(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-27
(45)【発行日】2023-03-07
(54)【発明の名称】絵柄を備える漆塗革製品の製造方法、及び漆塗革製品
(51)【国際特許分類】
B44C 3/10 20060101AFI20230228BHJP
【FI】
B44C3/10
(21)【出願番号】P 2022176362
(22)【出願日】2022-11-02
【審査請求日】2022-11-08
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522430431
【氏名又は名称】北堀 英明
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】北堀 英明
【審査官】山下 浩平
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-32377(JP,A)
【文献】特開昭53-86001(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第107351595(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B44B 1/00 - 11/04
B44C 1/00 - 1/14、1/18 - 7/08
B44D 2/00 - 7/00
B44F 1/00 - 99/00
B05D 1/00 - 7/26
B68F 1/00 - 3/04
C14B 1/00 - 99/00
C14C 1/00 - 99/00
D06P 1/00 - 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
漆を塗布した革基材に、絵柄に応じて針によって刻点することと、
刻点した部分に、着色剤を使用し色を載せることと、
を含む、絵柄を備える漆塗革製品の製造方法。
【請求項2】
着色剤が、色粉、インク、及び色漆から選択される少なくとも一種である、
請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
着色剤を使用し色を載せることは、下記第1~第3のいずれかの方法によって行われる、請求項2に記載の製造方法:
(第1の方法)
刻点した部分に漆を塗布することと、
過剰な漆を除去することと、
刻点した部分に色粉を蒔くことと、
過剰な色粉を除去すること;
(第2の方法)
刻点した部分にインクを塗布することと、
過剰なインクを除去すること;
(第3の方法)
刻点した部分に色漆を塗布することと、
色漆を乾燥させることと、
過剰な色漆を除去すること。
【請求項4】
漆を塗布した革基材に、針によって刻点され、刻点部分が着色剤を使用し色を載せた絵柄を備える、漆塗革製品。
【請求項5】
請求項4に記載の漆塗革製品を使用した衛生製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書には、絵柄を備える漆塗革製品の製造方法、及び漆塗革製品が開示される。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、漆塗が施される皮革を、塩基性染料、アルコール染料あるいは酸性染料のいずれかにより染色処理を行い、次にカーボンあるいはベンガラ等の体質顔料を添加、混練した生漆を布等の含浸材に浸し、これによって当該皮革に摺り込むようにして塗布することを特徴とする、漆塗皮革の製造方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1は、従来の技法に係る漆塗皮革のように、皮革の柔軟性や風合いを損なうことがなく、漆塗皮革製品でありながら柔軟性が高く且つ皮革本来の風合いを維持できるという効果を有している。
しかし、体質顔料を含む生漆を、染色処理が施された皮革に布等の含浸材を使って摺り込んでいるため、繊細な描画は困難である。
【0005】
本発明は、絵、図形、文字、模様、及びこれらの組み合わせを含む絵柄等が描かれた漆塗革製品の製造方法、及び前記製造方法により製造された漆塗革製品を提供することを一課題とする。さらに、彫り師が刻んだ針痕を保存することを一課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、代表例として以下の実施形態を含む。
項1.漆を塗布した革基材に、絵柄に応じて針によって刻点することと、刻点した部分に、着色剤を使用し色を載せることと、を含む、絵柄を備える漆塗革製品の製造方法。
項2.着色剤が、色粉、インク、及び色漆から選択される少なくとも一種である、項1に記載の製造方法。
項3.
着色剤を使用し色を載せることは、下記第1~第3のいずれかの方法によって行われる、項2に記載の製造方法:
(第1の方法)
刻点した部分に漆を塗布することと、過剰な漆を除去することと、刻点した部分に色粉を蒔くことと、過剰な色粉を除去すること;
(第2の方法)
刻点した部分にインクを塗布することと、過剰なインクを除去すること;
(第3の方法)
刻点した部分に色漆を塗布することと、色漆を乾燥させることと、
過剰な色漆を除去すること。
項4.
漆を塗布した革基材に、針によって刻点され、刻点部分が着色剤を使用し色を載せた絵柄を備える、漆塗革製品。
項5.
項4に記載の漆塗革製品を使用した衛生製品。
【発明の効果】
【0007】
本発明は、デザイン性のある漆塗革製品を提供できる。また、彫り師の針痕を残すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】絵柄を備える漆塗革の製造方法の流れの概要を示す。
【
図2】色載せ工程の第1の方法の流れの概要を示す。
【
図3】色載せ工程の第2の方法の流れの概要を示す。
【
図4】色載せ工程の第3の方法の流れの概要を示す。
【
図5】(A)実際に製造した製品を撮像した画像を示す。(B)前記(A)の画像の拡大図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
1.絵柄を備える漆塗革製品の製造方法及び絵柄を備える漆塗革製品
本発明のある実施形態は、絵柄を備える漆塗革製品の製造方法、及び前記製造方法によって製造される絵柄を備える漆塗革製品に関する。絵柄とは、絵、図形、文字、模様、及びこれらの組み合わせを含む。
【0010】
前記製造方法は、漆を塗布した革基材に、絵柄に応じて針によって刻点することと、刻点した部分に、着色剤を使用し色を載せることと、を含む。
【0011】
図1に、より具体的な製造方法の流れを示す。
製造方法は、より詳細には、漆塗革基材を準備すること(ステップS1)と、漆塗革基材に絵柄のアウトラインを描くこと(ステップS2)と、絵柄に応じて、針を使用して刻点する(ステップS3)と、前記刻点部分に着色剤を使用し色載せすること(ステップS4)を含む。
【0012】
(1)ステップS1
ステップS1は、漆を革に塗布した漆塗革基材を準備するステップである。
漆は、ウルシ科ウルシ属の落葉高木のウルシ(学名: Toxicodendron vernicifluum)から採取した樹液を意図する。漆は、流通する際には、流動性のある液状である。漆には、生漆;朱合漆;黒漆;色漆(朱、本朱、洗朱、うるみ、ベンガラ、白、緑、パール漆等);その他生漆、朱合漆、又は色漆と顔料との混合物等を含む。漆は、国産であっても外国産であってもよいが、好ましくは国産である。また、漆は、有機溶剤(テレピン油、シンナー、リグロイン等)によって希釈して使用することができる。
【0013】
革は、ヒトを除く動物から採取された脱毛された皮膚を乾燥した製品を意図する。好ましくは、革は、ブタ、ウシ、ヒツジ、ヤギ、シカ、イノシシ、クマ、ウマ等の皮膚に由来する。好ましくは、革は、なめし革である。
製造方法では、革を基材として使用する。
【0014】
革基材への漆の塗布は、革表面(皮膚の上皮部分)に、刷毛、筆等の塗布器具を使用して行うことができる。漆が塗布に適さない粘度を有している場合には、必要に応じて漆に有機溶剤を希釈液として加え、塗布しやすい粘度に調整して使用する。
【0015】
塗布後は、漆を乾かす。一般的に漆の乾かしとは、単なる水分の蒸発を意味するものではない。漆は、湿度が70%~85%程度、室温が24℃~28℃程度でもっとも乾きが良いとされている。また、なるべく、空気が動かないことが好ましいとされている。このため、漆を乾かすために、上記乾かし条件を備える「室(むろ)」と呼ばれる筐体又は区画を準備し、そこに漆を塗布した革基材を静置し、漆を乾かすことが好ましい。
【0016】
革基材への漆の塗布と乾かしは、2~3回程度繰り返すことが好ましい。このように繰り返すことで、漆層に厚みが出て、刻点後、革表面に着色剤を十分に載せることができる。逆に漆を塗布していない革基材に直接刻点し、着色剤を載せても、刻点された穴に着色剤、特に色粉がとどまりにくい。
【0017】
ステップS1における「準備」とは、製造工程において、1施設において漆を革に塗布した漆塗革基材を製造してステップS2に以下の工程を行うこと、及びある施設が漆を革に塗布した漆塗革基材を購入して、ステップS2に以下の工程を行うことのいずれか、あるいは両方を意図する。
【0018】
(2)ステップS2
ステップS2は、漆塗革基材に下書きともいえる絵柄のアウトラインを描くステップである。本ステップにおいて、アウトラインは、漆塗革基材に直接描いてもよい。あるいは文身(入れ墨、刺青等)において使用されている転写技術を使用して漆塗革基材にアウトラインを描いてもよい。はじめに、紙等に描かれた絵柄を、カーボン紙の転写技術を使って、和文タイプ用紙に転写する。このとき絵柄に向きがある場合には、和文タイプ紙に絵柄を転写する際に反転するように転写する。転写は、感熱紙対応のサーマルコピー機を使用して転写してもよい。絵柄が転写された和文タイプ紙のカーボンの付着面を漆塗革基材の漆塗布面に重ね、クロロキシレノールを含む石鹸水(製品名:Dettol Antiseptic Disinfectant Liquid, Dettol社)等を使用して、漆塗革基材に転写することができる。
【0019】
(3)ステップS3
ステップS3は、絵柄に応じて、針を漆塗革基材に刺し刻点するステップである。ここで、点は、略円形、楕円形となる。
【0020】
針は、特に制限されないが、文身用の針であることが好ましい。例えば、文身用の針として、有限会社中田製針所製のZOHATA NEEDLES STAINLESS No.14等を使用することができる。文身用の針は、1本で刻点してもよいが、5本から10本程度を束ねて、刻点してもよい。
【0021】
また、刻点は、文身用の針を使用し、ヒトの手により行ってもよいが、入れ墨用ルータ(東洋アソシエイツ社製Mr.Meister等)を使用した機械彫りにより行ってもよい。
【0022】
好ましくは、描画の輪郭を描くときは、絵柄の輪郭をヒトの手彫りに刻点し、絵柄の内側や背景等の面積の広い部分を機械彫りで行ってもよい。
【0023】
刻む点の密度を上げることにより、濃密な色載せやシャープな線を描くことができる。また、刻む点の密度を下げることにより、淡い色合いの色載せを行うことができる。さらに、刻む点の密度にグラデーションをかけることにより、ぼかし等の繊細な色載せが可能となる。
【0024】
(4)ステップS4
ステップS4は、刻点部分に着色剤を使用し色載せするステップである。本ステップは、下記第1の方法から第3の方法までの3つの態様を含み得る。
【0025】
(第1の方法)
第1の方法の概要を
図2に示す。
第1の方法は、刻点した部分に漆を塗布すること(ステップS411)と、ステップS411において塗布した過剰な漆を除去すること(ステップS412)と、刻点した部分に色粉を蒔くこと(ステップS413)と、ステップS413で蒔いた過剰な色粉を除去すること(ステップS414)を含む。
ステップS411において使用する漆として、上記ステップS1において説明した漆を使用することができる、好ましくは生漆である。
【0026】
ステップS411では、主として、ステップS3において刻点を行った部分に漆を塗布する。塗布は、刷毛、筆、スクレーパー等を使用して行うことができる。必要に応じて、上述した有機溶剤で希釈して使用してもよい。
【0027】
次にステップS412において、S411において塗布した漆について過剰な分を除去する。ステップS3では、刻まれた点に漆を流入させることを目的としている。このため、刻点以外の部位に付着している過剰な漆を除去する必要がある。この除去を行うことによって、次のステップで蒔かれる色粉が刻点内、及び刻点部分にのみ付着できるようになる。過剰な漆の除去は掻き取り(スクレーピング)、拭き取り等によって行うことができる。拭き取りの場合、キムワイプ(日本製紙クレシア株式会社)、ケイドライ(日本製紙クレシア株式会社)、JKワイパー(日本製紙クレシア株式会社)等の繊維の飛び散りにくいペーパーを使用することが好ましい。
また、漆の除去は、塗布直後から10分程度以内の内に行うことが好ましい。
【0028】
次にステップS413において、刻点部分に色粉を蒔く。色粉は、蒔絵等に使用されている色粉を使用することができる。より具体的には、色粉として、金粉、銀粉、白金粉、真鍮粉、錫粉、二酸化チタン粉、顔料粉、螺鈿粉、パール粉等を使用することができる。粒子径は、消粉サイズ(約0.3μm~3μm程度)であることが好ましい。
【0029】
色粉は、蒔絵において一般的に使用されている方法により蒔くことができる。より具体的には、筆、真綿等に色粉をつけて、刻点部分に色粉を置くか、粉筒を使って蒔くことができる。
色粉を蒔いてから、漆を乾かし、色粉を漆塗革基材に定着させる。漆の乾かし方は、ステップS1の説明において述べたとおりである。
【0030】
次にステップS414において、過剰な色粉を除去する。ステップS413では、単に色粉を蒔いているのみであるため、色粉は、刻点以外の部位にも付着する。本ステップにおいて、このように刻点以外の部位に付着した色粉を除去する。色粉は、ステップS412において除去されなかった漆にステップS413において蒔いた色粉が付着し、漆が乾くと共に漆塗革基材に定着する。
【0031】
したがって、漆のない部分に朱着した色粉は、水を含ませた真綿等で拭くことで除去可能である。最後にキムワイプ、ケイドライ、JKワイパー、ティッシュ、布等で乾拭きする。
このようにして、漆塗革基材に絵柄を描き、定着することができる。
また、任意ではあるが、ステップS414のあと、色粉の上にさらに漆を塗布し、拭き取り、乾かすことにより、色粉の定着をより強固にすることができる。
【0032】
(第2の方法)
第2の方法の概要を
図3に示す。
第2の方法は、刻点した部分にインクを塗布すること(ステップS421)と、過剰なインクを除去すること(ステップS422)を含む。
ステップS421において使用するインクとして、例えば、水彩絵の具、アクリル絵の具等の絵の具;タトゥーインク等を挙げることができる。
【0033】
ステップS421では、主として、ステップS3において刻点を行った部分にインクを塗布する。塗布は、刷毛、筆、スクレーパー等を使用して行うことができる。必要に応じて、インクを水、アルコール等の水性溶媒で希釈してもよい。
【0034】
次にステップS422において、過剰なインクの除去を行う。その際、刻点へのインクの摺り込みを行ってもよい。除去は、キムワイプ、ケイドライ、JKワイパー、ティッシュ、布等の拭き取り、若しくは掻き取り(スクレーピング)により行う。
拭き取り後、インクを乾燥させる。インクの乾燥は、漆の乾かしとは異なり、水分や有機溶媒を飛ばすことを意図する。
【0035】
(第3の方法)
第3の方法の概要を
図4に示す。
第3の方法は、刻点した部分に色漆を塗布すること(ステップS431)と、漆を乾かすこと(ステップS432)と、色漆を除去すること(ステップS433)を含む。
ステップS431において使用する色漆は、上記ステップS1において説明したとおりである。
【0036】
ステップS431では、主として、ステップS3において刻点を行った部分に色漆を塗布する。塗布は、刷毛、筆、スクレーパー等を使用して行うことができる。必要に応じて、色漆を上述の有機溶剤で希釈してもよい。
【0037】
次にステップS432において、ステップS431において塗布した色漆を乾かす。乾かし方は、上記ステップS1において述べたとおりである。
【0038】
ステップS433では、乾いた色漆の不要な部分を除去する。この除去は、ナイフ、針等を使用し、不要な部分を削ぎ落とす等することにより行うことができる。
【0039】
また、任意ではあるが、ステップS433のあと、残った色漆の上にさらに漆を塗布し、拭き取り、乾かすことにより、色漆の定着をより強固にすることができる。
【0040】
このようにして、漆を塗布した革基材に、針によって刻点され、刻点部分が着色剤を使用し色を載せた絵柄を備える、漆塗革製品を製造することができる。
【0041】
2.漆塗革製品の用途
漆は、従来から抗菌作用、抗ウイルス作用を有していることが知られている。この作用を利用し、本発明の漆塗革製品を用いて、衛生製品を製造することができる。衛生製品とは、例えばトイレで使用する、トイレットペーパーホルダー、便座カバー、トイレカバー、タオル掛け等のサニタリー製品である。
【0042】
また、漆塗革製品は、文身を彫る彫り師の彫り痕を忠実に残している。この彫り痕は、彫り師によって異なるため、文身技術の保存に有用である。つまり、上記1.において
説明した絵柄を備える漆塗革製品の製造方法は、彫り師の技術の保存方法でもある。
【実施例】
【0043】
図5に実際に製造した絵柄を備える漆塗革製品を示す。
実施例では、漆塗革製品はウシのなめし革に朱合漆を塗り、漆塗革基材を製造した。続いて、絵柄を文身技術により漆塗革基材に転写した。文身用の針(ZOHATA NEEDLES STAINLESS No.14)を使用し手彫りにより絵柄の輪郭や、線を刻点し、輪郭の内側の塗りつぶし部分は、機械彫りにより刻む点の密度に勾配をつけた。
金の消粉を色粉とし、上記(第1の方法)により、色を載せた。
また、桜の花の中央には螺鈿片を使用した。
【0044】
図5(A)は全体像であり、
図5(B)は
図5(A)の一部の拡大図を示す。
図5(A)に示すように、絵柄を備える漆塗革製品が製造できた。また、絵柄の輪郭、絵柄の内側の発色も申し分なく、絵柄のシャープな部分と、ぼかしの部分が十分に表現できた。さらに、
図5(B)に示すように、針によって刻まれた点が明瞭に確認でき、針痕が問題なく保存されていた。
【要約】
【課題】
本発明は、絵、図形、文字、模様、及びこれらの組みあわせを含む絵柄等が描かれた漆塗革製品の製造方法、及び前記製造方法により製造された漆塗革製品を提供することを課題とする。
【解決手段】
漆を塗布した革基材に、絵柄に応じて針によって刻点することと、刻点した部分に、着色剤を使用し色を載せることと、を含む、方法により、絵柄を備える漆塗革製品を製造する。
【選択図】なし