(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-27
(45)【発行日】2023-03-07
(54)【発明の名称】医療介護支援システム
(51)【国際特許分類】
G16H 10/00 20180101AFI20230228BHJP
G06Q 50/22 20180101ALI20230228BHJP
A61B 5/00 20060101ALI20230228BHJP
A61B 5/113 20060101ALI20230228BHJP
A61B 5/11 20060101ALI20230228BHJP
G08B 25/04 20060101ALI20230228BHJP
【FI】
G16H10/00
G06Q50/22
A61B5/00 102B
A61B5/113
A61B5/11 100
G08B25/04 K
(21)【出願番号】P 2019097402
(22)【出願日】2019-05-24
【審査請求日】2021-10-26
(73)【特許権者】
【識別番号】390039985
【氏名又は名称】パラマウントベッド株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108062
【氏名又は名称】日向寺 雅彦
(74)【代理人】
【識別番号】100168332
【氏名又は名称】小崎 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100146592
【氏名又は名称】市川 浩
(72)【発明者】
【氏名】水上 渉
【審査官】梅岡 信幸
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/061282(WO,A1)
【文献】特開平09-245094(JP,A)
【文献】特開2009-245408(JP,A)
【文献】特開2004-041574(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00-80/00
G06Q 10/00-99/00
A61B 5/00- 5/01
G08B 23/00-31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象者の状態を検出するセンサと、
観察項
目を含むメッセージを入出力端末に出力させて、前記対象者を観察した結果
の入力
を受け付ける制御部と、
を備え、
前記制御部は、
入力された前記結果が設定された第1基準に該当するか否かを判定し、前記結果が前記第1基準に該当しない場合に、前記センサで検出された対象者の状態を示すデータを取得せず、前記結果が前記第1基準に該当する場合に、前記センサで検出された
前記対象者の状態を示すデータを取得し、前記データが第2基準以上であるとき、
前記第2基準以上であることに対応する前記観察項目
の観察頻度、及び、
前記第2基準以上であることに対応する前記
観察項目の観察判定基準の少なくともいずれかを変更して前記入出力端末に出力させる、医療介護支援システム。
【請求項2】
前記制御部は、前記センサで検出された前記データと、前記観察した前記結果について入力されたデータと、の少なくともいずれかに基づいて、通報の送信先、及び、前記通報の方法の少なくともいずれかを変更する、請求項
1に記載の医療介護支援システム。
【請求項3】
前記観察項目は、食事、水分摂取、活動への参加の有無、気分、清潔、服薬、排泄、意識、苦痛、呼吸苦、熱、酸素投与、及び、体位変換よりなる群から選択された少なくとも1つを含む、請求項1
または2に記載の医療介護支援システム。
【請求項4】
前記対象者の前記状態は、前記対象者の体動、前記対象者の離床または在床、前記対象者の睡眠または覚醒、前記対象者の呼吸数、及び、前記対象者の心拍数よりなる群から選択された少なくとも1つを含む、請求項1~3のいずれか1つに記載の医療介護支援システム。
【請求項5】
前記対象者は、ベッドを使用し、
前記センサは、前記ベッドと前記対象者との間に設けられる、請求項4に記載の医療介護支援システム。
【請求項6】
前記センサは、光学センサを含む、請求項1~5のいずれか1つに記載の医療介護支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、医療介護支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
医療分野や介護分野において、対象者により適切なサービスを提供することが望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の実施形態は、より適切なサービスを提供できる医療介護支援システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態によれば、医療介護支援システムは、対象者の状態を検出するセンサと、制御部と、を含む。前記制御部は、観察項目、観察頻度、及び、観察判定基準の少なくともいずれかを含むメッセージを入出力端末に出力させて、前記対象者を観察した結果を入力させることを促すことが可能である。前記制御部は、前記対象者の分類と、前記センサで検出されたデータと、の少なくともいずれかに基づいて、前記観察項目、前記観察頻度、及び、前記観察判定基準の少なくともいずれかを変更して前記入出力端末に出力させる。
【発明の効果】
【0006】
本発明の実施形態は、より適切なサービスを提供できる医療介護支援システムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係る医療介護支援システムを例示する模式図である。
【
図2】
図2(a)~
図2(d)は、第1実施形態に係る医療介護支援システムを例示する模式図である。
【
図3】
図3(a)~
図3(e)は、第1実施形態に係る医療介護支援システムを例示する模式図である。
【
図4】
図4は、第1実施形態に係る医療介護支援システムを例示する模式図である。
【
図5】
図5は、第1実施形態に係る医療介護支援システムを例示する模式図である。
【
図6】
図6は、第1実施形態に係る医療介護支援システムの動作を例示するフローチャート図である。
【
図7】
図7(a)~
図7(d)は、第1実施形態に係る医療介護支援システムの動作を例示する模式図である。
【
図8】
図8(a)及び
図8(b)は、第1実施形態に係る医療介護支援システムの動作を例示する模式図である。
【
図9】
図9(a)及び
図9(b)は、第1実施形態に係る医療介護支援システムの動作を例示する模式図である。
【
図10】
図10(a)~
図10(c)は、第1実施形態に係る医療介護支援システムの動作を例示する模式図である。
【
図11】
図11(a)及び
図11(b)は、第1実施形態に係る医療介護支援システムの動作を例示する模式図である。
【
図12】
図12は、第1実施形態に係る医療介護支援システムの動作を例示するフローチャート図である。
【
図13】
図13は、第2実施形態に係る医療介護支援システムを例示するグラフ図である。
【
図14】
図14(a)~
図14(d)は、第2実施形態に係る医療介護支援システムの動作を例示する模式図である。
【
図15】
図15は、第3実施形態に係る医療介護支援システムの動作を例示するフローチャート図である。
【
図16】
図16(a)~
図16(d)は、第3実施形態に係る医療介護支援システムの動作を例示する模式図である。
【
図17】
図17は、第3実施形態に係る医療介護支援システムの動作を例示する模式図である。
【
図18】
図18(a)及び
図18(b)は、第3実施形態に係る医療介護支援システムの動作を例示する模式図である。
【
図19】
図19(a)~
図19(d)は、第4実施形態に係る医療介護支援システムの動作を例示する模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
図面は模式的または概念的なものである。本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0009】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る医療介護支援システムを例示する模式図である。
図1に示すように、実施形態に係る医療介護支援システム110は、使用者82により使用される。使用者82は、対象者81にサービスを提供する。使用者82は、例えば、医療従事者または介護者などである。使用者82は、対象者81の家族などでも良い。医療従事者は、例えば、医師、看護師及び薬剤師などを含む。医療介護支援システム110は、例えば、病院または介護施設などで用いられる。医療介護支援システム110は、家庭などで用いられても良い。サービスは、例えば、医療または介護に関係する行為を含む。
【0010】
対象者81は、例えば、ベッド70Bの使用者である。対象者81は、ベッド70Bの上に横たわることができる。例えば、ベッド70Bは、ボトム71を含む。ボトム71の上にマットレス76が置かれる。マットレス76の上に対象者81が横たわる。
図1においては、図を見やすくするために、マットレス76は、ボトム71から離れて描かれている。
【0011】
実施形態において、センサ61が設けられる。センサ61は、「対象者81の状態」を検出する。この例では、センサ61として、センサデバイス62が用いられる。センサデバイス62は、ボトム71とマットレス76との間に設けられる。このように、センサ61として用いられるセンサデバイス62は、ベッド70Bと対象者81との間に設けられる。
【0012】
センサデバイス62は、例えば、対象者81の体動などに伴う振動などを検出可能である。センサデバイス62で検出されたデータは、例えば、センサ制御部65に提供される。センサ制御部65は、例えば、ナースセンターなどに置かれる集中制御部でも良い。例えば、センサ制御部65において、センサデバイス62で検出されたデータが解析される。これにより、例えば、センサ制御部65において、対象者81の、体動、離床または在床、睡眠または覚醒、対象者の呼吸数、及び、対象者の心拍数などを検出することができる。以下、体動、離床または在床、睡眠または覚醒、対象者の呼吸数、及び、対象者の心拍数などを「生体情報」と言う。
【0013】
対象者81の呼吸数及び心拍数等の生体情報を取得する方法としては、例えば、特開2016-30177号公報(発明の名称:呼吸障害判定装置、呼吸障害判定方法及びプログラム、出願日:平成26年7月30日)に記載の方法を援用できる。対象者81の睡眠または覚醒を判定する方法としては、例えば、特開2010-264193号公報(発明の名称:睡眠状態判定装置、プログラム及び睡眠状態判定システム、出願日:平成21年5月18日)、及び、特開2014-229118号公報(発明の名称:睡眠状態判定装置、睡眠状態判定方法及びプログラム、出願日:平成26年11月11日)に記載の方法を援用できる。この特許出願は、援用により、その全体が組み込まれる。
【0014】
実施形態において、センサデバイス62がデータの解析の機能を有しても良い。この場合、センサ制御部65を用いることなく、センサデバイス62により、生体情報を検出することが可能である。
【0015】
この例では、センサ61は、センサデバイス62を含む。センサ61は、センサ制御部65をさらに含んでも良い。センサ制御部65は、例えば、ナースステーションなどに置かれても良い。
【0016】
このように、実施形態において、センサ61が検出する「対象者81の状態」は、例えば、対象者81の体動、対象者81の離床または在床、対象者81の睡眠または覚醒、対象者81の呼吸数、及び、対象者81の心拍数よりなる群から選択された少なくとも1つを含む。センサ61が検出する「生体情報」に基づいて、対象者81の心不全のリスクに関する情報が得られても良い。センサ61が検出する「生体情報」に基づいて、対象者81の呼吸イベント指数が算出されても良い。心不全のリスクに関する情報、及び、呼吸イベント指数などを参照することで、より良いサービスを提供し易くなる。
【0017】
センサ61で検出されたデータ(例えば情報)は、入出力端末20に送信されることが可能である。入出力端末20は、使用者82により使用される。入出力端末20は、例えば、携帯型の端末である。入出力端末20は、例えば、「スマートフォン型」で良い。
【0018】
例えば、入出力端末20は、表示部20Dを含んでも良い。表示部20Dは、タッチパネル式の入力機能を有しても良い。入力機能は、使用者82などによる入力を取得する(例えば受け付ける)機能である。
【0019】
例えば、使用者82は、入出力端末20の表示部20Dなどにより、センサ61で検出されたデータを認識できる。使用者82は、入出力端末20の表示部20Dを操作することで、各種の入力が可能である。各種の入力は、例えば、対象者81を観察した結果などを含む。
【0020】
収集されたデータ(例えば、センサ61で検出されたデータ、及び、対象者81を観察した結果など)は、例えば、サーバ66などに供給されても良い。収集されたデータが、サーバ66を介して、複数の医療機関などで参照され、共有化されても良い。収集されたデータが、遠隔地の医療機関などで使用されても良い。
【0021】
医療介護支援システム110において、対象者81の数は、1でも良く、2以上でも良い。使用者82の数は、1でも良く、2以上でも良い。以下の説明では、1人の使用者82の場合について説明する。以下の説明は、複数の使用者82にも適用できる。
【0022】
実施形態に係る医療介護支援システム110は、制御部10を含む。制御部10は、種々の動作を行うことができる。
図1に示す例では、制御部10は、センサ制御部65の筐体のなかに設けられている。実施形態において、制御部10が設けられる位置は任意である。制御部10は、例えば、プロセッサである。制御部10は、例えば、コンピュータである。制御部10は、例えば、コンピュータとして機能する電子回路を含む。
【0023】
図2(a)~
図2(d)は、第1実施形態に係る医療介護支援システムを例示する模式図である。
図2(a)に示すように、制御部10は、センサ制御部65の筐体のなかに設けられている。制御部10は、記憶部10Mを含んでも良い。センサ制御部65として機能するプロセッサの一部が、制御部10として機能しても良い。制御部10として機能するプロセッサの一部が、センサ制御部65として機能しても良い。入出力端末20は、表示部20Dの他に、通信部20Cを含んでも良い。
【0024】
図2(b)に示すように、制御部10は、入出力装置20Sに設けられても良い。入出力装置20Sは、例えば、入出力端末20及び制御部10を含む。例えば、入出力装置20Sがスマートフォンなどの端末装置である場合、スマートフォンの入出力部(例えばタッチ入力機能付きディスプレイ)が入出力端末20に対応しても良い。この場合、スマートフォンに含まれるプロセッサが制御部10に対応しても良い。入出力端末20として機能するプロセッサの一部が、制御部10として機能しても良い。制御部10として機能するプロセッサの一部が、入出力端末20として機能しても良い。
【0025】
図2(c)に示すように、制御部10は、センサ制御部65及び入出力端末20とは別に設けられても良い。
【0026】
図2(d)に示すように、センサ制御部65が省略されても良い。制御部10は、センサ61に含まれるセンサデバイス62と直接通信が可能でも良い。
【0027】
以下、センサ61で検出されるデータの例について説明する。以下の説明では、データの例が、モデル的に説明される。
【0028】
図3(a)~
図3(e)は、第1実施形態に係る医療介護支援システムを例示する模式図である。
これらの図は、「対象者81の状態」を例示している。これらの図の横軸は、時間tmである。
図3(a)の縦軸は、対象者81の体動に関する値SA1である。
図3(b)の縦軸は、対象者81の離床または在床、または、対象者81の睡眠または覚醒に関する値SA2である。
図3(c)の縦軸は、対象者81の呼吸数SA3である。
図3(d)の縦軸は、対象者81の心拍数SA4である。
【0029】
図3(a)に示すように、時間tmの経過とともに、体動に関する値SA1が変化する。体動に関する値SA1が大きいときは、対象者81の活動量が多い。例えば、夜間に体動に関する値SA1が大きいときは、対象者81が夜間に寝られない可能性がある。値SA1に関してしきい値TH1が設けられても良い。しきい値TH1を超える値SA1が生じる回数及びその時刻などが集計されても良い。集計された結果が、使用者82に提供され、使用者82は、対象者81に適切なサービスを提供することができる。例えば、夜間の活動量が増加した場合、排尿のための行動、皮膚を掻くこと、または、痛みにより動くことが生じる可能性がある。使用者82が活動量についての情報を得ることで、使用者82は、対象者81を迅速にケアできる。
【0030】
図3(b)に示すように、時間tmの経過とともに、対象者81は、離床OB、覚醒WKまたは睡眠SPの状態である。覚醒WK及び睡眠SPは、在床に含まれる。例えば、夜間に多くの離床OBが検出される場合は、対象者81が夜間に徘徊している可能性が高い。対象者81の、離床OB、覚醒WKまたは睡眠SPの状態が使用者82に提供され、使用者82は、対象者81に適切なサービスを提供することができる。例えば、使用者82が、離床OB、覚醒WKまたは睡眠SPの状態とともに、対象者81の活動量についての情報を得ることで、使用者82は、より早期にケアを行い、例えば、離床に伴う転倒転落の抑制をし易く、または、排泄に伴う失敗(例えば失禁)を抑制し易くできる。
【0031】
図3(c)に示すように、時間tmの経過とともに、呼吸数SA3が変化する。呼吸数SA3が急激に上昇または低下すると、対象者81の体調に大きな変化が生じている可能性がある。呼吸数SA3に関してしきい値TH3が設けられても良い。しきい値TH3を超える呼吸数SA3が生じる回数及びその時刻などが集計されても良い。集計された結果が、使用者82に提供され、使用者82は、対象者81に適切なサービスを提供することができる。呼吸数が上昇した場合は、風邪などの発症、または、痛みの増大などが生じる可能性がある。呼吸数についての情報が使用者82に提供されることで、使用者82は、対象者81の疾患が重篤化する前に、疾患の可能性を把握し易い。
【0032】
図3(d)に示すように、時間tmの経過とともに、心拍数SA4が変化する。心拍数SA4が急激に上昇または低下すると、対象者81の体調に大きな変化が生じている可能性がある。心拍数SA4に関してしきい値TH4が設けられても良い。しきい値TH4を超える心拍数SA4が生じる回数及びその時刻などが集計されても良い。集計された結果が、使用者82に提供され、使用者82は、対象者81に適切なサービスを提供することができる。心拍数の上昇または低下がある場合、期外収縮、または、血圧以上(上昇または低下)が生じる場合がある。例えば、使用者82は、意識の消失、または、転倒の前に、心拍数に関する情報を得ることができる。例えば、使用者82は、より早期にケアを行うことで、対象者81の重篤化を抑制し易くできる。
【0033】
例えば、体動、離床または在床、睡眠または覚醒、呼吸数、及び、心拍数などについて、しきい値が設けられても良い。検出結果としきい値との関係により、正常/非正常が区別されても良い。例えば、非正常が生じる回数、または、非正常の程度などが数値化されても良い。数値化された値が、時間tmの経過とともに累積されても良い。累積結果を基に、対象者81に関する状況の変化に関する情報が導出されても良い。
【0034】
図3(e)の縦軸は、例えば、数値化された値の累積値SA5である。累積値SA5は、体動、離床または在床、睡眠または覚醒、呼吸数、及び、心拍数の少なくともいずれかに関しての正常/非正常が数値化された値の累積値である。1つの例において、累積値SA5は、体動に関する値SA1についての数値化された値、睡眠または覚醒に関する値SA2についての数値化された値、呼吸数SA3についての数値化された値、及び、呼吸数SA4についての数値化された値の累積値に対応する。累積値SA5が大きいと、対象者81が非正常である可能性が高い。例えば、累積値SA5に関してしきい値(例えば、第1しきい値TT1及び第2しきい値TT2など)などが定められても良い。例えば、累積値SA5が第1しきい値TT1未満の場合(第1状態ST1)は、対象者81は、正常である可能性が高い。累積値SA5が第1しきい値TT1以上で第2しきい値TT2未満の場合(第2状態ST2)は、対象者81の状態が、「特別な処置」を必要としている可能性が高い。累積値SA5が第2しきい値TT2以上の場合(第3状態ST3)は、対象者81の状態が、「緊急な処置」を必要としている可能性が高い。
【0035】
1つの例において、心拍数非算出率の発生した場合、または、心拍数非算出率が上昇した場合に、医師に相談をすることが促される。1つの例において、日中活動量と夜間活動量との間の差が小さい場合に、夜間のせん妄、または、夜間の異常行動(例えば徘徊)が生じる可能性がある。日中活動量と夜間活動量との間の差が小さいことに関する情報を使用者82に提供することで、事故を抑制し易くでき、または、生活を改善し易くできる。
【0036】
例えば、使用者82は、
図3(a)~
図3(e)などのデータを見ることで、対象者81により適切な処置(サービス)を提供し易くなる。例えば、データに基づいて、介護者が対象者81の介護作業の頻度を高めても良い。例えば、データに基づいて、必要に応じて、医療行為を実施するための連絡などが行われても良い。
【0037】
図3(a)~
図3(e)に例示した表示などが、適宜種々の色などを用いて行われても良い。種々の時間単位(分単位、時間単位、週単位、または、月単位など)を切り替えて表示されても良い。1人の対象者81についての表示と、複数の対象者81についての表示と、が切り替えられても良い。
【0038】
図3(a)~
図3(e)に例示した表示及びその変形は、例えば、センサ制御部65に表示されても良い。
図3(a)~
図3(e)に例示した表示及びその変形などは、例えば、入出力端末20の表示部20Dなどに表示されても良い。
【0039】
一方、実施形態において、使用者82などにより、対象者81が観察される。観察した結果は、例えば、入出力端末20などから入力される。センサ61により検出された結果(例えば、
図3(a)~
図3(e)に例示した表示など)と、使用者82により入力された観察結果と、が、組み合わされて表示(出力)されても良い。表示は、例えば、センサ制御部65または入出力端末20などにより行われる。観察の例については、後述する。
【0040】
実施形態において、対象者81が複数の種類の1つに分類されても良い。以下、分類の例について説明する。
【0041】
図4は、第1実施形態に係る医療介護支援システムを例示する模式図である。
図4に示すように、例えば、複数の対象者81のそれぞれの識別情報IDが存在する。識別情報IDは、例えば、複数の対象者81のそれぞれの名前(「XXXXXX1」~「XXXXXX7」など)と関係づけられている。複数の対象者81のそれぞれに関して、血液型、性別、年齢、住所及び連絡先などのデータが、識別情報IDに関係づけられて保存される。これらのデータは、例えば、サーバ66に保存される。これらのデータは、制御部10に設けられる記憶部10Mなどに保存されても良い。これらのデータは、センサ制御部65に設けられる記憶部に保存されても良い。
【0042】
図4に示すように、実施形態においては、対象者81は、複数の分類GIの1つに対応づけられる。この例においては、複数の分類GIは、分類G1~G12などを含む。複数の分類GI(分類G1~G12など)は、例えば、せん妄、機能低下、皮膚課題、排泄課題、認知機能低下、呼吸器疾患、循環器疾患、褥瘡、アトピー性湿疹、排泄障害、及び、終末期よりなる群から選択された少なくとも2つを含む。以下、「せん妄、機能低下、皮膚課題、排泄課題、認知機能低下、呼吸器疾患、循環器疾患、褥瘡、アトピー性湿疹、排泄障害、及び、終末期」などを「分類群」と呼ぶ。
【0043】
分類G1~G12などにおける順番と、分類群における順番と、の関係は、任意である。例えば、分類G1は、分類群に含まれる要素の1つである。分類G2は、分類群に含まれる要素の別の1つである。分類G3は、分類群に含まれるさらに別の要素の1つである。
【0044】
図4に示す例では、「XXXXXX1」の対象者は、分類G2に分類される。「XXXXXX2」の対象者は、分類G7に分類される。このような分類は、対象者81の症状などに基づいて定められる。分類は、例えば、対象者81の状況に応じて、医療従事者または介護者などが決定しても良い。医療介護支援システム110が用いられる医療介護支援施設などにおいて、デフォルトの分類が定められても良い。対象者81の状態の変化などに基づいて、分類が変更されても良い。
【0045】
実施形態において、使用者82(介護者など)が、対象者81を観察して、使用者82が、観察した結果を記録する。記録の少なくとも一部は、例えば、入出力端末20の操作により行われる。観察は、例えば、定められた項目に従って行われる。以下、観察項目の例について説明する。
【0046】
図5は、第1実施形態に係る医療介護支援システムを例示する模式図である。
図5に示すように、複数の対象者81の識別情報ID(例えば、名前「XXXXXX1」~「XXXXXX7」など)に対して、複数の観察項目IIが定められる。観察項目は、例えば、食事、水分摂取、活動への参加の有無、気分、清潔、服薬、排泄、意識、苦痛、呼吸苦、熱、酸素投与、及び、体位変換よりなる群から選択された少なくとも1つを含む。以下、「食事、水分摂取、活動への参加の有無、気分、清潔、服薬、排泄、意識、苦痛、呼吸苦、熱、酸素投与、及び、体位変換」を観察項目群と呼ぶ。この各観察項目の例については、
図7の具体例で後述する。
【0047】
観察項目IIは、例えば、項目I1~I12などである。項目I1~I12などにおける順番と、観察項目群における順番と、の関係は、任意である。例えば、項目I1は、観察項目群に含まれる要素の1つである。項目I2は、観察項目群に含まれる要素の別の1つである。項目I3は、観察項目群に含まれるさらに別の要素の1つである。
【0048】
例えば、項目I1~I6は、全ての対象者81に共通の観察項目である。項目I1~I6は、例えば、食事、水分摂取、活動への参加の有無、気分、清潔、及び、服薬などである。
【0049】
項目I1~I6の他に、複数の対象者81のそれぞれは、固有の観察項目IIを有しても良い。例えば、「XXXXXX1」の対象者81は、項目I8及びI11を有する。例えば、「XXXXXX3」の対象者81は、項目I10及びI12を有する。
【0050】
このように、対象者81の固有の観察項目IIが定められる。例えば、対象者81の症状などに適合するように、観察項目IIが定められる。複数の対象者81のそれぞれにおける固有の観察項目IIは、例えば、センサ制御部65などを用いて、使用者82などにより設定(入力)されても良い。複数の対象者81のそれぞれにおける固有の観察項目IIは、例えば、入出力端末20などを用いて、使用者82などにより設定(入力)されても良い。
【0051】
図5に例示するデータは、例えば、制御部10に設けられる記憶部10Mなどに保存されても良い。これらのデータは、センサ制御部65に設けられる記憶部に保存されても良い。
【0052】
実施形態において、後述するように、制御部10は、メッセージを入出力端末20に出力させる。出力は、例えば、表示部20Dで行われる。使用者82は、表示部20Dの表示を見る。これにより、制御部10は、使用者82に、対象者81を観察した結果を入力させることを促す。
【0053】
実施形態において、「出力」は、表示及び音の少なくともいずれかを含んでも良い。例えば、音によるメッセージにより、入力することが促されても良い。この場合、出力は、例えばスピーカなどにより行われる。以下では、説明を簡単にするために、出力が表示である場合の例について説明する。
【0054】
第1実施形態においては、対象者81を観察する観察項目IIが、センサ61により検出されたデータに基づいて変更される。観察項目II、観察頻度、及び、観察判定基準の少なくともいずれかが変更されても良い。以下、観察項目II、観察頻度、及び、観察判定基準の変更の例について説明する。使用者82による観察は、例えば、1つの周期(頻度)により行われる。例えば、観察項目IIの変更は、観察が行われる1つの周期ごとに行われる。以下では、1つの周期で行われる観察項目IIの変更の例について説明する。
【0055】
図6は、第1実施形態に係る医療介護支援システムの動作を例示するフローチャート図である。
図6は、1つの周期で行われる観察項目II、観察頻度及び観察判定基準の変更の動作を例示している。
図6に示すように、制御部10は、対象者81の分類GI(例えば、分類G1~G12など)に関する情報を取得する(ステップS105)。この分類GIは、対象者81の現在の分類であり、既に登録されている対象者81の分類である。
【0056】
制御部10は、メッセージを入出力端末20に出力させる(ステップS110)。このメッセージは、使用者82に提供される。このメッセージは、ステップS105が取得した対象者81の分類GIに対応したメッセージであり、対象者81の分類GIごとに異なる。メッセージは、使用者82が対象者81を観察することを支援する。メッセージは、観察項目II、観察頻度、及び、観察判定基準の少なくともいずれかを含む。これにより、制御部10は、使用者82に、対象者81を観察した結果を入力させることを促すことが可能である。メッセージの例については、後述する。
【0057】
制御部10は、使用者82により入力された観察結果を取得する(ステップS111)。制御部10は、センサ61で検出されたデータ(センサデータ)を取得する(ステップS120)。
【0058】
例えば、センサデータに関して、規準(例えば、しきい値など)が定められる。この基準は、例えば、対象者81の分類GIに基づいて設定されても良い。
【0059】
制御部10は、センサデータと、規準と、を比較する(ステップS125)。センサデータが規準未満の場合は、終了する。センサデータが、規準以上の場合は、観察項目II、観察頻度、及び、観察判定基準の少なくともいずれかを変更する(ステップS130)。例えば、センサデータが数値化される(例えば、後述する
図13の値SA6)。数値化された値(値SA6)と、その値に関してのしきい値(例えば、
図13のしきい値TH6)と、が比較される。実施形態には、この例に限定されることなく、センサデータと規準とが比較できる任意の形態が適用されてもよい。
【0060】
ステップS130の後に、制御部10は、変更後の、観察項目II、観察頻度、及び、観察判定基準を入出力端末20に出力させる(ステップS110A)。
図6の例では、ステップS130とステップS110Aとの間に、後述するステップS131、S150及びS151が行われる。ステップS151の後(ステップS110Aの後)に、例えば、使用者82は、入出力端末20に出力された、変更後の、観察項目II、観察頻度、及び、観察判定基準に基づいて、観察結果を入力する。制御部10は、使用者82により入力された観察結果をさらに取得する(ステップS111A)。
【0061】
図6の例では、ステップS130とステップS110Aとの間に、制御部10は、観察項目II、観察頻度、及び、観察判定基準の少なくともいずれかを変更することの承認を促す出力(例えば表示)を行う(ステップS131)。例えば、使用者82により、変更が承認されたら、制御部10は、観察項目II、観察頻度、及び、観察判定基準の少なくともいずれかを変更する。そして、次のステップ(この例ではステップS150)に進む。変更が承認されない場合は、変更がキャンセルされ、そのまま終了する。
【0062】
実施形態において、通報に関する条件が変更可能でも良い。例えば、
図6に示すように、制御部10は、通報の変更の承認に関する出力(例えば表示)を行う(ステップS150)。変更が承認された場合、通報に関する条件を変更する。変更が承認されない場合、変更がキャンセルされ、次のステップ(ステップS110A)に進む。
【0063】
このように、この例では、制御部10は、対象者81の分類GIと、対象者81の状態を検出するセンサ61で検出されたデータと、の少なくともいずれかに基づいて、観察項目II、観察頻度、及び、観察判定基準の少なくともいずれかを変更して(ステップS130)、入出力端末20に出力させる(ステップS110A)。これにより、より適切なサービスを提供できる医療介護支援システムを提供できる。
【0064】
一般に、観察項目IIが多いと、対象者81に関して、多くの情報を取得することができる。しかしながら、観察項目IIが多いと、使用者82の作業量が多くなり、観察のための時間が増える。結果的に、対象者81に適切なサービス(介護または医療行為など)を提供することが困難になる。
【0065】
これに対して、第1実施形態においては、対象者81の分類GIと、センサ61で検出されたデータと、の少なくともいずれかに基づいて、観察項目II、観察頻度、または、観察判定基準などが変更される。これにより、例えば、観察項目IIが過度に増えることが抑制され、使用者82は、効果的で数の少ない観察項目IIに基づいて、観察を行うことができる。これにより、例えば、少ない時間で、より効果的な観察が可能になる。結果として、対象者81に適切なサービス(介護または医療行為など)を提供することが容易になる。
【0066】
例えば、対象者81の分類GIと、センサ61で検出されたデータと、の少なくともいずれかに基づいて、観察項目IIの内容が追加または削除される。例えば、対象者81の分類GIと、センサ61で検出されたデータと、の少なくともいずれかに基づいて、観察頻度が高く、または、低くされても良い。例えば、対象者81の分類GIと、センサ61で検出されたデータと、の少なくともいずれかに基づいて、観察判定基準が厳しく、または、緩やかになされても良い。観察項目IIの内容が追加または削除される場合のしきい値は、互いに異なっても良い。例えば、観察項目IIの内容が追加される場合におけるしきい値は、観察項目IIの内容を削除する場合のしきい値よりも低い。例えば、センサ61で検出されたデータがしきい値を超えた期間が第1期間よりも長い場合に、観察項目IIの内容が追加される。例えば、センサ61で検出されたデータがしきい値を超えない期間が第2期間よりも長い場合に、観察項目IIの内容が削除される。このとき、例えば、第1期間は、第2期間よりも短い。例えば、センサ61で検出されたデータがしきい値を超えた回数が第1回数よりも多い場合に、観察項目IIの内容が追加される。例えば、センサ61で検出されたデータがしきい値を超えた回数が第2回数よりも少ない場合に、観察項目IIの内容が削除される。このとき、例えば、第2回数は、第1回数よりも少ない。
【0067】
例えば、ステップS105、S110、S111、S120、S125、S130、S131、S150、及びS151が、1つの観察の周期ごとに行われる。上記の例において、センサデータの取得が、この周期と独立して行われても良い。例えば、センサデータの取得は、観察の周期よりも短い周期で定常的に行われても良い。ステップS120は、定常的に行われるセンサデータの取得のうちの1つに対応しても良い。
【0068】
以下、このような動作に関するいくつかの例について説明する。以下の例において、「表示」は、任意の方法による出力でも良い。
【0069】
図7(a)~
図7(d)は、第1実施形態に係る医療介護支援システムの動作を例示する模式図である。
図7(a)に示すように、入出力端末20の表示部20Dに対象者81の識別情報ID(例えば名前(「XXXXXX1」~「XXXXXX7」など)が表示される。
図7(a)に示すように、対象者81のそれぞれについて、分類GIが表示されても良い。
【0070】
例えば、使用者82が、表示部20Dの「XXXXXX3」の部分を「タッチ」して選択することで、
図7(b)に示す、「XXXXXX3」の画面(入出力画面)に移行する。
図7(b)の画面において、観察項目IIに関する入力領域25が表示される。この例では、入力領域25として、「食事」のボタン25a、「水分摂取」のボタン25b、「活動への参加」のボタン25c、「気分」のボタン25d、「清潔」のボタン25e、及び、「服薬」のボタン25fが表示される。これらのボタンのスイッチ部を左右に動かす(またはタッチする)ことで、その項目について、「該当」または「非該当」が入力できる。
【0071】
例えば、「食事」のボタン25aにより、その対象者81が、適正な食事をしたかどうかが入力できる。例えば、「水分摂取」のボタン25bにより、その対象者81が、適正に水分を摂取したかどうかが入力できる。例えば、「活動への参加」のボタン25cにより、その対象者81が、レクリエーション、運動またはミーティングなどに参加したかどうかが入力できる。例えば、「気分」のボタン25dにより、その対象者81の気分または機嫌が良いかどうかについての観察結果が入力できる。例えば、「清潔」のボタン25eにより、その対象者81について、入浴または清拭などの状況が入力できる。例えば、「服薬」のボタン25fにより、その対象者81について、「服薬」の有無などが入力できる。
【0072】
例えば、これらのボタンの表示の色または明るさを変更することで、未入力または入力済みが表示できても良い。例えば、使用者82により、「保存」のボタン28cが操作されると、入力された結果が時刻とともに保存される。保存は、例えば、入出力端末20に設けられる記憶部に行われても良い。入力された結果は、例えば、センサ制御部65及び制御部10などに提供され、保存されても良い。
【0073】
図7(b)に示すように、観察頻度ITについての表示入力領域28dが表示されても良い。この例では、表示入力領域28dには「4H」が表示され、観察の時間間隔が4時間である。表示入力領域28dに、次の観察予定時刻が表示されても良い。
【0074】
図7(b)に示すように、前の画面に戻るためのボタン28a、及び、次の画面に戻るためのボタン28bなどが設けられても良い。
【0075】
図7(b)は、センサ61で検出されたデータが第1状態ST1(
図3(e)参照)のときに対応する。第1状態ST1は、例えば、正常状態に対応する。
【0076】
図7(c)は、センサ61で検出されたデータが第2状態ST2(
図3(e)参照)のときに対応する。第2状態ST2は、対象者81が「特別な処置」を必要としている状態に対応する。
図7(c)に示すように、この場合、表示部20Dには、観察項目IIに関する入力領域25(ボタン25a~25f)に加えて、変更された入力領域26が表示される。この例では、変更された入力領域26は、「意識」のボタン26a、及び、「苦痛」のボタン26bを含む。これらのボタンのスイッチ部を左右に動かす(またはタッチする)ことで、その項目について、「該当」または「非該当」が入力できる。
【0077】
「意識」のボタン26aにより、対象者81の意識についての観察結果(例えば対象者81の意識があるか否か)が入力できる。「苦痛」のボタン26bにより、対象者81の苦痛についての観察結果(例えば対象者81が苦痛を感じているかどうか)が入力できる。
【0078】
図7(c)において、「保存」のボタン28cが操作されることで、観察項目IIの変更が承認され、保存される。「保存」のボタン28cが操作されない場合は、観察項目IIが変更されなくても良い。この場合、例えば、次回の観察時に、変更された入力領域26が再び表示され、変更の承認が再び促されても良い。
【0079】
図7(b)は、例えば、ステップS110(
図6参照)に対応する。
図7(c)は、例えば、観察項目IIが変更されたステップS110A(
図6参照)に対応する。
【0080】
このように、制御部10は、対象者81の状態を検出するセンサ61で検出されたデータに基づいて、観察項目IIを変更しても良い。例えば、対象者81の分類GIが、「終末期」である場合、例えば、観察項目IIに、「意識」及び「苦痛」が追加される。後述するように、観察項目IIの変更は、対象者81の分類GIに応じて、異なっても良い。観察項目IIを変更は、観察項目IIの追加または削除を含む。これにより、より適切なサービスを提供できる。
【0081】
図7(d)に示すように、センサ61で検出されたデータに基づいて、通報に関する設定変更の画像が表示部20Dに表示されても良い。例えば、「通報」のボタン27aを操作することで、センサ61で検出されたデータが異常になったときに「通報」を送信するかどうかが切り替えられても良い。通報先に関する情報27b(電話番号)などが表示されても良い。「通報」のボタン27aが「ON」にされると、センサ61で検出されたデータがしきい値以上のときに、通報先に、通報が送信される。
【0082】
図8(a)及び
図8(b)は、第1実施形態に係る医療介護支援システムの動作を例示する模式図である。
図8(a)は、センサ61で検出されたデータが第3状態ST3(
図3(e)参照)のときに対応する。第3状態ST3は、対象者81の状態が、「緊急な処置」を必要としている状態である。この例では、
図8(a)に示すように、対象者81の状態が第2状態ST2から第3状態ST3に変化すると、観察頻度ITについての表示入力領域28dが、
図7(c)に例示する「4H」から「2H」に変更される。観察頻度ITについての表示入力領域28dが、「次回の観察時刻」を示す場合、第2状態ST2と第3状態ST2とで、「次回の観察時刻」が異なっても良い。
【0083】
このように、実施形態によれば、制御部10は、センサ61で検出されたデータに基づいて、観察頻度ITを、変更して、入出力端末20に出力させても良い。
【0084】
図8(b)に示すように、センサ61で検出されたデータが第3状態ST3の場合に、例えば、「通報」のボタン27aを操作することで、「通報」を送信するかどうかが切り替えられても良い。ボタン27aが「通報」が送信されないように設定されていたとしても制御部10は、対象者81の状態が第2状態ST2から第3状態ST3に変化するときにボタン27aを「通報」を送信するように変更してもよい。
図7(d)に例示した通報先に関する情報27b(電話番号)が、別の通報先に関する情報27c(電話番号)に変化しても良い。このように、センサ61で検出されたデータに基づいて、通報に関する条件が変更されても良い。例えば、制御部10は、センサ61で検出されたデータと、観察した結果について入力されたデータと、の少なくともいずれかに基づいて、通報の送信先、及び、通報の方法の少なくともいずれかを変更しても良い。
【0085】
図9(a)及び
図9(b)は、第1実施形態に係る医療介護支援システムの動作を例示する模式図である。
図9(a)に示すように、対象者81が第1状態ST1のときにおいて、観察項目IIに関する入力領域25として、ボタン25a~25fが表示される。例えば、「食事」の観察判定基準は、「定められた食事の量の70%」である。使用者82は、対象者81の食事の量が定められた食事の量の70%以下のときに、「食事の量が少ないこと」を記録する。
【0086】
図9(b)に示すように、対象者81が第2状態ST2のときにおいて、例えば、「食事」の観察判定基準ISは、「定められた食事の量の1/2」である。使用者82は、対象者81の食事の量が定められた食事の量の1/2以下のときに、「食事の量が少ないこと」を記録する。
【0087】
このように、実施形態において、制御部10は、センサ61で検出されたデータに基づいて、観察判定基準ISを変更して、入出力端末に出力させても良い。これにより、より適切なサービスを提供できる。このように、観察判定基準ISは、例えば、観察項目IIについてのしきい値を含む。
【0088】
図10(a)~
図10(c)は、第1実施形態に係る医療介護支援システムの動作を例示する模式図である。
図10(a)に示すように、入出力端末20の表示部20Dに、対象者81の識別情報IDが表示される。例えば、使用者82が、表示部20Dの「XXXXXX6」の部分を「タッチ」して選択することで、
図10(b)に示す、「XXXXXX6」の画面(入出力画面)に移行する。
図10(b)の画面において、観察項目IIに関する入力領域25が表示される。この例では、センサ61で検出されたデータが第1状態ST1のときに、入力領域25として、ボタン25a~25fが表示される。「XXXXXX6」の対象者81においては、分類GIは、分類G3である。
【0089】
図10(c)に示すように、対象者81の分類GIが分類G3のときに、センサ61で検出されたデータが第2状態ST2になると、入力領域25のボタン25a~25fに加えて、変更された入力領域26が表示される。この例では、変更された入力領域26は、「熱」のボタン26c、及び、「呼吸」のボタン26dを含む。これらのボタンのスイッチ部を左右に動かす(またはタッチする)ことで、その項目について、「該当」または「非該当」が入力できる。
【0090】
例えば、使用者82が「XXXXXX6」の対象者81を観察して、高体温または低体温の様子を観察したときに、「熱」のボタン26cにより観察結果(対象者81が高温であるか低温であるか)を入力できる。例えば、使用者82が「XXXXXX6」の対象者81について呼吸の苦しさを観察したときに、「呼吸」のボタン26dにより観察結果(対象者81が呼吸をするのに苦しんでいるかまたは呼吸が困難であるか否か)を入力できる。
【0091】
例えば、「XXXXXX6」の対象者81の分類G3が「呼吸器疾患」である場合、センサ61で検出されたデータに基づいて、変更された入力領域26として、「熱」のボタン26c、及び、「呼吸」のボタンが追加される。一方、既に説明したように、対象者81の分類GIが「終末期」である場合、センサ61で検出されたデータに基づいて、変更された入力領域26として、「意識」のボタン26a、及び、「苦痛」のボタン26bが追加される。
【0092】
このように、実施形態において、制御部10は、対象者81の分類GIと、対象者81の状態を検出するセンサ61で検出されたデータと、の少なくともいずれかに基づいて、観察項目II、観察頻度IT、及び、観察判定基準ISの少なくともいずれかを変更して入出力端末20に出力させることが可能である。これにより、より適切なサービスを提供できる医療介護支援システムを提供できる。
【0093】
図11(a)及び
図11(b)は、第1実施形態に係る医療介護支援システムの動作を例示する模式図である。
図11(a)に示す例において、分類G1の「XXXXXX3」の対象者81において、センサ61で検出されたデータが第1状態ST1のときに、観察項目IIに関する入力領域25として、ボタン25a~25fが表示される。
【0094】
図11(b)に示すように、
図11(a)の状態に比べて、ボタン25cの「活動への参加」の観察結果が異なる場合に、変更された入力領域26として、「意識」のボタン26aが表示されても良い。このように、観察結果により、観察項目II、観察頻度IT、及び、観察判定基準ISの少なくともいずれかが変更されても良い。
【0095】
第1実施形態において、例えば、観察結果が、「気分の低下」、「食事量の低下」、「摂取した水分量の低下」、「意識の低下」、「意識の混濁」、または、「苦痛」などを含む場合に、観察頻度ITが変更されても良い。このような場合に、最新の観察時刻からの経過時間を入出力端末20またはセンサ制御部65などに表示されても良い。このような場合に、センサ61による検出結果の表示の内容を変更しても良い。このような場合に、通報の送信先が、通常の送信先から、特別な送信先(例えば医療従事者または訪問介護師など)に変更されても良い。
【0096】
例えば、観察結果が、「気分の低下」、「食事量の低下」、「摂取した水分量の低下」、「意識の低下」、「意識の混濁」、または、「苦痛」などを含む場合に、例えば、センサ61による検出結果の表示の状態を変更しても良い。例えば、センサ61による検出結果が複数の色(例えば青または黄色など)で表示される場合において、複数の色を変更しても良い。複数の色で表示される領域の面積の比率が変更されても良い。
【0097】
例えば、観察結果が、「気分の低下」、「食事量の低下」、「摂取した水分量の低下」、「意識の低下」、「意識の混濁」、または、「苦痛」などを含む場合に、制御部10は、例えば、情報の供給先を変更しても良い。例えば、観察結果が、「気分の低下」、「食事量の低下」、「摂取した水分量の低下」、「意識の低下」、「意識の混濁」、または、「苦痛」などを含まない場合は、情報の供給先は、「通常閲覧者」である。観察結果が、「気分の低下」、「食事量の低下」、「摂取した水分量の低下」、「意識の低下」、「意識の混濁」、または、「苦痛」などを含む場合には、情報の供給先は、「特定の供給先」になる。「特定の供給先」は、例えば、医師を含む。「特定の供給先」は、例えば、訪問看護師を含む。
【0098】
例えば、対象者81が終末期に分類される場合、その分類と、対象者81についての観察結果と、に基づいて、制御部10は、出力の内容を変更する。変更された出力の内容に基づいて、使用者82は、より適切なケアを行うことができる。
【0099】
1つの例において、食事量または水分摂取量が減少したことが観察された場合に、意識レベルのチェック項目が細分化される。1つの例において、意識レベルが重篤化したことが観察された場合に、対象者81を観察する頻度(例えば、訪室頻度)が、10分程度に短くされる。1つの例において、夜間の活動量が前日までの週平均に対して30%以上増加したことがセンサ61で検出された場合に、観察項目として、「日中の活動量」、「夜間での離床が排泄のためであったか否か」、「皮膚を掻いているか否か」、または、「苦痛」が追加される。1つの例において、夜間の全体の平均の呼吸数に対して、呼吸数が50%以上高い時間が5分間以上あることがセンサ61で検出された場合、観察の頻度(例えば、体温の計測の頻度)が上げられる。1つの例において、夜間に心拍数SA4が算出できない時間の割合が10%以上であることがセンサ61により検出された場合に、観察項目として、ホルター心電検査の検討を促すメッセージや項目が追加される。1つの例において、夜間に心拍数SA4が算出できない時間の割合が10%以上であることがセンサ61により検出された場合に、アルコール摂取量及び活動状況に関しての異常の有無についての確認が促され、観察項目として、アルコール摂取、及び、活動への参加が追加される、または、アルコール摂取、及び、活動への参加に関する判断基準が変更されて出力(例えば、表示)される。1つの例において、呼吸数の急激な上昇が検出された場合に、観察項目IIとして、「熱」及び「苦痛」が追加される。1つの例において、心拍数SA4の急激な上昇や下降がある場合に、観察項目IIとして「意識」が追加される。
【0100】
(第2実施形態)
第2実施形態においては、観察結果について入力されたデータと、センサ61で検出されたデータと、の少なくともいずれかに基づいて、観察項目II、観察頻度IT、及び、観察判定基準ISが変更される。
【0101】
図12は、第1実施形態に係る医療介護支援システムの動作を例示するフローチャート図である。
図12は、1つの周期で行われる観察項目II、観察頻度IT、及び、観察判定基準ISの変更の動作を例示している。
図12に示すように、制御部10は、メッセージを入出力端末20に出力させる(ステップS210)。メッセージは、観察項目II、観察頻度IT、及び、観察判定基準ISの少なくともいずれかを含む。制御部10は、使用者82に、対象者81を観察した結果を入力させることを促すことが可能である。
【0102】
制御部10は、観察結果を取得する(ステップS211)。制御部10は、観察結果が定められた基準に該当するか、または、該当しないか、を判断する(ステップS215)。例えば、観察結果が数値化される。数値化された値と、その値に関してのしきい値と、が比較される。観察結果が定められた基準に該当しない場合、終了する。
【0103】
観察結果が定められた基準に該当する場合、制御部10は、センサ61で検出されたデータ(センサデータ)を取得する(ステップS220)。制御部10は、センサデータを定められた基準と比較する(ステップS225)。例えば、センサデータが数値化される(例えば、後述する
図13の値SA6)。数値化された値(値SA6)と、その値に関してのしきい値(例えば、
図13のしきい値TH6)と、が比較される。センサデータが定められた基準未満の場合、終了する。観察結果に関する数値化された値、及び、しきい値は、センサデータに関する数値化された値、及び、しきい値に対応する。
【0104】
センサデータが定められた基準以上の場合、制御部10は、観察項目II、観察頻度IT、及び、観察判定基準ISを変更する(ステップS230)。この後、ステップS210Aに進む。この例では、後述するステップS231、250及びステップS251を経て、ステップS210Aに進む。ステップS210Aでは、制御部10は、観察項目II、観察頻度IT、及び、観察判定基準ISを、変更して、入出力端末20に出力させる。この後、制御部10は、使用者82により入力された観察結果をさらに取得する(ステップS211A)。
【0105】
図12に示すように、観察項目II、観察頻度IT、及び、観察判定基準ISの少なくともいずれかの変更について、承認プロセス(ステップS231)が実施されても良い。承認プロセス(ステップS231)において承認された場合、観察項目II、観察頻度IT、及び、観察判定基準ISの少なくともいずれかが変更されて、次のステップ(
図12の例では、ステップS250)に進む。承認されない場合は、終了する。
図12に示すように、さらに、通報の変更(ステップS250、例えば、通報の送信先、及び、通報の方法の少なくともいずれかの変更)が行われても良い。通報の変更について、承認プロセス(ステップS251)が実施されても良い。
【0106】
例えば、ステップS210、S211、S215、S220、S225、S230、S250及びS251が、1つの観察の周期ごとに行われる。例えば、ステップS220は、定常的に行われるセンサデータの取得のうちの1つに対応しても良い。上記の例では、ステップS210、S211及びS215を含む第1処理を行ったのちに、ステップS220及びS225を含む第2処理が行われる。この例に限定されることなく、実施形態において、例えば、第1処理及び第2処理を並行して行ってもよい。実施形態において、第1処理の基準に該当する場合(ステップS215のYes)、または、第2処理の基準以上の場合(ステップS225のYes)のいずれかのときに、ステップS230に進んでも良い。
【0107】
以下、このような動作の例について説明する。
【0108】
図13は、第2実施形態に係る医療介護支援システムを例示するグラフ図である。
図13の横軸は、時間tmである。
図13の縦軸は、対象者81の、夜間における離床の回数に関する値SA6である。例えば、夜間における離床の回数が多いときに、値SA6が大きくなる。例えば、値SA6に関してしきい値TH6が定められても良い。第4状態ST4において、値SA6がしきい値TH6未満である。値SA6がしきい値TH6以上である状態が継続して発生すると、第5状態ST5となる。
【0109】
図14(a)~
図14(d)は、第2実施形態に係る医療介護支援システムの動作を例示する模式図である。
図14(a)に示す例において、入出力端末20の表示部20Dに、対象者81の識別情報IDが表示される。例えば、使用者82が、表示部20Dの「XXXXXX3」の部分を「タッチ」して選択することで、
図14(b)に示す、「XXXXXX3」の画面(入出力画面)に移行する。
【0110】
図14(b)の画面において、観察項目IIに関する入力領域25が表示される。この例では、センサ61で検出されたデータが第4状態ST4のときに、入力領域25として、ボタン25a~25fが表示される。
【0111】
図14(c)に示すように、センサ61で検出されたデータが第5状態ST5になると、入力領域25のボタン25a~25fに加えて、変更された入力領域26が表示される。この例では、変更された入力領域26は、「排泄」のボタン26e、及び、「意識」のボタン26aを含む。これらのボタンのスイッチ部を左右に動かす(またはタッチする)ことで、その項目について、「該当」または「非該当」が入力できる。
【0112】
このように、第2実施形態においては、センサ61によって特別な状態(この例では、第5状態ST5であり、夜間における離床の回数が多い状態)が検出された場合に、その状態に合わせて、観察項目IIが変更される。これにより、より適切なサービスを提供できる。センサ61により検出したデータに基づいて、観察頻度IT、または、観察判定基準ISが変更されても良い。
【0113】
例えば、夜間における睡眠効率の低下がセンサ61により検出された場合、夜間の覚醒が増え、離床行動につながる可能性がある。夜間における睡眠効率についての指標から、離床行動を予測することができる。この指標に基づいて、観察頻度ITが高められる。この指標に基づいて、水分摂取量の観察判定基準ISが変更される。例えば、水分摂取量が制限されても良い。例えば、離床に伴う転倒転落を抑制し易くできる。
【0114】
第2実施形態において、制御部10は、例えば、観察した結果について入力されたデータと、対象者81の状態を検出するセンサ61で検出されたデータと、の少なくともいずれかに基づいて、出力するメッセージに含まれる、観察項目II、観察頻度IT、及び、観察判定基準ISを変更して入出力端末20に出力させても良い。より適切なサービスを提供できる。
【0115】
図14(d)に示すように、通報に関する条件が変更されても良い。例えば、制御部10は、センサ61で検出されたデータと、入力されたデータと、の少なくともいずれかに基づいて、通報の送信先、及び、通報の方法の少なくともいずれかを変更しても良い。
【0116】
第2実施形態に係る1つの例において、例えば、対象者において、夜間の離床の回数が増える場合がある。この場合、センサ61により、夜間における離床の回数が増えることが分かる。例えば、観察結果が、「摂取した水分量の上昇」、「活動への参加の程度の減少」、「気分の低下」、「失禁の発生」、または、「おむつ交換の頻度の上昇」などを含む場合がある。このような場合に、観察項目IIが変更される。例えば、観察項目IIとして、排泄の状態、排泄量、または、排泄の頻度などが追加される。
図14(c)におけるボタン26eの「排泄」について、例えば1晩中における排泄の頻度があるしきい値を超えているか否かで「該当」か「非該当」を入力する。例えば、観察項目IIとして、例えば、「意識」及び「苦痛」などが追加される。
【0117】
例えば、センサ61により、夜間における離床の回数が増えることが検出され、例えば、観察結果が、「摂取した水分量の上昇」、「活動への参加の程度の減少」、「気分の低下」、「失禁の発生」、または、「おむつ交換の頻度の上昇」などを含む場合において、センサ61で得られた結果に基づいて、睡眠効率の評価が開始されても良い。このような場合に、昼夜逆転状況の評価が開始されても良い。
【0118】
第2実施形態においては、観察した結果について入力されたデータと、対象者81の状態を検出するセンサ61で検出されたデータと、の少なくともいずれかに基づいて、観察項目II、観察頻度、または、観察判定基準ISなどが変更される。これにより、例えば、観察項目IIが過度に増えることが抑制され、使用者82は、効果的で数の少ない観察項目IIに基づいて、観察を行うことができる。これにより、例えば、少ない時間で、より効果的な観察が可能になる。結果として、対象者81に適切なサービス(介護または医療行為など)を提供することが容易になる。
【0119】
1つの例において、「清潔ケア」の際に、皮膚に異常(発赤または乾燥など)が観察された場合に、観察項目IIとして、カメラによる皮膚の撮影が追加される。1つの例において、気分の低下、または、活動への参加が低下していることが観察された場合に、観察判定基準ISとして、「食事量及び水分摂取量についての過去一週間の変化量」が設定されても良い。この判断基準により、対象者81の状況の変化の把握が促される。1つの例において、午後の水分摂取量が、過去1週間の平均に対して30%以上増加したことが観察された場合に、観察項目として、夜間覚醒回数の把握、または、睡眠効率の把握などが追加される。または、夜間覚醒回数または睡眠効率などに関しての観察に関しての観察判定基準ISが変更されても良い。
【0120】
(第3実施形態)
第3実施形態においては、対象者81の観察結果について入力されたデータに基づいて、通報の送信または不送信に関する設定が変更される。
【0121】
図15は、第3実施形態に係る医療介護支援システムの動作を例示するフローチャート図である。
図15に示すように、例えば、制御部10は、対象者81の分類GIを入手する(ステップS305)。制御部10は、入出力端末20にメッセージを出力させる(ステップS310)。メッセージは、例えば、観察項目II、観察頻度IT、及び、観察判定基準ISの少なくともいずれかを含んでも良い。出力されるメッセージは、対象者81の分類GIに対応している。例えば、対象者81の分類が異なる場合に、異なるメッセージが出力される場合がある。このメッセージにより、使用者82は、対象者81を観察した結果を入力する。制御部10は、入力された観察結果を取得する(ステップS311)。制御部10は、入力された観察結果を規準と比較する(ステップS315)。例えば、観察結果が数値化される。数値化された値と、その値に関してのしきい値と、が比較される。入力された観察結果が規準に該当しない場合、終了する。
【0122】
入力された観察結果が規準に該当する場合、制御部10は、例えば、通報の送信または不送信の変更、及び、通報のしきい値の変更の少なくともいずれかに関するメッセージを入出力端末20に出力させる(ステップS340)。このメッセージは、通報に関する設定の変更を承認することを促す。
【0123】
制御部10は、変更の承認についての使用者82の入力結果を判断する(ステップS341)。使用者82が通報に関する設定の変更を承認しない場合、通報に関する設定の変更が行われずに終了する。
【0124】
通報に関する設定の変更に関して承認が得られた場合、制御部10は、通報の送信または不送信の変更、または、通報に関するしきい値の変更を行う(ステップS342)。さらに、制御部10は、通報の送信先、及び、通報の方法の少なくともいずれかの変更に関する表示(ステップS360)を入出力端末に出力させても良い(ステップS360)。制御部10は、通報の送信先、及び、通報の方法の少なくともいずれかの変更に関する承認を取得しても良い(ステップS361)。ステップS361で承認が得られない場合は、終了する。ステップS361で承認が得られた場合、制御部10は、例えば、観察項目II、観察頻度IT、及び、観察判定基準ISの少なくともいずれかを含むメッセージをさらに出力しても良い(ステップS310A)。このメッセージにより、使用者82は、対象者81を観察した結果を入力する。制御部10は、入力された観察結果をさらに取得する(ステップS311A)。
【0125】
例えば、ステップS305、S310、S311、S315、S340、S341、S342、S360及びS361が、1つの観察の周期ごとに行われる。
【0126】
第3実施形態において、制御部10は、対象者81の状態を検出するセンサ61で検出されたデータに基づいて通報を送信させることが可能である。1つの例において、制御部10は、対象者81を観察した結果について入力されたデータに基づいて、通報の送信または不送信の変更、及び、通報のしきい値の変更の少なくともいずれかに関するメッセージを入出力端末20に出力させる。別の例において、制御部10は、対象者81の分類GIと、対象者81を観察した結果について入力されたデータと、に基づいて、通報の送信または不送信の変更、及び、通報のしきい値の変更の少なくともいずれかに関するメッセージを入出力端末20に出力させても良い。さらに、センサ61で検出されたデータと、観察した結果ついて入力されたデータと、の少なくともいずれかに基づいて、通報の送信先、及び、通報の方法の少なくともいずれかを変更しても良い。通報を送信する条件が、対象者81の観察結果、または、対象者81の分類GIに基づいて変更されることにより、より適切なサービスを提供できる医療介護支援システムを提供できる。
【0127】
一般に、通報が多いと、医療従事者または介護者の負担が増える。第3実施形態においては、対象者81の観察結果、または、対象者81の分類GIに基づいて、通報に関する条件が変更される。通報を過度に増やすことが抑制されつつ、より必要な通報を提供できる。例えば、対象者81の観察結果、または、対象者81の分類GIに基づいて、通報の頻度が高まる、または、低くなる。例えば、医療従事者または介護者における負担が過度に増えることが抑制できる。より適切なサービスを提供できる医療介護支援システムを提供できる。
【0128】
図16(a)~
図16(d)は、第3実施形態に係る医療介護支援システムの動作を例示する模式図である。
図16(a)に示す例において、分類G3の「XXXXXX6」の対象者81が、第1状態ST1(
図1(e)参照)のときに、表示部20Dに、観察項目IIに関する入力領域25(ボタン25a~25f)と、変更された入力領域26(「苦痛」のボタン26b)と、が表示されている。この例では、表示部20Dに「通報」のボタン28eが表示されている。例えば、使用者82が「通報」のボタン28eを選択すると、
図16(b)に例示する「現在の通報設定状態」の画面に移行する。
【0129】
図16(b)に示す例において、「現在の通報設定状態」として、「通報設定」のボタン24が表示される。この例では、「通報設定」のボタン24は、「活動量」のボタン24a、「睡眠/覚醒/離床」のボタン24b、「呼吸数」のボタン24c、及び、「心拍数」のボタン24dを含む。
図16(b)の例においては、これらのボタン24cは、「通報しない」の状態に設定されており、通報は行われない。
【0130】
図16(b)に示す画面において、使用者82が「通報設定」のボタン24(ボタン24a~24d)を操作することで、通報の設定を手動で変更可能でも良い。使用者82が、「変更しますか?」のボタン28fを操作し、「承認」のボタン28gを操作することで、通報に関する設定が変更できても良い。前の画面に戻るためのボタン28aの操作により、前の画面に戻ることができる。
【0131】
図16(c)に示すように、例えば、使用者82が対象者を観察した結果を入力することで、「苦痛」のボタン26bが該当状態になる。このとき、制御部10は、
図16(d)に示すように、「通報設定」のボタン24の表示を変更しても良い。この例では、「通報設定」のボタン24において、「呼吸数」のボタン24c、及び、「心拍数」のボタン24dが、「通報する」の状態の表示である。
【0132】
図16(d)の例では、「承認」のボタン31が表示される。使用者82が、「承認」のボタン31を操作することで、制御部10が変更した「通報設定」のボタン24の表示が承認されて、「通報する」の動作の実施が始まる。この例では、「呼吸数」及び「心拍数」において異常が検出された場合、制御部10は、通報を行う。
【0133】
図16(a)~
図16(d)に示す例では、「XXXXXX6」の対象者81の分類GIは、分類G3である。分類G3は、例えば、呼吸器疾患である。このとき、使用者82の観察結果において、「苦痛」が観察されていたときに、制御部10は、その分類GIに対応するセンサデータに関して、通報を実施することを使用者82に促す。これにより、より適切なサービスを提供できる。
【0134】
後述するように、対象者81の分類GIが分類G3ではないとき、別の観察項目IIに関して異常が入力された場合に、センサデータの別の値に関して、通報の設定が変更されても良い。
【0135】
図17は、第3実施形態に係る医療介護支援システムの動作を例示する模式図である。
図17は、
図16(c)の状態において、使用者82による対象者の観察結果の入力により「苦痛」のボタン26bが該当状態になった後の表示部20Dの別の例を示している。
図17に示すように、「呼吸数」のボタン24c、及び、「心拍数」のボタン24dが、「通報する」の状態の表示である。そして、心拍数に関しての通報に関する「しきい値」のボタン24da及び24dbが表示されている。
【0136】
例えば、「しきい値」のボタン24daを選択すると、しきい値は、正常値(例えば平均値)の120%になったときに、通報が送信される。例えば、「しきい値」のボタン24dbを選択すると、しきい値は、正常値(例えば平均値)の150%になったときに、通報が送信される。
【0137】
使用者82が「承認」のボタン31を操作することで、通報の送信または不送信、及び、しきい値の変更の動作の実施が始まる。
【0138】
図18(a)及び
図18(b)は、第3実施形態に係る医療介護支援システムの動作を例示する模式図である。
図18(a)に示す例において、分類G2の「XXXXXX1」の対象者81が、第1状態ST1(
図1(e)参照)のときに、表示部20Dに、観察項目IIに関する入力領域25(ボタン25a~25f)と、変更された入力領域26(「意識」のボタン26a)が表示されている。例えば、使用者82が対象者を観察した結果を入力することで、「意識」のボタン26aが該当状態になる。この場合に、制御部10による制御により、
図18(b)に示すように、「活動量」のボタン24a、及び、「睡眠/覚醒/離床」のボタン24bが、「通報する」の状態の表示になる。使用者82が、「承認」のボタン31を操作することで、「活動量」及び「睡眠/覚醒/離床」に関しての通報の送信が始まる。「意識」のボタン26aが該当状態でない場合には、通報の設定は、例えば、初期設定状態であり、ボタン24a~24bは、「通報しない」の状態であり、通報は行われない。
【0139】
上記のように、「XXXXXX1」の対象者81の分類G2が、「XXXXXX6」の対象者81の分類G3とは異なる場合に、異なる観察項目IIの入力結果により、通報の設定が異なっても良い。
【0140】
このように、第3実施形態において、制御部10は、対象者81の分類GIと、対象者81を観察した結果について入力されたデータと、に基づいて、通報の送信または不送信の変更、及び、通報のしきい値の変更の少なくともいずれかに関するメッセージを入出力端末20に出力させる。制御部10は、対象者81を観察した結果について入力されたデータに基づいて、通報の送信または不送信の変更、及び、通報のしきい値の変更の少なくともいずれかに関するメッセージを入出力端末20に出力させても良い。より適切なサービスを提供できる。
【0141】
(第4実施形態)
第4実施形態においては、センサ61で検出されたデータに基づいて、観察項目IIが変更される。例えば、センサ61で検出されたデータ(センサデータ)に基づいて、対象者81の体調の異常(またはその前兆)を推定することができる。例えば、センサデータから、心不全または不整脈などが推定できる。体調の異常などが推定される場合に、観察項目IIが変更される。
【0142】
例えば、制御部10は、入出力端末20にメッセージを出力させる(例えば、
図6のステップS110)。メッセージは、例えば、観察項目II、観察頻度IT、及び、観察判定基準ISの少なくともいずれかを含む。このメッセージにより、使用者82は、対象者81を観察した結果を入力する。制御部10は、入力された観察結果を取得する(例えば、
図6のステップS111)。
【0143】
制御部10は、対象者81の状態を検出するセンサ61で検出されたデータ(センサデータ)を取得する(例えば、
図6のステップS120)。制御部10は、センサデータを基準と比較する(例えば、
図6のステップS125)。センサデータが基準未満のときは、例えば、
図6のステップS110に戻る。
【0144】
センサデータが基準以上のときに、制御部10は、観察項目II、観察頻度IT、及び、観察判定基準ISの少なくともいずれかを変更する(例えば、
図6のステップS130)。例えば、センサデータからの生体情報が定められた基準を満たす場合(例えば、不整脈などが推定される場合)に、制御部10は、観察項目II、観察頻度IT、及び、観察判定基準ISの少なくともいずれかを変更する。この後、例えば、
図6のステップS110に戻っても良い。この場合、ステップS110A(
図6参照)において、制御部10は、観察項目II、観察頻度IT、及び、観察判定基準ISの少なくともいずれかを、変更して、入出力端末20に出力させる。
【0145】
例えば、
図6のステップS130の後に、観察項目II、観察頻度IT、及び、観察判定基準ISの少なくともいずれかの変更について、承認プロセス(例えば、
図6のステップS131)が実施されても良い。さらに、通報の変更(
図6のステップS150、例えば、通報の送信先、及び、通報の方法の少なくともいずれかの変更)が行われても良い。通報の変更について、承認プロセス(例えば、
図6のステップS151)が実施されても良い。
【0146】
図3(c)に関して説明したように、例えば、呼吸数SA3に関してしきい値TH3が定められても良い。1つの状態において、呼吸数SA3はしきい値TH3未満である。呼吸数SA3がしきい値TH3以上である状態が継続して発生すると、別の状態となる。
【0147】
図19(a)~
図19(d)は、第4実施形態に係る医療介護支援システムの動作を例示する模式図である。
図19(a)に示す例において、入出力端末20の表示部20Dに、対象者81の識別情報IDが表示される。例えば、使用者82が、表示部20Dの「XXXXXX6」の部分を「タッチ」して選択することで、
図19(b)に示す、「XXXXXX6」の画面(入出力画面)に移行する。
【0148】
図19(b)は、状態STa3(例えば正常状態)に対応する。状態STa3において、呼吸数SA3はしきい値TH3未満である。状態STa3において、観察項目IIに関する入力領域25(ボタン25a~25f)が表示される。
【0149】
図19(c)及び
図19(d)は、状態STb3に対応する。状態STb3においては、呼吸数SA3がしきい値TH3以上である状態が継続して発生する。
図19(c)に示すように、センサ61により検出されたデータに基づいて状態STb3に移行した場合に、変更された入力領域26として、例えば、「意識」のボタン26aが表示される。
【0150】
このように、制御部10は、観察項目II、観察頻度IT、及び、観察判定基準ISの少なくともいずれかを含むメッセージを入出力端末20に出力させる(
図19(b)参照)。制御部10は、使用者82に、対象者81を観察した結果を入力させることを促すことが可能である。制御部10は、対象者81の状態を検出するセンサ61で検出されたデータに基づいて、観察項目II、観察頻度IT、及び、観察判定基準ISの少なくともいずれかを変更して入出力端末20に出力させることができる(
図19(c)参照)。より適切なサービスを提供できる。
【0151】
図19(d)に示すように、センサ61により検出されたデータに基づいて状態STb3に移行した場合、「活動への参加」のボタン25cの表示状態が変化しても良い。この場合、「活動参加」について「停止を勧めます」のメッセージが出力されても良い。より適切なサービスを提供できる。
【0152】
第4実施形態においては、センサ61で検出されたデータに基づいて、観察項目II、観察頻度、または、観察判定基準ISなどが変更される。これにより、例えば、観察項目IIが過度に増えることが抑制され、使用者82は、効果的で数の少ない観察項目IIに基づいて、観察を行うことができる。これにより、例えば、少ない時間で、より効果的な観察が可能になる。結果として、対象者81に適切なサービス(介護または医療行為など)を提供することが容易になる。
【0153】
第4実施形態に係る1つの例において、対象者81の体調の悪化が、センサ61により検出される。例えば、センサ61により検出されたデータから、呼吸数が上昇していることが分かる。このような場合に、例えば、体温のチェックの観察項目IIが追加されても良い。例えば、活動への参加を停止することを使用者82に促してもよい。例えば、意識または苦痛について、特に注意して観察することを使用者82に促しても良い。
【0154】
実施形態において、制御部10は、センサ61により検出されたデータに基づいて、通報のしきい値を変化させても良い。例えば、センサ61により検出されたデータに基づいて、心不全に関する指数が上昇したことが分かる。この場合、制御部10は、例えば、心拍数に関する通報の送信を開始する。例えば、制御部10は、心拍数に関するしきい値を変更しても良い。例えば、心不全に関する指数が上昇した場合に、制御部10は、呼吸数に関する通報の送信を開始しても良い。このように、対象者81の体調の予兆をセンサ61で把握して、通報に関する条件を変更しても良い。
【0155】
センサ61により検出されたデータに基づいて心不全に関する指数が上昇した場合、制御部10は、例えば、観察項目IIを変更しても良い。心不全に関する指数が上昇した場合、制御部10は、観察項目IIとして、例えば、アルコール摂取、活動への参加、または、気分(または機嫌)などを追加しても良い。
【0156】
以下、センサ61として用いることが可能なセンサデバイス62の例について説明する。既に説明したように、センサデバイス62は、ベッド70Bと対象者81との間に設けられる(
図1参照)。
【0157】
実施形態において、センサデバイス62は、回路部及びセンサ部を含む。回路部は、通信部を含む。通信部は、制御部10(またはセンサ制御部65)とデータの送受信を行う。送受信は、有線及び無線の少なくともいずれかを含む任意の方法により行われる。
【0158】
センサ部は、センサ部が受ける力(または力に対応した特性)を検出する。力は、例えば、圧力及び音波の少なくともいずれかを含む。センサ部は、例えば、圧力センサを含む。センサ部は、例えば、マイクロフォンを含む。
【0159】
センサ部に、マットレス76を介して、対象者81による力(圧力及び音波の少なくともいずれか)が加わる。例えば、センサ部で検出された力に基づく信号が、回路部から出力される。出力された信号が制御部10(またはセンサ制御部65)に供給される。制御部10(またはセンサ制御部65)において、信号(力)の大きさ及び信号(力)の大きさの時間的な変化の少なくともいずれかに基づいて、対象者81の状態(離床、睡眠、または覚醒など)が推定される。または、回路部において、センサ部で検出された力及び力の時間的な変化の少なくともいずれかに基づいて、対象者81の状態(離床、睡眠、または覚醒など)が推定されても良い。対象者81の状態は、起き上がり、離床準備状態(例えば端座位)、離床、入眠、睡眠、または覚醒を含んでも良い。
【0160】
さらに、制御部10(またはセンサ制御部65)及び回路部の少なくともいずれかにおいて、信号(力)の大きさ及び信号(力)の大きさの時間的な変化の少なくともいずれかに基づいて、対象者の生体信号が検出される。生体信号は、対象者の呼吸数及び心拍数の少なくともいずれかを含む。生体信号に基づいて、睡眠の状態が推定されても良い。生体信号に基づいて、寝ているときの対象者の姿勢が推定されても良い。
【0161】
例えば、対象者81の状態に応じた振動が、センサ部に加わる。振動は、例えば、対象者81の体動に応じている。振動がセンサ部において検出される。振動は、音を含んでも良い。
【0162】
例えば、振動検出手段(センサ部)と、処理部(回路部及び制御部10(またはセンサ制御部65)の少なくともいずれかの少なくとも一部)と、が設けられる。処理部は、例えば、コンピュータを含む。振動検出手段は、例えば、ベッド70Bの上の対象者81の振動を検出する。
【0163】
処理部は、例えば、活動量算出手段と、睡眠判定値算出手段と、睡眠状態判定手段と、を含む。これらの手段は、機能的に分けられている。活動量算出手段は、例えば、振動検出手段により検出された振動に基づいて、就寝者の活動量をサンプリング単位時間毎に算出する。睡眠判定値算出手段は、例えば、第1時刻(例えば、現在の時刻)の活動量と、第2時刻(例えば現在の時刻以前の時刻)に算出した活動量と、に、時間に応じて重み付けした補正係数を乗じた値の総和を睡眠判定値として算出しても良い。睡眠状態判定手段は、例えば、睡眠判定値が所定の閾値を超えた場合には覚醒状態と判定し、それ以外の場合には睡眠状態と判定しても良い。
【0164】
図20(a)~
図20(d)は、実施形態に係るセンサを例示する模式図である。
図20(a)は、センサデバイス62の例の断面図である。
図20(b)は、センサデバイス62の例の平面図である。
図20(c)は、センサデバイス62の配置を例示する斜視図である。
図20(d)は、センサデバイス62の配置を例示する側面図である。
【0165】
図20(a)に示すように、この例においては、センサデバイス62は、第1板体62pと、第2板体62qと、を含む。第2板体62qは、第1板体62pと対向する。これらの板体は、シート状でも良い。
【0166】
第2板体62qは、支持突起62sを含む。支持突起62sは、第1板体62pの外縁部に対向する。第1板体62pは、外縁部の内側の内側部を含む。内側部と、第2板体62qと、の間に、空気収容体62rが設けられる。この例では、第2板体62qに溝62tが設けられている。溝62tにより形成される空間(分けられる空間)に空気収容体62rが設けられる。空気収容体62rには、信号線62uの一端が接続される。信号線62uの他端は、検出回路62v(検出装置)に接続される。
【0167】
図20(b)に示すように、支持突起62sは、第1板体62pの外縁の一部と対向する。この例では、支持突起62sは、第1板体62pの、4つのコーナー部に設けられている。センサデバイス62は、シート状、または、板状である。
【0168】
図20(c)に示すように、ボトム71の上に、上記のセンサデバイス62が置かれる。
【0169】
図20(d)に示すように、ボトム71の上に、センサデバイス62が置かれ、その上に、マットレス76が置かれる。マットレス76の上に、対象者81が横たわる。
【0170】
例えば、対象者81の体の動きに応じた力が空気収容体62rに加わる。この力は、例えば、振動を含む。空気収容体62rに加わる力(または力に対応した特性)が検出回路62vにより検出される。例えば、空気収容体62rに、圧力検出器が設けられ、圧力検出器により得られた信号(検出結果)が、検出回路62vに供給される。例えば、空気収容体62rに、マイクロフォンが設けられ、マイクロフォンにより得られた信号(検出結果)が、検出回路62vに供給される。例えば、検出回路62vの出力(信号)が制御部10(またはセンサ制御部65)に供給される。制御部10(またはセンサ制御部65)において、対象者81の状態(離床、睡眠、または覚醒など)が推定される。または、検出回路62vにおいて、検出された力及び力の時間的な変化の少なくともいずれかに基づいて、対象者81の状態(離床、睡眠、または覚醒など)が推定されても良い。対象者81の状態は、起き上がり、端座位(例えば離床準備状態)、離床、入眠、睡眠、または覚醒を含んでも良い。
【0171】
センサデバイス62において、第1板体62pは、例えば、対象者81の身体側に配置される。第2板体62qは、例えば、支持側に設けられる。第1板体62pと第2板体62qとの中央部間に、空気圧検出用の変形可能な空気収容体62rが設けられる。第2板体62qの中央部には、空気収容体62rを装着する溝62tが設けられる。支持突起62sは、第2板体62qから第1板体62pに向かう方向に、突出する。支持突起62sは、第1板体62pの周囲の四隅を支持する。支持突起62sは、例えば、第1板体62pを水平な状態(正常状態)になるように支持する。
【0172】
実施形態に係るセンサ61は、例えば、光学センサを含んでも良い。光学センサは、例えば撮像素子を含んでも良い。光学センサは、対象者81の像を取得する。取得された像に関するデータが制御部10(またはセンサ制御部65)などに供給される。例えば、制御部10(またはセンサ制御部65)などにおいて、対象者81の像から、対象者81の状態を検出できる。光学センサに得られたデータに基づいて、第1~第4実施形態に関して説明した動作が行われても良い。
【0173】
第1~第4実施形態に係る動作は、例えば、
図4及び
図5に例示するデータに基づいて実施されても良い。制御部10に設けられる記憶部10M、または、センサ制御部65に設けられる記憶部などからデータを読み出して、上記の動作が実施されても良い。「定められた基準」などに関するデータは、制御部10に設けられる記憶部10M、または、センサ制御部65に設けられる記憶部などに記憶されても良い。
【0174】
実施形態において、使用者82により観察結果の入力は、例えば、対象者81の写真のアップロードなどを含んでも良い。例えば、対象者81の体(例えば手など)の写真を撮影することで、対象者81の状態をより的確に入力できる。
【0175】
実施形態は、以下の構成を含んでも良い。
(構成1)
観察項目、観察頻度、及び、観察判定基準の少なくともいずれかを含むメッセージを入出力端末に出力させて、対象者を観察した結果を入力させることを促すことが可能な、制御部を備え、
前記制御部は、前記観察した前記結果について入力されたデータと、前記対象者の状態を検出するセンサで検出されたデータと、の少なくともいずれかに基づいて、前記メッセージに含まれる、前記観察項目、前記観察頻度、及び、前記観察判定基準を変更して前記入出力端末に出力させる、医療介護支援システム。
【0176】
(構成2)
前記センサで検出された前記データと、前記入力されたデータと、の少なくともいずれかに基づいて、通報の送信先、及び、前記通報の方法の少なくともいずれかを変更する、構成1記載の医療介護支援システム。
【0177】
(構成3)
前記観察項目は、食事、水分摂取、活動への参加の有無、気分、清潔、服薬、排泄、意識、苦痛、呼吸苦、熱、酸素投与、及び、体位変換よりなる群から選択された少なくとも1つを含む、構成1または2に記載の医療介護支援システム。
【0178】
(構成4)
前記観察判定基準は、前記観察項目についてのしきい値を含む、構成1~3のいずれか1つに記載の介護医療支援システム。
【0179】
(構成5)
対象者の状態を検出するセンサで検出されたデータに基づいて通報を送信させることが可能な制御部を備え、
前記制御部は、前記対象者を観察した結果について入力されたデータに基づいて、前記通報の送信または不送信の変更、及び、前記通報のしきい値の変更の少なくともいずれかに関するメッセージを入出力端末に出力させる、医療介護支援システム。
【0180】
(構成6)
対象者の状態を検出するセンサで検出されたデータに基づいて通報を送信させることが可能な制御部を備え、
前記制御部は、前記対象者の分類と、前記対象者を観察した結果について入力されたデータと、に基づいて、前記通報の送信または不送信の変更、及び、前記通報のしきい値の変更の少なくともいずれかに関するメッセージを入出力端末に出力させる、医療介護支援システム。
【0181】
(構成7)
前記制御部は、入出力端末に前記承認を促すメッセージを出力させる、構成5または6に記載の医療介護支援システム。
【0182】
(構成8)
前記制御部は、前記承認が得られた場合に、前記通報の前記送信または前記不送信の前記変更、または、前記しきい値の前記変更を行う、構成5~7のいずれか1つに記載の医療介護支援システム。
【0183】
(構成9)
前記センサで検出された前記データと、前記入力されたデータと、の少なくともいずれかに基づいて、前記通報の送信先、及び、前記通報の方法の少なくともいずれかを変更する、構成5~8のいずれか1つに記載の医療介護支援システム。
【0184】
(構成10)
観察項目、観察頻度、及び、観察判定基準の少なくともいずれかを含むメッセージを入出力端末に出力させて、対象者を観察した結果を入力させることを促すことが可能な制御部を備え、
前記制御部は、前記対象者の状態を検出するセンサで検出されたデータに基づいて、前記観察項目、前記観察頻度、及び、前記観察判定基準の少なくともいずれかを変更して前記入出力端末に出力させる、医療介護支援システム。
【0185】
(構成11)
前記対象者の前記状態は、前記対象者の体動、前記対象者の離床または在床、前記対象者の睡眠または覚醒、前記対象者の呼吸数、及び、前記対象者の心拍数よりなる群から選択された少なくとも1つを含む、構成1~10のいずれか1つに記載の医療介護支援システム。
【0186】
(構成12)
前記対象者は、ベッドを使用し、
前記センサは、前記ベッドと前記対象者との間に設けられる、構成11記載の医療介護支援システム。
【0187】
(構成13)
前記センサは、光学センサを含む、構成1~12のいずれか1つに記載の医療介護支援システム。
【0188】
実施形態によれば、より適切なサービスを提供できる医療介護支援システムが提供できる。
【0189】
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、医療介護支援システムに含まれる制御部、センサ及び入出力端末などの各要素の具体的な構成に関しては、当業者が公知の範囲から適宜選択することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができる限り、本発明の範囲に包含される。
【0190】
各具体例のいずれか2つ以上の要素を技術的に可能な範囲で組み合わせたものも、本発明の要旨を包含する限り本発明の範囲に含まれる。
【0191】
その他、本発明の実施形態として上述した医療介護支援システムを基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての医療介護支援システムも、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。
【0192】
その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。
【0193】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0194】
10…制御部、 10M…記憶部、 20…入出力端末、 20C…通信部、 20D…表示部、 20S…入出力装置、 24、24a~24d、24da、24db…ボタン、 25…入力領域、 25a~25f…ボタン、 26…入力領域、 26a~26e…ボタン、 27a…ボタン、 27b、27c…情報、 28a~28c、28e~28g…ボタン、 28d…表示入力部、 31…ボタン、 61…センサ、 62…センサデバイス、 62p…第1板体、 62q…第2板体、 62r…空気収容体、 62s…支持突起、 62t…溝、 62u…信号線、 62v…検出回路、 63…光学センサ、 65…センサ制御部、 66…サーバ、 70B…ベッド、 71…ボトム、 76…マットレス、 81…対象者、 82…使用者、 110…医療介護支援システム、 G1~G12…分類、 GI…分類、 I1~I12…項目、 ID…識別情報、 II…観察項目、 IT…観察頻度、 IS…観察判定基準、 OB…離床、 SA1…値、 SA2…値、 SA3…呼吸数、 SA4…心拍数、 SA5…累積値、 SA6…値、 SP…睡眠、 ST1~ST5…第1~第5状態、 STa3、STb3…状態、 TH1、TH3、TH4、TH6…しきい値、 TT1、TT2…第1、第2しきい値、 WK…覚醒、 tm…時間