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特許7233996ばら物荷揚げ装置、および、ばら物荷揚げ装置の据付方法
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  • 特許-ばら物荷揚げ装置、および、ばら物荷揚げ装置の据付方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-27
(45)【発行日】2023-03-07
(54)【発明の名称】ばら物荷揚げ装置、および、ばら物荷揚げ装置の据付方法
(51)【国際特許分類】
   B65G 67/60 20060101AFI20230228BHJP
   B65G 15/26 20060101ALI20230228BHJP
   B65G 21/14 20060101ALI20230228BHJP
   B65G 47/46 20060101ALI20230228BHJP
   B65G 47/53 20060101ALI20230228BHJP
【FI】
B65G67/60 B
B65G15/26
B65G21/14 A
B65G47/46 H
B65G47/53 G
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2019057847
(22)【出願日】2019-03-26
(65)【公開番号】P2020158238
(43)【公開日】2020-10-01
【審査請求日】2021-09-22
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000203977
【氏名又は名称】日鉄テックスエンジ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002044
【氏名又は名称】弁理士法人ブライタス
(72)【発明者】
【氏名】青木 秀生
(72)【発明者】
【氏名】石脇 崇智
【審査官】三宅 達
(56)【参考文献】
【文献】実開昭58-184415(JP,U)
【文献】実開昭56-051783(JP,U)
【文献】特開平09-272690(JP,A)
【文献】実開昭56-013426(JP,U)
【文献】実公昭54-043508(JP,Y2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 67/60
B65G 15/26
B65G 21/14
B65G 47/34-47/72
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の受入位置で受け入れたばら物を所定の搬送方向に沿って搬送する搬送コンベアと、
前記搬送コンベアで搬送された前記ばら物を前記搬送方向に並んで配置された複数の相手側コンベアへ択一的に分配する分配装置と、
を備え、
前記搬送コンベアから前記ばら物が払い出される位置は、前記受入位置よりも高い位置に設定され、
前記分配装置における最も重い部品としての最重量部品は、前記搬送コンベアから前記ばら物が払い出される位置に対して前記受入位置側に進んだ箇所に配置されており、
前記搬送コンベアは、無端状に形成されており、
前記搬送コンベアを回転駆動する駆動源をさらに備え、
前記駆動源は、前記最重量部品の位置から前記受入位置側に進んだ箇所に配置されており、
前記搬送コンベアを支持するフレームと、
所定の移動方向に沿って延びるレール上を移動可能に前記レールに載せられ、前記フレームの荷重を受ける車輪と、をさらに備え、
前記最重量部品は、前記搬送方向において前記車輪に隣接して配置されており、
前記車輪として、前記受入位置に隣接配置された第1車輪と、前記搬送コンベアから前記ばら物が払い出される位置と前記第1車輪との間に配置された第2車輪と、が設けられ、
前記最重量部品は、前記第2車輪に隣接しており、
前記ばら物荷揚げ装置を操作するための操作室をさらに備え、
前記操作室は、前記第1車輪の上方において前記フレームに支持されている、ばら物荷揚げ装置。
【請求項2】
請求項1に記載のばら物荷揚げ装置の据付方法であって、
前記ばら物荷揚げ装置を、据付対象の岸壁とは別の岸で組み立て、
組み立てられた前記ばら物荷揚げ装置を前記別の岸から海上クレーンで持ち上げて海上を運搬し、
前記海上クレーンで持ち上げられた前記ばら物荷揚げ装置を、前記据付対象の岸壁に設置されたレール上に降ろす、
ばら物荷揚げ装置の据付方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ばら物荷揚げ装置、および、ばら物荷揚げ装置の据付方法に関する。
【背景技術】
【0002】
石灰石、鉄鉱石、および、石炭等のばら物を、搬送船から受け入れるばら物荷揚げ装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載のばら物荷揚げ装置は、受入シュートと、前部コンベアと、後部コンベアと、を有している。受入シュートは、岸壁の海側に設置されており、セルフアンローダー船から払い出されたばら物を受け入れる。受入シュートを通過したばら物は、前部コンベアおよび後部コンベアによって上昇しながら陸側に運搬される。後部コンベアの陸側端部の下方には、ばら物荷揚げ装置とは別の装置としての後背地コンベアが敷設されている。後部コンベアで搬送されたばら物は、後背地コンベアへ落下する。前部コンベアおよび後部コンベアは、海側から陸側へ向けて延びている。一方、後背地コンベアは、上記コンベアが延びる方向とは異なる方向に延びている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平11-322083号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の後背地コンベアは、1条である。一方、工場によっては、後背地コンベアとしての地上コンベアが2条以上設けられる場合もある。この場合、地上コンベアは、互いに平行に配置される。そして、ばら物荷揚げ装置は、複数条の地上コンベアへ択一的にばら物を払い出す分配装置を有している。
【0006】
そして、特許文献1に記載のように、ばら物を運搬船から陸側に搬送する搬送コンベアは、ばら物を受け入れる受入シュートよりも高い位置に、ばら物を地上コンベアへ払い出す位置が設定されている。一方で、上記の分配装置は、重量物であるため、分配装置が地上コンベアに近すぎると(陸側に寄せて配置されていると)、分配装置の重心が、地上コンベア付近に位置してしまう。その結果、ばら物荷揚げ装置の各種部分の重量バランスが悪くなり、分配装置の重みで、ばら物荷揚げ装置全体が、分配装置側にシーソーのように傾く力が大きく作用する。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みることにより、ばら物荷揚げ装置において、ばら物荷揚げ装置全体がシーソーのように傾くような力が作用することを抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)上記課題を解決するために、この発明のある局面に係わるばら物荷揚げ装置は、
所定の受入位置で受け入れたばら物を所定の搬送方向に沿って搬送する搬送コンベアと、
前記搬送コンベアで搬送された前記ばら物を前記搬送方向に並んで配置された複数の相手側コンベアへ択一的に分配する分配装置と、
を備え、
前記搬送コンベアから前記ばら物が払い出される位置は、前記受入位置よりも高い位置に設定され、
前記分配装置における最も重い部品としての最重量部品は、前記搬送コンベアから前記ばら物が払い出される位置に対して前記受入位置側に進んだ箇所に配置されている。
【0009】
(2)(1)に記載のばら物荷揚げ装置であって、
前記搬送コンベアを支持するフレームと、
所定の移動方向に沿って延びるレール上を移動可能に前記レールに載せられ、前記フレームの荷重を受ける車輪と、をさらに備え、
前記最重量部品は、前記搬送方向において前記車輪に隣接して配置されている。
【0010】
(3)(2)に記載のばら物荷揚げ装置であって、
前記車輪として、前記受入位置に隣接配置された第1車輪と、前記搬送コンベアから前記ばら物が払い出される位置と前記第1車輪との間に配置された第2車輪と、が設けられ、
前記最重量部品は、前記第2車輪に隣接している。
【0011】
(4)(1)~(3)の何れか1項に記載のばら物荷揚げ装置であって、
前記搬送コンベアは、無端状に形成されており、
前記搬送コンベアを回転駆動する駆動源をさらに備え、
前記駆動源は、前記最重量部品の位置から前記受入位置側に進んだ箇所に配置されている。
【0012】
(5)(1)~(4)の何れか1項に記載のばら物荷揚げ装置の据付方法であって、
前記ばら物荷揚げ装置を、据付対象の岸壁とは別の岸で組み立て、
組み立てられた前記ばら物荷揚げ装置を前記別の岸から海上クレーンで持ち上げて海上を運搬し、
前記海上クレーンで持ち上げられた前記ばら物荷揚げ装置を、前記据付対象の岸壁に設置されたレール上に降ろす。
【0013】
(6)(5)に記載のばら物荷揚げ装置の据付方法であって、
前記別の岸は、前記据付対象の岸壁の対岸である。
【0014】
(7)(5)または(6)に記載のばら物荷揚げ装置の据付方法であって、
前記別の岸が、前記ばら物荷揚げ装置を組み立てるための仮設の組立場所として用いられる。
【0015】
(8)(5)~(7)の何れか1項に記載のばら物荷揚げ装置の据付方法であって、
前記ばら物荷揚げ装置は、前記搬送方向に細長い形状に形成されており、
平面視において前記海上クレーンのクレーンアームの長手方向と前記搬送方向とが平行になるように前記海上クレーンが前記ばら物荷揚げ装置を持ち上げる。
【0016】
(9)(5)~(8)の何れか1項に記載のばら物荷揚げ装置の据付方法であって、
前記ばら物荷揚げ装置は、前記搬送コンベアを支持するフレームと、このフレームから下方に延びる主柱下部を含む主柱と、をさらに含み、
前記海上クレーンに張られたワイヤーが、少なくとも前記フレームと前記主柱との連結部を支持する。
【発明の効果】
【0017】
本発明によると、ばら物荷揚げ装置全体がシーソーのように傾くような力が作用することを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の一実施形態に係るばら物荷揚げ装置の模式的な側面図である。
図2】ばら物荷揚げ装置の模式的な平面図である。
図3図3(A)は、搬送コンベアの下流側端部が一方の払い出し口上に位置している状態を示す主要部の模式図であり、図3(B)は、搬送コンベアの下流側端部が他方の払い出し口上に位置している状態を示す主要部の模式図である。
図4】ばら物荷揚げ装置の据付方法の一例を説明するためのフローチャートである。
図5図5(A)は、ステップS1を説明するための図であり、図5(B)は、ステップS2を説明するための図である。
図6図6(A)は、ステップS3を説明するための図であり、図6(B)は、ステップS4を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しつつ説明する。
【0020】
図1は、本発明の一実施形態に係るばら物荷揚げ装置1の模式的な側面図である。図2は、ばら物荷揚げ装置1の模式的な平面図である。図3(A)は、ばら物荷揚げ装置1の搬送コンベア3の下流側端部3aが一方の払い出し口22上に位置している状態を示す主要部の模式図であり、図3(B)は、搬送コンベア3の下流側端部3aが他方の払い出し口23上に位置している状態を示す主要部の模式図である。図1図3(B)を参照して、ばら物荷揚げ装置1は、ばら物100を運搬船101等から受け入れ、このばら物100を複数条(本実施形態では、2条)の地上コンベア102,103へ払い出す。ばら物100として、塊状の石灰石、鉄鉱石、および、石炭を例示できる。ばら物荷揚げ装置1は、岸壁104に設置される。岸壁104は、例えば、ばら物100を取り扱う工場の岸壁である。ばら物荷揚げ装置1は、岸壁104の端面104a(海水に接する面)に隣接して設置されている。
【0021】
ばら物荷揚げ装置1は、側面視で端面104aと直交する方向を搬送方向D1として細長く延びている。ばら物荷揚げ装置1は、岸壁104の端面104a付近の受入位置P1でばら物100を受け入れる。受入位置P1は、地面105に近い箇所に設置されている。そして、ばら物荷揚げ装置1は、搬送方向D1に沿ってばら物100を搬送しつつ、ばら物100を受入位置P1よりも高い位置に持ち上げる。そして、ばら物荷揚げ装置1は、当該ばら物荷揚げ装置1のうち岸壁104の端面104aから遠い位置で、ばら物100を地上コンベア102,103へ択一的に払い出す。なお、以下では、岸壁104の端面104aに近い側を「海側」といい、岸壁104の端面104aから遠い側を「陸側」という。
【0022】
地上コンベア102,103は、搬送方向D1に沿って並んで配置されているとともに、平面視において搬送方向D1とは異なる方向に延びており、本実施形態では、搬送方向D1と直交する方向(岸壁104の端面104aと平行な方向)に延びている。地上コンベア102,103は、ばら物荷揚げ装置1の陸側端部の下方において、架台106上に設置されている。地上コンベア102,103は、搬送方向D1に沿って間隔を空けて配置されている。地上コンベア102,103は、それぞれ、ばら物荷揚げ装置1から払い出されたばら物100を、地上コンベア102,103の搬送方向に搬送する。
【0023】
ばら物荷揚げ装置1は、フレーム2と、搬送コンベア3と、搬送コンベア駆動装置4と、分配装置5と、主柱6と、第1車輪7および第2車輪8と、を有している。
【0024】
フレーム2は、ばら物荷揚げ装置1の骨格部分であり、鋼材を用いて形成されている。フレーム2は、搬送コンベア3、搬送コンベア駆動装置4、および、分配装置5等を支持している。フレーム2は、図2に示す平面視において搬送方向D1に細長く延びている。
【0025】
フレーム2は、岸壁104の端面104aに隣接して配置された第1平坦部10と、第1平坦部10から陸側に延びる傾斜部11と、傾斜部11から陸側に延びる第2平坦部12と、を有している。
【0026】
第1平坦部10および傾斜部11は、それぞれ、鋼材および鋼板等で形成された床部13と、床部13上において鋼材を三角形状に組み合わせたトラス部14と、を有している。第1平坦部10は、略水平に延びる部分であり、地面105に近接している。第1平坦部10上に操作室15が設置されている。操作室15は、オペレータがばら物荷揚げ装置1を操作するために設けられている。操作室15内に、ばら物荷揚げ装置1等を操作するための操作盤(図示せず)等が配置されている。なお、操作室15に接続された制御用ケーブルを、運搬船101に設置されたペンダント操作盤に接続してもよい。この場合、運搬船101の甲板において船員がペンダント操作盤を操作することで、ばら物荷揚げ装置1を操作することもできる。第1平坦部10から陸側に向けて、傾斜部11が延びている。
【0027】
傾斜部11は、陸側に進むに従い地面105からの高さが高くなる部分である。傾斜部11は、ばら物100をより高い位置に持ち上げるために設けられている。本実施形態では、フレーム2において、第1平坦部10、傾斜部11、および、第2平坦部12のうち、傾斜部11の長さが搬送方向D1に最も長く、次いで、第2平坦部12の長さが長い。傾斜部11の海側端部には、受入口16が配置されている。受入口16は、傾斜部11の例えばトラス部14の上部に形成されている。受入口16は、運搬船101に設けられたアンローダー107の下端(払い出しホッパー)を受けることが可能に構成されている。受入口16が設けられている位置が、ばら物100を受け入れる受入位置P1である。傾斜部11の陸側端部から陸側に向けて、第2平坦部12が延びている。
【0028】
第2平坦部12は、本実施形態では、鋼板等を用いて形成された床部13を有している。第2平坦部12は、略水平に延びており、フレーム2のうち陸側端部を構成している。第2平坦部12の少なくとも一部は、地上コンベア102,103の上方に位置している。第2平坦部12の床部13には、複数の払い出し口22,23が形成されている。
【0029】
払い出し口22,23は、搬送コンベア3で搬送されたばら物100を搬送方向D1に並んで配置された複数の地上コンベア102,103へ払い出すために設けられている。払い出し口22,23は、搬送方向D1に離隔して配置されている。各払い出し口22,23は、対応する地上コンベア102,103の真上に形成されており、床部13を上下に貫通する開口を形成している。払い出し口22,23の高さ位置は、受入位置P1の高さ位置よりも高い。一方の払い出し口22から排出されたばら物100は、一方の地上コンベア102のコンベアベルト上に載せられる。同様に、他方の払い出し口23から排出されたばら物100は、他方の地上コンベア103のコンベアベルト上に載せられる。
【0030】
上記の構成を有するフレーム2に、搬送コンベア3が設置されている。
【0031】
搬送コンベア3は、無端状のゴムベルトであり、ばら物100が載せられる。搬送コンベア3は、搬送方向D1に延びている。搬送コンベア3は、受入位置P1でばら物100を受け入れ、ばら物100を搬送方向D1に搬送する。そして、搬送コンベア3は、ばら物荷揚げ装置1の陸側端部において、複数の払い出し口22,23へ択一的にばら物100を払い出す。
【0032】
搬送コンベア3は、フレーム2の傾斜部11の海側端部から第2平坦部12にかけて延びている。搬送コンベア3は、駆動ローラ24、第1可動ローラ25、第2可動ローラ26、および、一対のU字形成ローラ27,28を含む複数のローラによって回転可能に支持されている。搬送コンベア3は、側面視において全体としてT字状に配置されている。そして、搬送コンベア3は、受入位置P1と、払い出し口22,23(払い出し位置)とを循環する。
【0033】
搬送コンベア3には、上部領域31と、この上部領域31の下方に位置する下部領域32と、が規定されている。
【0034】
上部領域31は、ばら物100を搬送するために搬送コンベア3を搬送方向D1に沿って移動させる領域である。側面視において、上部領域31は、傾斜部11の床部13の傾斜に沿って傾斜しているとともに、第2平坦部12の床部13に沿って水平に延びている。下部領域32は、搬送コンベア3を受入位置P1に向けて戻すために搬送コンベア3を搬送方向D1と反対方向に沿って移動させる領域である。下部領域32では、搬送コンベア3は、第2平坦部12においては床部13の上方において床部13に沿って略水平に延びている。
【0035】
また、搬送コンベア3は、傾斜部11の陸側端部においては床部13の下方で側面視U字状の経路を形成しているとともに、傾斜部11の残りの部分においては床部13の上方において床部13の傾斜に沿って傾斜して延びている。換言すれば、下部領域32における搬送コンベア3の中間部に、U字状領域33が形成されている。U字状領域33は、上下に細長く延びている。本実施形態では、U字状領域33の下端部は、地面105に近接しているが、地面105に接地することは無い。同様に、後述する錘37も地面105に接地することは無い。
【0036】
搬送コンベア駆動装置4は、搬送コンベア3を回転駆動させるために設けられている。搬送コンベア駆動装置4は、搬送コンベア3を回転駆動する駆動源としての駆動モータ34を含んでいる。駆動モータ34は、本実施形態では、電動モータである。なお、駆動モータ34は、ディーゼルエンジン等の内燃機関や、油圧モータ等の他の駆動源であってもよい。駆動モータ34は、ばら物100を乗せた搬送コンベア3を回転駆動するために、大出力を要求されている。このため、駆動モータ34の重さは、例えば、数トンに達する。この重量物である駆動モータ34は、ばら物荷揚げ装置1のうちの海側寄りの部分、具体的には、傾斜部11の海側端部に設置されている。
【0037】
駆動モータ34は、分配装置5における後述する最重量部品としての錘37の位置から受入位置P1側に進んだ箇所に配置されている。地面105からの駆動モータ34の高さは、1メートル程度に設定されており、駆動モータ34は低い位置に設置されている。駆動モータ34は、搬送コンベア3の海側端部(搬送方向D1における上流側端部)に位置する部分を支持するローラとしての駆動ローラ24に、動力伝達可能に連結されている。駆動モータ34の出力軸が回転することで、駆動ローラ24が回転し、これにより、搬送コンベア3が回転する。
【0038】
分配装置5は、複数の払い出し口22,23(地上コンベア102,103)へ択一的に、搬送コンベア3上のばら物100を分配するために設けられている。本実施形態では、分配装置5は、搬送コンベア3のうち搬送方向D1の下流側端部3aの位置を、搬送方向D1において複数の払い出し口22,23上間で変位させるように構成されている。下流側端部3aの位置は、搬送コンベア3からばら物100が払い出される位置であり、受入位置P1よりも高い位置に設定されている。本実施形態では、分配装置5は、搬送コンベア3自体の経路を変化させることで、複数の払い出し口22,23へ択一的にばら物100を払い出す。
【0039】
分配装置5は、搬送コンベア3を変形させる(搬送コンベア3の経路を変化させる)ことで、ばら物100を払い出し口22,23へ択一的に分配する。分配装置5の大部分は、側面視で搬送コンベア3に囲まれた領域に配置されている。これにより、分配装置5の専用のスペースを小さくできる。
【0040】
分配装置5は、第1可動ローラ25と、第1可動ローラ25に取り付けられたローラテンショナ35と、第2可動ローラ26と、第2可動ローラ26の変位方向を規定するガイド36と、第2可動ローラ26に連結された錘37と、を有している。
【0041】
第1可動ローラ25は、「搬送コンベアに張力を付与するテンション部材」の一例である。第1可動ローラ25は、搬送コンベア3の下流側端部3aに配置されており、搬送コンベア3の内周面に転がり接触している。第1可動ローラ25は、搬送方向D1と平行な方向(水平方向で且つ海側に向かう方向および陸側に向かう方向)に移動可能に、ローラテンショナ35を介して第2平坦部12に支持されている。第1可動ローラ25が搬送方向D1と平行な方向に移動可能である限り、第1可動ローラ25を第2平坦部12に支持する構造は、限定されない。搬送方向D1と平行な方向に第1可動ローラ25が移動可能な距離は、搬送方向D1における一方の払い出し口22の中心位置と他方の払い出し口23の中心位置との距離A1に相当する。第1可動ローラ25は、ローラテンショナ35によって、搬送方向D1と平行な方向へ移動可能な状態で、陸側に引張荷重を与えられている。
【0042】
ローラテンショナ35は、第1可動ローラ25を変位させることで下流側端部3aの位置を搬送方向D1に沿って変化させるように搬送コンベア3の経路を変更する変位機構である。ローラテンショナ35は、第1可動ローラ25を搬送方向D1と平行な方向に移動させる機構を含んでいる。この機構は、例えば、第1可動ローラ25に取り付けられたワイヤーと、このワイヤーの移動をガイドする滑車と、このワイヤーが巻かれたウィンチと、を有している。そして、ウィンチに設けられた電動モータ等の出力によって、ウィンチからのワイヤーの引き出し量を変化させることで、第1可動ローラ25を搬送方向D1と平行な方向に移動させる。ローラテンショナ35は、第1可動ローラ25を介して下流側端部3aの位置を変化することで、搬送コンベア3の経路を変更する。これにより、下部領域32の中間部のU字状領域33の上下方向長さL1を変化させる。ローラテンショナ35におけるウィンチは、払い出し口23に隣接した箇所において第2平坦部12に設置される。なお、ローラテンショナ35は、第1可動ローラ25を搬送方向D1と平行な方向移動させることが可能であればよく、具体的な構成は限定されない。例えば、第2可動ローラ26を上下方向に移動させるアクチュエータを分配装置5に設け、第2可動ローラ26を上下方向に移動させることで、第1可動ローラ25および下流側端部3aを搬送方向D1と平行な方向に移動させてもよい。
【0043】
第2可動ローラ26は、搬送コンベア3の下部領域32のU字状領域33の内周面に転がり接触している。第2可動ローラ26には、U字状領域33の形状を維持するための錘37が取り付けられている。第2可動ローラ26の上方に、一対のU字形成ローラ27,28が配置されている。これら第2可動ローラ26、および、一対のU字形成ローラ27,28によって、搬送コンベア3にU字状領域33が形成されている。第2可動ローラ26の下部に、U字状領域33の下端部が位置している。第2可動ローラ26は、ガイド36にガイドされている。
【0044】
ガイド36は、上下方向への第2可動ローラ26の変位を案内することで、搬送コンベア3の下流側端部3aの位置を搬送方向D1に沿って変化させるように搬送コンベア3の経路を変更する。ガイド36は、フレーム2の傾斜部11の下方に配置されている。ガイド36は、上下方向に延びる柱状部材を含んでいる。この柱状部材は、例えば第2可動ローラ26に取り付けられた軸受を受けることが可能に構成されている。このガイド36によって上下方向の移動を案内される第2可動ローラ26に、錘37が固定されている。
【0045】
錘37は、分配装置5における最も重い部品としての最重量部品である。錘37は、例えば10tonの重さがあり、第2可動ローラ26を介して搬送コンベア3に張力を付与することで、U字状領域33の形状を維持している。錘37は、搬送コンベア3からばら物100が払い出される位置(下流側端部3a)に対して受入位置P1側に進んだ箇所に配置されている。
【0046】
上記の構成により、ローラテンショナ35の駆動によって、第1可動ローラ25が搬送方向D1に沿って移動すると、錘37とともに第2可動ローラ26が上下方向に変位する。すると、第2可動ローラ26に掛けられているU字状領域33の下端部も、第2可動ローラ26とともに上下方向に移動する。その結果、U字状領域33の上下方向長さL1が変わる。これにより、搬送コンベア3のうち第1可動ローラ25に掛けられている下流側端部3aが、搬送方向D1の上流側または下流側に変位する。例えば、下流側端部3aは、図3(A)に示すように、一方の払い出し口22および地上コンベア102の上方に位置している状態と、図3(B)に示すように、他方の払い出し口23および地上コンベア103の上方に位置している状態と、が切り替わる。
【0047】
上述の構成を有するばら物荷揚げ装置1において、フレーム2は、主柱6、第1車輪7、および、第2車輪8を用いて地面105に設置されている。
【0048】
主柱6は、フレーム2を支持する部分として設けられている。主柱6は、上下方向に延びる柱である。主柱6は、平面視において移動方向D2に一対設けられている。一対の主柱6,6は、上下方向に並ぶ複数の連結梁38(図では1つの連結梁38を図示)によって互いに固定されている。複数の連結梁38は、上下方向に離隔して並んでいる。主柱6は、フレーム2の傾斜部11に固定されており、搬送方向D1において、ばら物荷揚げ装置1の略中央の陸側寄りに配置されている。主柱6の陸側に、錘37が隣接配置されている。
【0049】
主柱6は、傾斜部11の陸側端部付近に配置されている。一対の主柱6,6は、それぞれ、フレーム2の傾斜部11の上方に延びる主柱上部6aと、傾斜部11の下方に延びる主柱下部6bと、を有している。
【0050】
主柱上部6aは、傾斜部11の床部13の上方に位置しており、側面視において上下方向に略真っ直ぐに延びている。主柱上部6aの上端には、帯鋼を形状加工して形成された第1テンションバー41および第2テンションバー42が取り付けられている。第1テンションバー41は、フレーム2の傾斜部11の海側寄り部分のトラス部14と、主柱上部6aとに掛けられている。第2テンションバー42は、フレーム2の第2平坦部12の床部13のうち払い出し口22,23間の部分と、主柱上部6aとに掛けられている。上記の構成により、主柱6は、傾斜部11および第2平坦部12を吊り下げ支持している。
【0051】
主柱下部6bは、傾斜部11の床部13の下方に位置しており、側面視において上下方向に略真っ直ぐに延びている。主柱下部6bは、錘37と隣接して配置されている。主柱下部6bの下端に第2車輪8が取り付けられているとともに、フレーム2の第1平坦部10の海側端部に第1車輪7が取り付けられている。
【0052】
第1車輪7および第2車輪8は、地面105に設置され所定の移動方向D2に沿って延びるレール108,109上を移動可能にレール108,109に載せられており、フレーム2の荷重を受けている。移動方向D2は、地上コンベア102,103が延びている方向に沿っている。第1車輪7は、移動方向D2に沿って複数配置されている。第1車輪7は、第1平坦部10のうち例えば操作室15の下方において、第1平坦部10に取り付けられている。第1車輪7は、岸壁104の端面104aに隣接して配置されており、受入位置P1から海側に進んだ位置に隣接配置されている。
【0053】
第2車輪8は、移動方向D2に沿って複数配置されている。第2車輪8は、主柱下部6bの下端部に取り付けられている。この第2車輪8は、搬送方向D1において錘37に隣接して配置されている。また、第2車輪8は、搬送方向D1において下流側端部3aと第1車輪7との間に配置されている。上記の構成により、第1車輪7および第2車輪8がレール108,109上を転がることで、ばら物荷揚げ装置1は、移動方向D2に移動することができる。
【0054】
以上が、ばら物荷揚げ装置1の概略構成である。次に、ばら物荷揚げ装置1を岸壁104に据え付ける方法について説明する。以下に説明する据付方法により、ばら物荷揚げ装置1を岸壁104に据え付けるために岸壁104を占有する期間を短くできる。
【0055】
図4は、ばら物荷揚げ装置1の据付方法の一例を説明するためのフローチャートである。なお、以下では、フローチャートを参照しながら説明する場合、フローチャート以外の図も適宜参照しながら説明する。
【0056】
図4を参照して、ばら物荷揚げ装置1を岸壁104に据え付ける際には、まず、ばら物荷揚げ装置1の部品を岸壁104の対岸110に搬送する(ステップS1)。具体的には、図5(A)に示すように、ばら物荷揚げ装置1の部品を製造する工場から当該部品(フレーム2を構成する鋼材等)を、運搬船を用いた海上輸送、または、トラックを用いた陸上輸送により、対岸110まで運搬する。図5(A)では、ばら物荷揚げ装置1の部品の一部を例示している。対岸110は、ばら物荷揚げ装置1が据え付けられる据付対象の岸壁104に隣接した岸であり、岸壁104から海を隔てて略真っ直ぐに離れた箇所に位置している。対岸110は、「据付対象の岸壁とは別の岸」の一例である。
【0057】
次に、対岸110を仮設の組立場所として用いて、ばら物荷揚げ装置1を組み立てる(ステップS2)。すなわち、対岸110を、ばら物荷揚げ装置1の組立場所として一時的に利用する。これにより、図5(B)に示すように、岸壁104においてばら物荷揚げ装置1が組み上がる。
【0058】
次に、組み立てられたばら物荷揚げ装置1を対岸110から海上クレーン111で持ち上げて海上を運搬する(ステップS3)。このとき、図6(A)に示すように、ばら物荷揚げ装置1は、台船に載せられることなく、直接海上クレーン111によって吊られる。具体的には、海上クレーン111は、フック112を有している。そして、このフック112に、運搬用ワイヤー113,114が掛けられる(張られる)。一方の運搬用ワイヤー113は、フレーム2と主柱6との連結部43を支持する。他方の運搬用ワイヤー114は、フレーム2の傾斜部11の中間部を支持する。この状態で、海上クレーン111は、ばら物荷揚げ装置1を持ち上げる。これにより、平面視において海上クレーン111のクレームアーム115の長手方向D3と搬送方向D1とが平行になるように、海上クレーン111がばら物荷揚げ装置1を持ち上げる。そして、海上クレーン111は、岸壁104までばら物荷揚げ装置1を運搬する。
【0059】
次に、海上クレーン111は、ばら物荷揚げ装置1を、図6(B)に示すように、岸壁104に設置されたレール108,109上に降ろす(ステップS4)。これにより、ばら物荷揚げ装置1は、岸壁104に据え付けられる。その後、運搬用ワイヤー113,114がばら物荷揚げ装置1から取り外され、次いで、海上クレーン111が撤収される(ステップS5)。以上で、ばら物荷揚げ装置1の据付作業が完了する。その後、ばら物荷揚げ装置1は、検査および試運転等を経て、営業運転を行う。
【0060】
以上説明したように、ばら物荷揚げ装置1によると、分配装置5は、ばら物100が搬送される搬送コンベア3の下流側端部3aの位置を複数の地上コンベア102,103上間で変位させることで、ばら物100を分配する。このような構成であれば、搬送コンベア3の真下に地上コンベア102,103を設置できる。よって、ばら物100が地上コンベア102,103へ払い出されるときのばら物100の落下量が小さくて済む。その結果、ばら物100の破損や粉塵の発生をより少なくできる。
【0061】
また、ばら物荷揚げ装置1によると、分配装置5のローラテンショナ35が、第1可動ローラ25を介して搬送コンベア3の下流側端部3aの位置を変化することで、搬送コンベア3の経路を変更する。このような構成であれば、第1可動ローラ25の位置を変化させる簡易な構成で、搬送コンベア3の下流側端部3aの位置を変化できる。
【0062】
より具体的には、ローラテンショナ35の駆動によって第1可動ローラ25が移動し、その結果、第2可動ローラ26を上下方向に移動することで、搬送コンベア3のU字状領域33の上下方向長さL1を変化させる。このように、搬送コンベア3の下部領域32におけるU字状領域33の上下方向長さL1を変化させる構成であれば、第2可動ローラ26および錘37を水平方向に移動させなくて済む。よって、ばら物荷揚げ装置1の周囲にトラック車両通過用の空間を確保し易い。
【0063】
また、ばら物荷揚げ装置1によると、分配装置5の最重量部品としての錘37は、下流側端部3aの位置から受入位置P1側に進んだ箇所に配置されている。この構成によると、分配装置5の錘37が、分配装置5のうちばら物100を払い出す位置としての下流側端部3aの位置よりも海側(低床のテール側)に配置される。これにより、重量物である錘37を、ばら物荷揚げ装置1のうち低床の海側(テール側)に寄せることができる。よって、搬送方向D1におけるばら物荷揚げ装置1の重量バランスをより良くできる。その結果、ばら物荷揚げ装置1が地上コンベア102,103側へシーソーのように傾く大きな荷重が作用することを抑制できる。
【0064】
また、ばら物荷揚げ装置1によると、錘37は、搬送方向D1において第2車輪8に隣接して配置されている。この構成によると、ばら物荷揚げ装置1と地面105との接触点である第2車輪8に隣接して、重量物である錘37を配置している。これにより、搬送方向D1において第2車輪8と、U字形成ローラ27,28および錘37と、の距離を短くできるので、第2車輪8を支点としてばら物荷揚げ装置1がシーソーのように傾かせるモーメントをより小さくできる。よって、ばら物荷揚げ装置1が地上コンベア102,103側へシーソーのように傾く大きな荷重が作用することをより確実に抑制できる。
【0065】
また、ばら物荷揚げ装置1によると、搬送コンベア3を回転駆動する駆動モータ34は、錘37の位置から受入位置P1側に進んだ箇所に配置されている。この構成によると、駆動モータ34は、重量物であるばら物100を載せた状態の重い搬送コンベア3を回転するために、強力であることを要求されている。このため、駆動モータ34は、錘37と同様に重量物である。この重量物である駆動モータ34は、錘37の位置から受入位置P1側に進んだ箇所に配置されている。これにより、重量物である駆動モータ34を、海側において地面105から低い位置に配置できる。その結果、ばら物荷揚げ装置1が、陸側にシーソーのように傾くことを、より確実に抑制できる。
【0066】
また、本実施形態では、ばら物荷揚げ装置1は、対岸110で組み立てられる。そして、組み立てられたばら物荷揚げ装置1は、海上クレーン111で対岸110から持ち上げられて海上を運搬される。そして、海上クレーン111で持ち上げられたばら物荷揚げ装置1が、岸壁104に設置されたレール108,109上に降ろされる。この構成によると、岸壁104に設置されるばら物荷揚げ装置1は、完成状態において台船を用いることなく海上クレーン111で運搬され、その後、レール108,109に上架される。この工法により、ばら物荷揚げ装置1について、短期間で岸壁104への据付を完了し、営業運転を開始できる。
【0067】
また、本実施形態では、ばら物荷揚げ装置1は、岸壁104の対岸110を仮設組立場所として用いられることで組み立てられる。この構成によると、大型のばら物荷揚げ装置1が、部品の状態で対岸110まで海上輸送または陸上輸送で運搬される。その後、対岸110の仮設組立場所でばら物荷揚げ装置1が組み立てられる。この構成によると、ばら物荷揚げ装置1全体を一括して長距離輸送する必要がなく、ばら物荷揚げ装置1の運搬にかかる労力を格段に低減できる。
【0068】
また、本実施形態では、ばら物荷揚げ装置1は、搬送方向D1に細長い形状に形成されている。そして、ばら物荷揚げ装置1の海上輸送時、平面視において海上クレーン111のクレーンアーム115の長手方向D3と搬送方向D1とが平行になるように海上クレーン111がばら物荷揚げ装置1を持ち上げる。この構成によると、海上クレーン111は、ばら物荷揚げ装置1を岸壁104に設置する際に、岸壁104に邪魔されずにばら物荷揚げ装置1をレール108,109に載せることができる。これにより、海上クレーン111によるばら物荷揚げ装置1の運搬作業と、ばら物荷揚げ装置1をレール108,109上に設置する作業とを一括して行うことができる。
【0069】
また、本実施形態では、海上クレーン111に張られた運搬用ワイヤー113は、フレーム2と主柱6との連結部43を支持する。この構成によると、海上クレーン111は、ばら物荷揚げ装置1を安定した姿勢で吊り下げることができる。
【0070】
以上、本発明の実施形態について説明したけれども、本発明は上述の実施の形態に限られない。本発明は、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な変更が可能である。
【0071】
上述の実施形態では、分配装置5が第1可動ローラ25とローラテンショナ35とを有する形態を例に説明した。しかしながら、この通りでなくてもよい。例えば、分配装置5に代えて、搬送コンベア3の下流側端部3aと、払い出し口22,23との間に、分配装置を設けることもできる。この場合、搬送方向D1における下流側端部3aの位置は固定される。そして、分配装置は、一対のローラ、および、これらのローラに巻きかけられたコンベア(コンベアベルト)を含んでおり、一対のローラを駆動する電動モータ等のアクチュエータが、「最重量部品」として設けられる。この電動モータは、下流側端部3aの位置から受入位置P1側に進んだ箇所に配置される。この電動モータは、図示しない動力伝達装置を介して一方のローラに動力を伝達する。そして、電動モータによって一方のローラが一方向に回転すると、コンベアの回転によってばら物100を一方の払い出し口22へ分配し、電動モータによって一方のローラが他方向に回転すると、コンベアの回転によってばら物100を他方の払い出し口23へ分配する。
【産業上の利用可能性】
【0072】
本発明は、ばら物荷揚げ装置、および、ばら物荷揚げ装置の据付方法として、広く適用することができる。
【符号の説明】
【0073】
1 ばら物荷揚げ装置
2 フレーム
3 搬送コンベア
5 分配装置
6 主柱
6b 主柱下部
7 第1車輪
8 第2車輪
37 錘(最重量部品)
43 連結部
100 ばら物
102,103 地上コンベア(相手側コンベア)
104 岸壁
108,109 レール
110 対岸(別の岸)
111 海上クレーン
113,114 運搬用ワイヤー(海上クレーンに張られたワイヤー)
116 クレーンアーム
D1 搬送方向
D2 移動方向
P1 受入位置


図1
図2
図3
図4
図5
図6