(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-27
(45)【発行日】2023-03-07
(54)【発明の名称】折り畳みベッド
(51)【国際特許分類】
A47C 19/12 20060101AFI20230228BHJP
A47C 17/84 20060101ALI20230228BHJP
A47C 19/04 20060101ALI20230228BHJP
【FI】
A47C19/12 Z
A47C17/84
A47C19/04 Z
(21)【出願番号】P 2022037564
(22)【出願日】2022-02-21
【審査請求日】2022-06-03
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522095481
【氏名又は名称】瀬谷 芽斗
(73)【特許権者】
【識別番号】522095492
【氏名又は名称】早川 朋来
(72)【発明者】
【氏名】瀬谷 芽斗
(72)【発明者】
【氏名】早川 朋来
【審査官】杉▲崎▼ 覚
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-070041(JP,A)
【文献】国際公開第2018/132021(WO,A1)
【文献】実公昭14-000966(JP,Y1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47C 19/12
A47C 17/84
A47C 19/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれ支柱とされる一対のメーンフレームと、
一対のメーンフレーム間を繋ぐと共に伸縮可能なサブフレームと、
一対のメーンフレームの上部に一端がそれぞれ繋がれた伸縮可能な複数の伸縮紐状の吊り下げ用ケーブルと、
相互に連結用ケーブルで繋がれて一対のメーンフレーム間に並べて配置されると共に、吊り下げ用ケーブルの他端がそれぞれ繋がれた複数の簾状床材と、
を有する折り畳みベッド。
【請求項2】
簾状床材とメーンフレームとの間を繋ぐ吊り下げ用ケーブル及び一対のメーンフレーム間にて複数の簾状床材を繋ぐ連結用ケーブルを取り外すと共に、複数の簾状床材を折り畳み、
サブフレームを縮小して狭くされた一対のメーンフレーム間のスペースに折り畳まれた複数の簾状床材を収納して省スペース化を図った請求項1記載の折り畳みベッド。
【請求項3】
吊り下げ用ケーブル及び連結用ケーブルのメーンフレームへの接続をカラビナ状の部品を用い
る、請求項1または2記載の折り畳みベッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、伸縮収納ベッドおよび室内用ハンモックに適用可能な折り畳みベッドに関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1および2はベッドの非使用時の収納性を改善することを目的とし、ベッド長手方向の長さを段階的、あるいは連続的に調整することで問題を解決しようとするものである。一方でこれらの発明は収納性に重きを置くばかりに使用後の通気性を犠牲としている。また使用するマットレスも一般的なものと比較して薄いものを使用しなければならず、固定式のベッドと同等の寝心地を提供することは出来ない。これらの発明はあくまでも来客等の非常時にベッドとしての機能を果たそうとするものであると考えられる。
【0003】
特許文献3は吊りベッドに関する発明であり、ハンモックのように吊り下げ式にすることで不使用時のベッドの占有スペースを小さくすることを目的とする。しかしながらこの発明は車内での使用を目的とし、作りつけのレールを必要とすることから一般家庭、ひいては賃貸物件での使用に向かない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2019-72089公報
【文献】登実3145686公報
【文献】特開2020-078430公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述の特許文献1および2の技術は、一般的な伸縮収納ベッドはその収納性に重きを置いたもので、寝心地や使用後の脱湿性についてあまり考慮されていない。毎日使用するとなると、マットレスにカビが生える等の問題が出る可能性があり衛生的でない。
【0006】
前述の特許文献3の技術は、収納が容易でベッドに類するものとして屋内用ハンモックが挙げられるが、柔らかな寝心地を提供でき、脱湿性に優れるなどの利点が挙げられるものの、床面が放物線状に湾曲することから毎日の使用で腰等を痛める可能性があること、長手方向に本体が回転し、安定しないために寝返りを打ちづらい、大型のものになると住居に直接金具を取り付ける必要があるなどの欠点から、やはりベッドの代わりとするには不十分である。
【0007】
本発明はアパート等のスペースが限られ金具等を住居に直接固定できないといった場合を想定し、伸縮ベッドやハンモックなどの収納性をそのままに、一般的なベッドと同等の安定性や寝心地を持たせ、かつ一般的なベッド以上の通気性を持たせた折り畳みベッドを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明はそれぞれ支柱とされる一対のメーンフレームと、一対のメーンフレーム間を繋ぐと共に伸縮可能なサブフレームと、一対のメーンフレームの上部に一端がそれぞれ繋がれた伸縮可能な複数の伸縮紐状の吊り下げ用ケーブルと、相互に連結用ケーブルで繋がれて一対のメーンフレーム間に並べて配置されると共に、吊り下げ用ケーブルの他端がそれぞれ繋がれた複数の簾状床材を有し、簾状床材を、簾状床材とメーンフレームを繋ぐケーブルとメーンフレーム間を繋ぐケーブルをともに取り外し、それらを任意の形状に自在に収納することで、縮小されたメーンフレーム間のスペースに収納し、省スペース化を可能とし、ケーブルの接続をカラビナ等の簡単な部品で構成することで強度を保ちつつ、ケーブル破断時に市販の一定の強度を有する紐を用いることでケーブルの代用とすることができる構造を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、一般的なベッドと同等の安定性や寝心地を有し、伸縮収納ベッドと比べ高い脱湿性を有し、設置に金具を有さないことからアパート等において屋内用ハンモックとしても使用可能な、折り畳みベッドを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一実施例の折り畳みベッドの構造を示す斜視図である。
【
図2】本発明の一実施例に適用される簾状床材の斜視図である。
【
図3】本発明の一実施例に適応される簾状床材の内部構造の断面図である。
【
図4】本発明の一実施例の簾状床材を収納した際の構造を示す斜視図である。
【
図5】本発明の一実施例に適用される簾状床材を折りたたみ、折り畳みベッドを収納した際の構造を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下添付図面を参照して本発明の一実施形態に係る伸折り畳みベッド12を説明する。ただし、以下の実施形態はあくまで一例であり、本発明の折り畳みベッド12は、以下の実施形態に限定されることはない。
【0012】
本実施形態の折り畳みベッド12は
図1に示されるように、それぞれ支柱とされる一対のメーンフレーム1間を伸縮可能なサブフレーム2で繋ぎつつ接合し、更に、一対のメーンフレーム1の中程に端部がそれぞれ繋がれた伸縮可能な複数の伸縮紐状の床材連結用ケーブル4により相互に繋がれて一対のメーンフレーム1間に並べて配置されると共に、床材吊り下げケーブル5の他端がそれぞれ繋がれた複数の簾状床材3を有している。
各簾状床材3は、一対のメーンフレーム1の上部に設置された
図5に示す上部ケーブル取付金具6に床材吊り下げケーブル5を用いて上部から吊るすことによって、この簾状床材3が上部からの荷重を受けた際に地面に対し水平を保てる。そして、床材連結用ケーブル4を取り外し、サブフレーム2を伸縮させることによって折り畳みベッド12の長手方向の大きさを自在に調整できるように取り付けられている。
【0013】
メーンフレーム1は
図1に示すように長方形の枠状かつ木製で、折り畳みベッド12一台につき2つ使用し、人間一人の体重を支えるに十分耐えうる強度を有しており、床材連結用ケーブル4を取り付けるための下部ロープ取付金具7と、床材吊り下げ用ケーブル5を取り付けるための上部ケーブル取付金具6と、サブフレーム2との結合部分を設けている。従来のハンモックよりも支持材との接地点を増やすことで安定性向上を可能とする。
【0014】
サブフレーム2は両端にメーンフレーム1と自由度を持たせずに固定できる結合部を持ち、両側のメーンフレーム1から受ける曲げモーメントに充分耐え、変形しないだけの強度を有する。三段のシリンダー形状とすることで自在に長さの調節ができるようになっている。またこれを最大長さまで引き延ばした際には長さを固定できるロック機構を備えており、折り畳みベッドの使用時に自然とサブフレーム2の長さが変化することのないようになっている。
【0015】
簾状床材3は左右対称の構造を有し、複数連結することによってベッド床面としての機能を果たすものであり、底面および
図2に示す床材連結ケーブル用穴9の周囲および吊り下げ用櫓8、床材吊り下げ用穴10の周囲は硬質ゴムでできており、吊り下げおよび長手方向へのたわみに対して充分耐える強度を持つ。また上部は使用者の寝心地と通気性を担保すべくEVA素材でできている。また全体をファブリック素材で覆うことによって部品の質感を向上させ、洗濯機による洗浄を可能とし、高い脱湿性や防臭を可能とする。
図3に示すように、吊り下げ用櫓8の下部には別の簾状床材3に設置された吊り下げ用櫓8を収納可能な櫓収納穴11があり、
図4に示すように簾状床材3を連結することが可能となる。また、簾状床材3とメーンフレーム1との間を繋ぐ床材吊り下げ用ケーブル5及び一対のメーンフレーム1間にて複数の簾状床材3を繋ぐ床材連結用ケーブル4を取り外すことで収納と省スペース化を可能とする。
【0016】
床材連結用ケーブル4はサブフレーム2が伸び切り、図示しないロック機構が作動した状態で、メーンフレーム1の間でピンと伸び切った状態になるよう長さを調整されている。またこのケーブルも使用者の体重と簾状床材3その他の部品の重量を支えるのに十分な強度を持ち、かつ使用者の寝心地を担保するべく若干の伸縮性を有する。
【0017】
床材吊り下げ用ケーブル5は最寄りのメーンフレーム1上の上部ケーブル取付金具6と簾状床材3にある床材連結ケーブル用穴9をつなぎ留め、簾状床面3を上部から吊り下げる。また中心に位置する簾状床面3については左右2つのメーンフレーム1両方から吊り下げるものとする。
【0018】
上部ケーブル取付金具6と下部ケーブル取付金具7は金属製かつ半円状で、上部ケーブル取付金具6はメーンフレーム1上部に左右一対で設置され、下部ケーブル取付金具7は上部ケーブル取付金具6よりも下に左右一対で設置される。これにより、床材吊り下げ用ケーブル5、床材連結用ケーブル4を図示しないカラビナでそれぞれまっすぐに支持し、簾状床面3が就寝可能な状態となる。
【0019】
折り畳みベッド12は
図5に示すようにメーンフレーム1から床材連結用ケーブル4と床材吊り下げ用ケーブル5、簾状床材3を取り外し、サブフレーム2を縮めることで収納を可能とし、居室の行動範囲拡大を可能とする。このとき、簾状床材3は櫓収納穴11に吊り下げ用櫓8を挿入することで収納したメーンフレーム1間に収納することが可能となる構造を持つ。この際、床材連結用ケーブル4と床材吊り下げ用ケーブル5は
図5に示すように巻き取ることで収納可能だが、これはあくまで一例で、これに縛られない。
【産業上の利用可能性】
【0020】
本発明では一人暮らしや寮生活など、狭いスペースにおいて一時的に行動範囲を拡張するために利用することを目的としている。よってそのような環境でより効果を発揮すると考えている。また、ベッドの安定性とハンモックのような自由度を両立することを目的としているため、一般家庭においても有効に利用することができる。
【符号の説明】
【0021】
1:メーンフレーム
2:サブフレーム
3:簾状床材
4:床材連結用ケーブル
5:床材吊り下げ用ケーブル
6:上部ケーブル取付金具
7:下部ケーブル取付金具
8:吊り下げ用櫓
9:床材連結ケーブル用穴
10:床材吊り下げ用穴
11:櫓収納穴
12:折り畳みベッド
【要約】
【課題】 本発明は、一般的なベッドのように安定かつ高い寝心地を有し、伸縮収納ベッドよりも高い脱湿性を有すことから、屋内用ハンモックとしても利用可能な折り畳みベッドを提供することを目的とする。
【解決手段】 それぞれ支柱とされる一対のメーンフレーム1と、一対のメーンフレーム1間を繋ぐと共に伸縮可能なサブフレーム2と、一対のメーンフレーム1の上部に一端がそれぞれ繋がれた伸縮可能な複数の伸縮紐状の吊り下げ用ケーブル4と、相互に連結用ケーブル4で繋がれて一対のメーンフレーム1間に並べて配置されると共に、吊り下げ用ケーブルの他端がそれぞれ繋がれた複数の簾状床材3を有する。
【選択図】
図1