(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-27
(45)【発行日】2023-03-07
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理プログラム、情報処理装置、及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
A63F 13/69 20140101AFI20230228BHJP
A63F 13/58 20140101ALI20230228BHJP
A63F 13/79 20140101ALI20230228BHJP
【FI】
A63F13/69 510
A63F13/69 520
A63F13/58
A63F13/79
(21)【出願番号】P 2020082989
(22)【出願日】2020-05-11
【審査請求日】2022-01-27
(31)【優先権主張番号】P 2019111902
(32)【優先日】2019-06-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000233778
【氏名又は名称】任天堂株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115808
【氏名又は名称】加藤 真司
(74)【代理人】
【識別番号】100130269
【氏名又は名称】石原 盛規
(74)【代理人】
【識別番号】100113549
【氏名又は名称】鈴木 守
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 則人
(72)【発明者】
【氏名】増田 智也
(72)【発明者】
【氏名】伊東 祥太朗
【審査官】宇佐田 健二
(56)【参考文献】
【文献】特許第6514376(JP,B1)
【文献】チモシームッシュ,“美少女×メカ×3Dシューティング=「アリス・ギア・アイギス」レビュー”,GAME Watch,日本,株式会社インプレス,2018年01月15日,全文,全図,https://game.watch.impress.co.jp/docs/review/1100213.html,[2023年1月26日検索]
【文献】飛鳥,“「みんゴル」オシャレも育成も楽しめる。みんゴルファーのカスタマイズ要素を紹介”,4gamer.net,日本,Aetas株式会社,2017年06月17日,全文,全図,https://www.4gamer.net/games/365/G036518/20170616061/,[2023年1月26日検索]
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00-13/98,9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
各種類のゲーム要素が追加効果を有するものと有さないものを有する複数の種類のゲーム要素のいずれかが抽選され得る第1抽選によってゲーム要素を抽選する抽選手段と、
前記第1抽選で抽選されたゲーム要素がユーザにより既に所有されている場合に、当該ユーザが所有する当該ゲーム要素を強化する強化手段と、
前記第1抽選で抽選されたゲーム要素が前記追加効果を有するものである場合に、当該ゲーム要素に対して、当該追加効果の適用を可能にする効果適用可能化手段と、
前記追加効果の適用を可能とされたゲーム要素に対して当該追加効果を適用する効果適用手段と、
を備え、
前記抽選手段は、前記複数の種類の前記ゲーム要素の強化の程度が上限に達している場合に、追加効果アイテムが抽選される確率が前記第1抽選よりも高い第2抽選を行い、
前記効果適用可能化手段は、前記ユーザが所有するゲーム要素に対して前記追加効果アイテムが適用された場合に、当該ゲーム要素について、前記追加効果の適用を可能にする、情報処理システム。
【請求項2】
前記抽選手段は、前記ゲーム要素の強化の程度が上限に達した場合に、当該上限に達しているゲーム要素の抽選確率を低下させて前記第1抽選を行うことにより、前記抽選確率を低下させる前と比べて、当該上限に達しているゲーム要素とは異なる種類のゲーム要素が抽選される確率を上昇させる、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記抽選手段は、前記ゲーム要素の強化の程度が上限に達した場合に、当該上限に達しているゲーム要素の抽選確率を0にする、請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記効果適用可能化手段は、前記ユーザが所有するゲーム要素の種類を当該ユーザが指定したことに基づいて、当該種類のゲーム要素について、前記追加効果アイテムを適用する、請求項1~3のいずれかに記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記第1抽選においては、前記ゲーム要素としてゲームキャラクタが抽選され、
前記第2抽選においては、前記追加効果アイテムを含むゲームアイテムが抽選される、請求項1~4のいずれかに記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記第1抽選においては、前記追加効果アイテムが抽選される確率は0である、請求項1~5のいずれかに記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記効果適用手段は、ユーザの指示に従って前記ゲーム要素に前記追加効果を適用することで、当該ゲーム要素のタイプを切り替える、請求項1~6のいずれかに記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記ゲーム要素は、前記ユーザが所有するゲーム内コンテンツである、請求項1~7のいずれかに記載の情報処理システム。
【請求項9】
前記効果適用手段は、前記ゲーム内コンテンツに前記追加効果を適用することで、当該ゲーム内コンテンツの表示態様を変化させる、請求項8に記載の情報処理システム。
【請求項10】
前記効果適用手段は、前記ゲーム内コンテンツに前記追加効果を適用することで、当該ゲーム内コンテンツの少なくとも一部の色を変化させる、請求項9に記載の情報処理システム。
【請求項11】
前記第1抽選で抽選される前記ゲーム要素は、第1カテゴリと第2カテゴリのゲーム要素を含み、
前記第1カテゴリのゲーム要素は、追加効果を有するものと有さないものが含まれ、
前記第2カテゴリのゲーム要素は、追加効果を有さないもののみを含む、請求項1~10のいずれかに記載の情報処理システム。
【請求項12】
前記第1抽選において、前記ゲーム要素の強化の程度が上限に達していない場合は、前記第1カテゴリのゲーム要素が抽選される可能性は、前記第2カテゴリのゲーム要素が抽選される可能性より低い、請求項11に記載の情報処理システム。
【請求項13】
前記ゲーム要素が強いほど有利に進むゲームを実行するゲーム実行手段をさらに備える、請求項1~12のいずれかに記載の情報処理システム。
【請求項14】
前記追加効果は、前記ゲームが有利に進むかどうかには無関係である、請求項13に記載の情報処理システム。
【請求項15】
情報処理装置のコンピュータにおいて実行される情報処理プログラムであって、前記コンピュータを、
各種類のゲーム要素が追加効果を有するものと有さないものを有する複数の種類のゲーム要素のいずれかが抽選され得る第1抽選によってゲーム要素を抽選する抽選手段、
前記第1抽選で抽選されたゲーム要素がユーザにより既に所有されている場合に、当該ユーザが所有する当該ゲーム要素を強化する強化手段、
前記第1抽選で抽選されたゲーム要素が前記追加効果を有するものである場合に、当該ゲーム要素に対して、当該追加効果の適用を可能にする効果適用可能化手段、及び
前記追加効果の適用を可能とされたゲーム要素に対して当該追加効果を適用する効果適用手段、
として機能させ、
前記抽選手段は、前記複数の種類の前記ゲーム要素の強化の程度が上限に達している場合に、追加効果アイテムが抽選される確率が前記第1抽選よりも高い第2抽選を行い、
前記効果適用可能化手段は、前記ユーザが所有するゲーム要素に対して前記追加効果アイテムが適用された場合に、当該ゲーム要素について、前記追加効果の適用を可能にする、情報処理プログラム。
【請求項16】
情報処理装置のコンピュータにおいて実行される情報処理プログラムであって、前記コンピュータを、
各種類のゲーム要素が追加効果を有するものと有さないものを有する複数の種類のゲーム要素のいずれかが抽選され得る第1抽選によってゲーム要素を抽選する抽選手段、
前記第1抽選で抽選されたゲーム要素がユーザにより既に所有されている場合に、当該ユーザが所有する当該ゲーム要素を強化する強化手段、及び
前記第1抽選で抽選されたゲーム要素が前記追加効果を有するものである場合に、当該ゲーム要素に対して、当該追加効果の適用を可能にする効果適用可能化手段、
として機能させ、
前記抽選手段は、前記複数の種類の前記ゲーム要素の強化の程度が上限に達している場合に、追加効果アイテムが抽選される確率が前記第1抽選よりも高い第2抽選を行い、
前記効果適用可能化手段は、前記ユーザが所有するゲーム要素に対して前記追加効果アイテムが適用された場合に、当該ゲーム要素について、前記追加効果の適用を可能にする、情報処理プログラム。
【請求項17】
各種類のゲーム要素が追加効果を有するものと有さないものを有する複数の種類のゲーム要素のいずれかが抽選され得る第1抽選によってゲーム要素を抽選する抽選手段と、
前記第1抽選で抽選されたゲーム要素がユーザにより既に所有されている場合に、当該ユーザが所有する当該ゲーム要素を強化する強化手段と、
前記第1抽選手段で抽選されたゲーム要素が前記追加効果を有するものである場合に、当該ゲーム要素に対して、当該追加効果の適用を可能にする効果適用可能化手段と、
前記追加効果の適用を可能とされたゲーム要素に対して当該追加効果を適用する効果適用手段と、
を備え、
前記抽選手段は、前記複数の種類の前記ゲーム要素の強化の程度が上限に達している場合に、追加効果アイテムが抽選される確率が前記第1抽選よりも高い第2抽選を行い、
前記効果適用可能化手段は、前記ユーザが所有するゲーム要素に対して前記追加効果アイテムが適用された場合に、当該ゲーム要素について、前記追加効果の適用を可能にする、情報処理装置。
【請求項18】
各種類のゲーム要素が追加効果を有するものと有さないものを有する複数の種類のゲーム要素のいずれかが抽選され得る第1抽選によってゲーム要素を抽選する抽選手段と、
前記第1抽選で抽選されたゲーム要素がユーザにより既に所有されている場合に、当該ユーザが所有する当該ゲーム要素を強化する強化手段と、
前記第1抽選手段で抽選されたゲーム要素が前記追加効果を有するものである場合に、当該ゲーム要素に対して、当該追加効果の適用を可能にする効果適用可能化手段と、
を備え、
前記抽選手段は、前記複数の種類の前記ゲーム要素の強化の程度が上限に達している場合に、追加効果アイテムが抽選される確率が前記第1抽選よりも高い第2抽選を行い、
前記効果適用可能化手段は、前記ユーザが所有するゲーム要素に対して前記追加効果アイテムが適用された場合に、当該ゲーム要素について、前記追加効果の適用を可能にする、情報処理装置。
【請求項19】
各種類のゲーム要素が追加効果を有するものと有さないものを有する複数の種類のゲーム要素のいずれかが抽選され得る第1抽選によってゲーム要素を抽選する抽選ステップと、
前記第1抽選で抽選されたゲーム要素がユーザにより既に所有されている場合に、当該ユーザが所有する当該ゲーム要素を強化する強化ステップと、
前記第1抽選で抽選されたゲーム要素が前記追加効果を有するものである場合に、当該ゲーム要素に対して、当該追加効果の適用を可能にする効果適用可能化ステップと、
前記追加効果の適用を可能とされたゲーム要素に対して当該追加効果を適用する効果適用ステップと、
を含み、
前記抽選ステップは、前記複数の種類の前記ゲーム要素の強化の程度が上限に達している場合に、追加効果アイテムが抽選される確率が前記第1抽選よりも高い第2抽選を行い、
前記効果適用可能化ステップは、前記ユーザが所有するゲーム要素に対して前記追加効果アイテムが適用された場合に、当該ゲーム要素について、前記追加効果の適用を可能にする、情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数種類のゲーム要素を抽選で取得する情報処理システム、情報処理プログラム、情報処理装置、及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザが複数種類のプレイヤキャラクタを所有し、ユーザが自己の所有しているプレイヤキャラクタの中からいずれかのプレイヤキャラクタを選択して用いてゲームのステージ、試合、バトル等をプレイできるようにしたゲームが知られている(例えば、特許文献1)。
【0003】
このようなゲームにおいて、ユーザは、ゲーム内で設定された仮想の通貨等を消費してプレイヤキャラクタの抽選を行うことで、所有するプレイヤキャラクタの種類を増やすことができる。ユーザには、プレイヤキャラクタをコレクションする楽しみが与えられ、プレイヤキャラクタが種類ごとに異なる能力ないし技能を有している場合には、プレイヤキャラクタを使い分けることでゲームの趣向性が向上する。
【0004】
また、このようなゲームでは、ユーザが所有しているプレイヤキャラクタには技能レベルが設定されており、抽選においてユーザがすでに所有しているプレイヤキャラクタが当選した場合には、当該プレイヤキャラクタの技能を強化する。これにより、ユーザがすでに所有しているプレイヤキャラクタと同じプレイヤキャラクタを引き当ててしまった場合にも、ユーザに利益を与えることができる。
【0005】
一方、上記のように複数の種類のプレイヤキャラクタが登場するゲームにおいて、同一のプレイヤキャラクタについて色違い等の変化を加えた別タイプのプレイヤキャラクタが用意されることがある。また、このような別タイプのプレイヤキャラクタが抽選の候補の中に、小さい当選確率で含まれていることもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、ユーザが複数種類のゲーム要素を抽選で取得する情報処理における抽選の趣向性を向上させることを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様の情報処理システムは、各種類のゲーム要素が追加効果を有するものと有さないものを有する複数の種類のゲーム要素のいずれかが抽選され得る第1抽選によってゲーム要素を抽選する抽選手段と、前記第1抽選で抽選されたゲーム要素がユーザにより既に所有されている場合に、当該ユーザが所有する当該ゲーム要素を強化する強化手段と、前記第1抽選で抽選されたゲーム要素が前記追加効果を有するものである場合に、当該ゲーム要素に対して、当該追加効果の適用を可能にする効果適用可能化手段と、前記追加効果の適用を可能とされたゲーム要素に対して当該追加効果を適用する効果適用手段とを備え、前記抽選手段は、前記複数の種類の前記ゲーム要素の強化の程度が上限に達している場合に、追加効果アイテムが抽選される確率が前記第1抽選よりも高い第2抽選を行い、前記効果適用可能化手段は、前記ユーザが所有するゲーム要素に対して前記追加効果アイテムが適用された場合に、当該ゲーム要素について、前記追加効果の適用を可能にする構成を有している。
【0009】
この構成によれば、ゲーム要素(例えば、プレイヤキャラクタ)を抽選する第1抽選において、すでに所有しているゲーム要素を引き当てた場合には、当該ゲーム要素を強化できるとともに、追加効果(例えば、所有するゲーム要素を変種にする)も第1抽選で取得でき、かつ、各種類のゲーム要素の強化の程度が上限に達した場合には、所有しているゲーム要素に適用することで当該ゲーム要素に追加効果を適用可能な追加効果アイテムが抽選され得る第2抽選が行われるので、抽選の興趣性を向上できる。すなわち、第2抽選を設けることで、第1抽選で追加効果を有するゲーム要素が抽選されないまま、そのゲーム要素の強化の程度が上限に達してしまった後にも、そのゲーム要素に追加効果を適用する機会が担保されることになる。
【0010】
上記の情報処理システムにおいて、前記抽選手段は、前記ゲーム要素の強化の程度が上限に達した場合に、当該上限に達しているゲーム要素の抽選確率を低下させて前記第1抽選を行うことにより、前記抽選確率を低下させる前と比べて、当該上限に達しているゲーム要素とは異なる種類のゲーム要素が抽選される確率を上昇させてよい。この構成によれば、早くすべてのゲーム要素を上限まで強化できる。なお、抽選確率を低下させることには、抽選確率を0にすることが含まれる。すなわち、強化の程度が上限に達したゲーム要素は第1抽選において抽選されないようにしてよい。
【0011】
上記の情報処理システムにおいて、前記効果適用可能化手段は、前記ユーザが所有するゲーム要素の種類を当該ユーザが指定したことに基づいて、当該種類のゲーム要素について、前記追加効果アイテムを適用してよい。この構成により、ユーザは、自己が所有する任意のゲーム要素について、追加効果アイテムを適用できる。
【0012】
上記の情報処理システムにおいて、前記第1抽選においては、前記ゲーム要素としてゲームキャラクタが抽選されてよく、前記第2抽選においては、前記追加効果アイテムを含むゲームアイテムが抽選されてよい。この構成により、第1抽選及び第2抽選によって、ゲームキャラクタ及びゲームアイテムを取得することができる。
【0013】
上記の情報処理システムにおいて、前記第1抽選においては、前記追加効果アイテムが抽選される確率は0であってよい。この構成により、第1抽選によってゲームキャラクタの抽選及びその強化が行われ、その後に第2抽選によって追加効果アイテムが抽選され得る。
【0014】
上記の情報処理システムにおいて、前記効果適用手段は、ユーザの指示に従って前記ゲーム要素に前記追加効果を適用することで、当該ゲーム要素のタイプを切り替えてよい。この構成により、ゲーム要素に追加効果を適用して当該ゲーム要素のタイプを切り替えることができる。なお、ゲーム要素のタイプを切り替えた場合にも、当該ゲーム要素の強化の程度は維持してよい。
【0015】
上記の情報処理システムにおいて、前記ゲーム要素は、前記ユーザが所有するゲーム内コンテンツであってよい。この構成により、ゲーム内のコンテンツについて、抽選による所有、強化、追加効果の適用を行うことができる。
【0016】
上記の情報処理システムにおいて、前記効果適用手段は、前記ゲーム内コンテンツに前記追加効果を適用することで、当該ゲーム内コンテンツの表示態様を変化させてよい。
【0017】
上記の情報処理システムにおいて、前記効果適用手段は、前記ゲーム内コンテンツに前記追加効果を適用することで、当該ゲーム内コンテンツの少なくとも一部の色を変化させてよい。
【0018】
上記の情報処理システムにおいて、前記第1抽選で抽選される前記ゲーム要素は、第1カテゴリと第2カテゴリのゲーム要素を含んでいてよく、前記第1カテゴリのゲーム要素は、追加効果を有するものと有さないものが含まれてよく、前記第2カテゴリのゲーム要素は、追加効果を有さないもののみを含んでいてよい。
【0019】
上記の情報処理システムにおいて、前記第1抽選において、前記ゲーム要素の強化の程度が上限に達していない場合は、前記第1カテゴリのゲーム要素が抽選される可能性は、前記第2カテゴリのゲーム要素が抽選される可能性より低くてよい。
【0020】
上記の情報処理システムは、前記ゲーム要素が強いほど有利に進むゲームを実行するゲーム実行手段をさらに備えていてよい。
【0021】
上記の情報処理システムにおいて、前記追加効果は、前記ゲームが有利に進むかどうかには無関係であってよい。
【0022】
本発明の一態様の情報処理プログラムは、情報処理装置のコンピュータにおいて実行される情報処理プログラムであって、前記コンピュータを、各種類のゲーム要素が追加効果を有するものと有さないものを有する複数の種類のゲーム要素のいずれかが抽選され得る第1抽選によってゲーム要素を抽選する抽選手段、前記第1抽選で抽選されたゲーム要素がユーザにより既に所有されている場合に、当該ユーザが所有する当該ゲーム要素を強化する強化手段、前記第1抽選で抽選されたゲーム要素が前記追加効果を有するものである場合に、当該ゲーム要素に対して、当該追加効果の適用を可能にする効果適用可能化手段、及び前記追加効果の適用を可能とされたゲーム要素に対して当該追加効果を適用する効果適用手段として機能させ、前記抽選手段は、前記複数の種類の前記ゲーム要素の強化の程度が上限に達している場合に、追加効果アイテムが抽選される確率が前記第1抽選よりも高い第2抽選を行い、前記効果適用可能化手段は、前記ユーザが所有するゲーム要素に対して前記追加効果アイテムが適用された場合に、当該ゲーム要素について、前記追加効果の適用を可能にする構成を有している。
【0023】
本発明の一態様の情報処理プログラムは、情報処理装置のコンピュータにおいて実行される情報処理プログラムであって、前記コンピュータを、各種類のゲーム要素が追加効果を有するものと有さないものを有する複数の種類のゲーム要素のいずれかが抽選され得る第1抽選によってゲーム要素を抽選する抽選手段、前記第1抽選で抽選されたゲーム要素がユーザにより既に所有されている場合に、当該ユーザが所有する当該ゲーム要素を強化する強化手段、及び前記第1抽選で抽選されたゲーム要素が前記追加効果を有するものである場合に、当該ゲーム要素に対して、当該追加効果の適用を可能にする効果適用可能化手段として機能させ、前記抽選手段は、前記複数の種類の前記ゲーム要素の強化の程度が上限に達している場合に、追加効果アイテムが抽選される確率が前記第1抽選よりも高い第2抽選を行い、前記効果適用可能化手段は、前記ユーザが所有するゲーム要素に対して前記追加効果アイテムが適用された場合に、当該ゲーム要素について、前記追加効果の適用を可能にする構成を有している。
【0024】
本発明の一態様の情報処理装置は、各種類のゲーム要素が追加効果を有するものと有さないものを有する複数の種類のゲーム要素のいずれかが抽選され得る第1抽選によってゲーム要素を抽選する抽選手段と、前記第1抽選で抽選されたゲーム要素がユーザにより既に所有されている場合に、当該ユーザが所有する当該ゲーム要素を強化する強化手段と、前記第1抽選手段で抽選されたゲーム要素が前記追加効果を有するものである場合に、当該ゲーム要素に対して、当該追加効果の適用を可能にする効果適用可能化手段と、前記追加効果の適用を可能とされたゲーム要素に対して当該追加効果を適用する効果適用手段と、を備え、前記抽選手段は、前記複数の種類の前記ゲーム要素の強化の程度が上限に達している場合に、追加効果アイテムが抽選される確率が前記第1抽選よりも高い第2抽選を行い、前記効果適用可能化手段は、前記ユーザが所有するゲーム要素に対して前記追加効果アイテムが適用された場合に、当該ゲーム要素について、前記追加効果の適用を可能にする構成を有している。
【0025】
本発明の一態様の情報処理装置は、各種類のゲーム要素が追加効果を有するものと有さないものを有する複数の種類のゲーム要素のいずれかが抽選され得る第1抽選によってゲーム要素を抽選する抽選手段と、前記第1抽選で抽選されたゲーム要素がユーザにより既に所有されている場合に、当該ユーザが所有する当該ゲーム要素を強化する強化手段と、前記第1抽選手段で抽選されたゲーム要素が前記追加効果を有するものである場合に、当該ゲーム要素に対して、当該追加効果の適用を可能にする効果適用可能化手段とを備え、前記抽選手段は、前記複数の種類の前記ゲーム要素の強化の程度が上限に達している場合に、追加効果アイテムが抽選される確率が前記第1抽選よりも高い第2抽選を行い、前記効果適用可能化手段は、前記ユーザが所有するゲーム要素に対して前記追加効果アイテムが適用された場合に、当該ゲーム要素について、前記追加効果の適用を可能にする構成を有している。
【0026】
本発明の一態様の情報処理方法は、各種類のゲーム要素が追加効果を有するものと有さないものを有する複数の種類のゲーム要素のいずれかが抽選され得る第1抽選によってゲーム要素を抽選する抽選ステップと、前記第1抽選で抽選されたゲーム要素がユーザにより既に所有されている場合に、当該ユーザが所有する当該ゲーム要素を強化する強化ステップと、前記第1抽選で抽選されたゲーム要素が前記追加効果を有するものである場合に、当該ゲーム要素に対して、当該追加効果の適用を可能にする効果適用可能化ステップと、前記追加効果の適用を可能とされたゲーム要素に対して当該追加効果を適用する効果適用ステップとを含み、前記抽選ステップは、前記複数の種類の前記ゲーム要素の強化の程度が上限に達している場合に、追加効果アイテムが抽選される確率が前記第1抽選よりも高い第2抽選を行い、前記効果適用可能化ステップは、前記ユーザが所有するゲーム要素に対して前記追加効果アイテムが適用された場合に、当該ゲーム要素について、前記追加効果の適用を可能にする構成を有している。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、第2抽選を設けることで、第1抽選で追加効果を有するゲーム要素が抽選されないまま、そのゲーム要素の強化の程度が上限に達してしまった後にも、そのゲーム要素に追加効果を適用する機会が担保されることになるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】
図1は、本発明の実施の形態における情報処理システムの構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、本発明の実施の形態における情報処理システムの機能的な構成を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、本発明の実施の形態における抽選を開始するための抽選画面の例を示す図である。
【
図4】
図4は、本発明の実施の形態における初期状態の第1抽選の抽選条件の例を示す表である。
【
図5】
図5は、本発明の実施の形態における1つの第2カテゴリキャラクタの技能レベルが上限に達した場合の第1抽選の抽選条件の例を示す表である。
【
図6】
図6は、本発明の実施の形態における1つの第1カテゴリキャラクタの技能レベルが上限に達した場合の第1抽選の抽選条件の例を示す表である。
【
図7】
図7は、本発明の実施の形態における第2抽選の抽選条件の例を示す表である。
【
図8】
図8は、本発明の実施の形態におけるキャラクタ選択画面の例を示す図である。
【
図9】
図9は、本発明の実施の形態におけるキャラクタ画面の例を示す図である。
【
図10】
図10は、本発明の実施の形態におけるキャラクタ画面の例を示す図である。
【
図11】
図11は、本発明の実施の形態におけるゲームキャラクタの技能レベルの強化の過程を示す図である。
【
図12】
図12は、本発明の実施の形態における情報処理方法のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の実施の形態のゲームシステムについて、図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、本発明を実施する場合の一例を示すものであって、本発明を以下に説明する具体的構成に限定するものではない。本発明の実施にあたっては、実施の形態に応じた具体的構成が適宜採用されてよい。
【0030】
図1は、本発明の実施の形態における情報処理システムの構成を示すブロック図である。本実施の形態では、情報処理システムは、ゲームに関する情報処理を行うゲームシステムとして構成される。また、本実施の形態では、ゲームシステム100は、ゲーム端末70とゲームサーバ80とを備えている。ゲーム端末70及びゲームサーバ80は、それぞれ通信装置74及び通信装置84を備えており、互いに通信可能である。ゲームサーバ80は、通信ネットワーク上に設けられており、複数のゲーム端末70がゲームサーバ80にアクセスすることができる。
【0031】
ゲーム端末70は、プロセッサ71、メモリ72、タッチパネル73、及び通信装置74を備えている。ゲームサーバ80は、プロセッサ81、メモリ82、記憶装置83、及び通信装置84を備えている。ゲーム端末70は、ユーザによって所有され、ユーザがゲームをプレイするときに操作する端末である。ゲーム端末70は、スマートフォンのようなゲーム以外の情報処理も行う汎用的なコンピュータ装置であってよく、あるいは、ゲーム専用の端末であってもよい。ゲームサーバ80は、本実施の形態のゲームをユーザに提供する者が管理するサーバであって、ゲームサーバ80も各種の情報処理サーバとして機能するものであっても、ゲーム専用のサーバであってもよい。
【0032】
ゲーム端末70及びゲームサーバ80では、プロセッサ71及びプロセッサ81がそれぞれ本発明の実施の形態のゲームプログラム及びゲームサーバプログラムを実行することで、以下に説明する機能が構成される。これらのゲームプログラム及びゲームサーバプログラムは、それぞれ通信ネットワークを通じてゲーム端末70及びゲームサーバ80に提供されてもよいし、記録媒体を通じてゲーム端末70及びゲームサーバ80に提供されてもよい。
【0033】
まず、本実施の形態のゲームの概要を説明する。このゲームでは、ユーザは、複数種類のゲームキャラクタ、複数種類のアイテム、ゲーム内仮想通貨を所有することができる。ユーザが所有しているゲームキャラクタ、アイテム、ゲーム内仮想通貨は、ユーザIDや当該ユーザのゲーム内ステータス(例えば、プレイヤレベル、クリアしたステージ、獲得したポイント等)とともにゲームサーバ80の記憶装置83に記憶されて維持され、必要に応じて更新される。ゲーム内仮想通貨は、ゲーム内で所定の条件を満たすことで取得されてよく、あるいは、課金をすることで購入可能であってもよい。
【0034】
なお、ゲームキャラクタやアイテムを描画してタッチパネル73に表示するための描画データは、当該ゲームキャラクタやアイテムをユーザが所有しているか否かにかかわらずにゲーム端末70に記憶され、ユーザが当該ゲームキャラクタやアイテムを取得したときに、ゲームにおいて当該ゲームキャラクタやアイテムを有効化して、描画しつつゲームに反映させるようにしてよい。あるいは逆に、ユーザがゲームキャラクタやアイテムを取得したときに、ゲームサーバ80からゲーム端末70に、当該ゲームキャラクタやアイテムを描画するためのデータがダウンロードされてもよい。
【0035】
しかしながら、ゲームの各ステージにおいて、ユーザは、自分が所有しているゲームキャラクタのいずれかを選択して設定し、ゲームを開始する。各ゲームキャラクタには技能が定義されており、ユーザは、ゲームにおいて所定の条件を満たすことで、そのステージにおいて設定したゲームキャラクタに対応した技能により、ゲームを有利に進めることができる。この技能には強さの程度(技能レベル)が設定されており、技能レベルを高くすることで、例えば効果が強くなったり、技能の発生条件が緩和されたりする(技能が発動しやすくなる)など、ユーザにとって有利となる。
【0036】
ユーザは、ゲーム内仮想通貨を消費することでゲームキャラクタを取得できる。複数種類のゲームキャラクタのうちのいずれの種類を取得するかは抽選で決定される。すなわち、ユーザは、ゲーム内仮想通貨を消費することでゲームキャラクタの抽選を行うことができる。複数種類のゲームキャラクタは、第1カテゴリキャラクタ(第1のカテゴリ)と第2カテゴリキャラクタ(第2のカテゴリ)とに分けられる。第1キャラクタに属する各ゲームキャラクタには、後述する外見変更キャラクタが用意されている。
【0037】
図2は、本発明の実施の形態における情報処理システムの機能的な構成を示すブロック図である。情報処理システムとしてのゲームシステム100は、抽選部10、抽選後処理部20、ゲーム前処理部30、及びゲーム実行部40を備えている。なお、
図2では、本発明の説明に必要な構成を示しているが、ゲームシステム100は
図2に示した構成に加えて他の機能を有していてもよい。本実施の形態では、抽選部10及び抽選後処理部20は、ゲームサーバ80に設けられ、ゲーム前処理部30及びゲーム実行部40は、ゲーム端末70に設けられる。ただし、ユーザによる指示はゲーム端末70の入力手段としてのタッチパネル73にて行われ、各種の画面はゲーム端末70の表示手段としてのタッチパネル73に表示される。
【0038】
抽選部10は、第1抽選部11と第2抽選部12とを備え、ゲームキャラクタやアイテムの抽選を行う。抽選後処理部20は、抽選部10にて抽選が行われた場合に、その抽選結果を反映させる処理を行う。抽選後処理部20は、キャラクタ追加部21と、アイテム追加部22と、強化部23と、効果適用可能化部24とを備えている。
【0039】
図3は、本発明の実施の形態における抽選を開始するための抽選画面の例を示す図である。上述のように、抽選はゲーム内仮想通貨を消費することで行うことができる。本実施の形態では、ゲーム内仮想通貨として、第1仮想通貨及び第2仮想通貨が用いられる。
図3の例では、第1仮想通貨を消費して抽選を行う場合の消費量は5枚であり、第2仮想通貨を消費して抽選を行う場合の消費量は1枚である。
図3における第1仮想通貨5枚又は第2仮想通貨1枚のいずれかのボタンをタップすることで、抽選部10は、抽選処理を開始する。
【0040】
第1抽選部11は、複数の種類のゲームキャラクタのいずれかが抽選され得る第1抽選を行う。本実施の形態では、第1抽選で抽選され得るものは、第1カテゴリキャラクタ及び第2カテゴリキャラクタを含むゲームキャラクタであり、後述する追加効果アイテムを含むアイテムは抽選候補とはなっていない。すなわち、本実施の形態では、第1抽選における追加効果アイテムの抽選確率は0である。第1抽選では、ユーザがすでに所有しているゲームキャラクタも抽選候補となる。そのため、ユーザがすでに所有しているゲームキャラクタが当選(出現)することもある。
【0041】
キャラクタ追加部21は、第1抽選部11で第1抽選が行われて、あるゲームキャラクタが当選した場合において、記憶装置83を参照して、ユーザが当該ゲームキャラクタをまだ所有していないことを確認したときは、当該ゲームキャラクタを当該ユーザ所有のゲームキャラクタとして新たに追加する。
【0042】
一方、強化部23は、第1抽選部11で第1抽選が行われて、あるゲームキャラクタが当選した場合において、記憶装置83を参照して、ユーザが当該ゲームキャラクタをすでに所有していることを確認したときは、当該ゲームキャラクタの技能レベルを向上させることで、当該ゲームキャラクタを強化する。ただし、例えば、技能レベル3以降は、技能レベルを上昇させるためにゲームキャラクタを複数回重複して入手する必要がある仕様にしてもよい。本実施の形態では、技能レベルは1~10で設定されている。
【0043】
上述のように、ゲームキャラクタのうちの第1カテゴリキャラクタには、通常の第1カテゴリキャラクタ(以下、「通常キャラクタ」という。)と、通常キャラクタの外見が変更された第1カテゴリキャラクタ(以下、「外見変更キャラクタ」という。)とが用意されている。第1抽選の抽選候補には、第1カテゴリキャラクタの外見変更キャラクタも含まれている。なお、外見変更キャラクタは、外見が通常キャラクタとは異なるものの、それ以外の優位性はなく、特に通常キャラクタと比較してゲームをより有利に進めることができる等の効果はない。これに代えて、外見変更キャラクタを、通常キャラクタと比較してゲームをより有利に進めることができる等、通常キャラクタより優れた特性を有するものとしてもよい。
【0044】
抽選後処理部20は、第1抽選において外見変更キャラクタが当選した場合には、上記と同様に、キャラクタ追加部21による当該ゲームキャラクタの追加又は強化部23による当該ゲームキャラクタの強化の処理を行うとともに、それに加えて、効果適用可能化部24が、追加効果としての当該ゲームキャラクタの外見の変更を可能な状態にする。すなわち、第1抽選で抽選される外見変更キャラクタは、当該ゲームキャラクタの外見を変更するという追加効果を有するゲームキャラクタである。
【0045】
第1抽選部11の第1抽選によってゲームキャラクタが重複して当選するたびに強化部13がゲームキャラクタの技能レベルを向上させていった結果、あるゲームキャラクタの技能レベルが上限である10に達すると、第1抽選部11は、当該ゲームキャラクタを第1抽選の抽選候補から除外して、当該ゲームキャラクタがそれ以降の第1抽選において抽選されないようにする。
【0046】
図4は、本発明の実施の形態における初期状態の第1抽選の抽選条件の例を示す表である。この例では、抽選候補として5種類の第1カテゴリキャラクタと10種類の第2カテゴリキャラクタが用意されている。5種類の第1カテゴリキャラクタの各々には外見変更キャラクタが用意されているので、外見変更キャラクタも5種類である。
【0047】
各通常キャラクタの当選確率は7.92%であり、5種類のいずれかの第1カテゴリキャラクタが当選する確率は(7.92%×5種類=)39.6%となる。また、各外見変更キャラクタの当選確率は0.2%であり、5種類のいずれかの外見変更キャラクタが当選する確率は(0.2%×5種類=)1.0%となる。また、各第2カテゴリキャラクタの当選確率は5.94%であり、いずれかの第2カテゴリキャラクタが当選する確率は(5.94%×10種類=)59.4%となる。
【0048】
即ち、第1抽選において、第1カテゴリキャラクタの当選確率は第2カテゴリキャラクタの当選確率より低く設定され、外見変更キャラクタの当選確率は通常キャラクタの当選確率よりも大幅に低く設定されている。
【0049】
図5は、本発明の実施の形態における1つの第2カテゴリキャラクタの技能レベルが上限に達した場合の第1抽選の抽選条件の例を示す表である。技能レベルが上限に達した第2カテゴリキャラクタは、第1抽選の抽選候補から除外されるため、第2カテゴリキャラクタの数量は10から9に減少している。この一部の抽選候補の除外に伴って、各通常キャラクタ、各外見変更キャラクタ、及び残された各第2カテゴリキャラクタの個別の当選確率はいずれも高く設定されている。このとき、いずれかの通常キャラクタが当選する確率、いずれかの外見変更キャラクタが当選する確率、及びいずれかの第2カテゴリキャラクタが当選する確率の割合が、
図4に示した初期状態と近い割合となるように、各個別の当選確率が調整される。
【0050】
図6は、本発明の実施の形態における1つの第1カテゴリキャラクタの技能レベルが上限に達した場合の第1抽選の抽選条件の例を示す表である。技能レベルが上限に達した第1カテゴリキャラクタは、第1抽選の抽選候補から除外されるため、通常キャラクタ及び外見変更キャラクタの数量はいずれも5から4に減少している。この一部の抽選候補の除外に伴って、残された各通常キャラクタ及び外見変更キャラクタ、並びに各第2カテゴリキャラクタの個別の当選確率はいずれも高く設定されている。このときにも、いずれかの通常キャラクタが当選する確率、いずれかの外見変更キャラクタが当選する確率、及びいずれかの第2カテゴリキャラクタが当選する確率の割合が、
図4に示した初期状態と近い割合となるように、各個別の当選確率が調整される。
【0051】
すべてのゲームキャラクタの技能レベルが上限に達したときには、すべてのゲームキャラクタが第1抽選の抽選候補から除外され、抽選され得るゲームキャラクタがなくなる。そこで、抽選部10は、複数の種類のゲームキャラクタの強化の程度(技能レベル)が上限である10に達している場合に、第2抽選部12に、追加効果アイテムを含むアイテムが抽選され得る第2抽選を行わせる。
【0052】
図7は、本発明の実施の形態における第2抽選の抽選条件の例を示す表である。第2抽選では、アイテム5個セットが当選する。第2抽選では、アイテム1~5の中から重複を許して任意に5つのアイテムを選択する。5個セットを選択する際の各アイテムの選択確率は均一である。また、第2抽選では、1%の確率で、アイテム5個セットに加えて、追加効果チケットとしての外見変更チケットが当選する。なお、アイテムの抽選は、上記に代えて、6種類以上のアイテムを抽選対象とし、アイテムの重複がないように5個のアイテムが当選するようにしてもよい。
【0053】
効果適用可能化部24は、追加効果アイテムとしての外見変更チケットが当選し、ユーザによっていずれのかの第1カテゴリキャラクタを指定して外見変更チケットが適用されると、当該第1カテゴリキャラクタを外見変更可能な状態にする。ユーザは、自分が所有する第1カテゴリキャラクタであって外見変更キャラクタを所有していないものの中から、外見変更チケットを適用する第1カテゴリキャラクタを任意に選択することができる。なお、外見変更チケットは1枚につき、1種類の第1カテゴリキャラクタに適用可能である。
【0054】
以下では、ゲーム前処理部30及びゲーム実行部40の処理について、ゲーム端末70における画面例を参照しつつ説明する。
図8は、本発明の実施の形態におけるキャラクタ選択画面の例を示す図である。キャラクタ選択画面51は、ゲームにおいて設定するゲームキャラクタを選択するための画面である。
【0055】
キャラクタ選択画面51には、選択可能な第1カテゴリキャラクタのアイコン512a~512d、第2カテゴリキャラクタのアイコン513a~513b、および決定ボタン514が表示されている。第1カテゴリキャラクタのアイコンと第2カテゴリキャラクタのアイコン512a~512d、513a~513bは、そのゲームキャラクタが第1カテゴリキャラクタであるか第2カテゴリキャラクタを示す表示や、技能レベルを示す表示を含んでいる。第1カテゴリキャラクタと第2カテゴリキャラクタはそれぞれ1つずつ選択できるようになっており、選択済みのものにはチェックマークが表示されている。
【0056】
また、外見変更が可能な第1カテゴリキャラクタのアイコン512aには「R」のマークが示されている。ユーザは、キャラクタ選択場面51のアイコンをタップすることでゲームキャラクタを選択することができ、選択されたゲームキャラクタのアイコンにはチェックマークが表示される。
【0057】
キャラクタ選択部31は、キャラクタ選択画面51を表示するとともに、キャラクタ選択画面51に対するユーザの選択操作(アイコンのタップ)に従ってゲームキャラクタを選択する。決定ボタン514が指示されると、キャラクタ選択部31は、選択されているゲームキャラクタをゲームに使用するゲームキャラクタとして決定する。
【0058】
効果適用部33は、キャラクタ選択部31にて選択された第1カテゴリキャラクタが外見変更可能とされている場合に、ユーザの指示に従ってゲームで使用する第1カテゴリキャラクタの外見を変更する。
【0059】
図9及び
図10は、本発明の実施の形態におけるキャラクタ画面の例を示す図である。ユーザは、このキャラクタ画面52において、第1カテゴリキャラクタの外見を変更することができる。
図9及び
図10は、外見の変更が可能な第1カテゴリキャラクタのキャラクタ画面の例である。キャラクタ画面52には、第1カテゴリキャラクタ521、画面消去ボタン523、及び外見変更ボタン525が設けられている。
図9では通常キャラクタ521が表示されており、
図10では外見変更キャラクタ521´が表示されている。
【0060】
図9の外見変更ボタン525が指示されると、効果適用部33は、通常キャラクタ521を外見変更キャラクタ521´に変更して
図10のキャラクタ画面52を表示する。また、
図10の外見変更ボタン525が指示されると、効果的要部33は、外見変更キャラクタ521´を通常キャラクタ521に変更して
図9のキャラクタ画面52を表示する。本実施の形態では、外見変更キャラクタ521´は、通常キャラクタ521に模様を付加(具体的には、胴体部にタスキを付加)することで外見を変更している。外見の変更はこれに限られず、例えば、通常キャラクタ521の一部の色を変更させるものであってもよい。
【0061】
アイテム選択部32は、ゲームで使用するアイテムを選択する。ユーザにより使用するアイテムが選択されると、選択されたアイテムに応じた効果がゲーム内で発生する。
【0062】
ゲーム実行部40は、上記で説明したゲームを実行する。ゲームの実行画面においては、ゲームキャラクタの外見が変更されている場合は、その外見を反映させる。
【0063】
図11は、本発明の実施の形態におけるゲームキャラクタの技能レベルの強化の過程を示す図である。
図11の例では、技能レベル5になるまでこのゲームキャラクタが重複して当選しており、かつ、それまでに外見変更キャラクタは当選していない。次の第1抽選において、通常キャラクタが当選し(ステップS141)、その後も通常キャラクタが当選し続けて、技能レベルが上限の10になった場合には(ステップS142)、他のゲームキャラクタの技能レベルもすべて上限になったことを条件として、抽選部10では、第1抽選部11における第1抽選に代えて、第2抽選部12による第2抽選が開始する。
【0064】
第2抽選において、外見変更チケットが当選し、ユーザがこの外見変更チケットを当該ゲームキャラクタに適用すると(ステップS143)、効果適用可能化部24は、当該ゲームキャラクタを、外見変更可能な状態にする。
【0065】
一方、技能レベルが5である、即ち、技能レベルがまだ上限に達していない状態において、当該ゲームキャラクタの外見変更キャラクタが当選した場合には(ステップS144)、強化部23は、当該ゲームキャラクタの技能レベルを強化するとともに、効果適用可能化部24は、外見変更を可能にする。
【0066】
その後、更に当該ゲームキャラクタが当選した場合には、効果適用可能化部24は、当該ゲームキャラクタについて外見変更可能な状態を維持したまま、強化部23は、当該ゲームキャラクタの技能レベルを強化する(ステップS145)。
【0067】
図12は、本発明の実施の形態における情報処理方法のフロー図である。
図12のフロー図は、抽選及び抽選後処理のフローを示している。ユーザが
図3の抽選画面において抽選の指示をすると(ステップS11)、抽選部10は、すべてのゲームキャラクタの技能レベルが上限に達しているか否かを判断する(ステップS12)。技能レベルが上限に達していないゲームキャラクタが残っている場合には(ステップS12でNO)、第1抽選部11が第1抽選を行う(ステップS13)。
【0068】
抽選後処理部20は、第1抽選において当選したゲームキャラクタが、当該ユーザがすでに所有しているゲームキャラクタであるか否かを判断する(ステップS14)。ユーザがすでに所有しているゲームキャラクタである場合は(ステップS14でYES)、強化部23は、当該ゲームキャラクタの技能レベルを強化する(ステップS15)。一方、当選したゲームキャラクタが、当該ユーザがまだ所有していないゲームキャラクタである場合は(ステップS14でNO)、キャラクタ追加部21は、当該キャラクタをユーザの所有するキャラクタとして新たに追加する(ステップS16)。
【0069】
強化部23がゲームキャラクタの技能レベルを強化し、又はキャラクタ追加部21がゲームキャラクタを追加した後に、抽選後処理部20は、当選したゲームキャラクタが外見変更キャラクタであるか否かを判断する(ステップS17)。外見変更キャラクタである場合は(ステップS17でYES)、効果適用可能化部24は、当該ゲームキャラクタの外見を変更可能にする(ステップS18)。
【0070】
当選したのが外見変更キャラクタでない場合(ステップS17でNO)、又は当選したのが外見変更キャラクタであって効果適用可能化をした後には、当該ゲームキャラクタの技能レベルが上限に達しているか否かを判断する(ステップS19)。当該ゲームキャラクタの技能レベルが上限に達している場合には(ステップS19でYES)、当該ゲームキャラクタを第1抽選の抽選候補から除外して(ステップS20)、処理を終了する。当該ゲームキャラクタの技能レベルが上限に達していない場合には(ステップS19でNO)、そのまま処理を終了する。
【0071】
一方、抽選指示があったときに、すべてゲームキャラクタの技能レベルが上限に達しており(ステップS12でYES)、これによってすべてのゲームキャラクタが第1抽選の抽選候補から除外されている場合には、第2抽選部12が第2抽選を行う(ステップS21)。抽選後処理部20は、第2抽選で外見変更チケットが当選したか否かを判断する(ステップS22)。第2抽選で外見変更チケットが当選せず、アイテムのみであった場合は(ステップS22でNO)、アイテム追加部22は、当選したアイテムを当該ユーザが所有するアイテムとして追加して(ステップS24)、処理を終了する。
【0072】
第2抽選でアイテム5個セットに加えて外見変更チケットが当選した場合は(ステップS22でYES)、効果適用可能化部24は、ユーザからの適用するゲームキャラクタを指定した効果適用の指示に応じて、該当するゲームキャラクタについて効果を適用することで、外見変更を可能化し(ステップS23)、アイテム追加部22は、当選したアイテムを当該ユーザが所有するアイテムとして追加して(ステップS24)、処理を終了する。
【0073】
以上のように、本発明の実施の形態の情報処理システムによれば、ゲームキャラクタを抽選する第1抽選において、すでに所有しているゲームキャラクタが重複して当選した場合には、当該ゲームキャラクタの技能レベルを向上できるとともに、ゲームキャラクタの外見を変更可能にする外見変更キャラクタも第1抽選で取得でき、かつ、各種類のゲームキャラクタの技能レベルが上限に達した場合には、所有しているゲームキャラクタに適用することで当該ゲームキャラクタの外見を変更可能にする外見変更チケットが抽選され得る第2抽選が行われるので、抽選の興趣性を向上できる。すなわち、第2抽選を設けることで、第1抽選で外見変更キャラクタが抽選されないまま、そのゲームキャラクタの技能レベルが上限に達してしまった後にも、そのゲームキャラクタを外見変更可能にする機会が担保されることになる。
【0074】
上記の実施の形態は例示に過ぎず、本発明は上記の実施の形態に限定されるべきではない。以下、各種の変形例を説明する。上記の実施の形態では、情報処理システムがゲームシステムとして構成される例を説明したが、本発明の情報処理システムはゲームシステムに限られず、例えば、シミュレーションシステム等であってもよい。
【0075】
また、上記の実施の形態では、ゲームシステム100がゲーム端末70とゲームサーバ80とで構成され、抽選部10及び抽選後処理部20がゲームサーバ80に設けられ、ゲーム前処理部30及びゲーム実行部40がゲーム端末70に設けられる例を説明したが、これらの構成要素はゲーム端末70及びゲームサーバ80のいずれに設けられてもよい。
【0076】
さらに、
図2に示したすべての構成がゲーム端末70又はゲームサーバ80に設けられてもよい。このとき、
図2に示した構成をすべて備えるゲーム端末70又はゲームサーバ80は、本発明の情報処理装置に相当する。なお、すべての構成がゲームサーバ80に備えられる場合にも、抽選の指示、効果適用の指示、ゲームの指示を含む各種の指示をする手段、及び抽選画面(
図3参照)、キャラクタ画面(
図9、
図10参照)、ゲーム画面等を含む各種の画面を表示する手段は、ゲーム端末70に備えられる。
【0077】
また、上記の実施の形態で説明したゲームはどのようなものでもよく、アクションゲーム、ロールプレインゲーム、その他の種類のゲームであってもよい。
【0078】
また、上記の実施の形態では、第1抽選の対象となるゲーム要素がゲームキャラクタである例を説明したが、本発明のゲーム要素はゲームキャラクタに限られず、例えば、ゲームキャラクタが用いるアイテムであってもよい。第2抽選において追加効果アイテムとともに抽選候補となるゲーム要素がアイテムであったが、第2抽選において追加効果アイテムとともに抽選候補となるゲーム要素はこれに限らず、例えば、ゲーム内仮想通貨であってもよい。
【0079】
また、上記の実施の形態では、第1抽選において、アイテムが抽選候補とならない例を説明したが、第1抽選においてゲームキャラクタとともにアイテムも抽選候補に含まれてもよく、その場合に、アイテムの中に追加効果アイテムが含まれていても含まれていなくてもよい。また、第1抽選において、すでに技能レベルが上限に達しているゲームキャラクタを第1抽選の抽選候補から除外したが、除外しなくてもよい。この場合に、技能レベルが上限に達したゲームキャラクタについて、他のゲームキャラクタより当選確率を低く設定してもよい。
【0080】
また、上記の実施の形態では、外見変更キャラクタが取得され、あるいは、ユーザによって外見変更チケットが第1カテゴリキャラクタに適用されると、効果適用可能化部24が当該第1カテゴリキャラクタの外見を変更可能とし、ユーザの外見変更の指示に応じて効果適用部33が当該第1カテゴリキャラクタの外見を通常キャラクタと外見変更キャラクタとの間で変更した。すなわち、ユーザは、外見変更キャラクタが取得され、あるいは、ユーザによって外見変更チケットが第1カテゴリキャラクタに適用された場合に、通常キャラクタと外見変更キャラクタとを選択して使用することができる。
【0081】
ただし、本発明はこれに限られず、例えば、第1カテゴリキャラクタの外見変更キャラクタが当選し、あるいは、ユーザによって外見変更チケットがある第1カテゴリキャラクタに適用されたときに、効果適用可能化部24が当該第1カテゴリキャラクタを外見変更可能とすると同時に、効果適用部33が自動的に当該第1カテゴリキャラクタの外見を変更してよい。この場合には、当選した外見変更キャラクタに対応する第1カテゴリキャラクタや外見変更チケットの適用対象として指定された第1カテゴリキャラクタを特定する手段が効果適用可能化部24に相当する。また、この場合には、外見変更キャラクタが取得され、あるいは、ユーザによって外見変更チケットが第1カテゴリキャラクタに適用されたときに、当該第1カテゴリキャラクタは通常キャラクタから外見変更キャラクタに変更されて通常キャラクタをゲームで使用することができなくなってもよい。
【0082】
また、上記の実施の形態では、追加効果が外見の変更であって、この外見の変更はゲームが有利に進められるようにするものではなかったが、これに代えて、外見の変更ととともに、あるいは外見の変更に代えて、当該ゲームキャラクタの技能レベルを向上させるなど、有利にゲームを進められるようにしてもよい。
【0083】
また、上記の実施の形態では、外見の変更は、通常キャラクタに若干の模様の変更を加える程度のものであったが、外見変更キャラクタは、例えば、通常キャラクタの進化形として、通常キャラクタとは形状を含めて外見が大きく異なるものであってもよく、あるいは、当該ゲームキャラクタの色のみを変更するものであってもよい。また、追加効果は外見の変更でなくてもよく、例えば、当該ゲームキャラクタの動きや当該ゲームキャラクタが発する音声に変更を加えるものであってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0084】
本発明は、第2抽選を設けることで、第1抽選で追加効果を有するゲーム要素が抽選されないまま、そのゲーム要素の強化の程度が上限に達してしまった後にも、そのゲーム要素に追加効果を適用する機会が担保されることになるという効果を有し、複数種類のゲーム要素を抽選で取得する情報処理システム等として有用である。
【符号の説明】
【0085】
10 抽選部
11 第1抽選部
12 第2抽選部
20 抽選後処理部
21 キャラクタ追加部
22 アイテム追加部
23 強化部
24 効果適用可能化部
30 ゲーム前処理部
31 キャラクタ選択部
32 アイテム選択部
33 効果適用部
40 ゲーム実行部
100 情報処理システム(ゲームシステム)
70 ゲーム端末
71 プロセッサ
72 メモリ
73 タッチパネル
74 通信装置
80 ゲームサーバ
81 プロセッサ
82 メモリ
83 記憶装置
84 通信装置