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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-27
(45)【発行日】2023-03-07
(54)【発明の名称】無線装置
(51)【国際特許分類】
   H01F 38/14 20060101AFI20230228BHJP
   H01Q 7/00 20060101ALI20230228BHJP
   H01Q 1/24 20060101ALI20230228BHJP
【FI】
H01F38/14
H01Q7/00
H01Q1/24 C
【請求項の数】 20
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2018217726
(22)【出願日】2018-11-20
(65)【公開番号】P2019096882
(43)【公開日】2019-06-20
【審査請求日】2021-05-14
(31)【優先権主張番号】62/589,305
(32)【優先日】2017-11-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/595,820
(32)【優先日】2017-12-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】201821838071.9
(32)【優先日】2018-11-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】505259022
【氏名又は名称】台湾東電化股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110001494
【氏名又は名称】前田・鈴木国際特許弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】簡 鳳龍
(72)【発明者】
【氏名】陳 茂軍
(72)【発明者】
【氏名】徐 湘惠
(72)【発明者】
【氏名】李 國瑞
(72)【発明者】
【氏名】林 建宏
【審査官】森岡 俊行
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0228721(US,A1)
【文献】特開2014-222707(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0278619(US,A1)
【文献】特開2013-008859(JP,A)
【文献】特開2011-082212(JP,A)
【文献】特開2003-067682(JP,A)
【文献】特開2017-038378(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0381239(US,A1)
【文献】国際公開第2009/142288(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/027326(WO,A1)
【文献】特開2010-272625(JP,A)
【文献】特開2010-063006(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0264130(US,A1)
【文献】特開平07-037728(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01F 38/14
H01Q 7/00
H01Q 1/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の面に配置され、第1の螺旋構造を有する第1の金属線と、
第2の面に配置され、第2の螺旋構造を有し、前記第1の金属線に電気的に接続された第2の金属線と、を含む第1のコイル、および
少なくとも1つの金属コネクタを有し、前記第1の螺旋構造の最内ターンおよび前記第2の螺旋構造の最内ターンに配置された少なくとも1つの導電性アセンブリを含み、
前記第2の螺旋構造から分離された第1の接続部材を更に含み、
前記第1の面に垂直な方向から見たとき、前記第1の接続部材と前記第1の螺旋構造の端末は中空領域を形成する無線装置。
【請求項2】
前記中空領域は、前記第1の接続部材と前記第1の螺旋構造の端末とをループ状に配置することで、その内側に形成される領域である請求項1に記載の無線装置。
【請求項3】
前記第1の螺旋構造の最から2番目のターンおよび前記第2の螺旋構造の最から2番目のターンに配置された少なくとも3つの導電性アセンブリを更に含む請求項1または2に記載の無線装置。
【請求項4】
同じ導電性アセンブリ内のそれぞれの2つの隣接する金属コネクタ間の距離は実質的に等しい請求項に記載の無線装置。
【請求項5】
前記第1の金属線は、分離線を更に含み、前記分離線は、前記第1の螺旋構造から分離される請求項1または2に記載の無線装置。
【請求項6】
前記分離線は長尺状の構造を有し、前記第1の螺旋構造の最内ターンは、端子部を有し、前記端子部の延伸方向は、前記分離線の延伸方向と異なる請求項5に記載の無線装置。
【請求項7】
前記第1の螺旋構造は、順次に前記第2の螺旋構造および前記分離線を介して前記第1の接続部材に結合される請求項5に記載の無線装置。
【請求項8】
前記第1の接続部材の長さは、前記第2の螺旋構造の各ターンの幅の総和よりも大きい請求項1または2に記載の無線装置。
【請求項9】
前記第2の金属線は、複数の直線部と複数の湾曲部を含み、前記第1の接続部材は、前記湾曲部の一部を切断する請求項1または2に記載の無線装置。
【請求項10】
記第1の接続部材は前記第2の螺旋構造の一部を切断しない請求項1または2に記載の無線装置。
【請求項11】
前記第1の接続部材は、前記第2の螺旋構造の前記最内ターンを切断しない請求項10に記載の無線装置。
【請求項12】
前記第1の螺旋構造の最内ターンの幅は前記第1の螺旋構造の最外ターンの幅より狭い請求項1または2に記載の無線装置。
【請求項13】
前記第1の螺旋構造は、前記最内ターンと前記最外ターンの間に配置された中間ターンを有し、第1のスリットは、前記中間ターンに形成され、前記第1のスリットは、前記中間ターンを左側部分と右側部分に分割し、前記左側部分または前記右側部分の幅は、前記第1の螺旋構造の前記最内ターンの幅より小さい請求項12に記載の無線装置。
【請求項14】
前記第1の螺旋構造の各連続するターンの幅は、前記最内ターンから前記最外ターンに向かって徐々に増加する請求項13に記載の無線装置。
【請求項15】
前記第1の螺旋構造は、複数の直線部と複数の湾曲部を含み、各湾曲部の幅は、それに接続された前記直線部の幅より大きい請求項1または2に記載の無線装置。
【請求項16】
前記第1の金属線は、前記湾曲部にそれぞれ形成された複数のスリットを有する請求項15に記載の無線装置。
【請求項17】
前記第1の螺旋構造の最内ターンの端部に接続された電気接続部を更に含む請求項1または2に記載の無線装置。
【請求項18】
前記第2の螺旋構造の最から2番目のターンに接続された第1の接続部材、および
前記第2の螺旋構造の最ターンに接続された電気接続部を更に含む請求項1または2に記載の無線装置。
【請求項19】
前記第2の螺旋構造の最から2番目のターンに接続された第1の接続部材を更に含み、前記第1の面に垂直な方向から見たとき、前記第1の螺旋構造の最内ターンと前記第2の螺旋構造の最から2番目のターンが部分的に重なる請求項1または2に記載の無線装置。
【請求項20】
第2のコイルを更に含み、前記第2のコイルは、
前記第1の面に配置され、前記第1の金属線を囲む第3の金属線、および
前記第2の面に配置され、前記第2の金属線を囲む第4の金属線を含み、
前記第1のコイルは近距離無線通信帯域で動作し、且つ前記第2のコイルは電力伝送の送信端末または受信端末として動作する請求項1または2に記載の無線装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2017年11月21日に出願された米国特許仮出願番号第62/589305号、2017年12月7日に出願された米国特許仮出願番号第62/595820号、および2018年11月8日に出願された中国特許出願番号第201821838071.9号からの優先権を主張するものであり、これらの全ては引用によって本願に援用される。
【0002】
本発明は、無線装置に関するものであり、特に、2つの層に2つの金属線を有する無線装置に関するものである。
【背景技術】
【0003】
技術が進歩するにつれて、タブレットコンピュータおよびスマートフォンのような多くの種類の電子機器がワイヤレス充電の機能を含むようになり始めた。ユーザは、電子機器をワイヤレス充電送信端末に置いて、電子機器内のワイヤレス充電受信端末が電磁誘導または電磁共鳴によって電流を生成し、バッテリーを充電することができるようになる。ワイヤレス充電の便利さにより、ワイヤレス充電モジュールを備えた電子機器は次第に普及してきている。
【0004】
一般的に、ワイヤレス充電機器は、コイルを支持する磁性導電板(magnetic conductive plate)を含む。ワイヤレス充電モードまたはワイヤレス通信モードでコイルに電気が印加されたとき、磁性導電板は、より良いパフォーマンスのためにコイルから放出された磁力線を集中させることができる。しかしながら、そのようにコイルが巻回される既存の方法は、無線装置に対する様々な要求、例えば、より良い充電性能、通信性能、およびより厚みが薄いなどの要求を満たさない。
【0005】
従って、ユーザの様々なニーズを満たすことができる無線装置をどのように設計するかが、今日議論されて解決される必要がある課題である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
これに鑑みて、本開示の目的は、上記の問題を解決するための無線装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のいくつかの実施形態によれば、無線装置が提供され、第1のコイルと少なくとも1つの導電性アセンブリを含む。第1のコイルは、第1の金属線と第2の金属線を含む。第1の金属線は、第1の平面に配置され、第1の螺旋構造を有する。第2の金属線は、第2の平面に配置され、第2の螺旋構造を有し、第2の金属線は、第1の金属線に電気的に接続される。導電性アセンブリは少なくとも1つの金属コネクタを有する。導電性アセンブリは、第1の螺旋構造の最内ターンおよび第2の螺旋構造の最内ターンに配置される。
【0008】
いくつかの実施形態によれば、無線装置は、第1の螺旋構造の最後から2番目のターンおよび第2の螺旋構造の最後から2番目のターンに配置された少なくとも3つの導電性アセンブリを更に含む。
【0009】
いくつかの実施形態によれば、同じ導電性アセンブリ内のそれぞれの2つの隣接する金属コネクタ間の距離は実質的に等しい。
【0010】
いくつかの実施形態によれば、無線装置は、第2の螺旋構造から分離された第1の接続部材を更に含む。
【0011】
いくつかの実施形態によれば、第1の金属線は、分離線を更に含み、分離線は、第1の螺旋構造から分離される。
【0012】
いくつかの実施形態によれば、分離線は長尺状の構造を有し、第1の螺旋構造の最内ターンは、端子部を有し、端子部の延伸方向は、分離線の延伸方向と異なる。
【0013】
いくつかの実施形態によれば、第1の螺旋構造は、順次に第2の螺旋構造および分離線を介して第1の接続部材に結合される。
【0014】
いくつかの実施形態によれば、第1の接続部材の長さは、第2の螺旋構造の各ターンの幅の総和よりも大きい。
【0015】
いくつかの実施形態によれば、第2の金属線は、複数の直線部と複数の湾曲部を含み、第1の接続部材は、湾曲部の一部を切断する。
【0016】
いくつかの実施形態によれば、第1の面に垂直な方向から見たとき、第1の接続部材と第1の螺旋構造の端末は中空領域を形成する。
【0017】
いくつかの実施形態によれば、無線装置は、第1の接続部材を更に含み、第1の接続部材は第2の螺旋構造の一部を切断しない。
【0018】
いくつかの実施形態によれば、第1の接続部材は、第2の螺旋構造の最内ターンを切断しない。
【0019】
いくつかの実施形態によれば、第1の螺旋構造の最内ターンの幅は第1の螺旋構造の最外ターンの幅より狭い。
【0020】
いくつかの実施形態によれば、第1の螺旋構造は、最内ターンと最外ターンの間に配置された中間ターンを有する。第1のスリットは、中間ターンに形成され、第1のスリットは、中間ターンを左側部分と右側部分に分割し、左側部分または右側部分の幅は、第1の螺旋構造の最内ターンの幅より小さい。
【0021】
いくつかの実施形態によれば、第1の螺旋構造の各連続するターンの幅は、最内ターンから最外ターンに向かって徐々に増加する。
【0022】
いくつかの実施形態によれば、第1の螺旋構造は、複数の直線部と複数の湾曲部を含み、各湾曲部の幅は、それに接続された直線部の幅より大きい。
【0023】
いくつかの実施形態によれば、第1の金属線は、湾曲部にそれぞれ形成された複数のスリットを有する。
【0024】
いくつかの実施形態によれば、無線装置は、第1の螺旋構造の最内ターンの端部に接続された電気接続部を更に含む。
【0025】
本開示のいくつかの実施形態によれば、無線装置は、第1の接続部材および電気接続部を更に含む。第1の接続部材は、第2の螺旋構造の最後から2番目のターンに接続される。電気接続部は、第2の螺旋構造の最後のターンに接続される。
【0026】
いくつかの実施形態によれば、無線装置は、第2の螺旋構造の最後から2番目のターンに接続された第1の接続部材を更に含み、第1の面に垂直な方向から見たとき、第1の螺旋構造の最内ターンと第2の螺旋構造の最後から2番目のターンが部分的に重なる。
【0027】
いくつかの実施形態によれば、無線装置は、第2のコイルを更に含み、第2のコイルは、第3の金属線および第4の金属線を含む。第3の金属線は第1の面に配置され、第1の金属線を囲む。第4の金属線は第2の面に配置され、第2の金属線を囲む。第1のコイルは近距離無線通信帯域で動作し、且つ第2のコイルは電力伝送の送信端末または受信端末として動作する。
【0028】
本開示は、コイルユニットを含む無線装置を提供する。いくつかの実施形態では、コイルユニットは第1のコイルを含むことができ、第1のコイルは第1の金属線と第2の金属線を更に含むことができる。第2の金属線は、少なくとも1つの導電アセンブリによって第1の金属線に電気的に接続され、且つ導電性アセンブリは、第1の金属線および第2の金属線の最内ターンに配置されることができ、それによりコイルユニットの電流密度がより均一になることができ、特定の箇所に電流が集中して不要な熱エネルギーを発生させにくくするため、全体の効率が向上する。
【0029】
また、いくつかの実施形態では、コイルユニットは第2のコイルを更に含むことができる。第1のコイルは、近距離無線通信(NFC)帯域で動作することができ、且つ第2のコイルは、電力伝送の送信端末または受信端末として動作することができる。従って、無線装置は、無線通信および無線充電の機能を同時に行うことができる。
【0030】
本発明の特徴や長所は以下に記述されるとともに、一部は記述中から明らかにされる。または、ここで開示される原理により実践されて知ることができる。本発明の追加的な特徴と長所は、装置の方法、および、請求項中で示される特別な組み合わせにより理解され、獲得される。本発明のこれら、およびその他の特徴は、以下の記述と請求項によって十分に明らかになり、または、本開示中で記述される原理の実践により知ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
本開示の態様は、添付の図面を参照することで、次の詳細な説明から良く理解される。工業における標準的な慣行に従って、種々の特徴は縮尺通りに描かれていないことに留意されたい。実際、種々の特徴の寸法は、議論を明確化するために、任意に増加または減少されている。
図1図1は、本開示の実施形態による無線装置の分解図である。
図2図2は、本開示の一実施形態によるコイルユニットの上面図である。
図3図3は、本開示の一実施形態による第1の面にあるコイルユニットの上層構造の概略図である。
図4図4は、本開示の一実施形態による第2の面にあるコイルユニットの下層構造の概略図である。
図5図5は、本開示の一実施形態による図2の線A‐A’に沿った断面図である。
図6図6は、本開示の一実施形態による図2の領域Xの拡大図である。
図7図7は、本開示のもう1つの実施形態による第2の面にあるコイルユニットの概略図である。
図8図8は、本開示のもう1つの実施形態による無線装置のコイルユニットの上面図である。
図9図9は、本開示の一実施形態による第1の面にあるコイルユニットの上層構造の概略図である。
図10図10は、本開示の一実施形態による第2の面にあるコイルユニットの下層構造の概略図である。
図11図11は、本開示のもう1つの実施形態による無線装置のコイルユニットの上面図である。
図12図12は、本開示の一実施形態による第1の面にあるコイルユニットの上層構造の概略図である。
図13図13は、本開示の一実施形態による第2の面にあるコイルユニットの下層構造の概略図である。
図14図14は、本開示のもう1つの実施形態による無線装置のコイルユニットの上面図である。
図15図15は、本開示の一実施形態による第1の面にあるコイルユニットの上層構造の概略図である。
図16図16は、本開示の一実施形態による第2の面にあるコイルユニットの下層構造の概略図である。
図17図17は、本開示のもう1つの実施形態による無線装置のコイルユニットの上面図である。
図18図18は、本開示の一実施形態による第1の面にあるコイルユニットの上層構造の概略図である。
図19図19は、本開示の一実施形態による第2の面にあるコイルユニットの下層構造の概略図である。
図20図20は、本開示のもう1つの実施形態による無線装置のコイルユニットの上面図である。
図21図21は、本開示の一実施形態による第1の面にあるコイルユニットの上層構造の概略図である。
図22図22は、本開示の一実施形態による第2の面にあるコイルユニットの下層構造の概略図である。
図23図23は、本開示のもう1つの実施形態による無線装置のコイルユニットの上面図である。
図24図24は、本開示の一実施形態による第1の面にあるコイルユニットの上層構造の概略図である。
図25図25は、本開示の一実施形態による第2の面にあるコイルユニットの下層構造の概略図である。
図26図26は、本開示のもう1つの実施形態による無線装置のコイルユニットの上面図である。
図27図27は、本開示の一実施形態による第1の面にあるコイルユニットの上層構造の概略図である。
図28図28は、本開示の一実施形態による第2の面にあるコイルユニットの下層構造の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下の発明を実施するための形態では、説明のために、多数の特定の詳細および実施形態が本開示の完全な理解を提供するために明記されている。以下の発明を実施するための形態で説明された特定の構成要素および構造は、本開示を明瞭に説明するために記述されている。しかしながら、本明細書で記述される例示的な実施形態は、単に説明のために用いられることは明らかであり、発明の概念は、これらの例示的な実施形態に限定されることなく、種々の形態で実施することができる。また、異なる実施形態の図面では、本開示を明瞭に説明するために、類似の番号および/または対応の番号を用いて、類似の構成要素および/または対応の構成要素を示すことができる。しかしながら、異なる実施形態の図面では、類似の番号および/または対応の番号の使用は、異なる実施形態間の相関関係を示唆するものではない。「上」、「下」、「左」、「右」、「前」または「後」などの方向の用語は、添付の図面のための参照方向である。従って、方向を表す用語の使用は、本開示を限定するものではなく説明のためのものである。
【0033】
特定の説明または特定の図のための構成要素は、当業者に知られている任意の形態で存在し得ることを理解されたい。また、ある層が他の層または基板の「上」にあるとき、それはその層または基板の「直接」上にあるか、あるいは他の層がその層と他の層の間にあることができる。
【0034】
この明細書では、関連する表現が用いられる。例えば、「より低い」、「底部」、「より高い」、または「上部」は、もう1つに対する1つの構成要素の位置を説明するのに用いられる。仮に装置が上下反転された場合、「より低い」側の構成要素は、「より高い」側の構成要素となる、ということが了解されるべきである。
【0035】
用語「約」および「大抵」は、一般的に、所定値の+/-20%を意味し、より一般的に、所定値の+/-10%を意味し、さらにより一般的に、所定値の+/-5%を意味する。本開示の所定値は、近似値である。特定の説明がないとき、所定値は、「約」または「大抵」の意味を含む。
【0036】
図1は、本開示の一実施形態による無線装置100の分解図である。図1に示されるように、無線装置100は、コイルユニット102、接着層104、および磁性導電板106を含むことができる。本実施形態では、コイルユニット102が磁性導電板106に配置され、コイルユニット102は、接着層104によって磁性導電板106と接続される。接着層104は、接続に使用することができるテープまたは他の任意の材料であることができる。
【0037】
また、本実施形態では、磁性導電板106はフェライトであることができるが、これに限定されるものではない。例えば、他の実施形態では、磁性導電板106はナノ結晶材料も含み得る。磁性導電板106は、コイルユニット102に対応する透磁率を有することができ、コイルユニット102の電磁波をより集中させることができる。
【0038】
図1に示されるように、コイルユニット102は、基板108とコイル構造110を含み、コイル構造110は基板108に形成される。この実施形態では、基板108はフレキシブル回路基板であるが、それに限定されるものではない。コイル構造110を形成するために用いることができる任意の基板であれば本開示の範囲内である。また、コイルユニット102は、タブレット型コンピュータやスマートフォンなどの外部電子機器を無線で充電するための充電コイルとして機能することができる。
【0039】
例えば、コイルユニット102のコイル構造110は、ワイヤレス給電の標準化団体(Alliance for Wireless Power; A4WP)の規格に基づく共鳴充電コイルとして動作することができるが、それに限定されるものではない。また、コイル構造110は、Qi規格のようなワイヤレスパワーコンソーシアム(Wireless Power Consortium; WPC)の規格に基づく誘導充電コイルとして動作することができる。従って、無線装置100は、異なる形態の充電に応答し、この実施形態の応用範囲を拡大することができる。例えば、近距離(例えば1cm以下)の場合、誘導型の動作が用いられ、遠距離の場合は共振型の動作が用いられる。
【0040】
次に、図2図4に示すように、図2は、本開示の一実施形態によるコイルユニット102の上面図である。図3は、本開示の一実施形態による第1の面1021にあるコイルユニット102の上層構造の概略図である。図4は、本開示の一実施形態による第2の面1022にあるコイルユニット102の下層構造の概略図である。図4のコイル構造は第2の面1022の下方に配置されるべきであるが、明確にするために、図4のコイル構造は依然として実線で示されていることに留意されたい。
【0041】
図3および図4に示されるように、コイルユニット102のコイル構造110(第1のコイル)は、第1の金属線111と第2の金属線112を含むことができ、第1の金属線111は第1の面1021に配置され、第2の金属線112は第2の面1022に配置される。図3に示されるように、コイルユニット102は、第1の端子接点103および第2の端子接点105を有し、制御チップなどの外部回路に電気的に接続されるように構成される。
【0042】
次に、図3および図4に示されるように、第1の金属線111は第1の螺旋構造を形成し、第2の金属線112はその形状および幅が第1の螺旋構造の形状および幅と実質的に対応する第2の螺旋構造を形成する。第1の金属線111は第1の端子接点(terminal contact)103に接続されるように構成され、第2の金属線112は第2の端子接点105に電気的に接続されるように構成され、第2の金属線112は第1の金属線111に電気的に接続されるように構成される。
【0043】
また、コイルユニット102は、1つ以上の導電性アセンブリを更に含み、各導電性アセンブリは、基板108を貫通して第1の金属線111と第2の金属線112を接続するように構成された複数の金属コネクタMC(ビアとも称される)を含む。例えば、図2図4に示すように、コイルユニット102は、第1および第2の螺旋構造の最内ターン(innermost turn)に配置され、第1の金属線111と第2の金属線112を接続するように構成された導電性アセンブリCA1および導電性アセンブリCA2を有する。複数の金属コネクタMCを設けることで、コイルユニット102の電流密度をより均一に分布させることができ、特定の箇所に電流が集中して不要な熱エネルギーを発生させにくくするため、全体の効率が向上する。
【0044】
図3に示されるように、第1の金属線111は分離線113を更に含み、分離線113は第1の金属線111の第1の螺旋構造内に位置し、第1の螺旋構造から分離される。また、図4に示されるように、第2の金属線112は、複数の直線部SSと複数の湾曲部CSを含むことができる。この実施形態では、各湾曲部CSの幅は、それに接続された直線部SSの幅より大きい。例えば、図3に示すように、最外部の直線部SSは幅W1を有し、それに接続された湾曲部CSは幅W2を有し、幅W2は幅W1より大きい。構造設計により、コイルユニット102の面積を小さくすることができ、無線装置100の小型化の目的を達成することができる。
【0045】
図2図4に示すように、コイルユニット102は、第1の接続部材114を更に含み、第1の接続部材114は、上述の第2の螺旋構造から分離され、第1の螺旋構造は、導電性アセンブリCA1、第2の螺旋構造、分離線113、および導電性アセンブリCA2を介して第1の接続部材114に結合される(結合の順序は逆でもよい)ことに留意されたい。
【0046】
また、図4に示されるように、第1の接続部材114は長さL1を有し、第2の螺旋構造の各ターンの幅の総和はWTである(第1の接続部材114の延伸方向に沿って)。本実施形態では、長さL1が幅の総和WTより大きいため、コイル構造110は製造誤差による望ましくない問題(短絡など)を生じにくい。また、この実施形態では、図4に示されるように、第1の接続部材114は、第2の螺旋構造の内側から第2の螺旋構造の外側まで延伸し、湾曲部CSの一部を切断する。
【0047】
また、図2図5に示すように、図5は、本開示の一実施形態による図2の線A‐A’に沿った断面図である。この実施形態では、図2に示されるように、コイルユニット102は、第1の接続部材114の両側に配置された複数の導電性アセンブリを更に含むことができる。図2および図5に示されるように、導電性アセンブリCA3および導電性アセンブリCA4は、第1の金属線111の第1の螺旋構造の一部が第2の金属線112の第2の螺旋構造の一部に並列に接続されるのを助けることができる。従って、ユニット102の全体のインピーダンスを下げる効果が得られ、コイルユニット102のコイル構造110の巻数も増加されることができる。
【0048】
また、図2に示されるように、各導電性アセンブリに含まれる複数の金属コネクタMCは、第1の金属線111の方向に沿って配列される。例えば、導電性アセンブリCA3の金属コネクタMCは、第1の金属線111の延伸方向に沿って一対に配置される。
【0049】
次に、図6に示すように、図6は、本開示の一実施形態による図2の領域Xの拡大図である。図6に示されるように、第1の螺旋構造は、最内ターン116、第1の中間ターン118、第2の中間ターン120、および最外ターン122を有する。最内ターン116は幅WAを有し、最外ターン122は幅WXを有し、且つ最内ターン116の幅WAは最外ターン122の幅WXより狭い。本開示の様々な実施形態では、第1の金属線111の異なるターンの幅は、磁場の強度に従って対応して変えられることができる。より強い磁界にはより狭い幅が用いられて、抵抗値が高くなり、渦電流による損失を減少することができる。
【0050】
本実施形態では、複数のスリットが、湾曲部CSにそれぞれ形成された第1の金属線111の第1の螺旋構造に形成されることができる。具体的に言えば、図6に示されるように、第1の中間ターン118と第2の中間ターン120は、最内ターン116と最外ターン122の間に配置され、第1のスリット120Sが第2の中間ターン120に形成される。また、第1のスリット120Sは、第2の中間ターン120を左側部分1201と右側部分1202に分割する。左側部分1201および右側部分1202のそれぞれは幅WCを有し、幅WCは第1の螺旋構造の最内ターン116の幅WAより小さい。
【0051】
この実施形態では、第1の螺旋構造の各連続するターンの幅は、最内ターンから最外ターンに向かって徐々に増加することができる。即ち、幅WAは第1の中間ターン118の幅WBより小さく、幅WBは最外ターン122の幅WXより小さく、且つ幅WCは幅WAより小さい。本実施形態の構造配置(structural configuration)によれば、渦電流による損失を低減し、電流密度をより均一にすることができる。
【0052】
また、本開示のいくつかの実施形態では、図2および図3に示すように、コイルユニット102の全体の強度を高めるために、コイルユニット102は、第1の面1021に配置された複数のダミー金属線を更に含むことができる。本実施形態では、コイルユニット102は、複数のダミー金属線1023とダミー金属線1024を含み、ダミー金属線1024は、第1の端子接点103および第2の端子接点105に隣接している。ダミー金属線1023およびダミー金属線1024は、第1の金属線111および第2の金属線112から電気的に独立しており、且つ複数のダミー金属線1023および複数のダミー金属線1024は互いに電気的に独立している。
【0053】
ダミー金属線1023およびダミー金属線1024を配置することにより、基板108の局所的な硬度が高められることができ、ダミー金属線1023およびダミー金属線1024を用いて、基板108の位置決めを補助し、位置決め精度および組み立ての利便性を向上させることができる。本実施形態では、ダミー金属線1023とダミー金属線1024は、線状で実現されているが、これに限定されるものではない。例えば、他の実施形態では、それらは円形、長方形などによっても実現されることができる。
【0054】
図3では、コイルユニット102は、第1の面1021に配置された金属ブロック1025を更に含み、コイルユニット102の全体の強度を更に高めることができる。また、複数のダミー金属線1024が金属ブロック1025を囲み、金属ブロック1025から電気的に独立している。
【0055】
また、本開示の図4の実施形態では、無線装置100は、第2の面1022に配置された少なくとも1つの電子部品50を更に含むことができ、電子部品50は、2つの電気接点ECに電気的に接続されるように構成される。電子部品50は、第1の面1021の金属ブロック1025およびダミー金属線1024の位置に対応する位置に配置される。従って、電子部品50にはんだ付けされた電気接点ECは、衝撃によって容易には損傷されず、そのため無線装置100の信頼性が向上する。
【0056】
図7に示されるように、図7は、本開示のもう1つの実施形態による第2の面1022にあるコイルユニット102Aの概略図である。コイルユニット102Aは、図4のコイルユニット102と類似しており、異なることは、この実施形態のコイルユニット102Aが、第1および第2の螺旋構造の最後から2番目のターンに配置された少なくとも3つの導電性アセンブリを含むことであり、導電性アセンブリは、第1の螺旋構造および第2の螺旋構造に電気的に接続されるように構成されている(第1の螺旋構造は図3と同じであるため、ここでは省略する)。
【0057】
具体的に言えば、この実施形態では、図7に示されるように、コイルユニット102Aは、2つの導電性アセンブリCA5、2つの導電性アセンブリCA6、および2つの導電性アセンブリCA7を含む。この実施形態では、最内ターンに配置された導電性アセンブリCA5は、5つの金属コネクタMCを含み、それぞれの2つの隣接する金属コネクタMC間の距離は実質的に等しい。また、導電性アセンブリCA5、導電性アセンブリCA6、および導電性アセンブリCA7は、第2の金属線112の延伸方向に沿って等間隔で配置されるため、コイルユニット102Aの構造強度が向上され、電流密度がより均一になることができる。
【0058】
本実施形態の構造設計によれば、コイルユニット102Aの構造強度を高めることができ、電流密度もより均一にすることができる。
【0059】
図8図10に示すように、図8は、本開示のもう1つの実施形態による無線装置のコイルユニット202の上面図であり、図9は、本開示の一実施形態による第1の面2021にあるコイルユニット202の上層構造の概略図であり、図10は、本開示の一実施形態による第2の面2022にあるコイルユニット202の下層構造の概略図である。本実施形態では、コイルユニット202は、第1の面2021および第2の面2022にそれぞれ配置された第1の金属線211および第2の金属線212を含み、第1の金属線211および第2の金属線212は、第1の螺旋構造および第2の螺旋構造をそれぞれ形成する。
【0060】
図10に示されるように、コイルユニット202は、第2の螺旋構造から分離された第1の接続部材214を更に含む。また、図8に示されるように、第1の金属線211は、金属コネクタMCによって第1の接続部材214と第2の金属線212を接続するように構成された分離線224を更に含む。この実施形態では、図9に示されるように、分離線224は長尺状の構造を有し、第1の螺旋構造の最内ターンは、端子部2111を有し、端子部2111の延伸方向は、分離線224の延伸方向と異なる。本実施形態では、端子部2111の延伸方向は、分離線224の延伸方向と実質的に垂直であるが、本実施形態に限定されるものではない。
【0061】
異なる方向に延伸する端子部2111および分離線224の設計に基づいて、コイルユニット202と他の構成要素との接触面積を増大させ、それによって放熱効果を向上させることができる。また、図10に示されるように、第2の金属線212は、非平行部分2121も提供し、放熱効果を更に向上させることができる。また、コイルの効率は、対応する電磁場の強度に基づいて、コイルのターン間の間隙を調整することによって最適化することができる。
【0062】
図11図13に示されるように、図11は、本開示のもう1つの実施形態による無線装置のコイルユニット202Aの上面図である。図12は、本開示の一実施形態による第1の面2021にあるコイルユニット202Aの上層構造の概略図であり、図13は、本開示の一実施形態による第2の面2022にあるコイルユニット202Aの下層構造の概略図である。
【0063】
本実施形態のコイルユニット202Aは、コイルユニット202と類似しており、異なることは、本実施形態では、図11に示されるように、第1の面2021に垂直な方向から見たとき、第1の接続部材214Aと第1の金属線211の第1の螺旋構造の端末(端子部2111)が、中空領域HAを形成することである。本実施形態の構造設計に基づいて、コイルユニット202Aの誘導効率および放熱効率を向上させることができる。
【0064】
図14図16に示すように、図14は、本開示のもう1つの実施形態による無線装置のコイルユニット202Bの上面図である。図15は、本開示の一実施形態による第1の面2021にあるコイルユニット202Bの上層構造の概略図であり、且つ図16は、本開示の一実施形態による第2の面2022にあるコイルユニット202Bの下層構造の概略図である。
【0065】
本実施形態のコイルユニット202Bは、上述のコイルユニット202Aと類似している。異なることは、本実施形態では、コイルユニット202Bは、第1の金属線211の第1の螺旋構造の最内ターンの端部に接続された電気接続部225を更に含むことである。本実施形態の構造設計に基づいて、コイルユニット202Bは、電気接続部225を介して外部回路に直接電気的に接続され、コイルユニット202Bの試験の利便性を向上させることができる。
【0066】
図17図19に示すように、図17は、本開示のもう1つの実施形態による無線装置のコイルユニット202Cの上面図であり、図18は、本開示の一実施形態による第1の面2021にあるコイルユニット202Cの上層構造の概略図であり、且つ図19は、本開示の一実施形態による第2の面2022にあるコイルユニット202Cの下層構造の概略図である。
【0067】
本実施形態のコイルユニット202Cは、上述のコイルユニット202Bと類似している。異なることは、この実施形態では、コイルユニット202Cが、第2の金属線212の第2の螺旋構造の最後のターンに接続された電気接続部226を有することである。また、コイルユニット202Cは第1の接続部材214Cを更に含み、第1の接続部材214Cは第2の螺旋構造の一部を切断しない。具体的に言えば、第1の接続部材214Cは、第2の螺旋構造の最内ターン(最後のターン)を切断せず、第1の接続部材214Cは、第2の螺旋構造の最後から2番目のターンに接続される。
【0068】
本実施形態の構造設計に基づいて、コイルユニット202Cは、電気接続部226を介して外部回路に直接電気的に接続され、例えば、試験装置に接続され、コイルユニット202Bの試験の利便性を向上させることができる。また、複数のコイルユニット202Cは、それらのそれぞれの電気接続部226を介して制御チップに接続されることができ、制御チップは、例えば直列または並列に、複数のコイルユニット202C間の接続方法を制御することができる。
【0069】
図20図22に示すように、図20は、本開示のもう1つの実施形態による無線装置のコイルユニット202Dの上面図であり、図21は、本開示の一実施形態による第1の面2021にあるコイルユニット202Dの上層構造の概略図であり、且つ図22は、本開示の一実施形態による第2の面2022にあるコイルユニット202Dの下層構造の概略図である。
【0070】
本実施形態のコイルユニット202Dは、上述のコイルユニット202Cと類似している。この実施形態では、コイルユニット202Dの第1の接続部材214Dは、第2の金属線212の第2の螺旋構造の最後から2番目のターン2122に接続される(例えば、図22に示されているように)。留意すべきことは、図20に示されるように、本実施形態と上述の実施形態との違いは、第1の面2021に垂直な方向から見たとき、第1の金属線211の第1の螺旋構造の最内ターン2112が、第2の螺旋構造の最後から2番目のターン2122と部分的に重なることである。
【0071】
この実施形態では、第2の金属線212の最内ターン2123と第1の金属線211の最内ターン2112は直列に接続されるため、コイルユニット202Dの全体の抵抗が減少され、従って、渦電流による損失を低減することができる。
【0072】
図23図25に示すように、図23は、本開示のもう1つの実施形態による無線装置のコイルユニット302の上面図であり、図24は、本開示の一実施形態による第1の面3021にあるコイルユニット302の上層構造の概略図であり、且つ図25は、本開示の一実施形態による第2の面3022にあるコイルユニット302の下層構造の概略図である。
【0073】
この実施形態では、無線装置のコイルユニット302は第1のコイルと第2のコイルを含む。第1のコイルは、第1の面3021および第2の面3022にそれぞれ配置された第1の金属線304および第2の金属線306を含む。また、第2のコイルは、第3の金属線308および第4の金属線310を含む。第3の金属線308は第1の面3021に配置され、第1の金属線304を囲み、第4の金属線310は第2の面3022に配置され、第2の金属線306を囲む。
【0074】
この実施形態では、第1の金属線304は、複数の導電性アセンブリCAによって第2の金属線306に電気的に接続され、且つ第2の金属線306は、2つの導電性アセンブリCAによって電気接点EC1と電気接点EC2に電気的に接続され、それにより第1のコイルが電気接点EC1および電気接点EC2を介して外部回路に電気的に接続される。第3の金属線308は、複数の導電性アセンブリCAによって第4の金属線310に電気的に接続されることができる。更に、第3の金属線308は電気接点EC3に電気的に接続され、第4の金属線310は導電性アセンブリCAによって電気接点EC4に電気的に接続され、それにより第2のコイルが外部回路に電気的に接続される。
【0075】
留意すべきことは、この実施形態では、ワイヤレス充電機能を実行するように、第1のコイルは、近距離無線通信(NFC)帯域で動作することができ、且つ第2のコイルは、電力伝送の送信端末または受信端末として動作することができることである。
【0076】
コイルユニット302の構造設計に基づいて、無線装置は、無線通信および無線充電の機能を同時に行うことができ、無線装置の小型化の目的も達成することができる。
【0077】
図26図28に示すように、図26は、本開示のもう1つの実施形態による無線装置のコイルユニット302Aの上面図であり、図27は、本開示の一実施形態による第1の面3021にあるコイルユニット302Aの上層構造の概略図であり、且つ図28は、本開示の一実施形態による第2の面3022にあるコイルユニット302Aの下層構造の概略図である。
【0078】
コイルユニット302と同様に、この実施形態では、無線装置のコイルユニット302Aは、第1のコイルと第2のコイルとを含み、第1のコイルは第1の面3021に配置された第1の金属線312を含む。第2のコイルは、第1の面3021に配置され、第1の金属線312を囲む第2の金属線314を含み、第2の金属線314は、電気接点EC1および電気接点EC2に電気的に接続される。コイルユニット302Aとコイルユニット302との違いは、コイルユニット302Aが第2の面3022に配置された複数の接続線316を含むことである。この実施形態では、2つの接続線316は、第1の金属線312を2つの電気接点ECに接続するように構成され、他の3つの接続線316は、第2の金属線314または第1の金属線312の異なるターンに接続されるように構成される。
【0079】
この構成によれば、第2の面3022にあるコイルユニット302Aの配線レイアウトを簡素化することができる。
【0080】
本開示は、コイルユニットを含む無線装置を提供する。いくつかの実施形態では、コイルユニットは第1のコイルを含むことができ、第1のコイルは第1の金属線と第2の金属線を更に含むことができる。第2の金属線は、少なくとも1つの導電アセンブリによって第1の金属線に電気的に接続され、且つ導電性アセンブリは、第1の金属線および第2の金属線の最内ターンに配置されることができ、それによりコイルユニットの電流密度がより均一になることができ、特定の箇所に電流が集中して不要な熱エネルギーを発生させにくくするため、全体の効率が向上する。
【0081】
また、いくつかの実施形態では、コイルユニットは第2のコイルを更に含むことができる。第1のコイルは、近距離無線通信(NFC)帯域で動作することができ、且つ第2のコイルは、電力伝送の送信端末または受信端末として動作することができる。従って、無線装置は、無線通信および無線充電の機能を同時に行うことができる。
【0082】
本開示及びそれらの利点の一部の実施形態が詳細に説明されてきたが、添付の請求の範囲によって定義されるように、本開示の精神および範囲を逸脱せずに、本明細書において種々の変更、代替、および改変をすることができることを理解すべきである。また、本出願の範囲は、本明細書中に述べられたプロセス、機械、製造、物質の組成、手段、方法、及びステップの特定の実施形態に限定されることを意図するものではない。当業者が本開示の開示から容易に理解するように、本明細書で述べられた対応する実施形態と、実質的に同様の機能を実行するか、または実質的に同様の結果を達成する、現存の、または後に開発される、開示、プロセス、機械、製造、物質の組成、手段、方法、またはステップが本開示に従って利用され得る。よって、添付の特許請求の範囲は、上述のプロセス、機械、製造、物質の組成、手段、方法、またはステップを含むように意図される。また、各請求の範囲は、個別の実施形態を構成し、各請求の範囲及び実施形態の組み合わせは、本発明の保護範囲である。
【符号の説明】
【0083】
50 電子部品
100 無線装置
102 コイルユニット
102A コイルユニット
1021 第1の面
1022 第2の面
1023 ダミー金属線
1024 ダミー金属線
1025 金属ブロック
103 第1の端子接点
104 接着層
105 第2の端子接点
106 磁性導電板
108 基板
110 コイル構造
111 第1の金属線
112 第2の金属線
113 分離線
114 第1の接続部材
116 最内ターン
118 第1の中間ターン
120 第2の中間ターン
1201 左側部分
1202 右側部分
120S 第1のスリット
122 最外ターン
202 コイルユニット
2021 第1の面
2022 第2の面
202A コイルユニット
202B コイルユニット
202C コイルユニット
202D コイルユニット
211 第1の金属線
2111 端子部
2112 最内ターン
212 第2の金属線
2121 非平行部分
2122 最後から2番目のターン
214 第1の接続部材
214A 第1の接続部材
214C 第1の接続部材
224 分離線
225 電気接続部
226 電気接続部
302 コイルユニット
302A コイルユニット
3021 第1の面
3022 第2の面
304 第1の金属線
306 第2の金属線
308 第3の金属線
310 第4の金属線
312 第1の金属線
314 第2の金属線
316 接続線
CA1、CA2、CA3、CA4、CA5、CA6、CA7 導電性アセンブリ
CS 湾曲部
EC、EC1、EC2、EC3、EC4 電気接点
L1 長さ
MC 金属コネクタ
SS 直線部
WT 幅の総和
W1、W2、WA、WB、WC、WX 幅


図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28