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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-27
(45)【発行日】2023-03-07
(54)【発明の名称】空気亜鉛電池パック
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/6556 20140101AFI20230228BHJP
   H01M 12/06 20060101ALI20230228BHJP
   H01M 10/613 20140101ALI20230228BHJP
   H01M 10/6563 20140101ALI20230228BHJP
   H01M 10/6566 20140101ALI20230228BHJP
   H01M 50/204 20210101ALI20230228BHJP
【FI】
H01M10/6556
H01M12/06 A
H01M12/06 D
H01M10/613
H01M10/6563
H01M10/6566
H01M50/204 401H
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2022193487
(22)【出願日】2022-12-02
【審査請求日】2022-12-05
(31)【優先権主張番号】10-2022-0092670
(32)【優先日】2022-07-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和 4年11月 1日に、当時特許を受ける権利を有していた株式会社ダブルエー・ホールディングスが、同社ウェブサイト等を通じて公開。
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和 4年11月16日~18日に、インテックス大阪(大阪府大阪市住之江区南港北1-5-102)で開催された第7回関西オフィス防災EXPOにて公開。
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522471456
【氏名又は名称】株式会社GKIジャパン
(74)【代理人】
【識別番号】110003339
【氏名又は名称】弁理士法人南青山国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西村 正男
(72)【発明者】
【氏名】チョン ジンウ
【審査官】清水 祐樹
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-535029(JP,A)
【文献】特開2015-158979(JP,A)
【文献】特開2001-102099(JP,A)
【文献】特表2012-511803(JP,A)
【文献】特開2012-094313(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 10/52 - 16/00
H01M 50/20 - 50/298
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
仕切りと、前記仕切りにより分けられた第1吸入口を有する第1収容空間及び第2吸入口を有する第2収容空間と、前記第1吸入口及び前記第2吸入口とは反対側の中央部に形成された排出口とを有するケースと、
前記ケースの前記第1収容空間に複数設けられ、複数の電池セルが積層され電気的に直列に接続される、第1電池ユニット及び第2電池ユニットを含む第1収容空間電池部と、
前記ケースの前記第2収容空間に複数設けられ、複数の電池セルが積層され電気的に直列に接続される、第3電池ユニット及び第4電池ユニットを含む第2収容空間電池部と、
前記ケースの前記排出口側に設けられ、前記第1吸入口を介して前記第1収容空間電池部を通過した空気と、前記第2吸入口を介して前記第2収容空間電池部を通過した空気とを共に排出する、前記第1収容空間電池部及び前記第2収容空間電池部によって駆動される過熱防止空気排出部
とを具備し、
前記第1収容空間電池部に設けられた前記第1電池ユニット及び前記第2電池ユニットと、前記第2収容空間電池部に設けられた前記第3電池ユニット及び前記第4電池ユニットとは、異物をフィルタリングするフィルタ部を有し、
前記フィルタ部は、
前記第1電池ユニット、前記第2電池ユニット、前記第3電池ユニット及び前記第4電池ユニットそれぞれの側面にガイド可能に形成されたガイドスロットを有する収納部と、
前記収納部に掛けられて収納され、微細な網からなり異物を捕捉するフィルタ部材
とを含み、
前記フィルタ部材は、異物をフィルタリングするフィルタ網と、前記フィルタ網の縁を包囲し、且つ、支持する支持枠とを含み、前記支持枠の前記ガイドスロットに係合する部位の幅は、前記ガイドスロットの幅と等しい幅に形成される
空気亜鉛電池パック。
【請求項2】
仕切りと、前記仕切りにより分けられた第1吸入口を有する第1収容空間及び第2吸入口を有する第2収容空間と、前記第1吸入口及び前記第2吸入口とは反対側の中央部に形成された排出口とを有するケースと、
前記ケースの前記第1収容空間に複数設けられ、複数の電池セルが積層され電気的に直列に接続される、第1電池ユニット及び第2電池ユニットを含む第1収容空間電池部と、
前記ケースの前記第2収容空間に複数設けられ、複数の電池セルが積層され電気的に直列に接続される、第3電池ユニット及び第4電池ユニットを含む第2収容空間電池部と、
前記ケースの前記排出口側に設けられ、前記第1吸入口を介して前記第1収容空間電池部を通過した空気と、前記第2吸入口を介して前記第2収容空間電池部を通過した空気とを共に排出する、前記第1収容空間電池部及び前記第2収容空間電池部によって駆動される過熱防止空気排出部
とを具備し、
前記過熱防止空気排出部は、
前記仕切りに形成され、前記排出口に隣接して設けられた設置溝部と、
前記第1及び前記第2収容空間をそれぞれ分けるように前記設置溝部に設けられ、中心部が前記仕切りに対向するように前記第1収容空間及び前記第2収容空間に亘って設置され、前記第1収容空間及び前記第2収容空間に対向し、前記第1吸入口及び前記第2吸入口に吸入された空気をそれぞれ移動させ、前記第1収容空間電池部に設けられた前記第1電池ユニット及び前記第2電池ユニットと、前記第2収容空間電池部に備えられた前記第3電池ユニット及び前記第4電池ユニットとを別々に分離冷却する冷却ファンユニット
とを含む
空気亜鉛電池パック。
【請求項3】
前記第1収容空間電池部の前記第1電池ユニットは、前記ケースの前記第1収容空間に収容され、前記第1吸入口に隣接して配置され、電気を生成し、
前記第1収容空間電池部の前記第2電池ユニットは、前記ケースの前記第1収容空間に収容され、前記第1電池ユニットに隣接して配置され且つ前記排出口側に設けられる前記過熱防止空気排出部に対向して配置され、電気を生成し、
前記過熱防止空気排出部は、前記第2電池ユニットが前記第1電池ユニットを通過した空気で冷却されるように前記仕切りに近接して前記排出口に空気流路を切り替える
請求項1又は2に記載の空気亜鉛電池パック。
【請求項4】
前記第2収容空間電池部の前記第3電池ユニットは、前記ケースの前記第2収容空間に収容され、前記第2吸入口に隣接して配置されて電気を生成し、
前記第2収容空間電池部の前記第4電池ユニットは、前記ケースの前記第2収容空間に収容され、前記第3電池ユニットに隣接して配置され且つ前記排出口側に設けられる前記過熱防止空気排出部に対向して、電気を生成し、
前記過熱防止空気排出部は、前記第4電池ユニットが前記第3電池ユニットを通過した空気で冷却されるように前記仕切りに近接して前記排出口に空気流路を切り替える
請求項1又は2に記載の空気亜鉛電池パック。
【請求項5】
前記第1電池ユニット、前記第2電池ユニット、前記第3電池ユニット及び前記第4電池ユニットは、それぞれ、前記複数の電池セルが積層され電気的に直列に接続され、
前記複数の電池セルは、空気移動孔を有するようにスペーサを介して離間して配置され、前記空気移動孔が複数層の領域を有するように複数層に積層される
請求項1又は2に記載の空気亜鉛電池パック。
【請求項6】
前記冷却ファンユニットは、
前記設置溝部に挿入装着され、通気孔が形成されたフレーム部材と、
前記フレーム部材に設けられ、前記通気孔の中心側に連結された複数の連結ブラケットと、
複数の送風翼と、
連結ブラケットにそれぞれ支持され、通気孔に前記複数の送風翼が回転可能に設けられたファン駆動部材
とを含み、
前記仕切りの中心部と前記ファン駆動部材の中心部とが一致して前記複数の送風翼が前記第1収容空間及び前記第2収容空間に対向する
請求項2に記載の空気亜鉛電池パック。
【請求項7】
前記過熱防止空気排出部は、
前記冷却ファンユニットに排出空気をガイドするように前記冷却ファンユニットの周面を包囲し、且つ、前記第1収容空間に設けられた前記第2電池ユニットと、前記第2収容空間に設けられた第4電池ユニットとに隣接して設けられた複数の遮断部材と、
前記ケースに設けられ、前記遮断部材を通過して前記第2電池ユニット及び前記第4電池ユニットの一側面を前記遮断部材から離間させて冷却空気排出空間部を形成する間隔保持部と
を含み、
前記第2電池ユニット及び前記第4電池ユニットを通過した空気は前記冷却空気排出空間部を経て前記排出口から排出される
請求項2又は6に記載の空気亜鉛電池パック。
【請求項8】
前記過熱防止空気排出部は、
前記第2電池ユニット及び前記第4電池ユニットに対向する前記仕切りの両面の一部が、前記冷却ファンユニット側に向かうにつれて前記仕切りの厚み方向に徐々に深くなるようにカーブして凹み形成された一対の冷却空気ガイド溝部
を含む
請求項2又は6に記載の空気亜鉛電池パック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気亜鉛電池パックに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、空気亜鉛電池パックは高い容量を提供し、エネルギー密度が高く放電容量が大きいという利点があり、携帯用や非常用に使用される傾向がある。例えば、一例に係る空気亜鉛電池パックのサイズは約17×18×8cmで、その体積は2,448立方センチメートル(cc)で、出力は約700Whであり、1立方センチメートル(cc)当たり0.285Whの高い容量と出力を持つ。
【0003】
このような携帯用又は非常用に使用される空気亜鉛電池パックとして、4個の電池ユニット群からなる空気亜鉛電池パックが知られている。関連背景技術としては、特許文献1(図3)に記載の空気-亜鉛電池モジュールがある。特許文献1(図3)に記載の4個型の空気亜鉛電池パックは、吸入口と排出口を有する収容空間を形成し、収容空間を隔壁に分離するケースと、ケースの収容空間に備えられ、空気亜鉛電池パックセルが多層で積層されて電気を生成する第1電池ユニットと、第1電池ユニットに隣接して配置され、第1電池ユニットを通過空気で冷却しながら電気を生成する第2電池ユニットと、ケースの隔壁に設けられた送風ファンを通過した空気とを収容空間に備え、第2電池ユニットを通過した空気で冷却し、電気を生成する第3電池ユニットと、第3電池ユニットに隣接して配置され、第3電池ユニットを通過した空気で冷却しながら電気を生成する第4電池ユニットとを含む。
【0004】
ところで、特許文献1(図3)に記載の4個型の空気亜鉛電池パックは、送風ファンを通って移動する空気は、第1、第2、第3及び第4電池ユニットを順次介して冷却が行われるものであり、高出力の負荷使用時第1電池ユニットの熱が第2電池ユニットに蓄積され、第2電池ユニットの熱が第3電池ユニットに蓄積され、第3電池ユニットの熱が第4電池ユニットに蓄積されるなど徐々に冷却効率が低下しつつ電池セル内部の酸化反応温度が過度に上昇し、電池セルの過熱による出力が低下するおそれがある。また、電池セルの過熱時に内部に充填されている強アルカリ性電解質が漏出するため、電池パックに内蔵されている電子部品の腐食及び外部に流れ出て他部品にも影響を及ぼすおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】韓国登録特許第1836838号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
以上のような事情に鑑み、本発明は、第1、第2、第3及び第4電池ユニットをケースに配置して冷却するにあたり、空気流を円滑に構成することにより、冷却効果を最大化し、出力低下を防止できる空気亜鉛電池パックを提供することにその目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態に係る空気亜鉛電池パックは、
仕切りと、前記仕切りにより分けられた第1吸入口を有する第1収容空間及び第2吸入口を有する第2収容空間と、前記第1吸入口及び前記第2吸入口とは反対側の中央部に形成された排出口とを有するケースと、
前記ケースの前記第1収容空間に複数設けられ、複数の電池セルが積層され電気的に直列に接続される第1収容空間電池部と、
前記ケースの前記第2収容空間に複数設けられ、複数の電池セルが積層され電気的に直列に接続される第2収容空間電池部と、
前記ケースの前記排出口側に設けられ、前記第1吸入口を介して前記第1収容空間電池部を通過した空気と、前記第2吸入口を介して前記第2収容空間電池部を通過した空気とを共に排出する、前記第1収容空間電池部及び前記第2収容空間電池部によって駆動される過熱防止空気排出部
とを具備することを特徴とする。
【0008】
前記第1収容空間電池部は、
前記ケースの前記第1収容空間に収容され、前記第1吸入口に隣接して配置され、電気を生成する第1電池ユニットと、
前記ケースの前記第1収容空間に収容され、前記第1電池ユニットに隣接して配置され且つ前記排出口側に設けられる前記過熱防止空気排出部に対向して配置され、電気を生成する第2電池ユニット
とを含み、
前記過熱防止空気排出部は、前記第2電池ユニットが前記第1電池ユニットを通過した空気で冷却されるように前記仕切りに近接して前記排出口に空気流路を切り替える
ことを特徴とする。
【0009】
前記第2収容空間電池部は、
前記ケースの前記第2収容空間に収容され、前記第2吸入口に隣接して配置されて電気を生成する第3電池ユニットと、
前記ケースの前記第2収容空間に収容され、前記第3電池ユニットに隣接して配置され且つ前記排出口側に設けられる前記過熱防止空気排出部に対向して、電気を生成する第4電池ユニット
とを含み、
前記過熱防止空気排出部は、前記第4電池ユニットが前記第3電池ユニットを通過した空気で冷却されるように前記仕切りに近接して前記排出口に空気流路を切り替える
ことを特徴とする。
【0010】
前記第1電池ユニット、前記第2電池ユニット、前記第3電池ユニット及び前記第4電池ユニットは、それぞれ、前記複数の電池セルが積層され電気的に直列に接続され、
前記複数の電池セルは、空気移動孔を有するようにスペーサを介して離間して配置され、前記空気移動孔が複数層の領域を有するように複数層に積層される
ことを特徴とする。
【0011】
前記第1収容空間電池部に設けられた前記第1電池ユニット及び前記第2電池ユニットと、前記第2収容空間電池部に設けられた前記第3電池ユニット及び前記第4電池ユニットとは、異物をフィルタリングするフィルタ部を有し、
前記フィルタ部は、
前記第1電池ユニット、前記第2電池ユニット、前記第3電池ユニット及び前記第4電池ユニットそれぞれの側面にガイド可能に形成されたガイドスロットを有する収納部と、
前記収納部に掛けられて収納され、微細な網からなり異物を捕捉するフィルタ部材
とを含み、
前記フィルタ部材は、異物をフィルタリングするフィルタ網と、前記フィルタ網の縁を包囲し、且つ、支持する支持枠とを含み、前記支持枠の前記ガイドスロットに係合する部位の幅は、前記ガイドスロットの幅と等しい幅に形成される
ことを特徴とする。
【0012】
前記過熱防止空気排出部は、
前記仕切りに形成され、前記排出口に隣接して設けられた設置溝部と、
前記第1及び前記第2収容空間をそれぞれ分けるように前記設置溝部に設けられ、中心部が前記仕切りに対向するように前記第1収容空間及び前記第2収容空間に亘って設置され、前記第1収容空間及び前記第2収容空間に対向し、前記第1吸入口及び前記第2吸入口に吸入された空気をそれぞれ移動させ、前記第1収容空間電池部に設けられた前記第1電池ユニット及び前記第2電池ユニットと、前記第2収容空間電池部に備えられた前記第3電池ユニット及び前記第4電池ユニットとを別々に分離冷却する冷却ファンユニット
とを含む
ことを特徴とする。
【0013】
前記冷却ファンユニットは、
前記設置溝部に挿入装着され、通気孔が形成されたフレーム部材と、
前記フレーム部材に設けられ、前記通気孔の中心側に連結された複数の連結ブラケットと、
複数の送風翼と、
連結ブラケットにそれぞれ支持され、通気孔に前記複数の送風翼が回転可能に設けられたファン駆動部材
とを含み、
前記仕切りの中心部と前記ファン駆動部材の中心部とが一致して前記複数の送風翼が前記第1収容空間及び前記第2収容空間に対向する
ことを特徴とする。
【0014】
前記過熱防止空気排出部は、
前記冷却ファンユニットに排出空気をガイドするように前記冷却ファンユニットの周面を包囲し、且つ、前記第1収容空間に設けられた前記第2電池ユニットと、前記第2収容空間に設けられた第4電池ユニットとに隣接して設けられた複数の遮断部材と、
前記ケースに設けられ、前記遮断部材を通過して前記第2電池ユニット及び前記第4電池ユニットの一側面を前記遮断部材から離間させて冷却空気排出空間部を形成する間隔保持部と
を含み、
前記第2電池ユニット及び前記第4電池ユニットを通過した空気は前記冷却空気排出空間部を経て前記排出口から排出される
ことを特徴とする。
【0015】
前記過熱防止空気排出部は、
前記第2電池ユニット及び前記第4電池ユニットに対向する前記仕切りの両面の一部が、前記冷却ファンユニット側に向かうにつれて前記仕切りの厚み方向に徐々に深くなるようにカーブして凹み形成された一対の冷却空気ガイド溝部
を含む
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る空気亜鉛電池パックは、第1、第2、第3及び第4電池ユニットをケースに配置して冷却するにおいて、吸入口を2つ形成し、排出口を1個形成して第1、第3電池ユニットを通過した空気が第2、第4電池ユニットを通過しながら効率よく外部に排出し、電池パック間に組み立てられる各セル間の空気流を円滑に構成することにより、冷却効果を最大化し、出力低下を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一実施形態による空気亜鉛電池パックの分解斜視図である。
図2】本発明の一実施形態による空気亜鉛電池パックの組立斜視図である。
図3】本発明の一実施形態による空気亜鉛電池パックの組立状態の平面図である。
図4】本発明の一実施形態による空気亜鉛電池パックにおいて、第1、第2、第3及び第4電池ユニットとフィルタ部を示す分解斜視図である。
図5】本発明の一実施形態による空気亜鉛電池パックにおいて、第1、第2、第3及び第4電池ユニットとフィルタ部を示す組立斜視図である。
図6】本発明の一実施形態による空気亜鉛電池パックにおいて、過熱防止空気排出部を示す分解斜視図である。
図7】本発明の一実施形態に係る空気亜鉛電池パックにおいて、過熱防止空気排出部がケースに組み付けられた状態の部分組立斜視図である。
図8】本発明の一実施形態による空気亜鉛電池パックの性能が比較例に比べて改善された状態を示したデータである。
図9】本発明の一実施形態による空気亜鉛電池パックの空気流路(A)と、比較例による空気亜鉛電池の空気流路(B)とを模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付図面を参照して本発明の一実施形態による空気亜鉛電池パックを説明する。この過程で、図面に示された線の幅や構成要素の大きさなどは、説明の明瞭性と便宜上強調されて示されてもよい。さらに、後述する用語は、本発明における機能を考慮して定義された用語であり、これはユーザ、オペレータの意図又は慣例に応じて変わり得る。したがって、これらの用語の定義は、本明細書全体にわたる内容に基づいて行われるべきである。
【0019】
図1は、本発明の一実施形態による空気亜鉛電池パックの分解斜視図である。図2は、本発明の一実施形態による空気亜鉛電池パックの組み立て斜視図である。図3は、本発明の一実施形態による空気亜鉛電池パックの組み立て状態の平面図である。図4は、本発明の一実施形態による空気亜鉛電池パックにおいて、第1、第2、第3及び第4電池ユニットとフィルタ部を示す分解斜視図である。図5は、本発明の一実施形態による空気亜鉛電池パックにおいて、第1、第2、第3及び第4電池ユニットとフィルタ部を示す組立斜視図である。図6は、本発明の一実施形態による空気亜鉛電池パックにおいて、過熱防止空気排出部を示す分解斜視図である。図7は、本発明の一実施形態による空気亜鉛電池パックにおいて、過熱防止空気排出部がケースに組み付けられた状態の部分組立斜視図である。図8は、本発明の一実施形態による空気亜鉛電池パックの性能が比較例に比べて改善された状態を示したデータである。
【0020】
図1図8に示す様に、本発明の一実施形態による空気亜鉛電池パック1は、ケース100、第1収容空間電池部200及び第2収容空間電池部300を含む。
【0021】
ケース100は、仕切り130と、仕切り130により分けられた第1吸入口112を有する第1収容空間110及び第2吸入口122を有する第2収容空間120と、第1吸入口112及び第2吸入口122の反対側の中心部に排出口140が形成される構成である。言い換えれば、第1吸入口112及び第2吸入口122が設けられた壁面と、中心部に排出口140が設けられた壁面とは、異なる壁面であり、互いに対向する。第1収容空間110及び第2収容空間120は、仕切り130により分けられているため連通せず空間的に分断され独立している。排出口140は、中央が仕切り130に対向し、第1収容空間110及び第2収容空間120の両方と連通する。
【0022】
ケース100は、第1収容空間110及び第2収容空間120と連通せず空間的に分断され独立した2つの並列的な領域に分けた状態で、第1吸入口112を介して第1収容空間110に吸入された空気と、第2吸入口122を介して第2収容空間120に吸入された空気とを、後述する1つの冷却ファンユニット520を用いて冷却しながら、排出口140を介して一度に排出させる。これにより、ケース100内を2つの並列的な空気移動領域に分離した状態で、2つの並列的な空気移動領域(第1収容空間110及び第2収容空間120)からの空気を排出口140を介して一度に排出して過熱防止効果を最大化できる。
【0023】
ケース100は、紙材料や合成樹脂材料など様々な材料を適用することができる。
【0024】
第1収容空間電池部200は、ケース100の第1収容空間110に複数設けられる。
【0025】
第1収容空間電池部200は、第1電池ユニット210及び第2電池ユニット220を含む。第1電池ユニット210は、ケース100の第1収容空間110に収容され、第1吸入口112に隣接して配置され、電気を生成する。第2電池ユニット220は、ケース100の第1収容空間110に収容され、第1電池ユニット210に隣接して配置され且つ排出口140側に設けられる過熱防止空気排出部500に対向して配置され、電気を生成する。過熱防止空気排出部500は、第1電池ユニット210を通過した空気で第2電池ユニット220が冷却されるように仕切り130に近接して排出口140に空気流路を切り替える。第1電池ユニット210は、複数の電池セル212が積層され電気的に直列に接続される構成である。第2電池ユニット220は、複数の電池セル222が積層され電気的に直列に接続される構成である。
【0026】
第2収容空間電池部300は、ケース100の第2収容空間120に複数設けられる。
【0027】
第2収容空間電池部300は、第3電池ユニット310及び第4電池ユニット320を含む。第3電池ユニット310は、ケース100の第2収容空間120に収容され、第2吸入口122に隣接して配置され、電気を生成する。第4電池ユニット320は、ケース100の第2収容空間120に収容され、第3電池ユニット310に隣接して配置され且つ排出口140側に設けられる過熱防止空気排出部500に対向して配置され、電気を生成する。過熱防止空気排出部500は、第3電池ユニット310を通過した空気で第4電池ユニット320が冷却されるように仕切り130に近接して排出口140に空気流路を切り替える。第3電池ユニット310は、複数の電池セル312が積層され電気的に直列に接続される構成である。第4電池ユニット320は、複数の電池セル322が積層され電気的に直列に接続される構成である。
【0028】
第1、第2、第3及び第4電池ユニット210、220、310、320において、複数の電池セル212、222、312、322は、それぞれ複数層の空気移動孔360を有するように複数のスペーサ350を介して離間配置されるように積層される。電池セル212、222、312、322は、空気移動孔360が3(複数)層の領域を有するように3(複数)層に積層されることを特徴とする。複数層の空気移動孔360はそれぞれ、少なくとも、第1収容空間110及び第2吸入口122と排出口140とを結ぶ方向(積層方向に直交する一方向)に、第1、第2、第3及び第4電池ユニット210、220、310、320を貫通する。複数層の空気移動孔360はそれぞれ、さらに、第1収容空間110と第2収容空間120とが対向する方向(積層方向に直交する一方向に直交する方向)にも、第1、第2、第3及び第4電池ユニット210、220、310、320を貫通する。
【0029】
もちろん、第1、第2、第3及び第4電池ユニット210、220、310、320は、必要に応じて(必要な電力量に応じて)複数の電池セル212、222、312、322が2層又は4層以上の複数層で構成されてもよい。
【0030】
図4に示す様に、上部の複数の電池セル212、222、312、322と下部の複数の電池セル212、222、312、322との間に配置される中間の複数の電池セル212、222、312、322は、上部の複数の電池セル212、222、312、322及び下部の複数の電池セル212、222、312、322に設けられるスペーサ350無しで隣接して、直接接触して配置されてもよい。
【0031】
第1収容空間電池部200に備えられた第1電池ユニット210及び第2電池ユニット220と、第2収容空間電池部300に備えられた第3電池ユニット310及び第4電池ユニット320は、フィルタ部400を有する。フィルタ部400は、異物をフィルタリングすることができる。
【0032】
フィルタ部400は、第1、第2、第3及び第4電池ユニット210、220、310、320の側面にガイド可能に形成される収納部410と、収納部410に掛けられて収納され、微細な網からなり異物を捕捉するフィルタ部材420を含む。フィルタ部材420は、公知のフィルタのうち適切なフィルタを適用して組み合わせて使用することができる。
【0033】
収納部410は、第1、第2、第3及び第4電池ユニット210、220、310、320の側面のいずれかの側面にコ字状に向かって突出するガイドスロット412と、第1、第2、第3第4電池ユニット210、220、310、320の側面の下側に設けられ、フィルタ部材420を支える台座414を含む。
【0034】
フィルタ部材420は、異物をフィルタリングするフィルタ網424と、フィルタ網424の縁を包囲し、且つ、支持する支持枠422とを含む。
【0035】
支持枠422のガイドスロット412に係合する部位の幅は、ガイドスロット412の幅と等しい幅に形成される。これにより、支持枠422の幅を最小化し、フィルタ網424が形成される領域を最大化することができる。
【0036】
過熱防止空気排出部500は、ケース100の排出口140側に設けられ、第1吸入口112を介して第1収容空間電池部200を経た空気と、第2吸入口122を介して第2収容空間電池部300を経た空気を一度に排出して過熱を防止する。過熱防止空気排出部500は、第1収容空間電池部200及び第2収容空間電池部300からの電源によって駆動する。
【0037】
過熱防止空気排出部500は、設置溝部510と、冷却ファンユニット520を含む。設置溝部510は、仕切り130に形成され、排出口140に隣接して設けられる。冷却ファンユニット520は、中心部が仕切り130に対向するように第1及び第2収容空間110、120に亘って設置され、左右半分ずつそれぞれ第1及び第2収容空間110、120に対向する。冷却ファンユニット520は、第1及び第2収容空間110、120をそれぞれ分けるように設置溝部510に設けられ、第1吸入口112及び第2吸入口122に吸入された空気をそれぞれ排出口140に向けて移動させ、第1収容空間電池部200に備えられた第1電池ユニット210及び第2電池ユニット220と第2収容空間電池部300に設けられた第3電池ユニット310及び第4電池ユニット320とを別々に分離冷却して過熱を防止する。
【0038】
冷却ファンユニット520は、設置溝部510に挿入装着され、通気孔521が形成されるフレーム部材522と、フレーム部材522に設けられ、通気孔521の中心側に連結される複数の連結ブラケット524と、複数の送風翼528と、連結ブラケット524にそれぞれ支持され、通気孔521に複数の送風翼528が回転可能に設けられるファン駆動部材526とを含む。
【0039】
連結ブラケット524は、フレーム部材522とファン駆動部材526と一体に連結され、フレーム部材522の支持力をファン駆動部材626に伝達し、ファン駆動部材526に備えられた駆動モータを安定して支持して送風翼528を回転させることができる。
【0040】
ファン駆動部材526は連結ブラケット524に連結され、取付空間が設けられたハウジングと、ハウジングの取付空間に備えられて動力を発生して軸を介して送風翼528を回転させる駆動モータとを含む。
【0041】
冷却ファンユニット520は設置溝部510に挿入設置される。冷却ファンユニット520は、仕切り130の垂直中心部とファン駆動部材526の中心部とが一致して送風翼528が第1収容空間110及び第2収容空間120に半分ずつに分けて配置される。送風翼528は、左右半分ずつ、第1収容空間110及び第2収容空間120に対向する。
【0042】
過熱防止空気排出部500は、冷却ファンユニット520に排出空気をガイドするように冷却ファンユニット520の周面を包囲し、且つ、第1収容空間110に設けられた第2電池ユニット220と第2収容空間120に設けられた第4電池ユニット320に隣接して設けられた複数の遮断部材530と、ケース100に設けられ、遮断部材530を通過して第2電池ユニット220と第4電池ユニット320の一側面を遮断部材530から離間させて冷却空気排出空間部548を形成する間隔保持部540を含む。
【0043】
遮断部材530はスポンジ又は発泡スチロールを含むことができる。
【0044】
間隔保持部540は、ケース100の排出口140側壁面に取り付けられる複数のサポート部材542と、サポート部材542から一側に延び、遮断部材530に形成された貫通孔544を通過して第2電池ユニット220と第4電池ユニット320の一側面を遮断部材530から所定間隔だけ離間して排出口140への冷却空気排出空間部548を形成するようにそれぞれ支持する延長支持部材546を含む。
【0045】
過熱防止空気排出部500は、一対の冷却空気ガイド溝部550をさらに含んでもよい。一対の冷却空気ガイド溝部550は、仕切り130に形成され、冷却ファンユニット520に向けて空気を最大限にガイドするように凹状に形成される。
【0046】
一対の冷却空気ガイド溝部550は、第2電池ユニット220及び第4電池ユニット320に対向する仕切り130の両面の一部が凹むことにより形成されている。一対の冷却空気ガイド溝部550は、冷却ファンユニット520側に向かうにつれて仕切り130の厚み方向に徐々に深くなるようにカーブして凹み形成されてもよい。具体的には、図3の部分拡大図に示す様に、冷却空気ガイド溝部550の幅(仕切り130の厚み方向の幅)が冷却ファンユニット520側に向かうにつれて徐々に拡張するように、冷却空気ガイド溝部550がカーブして凹み形成されてもよい。逆に言えば、仕切り130の厚みが冷却ファンユニット520側に向かうにつれて徐々に小さく(薄く)なるように、冷却空気ガイド溝部550がカーブして凹み形成されてもよい。
【0047】
冷却空気ガイド溝部550は、冷却ファンユニット520に設けられたファン駆動部材526の送風翼528側の通気孔521に連通されるように配置される。これにより、冷却空気ガイド溝部550を用いて冷却ファンユニット520に排出される空気量を最大化して空気冷却効率をさらに向上させることができる。
【0048】
以下、添付図面を参照して、本発明の一実施形態による空気亜鉛電池パック1の作用及び効果を調べる。図9は、本発明の一実施形態による空気亜鉛電池パックの空気流路(A)と、比較例による空気亜鉛電池の空気流路(B)とを模式的に示す図である。
【0049】
図3に示すように、図示しない接続ソケットを介して外部からユーザが電源コネクタを接続すると、第1収容空間110に収容された第1収容空間電池部200の第1電池ユニット210及び第2電池ユニット220と、第2収容空間120に収容された第2収容空間電池部300の第3電池ユニット310及び第4電池ユニット320で正極と負極が連結されて電気を生成する。生成された電気は、電子機器(不図示)の非常電源又は携帯電源として使用される。
【0050】
過熱防止空気排出部500の冷却ファンユニット520は、第1、第2、第3及び第4電池ユニット210、220、310、320の少なくとも一部に電気的に連結され、電源が供給される。このとき、第1、第2、第3及び第4電池ユニット210、220、310、320の駆動により、過熱防止空気排出部500の冷却ファンユニット520が駆動する。
【0051】
図3及び図9(A)に示す様に、冷却ファンユニット520のファン駆動部材526の送風翼528の回転で第1吸入口112に流入した空気は、第1収容空間電池部200に備えられた第1電池ユニット210及び第2電池ユニット220の複数層の空気移動孔360を通過して、第1電池ユニット210及び第2電池ユニット220を冷却しながら冷却ファンユニット520に向けて一対の冷却空気ガイド溝部550にガイドされ、延長支持部材546により区画された領域である冷却空気排出空間部548を経て、仕切り130の中心側に集まり、冷却ファンユニット520を介して排出口140から排出される。
【0052】
図3及び図9(A)に示す様に、冷却ファンユニット520のファン駆動部材526の送風翼528の回転で第2吸入口122に流入した空気は、第2収容空間電池部300に備えられた第3電池ユニット310及び第4電池ユニット320の複数層の空気移動孔360を通過して、第3電池ユニット310及び第4電池ユニット320を冷却しながら冷却ファンユニット520に向けて一対の冷却空気ガイド溝部550にガイドされ、延長支持部材546により区画された領域である冷却空気排出空間部548を経て、仕切り130の中心側に集まり、冷却ファンユニット520を介して排出口140から排出される。
【0053】
このように、第1収容空間110と第2収容空間120とは、仕切り130によって分離されて相互に熱が反対側に及ばない状況であるため、第1収容空間110に収容された第1電池ユニット210で発生した熱により温度が上昇した空気は、第2電池ユニット220にのみ到達する。一方、第2収容空間120に収容された第3電池ユニット310で発生した熱により温度が上昇した空気は、第4電池ユニット320のみに到達する。その後、第1、第2、第3及び第4電池ユニット210、220、310、320により温度が上昇した空気は、冷却ファンユニット520を介して排出口140に集まって直接排出される。
【0054】
これにより、空気の流れが、第1電池ユニット210から第2電池ユニット220そして冷却ファンユニット520の順、一方、第3電池ユニット310から第4電池ユニット320そして冷却ファンユニット520の順と、電池ユニット2つ分の空気流路が並列に構成される。最下流の第2電池ユニット220及び第4電池ユニット320は、それぞれ、上流の第1電池ユニット210及び第3電池ユニット310である1つの電池ユニットの熱の影響を受けるのみである。このため、最下流の第2電池ユニット220及び第4電池ユニット320は、熱が暴走せず円滑な機能を維持することが可能である。
【0055】
一方、図9(B)の比較例(特許文献1の図3に相当)において、ケース100Aは、仕切り130Aと、仕切り130により分けられた吸入口112Aを有する第1収容空間110A及び排出口140Aを有する第2収容空間120Aとが形成される構成である。第1収容空間110A及び第2収容空間120Aは、仕切り130Aに設けられたファン528Aを介して連通する。吸入口112A及び排出口140Aはケース100Aの同じ面に設けられる。ファン528Aは吸入口112A及び排出口140Aから離れた位置に設けられる。
【0056】
ケース100Aの第1収容空間110Aにおいて、第1電池ユニット210Aが吸入口112Aに隣接して配置され、第2電池ユニット220Aが第1電池ユニット210Aに隣接して配置され且つファン528Aに隣接して配置される。一方、ケース100Aの第2収容空間120Aにおいて、第3電池ユニット310Aがファン528Aに隣接して配置され、第4電池ユニット320Aがファン528Aに隣接して配置され且つ排出口140Aに隣接して配置される。
【0057】
ファン528Aの回転で吸入口112Aに流入した空気は、第1電池ユニット210A、第2電池ユニット220A、ファン528A、第3電池ユニット310A、第4電池ユニット320Aの順に直列に(一筆書きで)到達する。その後、第1、第2、第3及び第4電池ユニット210A、220A、310A、320Aにより温度が上昇した空気は、排出口140Aを介して排出される。このため、第2収容空間120A内の第3電池ユニット310A及び第4電池ユニット320A、特に、最下流の第4電池ユニット320Aは熱が貯まり過ぎて急激な性能劣化が起こるおそれがある。
【0058】
これに対して、図8に示す様に、本発明の一実施形態による空気亜鉛電池パック1の温度と使用時間は、比較例の空気亜鉛電池の温度と使用時間と異なり、空気亜鉛電気の過熱を効果的に防止して使用効率を最大化できる。
【0059】
したがって、本発明の一実施形態に係る空気亜鉛電池パック1は、第1、第2、第3及び第4電池ユニット210、220、310、320をケース100に配置して冷却するにあたって、2つの吸入口(第1吸入口112、第2吸入口122)を形成し、共通の1つの排出口140を形成する。第1電池ユニット210及び第3電池ユニット310をそれぞれ通過した空気が、第2電池ユニット220及び第4電池ユニット320を通過しながら効率よく外部に排出されて、第1、第2、第3及び第4電池ユニット210、220、310、320内に組み立てられる各電池セル212、222、312、322間の空気流を円滑に構成することにより、冷却効果を最大化し、出力低下を防ぐことができる。
【0060】
本発明の一実施形態に係る空気亜鉛電池パック1のケース100は、第1収容空間110及び第2収容空間120の2つの並列的な領域に分けた状態で、第1吸入口112を介して第1収容空間110に吸入された空気と、第2吸入口122を介して第2収容空間120に吸入された空気とを、1つの冷却ファンユニット520を用いて冷却しながら、排出口140を介して一度に排出させる。これにより、比較例の4つの電池ユニットを直列的に通過しながら蓄積された熱による過熱の発生に比べて、本実施形態によれば、ケース100内を2つの並列的な空気移動領域に分離した状態で、2つの並列的な空気移動領域(第1収容空間110及び第2収容空間120)からの空気を排出口140を介して一度に排出して過熱防止効果を最大化できる。
【0061】
なお、仮に、第1収容空間110及び第2収容空間120に対してそれぞれ独立した排出口140を設けると仮定すると、2個の排出口140に対してそれぞれ冷却ファンユニット520を設ける必要がある。この場合、冷却ファンユニット520が2個ある分、重量が増加し、2個の冷却ファンユニット520に電力を供給するため第1収容空間電池部200及び第2収容空間電池部300の電力をより多く使用することになる。これに対して、本実施形態によれば、第1収容空間110及び第2収容空間120が1個の排出口140及び冷却ファンユニット520を共用するため、重量や使用電力の増加を抑えつつ、効率的に、第1収容空間電池部200及び第2収容空間電池部300を並列的に別々に分離冷却することが出来る。
【0062】
本発明の一実施形態に係る空気亜鉛電池パック1によれば、比較例と異なり、高出力の負荷使用時第1電池ユニットの熱が第2電池ユニットに蓄積され、第2電池ユニットの熱が第3電池ユニットに蓄積され、第3電池ユニットの熱が第4電池ユニットに蓄積されることにより後段に進むにつれて累積的に温度が上昇するおそれが低い。このため、本発明の一実施形態に係る空気亜鉛電池パック1によれば、徐々に冷却効率が低下しつつ電池セル内部の酸化反応温度が過度に上昇し、電池セルの過熱による出力が低下するおそれが低い。また、電池セルの過熱時に内部に充填されている強アルカリ性電解質が漏出するため、電池パックに内蔵されている電子部品の腐食及び外部に流れ出て他部品にも影響を及ぼすおそれが低い。
【0063】
図面を参照して本発明の一実施形態を説明したが、これは例示的なものに過ぎず、当該技術が属する分野で通常の知識を有する者であればこれから様々な変形及び均等な他の実施形態が可能である。したがって、本発明の技術的範囲は、以下の特許請求の範囲によって定められるべきである。
【符号の説明】
【0064】
1;空気亜鉛電池パック
100;ケース
110;第1収容空間
112;第1吸入口
120;第2収容空間
122;第2吸入口
130;仕切り
140;排出口
200;第1収容空間電池部
210;第1電池ユニット
220;第2電池ユニット
300;第2収容空間電池部
310;第3電池ユニット
320;第4電池ユニット
350;スぺーサ
360;空気移動孔
400;フィルタ部
410;収納部
412;ガイドスロット
414;サポータ
420;フィルタ部材
422;支持枠
424;フィルタ網
500;過熱防止空気排出部
510;設置溝部
520;冷却ファンユニット
521;通気孔
522;フレーム部材
524;連結ブラケット
526;駆動部材
528;複数の送風翼
530;遮断部材
540;間隙維持部
542;サポート部材
544;貫通孔
546;サポート部材
548;冷却空気排出空間部
550;冷却空気ガイドホーム部
【要約】
【課題】冷却効果を最大化し、出力低下を防止できる空気亜鉛電池パックを提供する。
【解決手段】空気亜鉛電池パックの発明が開示される。開示された空気亜鉛電池パックは、第1吸入口を有する第1収容空間と第2吸入口を有する第2収容空間とを仕切りに分け、第1、第2吸入口の反対側の中心部に排出口が形成されるケースと、ケースの第1収容空間に複数設けられ、複数の電池セルが積層され電気的に直列に接続される第1収容空間電池部と、ケースの第2収容空間に複数設けられ、複数の電池セルが積層及び接続される。なる第2収容空間電池部と、ケースの排出口140側に設けられ、第1吸入口を介して第1収容空間電池部を通過した空気と、第2吸入口を介して第2収容空間電池部を経た空気とを共に排出し、過熱を防止するために、第1、第2収容空間電池部によって駆動される過熱防止空気排出部と、を含む。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9