(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-27
(45)【発行日】2023-03-07
(54)【発明の名称】マイクロ集積回路の大規模テスト
(51)【国際特許分類】
H01L 21/66 20060101AFI20230228BHJP
G01R 31/28 20060101ALI20230228BHJP
【FI】
H01L21/66 F
G01R31/28 U
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021186597
(22)【出願日】2021-11-16
【審査請求日】2021-12-03
(32)【優先日】2020-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390023582
【氏名又は名称】財團法人工業技術研究院
【氏名又は名称原語表記】INDUSTRIAL TECHNOLOGY RESEARCH INSTITUTE
【住所又は居所原語表記】No.195,Sec.4,ChungHsingRd.,Chutung,Hsinchu,Taiwan 31040
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】チャン ユアン-タイ
(72)【発明者】
【氏名】ホアン リ-チュウ
【審査官】河合 俊英
(56)【参考文献】
【文献】特開平6-230086(JP,A)
【文献】特開2009-064891(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/66
G01R 31/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のテストパッドおよび複数の読出パッドを含み、スクライブライン上に配置された第1テストエリアと、
前記スクライブライン上に1つずつ配置された複数のテストコントローラと、
複数の集積回路チップの列をテストするために、前記第1テストエリアに接触するように構成されたプローブと、を含み、
前記複数のテストコントローラの各々は、前記複数の集積回路チップの列の各々を列ごとにテストするように構成され、
前記プローブは、前記第1テストエリアに1回だけ接触し、
前記複数の読出パッドは、前記複数の集積回路チップの列の各々のテスト結果を列ごとに読み出すように構成されている、
基板上の複数のフレーム内の複数の集積回路チップをテストするために適用されるマイクロ集積回路の大規模テストシステム。
【請求項2】
前記複数のテストパッドは、電源パッド、信号パッド、デジタルパッド、およびグランドパッドを含む、請求項1に記載のマイクロ集積回路の大規模テストシステム。
【請求項3】
前記複数の読出パッドは、前記複数の集積回路チップの列の各々に結合され、前記複数の読出パッドの各々は、前記複数の集積回路チップの列の各々における集積回路チップの各々の1つに結合されている、請求項1に記載のマイクロ集積回路の大規模テストシステム。
【請求項4】
前記電源パッド、前記信号パッド、前記デジタルパッド、および前記グランドパッドは、前記複数のテストコントローラのうち第1テストコントローラの両側に配置されるように2つのグループに分けられている、請求項2に記載のマイクロ集積回路の大規模テストシステム。
【請求項5】
前記電源パッド、前記信号パッド、前記デジタルパッド、および前記グランドパッドは、前記複数のテストコントローラのうち第1テストコントローラの同じ側に配置されている、請求項2に記載のマイクロ集積回路の大規模テストシステム。
【請求項6】
前記複数のテストコントローラの各々は、前記複数の集積回路チップの列の各々の1つの集積回路チップを同時にテストする、請求項1に記載のマイクロ集積回路の大規模テストシステム。
【請求項7】
前記複数のテストコントローラの各々は、前記複数の集積回路チップの列の各々の1つの集積回路チップを順次テストするように構成されている、請求項1に記載のマイクロ集積回路の大規模テストシステム。
【請求項8】
前記複数の読出パッドが第1フレームのテスト結果を読み出した後、前記プローブは前記第1フレームから第2フレームの第2テストエリアに移動するように構成され、前記プローブは第2フレームの前記複数の集積回路チップをテストするために第2テストエリアに接触し、前記プローブは前記第2テストエリアに1回だけ接触する、請求項1に記載のマイクロ集積回路の大規模テストシステム。
【請求項9】
前記プローブが前記第1テストエリアに接触した後、前記複数のテストコントローラの各々は、ビルトインセルフテストによって各集積回路チップのテスト対象となる内部回路を活性化するように構成されている、請求項1に記載のマイクロ集積回路の大規模テストシステム。
【請求項10】
前記複数のテストコントローラの各々は、ロジックコントローラおよび複数のシフトレジスタを含み、前記ロジックコントローラは前記複数のシフトレジスタに結合され、前記複数のシフトレジスタの各々は対応する集積回路チップに結合されている、請求項1に記載のマイクロ集積回路の大規模テストシステム。
【請求項11】
前記複数のテストコントローラの各々は、ロジックコントローラ、複数のドライバ、およびシフトレジスタを含み、前記ロジックコントローラは、前記複数のドライバおよび前記シフトレジスタに結合され、前記複数のドライバの各々は、対応する集積回路チップに結合され、前記シフトレジスタは、次の列のテストコントローラに結合される、請求項1に記載のマイクロ集積回路の大規模テストシステム。
【請求項12】
前記複数のテストコントローラの各々と前記複数の集積回路チップの列の各々との間の接続ワイヤの材料は、金属、多結晶および酸化インジウムスズからなる群から選択される、請求項1に記載のマイクロ集積回路の大規模テストシステム。
【請求項13】
スクライブライン上に第1テストエリアを形成するステップであって、該第1テストエリアは、複数のテストパッドおよび複数の読出パッドを含むステップと、
前記スクライブライン上に複数のテストコントローラを形成するステップと、
プローブを用いて第1テストエリアに接触させ、複数の集積回路チップの列をテストするステップと、
前記複数のテストコントローラの各々によって、前記複数の集積回路チップの列の各々を列ごとにテストするステップと、
複数の読出パッドによって、複数の集積回路チップの列の各々のテスト結果を列ごとに読み出すステップと、を含み、
前記プローブは、前記第1テストエリアに1回だけ接触する、
基板上の複数のフレーム内の複数の集積回路チップをテストするために適用されるマイクロ集積回路の大規模テスト方法。
【請求項14】
前記複数のテストパッドは、電源パッド、信号パッド、デジタルパッドおよびグランドパッドを含む、請求項13に記載のマイクロ集積回路の大規模テスト方法。
【請求項15】
前記複数の読出パッドは、前記複数の集積回路チップの列の各々に結合され、前記複数の読出パッドの各々は、前記複数の集積回路チップの列の各々における集積回路チップの各々の1つに結合されている、請求項13に記載のマイクロ集積回路の大規模テスト方法。
【請求項16】
前記複数のテストコントローラの各々は、前記複数の集積回路チップの列の各々の1つの集積回路チップを同時にテストする、請求項13に記載のマイクロ集積回路の大規模テスト方法。
【請求項17】
前記複数のテストコントローラの各々は、前記複数の集積回路チップの列の各々の1つの集積回路チップを順次テストするように構成されている、請求項13に記載のマイクロ集積回路の大規模テスト方法。
【請求項18】
前記プローブが前記第1テストエリアに接触した後、前記複数のテストコントローラの各々は、ビルトインセルフテストによって各集積回路チップのテスト対象となる内部回路を活性化するように構成されている、請求項13に記載のマイクロ集積回路の大規模テスト方法。
【請求項19】
前記複数の読出パッドが第1フレームのテスト結果を読み出した後、前記プローブを前記第1フレームから第2フレームの第2テストエリアに移動させ、前記プローブは前記第2フレームの前記複数の集積回路チップをテストするために第2テストエリアに接触し、前記プローブは第2テストエリアに1回だけ接触する、請求項13に記載のマイクロ集積回路の大規模テスト方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2020年12月23日に米国で出願された特許出願番号17/132,471の優先権を主張するものであり、その全内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、大規模テストシステムおよび方法に関するものである。
【背景技術】
【0003】
現在、ファインピッチテスト技術は、主にプローブカードによるプロービングで実施されており、そのテストピッチの限界は30~50μm程度である。マイクロ集積回路(micro-IC)では、マイクロICのテストパッドのピッチは、13μm以下に微細化されているため、従来のプローブカードではなく、微小電気機械式プローブカード(メンブレンプローブカード)を用いたプロービングでなければテストできない。しかしながら、微小電気機械式のプローブカードは製造コストが高い。
【0004】
一方、従来のプローブカードは、ウエハ上のICをテストするために使用されるため、各ICに1回ずつ接触させる必要があった。従来のプローブカードのインデックスタイムは1秒である。8インチウエハを例にとると、8インチウエハには約44フレームあり、各フレームには約1万個のICが搭載されているため、各ICに1回接触させる必要があり、ウエハのテストにかかる時間は100時間を超えてしまう。そのため、従来のプローブカードでは、高効率なテストが求められる現状に対応できなかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
現在のファインピッチテスト技術では、低コストで高効率なマイクロ集積回路テストの要求を満たすことができないという問題を解決するために、本開示は、マイクロ集積回路(micro-IC)の大規模なテストシステムおよび方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施形態によれば、マイクロ集積回路の大規模テストシステムは、基板上の複数のフレーム内の複数の集積回路チップをテストするために適用される。このシステムは、以下を含む。複数のテストパッドおよび複数の読出パッドを含み、スクライブライン上に配置された第1テストエリアと、スクライブライン上に1つずつ配置された複数のテストコントローラと、複数の集積回路チップの列をテストするために第1テストエリアに接触するように構成されたプローブとを含み、複数のテストコントローラの各々は、複数の集積回路チップの列の各々を列ごとにテストするように構成され、プローブは、第1テストエリアに1回だけ接触し、複数の読出パッドは、複数の集積回路チップの列の各々のテスト結果を列ごとに読み出すように構成されている。
【0007】
本開示の一実施形態によれば、マイクロ集積回路の大規模テスト方法は、基板上の複数のフレーム内の複数の集積回路チップをテストするために適用される。この方法は、以下のステップを含む。スクライブライン上に第1テストエリアを形成するステップであって、第1テストエリアは、複数のテストパッドおよび複数の読出パッドを含むステップと、スクライブライン上に複数のテストコントローラを形成するステップと、プローブを用いて第1テストエリアに接触させ、複数の集積回路チップの列をテストするステップと、複数のテストコントローラの各々は、複数の集積回路チップの列の各々を列ごとにテストするステップと、複数の読出パッドによって、複数の集積回路チップの列の各々のテスト結果を列ごとに読み出すステップと、を含み、プローブは、第1テストエリアに1回だけ接触する。
【0008】
以上のことから、ウエハのスクライブライン上にテストパッドおよび集積回路テストシステムを設置することで、本開示で提供する大規模テストシステムおよびマイクロ集積回路の方法のテスト装置のコストを削減することができ、また、大規模テスト方法によって、本開示で提供する大規模テストシステムおよびマイクロ集積回路の方法のテスト効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本開示は、以下に示す詳細な説明と、例示のために与えられているため本開示を限定するものではない添付の図面から、より完全に理解されるであろう。
【0010】
【
図1A】本開示の一実施形態によるマイクロ集積回路の大規模テストシステムの構成図である。
【
図1B】本開示の一実施形態によるマイクロ集積回路の大規模テストシステムの構成図である。
【
図1C】本開示の別の実施形態によるマイクロ集積回路の大規模テストシステムの回路構成図である。
【
図2A】本開示の実施形態による第1エリアのテストパッドの構成図である。
【
図2B】本開示の実施形態による第1エリアのテストパッドの構成図である。
【
図3A】本開示の実施形態によるテストコントローラのテストの制御構造を示す模式図である。
【
図3B】本開示の実施形態によるテストコントローラのテストの制御構造を示す模式図である。
【
図4A】本開示の一実施形態によるマイクロ集積回路チップのビルトインセルフテスト構造の概略図である。
【
図4B】本開示の一実施形態によるビルトインセルフテストの活性化制御の概略図である。
【
図4C】本開示の一実施形態によるビルトインセルフテストの制御タイミングシーケンスを示す概略図である。
【
図5A】本開示の実施形態による接続ワイヤの模式図である。
【
図5B】本開示の実施形態による接続ワイヤの模式図である。
【
図6A】本開示の一実施形態によるマイクロ集積回路の大規模テスト方法のフローチャートである。
【
図6B】本開示の一実施形態によるマイクロ集積回路の大規模テスト方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下の詳細な説明では、説明のために、開示された実施形態の完全な理解を提供するために、多数の具体的な詳細が記載されている。しかしながら、これらの具体的な詳細がなくても、1つまたは複数の実施形態を実施することができることは明らかであろう。また、他の例では、図面を簡略化するために、周知の構造や装置を模式的に示している。
【0012】
本開示の一実施形態におけるマイクロ集積回路の大規模テストシステムの構成図を示す
図1A~
図1Bを参照されたい。
図1Aに示すように、大規模テストシステム1は、基板20上の複数のフレーム21内の集積回路チップ22のテストに適用される集積回路チップテストシステム10を含む。一実施形態では、基板20はウエハであり、集積回路チップ22はマイクロ集積回路チップ(MicroIC)である。各フレーム21は、集積回路チップの列と、複数の集積回路チップテストシステム10と、を含み、集積回路チップテストシステム10は、スクライブライン23上に1つずつ配置されている。プローブ30は、集積回路チップテストシステム1をテストするように構成されている。
【0013】
図1Bを参照されたい。スクライブライン23は、N本のスクライブラインを含み、特に、第1スクライブライン231と、複数の第2スクライブライン232と、第3スクライブライン233と、を含む。集積回路チップテストシステム10は、第1テストエリア101を含み、第1テストエリア101は、スクライブライン23上に配置された複数のテストパッド11と、複数の読出パッド14と、を含む。読出パッド14は、第3スクライブライン243上に配置されている。本実施形態では、テストパッド11が第1スクライブライン231上に配置され、読出パッド14が第3スクライブライン243上に配置され、テストコントローラ13が第1スクライブライン231および第2スクライブライン232上に1つずつ配置されている。
【0014】
本開示の別の実施形態におけるマイクロ集積回路の大規模テストシステムの回路構成図を示す
図1Cを参照されたい。実施形態では、集積回路チップの各列は、第1集積回路チップ22_1、第2集積回路チップ22_2、・・・および第M集積回路チップ22_Mを含むM個の集積回路チップ22を有する。テストコントローラ13は、第1列の第1テストコントローラ13_1、第2列のテストコントローラ13_2、・・・および第(N-1)列の第(N-1)テストコントローラ13_N-1を含む。テストパッド11は、電源パッド111、信号パッド112、デジタルパッド113、およびグランドパッド114を含み、電源パッド111は、集積回路チップの列の各集積回路チップ22_1~22_Mに電気的に結合され、信号パッド112およびデジタルパッド113は、第1列の第1テストコントローラ13_1に電気的に結合され、グランドパッド114は、集積回路チップの列の各集積回路チップ22_1~22_Mに電気的に結合される。テストコントローラ13は、集積回路チップの列に各々電気的に結合されている。各フレームのテスト中、各テストコントローラ13は、集積回路チップの列の各々の1つを列ごとにテストするように構成されており、第1テストコントローラ13_1は、集積回路チップの第1列をテストし、第2テストコントローラ13_2は、集積回路チップの第2列をテストし、・・・および第(N-1)テストコントローラ13_N-1は、集積回路チップの第(N-1)列をテストするようになっている。
【0015】
図1Cを参照されたい。一実施形態では、各読出パッド14は、集積回路チップの各列の集積回路チップの1つに結合され、読出パッド14は、第1読出パッド14_1、第2読出パッド14_2、・・・および第M読出パッド14_Mを含み、第1読出パッド14_1は、各列の第1集積回路チップ22_1に結合され、第2読出パッド14_2は、各列の第2集積回路チップ22_2に結合され、・・・および第M読出パッド14_Mは、各列の第M集積回路チップ22_Mに結合される。読出パッド14は、集積回路チップの各列のテスト結果を列ごとに読み取るように構成されている。
【0016】
本開示の一実施形態における第1テストエリアのテストパッドの構成図を各々示す
図2A~
図2Bを参照されたい。一実施形態では、
図2Aに示すように、電源パッド111、信号パッド112、デジタルパッド113、およびグランドパッド114は、第1テストコントローラ13_1の両側に配置されるように2つのグループに分けられている。別の実施形態では、
図2Bに示すように、電源パッド111、信号パッド112、デジタルパッド113、およびグランドパッド114は、第1テストコントローラ13_1の同じ側に配置される。
【0017】
各フレームのテストにおいて、プローブ30は、第1テストエリア101に1回接触する。プローブ30は、電源パッド111、信号パッド112、デジタルパッド113、グランドパッド114、および読出パッド14に同時に接触するように構成されている。大規模テストシステム1が集積回路チップの各列を1列ごとにテストした後、読出パッド14は、集積回路チップの各列のテスト結果を1列ずつ読み出すように構成されている。プローブ30が第1テストエリアに1度接触した後、大規模テストシステム1は、集積回路チップの列ごとのテストを完了することができる。
【0018】
本開示の一実施形態におけるテストコントローラのテスト制御構造を各々示す
図3A~
図3Bを参照されたい。テストコントローラのテスト制御構造は、組立ラインの形態で集積回路チップの段階的な活性化を実施するように構成することができる。
【0019】
一実施形態では、
図3Aに示すように、各テストコントローラ13は、集積回路チップの各列の1つの各集積回路チップ22を順次テストするように構成されている。各テストコントローラ13は、ロジックコントローラ130と、複数のシフトレジスタ131と、を含み、ロジックコントローラ130は、シフトレジスタ131に結合され、各シフトレジスタ131は、対応する集積回路チップに結合される。各列のテストコントローラ13は、ロジックコントローラ130およびM個のシフトレジスタ131を含み、M個のシフトレジスタ131は直列に接続され、シフトレジスタ131の各々は、対応する集積回路チップに結合される。本実施形態では(
図1Cも参照されたい)、第1テストコントローラ13_1内の第1シフトレジスタ131_1は、第1列の第1集積回路チップ22_1に結合され、第1テストコントローラ13_1内の第2シフトレジスタ131_2は、第1列の第2集積回路チップ22_2に結合され、・・・および第1テストコントローラ13_1内の第Mシフトレジスタ131_Mは、第1列の第M集積回路チップ22_Mに結合され、第(N-1)テストコントローラ13_N-1内の第1シフトレジスタ131_1は、第(N-1)列の第1集積回路チップ22_1に結合され、・・・および第(N-1)テストコントローラ13_N-1内の第Mシフトレジスタ131_Mは、第(N-1)列の第M集積回路チップ22_Mに結合される。各列のテストコントローラは、次の列のテストコントローラに結合される。本実施形態では、第1テストコントローラ13_1が第2テストコントローラ13_2に結合され、第2テストコントローラ13_2が第3テストコントローラ13_3に結合され、・・・および第(N-2)テストコントローラ13_N-2が第(N-1)テストコントローラ13_N-1に結合される。
【0020】
第1テストコントローラ13_1がテスト信号を受信すると、ロジックコントローラ130は、集積回路チップ22_1~22_Mの第1列をテストするために、シフトレジスタ131を順次活性化させる。ロジックコントローラ130は、第1シフトレジスタ131_1を活性化させ、テスト信号を集積回路チップ22_1に送信し、第1読出パッド14_1は、集積回路チップ22_1のテスト結果を読み出す;次に、ロジックコントローラ130は、第2シフトレジスタを活性化してテスト信号を集積回路チップ22_2に送信し、第2読出パッド14_2は、集積回路チップ22_2のテスト結果を読み出す;ロジックコントローラ130は、第Mシフトレジスタを活性化してテスト信号を集積回路チップ22_Mに送信し、第M読出パッド14_Mは、集積回路チップ22_Mのテスト結果を読み出す;第1テストコントローラ13_1が第1列の集積回路チップ22_1~22_Mのテストを完了した後、第1テストコントローラ13_1がテスト信号を第2テストコントローラ13_2に送信し、第2列のロジックコントローラ130がシフトレジスタ131を順次活性化させて、第2列の集積回路チップ22_1~22_Mのテスト結果を順次読み出す;・・・;第(N-1)列のロジックコントローラ130は、第(N-1)列の集積回路チップ22_1~22_Mをテストするために、シフトレジスタ131を順次活性化し、読出パッド14は、第(N-1)列の集積回路チップ22_1~22_Mのテスト結果を順次読み出し、第1フレームのテストが完了する。
【0021】
別の実施形態では、
図3Bに示すように、テストコントローラ13の各々は、集積回路チップの列の各々の1つの各集積回路チップ22を同時にテストする。テストコントローラ13の各々は、ロジックコントローラ130、複数のドライバ132およびシフトレジスタ131を含み、ロジックコントローラ130はドライバ132およびシフトレジスタ131に結合され、ドライバ132の各々は対応する集積回路チップ22に結合され、各列のシフトレジスタ131は次の列のテストコントローラに結合される。本実施形態(
図1Cも参照されたい)では、各列のテストコントローラ13は、ロジックコントローラ130、M個のドライバ132、およびシフトレジスタ131を含み、M個のドライバ132は直列に接続され、ロジックコントローラ130は第1ドライバ132に結合され、第Mドライバ132はシフトレジスタ131に結合され、すなわち、各ドライバ132は対応する集積回路チップ22に結合される。本実施形態では、第1テストコントローラ13_1の第1ドライバ132_1は、第1列の集積回路チップの第1集積回路チップ22_1に結合され、第2ドライバ132_2は、第1列の集積回路チップの第2集積回路チップ22_2に結合され、・・・、第Mドライバ132_Mは、第1列の集積回路チップの第M集積回路チップ22_Mに結合され、・・・、第(N-1)テストコントローラ13_N-1の第1ドライバ132_1は、第(N-1)列の集積回路チップの第1集積回路チップ22_1に結合され、・・・、第(N-1)テストコントローラ13_N-1の第Mドライバ132_Mは、第(N-1)列の集積回路チップの第M集積回路チップ22_Mに結合される。各列のテストコントローラ13のシフトレジスタ131は、次の列のテストコントローラに結合される。例えば、第1テストコントローラ13_1のシフトレジスタ131は、第2テストコントローラ13_2に結合され、・・・第(N-2)テストコントローラのシフトレジスタ131は、第(N-1)テストコントローラ13_N-1のシフトレジスタ131に結合される。
【0022】
第1テストコントローラ13_1がテスト信号を受信した後、ロジックコントローラ130は、集積回路チップ22_1~22_Mの第1列をテストするために、シフトレジスタ131を同時に活性化する。また、ロジックコントローラ130は、ドライバ132_1~132_Mを同時に活性化させ、集積回路チップ22_1~22_Mにテスト信号を送信し、読出パッド14_1~14_Mは、集積回路チップ22_1~22_Mのテスト結果を読み出す;第1テストコントローラ13_1が第1列の集積回路チップ22_1~22_Mのテストを完了した後、第1列のシフトレジスタ131は、第2テストコントローラ13_2にテスト信号を送信し、第2列のロジックコントローラ139は、ドライバ132_1~132_Mを同時に活性化させ、集積回路チップ22_1~22_Mにテスト信号を送信し、読出パッド14は集積回路チップ22_1~22_Mのテスト結果を読み取る;・・・;第(N-1)列のロジックコントローラ130は、ドライバ132_1~132_Mを同時に活性化させ、集積回路チップ22_1~22_Mにテスト信号を送信し、読出パッド14は集積回路チップ22_1~22_Mのテスト結果を読み出す;第1フレームのテストが完了する。
【0023】
いくつかの実施形態では、集積回路チップの各々は、ビルトインセルフテスト(BIST:built-in self-test)構造をさらに含む。
図4A~4Cを参照すると、
図4Aは、本開示の一実施形態における集積回路チップのBIST構造を示し、
図4Bは、本開示の一実施形態におけるBISTの活性化制御を示し、
図4Cは、本開示の一実施形態におけるBISTの制御タイミングシーケンスを示す。BIST構造は、各集積回路チップ内に配置されている。集積回路チップをテストするとき、テストコントローラは、各マイクロ集積回路チップのBISTを活性化する。実施形態では、
図4Aに示すように、テストコントローラがシフトレジスタ131を介して電源221にテスト信号(T)を入力すると、BISTモジュール222が活性化され、マイクロ集積回路チップ内のドライバ223、センサ224、デジタル回路225を順にテストしてテスト結果(R)を出力し、読出パッドがテスト結果(R)を読み出す。
図4Bを参照されたい。BISTの活性化順序は、ドライバ223(「R」、「G」、「B」と表記された信号)、センサ224(「SEN」と表記された信号)、デジタル回路225(「Digital Flag」と表記された信号)である。
図4Cを参照し、また、
図3Aを参照されたい。
図4Cは、
図3Aの実施形態における集積回路チップ22のBISTを活性化するための制御タイミングシーケンスを示す。集積回路チップ22_1のBISTは活性化され、同列の他の集積回路チップ22は無効化され、第1読出パッド14_1は、
図4Bに示すBISTの活性化順序に従ってテスト結果を読み出す;次に、集積回路チップ22_2のBISTは活性化され、同列の他の集積回路チップ22は無効化され、第2読出パッド14_2は、
図4Bに示すBISTの活性化順序に従ってテスト結果を読み出す・・・;同列の集積回路チップ22を順にテストすることができる。
【0024】
本開示の一実施形態による接続ワイヤの概略図を各々示す
図5A~5Bを参照されたい。各テストコントローラと集積回路チップの各列との間の接続ワイヤの材料は、金属、多結晶および酸化インジウムスズからなる群から選択される。一実施形態では、
図5Aに示すように、接続ワイヤ15は、集積回路チップエリア(ICエリア)を接続する第1セグメント151と、テスト制御エリアのような非集積回路チップエリア(非ICエリア)を接続する第2セグメント152とに分けることができ、第1セグメント151および第2セグメント152の材料は、金属、多結晶および酸化インジウムスズのうちの1つから選択される。別の実施形態では、
図5Bに示すように、接続ワイヤ15は、集積回路チップエリア(ICエリア)を接続する第1セグメントと、テストコントロールエリアなどの非集積回路チップエリア(非ICエリア)を接続する第2セグメント152と、第1セグメント151と第2セグメント152との間の第3セグメント153とに分けることができ、第1セグメント151および第2セグメント152の材料は、金属から選択され、第3セグメント153の材料は、多結晶および酸化インジウムスズのうちの1つから選択される。
【0025】
本開示の一実施形態におけるマイクロ集積回路の大規模テスト方法のフローチャートを示す
図6A~
図6Bを参照されたい。
図6Aに示すように、大規模テスト方法は、ステップS1として、スクライブライン23上に第1テストエリア101を形成し、本実施形態では、第1テストエリア101は、第1スクライブライン231および第3スクライブライン233上に形成され、第1テストエリア101は、第1スクライブライン231上に形成されたテストパッド11と、第3スクライブライン233上に形成された複数の読出パッド14とを含む;ステップS2として、スクライブライン23上に複数のテストコントローラ13を形成し、本実施形態では、テストコントローラ13は、第1スクライブライン231および第2スクライブライン232上に形成される;ステップS3として、プローブ30を用いて、第1テストエリア101に接触させ、複数の集積回路チップの列をテストする;ステップS4として、複数のテストコントローラ13の各々によって、複数の集積回路チップの列の各々を列ごとにテストし、プローブ30は、第1テストエリア101に1回だけ接触する;ステップS5として、読出パッド14によって、複数の集積回路チップの列の各々のテスト結果を列ごとに読み出す;ステップS6(
図6Bも参照されたい)として、読出パッド14によって、第1フレーム211のテスト結果を読み出した後、プローブ30を第1フレーム211から第2フレーム212の第2テストエリア102に移動させ、プローブ30は第2フレーム212の複数の集積回路チップ22をテストするための第2テストエリア102に接触し、プローブ30は第2テストエリア102に1回だけ接触する。
【0026】
ステップS3を参照されたい。このステップでは、プローブ30を用いて、電源パッド111、信号パッド113、デジタルパッド113、グランドパッド114、読出パッド14に接触させながら集積回路チップの列をテストし、プローブ30が第1テストエリア101に接触した後、テストコントローラ13の各々が、ビルトインセルフテストによって各集積回路チップ22のテスト対象となる内部回路を活性化させる。
【0027】
ステップS5を参照されたい。このステップでは、読出パッド14が集積回路チップの列の各々に結合され、読出パッド14の各々は、集積回路チップの列の各々にある集積回路チップ22の各々の1つに結合される。
【0028】
以上によれば、本開示では、マイクロ集積回路(micro-IC)の大規模テストシステムおよび方法が提供される。ウエハのスクライブライン上にテストパッドおよび集積回路システムを配置することにより、テスト装置のコストを削減することができ、大規模テスト方法により、プローブは、各フレーム内の全ての集積回路チップに接触するのではなく、各フレーム内のテストエリアに1回接触するだけで、各フレーム内の全ての集積回路チップを列ごとにテストすることができる。そのため、各フレーム内の全ての集積回路チップをテストする時間を大幅に短縮することができ、ウェハテストの効率を向上させることができる。