(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-27
(45)【発行日】2023-03-07
(54)【発明の名称】容器のためのスパウトシール
(51)【国際特許分類】
B65D 47/06 20060101AFI20230228BHJP
B65D 47/28 20060101ALI20230228BHJP
【FI】
B65D47/06 300
B65D47/28 110
(21)【出願番号】P 2020537264
(86)(22)【出願日】2018-09-14
(86)【国際出願番号】 AU2018051011
(87)【国際公開番号】W WO2019056056
(87)【国際公開日】2019-03-28
【審査請求日】2021-07-09
(32)【優先日】2017-09-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(73)【特許権者】
【識別番号】516264369
【氏名又は名称】プラタップ プロプライエタリー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Puratap Pty Ltd
【住所又は居所原語表記】14-16 Stepney Street STEPNEY SA 5069 AUSTRALIA
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ピアース,スコット
【審査官】植前 津子
(56)【参考文献】
【文献】仏国特許出願公開第02895732(FR,A1)
【文献】特開平09-226802(JP,A)
【文献】国際公開第2016/044890(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 39/00-55/16
A47J 41/00-41/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
格納可能なスパウト
を含む容器、及び前記容器の前記格納可能なスパウトのためのシールであって
、前記容器は、貫通して延びる第1の開口を持つカバーと、貫通して延びる第2の開口を持つ内部フレームとを有する蓋アセンブリであって、前記第1の開口及び前記第2の開口は、前記容器の開口部を線引きするように同軸に整列する、蓋アセンブリ、及び前記開口部から離間されるプラットフォームを有する当接面を含み、前記シールは:
可撓性の概して細長い管状ボディと;
前記容器の
前記開口部
の近くで
前記内部フレームに固定して
接続される第1の環状端部であって、前記開口部を通って前記格納可能なスパウトが動いて、それによって前記管状ボディの外面と前記開口部の縁部との間の流動性物質の外への移動を阻止するように構成される、第1の環状端部と;
を有し、
前記管状ボディの中間部が、前記格納可能なスパウトが格納位置から延伸位置へ移動されるとき、前記中間部が反転又はそれ自体の上に折り重なるように、前記第1の環状端部の内方に移動するように構成され、
前記シールは:
前記格納可能なスパウトの下端部に
摩擦係合し且つ前記下端部から下方に延びる反対側の第2の環状端部
を有し、前記格納可能なスパウトが
前記格納位置にあるとき、前記シールの前記第2の環状端部は、前記容器の
前記当接面に接し、それによって前記格納可能なスパウトを通る前記流動性物質の外への移動を阻止する、
容器及びシール。
【請求項2】
前記シールの前記第2の環状端部は、少なくとも1つの環状の厚くなった部分であって、前記第2の環状端部が前記格納可能なスパウトの前記下端部から分離することを妨げられるように、前記格納可能なスパウトの前記下端部との前記摩擦係合を助けるように構成された、少なくとも1つの環状の厚くなった部分を含む、
請求項1に記載の容器及びシール。
【請求項3】
前記シールの前記第2の環状端部は、複数の環状の離間した厚くなった部分を含み、前記環状の厚くなった部分は、前記第2の環状端部が前記格納可能なスパウトの前記下端部から分離することを妨げられるように、前記格納可能なスパウトの前記下端部との前記摩擦係合を助けるように構成される、
請求項1に記載の容器及びシール。
【請求項4】
前記格納可能なスパウトの前記下端部は、前記格納可能なスパウトの周りに周方向に延び、前記シールの夫々の前記環状の厚くなった部分と係合するように構成されたスリットを含む、
請求項2又は3に記載の容器及びシール。
【請求項5】
前記第1の環状端部は、前記内部フレームによって固定して保持され、前記スパウトは、前記格納位置にあるときに前記第2の開口を通って少なくとも部分的に格納することができ、前記
延伸位置にあるときに少なくとも部分的に前記第1の開口を通って延びることができる、
請求項
1に記載の
容器及びシール。
【請求項6】
前記内部フレームの前記第2の開口は、前記スパウトが前記格納位置と前記延伸位置との間で動かされているときに、前記第2の開口を通る
前記シールの前記中間部の少なくとも一部の通過を可能にするように寸法決めされるとともに前記第2の環状端部の通過を可能にするように寸法決めされる、
請求項
5に記載の
容器及びシール。
【請求項7】
前記内部フレームは、前記プラットフォームを前記開口部の内方に離間した位置で保持する複数の垂れ下がり脚部を含む、
請求項
6に記載の
容器及びシール。
【請求項8】
前記シールの前記第1の
環状端部は、外方に突出する周方向の肩部を含み、下方に開いた溝が、前記溝が前記第1の
環状端部の周囲に概して周方向に延びるように、前記肩部の中に延びる又は前記肩部によって形成される、
請求項
1に記載の
容器及びシール。
【請求項9】
前記肩部の上面は、その周りに延びる内側の環状リップを含み、前記肩部は、前記内部フレームと係合するように構成され、それによって前記第1の
環状端部をそれに固定して保持する、
請求項
8に記載の
容器及びシール。
【請求項10】
前記内部フレームは、2つの別個の部材であって、それによってそれらの間の
前記シールの
前記第1の
環状端部又は
前記肩部を保持又はクランプするよう協働するように構成される、前記2つの別個の部材によって形成される、
請求項
8に記載の
容器及びシール。
【請求項11】
前記第2の環状端部は、前記スパウトが前記格納位置にあるとき、前記プラットフォームと係合するのを助ける環状の広げられたスカートを含む、
請求項
1に記載の
容器及びシール。
【請求項12】
前記シールの前記中間部は、1度から5度の間の、又は2度のテーパを付けられ、テーパを付けられた前記中間部は、それによって、部分係合を維持するのを助ける
よう前記スパウトの対応する形のテーパ付き部分と係合するように構成される、
請求項1に記載の
容器及びシール。
【請求項13】
前記容器
は、流動性物質を保持するためのチャンバを有するボディ
を含み、
前記蓋アセンブリは、前記ボディに接続可
能であ
り、
前記プラットフォームは、前記開口部の内側
である、
請求項1に記載の容器及びシール。
【請求項14】
移動可能なスパウトを備える容器をシールする方法であって:
請求項1に記載の容器
及びシールを提供するステッ
プと;
前記スパウト
を略管状の
前記シールに挿入するステップであって、前記第1の環状端部及び前記中間部は前記スパウトの周囲に周方向に延び、前記第2の環状端部は前記スパウトの下端部に
摩擦係合し且つ前記下端部から下方に延びる、ステップと;
前記開口部
に隣接して位置している前記容器の前記内部フレームに周方向に前記第1の環状端部を固定するステップであって、それによって前記スパウトの外面と前記開口部の周縁との間の流動性物質の外への移動を阻止する、ステップと、
前記スパウトを:
a. 前記第2の環状端部が前記プラットフォー
ムに接しそれによって前記スパウトを通る前記流動性物質の移動を阻止する格納位置から;
b. 前記管状のシールの前記中間部が反転又はその上に折り重ねられる移行位置を通り;
c. それによって前記第2の環状端部が前記プラットフォー
ムから分離され、前記流動性物質が前記スパウトを通って流出することができる、延伸位置に;
移動させるステップと、
を含む、
方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、容器のためのシールに関し、一態様では、飲料容器の格納可能なスパウト(spout)のためのシールに関する。
【背景技術】
【0002】
現在市場には様々な種類の分配容器(dispensing containers)があり、これらはシール可能な(sealable)スパウトを含む。そのような分配容器の一般的な使用は、水又は他の流体を保持するように構成された飲料ボトル用である。
【0003】
飲料ボトルに使用される単純なタイプのスパウトは、プッシュプル構造を有し、スパウトは、延長された配置に物理的に引かれるとき、通路が開かれ、そこを通る流体の移動を可能にする。このようなスパウトの一例は、上部及び下部シールを含むプッシュプルフロースルースパウトを有するBlast Max LLCの特許文献1に開示されている。
【0004】
別の飲料ボトルは、特許文献2(Chen)に開示されており、これは、飲用のために鈍角に配置され、使用しないときにループハンドルの片側に対して同一平面上に、凹部に垂直に格納されるように構成される枢動可能なスパウトを持つボトルキャップを教示する。これらのタイプのボトルは、流体の流れを阻止するために、主にチャネルの位置合わせ不良に依存し、しばしば、柔軟な当接面又はボタンシールを含む。
【0005】
しかし、上記のタイプのシールはすべて、経時的に磨耗しやすく、その結果、流体が漏れる可能性がある。
【0006】
他の飲料ボトル製造業者は、ユーザがスパウトに噛み付くときに流体の通過を可能にするバイト作動マウスピース(bite-actuated mouthpieces)を使用する。1つのこのようなスパウトは、Camelbak Products, LLCの特許文献3に開示されており、これは、飲料ボトルのキャップに旋回可能に結合されたバイト作動分配スパウトを含む飲料ボトルを教示している。
【0007】
しかし、このようなバイト作動マウスピースは、使用中に機械的損傷を受ける傾向があり、これは、シールの漏れ又は故障を招く可能性がある。
【0008】
本発明は、特に、水などの流体を参照して説明されるが、読者は、シールが、塩、香辛料又は砂糖などの粒状材料を含むが、これらに限定されない任意の種類の流動性材料を保持するための容器に関して使用され得ることを理解すべきである。
【0009】
本発明の目的は、格納可能な(retractable)スパウトのためのシールを提供することである。本発明の別の目的は、前述の問題の少なくとも一部を克服すること、又は少なくとも公衆に有用な代替案を提供することである。
【0010】
明細書全体を通しての先行技術のいかなる議論も、本発明の文脈を提供する目的のためにのみ含まれ、そのような先行技術が、本出願の優先日前に存在していた分野の技術常識の一部として広く知られていた又は形成されていたことの自認としては決してみなされないことを理解されたい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【文献】米国特許第8701906号
【文献】米国特許出願公開第20110198361号
【文献】米国特許第7533783号
【発明の概要】
【0012】
本発明の一態様では、必ずしも最も広い又は唯一の態様ではないが、容器の格納可能なスパウトのためのシールであって:
可撓性の概して細長い管状ボディと;
前記容器の開口部の周り又は近くに周方向に固定して保持される第1の環状端部であって、それを通って前記格納可能なスパウトが動いて、それによって該管状ボディの外面と該開口部の縁部との間の流動性物質の外への移動を阻止するように構成される、第1の環状端部と;
前記格納可能なスパウトの下端部に固定して結合可能であり且つ下端部から下方に延びる反対側の第2の環状端部であって、格納可能なスパウトが格納位置(retracted position)にあるとき、前記シールの第2の環状端部は、当接面に接し(bears)、それにより、前記格納可能なスパウトを通る前記流動性物質の外への移動を阻止する、反対側の第2の環状端部と;を有し、管状ボディの中間部が、スパウトが前記格納位置から延伸位置(extended position)へ移動されるときに、中間部が反転又はそれ自体の上に折り重ねられるように、第1の環状端部の内方に移動し、その結果前記管状ボディの中間部がそれ自体をくるむ又はそれ自体の上に折り重なる、
シールが提供されている。
【0013】
ある意味では、管状ボディは、スパウトが格納位置に移動するときに、それ自体を巻き付けるか又はそれ自体の上に折り重なる。代替的には、中間部はコンサーチナ形状(concertina configuration)を有していてもよく、又は、そうでなければ、それ自体の上につぶれる。
【0014】
中間部は、均一な厚さであり得る又はその周囲に複数の環状溝又はリッジ(ridges)を有し得る。
【0015】
一形態では、接する面(bearing surface)は、前記開口部から離間されたプラットフォームを有する。
【0016】
好ましくは、容器は、それを貫通して延びる第1の開口を持つカバーと、それを貫通して延びる第2の開口を持つ内部フレームとを有する蓋アセンブリを含み、第1の開口及び第2の開口は、それによって容器の前記開口部を線引きする(delineate)ように同軸に整列する。
【0017】
好ましい形態では、第1の環状端部は、内部フレームによって固定して保持され、スパウトは、前記格納位置にあるときに第2の開口を通って少なくとも部分的に格納することができ、前記格納位置にあるときに少なくとも部分的に第1の開口を通って延びることができる。
【0018】
内部フレームの第2の開口は、スパウトが格納位置と延伸位置との間で動かされているときに、それを通る中間部の少なくとも一部の通過を可能にするように寸法決めされるとともに、第2の環状端部の通過を可能にするように寸法決めされ得る。
【0019】
内部フレームは、プラットフォームを前記開口部の内方に離間した位置で保持する複数の垂れ下がり脚部(depending legs)、好ましくは3つの脚部を含み得る。好ましくは、内側フレーム、垂れ下がり脚部及びプラットフォームは、一体構造である。
【0020】
一形態では、シールの第1の端部は、外方に突出する周方向の肩部を含み、下方に開いた溝が、溝が第1の端部の周囲に概して周方向に延びるように、肩部の中に延びる又は肩部によって形成される。肩部の上面はまた、その周りに延びる内側の環状リップを含み得る。肩部は、内部フレームと係合するように構成され、それによって第1の端部をそれに固定して保持する。
【0021】
一形態では、内部フレームは、2つの別個の部材であって、それによってそれらの間のシールの第1の端部又は肩部を保持又はクランプするよう協働するように構成された2つの別個の部材によって形成される。内部フレームは、ベース部材の上面と、ネジなどの固定手段を用いて蓋ベース部材に接続され得る又は互いにクリップする若しくは摩擦係合するように構成され得るインサートとを含み得る。蓋ベース部材の上面は、シールの下方に開いた溝と係合するように構成された環形状直立部を含み得、インサートは、内側環状リップの外方に向かって肩部の上面に当接する。
【0022】
好ましくは、内側の環状リップは、中間部が第1の環状端部の内方に移動するとき、中間部に対してより大きい可撓性を提供する。
【0023】
第2の環状端部は、複数の離間した厚くなった部分(thickened portions)を含んでもよく、この厚くなった部分は、第2の環状端部がスパウトの内端部から分離することを妨げられるように、スパウトの内端部と係合するのを助ける。
【0024】
別の形態では、シールの中間部は、第2の環状端に向かって、1~5度の間で、好ましくは2度で、内方にテーパを付けられ(tapered)されてもよく、テーパを付けられた中間部は、それによって、それらの間の部分係合(fractional engagement)を維持するのを助けるために、スパウトの対応する形のテーパ付き部分と係合するように構成される。
【0025】
シールがテーパを含む場合には、シールプロファイルの射出成形がより容易になり得る。テーパ付きシールが使用される場合、スパウトは、好ましくは、シールが少なくとも部分的にそこに沿って支持されたままであるように、対応するテーパを有する。しかし、読者は、テーパが必須ではなく、更に、テーパ付きシールが対応するテーパを含まないスパウトに使用され得ることを理解すべきである。
【0026】
シールは、ポリプロピレンベースを有する熱可塑性エラストマ(TPE)から構成され得る。熱可塑性及びエラストマ特性を有する他のコポリマー又はポリマー混合物もまた使用され得る。使用され得る他の材料は、シリコンゴム、EPDMゴム、シリコン、又は好適なエラストマ特性を有する任意の材料を含むが、これらに限定されない。シールを形成する材料に紫外線安定剤を添加して、日光の影響による劣化を防止することができる。
【0027】
好ましくは、シールは、一体の構成であり、射出成形によって形成され得る。
【0028】
本発明の別の態様では、シール可能な容器であって、
流動性物質を保持するためのチャンバを有するボディと、
前記ボディに接続可能な蓋であって、蓋は、それを貫通して延びる開口部を含む、蓋と、
前記開口部を通って格納位置と延伸位置との間で移動可能なスパウトと、
前記開口部の内側、かつ、前記開口部から離間されているプラットフォームと、
スパウトの一部を取り囲む可撓性の略管状のシールであって、該管状シールは、第1及び第2の環状端部を有する、シールと、
を含み、
第1の環状端部は、前記開口部の周りで又は前記開口部に隣接して周方向に固定して保持され、かつ、前記第2の環状端部は、スパウトの下端部又は内端部に結合されるとともに、スパウトの下端部又は内端部から下方に延びており、それによってシールは、スパウトの外面と開口の周縁との間で前記流動性物質の外への移動を阻止し、シールの第2の環状端部は、前記流動性物質が前記スパウトを通って外に移動するのを阻止する格納位置にスパウトがあるときに、前記プラットフォームと係合可能である、
シール可能な容器が提案されている。
【0029】
本発明のさらに別の態様では、移動可能なスパウトを備える容器をシールする方法が提案され、方法は:
容器を提供するステップであって、容器は、流動性物質を保持するためのチャンバを有するボディと、前記ボディに接続可能な蓋であって、それを貫通して延びる開口部を含む、蓋と、前記開口部を通って格納位置と延伸位置との間で移動可能なスパウトと、前記開口部の内側且つ前記開口部から離間されたプラットフォームと、を含む、ステップと;
第1の環状端と、中間部と、第2の環状端とを有する可撓性の略管状のシールを提供するステップと;
スパウトを略管状のシールに挿入するステップであって、第1の環状端部及び中間部は該スパウトの周囲に周方向に延び、第2の環状端部はスパウトの下端部又は内端部に結合され且つ下端部又は内端部から下方に延びる、ステップと;
前記開口部の周りで又は前記開口部に隣接して周方向に第1の環状端部を固定するステップであって、それにより、前記スパウトの外面と前記開口の周縁との間の流動性物質の外への移動を阻止する、ステップと、
スパウトを:
a. 第2の環状端部がプラットフォーム又はその上に支持されるインサートに接しそれによってスパウトを通る流動性物質の移動を阻止する、格納位置から;
b. 前記管状のシールの前記中間部が反転又はその上に折り重ねられる移行位置を通り;
c. それによって第2の環状端部がプラットフォーム又はその上に支持される前記インサートから分離され、流動性物質がスパウトを通って流出することができる、延伸位置に;
移動させるステップと、
を含む。
【図面の簡単な説明】
【0030】
添付の図面は、本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成し、本発明の実施を説明し、説明及び特許請求の範囲と共に、本発明の利点及び原理を説明するのに役立つ。
【0031】
【
図1】本発明のシールの一実施形態の斜視図である。
【
図3a】移動可能なスパウトを有するボトル内に位置するシールの概略図であり、格納位置のスパウトを示す。
【
図3b】
図3aのシール及びボトルの概略図であり、延伸位置のスパウトを示す。
【
図4】ボトル及び移動可能なスパウトの一つの可能な実施形態の分解図である。
【
図5a】
図4のボトルの斜視図であり、ボトル開口部を覆い、それによって、スパウトを隠す旋回可能なフラップを示す。
【
図5b】
図5aのボトルの斜視図であり、蓋アセンブリのメインボディ及び旋回可能なフラップの動きを示す。
【
図5c】
図5bのボトルの斜視図であり、延伸位置のスパウトを示す。
【
図6】
図5aの蓋アセンブリの部分断面図であり、スパウトが格納位置にあるときのスパウトに対するシールの位置を示す。
【
図7】伸長した構成の
図6のシールの斜視図である。
【
図9】
図5bの蓋アセンブリの部分断面図であり、スパウトが部分的に伸びた位置にあるときの、スパウトに対するシールの位置を示す。
【
図10】部分的に反転された配置の
図9のシールの斜視図である。
【
図12】
図5cの蓋アセンブリの部分断面図であり、スパウトが完全に伸びた位置にあるときの、スパウトに対するシールの位置を示す。
【
図15】
図6の概略図であり、プラットフォームに対して接するシールを示す。
【
図16】
図9の概略図であり、シールの中間部のそれ自身の上に折り重なり始める際の動きを示す。
【
図17】
図12の概略図であり、シールの中間部のそれ自身の上に折り重なり続ける際の動きを示す。
【
図18】テーパ付きスパウトと係合するようにテーパを付けられたシールの別の実施形態の斜視図である。
【
図19】シールのさらなる実施形態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
類似の参照符号は、図面全体を通じて対応する部分を示す。図面に示されている特定の部分の寸法は、明瞭性又は説明の目的のために修正及び/又は誇張されている可能性がある。
【0033】
より詳細な説明のために図面を参照すると、容器14のスパウト12のためのシール10が図示されており、例示として、本発明の原理が用いられ得る構成を示す。
【0034】
図1に示すように、シール10は、容器14の開口部18の周り又は開口部18に隣接して周方向に固定して保持されるように構成された第1の環状端部16を含む。さらに、シール10は、
図3aに示すように、前記スパウト12の内端部22又は下方端部22と係合するための、及び、前記スパウト12の内端部22又は下方端部22から、外方に、又は本実施形態では下方に延びるように構成された第2の環状端部20を含む。シール10の中間部24は、本実施形態では、略管状であるが、読者は、シール10の動作を可能にするコンサーチナ形状又は任意の他の適切な構成を有し得ることを理解するであろう。
【0035】
本実施形態では、第1の環状端部16は、
図2に示すように、外方に突出する周方向肩部26を有する。周方向肩部26は、溝28が第1の環状端部16の周りを略周方向に延びるように、その中に延びる又は少なくとも肩部26によって形成される下方に開いた溝28を有する。肩部26の上面は、その周りに延びる環状リップ30を含む。
【0036】
本実施形態では、第2の環状端部20は、2つの離間した厚い部分32、34を含み、これらの厚い部分は、スパウト12の下端部22との係合を助け、シール10がそこから外れることを防止する。また、厚い部分32、34は、プラットフォーム56に当接する際にシールすることを補助する。しかし、読者は、第2の環状端部20は、均一な厚さを有するように、厚い部分を含まなくてもよく、それによって、そのような場合には、係合は、主として、スパウト12からの分離を阻止する摩擦係合に依存することを理解すべきである。
【0037】
図3a及び3bは、移動可能なスパウト12を有する容器14の一実施形態に対するシール10の取り付けを示す。容器14は、本実施形態では液体である流動性材料40を保持するためのチャンバ38を画定するベース部36を含む。蓋アセンブリ42は、協働するねじ山44、46を介してベース部36に取り付けられている。蓋アセンブリ42は、開口50を有する内部フレーム48と、同様に開口54を含む上部カバー52とを含む。開口50及び54は、それにより、容器14の開口部18を画定するように同軸に整列する。
【0038】
内部フレーム48は、さらに、開口部18から離間したプラットフォーム56を保持するように構成された1つ又は複数の垂れ下がり脚部56を含む。
【0039】
図3aに示すように、第1の環状端部16は、内部フレーム48に取り付けられるか、又は内部フレーム48によって固定して保持される。第2の環状端部20は、前記スパウト12の内端部22と係合し、該内端部22から下方に延びるように構成される。
【0040】
図3aにさらに示されているように、スパウト12は、格納位置にあるとき、開口50を通って、少なくとも部分的に格納することができ、それによって、第2の環状端部20が、それによってスパウト12を通る外への液体の移動を阻止するように、プラットフォーム58に当接する。
【0041】
図3bに示すように、スパウト12が延伸位置に移動されるとき、第1及び第2の環状端部16、20は、それぞれフレーム48又はスパウト12に固定されたままである。スパウト12は、延伸位置にあるときに、少なくとも部分的に上部カバー52の開口54を通って延び、流体38は、容器14が傾斜されるとき、
図3bの破線矢印によって示されるように、開口部18を通って外に出ることができる。スパウト12が完全に格納された位置に戻されるとき、流体38の流れは、第2の環状端部20がプラットフォーム58の接する面に接する(bears against)ので、阻止又は停止される。
【0042】
図4は、蓋アセンブリ42の可能な一実施形態の分解図を示す。移動可能なスパウトの同様の構成は、本出願人により国際出願、Bottle Lid Assembly with Retractable Spoutと題するPCT/AU2015/050567、Apparatus and Method for Measuring Fluid Consumptionと題するPCT/AU2018/050293において既に開示されており、これらは、参照により本明細書に組み込まれる。本発明を不明瞭にしないために、移動可能なスパウト及びその操作の詳細の一部は繰り返さない。
【0043】
本実施形態の上部カバー52は、固定部材62を介して蓋ベース部材60に対して固定することができる。上部カバー52は、旋回可能な(pivotable)フラップ64によって閉じることができる開口54を含む。
【0044】
スパウト12は、流路66、マウスピース68、内端部22及びスパウト12の反対側から側方に延びるフィンガー72a、72b、72cを有する突出部70を含む。突出部70は、それぞれのスプリングポスト76に係合するように構成される開口74を含む。
【0045】
蓋アセンブリ42は、さらに、略円筒状のメインボディ78を含み、これは、蓋ベース部材60に対して回転することができ、矢羽(flight)又は3つの開始ねじ(start threads)の形態で内方に突出するフランジ80a、80b、80cを含む。フィンガー72a、72b、72cは、内方に突出するフランジ80a、80b、80cの下側に当接し、PCT/AU2015/050567に開示されているように、スパウト16が格納位置と延伸位置との間を移動しているときにガイドとして作用する。
【0046】
図4に示すように、蓋ベース部材60は、開口部18から離間してプラットフォーム58を支持又は保持する3つの垂れ下がり脚部56a、56b、56cを含む。蓋アセンブリ42は、さらに、各スプリングポスト76に係合する付勢スプリング(図示せず)の影響に対してメインボディ78の回転を阻止するラッチ機構82を含む。
【0047】
蓋アセンブリ42はまた、スプリングポスト76の上をスライドし、それを通るスパウト12の通過を可能にするように成形された開口86、90を有するインサート84を含む。インサート84は、それぞれの開口を通って係合するネジ(図示せず)によって、蓋ベース部材60に取り付けられる。3つの脚部92は、上方に延び、開口96を通過するスプリングポスト76上に取り付けられたプレート94と係合するように構成される。プレート94は、同様に、そこを通るスパウト12の通過を可能にする開口98を含む。
【0048】
図5a~
図5cは、本実施形態の蓋アセンブリ42の動作を示す。
図5aは、蓋アセンブリ42内の格納位置にあるスパウト12を示しており、旋回可能なフラップ64は、開口54を覆うか、又は閉じる。解放可能なラッチ機構82は、ボタン100及びロック装置102を含み、メインボディ78の回転は妨げられる。
【0049】
スパウト12を延伸させるために、ユーザは、ロック装置102を解除し、ボタン100を押して、
図5aに示すような、格納位置から、
図5cに示すような延伸位置へ付勢スプリングの影響下で移動させるようにスパウト16をトリガーする。これは、
図5bの矢印によって示されるように、長手方向軸88の周りのメインボディ78の回転によって達成される。
【0050】
図5bにさらに示すように、旋回可能なフラップ64は、格納位置から延伸位置まで、スパウト12がそこを通って上方に移動できるように、開口54をクリアにする(clears)。
図5cに示すように、延伸位置では、ユーザは、スパウト16を利用してボトル14内に収容された流体40にアクセスすることができる。
【0051】
ユーザがスパウト12から液体を飲んだり注いだりすることを終えたら、ユーザはメインボディ78の外面をつかみ、付勢スプリングの付勢(bias)に反して手動で閉じた位置に回転させることができ、スパウト12は格納され、旋回可能なフラップ64は開口54を閉じる。次いで、ラッチ機構82は、ボタン100がユーザによって作動されるまで、スパウト12を付勢に反して格納位置に維持する。
【0052】
図6に示すように、ベース部材60は、環状形状を有し、シール10の下方に開いた溝28と係合するように構成された直立部104を含む。
図6にさらに示すように、インサート84は、リップ30の外方に肩部26の上面に当接する。この方法では、2つの別個の部材、ベース部材60及びインサート84は、スパウト12が開口部18を通って上下するときに、それらの間のシール10の第1の端部16を保持又はクランプするよう協働するように構成される。スパウト12の内端部又は下端部22は、
図6、
図9及び
図12に示すように、シール10の厚くなった部分32と係合するように構成された、スパウト22の周りに周方向に延びるスリット106を含む。スリット106は、スパウト12の内端部22上の第2の環状端部20の位置を維持するのを補助するように構成されている。しかし、読者は、内端部22が単に第2の環状端部20と摩擦係合し得ることを理解すべきである。
【0053】
図6乃至
図8は、スパウト12が格納位置にあるときのシール10の配置を示す。この配置では、中間部24は、スパウト12の外面上に下方に伸び、第2の端部20は、プラットフォーム58に接して圧縮される(compressed against)。読者は、中間部24が好ましくはスパウト12の外面に適合することを理解すべきである。
【0054】
ボタン100がラッチ機構82を解放するために押されるとき、スパウトは、それが延伸位置に移動し始めるときにスプリングポスト92を上昇させる。
図9乃至
図11は、完全に格納された位置と完全に延伸された位置との間の中間位
置におけるシール10とスパウト12の配置を示す。スパウト12が上方に移動するとき、中間部24は、それが第1の環状端部16を通って内方に移動するように、それ自体を反転又は折り畳み始める。読者は、内側の環状リップ30が、中間部24が第1の環状端部16を通って内方に移動する際に、中間部24により大きな可撓性(flexibility)を提供することを理解すべきである。
図6及び
図9又は
図8及び
図11を比較することによって最もよく分かるように、第2の環状端部20は、ここで、非圧縮配置(uncompressed arrangement)になっている。
【0055】
図12~14は、完全に延伸された位置におけるシール10とスパウト12の配置を示す。本実施形態では、第2の環状端部20は、第1の環状端部16の内方に留まり、中間
部24は、それ自体の上に完全に折り重ねられ、インサート84の開口86を通って上方に延びる。
【0056】
図15~17は、蓋アセンブリ42の簡略化された構成と、
図15に示すような格納位置から、
図16に示すような中間位置を通って
図17に示すような延伸位置へのスパウト12の漸進的な移動を示している。読者は、
図15~17が、シール10の移動が、それ自体を反転させる又はそれ自体に折り重なることを示すことを理解するであろう。
【0057】
図18は、スパウト12のテーパ付き部分108と係合するよう構成されるように、テーパ付き中間部24を有するシール10の第2の実施形態を示す。本実施形態のシール10上のテーパは、2度であり、スパウト12のテーパ付き部分108は、部分係合を維持するのを補助するように対応して成形される。本実施形態のシール10の第2の環状端部20は、均一な厚さであり、厚くなった部分を含まない。したがって、
図18に示されるスパウト12の内端部22は、スパウト12の周囲に周方向に延びるスリット106を含まないが、読者は、先に説明したように、端部22が、代替的に、シール10の一部を保持するための環状スリットを含み得ることを理解すべきである。
【0058】
図19~
図21は、厚くされた部分32及び、スパウト12が格納位置にあるときにプラットフォーム58に接する、垂れ下がる環状スカート110を有する下側又は第2の環状端部20を含む、シール10の別の実施形態を示す。
図21に示すように、スカート110は、プラットフォーム58に対するシールを補助するために、下縁に向かって広げられる。
【0059】
厚くなった部分32は、
図22に示すように、前記スパウト12の下端部22に位置するオーバーハング112と係合するように構成されている。
図22は、フィンガー72a、72b、72c上のそれぞれのスピゴット(spigot)116と係合するローラ114a、114b、114cをさらに示す。ローラ114a、114b、114cは、内方に突出するフランジ80a、80b、80cの下側に係合し、摩擦を低減し、それにより、参照により本明細書に組み込まれるPCT/AU2015/050567に記載されているように、格納位置と延伸位置との間のスパウト12の移動を補助する。
【0060】
読者はまた、本実施形態がシール可能な容器及び使用方法を開示していることを理解するであろう。現在図示されていないが、当業者にとって自明である種々の固定手段及び他の構成要素を用いて蓋アセンブリ14を構成することができる。固定手段他の構成要素又は同等の部品及び移動可能なスパウトの動作のいくつかの詳細は、概して、両方本出願の名義の国際出願PCT/AU2015/050567及びPCT/AU2018/050293に詳細に記載されており、これらは共に参照により本明細書に組み込まれる。
【0061】
ここで、当業者は、先行技術を超える図示した実施形態の利点を理解するであろう。ある形態では、飲料容器のためのシールが提供され、別の形態では、シールを含むシール可能な容器が提供される。シールは、スパウトの外面と、それを通ってスパウトが延びるように構成される開口部の側部との間から外への液体又は他の流動性材料の移動を阻止する。さらに、シールは、格納位置にあるときに、スパウトを通る流動性物質の外への移動を妨げる。このように、本発明は、移動可能なスパウト用の二重機能シールを提供する。
【0062】
本発明の様々な特徴が、本発明の例示的な実施形態に関連して特に示され、説明されたが、これらの特定の構成は、本発明を単に例示するものであり、それに限定されるものではないことは理解されなければならない。従って、本発明は、本発明の精神及び範囲内にある種々の改変を含むことができる。