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特許7234118工業用ラミネートで被覆されたドアのスライド用装置
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  • 特許-工業用ラミネートで被覆されたドアのスライド用装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-27
(45)【発行日】2023-03-07
(54)【発明の名称】工業用ラミネートで被覆されたドアのスライド用装置
(51)【国際特許分類】
   E05D 15/06 20060101AFI20230228BHJP
   E06B 3/82 20060101ALI20230228BHJP
   E06B 3/46 20060101ALI20230228BHJP
【FI】
E05D15/06 125A
E06B3/82
E06B3/46
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019543272
(86)(22)【出願日】2018-03-20
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-04-23
(86)【国際出願番号】 EP2018000103
(87)【国際公開番号】W WO2018171935
(87)【国際公開日】2018-09-27
【審査請求日】2021-03-04
(31)【優先権主張番号】102017000031693
(32)【優先日】2017-03-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】519206287
【氏名又は名称】テルノ・スコレヴォリ・エスピーエー・ユニペルソナレ
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】テルノ、ジョバンニ
【審査官】野尻 悠平
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2012/073215(WO,A1)
【文献】特開2003-253969(JP,A)
【文献】特開2010-043433(JP,A)
【文献】特開2008-163710(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05D 15/00-15/58
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
工業用ラミネートで被覆されるドア(10)のスライド用装置であって、前記ドアは通路空間(12)が得られる壁(14)に対してスライドし、前記ドアの上端に配置され、1つ以上のトロリーの車輪(18)がそれに沿ってスライドする逆U字型台座(20)と、少なくとも1つのクッション付き止め具(22)とが設けられる、支持基部(30)を備えるガイドプロファイルセクション(guide profile section)(28)を備え、前記プロファイルセクション(28)は、ネジ(32)又は同等の手段でその基部(30)から始まる前記ドア(10)に固定され、ドア(10)自体の上部に配置され、前記ドアの前記上端(10´)に沿って垂直に取り付けられ
前記プロファイルセクション(28)の前記支持基部(30)は、前記ドア(10)の厚さと少なくとも等しい高さで幅方向に延在し、前記プロファイルセクション(28)の前記基部(30)は、前記壁(14)と反対側の当該前端で上向きに直角に曲げられて一体型垂直壁(34)を形成し、前記一体型垂直壁(34)の前面が前記ドア(10)の前記被覆される前側(36)と一致することを特徴とする当該装置。
【請求項2】
前記プロファイルセクション(28)の前記壁(34)は、50.0~70.0mmの高さを有することを特徴とする請求項に記載の装置。
【請求項3】
前記壁(34)に対して反対側の位置において、前記プロファイルセクション(28)には、前記壁(14)に対向する前記基部(30)の当該後端付近の領域から始まり、前記ドア(10)に向けて下方に展開される縁(38)が設けられることを特徴とする請求項に記載の装置。
【請求項4】
前記縁(38)は、2.0~4.0mmの高さを有し、前記ドア(10)の前記前側(36)と反対側の当該後側に取付けられることを特徴とする請求項に記載の装置。
【請求項5】
前記プロファイルセクション(28)は、2つの独立したセクションから作られ、それらは互いに接続可能で、各々の基部領域(30)から始まる前記ドア(10)の当該端に両方ともネジで固定され、前記セクションの1つが前記垂直壁(34)を備えていることを特徴とする請求項に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【説明】
【0001】
本発明は、工業用ラミネートで被覆されたスライドドア用装置に関する。より具体的には、本発明は、2つの部屋を分離し、標準寸法の工業用ラミネートで形成される被覆が設けられるウイング又はドアのスライド動作に特に適した装置に言及する。
【0002】
知られているように、2つの部屋を分離するスライドドアは広く普及し評価され、なぜならばそれらは開口に角度をなして空間を占領して配置されないが、開口が作られる壁に平行に隣接してスライドするからである。スライドドアに関して、特定の装置が使用され、それはドアの上端に接続される付属物がそれから下方に突出する、1つ以上のトロリーをスライドするため壁に固定される上部ガイドを備えている。相補的な下部ガイドは、一般に、床と面一に一体化され、同スライドドアの下端に接続される車輪又はスキッドがその内側でスライドする。この種の解決策は、同出願人の特許出願である、欧州特許出願公開第2913468号明細書A1に記載されている。
【0003】
一方、欧州特許第2646635号明細書は、ガイド及び支持手段が戸口の延びに関連して相対的に小さい設置面積と、設置及び保守作業を迅速かつ容易に行う可能性との両方を保証するスライドドアに関する。
【0004】
更に、欧州特許第1725729号明細書は、スライドプロファイルセクション(sliding profile section)が壁に固定され、遮蔽する戸口の幅の約2倍に等しい寸法の長さに延在している、スライドドア用のサスペンションシステムに言及する。
【0005】
既知タイプのスライドドアは、それらがハニカム及び未塗装パネルから作られること、それらが、適切に処理され、「ラミナチノ(laminatino)」と呼ばれ、様々な種の木材又は他の装飾或いは色の効果を再現し、これらドアの仕上げを形成する、合成材料又は紙の薄いシートで覆われること、を提供する。ラミネートは、スライドドアの高さに影響を与える標準寸法に従って作られる。この寸法は、典型的には2,150mmである。2,100mmの高さを有するドアは、残り50mmに相当する部分を処理に利用可能のまま残して2,150mmの高さを有するラミナチノで被覆することができる結果になるが、一方2,200mm以上の高さを有するドアを被覆することは不可能である。ドア又はウイングの高さは、壁に作られる開口の高さによって決定される。既定した寸法にかかわらず、完成した開口の高さは従来の高さ2,100mmより僅かではあるが高いことがしばしば起こり、従ってそれはラミネートで被覆したスライドドアの使用を不可能にする。上記特定される1つよりも更に大きい高さを有する、異なるサイズのラミナチノもある。しかしながら、規格外の部屋用のドアは2,150mmの寸法を僅かに超えるにすぎないため、この特定分野のそれの使用は多量の材料の無駄に繋がる。
【0006】
本発明の目的は、上述する欠点を取り除くことである。
【0007】
より具体的には、本発明の目的は、2,100mmを超える高さ、又はラミネートの対応するサイズに適合しないいかなる高さを有する壁開口の存在下でも、ラミナチノで被覆されたドアの使用を可能にするスライドドア用装置を提供することである。
【0008】
本発明の更なる目的は、ドアを低くしてドアと面一のスライドプロファイルセクションを収容するのに必要な伝統的な作業を回避できる、上記定義したようなスライドドア用装置を提供することである。
【0009】
特に、本発明の目的は、望ましくない審美的効果を生み出すことなく、壁に作られた戸口の光を適切かつ完全に覆うドア用スライド装置を使用者に提供することである。
【0010】
本発明の更なる目的は、容易かつ経済的に製造し得るように、高い水準の耐性及び信頼性を長期に亘って保証するスライドドア用装置を使用者に提供することである。これら及び他の目的は、主請求項に従う本発明の工業用ラミネートで被覆されたスライドドア用装置によって達成される。
【0011】
この発明の工業用ラミネートで被覆されたスライドドア用装置の構造上及び機能上の特徴は下記詳細な説明からよく理解でき、その中では好適で非限定的な実施形態を表す図の添付の目録が参照される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、公知の参考技術に係る、壁に作られる開口又は通路空間、及び同空間を閉じる関連するスライドドアの概略正面図である。
図2図2は、図1に係る上記壁及びウイングの概略断面図である。
図3図3は、図2の拡大詳細図の概略図であって、トロリーのスライドプロファイルセクションを収容するための伝統的な解決策に係るウイング上に作られる低下部(lowering)を示す。
図4図4は、本発明に係る、壁に作られる開口又は通路空間、及び同空間を閉じる対応するスライドドアの概略正面図である。
図5図5は、図4に係る上記壁及びウイングの概略断面図である。
図6図6は、図5の拡大詳細図の概略図であって、プロファイルセクションとウイング又はドアとの間の端接続を示す。
図7図7は、空間自体を閉じることを意図する本発明に係る、空間を有する壁、及びスライドドアの概略不等角投影図である。
図8図8は、ドアに固定されている本発明のスライド装置の概略上面図である。
【0013】
最初の参照は図1~3であり、壁14に作られる通路空間12をドアで一時的に遮蔽するように、同出願人によって設計されたドア10のスライドを製造する解決策を示す。図1から、ドア10が空間12を完全に遮蔽できるのは、それが空間と少なくとも同じ高さ、好ましくは空間より高い高さを有する場合のみであると留意すべきである。ドア10を被覆する材料が、標準サイズの2,150mmを超えないような所要高さに達しない場合、この被覆を有するドアは使用できない。更に、図3を参照して、伝統的な解決策によれば、車輪18を有する1つ又は複数のトロリーが走るプロファイルセクション(profile section)16用支持台座を作り、また上記壁に対するプロファイルセクションの過度の突出を回避するため、ドア10は壁14に対向する前側にて上縁で長手方向の低下部(lowering)を設けなければならないことを留意すべきである。図3から分かるように、上記プロファイルセクションは、ドア10、特にその内側10´に従来のネジ24で横方向に固定され、実質的に「L」字形の部分を画定し、既知のトロリーの車輪18がそれに沿って走行する逆「U」字型の台座20が設けられる上部と、少なくとも1つの既知のクッション付き止め具22が収容されている下部と、を有する。後者は、開く及び/又は閉じる時そのストロークの終わりで、ドア10に徐々に付随する。トロリーは、この公知の実施形態によれば、この場合空間の高さよりも高いドア10によって完全に遮蔽される空間12の上方の壁に、ネジ26又は同等の保持手段で固定される。
【0014】
本発明によれば、同一の構成要素に関して上述した既知解決策の同一の参照符号が使用される図4図8を特に参照して、ドア10のスライド装置はドアの上端に位置し、プロファイルセクション16と同様に、既知のトロリーの車輪18がそれに沿って走る逆「U」字型台座20と、少なくとも1つのクッション付き止め具22とが設けられる、ガイドプロファイルセクション28を備える。床に隣接する下部において、ドア10は、既知のタイプのガイド、及び滑材又は同等の手段の支持によって、代わりに駆動されスライドする。
【0015】
プロファイルセクション28の支持基部30は、図6に詳細に示され、好ましくはドア10を構成するウイングの深さ又は厚さに少なくとも等しい寸法だけ幅方向に延在している。プロファイルセクション28は、図8中に10´で示される上記ドアの上端に上記基部30で載置され、この厚さを規定する。プロファイルセクション28は、ネジ32でドア10に固定され、上記上端に沿って垂直に係合される。
【0016】
壁14と反対側の前端では、プロファイルセクション28の基部30は、上向きに直角に折り曲げられ、ドア10の前側、と一致する一体型壁34を形成する。ドア10の上記前側36には、高さが2,150mmに等しいその標準寸法においても、ラミナチノ(図示せず)で構成される被覆を有利に設けることができる。壁34は、この被覆と完全に一致して、それは視覚的に帯形状のその延在部を構成し、ドア10の幅に対応する幅を有する。プロファイルセクション28の上記壁34は、それゆえ、ラミナチノ被覆を有するドア10の高さよりも高い高さを有する空間12の上部を遮蔽でき、殆どの場合、40mmを超えないこの高さを有利に補償する。プロファイルセクション28の壁34は、空間12の高さで主に規定される特定の要件に従って、いかなる場合でも任意の高さ寸法を有することができる。しかしながら、好ましい非限定的な実施形態によれば、この高さは有利には50.0から70.0mmの範囲である。
【0017】
壁34に対して反対側の位置において、プロファイルセクション28は縁38を備え、その縁38は基部30から、特に壁14に対向する基部の後端付近の領域から始まってドア10に向けて下方に延在する。縁38は、2.0~4.0mmの範囲の配向高さを有し、図6及び図8において特に現れ、プロファイルセクション28のためのストッパーとして作用し、そのおかげでプロファイルセクションはその前側36の反対側のその後側でドア10と接触する。図6、7及び8に現れるように、プロファイルセクション28の反対側の端には、従来の遮蔽及び仕上げキャップ40がある。
【0018】
プロファイルセクション28の壁24は、ラミナチノ(laminatino)被覆に適合するように、審美的観点からカスタマイズできる。この意味で、この壁は、塗装でき、又はプロファイルセクション28全体を例えば陽極酸化又は陽極酸化処理のような表面仕上げ処理でき、それは多色を有する表面を得ることを可能にする。更に、上記プロファイルセクション28は2つの独立したセクションで作ることができ、既知の方法で互いに接続可能で、基部30の各々の領域から始まるドア10の端に両方ともネジで固定される。この仮説において、これらセクションのうちの1つは、基部30の一部に加えて垂直壁34のみを備えることができる。
【0019】
図8は、実質的に動作状態にあるプロファイルセクション28の上方から示し、プロファイルセクション28は、ネジ32でドア10の上端10´に恒久的に固定されようとしている。同図8は、既知の2つ以上のローラ42の存在を示し、それは本明細書に記載及び特許請求する解決策とは無関係で、水平に配列され、かつ部分的にプロファイルセクション28から突出してドア10の開閉ステップ中に壁14を判別する。上記から分かるように、本発明が達成する利点は明らかである
本発明の工業用ラミネートで被覆されたスライドドア用装置は、2,150mmに等しい当該被覆の標準サイズを超えるドア10にもラミナチノ被覆を使用することを可能にする。これは、まず第1に、空間12の規格外の高さ寸法によって決定される残りの高さが、プロファイルセクション28の垂直壁34で形成される帯によって効果的に補償されるためで、それはラミナチノ被覆が設けられる上記ドア10の上端と面一に延在している。
【0020】
更なる利点は、プロファイルセクション28全体又は壁34を含むその一部分を塗装作業、又は陽極酸化表面処理によって、壁34を上記ラミナチノのタイプ及び/又は色と容易に審美的に調和できることである。
【0021】
非限定的な例として与えられた本発明の可能な実施形態を参照して本発明を上記に説明したが、上記の説明に照らして当業者には多数の変更及び変形が明らかであろう。従って、本発明は、特許請求の範囲の精神及び保護範囲内にある全ての変更及び変形を包含することを意図している。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]
工業用ラミネートで被覆される、特に「ラミナチノ(laminatino)」で被覆されるドア(10)のスライド用装置であって、前記ドアは通路空間(12)が得られる壁(14)に対してスライドし、前記ドアの上端に配置され、1つ以上のトロリーの前記車輪(18)がそれに沿ってスライドする逆U字型台座(20)と、少なくとも1つのクッション付き止め具(22)とが設けられる、支持基部(30)を備えるガイドプロファイルセクション(guide profile section)(28)を備え、前記プロファイルセクション(28)は、ネジ(32)又は同等の手段でその基部(30)から始まる前記ドア(10)に固定され、前記ドアの前記上端(10´)に沿って垂直に取り付けられることを特徴とする当該装置。
[2]
前記プロファイルセクション(28)の前記支持基部(30)は、前記ドア(10)の深さ又は厚さと少なくとも等しい高さで幅方向に延在し、前記プロファイルセクション(28)の前記基部(30)は、前記壁(14)と反対側の当該前端で上向きに直角に曲げられて、前記ドア(10)の前記被覆される前側(36)と一致する一体型壁(34)を形成していることを特徴とする[1]に記載の装置。
[3]
前記プロファイルセクション(28)の前記壁(34)は、50.0~70.0mmの高さを有することを特徴とする[2]に記載の装置。
[4]
前記壁(34)に対して反対側の位置において、前記プロファイルセクション(28)には、前記壁(14)に対向する前記基部(30)の当該後端付近の領域から始まり、前記ドア(10)に向けて下方に展開される縁(38)が設けられることを特徴とする[3]に記載の装置。
[5]
前記縁(38)は、2.0~4.0mmの高さを有し、前記ドア(10)の前記前側(36)と反対側の当該後側に取付けられることを特徴とする[4]に記載の装置。
[6]
前記プロファイルセクション(28)は、2つの独立したセクションから作られ、それらは互いに接続可能で、各々の基部領域(30)から始まる前記ドア(10)の当該端に両方ともネジで固定され、前記セクションの1つが前記垂直壁(34)を備えていることを特徴とする[2]に記載の装置。
[7]
前記プロファイルセクション(28)の少なくとも前記垂直壁(34)は、前記ドア(10)の前記ラミナチノ被覆と審美的に調和していることを特徴とする上記[1]~[6]の1つ以上に記載の装置。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8