(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-27
(45)【発行日】2023-03-07
(54)【発明の名称】高温水の浄化装置及び高温水の浄化方法
(51)【国際特許分類】
C02F 1/42 20230101AFI20230228BHJP
B01J 41/10 20060101ALI20230228BHJP
B01J 47/018 20170101ALI20230228BHJP
B01J 47/02 20170101ALI20230228BHJP
B01J 49/07 20170101ALI20230228BHJP
B01J 49/60 20170101ALI20230228BHJP
B01J 49/70 20170101ALI20230228BHJP
B01J 49/40 20170101ALI20230228BHJP
【FI】
C02F1/42 A
B01J41/10
B01J47/018
B01J47/02
B01J49/07
B01J49/60
B01J49/70
B01J49/40
(21)【出願番号】P 2019227361
(22)【出願日】2019-12-17
【審査請求日】2022-03-03
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】317015294
【氏名又は名称】東芝エネルギーシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001092
【氏名又は名称】弁理士法人サクラ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】澤田 紘子
(72)【発明者】
【氏名】田嶋 直樹
(72)【発明者】
【氏名】大村 恒雄
(72)【発明者】
【氏名】中村 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】岡部 寛史
【審査官】松本 要
(56)【参考文献】
【文献】特開昭64-057197(JP,A)
【文献】特開平02-021904(JP,A)
【文献】特開2010-064916(JP,A)
【文献】特開昭60-219598(JP,A)
【文献】特開昭60-218098(JP,A)
【文献】特開平06-001614(JP,A)
【文献】特開平09-052715(JP,A)
【文献】特開昭63-060112(JP,A)
【文献】特開昭58-161894(JP,A)
【文献】特開平06-055081(JP,A)
【文献】特開平02-021940(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C02F 1/42
C02F 1/28
B01J 39/00-49/90
G21F 9/12
C01G 29/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸着材充填容器と、
前記吸着材充填容器内に充填された吸着材であって、ビスマス化合物からなり、予め
被処理水の温度以上の洗浄水で洗浄処理された吸着材と、
前記吸着材充填容器に接続され、前記吸着材充填容器内に
前記被処理水を導入するための被処理水導入ラインと、
前記吸着材充填容器に接続され、前記吸着材充填容器内から処理水を排出するための処理水排出ラインと、
前記吸着材充填容器に配設され、前記吸着材から前記洗浄水中に溶出する不純物濃度を監視するための濃度監視部を具備し、前記吸着材を前記洗浄水で洗浄処理するための循環洗浄ラインと、
を具備したことを特徴とする高温水の浄化装置。
【請求項2】
前記被処理水は、原子力発電プラント又は火力発電プラントの蒸気タービンを駆動する水蒸気を発生させるために使用される、硫酸イオンを含む水である
ことを特徴とする請求項1に記載の高温水の浄化装置。
【請求項3】
前
記洗浄水の温度は、
前記吸着材の構造を維持する温度以下、前記被処理水の温度以上である
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の高温水の浄化装置。
【請求項4】
前
記洗浄水の温度は、350℃以下、前記被処理水の温度以上である
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の高温水の浄化装置。
【請求項5】
前記吸着材充填容器内に、前記吸着材の流出を防止するための吸着材流出防止機構が配設されている
ことを特徴とする請求項1乃至
4のいずれか1項に記載の高温水の浄化装置。
【請求項6】
前記吸着材が、Si、Al、Ti、Zrのいずれかを含む金属酸化物をバインダー成分として0.1~25質量%含有する
ことを特徴とする請求項1乃至
5のいずれか1項に記載の高温水の浄化装置。
【請求項7】
吸着材充填容器と、
前記吸着材充填容器内に充填された吸着材であって、ビスマス化合物からなり、予め
被処理水の温度以上の洗浄水で洗浄処理された吸着材と、
前記吸着材充填容器に接続され、前記吸着材充填容器内に
前記被処理水を導入するための被処理水導入ラインと、
前記吸着材充填容器に接続され、前記吸着材充填容器内から処理水を排出するための処理水排出ラインと、
前記吸着材充填容器に配設され、前記吸着材から前記洗浄水中に溶出する不純物濃度を監視するための濃度監視部を具備し、前記吸着材を前記洗浄水で洗浄処理するための循環洗浄ラインと、
を具備した高温水の浄化装置を用いて、
前記濃度監視部により前記洗浄水中に溶出する初期不純物濃度を監視しながら事前洗浄処理を行い、前記被処理水を浄化することを特徴とする高温水の浄化方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、高温水の浄化装置及び高温水の浄化方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般産業の廃液中や、原子力発電プラントまたは火力発電プラントの炉水中に不純物として存在するイオンを分離回収する技術としては、イオン交換樹脂による浄化方法が知られている。
【0003】
原子力発電や火力発電を行うプラントでは、蒸気タービンを駆動する水蒸気を発生させるために使用される水に硫酸イオンなどの不純物が混ざることがある。このような不純物を除去するために、粉末イオン交換樹脂を使用した浄化装置が設けられている。
【0004】
粉末イオン交換樹脂を使用した浄化装置は、被処理液が高温になるとイオン交換樹脂の交換基が外れ、イオン交換性能が低下するため、高温条件で使用できない。このため、イオン交換樹脂を使用した浄化装置を使用する場合、浄化装置に被処理液を導入する前に被処理液を冷却する必要がある。そのため、被処理液の冷却や再加熱に多量のエネルギーが必要となる。
【0005】
高温の被処理液を浄化する技術としては、耐熱性を改善したイオン交換樹脂や、ニオブ酸とハイドロタルサイトを用いて浄化する方法などがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特許第3716056号
【文献】特開2012-61407号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、耐熱性を改善したイオン交換樹脂を用いる方法では、従来のイオン交換樹脂よりも耐熱性が改善されているが、140℃より高い温度の被処理水を連続処理することはできない。また、ニオブ酸とハイドロタルサイトを用いて浄化する方法は、硫酸イオンなどの陰イオン成分を高温水中でも除去することが可能であるが、イオン交換速度が遅いため、高流速条件での処理に適さない。
【0008】
そこで、本発明の目的は、発電プラントなどの高温の被処理水中に存在する硫酸イオンなどのイオン成分を被処理水の温度を低下させることなく安定して浄化することのできる高温水の浄化装置及び高温水の浄化方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
実施形態の高温水の浄化装置は、吸着材充填容器と、前記吸着材充填容器内に充填された吸着材であって、ビスマス化合物からなり、予め被処理水の温度以上の洗浄水で洗浄処理された吸着材と、前記吸着材充填容器に接続され、前記吸着材充填容器内に前記被処理水を導入するための被処理水導入ラインと、前記吸着材充填容器に接続され、前記吸着材充填容器内から処理水を排出するための処理水排出ラインと、前記吸着材充填容器に配設され、前記吸着材から前記洗浄水中に溶出する不純物濃度を監視するための濃度監視部を具備し、前記吸着材を前記洗浄水で洗浄処理するための循環洗浄ラインと、を具備している。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】第1実施形態に係る高温水の浄化装置の構成を模式的に示す図。
【
図2】
図1の高温水の浄化装置を用いた不純物浄化システムの構成を模式的に示す図。
【
図3】不純物の流出量を測定した結果を示すグラフ。
【
図4】硫酸イオンの除去性能を測定した結果を示すグラフ。
【
図5】第2実施形態に係る高温水の浄化装置の構成を模式的に示す図。
【
図6】
図5の高温水の浄化装置の変形例の構成を模式的に示す図。
【
図7】吸着材に対するバインダーの有無による吸着剤強度の違いを示すグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して、実施形態に係る高温水の浄化装置及び高温水の浄化方法について説明する。
【0012】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る高温水の浄化装置1の構成を模式的に示す図である。この高温水の浄化装置1は、硫酸イオン等のイオン成分を含む高温の被処理水を浄化するための装置である。
【0013】
高温水の浄化装置1は、吸着材充填容器2、この吸着材充填容器2内に充填された吸着材2a、流出防止スクリーン4を具備している。吸着材充填容器2には、被処理水導入ライン3a、処理水排出ライン3bが接続されており、被処理水導入ライン3aから被処理水21が導入され、吸着材充填容器2内に滞留後、処理水排出ライン3bから処理水22として排出される。なお、吸着材充填容器2は保温のためにヒータを具備してもよい。
【0014】
吸着材2aは、高温耐性に優れる無機イオン交換体を使用する。これによって、高温の被処理水21からイオン成分を吸着除去する場合において、組成物中の物質が被処理水21中に流出することがなく、被処理水21中に新たな不純物を生成することがない。
【0015】
吸着材2aは粉末状のものも用いることもできるが、成型体のものを用いることが好ましい。吸着材2aとして成型体のものを使用する場合、特に形状は限定されないが、球状であることが好ましい。
【0016】
成型体は、使用する無機イオン交換体粉末を型に充填して加圧圧縮する方法や、水と混練して転動造粒や押出成型による方法によって球状に成型することができる。また、成型体の強度を向上するために、コロイダルシリカやチタニア、ジルコニアなどの微粒子をバインダーとして用いてもよい。バインダーとしては、Si、Al、Ti、Zrのいずれかを含む金属酸化物を使用することができ、その量は、バインダー成分として0.1~25質量%程度とすることが好ましい。吸着材2aを球状の成型体とする場合、その直径は0.25~5mmであることが好ましく、0.3~2mmであることがさらに好ましい。直径が0.2mm未満となると、通流時の差圧が大きくなり、直径が5mmより大きくなると充填密度が低くなり、効率的に被処理水の浄化ができなくなる。
【0017】
吸着材2aとしては、例えば、無機イオン交換体である酸化ビスマスを使用することができる。吸着材2aとして使用する酸化ビスマスは、事前に高温水の通水もしくは高温水に浸漬処理したものを使用し、通水もしくは浸漬時間は、1~150時間とすることが好ましく、24~150時間とすることがさらに好ましい。さらにまた150時間以上としてもよい。事前の通水もしくは浸漬処理に使用される高温水は、60℃以上の温度とし、特に、被処理水21の温度以上の温度とすることが望ましい。
【0018】
吸着材2aとして使用される酸化ビスマスは、例えば、Bi2O3、BiO(OH)、Bi6O6・n(H2O)、若しくは加熱されて酸化ビスマスに分解される化合物(例えば水酸化ビスマスや硝酸ビスマスなど)を使用することができる。なお、事前処理に使用する高温水の設定温度については、吸着材の構造を維持する観点から350℃以下に設定することが望ましい。
【0019】
吸着材2aは、流出防止スクリーン4で吸着材充填容器2内に固定される。流出防止スクリーン4は、被処理水21の温度に応じて、耐熱性の高い材質(ステンレス、インコネル、ハステロイなどの合金やチタンなどの金属)を使用する。流出防止スクリーン4はパンチングプレートや不織布状のフィルター形状であることが望ましく、支持性を高めるために金属製の網とフィルターを組み合わせてもよい。吸着材2aの流出を防止するため、流出防止スクリーン4は充填される吸着材2aの平均粒子径の1/20以上1/2以下の穴径を有することが望ましい。
【0020】
高温水の浄化装置1は、
図2に示すように被処理水導入ライン3aと処理水排出ライン3bを具備する不純物浄化システム30として使用することができる。この構成の場合、被処理水導入ライン3aを通じて、原子力発電所の炉水や火力発電プラント蒸気発生器の水などが被処理水21として高温水の浄化装置1に導入される。また、原子力発電所や火力発電プラントの復水が、被処理水導入ライン3aから高温水の浄化装置1に導入されてもよい。
【0021】
被処理水導入ライン3aを介して、被処理水21を高温水の浄化装置1に導入し、所定時間で通液させる。被処理水21は、吸着材充填容器2内に滞留している間、硫酸イオンなどの陰イオンが吸着除去される。処理水排出ライン3bは、炉水などへの還流ラインに接続することができる。
【0022】
上記のように、高温水の浄化装置1は、原子力発電所や火力発電所の高温水浄化等に用いられ、吸着材2aを充填した高温水の浄化装置1に、硫酸イオンを含む高温の炉水等を連続通水し、硫酸イオンを除去して処理水として元のラインに戻すことができる。また、充填された吸着材2aは高温水中でも使用できるため、被処理水21の温度を低下させる必要がなく、処理水排出ライン3bに排出された処理水22は再加熱不要の状態で、炉内などに還流することができる。
【0023】
図3のグラフに、吸着材2aとしてビスマス化合物を使用した場合について、前処理の有無による新たな不純物の流出量の違いを測定した結果を示す。なお、
図3のグラフでは、通水洗浄をしていない場合の吸着材充填容器2の出口からの硝酸イオンの濃度を1として規格化したものを示している。吸着材のビスマス化合物は、酸化ビスマス(Bi
2O
3)にチタニアゾル(平均粒子径20nmの酸化チタン微粒子分散液)を薄めたものをバインダーとして添加し、転動造粒によりメディアン径650μmの顆粒状にしたものを、温度350℃で3時間加熱処理したものを使用した。前処理は、15MΩ・cmの水を、温度280℃、圧力7MPa、空塔速度0.07m/sで150時間通水処理した。
【0024】
図3に示すように、予め使用温度以上の高温水中で吸着材2aを通水洗浄することで、処理水中への新たな不純物(
図3の場合は硝酸イオン)の流入を、通水洗浄しない場合に比べて1/10程度に抑制することができる。
【0025】
また、上記通水洗浄を行った吸着材(前述のビスマス化合物を顆粒状にしたもの)の高温高圧下における硫酸イオンの除去性能と、通水洗浄しない場合の硫酸イオンの除去性能確認試験を行った結果を
図4のグラフに示す。
【0026】
除去性能確認試験は、温度280℃、圧力7MPa、空塔速度0.07m/s、被処理水中の硫酸イオン濃度を50ppbとした。通水から60分後の吸着材充填容器2入口の被処理水および出口の処理水をサンプリングし、イオンクロマトグラフ(ICS1100、Thermofisher Scientific製)により硫酸イオン濃度を測定した。除去率は(1)式により求めた。
除去率(%)
={1-(処理水中硫酸イオン濃度/被処理水中硫酸イオン濃度)}×100
…(1)
【0027】
図4のグラフに示すように、上記の条件で吸着材2aの通水洗浄をした場合も、しなかった場合も、除去率は98%であり、通水洗浄による硫酸イオン除去性能の低下は見られなかった。
【0028】
以上のように、通水洗浄による前処理を施した酸化ビスマスを吸着材2aとして充填した高温水の浄化装置1に被処理水21を連続して通水することで、被処理水21中の硫酸イオンを浄化し、処理水22として回収することができる。また、硫酸イオン等の不純物を含む高温の被処理水21の温度を低下させることなく、新たな不純物の流入も防止できるので、熱損失を低減することができる。
【0029】
(第2実施形態)
次に、
図5を参照して、第2実施形態に係る高温水の浄化装置11の構成を説明する。なお、
図1に示した高温水の浄化装置1と対応する部分には、同一の符号を付して重複した説明は省略する。
【0030】
第2実施形態が第1実施形態と異なる点は、洗浄機構6を具備した点である。洗浄機構6は、洗浄水タンク6a、循環洗浄ライン6b、洗浄ポンプ6cを具備している。また、
図6に示すように、洗浄機構6は、洗浄水中に溶出する初期不純物(硝酸イオン等)の濃度を監視するための濃度監視部7を備えていてもよい。
【0031】
洗浄水タンク6aは、内部に洗浄水を収容するとともに、ヒータにより洗浄水の温度を調整することができる。洗浄水タンク6a中の洗浄水は、洗浄ポンプ6cにより、循環洗浄ライン6bを介して吸着材充填容器2内に循環され、吸着材充填容器2内に収容された吸着材2aが洗浄される。
【0032】
第2実施形態の高温水の浄化装置11は、原子力発電所や火力発電所の高温水の浄化に用いられ、硫酸イオンを含む高温水を連続通水することによって、硫酸イオンを除去して処理済水として元のラインに戻すことができる。
【0033】
上記構成の高温水の浄化装置11では、吸着材充填容器2内に充填された吸着材2aを、洗浄機構6によって使用前に通水洗浄することができ、他の事前洗浄するための設備を必要とすることがない。また、
図6に示したように、濃度監視部7を具備する場合は、濃度監視部7により洗浄水中に溶出する初期不純物濃度を監視しながら、事前洗浄処理を行うことができる。
【0034】
前述したとおり、吸着材2aを成型体とする場合、吸着材2aの強度を向上するために、バインダーを用いることができる。バインダーとしては、コロイダルシリカやチタニア、ジルコニアなどの微粒子を利用することができる。バインダーとして使用する微粒子は、シリコン(Si)、チタン(Ti)、アルミニウム(Al)、ジルコニウム(Zr)のいずれかの酸化物微粒子を用いることができる。主成分であるビスマス化合物に対し、0.1~25質量%を配合することができる。
【0035】
図7のグラフに、バインダーを使用しない場合と、バインダー成分として酸化チタン微粒子を用いた場合、の吸着材の強度を示す。なお、
図7のグラフでは、バインダーなしの場合の乾燥後の強度を1として規格化して示してある。バインダーありの乾燥後は、3.4である。ビスマス化合物として酸化ビスマス(Bi
2O
3)1に対し、酸化チタンとして0.3質量%となるように微粒子(二次粒子径20nmを水に分散させたもの)を添加し、転動造粒により成型したものと、バインダーを用いずに水のみを用いて転動造粒により成型したものを準備した。それぞれ120℃で乾燥したものを粉体硬度計(BHT-500,セイシン企業製)で測定した。
【0036】
図7に示されるとおり、バインダー無の場合と比較して、バインダーを使用した場合、乾燥後の強度を3倍以上とすることができた。このように、強度の高い吸着材2aを吸着材充填容器2内に充填することによって、安定して不純物の浄化をすることができる。
【0037】
なお、吸着材充填容器2の大きさや形状、材質などは、被処理液の体積や粘性、吸着材2aの粒子径などに応じて適宜変更され得るものである。
【0038】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0039】
1,11……高温水の浄化装置、2……吸着材充填容器、2a……吸着材、3a……被処理水導入ライン、3b……処理水排出ライン、4……流出防止スクリーン、6……洗浄機構、6a……洗浄水タンク、6b……循環洗浄ライン、6c……洗浄ポンプ、7……濃度監視部。