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特許7234013運転支援装置、運転支援方法及びコンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-27
(45)【発行日】2023-03-07
(54)【発明の名称】運転支援装置、運転支援方法及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   C02F 1/00 20230101AFI20230228BHJP
   G05B 23/02 20060101ALI20230228BHJP
   G06Q 10/04 20230101ALI20230228BHJP
   C02F 1/50 20230101ALI20230228BHJP
   C02F 1/76 20230101ALI20230228BHJP
【FI】
C02F1/00 K
G05B23/02 301Q
G06Q10/04
C02F1/50 510A
C02F1/50 520B
C02F1/50 531M
C02F1/50 550L
C02F1/76 A
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2019072265
(22)【出願日】2019-04-04
(65)【公開番号】P2020168618
(43)【公開日】2020-10-15
【審査請求日】2022-01-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】弁理士法人志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鷹箸 幸夫
(72)【発明者】
【氏名】黒川 太
(72)【発明者】
【氏名】毛受 卓
(72)【発明者】
【氏名】早見 美意
(72)【発明者】
【氏名】横山 雄
(72)【発明者】
【氏名】平岡 由紀夫
【審査官】松本 要
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-124569(JP,A)
【文献】特開2005-313022(JP,A)
【文献】特開2015-202446(JP,A)
【文献】特開2017-123088(JP,A)
【文献】特開2002-126721(JP,A)
【文献】特開2011-154029(JP,A)
【文献】国際公開第2009/002192(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C02F 1/00 - 1/78
G05B 23/00-23/02
G06Q 10/00-10/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被処理水に薬品を注入する工程を有する水処理プロセスに関して、前記水処理プロセスに流入する原水について予想された将来の予想水質または予想流量と、気象予報とを含む予想情報に基づいて、前記被処理水に対する前記薬品の将来の注入量を予測する予測部と、
前記注入量の予測結果を示す情報と、前記注入量の予測に用いられた情報とを対応づけて表示する支援情報を生成する支援情報生成部と、
を備え
前記支援情報生成部は、前記薬品の将来の注入量の予測結果と、前記薬品の注入量の現在までの実績値とを同じ時系列に表示する支援情報を生成する、
運転支援装置。
【請求項2】
前記予測部は、前記薬品の将来の注入量の予測結果に基づいて、処理水の将来の水質を予測し、
前記支援情報生成部は、前記処理水の将来の水質の予測結果を示す情報と、前記薬品の将来の注入量の予測結果を示す情報とを対応づけて表示する支援情報を生成する、
請求項1に記載の運転支援装置。
【請求項3】
前記予測部は、塩素注入量の所定の指定値に基づいて前記処理水の水質を予測する、
請求項2に記載の運転支援装置。
【請求項4】
前記支援情報生成部は、処理水の将来の水質の予測結果と、前記処理水の水質の実績値とを時系列に表示する支援情報を生成する、
請求項1からのいずれか一項に記載の運転支援装置。
【請求項5】
前記支援情報生成部は、前記水処理プロセスに流入する原水に関する実績値と、前記予想情報により示される前記予想水質または前記予想流量と、前記予想情報により示される前記気象予報とを時系列に表示する支援情報を生成する、
請求項1からのいずれか一項に記載の運転支援装置。
【請求項6】
前記予測部は、複数の異なる条件で前記薬品の将来の注入量を予測し、
前記支援情報生成部は、前記複数の異なる条件で予測された前記薬品の将来の注入量の複数の予測結果について優先順位を決定し、前記薬品の将来の注入量を示す前記複数の予測結果情報をそれぞれの優先順位とともに表示する支援情報を生成する、
請求項1からのいずれか一項に記載の運転支援装置。
【請求項7】
前記予測部は、前記予想情報により示される前記予想水質または前記予想流量と、前記予想情報により示される前記気象予報と、前記水処理プロセスの制御に関する実績値とに基づいて、前記被処理水に対する前記薬品の注入量を予測する、
請求項1からのいずれか一項に記載の運転支援装置。
【請求項8】
被処理水に薬品を注入する工程を有する水処理プロセスに関して、前記水処理プロセスに流入する原水について予想された将来の予想水質または予想流量と、気象予報とを含む予想情報に基づいて、前記被処理水に対する前記薬品の将来の注入量を予測するステップと、
前記注入量の予測結果を示す情報と、前記注入量の予測に用いられた情報とを対応づけて表示する支援情報を生成する支援情報生成ステップと、
を有し、
前記支援情報生成ステップにおいて、前記薬品の将来の注入量の予測結果と、前記薬品の注入量の現在までの実績値とを同じ時系列に表示する支援情報を生成する、
運転支援方法。
【請求項9】
請求項1から7のいずれか一項に記載の運転支援装置としてコンピュータを機能させるためのコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、運転支援装置、運転支援方法及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
上水場には、取水源の水質の変動によらず、水道法の定める基準に適合する水質を有し、かつ必要な量の水を需要者に供給することが求められる。そのため、上水場では厳しい水質管理が行われている。このような水質管理のため、上水場では、水処理の過程で被処理水に注入される薬品等の注入量が、熟練した運転管理者の知識や経験等のノウハウに基づいて決定されるのが一般的であった。また、近年では、運用業務の効率化や低コスト化、運転管理者の負荷軽減等が求められており、運転管理のノウハウをデータベース化して薬品の注入量を自動的に制御する制御システムの導入が進められている。しかしながら、従来の制御システムによる運用では、運転管理者に対して十分な情報が提供されず、運転管理者がシステムによる制御の妥当性を判断することが難しい場合があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-18116号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、水処理の過程で注入される薬品等の注入量を自動制御するシステムにおいて、システムによる制御の妥当性の判断を支援する情報をより適切に提供することができる運転支援装置、運転支援方法及びコンピュータプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の運転支援装置は、予測部と、支援情報生成部とを持つ。予測部は、被処理水に薬品を注入する工程を有する水処理プロセスに関して、前記水処理プロセスに流入する原水に関する予想情報に基づいて、前記被処理水に対する前記薬品の注入量を予測する。支援情報生成部は、前記注入量の予測結果を示す情報と、前記注入量の予測に用いられた情報とを対応づけて表示する支援情報を生成する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】第1の実施形態における水処理システムのシステム構成の具体例を示す図。
図2】第1の実施形態の運転支援装置の機能構成の具体例を示すブロック図。
図3】第1の実施形態の運転支援装置が支援情報を表示する処理の流れの具体例を示すフローチャート。
図4】第1の実施形態における支援情報の表示例を示す図。
図5】第1の実施形態における支援情報の表示例を示す図。
図6】第1の実施形態における支援情報の表示例を示す図。
図7】第2の実施形態の運転支援装置の機能構成の具体例を示すブロック図。
図8】第2の実施形態の運転支援装置が支援情報を表示する処理の流れの具体例を示すフローチャート。
図9】第2の実施形態における支援情報の表示例を示す図。
図10】第3の実施形態における水処理システムのシステム構成の具体例を示す図。
図11】第3の実施形態の運転支援装置の機能構成の具体例を示すブロック図。
図12】第3の実施形態の運転支援装置が支援情報を表示する処理の流れの具体例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施形態の運転支援装置、運転支援方法及びコンピュータプログラムを、図面を参照して説明する。
【0008】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態における水処理システムのシステム構成の具体例を示す図である。第1の実施形態における水処理システムは、水処理プロセスに流入する被処理水の将来の水質を予測する機能と、水処理プロセスにおいて被処理水に注入される薬品等(例えば、塩素や凝集剤、活性炭など)の注入量を決定する機能と、決定された注入量の妥当性の判断に供する情報(以下「支援情報」という。)を運転管理者に提示する機能と、を有する。
【0009】
例えば、図1に示す水処理システム100は、注入制御装置1と、運転支援装置2とを備える。注入制御装置1は、水処理プロセスWPにおいて薬品注入ポンプ3が被処理水に薬品等を注入する際の注入率を、運転支援装置2によって決定される薬品等の注入量(以下「薬品注入量」という。)に基づいて制御する。図1には簡単のため1つの薬品注入ポンプ3を示しているが、制御対象の薬品注入ポンプ3は複数であってもよい。
【0010】
具体的には、運転支援装置2は、水処理プロセスWPに流入する原水(すなわち水処理プロセスWPにおける初期状態の被処理水)の水質(以下「流入水質」という。)や流量(以下「流入流量」という。)、水処理プロセスWPを経た処理済みの被処理水(以下「処理水」という。)の水質(以下「処理水質」という。)、プロセスデータによって示される水処理プロセスWPに関する諸量に基づいて将来の流入水質を予測し、その予測結果に基づいて薬品注入量を決定する。注入制御装置1は、このように決定された薬品注入量に基づいて被処理水に注入する薬品等の注入率(以下「薬品注入率」という。)を決定し、決定した薬品注入率での注入動作を薬品注入ポンプ3に指示する。
【0011】
なお、水処理システム100には、このような水処理プロセスWPの制御のために、流入水質を測定する原水水質計31、流入流量を測定する流入流量計32、処理水質を測定する処理水水質計33が備えられる。例えば、原水水質計31は流入水質として臭気や色度、濁度などを測定する。また、例えば、処理水水質計33は処理水質として流入水質と同様の臭気や色度、濁度などのほか、配水池等に蓄えられた処理水の残留塩素濃度を測定する。
【0012】
また、水処理システム100には、水処理プロセスWPに関する諸量を測定する各種センサ(図示せず)が備えられており、各種センサの計測データがプロセスデータとして運転支援装置2に供給される。例えば、プロセスデータには、薬品注入ポンプ3の動作に関する情報や被処理水の水質を示す情報などが含まれる。
【0013】
また、運転支援装置2は、自身が決定した薬品注入量に関する支援情報を水処理プロセスWPに関する各種情報に基づいて生成し、生成した支援情報を運転管理者に提示する機能を有する。例えば、運転支援装置2は、決定した薬品注入量と、その薬品注入量の決定に関連した各種情報(以下「関連情報」という。)とを対応づけた情報を支援情報として生成する。関連情報は、水処理プロセスWPの状態又はその制御の実績に関する情報(以下「実績情報」という。)であってもよいし、水処理プロセスWPに関して予想された各種情報(以下「予想情報」という。)であってもよいし、実績情報と予想情報とに基づいて予測された水処理プロセスWPに関する各種の予測結果を示す情報(以下「予測情報」という。)であってもよい。
【0014】
例えば、実績情報には、流入水質や流入流量、処理水質等の測定値を示す情報が含まれてもよいし、水処理プロセスWPに関して取得されたプロセスデータが含まれてもよい。また、例えば、予想情報には、水処理プロセスWPに流入する前の原水が流下する流域の気象予報や、水処理プロセスWPに流入する原水の予想流量、処理水の需要量、溶存塩素の分解量に相関する日射量等を示す情報(例えば紫外線インデックス)が含まれてもよい。
【0015】
また、支援情報の表示は、支援情報を運転管理者に提示する態様の一例であり、支援情報は表示以外の態様で提示されてもよい。例えば、支援情報は音声の出力によって提示されてもよい。また、支援情報の表示における各情報(実績情報、予想情報、予測情報)間の対応づけは、両者を同時に表示することによって実現されてもよいし、一方を直接的又は間接的に選択する操作に応じて他方を表示することによって実現されてもよい。
【0016】
従来の水処理システムでは、運転管理者がこのような種々の実績情報や予想情報、長年の経験で培われたノウハウ等を駆使して適切な薬品注入量を決定することが行われていたり、運転管理者に対して十分な情報が提供されなかったりしたことにより、運転管理者がシステムによる制御の妥当性を判断することが難しい場合があった。しかしながら、第1の実施形態における水処理システム100では、上記のような支援情報が運転支援装置2によって運転管理者に提示されることにより、水処理プロセスWPの運転管理者がシステムによって決定された薬品注入率の妥当性をより容易に判断することができる。以下、このような効果を奏する運転支援装置2の構成について詳細に説明する。
【0017】
図2は、第1の実施形態の運転支援装置2の機能構成の具体例を示すブロック図である。運転支援装置2は、バスで接続されたCPU(Central Processing Unit)やメモリや補助記憶装置などを備え、プログラムを実行する。運転支援装置2は、プログラムの実行によって通信部201、入力部202、記憶部203、表示部204、実績情報取得部21、予想情報取得部22、予測部23、薬品注入量決定部24及び支援情報生成部25を備える装置として機能する。なお、運転支援装置2の各機能の全て又は一部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やPLD(Programmable Logic Device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを用いて実現されてもよい。プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置である。プログラムは、電気通信回線を介して送信されてもよい。
【0018】
通信部201は、運転支援装置2を注入制御装置1と通信可能に接続する通信インタフェースである。通信部201は有線通信によるものであってもよいし、無線通信によるものであってもよい。また、通信部201が接続するネットワークは、LAN(Local Area Network)であってもよいしWAN(Wide Area Network)であってもよい。また、通信部201がWANに接続する場合、WANはインターネット等のパブリックなネットワークであってもよいし、専用線等のプライベートなネットワークであってもよい。
【0019】
入力部202は、タッチパネル、マウス及びキーボード等の入力装置を用いて構成される。また、入力部202は、外部の入力装置を運転支援装置2に接続する外部入力インタフェースとして構成されてもよい。具体的には入力部202は予想情報を入力する。なお、予想情報は、入力部202を介して入力される代わりに、通信部201を介して他の装置から受信されてもよい。
【0020】
記憶部203は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置などの記憶装置を用いて構成される。記憶部203は実績情報、予想情報及び予測情報を記憶する。例えば、図1の例では、流入水質、流入流量、処理水質を示す情報、及びプロセスデータが実績情報として取得される。また、予想流量や気象予報を示す情報が予想情報として取得される。予測情報は予測部23によって予測される。
【0021】
表示部204は、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイや液晶ディスプレイ、有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等の表示装置を用いて構成される。又は、表示部204は、これらの表示装置を自装置に接続するインタフェースとして構成されてもよい。表示部204は、支援情報生成部25によって生成された支援情報の表示に用いられる。
【0022】
実績情報取得部21は、通信部201を介して実績情報を取得し、取得した実績情報を記憶部203に記憶させる。具体的には、実績情報取得部21は、実績情報の取得を所定のタイミングで繰り返し行うことにより、記憶部203に実績情報を蓄積する。
【0023】
予想情報取得部22は、入力部202を介して予想情報を取得し、取得した予想情報を記憶部203に記憶させる。ここで、予想情報取得部22は、予測部23が予測対象とする期間についての予想情報を取得するものとする。
【0024】
予測部23は、記憶部203に蓄積されている実績情報と予想情報とに基づいて、水処理プロセスWPの制御に関する予測情報を生成する。予測部23は、生成した予測情報を記憶部203に記憶させるとともに、薬品注入量決定部24に出力する。
【0025】
薬品注入量決定部24は、予測部23によって生成された予測情報に基づいて被処理水に対する薬品注入量を決定する。薬品注入量決定部24は、決定した薬品注入量を通信部201を介して注入制御装置1に指示するとともに、支援情報生成部25に通知する。
【0026】
支援情報生成部25は、記憶部203に蓄積されている実績情報、予想情報及び予測情報に基づいて支援情報を生成する。支援情報生成部25は、生成した支援情報を表示部204に出力する。
【0027】
図3は、第1の実施形態の運転支援装置2が支援情報を表示する処理の流れの具体例を示すフローチャートである。まず、実績情報取得部21が、実績情報を取得し、取得した実績情報を記憶部203に記憶させる。実績情報取得部21は、この実績情報の取得を所定のタイミングで繰り返し行うことにより、記憶部203に実績情報を蓄積する(ステップS101)。
【0028】
続いて、予想情報取得部22が、予想情報を取得する(ステップS102)。予想情報取得部22は、取得した予想情報を記憶部203に記憶させるとともに予測部23に出力する。例えば、ここでは、予想情報取得部22は、予想流量及び気象予報を示す予想情報を入力する。
【0029】
続いて、予測部23が、記憶部203に蓄積されている実績情報と予想情報とに基づいて水処理プロセスWPの制御に関する予測を行う。具体的には、予測部23は、水処理プロセスWPにおける将来の流入水質を予測する(ステップS103)。予測部23は、流入水質の予測結果を示す予測情報を記憶部203に記録する(ステップS104)とともに、薬品注入量決定部24に出力する。
【0030】
続いて、薬品注入量決定部24が予測情報に基づいて将来の薬品注入量の予測値を決定する(ステップS105)。具体的には、薬品注入量決定部24は、予測情報により示される将来の流入水質に応じた薬品注入量を決定する。薬品注入量決定部24は、決定した薬品注入量を支援情報生成部25に出力する。
【0031】
ここでは、被処理水に対して注入される薬品が殺菌や消毒等を目的とした塩素である場合の例を挙げる。一般に、水処理プロセスにおいて被処理水に注入される塩素の量は、被処理水の処理量及び水質に応じて定められる。このうち、被処理水の処理量は処理水の需要量や原水の流入量に応じて定まり、被処理水の水質は流入する原水の水質に応じて変動する。また、処理水の需要が生活用水を目的とする場合、原水の流入パターンや水質の変動パターンは日単位では短期間に大きく変動することがない場合が多い。そのため、予測する将来が現在からある程度近い未来である場合、予想される処理水の需要量を、過去の原水の流入パターンや水質の変動パターンに当てはめることにより、将来における被処理水の流入パターンや水質の変動パターンを予測することができる。予測部23は、このようにして得た被処理水の流量や水質の予測値に基づき、将来の各時点において必要な塩素注入量を算出する。
【0032】
なお、塩素注入量は、処理水の水質が所定の基準を満たしており、かつ必要な量の処理水が得られる限りにおいて、どのような方法で決定されてもよい。例えば、塩素注入量は、被処理水(原水を含む)の流量や水質を基に必要な塩素注入量を決定する計算モデルを用いるものであってもよいし、実績情報に基づいて予測対象の時点と似たような状況にある過去時点を選択し、その時点で採用された塩素注入量を将来の予測値とする方法であってもよい。また、上記計算モデルは、長年の運用経験によって得られたノウハウ等を基に構築されたものであってもよいし、このようなモデルが実績情報に基づいて生成又は更新されるものであってもよい。また、将来の塩素注入量は、機械学習による過去データの学習結果に基づいて予測されてもよい。また、機械学習では、実績情報や予想情報に含まれる任意の情報と塩素注入量との関係性が学習されてよい。
【0033】
また、被処理水の処理量はその日の気象によっても左右されるため、将来の塩素注入量の予測は将来の気象を考慮したものであることが望ましい。例えば、塩素注入量の計算モデルの変数に将来の気象を含めてもよいし、機械学習において過去の気象情報を含む過去データを学習するようにしてもよい。
【0034】
続いて、支援情報生成部25が、薬品注入量決定部24によって決定された薬品注入量と、記憶部203に蓄積されている各種の関連情報とに基づいて支援情報を生成(ステップS106)し、生成した支援情報を表示部204に出力する(ステップS107)。例えば、支援情報生成部25は、次の図4図6に例示する態様で表示される支援情報を生成する。
【0035】
図4図6は、第1の実施形態における支援情報の表示例を示す図である。図4は、水処理プロセスWPにおいて過去24時間のうちに採用された塩素注入量の実績値と、現時点から24時間先までの期間について算出された塩素注入量の予測値とを連続する1つの時系列データとしてグラフ表示したものである。なお、グラフの横軸は時間を表し、縦軸は塩素注入量を表す。また、横軸の時間0は現時点を表し、-24は現時点から24時間前の時点を表し、24は現時点から24時間後の時点を表す。
【0036】
ここで、図4において塩素注入量が周期的に増減を繰り返しているのは、需要量の変動や、日射(具体的には紫外線)による塩素の分解量等が考慮された結果である。例えば、需要量が少なく、かつ日射の影響が小さい夜間には塩素注入量を少なくし、需要量が多く、かつ日射の影響が大きい日中には塩素注入量を多くするというノウハウが反映された結果である。
【0037】
また、需要者側の末端(例えば水道蛇口など)で供給される水の残留塩素濃度は、水道法において0.1mg/L以上でなければならないことが規定されている。その一方で、水中の塩素は配水池から末端に送水されるまでの間に減少するため、配水池においては0.1mg/Lよりも高い値(例えば0.4mg/L)に管理される必要がある。例えば、このような管理基準を遵守する方法の一つに、採用する残留塩素濃度の値に下限を設ける方法がある。そのため、予測部23は、このような管理基準を遵守するためのノウハウが組み込まれた方法で塩素注入量を予測することが望ましい。
【0038】
さらに図4に示す2つの系列A及びBは、異なる条件で塩素注入量を予測した結果を示している。例えば、系列Bは、塩素の注入に関するコストの削減を優先するという条件を予測条件に追加して得られた予測結果を表し、系列Aはそのような条件の追加を行わずに予測された結果を表す。このように、支援情報は、コスト面や安全面などを考慮して異なる条件で予測された結果を比較可能な態様で表示するものであってもよい。また、支援情報生成部25は、異なる条件での予測で得られた複数の予測結果について優先順位を判定し、予測結果を優先順位とともに表示する支援情報を生成してもよい。また、優先順位はどのような基準で判定されてもよい。また、支援情報生成部25は、塩素注入量の予測結果に基づいて薬品コストや消費電力の予測を行い、この予測結果を塩素注入量の予測結果に対応づけて表示する支援情報を生成してもよい。
【0039】
このように、水処理プロセスWPに関して予測された制御値が(本実施形態においては塩素注入量)、過去に採用された制御値の実績値とともに表示されることにより、運転管理者は予測値の妥当性をより容易に判断することができるようになる。また、水処理プロセスWPのように制御パターンが日ごとに類似したパターンとなるような制御対象に関して、予測結果が、予測の期間と同様の期間の過去実績とともに表示されることにより、さらに運転管理者は予測値の妥当性をより直感的に判断することができるようになる。また、異なる条件で予測された結果が過去実績とともに同時に表示されることにより、さらに運転管理者は複数の制御パターンの候補からより適切なものを選択することができるようになる。
【0040】
一方図5は、図4において塩素注入量の実績値及び予想値を示した期間における原水の流入パターンをグラフ表示したものであり、図4と同様に、現時点を0として、現時点から24時間前(-24)の実績値と、現時点から24時間後(24)までの予想値を表している。また図6は、図4において塩素注入量の実績値及び予想値を示した期間における紫外線インデックスの変動パターンをグラフ表示したものであり、図4と同様に、現時点を0として、現時点から24時間前(-24)の実績値と、現時点から24時間後(24)までの予想値を表している。
【0041】
このように塩素注入量の予測値に対応する他の値が、その予測結果の表示と同じ期間に対応して表示されることにより、運転管理者は塩素注入量の予測値の妥当性をより容易に判断することができるようになる。なお、原水の流入パターンや紫外線インデックスについて複数の異なる変動パターンが予想されている場合、運転支援装置2の支援情報生成部25は、図4と同様に、複数の変動パターンを異なる系列で表示する支援情報を生成するように構成されてもよい。
【0042】
例えば、運転管理者は図4のグラフを確認することにより、過去の塩素注入量の変動パターンと比較して将来の塩素注入量がある程度妥当であると判断することができる。さらに運転管理者は図4のグラフを確認することにより、異なる条件で予測された系列A及びBの塩素注入量のうちどちらが計画値としてより適切な予測値であるかを実績値に基づいて判断することができる。また、運転管理者は、図4図5を比較することにより、原水の流入パターンに対する塩素注入量の妥当性を判断することができる。同様に、運転管理者は、図4図6を比較することにより、紫外線インデックスの変動パターンに対する塩素注入量の妥当性を判断することができる。
【0043】
(第2の実施形態)
図7は、第2の実施形態の運転支援装置2aの機能構成の具体例を示すブロック図である。運転支援装置2aは、予測部23に代えて予測部23aを備える点で第1の実施形態の運転支援装置2と異なる。他の構成は第1の実施形態の運転支援装置2と同様である。そのため、図7において、それらの同様の構成については図2と同じ符号を付すことにより適宜説明を省略する。なお、第2の実施形態における水処理システムの構成は、運転支援装置2に代えて運転支援装置2aを備える点以外では第1の実施形態における水処理システム100と同様である。
【0044】
具体的には、予測部23aは、予想情報と、実績情報とに基づいて、水処理プロセスWPの制御に関する予測情報を生成する点では第1の実施形態における予測部23と同様であるが、将来の流入水質に加えて処理水に残留する塩素の濃度(以下「残留塩素濃度」という。)を予測する点で第1の実施形態における予測部23と異なる。
【0045】
ここで、予測部23aが予想情報と実績情報とに基づいて残留塩素濃度を予測する方法は、塩素注入量と同様に、所定の計算モデルを用いるものであってもよいし、実績情報に基づいて予測対象の時点と似たような状況にある過去時点を選択し、その時点における残留塩素濃度の値を将来の予測値とする方法であってもよい。また、上記計算モデルは、予め用意されたモデルであってもよいし、実績情報に基づいて生成又は更新されるものであってもよい。また、将来の残留塩素濃度は、機械学習による過去データの学習結果に基づいて予測されてもよい。また、機械学習では、実績情報や予想情報に含まれる任意の情報と残留塩素濃度との関係性が学習されてよい。
【0046】
図8は、第2の実施形態の運転支援装置2aが支援情報を表示する処理の流れの具体例を示すフローチャートである。図8では、図3と同様の処理には図3と同じ符号を付すことにより適宜説明を省略する。予測部23aは、ステップS103において将来の流入水質を予測した後、実績情報と、予想情報とに基づいて、水処理プロセスWPにおける処理水の将来の残留塩素濃度を予測する(ステップS201)。そして、予測部23は、流入水質及び残留塩素濃度の予測結果を示す予測情報を記憶部203に記録する(ステップS202)。
【0047】
図9は、第2の実施形態における支援情報の表示例を示す図である。図9は、水処理プロセスWPにおいて過去24時間のうちに測定された残留塩素濃度の実績値と、現時点から24時間先までの期間について算出された残留塩素濃度の予測値とを連続する1つの時系列データとしてグラフ表示したものである。グラフの横軸は時間を表し、縦軸は残留塩素濃度を表す。また、図4図6と同様に、図9において、横軸の時間0は現時点を表し、-24は現時点から24時間前の時点を表し、24は現時点から24時間後の時点を表す。
【0048】
また、図9に示す2つの系列A及びBは、異なる条件で残留塩素濃度を予測した結果を示している。例えば、系列Bは、残留塩素濃度の目標値を高めに設定するという条件を予測条件に追加して得られた予測結果を表し、系列Aはそのような条件の追加を行わずに予測された結果を表す。例えば、このような条件の追加により、水処理プロセスWPに流入する原水の水質が急激に変化した場合であっても、残留塩素濃度が既定の管理下限値に達するまでの時間的余裕の確保を考慮した予測を行うことができる。
【0049】
このように、水処理プロセスWPに関して予測された制御値が(本実施形態においては残留塩素濃度)、過去に採用された制御値の実績値とともに表示されることにより、運転管理者は予測値の妥当性をより容易に判断することができるようになる。また、水処理プロセスWPのように制御パターンが日ごとに類似したパターンとなるような制御対象に関して、予測結果が、予測の期間と同様の期間の過去実績とともに表示されることにより、さらに運転管理者は予測値の妥当性をより直感的に判断することができるようになる。また、異なる条件で予測された結果が過去実績とともに同時に表示されることにより、さらに運転管理者は複数の制御パターンの候補からより適切なものを選択することができるようになる。
【0050】
例えば、運転管理者は図9のグラフを確認することにより、過去の残留塩素濃度の変動パターンと比較して将来の残留塩素濃度がある程度妥当であると判断することができる。さらに運転管理者は図9のグラフを確認することにより、異なる条件で予測された系列A及びBの残留塩素濃度のうちどちらが計画値としてより適切な予測値であるかを判断することができる。
【0051】
また、第2の実施形態において、残留塩素濃度に関する支援情報は、第1の実施形態における塩素注入量の表示と同様に、塩素注入量や原水の流入パターン、紫外線インデックスの変動パターン等の関連する事象の実績値、予想値又は予測値に対応づけて表示されてもよい。
【0052】
また、第2の実施形態において、残留塩素濃度に関する支援情報は、第1の実施形態と同様に、異なる条件で予測された結果がその優先順位とともに表示されるように生成されてもよい。
【0053】
(第3の実施形態)
図10は、第3の実施形態における水処理システムのシステム構成の具体例を示す図である。図10に示す水処理システム100bは、運転支援装置2aに代えて運転支援装置2bを備える点で第2の実施形態における水処理システムと異なる。他の構成は第2の実施形態における水処理システムと同様である。そのため、図10において、それらの同様の構成については図1と同じ符号を付すことにより適宜説明を省略する。
【0054】
運転支援装置2bは、指定された薬品注入量の値(以下「指定値」という。)に基づいて残留塩素濃度を予測する点で第2の実施形態の運転支援装置2aと異なる。このため運転支援装置2bは、指定値の入力を受け付ける機能を有する。
【0055】
図11は、第3の実施形態の運転支援装置2bの機能構成の具体例を示すブロック図である。運転支援装置2bは、入力部202に代えて入力部202bを備える点、予測部23aに代えて予測部23bを備える点、支援情報生成部25に代えて支援情報生成部25bを備える点で第2の実施形態の運転支援装置2aと異なる。他の構成は第2の実施形態の運転支援装置2aと同様である。そのため、図11において、それらの同様の構成については図7と同じ符号を付すことにより適宜説明を省略する。
【0056】
入力部202bは、予想情報の入力に加え、塩素注入量の指定値を入力する機能を有する。入力部202bは、入力された指定値を予測部23bに出力する。
【0057】
予測部23bは、予想情報と実績情報とに基づいて水処理プロセスWPにおける将来の流入水質及び残留塩素濃度を予測する点では第2の実施形態における予測部23aと同様であるが、同様の残留塩素濃度の予測を塩素注入量の指定値に基づいて行うことができる点で第2の実施形態における予測部23aと異なる。以下、第2の実施形態と同様の方法での残留塩素濃度の予測を第1の予測といい、塩素注入量の指定値に基づく残留塩素濃度の予測を第2の予測という。
【0058】
例えば、予測部23bは、塩素注入量と残留塩素濃度との関係性を記述した所定の計算モデルを用いて指定値に対応する残留塩素濃度を算出することにより第2の予測を行ってもよい。また、例えば、予測部23bは、第1の予測において、将来のある時点における塩素注入量を指定値とする制約条件を追加して塩素注入量を予測することにより第2の予測を行ってもよい。この場合、予測部23bは、その予測結果に基づいて将来の残留塩素濃度の変動を予測してもよい。また、この場合、入力部202bは、指定値を適用する時点を指定する入力を受け付けてもよい。予測部23bは、第1の予測又は第2の予測の結果を示す情報を予測情報として記憶部203に記録する。
【0059】
支援情報生成部25bは、薬品注入量決定部24によって決定された薬品注入量と、予測部23bによって生成された予測情報とに基づいて支援情報を生成し、生成した支援情報を表示部204に表示させる。支援情報生成部25bは、第1の実施形態又は第2の実施形態と同様に、予想情報又は予測情報を実績情報に対応づけて表示する支援情報を生成してもよいし、各種情報を比較可能な態様で表示する支援情報を生成してもよい。
【0060】
図12は、第3の実施形態の運転支援装置2bが支援情報を表示する処理の流れの具体例を示すフローチャートである。図12では、図8と同様の処理には図8と同じ符号を付すことにより適宜説明を省略する。予測部23bは、ステップS102において予想情報が取得された後、薬品注入量の指定の有無を判定する(ステップS301)。例えば、薬品注入量の指定の有無は、指定値の入力操作が行われたか否かで判定されてもよい。薬品注入量の指定が無い場合(ステップS301:無し)、予測部23bはステップS103に処理を進める。一方、薬品注入量の指定が有る場合(ステップS301:有り)、予測部23bは指定値の入力を行い(ステップS302)、実績情報、予想情報及び指定値を用いて流入水質及び残留塩素濃度の予測(第2の予測)を行う(ステップS103及びS201)。
【0061】
なお、予測部23bは、ステップS105における薬品注入量の予測結果に基づいて残留塩素濃度の予測を行ってもよい。予測部23bは、流入水質及び残留塩素濃度の予測結果を示す情報を予測情報として記憶部203に記録する(ステップS202)。
【0062】
このように構成された第3の実施形態の運転支援装置2bは、指定された薬品注入量の値(指定値)に基づいて将来の残留塩素濃度の変動パターンを予測する。また、運転支援装置2bは、指定値に基づいて予測された残留塩素濃度の変動パターンを示す情報を支援情報として表示する。これにより、運転管理者は、所定の薬品注入量での運転が予定されている場合や、実績情報と予想情報に基づいて予測された塩素注入量又は残留塩素濃度が適切でないと判断した場合などにおいて、予測の条件を変更し、さらに変更後の条件で予測された塩素注入量又は残留塩素濃度の妥当性を判断することができる。
【0063】
(変形例)
上記の各実施形態では簡単のため、予測の対象が塩素注入量又は残留塩素濃度である場合を例に説明したが、水処理プロセスWPの制御に関して決定される値であって、実績情報又は予想情報に基づいて予測可能な値であればどのような値が予測の対象とされてもよい。例えば、塩素注入量に代えて凝集剤の注入量が予測されてもよいし、この場合、残留塩素濃度に代えて処理水の濁度などが予測されてもよい。また、例えば、塩素注入量に代えて活性炭の注入量が予測されてもよいし、この場合、処理水に残留する活性炭の濃度などが予測されてもよい。
【0064】
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、被処理水に薬品を注入する工程を有する水処理プロセスに関して、前記水処理プロセスに流入する原水に関する予想情報に基づいて、前記被処理水に対する前記薬品の注入量を予測する予測部と、前記注入量の予測結果を示す情報と、前記注入量の予測に用いられた情報とを対応づけて表示する支援情報を生成する支援情報生成部と、を持つことにより、水処理の過程で注入される薬品等の注入量を自動制御するシステムにおいて、システムによる制御の妥当性の判断を支援する情報をより適切に提供することができる。
【0065】
なお、上記の各実施形態における原水の流量及び気象予報は予想情報の一例であり、必ずしもこれらの情報に限定されない。薬品注入量の予測に必要とされる将来の予測を示す情報であれば、予想情報には他の情報が用いられてもよい。
【0066】
また、上記の各実施形態における塩素注入量は薬品注入量の一例であり、必ずしもこれに限定されない。水処理プロセスにおいて被処理水に注入される薬品の注入量であれば、薬品注入量は塩素以外(例えば凝集剤や活性炭など)の注入量であってもよい。
【0067】
また、上記の各実施形態における残留塩素濃度は処理水の水質の一例であり、必ずしもこれに限定されない。処理水の水質は、水処理プロセスにおける薬品の注入量に相関するものであれば、どのような指標値によって表されるものであってもよい。
【0068】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0069】
100,100b…水処理システム、1…注入制御装置、2,2a,2b…運転支援装置、201…通信部、202,202b…入力部、203…記憶部、204…表示部、21…実績情報取得部、22…予想情報取得部、23,23a,23b…予測部、薬品注入量決定部24、25,25b…支援情報生成部、3…薬品注入ポンプ、31…原水水質計、32…流入流量計、33…処理水水質計
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
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