(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-27
(45)【発行日】2023-03-07
(54)【発明の名称】包装緩衝材及びそれを含む包装箱
(51)【国際特許分類】
B65D 81/02 20060101AFI20230228BHJP
【FI】
B65D81/02
(21)【出願番号】P 2021147643
(22)【出願日】2021-09-10
【審査請求日】2021-10-29
(73)【特許権者】
【識別番号】520428214
【氏名又は名称】廣福順股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100082418
【氏名又は名称】山口 朔生
(74)【代理人】
【識別番号】100167601
【氏名又は名称】大島 信之
(74)【代理人】
【識別番号】100201329
【氏名又は名称】山口 真二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100220917
【氏名又は名称】松本 忠大
(72)【発明者】
【氏名】陳美君
【審査官】吉澤 秀明
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-104492(JP,A)
【文献】特開2010-036925(JP,A)
【文献】特開2011-057229(JP,A)
【文献】特開平06-286746(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 81/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
包装緩衝材であって、
ハニカム構造によって伸縮方向に沿って伸縮することができ、前記伸縮方向に沿って穿設された少なくとも1つの収容孔が設けられた四角柱状の本体と、
前記本体に接続され、且つ第1位置と第2位置との間に揺動可能な少なくとも2つの支持板と、含み、
前記支持板が前記伸縮方向と平行になった状態において、前記本体の側面をカバーすることを特徴とする、
包装緩衝材。
【請求項2】
前記本体の前記伸縮方向に沿う一方の端面に固着される天板をさらに含み、前記支持板が前記第2位置に揺動される時、前記支持板は前記伸縮方向に平行である、請求項1に記載の包装緩衝材。
【請求項3】
前記天板には少なくとも1つの貫通孔が穿設され、各前記貫通孔は1つの前記収容孔に対応し、前記天板の形状は、前記本体の前記天板の1つの端面に接続された形状と同じである、請求項2に記載の包装緩衝材。
【請求項4】
各前記支持板は、前記天板の前記伸縮方向に直交する方向の一端に一体的に接続されている、請求項2に記載の包装緩衝材。
【請求項5】
前記本体の前記天板に対向する端面に固着された底板をさらに含む、請求項2に記載の包装緩衝材。
【請求項6】
前記本体は、2つの対向する第1側面及び2つの対向する第2側面を含み、前記2つの第1側面及び前記第2側面は、前記伸縮方向に沿って延び、各前記支持板は、幅が前記第1側面と前記第2側面とのうちの一方に対応し、各前記支持板が前記伸縮方向に平行なるように揺動される時、前記第1側面と前記第2側面とのうちの一方にカバーされて設けられる、請求項1に記載の包装緩衝材。
【請求項7】
各前記第1側面には変形可能な複数のハニカム孔が設けられ、各前記第2側面には変形可能な複数の蛇腹折辺が設けられる、請求項6に記載の包装緩衝材。
【請求項8】
前記天板及び前記底板は、前記本体に対応する形状の四角形の板である、請求項5に記載の包装緩衝材。
【請求項9】
前記天板には少なくとも1つの貫通孔が穿設され、各前記貫通孔は1つの前記収容孔に対応し、前記天板の形状は、前記本体の前記天板の1つの端面に接続された形状と同じであり、前記本体の前記天板に対向する端面に固着された底板をさらに含み、本体は、2つの対向する第1側面及び2つの対向する第2側面を含み、各前記支持板は、幅が前記第1側面と前記第2側面とのうちの一方に対応し、各前記支持板が前記伸縮方向に平行なるように揺動される時、前記第1側面と前記第2側面とのうちの一方にカバーされて設けられ、各前記第1側面には複数のハニカム孔が設けられ、各前記第2側面には複数の蛇腹折辺が設けられ、前記天板及び前記底板は、前記本体に対応する形状の四角形の板であり、前記天板、前記少なくとも
2つの支持板及び前記底板は硬い紙板の材質であり、各前記支持板と前記天板との間には折り目が設けられ、前記支持板は、前記折り目に沿って前記天板に対して揺動する、請求項4に記載の包装緩衝材。
【請求項10】
包装箱であって、
少なくとも1つの請求項1~9のいずれか1項に記載の包装緩衝材と、
複数の側壁を含む箱体と、を含み、
前記複数の側壁は収納空間を囲み、
前記少なくとも1つの包装緩衝材は前記収納空間に収納され、
各前記包装緩衝材の各前記支持板は1つの前記側壁に平行である、
包装箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装緩衝材及びそれを含む包装箱に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的な包装用紙は、紙包装と総称され、紙包装の性能としては、主に分解しやすく、強度が高く、コストが低く、通気性が高く及び軽量である等のいくつかの利点が要求される。これには、中国特許CN100999269Aの包装箱の内箱、及び中国特許CN203806409Uのすいかの包装箱のようなものがある。上記の従来の包装構造は、製品に対する緩衝作用を奏するだけでなく、積み重ね及び軽量化の利点を有し、かつ空間利用率が高い。しかしながら、上記の従来の包装構造は、使用しない時に、その体積が空間収納上の問題となり、倉庫収納及び搬送に不利であり、改善すべき欠点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
そこで、上記の問題を解決するために、新規で進歩性のある包装緩衝材及びそれを含む包装箱を提供する必要がある。
【0004】
本発明の主な目的は、緩衝保護効果を発揮するように物品を効果的に包装するだけでなく、該包装緩衝材を使用しない時に折り畳み圧縮を行うことができ、収納及び搬送を便利にすることができる包装緩衝材及びそれを含む包装箱を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するために、本発明は包装緩衝材を提供し、これは、本体及び少なくとも1つの支持板を含む。該本体は、伸縮方向に沿って伸縮することができ、少なくとも1つの収容孔が設けられる。該少なくとも1つの支持板は、該本体に接続され、且つ第1位置と第2位置との間に揺動可能である。
【0006】
上記の目的を達成するために、本発明は包装箱をさらに提供し、これは少なくとも1つの上記の包装緩衝材を含み、箱体をさらに含む。該箱体は複数の側壁を含み、該複数の側壁は収納空間を囲み、該少なくとも1つの包装緩衝材は該収納空間に収納され、各該包装緩衝材の各該支持板は1つの該側壁に平行である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の好ましい実施例に係る包装緩衝材の斜視図である。
【
図2】本発明の好ましい実施例に係る包装緩衝材の分解図である。
【
図3】本発明の好ましい実施例に係る包装緩衝材の操作の模式図である。
【
図4】本発明の好ましい実施例に係る包装緩衝材の操作の模式図である。
【
図5】本発明の好ましい実施例に係る包装箱の組立の模式図である。
【
図6】本発明の好ましい実施例に係る包装緩衝材の積み重ねの模式図である。
【
図7】本発明の別の好ましい実施例に係る包装緩衝材の操作の模式図である。
【
図8】本発明の別の好ましい実施例に係る包装緩衝材の操作の模式図である。
【
図9】本発明の別の好ましい実施例に係る包装箱の組立の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施例にて本発明の可能な実施形態を説明するが、これは本発明の特許範囲を制限することを意図していない。
【0009】
図1から
図6は、本発明の好ましい実施例を示す。本発明の包装緩衝材1は、本体2及び少なくとも1つの支持板3を含む。
【0010】
該本体2は、伸縮方向に沿って選択的に伸縮することができ、少なくとも1つの収容孔21が設けられている。
【0011】
該少なくとも1つの支持板3は、該本体2に接続され、第1位置と第2位置との間に揺動可能である。本実施例では、該包装緩衝材1は、該本体2の対向する2側にそれぞれ位置する2つの該支持板3を含む。
【0012】
そのため、該包装緩衝材1を使用しようとする時には、被包装物を該収容孔21内に入れ、該本体2を該被包装物包むように該伸縮方向に沿って伸長させ、且つ該2つの支持板3を該伸縮方向に平行になるように揺動させる。これによって、該2つの支持板3は、該本体2の該伸縮方向における支持力を効果的に提供し、該本体2が該伸縮方向に沿った外力を受けて収縮することを防ぐことにより、該本体2が該被包装物を包み込むことができないことを回避する。即ち、該被包装物の保護及び緩衝機能を効果的に提供し、該被包装物が摩耗したり衝撃を受けたりすることを回避することができる。
【0013】
なお、該本体2を使用しない時には、該2つの支持板3を該伸縮方向に垂直になるように揺動させ、且つ該本体2を圧縮することができる。これにより、複数の該本体2を重ね合わせて空間を節約することで、収納及び搬送を便利にすることができる。
【0014】
本発明は、少なくとも1つの上記のような包装緩衝材1(本実施例では該包装緩衝材1の数は1つである)を含み、さらに箱体9を含む包装箱をさらに提供する。該箱体9は、複数の側壁91を含み、該複数の側壁91は収納空間を囲み、該包装緩衝材1は該収納空間に収納され、各該包装緩衝材1の該2つの支持板3は、該箱体9の形状に合わせるように1つの該側壁91に平行であることにより、該被包装物を該箱体9内に効果的に位置決めすることができる。
【0015】
具体的には、該包装緩衝材1は、天板4をさらに含む。該天板4は、該本体2の該伸縮方向に沿う一方の端面に固着され(接着、ステープル止め等の方式が可能である)、これにより、該本体2の上面を保護し、該本体2が異物に擦られて破損することを回避する。該支持板3が該第2位置に揺動すると、該支持板3は該伸縮方向に平行であり(
図4に示す)、好ましくは、各該支持板3と該天板4との間に折り目6が設けられ、該支持板3は、該折り目6に沿って該天板4に対して揺動する。
【0016】
ここで、該天板4には少なくとも1つの貫通孔41(本実施例では1つである)が穿設され、各該貫通孔41は1つの該収容孔21に対応する。該天板4の形状は、該本体2が該天板4の1つの端面に接続された形状と同じであり、それにより、該被包装物が該天板4を通過するようにする。本実施例では、各該支持板3は、該天板4の該伸縮方向に直交する方向の一端に一体的に接続され、これにより、該2つの支持板3を該本体2に固定することが容易となる。なお、他の実施形態では、該2つの支持板3は該本体2に直接接着されてもよい。
【0017】
好ましくは、該包装緩衝材1は、該本体2の該天板4に対向する端面に固着された底板5をさらに含む。該本体2が収縮状態であり、且つ該被包装物が該収容孔21に挿入されると、該底板5は、該被包装物の重力を受けて押され、該本体2を円滑に伸長させて該被包装物を包み込むことができる。詳しくは、該本体2は四角柱状であり、該天板4及び該底板5は、該本体2に対応する形状の四角形の板である。
【0018】
さらに説明すると、該本体2は、2つの対向する第1側面22及び2つの対向する第2側面23を含み、該2つの第1側面22及び該第2側面23は、該伸縮方向に沿って延びる。各該支持板3は、幅が該第1側面22と該第2側面23とのうちの一方に対応し、各該支持板3が該伸縮方向に平行になるように揺動される時、該第1側面22と該第2側面23とのうちの一方に設けられる。本実施例では、各該支持板3が該伸縮方向平行になるように揺動される時、該第1側面22にカバーされて設けられ、それにより、該第1側面22を効果的に保護し、該第1側面22が押圧されることを回避する。
【0019】
本実施例では、該本体2は、伸縮可能なハニカム紙構造である。各該第1側面22には変形可能な複数のハニカム孔221が設けられ、各該第2側面23には変形可能な複数の蛇腹折辺231が設けられ、ハニカム紙構造の特性により効果的に伸縮させることができる。
【0020】
好ましくは、該収容孔21は、該伸縮方向に沿って該本体2に穿設され、該本体2のハニカム紙構造が破壊されないようにすることで、より良い保護効果を有するようにすることができる。該天板4、該少なくとも1つの支持板3及び該底板5は、支持性及び耐摩耗性を提供するために硬い紙板の材質である。
【0021】
図7から
図9を参照する。本発明の別の実施例では、包装緩衝材1Aの本体2Aには複数の収容孔21Aが設けられ、天板4Aの形状は本体2Aに対応し、且つ天板4Aの貫通孔の数は該複数の収容孔21Aの数に対応する。該天板4Aの3つの側面には支持板3Aがそれぞれ一体に接続され、該複数の支持板3Aは、箱体9Aの1つの側壁91Aに当接される。これにより、本実施例における該本体2Aは、一度に複数の該被包装物を収容することができる。その他の構造は上記の実施例と同様であるので、これ以上の説明を省略する。
【符号の説明】
【0022】
1、1A 包装緩衝材
2、2A 本体
21、21A 収容孔
22 第1側面
221 ハニカム孔
23 第2側面
231 蛇腹折辺
3、3A 支持板
4、4A 天板
41 貫通孔
5 底板
6 折り目
9、9A 箱体
91、91A 側壁
【要約】 (修正有)
【課題】緩衝保護効果を発揮するように物品を効果的に包装するだけでなく、該包装緩衝材を使用しない時に折り畳み圧縮を行うことができ、収納及び搬送を便利にすることができる包装緩衝材及びそれを含む包装箱を提供する。
【解決手段】包装緩衝材1は、本体2及び少なくとも1つの支持板3を含む。本体は、伸縮方向に沿って伸縮することができ、少なくとも1つの収容孔21が設けられる。少なくとも1つの支持板は、本体に接続され、第1位置と第2位置との間に揺動可能である包装緩衝材である。
【選択図】
図1