L-C
6-10
アリール基、または-L-5~10員ヘテロアリール基から選択され;ここで、前記C
1-6
アルキル基、C
1-6
ハロゲン化アルキル基、C
2-6
アルケニル基、C
2-6
アルキニル基、-L-C
3-7
シクロアルキル基、-L-3~7員ヘテロシクリル基、-L-C
6-10
アリール基、または-L-5~10員ヘテロアリール基は、-L-CN、-NO
2
、カルボニル基、-L-OR
a
、-L-SR
a
、-L-NR
b
R
c
、-L-C(O)R
a
、-L-C(S)R
a
、-L-C(O)OR
a
、-L-C(S)OR
a
、-L-C(O)-NR
b
R
c
、-L-C(S)-NR
b
R
c
、-L-O-C(O)R
a
、-L-O-C(S)R
a
、-L-N(R
b
)-C(O)-R
a
、-L-N(R
b
)-C(S)-R
a
、-L-S(O)
m
R
a
、-L-S(O)
m
OR
a
、-L-S(O)
m
NR
b
R
c
、-L-N(R
b
)-S(O)
m
-R
a
、-L-N(R
b
)-S(O)
m
-R
b
R
c
、-L-N(R
b
)-C(O)OR
a
、-L-N(R
b
)-C(S)OR
a
、-L-O-C
1-6
アルキレン-OR
a
、-L-C(O)-C
1-6
アルキレン-NR
b
R
c
、-L-N(R
b
)-C(O)-NR
b
R
c
、-L-N(R
b
)-C(S)-NR
b
R
c
、-L-O-C(O)-NR
b
R
c
、-L-O-C(S)-NR
b
R
c
からなる群から選択される1つ以上の基でさらに置換されていてもよく;
R
a
は、独立して、H、C
1-6
アルキル基、C
2-6
アルケニル基、C
2-6
アルキニル基、C
1-6
ハロゲン化アルキル基、C
3-7
シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル基、C
6-10
アリール基、または5~10員ヘテロアリール基から選択され;
R
b
およびR
c
は、独立して、H、C
1-6
アルキル基、C
2-6
アルケニル基、C
2-6
アルキニル基、C
1-6
ハロゲン化アルキル基、C
3-7
シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル基、C
6-10
アリール基、または5~10員ヘテロアリール基から選択され;または、R
b
、R
c
はN原子と一緒に3~7員ヘテロシクリル基を形成し;
Lは、化学結合、-C
1-6
アルキレン-、-C
2-6
アルケニレン-、または-C
2-6
アルキニレン-から選択され;
L’は、化学結合、-C(O)-、-C(O)NH-、-NHC(O)-、-C
1-6
アルキレン-、-C
2-6
アルケニレン-、または-C
2-6
アルキニレン-から選択され;
mは0、1、または2である、
一般式(I)で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、溶媒和物、水和物、結晶多形、プロドラッグまたは同位体変異体、およびそれらの混合物。
[請求項2]
A
1
はNであり;
A
2
はCR
3
であり;
A
3
はCR
3
であり;
R
1
はHであり;
R
2
は、H、ハロゲン、-CN、-C(O)R
a
、-C(O)OR
a
、-C(O)NR
b
R
c
、C
1-6
アルキル基、C
1-6
ハロゲン化アルキル基、C
3-7
シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル基、C
6-10
アリール基、または5~10員ヘテロアリール基から選択され、前記C
3-7
シクロアルキル基または3~7員ヘテロシクリル基は、オキソ基またはチオキソ基で置換されていてもよく;
R
3
は、H、ハロゲン、-CN、C
1-6
アルキル基、C
1-6
ハロゲン化アルキル基、-L’-C
3-7
シクロアルキル基、-L’-3~11員ヘテロシクリル基、-L’-C
6-10
アリール基、または-L’-5~10員ヘテロアリール基から選択され、これらの基は、それぞれ1、2、3、4または5個のR
6
基で置換されていてもよく;
R
4
は、C
1-6
アルキル基、C
1-6
ハロゲン化アルキル基、C
3-7
シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル基、C
6-10
アリール基、または5~10員ヘテロアリール基から選択され;
R
5
は、H、ハロゲン、-CN、-OR
a
、-SR
a
、-NR
b
R
c
、-C(O)R
a
、-C(O)OR
a
、-C(O)NR
b
R
c
、C
1-6
アルキル基、またはC
1-6
ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
6
は、H、C
1-6
アルキル基、C
1-6
ハロゲン化アルキル基、C
3-7
シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル基、C
6-10
アリール基、または5~10員ヘテロアリール基から選択され;
或いは、同じ炭素原子上の2つのR
6
基は、一緒にオキソ基またはチオキソ基を形成していてもよく;
ここで、
R
2
およびR
5
-R
6
は、それぞれ1、2または3個のR”基で置換されていてもよく、R”基は、独立して、H、ハロゲン、-NO
2
、-CN、-OR
a
、-SR
a
、-NR
b
R
c
、-C(O)R
a
、-C(S)R
a
、-C(O)OR
a
、-C(S)OR
a
、-C(O)-NR
b
R
c
、-C(S)-NR
b
R
c
、-O-C(O)R
a
、-O-C(S)R
a
、-N(R
b
)-C(O)-R
a
、-N(R
b
)-C(S)-R
a
、-O-C
1-6
アルキレン-OR
a
、-C(O)-C
1-6
アルキレン-NR
b
R
c
、-N(R
b
)-C(O)-NR
b
R
c
、-N(R
b
)-C(S)-NR
b
R
c
、-O-C(O)-NR
b
R
c
、-O-C(S)-NR
b
R
c
、C
1-6
アルキル基、C
1-6
ハロゲン化アルキル基、C
2-6
アルケニル基、またはC
2-6
アルキニル基から選択され;
R
a
は、独立して、H、C
1-6
アルキル基、C
1-6
ハロゲン化アルキル基、-C
3-7
シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル基、C
6-10
アリール基、または5~10員ヘテロアリール基から選択され;
R
b
およびR
c
は、独立して、H、C
1-6
アルキル基、C
1-6
ハロゲン化アルキル基、C
3-7
シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル基、C
6-10
アリール基、または5~10員ヘテロアリール基から選択され;または、R
b
、R
c
はN原子と一緒に3~7員ヘテロシクリル基を形成し;
L’は、化学結合、-C(O)-、-C
1-6
アルキレン-、-C
2-6
アルケニレン-、または-C
2-6
アルキニレン-から選択され;
或いは、
A
1
はNであり;
A
2
はCR
3
であり;
A
3
はCR
3
であり;
R
1
はHであり;
R
2
は、H、ハロゲン、-CN、-C(O)R
a
、-C(O)OR
a
、-C(O)NR
b
R
c
、C
1-6
アルキル基、C
1-6
ハロゲン化アルキル基、C
3-7
シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル基、C
6-10
アリール基、または5~10員ヘテロアリール基から選択され;
R
3
は、H、ハロゲン、C
1-6
アルキル基、C
1-6
ハロゲン化アルキル基、C
3-7
シクロアルキル基、または3~11員ヘテロシクリル基から選択され、これらの基は、それぞれ1、2、3、4または5個のR
6
基で置換されていてもよく;
R
4
は、C
1-6
アルキル基、C
1-6
ハロゲン化アルキル基、C
3-7
シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル基、C
6-10
アリール基、または5~10員ヘテロアリール基から選択され;
R
5
はHであり;
R
6
は、H、C
1-6
アルキル基、C
1-6
ハロゲン化アルキル基、C
3-7
シクロアルキル基、または3~7員ヘテロシクリル基から選択され;
或いは、同じ炭素原子上の2つのR
6
基は、一緒にオキソ基またはチオキソ基を形成していてもよく;
ここで、
R
2
およびR
6
は、それぞれ1、2または3個のR”基で置換されていてもよく、R”基は、独立して、H、ハロゲン、-NO
2
、-CN、-OR
a
、-SR
a
、-NR
b
R
c
、-C(O)R
a
、-C(S)R
a
、-C(O)OR
a
、-C(S)OR
a
、-C(O)-NR
b
R
c
、-C(S)-NR
b
R
c
、-O-C(O)R
a
、-O-C(S)R
a
、-N(R
b
)-C(O)-R
a
、-N(R
b
)-C(S)-R
a
、C
1-6
アルキル基、C
1-6
ハロゲン化アルキル基、C
2-6
アルケニル基、またはC
2-6
アルキニル基から選択され;
R
a
は、独立して、H、C
1-6
アルキル基、C
1-6
ハロゲン化アルキル基、C
3-7
シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル基、C
6-10
アリール基、または5~10員ヘテロアリール基から選択され;
R
b
およびR
c
は、独立して、H、C
1-6
アルキル基、C
1-6
ハロゲン化アルキル基、C
3-7
シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル基、C
6-10
アリール基、または5~10員ヘテロアリール基から選択され;または、R
b
、R
c
はN原子と一緒に3~7員ヘテロシクリル基を形成し;
好ましくは、
A
1
はNであり;
A
2
はCR
3
であり;
A
3
はCR
3
であり;
R
1
はHであり;
R
2
は、H、ハロゲン、-CN、-C(O)R
a
、-C(O)OR
a
、-C(O)NR
b
R
c
、C
1-6
アルキル基、C
1-6
ハロゲン化アルキル基、C
6-10
アリール基、または5~10員ヘテロアリール基から選択され;
R
3
は、H、ハロゲン、C
1-6
アルキル基、C
1-6
ハロゲン化アルキル基、C
3-7
シクロアルキル基、または3~11員ヘテロシクリル基から選択され、これらの基は、それぞれ1、2、3、4または5個のR
6
基で置換されていてもよく;
R
4
は、C
1-6
アルキル基、C
1-6
ハロゲン化アルキル基、C
3-7
シクロアルキル基または3~7員ヘテロシクリル基から選択され;
R
5
はHであり;
R
6
は、H、C
1-6
アルキル基、またはC
1-6
ハロゲン化アルキル基から選択され;
或いは、同じ炭素原子上の2つのR
6
基は、一緒にオキソ基またはチオキソ基を形成していてもよく;
ここで、
R
2
は、1、2または3個のR”基で置換されていてもよく、R”基は、独立して、H、ハロゲン、-NO
2
、-CN、-OR
a
、-SR
a
、または-NR
b
R
c
から選択され;
R
a
は、独立して、H、C
1-6
アルキル基、またはC
1-6
ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
b
およびR
c
は、独立して、H、C
1-6
アルキル基、またはC
1-6
ハロゲン化アルキル基から選択され;または、R
b
、R
c
はN原子と一緒に3~7員ヘテロシクリル基を形成し;
好ましくは、
A
1
はNであり;
A
2
はCR
3
であり;
A
3
はCR
3
であり;
R
1
はHであり;
R
2
は、H、ハロゲン、-CN、C
1-6
アルキル基、-C(O)R
a
、またはC
6-10
アリール基から選択され;
R
3
は、H、ハロゲン、C
1-6
アルキル基、または3~11員ヘテロシクリル基から選択され、これらの基は、それぞれ1、2、3、4または5個のR
6
基で置換されていてもよく;
R
4
は、C
1-6
アルキル基、またはC
3-7
シクロアルキル基から選択され;
R
5
はHであり;
R
6
は、H、C
1-6
アルキル基、またはC
1-6
ハロゲン化アルキル基から選択され;
或いは、同じ炭素原子上の2つのR
6
基は、一緒にオキソ基またはチオキソ基を形成していてもよく;
ここで、
R
2
は、1、2または3個のR”基で置換されていてもよく、R”基は、独立してHまたは-OR
a
から選択され;
R
a
は、独立して、H、C
1-6
アルキル基、またはC
1-6
ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
b
およびR
c
は、独立して、H、C
1-6
アルキル基、またはC
1-6
ハロゲン化アルキル基から選択され;または、R
b
、R
c
はN原子と一緒に3~7員ヘテロシクリル基を形成し;
或いは、
A
1
はNであり;
A
2
はCR
3
であり;
A
3
はCR
3
であり;
R
1
はHであり;
R
2
は、-C(O)R
a
、-C(O)OR
a
、または-C(O)NR
b
R
c
から選択され;
R
3
は、H、C
3-7
シクロアルキル基、または3~11員ヘテロシクリル基から選択され、これらの基は、それぞれ1、2、3、4または5個のR
6
基で置換されていてもよく;
R
4
は、イソプロピル基、またはシクロペンチル基から選択され;
R
5
はHであり;
R
6
はH、C
1-6
アルキル基、またはC
1-6
ハロゲン化アルキル基から選択され;
ここで、
R
a
は、独立して、H、C
1-6
アルキル基、またはC
1-6
ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
b
およびR
c
は、独立して、H、C
1-6
アルキル基、またはC
1-6
ハロゲン化アルキル基から選択され;
好ましくは、
A
1
はNであり;
A
2
はCR
3
であり;
A
3
はCR
3
であり;
R
1
はHであり;
R
2
は-C(O)R
a
であり;
R
3
は、Hまたは3~11員ヘテロシクリル基から選択され、これらの基は、それぞれ1、2、3、4または5個のR
6
基で置換されていてもよく;
R
4
はイソプロピル基であり;
R
5
はHであり;
R
6
は、H、C
1-6
アルキル基、またはC
1-6
ハロゲン化アルキル基から選択され;
ここで、
R
a
は、独立して、H、またはC
1-6
アルキル基から選択される、
請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、溶媒和物、水和物、結晶多形、プロドラッグまたは同位体変異体、およびそれらの混合物。
[請求項3]
一般式(II)で表される化合物であって、
[化2]
但し、
R
2
は、H、ハロゲン、-CN、-C(O)R
a
、-C(O)OR
a
、-C(O)NR
b
R
c
、C
1-6
アルキル基、C
1-6
ハロゲン化アルキル基、C
3-7
シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル基、C
6-10
アリール基、または5~10員ヘテロアリール基から選択され;
R
3
は、以下の基から選択され:
[化3]
R
3a
は、H、ハロゲン、-CN、-NO
2
、C
1-6
アルキル基、またはC
1-6
ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
3b
は、H、ハロゲン、-CN、-NO
2
、C
1-6
アルキル基、またはC
1-6
ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
3c
、R
3d
、R
3e
およびR
3f
は、独立して、H、C
1-6
アルキル基、C
1-6
ハロゲン化アルキル基、C
3-7
シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル基、C
6-10
アリール基、または5~10員ヘテロアリール基から選択され;
R
4
は、C
1-6
アルキル基、C
1-6
ハロゲン化アルキル基、C
3-7
シクロアルキル基、3~11員ヘテロシクリル基、C
6-10
アリール基、または5~10員ヘテロアリール基から選択され;
R
2
は、1、2または3個のR”基で置換されていてもよく、R”基は、独立して、H、ハロゲン、-CN、-NO
2
、-OR
a
、-SR
a
、-NR
b
R
c
、-C(O)R
a
、-C(S)R
a
、-C(O)OR
a
、-C(S)OR
a
、-C(O)-NR
b
R
c
、-C(S)-NR
b
R
c
、-O-C(O)R
a
、-O-C(S)R
a
、-N(R
b
)-C(O)-R
a
、-N(R
b
)-C(S)-R
a
、-O-C
1-6
アルキレン-OR
a
、-C(O)-C
1-6
アルキレン-NR
b
R
c
、-N(R
b
)-C(O)-NR
b
R
c
、-N(R
b
)-C(S)-NR
b
R
c
、-O-C(O)-NR
b
R
c
、-O-C(S)-NR
b
R
c
、C
1-6
アルキル基、C
1-6
ハロゲン化アルキル基、C
2-6
アルケニル基、またはC
2-6
アルキニル基から選択され;
R
a
は、独立して、H、C
1-6
アルキル基、C
1-6
ハロゲン化アルキル基、C
3-7
シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル基、C
6-10
アリール基、または5~10員ヘテロアリール基から選択され;
R
b
およびR
c
は、独立して、H、C
1-6
アルキル基、C
1-6
ハロゲン化アルキル基、C
3-7
シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル基、C
6-10
アリール基、または5~10員ヘテロアリール基から選択され;
好ましくは、
R
2
は、H、ハロゲン、-CN、-C(O)R
a
、-C(O)OR
a
、-C(O)NR
b
R
c
、C
1-6
アルキル基、C
6-10
アリール基、または5~10員ヘテロアリール基から選択され;
R
3
は、以下の基から選択され:
[化4]
R
3a
は、H、ハロゲン、-CN、-NO
2
、C
1-6
アルキル基、またはC
1-6
ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
3b
は、H、ハロゲン、-CN、-NO
2
、C
1-6
アルキル基、またはC
1-6
ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
3c
、R
3d
、R
3e
およびR
3f
は、独立して、H、C
1-6
アルキル基、またはC
1-6
ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
4
は、C
1-6
アルキル基、C
1-6
ハロゲン化アルキル基、C
3-7
シクロアルキル基、または3~11員ヘテロシクリル基から選択され;
R
2
は、1、2または3個のR”基で置換されていてもよく、R”基は、独立して、H、ハロゲン、-CN、-NO
2
、または-OR
a
から選択され;
R
a
は、独立して、H、C
1-6
アルキル基、またはC
1-6
ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
b
およびR
c
は、独立して、H、C
1-6
アルキル基、またはC
1-6
ハロゲン化アルキル基から選択され;
好ましくは、
R
2
は、H、ハロゲン、CN、C
1-6
アルキル基、-C(O)R
a
、またはC
6-10
アリール基から選択され;
R
3
は、以下の基から選択され:
[化5]
R
3a
は、H、ハロゲン、またはC
1-6
アルキル基から選択され;
R
3b
は、H、ハロゲン、またはC
1-6
アルキル基から選択され;
R
3c
、R
3d
、R
3e
およびR
3f
は、独立して、H、またはC
1-6
アルキル基から選択され;
R
4
は、C
1-6
アルキル基、またはC
3-7
シクロアルキル基から選択され;
R
2
は、1、2または3個のR”基で置換されていてもよく、R”基は、独立して-OR
a
から選択され;
R
a
は、独立して、H、またはC
1-6
アルキル基から選択され;
R
b
およびR
c
は、独立して、H、またはC
1-6
アルキル基から選択され;
好ましくは、
R
2
は、H、Br、CN、Me、CH
3
C(O)-、またはPh(OMe)
2
から選択され;
R
3
は、以下の基から選択され:
[化6]
R
3a
は、H、F、またはMeから選択され;
R
3b
は、H、F、またはMeから選択され;
R
4
は、エチル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、またはシクロペンチル基から選択され;
或いは、
R
2
は、H、ハロゲン、-CN、-C(O)R
a
、-C(O)OR
a
、-C(O)NR
b
R
c
、C
1-6
アルキル基、C
1-6
ハロゲン化アルキル基、C
3-7
シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル基、C
6-10
アリール基、または5~10員ヘテロアリール基から選択され;
R
3
は、以下の基から選択され:
[化7]
R
3a
は、H、ハロゲン、-CN、-NO
2
、C
1-6
アルキル基、またはC
1-6
ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
3b
は、H、ハロゲン、-CN、-NO
2
、C
1-6
アルキル基、またはC
1-6
ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
3c
、R
3d
、R
3e
およびR
3f
は、独立して、H、C
1-6
アルキル基、C
1-6
ハロゲン化アルキル基、C
3-7
シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル基、C
6-10
アリール基、または5~10員ヘテロアリール基から選択され;
R
4
は、C
1-6
アルキル基、C
1-6
ハロゲン化アルキル基、C
3-7
シクロアルキル基、3~11員ヘテロシクリル基、C
6-10
アリール基、または5~10員ヘテロアリール基から選択され;
R
2
は、1、2または3個のR”基で置換されていてもよく、R”基は、独立して、H、ハロゲン、-CN、-NO
2
、-OR
a
、-SR
a
、-NR
b
R
c
、-C(O)R
a
、-C(S)R
a
、-C(O)OR
a
、-C(S)OR
a
、-C(O)-NR
b
R
c
、-C(S)-NR
b
R
c
、-O-C(O)R
a
、-O-C(S)R
a
、-N(R
b
)-C(O)-R
a
、-N(R
b
)-C(S)-R
a
、-O-C
1-6
アルキレン-OR
a
、-C(O)-C
1-6
アルキレン-NR
b
R
c
、-N(R
b
)-C(O)-NR
b
R
c
、-N(R
b
)-C(S)-NR
b
R
c
、-O-C(O)-NR
b
R
c
、-O-C(S)-NR
b
R
c
、C
1-6
アルキル基、C
1-6
ハロゲン化アルキル基、C
2-6
アルケニル基、またはC
2-6
アルキニル基から選択され;
R
a
は、独立して、H、C
1-6
アルキル基、C
1-6
ハロゲン化アルキル基、C
3-7
シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル基、C
6-10
アリール基、または5~10員ヘテロアリール基から選択され;
R
b
およびR
c
は、独立して、H、C
1-6
アルキル基、C
1-6
ハロゲン化アルキル基、C
3-7
シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル基、C
6-10
アリール基、または5~10員ヘテロアリール基から選択され;
好ましくは、
R
2
は、H、ハロゲン、-CN、-C(O)R
a
、-C(O)OR
a
、-C(O)NR
b
R
c
、C
1-6
アルキル基、C
6-10
アリール基、または5~10員ヘテロアリール基から選択され;
R
3
は、以下の基から選択され:
[化8]
R
3a
は、H、ハロゲン、-CN、-NO
2
、C
1-6
アルキル基、またはC
1-6
ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
3b
は、H、ハロゲン、-CN、-NO
2
、C
1-6
アルキル基、またはC
1-6
ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
3c
、R
3d
、R
3e
およびR
3f
は、独立して、H、C
1-6
アルキル基、またはC
1-6
ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
4
は、C
1-6
アルキル基、C
1-6
ハロゲン化アルキル基、C
3-7
シクロアルキル基、または3~11員ヘテロシクリル基から選択され;
R
2
は、1、2または3個のR”基で置換されていてもよく、R”基は、独立して、H、ハロゲン、-CN、-NO
2
、または-OR
a
から選択され;
R
a
は、独立して、H、C
1-6
アルキル基、またはC
1-6
ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
b
およびR
c
は、独立して、H、C
1-6
アルキル基、またはC
1-6
ハロゲン化アルキル基から選択され;
好ましくは、
R
2
は、H、ハロゲン、CN、C
1-6
アルキル基、-C(O)R
a
、またはC
6-10
アリール基から選択され;
R
3
は、以下の基から選択され:
[化9]
R
3a
は、H、ハロゲン、またはC
1-6
アルキル基から選択され;
R
3b
は、H、ハロゲン、またはC
1-6
アルキル基から選択され;
R
3c
、R
3d
、R
3e
およびR
3f
は、独立して、H、またはC
1-6
アルキル基から選択され;
R
4
は、C
1-6
アルキル基、またはC
3-7
シクロアルキル基から選択され;
R
2
は、1、2または3個のR”基で置換されていてもよく、R”基は、独立して-OR
a
から選択され;
R
a
は、独立して、H、またはC
1-6
アルキル基から選択され;
R
b
およびR
c
は、独立して、H、またはC
1-6
アルキル基から選択され;
好ましくは、
R
2
は、H、Br、CN、Me、CH
3
C(O)-、またはPh(OMe)
2
から選択され;
R
3
は、以下の基から選択され:
[化10]
R
3a
は、H、F、またはMeから選択され;
R
3b
は、H、F、またはMeから選択され;
R
4
は、エチル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、またはシクロペンチル基から選択され;
或いは、
R
2
は、H、-CN、-C(O)R
a
、-C(O)OR
a
、-C(O)NR
b
R
c
、C
1-6
アルキル基、C
1-6
ハロゲン化アルキル基、C
3-7
シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル基、C
6-10
アリール基、または5~10員ヘテロアリール基から選択され;
R
3
は、以下の基から選択され:
[化11]
R
3a
はHであり;
R
3b
は、H、ハロゲン、-CN、-NO
2
、C
1-6
アルキル基、またはC
1-6
ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
3c
、R
3d
およびR
3e
は、独立して、H、C
1-6
アルキル基、C
1-6
ハロゲン化アルキル基、C
3-7
シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル基、C
6-10
アリール基、または5~10員ヘテロアリール基から選択され;
R
4
は、C
1-6
アルキル基、C
1-6
ハロゲン化アルキル基、C
3-7
シクロアルキル基、3~11員ヘテロシクリル基、C
6-10
アリール基、または5~10員ヘテロアリール基から選択され;
R
2
は、1、2または3個のR”基で置換されていてもよく、R”基は、独立して、H、ハロゲン、-CN、-NO
2
、-OR
a
、-SR
a
、-NR
b
R
c
、-C(O)R
a
、-C(S)R
a
、-C(O)OR
a
、-C(S)OR
a
、-C(O)-NR
b
R
c
、-C(S)-NR
b
R
c
、-O-C(O)R
a
、-O-C(S)R
a
、-N(R
b
)-C(O)-R
a
、-N(R
b
)-C(S)-R
a
、-O-C
1-6
アルキレン-OR
a
、-C(O)-C
1-6
アルキレン-NR
b
R
c
、-N(R
b
)-C(O)-NR
b
R
c
、-N(R
b
)-C(S)-NR
b
R
c
、-O-C(O)-NR
b
R
c
、-O-C(S)-NR
b
R
c
、C
1-6
アルキル基、C
1-6
ハロゲン化アルキル基、C
2-6
アルケニル基、またはC
2-6
アルキニル基から選択され;
R
a
は、独立して、H、C
1-6
アルキル基、C
1-6
ハロゲン化アルキル基、C
3-7
シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル基、C
6-10
アリール基、または5~10員ヘテロアリール基から選択され;
R
b
およびR
c
は、独立して、H、C
1-6
アルキル基、C
1-6
ハロゲン化アルキル基、C
3-7
シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル基、C
6-10
アリール基、または5~10員ヘテロアリール基から選択され;
好ましくは、
R
2
は、H、-CN、-C(O)R
a
、-C(O)OR
a
、-C(O)NR
b
R
c
、C
1-6
アルキル基、C
6-10
アリール基、または5~10員ヘテロアリール基から選択され;
R
3
は、以下の基から選択され:
[化12]
R
3a
はHであり;
R
3b
は、H、ハロゲン、-CN、-NO
2
、C
1-6
アルキル基、またはC
1-6
ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
3c
、R
3d
およびR
3e
は、独立して、H、C
1-6
アルキル基、またはC
1-6
ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
4
は、C
1-6
アルキル基、C
1-6
ハロゲン化アルキル基、C
3-7
シクロアルキル基、または3~11員ヘテロシクリル基から選択され;
R
2
は、1、2または3個のR”基で置換されていてもよく、R”基は、独立して、H、ハロゲン、-CN、-NO
2
、または-OR
a
から選択され;
R
a
は、独立して、H、C
1-6
アルキル基、またはC
1-6
ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
b
およびR
c
は、独立して、H、C
1-6
アルキル基、またはC
1-6
ハロゲン化アルキル基から選択され;
好ましくは、
R
2
は、H、CN、C
1-6
アルキル基、-C(O)R
a
、またはC
6-10
アリール基から選択され;
R
3
は、以下の基から選択され:
[化13]
R
3a
はHであり;
R
3b
は、H、ハロゲン、またはC
1-6
アルキル基から選択され;
R
3c
、R
3d
およびR
3e
は、独立して、H、またはC
1-6
アルキル基から選択され;
R
4
は、C
1-6
アルキル基、またはC
3-7
シクロアルキル基から選択され;
R
2
は、1、2または3個のR”基で置換されていてもよく、R”基は、独立して-OR
a
から選択され;
R
a
は、独立して、H、またはC
1-6
アルキル基から選択され;
R
b
およびR
c
は、独立して、H、またはC
1-6
アルキル基から選択され;
好ましくは、
R
2
は、H、CN、Me、CH
3
C(O)-、またはPh(OMe)
2
から選択され;
R
3
は、以下の基から選択され:
[化14]
R
3a
はHであり;
R
3b
は、H、F、またはMeから選択され;
R
4
は、エチル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、またはシクロペンチル基から選択され;
或いは、
R
2
は、-C(O)R
a
、-C(O)OR
a
、または-C(O)NR
b
R
c
から選択され;
R
3
は、以下の基から選択され:
[化15]
R
3a
はHであり;
R
3b
はHであり;
R
3c
は、H、C
1-6
アルキル基、C
1-6
ハロゲン化アルキル基、C
3-7
シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル基、C
6-10
アリール基、または5~10員ヘテロアリール基から選択され;
R
4
は、イソプロピル基、またはシクロペンチル基から選択され;
R
a
は、独立して、H、C
1-6
アルキル基、C
1-6
ハロゲン化アルキル基、C
3-7
シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル基、C
6-10
アリール基、または5~10員ヘテロアリール基から選択され;
R
b
およびR
c
は、独立して、H、C
1-6
アルキル基、C
1-6
ハロゲン化アルキル基、C
3-7
シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル基、C
6-10
アリール基、または5~10員ヘテロアリール基から選択され;
好ましくは、
R
2
は、-C(O)R
a
、-C(O)OR
a
、または-C(O)NR
b
R
c
から選択され;
R
3
は、以下の基から選択され:
[化16]
R
3a
はHであり;
R
3b
はHであり;
R
3c
は、H、C
1-6
アルキル基、またはC
1-6
ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
4
は、イソプロピル基、またはシクロペンチル基から選択され;
R
a
は、独立して、H、C
1-6
アルキル基、またはC
1-6
ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
b
およびR
c
は、独立して、H、C
1-6
アルキル基、またはC
1-6
ハロゲン化アルキル基から選択され;
好ましくは、
R
2
は-C(O)R
a
であり;
R
3
は、以下の基から選択され:
[化17]
R
3a
はHであり;
R
3b
はHであり;
R
3c
は、H、またはC
1-6
アルキル基から選択され;
R
4
はイソプロピル基であり;
R
a
は、H、またはC
1-6
アルキル基から選択され;
R
b
およびR
c
は、独立して、H、またはC
1-6
アルキル基から選択され;
好ましくは、
R
2
はCH
3
C(O)-であり;
R
3
は、以下の基から選択され:
[化18]
R
3a
はHであり;
R
3b
はHであり;
R
4
はイソプロピル基である、
請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、溶媒和物、水和物、結晶多形、プロドラッグまたは同位体変異体、およびそれらの混合物。
[請求項4]
一般式(II)で表される化合物であって、
[化19]
但し、
R
2
は、-CN、-C(O)R
a
、-C(O)OR
a
、-C(O)NR
b
R
c
、C
1-6
アルキル基、C
1-6
ハロゲン化アルキル基、C
3-7
シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル基、C
6-10
アリール基、または5~10員ヘテロアリール基から選択され;
R
3
は、以下の基から選択され:
[化20]
R
3a
はHであり;
R
3b
は、H、C
1-6
アルキル基、C
1-6
ハロゲン化アルキル基、C
3-7
シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル基、C
6-10
アリール基、または5~10員ヘテロアリール基から選択され;
R
3c
は、H、C
1-6
アルキル基、C
1-6
ハロゲン化アルキル基、C
3-7
シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル基、C
6-10
アリール基、または5~10員ヘテロアリール基から選択され;
R
4
は、C
1-6
アルキル基、C
1-6
ハロゲン化アルキル基、C
3-7
シクロアルキル基、3~11員ヘテロシクリル基、C
6-10
アリール基、または5~10員ヘテロアリール基から選択され;
R
2
は、1、2または3個のR”基で置換されていてもよく、R”基は、独立して、H、ハロゲン、-CN、-NO
2
、-OR
a
、-SR
a
、-NR
b
R
c
、-C(O)R
a
、-C(S)R
a
、-C(O)OR
a
、-C(S)OR
a
、-C(O)-NR
b
R
c
、-C(S)-NR
b
R
c
、-O-C(O)R
a
、-O-C(S)R
a
、-N(R
b
)-C(O)-R
a
、-N(R
b
)-C(S)-R
a
、-O-C
1-6
アルキレン-OR
a
、-C(O)-C
1-6
アルキレン-NR
b
R
c
、-N(R
b
)-C(O)-NR
b
R
c
、-N(R
b
)-C(S)-NR
b
R
c
、-O-C(O)-NR
b
R
c
、-O-C(S)-NR
b
R
c
、C
1-6
アルキル基、C
1-6
ハロゲン化アルキル基、C
2-6
アルケニル基、またはC
2-6
アルキニル基から選択され;
R
a
は、独立して、H、C
1-6
アルキル基、C
1-6
ハロゲン化アルキル基、C
3-7
シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル基、C
6-10
アリール基、または5~10員ヘテロアリール基から選択され;
R
b
およびR
c
は、独立して、H、C
1-6
アルキル基、C
1-6
ハロゲン化アルキル基、C
3-7
シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル基、C
6-10
アリール基、または5~10員ヘテロアリール基から選択され;
好ましくは、
R
2
は、-CN、-C(O)R
a
、-C(O)OR
a
、-C(O)NR
b
R
c
、C
1-6
アルキル基、C
6-10
アリール基、または5~10員ヘテロアリール基から選択され;
R
3
は、以下の基から選択され:
[化21]
R
3a
はHであり;
R
3b
は、H、C
1-6
アルキル基、またはC
1-6
ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
3c
は、H、C
1-6
アルキル基、またはC
1-6
ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
4
は、C
1-6
アルキル基、C
1-6
ハロゲン化アルキル基、C
3-7
シクロアルキル基、または3~11員ヘテロシクリル基から選択され;
R
2
は、1、2または3個のR”基で置換されていてもよく、R”基は、独立して、H、ハロゲン、-CN、-NO
2
、または-OR
a
から選択され;
R
a
は、独立して、H、C
1-6
アルキル基、またはC
1-6
ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
b
およびR
c
は、独立して、H、C
1-6
アルキル基、またはC
1-6
ハロゲン化アルキル基から選択され;
好ましくは、
R
2
は、CN、C
1-6
アルキル基、-C(O)R
a
、またはC
6-10
アリール基から選択され;
R
3
は、以下の基から選択され:
[化22]
R
3a
はHであり;
R
3b
はHであり;
R
3c
は、H、またはC
1-6
アルキル基から選択され;
R
4
は、C
1-6
アルキル基、またはC
3-7
シクロアルキル基から選択され;
R
2
は、1、2または3個のR”基で置換されていてもよく、R”基は、独立して-OR
a
から選択され;
R
a
は、独立して、H、またはC
1-6
アルキル基から選択され;
R
b
およびR
c
は、独立して、H、またはC
1-6
アルキル基から選択され;
好ましくは、
R
2
は、CN、Me、CH
3
C(O)-、またはPh(OMe)
2
から選択され;
R
3
は、以下の基から選択され:
[化23]
R
3a
はHであり;
R
3b
はHであり;
R
4
は、エチル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、またはシクロペンチル基から選択され;
或いは、
R
2
は-C(O)R
a
、-C(O)OR
a
、-C(O)NR
b
R
c
、C
1-6
アルキル基、またはC
1-6
ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
3
は、
[化24]
であり;
R
3a
はHであり;
R
3b
は、H、C
1-6
アルキル基、C
1-6
ハロゲン化アルキル基、C
3-7
シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル基、C
6-10
アリール基、または5~10員ヘテロアリール基から選択され;
R
3c
は、H、C
1-6
アルキル基、C
1-6
ハロゲン化アルキル基、C
3-7
シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル基、C
6-10
アリール基、または5~10員ヘテロアリール基から選択され;
R
4
は、イソプロピル基、またはシクロペンチル基から選択され;
R
a
は、独立して、H、C
1-6
アルキル基、C
1-6
ハロゲン化アルキル基、C
3-7
シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル基、C
6-10
アリール基、または5~10員ヘテロアリール基から選択され;
R
b
およびR
c
は、独立して、H、C
1-6
アルキル基、C
1-6
ハロゲン化アルキル基、C
3-7
シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル基、C
6-10
アリール基、または5~10員ヘテロアリール基から選択され;
好ましくは、
R
2
は、-C(O)R
a
、-C(O)OR
a
、-C(O)NR
b
R
c
、またはC
1-6
アルキル基から選択され;
R
3
は、
[化25]
であり;
R
3a
はHであり;
R
3b
は、H、C
1-6
アルキル基、またはC
1-6
ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
3c
は、C
1-6
アルキル基、またはC
1-6
ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
4
は、イソプロピル基、またはシクロペンチル基から選択され;
R
a
は、独立して、H、C
1-6
アルキル基、またはC
1-6
ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
b
およびR
c
は、独立して、H、C
1-6
アルキル基、またはC
1-6
ハロゲン化アルキル基から選択され;
好ましくは、
R
2
は、C
1-6
アルキル基、または-C(O)R
a
から選択され;
R
3
は、
[化26]
であり;
R
3a
はHであり;
R
3b
はHであり;
R
3c
はC
1-6
アルキル基であり;
R
4
は、イソプロピル基、またはシクロペンチル基から選択され;
R
a
は、H、またはC
1-6
アルキル基から選択され;
R
b
およびR
c
は、独立して、H、またはC
1-6
アルキル基から選択され;
好ましくは、
R
2
は、Me、またはCH
3
C(O)-から選択され;
R
3
は、以下の基から選択され:
[化27]
R
3a
はHであり;
R
3b
はHであり;
R
4
は、イソプロピル基、またはシクロペンチル基から選択され;
或いは、
R
2
はHであり;
R
3
は、以下の基から選択され:
[化28]
R
3a
はHであり;
R
3b
は、C
1-6
アルキル基、C
1-6
ハロゲン化アルキル基、C
3-7
シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル基、C
6-10
アリール基、または5~10員ヘテロアリール基から選択され;
R
3c
は、H、C
1-6
アルキル基、C
1-6
ハロゲン化アルキル基、C
3-7
シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル基、C
6-10
アリール基、または5~10員ヘテロアリール基から選択され;
R
4
はイソプロピル基であり;
好ましくは、
R
2
はHであり;
R
3
は、以下の基から選択され:
[化29]
R
3a
はHであり;
R
3b
は、C
1-6
アルキル基、またはC
1-6
ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
3c
は、C
1-6
アルキル基、またはC
1-6
ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
4
はイソプロピル基であり;
好ましくは、
R
2
はHであり;
R
3
は、以下の基から選択され:
[化30]
R
3a
はHであり;
R
3b
はC
1-6
アルキル基であり;
R
3c
はC
1-6
アルキル基であり;
R
4
はイソプロピル基であり;
好ましくは、
R
2
はHであり;
R
3
は、以下の基から選択され:
[化31]
R
3a
はHであり;
R
3b
はMeであり;
R
4
はイソプロピル基である、
請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、溶媒和物、水和物、結晶多形、プロドラッグまたは同位体変異体、およびそれらの混合物。
[請求項5]
[化32]
[化33]
[化34]
から選択される、
化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、溶媒和物、水和物、結晶多形、プロドラッグまたは同位体変異体。
[請求項6]
請求項1~5のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、溶媒和物、水和物、結晶多形、プロドラッグまたは同位体変異体と、
薬学的に許容される賦形剤と
を含む医薬組成物であって、
好ましくは、さらに他の治療剤を含む、医薬組成物。
[請求項7]
CDKによる疾患を治療及び/又は予防するための薬物の調製への、請求項1~5のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、溶媒和物、水和物、結晶多形、プロドラッグまたは同位体変異体の使用。
[請求項8]
被験者に、請求項1~5のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、溶媒和物、水和物、結晶多形、プロドラッグまたは同位体変異体、或いは請求項6に記載の医薬組成物を投与すること含む、被験者におけるCDKによる疾患を治療及び/又は予防する方法。
[請求項9]
CDKによる疾患を治療及び/又は予防するための、請求項1~5のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、溶媒和物、水和物、結晶多形、プロドラッグまたは同位体変異体、或いは請求項6に記載の医薬組成物。
[請求項10]
前記CDKによる疾患は、癌、心血管疾患、感染症、慢性炎症性疾患、自己免疫疾患、および他の細胞増殖性障害などの細胞増殖性疾患を含むが、これらに限定されなく、
より具体的には、前記癌として、例えば、乳がん、神経芽細胞腫、悪性横紋筋肉腫、高分化型および脱分化型脂肪肉腫、神経膠腫、肺がん、結腸直腸がん、胃がん、消化管間質腫瘍(GIST)、肝細胞がん、前立腺腫瘍、肉腫、卵巣がん、子宮頸がん、膵臓がん、メラノーマ、甲状腺がん、胆管がん、子宮内膜がん、腎がん、中皮腫、リンパ腫、白血病、非ホジキンリンパ腫、マントル細胞リンパ腫、未分化大細胞リンパ腫、急性骨髄性白血病(AML)、および多発性骨髄腫などの固形腫瘍および血液悪性腫瘍が挙げられるが、これらに限定されなく、
より具体的には、前記心血管疾患は、例えば、再狭窄、アテローム性動脈硬化、バルーン血管形成術に続発する血管平滑筋増殖と内膜増殖、および他の異常な細胞増殖による血管障害であり、
より具体的には、前記感染症として、真菌、原虫(例えば、熱帯熱マラリア原虫)、ならびに単純ヘルペスウイルス(HSV)感染などのDNAおよびRNAウイルスの感染を含み、
より具体的には、前記慢性炎症性疾患は、例えば関節リウマチであり、
より具体的には、前記他の細胞増殖性障害として、(ケラチン生成細胞の過剰増殖を特徴とする)乾癬、糸球体腎炎、およびループスなどを含む、
請求項7に記載の使用、請求項8に記載の方法、または請求項9に記載の化合物または組成物の使用。