(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-27
(45)【発行日】2023-03-07
(54)【発明の名称】ビデオ通話方法、コンピュータプログラム及びビデオ通話システム
(51)【国際特許分類】
H04M 3/56 20060101AFI20230228BHJP
H04M 1/724 20210101ALI20230228BHJP
【FI】
H04M3/56 C
H04M1/724
(21)【出願番号】P 2022192629
(22)【出願日】2022-12-01
【審査請求日】2022-12-09
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522424407
【氏名又は名称】Hubbit株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100137338
【氏名又は名称】辻田 朋子
(74)【代理人】
【識別番号】100224719
【氏名又は名称】長谷川 隆治
(72)【発明者】
【氏名】臼井 貴紀
【審査官】松原 徳久
(56)【参考文献】
【文献】特開2022-076685(JP,A)
【文献】特開2004-336388(JP,A)
【文献】特開2007-288539(JP,A)
【文献】特開2021-072625(JP,A)
【文献】特開2006-080702(JP,A)
【文献】特表2020-512609(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q10/00-10/10
30/00-30/08
50/00-50/20
50/26-99/00
G16Z99/00
H04L12/00-12/22
12/28
12/50-12/66
45/00-51/58
67/00-67/75
H04M1/00
1/24-3/00
3/16-3/20
3/38-3/58
7/00-7/16
11/00-11/10
99/00
H04N7/10
7/14-7/173
7/20-7/56
21/00-21/858
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータ装置が実行するビデオ通話方法であって、
前記コンピュータ装置は、記憶部に格納されたコンピュータ読取可能な命令を実行するように構成された少なくとも1つの処理部を含み、
前記ビデオ通話方法は、
前記少なくとも1つの処理部が、ビデオ通話中に、対象者と共にビデオ通話に参加する1又は複数の参加者の画像を、前記対象者の1つのビデオ通話画面に表示させる対象者画面表示工程と、
前記少なくとも1つの処理部が、前記参加者から送信された投稿を受け付ける投稿受付工程と、
前記少なくとも1つの処理部が、前記対象者の1つのビデオ通話画面において、さらに、前記投稿を表示させる投稿表示工程と、
前記少なくとも1つの処理部が、前記投稿表示工程にて前記対象者のビデオ通話画面に表示させた前記投稿に対して、確認した旨を操作入力可能とし、前記操作入力がなされることで、前記投稿を前記対象者のビデオ通話画面から削除する削除工程と、を有するビデオ通話方法。
【請求項2】
前記投稿表示工程は、
前記対象者の1つのビデオ通話画面において、前記投稿を送信した前記参加者の画像を識別表示させる識別表示工程を有する、
請求項1に記載のビデオ通話方法。
【請求項3】
前記識別表示工程は、
前記対象者の1つのビデオ通話画面において、前記投稿を送信した前記参加者の画像縁部を強調表示させる、
請求項2に記載のビデオ通話方法。
【請求項4】
前記投稿表示工程にて、対象者及び参加者が1対1の場合、前記少なくとも1つの処理部は前記対象者のビデオ通話画面において投稿のみを表示させ、対象者及び参加者が1対多の場合、前記少なくとも1つの処理部は前記対象者のビデオ通話画面において投稿と共に投稿者名を表示させる、
請求項1に記載のビデオ通話方法。
【請求項5】
さらに、前記少なくとも1つの処理部が、前記ビデオ通話中に、前記参加者のビデオ通話画面
を表示させる参加者画面表示工程を有
し、
前記対象者の1つのビデオ通話画面は、前記対象者と共にビデオ通話に参加する全ての参加者の画像を含む一方で、前記対象者の画像を含まず、尚且つ、
前記参加者の1つのビデオ通話画面は、前記対象者及び参加者の双方の画像を含む、
請求項
1に記載のビデオ通話方法。
【請求項6】
前記参加者の1つのビデオ通話画面は、
前記対象者の画像並びに、自己の画像及び他の参加者の画像の全てを含み、
前記対象者の画像が、その他の画像より大きく配置される、
請求項5に記載のビデオ通話方法。
【請求項7】
さらに、前記少なくとも1つの処理部が、前記参加者の1つのビデオ通話画面を介して投稿を入力する投稿入力工程と、
前記少なくとも1つの処理部が、前記投稿を送信する投稿送信工程と、を有し、
前記投稿入力工程は、所定文字数を超えるメッセージの入力を受け付けない、若しくは、
前記投稿送信工程は、前記投稿入力工程において所定文字数を超えるメッセージが入力された場合、投稿を抑止する、
請求項1に記載のビデオ通話方法。
【請求項8】
請求項1~7のうちのいずれか一項に記載のビデオ通話方法を前記コンピュータ装置に実行させる、コンピュータプログラム。
【請求項9】
ビデオ通話システムであって、
ビデオ通話中に、対象者と共にビデオ通話に参加する1又は複数の参加者の画像を、前記対象者の1つのビデオ通話画面に表示させるビデオ通話処理部と、
前記参加者から送信された投稿を受け付ける投稿受付部と、
前記対象者の1つのビデオ通話画面において、さらに、前記投稿を表示させる投稿表示部と、を備え
、
前記投稿表示部が、前記対象者のビデオ通話画面に表示させた前記投稿に対して、確認した旨を操作入力可能とし、前記操作入力がなされることで、前記投稿を前記対象者のビデオ通話画面から削除するビデオ通話システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビデオ通話方法、コンピュータプログラム及びビデオ通話システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、スマートフォンやタブレット端末等、カメラを備えたデバイスの常用化によって、相手の顔を見ながら通話を楽しむことのできるビデオ通話サービスが提供されるようになった。
【0003】
特許文献1には、ビデオ通話ボットを利用してコミュニケーションが可能なビデオ通話サービスに関する技術が開示されている。
【0004】
また、例えば、高齢者等の見守りや、遠隔地にいる家族間でのコミュニケーションの手段としても、ビデオ通話サービスが利用されている。
【0005】
特許文献2には、定型メッセージの発信や音声会話を実行することができる見守り装置及び見守りシステムに関する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2021-129296号公報
【文献】特開2017-208657号公報
【0007】
ところで、高齢や障害等で聴覚が低下した参加者(対象者と呼称する)がビデオ通話に参加する場合、他の参加者の音声を十分に聞き取れない場合がある。例えば、難聴で全参加者の音声が聞き取れない対象者もいれば、参加者の声量や声質、ネットワークの状況、参加者のマイク性質・状態等の様々な要因から、特定の参加者の音声のみ聞き取れない対象者の場合もある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、高齢や障害等で聴覚が低下した対象者が好適に参加可能なビデオ通話技術を提供することを、解決すべき課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明は、コンピュータ装置が実行するビデオ通話方法であって、
前記コンピュータ装置は、記憶部に格納されたコンピュータ読取可能な命令を実行するように構成された少なくとも1つの処理部を含み、
前記ビデオ通話方法は、
前記少なくとも1つの処理部が、ビデオ通話中に、対象者と共にビデオ通話に参加する1又は複数の参加者の画像を、前記対象者の1つのビデオ通話画面に表示させる対象者画面表示工程と、
前記少なくとも1つの処理部が、前記参加者から送信された投稿を受け付ける投稿受付工程と、
前記少なくとも1つの処理部が、前記対象者の1つのビデオ通話画面において、さらに、前記投稿を表示させる投稿表示工程と、を有する。
【0010】
このような構成とすることで、ビデオ通話に参加した対象者に対して、参加者の画像と共に投稿を表示させることが可能となり、対象者が参加したビデオ通話におけるコミュニケーションをより円滑化できる。
【0011】
本発明の好ましい形態では、前記投稿表示工程は、
前記対象者の1つのビデオ通話画面において、前記投稿を送信した前記参加者の画像を識別表示させる識別表示工程を有する。
【0012】
本発明の好ましい形態では、前記識別表示工程は、
前記対象者の1つのビデオ通話画面において、前記投稿を送信した前記参加者の画像縁部を強調表示させる。
【0013】
このような構成とすることで、投稿を送信した参加者の判別が用意となり、対象者が参加したビデオ通話におけるコミュニケーションをより円滑化できる。
【0014】
本発明の好ましい形態では、前記対象者の1つのビデオ通話画面は、
前記対象者と共にビデオ通話に参加する全ての参加者の画像を含む一方で、前記対象者の画像を含まない。
【0015】
本発明の好ましい形態では、さらに、前記少なくとも1つの処理部が、前記ビデオ通話中に、前記対象者及び参加者の画像を、前記参加者の1つのビデオ通話画面に表示させる参加者画面表示工程を有する。
【0016】
このような構成とすることで、対象者用のビデオ通話画面における参加者の画像の表示領域を確保し、特に高齢者等の対象者が参加したビデオ通話におけるコミュニケーションを円滑化できる。
【0017】
本発明の好ましい形態では、前記参加者の1つのビデオ通話画面は、
前記対象者の画像並びに、自己の画像及び他の参加者の画像の全てを含み、
前記対象者の画像が、その他の画像より大きく配置される。
【0018】
このような構成とすることで、参加者用のビデオ通話画面における対象者の画像の表示領域を確保し、特定対象が参加したビデオ通話におけるコミュニケーションを円滑化できる。
【0019】
本発明の好ましい形態では、さらに、前記少なくとも1つの処理部が、前記参加者の1つのビデオ通話画面を介して投稿を入力する投稿入力工程と、
前記少なくとも1つの処理部が、前記投稿を送信する投稿送信工程と、を有し、
前記投稿入力工程は、所定文字数を超えるメッセージの入力を受け付けない、若しくは、
前記投稿送信工程は、前記投稿入力工程において所定文字数を超えるメッセージが入力された場合、投稿を抑止する。
【0020】
このような構成とすることで、対象者用のビデオ通話画面におけるメッセージ投稿の表示範囲や表示サイズ、情報量等を調整でき、特に高齢者等の対象者が参加したビデオ通話におけるコミュニケーションを円滑化できる。
【0021】
また、本発明は、前記ビデオ通話方法を前記コンピュータ装置に実行させる、コンピュータプログラムである。
【0022】
また、本発明は、ビデオ通話システムであって、
ビデオ通話中に、対象者と共にビデオ通話に参加する1又は複数の参加者の画像を、前記対象者の1つのビデオ通話画面に表示させるビデオ通話処理部と、
前記参加者から送信された投稿を受け付ける投稿受付部と、
前記対象者の1つのビデオ通話画面において、さらに、前記投稿を表示させる投稿表示部と、を備える。
【発明の効果】
【0023】
本発明は、高齢や障害等で聴覚が弱い対象者が好適に参加可能なビデオ通話技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】一実施の形態のシステムの構成を示すブロック図。
【
図2】一実施の形態のシステムのハードウェア構成図。
【
図4】一実施の形態のシステムにおける投稿送信時の処理フローチャート。
【
図5】一実施の形態のシステムにおける参加者端末装置の画面表示例。
【
図6】一実施の形態のシステムにおける対象者端末装置の画面表示例。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、添付図面を参照して、更に詳細に説明する。図面には好ましい実施形態が示されている。しかし、多くの異なる形態で実施されることが可能であり、本明細書に記載される実施形態に限定されない。
【0026】
例えば、本実施形態ではビデオ通話システムの構成、動作等について説明するが、実行される方法、装置、コンピュータプログラム等によっても、同様の作用効果を奏することができる。プログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一過性の記録媒体として提供されてもよいし、外部のサーバからダウンロード可能に提供されてもよい。
【0027】
本実施形態では、特に、高齢者である対象者と、その家族やその他見守りを行う1又は複数名の参加者がビデオ通話を行う場合について説明を行う。対象者は高齢者に限られず、音声が聞こえない又は聞き取り辛い者が対象者となり得る。
【0028】
<1.システム構成>
図1は、一実施の形態のシステムの構成を示すブロック図である。
図1に示すように、ビデオ通話システム0は、対象者端末装置1、参加者端末装置2及び、コミュニケーションシステム3を備え、これらがネットワーク4を介して通信可能に構成される。
【0029】
対象者端末装置1及び参加者端末装置2として、パーソナルコンピュータやスマートフォン、タブレット端末等の端末装置9を利用することができる。対象者端末装置1は対象者用ビデオ通話プログラムを、参加者端末装置2は参加者用ビデオ通話プログラムを実行することで、コミュニケーションシステム3を介してビデオ通話を行うことができる。本実施形態では、これらビデオ通話プログラムは図示しないプログラム提供装置よりダウンロードされたビデオ通話機能を有するクライアントアプリケーションであるが、例えば、端末装置9に、プリインストール又は事前にダウンロードされたウェブブラウザアプリケーション等を介して、ビデオ通話を行うこととしてもよい。
【0030】
コミュニケーションシステム3は、汎用のサーバやパーソナルコンピュータ等のサーバ装置10を1又は複数利用することができる。対象者端末装置1及び参加者端末装置2によるビデオ通話は、例えば、WebRTC(Web Real-Time Communication)規格に準拠したセッションを介して実現されるが、例えばHTTP、WebSocketなどの規格に準拠したセッションを確立することで行われてもよい。コミュニケーションシステム3は、ビデオ通話を実現するための資源として、画面表示の為のウェブサーバやSTUNサーバ、TURNサーバ、シグナリングサーバ等を適宜備える。以降、コミュニケーションシステム3の介在については、不明にならない範囲で説明を省略する。
【0031】
ネットワーク4は、本実施形態では、IP(Internet Protocol)ネットワークであるが、通信プロトコルの種類、ネットワークの種類等にも制限はない。
【0032】
<1.1.ハードウェア構成>
図2は、端末装置9のハードウェア構成図である。
図2に示すように、端末装置9(対象者端末装置1及び参加者端末装置2)は、処理部901、記憶部902、通信部903、入力部904及び出力部905を有し、各部及び各工程の作用発揮に用いられる。
【0033】
処理部901は、命令セットを実行可能なCPUなどのプロセッサを有し、OSやビデオ通話プログラム、ウェブブラウザアプリケーション等を実行する。
記憶部902は、命令セットを記憶可能なRAMなどの揮発性メモリ、OS、ビデオ通話プログラム等を記録可能な、HDDやSSDなどの不揮発性の記録媒体を有する。
通信部903は、ネットワークに物理的に接続するためのインタフェースを有し、ネットワーク4との通信制御を実行して、情報の入出力を行う。
入力部904は、タッチパネルやキーボードなどの入力処理が可能な操作入力デバイス、マイクなどの音声入力が可能な音声入力デバイス、カメラなどの画像入力が可能な画像入力デバイスを有する。
出力部905は、ディスプレイなどの表示処理が可能な表示デバイス、スピーカなどの音声出力デバイスを有する。
【0034】
<1.2.ビデオ通話システム0の機能構成>
図3は、ビデオ通話システム0の機能ブロック図である。
図3に示すように、対象者端末装置1は、ビデオ通話処理部11と、投稿受付部12と、投稿表示部13と、識別表示部14を有する。これは、ソフトウェア(記憶部902等に一過的又は非一過的に記憶された対象者用ビデオ通話プログラム)による情報処理が、ハードウェア(処理部901等)によって具体的に実現されたものである。また、参加者端末装置2は、ビデオ通話処理部21と、投稿入力部22と、投稿送信部23と、ビデオ通話制御部24と、を有する。これは、ソフトウェア(記憶部902等に一過的又は非一過的に記憶された対象者用ビデオ通話プログラム)による情報処理が、ハードウェア(処理部901等)によって具体的に実現されたものである。
【0035】
<1.3.ビデオ通話処理部11>
対象者端末装置1のビデオ通話処理部11は、対象者用ビデオ通話画面を表示させ、ビデオ通話処理を実行する。ビデオ通話処理部11は、ビデオ通話処理として、対象者端末装置1の音声入力デバイス及び画像入力デバイスを介して取得した音声、画像(映像を含む)を、直接又はコミュニケーションシステム3を介して、参加者端末装置2のビデオ通話処理部21に送信する。
【0036】
<1.4.ビデオ通話処理部21>
また、参加者端末装置2のビデオ通話処理部21は、参加者用ビデオ通話画面を表示させ、ビデオ通話処理を実行する。ビデオ通話処理として、ビデオ通話処理部21は、参加者端末装置2の音声入力デバイス及び画像入力デバイスを介して取得した音声、画像(映像を含む)を、直接又はコミュニケーションシステム3を介して、対象者端末装置1のビデオ通話処理部11に送信する。
【0037】
<1.5.投稿入力部22>
参加者端末装置2の投稿入力部22は、参加者用ビデオ通話画面において、投稿の入力を受け付ける。投稿入力部22は、参加者端末装置2の操作入力デバイスを介して、メッセージテキストの入力を受け付ける。なお、投稿入力部22は、参加者端末装置2の音声入力デバイスを介して音声の入力を受け付け、テキスト変換処理を実行することで、メッセージテキストの入力を受け付けてもよい。テキスト変換処理は、参加者用ビデオ通話プログラムが参加者端末装置2をテキスト変換部として機能させることでテキスト変換を行ってもよいし、端末装置9に備わったテキスト変換部に対して音声を受け渡し、テキスト変換処理結果を受け取ることであってもよい。なお、投稿入力部22は、メッセージだけでなく、画像や動画、スタンプ等も投稿可能であってもよい。
【0038】
<1.6.投稿送信部23>
投稿送信部23は、入力された投稿を、参加者を識別可能に、直接又はコミュニケーションシステム3を介して、対象者端末装置1の投稿受付部12に送信する。
【0039】
<1.7.投稿受付部12、投稿表示部13、識別表示部14>
対象者端末装置1の投稿表示部13は、投稿受付部12が受け取った投稿を対象者用ビデオ通話画面に表示させる。また、識別表示部14は、投稿表示部13が表示させた投稿を送信した参加者を対象者用ビデオ通話画面に識別可能に表示させる。
【0040】
<1.8.ビデオ通話制御部24>
ビデオ通話制御部24は、対象者端末装置1において入力される音声オン/ミュート及び、ビデオのオン/オフの一方又は双方のコントロールを参加者端末装置2側からハンドリング可能とする。なお、典型的には、対象者による誤操作の解消を行う為にビデオ通話制御部24は利用され得る。そのため、例えば、ビデオ通話制御部24によるコントロールは、対象者端末装置1における音声ミュートの解除及び/又はビデオのオンに限られてもよく、音声ミュートやビデオのオフについてはコントロールできなくてもよい。
【0041】
<2.ビデオ通話方法>
図4は、参加者端末装置2から対象者端末装置1へ投稿を送信する際の処理フローチャートである。
【0042】
<2.1.ビデオ通話画面の画面表示工程>
ステップS101において、対象者端末装置1及び参加者端末装置2は、ビデオ通話を開始する。ビデオ通話処理部21は、対象者及び参加者の画像(映像)を、参加者の1つのビデオ通話画面に表示させる。
【0043】
<2.2.参加者用ビデオ通話画面>
図5は、参加者用ビデオ通話画面W2の画面表示例である。参加者用ビデオ通話画面W2(a)は参加者が1人の場合の画面表示例である。また、参加者用ビデオ通話画面W2(b)は参加者が2人の場合、参加者用ビデオ通話画面W2(c)は参加者が3人の場合、参加者用ビデオ通話画面W2(d)は参加者が4人の場合の画面表示例である。
【0044】
ビデオ通話処理部21は、参加者が2人以上の場合、参加者用ビデオ通話画面W2に、対象者の画像W11並びに、自己の画像W21及び他の参加者の画像W22等の全てを並べて配置し、この時、対象者の画像W11が、その他の画像(W2(d)ではW21~W25)より大きく配置される。なお、ビデオ通話には任意の人数が参加可能であり、5人以上の参加者が参加可能であってもよい。なお、自身を含めて参加者がN人(n=1,2,・・・,N)の場合、参加者用ビデオ通話画面W2には、自己の画像が表示されてもよいし、表示されなくてもよい。また、他の参加者の画像がm個(m+1≦N)表示されてもよい。即ち、参加者用ビデオ通話画面W2には、他の参加者の画像として、自身を除くすべての参加者の画像が表示されてもよいし(m=N-1)、一部の参加者の画像が表示されてもよい(m<N-1)。例えば、W2(d)の画面(m=3,N>4)において、ビデオ通話の開始直後は、ビデオ通話に入室した順に、W22~24に他の参加者が表示され、それ以降は、発話した順にW22~24に並べて表示するようにしてもよい。
【0045】
参加者用ビデオ通話画面W2は、当該参加者端末装置2からの音声入力のオン/オフを切り替え可能な音声切替ボタンW25、当該参加者端末装置2からの画像入力のオン/オフを切り替え可能なカメラ切替ボタンW26、終話ボタンW27、投稿入力ボタンW28を備える。ステップS102において、終話ボタンW27が押下された場合(ステップS102でYES)、ビデオ通話を終了する。
【0046】
<2.3.投稿入力工程>
ステップS103において、投稿入力ボタンW28が押下された場合(ステップS103でYES)、投稿入力部22は、参加者用ビデオ通話画面W2を介して投稿入力を受け付ける。参加者用ビデオ通話画面W2(e)は、参加者用ビデオ通話画面W2(d)において投稿入力ボタンW28が押下された際の画面表示例であり、投稿入力ボタンW28が押下されると、投稿入力領域W29及び入力キーが参加者用ビデオ通話画面に表示される。
【0047】
投稿入力領域W29は、テキストボックスW29A及び、投稿送信ボタンW29Bを有する。テキストボックスW29Aには、操作入力デバイスを介して入力キーを操作することで、テキストが入力される。本実施形態では、メッセージ投稿として送信可能な文字数上限が設定されている。ステップS103において投稿がメッセージの場合であって、所定文字数を超えるメッセージが入力された場合(ステップS104でYES)、参加者端末装置2はメッセージ投稿を送信しない。本実施形態では、所定文字数を超えるメッセージが入力された場合には、投稿送信ボタンW29Bが無効化される(W29B’)。この時、投稿入力部22は、参加者用ビデオ通話画面W2に警告やエラーを表示させたり、音声出力デバイスに警告音を出力させてもよい。なお、テキストボックスW29Aに入力可能な文字数が、制限されてもよい。また、投稿入力領域W29を介して、画像や動画、スタンプ等が入力可能であってもよい。ステップS103において投稿が画像や動画、スタンプ等の場合、ステップS105に進む。
【0048】
なお、メッセージ入力に際して、ビデオ通話処理部21は、音声入力をオフとしてもよい。本実施形態では、ビデオ通話処理部21は、投稿入力ボタンW28が押下されると、当該参加者端末装置2からの音声入力をオフとする。また、本実施形態では、ビデオ通話処理部21は、投稿送信ボタンW29Bが押下されたり、入力が中止されると、音声入力をオンとする。
【0049】
<2.4.投稿送信工程>
ステップS105において、投稿入力ボタンW28が押下された場合(ステップS105でYES)、投稿送信部23は、ステップS103において入力された投稿を送信する(ステップS106)。
【0050】
<2.5.対象者用ビデオ通話画面>
図6は、対象者用ビデオ通話画面W1の画面表示例である。対象者用ビデオ通話画面W1(a)は参加者が1人の場合の画面表示例である。また、対象者用ビデオ通話画面W1(b)は参加者が2人の場合、対象者用ビデオ通話画面W1(c)は参加者が3人の場合、対象者用ビデオ通話画面W1(d)は参加者が4人の場合の画面表示例である。
【0051】
ビデオ通話処理部11は、対象者と共にビデオ通話に参加する1又は複数の参加者の画像(映像)W21等を、対象者用ビデオ通話画面W1に表示させる。
【0052】
<2.6.投稿受付工程>
投稿受付部12は、参加者端末装置2から送信された投稿を受け付ける。
【0053】
<2.7.投稿表示工程>
投稿表示部13は、受け取った投稿を参加者の画像W21等と並べて、投稿表示領域W13に表示させる。なお、図示例ではメッセージが1行で表示されるが、メッセージの文字数が増えた場合には、行を追加して複数行にわたってメッセージが表示されてもよいし、固定行の領域等に、メッセージを流れるように表示させてもよい。
【0054】
複数名の参加者から投稿を送信された場合、最初に送られた投稿だけを表示させてもよいし、最後に送られた投稿だけを表示させてもよいし、複数の投稿を並べて表示させてもよい。また、投稿表示部13は、送信された投稿に対応した所定の領域に対して操作入力デバイスを介した操作入力を受け付けることで、投稿を削除したり、(次の投稿がある場合には、)次の投稿等に切り替えるようにしてもよい。投稿表示部13は、送信された投稿に対応した所定の領域に対して操作入力デバイスを介した操作入力を受け付け可能とし、この操作がなされない場合には、参加者端末装置2から新たな投稿が抑止されてもよい。所定の領域には、対象者が投稿を確認したことを操作入力する為のボタン等のオブジェクトが表示されてよい(例えば、「見た」と記載されたボタン)。
【0055】
また、投稿送信部23は、投稿表示部13に対して、投稿を指定して削除操作を入力可能であってもよい。投稿表示部13は、指定された投稿について削除操作を受け付けることで、投稿を削除する。なお、投稿送信部23は、自身の投稿に対してのみ、投稿表示部13に対して、投稿を指定して削除操作を入力可能であってもよい。
【0056】
<2.8.識別表示工程>
投稿送信部23は、投稿の送信者を示す情報と共に投稿を送信してよい。例えば、投稿は、参加者の表示名と、参加者用ビデオ通話プログラムのユニークID等、システムレベルで参加者を識別可能となる識別情報や、ビデオ通話内における参加者番号等、当該ビデオ通話内において参加者を区別可能となる識別情報と共に送信されてよい。
【0057】
識別表示部14は、参加者用ビデオ通話プログラムのユニークIDや参加者番号、送信を行った参加者端末装置2のIPアドレス等に基づいて、投稿表示部13が表示させた投稿を送信した参加者を対象者用ビデオ通話画面W1において識別可能に表示させる。図示例では、識別表示部14は、投稿を送信した参加者の画像W21縁部を強調表示W12することで、参加者を識別可能に表示させる。
【0058】
なお、識別可能な表示方法は任意であり、例えば参加者の画像配置の変更、参加者の画像サイズの変更、投稿表示領域W13の配置の変更、投稿表示部13の形状の変更等の1又は複数を行い、送信を行った参加者を識別可能に表示させて良い。例えば、識別表示部14は、吹き出し型の投稿表示領域W13を表示させ、吹き出しの始端を、投稿を送信した参加者の画像と重ねる等して、参加者を識別可能に表示させてよい。
【0059】
また、投稿送信部23は、参加者の表示名を、投稿と共に表示させてもよい。参加者の表示名は、参加者用ビデオ通話プログラムに予め設定されたものであってもよいし、ビデオ通話の開始時に入力されたものであってもよい。図示例では、入力された投稿の前に、参加者の表示名が表示されている。なお、参加者が1名の場合は参加者名を表示しなくてもよい。
【0060】
ビデオ通話プログラムは、コンピュータを、ビデオ通話処理部11と、投稿受付部12と、投稿表示部13と、識別表示部14と、ビデオ通話処理部21と、投稿入力部22と、投稿送信部23として機能させるコンピュータプログラムであってもよく、ビデオ通話に参加する際やコンピュータプログラムのインストール時等に、自身が対象者・参加者の何れであるかを指定することで、必要な機能にアクセスできるように構成されてもよい。
【0061】
なお、対象者端末装置1及び参加者端末装置2が備える各機能構成要素(部)の一部又は全部が、コミュニケーションシステム3等の別の装置に配置されてもよい。
【0062】
また、本実施形態では、1人の対象者がビデオ通話に参加する場合について説明したが、複数の対象者がビデオ通話に参加可能であってもよい。また、参加者の人数若しくは、対象者及び参加者の合計人数に対して、所定の参加可能上限人数が設定されてもよく、この時、上限人数内であればビデオ通話への参加が許容される。
【符号の説明】
【0063】
0 :ビデオ通話システム
1 :対象者端末装置
2 :参加者端末装置
3 :コミュニケーションシステム
4 :ネットワーク
9 :端末装置
10 :サーバ装置
11 :ビデオ通話処理部
12 :投稿受付部
13 :投稿表示部
14 :識別表示部
21 :ビデオ通話処理部
22 :投稿入力部
23 :投稿送信部
901 :処理部
902 :記憶部
903 :通信部
904 :入力部
905 :出力部
【要約】
【課題】高齢や障害等で聴覚が低下した対象者が好適に参加可能なビデオ通話技術を提供すること。
【解決手段】コンピュータ装置が実行するビデオ通話方法であって、前記コンピュータ装置は、記憶部に格納されたコンピュータ読取可能な命令を実行するように構成された少なくとも1つの処理部を含み、前記ビデオ通話方法は、前記少なくとも1つの処理部が、前記ビデオ通話中に、対象者と共にビデオ通話に参加する1又は複数の参加者の画像を、前記対象者の1つのビデオ通話画面に表示させる対象者画面表示工程と、前記少なくとも1つの処理部が、前記参加者から送信された投稿を受け付ける投稿受付工程と、前記少なくとも1つの処理部が、前記対象者の1つのビデオ通話画面において、さらに、送信された前記投稿を表示させる投稿表示工程と、を有する。
【選択図】
図6