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特許7234147粒子が充填された繊維プリフォームの製造方法
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  • 特許-粒子が充填された繊維プリフォームの製造方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-27
(45)【発行日】2023-03-07
(54)【発明の名称】粒子が充填された繊維プリフォームの製造方法
(51)【国際特許分類】
   C04B 35/80 20060101AFI20230228BHJP
   B32B 5/26 20060101ALI20230228BHJP
   C04B 35/632 20060101ALI20230228BHJP
【FI】
C04B35/80 300
B32B5/26
C04B35/632
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2019571252
(86)(22)【出願日】2018-06-22
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-08-20
(86)【国際出願番号】 FR2018051515
(87)【国際公開番号】W WO2018234714
(87)【国際公開日】2018-12-27
【審査請求日】2021-06-09
(31)【優先権主張番号】1755787
(32)【優先日】2017-06-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】512162432
【氏名又は名称】サフラン セラミクス
【住所又は居所原語表記】Rue de Touban Les Cinq Chemins 33185 LE HAILLAN FRANCE
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100112357
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 繁樹
(74)【代理人】
【識別番号】100160705
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】パスカル ディス
(72)【発明者】
【氏名】フロラン ドリアーヌ
(72)【発明者】
【氏名】ナターシャ デュエ
【審査官】小川 武
(56)【参考文献】
【文献】特開平03-285877(JP,A)
【文献】特開昭62-235264(JP,A)
【文献】特表2017-503070(JP,A)
【文献】米国特許第04983422(US,A)
【文献】国際公開第2016/016388(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/220727(WO,A1)
【文献】特表2018-512463(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C04B35/00-35/84
B32B5/26
F01D5/28,25/00
F02C7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
粒子が充填された、酸化物マトリックスを有する複合材料部品の繊維強化材を形成することを目的とした繊維プリフォームの製造方法であって、次の工程:
セラミック酸化物の粒子の液体媒体中の懸濁液により含侵された複数の繊維層(6)の積層体(5)を圧縮することにより、充填されたプリフォームを形成すること、
を少なくとも含み、
前記液体媒体が、20℃において2.3kPa未満の飽和蒸気圧を有する少なくとも1種の化合物を含み、この化合物が前記懸濁液の総重量に対して30%以上の質量含有率で存在し、前記粒子が前記懸濁液の総重量に対して40%~70%の質量含有率で存在することを特徴とする方法。
【請求項2】
前記化合物が、20℃において0.6kPa以下の飽和蒸気圧を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記化合物が、グリセロール、乳酸エステル、ジメチル-2-メチルグルタレート、及びこれらの混合物より選ばれる、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記化合物がグリセロールである、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記圧縮が真空引きにより行われる、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記粒子が、前記懸濁液の総重量に対して40%~60%の質量含有率で存在する、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記液体媒体が、
前記懸濁液の総重量に対して30%~50%の質量含有率で前記化合物を含み、かつ
所望により、前記懸濁液の総重量に対して5%~30%の質量含有率で、前記化合物とは異なる溶媒を含み、かつ
所望により、前記懸濁液の総重量に対して1%~15%の質量含有率で、有機バインダを含み、かつ
所望により、前記懸濁液の総重量に対して0.1%~1.5%、例えば0.5~1%の質量含有率で、分散剤を含む、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記繊維層(6)がセラミック酸化物の繊維から形成されている、請求項1~7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記圧縮工程の前に、乾燥状態にある層(6)を堆積させることにより積層体(5)を形成する工程を含み、この堆積された層が次の層を堆積させる前に前記懸濁液により含侵される、請求項1~8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記圧縮工程の前に、前記懸濁液により事前に含侵された層(6)を重ね合わせることにより積層体(5)を形成する工程を含む、請求項1~8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
複合材料製の部品の製造方法であって、次の工程:
請求項1~10のいずれか1項に記載の方法を実施することにより、充填されたプリフォームを形成すること、及び
粒子を焼成することにより、充填されたプリフォームの空隙内にマトリックスを形成すること
を少なくとも含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セラミック酸化物の粒子が充填された繊維プリフォームの製造方法、並びにそのようなプリフォームからの複合材料部品の製造に関する。
【背景技術】
【0002】
酸化物粒子の液体媒体中の懸濁液により含侵された複数の繊維層を積層することにより、酸化物マトリックス複合体製の部品のプリフォームを形成することが知られている。
【0003】
形成された後、この積層体は圧縮され、その最終厚さにされる。次いで、乾燥工程が行われ、懸濁液の液体媒体が除去される。次いで、粒子を焼結することにより、得られた繊維プリフォームの空隙内に酸化物マトリックスが形成される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、そのような方法により得られる部品の機械特性を向上させることが望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、第1の態様によれば、粒子が充填された繊維プリフォームの製造方法であって、次の工程:
セラミック酸化物の粒子の液体媒体中の懸濁液により含侵された複数の繊維層の積層体を圧縮することにより、充填されたプリフォームを形成すること、
を少なくとも含み、
前記液体媒体が、20℃において2.3kPa(2300Pa)未満の飽和蒸気圧を有する少なくとも1種の化合物を含み、この化合物が前記懸濁液の総重量に対して30%以上の質量含有率で存在する方法に関する。
【0006】
本発明者らは、懸濁液の液体媒体の蒸発が速いことに、従来技術の方法の限界があることを見出した。この蒸発は、繊維層の早期の排水を引き起こし、それによってその変形能及び接着強度に影響を与え、この方法を十分に速く行わない場合に、形成された積層体の早期剥離を起こすことになる。さらに、この排水は懸濁液の粘度の上昇を引き起こし、圧縮の間の繊維ネットワークを通過する懸濁液の流れを困難にする。
【0007】
本発明は、従来技術の懸濁液において典型的に用いられている水もしくはアルコールの飽和蒸気圧よりも低い飽和蒸気圧を有する、液体状態の化合物を、少なくとも30質量%の割合で含む懸濁液を用いることを特徴とする。この化合物の存在は、従来技術の懸濁液と比較して、液体媒体の蒸発を遅らせることができる。従って、層は長期の良好な変形能及び良好な接着強度を維持し、積層体の剥離の危険性を低減する。さらに、この懸濁液は圧縮の間に容易に流動し、繊維プリフォーム内の充填材の望ましい分布を引き起こし、部品に目的とする機械特性を達成する。
【0008】
以下、簡便のため、「20℃において2.3kPa未満の飽和蒸気圧を有する化合物」を、単に「化合物」とよぶ。
【0009】
1つの態様において、この化合物は、20℃において0.6kPa(600Pa)以下の飽和蒸気圧を有する。
【0010】
そのような特性は、有利なことに、液体媒体の蒸発速度をさらに低下させることを可能にする。
【0011】
1つの態様において、この化合物は、グリセロール、乳酸エステル、ジメチル-2-メチルグルタレート、及びこれらの混合物より選ばれる。
【0012】
これらの特定の化合物の使用は、有利には、蒸発速度が特に低い懸濁液を与えることができる。
詳細には、この化合物はグリセロールであってよい。
【0013】
1つの態様において、圧縮は真空引きにより行われる。
【0014】
比較的低圧で行われる真空引き法により圧縮を行うため、懸濁液の良好な流動性を利用することができる。この態様は、圧縮を行うために高圧を用いるプレスやオートクレーブを回避する。このため、圧縮の間の繊維積層体にダメージを与える危険性が低下する。
【0015】
1つの態様において、懸濁液中の粒子の体積含有率は、懸濁液の総体積に対して、25%以上である。詳細には、懸濁液は、懸濁液の総体積に対して、25%~50%の体積含有率で粒子を含んでよい。
【0016】
粒子の体積比率の高い懸濁液を使用すると、追加の含侵工程を必要とすることなく、気孔率の低いマトリックスが得られる。
【0017】
1つの態様において、液体媒体は、
前記懸濁液の総重量に対して30%~50%の質量含有率で前記化合物を含み、かつ
前記懸濁液の総重量に対して5%~30%、例えば10%~30%の質量含有率で、前記化合物とは異なる溶媒を含み、かつ
所望により、前記懸濁液の総重量に対して1%~15%、例えば3%~10%の質量含有率で、有機バインダを含み、かつ
所望により、前記懸濁液の総重量に対して0.1%~1.5%、例えば0.5%~1%の質量含有率で、分散剤を含む。
【0018】
1つの態様において、繊維層はセラミック酸化物の繊維から形成される。
【0019】
1つの態様において、本発明の方法は、前記圧縮工程の前に、乾燥状態にある層を堆積させることにより積層体を形成する工程を含み、この堆積された層が次の層を堆積させる前に前記懸濁液により含侵される。
【0020】
又は、本発明の方法は、前記圧縮工程の前に、前記懸濁液により事前に含侵された層を重ね合わせることにより積層体を形成する工程を含む。
【0021】
本発明は、第2の態様によれば、複合材料製の部品の製造方法であって、次の工程:
上記の方法を実施することにより、充填されたプリフォームを形成すること、及び
粒子を焼成することにより、充填されたプリフォームの空隙内にマトリックスを形成すること
を少なくとも含む方法に関する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
本発明の他の特徴及び利点は、添付する図面を参照して以下の非限定的記載から明らかとなるであろう。
図1図1は、本発明の第1の例示的方法の様々な工程を示すフローチャートである。
図2図2は、本発明の第2の例示的方法の様々な工程を示すフローチャートである。
図3図3は、本発明の範囲内の、圧縮工程に可能な態様を説明する略図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
まず、懸濁液で含侵された複数の繊維層により形成された積層体が得られる。この層を形成する繊維は、アルミナを含み、又はアルミナとシリカの混合物を含んでよい。3M社より「Nextel」として市販されている繊維を用いることができる。
【0024】
図1に示す例示的方法において、まず、乾燥状態にある第1の繊維層が基材上に配置される(工程E1)。次いで、この配置された繊維層は、セラミック酸化物製の粒子及び懸濁液の総重量に対して少なくとも30質量%の化合物を含む懸濁液で含侵される。この懸濁液による含侵は、スパチュラもしくはスクレーパーのような、公知の手段によって行ってよい。
【0025】
次いで、乾燥状態にある第2の繊維層が、第1の含侵された繊維層上に配置される(工程E2)。この第2の配置された繊維層は第1の繊維層上に重ね合わされる。図1の例において、所望の数の含侵された層が得られるまで、層は乾燥状態で配置され、次いで懸濁液で含侵され続けられる。
【0026】
上記のように、懸濁液の液体媒体は蒸発速度が低い。これにより、特別な予防措置を講じる必要なく、積層体を達成するための時間がより長くなり、それによって本発明の方法の実施が簡便化される。
【0027】
懸濁液は液体状態の化合物及び粒子を少なくとも含む。この化合物は、グリセロール、乳酸エステル、ジメチル-2-メチルグルタレート、及びこれらの混合物より選ばれる。
【0028】
使用可能な乳酸エステルの例としては、Galactic社より販売されている商品名「galaster NPL98」(20℃における飽和蒸気圧170Pa)又は「galaster NPL98.5」(20℃における飽和蒸気圧110Pa)が挙げられる。ジメチル-2-メチルグルタレートは、20℃において6.3Paの飽和蒸気圧を有する。グリセロールは、20℃において0.3Pa未満の飽和蒸気圧を有する。
【0029】
懸濁液の液体媒体は、少なくとも化合物と、所望により、前記化合物とは異なる溶媒を含む。この溶媒は、例えば、水、又はエタノールのようなアルコールであってよい。溶媒が存在する場合、化合物はこの溶媒に可溶であるか又は混和性であり、又はこの溶媒と懸濁液を形成することができるものである。後者の場合、分散剤を添加することが有利である。
【0030】
溶媒を追加又は除くことにより、懸濁液の粘度を、使用する繊維層の性質に適合させることができ、この層の望ましい含侵を行うことができる。
【0031】
粒子は通常、0.1μm~10μmの平均粒度(D50)を有する。
【0032】
セラミック酸化物粒子は、アルミナ、シリカ、ムライト粒子、又はこれらの粒子の混合物から選ばれる。
【0033】
懸濁液中の、懸濁液の総体積に対する粒子の体積含有率は、25%以上であってよく、又は25%~50%であってよい。この体積含有率は、懸濁液の総体積に対し、35%以上であってもよく、35%~45%であってもよい。特に、この粒子は、懸濁液の総重量に対し、40%~70%、例えば40%~60%の質量含有率で存在してよい。
【0034】
懸濁液の総重量に対する、化合物の質量含有率は、例えば30%~50%である。
【0035】
液体媒体が溶媒を含む場合、懸濁液の総重量に対する、この溶媒の質量含有率は、5%以上であってよい。懸濁液の総重量に対するこの質量含有率は、5%~30%、例えば10%~30%であってよい。
【0036】
懸濁液は、有機バインダ、例えばポリビニルアルコール(PVA)又はアクリルタイプバインダをさらに含んでもよい。有機バインダが存在する場合、懸濁液の総重量に対するその質量含有率は、1%以上、例えば1%~10%であってよい。
【0037】
懸濁液は分散剤をさらに含んでもよい。分散剤が存在する場合、懸濁液の総重量に対するその質量含有率は、0.1%以上、例えば0.1%~1.5%、あるいは0.5%~1%であってよい。
【0038】
懸濁液の様々な成分について示した含有率は、特に示さない限り、繊維層の含侵の際におけるものであり、従って、乾燥を行う場合には、溶媒の乾燥前におけるものである。
【0039】
図3は、本発明の範囲内で実施する、真空引き圧縮装置1を示す。
【0040】
懸濁液で含侵した層6の積層体5が基材3の上に存在している。積層体5は、基材3及び可撓性膜10により区画された内部体積V内に存在している。ガスケット12が膜10と基材3の間に存在し、内部体積Vの気密性を確保している。
【0041】
積層体5は、圧縮を行った後にデバイス1からの取り出しを容易にするため、剥離層布帛の2つの層7の間に配置されている。
【0042】
圧縮(工程E3)は、可撓性膜10に形成されたオリフィス14を通して吸引(矢印A)することにより、体積V内を真空引きすることによって行われる。この真空引きの間、膜10は、その厚みを小さくするために、積層体5に圧縮圧(矢印C)を加える。この加えられた圧縮圧は1バール以下である。
【0043】
上記のように、懸濁液は圧縮工程の間、積層体5内を容易に流れ、圧縮の間に高圧を加えることなく、繊維プリフォームの空隙内に充填材の所望の分布を可能にする。しかしながら、この圧縮を、高い圧縮圧を加えるための他の手段、例えばプレス又はオートクレーブ、により行うことは、本発明の範囲から逸脱するとはみなされない。真空引き圧縮を行うことが好ましい。
【0044】
圧縮工程の最後において、セラミック酸化物が分散した液体媒体で含侵されたプリフォームが得られる。圧縮の間に、積層体の厚さが少なくとも10%低下させることができる。
【0045】
所望により液体媒体中に存在する溶媒は、充填されたプリフォームを乾燥することにより除去してよい(工程E4)。この乾燥の間に50℃~180℃の温度にしてもよい。乾燥時間は1時間以上、又は1時間~24時間であってよい。この乾燥は積層体に圧縮圧力を加えながら、すなわち内部体積Vを真空引きしながらかつ膜10を積層体5上に乗せながら行ってよく、または圧縮後に行ってもよい。
【0046】
圧縮及び乾燥後、複合材料部品を得るためにプリフォームの空隙にマトリックスを形成する。プリフォームは部品の繊維強化を形成するために用いられる。マトリックスは焼結により粒子から形成される(工程E)。マトリックスはアルミナマトリックスのような酸化物マトリックスである。焼結は空気中で行ってよい。焼結は、1000℃以上、例えば1000℃~1200℃の温度において行ってよい。
【0047】
図2は、懸濁液により事前に含侵された層を積層することにより積層体が得られる(工程20)、他の方法に関する。このケースにおいて、層は積層される前に含侵されている。積層体が得られた後は、図1に示した方法と同様に、すなわち圧縮してプリフォームを得ること(工程E30)、充填されたプリフォームの所望の乾燥(工程E40)及び複合材料部品を得るための粒子の焼結(工程E50)が続けられる。
【0048】
通常、繊維層6は一方向のシート又は二次元生地であってよい。
【0049】
繊維層6は、積層体5の形成の間、1つづつ重ねてもよく、又はいくつかの層の群で重ねてもよい。
【0050】
本明細書において、「・・・~・・・」はその境界を含むものである。本発明の実施態様の一部を以下の項目[1]-[12]に記載する。
[1]
粒子が充填された繊維プリフォームの製造方法であって、次の工程:
セラミック酸化物の粒子の液体媒体中の懸濁液により含侵された複数の繊維層(6)の積層体(5)を圧縮することにより、充填されたプリフォームを形成すること、
を少なくとも含み、
前記液体媒体が、20℃において2.3kPa未満の飽和蒸気圧を有する少なくとも1種の化合物を含み、この化合物が前記懸濁液の総重量に対して30%以上の質量含有率で存在することを特徴とする方法。
[2]
前記化合物が、20℃において0.6kPa以下の飽和蒸気圧を有する、項目1に記載の方法。
[3]
前記化合物が、グリセロール、乳酸エステル、ジメチル-2-メチルグルタレート、及びこれらの混合物より選ばれる、項目1又は2に記載の方法。
[4]
前記化合物がグリセロールである、項目3に記載の方法。
[5]
前記圧縮が真空引きにより行われる、項目1~4のいずれかに記載の方法。
[6]
前記粒子が、前記懸濁液の総重量に対して40%~70%の質量含有率で存在する、項目1~5のいずれかに記載の方法。
[7]
前記粒子が、前記懸濁液の総重量に対して40%~60%の質量含有率で存在する、項目6に記載の方法。
[8]
前記液体媒体が、
前記懸濁液の総重量に対して30%~50%の質量含有率で前記化合物を含み、かつ
所望により、前記懸濁液の総重量に対して5%~30%の質量含有率で、前記化合物とは異なる溶媒を含み、かつ
所望により、前記懸濁液の総重量に対して1%~15%の質量含有率で、有機バインダを含み、かつ
所望により、前記懸濁液の総重量に対して0.1%~1.5%、例えば0.5%~1%の質量含有率で、分散剤を含む、項目1~7のいずれかに記載の方法。
[9]
前記繊維層(6)がセラミック酸化物の繊維から形成されている、項目1~8のいずれかに記載の方法。
[10]
前記圧縮工程の前に、乾燥状態にある層(6)を堆積させることにより積層体(5)を形成する工程を含み、この堆積された層が次の層を堆積させる前に前記懸濁液により含侵される、項目1~9のいずれかに記載の方法。
[11]
前記圧縮工程の前に、前記懸濁液により事前に含侵された層(6)を重ね合わせることにより積層体(5)を形成する工程を含む、項目1~9のいずれかに記載の方法。
[12]
複合材料製の部品の製造方法であって、次の工程:
項目1~11のいずれかに記載の方法を実施することにより、充填されたプリフォームを形成すること、及び
粒子を焼成することにより、充填されたプリフォームの空隙内にマトリックスを形成すること
を少なくとも含む方法。
図1
図2
図3