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特許7233878ロッカー管理装置、ロッカー管理方法及びロッカー装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-27
(45)【発行日】2023-03-07
(54)【発明の名称】ロッカー管理装置、ロッカー管理方法及びロッカー装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/083 20230101AFI20230228BHJP
【FI】
G06Q10/083
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2018196875
(22)【出願日】2018-10-18
(65)【公開番号】P2020064507
(43)【公開日】2020-04-23
【審査請求日】2021-09-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】506226658
【氏名又は名称】株式会社アルファロッカーシステム
(73)【特許権者】
【識別番号】000170598
【氏名又は名称】株式会社アルファ
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【弁理士】
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100124084
【弁理士】
【氏名又は名称】黒岩 久人
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【弁理士】
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】菰岡 真人
(72)【発明者】
【氏名】吉沢 猛
【審査官】山内 裕史
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-081704(JP,A)
【文献】特開2001-236445(JP,A)
【文献】特開2008-123055(JP,A)
【文献】特開2018-135181(JP,A)
【文献】特開2002-163336(JP,A)
【文献】特開2017-215822(JP,A)
【文献】特開2017-105593(JP,A)
【文献】特開2010-229649(JP,A)
【文献】特開2005-240375(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの荷物を格納する第1ロッカーの位置を示す第1位置情報と、施錠された前記第1ロッカーの解錠に用いられる第1解錠情報と、前記荷物を移動する移動先を示す移動先情報とを取得し、前記第1ロッカーに格納された前記荷物を前記移動先に設置された第2ロッカーに移動する期限を示す期限情報を前記ユーザの端末から取得する第1取得部と、
前記第1位置情報と、前記第1解錠情報と、前記移動先情報と、前記期限情報が示す前記期限とを、前記第1ロッカーに格納された前記荷物を移動する事業者に通知する第1通知部と、
前記移動先情報が示す前記移動先に移動された前記荷物を格納する前記第2ロッカーの位置を示す第2位置情報と、施錠された前記第2ロッカーの解錠に用いられる第2解錠情報とを取得する第2取得部と、
前記第2取得部が取得した前記第2位置情報と前記第2解錠情報とを前記ユーザの端末に通知する第2通知部と、
を備え
前記第1取得部は、前記期限までに前記荷物を移動可能か否かを示す回答情報を前記事業者から取得し、
前記第1通知部は、前記第1取得部が取得した回答情報が前記期限までに移動できることを示す場合に、前記荷物の移動指示を前記事業者に通知するロッカー管理装置。
【請求項2】
前記第1取得部が取得した前記移動先に対応する一以上のロッカーの設置場所から、1つの設置場所の選択を受け付ける選択受付部をさらに備え、
前記第1通知部は、前記選択受付部が選択を受け付けた設置場所を前記事業者に通知する、
請求項1に記載のロッカー管理装置。
【請求項3】
前記第1取得部は、前記移動先と異なる移動先を示す変更後移動先情報を含む前記移動先を変更する変更指示を前記端末から取得し、
前記第1通知部は、前記変更後移動先情報を前記事業者に通知する、
請求項1又は2に記載のロッカー管理装置。
【請求項4】
前記第2通知部は、前記荷物が前記第2ロッカーに格納された場合、前記荷物が前記第2ロッカーに格納されたことを示す情報を前記端末に通知する、
請求項1からのいずれか一項に記載のロッカー管理装置。
【請求項5】
前記第2通知部は、前記第2ロッカーを利用できる利用時間を前記端末に通知する、
請求項1からのいずれか一項に記載のロッカー管理装置。
【請求項6】
前記第1取得部は、前記端末の位置を示す位置情報を取得し、
前記第2通知部は、前記第2ロッカーの設置位置と前記位置情報が示す前記端末の位置との距離が閾値以下になると、前記位置情報が示す前記端末の位置から前記第2ロッカーまでの経路を前記端末に通知する、
請求項1からのいずれか一項に記載のロッカー管理装置。
【請求項7】
前記第2取得部は、前記第2ロッカーを解錠可能な第三者を示す第三者識別情報を前記端末から取得し、
前記第2通知部は、前記第2ロッカーの解錠に用いられ、前記第三者が利用可能な第3解錠情報を前記第三者識別情報が示す前記第三者の端末に通知する、
請求項1からのいずれか一項に記載のロッカー管理装置。
【請求項8】
前記第1取得部は、第三者が前記第2ロッカーを解錠することの許可を示す許可情報を前記端末から取得し、
前記第2通知部は、前記第1取得部が前記許可情報を取得すると、前記第2ロッカーの解錠に用いられ、前記第三者が利用可能な第3解錠情報を前記第三者の端末に通知する、
請求項1からのいずれか一項に記載のロッカー管理装置。
【請求項9】
前記第2通知部は、前記第三者により前記第2ロッカーから前記荷物が取り出された場合、前記第三者により前記第2ロッカーから前記荷物が取り出されたことを示す情報を前記端末に通知する、
請求項又はに記載のロッカー管理装置。
【請求項10】
コンピュータが実行する、
ユーザの荷物を格納する第1ロッカーの位置を示す第1位置情報と、施錠された前記第1ロッカーの解錠に用いられる第1解錠情報と、前記荷物を移動する移動先を示す移動先情報とを取得するステップと、
前記第1ロッカーに格納された前記荷物を前記移動先に設置された第2ロッカーに移動する期限を示す期限情報を前記ユーザの端末から取得するステップと、
前記第1位置情報と、前記第1解錠情報と、前記移動先情報と、前記期限情報が示す前記期限とを、前記第1ロッカーに格納された前記荷物を移動する事業者に通知するステップと、
前記期限までに前記荷物を移動可能か否かを示す回答情報を前記事業者から取得するステップと、
取得した回答情報が前記期限までに移動できることを示す場合に、前記荷物の移動指示を前記事業者に通知するステップと、
前記移動先情報が示す前記移動先に移動された前記荷物を格納する第2ロッカーの位置を示す第2位置情報と、施錠された前記第2ロッカーの解錠に用いられる第2解錠情報とを取得するステップと、
取得した前記第2位置情報と前記第2解錠情報とを前記ユーザの端末に通知するステップと、
を備えるロッカー管理方法。
【請求項11】
ユーザの荷物を扉内に格納可能なロッカーと、
前記ロッカーのロッカー扉を施解錠する電気錠と、
前記ユーザによる操作を受け付ける操作部と、
前記操作部より施錠指示が入力されると、前記電気錠を制御して前記ロッカー扉を施錠する施錠制御部と、
前記ロッカー扉が施錠されたら、施錠された前記ロッカー扉を解錠するための解錠情報を出力する状態制御部と、
前記ロッカーに格納された荷物を移動させる処理を開始する指示が前記操作部に入力された後に、前記操作部に入力された前記荷物を移動する移動先を示す移動先情報と、前記移動先において荷物を受け取るユーザの連絡先とを取得する第1取得部と、
前記施錠指示で示されるロッカーの位置を示す位置情報と、当該ロッカーの解錠に用いられる解錠情報と、前記移動先情報と、前記連絡先とを前記荷物を移動する事業者に通知する第1通知部と、
前記操作部が荷物の移動の完了を示す移動完了情報と、移動が完了した当該荷物を受け取るユーザの連絡先との入力を受け付けると、前記移動完了情報で示されるロッカーの位置を示す位置情報と、施錠された前記ロッカーの解錠に用いられる解錠情報とを、前記操作部が受け付けた前記連絡先に通知する第2通知部とを、
有するロッカー装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロッカー管理装置、ロッカー管理方法及びロッカー装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、異なる位置に配置されたロッカー間で荷物を配送する配送サービスに関する技術が知られている。例えば、特許文献1には、配送サービスの処理として、配送対象物を送りたい送り主から、発送地域と受け取り地域の指定を受けると、発送地域、受け取り地域に関連付けて登録されているロッカーリストを表示し、ロッカーリストから発送ロッカーと受け取りロッカーの選択を送り主から受け付ける配送管理装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許6275175号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の配送管理装置を利用する送り主は、表示されたロッカーリストのうち、どのロッカーが適切なのかわからない場合であっても、ロッカーリストから選択する必要がある。この場合、送り主にとって、ロッカーリストからロッカーを選択する作業が煩雑であった。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、ユーザがロッカーを選択する手間を低減する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様においては、ユーザの荷物を格納する第1ロッカーの位置を示す第1位置情報と、施錠された前記第1ロッカーの解錠に用いられる第1解錠情報と、前記荷物を移動する移動先を示す移動先情報とを取得する第1取得部と、前記第1位置情報と、前記第1解錠情報と、前記移動先情報とを、前記第1ロッカーに格納された前記荷物を移動する事業者に通知する第1通知部と、前記移動先情報が示す前記移動先に移動された前記荷物を格納する第2ロッカーの位置を示す第2位置情報と、施錠された前記第2ロッカーの解錠に用いられる第2解錠情報とを取得する第2取得部と、前記第2取得部が取得した前記第2位置情報と前記第2解錠情報とを前記ユーザの端末に通知する第2通知部と、を備えるロッカー管理装置を提供する。
【0007】
前記ロッカー管理装置は、前記第1取得部が取得した前記移動先に対応する一以上のロッカーの設置場所から、1つの設置場所の選択を受け付ける選択受付部をさらに備え、前記第1通知部は、前記選択受付部が選択を受け付けた設置場所を事業者に通知してもよい。
【0008】
前記第1取得部は、前記第1ロッカーに格納された前記荷物を前記移動先に設置された前記第2ロッカーに移動する期限を示す期限情報を前記端末から取得し、前記第1通知部は、取得した前記期限情報が示す前記期限を前記事業者に通知し、前記第1取得部は、前記期限までに前記荷物を移動可能か否かを示す回答情報を前記事業者から取得し、前記第1通知部は、前記第1取得部が取得した回答情報が前記期限までに移動できることを示す場合に、前記荷物の移動指示を前記事業者に通知してもよい。
【0009】
前記第1取得部は、前記移動先と異なる移動先を示す変更後移動先情報を含む前記移動先を変更する変更指示を前記端末から取得し、前記第1通知部は、前記変更後移動先情報を前記事業者に通知してもよい。
【0010】
前記第2通知部は、前記荷物が前記第2ロッカーに格納された場合、前記荷物が前記第2ロッカーに格納されたことを示す情報を前記端末に通知してもよい。
【0011】
前記第2通知部は、前記第2ロッカーを利用できる利用時間を前記端末に通知してもよい。
【0012】
前記第1取得部は、前記端末の位置を示す位置情報を取得し、前記第2通知部は、前記第2ロッカーの設置位置と前記位置情報が示す前記端末の位置との距離が閾値以下になると、前記位置情報が示す前記端末の位置から前記第2ロッカーまでの経路を前記端末に通知してもよい。
【0013】
前記第2取得部は、前記第2ロッカーを解錠可能な第三者を示す第三者識別情報を前記端末から取得し、前記第2通知部は、前記第2ロッカーの解錠に用いられ、前記第三者が利用可能な第3解錠情報を前記第三者識別情報が示す前記第三者の端末に通知してもよい。
【0014】
前記第1取得部は、第三者が前記第2ロッカーを解錠することの許可を示す許可情報を前記端末から取得し、前記第2通知部は、前記第1取得部が前記許可情報を取得すると、前記第2ロッカーの解錠に用いられ、前記第三者が利用可能な第3解錠情報を前記第三者の端末に通知してもよい。
【0015】
前記第2通知部は、前記第三者により前記第2ロッカーから前記荷物が取り出された場合、前記第三者により前記第2ロッカーから前記荷物が取り出されたことを示す情報を前記端末に通知してもよい。
【0016】
本発明の第2の態様においては、コンピュータが実行する、ユーザの荷物を格納する第1ロッカーの位置を示す第1位置情報と、施錠された前記第1ロッカーの解錠に用いられる第1解錠情報と、前記荷物を移動する移動先を示す移動先情報とを取得するステップと、前記第1位置情報と、前記第1解錠情報と、前記移動先情報とを、前記第1ロッカーに格納された前記荷物を移動する事業者に通知するステップと、前記移動先情報が示す前記移動先に移動された前記荷物を格納する第2ロッカーの位置を示す第2位置情報と、施錠された前記第2ロッカーの解錠に用いられる第2解錠情報とを取得するステップと、取得した前記第2位置情報と前記第2解錠情報とを前記ユーザの端末に通知するステップと、を備えるロッカー管理方法を提供する。
【0017】
本発明の第3の態様においては、ユーザの荷物を扉内に格納可能なロッカーと、前記ロッカーのロッカー扉を施解錠する電気錠と、前記ユーザによる操作を受け付ける操作部と、前記操作部より施錠指示が入力されると、前記電気錠を制御して前記ロッカー扉を施錠する施錠制御部と、前記操作部が前記荷物を移動する移動先を示す移動先情報と、前記移動先において荷物を受け取るユーザの連絡先との入力を受け付けると、前記施錠指示で示されるロッカーの位置を示す位置情報と、当該ロッカーの解錠に用いられる解錠情報と、前記移動先情報と、前記連絡先とを前記荷物を移動する事業者に通知する第1通知部と、前記操作部が荷物の移動の完了を示す移動完了情報と、移動が完了した当該荷物を受け取るユーザの連絡先との入力を受け付けると、前記移動完了情報で示されるロッカーの位置を示す位置情報と、施錠された前記ロッカーの解錠に用いられる解錠情報とを、前記操作部が受け付けた前記連絡先に通知する第2通知部とを、有するロッカー装置を提供する。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、ユーザがロッカーを選択する手間を低減できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】第1の実施形態に係るロッカー管理装置の概要を示す図である。
図2】第1の実施形態に係るロッカー管理装置の機能構成を示す図である。
図3】ユーザ情報の一例を示す図である。
図4】ロッカー情報の一例を示す図である。
図5】荷物を移動させる処理の流れを説明するためのシーケンス図である。
図6】荷物移動受付画面の一例を示す図である。
図7】ロッカー間荷物受け渡し処理の流れを説明するためのシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
<第1の実施形態>
[ロッカー管理装置1の概要]
図1は、第1の実施形態に係るロッカー管理装置1の概要を示す図である。ロッカー管理装置1は、複数のロッカー5(例えば、ロッカー5A1、5A2、5B1、5B2)を管理するサーバである。ロッカー管理装置1は、ユーザ端末2及び事業者端末3とインターネットや電話回線等の通信ネットワークを介して接続されている。
【0021】
ユーザ端末2は、例えば、ロッカー5を利用するユーザUが所持するスマートフォン等のコンピュータである。事業者端末3は、例えば、荷物を移動する事業者Mが使用するパーソナルコンピュータやスマートフォン等のコンピュータである。
【0022】
ロッカー5は、ロッカー棚4(例えば、ロッカー棚4A、4B)に複数設けられており、駅や公共施設等の様々な施設に設置されている。ロッカー5は、ロッカー扉と、ロッカー管理装置1と通信を行う通信部とを備えている。ロッカー5は、ロッカー管理装置1の制御に応じて、ロッカー扉の施錠又は解錠を行う。
【0023】
ロッカー管理装置1は、ロッカー5の利用性を高めるためのロッカーサービスを提供している。ロッカーサービスを利用するユーザUは、当該サービスの利用登録を予め行っているものとする。ロッカー管理装置1は、ユーザUの氏名や連絡先等のユーザUに関する情報を、ユーザUを識別するユーザ識別情報としてのユーザIDに関連付けたユーザ情報を記憶する。また、ロッカー管理装置1は、ロッカー5に荷物を預けているユーザUの連絡先と、荷物が格納されているロッカー5を識別するロッカー識別情報としてのロッカーIDとを関連付けて記憶する。
【0024】
第1の実施形態に係るロッカー管理装置1は、例えば、ロッカー5に格納された荷物を、荷物が格納されたロッカー5と異なるロッカー5に移動する場合に用いられる。図1を参照しながら、ロッカー5A1に格納された荷物Bを、ロッカー5B1に移動する場合について説明する。
【0025】
ロッカー5A1に荷物Bを格納したユーザUは、ロッカー5A1の位置を示す第1位置情報と、施錠されたロッカー5A1の解錠に用いられる第1解錠情報と、荷物Bを移動する移動先を示す移動先情報とを含む荷物の移動を要求する操作をユーザ端末2に対して行う。ユーザ端末2は、第1位置情報と第1解錠情報と移動先情報とを含む荷物の移動情報をロッカー管理装置1に通知する(図1の(1))。
【0026】
ロッカー管理装置1は、移動情報を取得すると、第1位置情報と第1解錠情報と移動先情報とを含む荷物の移動指示を事業者端末3に通知する(図1の(2))。移動指示を取得した事業者端末3を使用する事業者Mは、第1位置情報で示される位置に設置され、施錠されたロッカー5A1を、第1解錠情報を用いて解錠し、格納された荷物Bを取り出す。事業者Mは、取り出した荷物Bを移動先情報で示される移動先に設置されたロッカー5B1に格納する(図1の(3))。
【0027】
荷物Bの移動を完了した事業者Mは、ロッカー5B1の位置を示す第2位置情報と、施錠されたロッカー5B1の解錠に用いられる第2解錠情報とを事業者端末3に入力する。事業者端末3は、入力された第2位置情報と、第2解錠情報とを含む移動完了情報をロッカー管理装置1に通知する(図1の(4))。そして、ロッカー管理装置1は、第2位置情報と、第2解錠情報と含む移動完了情報をユーザ端末2に通知する(図1の(5))。このようにすることで、ロッカー管理装置1は、ユーザUに移動先のロッカーを選択させる手間をかけさせることなく、ロッカー5A1に格納されたユーザUの荷物Bを、移動先のロッカー5B1に移動させることができる。
【0028】
[ロッカー管理装置1の構成]
図2は、本実施形態に係るロッカー管理装置1の構成を示す図である。図2に示すように、ロッカー管理装置1は、通信部11と、記憶部12と、制御部13とを備える。
【0029】
通信部11は、ユーザ端末2、事業者端末3等の、ロッカー管理装置1とは異なる装置と情報を送受信するための通信インターフェースである。
【0030】
記憶部12は、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等を含む記憶媒体である。記憶部12は、制御部13が実行するプログラムを記憶している。記憶部12は、ロッカー管理装置1を、状態制御部131、第1取得部132、選択受付部133、第1通知部134、第2取得部135、及び第2通知部136として機能させるロッカー管理プログラムを記憶している。
【0031】
記憶部12は、ロッカーサービスに登録しているユーザUに関する情報であるユーザ情報を記憶する。図3は、ユーザ情報の一例を示す図である。図3に示すように、ユーザ情報は、ユーザIDと、ユーザUの氏名と、ユーザUの住所と、ユーザUの連絡先を示す連絡先情報と、ユーザUに関係する関係者(他のユーザ)の氏名と、当該関係者の連絡先を示す関係者連絡先情報とを関連付けた情報である。連絡先情報は、例えば、ユーザ端末2に対応するメールアドレス又は電話番号である。関係者連絡先情報は、例えば、家族等のユーザUに関係する関係者が使用する端末に対応するメールアドレス又は電話番号である。
【0032】
また、記憶部12は、ロッカー5に関する情報であるロッカー情報を記憶する。図4は、ロッカー情報の一例を示す図である。図4に示すように、ロッカー情報は、棚IDと、設置場所と、ロッカーIDと、配置位置と、サイズと、利用可能時間と、利用状態と、利用予定時刻と、利用開始時刻と、利用終了予定時刻と、受取可能期限と、予約料金と、利用料金と、支払済金額と、解錠キーと、利用者関連情報とを関連付けた情報である。
【0033】
棚IDは、ロッカー5が設置されているロッカー棚4を識別する識別情報である。設置場所は、ロッカー5が設置されている場所、すなわち、ロッカー棚4が設置されている場所を示す。ロッカーIDは、複数のロッカー5のそれぞれを識別する情報である。配置位置は、ロッカー棚4におけるロッカー5の高さ方向の配置位置を示す。サイズは、ロッカー5の内部の高さ、幅、奥行きを示す。利用可能時間は、ロッカー5が利用可能な時間帯を示す。
【0034】
利用状態は、現時点におけるロッカー5の利用状態を示す。本実施形態において、利用状態には、「空」、「利用中」、「予約中」という3つの状態が存在する。「空」は、ロッカー5の利用制限が行われておらず、誰でも利用可能であることを示す状態である。「利用中」は、ロッカー5が利用されている状態であり、他のユーザが利用できない状態である。「予約中」は、ロッカー5が予約されている状態であり、他のユーザが利用できない状態である。「予約中」である場合、利用予定時刻が設定されている。利用予定時刻は、ロッカー5の利用状態が「予約中」である場合においてロッカー5の利用が開始される予定日時を示す。利用状態が「予約中」の状態のまま利用予定時刻が到来すると、利用状態は、自動的に「空」に変更される。
【0035】
利用開始時刻は、ロッカー5の利用状態が、「空」又は「予約中」から「利用中」に変化し、ロッカー5の利用が開始された日時を示す。利用終了予定時刻は、ロッカー5の利用状態が「利用中」である場合に、ロッカー5の利用が終了する予定日時を示す。受取可能期限は、ユーザUが荷物を取り出す期限となる日時を示す。
【0036】
予約料金は、ロッカー5を予約する場合にユーザが支払う必要がある単位時間あたりの料金を示す。利用料金は、ロッカー5を利用する場合にユーザが支払う必要がある単位時間あたりの料金を示す。予約料金に対して設定される単位時間と、利用料金に対して設定される単位時間とは異なっていてもよい。支払済金額は、ユーザが既に支払った金額の合計額である。解錠キーは、ロッカー5を解錠する場合に必要となる情報である。解錠キーは、例えば、数字、文字、記号の少なくともいずれかを複数含む情報であり、例えば、数字列や文字列である。
【0037】
利用者関連情報は、ロッカー5の状態が利用中である場合においてロッカー5を利用しているユーザUに対応する情報である。利用者関連情報には、ユーザIDと、ユーザUの連絡先を示す連絡先情報と、ユーザUに関係する関係者(他のユーザ)の連絡先を示す関係者連絡先情報とが含まれている。
【0038】
なお、本実施形態では、ロッカー管理装置1が、ロッカー情報を記憶し、複数の位置のそれぞれに設置されているロッカー5のロッカー情報を集中的に管理することとしているが、これに限らない。例えば、同じ設置場所に設置されている複数のロッカー5のロッカー情報を、これらのロッカー5に対応するロッカー棚4に設けられるサーバや、当該設置場所の近傍に設けられるサーバによって管理してもよい。この場合には、ロッカー管理装置1は、当該サーバにアクセスしてロッカー情報を参照できるものとする。
【0039】
制御部13は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。制御部13は、記憶部12に記憶されたロッカー管理プログラムを実行することにより、状態制御部131、第1取得部132、選択受付部133、第1通知部134、第2取得部135、及び第2通知部136として機能する。
【0040】
ロッカー管理装置1は、状態制御部131により基本的な機能を実現する。まず、ロッカー管理装置1の基本的な機能について説明する。
【0041】
[ロッカー5の予約]
まず、ロッカー管理装置1が有するロッカー5の予約機能について説明する。状態制御部131は、ユーザ端末2からの要求に応じて、ロッカー5の予約を行う。
【0042】
ユーザ端末2は、ユーザ端末2において実行される、ロッカーサービスを実現するための所定のアプリケーションの操作画面においてロッカー5の予約開始操作を受け付けると、ロッカー管理装置1に、ユーザIDを含みロッカー5の予約を要求する予約要求情報を送信する。
【0043】
状態制御部131は、ユーザ端末2から予約要求情報を受信すると、ユーザIDを特定する。状態制御部131は、ユーザ端末2に予約画面を表示させ、ユーザ端末2からロッカー5の設置場所の選択を受け付ける。状態制御部131は、設置場所の選択を受け付けると、当該設置場所から所定範囲内に設置されているロッカー棚4に設置されているロッカー5のうち、利用状態が「空」のロッカー5を選択する。
【0044】
なお、状態制御部131は、ユーザ端末2から、ロッカー5の設置場所の選択を受け付けるだけでなく、ロッカー5のサイズ、利用目的や用途、ロッカーの数を受け付けてもよい。この場合、例えば、記憶部12に記憶されているロッカー情報において、ロッカーIDに、ロッカー5の利用目的や用途を示す情報を関連付けられているものとする。状態制御部131は、受け付けた設置場所から所定範囲内に設置されているロッカー棚4に設置されているロッカー5のうち、利用状態が「空」であるとともに、受け付けたロッカー5のサイズ、及び利用目的や用途に適合するロッカー5を選択してもよい。
【0045】
状態制御部131は、選択した「空」のロッカー5と、当該ロッカー5の設置場所とを関連付けたロッカーリストをユーザ端末2に表示させ、ユーザUによる予約対象のロッカー5の選択を受け付ける。
【0046】
状態制御部131は、予約対象のロッカー5の選択を受け付けると、ユーザ端末2を介して当該ロッカー5のロッカーIDに関連付けられている予約料金の入金を受け付ける。状態制御部131は、予約料金の入金を受け付けると、入金された金額を示す情報を支払済金額として記憶部12に記憶させるとともに、選択されたロッカー5に対応する解錠キーを生成する。状態制御部131は、選択されたロッカー5のロッカーIDに関連付けられている解錠キーとして、生成した解錠キーを記憶部12に記憶させる。
【0047】
また、状態制御部131は、記憶部12に記憶されているユーザ情報を参照し、特定したユーザIDに関連付けられている連絡先情報及び関係者連絡先情報を特定する。状態制御部131は、選択されたロッカー5のロッカーIDに関連付けられている連絡先情報及び関係者連絡先情報として、特定した連絡先情報及び関係者連絡先情報を記憶部12に記憶させる。また、状態制御部131は、生成した解錠キーを、特定した連絡先情報が示す連絡先に通知する。
【0048】
なお、ロッカー6は、ロッカー管理装置1から受信した指示に基づいて、ロッカー6の解錠キーを生成してもよい。ロッカー6は、生成した解錠キーをロッカー管理装置1に送信する。状態制御部131は、ロッカー6が生成した当該ロッカー6の解錠キーを受信すると、ロッカー6のロッカーIDに関連付けて記憶部12に記憶させる。状態制御部131は、ロッカー6が生成した解錠キーを、解錠キーを生成したロッカー6のロッカーIDに関連付けられた連絡先情報が示す連絡先に通知する。
【0049】
[ロッカー5への荷物の収容]
状態制御部131は、ロッカー5の施錠又は解錠を制御する。例えば、ロッカー棚4には、ロッカー棚4に設けられている複数のロッカー5の使用操作を受け付ける操作部と、利用料金の入金を受け付ける入金部と、解錠キーを示す紙を出力する出力部とを備える制御装置が設けられている。以下の説明において、ロッカー棚4と、当該制御装置とをまとめて、ロッカー装置という。操作部は、例えば、ディスプレイとタッチパネルとを含んでおり、ユーザから、ロッカー5に荷物を収容する収容操作、又はロッカー5に収容されている荷物を取り出す取出操作を受け付ける。操作部は、収容操作を受け付けると、利用状態が「空」のロッカー5に荷物を収容するか、利用状態が「予約中」のロッカー5に荷物を収容するかの選択操作を受け付ける。
【0050】
また、操作部は、例えば、Bluetooth(登録商標)等により近距離無線通信を行う近距離無線通信部を含んでおり、ロッカー5の利用開始時に、ユーザUのユーザ端末2と近距離無線通信を行うことにより、ユーザ端末2からユーザIDを取得する。操作部は、ユーザIDを取得すると、取得したユーザIDをロッカー管理装置1に通知する。なお、この場合において、ユーザ端末2は、ロッカーサービスを実現するための所定のアプリケーションが実行されているものとする。ユーザ端末2は、所定のアプリの実行開始時に、近距離無線通信機能をオン状態とし、ロッカー5の利用開始時に、操作部との近距離無線通信を行うことができるものとする。
【0051】
操作部は、「空」のロッカー5に荷物を収容する選択操作を受け付けると、利用状態が「空」のロッカー5の中から、ユーザが利用するロッカー5の選択操作を受け付ける。操作部は、ロッカー5の選択操作を受け付けると、選択されたロッカー5のロッカーIDをロッカー管理装置1に通知する。入金部は、ロッカー5の選択操作が受け付けられると、現金又は電子通貨等による利用料金の入金を受け付ける。
【0052】
なお、ユーザ端末2は、所定のアプリケーションが実行されている場合に、上述した操作部の処理と同様の手順でロッカー5の選択操作及び利用料金の入金を受け付けることができる。ユーザ端末2は、ロッカー5の利用開始時に、ユーザIDをロッカー管理装置1に通知する。そして、ユーザ端末2は、ロッカー5の選択操作を受け付けると、選択されたロッカー5のロッカーIDをロッカー管理装置1に通知する。
【0053】
状態制御部131は、選択されたロッカー5のロッカーIDを取得した後、入金部が利用料金の入金を受け付けると、入金された金額を示す情報を支払済金額として記憶部12に記憶させるとともに、選択されたロッカー5に対応する解錠キーを生成するとともに、選択されたロッカー5にロッカー扉を開く開扉指示を送信してロッカー扉を開かせる。状態制御部131は、選択されたロッカー5のロッカーIDに関連付けられている解錠キーとして、生成した解錠キーを記憶部12に記憶させる。
【0054】
また、状態制御部131は、操作部又はユーザ端末2からユーザIDを取得した場合には、記憶部12に記憶されているユーザ情報を参照し、ユーザIDに関連付けられている連絡先情報及び関係者連絡先情報を特定する。そして、状態制御部131は、選択されたロッカー5のロッカーIDに関連付けられている連絡先情報及び関係者連絡先情報として、特定した連絡先情報及び関係者連絡先情報を記憶部12に記憶させる。ロッカー5は、ロッカー扉が閉じられると、ロッカー扉を施錠する。
【0055】
状態制御部131は、例えば、解錠キーを示すQRコード(登録商標)を印刷した紙を出力部に出力させ、解錠キーをユーザUに通知する。状態制御部131は、操作部又はユーザ端末2からユーザIDを取得した場合には、解錠キーを示すQRコードを、紙で出力するか、ユーザ端末2に通知するかの選択操作を受け付けてもよい。状態制御部131は、選択操作の結果に基づいて、解錠キーを示すQRコードを印刷した紙を出力するか、解錠キーを示すQRコードをユーザ端末2に通知する。また、ロッカーIDにユーザIDが関連付けられて記憶されている場合、ユーザ端末2は、所定のアプリケーションを介してユーザIDをロッカー管理装置1に送信することにより、当該ユーザIDに関連付けられている解錠キーを参照できるものとする。
【0056】
操作部は「予約中」のロッカー5に荷物を収容する選択操作を受け付けると、ユーザUのユーザ端末2と近距離無線通信を行うことにより、ユーザ端末2からユーザIDを取得し、当該ユーザIDと、棚IDとをロッカー管理装置1に送信する。状態制御部131は、棚IDと、ユーザIDとを取得すると、当該棚IDとユーザIDとに関連付けられており、利用状態が「予約中」のロッカー5を特定する。状態制御部131は、利用状態が「予約中」のロッカー5を特定した場合、操作部を介して、当該ロッカー5に対応する解錠キーの入力を受け付ける。状態制御部131は、入力された解錠キーが特定したロッカー5に対応している場合、入金部に、現金又は電子通貨等による利用料金(例えば、1日分)の入金の受付を行わせる。
【0057】
状態制御部131は、入金部が利用料金の入金を受け付けると、入金された金額を示す情報を支払済金額として記憶部12に記憶させるとともに、選択されたロッカー5に対応する解錠キーを生成するとともに、選択されたロッカー5のロッカー扉を開かせる。状態制御部131は、選択されたロッカー5のロッカーIDに関連付けられている解錠キーとして、生成した解錠キーを記憶部12に記憶させる。
【0058】
ユーザは、ロッカー扉が開いたロッカー5に荷物を収容し、ロッカー扉を閉じる。ロッカー5は、ロッカー扉が閉じられると、ロッカー扉を施錠する。状態制御部131は、例えば、解錠キーを示すQRコードを印刷した紙を出力部に出力させ、解錠キーをユーザUに通知する。なお、状態制御部131は、操作部又はユーザ端末2からユーザIDを取得した場合には、解錠キーを示すQRコードを、紙で出力するか、ユーザ端末2に通知するかの選択操作を受け付けてもよい。状態制御部131は、選択操作の結果に基づいて、解錠キーを示すQRコードを印刷した紙を出力するか、解錠キーを示すQRコードをユーザ端末2に通知する。
【0059】
[ロッカー5からの荷物の取出]
操作部は、荷物の取出操作を受け付けると、利用状態が「利用中」のロッカー5から、ユーザが荷物を取り出すロッカー5の選択操作を受け付ける。なお、以下の説明において、操作部の操作により、荷物を取り出す例を説明するが、これに限らず、ユーザ端末2の操作により、荷物を取り出してもよい。以下の説明において、操作部をユーザ端末2と読み替えてもよい。操作部は、ロッカー5が選択されると、選択されたロッカー5からの荷物の一時取出か、選択されたロッカー5の利用終了かの選択操作を受け付ける。
【0060】
操作部は、選択されたロッカー5からの荷物の一時取出の選択操作を受け付けると、解錠キーの入力を受け付ける。操作部は、解錠キーが入力されると、選択されたロッカー5のロッカーIDと、入力された解錠キーをロッカー管理装置1に通知する。状態制御部131は、操作部からロッカーIDと解錠キーとを取得する。状態制御部131は、取得した解錠キーと、ロッカー情報における、取得したロッカーIDに関連付けられている解錠キーとが一致すると、選択されたロッカー5のロッカー扉を開かせる。また、状態制御部131は、選択されたロッカー5に対応する新たな解錠キーを生成するとともに、選択されたロッカー5にロッカー扉を開く開扉指示を送信してロッカー扉を開かせる。状態制御部131は、選択されたロッカー5のロッカーIDに関連付けられている解錠キーとして、生成した解錠キーを記憶部12に記憶させるとともに、当該解錠キーをユーザに通知する。ユーザは、ロッカー扉が開いたロッカー5から荷物を取り出したり、異なる荷物をロッカー5に格納したりすることができる。ロッカー5は、ロッカー扉が閉じられると、ロッカー扉を施錠する。
【0061】
操作部は、選択されたロッカー5の利用終了の選択操作を受け付けると、解錠キーの入力を受け付ける。操作部は、解錠キーが入力されると、選択されたロッカー5のロッカーIDと、入力された解錠キーをロッカー管理装置1に通知する。状態制御部131は、操作部からロッカーIDと解錠キーとを取得する。状態制御部131は、ロッカー情報における、取得したロッカーIDに関連付けられている利用開始時刻と現在時刻とに基づいて、利用時間を算出する。状態制御部131は、支払済金額に対応する利用時間に比べて、算出した利用時間が超過している場合、入金部を介して、超過している利用時間に対応する利用料金の入金を受け付ける。状態制御部131は、利用料金の入金を受け付けると、取得した解錠キーと、ロッカー情報における、取得したロッカーIDに関連付けられている解錠キーとが一致するか否かを判定する。状態制御部131は、解錠キーが一致すると判定すると、選択されたロッカー5のロッカー扉を開かせる。ユーザは、ロッカー扉が開いたロッカー5から荷物を取り出して、当該ロッカー5の利用を終了することができる。
【0062】
なお、状態制御部131は、支払済金額に対応する利用時間に比べて、算出した利用時間が超過しているロッカー5のロッカーIDに関連付けられている連絡先情報が示す連絡先に、利用時間が超過している旨を示す情報を通知し、ユーザ端末2から、超過している利用時間に対応する利用料金の入金を受け付けてもよい。状態制御部131は、利用料金の入金を受け付けると、入金された金額を示す情報を支払済金額に加算するとともに、解錠キーを新たに生成してもよい。そして、状態制御部131は、当該ロッカー5のロッカーIDに関連付けられている解錠キーとして、生成した解錠キーを記憶部12に記憶させるとともに、生成した解錠キーを、当該ロッカー5のロッカーIDに関連付けられている連絡先情報が示す連絡先に通知してもよい。
【0063】
また、状態制御部131は、ロッカー5への荷物の収容時に1つの解錠キーを生成し、操作部が、ロッカー5からの荷物の取出時に、荷物の一時取出か、選択されたロッカー5の利用終了かの選択操作を受け付けたが、これに限らない。例えば、状態制御部131は、ロッカー5の利用を継続しながら解錠するための利用継続用解錠キーと、ロッカー5の利用終了時に用いる終了用解錠キーとを生成してもよい。そして、操作部は、荷物の取出操作を受け付けると、利用継続用解錠キー又は終了用解錠キーを受け付けてもよい。このようにすることで、ユーザUは、2つの解錠キーを使い分けることにより、荷物の一時取出か、選択されたロッカー5の利用終了かを選択することができる。
【0064】
[ロッカー5に格納された荷物を移動させる処理]
図5を参照しながら、ユーザUがロッカー5A1に格納した荷物を、ロッカー5A1から移動先に設置されたロッカー5に移動させる処理の流れについて説明する。図5は、荷物を移動させる処理の流れを説明するためのシーケンス図である。
【0065】
まず、ユーザ端末2は、ユーザ端末2において実行されるロッカーサービスを実現するための所定のアプリケーションの操作画面において、ロッカー5に格納した荷物の移動を要求する操作を受け付ける。ユーザ端末2は、荷物の移動を要求する操作を受け付けると、ユーザ端末2のユーザIDを含みロッカー5に格納した荷物を移動させる処理を開始する指示をロッカー管理装置1に送信する。
【0066】
(荷物Bを移動するための移動情報を受け付ける処理)
第1取得部132は、荷物Bを移動させる処理を開始する指示をユーザ端末2から取得すると、記憶部12に記憶されたロッカー情報にユーザIDが含まれている場合、ユーザIDに関連付けられた、ユーザIDのユーザUの荷物Bを格納するロッカー5A1の位置を示す第1位置情報を取得する。第1位置情報は、例えば、荷物Bの格納場所であるロッカー5A1を特定するためのロッカーIDである。また、第1位置情報は、ロッカー5A1が設けられたロッカー棚4Aを特定するためのロッカー棚IDを含んでいてもよい。また、第1取得部132は、ロッカー情報を参照して、ロッカーIDに関連付けられた、施錠されたロッカー5A1の解錠に用いられる第1解錠キーを取得する。第1通知部134は、第1取得部132が取得した第1位置情報及び第1解錠キーを含み、荷物Bを移動するための各種情報の入力を受け付ける荷物移動受付画面をユーザ端末2に表示させる。図6は、荷物移動受付画面の一例を示す図である。
【0067】
ユーザ端末2は、荷物の格納場所である第1位置情報と、第1解錠キーとを含み、荷物の移動先、及び荷物を移動する移動期限の入力を受け付ける移動情報受付画面を表示部に表示させる。図6(a)は、移動情報受付画面の一例を示す図である。
【0068】
ユーザ端末2は、ロッカー5A1に格納された荷物Bを移動する移動先として、例えば、駅名、観光地又は施設の名称、郵便番号、又は住所の入力を受け付ける。また、ユーザ端末2は、ロッカー5A1に格納された荷物Bを移動先に設置されたロッカー5に移動する移動期限の入力を受け付けてもよい。なお、ユーザ端末2は、荷物の格納場所として、ロッカーID又はロッカー棚IDの入力を受け付けてもよく、荷物を格納するロッカー5の解錠に用いられる解錠キーの入力を受け付けてもよい。ユーザUは、移動情報受付画面に表示された第1位置情報と、解錠キーとを確認し、荷物の移動先、及び荷物を移動する移動期限の入力を行うことができる。ユーザUは、送信ボタンを押下することにより、荷物の移動先、及び荷物を移動する移動期限をロッカー管理装置1に送信することをユーザ端末2に指示できる。
【0069】
ユーザ端末2は、送信ボタンが押下されると、入力を受け付けた荷物Bの移動先を示す移動先情報、及び荷物Bを移動する移動期限を示す期限情報を含む移動情報をロッカー管理装置1に通知する(ステップS1)。第1取得部132は、ユーザ端末2から通知された移動情報を取得することにより、移動情報に含まれる移動先情報と、期限情報とを取得する。
【0070】
(ロッカー5の設置場所の選択を受け付ける処理)
選択受付部133は、第1取得部132が移動先情報を取得すると、第1取得部132が取得した移動先に対応する一以上のロッカー5の設置場所を特定する(ステップS2)。そして、選択受付部133は、特定した一以上のロッカー5の設置場所を示すロッカー設置場所リストをユーザ端末2に通知する(ステップS3)。ユーザ端末2は、ロッカー設置場所リストを含み、一以上のロッカーが設置された設置場所から、1つの設置場所を選択させるためのロッカー設置場所選択画面を表示部に表示させる。図6(b)は、ロッカー設置場所選択画面を模式的に示す図である。図6(b)のロッカー設置場所選択画面においては、ロッカー5を利用するための利用料金が表示されている。
【0071】
ユーザUは、ユーザ端末2の表示部に表示されたロッカー設置場所リストから1つの設置場所を選択することができる。ユーザ端末2は、ロッカー設置場所リストから1つの設置場所を選択する操作を受け付ける。ユーザ端末2は、ロッカー設置場所リストから選択された1つの設置場所を示す選択情報をロッカー管理装置1に通知する(ステップS4)。選択受付部133は、選択情報をユーザ端末2から受け付ける。
【0072】
(荷物を期限までに移動可能か否かを確認する処理)
第1通知部134は、選択受付部133が受け付けたロッカー5の設置場所を含む移動先情報を事業者端末3に通知する。また、第1通知部134は、第1取得部132が取得した期限情報を事業者端末3に通知するとともに、期限情報が示す期限までにロッカー5A1から、選択受付部133が受け付けた設置場所に設置されたロッカー5まで荷物Bを移動可能か否かの回答を事業者端末3に要求する。
【0073】
第1取得部132は、荷物Bを期限までに移動可能か否かを示す回答情報を事業者端末3から取得する。第1通知部134は、第1取得部132が取得した回答情報が期限までに移動できることを示す場合に、荷物Bを移動するか否かを確認する荷物移動確認画面をユーザ端末2に通知する。図6(c)は、荷物移動確認画面を模式的に示す図である。
【0074】
ユーザUは、ロッカー5A1に格納した荷物Bを移動する場合、「移動する」と表示された移動ボタンを押下することにより、荷物Bの移動を指示することができる。また、ユーザUは、ロッカー5A1に格納した荷物Bを移動しない場合、「キャンセル」と表示されたキャンセルボタンを押下することにより、ロッカー5A1に格納した荷物Bの移動を中止することができる。ユーザ端末2は、移動ボタンが押下されると、移動指示をロッカー管理装置1に通知する。
【0075】
第1通知部134は、第1取得部132がユーザ端末2から移動指示を取得すると、第1位置情報と、ロッカー5A1の第1解錠キーとを含む荷物Bの移動指示を事業者端末3に通知する(ステップS5)。なお、状態制御部131は、荷物の移動にかかる移動料金の支払いを条件として、事業者端末3に移動指示を送信してもよい。この場合、状態制御部131は、事業者端末3に移動指示を送信する前に、移動料金を示す料金情報をユーザ端末2に通知する。ユーザ端末2は、料金情報を表示部に表示させる。ユーザUは、ユーザ端末2を介して移動料金を支払うことができる。
【0076】
(荷物Bの移動先を変更する変更指示を受け付ける処理)
ロッカー管理装置1は、事業者Mが荷物Bを移動する前に、移動先を変更する変更指示を受け付けてもよい。この場合、ユーザ端末2は、ロッカーサービスを実現するための所定のアプリケーションの操作画面において、移動先と異なる移動先の入力を受け付ける。ユーザ端末2は、入力を受け付けた移動先と異なる移動先を示す変更後移動先情報を含む移動先を変更する変更指示をロッカー管理装置1に通知する。第1取得部132は、移動先と異なる移動先を示す変更後移動先情報を含む移動先を変更する変更指示をユーザ端末2から取得する。そして、第1通知部134は、第1取得部132が取得した変更後移動先情報を事業者端末3に通知する。
【0077】
なお、ロッカー管理装置1は、変更指示を受け付ける期限を設けてもよい。この場合、第1取得部132は、荷物Bの移動指示を事業者端末3に通知した後、荷物Bの移動先を変更可能な変更期限を事業者端末3から取得する。そして、第1通知部134は、荷物Bの移動先を変更可能な変更期限をユーザ端末2に通知する。第1通知部134は、第1取得部132が変更指示を変更期限までにユーザ端末2から取得した場合、変更指示を事業者端末3に通知する。また、第1通知部134は、第1取得部132が変更指示を変更期限以降に取得した場合、移動先を変更できないことを示す情報をユーザ端末2に通知する。
【0078】
(荷物Bの移動)
荷物Bの移動指示を受けた事業者端末3を使用する事業者Mは、第1位置情報が示す位置に設置され、ユーザUの荷物Bが格納されたロッカー5A1を、第1解錠キーを用いて解錠する。事業者Mは、ロッカー扉が開いたロッカー5A1から、格納されたユーザUの荷物Bを取り出す。
【0079】
事業者Mは、期限情報が示す期限までに、移動先に設置されたロッカー棚4Bに設けられた複数のロッカー5のいずれかに荷物Bを格納する。このとき、事業者Mは、上記の[ロッカー5への荷物の収容]で説明した操作を行うことで、ロッカー5に荷物を収容することができる。ここでは、事業者Mが移動先に設置されたロッカー棚4Bに設けられたロッカー5B1に荷物Bを格納したものとして説明する。状態制御部131は、ロッカー5B1に対応する第2解錠キーを生成するとともに、ロッカー5B1のロッカーIDに関連付けられている解錠キーとして、生成した第2解錠キーを記憶部12に記憶させる。状態制御部131は、生成した第2解錠キーを示すQRコードを印刷した紙をロッカー棚4の出力部に出力させる。
【0080】
荷物Bをロッカー5B1に格納した事業者Mは、荷物Bを格納したロッカー5B1の位置を示す第2位置情報を事業者端末3に入力する。ここで、第2位置情報は、ロッカー5B1のロッカーIDを含む。また、第2位置情報は、ロッカー5B1が設けられたロッカー棚4のロッカー棚ID又はロッカー5B1が設置された設置場所を示す情報を含んでもよい。荷物Bをロッカー5B1に格納した事業者Mは、施錠されたロッカー5B1の解錠に用いられる第2解錠キーを事業者端末3に入力する。例えば、事業者Mは、ロッカー棚4の出力部から出力された第2解錠キーを示すQRコードが印刷された紙を、事業者端末3に設けられた撮像部を用いて撮像することにより、第2解錠キーを入力する。事業者端末3は、入力を受け付けた第2位置情報と第2解錠キーとを含む荷物Bの移動完了情報をロッカー管理装置1に通知する(ステップS6)。
【0081】
(荷物Bの移動完了を通知する処理)
第2取得部135は、移動先情報が示す移動先に移動された荷物Bを格納する第2ロッカーの位置を示す第2位置情報と、施錠されたロッカー5B1の解錠に用いられる第2解錠キーとを含む荷物の移動完了情報を取得する。第2通知部136は、第2取得部135が取得した第2位置情報と第2解錠キーとを含む荷物の移動完了情報をユーザUのユーザ端末2に通知する(ステップS7)。例えば、第2通知部136は、荷物Bがロッカー5B1に格納された場合、荷物Bがロッカー5B1に格納されたことを示す情報とともに、第2位置情報と第2解錠キーとをユーザ端末2に通知する。また、第2通知部136は、記憶部12に記憶されたロッカー情報を参照して、ロッカー5B1に関連付けられた利用可能時間をユーザ端末2に通知してもよい。
【0082】
なお、状態制御部131は、第2取得部135が移動完了情報を取得した日時に基づいて受取可能期限を特定してもよい。例えば、状態制御部131は、移動完了情報を取得した時刻から所定の時間が経過した後の日時を受取可能期限として特定する。例えば、状態制御部131は、荷物Bを格納したロッカー5が設けられたロッカー棚4に設けられた複数のロッカー5のうち、利用状態が「空」であるロッカー5の数が少ないほど、所定の時間を短くする。状態制御部131は、特定した受取可能期限を、荷物Bを格納するロッカー5のロッカーIDに関連付けて記憶させるとともに、ユーザ端末2に通知する。このようにすることで、ロッカー管理装置1は、移動先に設置されたロッカー5にユーザUの荷物を格納してから、ユーザUが荷物Bを取り出しに来るまでの時間を短くできることが期待できる。
【0083】
(荷物Bを格納したロッカー5B1までの経路を案内する処理)
ロッカー管理装置1は、荷物Bの移動完了情報を取得すると、ユーザ端末2の位置から、荷物Bを格納したロッカー5B1までの経路を案内してもよい。具体的には、まず、第1取得部132は、ユーザ端末2の位置を示す端末位置情報を取得する。次に、第2通知部136は、ロッカー5B1の設置位置と端末位置情報が示すユーザ端末2の位置との距離が閾値以下か否かを判定する。第2通知部136は、ロッカー5B1の設置位置と端末位置情報が示すユーザ端末2の位置との距離が閾値以下であると判定すると、端末位置情報が示すユーザ端末2の位置からロッカー5B1までの経路を特定する。そして、第2通知部136は、特定した経路をユーザ端末2に通知する。所定の距離は、ロッカー5が設置された場所に応じて定める。例えば、第2通知部136は、ロッカー5が施設に設置されている場合、所定の距離を、施設の出入口から施設内のロッカー5までの距離にする。
【0084】
(移動先のロッカー5B1に格納された荷物Bの取出)
ユーザUは、移動先のロッカー5B1に格納された荷物の取り出す場合、上記の[ロッカー5からの荷物の取出]で説明した操作を行うことで、荷物を取り出すことができる。
【0085】
(第三者が荷物Bを取り出せるようにする処理)
ロッカー管理装置1は、ユーザUの指示によりロッカー5A1からロッカー5B1に移動された荷物Bを、第三者が取り出せるようにしてもよい。第三者は、例えば、ユーザUの関係者であり、具体的には、家族、親戚などである。この場合、ユーザ端末2は、所定のアプリケーションの操作画面において、第三者が荷物を取り出すことを許可する取出し許可の入力を受け付ける。ユーザ端末2は、取出し許可の入力を受け付けると、ユーザIDを含み、第三者がロッカー5B1を解錠することの許可を示す許可情報をロッカー管理装置1に通知する。
【0086】
第2取得部135は、許可情報をユーザ端末2から取得する。状態制御部131は、第2取得部135が許可情報を取得すると、記憶部12に記憶されたロッカー情報に、ユーザIDに関連付けられた関連者連絡先情報があるか否かを判定する。状態制御部131は、ユーザIDに関連付けられた関連者連絡先情報がある場合、ロッカー5B1の解錠に用いられ、関係者が利用可能な第3解錠キーを生成し、記憶部12のロッカー情報に記憶させる。なお、荷物Bの移動を指示したユーザUが用いる第2解錠キーと、ユーザUの関係者が用いる第3解錠キーとは異なることを想定しているが、第2解錠キーと第3解錠キーとが同じであってもよい。そして、第2通知部136は、第3解錠キーを関係者識別情報が示す関係者の連絡先に通知する。
【0087】
状態制御部131は、ユーザIDに関連付けられた関連者連絡先情報がない場合、荷物Bを格納するロッカー5B1を解錠可能な第三者を示す第三者識別情報の入力を受け付ける第三者情報入力画面をユーザ端末2に通知する。第三者識別情報は、例えば、第三者を識別するためのユーザID、第三者の連絡先を示す第三者連絡先情報である。ユーザ端末2は、第三者情報入力画面を表示部に表示させ、第三者識別情報の入力を受け付け、受け付けた第三者識別情報をロッカー管理装置1に通知する。そして、第2取得部135は、ユーザ端末2から通知された第三者識別情報を取得する。
【0088】
第2通知部136は、関係者によりロッカー5B1から荷物Bが取り出された場合、関係者によりロッカー5B1から荷物Bが取り出されたことを示す情報をユーザ端末2に通知する。例えば、第2通知部136は、第3解錠キーを用いてロッカー5B1が解錠された場合、第3解錠キーを通知した関係者によりロッカー5B1から荷物が取り出されたと判定する。このように、ロッカー管理装置1が、ユーザUの関係者が荷物Bを取り出したことをユーザUのユーザ端末2に通知するので、ユーザUは関係者が荷物Bを取り出したことを知ることができる。
【0089】
(変形例1)
選択受付部133は、ユーザ端末2からロッカー5の選択情報を受け付けることなく、ロッカー5の設置場所を選択してもよい。例えば、選択受付部133は、第1取得部132が取得した移動先に対応する一以上のロッカー5の設置場所から、1つの設置場所を選択する。第1通知部134は、選択受付部133が選択した1つの設置場所を事業者端末3に通知する。このようにすることで、ロッカー管理装置1は、ユーザUがロッカー5の設置場所を選択する手間を低減できる。
【0090】
(変形例2)
ロッカー管理装置1は、ユーザUの荷物Bを移動する移動先に設置されたロッカー棚4Bに設けられた複数のロッカー5のうち、利用状態が「空」であるロッカー5を特定し、事業者端末3に通知してもよい。また、ロッカー管理装置1は、事業者端末3から移動先に荷物Bを移動する予定の時刻を示す予定時刻情報を取得し、予定時刻情報が示す時刻になる前に、荷物Bを格納可能なロッカー5の利用状態を「予約中」にしてもよい。ロッカー管理装置1は、利用状態を「予約中」にしたロッカー5の位置を示す位置情報と、当該ロッカー5の解錠に用いられる解錠キーとを事業者端末3に通知する。このようにすることで、ロッカー管理装置1は、事業者Mが荷物Bを移動先に移動する前に、荷物Bを格納できるロッカー5を確保できるので、荷物Bを格納できなくなることを低減できる。
【0091】
(変形例3)
上記の説明においては、ロッカー管理装置1がユーザ端末2から情報を取得した。これに限らず、ロッカー装置がユーザUからの入力操作を受け付けて、各種情報を取得してもよい。そして、ロッカー装置は、ユーザUからの入力操作に応じた各種情報を通知する。
【0092】
変形例3に係るロッカー装置は、第1の実施形態に係るロッカー装置の構成に加えて、ロッカーのロッカー扉を施解錠する電気錠と、電気錠を制御してロッカー扉を施錠する施錠制御部と、各種情報を通知する通知部とを備える。
【0093】
ロッカー装置の操作部は、ユーザUの荷物を格納するロッカー5を示すロッカーID、及び当該ロッカーIDが示すロッカー5のロッカー扉を施錠する施錠指示の入力を受け付ける。そして、ロッカー装置は、操作部が施錠指示の入力を受け付けると、施錠指示で示されるロッカー5のロッカー扉を施錠する。
【0094】
操作部は、ロッカー5に格納する荷物を移動する移動指示と、荷物を移動する移動先を示す移動先情報と、移動先において荷物を受け取るユーザUの連絡先との入力を受け付ける。通知部は、操作部が移動先情報と荷物を受け取るユーザUの連絡先との入力を受け付けると、施錠指示で示されるロッカー5の位置を示す位置情報と、当該ロッカーの解錠に用いられる解錠情報と、移動先情報と、連絡先とを荷物を移動する事業者に通知する。通知部は、事業者に対して直接的に情報を通知してもよく、サーバなどの情報処理装置を介して間接的に情報を通知してもよい。
【0095】
操作部は、荷物の移動の完了を示す移動完了情報と、移動が完了した当該荷物を受け取るユーザUの連絡先の入力を受け付ける。通知部は、移動完了指示で示されるロッカー5の位置を示す位置情報と、施錠されたロッカー5の解錠に用いられる解錠情報とを、操作部が受け付けた当該連絡先に通知する。通知部は、ユーザUの連絡先に対して直接的に情報を通知してもよく、サーバなどの情報処理装置を介して間接的に情報を通知してもよい。
【0096】
[第1の実施形態に係るロッカー管理装置1の効果]
以上説明したとおり、ロッカー管理装置1は、ユーザUの荷物Bを格納するロッカー5A1の位置と、施錠されたロッカー5A1の解錠キーと、荷物Bを移動する移動先とを取得し、ロッカー5A1の位置と、ロッカー5A1の解錠キーと、移動先とを、荷物Bを移動する事業者Mに通知する。そして、ロッカー管理装置1は、移動先に移動された荷物Bを格納するロッカー5B1の位置と、施錠されたロッカー5B1の解錠キーとを取得し、ロッカー5B1の位置と、ロッカー5B1の解錠キーとをユーザ端末2に通知する。このようにすることで、ロッカー管理装置1は、ユーザUに、荷物Bを移動する移動先のロッカー5を選択させることなく、移動先に設置されたロッカー5に、ユーザUの荷物Bを格納させることができる。そのため、ロッカー管理装置1は、ユーザUが移動先のロッカー5を選択する手間を低減できる。
【0097】
<第2の実施形態>
第2の実施形態に係るロッカー管理装置1は、個人間の取引を仲介する取引仲介サーバと連携し、売り手と買い手との間で行われる商品の受け渡しを、ロッカー5を介して行わせることができる。以下の説明においては、取引を行う売り手と買い手とのそれぞれは、ロッカー管理装置1が提供するロッカーサービスの利用登録を予め行っているものとする。取引仲介サーバは、取引が行われると、売り手を識別するための売手識別情報と、買い手を識別するための買手識別情報とを含む取引情報をロッカー管理装置1に通知する。
【0098】
ロッカー管理装置1は、取引仲介サーバから取引情報を取得すると、売手識別情報で示される売り手のユーザ端末2Aと、買手識別情報で示される買い手のユーザ端末2Bとのそれぞれに、ロッカー5を利用した商品の受け渡しを行うか否かを確認するための利用確認を通知する。第1取得部132は、売り手のユーザ端末2Aと、買い手のユーザ端末2Bとのそれぞれから、ロッカー5を利用した商品の受け渡しを行うことを示す情報を取得すると、ロッカー間荷物受け渡し処理を実行する。図7は、ロッカー間荷物受け渡し処理の流れを説明するためのシーケンス図である。以下、図7を参照しながら、ロッカー間荷物受け渡し処理の流れを説明する。
【0099】
(ロッカー間荷物受け渡し処理)
第1取得部132は、売り手が商品を格納した第1ロッカー5の位置を示す第1位置情報と、第1ロッカー5の解錠に用いられる第1解錠キーとを売り手のユーザ端末2Aから取得する(ステップS11)。また、第1取得部132は、商品を移動する移動先を示す移動先情報を買い手のユーザ端末2Bから取得する(ステップS12)。ステップS13からステップS15は、第1の実施形態に係るステップS2からステップS5と同様なので説明は省略する。
【0100】
第1通知部134は、第1位置情報と第1解錠キーと移動先情報とを含む移動指示を事業者端末3に通知する(ステップS16)。移動指示を取得した事業者端末3を使用する事業者Mは、施錠された第1ロッカー5を、第1解錠キーを用いて解錠し、格納された商品を取り出す。事業者Mは、取り出した商品を移動先情報が示す移動先に移動し、移動先に設置された第2ロッカー5に格納する。事業者Mは、第2ロッカーの位置を示す第2位置情報と、第2ロッカーの解錠に用いられる第2解錠キーとを事業者端末3に入力する。事業者端末3は、入力を受け付けた第2位置情報と、第2解錠キーとを含む移動完了情報をロッカー管理装置1に通知する(ステップS17)。
【0101】
第2取得部135は、第2位置情報と、第2解錠キーとを含む移動完了情報を事業者端末3から取得すると、第2ロッカー5の解錠に用いられ、買い手が利用可能な第3解錠キーを買い手のユーザ端末2Bに通知する(ステップS18)。第2通知部136は、第3解錠キーを用いて第2ロッカー5が解錠された場合、買い手によりロッカー5B1から商品が取り出されたことを示す情報を売り手のユーザ端末2Aに通知する(ステップS19)。
【0102】
[第2の実施形態に係るロッカー管理装置1の効果]
以上説明したとおり、ロッカー管理装置1は、商品を格納した第1ロッカー5の位置を示す第1位置情報と、第1ロッカー5の解錠に用いられる第1解錠キーとを売り手のユーザ端末2Aから取得し、商品を移動する移動先を示す移動先情報を買い手のユーザ端末2Bから取得する。そして、ロッカー管理装置1は、商品の移動が完了すると、移動先に移動された商品を格納する第2ロッカーの位置を示す第2位置情報と、第2ロッカーの解錠に用いられ、買い手が利用可能な第3解錠キーとを買い手のユーザ端末2Bに通知する。このように、ロッカー管理装置がロッカー5を介して商品の受け渡しを行わせることができるので、売り手と買い手とは、個人情報をやり取りすることなく商品を受け渡すことができる。
【0103】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の分散・統合の具体的な実施の形態は、以上の実施の形態に限られず、その全部又は一部について、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を合わせ持つ。
【符号の説明】
【0104】
1 ロッカー管理装置
2 ユーザ端末
3 事業者端末
4 ロッカー棚
5 ロッカー
11 通信部
12 記憶部
13 制御部
131 状態制御部
132 第1取得部
133 選択受付部
134 第1通知部
135 第2取得部
136 第2通知部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7