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特許7234336エアフィルタエレメント、およびそれを製造する方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-27
(45)【発行日】2023-03-07
(54)【発明の名称】エアフィルタエレメント、およびそれを製造する方法
(51)【国際特許分類】
   B01D 46/00 20220101AFI20230228BHJP
【FI】
B01D46/00 302
【請求項の数】 14
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021193536
(22)【出願日】2021-11-29
(62)【分割の表示】P 2019521401の分割
【原出願日】2017-10-24
(65)【公開番号】P2022033847
(43)【公開日】2022-03-02
【審査請求日】2021-12-09
(31)【優先権主張番号】16195388.0
(32)【優先日】2016-10-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】591163214
【氏名又は名称】ドナルドソン カンパニー,インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】デコスター, クリストフ
(72)【発明者】
【氏名】クレサート, ジョニー
【審査官】谷本 怜美
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0214052(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 46/00-46/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアフィルタエレメント(100)であって、
縦溝流路付きフィルタ媒体から形成されたフィルタ媒体パック(110)であって、凸部と、凹部と、を画定する外側周囲を有する、前記フィルタ媒体パック(110)と、
前記フィルタ媒体パック(110)の第1端部に載置された第1ガイドリム(120)であって、前記フィルタ媒体パックの凸部に対応する凸部と、前記フィルタ媒体パックの凹部に対応する凹部と、を画定する前記第1ガイドリムと、
前記第1ガイドリム(120)によって支持され、外方に向けられた半径方向シール表面を画定する、シール部(120b)と、を備え
前記縦溝流路付きフィルタ媒体はコイル化されている、エアフィルタエレメント。
【請求項2】
前記フィルタ媒体パックの第2端部に載置された第2ガイドリムをさらに含む、請求項1に記載のエアフィルタエレメント(100)。
【請求項3】
前記フィルタ媒体パック(110)の半径方向の外側表面を囲むシェルをさらに含む、請求項1または2に記載のエアフィルタエレメント(100)。
【請求項4】
前記フィルタ媒体パックの凹部に亘るハンドル(170)をさらに含む、請求項1から3のいずれか一項に記載のエアフィルタエレメント(100)。
【請求項5】
前記ハンドル(170)は、前記ハンドル(170)の後ろの空隙内に人間オペレータの指を滑らせることによって、人間オペレータによって容易にしっかりと握られ得るように構成される、請求項4に記載のエアフィルタエレメント(100)。
【請求項6】
前記ハンドル(170)は、フレキシブルである請求項4または5に記載のエアフィルタエレメント(100)。
【請求項7】
前記第1ガイドリムおよび前記フィルタ媒体パックのそれぞれが2つの凸部および2つの凹部を有する、請求項1から6のいずれか一項に記載のエアフィルタエレメント(100)。
【請求項8】
前記フィルタ媒体パックが中心コアをさらに含む、請求項1から7のいずれか一項に記載のエアフィルタエレメント(100)。
【請求項9】
前記フィルタ媒体パックが腎臓形状、豆形状、8形状、S形状、およびW形状の1つとして特徴付けられた断面形状を有する、請求項1から8のいずれか一項に記載のエアフィルタエレメント(100)。
【請求項10】
前記シール部(120b)は、エラストマ、またはポリウレタンを含む、請求項1から9のいずれか一項に記載のエアフィルタエレメント(100)。
【請求項11】
前記第1ガイドリムと前記凹部に沿う前記フィルタ媒体パックの外側周囲との間の距離が2cm未満にとどまる、請求項1から10のいずれか一項に記載のエアフィルタエレメント(100)。
【請求項12】
前記第1ガイドリムと前記凹部に沿う前記フィルタ媒体パックの外側周囲との間の距離が0.5cm未満にとどまる、請求項11に記載のエアフィルタエレメント(100)。
【請求項13】
前記フィルタ媒体パック(110)の外側周囲は、前記第1ガイドリム(120)の全周囲に相当する、請求項1から12のいずれか一項に記載のエアフィルタエレメント(100)。
【請求項14】
前記シール部(120b)は、前記第1ガイドリム(120)の少なくとも1つの前記凸部と少なくとも1つの前記凹部に沿って形成されている、請求項1から13のいずれか一項に記載のエアフィルタエレメント(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願]
本出願は、2017年10月24日にPCT国際特許出願として出願されており、およびエアフィルタエレメントおよびその製法と題され、および2016年10月24日に出願された、欧州特許出願EP16195388.0の優先権を主張し、それらの内容全体が、参照することにより本願明細書に援用される。
【0002】
[技術分野]
本発明は、エアフィルタエレメント、およびエアフィルタエレメントを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
米国特許第9162172号明細書は、ハウジング、およびアクセスカバーを含むエアクリーナを開示している。ハウジングの内部容積には、ハウジングの側壁における開口を通り届き得る。縦溝流路付きフィルタ媒体を有するフィルタエレメントは、エアクリーナから取外可能、かつ交換可能である。ハウジングは、ハウジングとシール係合するエレメントをカムするように構成され、かつ配置される。エアクリーナ内にフィルタエレメントを設置する方法は、フィルタエレメントの一部をハウジング内の摺動表面に対して摺動させること含む。エアクリーナを保守点検する方法は、フィルタエレメントをハウジング内の傾斜表面に対して傾斜させることを含み、フィルタエレメントとハウジングの間のシールを解放する。フィルタエレメントは、ハンドルを有し得、エアクリーナの保守点検において助けとなる。ハウジングは、点検窓を有し得る、ハウジングの内部構成要素の目視点検を可能とし、およびフィルタエレメントがハウジング内に設置されているかどうかを視覚的に決定する。
【0004】
米国特許第9162172号明細書に開示された型のフィルタエレメントのシールは、時に、不十分であることが分かった。米国特許第9162172号明細書に開示されたハウジングの一般的な形状は、いくつかの場合において、フィルタエレメントの不正確な挿入を可能とし得、および不適切なフィルタエレメントによって適切なフィルタエレメントの故意の交換または故意でない交換を可能とし得、エアフィルタエレメントの故障をきたし得、およびエアフィルタシステムの下流のシステムに損害すら与え得ることも分かった。
【0005】
米国特許第9205361号明細書は、管状フィルタ媒体と、フィルタエレメントの内部を取り囲み、および、フィルタエレメントの内部に隣接し、かつ少なくとも1つの凸状アーチ、および少なくとも2つの凹状アーチの形態で延在する内壁を有する環状断面と、を有し、凹状アーチはフィルタエレメントの内部が凹状アーチの領域において圧縮部を有するように2つの凸状アーチの間に位置し、圧縮部はフィルタエレメントの内部の2つ広帯域によって隣接されている。この開示は、縦溝流路付きフィルタ媒体と関係しておらず、米国特許第9162172号明細書の文脈における上記課題とも関係していない。
【0006】
独国特許出願公開第102015016236号明細書は、不連続の様式で実施され、かつ少なくとも湾曲部を有し、およびそれらの湾曲状態において相互連結された、複数の重ねられたブレードを備えるフィルタエレメントであって、湾曲部の軸が流れチャネルと平行であるフィルタエレメントを開示している。独国特許出願公開第102015016236号明細書は、目的のハウジング内に設置されたとき、半径方向シールを提供するよう構成されたシール表面を備えるガイドリムを有していない。独国特許出願公開第102015016236号明細書のフィルタエレメントのフィルタ媒体は、管状形状を有していない。
【0007】
欧州特許出願公開第1656982号明細書は、第1連続気泡発泡ポリウレタン層を含む複合フィルタ構造体であって、ポリエステルファイバ、およびポリプロピレンマイクロファイバを備える中間層、中間層に結合され、不織布のポリプロピレンファイバ材料を含む第2層、およびこれらの層上に共成形されたポリウレタン材料のガスケットを有するものを開示している。欧州特許出願公開第1656982号明細書のフィルタ構造体は、目的のハウジング内に設置されたとき、半径方向シールを提供するよう構成されたシール表面を備えるガイドリムを有していない。欧州特許出願公開第1656982号明細書のフィルタ構造体のフィルタ媒体は、管状形状を有していない。
【0008】
独国特許出願公開第102014016908号明細書は、図8および図9において、フィルタ媒体で作製されたフィルタベローズを含む、流体用フィルタエレメント、特に内燃機関、特に車両であって、フィルタ媒体が、フィルタベローズの対向面縁の間に延在し、特にジグザグ状で、折り目における、折返し縁に沿うフィルタベローズ内に配置され、折り返し縁と対向自由面境界を有する面の折り目が、フィルタベローズの対向端面、および、フィルタベローズの対向表面における折り目端部の面縁に沿って連続している少なくとも2つの折返し縁のそれぞれ上に配置され、面縁の1つの少なくとも区分が、区分において、一方の表面上の折返し縁が他方の表面の折返し縁と異なる長さを有するように、折返し縁の少なくとも1つに対してある角度で延在し、および、折り目が面縁によって側方にシールされていることを開示している。引用された実施形態は、目的のハウジング内に設置されたとき、半径方向シールを提供するよう構成されたシール表面を備えるガイドリムを有していない。それらの実施形態のフィルタ媒体は、管状形状を有していない。
【0009】
欧州特許出願公開第2675547号明細書は、ハウジング内に受容されたフィルタエレメントを備えるフィルタハウジングを含むエアフィルタシステムを開示している。フィルタエレメントは、ひだ付きフィルタ媒体を含む。第2のハウジングは、フィルタハウジングに固定され、かつフィルタハウジングを閉鎖している。第2のハウジングは、フィルタハウジングとフィルタエレメントを係合するよう動作可能なロッキングエレメントを含む。フィルタエレメントは、少なくも1つの留めエレメントを備え、フィルタエレメントが、フィルタハウジング内に収容され、かつフィルタハウジングと第2のハウジングの間に配置されるとき、第2のハウジングがフィルタハウジングと取外可能に留められるように、第2のハウジングのロッキングエレメントが少なくとも1つの留めエレメントと係合する。この文献は、少なくとも半径方向に配向された構成要素を有するシール表面を含むガイドリムを開示していない。
【発明の概要】
【0010】
本発明の実施形態の対象は、向上したシール特性を備えるフィルタエレメントを提供することである。本発明の実施形態のさらなる対象は、フィルタシステムにおけるフィルタエレメントの不正確な設置の恐れを減少させることである。
【0011】
本発明の態様によれば、フィルタ媒体を含むフィルタ媒体パックであって、実質的に平面の第1側面と実質的に平面の第2側面としてオプションで配置され得る、第1および第2側面を有し、第1側面および第2側面がオプションとして平行であり得る、フィルタ媒体パックと、少なくとも半径方向に配向された構成要素を有するシール表面を備えるガイドリムであって、第1側面および第2側面の少なくとも1つ上に配置された、ガイドリムと、を含み、ガイドリム、または各ガイドリムの周囲は、少なくとも1つの凸部と、少なくとも1つの凹部と、を有し、およびフィルタ媒体パックの外形がガイドリムの凸部および凹部の少なくとも一部と対応している、エアフィルタエレメントが提供される。
【0012】
本発明は、十分に湾曲した周囲、特に少なくとも1つの凸部と、少なくとも1つの凹部と、を備える周囲を有する、ガイドリムを備えるフィルタエレメントを提供することによって、シールが実質的に直線に沿って形成されることになるときより、より信頼できるシールが得られ得るという、発明者らの見識に特に基づく。ガイドリムは、少なくとも半径方向に配向された構成要素を有するシール表面を含み、特に、ガイドリウムは、半径方向に向けられたシール(また、半径方向シールと呼ばれる)を含む。
【0013】
本発明は、また、周囲が少なくとも1つの凸部と、少なくとも1つの凹部と、を有するガイドリムを備えるフィルタエレメントを提供することによって、フィルタエレメントの全体の対称が減少し得、そのため、ハウジング内のフィルタエレメントの不正確な設置の可能性を減少させるという、発明者らのさらなる見識に基づく。
【0014】
本発明は、また、外形が少なくとも凸部内におけるガイドリムの周囲に対応するフィルタ媒体パックを有することによって、ガイドリムによって画定された空間が濾過性能を提供するように最適に使用されるという、発明者らのさらなる見識に基づく。用語「対応する」は、本願明細書において、フィルタ媒体パックの形状がガイドリムの形状にきっちりと従うこと、フィルタ媒体パックの外形とガイドリムとの間の距離が相対的に小さく、かつ外形に沿って相当の変化をしないことを示すよう使用される。周辺の凸部に沿って、ガイドリムは、フィルタ媒体パックの外形の、好ましくは2cmの距離内、より好ましくは1cm内、および最も好ましくは0.5cm内でとどまる。周辺の凸部に沿って、ガイドリムとフィルタ媒体パックの外形との間の距離は、好ましくは2cm以下、より好ましくは1cm以下、最も好ましくは0.5cm以下、変化する。オプションとして、ガイドリムの周辺は、その全長さを超えて、すなわち、凸部を超えないだけでなく、フィルタ媒体パックの外形に対応し得る。
【0015】
すなわち、創造された中空の空間は、フィルタエレメントを設置および取り外すことを容易にするためのハンドルの配置のため非常に適切であるという、凸部を有する外形を備えるフィルタ媒体パックのさらなる利点がある。
【0016】
少なくとも半径方向に配向した構成要素を有するシール表面は、好ましくは、適切に形状化された空洞内に設置されたとき、半径方向シールを提供するように構成される。
【0017】
フィルタ媒体パックは、好ましくは、管状形状を有する。用語「実質的に管状」は、フィルタ媒体の長さを巻くことによって得られる形状(中心で、コアまたは中空の空間を備える、またはそれを備えない)、管としてひだ付きフィルタ媒体を配置することによって得られる形状、および前記の観念において実質的に管である複数のユニットを組み合わせることによって得られる形状をカバーするように使用される。実質的に管状形状は、1以上のピンチ、および/またはベンドを含み得る。
【0018】
本発明に係るエアフィルタエレメントの実施形態において、フィルタ媒体パックは、管状形状、および外形と同様の実質的に幾何学的であるコアを有するフィルタ媒体の巻き上げられた長さを含む。
【0019】
相対的に複雑な外形が賢明に設計されたコアの周りのフィルタ媒体を巻き上げることによって得られ得るという、この実施形態の利点がある。フィルタ媒体は、ワインディングコアの周りに巻き上げられ得、ワインディングコアから取り外され、それから、最終コアを備え得る。代替的に、フィルタ媒体は、最終製品内のその場所に残るコアの周りに巻き上げられ得る。それは向上した剛性を提供するという、この実施形態のさらなる利点がある。用語「幾何学的に同様」は、本願明細書において、異なるスケールであるが、同様の一般的な形状の対象を示すように使用される。用語「実質的に幾何学的に同様」は、コアおよびガイドリムの形状の類似性が、正確である必要はないが、得られた巻き上げられたパックの形状を決定するコアのため十分強いことを示すように使用される。
【0020】
本発明に係るエアフィルタエレメントの実施形態において、フィルタ媒体パックはz型フィルタ媒体を含む。
【0021】
この型の配置において、フィルタ媒体の入口表面および出口表面は、平行な実質的に平面の側面であり、媒体の「縦溝流路」の端部は整列される。
【0022】
本発明に係るエアフィルタエレメントの実施形態において、フィルタ媒体パックは管状形状で配置されるひだ付きフィルタ媒体を含む。
【0023】
この型の配置において、フィルタ媒体の入口表面および出口表面は、通常、管状形状の穴の内側外套、および管状形状の外側外套、または逆も同様である。フィルタ媒体パックが、実質的に平面の第1側面、および実質的に平面の第2側面を有し、第1側面、および第2側面は、上記のように平行であり、ひだ付きフィルタ媒体は、W形状のような、異なる形状で、このフィルタ媒体パック内に配置され得る。
【0024】
本発明に係るエアフィルタエレメントの実施形態において、外形は、細長であり、および少なくとも1つの凹部が外形の長手側面に沿って存在する。特に、外形は、本質的に豆形状、または腎臓形状であり得る。それから、フィルタエレメントは、豆形状型、または腎臓形状型のものである。
【0025】
非対称の程度が、最小の加えられた複雑さを備える設計において導入され得ることが、この実施形態の利点である。
【0026】
本発明に係るエアフィルタエレメントの実施形態において、フィルタ媒体パックは、少なくとも2つの個々に巻き上げられた長さのフィルタ媒体を含み、少なくとも2つの個々に巻き上げられた長さのフィルタ媒体は、ガイドリムによって共に保持される。特に、外形は、本質的に8形状であり得る。それから、フィルタエレメントは、8形状型またはレムニスケート型である。
【0027】
この実施形態は、フィルタ媒体パックが有利に8形状等であり得るという、本発明者らの見識に特に基づく。個々の巻いたものが円筒状であり得、および媒体のシートを円筒状のコア、またはそれ自身上の周りに巻き上げることで単に得られ得、いくつかの巻いたものの組み合わせが、その上、凹部および凸部を有する設計された外形を生じることが、この実施形態の利点である。少なくとも2つの個々に巻き上げられた長さのフィルタ媒体のそれぞれは、円筒状のコア(それが巻かれたワインディングコア、またはそれが巻いたものをワインディングコアから取り外した後に挿入された異なるコア)を含み得、または、それはコアなしであり得る。
【0028】
本発明に係るエアフィルタエレメントの実施形態において、フィルタ媒体パックは、その中心で中空空間を残すことがないように巻き上げられる。
【0029】
実施形態において、フィルタ媒体パックは、フィルタ媒体パックがその中心で中空空間無しとなるように巻かれ、またはコイル化される。
【0030】
縦溝流路付、またはz型フィルタ媒体のようなフィルタ媒体の特定の型からなるフィルタ媒体バックは、空気を中空中心から供給、または取り出すために管状形状を必要とせず(上で引用された、米国特許第9205361号明細書に開示されたひだ付き媒体の例における場合であるように)、フィルタ媒体パックは、有利に、フィルタ媒体で完全に満たされ得、それにより所定のハウジング容量のための濾過性能を向上させる。そのような「完全」フィルタ媒体パックは、取外可能なワインディングコアの周りにフィルタ媒体を巻き上げること、およびそれを巻いたものから取り外した後それを平らにすることによって得られ得る。代替的に、そのような「完全」フィルタ媒体パックは、フィルタ媒体シートのシートをそれ自身上に巻くことによって得られ得る。
【0031】
本発明の態様によれば、エアフィルタシステムであって、ハウジングと、上記のような本質的に豆形状、または腎臓形状の外形を備えるエアフィルタエレメントと、を含み、ハウジングがエアフィルタエレメントを保持することができるように空隙形状を画定し、ハウジングがエアフィルタエレメントを空隙内に挿入し、およびエアフィルタエレメントを空隙から取り外すためのアクセス窓を備え、およびアクセス窓は、エアフィルタエレメントが回転を含む運動によって挿入および取り外され得るような方法に形状化され、および配置される、エアフィルタシステムが提供される。
【0032】
フィルタシステムが、伝統的な形状のフィルタシステムを他に保持することができないだろうシステムにおいて利用可能な空間(特に、ベンドまはたコーナを有する空隙)を占有し得ることが、「豆形状」、または「腎臓形状」の外形を有するフィルタエレメントの特別な利点である。さらに、エアフィルタエレメントは、非軸方向に導入され得、および取り外され得る。また、エアフィルタエレメントは、標準直線形状のフィルタエレメントで可能としない、機関、または機械の事前に配置された構成要素のような障害物の間の経路に沿って、ハウジング方向に、またはハウジングから離れるように移動され得る。
【0033】
そのような場合において、ハウジングは、フィルタエレメントを側面(すなわち、濾過される空気の流れの方向に軸方向よりむしろ横方向)から導入および取り外すように構成され得、その場合、相対的に小さい側面開口は、フィルタエレメントがハウジング内に、またはハウジングの外に回転摺動することを可能とするのに十分であり得る。回転移動は、豆形状、または腎臓形状のエアフィルタエレメントが取外しの設置の間に「コーナの周り」を回転することを可能とする。他の本質的な構成要素の存在が大きい直線フィルタの空隙の余地が無い、機械または機関の一部の中で、ハウジングが配置される必要があり得るので、そのようなコーナは存在し得る。豆形状、または腎臓形状のエアフィルタエレメントは、障害物の周りで曲がり得、および、いっそう、比較的容易に設置、または取り外され得る。したがって、所定の機関配置の構成要素のような障害物(例えば、自動車、またはトラックのフード下の機関の構成要素の配置)は、後の設置または取外し軌跡の間にフィルタ媒体パック外形の凹部によって画定される空間内に存在し得る。いくつかの実施形態において、アクセス窓は、エアフィルタエレメントの形状を考慮して、エアフィルタエレメントが、例えば、外形の湾曲に従う、回転を含む運動によって挿入および移動され得るだけのような方法で形状化され、かつ配置される。フィルタ媒体パックの外形に沿う2以上の凹部を有するより複雑な形状は、フィルタエレメントが障害物のより複雑な組み合わせのそばを通過することを可能とするように使用され得る。
【0034】
エアフィルタエレメントのシール表面は、好ましくは、ハウジングに対して半径方向シールを提供する。いくつかの例において、シール表面は、フィルタエレメントの長手軸から離れて面しており、そのため、外方面シールとして、または外方に向けられた半径方向シールとして特徴化され得る。
【0035】
本発明の態様によれば、フィルタエレメントを製造する方法であって、一定の幅を有するフィルタ媒体の少なくとも1つの長さを巻き上げ、実質的に平面の第1側面と、実質的に平面の第2側面と、を備えるフィルタ媒体パックを製造することであって、第1側面および第2側面が平行である、製造することと、少なくとも半径方向の構成要素を第1側面および第2側面の少なくとも1つの上に有するシール表面を含むガイドリムを配置すること、を含み、ガイドリム、または各ガイドリムの周囲が少なくとも凸部と、少なくとも凹部と、を含み、フィルタ媒体パックの外形がガイドリムの凸部、および凹部の少なくとも一部と対応する、フィルタエレメントを製造する方法が提供される。
【0036】
フィルタ媒体は、好ましくは、実質的に管状形状を有する。シール表面は、好ましくは、適切に形状化された空隙内に設置されるとき、半径方向シールを提供するように構成される。
【0037】
本発明に係る方法の実施形態において、巻き上げることは、フィルタ媒体の長さを周囲と実質的に幾何学的に同様である形状を有するコアの周りに巻くことを含む。
【0038】
特定の実施形態において、外形は細長であり、および少なくとも1つの凹部は外形の長手側面に沿って存在する。特に、外形は、本質的に、豆形状、または腎臓形状であり得る。
【0039】
本発明に係る方法の実施形態において、巻き上げることは、各円筒状コアの周りのフィルタ媒体の少なくとも2つの巻き上げられた長さを個々に巻き上げること、およびガイドリムの配置によって一緒になっている2つの個々に巻き上げられた長さのフィルタ媒体を結合することを含む。特に、外形は本質的に8形状であり得る。
【0040】
本発明に係る方法の実施形態において、巻き上げることは、コア周りのフィルタ媒体の長さを巻くことを含む、方法は、フィルタ媒体パックからコアを取り外すこと、およびフィルタ媒体パックを変形させ、外形を得ることをさらに含む。
【0041】
実施形態において、エアフィルタエレメントは、フィルタ媒体パック、第1ガイドリム、およびシール部を備える。フィルタ媒体パックは、コイル化縦溝流路付きフィルタ媒体から形成され得、および凸部および凹部を画定する外側周囲を有し得る。第1ガイドリムは、フィルタ媒体パックの第1端部に載置され得る。第1ガイドリムは、また、フィルタ媒体パックの凸部と対応する凸部、およびフィルタ媒体パックの凹部と対応する凹部を画定し得る。シール部は、第1ガイドリムによって支持され得、および、外方に向けられた半径方向シール表面を画定し得る。第1ガイドリムは、また、凹部および凸部を画定し得る。
【0042】
実施形態において、第2ガイドリムは、フィルタ媒体パックの第2端部に載置される。
【0043】
実施形態において、第1ガイドリム、およびフィルタ媒体のそれぞれは、2つの凸部、および2つの凹部を有する。
【0044】
実施形態において、フィルタ媒体パックは、中心コアをさらに含む。
【0045】
実施形態において、フィルタ媒体パックは、腎臓形状、豆形状、レムニスケートまたは8形状、S形状、およびW形状の1つとして特徴付けられる断面形状を有する。
【0046】
本発明に係る方法の実施形態の技術的な効果および利点は、本発明に係るフィルタエレメントの対応する実施形態のそれらに必要な変更を加えて、対応する。
【図面の簡単な説明】
【0047】
本発明の実施形態のこれらの特徴および他の特徴、および利点は、添付の図面を参照してより詳細に記載されることになる。
【0048】
図1図1は本発明の第1実施形態に係るフィルタエレメントの斜視図を示す。
図1a図1aは図1に示すフィルタエレメントの端面図を示す。
図1b図1bは図1aにおけるA-A線による図1に示すフィルタエレメントの断面図を示す。
図2図2図1の実施形態に係るフィルタエレメントの分解図を示す。
図3図3図1の実施形態に係るフィルタエレメントを製造する第1方法を模式的に図示する。
図4図4-4bは図1の実施形態に係るフィルタエレメントを製造する第2方法を模式的に図示する。
図4a図4-4bは図1の実施形態に係るフィルタエレメントを製造する第2方法を模式的に図示する。
図4b図4-4bは図1の実施形態に係るフィルタエレメントを製造する第2方法を模式的に図示する。
図5図5は本発明の第2実施形態に係るフィルタエレメントの斜視図を示す。
図5a図5aは図5に示すフィルタエレメントの端面図を示す。
図5b図5bは図5aにおけるA-A線による図5に示すフィルタエレメントの断面図を示す。
図6図6図5の実施形態に係るフィルタエレメントの分解図を示す。
図7図7は本発明の第3実施形態に係るフィルタエレメントの斜視図を示す。
図7a図7aは図7に示すフィルタエレメントの端面図を示す。
図7b図7bは図7aにおけるA-A線による図7に示すフィルタエレメントの断面図を示す。
図8図8図7の実施形態に係るフィルタエレメントの分解図を示す。
図9図9は本発明の第4実施形態に係るフィルタエレメントの斜視図を示す。
図9a図9aは図9に示すフィルタエレメントの端面図を示す。
図9b図9bは図9aにおけるA-A線による図9に示すフィルタエレメントの断面図を示す。
図10図10図9の実施形態に係るフィルタエレメントの分解図を示す。
図11図11-11aは図10の実施形態に係るフィルタエレメントを製造する方法を模式的に図示する。
図11a図11-11aは図10の実施形態に係るフィルタエレメントを製造する方法を模式的に図示する。
図12図12は本発明の実施形態に係るエアフィルタエレメントを含むエアフィルタシステムの第1斜視図を示す。
図12a図12aは図12に示すエアフィルタシステムの第2斜視図を示す。
図13図13図12に描かれるエアフィルタエレメントの第1斜視図を示す。
図13a図13aは図13に描かれるエアフィルタエレメントの第2斜視図を示す。
図14図14は本発明の実施形態において含まれ得るようなフィルタ媒体パックの形状の例の略図である。
図15図15は本発明の実施形態において含まれ得るようなフィルタ媒体パックの形状の別の例の略図である。
図16図16は本発明の実施形態において含まれ得るようなフィルタ媒体パックの形状の別の例の略図である。
図17図17は本発明の実施形態において含まれ得るようなフィルタ媒体パックの形状の別の例の略図である。
【発明を実施するための形態】
【0049】
本発明に係るフィルタエレメントの第1実施形態は、図1図4を参照してここで記載されることになる。
【0050】
図1-1bは、この実施形態の平面図(上部左)、断面(下部左)、および斜視図(右)をそれぞれ示す。
【0051】
図示されたエアフィルタエレメント100は、フィルタ媒体の巻き上げられた長さを含むフィルタ媒体パック110を含む。フィルタ媒体パック110は、実質的に平面の第1側面111、および実質的に平面の第2側面112を有し、それらは互いに平行である。エアフィルタエレメント100は、ハウジング(示されていない)内に取外可能に設置されるよう意図される。エアフィルタエレメント100の挿入および取外しを可能とするために、ハウジングは、1以上の開口または「窓」を有する。種々のハウジングおよび窓の配置が可能であり、入口または出口が提供されるハウジングの端部を取り外すことによって、開口がアクセスされるシステム、およびハウジングの側面上の窓がアクセスされ得るシステムを含む。細長外形を有するフィルタ媒体パックの設計のため、「サイドローダ」が狭い側面上または広い側面上にそれらの窓を有し得る。
【0052】
本発明は、ひだ付きフィルタ媒体、および縦溝流路付きフィルタ媒体を含む、異なる種類のフィルタ媒体で実施され得る。種々の型のひだ付きフィルタ媒体は、市販されており、および当業者に知られている。縦溝流路付きフィルタ媒体は、フィルタ材料を通り流体を押し流すように閉鎖された隣接する縦溝流路の交互の端部を有する、その中に形成された複数の縦溝流路を有するフィルタ材料を含む。種々の型の縦溝流路付きフィルタ媒体は、市販されており、および当業者に知られている。
【0053】
縦溝流路付き媒体型、またはz型媒体のフィルタ媒体パックは、当業者に知られている。例えば、縦溝流路付き媒体のいくつかの型は、Jordan V. Bauerの米国特許第3025963号明細書、Francis Friedmannらの米国特許第5895574号明細書、Patrick Goldenの米国特許第6416605号明細書、および米国特許出願公開第2014/0102057号明細書から知られている。米国特許第5895574号明細書、米国特許第6416605号明細書、および米国特許出願公開第2014/0102057号明細書の各々の全体が、本願明細書に参照によってそれらの全てが組み込まれる。縦溝流路付きフィルタ媒体型のフィルタ媒体パック110は、例えば、略平行の中空管(縦溝流路、最初の管)を有するベースシートを巻き上げること、および、例えば、開口端の側面において、巻き上げられたフィルタ媒体の連続層の間にシール接着剤を塗布することによって得られ得る。ベースシートは、例えば、互いに張り付けられた、媒体の平坦シートと、媒体の波状シートから構成され得る。中空管の第1軸端部は、フィルタ媒体パック110の第1の実質的に平面の側面111に当接しており、および中空管の第2軸端部は、フィルタ媒体パック110の第2の実質的に平面の側面112に当接している。補足的な空間/管は、ベースシートを巻き上げるときに中空管の間に作り出され得、および波状シートの特定のワインディングと平坦シートのその続くワインディングとの間に画定される。
【0054】
中空管、および補足的な空間/管は、適切な位置で中断させられ得、第1管(例えば、最初の管)内に、その第1軸端部で(第1の平面の側面111で)入る空気を押し流し、1以上の隣接する第2管(例えば、補足的な管)内に第1管の側壁を通過し、その後、空気が第2管の第2軸端部で(第2の平面の側面112で)第2管を離れることを強制する。これらの中断部のいくつかは、最初の管(例えば、それらの第2軸端部で閉鎖されている)を最初に備え得、他は、例えば、シール接着剤を塗布することによって提供され得る(例えば、補足の管、好ましくは、それらの第1軸端部付近のため)。端部111、112は、それから、フィルタの出口および入口表面として働く。フィルタエレメント100は、それが一部を形成するフィルタシステムのハウジング内に設置されるとき、空気は、入口表面に、好ましくは、必ずしもそうではないが、いくつかのサイクロンを含み得る予備洗浄フィルタを通り供給され、および出口表面から取り出される。
【0055】
同様に、フィルタ媒体パック110の他の型は、シート形態で提供される媒体を巻き上げる工程を含むことによって得られ得る。
【0056】
エアフィルタエレメント100は、第1側面111および第2側面112の少なくとも1つの上に配置されたガイドリム120をさらに含む。好ましくは、ガイドリム120は、図示された場合のように、両側面111、112の上に存在する。そのようなガイドリム120の少なくとも1つは、半径方向に配向したシール表面、または半径方向に配向した構成要素、例えば、外方に向いている半径方向に配向した構成要素を少なくとも有するシール表面を含む。さらに、それは、軸方向の構成要素を含み得る。それは、ガスケットを備え得、少なくとも半径方向構成要素と、半径方向シール、または軸方向シールとして作用する。
【0057】
ガイドリム120はシール表面を提供し、シール表面は、フィルタエレメント100がフィルタシステムの入口および/または出口オリフィスでシール係合することを可能とする。さらに、それらは、フィルタエレメント100の構造剛性に寄与し得、およびそれらは、オペレータがフィルタシステム内のフィルタエレメント100を正確に位置決めすることを助け得る(それらの形状の長所によって、およびオプションとして突起、溝、タブ等のような追加のガイドエレメント手段によって)。
【0058】
ガイドリム120は、例えば、ポリエチレン、またはポリプロピレンだけでないが、硬質プラスチック材料120(例えば、支持構造体であり得る)を含み得、それらのシール表面上に配置された、例えば適切なエラストマ、またはポリウレタンで作製された別体のシールまたはガスケット120bを備える。代替的に、ガイドリム120は、シールとして、特に、ポリウレタンのような適切なエラストマとして働き得る材料で作製され得る。
【0059】
ガイドリム120は、フィルタ媒体パック110と、別個に製造され、かつフィルタ媒体パック110に取り付けられ得、または、選択された材料の溶融特性および硬化特性がこれを許すなら、それらは、その場成形され得る(すなわち、フィルタ媒体パック110上にオーバーモールドされる)。
【0060】
図示された場合において、平面図中に見られるエアフィルタは、細長形状を有している。各ガイドリム120の周囲は、少なくとも1つの凸部と、少なくとも1つの凹部を含む。本目的のため平面図の方向に関して、外形の左手側120cと右手側120dが凸(フィルタエレメントの外側から見て)であり、外形の上側120eと下側120f(長手側)が凹中心部120e、120fを含むことが、図示された場合において明確に分かり得る。図示された場合において、フィルタ媒体パック110の外形は(平面の側面111、112に対して平行な任意の面の断面に見られるように)、ガイドリム120の全周囲に相当する(すなわち、それは厳密に一致している)。
【0061】
図2は、第1実施形態に係るフィルタエレメントの分解図を示す。フィルタ媒体パック110は、管状形状を有し、すなわち、その形状は、中空中心の周りにそれ自身上を取り囲んでおり、およびフィルタ媒体パック110の外側外形と実質的に幾何学的に同様であるコア130を含む。図2は、フィルタ媒体110およびコア130のそれぞれの側面上にガイドリム120を示しており、フィルタ媒体110の中心に配置される。ガイドリムは、関連側面111または112の一部を覆うエレメント125で構成され得、例えば、巻き上げられたフィルタ媒体バック110の伸縮変形を抑制し、構造剛性を増加させ、エレメント125は、また、その場においてコア130を保持することを助け得る。
【0062】
図3は、第1実施形態に係るフィルタエレメント100を製造する第1方法を模式的に図示する。方法は、一定の幅を有するフィルタ媒体の長さを巻き上げることを含み、実質的に平面の第1側面111、および実質的に平面の第2側面112を備えるフィルタ媒体パック110を製造し、第1側面111、および第2側面112は平行である。巻き上げることは、所望の周囲と実質的に幾何学的に同様である形状を有するコア130の周りにフィルタ媒体の長さを巻くことを含む。十分に堅いワインディングを達成するため、シートは、適切な張力下に保たれ、およびコア130上に加圧され、および、適切に配置された往復ローラ151-154によって向上したパック上にその後加圧される。接着剤(示されていない)がシートに塗布され、連続層を一緒に保持する。
【0063】
所望の形状およびサイズのフィルタ媒体パック110が得られたら、上記するようなガイドリム120が第1側面11および第2側面112の少なくとも1つの上に配置される(図3に図示されていない)。
【0064】
図4-4bは、第1実施形態に係るフィルタエレメントを製造する第2方法を模式的に図示している。
【0065】
予備的な工程(図示されていない)において、一定の幅を有するフィルタ媒体の長さが楕円形のワインディングコア、またはオブラウンドのワインディングコアの周りに巻き上げられ、実質的に平面の第1側面111、および実質的に平面の第2側面112を備えるフィルタ媒体パック110を製造し、第1側面111、および第2側面112は平行である。ワインディングコアが楕円形またはオブランドであるので、フィルタ媒体シートの張力および加圧が図3に図示される場合より複雑でない。ワインディング操作の間、接着剤がシートに塗布され、連続層を一緒に保持する。ワインディングコアから取外した後、得られたフィルタ媒体パック110は、凹部および中空中心のない細長形状を有する。
【0066】
第1工程1010において、それに実質的に幾何学的に同様であることによって所望の外形形状を表すコア130がフィルタ媒体パック110の前記の中空中心内に挿入される。第2工程1020において、コア130を備えるフィルタ媒体パック110は、外形の所望の凹部に相当する突起を有する、適切に形状化されたプレス金型160内に置かれる。第3工程1030において、プレス金型160は、フィルタ媒体パック110を所望の形状に押し込むように閉じられる。この変形はフィルタ媒体の層のいくらかの摺動をフィルタ媒体パック110において必然的に生じるので、この工程は、好ましくは、接着剤が完全に硬化する前に完成させるべきである。
【0067】
続く工程(図示されていない)において、上記のようなガイドリム120は第1側面111および第2側面112の少なくとも1つの上に配置される。
【0068】
本発明に係るフィルタエレメントの第2実施形態は、ここでは、図5および図6を参照して記載されることになる。この実施形態は、第1実施形態のエレメントと異なるエレメントに重きを置いて記載されることになる。
【0069】
図5-5bは、この実施形態の平面図(上部左)、断面(下部左)、および斜視図(右)を示す。
【0070】
図示されたエアフィルタエレメント100は、2つの個々に巻き上げられた長さのフィルタ媒体を含むフィルタ媒体パック110を含む。得られたフィルタ媒体パック110は、実質的に平面の第1側面111、および実質的に平面の第2側面112を有し、それらは互いに平行である。前記のように、フィルタ媒体は、好ましくは、「縦溝流路付き媒体」型のものである。
【0071】
エアフィルタエレメント100は、第1側面111、および第2側面112の少なくとも1つの上に配置されたガイドリム120を含む。好ましくは、ガイドリム120は、図示された場合のように、両側面111、112上に存在する。図示されたフィルタ媒体パック110は、2つの個々に巻き上げられた長さのフィルタ媒体からなるので、ガイドリム120は、これらの2つのロールを一緒に保持する追加の機能を有し、1つのパックを形成する。
【0072】
図示された場合において、エアフィルタエレメント100は細長形状を有する。各ガイドリム120の周囲は、少なくとも1つの凸部、および少なくとも1つの凹部を含む。本目的のため平面図の方向に関して、それは、外形の左手側面120c、および右手側面120dが、凸(フィルタエレメントの外側から見て)であり、外形の上部側面120e、および下部側面120f(長手側面)が凹中心部120e、120fを含むことが、図示された場合において、明確に分かり得る。図示された場合において、フィルタ媒体パック110の外形は、ガイドリム120の周囲の凸部と対応する(すなわち、それは厳密に一致している)。しかしながら、凹部120e、120fが、媒体の2つのロールが互いに合うところに位置しているので、フィルタ媒体パック110の外形がこれらの位置においてガイドリム120の周囲と厳密に従わない。
【0073】
図6は、第2実施形態に係るフィルタエレメントの分解図である。フィルタ媒体パック110は、2つの管状円筒、すなわち、中空中心を備える円筒からなり、および相当する円筒状コア130を含む。図6は、また、フィルタ媒体110のロールの中心に配置されるように、コア130とフィルタ媒体110のロールを共に保持する、フィルタ媒体110の各側面上のガイドリム120を示す。
【0074】
本発明に係るフィルタエレメントの第3実施形態は、ここでは、図7から図8を参照して記載されることになる。この実施形態は、第1実施形態のエレメントと異なるエレメントに重きを置いて記載されることになる。
【0075】
図7-7bは、この実施形態の平面図(上部左)、断面(下部左)、および斜視図(右)をそれぞれ示す。
【0076】
図示されたエアフィルタエレメント100は、巻き上げられた長さのフィルタ媒体を含むフィルタ媒体パック110を含む。フィルタ媒体パック110は、実質的に平面の第1側面111、および実質的に平面の第2側面112を有し、それらは互いに平行である。フィルタ媒体は、再び、好ましくは、「縦溝流路付き媒体」型のものである。
【0077】
エアフィルタエレメント100は、第1側面111、および第2側面112の少なくとも1つの上に配置されたガイドリム120を含む。好ましくは、ガイドリム120は、図示された場合のように、両側面111、112上に存在する。
【0078】
図示された場合において、エアフィルタエレメント100は細長形状を有する。各ガイドリム120の周囲は、少なくとも1つの凸部、および少なくとも1つの凹部を含む。本目的のため平面図の方向に関して、それは、外形の左手側面120c、および右手側面120dが、凸(フィルタエレメントの外側から見て)であり、外形の上部側面120eは、直線であり、および外形の下部側面120fは、凹中心部120fを含むことが、図示された場合において、明確に分かり得る。図示された場合において、フィルタ媒体パック110の外形は、ガイドリム120の全周囲と対応する(すなわち、それは厳密に一致している)。
【0079】
図8は、第1実施形態に係るフィルタエレメントの分解図である。フィルタ媒体パック110は、2つの管状形状を有し、すなわち、その形状は中空中心の周りでそれ自身上を取り囲んでおり、およびフィルタ媒体パック110の外側外形と実質的に幾何学的に同様であるコア130を含む。図8は、フィルタ媒体110およびコア130の各側面上にガイドリム120を示し、フィルタ媒体110の中心に置かれる。
【0080】
本発明に係るフィルタエレメントの第4実施形態は、ここでは、図9-11を参照して記載されることになる。この実施形態は、第1実施形態のエレメントと異なるエレメントに重きを置いて記載されることになる。
【0081】
図9-9bは、この実施形態の平面図(上部左)、断面(下部左)、および斜視図(右)をそれぞれ示す。
【0082】
図示されたエアフィルタエレメント100は、巻き上げられた長さのフィルタ媒体を含むフィルタ媒体パック110を含む。フィルタ媒体パック110は、実質的に平面の第1側面111、および実質的に平面の第2側面112を有し、それらは互いに平行である。フィルタ媒体は、再び、好ましくは、「縦溝流路付き媒体」型のものである。
【0083】
エアフィルタエレメント100は、第1側面111、および第2側面112の少なくとも1つの上に配置されたガイドリム120をさらに含む。好ましくは、ガイドリム120は、図示された場合のように、両側面111、112上に存在する。
【0084】
図示された場合において、エアフィルタエレメント100は細長形状を有する。各ガイドリム120の周囲は、少なくとも1つの凸部、および少なくとも1つの凹部を含む。本目的のため平面図の方向に関して、それは、外形の上部側面120e、左手側面120c、および右手側面120dが、凸(フィルタエレメントの外側から見て)であり、外形の下部側面120fが、凹中心部120fを含むことが、図示された場合において、明確に分かり得る。図示された場合において、フィルタ媒体パック110の外形は、ガイドリム120の全周囲と対応する(すなわち、それは厳密に一致している)。
【0085】
図10は、第1実施形態に係るフィルタエレメントの分解図である。フィルタ媒体パック110は、完全に満たされており、すなわち、それは中空中心を有さず、およびこの場合においてコアはない。図10は、また、フィルタ媒体110の各側面上にガイドリム120を示している。
【0086】
図11-11aは、第4実施形態に係るフィルタエレメントを製造する方法を模式的に図示している。
【0087】
予備的な工程(図示されていない)において、一定の幅を有するフィルタ媒体の長さが円筒状のワインディングコアの周りに巻き上げられ、実質的に平面の第1側面111、および実質的に平面の第2側面112を備えるフィルタ媒体パック110を製造し、第1側面111、および第2側面112は平行である。ワインディングコアが円筒状であるので、フィルタ媒体シートの張力が図3に図示される場合より複雑でない。ワインディング操作の間、接着剤がシートに塗布され、連続層を一緒に保持する。ワインディングコアから取外した後、得られたフィルタ媒体パック110は、凹部および中空中心のない円筒状形状を有する。
【0088】
第1工程2010において、中空中心を備えるフィルタ媒体パック110が、外形の所望の形状に相当する突起および空隙を有する、適切に形状化されたプレス金型160内に置かれる。第2工程2020において、プレス金型160は、フィルタ媒体パック110を所望の形状に押し込むように閉じられる。この変形はフィルタ媒体の層のいくらかの摺動をフィルタ媒体パック110において必然的に生じるので、この工程は、好ましくは、塗布された接着剤が完全に硬化する前に完成させるべきである。
【0089】
続く工程(図示されていない)において、上記のようなガイドリム120は第1側面111および第2側面112の少なくとも1つの上に配置される。
【0090】
図12および12aは、本発明の実施形態に係るエアフィルタエレメントを含むエアフィルタシステムの2つの斜視図を示す。図13および13aは、図12および12aに描かれたエアフィルタシステムのエアフィルタエレメントの2つの斜視図を示す。一般性を失うことなく、図12、12a、および13、13aに図示されたエアフィルタエレメントは、コアレスの腎臓形状、または豆形状のフィルタ媒体パック110を有する。一端部において、シール表面を備えるガイドリム120が提供される。他端部において、ハンドル170が外形の凹部に亘り提供される。ハンドルは、外形の凹部に橋を架ける、バーまたはストリップの材料を提供することによって非常に簡単に得られ得、そのため、それは、ハンドルの後ろの空隙内に人間オペレータの指を滑らせることによって、人間オペレータによって容易にしっかりと握られ得る。ハンドルは、融通がきき、およびフィルタエレメントの生産後に取り付けられ得る。例えば、それは、凹部内における、媒体パックの外側側面上、またはその外側保護層上に接着剤で付けられ得る。実際に、本開示の特定の実施形態において、フィルタ媒体パックのさらなる保護層または外被、またシェルと呼ばれるが、その半径方向の外側表面を囲み提供され得る。保護層または外被は、制限された距離を超えて、または媒体パックの全長さを超えて延在し得、媒体パックの堅い、またはより堅いハウジングを提供する。この保護層は、プラスチックのような硬質材料、または、例えば保護厚紙で作製され得る。生産プロセスに応じて、ハンドルは、また、保護外被と一体的に形成され得る。保護外被、またはシェルは、さらに、ガイドリム、またはガイドリム内に含まれた支持構造体と一体的に形成され得る。
【0091】
上記で示されたように、フィルタ媒体パックは、好ましくは、管状形状である。用語「実質的に管状」は、フィルタ媒体(中心でコアまたは中空空間を備え、またはそれを備えない)の長さを巻くことによって得られる形状、管としてひだ付きフィルタ媒体を配置することによって得られる形状、および前述の意味における実質的に管状である複数のユニットを組み合わせることによって得られる形状をカバーするよう使用される。実質的に管状形状は、1以上のピンチ、および/またはベンドを含む。図14-17は、フィルタ媒体パックが本発明の実施形態において配置され得る、種々の実質的に管状形状の略図を提供する。略図の目的は、フィルタ媒体パック、および/または関連するガイドリムの異なる外形を図示することであるから、略図は、一般性を失わず、コアなしの同じ色調のフィルタ媒体パックだけ示している。当業者は、図示された形状が、また、コアを備えた、またはコアなしのフィルタ媒体の1以上のユニット(例えば、ロール)を組み合わせることによって得られ得ることを理解するだろう。
【0092】
図14は、実質的に管状フィルタ媒体パック110を含み、かつガイドリム120を含むエアフィルタエレメント100の例の略図であり、それの形状は、その長軸に対して横断する方向において両側的にピンチされた楕円形状として記載され得、およそ、レムニスケート、8形状、または「ピーナッツ」形状を生じる。示されるように、フィルタ媒体パック110の周囲、およびガイドリム120の周囲は、2つの凸セグメント、または凸部によって相互に連結される2つの凹セグメント、または凹部を有する。
【0093】
図15は、実質的に管状フィルタ媒体パック110を含み、かつガイドリム120を含むエアフィルタエレメント100の例の略図であり、それの形状は、単一のベンドを備える楕円形状として記載され得る。示されるように、フィルタ媒体パック110の周囲、およびガイドリム120の周囲は、1以上の凸セグメント、または凸部によって相互に連結される1つの凹セグメント、または凹部を有する。
【0094】
図16は、実質的に管状フィルタ媒体パック110を含み、かつガイドリム120を含むエアフィルタエレメント100の例の略図であり、それの形状は、2つのベンドを備える楕円形状として記載され得、およそ、S形状(図示されるように)、またはZ形状(図示されない)を生じる。示されるように、フィルタ媒体パック110の周囲、およびガイドリム120の周囲は、2つのオフセットされた凸セグメント、または凸部によって相互に連結される2つのオフセットされた凹セグメント、または凹部を備える非対称的な形状である。
【0095】
図17は、実質的に管状フィルタ媒体パック110を含み、かつガイドリム120を含むエアフィルタエレメント100の例の略図であり、それの形状は、3つのベンドを備える楕円形状として記載され得、およそ、W形状を生じる。示されるように、フィルタ媒体パック110の周囲、およびガイドリム120の周囲は、3つの凸セグメント、または凸部によって相互に連結される3つの凹セグメント、または凹部を有する。
【0096】
当業者は、他の適切な形状が、管状基礎形状に対して、上記されるような「ピンチ」および「ベンド」のいくらでも組み合わせることによって得られ得ると理解する。ピンチおよびベンドは、対称、または非対称の形状を生じるように配置され得る。
【0097】
本発明は、特定の実施形態を参照して、本願明細書に上記されたが、これは、明確にするためであり、本発明を制限するものでなく、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲を参照して決定されることになる。
図1
図1a
図1b
図2
図3
図4
図4a
図4b
図5
図5a
図5b
図6
図7
図7a
図7b
図8
図9
図9a
図9b
図10
図11
図11a
図12
図12a
図13
図13a
図14
図15
図16
図17