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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-27
(45)【発行日】2023-03-07
(54)【発明の名称】蛍光観察カメラシステム
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/00 20060101AFI20230228BHJP
   A61B 1/06 20060101ALI20230228BHJP
   G01N 21/64 20060101ALI20230228BHJP
【FI】
A61B1/00 511
A61B1/00 512
A61B1/06 610
A61B1/00 731
G01N21/64 Z
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020548384
(86)(22)【出願日】2019-09-11
(86)【国際出願番号】 JP2019035666
(87)【国際公開番号】W WO2020066610
(87)【国際公開日】2020-04-02
【審査請求日】2022-04-14
(31)【優先権主張番号】P 2018179045
(32)【優先日】2018-09-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000193612
【氏名又は名称】ミズホ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003063
【氏名又は名称】弁理士法人牛木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤田 淳一
(72)【発明者】
【氏名】中島 慎一
(72)【発明者】
【氏名】木谷 一郎
【審査官】小野 健二
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/167969(WO,A1)
【文献】特開2004-237081(JP,A)
【文献】国際公開第2018/034075(WO,A1)
【文献】特開2004-089237(JP,A)
【文献】特開2011-147757(JP,A)
【文献】特開2011-167377(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 1/00-1/32
G01N 21/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体を撮像するためのカメラユニットと、このカメラユニットの制御を行うためのコントローラユニットとを備え、前記カメラユニットは、被写体から赤外光と可視光を集光するレンズと、このレンズの周囲に配置され2種類の励起光を同時に照射可能な照明手段と、前記レンズを通過した被写体から反射した励起光を除去するフィルタと、このフィルタを通過した赤外光と可視光を分離するビームスプリッタと、このビームスプリッタにより分離された赤外光を撮像する赤外光撮像素子と、前記ビームスプリッタにより分離された可視光を撮像する可視光撮像素子とを備えた蛍光観察カメラシステムにおいて、前記照明手段は、前記レンズの周囲に環状に等間隔で配置された複数の光源を備え、前記光源は、複数の白色光源と少なくとも3種類のそれぞれ複数の励起光源から構成されるとともに、同一種類の光源は相互に最も遠い位置に配置され、前記励起光源は、第1の励起光源、第2の励起光源、第3の励起光源を備え、少なくとも、前記第1の励起光源のみが点灯する点灯パターンと、前記第2の励起光源のみが点灯する点灯パターンと、前記第3の励起光源のみが点灯する点灯パターンと、前記第1の励起光源と前記第2の励起光源が同時に点灯する点灯パターンと、前記第1の励起光源と前記第3の励起光源が同時に点灯する点灯パターンと、前記第2の励起光源と前記第3の励起光源が同時に点灯する点灯パターンとを選択することができるように構成され、前記照明手段の点灯パターンと前記フィルタにより除去される波長領域の組み合わせは、予め前記コントローラユニットにプログラミングされており、前記カメラユニットに設けられたキー基盤のパネル操作と、前記コントローラユニットに設けられたキー基盤のパネル操作によって、希望する点灯パターンを選択することができるように構成されたことを特徴とする蛍光観察カメラシステム。
【請求項2】
前記照明手段は、少なくとも2種類の励起光源をそれぞれ4つ備えたことを特徴とする請求項1記載の蛍光観察カメラシステム。
【請求項3】
前記コントローラユニットは、前記白色光源、前記励起光源、前記フィルタのオン・オフを制御する制御手段と、前記赤外光撮像素子と前記可視光撮像素子からの信号を処理して赤外光画像、可視光画像、赤外光画像と可視光画像の合成画像の信号を生成する映像処理手段とを備えたことを特徴とする請求項1又は2記載の蛍光観察カメラシステム。
【請求項4】
前記照明手段は、インドシアニングリーン、5-アミノレブリン酸、フルオレセインの励起波長に対応する3種類の励起光源を備えたことを特徴とする請求項2又は3記載の蛍光観察カメラシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体内の組織をリアルタイムに観察するために用いられる蛍光観察カメラシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
生体内の組織をリアルタイムに観察するための装置としては、例えば、特許文献1に記載された撮像装置が知られている。この撮像装置は、1つの撮像素子で、赤外蛍光を発するインドシアニングリーン(IGC)を蛍光造影剤として血管投与した人体等の被写体から可視光像と赤外光像との合成画像を撮影するものである。このほか、特許文献2には、励起光の波長域の光がカットされた観察光と蛍光とを同時に撮影するようにした光学的生体イメージングシステムが開示されている。また、特許文献3には、被写体から反射してきた励起光と、励起光によってICGが励起して発光した蛍光とが合わさった光から励起光の成分を減衰させ、励起光の成分を減衰させた光による撮影と、さらに蛍光を除去した光による撮影のそれぞれを行い、それぞれの撮影で得られた画素信号に基づいて生成した画像の差分をとることによって、蛍光のみで撮影した被写体の画像を生成する赤外蛍光観察装置が開示されている。さらに、特許文献4には、手術野から反射光画像と蛍光発光画像を撮像する撮像システムが開示されている。
【0003】
これらの従来技術は、いずれも可視光と励起光を被写体に照射し、被写体からの蛍光の画像を撮影するものであったが、励起光の光源は1種類に限られており、特定の1種類の蛍光試薬の励起波長に対応するものであった。
【0004】
ところで、生体内の組織を観察するために用いられる蛍光試薬としては、上述のICGのほか、5-アミノレブリン酸(5-ALA)、フルオレセインなどが知られている。そして、ICGは、波長760nmの励起光で波長830nmの蛍光を発し、肝機能、眼科疾患、乳癌などの検出に用いられ、5-ALAは、波長405nmの励起光で波長635nmの蛍光を発し、癌細胞、脳腫瘍などの検出に用いられ、フルオレセインは、波長494nmの励起光で波長521nmの蛍光を発し、眼科疾患、角膜異常の検出に用いられる。
【0005】
しかしながら、上述のように、従来技術において、励起光の光源は、特定の1種類の蛍光試薬の励起波長に対応するものであった。このため、多様な種類の蛍光試薬に対応するために、それぞれ専用の装置を準備する必要があった。また、蛍光試薬の種類によって、それぞれ検出の対象となる生体内の組織が異なるため、従来技術においては、1台の装置で同時に異なる種類の組織を検出することはできなかった。1台の装置で多様な蛍光試薬に対応でき、さらに、同時に異なる種類の組織を検出することができれば、手術や診断の効率化に大きく寄与することができると考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特許第4971816号公報
【文献】特開2016-87062号公報
【文献】国際公開WO2016/194101号パンフレット
【文献】米国特許第8229548号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明は、1台の装置で多様な蛍光試薬に対応でき、さらに、同時に異なる種類の組織を検出することができる、新たな蛍光観察カメラシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の蛍光観察カメラシステムは、被写体を撮像するためのカメラユニットと、このカメラユニットの制御を行うためのコントローラユニットとを備え、前記カメラユニットは、被写体から赤外光と可視光を集光するレンズと、このレンズの周囲に環状に配置され白色光源と少なくとも2種類の励起光源を備えるとともに2種類の励起光を同時に照射可能な照明手段と、前記レンズを通過した被写体から反射した励起光を除去するフィルタと、このフィルタを通過した赤外光と可視光を分離するビームスプリッタと、このビームスプリッタにより分離された赤外光を撮像する赤外光撮像素子と、前記ビームスプリッタにより分離された可視光を撮像する可視光撮像素子とを備えたことを特徴とする。
【0009】
また、前記照明手段は、少なくとも3種類の励起光源を備えるとともに任意の2種類の励起光を同時に照射可能であることを特徴とする。
【0010】
また、前記コントローラユニットは、前記白色光源、前記励起光源、前記フィルタのオン・オフを制御する制御手段と、前記赤外光撮像素子と前記可視光撮像素子からの信号を処理して赤外光画像、可視光画像、赤外光画像と可視光画像の合成画像の信号を生成する映像処理手段とを備えたことを特徴とする。
【0011】
また、前記照明手段は、インドシアニングリーン、5-アミノレブリン酸、フルオレセインの励起波長に対応する3種類の励起光源を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明の蛍光観察カメラシステムによれば、1台の装置で多様な蛍光試薬に対応でき、さらに、同時に異なる種類の組織を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の蛍光観察カメラシステムの一実施例を示すカメラユニットの外観図である。
図2】本発明の蛍光観察カメラシステムの一実施例を示すカメラユニットの正面図である。
図3】本発明の蛍光観察カメラシステムの一実施例を示す光学的構成と電気的構成のブロック図である。
図4A】本発明の蛍光観察カメラシステムの一実施例を示す照明手段の光源の点灯パターンを示す説明図である。
図4B】本発明の蛍光観察カメラシステムの一実施例を示す照明手段の光源の点灯パターンを示す説明図である。
図4C】本発明の蛍光観察カメラシステムの一実施例を示す照明手段の光源の点灯パターンを示す説明図である。
図4D】本発明の蛍光観察カメラシステムの一実施例を示す照明手段の光源の点灯パターンを示す説明図である。
図4E】本発明の蛍光観察カメラシステムの一実施例を示す照明手段の光源の点灯パターンを示す説明図である。
図4F】本発明の蛍光観察カメラシステムの一実施例を示す照明手段の光源の点灯パターンを示す説明図である。
図4G】本発明の蛍光観察カメラシステムの一実施例を示す照明手段の光源の点灯パターンを示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の蛍光観察カメラシステムの実施例について、添付した図面を参照しながら説明する。
【0015】
本実施例の蛍光観察カメラシステムのカメラユニットの外観図である図1において、1は被写体を撮像するためのカメラユニットであり、カメラユニット1の前面には、被写体から赤外光と可視光を集光するレンズ2が設けられている。また、レンズ2の周囲には、照明手段3が環状に配置されており、照明手段3によって、レンズ2が向いた前方に光が照射されるようになっている。一方、照明手段3の後方は、使用者が把持しやすいように、断面略長方形状に形成されている。また、カメラユニット1の後部には、後述するコントローラユニットと電気的に接続するためのコード4が設けられている。
【0016】
カメラユニットの正面図である図2において、照明手段3は、環状に等間隔で配置された12個の発光ダイオード(LED)を備えている。12個のLEDのうち、4つはインドシアニングリーン(ICG)を励起するための近赤外光を発光する励起光源としての近赤外LED 3a、4つは5-アミノレブリン酸(5-ALA)を励起するための励起光源としての波長約405nmの可視光を発光する第1の可視光LED 3b、2つはフルオレセインを励起するための励起光源としての波長約470nmの可視光を発光する第2の可視光LED 3c、残りの2つは補助照明用の白色光を発光する白色光源としての白色LED 3dである。これら4種類のLEDは、種類ごとの単独発光と、任意の複数の種類の組み合わせの同時発光を選択可能になっており、任意の2種類以上の励起光を同時に照射可能になっている。また、いずれの発光条件においても、被写体に均一に光が照射されるように、同一種類のLEDは相互に最も遠い位置に配置されている。
【0017】
光学的構成と電気的構成のブロック図である図3において、カメラユニット1の近赤外LED 3a、第1の可視光LED 3b、第2の可視光LED 3c、白色LED 3dの光は被写体に反射して、赤外光と可視光としてレンズ2により集光される。レンズ2により集光された赤外光と可視光のうち、励起光の成分は、フィルタ4により除去され、フィルタ4を通過した赤外光と可視光は、ビームスプリッタ5により分離される。ビームスプリッタ5により分離された赤外光は、赤外光撮像素子8により撮像され、ビームスプリッタ5により分離された可視光は、可視光撮像素子9により撮像され、それぞれ電気的な信号に変換される。そして、それぞれの信号は、ドライバー8,9により外部に出力される。
【0018】
21は、カメラユニット1の制御を行うためのコントローラユニットであり、カメラユニット1から出力された信号は、映像処理手段22に入力される。映像処理手段22は、入力された信号を処理して赤外光画像、可視光画像、又は赤外光画像と可視光画像を合成した合成画像の信号を生成する。これらの画像の信号は、出力インターフェース23,24からモニタに向けて出力され、画像がモニタに表示される。
【0019】
また、コントローラユニット21は、映像処理手段22や、カメラユニット1のドライバー8,9、制御基盤10の制御を行うための制御手段としての制御基盤25を備えている。制御基盤25の動作は、カメラユニット1に設けられたキー基盤11と、コントローラユニット2に設けられたキー基盤26へのパネル操作によって切り替えることができるようになっている。また、カメラユニット1の制御基盤10は、コントローラユニット2の制御基盤25からの指令に基づき、近赤外LED 3a、第1の可視光LED 3b、第2の可視光LED
3c、白色LED 3dのオン・オフと制御し、同時にこれらのLEDのオン・オフに連動してフィルタ4のオン・オフを制御するようになっている。
【0020】
このほか、カメラユニット1の電源12は、コントローラユニット2の電源27から供給され、コントローラユニット2の電源27は、ACアダプタ28から供給されるようになっている。
【0021】
つぎに、図4に基づき、カメラユニット1の照明手段3の光源である近赤外LED 3a、第1の可視光LED 3b、第2の可視光LED 3c、白色LED 3dの点灯パターンについて説明する。
【0022】
図4Aは、IGCの励起光源である近赤外LED 3aのみを点灯させたときの説明図であり、実線の丸が点灯しているLED、破線の丸が消灯しているLEDを示している。この点灯パターンにおいては、波長830nmにピークを有する近赤外のIGCの蛍光が赤外光撮像素子6により撮像され、モニタに表示される。
【0023】
図4Bは、5-ALAの励起光源である第1の可視光LED 3bのみを点灯させたときの説明図である。この点灯パターンにおいては、波長635nmにピークを有する赤色の5-ALAの蛍光が可視光撮像素子9により撮像され、モニタに表示される。
【0024】
図4Cは、フルオレセインの励起光源である第2の可視光LED 3cのみを点灯させたときの説明図である。この点灯パターンにおいては、波長521nmにピークを有する緑色のフルオレセインの蛍光が可視光撮像素子9により撮像され、モニタに表示される。
【0025】
図4Dは、IGCの励起光源である近赤外LED 3aと、5-ALAの励起光源である第1の可視光LED 3bを同時に点灯させたときの説明図である。この点灯パターンにおいては、波長830nmにピークを有する近赤外のIGCの蛍光が赤外光撮像素子6により撮像され、白黒の画像としてモニタに表示されるとともに、波長635nmにピークを有する赤色の5-ALAの蛍光が可視光撮像素子9により撮像され、モニタに表示される。
【0026】
図4Eは、IGCの励起光源である近赤外LED 3aと、フルオレセインの励起光源である第2の可視光LED 3cを同時に点灯させたときの説明図である。この点灯パターンにおいては、波長830nmにピークを有する近赤外のIGCの蛍光が赤外光撮像素子6により撮像され、モニタに表示されるとともに、波長521nmにピークを有する緑色のフルオレセインの蛍光が可視光撮像素子9により撮像され、モニタに表示される。
【0027】
図4Fは、5-ALAの励起光源である第1の可視光LED 3bと、フルオレセインの励起光源である第2の可視光LED 3cを同時に点灯させたときの説明図である。この点灯パターンにおいては、波長635nmにピークを有する赤色の5-ALAの蛍光と、波長521nmにピークを有する緑色のフルオレセインの蛍光が可視光撮像素子9により撮像され、モニタに表示される。
【0028】
図4Gは、第2の可視光LED 3cと、補助照明用の白色光を発光する白色光源としての白色LED 3dを同時に点灯させたときの説明図である。この点灯パターンにおいては、本実施例で用いた白色LED 3dの発光スペクトルにおいて強度の弱い波長470nm近傍の領域の発光を、波長約470nmの可視光を発光する第2の可視光LED 3cの発光で補完することになり、より自然な色相の補助照明となる。
【0029】
このように、近赤外LED 3a、第1の可視光LED 3b、第2の可視光LED 3cの点灯を組み合わせ、フィルタ4により除去される波長領域を適宜選択して被写体から反射した励起光を除去することにより、IGCと5-ALAの蛍光を同時に観察したり、IGCとフルオレセインの蛍光を同時に観察したり、5-ALAとフルオレセインの蛍光を同時に観察したりすることができる。或いは、3種類の蛍光を同時に観察することもできる。例えば、照明手段3のすべてのLEDを点灯させ、フィルタ4で3種類の被写体から反射した励起光を除去すれば、同時に3種類の蛍光を観察することができる。
【0030】
なお、フィルタ4は、複数の波長領域の被写体から反射した励起光を除去するため、複数のフィルタを組み合わせ、それぞれをオン・オフすることができるように構成されている。また、照明手段3の点灯パターンとフィルタ4により除去される波長領域の組み合わせは、予めコントローラユニット21の制御基盤25にプログラミングされており、キー基盤11,26のパネル操作により希望する点灯パターンを選択するだけで、簡単に操作することができるようになっている。
【0031】
以上のように、本実施例の蛍光観察カメラシステムは、被写体を撮像するためのカメラユニット1と、このカメラユニット1の制御を行うためのコントローラユニット21とを備え、前記カメラユニット1は、被写体から赤外光と可視光を集光するレンズ2と、このレンズ2の周囲に環状に配置され白色光源としての白色LED 3dと少なくとも2種類の励起光源としての近赤外LED 3a、第1の可視光LED 3b、第2の可視光LED
3cを備えるとともに2種類の励起光を同時に照射可能な照明手段3と、前記レンズ2を通過した被写体から反射した励起光を除去するフィルタ4と、このフィルタ4を通過した赤外光と可視光を分離するビームスプリッタ5と、このビームスプリッタ5により分離された赤外光を撮像する赤外光撮像素子6と、前記ビームスプリッタ5により分離された可視光を撮像する可視光撮像素子7とを備えたものである。
【0032】
また、前記照明手段3は、少なくとも3種類の励起光源としての近赤外LED 3a、第1の可視光LED 3b、第2の可視光LED 3cを備えるとともに任意の2種類の励起光を同時に照射可能であることを特徴とする。
【0033】
また、前記コントローラユニット21は、前記白色LED 3d、前記近赤外LED 3a、前記第1の可視光LED 3b、前記第2の可視光LED 3c、前記フィルタ4のオン・オフを制御する制御手段としての制御基盤25と、前記赤外光撮像素子6と前記可視光撮像素子7からの信号を処理して赤外光画像、可視光画像、赤外光画像と可視光画像の合成画像の信号を生成する映像処理手段22とを備えたものである。
【0034】
さらに、前記照明手段3は、インドシアニングリーン、5-アミノレブリン酸、フルオレセインの励起波長に対応する3種類の励起光源を備えたものである。
【0035】
本実施例の蛍光観察カメラシステムによれば、1台の装置で多様な蛍光試薬に対応でき、さらに、同時に異なる種類の組織を検出することができる。
【符号の説明】
【0036】
1 カメラユニット
2 レンズ
3 照明手段
3d 白色LED(白色光源)
3a 近赤外LED(励起光源)
3b 第1の可視光LED(励起光源)
3c 第2の可視光LED(励起光源)
4 フィルタ
5 ビームスプリッタ
6 赤外光撮像素子
7 可視光撮像素子
21 コントローラユニット
25 制御基盤(制御手段)
22 映像処理手段
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図4F
図4G