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特許7233870シースケーブルの遮蔽ホイルの一部を剥ぎ取る方法およびシースケーブルの遮蔽ホイルの一部をシースケーブルから所定の破断点において剥ぎ取るためのホイル除去装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-27
(45)【発行日】2023-03-07
(54)【発明の名称】シースケーブルの遮蔽ホイルの一部を剥ぎ取る方法およびシースケーブルの遮蔽ホイルの一部をシースケーブルから所定の破断点において剥ぎ取るためのホイル除去装置
(51)【国際特許分類】
   H02G 1/12 20060101AFI20230228BHJP
   B26D 3/00 20060101ALI20230228BHJP
   B26F 3/02 20060101ALI20230228BHJP
【FI】
H02G1/12 065
B26D3/00 603Z
B26F3/02
【請求項の数】 15
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2018155186
(22)【出願日】2018-08-22
(65)【公開番号】P2019041571
(43)【公開日】2019-03-14
【審査請求日】2021-08-20
(31)【優先権主張番号】17187490.2
(32)【優先日】2017-08-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】503231561
【氏名又は名称】コマツクス・ホールデイング・アー・ゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ギュンター・シルバーバウアー
【審査官】辻丸 詔
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/125129(WO,A1)
【文献】特開2001-069629(JP,A)
【文献】特開平08-336219(JP,A)
【文献】特開平03-107317(JP,A)
【文献】特開2016-214062(JP,A)
【文献】特開2006-269390(JP,A)
【文献】特開2000-341819(JP,A)
【文献】特開2008-216477(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02G 1/12
B26D 3/00
B26F 3/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シースケーブル(2)の遮蔽ホイル(4)の一部を除去するための方法であって、以下のステップ:
遮蔽ホイル(4)を備えたシースケーブル(2)を提供するステップであって、遮蔽ホイル(4)は、遮蔽ホイル(4)の円周に沿って通る所定の破断点(5)を含む、提供するステップと;
遮蔽ホイル(4)を備えたシースケーブル(2)の部分的領域を第1の方向に曲げて、遮蔽ホイル(4)が遮蔽ホイル(4)の円周の一部の所定の破断点(5)において裂けるような引き裂き応力を遮蔽ホイル(4)の円周の一部の所定の破断点(5)にかけるステップと;
蔽ホイル(4)の円周全体にわたって引き裂き応力をかけるようにシースケーブル(2)の第1の部分を楕円形のまたは円形の運動で移動させるステップであって、それにより、遮蔽ホイル(4)は、所定の破断点(5)において遮蔽ホイル(4)の円周全体にわたって裂ける、移動させるステップと;
シースケーブル(2)から、シースケーブル(2)から剥ぎ取られた遮蔽ホイル(4)の部分を除去するステップとを含む、方法。
【請求項2】
シースケーブルの第1の部分を移動させるステップが、楕円形または円形の運動で、シースケーブル(2)の円周に沿って遮蔽ホイル(4)の巻き方向(17)とは反対の回転方向に行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
シースケーブル(2)の第1の部分が楕円運動で移動されるステップが行われる前に、遮蔽ホイル(4)が、シースケーブル(2)の長手方向に事前に応力がかけられる、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
シースケーブル(2)がシースケーブル(2)の第1の部分の楕円運動によって曲げられる曲げセクションの長さ、および/またはシースケーブル(2)がシースケーブル(2)の第1の部分の楕円運動によって曲げられる曲げ角度は、シースケーブル(2)の特性に適合される、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
さらに、以下のステップ:
所定の破断点(5)においてシースケーブル(2)から剥ぎ取られた遮蔽ホイル(4)を、シースケーブル(2)から剥ぎ取られた遮蔽ホイル(4)の部分を保持する曲げグリッパ(10)から、加圧空気および/または剥ぎ取られた遮蔽ホイル(4)の吸引によって除去するステップを含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
シースケーブル(2)の第2の部分が、所定の破断点(5)がシースケーブル(2)の第1の部分とシースケーブル(2)の第2の部分との間に位置するように把持される、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
シースケーブル(2)の第1の部分が、ジンバル(8)によって楕円運動で移動される、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
シースケーブル(2)の第1の部分が、ジンバル(8)によって楕円運動で移動され、それにより、ジンバル(8)の回転中心は、遮蔽ホイル(4)の所定の破断点(5)が位置するレベルに位置する、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
さらに、以下のステップ:
遮蔽ホイル(4)の所定の破断点(5)を遮蔽ホイル(4)の円周に沿って遮蔽ホイル(4)内の穿孔された穴またはスリットによって作り出すステップを含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
遮蔽ホイル(4)がシースケーブル(2)の円周に沿って重複する遮蔽ホイル(4)の重複領域(7)において、遮蔽ホイル(4)の外側部分が所定の破断点(5)においてスリット穿孔され、遮蔽ホイル(4)の内側部分が、所定の破断点(5)においてシースケーブルの径方向に穴穿孔される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
シースケーブル(2)の遮蔽ホイル(4)の一部をシースケーブル(2)から所定の破断点(5)において除去するためのホイル除去装置(1)であって:
シースケーブル(2)の第1の部分を把持し、シースケーブル(2)が少なくとも部分的に曲がり状態にあるようにシースケーブル(2)の把持された第1の部分を保持するための曲げグリッパ(10)であって、それにより、遮蔽ホイル(4)が遮蔽ホイル(4)の円周の一部の所定の破断点(5)において裂けるような引き裂き応力が、遮蔽ホイル(4)の円周の一部の所定の破断点(5)に作り出される、曲げグリッパと;
シースケーブル(2)の第1の部分が、楕円形のまたは円形の経路に沿って移動されて、遮蔽ホイル(4)の円周全体にわたって引き裂き応力を作り出すように、曲げグリッパ(10)を回転させるための回転装置であって、それにより、遮蔽ホイル(4)は、所定の破断点(5)において遮蔽ホイル(4)の円周全体にわたって裂ける、回転装置とを備える、ホイル除去装置(1)。
【請求項12】
さらに、
追加のグリッパ(12)であって、所定の破断点(5)が追加のグリッパ(12)と曲げグリッパ(10)との間に位置するように、シースケーブル(2)の第2の部分を把持する、追加のグリッパを備える、請求項11に記載のホイル除去装置(1)。
【請求項13】
さらに、
曲げグリッパ(10)から遮蔽ホイル(4)を取り外すために使用される流体を吹き出すための、曲げグリッパ(10)内の1つまたは複数の吹き出し開口部、
および/または
シースケーブル(2)から剥ぎ取られた遮蔽ホイル(4)を吸引するための吸引装置を備える、請求項11または12に記載のホイル除去装置(1)。
【請求項14】
曲げグリッパ(10)が、破断点(5)から離れる方向に広がる円錐状の凹部を含む、請求項11から13のいずれか一項に記載のホイル除去装置(1)。
【請求項15】
ースケーブルの第1の部分が楕円形または円形の経路に沿って移動されるとき、シースケーブル(2)の第1の部分の回転方向は、シースケーブル(2)の円周に沿う遮蔽ホイル(4)の巻き方向(17)の反対方向である、請求項11から14のいずれか一項に記載のホイル除去装置(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シースケーブルの遮蔽ホイルの一部を剥ぎ取る方法と、シースケーブルの遮蔽ホイルの一部をシースケーブルから所定の破断点において剥ぎ取るためのホイル除去装置とに関する。
【背景技術】
【0002】
交番電場から内部ワイヤを保護するシースケーブルの遮蔽ホイルは、しばしば、清潔に、すなわち、テープフラッグの形成なしに、シースケーブルから剥ぎ取られて除去されなければならない。
【0003】
特許第3469398号公報は、針によってシースケーブルの外側シースを通して遮蔽ホイルを穿孔する装置を記載している。同時に、外側シースは別の位置において剥ぎ取られる。処理された後、外側シースおよび遮蔽ホイルは、残りのシースケーブルから一緒に剥ぎ取られる。このプロセスでは、遮蔽ホイルは、穿孔部において裂ける。この欠点は、特に遮蔽ホイルが、例えば蒸着金属層を有するプラスチックからなる場合、テープフラッグの形成が起こり得ることである。
【0004】
国際公開第2015/125129号パンフレットは、遮蔽ホイルを除去するための方法を記載している。遮蔽ホイルが金属化プラスチックからなるとき、遮蔽ホイルの引張特性のために、せん断破壊またはせん断割れがうまく形成されることは、保証されず、または保証できない。したがって、テープフラッグの形成は安全に排除できない。
【0005】
国際公開第2014/001716号パンフレットは、内側ワイヤまたはラインの絶縁層がレーザビームによって損傷されずに、遮蔽ホイルがレーザビームによって円周全体にわたって剥ぎ取られる装置を開示している。この欠点は、遮蔽ホイルの剥離または除去が非常に長い時間を要することである。
【0006】
別の先行技術は、米国特許第6631554号明細書、米国特許第8302295号明細書、国際公開第2008/084216号パンフレット、欧州特許出願公開第2828030号明細書、米国特許第7947921号明細書、米国特許第6509547号明細書および欧州特許第1641572号明細書から知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特許第3469398号公報
【文献】国際公開第2015/125129号
【文献】国際公開第2014/001716号
【文献】米国特許第6631554号明細書
【文献】米国特許第8302295号明細書
【文献】国際公開第2008/084216号
【文献】欧州特許出願公開第2828030号明細書
【文献】米国特許第7947921号明細書
【文献】米国特許第6509547号明細書
【文献】欧州特許第1641572号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
テープフラッグを形成することなく、遮蔽ホイルが技術的に簡単な方法でそれによってすばやく剥ぎ取られおよび/または除去され得る、シースケーブルの遮蔽ホイルの一部を剥ぎ取る方法、またはシースケーブルの遮蔽ホイルの一部をシースケーブルから所定の破断点において剥ぎ取るためのホイル除去装置が必要となり得る。
【課題を解決するための手段】
【0009】
このような必要性は、独立請求項による、シースケーブルの遮蔽ホイルの一部を剥ぎ取るための方法、またはシースケーブルの遮蔽ホイルの一部をシースケーブルから所定の破断点において剥ぎ取るためのホイル除去装置によって満たされ得る。好ましい実施形態は従属請求項に規定される。
【0010】
本発明の第1の態様によれば、シースケーブルの遮蔽ホイルの一部を除去するための方法が提案され、この方法は、以下のステップ:遮蔽ホイルを備えたシースケーブルを提供するステップであって、遮蔽ホイルは、本質的に遮蔽ホイルの円周に沿って通る所定の破断点を含む、提供するステップと;遮蔽ホイルを備えたシースケーブルのサブエリアを第1の方向に曲げて、遮蔽ホイルが遮蔽ホイルの円周の一部の所定の破断点において裂けるような引き裂き応力を遮蔽ホイルの円周の一部の所定の破断点にかけるステップと;本質的に遮蔽ホイルの円周全体にわたって引き裂き応力をかけるようにシースケーブルの第1の部分を本質的に楕円形の、特に円形の運動で移動させるステップであって、それにより、遮蔽ホイルは、所定の破断点において遮蔽ホイルの円周全体にわたって裂ける、移動させるステップと;シースケーブルから、シースケーブルから剥ぎ取られた遮蔽ホイルの部分を除去するステップとを含む。
【0011】
この1つの利点は、テープフラッグの形成が安全に回避されることである。これは、遮蔽ホイルが専ら所定の破断点に沿って裂けること、および他のどの位置にも引き裂きが形成されないことが確実であることを意味する。さらに、この方法は、楕円運動が非常にすばやく実施され得るので、すばやく実行され得る。さらに、この方法は、技術的な観点から特に簡単なものである。
【0012】
本発明の第2の態様によれば、シースケーブルの遮蔽ホイルの一部をシースケーブルから所定の破断点において除去するためのホイル除去装置が提案されており、この除去装置は以下:-シースケーブルの第1の部分を把持し、シースケーブルが少なくとも部分的に曲がり状態にあるようにシースケーブルの把持された第1の部分を保持するための曲げグリッパであって、それにより、遮蔽ホイルが遮蔽ホイルの円周の一部の所定の破断点において裂けるような引き裂き応力が、遮蔽ホイルの円周の一部の所定の破断点にかけられる、曲げグリッパと;シースケーブルの第1の部分が楕円形、特に円形の経路に沿って移動されて、本質的に遮蔽ホイルの円周全体にわたって引き裂き応力を作り出すように、曲げグリッパを回動させるための回動装置であって、それにより、遮蔽ホイルは、所定の破断点において遮蔽ホイルの円周全体にわたって裂ける、回動装置とを備える。
【0013】
ここで有利なことは、遮蔽ホイルがホイル除去装置によってシースケーブルから剥ぎ取られたとき、テープフラッグの形成が安全に回避されることである。これは、遮蔽ホイルが専ら所定の破断点に沿って裂けること、および他のどの位置にも引き裂きが形成されないことが確実であることを意味する。さらに、ホイル除去装置は、遮蔽ホイルをシースケーブルから非常にすばやく剥ぎ取るおよび/または除去することを可能にする。ホイル除去装置はまた、特に費用効率の高い方法で製造され得る。
【0014】
本発明の実施形態の可能な特徴および利点は、とりわけ、本発明を限定することなく、以下に説明する着想および知見に基づいて考えられ得る。
【0015】
1つの実施形態によれば、シースケーブルの第1の部分は、楕円形、特に円形の運動で、シースケーブルの円周に沿って遮蔽ホイルの巻き方向とは反対の回転方向に移動される。この1つの利点は、特に、遮蔽ホイルの内側部分が、遮蔽ホイルの外側部分よりも、重複領域において不十分な穿孔を有するとき、所定の破断点における引き裂きが、遮蔽ホイルの内側部分に確実に伝達されることである。その結果、遮蔽ホイルの重複領域においても、テープフラッグの形成がさらにより確実に防止される。
【0016】
1つの実施形態によれば、シースケーブルの第1の部分が楕円運動で移動されるステップが行われる前に、遮蔽ホイルは、シースケーブルの長手方向に事前に応力がかけられる。これにより、遮蔽ホイルが所定の破断点に沿って裂けることがさらにより確実に保証される。さらに、シースケーブルが曲げられる曲げ角度またはねじりの角度は、低く、または小さくすることができる。その結果、方法は、曲げられることに対して特に敏感な応答を有するシースケーブルに対して、シースケーブルにいかなる意図しない損傷を与えることもなく実施され得る。
【0017】
1つの実施形態によれば、シースケーブルがシースケーブルの第1部分の楕円運動によって曲げられる曲げセクションの長さ、および/またはシースケーブルがシースケーブルの第1の部分の楕円運動によって曲げられる曲げ角度は、金属上にあるシースケーブルの特性に適合される。このようにして、シースケーブルは、遮蔽ホイルの一部が除去されている間に特に注意深く処理される。これは、シースケーブルに対する意図しない損傷を防止する。シースケーブルの特性は、例えば、シースケーブルの曲げ剛性を含むことができる。
【0018】
1つの実施形態によれば、方法はまた、以下のステップ:
所定の破断点においてシースケーブルから剥ぎ取られた遮蔽ホイルを、シースケーブルから剥ぎ取られた遮蔽ホイルの部分を保持する曲げグリッパから、加圧空気および/または剥ぎ取られた遮蔽ホイルの吸引によって除去するステップを含む。ここでの利点は、遮蔽ホイルの剥ぎ取られた部分が、曲げグリッパおよび/またはシースケーブルから技術的に簡単な方法で除去され得ることである。
【0019】
1つの実施形態によれば、シースケーブルの第2の部分は、所定の破断点がシースケーブルの第1の部分とシースケーブルの第2の部分との間に位置するように把持される。このようにして、湾曲されているシースケーブルの長さは、減少することができる。このようにして、シースケーブルは、意図しない損傷からさらにより確実に保護される。さらに、同じ引張応力/引き裂き応力の下で、遮蔽ホイルを所定の破断点においてまたは所定の破断点に沿って引き裂くために必要とされるシースケーブルの角度偏向または曲がりは、低減される。
【0020】
1つの実施形態によれば、シースケーブルの第1の部分は、ジンバルによって楕円運動で移動される。このようにして、シースケーブルの第1の部分は、特に簡単な方法で回動され得る。
【0021】
1つの実施形態によれば、シースケーブルの第1の部分は、ジンバルによって楕円運動で移動され、それにより、ジンバルの回転中心は、遮蔽ホイルの所定の破断点が位置するレベルに位置する。このようにして、シースケーブルは、所定の破断点上で、特に確実な方法で裂けることができ、それと同時に、楕円形に移動されるシースケーブルの部分は、できるだけ小さく移動される。その結果、シースケーブルは、特に確実な方法で無向性の損傷から保護される。
【0022】
1つの実施形態によれば、方法はまた、以下のステップ:遮蔽ホイルの所定の破断点を遮蔽ホイルの円周に沿って遮蔽ホイル内の穿孔された穴またはスリットによって作り出すステップも含む。この1つの利点は、所定の破断点が技術的に簡単かつ特に高速で作り出されることである。
【0023】
1つの実施形態によれば、遮蔽ホイルの外側部分は、遮蔽ホイルがシースケーブルの円周に沿って重複して配置された遮蔽ホイルの重複領域において、シースケーブルの径方向にスリット穿孔され、遮蔽ホイルの内側部分は、シースケーブルの径方向に所定の破断点において穴穿孔される。この利点は、所定の破断点が技術的に簡単な方法で作り出され、所定の破断点がテープフラッグの形成なしに特に確実な方法で裂けることである。
【0024】
1つの実施形態によれば、ホイル除去装置は、さらに、追加のグリッパであって、所定の破断点が追加のグリッパと曲げグリッパとの間に位置するように、シースケーブルの第2の部分を把持する、追加のグリッパを備える。このようにして、湾曲されているシースケーブルの長さは、減少することができる。このようにして、シースケーブルは、意図しない損傷からさらにより確実に保護される。さらに、同じ引張応力/引き裂き応力の下で、遮蔽ホイルを所定の破断点においてまたは所定の破断点に沿って裂くために必要とされるシースケーブルの角度偏向は、低減され得る。
【0025】
1つの実施形態によれば、ホイル除去装置は、さらに、遮蔽ホイルを曲げグリッパから取り外すために使用される流体を吹き出すための、曲げグリッパ内の1つまたは複数の吹き出し開口部、および/またはシースケーブルから剥ぎ取られた遮蔽ホイルを吸引するための吸引装置を備える。これについて有利なことは、遮蔽ホイルの剥ぎ取られた部分が、技術的に容易に曲げグリッパから取り外され、および/またはシースケーブルから除去され得ることである。
【0026】
ホイル除去装置の1つの実施形態によれば、曲げグリッパは、破断点から離れる方向に広がる円錐状の凹部、特に、約4°以下の凹部の開口角を有する円錐状の凹部を含む。これが提供する1つの利点は、曲げグリッパが、シースケーブルまたはシースケーブルの先端部を特に安全な方法で保持できることである。
【0027】
1つの実施形態によれば、第1の部分の回転方向が、シースケーブルの第1の部分が楕円形、特に円形の経路に沿って移動されるときに、シースケーブルの円周に沿って遮蔽ホイルの巻き方向に適合され得るように、回転装置が形成される。ここで有利なことは、特に、遮蔽ホイルの内側部分が、遮蔽ホイルの外側部分よりも、重複領域において不十分な穿孔を有するとき、所定の破断点における引き裂きが、遮蔽ホイルの内側部分に確実に伝達され得ることである。その結果、遮蔽ホイルの重複領域においても、テープフラッグの形成がさらにより確実に防止される。
【0028】
楕円運動は、楕円形に近似するだけの運動であってもよい。特に、楕円運動は、2つの焦点を持たない運動とすることができ、それにより、運動の経路に沿った運動の経過は常に一定であり、すなわち急激なジャンプを生じさせない。楕円運動はまた、一種の旋回運動とすることもできる。
【0029】
本発明の可能な特徴および利点のいくつかは、異なる実施形態を参照して本明細書に説明されることに留意されたい。当業者であれば、本発明の他の実施形態をもたらすために、適宜、特徴が組み合わせられ、適合され、または交換され得ることを認識する。
【0030】
本発明の実施形態が、添付の図を参照して以下に説明されるが、図または説明は本発明を限定するものとして解釈されることは意図されない。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】本発明によるホイル除去装置の第1の実施形態の斜視図である。
図2】所定の破断点を含む遮蔽ホイルを備えたシースケーブルの詳細図である。
図3a】別のシースケーブルの断面図である。
図3b図2からのシースケーブルの断面図である。
図4図1からのホイル除去装置の断面図である。
図5a】曲げられる前の、図2からのシースケーブルの側面図である。
図5b】シースケーブルが曲げられる間、かつ遮蔽ホイルが所定の破断点において裂ける前の図5aからのシースケーブルの側面図である。
図5c】シースケーブルが曲げられる間かつ遮蔽ホイルが遮蔽ホイルの円周の一部にわたって裂けた後の図5aまたは図5bからのシースケーブルの側面図である。
図6a】曲げグリッパがシースケーブルを有さずにホームポジションにある、図1からのホイル除去装置を示す図である。
図6b】曲げグリッパがホーム位置から回転された後の、図6aからのホイル除去装置を示す図である。
図6c】曲げグリッパが回動された後の、それぞれ図6aまたは図6bからのホイル除去装置を示す図である。
図6d】曲げグリッパが再び回動された後の、それぞれ図6aまたは図6bまたは図6cからのホイル除去装置を示す図である。
図6e】曲げグリッパが再び回動された後の、それぞれ図6aまたは図6bまたは図6cまたは図6dのホイル除去装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
図は概略的なものであり、縮尺通りではない。同様の参照符号は、異なる図面において同様のまたは類似の特徴を指す。
【0033】
図1は、本発明によるホイル除去装置1の第1の実施形態の斜視図を示す。図2は、所定の破断点5を含む遮蔽ホイル4を備えたシースケーブル2の詳細図を示す。図3aは、別のシースケーブル2の断面図を示す。図3bは、図2からのシースケーブル2の断面図を示す。図4は、図1からのホイル除去装置1の断面図を示す。
【0034】
ホイル除去装置1は、シースケーブル2の遮蔽ホイル4の一部を除去するように構成される。この目的のために、遮蔽ホイル4の部分は、残りのシースケーブル2、またはシースケーブル2に連結された、もしくは連結されたままの遮蔽ホイル4の残りの部分から剥ぎ取られる。遮蔽ホイル4は、遮蔽ホイル4の内部を通るシースケーブル2の導体内および/または導体からの電磁線から保護するために金属を含む。遮蔽ホイル4は、基本的に、シースケーブル2の導体を包囲するか、または取り囲む。遮蔽ホイル4は非常に薄い。遮蔽ホイルは、特に、蒸発金属層を有するプラスチックを含むか、または蒸着金属層を有するプラスチックからなることができる。
【0035】
所定の破断点5が、遮蔽ホイル4の円周に沿って主に通る1つの場所および/または1つの領域に形成される。所定の破断点5は、例えば、スリット穿孔および/または穴穿孔6を有することができる。所定の破断点5は、レーザビームによっておよび/または機械的切削工具によって形成され得る。遮蔽ホイル4の円周方向は、投影面における図3aまたは図3b内の4つの導体の周りを通っている。
【0036】
図2に示されるように、遮蔽ホイル4の外側に径方向に配置されたシースケーブル2の外側絶縁体または層は、部分的に除去されている。
【0037】
ホイル除去装置1は、シースケーブル2を把持して保持するための曲げグリッパ10を備える。曲げグリッパ10は、4つのグリッパジョーを含む。グリッパジョーは、図4では左から右に通っているシースケーブル2の長手方向に垂直に、互いに向かって移動されて、シースケーブル2を把持することができる。グリッパジョーは、シースケーブル2の長手方向に垂直に互いから離れるように移動されて、シースケーブル2を解放することができる。
【0038】
曲げグリッパ10は、シースケーブル2から剥ぎ取られる対象の遮蔽ホイル4の部分を把持し、および/または保持する。
【0039】
グリッパジョーは、図4の左から右に通る方向の円錐状凹部に対応する把持面11を含むことができる。円錐状凹部の切頭円錐の角度は、約4°以下、例えば約2°または約3°とすることができる。曲げグリッパ10の把持面11は、粗面を有することができる。グリッパジョーは、同一または類似の形態を有することができる。
【0040】
曲げグリッパ10は、ジンバル8によって取り付けられる。ジンバル8の軸9は、図4では上部から底部に通っている。軸9に垂直なジンバルのさらなる軸9’は、図4の投影面を離れるものである。ジンバル8の2つの軸9,9’の接点は、遮蔽ホイル4の所定の破断点5が構成されている位置である。言い換えれば、シースケーブル2は、ホイル除去装置1において、曲げグリッパ10のジンバル8の回転中心が、所定の破断点5が位置する平面上にあるように、または所定の破断点5によって伸張されるように配置される。
【0041】
曲げグリッパ10またはグリッパジョーは、(シースケーブル2の長手方向に沿って)所定の破断点5から約1mm未満の距離(最小)を有することができる。
【0042】
曲げグリッパ10は、別のジンバル8および/またはボールジョイントによってエクステンダ装置13に連結される。エクステンダ作動装置14が、エクステンダ装置13の部材を移動させることができ、それにより、曲げグリッパ10は、例えばシースケーブル2を保持および/または把持している間、軸9’の周りを回転し(傾斜し)、シースケーブル2は、したがって曲げられる。
【0043】
ホイル除去装置1は、任意選択により、シースケーブル2の1つの部分を把持し、および/または保持する追加のグリッパ12を備えることができる。追加のグリッパ12は、曲げグリッパ10によって把持されたシースケーブル2の第1の部分と、追加のグリッパ12によって把持されたシースケーブル2の第2の部分との間に所定の破断点5が配置され得るような距離を曲げグリッパ10から離して配置される。追加のグリッパ12により、シースケーブル2のそれぞれの小さいセクションの小さな部分は、曲げグリッパ10によって曲げられ得る。シースケーブル2の第1の部分は、シースケーブル先端部3またはシースケーブル先端部3の一部とすることができる。シースケーブル2の第1の部分は、シースケーブル先端部3のすぐ隣にあり、曲げグリッパ10から反対に向くシースケーブル2の一部をさらに含むことができる。
【0044】
図5aは、曲げられる前の図2からのシースケーブルの側面図を示している。図5bは、シースケーブルが曲げられる間、かつ遮蔽ホイルが所定の破断点5で裂ける前の図5aからのシースケーブルの側面図を示している。図5cは、シースケーブルが曲げられる間かつ遮蔽ホイルが遮蔽ホイル4の円周の一部にわたって裂けた後の図5aまたは図5bからのシースケーブル2の側面図を示す。
【0045】
所定の破断点5は、主に円周方向に沿って(図5aにおいては、投影面内にまたは投影面から外に)延びる領域である。所定の破断点5において、遮蔽ホイル4は、別の方法で穿孔されるか、または脆弱化される。シースケーブル2または遮蔽ホイル4は、遮蔽ホイル4の第1の部分内で曲げグリッパ10によって把持され、図5aでは左から右に通るシースケーブル2の長手方向に少なくとも部分的に垂直な方向に移動され、それによって曲げられる。シースケーブル2の一部は、したがって、シースケーブル2の部分領域の一部が、図5aでは左から右に通る方向に垂直に移動されるという点で曲げられる。図5bは、シースケーブルが曲げられており、かつ遮蔽ホイル4が所定の破断点5において裂ける前の図5bからのシースケーブルの状況を示す。
【0046】
また、シースケーブル2は、曲げグリッパ10によって(手動で)曲げられ、続いて把持され、および/または曲げられた形態で保持されることも考えられる。これにより、シースケーブル2は、傾斜していない状態で把持されずに曲げられるが、曲げグリッパ10は、例えば、シースケーブル2の第1の部分がその後それに沿って移動される楕円経路上にすでに見出されている。シースケーブル2の第1の部分は、それに応じて手動で移動され、次いで曲げグリッパ10によって保持される。
【0047】
シースケーブル2は、遮蔽ホイル4の円周の一部に引き裂き16が生じるまでさらに曲げられる。これは図5cに示される。次に、シースケーブル2は、これまでの方向にはさらに曲げられず、すなわち、曲げ角度はそれ以上増加しない。
【0048】
次いで、曲げグリッパ10によって把持されたシースケーブル2の第1の部分、および曲げグリッパ10からよりも所定の破断点5からより離れた位置にあるシースケーブル2の部分が、楕円運動で移動される。言い換えれば、曲げグリッパ10によって把持され保持されたシースケーブル2の第1の部分、および曲げグリッパ10と追加のグリッパ12または搬送スライドとの間に位置するシースケーブル2の領域または部分は、楕円運動で移動される。シースケーブル2または遮蔽ホイル4の部分は、シースケーブル2の残りの部分に関してここではねじられない。
【0049】
楕円運動は円形運動であってよい。シースケーブル2が曲げられる角度は、楕円運動中に変更されてよい。これは、かけられる引張応力が遮蔽ホイル4を所定の破断点5で裂くのに十分であると同時に、シースケーブル2が意図せず損傷されないことを確実にするので、細長いおよび/または非対称の断面を有するシースケーブル2に特に効果的である。
【0050】
曲げグリッパ10によってシースケーブル2の第1の部分を回動させることにより、引き裂き応力または引張応力が遮蔽ホイル4の円周全体にわたって移動する。遮蔽ホイル4は、遮蔽ホイル4またはシースケーブル2の円周全体にわたって徐々に裂ける。
【0051】
曲げグリッパ10は、シースケーブル2から遮蔽ホイル4を剥ぎ取るか、または除去するために使用される。
【0052】
曲げグリッパ10に保持された遮蔽ホイル4の部分が裂かれ、遮蔽ホイルがシースケーブル2から除去された後、曲げグリッパ10は、遮蔽ホイル4の部分を離すことができる。加圧空気により、遮蔽ホイル4は、曲げグリッパ10または曲げグリッパ10の把持面11から取り外され、次いで、吸引ノズル19によって吸引され得る。
【0053】
図6a~図6eは、シースケーブル2が図示されていないか、または図面には見えない、プロセスの流れを示している。図6aは、曲げグリッパ10がシースケーブル2を有さずにホームポジションにある、図1からのホイル除去装置1を示している。シースケーブル2の第1の部分は、残りのシースケーブル2の長手方向を通る長手方向に沿って、曲げグリッパ10のホームポジションに保持される。図6bは、曲げグリッパ10がホーム位置から軸9’によって回転された後の、図6aからのホイル除去装置1を示す。図6cは、曲げグリッパ10の回転または旋回後の、図6aまたは図6bからのホイル除去装置1を示す。図6dは、曲げグリッパ10のさらなる回転または旋回後の、図6aまたは図6bまたは図6cからのホイル除去装置1を示す。図6eは、曲げグリッパ10のさらなる回転または旋回後の、図6aまたは図6bまたは図6cからのホイル除去装置1を示す。
【0054】
曲げグリッパ10のそれぞれの回転または旋回は、モータ15によってエクステンダ装置13の回転または旋回によって実施される。
【0055】
曲げグリッパ10は、図6aに示されるように、最初にホームポジションにある。シースケーブル2の延在方向は、追加のグリッパ12の位置において、所定の破断点5から反対に向く曲げグリッパ10の側と同じである。
【0056】
最初に、所定の破断点5を含む遮蔽ホイル4を備えたシースケーブル2は、所定の破断点5が曲げグリッパ10と追加のグリッパ12との間に配置されるように配置される。追加のグリッパ12がない場合、シースケーブル2の一部は、搬送スライドによって保持される。搬送スライドは、シースケーブル2をホイル除去装置1に向けて搬送し、遮蔽ホイル4の一部の除去後、ホイル除去装置1から離れるように搬送することができる。
【0057】
遮蔽ホイル4の所定の破断点5は、ジンバル8の軸9,9’の接点に配置される。これは、シースケーブル2の中心軸が、図4に示すジンバル8の軸9’と同じ高さで後方から前方に通り、所定の破断点5が、図4では上部から底部に通るジンバル8の軸9と同じ高さで左から右へと図4に配置されるように、シースケーブル2が配置されることを意味する。
【0058】
グリッパジョーは、互いに向かって移動されてシースケーブル2、または遮蔽ホイル4が露出しているシースケーブル2の一部を把持する。
【0059】
次に、曲げグリッパ10とエクステンダ装置13とを接合するボールジョイントは、図6bに示すように、すなわち下方に移動される。これにより、曲げグリッパ10が回転する。このようにして、シースケーブル2の一部が下方に曲げられる。曲げグリッパ10のたわみまたは角度位置は、非常に大きく、そのため、遮蔽ホイル4は、遮蔽ホイル4またはシースケーブル2の円周の一部の所定の破断点5において、シースケーブル2の一部が下方に曲げられることで例えば遮蔽ホイル4の上側に生成される引張応力によって裂ける。
【0060】
曲げグリッパ10は、ジンバル8の回転中心周りで回動される。角度は、例えば約10°から約30°、特に約15°から約25°の間の範囲であってよい。角度は、例えば、約17°から約20°、特に約18°であってよい。
【0061】
続いて、エクステンダ装置13、したがって曲げグリッパ10もまた、モータ15によってジンバル8の回転中心周りで回転される。所定の破断点5におけるシースケーブル2の位置は、本質的に変化しないままである。所定の破断点5のすぐ隣にあり、追加のグリッパ12から反対に向くシースケーブル2の部分は、楕円形の経路上で移動される。
【0062】
図6bから図6eでは、曲げグリッパ10は、追加のグリッパ12から曲げグリッパ10まで通る一方向から見て反時計回りである回転方向に回動される。
【0063】
曲げグリッパ10の回転およびその結果となる、シースケーブル2の部分領域の異なる方向の曲げにより、引張応力は遮蔽ホイル4の円周全体にわたって移動し、それにより、引き裂き16は、曲げグリッパ10によって保持された遮蔽ホイル4の部分が最終的に、(追加のグリッパ12によって保持されている)シースケーブル2から完全に裂かれるまで、所定の破断点5に沿って遮蔽ホイル4の円周にわたって移動する。
【0064】
シースケーブル2は、追加のグリッパ12によって解放され、搬送スライドによって移動される。シースケーブル2は、曲げグリッパが遮蔽ホイル4の剥ぎ取られた部分をしっかりと保持し、これをシースケーブル2から物理的に分離するようにホイル除去装置1によって移動される。
【0065】
次に、曲げグリッパ10は開き、遮蔽ホイル4の剥ぎ取られた部分をもはや保持しない。
【0066】
次に、加圧空気が、グリッパジョーの加圧空気チャネル18、18’から、または曲げグリッパ10の吹き出し開口部から吹き出されることが可能であり、それによってシースケーブル2から剥ぎ取られた遮蔽ホイル4の部分を把持ジョーから取り外し、および/または除去する。
【0067】
次いで、遮蔽ホイル4の剥ぎ取られた部分は、吸引ノズル19および吸引ホース20によって吸引される。
【0068】
次に、ホイル除去装置1は、シースケーブル2の遮蔽ホイル4の一部を除去する準備が整う。
【0069】
曲げグリッパ10は、約360°の回転を実施するようにジンバル8の回転中心周りで回転され得る。遮蔽ホイル4が円周全体にわたって裂けることを確実にするため、曲げグリッパ10が約720°回転されることも考えられる。
【0070】
曲げグリッパ10の回転の方向は、遮蔽ホイル4の巻き方向17に依存し得る。遮蔽ホイル4は、通常、重複領域7を有する。重複領域7において、遮蔽ホイル4は、シースケーブル2の径方向に関する1つの外層と、径方向に関する1つの内層との2つの層を含む。
【0071】
図3aにおいて、遮蔽ホイル4は、反時計回りの巻き方向17を有する。図3bにおいて、遮蔽ホイル4は、時計回りの巻き方向17を有する。
【0072】
曲げグリッパ10の回転方向は、好ましくては、遮蔽ホイル4の巻き方向17とは反対方向であり、それにより、所定の破断点5における引き裂き16は、遮蔽ホイル4の底部に向かって径方向に向けられる。曲げグリッパ10の回転が遮蔽ホイル4の巻き方向17と一致する回転方向を有する場合、好ましくない状況下で第2の引き裂き16が発生することがあり、したがって特に2つの引き裂きが交差するところで、テープフラッグが形成される危険性が著しく増加する。このことは、特に、遮蔽ホイル4の下側部分が、重複領域7における遮蔽ホイル4の上側部分よりも少ないか、または不十分である穿孔6を有する場合に当てはまる。
【0073】
また、重複領域7において、遮蔽ホイルの径方向の外側部分にスリット穿孔が設けられてよく、遮蔽ホイル4の径方向の内側部分に穴穿孔が設けられてよい。スリット穿孔は、重複領域7の長さ全体にわたって遮蔽ホイル4の円周方向に沿って長いスリットを含むことができるか、または長いスリットであってよい。
【0074】
追加のグリッパ12は、プリズムグリッパとして構成され得る。このようにして、追加のグリッパ12は、ケーブルが追加のグリッパ12によって把持され得る範囲をより多く有する。さらに、このようにしてより良い位置決め精度が達成される。
【0075】
曲げグリッパ10がエクステンダ装置13上に配置されていること、すなわちケーブルが手動で曲げられ、曲げグリッパ10内に固定され、次いで曲げグリッパ10が楕円運動、特に円形運動で移動されることも考えられる。
【0076】
シースケーブル2が敏感である場合、特に曲げに敏感である場合、シースケーブル2の部分領域が曲げられる前に、所定の破断点5に引張応力がかけられてよい。このようにして、曲げ角度は低減され得る。
【0077】
最後に、「備える」などの用語は、他の要素またはステップを排除するものではなく、「1つ(a)」または「1つ(one)」などの用語は複数を排除しないことに留意されたい。さらに、上述の実施形態のうちの1つを参照して説明された特徴またはステップは、上述された他の実施形態の他の特徴またはステップと組み合わせて使用されてもよいことにも留意されたい。特許請求の範囲における参照符号は、限定的であるとみなされるべきではない。
【符号の説明】
【0078】
1 ホイル除去装置
2 シースケーブル
3 シースケーブル先端部
4 遮蔽ホイル
5 破断点
6 穿孔
7 重複領域
8 ジンバル
9、9’ ジンバルの軸
10 曲げグリッパ
11 把持面
12 追加のグリッパ
13 エクステンダ装置
14 エクステンダ作動装置
15 モータ
16 引き裂き
17 巻き方向
18、18’ 加圧空気チャネル
19 吸引ノズル
20 吸引ホース
図1
図2
図3a
図3b
図4
図5a
図5b
図5c
図6a
図6b
図6c
図6d
図6e