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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-27
(45)【発行日】2023-03-07
(54)【発明の名称】経皮デバイス交換
(51)【国際特許分類】
   A61M 25/01 20060101AFI20230228BHJP
【FI】
A61M25/01
【請求項の数】 38
(21)【出願番号】P 2019548328
(86)(22)【出願日】2018-03-06
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-03-26
(86)【国際出願番号】 US2018021150
(87)【国際公開番号】W WO2018165162
(87)【国際公開日】2018-09-13
【審査請求日】2021-03-08
(31)【優先権主張番号】62/467,815
(32)【優先日】2017-03-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】510292504
【氏名又は名称】コリンダス、インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110003317
【氏名又は名称】弁理士法人山口・竹本知的財産事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100075166
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 巖
(74)【代理人】
【識別番号】100133167
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100169627
【弁理士】
【氏名又は名称】竹本 美奈
(72)【発明者】
【氏名】ブラッカー、 スティーブン ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ザープス、 クリストファー
【審査官】上石 大
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2006/0041245(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0276391(US,A1)
【文献】特表2011-519678(JP,A)
【文献】米国特許第05318541(US,A)
【文献】中国実用新案第205832390(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 25/01
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
止血弁と、
カテーテルをベースに解放可能に結合するクランプを有するベースと、
第1の経路に沿って前記止血弁に対して前記ベースを動かすベース駆動部材と、
前記カテーテルが前記第1の経路に沿って動かされている間、該カテーテルから出された長尺の医療デバイスの部分に作用し、該長尺の医療デバイスを、前記ベースの移動方向とは反対の方向へ、前記ベースの移動速度に同調して移動させることで、該長尺の医療デバイスの遠位部の位置を前記カテーテルの動作によりかかる力に抗して維持するように動作する機構と
を備える、装置。
【請求項2】
前記長尺の医療デバイスの一部は、前記カテーテルの内腔の中に取り外し可能に配置される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第1の経路は、前記長尺の医療デバイスの長手軸及び前記カテーテルの長手軸の両方に実質的に平行な方向である、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記長尺の医療デバイスの前記遠位部は、前記ベースが第1の方向に移動するときに患者の中の解剖学的特徴に対して実質的に固定された位置に維持され、前記長尺の医療デバイスの前記遠位部と前記ベースとの間の距離は、前記ベースが前記第1の経路に沿って移動するにつれて変化する、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記第1の経路の少なくとも一部は線形的である、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記第1の経路の少なくとも一部は非線形的である、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記ベースが第1の方向に移動するときに、前記ベースは前記長尺の医療デバイスに沿って移動する、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記機構は、一連の離散距離で前記ベースに対して前記長尺の医療デバイスを移動させる離散移動駆動機構を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記ベース駆動部材は、1つ以上の自由度で前記ベースを移動させる、請求項1~8のいずれか1項に記載の装置。
【請求項10】
前記ベース駆動部材は、1つ以上の自由度を有するロボットアームによって動かされる、請求項1~8のいずれか1項に記載の装置。
【請求項11】
前記ロボットアームは、患者におけるアクセス部位に対して前記ベースを移動させる、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記ロボットアームは、患者ベッド上の位置に対して前記ベースを移動させる、請求項10に記載の装置。
【請求項13】
前記カテーテルは、固定長にわたって中に内腔を有するモノレール部を有するラピッドエクスチェンジデバイスであり、前記長尺の医療デバイスは、前記モノレール部の前記内腔に可動的に受け入れられる、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
遠位クランプをさらに含み、
該遠位クランプは、前記カテーテルのモノレール部の遠位端が該遠位クランプと前記ベースとの間に入ると、前記長尺の医療デバイスの一部を取り外し可能にクランプ留めする、請求項1に記載の装置。
【請求項15】
前記遠位クランプは、前記止血弁と前記ベースとの間に配置される、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記長尺の医療デバイスは、前記遠位クランプが前記長尺の医療デバイスをクランプ留めするときに前記機構に対して自由に移動できる、請求項14に記載の装置。
【請求項17】
前記長尺の医療デバイスは、前記長尺の医療デバイスの近位部が前記止血弁に向かって前記モノレール部を通して引っ張られるように、第2の方向に前記モノレール部を通して前記長尺の医療デバイスを移動させる長尺の医療デバイス取り外し駆動部によって、前記モノレール部から取り外すことができる、請求項14に記載の装置。
【請求項18】
前記機構は、前記ベースに対してガイドワイヤを制御可能に移動させる一対の車輪を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項19】
止血弁と、
カテーテルをベースに解放可能に結合するクランプを有するベースと、
第1の経路に沿って前記止血弁に対して前記ベースを動かすベース駆動部材と、
前記止血弁から離れる方向へ移動可能に構成された第1のクランプ部材及び第2のクランプ部材を含み、前記カテーテルが前記第1の経路に沿って動かされている間、前記第1のクランプ部材及び前記第2のクランプ部材が、前記カテーテルから出された長尺の医療デバイスの部分に交互に作用し、該長尺の医療デバイスの遠位部の位置を前記カテーテルの動作によりかかる力に抗して維持するように動作する機構と
を備える、装置。
【請求項20】
前記第1のクランプ部材は、前記第1のクランプ部材が前記第2のクランプ部材及び前記止血弁の中間にある第1の位置から、前記第2のクランプ部材が前記第1のクランプ部材及び前記止血弁の中間にある第2の位置に移動する、請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記長尺の医療デバイスはガイドワイヤである、請求項1~20のいずれか1項に記載の装置。
【請求項22】
前記カテーテルは、前記カテーテルの近位端から遠位端に延びる内腔を有するオーバーザワイヤデバイスであり、前記長尺の医療デバイスが当該内腔の中に可動的に受け入れられる、請求項1又は19に記載の装置。
【請求項23】
前記長尺の医療デバイスの一部は、前記ベースが第1の方向に移動するときに前記止血弁に対して実質的に固定された位置に維持され、前記長尺の医療デバイスの前記一部と前記ベースとの間の距離は、前記ベースが前記第1の経路に沿って移動するにつれて変化する、請求項1に記載の装置。
【請求項24】
内腔を有するカテーテルを通して長尺の医療デバイスを装填するための装置であって、
前記長尺の医療デバイスは、止血弁に近い側の遠位部と、前記止血弁から遠い側の近位部とを有し、
前記カテーテルは、前記長尺の医療デバイスの近位側に位置して、該カテーテルの遠位端が前記長尺の医療デバイスの近位端に対面するように配置され、
前記カテーテルの前記遠位端を位置決めするカテーテル支持部と、
前記カテーテルの前記遠位端に対して前記長尺の医療デバイスの前記近位部を移動させて前記内腔の遠位開口部の中に前記長尺の医療デバイスの前記近位端を挿入する駆動部と
を備える、装置。
【請求項25】
前記駆動部は、前記カテーテルの前記内腔の近位端から出るように前記長尺の医療デバイスの前記近位端を移動させる、請求項24に記載の装置。
【請求項26】
前記カテーテル支持部及び前記駆動部は、使用位置と非使用位置との間に可動的に位置付けられる、請求項24に記載の装置。
【請求項27】
前記駆動部の第1の部分及び前記カテーテル支持部の第1の部分を支持する第1のベース部、及び前記駆動部の第2の部分及び前記カテーテル支持部の第2の部分を支持する第2のベース部を有するベースをさらに含む、請求項26に記載の装置。
【請求項28】
前記第1のベース部及び前記第2のベース部は、前記使用位置に向かって及び前記使用位置から離れるように線形経路に沿って移動する、請求項27に記載の装置。
【請求項29】
前記第1のベース部及び前記第2のベース部は、前記使用位置に向かって及び前記使用位置から離れるように非線形経路に沿って移動する、請求項27に記載の装置。
【請求項30】
前記カテーテル支持部は、前記カテーテルの複数の部分に選択的に接触する複数の領域を含む、請求項24に記載の装置。
【請求項31】
前記複数の領域は、1つ以上の自由度でコントローラによって可動的に制御される、請求項30に記載の装置。
【請求項32】
前記長尺の医療デバイスの前記近位端及び前記カテーテルの前記内腔の前記遠位開口部の位置を検出する撮像システムをさらに含む、請求項24に記載の装置。
【請求項33】
前記撮像システムからの情報を使用して命令を提供し、コントローラを介して、前記駆動部及び前記カテーテル支持部を位置付けて前記長尺の医療デバイスの前記近位端を前記カテーテルの前記内腔の前記遠位開口部と位置合わせする、制御システムをさらに含む、請求項32に記載の装置。
【請求項34】
前記カテーテル支持部は、前記カテーテルに配置された治療要素との接触を回避するように構成される部分を含む、請求項33に記載の装置。
【請求項35】
前記カテーテル支持部及び前記駆動部は、ロボットアーム、線形アクチュエータ、可動式ベース及び回転ベースの1つによって使用位置と非使用位置との間で動かされる、請求項24に記載の装置。
【請求項36】
前記長尺の医療デバイスはガイドワイヤである、請求項24~35のいずれか1項に記載の装置。
【請求項37】
止血弁と、
装填器であって、
内腔を有するカテーテルの遠位端を位置付けるカテーテル支持部、及び
第2のカテーテルに対して長尺の医療デバイスを移動させて該第2のカテーテルの内腔の遠位開口部の中に前記長尺の医療デバイスの近位端を挿入する駆動部
を含む装填器と、
取り外し器であって、
第1のカテーテルをベースに解放可能に結合するクランプを有するベース、
第1の経路に沿って前記止血弁に対して前記ベースを動かすベース駆動部材、及び
前記第1のカテーテルが前記第1の経路に沿って動かされている間、該第1のカテーテルの内腔から出される前記長尺の医療デバイスの位置を前記止血弁に対して維持する機構
を含む取り外し器と
を備える、装置。
【請求項38】
止血弁と、
第1のカテーテルをベースに解放可能に結合するクランプを有するベースと、
第1の経路に沿って前記止血弁に対して前記ベースを動かすベース駆動部材と、
前記第1のカテーテルが前記第1の経路に沿って動かされている間、該第1のカテーテルの内腔から出される長尺の医療デバイスの位置を前記止血弁に対して維持する機構と、
内腔を有する第2のカテーテルの遠位端を位置付けるカテーテル支持部と、
前記第2のカテーテルに対して前記長尺の医療デバイスを移動させて該第2のカテーテルの前記内腔の遠位開口部の中に前記長尺の医療デバイスの近位端を挿入する駆動部と
を備える、装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、ロボット制御経皮デバイスシステムの分野に関し、より詳細には、経皮デバイスを交換するためのシステムに関する。
(関連特許出願への相互参照)
本願は、2017年3月6日に出願され、Percutaneous Device Exchangeと題された米国仮出願第62/467815号の利益を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
血管疾患、特に、心疾患は、様々なやり方で治療され得る。心臓バイパス手術等の外科手術は、心疾患を治療する方法の1つである。しかしながら、所定の状況下において、血管疾患は、血管形成術等のカテーテルベースのインターベンション処置によって治療されてもよい。カテーテルベースのインターベンション処置は、一般には、外科手術よりも侵襲性が少ないと考えられている。
【0003】
あるタイプのインターベンション処置の間、ガイディングカテーテルがイントロデューサを介して患者の大腿動脈の中に挿入されて、患者の冠動脈口の近くに配置される。ガイドワイヤが、典型的には、止血弁を介してガイディングカテーテルの中に挿入されて、ガイドワイヤが病変部に到達するまで患者の動脈系を介して操作される。次に、閉塞部位を開通させて病変の近くの血流を増加させるために、バルーン及びステント等のデバイスが病変の近くに配置されるまで、経皮デバイスがガイドワイヤに沿って動かされる。心疾患に加えて、他の疾患もカテーテル処置によって治療される場合がある。
【0004】
多くの場合、経皮デバイスは処置中に交換される。例えば、処置中に、バルーンカテーテルが、拡張前にガイドワイヤに沿って病変に誘導される場合がある。次に、バルーンカテーテルが取り除かれて、ステントカテーテルが拡張後にガイドワイヤに沿って病変に誘導される。
【発明の概要】
【0005】
一実施形態では、装置は、止血弁と、カテーテルをベースに解放可能に結合するクランプを有するベースと、第1の経路に沿って止血弁に対してベースを動かすベース駆動部材と、カテーテルが第1の経路に沿って動かされている間、カテーテルから出された長尺の医療デバイスの部分に作用し、長尺の医療デバイスを、ベースの移動方向とは反対の方向へ、ベースの移動速度に同調して移動させることで、長尺の医療デバイスの遠位部の位置をカテーテルの動作によりかかる力に抗して維持するように動作する機構とを含む。
【0006】
さらなる実施形態では、長尺の医療デバイスの一部は、カテーテルの内腔の中に取り外し可能に配置される。
【0007】
さらなる実施形態では、第1の経路は、長尺の医療デバイスの長手軸及びカテーテルの長手軸の両方に実質的に平行な方向である。
【0008】
さらなる実施形態では、長尺の医療デバイスの遠位部は、ベースが第1の方向に移動するときに患者の中の解剖学的特徴に対して実質的に固定された位置に維持され、長尺の医療デバイスの遠位部とベースとの間の距離は、ベースが第1の経路に沿って移動するにつれて変化する。
【0009】
さらなる実施形態では、第1の経路の少なくとも一部は線形的である。
【0010】
さらなる実施形態では、第1の経路の少なくとも一部は非線形的である。
【0011】
さらなる実施形態では、ベースが第1の方向に移動するときに、ベースは長尺の医療デバイスに沿って移動する。
【0012】
さらなる実施形態では、機構は、一連の離散距離でベースに対して長尺の医療デバイスを移動させる離散移動駆動機構を含む。
【0013】
さらなる実施形態では、ベース駆動部材は、1つ以上の自由度でベースを移動させる。
【0014】
さらなる実施形態では、ベース駆動部材は、1つ以上の自由度を有するロボットアームによって動かされる。
【0015】
さらなる実施形態では、ロボットアームは、患者のアクセス部位に対してベースを移動させる。
【0016】
さらなる実施形態では、ロボットアームは、患者ベッド上の位置に対してベースを移動させる。
【0017】
さらなる実施形態では、カテーテルは、固定長にわたってその中に内腔を有するモノレール部を有するラピッドエクスチェンジデバイスであり、長尺の医療デバイスは、モノレール部の内腔に可動的に受け入れられる。
【0018】
さらなる実施形態では、遠位クランプをさらに含み、この遠位クランプは、カテーテルのモノレール部の遠位端が遠位クランプとベースとの間に入ると長尺の医療デバイスの一部を取り外し可能にクランプ留めする。
【0019】
さらなる実施形態では、遠位クランプは、止血弁とベースとの間に配置される。
【0020】
さらなる実施形態では、長尺の医療デバイスは、遠位クランプがそこに長尺の医療デバイスをクランプ留めするときに機構に対して自由に移動できる。
【0021】
さらなる実施形態では、長尺の医療デバイスは、長尺の医療デバイスの近位端が止血弁に向かってモノレールを通して引っ張られるように、第2の方向にモノレールを通して長尺の医療デバイスを移動させる長尺の医療デバイスの取り外し駆動部によってモノレールから取り外される。
【0022】
さらなる実施形態では、機構は、ベースに対して長尺の医療デバイスを制御可能に移動させる一対の車輪を含む。
【0023】
さらなる実施形態では、機構は、止血弁から離れる方向に移動する第1のクランプ部材及び第2のクランプ部材を含む。
【0024】
さらなる実施形態では、第1のクランプ部材は、第1のクランプが第2のクランプ及び止血弁の中間にある第1の位置から第2のクランプが第1のクランプ及び止血弁の中間にある第2の位置に移動する。
【0025】
さらなる実施形態では、長尺の医療デバイスはガイドワイヤである。
【0026】
さらなる実施形態では、カテーテルは、カテーテルの近位端から遠位端に延びる内腔を有するオーバーザワイヤ(over the wire)デバイスであり、長尺の医療デバイスは内腔の中に可動的に受け入れられる。
【0027】
さらなる実施形態では、長尺の医療デバイスの一部は、ベースが第1の方向に移動するときに止血弁に対して実質的に固定された位置に維持され、長尺の医療デバイスの一部とベースとの間の距離は、ベースが第1の経路に沿って移動するにつれて変化する。
【0028】
さらなる実施形態では、カテーテルは、止血弁における別のカテーテルデバイスの内腔に入らずに直接的に止血弁の中に配置される。
【0029】
さらなる実施形態では、第1の止血弁がベース及び第2の止血弁の中間にあるように第2の止血弁が配置される。
【0030】
一実施形態、内腔を有するカテーテルのその内腔を通して長尺の医療デバイスを装填するための装置に関する。この装置において、長尺の医療デバイスは、止血弁に近い側の遠位部と、止血弁から遠い側の近位部とを有し、カテーテルは、長尺の医療デバイスの近位側に位置して、該カテーテルの遠位端が長尺の医療デバイスの近位端に対面するように配置される。この装置は、カテーテルの遠位端を位置決めするカテーテル支持部と、このカテーテルの遠位端に対して長尺の医療デバイスの近位部を移動させてカテーテルの内腔の遠位開口部の中に長尺の医療デバイスの近位端を挿入する駆動部とを含む。
【0031】
さらなる実施形態では、駆動部は、カテーテル内腔の近位端から出るように長尺の医療デバイスの近位端を移動させる。
【0032】
さらなる実施形態では、カテーテル支持部及び駆動部は、使用位置と非使用位置との間に可動的に位置付けられる。
【0033】
さらなる実施形態では、ベースは、駆動部の第1の部分及びカテーテル支持部の第1の部分を支持する第1のベース部、及び駆動部の第2の部分及びカテーテル支持部の第2の部分を支持する第2のベース部を有する。
【0034】
さらなる実施形態では、第1のベース部及び第2のベース部は、使用位置に向かって及び使用位置から離れるように線形経路に沿って移動する。
【0035】
さらなる実施形態では、第1のベース部及び第2のベース部は、使用位置に向かって及び使用位置から離れるように非線形経路に沿って移動する。
【0036】
さらなる実施形態では、カテーテル支持部は、カテーテルの複数の部分に選択的に接触する複数の領域を含む。
【0037】
さらなる実施形態では、複数の領域は、1つ以上の自由度でコントローラによって可動的に制御される。
【0038】
さらなる実施形態では、撮像システム、長尺の医療デバイスの近位端及びカテーテル内腔の遠位開口部の位置を検出する。
【0039】
さらなる実施形態では、制御システム、撮像システムからの情報を使用して命令を提供し、コントローラを介して、駆動部及びカテーテル支持部を位置付けて長尺の医療デバイスの近位端をカテーテル内腔の遠位開口部と位置合わせする。
【0040】
さらなる実施形態では、カテーテル支持部は、カテーテル上に配置された治療要素との接触を回避するように構成される部分を含む。
【0041】
さらなる実施形態では、カテーテル支持部及び駆動部は、ロボットアーム、線形アクチュエータ、可動式ベース及び回転ベースの1つによって使用位置と非使用位置との間で動かされる。
【0042】
さらなる実施形態では、長尺の医療デバイスはガイドワイヤである。
【0043】
一実施形態では、装置は、止血弁と、第1のカテーテルをベースに解放可能に結合するクランプを有するベースと、第1の経路に沿って止血弁に対してベースを動かすベース駆動部材と、第1のカテーテルが第1の経路に沿って動かされている間、この第1のカテーテルの内腔から出される長尺の医療デバイスの位置を止血弁に対して維持する機構と、内腔を有する第2のカテーテルの遠位端を位置付けるカテーテル支持部と、第2のカテーテルに対して長尺の医療デバイスを移動させて第2のカテーテル内腔の遠位開口部の中に長尺の医療デバイスの近位端を挿入する駆動部とを含む。
【0044】
一実施形態では、装置は、止血弁と、内腔を有するカテーテルの遠位端を位置付けるカテーテル支持部、及びカテーテルに対して長尺の医療デバイスを移動させてカテーテル内腔の遠位開口部の中に長尺の医療デバイスの近位端を挿入する駆動部を含む装填器含む。一実施形態では、装置は取り外し器を含み、この取り外し器は、カテーテルをベースに解放可能に結合するクランプを有するベースと、第1の経路に沿って止血弁に対してベースを動かすベース駆動部材とカテーテルが第1の経路に沿って動かされている間、このカテーテルの内腔から出される長尺の医療デバイスの位置を止血弁に対して維持する機構を含む。
【図面の簡単な説明】
【0045】
図1】第1の位置にある交換システムの概略図である。
【0046】
図2】第2の位置にある交換システムの概略図である。
【0047】
図3】第1の位置において近接センサを備える交換システムの概略図である。
【0048】
図4】第2の位置において近接センサを備える交換システムの概略図である。
【0049】
図5】第1の位置にある交換システムの上面概略図である。
【0050】
図6】第1の位置にある交換システムの上面概略図である。
【0051】
図7】第1の位置においてスライドを備える交換システムの概略図である。
【0052】
図8】第2の位置においてスライドを備える交換システムの概略図である。
【0053】
図9】第1の位置においてロボットアームを備える交換システムの概略図である。
【0054】
図10】第2の位置においてロボットアームを備える交換システムの概略図である。
【0055】
図11】交換システムが第1の位置にある場合の機械センサの概略断面図である。
【0056】
図12図12A-12Gは、複数の位置において第1の組のクランプを備える交換システムの概略図である。
【0057】
図13図13A-13Fは、複数の位置において第2の組のクランプを備える交換システムの概略図である。
【0058】
図14】クランプ留め位置におけるオーバーザワイヤカテーテルのための交換システムの概略図である。
【0059】
図15】クランプ解除位置におけるオーバーザワイヤカテーテルのための交換システムの概略図である。
【0060】
図16】ラピッドエクスチェンジカテーテル及びガイドワイヤの部分断面図である。
【0061】
図17】オーバーザワイヤカテーテル及びガイドワイヤの概略図である。
【0062】
図18】ベッドサイド装置及びリモートワークステーションを備えるロボットカテーテルシステムの概略図である。
【0063】
図19】第1のモードにおいて装填器を備える交換システムの概略図である。
【0064】
図20】別のモードにおいて装填器を備える交換システムの概略図である。
【0065】
図21】別のモードにおいて装填器を備える交換システムの概略図である。
【0066】
図22】別のモードにおいて装填器を備える交換システムの概略図である。
【0067】
図23】別のモードにおいて装填器を備える交換システムの概略図である。
【0068】
図24】別のモードにおいて装填器を備える交換システムの概略図である。
【0069】
図25】別のモードにおいて装填器を備える交換システムの概略図である。
【0070】
図26図19の交換システムの装填器の概略図である。
【0071】
図27】位置決め部材の概略図である。
【0072】
図28】センサを備えた交換システムの装填器の概略図である。
【0073】
図29】第1の位置にある作動機構及び位置決め部材の断面図である。
【0074】
図30】第2の位置にある作動機構及び位置決め部材の断面図である。
【0075】
図31】開放位置にある位置決め部材の断面図である。
【0076】
図32】係合位置にある位置決め部材の断面図である。
【0077】
図33】一実施形態における位置決め部材のエッジ部の詳細図である。
【0078】
図34】第2の実施形態における位置決め部材のエッジ部の詳細図である。
【0079】
図35】オープン位置にある装填器ベースの概略図である。
【0080】
図36】クローズ位置にある装填器の概略図である。
【0081】
図37】クローズ位置にある位置決め部材及び装填器の概略図である。
【0082】
図38】オープン位置にある位置決め部材の図である。
【0083】
図39】クローズ位置にある図38の位置決め部材の図である。
【発明を実施するための形態】
【0084】
ロボットシステム、例えば、参照により全体が本明細書に組み込まれるGuide Catheter Control Flexible Trackと題された米国出願15/029,115に開示されているシステムは、ガイドワイヤ、カテーテル又は他の長尺の医療デバイス及びガイドワイヤのロボット制御を可能にする。図18を参照すると、ロボットカテーテルシステム10は、患者ベッド22に隣接する患者ベッドサイドシステム12の近くで動作する。リモートワークステーション14は、コントローラ16、ユーザインターフェース18及びディスプレイ20を含む。撮像システム24は、カテーテルベースの医療処置と併せて使用され得る任意の医療撮像システムであってもよい(例えば、非デジタルX線、デジタルX線、CT、MRI、超音波等)。一実施形態では、撮像システム24は、ワークステーション14と通信するデジタルX線撮像デバイスである。撮像システム24は、特定の処置の間に患者の適切なエリアのX線画像を撮るように構成される。例えば、撮像システム24は、心臓状態を診断するために心臓の1つ以上のX線画像を撮るように構成されてもよい。また、撮像システム24は、処置中にガイドワイヤ、ガイドカテーテル、ステント等の作業カテーテルをワークステーション14のユーザが適切に配置することを支援するためにカテーテルベースの医療処置の間に1つ以上のX線画像(例えば、リアルタイム画像)を撮るように構成されてもよい。ユーザが正確にガイドワイヤ又は作業カテーテルの遠位端を患者の脈管系内の適切な位置に配置することを可能にするように、1つ以上の画像がディスプレイ20に表示されてもよい。本明細書で使用される長尺の医療デバイスは、限定されないが、長尺の経皮デバイスを含む当分野で周知のガイドワイヤ、カテーテル又は任意の他の長尺の医療デバイスを含む。
【0085】
所定のカテーテル処置の間、あるカテーテルデバイスを別のカテーテルデバイスと交換しなくてはならない場合がある。 上記のように、処置中に、バルーンカテーテルが、ガイドワイヤに沿って病変に誘導される場合がある。バルーンカテーテルが拡張した後で、バルーンカテーテルは取り除かれて、ステントカテーテルが拡張後のガイドワイヤに沿って病変に誘導される。ある処置において、バルーンカテーテルとステントカテーテルの交換中に、ガイドワイヤの遠位端は、治療される病変から遠位に維持される。しかしながら、脈管系内の他の位置も考えられる。バルーンカテーテルが脈管系から取り出されているとき、ガイドワイヤの遠位端を脈管系内の病変又は解剖学的特徴に対して固定位置に維持することが望ましい。 オーバーザワイヤカテーテルプラットフォームにおいて、患者の脈管系内の病変等の関心領域に又はそれを超えてガイドワイヤの遠位端184を駆動するために、ガイドワイヤ106が手動で又はロボット制御駆動システムを使用して操作される。オーバーザワイヤカテーテルを交換するために、オーバーザワイヤカテーテル160の遠位端180は、ガイドワイヤ106の近位端186から外される。オーバーザワイヤプラットフォームにおいて、ガイドワイヤ186の近位端はカテーテル又は経皮デバイスの内腔の遠位端180に挿入され、かつ、ガイドワイヤの近位端186がカテーテルの近位端の位置にあるカテーテル内腔における近位開口部182の外に延びるまで、カテーテルは、その全長に沿ってガイドワイヤに沿って滑らされる。本明細書で用いられる遠位という用語は、コンポーネントの一部を意味しており、処置中に脈管系に近い又はその中のコンポーネントの一部であり、近位という用語は、脈管処置中にデバイスが使用されているときに脈管系から離れた位置である。遠位端は、一般には、コンポーネントの近位端の反対側である。
【0086】
オーバーザワイヤカテーテルと別のオーバーザワイヤカテーテルの交換を行うために、ガイドワイヤは、第1のカテーテルの長さよりも長い必要がある。オーバーザワイヤプラットフォームに使用されるガイドワイヤは、270-400cmの間であってもよい。ある技術では、カテーテルが引き出されている間、助手がガイドワイヤの近位端に圧力を加えてガイドワイヤの遠位端を固定位置に維持する。固定位置は、yコネクタ、止血弁、イントロデューサ、患者ベッド、脈管系内の位置、又は地上の特定位置の1つと相対的であってもよい。カテーテルの遠位端が患者から出ると、カテーテルがガイドワイヤの近位端から完全に引き出されている間、脈管系内でのカテーテルの遠位端の位置を維持するために、ガイドワイヤは患者の侵入点の近位に保持されてもよい。異なる又はさらなるカテーテルをガイドワイヤに装填するために、カテーテルの遠位端におけるカテーテル内腔の開口部がガイドワイヤの近位端に対して滑らされる。
【0087】
ラピッドエクスチェンジカテーテルプラットフォームにおいて、ラピッドエクスチェンジカテーテルは、ガイドワイヤの近位端を受け入れるガイドワイヤ受け入れ内腔の中への遠位開口部を有する遠位端を含む。ガイドワイヤ受け入れ内腔は、カテーテル内で設定距離だけ延びており、出口ポートで終端する。ガイドワイヤの近位端は、カテーテルのガイドワイヤ受け入れ内腔に挿入されて、カテーテルの出口ポートから出る。次に、カテーテルの遠位端が治療される病変に近づくまで、カテーテルの遠位端はガイドワイヤに沿って駆動される。ガイドワイヤ受け入れ内腔の開口部と出口ポートとの間の距離は、カテーテルのモノレール部として参照され、20-25cmであってもよいが、他の距離も考えられる。
【0088】
図1を参照すると、システム100は、止血弁を含むyコネクタ104向かう方向及びyコネクタ104から離れる方向へ移動する可動式駆動部102を含む。長尺の医療デバイス106が駆動部102に受け入れられ、ステントカテーテル等の経皮デバイス108が、クランプ等の保持機構110によって駆動部102に取り外し可能に保持される。一実施形態では、長尺の医療デバイス106はガイドワイヤである。本明細書ではガイドワイヤという用語が使用されている。しかしながら、ガイドワイヤという用語が用いられるとしても、他の長尺の医療デバイスも使用され得ることは当然である
【0089】
可動式駆動部102は、保持機構110を支持するベース112を含む。一実施形態では、保持機構は、ベース112と一体的に形成される。ベース112は、yコネクタ104から離れて及びそれに向かってロボット制御で動かされるスライド122上にあってもよい。一実施形態では、yコネクタ104は、止血弁である。一実施形態では、可動式駆動部は、一対の車輪114及び116を含む。車輪114は、駆動輪であってもよく、車輪116は、被駆動輪であってもよい。駆動輪114は、モータによって駆動され、制御システムによって制御される。
【0090】
一実施形態では、操縦者が、手動で又は先に参照された出願‘115号に記載されたもの等のロボットシステムを使用して、患者の病変の遠位にガイドワイヤ106の遠位端を位置付ける。システム100は、第1の経皮デバイスを第2の経皮デバイスと交換するために使用され、これらはガイドワイヤ106に沿って誘導される。第1の経皮デバイス108の近位端の近くの領域が、可動式駆動部102に固定される。一実施形態では、患者から除去される第1の経皮デバイス108の近位シャフトの遠位端は、可動式駆動部102が第1の位置にあるときに、保持機構110に固定される。
【0091】
保持機構110を介して第1の経皮デバイスが可動式駆動部102に固定されると、ガイドワイヤ106は車輪114及び116の間に配置される。制御システム(図示せず)が、yコネクタ104から離れる方向124にある第2の位置(図2を参照)に可動式駆動部102を動かす。第2の位置に向かう可動式駆動部102の移動と同時に、駆動輪114及び116が、yコネクタに向かってガイドワイヤの近位部を供給するように所定の速さで回転する。結果として、ガイドワイヤの遠位端は、病変に対して移動しない。これは、可動式駆動ベースがyコネクタから遠ざかるのと同じ速度でガイドワイヤをyコネクタに向かって動かすことにより達成される。
【0092】
言い換えれば、可動式駆動部102が第1の位置から第2の位置に移動するとき、可動式駆動部102は、患者に対して非可動の又は固定された位置にガイドワイヤを維持する。第1の経皮デバイスのモノレール部120が患者に遠位のyコネクタの側になると、可動式駆動部は、ガイドワイヤの近位終端がもはや可動式駆動部内になく、かつ第1のカテーテルがガイドワイヤから完全に引き抜かれている第3の位置(図示せず)に進み得る。この時点で、第2のカテーテルデバイスがガイドワイヤの近位端から外され得る。
【0093】
一実施形態では、一対の車輪114及び116は、可動式駆動部102がyコネクタから遠ざかるときにガイドワイヤを固定位置に維持する近位側動的ガイドワイヤ固定デバイス又はガイドワイヤ機構を形成する。一実施形態では、車輪114及び116は、可動式駆動部102及び経皮デバイス108がガイドワイヤ106に沿って移動することを可能にし、一方でガイドワイヤ106をyコネクタに対して固定位置に維持する。しかしながら、限定されないが、連続的、離散的又は断続的モーションデバイスを含む他のデバイスも考えられる。例えば、車輪は、1つ又は一対の連続的駆動ベルト又は本明細書で以下に開示されるように一対のクランプ部材によって置換され得る。
【0094】
図3-6及び図7を参照すると、システム100の経皮デバイス108は、カテーテル駆動部(図示せず)を有するyコネクタから遠ざかっている。一実施形態では、経皮デバイス108は、モノレール部120を有するラピッドエクスチェンジデバイスである。モノレール部120は、経皮デバイス108の一部として形成され、遠位開口部126、内腔部128及び近位出口開口部130を含む。ラピッドエクスチェンジデバイスは、当技術分野で周知である。モノレール部120は、典型的には、20-25cmである。しかしながら、他の長さのモノレール部が利用されてもよい。
【0095】
交換の第1ステージの間、第1の経皮デバイス108は、経皮デバイスを患者から遠ざけるために線形駆動部が経皮デバイス108に作用している当技術分野で周知のロボット制御駆動機構を使用して最初に患者から引き抜かれてもよい。経皮デバイスを引き抜くために線形駆動部が作用している間、第2のガイドワイヤの線形駆動部は、経皮デバイスが引き抜かれているときにガイドワイヤに対して作用するモノレール部の摩擦から生じるガイドワイヤの任意の動きとは反対にガイドワイヤの線形駆動部内のガイドワイヤの部分に反対の圧力又は動きを加えることにより、ガイドワイヤの遠位端を静止位置に維持することを支援するようにガイドワイヤに作用していてもよい。また、ガイドワイヤの遠位端の位置を脈管系内に維持することを支援するために、経皮デバイス108が引き抜かれているときにガイドワイヤが回転させられることも考えられる。
【0096】
yコネクタ104の近位端134の近くに配置された近接センサ132が、いつモノレール部の近位端136がyコネクタから現れるかを検出する。近接センサ132は、ハードウェアと結合される機械的、電気機械的又はカメラ等の画像センサであってもよく、又はコンピュータソフトウェアコードが、経皮デバイス108のモノレール部の近位端がyコネクタ及び/又は止血弁の近位端から出たことを決定する。図11を参照すると、機械的近接センサ137は、経皮デバイス108のモノレール部120の近位開口部130と可動式駆動部102との間でガイドワイヤ106と経皮デバイス108との間に伸びる長尺部材を含む。長尺部材は、経皮デバイス108がベクトル124に沿って止血弁104から離れる方向に動かされるときに邪魔にならないように付勢される。
【0097】
モノレール部120の近位端が現れると、ガイドワイヤ106及び経皮デバイスは可動式駆動部102内に配置される。経皮デバイス108の一部が、クランプ110又は他の手段によって可動式駆動部102に動作可能に固定される。次に、可動式駆動部102は、ロボット制御で、スライド122に沿って動かされ、又はロボットアーム138を介して、又は方向124にyコネクタ104から遠ざかるように可動式駆動部102をロボット制御で動かす他のデバイスを介して動かされる。可動式駆動部102が方向124に動かされると、経皮デバイス108は、モノレール内腔128内のガイドワイヤの部分に乗って、脈管系から引き出される。脈管系内の固定位置にガイドワイヤの遠位端を維持するために、駆動輪114、116は、可動式駆動部102がガイドワイヤ106に沿って移動しかつガイドワイヤ106の遠位端が脈管系内の相対的固定位置に留まるように回転させられる。
【0098】
図1-5を参照する。可動式駆動部102がyコネクタ104から離れる方向124に移動する間、ガイドワイヤの遠位端がその位置で固定されたままになるように反対方向に、車輪114及び車輪116は回転する。車輪が回転する速度は、可動式駆動部が移動する速度に関連する。
【0099】
一実施形態では、可動式駆動部102の移動は一定速度であって連続的であり、車輪の回転も定速であって連続的である。一実施形態では、可動式駆動部102の移動は、一連の離散的運動で行われ、車輪114及び116の回転も一連の離散的運動で行われる。一実施形態では、車輪114及び116の回転は連続的であるが、カムの不均一な直径表面を有し、それによりガイドワイヤとの接触が可動式駆動部102の離散的で断続的な移動に適合するように断続的になる。一実施形態では、他のタイプの駆動システムは、yコネクタ104から離れる方向124の可動式駆動部102の移動、及び可動式駆動部102に対するガイドワイヤの移動に関連する駆動システムの両方に関する。
【0100】
一実施形態では、可動式駆動部102に対するガイドワイヤ駆動部の移動は、経皮デバイスがyコネクタから離れる方向124に動かされるときに、経皮デバイス108の移動からガイドワイヤに与えられる任意の抵抗を克服するために必要とされる陽圧を方向124とは反対の方向にガイドワイヤに与える。一実施形態では、経皮デバイスが脈管系から引き出されている間に、ガイドワイヤ駆動部は、車輪114及び116等のガイドワイヤ駆動要素の速さを変化させて、脈管系内の位置又は病変等の特徴に対する静止位置にガイドワイヤの遠位端を維持するようにガイドワイヤをyコネクタへ又はyコネクタから移動させてもよい。
【0101】
図12A-12Gを参照すると、一実施形態では、経皮デバイス108がyコネクタ104から離れる方向124に脈管系から及びyコネクタ104から引き抜かれるときに、ガイドワイヤの位置を固定するために一対のクランプが使用される。図12Aを参照すると、非クランプとした第1のクランプ140が経皮デバイス108と共に動かされ、該クランプ140は、経皮デバイスの近位ガイドワイヤ出口開口部130と干渉しないようにしてある。経皮デバイス108のハブ144が方向124に沿うベクトル成分でyコネクタ104からさらに遠ざかるように経皮デバイス108が引き出されてyコネクタ104から遠ざかっているときに、yコネクタ104からさらに離れた距離に設置される第2のクランプ142が、ガイドワイヤの位置を固定するためにガイドワイヤ106にクランプされる。図12Bを参照すると、第1のクランプ140が開いた非クランプで第2のクランプ142に向かって移動し、第1のクランプ140が第2のクランプ142に近接すると、第1のクランプ140は、ガイドワイヤ106に動作可能にクランプ留めされる(図12Cを参照)。次に、第2のクランプ142がガイドワイヤ106をクランプ解除し、方向124に所定距離だけ移動して、ガイドワイヤ106にクランプ留めされる(図12Dを参照)。経皮デバイス108がベクトル124に沿ってyコネクタ104からさらに離されると、第1のクランプ140は、ガイドワイヤ106からクランプ解除されて、第2のクランプ142の方に移動する。この過程は、モノレール部120の遠位開口部126がyコネクタ104から出るまで繰り返される。(図12E-12Gを参照)。
【0102】
一実施形態では、第1のクランプ140及び第2のクランプ142は、yコネクタ104からロボット制御で遠ざけられかつ経皮デバイス108の一部を動作可能にクランプ留めするベース146上に設置されて操作される。経皮クランプ部材148を有するベース146の概略は図12Fに示されている。ベース146がベクトル124に沿って動かされるときにガイドワイヤの位置がyコネクタ104及び/又は脈管系に対して固定されたままになるように、第1のクランプ140及び第2のクランプ142はベース146に対して移動可能である。
【0103】
一実施形態では、第1のクランプ140及び第2のクランプ142は、ベース146の移動と連通してコントローラを介して動作する別の構造上に支持される。一実施形態では、第1のクランプ140及び第2のクランプ142の一方又は両方は、1つの自由度を有するロボットアームによって操作され、一実施形態では、1つ又は複数のロボットアームは、複数の自由度を有する。
【0104】
図13Aを参照すると、第1のクランプ150及び第2のクランプ152が、yコネクタ104に対する固定位置にガイドワイヤ106を維持し及び/又は脈管系の設定位置にガイドワイヤ106の遠位端を維持するように動作する。経皮デバイス108が、可動式駆動部によって脈管系及びyコネクタ104から引き出されて、クランプ150及び152は、ガイドワイヤ106を固定位置に維持するように動作する。図13Aを参照すると、第1のクランプ150は、クランプ150がガイドワイヤ106をクランプ留めしていないオープンクランプ解除構成にある。第2のクランプ152は、ガイドワイヤ106がそこにクランプ留めされるクローズクランプ留め構成にある。図13A-13Cを参照すると、モノレール内腔の近位開口部がyコネクタ104から離れて第1のクランプ150に接近すると、第1のクランプ150は、第2のクランプ152を超える位置に動かされる。言い換えれば、第2のクランプ152は、第1のクランプ150が第2のクランプ152とyコネクタ104との間にある位置から第2のクランプ152が第1のクランプ150とyコネクタ104との間にある位置に移動する。次に、第1のクランプ150は、オープンクランプ解除構成から、第1のクランプ150がガイドワイヤ106をクランプ留めするクローズクランプ留め構成に操作される。次に、第2のクランプ152は、ガイドワイヤ106から第2のクランプ150をクランプ解除するためにクローズ構成からオープン構成操作される。第1のクランプ150及び第2のクランプ152の跳躍カエル運動は、モノレール部の遠位端がyコネクタ104から出るまで、言い換えればモノレールの遠位端がyコネクタ104及び経皮可動式駆動部の近位端の中間になるまで続く。一実施形態では、経皮可動式駆動部154は、そこに経皮部材108を固定するためのクランプを有するベース156を含む。ベース156は、直線方向124にスライド部材又はロボットアーム上でロボット制御で動かされてもよい。
【0105】
一実施形態では、第1のクランプ150及び第2のクランプ152は、ベース156の移動と連通してコントローラを介して動作する別の構造上に支持される。一実施形態では、第1のクランプ150及び第2のクランプ152の一方又は両方は、1つの自由度を有するロボットアームによって操作され、一実施形態では、1つ又は複数のロボットアームは、複数の自由度を有する。一実施形態では、ベース156がベクトル124に沿った方向でyコネクタ104から遠ざかると、第1のクランプ150及び第2のクランプ152を同期させて動かす跳躍カエル運動を提供するように、第1のクランプ150及び第2のクランプ152は機械的リンクを有するベース上に支持される。
【0106】
図4を参照すると、近接センサ132は、経皮デバイス108の遠位端がyコネクタ104の近位端から出たことを検出して、コントローラに信号を送信する。コントローラは、経皮デバイス108の遠位端126とyコネクタ104との間でガイドワイヤ106をクランプ留めするための信号を近位クランプ118に送信する。一実施形態では、yコネクタは、経皮デバイス108がガイドワイヤ106から完全に取り除かれたときにガイドワイヤの位置を止血弁に対して維持するために十分な力でガイドワイヤ106をクランプ留めするように作動するロボット制御止血弁を含む。近位クランプ118がガイドワイヤ106をクランプ留めすると、車輪114及び116はガイドワイヤ106を解放し、駆動部102は、ガイドワイヤ106の近位端からモノレール部120を取り除くために経路に沿って移動し続ける。経皮デバイス108がガイドワイヤ106から取り除かれると、本明細書で以下に記載されるように手動で又はロボット制御でガイドワイヤ106の近位端に第2の経皮デバイス108を誘導することが可能になる。
【0107】
一実施形態では、第1の経皮デバイスは、ガイドワイヤの遠位端が患者に対して固定位置に維持されている間に、ロボット制御でガイドワイヤから取り除かれる。一実施形態では、ロボットシステムは、遠位端が病変に対して確実に静止したままであるように第1の経皮デバイスの除去中にガイドワイヤの動きを監視する。ガイドワイヤの遠位端が病変に対して確実に固定されたままであるように可動式駆動部102の直線運動に対してローラ車輪の速度が調節されてもよい。ガイドワイヤの遠位端が撮像システムを使用して監視されてもよく、患者の外部のガイドワイヤの一部が、視覚撮像システム又は電気機械インターフェースを通じて適切な動きかどうかを監視されてもよい。
【0108】
説明はラピッドエクスチェンジ経皮デバイス(モノレール)について記載しているが、 システム100は、ラピッドエクスチェンジモノレール型システムとオーバーザワイヤシステムの両方に使用されることも考えられる。
【0109】
図14を参照すると、オーバーザワイヤ経皮デバイス160が、クランプ162の近位端ハブ164に固定されている。クランプ162は、クランプ162及びガイドワイヤ機構170を移動させる駆動部166に動作可能に固定される。駆動部166は、先に駆動部102に関して検討されたスライド部材、ロボットアーム又は他の並進デバイス上でyコネクタ及び/又は止血弁から離れる方向168に動かされる。図15を参照すると、クランプ162は、経皮デバイス160をクランプ162に解放可能にクリップ留めするクリップ部163を含む。
【0110】
モノレール検出:一実施形態では、治療が施されてバルーンカテーテルがガイディングカテーテルに入った後で、バルーンカテーテルは、モノレールがyコネクタから出たと検出されるまで急速に利用して引き込まれる。一実施形態では、モノレール部が検出され、さらなる手動操作又はロボット操作のために制御システムに信号が送信される。一実施形態では、バルーンカテーテルは、当技術分野で周知の経皮線形駆動機構によってコントローラからの信号を介してロボット制御で引き出される。モノレール部の近位端は、本明細書で先に検討された近接センサ132を利用して検出される。バルーンカテーテルへの損傷を回避するためにモノレールの近位端が検出されると、先に検討されたようにガイドワイヤ及びバルーンカテーテルが可動式駆動部102に切り替えられ得るように、コントローラは、経皮線形駆動機構を停止するための信号を送信する。
【0111】
近位動的ガイドワイヤ:一実施形態では、モノレールがyコネクタ及び/又は止血弁の中に進められ又はそれから引き込まれる間、ガイドワイヤは、バルーンカテーテルのモノレールの近位に連続的に保持される。遠位ガイドワイヤクランプがバルーンカテーテルと干渉するときはいつでもこの配置が行われる。
【0112】
ガイドワイヤ遠位クランプ:一実施形態では、第2のクランプ118は、yコネクタの近位側(yコネクタの患者からさらに離れている側)に配置される。第2のクランプ118は、モノレールがyコネクタの近位端から出た後でガイドワイヤを動作可能にクランプ留めする。第2のクランプは、第2の経皮デバイスのモノレールがyコネクタに進む準備ができるまでガイドワイヤに対して維持される。
【0113】
自動バックロード:ガイドワイヤの近位端は、ガイドワイヤに経皮デバイスの1つを装填するために第1又は第2の経皮デバイスに対して保持される。一実施形態では、ガイディング構造が、自動的にガイドワイヤをバックロードするためにガイドワイヤ上で経皮デバイスのモノレールをロボット制御で誘導する。ガイドワイヤは、モノレールがガイドワイヤに対して完全に前進している間、バルーンカテーテル遠位端に対して遠位に連続的に保持される。及び/又は、ガイドワイヤは、ガイドワイヤがモノレールのガイドワイヤ出口ポートを通り過ぎるまでモノレール内を駆動させられる。
【0114】
米国特許出願第15/029,115に電動yコネクタが記載されており、参照により全体が本明細書に組み込まれる。yコネクタ弁の電動式開閉によって、被覆されている経皮デバイスの部分とyコネクタとの間の摩擦を低減することができる。これはyコネクタを通過するときに経皮デバイスの被覆部分への損傷を最小化するためである。装置の固定及びブリードバック(bleedback)制御に加えてこの特徴がある。被覆デバイスを有する経皮デバイスは、薬剤コーティングバルーン又は薬剤溶出バルーンを含む。yコネクタにおける弁の電動式開閉は、経皮デバイス108の遠位端が患者から離れる方向にyコネクタの近位端を超えているときに、yコネクタ及び/又は止血弁に対してガイドワイヤを固定するためのクランプとして使用されてもよい。
【0115】
図19及び図20を参照すると、自動経皮デバイス交換システム200は、装填モジュール202及び駆動モジュール208を含んでいる。第1の経皮デバイス108がガイドワイヤ106から取り外されると、第2の経皮デバイス210がガイドワイヤ106に装填され得る。システム200は、本明細書で先に記載したシステム100と併用されてもよい。駆動モジュール208は、可動式駆動部102と同じであってもよく、又はガイドワイヤ及び経皮デバイスをロボット制御するカセット駆動機構であってもよい。一実施形態では、第2の経皮デバイス210をガイドワイヤに装填する際に別個の駆動モジュール208が使用される。しかしながら、第1の経皮駆動部材をガイドワイヤに装填するためにシステム200が使用されることも考えられる。第1のカテーテル又は経皮デバイス108がガイドワイヤ106から取り除かれると、ガイドワイヤの近位端は、装填モジュール202内に配置される。装填モジュール202は、ガイドワイヤの近位端と止血弁104との間の位置に動かされる。本明細書で以下に検討されるように、装填モジュールは、駆動機構230内のガイドワイヤ106の一部を捕捉するために互いに向かう及び互いから遠ざかる2つのコンポーネントから形成されてもよい。クランプ部材220は、脈管系、患者、患者ベッド、イントロデューサ、又は地面との位置の1つに対してガイドワイヤの遠位端の位置を固定するために、止血弁の近位にガイドワイヤの一部を固定する。先に検討されたように、クランプ部材220は、クランプ118と同じであってもよく、又は止血弁のロボット制御による閉鎖であってもよい。
【0116】
装填モジュール202は、ベクトル236に沿ってガイドワイヤ106を動作可能に移動させるガイドワイヤ駆動部234を含む。一実施形態では、ガイドワイヤ駆動部234は、ガイドワイヤ106を止血弁104に向かって移動させるようにロボット制御で回転させられる車輪などの一対のローラ部材を含む。ガイドワイヤ106が止血弁104に向かって動かされるとき、ガイドワイヤ106の一部228は、非線形的に扱われる必要がある。一実施形態では、ガイドワイヤ106の一部228はコイル状にされる。一実施形態では、一部228がU字状ループを形成するように、一部228はロボット制御で動かされてもよい。ガイドワイヤ106は、ガイドワイヤ106の近位端が装填モジュール202内に配置されるまで止血弁104に向かって動かされる。
【0117】
図21を参照すると、自動経皮デバイス交換システム200は、経皮デバイス210の遠位端を支持しかつガイドワイヤ106の近位端を経皮デバイス210のモノレール部の中に通す装填モジュール202を含む。クランプ220は、yコネクタ104の近位側でガイドワイヤ106の一部を挟む。装填モジュール202が所定の位置に動いた後で、ガイドワイヤ106の近位端は、装填モジュール202の中に通される。一対の車輪が、yコネクタ104から離れる方向にガイドワイヤ106の近位端をロボット制御で駆動する。初期の装填位置において、駆動モジュール208は、装填モジュール202から離れて配置されている。ガイドワイヤの近位先端が経皮デバイスのモノレール部の中に挿入されるように位置合わせされるように、先端は装填モジュール202内の既知の位置に配置される。
【0118】
図22を参照すると、バルーン/ステントカテーテルとして例示されている経皮デバイス210が、モノレールの遠位端がガイドワイヤの近位端に隣接するように、装填モジュール202の中に装填されている。次に、経皮デバイス210は、装填モジュール202及び駆動モジュール208の両方でクランプ留めされる。図23を参照すると、装填モジュール202の駆動部(駆動輪)234が、経皮デバイス210のモノレール部を通るようにガイドワイヤ近位先端を駆動する。ガイドワイヤが経皮デバイスのモノレール部を出るときに、磁石がガイドワイヤを正しい経路に維持することを支援してもよい。
【0119】
図24を参照すると、装填モジュール202は、経皮デバイス210及びガイドワイヤ106を解放して、駆動モジュール208がyコネクタに向かって動くことができるように邪魔にならない所に移動する。図1及び図2に関して先に説明されたように、駆動モジュール102における駆動輪114は、駆動モジュールがyコネクタに向かって移動するときに患者に対して固定位置にガイドワイヤを維持する。一実施形態では、駆動モジュール102は、経皮デバイスを駆動モジュール208にクランプ留めすると共にyコネクタ及び患者の中に及び外へ経皮デバイスを駆動するように一対の車輪226を作動させる駆動モジュール208によって置換されてもよい。
【0120】
図25を参照すると、駆動モジュール208は、yコネクタに隣接して、経皮デバイス及びガイドワイヤの両方を軸方向に駆動させるように動作する。
【0121】
図21を参照すると、以下でさらに詳細に記載される経皮デバイス位置決め器238を含む。経皮デバイス210の遠位端240は、駆動モジュール208を装填モジュール202に向かわせることにより経皮デバイス位置決め器238の中に動かされる。一実施形態では、経皮デバイス位置決め器238は、遠位端240が装填モジュール202の中に動かされるときにオープン構成にある。図22を参照すると、遠位端240が装填位置に入ると、経皮デバイス位置決め器238は、経皮デバイス210を保持して位置合わせするためにクローズ構成へと動く。図23を参照すると、ガイドワイヤ106の近位端及び経皮デバイス210の遠位端が適切に位置合わせされると、ガイドワイヤ106は、ガイドワイヤ駆動部234によって経皮デバイス210の内腔に挿入される。一実施形態では、ガイドワイヤ106の近位端は、駆動モジュール208の中に入ってその中に延びる。図24を参照すると、ガイドワイヤ106の一部228が線形経路に戻ると、駆動モジュール208は、止血弁104に向かって移動して、装填モジュール206は、駆動モジュール208と止血弁104との間の経路から動かされる。図25を参照すると、駆動モジュール208が止血弁104に向かって移動するとき、駆動モジュール208は、ガイドワイヤ106を固定位置に維持するように動作するガイドワイヤ駆動部242を含む。このようにして、経皮デバイス210は、ガイドワイヤ106に沿って動かされる。
【0122】
図26を参照すると、装填モジュール206は、止血弁104に向かって及びそれから離れるようにガイドワイヤ106を動作可能に駆動する一対のローラ車輪243、244を含むガイドワイヤ駆動部234を含む。一実施形態では、装填モジュール206は、互いに向かう及び互いから遠ざかる第1の部分246及び第2の部分248から形成されるベース245を含む。一実施形態では、第1及び第2の部分246、248は、止血弁104及びガイドワイヤ106の一部の長手軸250に対して実質的に垂直のベクトル252に沿って移動する。第1の車輪243が第1の部分246上に配置され、第2の車輪244が第2の部分248上に配置される。一実施形態では、車輪246、248の1つが、リモート制御ステーションにおけるコントローラによってロボット制御される駆動輪である。ガイドワイヤ駆動部234は、ガイドワイヤ106の近位端を経皮デバイス210のガイドワイヤ受け入れ内腔の遠位開口部の中に駆動する。
【0123】
経皮デバイスは、経皮デバイス位置決め器238内に位置付けられる。一実施形態では、ガイドワイヤ受け入れ内腔の遠位開口部がガイドワイヤの近位端を受け入れるように位置付けられるように、経皮デバイス位置決め器238は、経皮デバイス210を確実に位置付けるためのチャネルを形成する。一実施形態では、ガイドワイヤ受け入れ内腔の遠位部の長手軸とガイドワイヤの近位部の長手軸とは同軸である。一実施形態では、ガイドワイヤ受け入れ内腔の遠位部の長手軸とガイドワイヤの近位部の長手軸とは、当技術分野で周知のように経皮デバイス210のガイドワイヤ受け入れ内腔の遠位開口部にガイドワイヤの近位端を挿入することを支援するように、互いに対して鈍角になっている。
【0124】
一実施形態では、経皮デバイス位置決め器238は、ベース245に対して固定位置に経皮デバイスの遠位部を確実に位置付けるように動作する複数の位置決め部材260を含む。一実施形態では、複数の位置決め部材260が第1の部分246上に配置され、複数の位置決め部材が第2の部分248上に配置される。図27-29及び30を参照すると、各位置決め部材は、ベース245に対して経皮デバイスの遠位部の長手軸を確実に位置付ける凹所等の位置決め特徴262を含んでいる。一実施形態では、経皮デバイスの遠位部を確実に受け入れて位置付けるチャネルを形成するために、第1のグループの位置決め部材260及び第2のグループの位置決め部材がラック・ピニオン機構によって互いに向かって及び互いから離れるように動かされる。
【0125】
図27及び図28を参照すると、一実施形態では、センサ254が、経皮デバイス210の遠位端及びガイドワイヤ106の近位先端の位置を検出する。一実施形態では、センサ254は撮像システムに動作可能に結合されるカメラであり、ガイドワイヤの近位端及び経皮デバイスの遠位端の相対位置、及び/又は、より詳細には、経皮デバイスのガイドワイヤ受け入れ内腔への開口部に対する位置を識別する。また、センサ254は、磁気センサ、誘導センサ、超音波センサ、触覚センサ又は当技術分野で周知の他のセンサの1つであることも考えられる。一実施形態では、コントローラは、動作可能に接続される少なくとも1つの位置決め部材260に制御信号を送信して、ガイドワイヤの近位端と経皮デバイスの遠位端とのオフセットに基づいて位置決め部材260を移動させる。一実施形態では、位置決め部材260は、少なくとも2つの自由度で動かされる。図26及び図28を参照すると、センサ254は、ベース245に取り付けられるか又はベース245以外のホルダによって所定の位置に支持されてもよい。一実施形態では、センサ254は、3次元空間でガイドワイヤの近位端及び経皮デバイスの遠位端を識別するための3Dセンサである。一実施形態では、経皮デバイス210は、経皮デバイスの遠位端に近接する1つより多くの内腔開口部を有し、センサ254は、ガイドワイヤ受け入れ内腔開口部を識別して、コントローラは、経皮デバイスのガイドワイヤ受け入れ内腔開口部とガイドワイヤの近位端とを位置合わせするように1つ又は複数のモータに命令する。
【0126】
図31及び32を参照すると、第1の位置において、第1のグループの部材及び第2のグループの部材は、その間にガイドワイヤ及び経皮デバイスの配置を許容する距離だけ離れている。センサが少なくとも1つの方向に沿ってガイドワイヤ及び経皮デバイスの適切な位置を検出すると、部材は、経皮デバイスのガイドワイヤ受け入れ内腔の遠位開口部と共にガイドワイヤの近位端を確実に位置付けるために互いに向かって動かされる。一実施形態では、部材は、ガイドワイヤ106及び経皮デバイス/カテーテル210の両方を位置付けるために使用される。ガイドワイヤを位置付ける第1のグループの部材260によって第1のチャネルが形成され、カテーテルを位置付ける第2のグループの部材260によって第2のチャネルが形成される。一実施形態では、所定の部材260が、バルーン、ステント又は他の治療器具等の治療デバイスを有するカテーテルの部分266に接触しない第3のチャネル領域59を形成する。
【0127】
図33及び図34を参照すると、凹所262における部材260の遠位先端261は、非線形の先端を有する。一実施形態では、先端261の形状は弓型であり、一実施形態では、先端は頂点に収束する。一実施形態では、先端261は、残りの部材260よりも軟質の材料から形成される。
【0128】
図35及び36を参照すると、ガイドワイヤ及び経皮デバイスが装填のために配置されているとき、第1の部分248及び第2の部分246は離れている。ガイドワイヤの遠位端及び経皮デバイスの近位端が互いから設定距離270に配置されると、図37に示すように、部材260は、クローズチャネル位置に動かされて、ガイドワイヤの遠位端は、経皮デバイスのガイドワイヤ内腔の中に進められる。
【0129】
図38及び39を参照すると、部材260は、ガイドワイヤの近位端と経皮デバイスの遠位部を確実に位置合わせするために、経皮デバイスの遠位部をそこに確実に位置付けるように旋回軸280の周りを互いに対して回転してもよい。一実施形態では、位置決め部材は、異なるサイズの経皮デバイスを収容しかつバルーン又はステント等の異なる外径の経皮デバイスの部分を収容するために、その間に異なるチャネルギャップを提供するように別個に又はグループで制御されてもよい。一実施形態では、位置決め部材260のサブセットが、ステント、バルーン、又は他の治療要素等の経皮デバイスの繊細な部分266に近接してより大きな直径のチャネルを提供する。
【0130】
一実施形態では、経皮デバイスからカテーテルを取り外すためのシステムは、止血弁と、カテーテルをベースに解放可能に結合するクランプを有するベースとを含む。ベース駆動部材は、第1の経路に沿って止血弁に対してベースを動かす。カテーテルが第1の経路に沿って動かされている間、機構は、止血弁に対して経皮デバイスの位置を維持する。止血弁という用語は、限定されないが、イントロデューサシースの一部である止血弁、取り外し可能な止血弁アダプタ、止血弁yコネクタ、トーイボースト(touhy-borst)止血弁、及び当技術分野で周知の他の止血弁を含む。一実施形態では、カテーテルは、カテーテル及び止血弁の周りに延びる第2のカテーテルなしで止血弁内に直接受け入れられる。言い換えれば、カテーテルは、イントロデューサシースの止血弁の中を延びるガイディングカテーテル内にカテーテルが配置されない止血弁に直接入っている。
【0131】
バルーンカテーテルが止血弁に直接入っていない例では、バルーンカテーテルはガイディングカテーテルの内腔であり、ガイディングカテーテルは止血弁を通る。一実施形態では、長尺の医療デバイスはガイドワイヤであるが、他の経皮デバイスも考えられる。一実施形態では、第1の経路の少なくとも一部は線形的である。一実施形態では、第1の経路の少なくとも一部は非線形的である。
【0132】
一実施形態では、カテーテルはガイディングカテーテルであり、長尺の医療デバイスはガイドワイヤであり、止血弁はイントロデューサシースに接続される。
【0133】
保持機構110がカテーテル108を解放可能に結合するためのクランプとして作用することも考えられる。また、一実施形態では、保持機構110は、カテーテルの長手軸に沿ってカテーテル108を線形的に駆動することに加えて、そこにカテーテル108を解放可能に結合するように機能する線形駆動部材を含み得ることも考えられる。カテーテルの長手軸は、カテーテルの中央部を通る経路として定義される。
【0134】
一実施形態では、統合型交換システムは、図1-18に示された取り外し機構、及び図19-39で示され本明細書で先に検討された装填器を含むことも考えられる。さらに、ガイドワイヤ、カテーテル等の長尺の医療デバイス、及びガイディングカテーテルのロボット制御による駆動は、リモートワークステーションにおけるコントローラを介して制御されかつ互いに又は別個に装填及び取り外し機構と併せてロボット制御で動作させられ得ることも考えられる。一実施形態では、本明細書で検討されたカテーテル装填及びカテーテル取り外しデバイスは、全てのシステムの適切な機能を可能にするために必要とされる使用位置と非使用位置との間で独立して動かされてもよい。
【0135】
本開示は例示の実施形態を参照して記載されているが、当業者であれば、定義された主題の精神及び範囲から逸脱することなく変化が形状的に及び詳細に行われ得ることを理解するであろう。例えば、異なる例示の実施形態が1つ以上の利点を提供する1つ以上の特徴を含むように記載されているかもしれないが、記載された特徴は、代替的に記載された例示の実施形態及び他の代替的な実施形態において、互いと交換されてもよく、又は互いに結合され得ることも考えられる。本開示の技術は比較的複雑であるので、技術の全ての変化は予測し得るものではない。本開示の記載は、明らかに可能な限り広いことが意図されている。例えば、他に特段の記載がなければ、単一の特定の要素を記載した定義は、複数のこのような特定の要素をも包含している。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
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図12B
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