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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-27
(45)【発行日】2023-03-07
(54)【発明の名称】寝台装置
(51)【国際特許分類】
   A61G 7/012 20060101AFI20230228BHJP
【FI】
A61G7/012
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021209022
(22)【出願日】2021-12-23
(62)【分割の表示】P 2020127454の分割
【原出願日】2015-10-06
(65)【公開番号】P2022033223
(43)【公開日】2022-02-28
【審査請求日】2021-12-23
(73)【特許権者】
【識別番号】390039985
【氏名又は名称】パラマウントベッド株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108062
【弁理士】
【氏名又は名称】日向寺 雅彦
(74)【代理人】
【識別番号】100168332
【弁理士】
【氏名又は名称】小崎 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100146592
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 浩
(72)【発明者】
【氏名】池田 健一
(72)【発明者】
【氏名】原田 昌和
(72)【発明者】
【氏名】窪田 伸之助
【審査官】望月 寛
(56)【参考文献】
【文献】特許第2962414(JP,B1)
【文献】特開2003-190225(JP,A)
【文献】実開昭53-078891(JP,U)
【文献】特開2004-147896(JP,A)
【文献】特開2006-109876(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61G 7/012
A47C 19/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前後方向に延びる第1縦部材を含む下側フレームと、
前後方向に延びる第1部材と前後方向と交差する水平方向に延びる第2部材とを含む上側フレームと、
前記上側フレームを昇降する昇降機構と、
を備え、
前記第1縦部材は、金属の第1本体部と、前記第1本体部の上面に設けられ上面視したときに前記第2部材と重なる第1部分と、を含み、
前記第2部材は、金属の第2本体部と、前記第2本体部の下面に設けられ上面視したときに前記第1縦部材と重なる第2部分と、を含み、
前記昇降機構が撓んだ場合に、前記第2部材と前記第1縦部材とが当接し、衝撃を緩和する、電動ベッド。
【請求項2】
前記上側フレームが最下降位置にある状態で、前記第2部材と前記第1縦部材とが当接し、衝撃を緩和する、請求項1記載の電動ベッド。
【請求項3】
前記第1部分は、前記第1本体部の上側の表層に設けられ、
前記第2部分は、前記第2本体部の下側の表層に設けられている、請求項1または2に記載の電動ベッド。
【請求項4】
前記昇降機構は、リンク部材と、連結棒と、を含み、前記連結棒の一部が湾曲している、請求項1乃至請求項3のいずれか1つに記載の電動ベッド。
【請求項5】
前記第2部分の少なくとも一部の材料は、弾性体である、請求項1乃至請求項4のいずれか1つに記載の電動ベッド。
【請求項6】
前記昇降機構は、Xリンク構造である、請求項1乃至請求項5のいずれか1つに記載の電動ベッド。
【請求項7】
前記第1部材は、上面視において、前記第1縦部材よりも前記電動ベッドの内側に位置する、請求項1乃至請求項6のいずれか1つに記載の電動ベッド。
【請求項8】
前記上側フレームは、ボトムを支持する、請求項1乃至請求項7のいずれか1つに記載の電動ベッド。
【請求項9】
前記ボトムは、背ボトムと、腰ボトムと、足ボトムと、を含む、請求項8に記載の電動ベッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、寝台装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えば病院や一般家庭では、治療用や療養用、介護用として寝台が昇降自在とされた寝台装置が用いられている。例えば特許文献1及び特許文献2には、寝台を支持する昇降フレームと、設置床上に載置される基部フレームと、これらの昇降フレームと基部フレームとを昇降フレームが昇降自在となるように連結するXリンク機構とを備える寝台装置が開示されている。Xリンク機構は、棒状の第1リンク部材及び第2リンク部材と、これらの第1リンク部材と第2リンク部材とをX状に回動自在に連結する連結ピンとを有する構造とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2009-207642号公報
【文献】特開2009-207643号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のような寝台装置では、例えば、第1リンク部材の周面に対して樹脂等からなる当接部を設置し、寝台が最も下降された場合に、上記当接部を第2リンク部材に対して下方から当接させることにより、寝台の最下降位置での安定感の向上等を図っている。このような構成によると、寝台が最下降位置の場合に当接部が第1リンク部材と第2リンク部材とに上下方向から挟まれた状態となる。
【0005】
ところで、近年においては、寝台の最下降位置をより低くする低床化が求められている。Xリンク機構を採用する寝台装置にてより低床化を行う場合には、第1リンク部材と第2リンク部材とを従来以上に水平姿勢に近づける必要がある。しかしながら、上述のような当接部が最下降位置にて第1リンク部材と第2リンク部材との間に挟まれる構造では、当接部が邪魔となり第1リンク部材と第2リンク部材とをより水平姿勢とすることが難しく、十分に低床化を図ることができない。なお、寝台を昇降自在とする寝台装置にて、昇降フレームと基部フレームとを昇降自在に連結する機構はXリンク機構に限られないが、どのような昇降連結機構であれ、寝台の最下降位置で昇降連結機構の構成部材同士が当接する場合には、同様に低床化の妨げとなることが考えられる。
【0006】
さらに、低床化を実現するためには、昇降連結機構の構成部材をより小型化する必要がある。このため、昇降連結機構の剛性が低下し、従来よりも僅かに撓みやすくなる場合も考えられる。このようにXリンク機構の構成部材が撓みやすくなり、かつ、より低床化されると、使用状況によっては寝台が設置床と接触し、利用者に不快感を与えることもあり得る。
【0007】
また、上述のような寝台の設置床との接触を防止するために、昇降フレームを下方から支持する支持フレームを設け、寝台の最下降位置にて支持フレームを基部フレームに当接させることも考えられる。しかしながら、このような場合には、支持フレームの高さ分だけ寝台の設置位置が高くなることになり、低床化の妨げとなる。
【0008】
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、寝台を昇降自在とする寝台装置において、低床化を実現しかつ寝台と設置床との接触を防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記課題を解決するための手段として、以下の構成を採用する。
【0010】
第1の発明は、寝台と、当該寝台に当接されて当該寝台を直接的に支持する上側フレームと、設置床上に載置されて上記上側フレームの下方に配置される下側フレームと、上記上側フレームを上記下側フレームに対して昇降自在に連結する昇降連結機構と、を備える寝台装置であって、上記上側フレームが、最下降位置にて上記下側フレームに上方から当接する当接部を備えるという構成を採用する。
【0011】
本発明によれば、寝台が最も下降された位置である最下降位置において、寝台を直接的に支持する上側フレームが直接的に下側フレームに当接し、上側フレームが下側フレームによって下方から支持される。このため、昇降連結機構の構成部材同士を当接させることなく、最下降位置にて上側フレームを安定的に支持することができる。つまり、本発明によれば、例えば昇降連結機構がXリンク構造を有している場合であっても、X状に回動可能に連結された棒状のリンク部材同士の間に当接部を設置する必要がなくなる。このため、従来よりもリンク部材を水平姿勢に近づけることができ、さらなる低床化を実現することが可能となる。
【0012】
また、本発明によれば、最下降位置にて上側フレームが下側フレームに直接的に当接さて支持されるため、構成部材が小型化されて部分的に撓みやすい昇降連結機構を採用した場合であっても、寝台が設置床と接触することを防止することができる。また、上側フレームが下側フレームに当接されることにより、寝台の最下降位置における剛性が向上される。このため、狭隘な空間や設置床の近傍に部材を設置しても、他部材や設置床との干渉を防止することができる。したがって、下側フレームにキャスターを設置したり、背上機構を設置したり、柵等のオプションを設置床に近づけて配置したりすることが可能となる。
【0013】
第2の発明は、上記第1の発明において、上記上側フレームが、上記寝台に当接される寝台支持部材と、上記寝台支持部材から水平方向に突出すると共に上記最下降位置にて上記下側フレームに上方から当接する突出部と、を備えるという構成を採用する。
【0014】
このような構成を採用する本発明によれば、上側フレームが寝台支持部材と別に、当該寝台支持部材から水平方向に突出する突出部を備えている。また、寝台が最下降位置の場合に、上側フレームの突出部が下側フレームに対して当接する。寝台を直接的に支持する寝台支持部材を下側フレームに当接させようとすると、平面視において寝台支持部材を下側フレームと重なるように配置する必要がある等、寝台支持部材のレイアウト等に制約が生じ、上側フレームの主たる機能である寝台支持機能に制限を与えることになりかねない。これに対して、本発明のように、寝台支持部材と別体の部位である突出部を下側フレームに当接させるようにすれば、寝台支持部材のレイアウト等に制約が生じることを防止することができる。
【0015】
第3の発明は、上記第2の発明において、上記上側フレームが、オプション受けをさらに備え、上記突出部が、上記オプション受けを上記寝台支持部材からの突出方向に沿って進退自在に支持するという構成を採用する。
【0016】
本発明によれば、下側フレームと当接する当接部である突出部が、オプション受けを支持する支持部として機能する。このため、本発明によれば、オプション受けの支持部を別途設置する必要がなく、構造を簡素化し、小型化、軽量化及び剛性向上を実現すると同時に、最下降位置でオプション受けが床に接触することを回避することができる。
【0017】
第4の発明は、上記第1~第3いずれかの発明において、上記上側フレームが、上記昇降連結機構に対して着脱自在であり、さらに、利用者の頭側に対応する部位と足側に対応する部位とに分離自在であるという構成を採用する。
【0018】
本発明によれば、搬送時に上側フレームを昇降連結機構から脱離し、さらに頭側に対応する部位と足側に対応する部位とに分割することができる。このため、本発明によれば、複数の部位に分離することができ、搬送性に優れ、一般家庭にも容易に出し入れできる構造となる。
【0019】
第5の発明は、上記第1~第4いずれかの発明において、上記昇降連結機構が、Xリンク構造を有するという構成を採用する。
【0020】
第6の発明は、上記第1~第5いずれかの発明において、上記上側フレームの位置が上記最下降位置よりも高いときに、上記上側フレーム及び上記寝台の荷重の全てを上記昇降連結機構で受け、上記最下降位置のときに、上記上側フレームの位置が当該最下降位置よりも高いときに上記昇降連結機構で受ける荷重の少なくとも一部が上記当接部を通じて直接的に上記下側フレームに伝達されるという構成を採用する。
【0021】
本発明によれば、昇降連結機構で支持されている上側フレーム及び寝台からの荷重の少なくとも一部が、最下降位置のときに当接部を通じて下側フレームに伝達される。このため、最下降位置の場合における昇降連結機構の負荷を低減することができる。
【0022】
本発明によれば、昇降連結機構がXリンク構造を有しているため、安定して寝台の昇降を行うことができる。さらに、このようなXリンク構造を有する昇降連結機構を採用した場合であっても、昇降連結機構の部材同士を当接させて上側フレームを安定させる必要がないため、低床化を実現することができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、上側フレームが、寝台の最下降位置にて下側フレームに上方から当接する当接部を備えるため、寝台を昇降自在とする寝台装置において、低床化を実現しかつ寝台と設置床との接触を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の一実施形態に係る寝台装置の平面図である。
図2図1に示す寝台装置の側面図である。
図3図1に示す寝台装置を構成する支持架台の分解斜視図である。
図4図3に示す支持架台の平面図である。
図5図3に示す支持架台の側面図である。
図6図3に示す支持架台の側面図であって、昇降機構によりメインフレームを上昇させた状態を示す図である。
図7】当接突出部とベースフレームとを含む拡大模式図であり、(a)がベースフレームから当接突出部が離間した状態を示す図であり、(b)がベースフレームに当接突出部が当接した状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面を参照して、本発明に係る寝台装置の一実施形態について説明する。なお、以下の図面において、各部材を認識可能な大きさとするために、各部材の縮尺を適宜変更している。
【0026】
寝台装置10は、例えば、医療環境下(介護環境下を含む)において利用することができる。図1から図9において、矢印Hは使用者(利用者)が寝る際に頭側となる向きを示し、また矢印Fは使用者が寝る際に足側となる向きを示している。以下の説明においては、矢印H、Fの方向である前後方向に対して直交する水平方向を左右方向と言う場合が有る。
【0027】
図1から図6に示すように、寝台装置10は、寝台11と、支持架台12と、駆動機構13と、ボード14と、制御部15と、を備えている。寝台装置10は、電力を動力源とするいわゆる電動ベッドである。
寝台11は、平面視した場合に左右方向よりも前後方向に長い。寝台11は、背ボトム16と、腰ボトム17と、脚ボトム18と、を備えており、これらの背ボトム16、腰ボトム17および脚ボトム18は、頭側Hから足側Fに向けてこの順に並んでいる。脚ボトム18は、膝ボトム19と、足ボトム20と、を備えており、これらの膝ボトム19および足ボトム20は、頭側Hから足側Fに向けてこの順に並べられている。
【0028】
背ボトム16の上面、腰ボトム17の上面および脚ボトム18(膝ボトム19および足ボトム20)の上面はそれぞれ、寝台面21の一部を形成している。背ボトム16は、寝台面21上の使用者の背を支える部分に対応し、腰ボトム17は、寝台面21上の使用者の腰を支える部分に対応し、脚ボトム18は、寝台面21上の使用者の脚を支える部分に対応する。膝ボトム19は、寝台面21上の使用者の膝から腰を支える部分に対応し、足ボトム20は、寝台面21上の使用者の膝から足先を支える部分に対応する。腰ボトム17は、前後方向に伸縮自在に形成されている。膝ボトム19と足ボトム20とは、左右方向に延びる屈曲軸22回りに回動自在に連結されている。
【0029】
寝台面21は、駆動機構13によって寝台11が背上げまたは膝上げ等の変形(例えば起伏を伴う回動)をさせられる前の標準状態において、上下方向に直交する直交面とされている。寝台面21は、その平面視において左右方向よりも前後方向に長い矩形状に形成されている。寝台面21(寝台11)の長手方向は前後方向とされ、寝台面21の短手方向は左右方向となっている。寝台面21上には、図示しないマットレスが配置される。
【0030】
支持架台12は、寝台11を支持し、寝台11、および寝台11上の使用者それぞれの荷重を受け止める。本実施形態では、支持架台12が、背ボトム16および脚ボトム18を、左右方向に延びる回動軸23、24回りに回動自在に支持していて、寝台装置10は、いわゆるギャッチベットとなっている。支持架台12は、ベースフレーム25(下側フレーム)と、メインフレーム26(上側フレーム)と、昇降連結機構27と、を備えている。
【0031】
ベースフレーム25は、設置床S上に載置され、平面視において矩形状をなす。図3に示すように、ベースフレーム25は、前後方向に延びる第1縦部材28と、左右方向に延びる第1横部材29と、を備えている。
第1縦部材28は、左右方向に間隔をあけて一対設けられている。
第1横部材29は、左右一対の第1縦部材28間に架設されており、これらの両第1縦部材28を左右方向に連結している。第1横部材29は、前後方向に間隔をあけて一対設けられている。第1横部材29は、第1縦部材28に移動不能に固定されている。
【0032】
第1縦部材28の前後方向の端部は、第1横部材29よりも前後方向の外側に突出しており、これらの各端部には、設置用の脚部材30が装着されている。なお図示の例では、脚部材30として、ゴムカバーを採用しているが、ゴムカバーに代えてキャスターやアジャスターを採用することも可能である。キャスターやアジャスターを採用しても、高さは脚部材30を採用した場合と同等にすることができる。
【0033】
メインフレーム26は、寝台11を直接、支持する。つまり、メインフレーム26は、寝台11に直接的に当接されており、寝台11を下方から支持している。メインフレーム26は、寝台11を下方から支持するフレーム部31と、フレーム部31から左右方向に突出し、寝台11の下方に配置されるオプション取付け部32と、を備えている。
フレーム部31は、平面視において矩形状をなす。フレーム部31は、前後方向に延びる第2縦部材33(寝台支持部材)と、左右方向に延びる第2横部材34と、を備えている。
【0034】
第2縦部材33は、左右方向に間隔をあけて一対設けられており、寝台11に直接当接されると共に寝台11を下方から支持している。
第2横部材34は、左右一対の第2縦部材33間に架設され、これらの両第2縦部材33を左右方向に連結している。第2横部材34は、前後方向に間隔をあけて複数、図示の例では5つ設けられている。第2横部材34は、第2縦部材33に移動不能に固定されている。第2縦部材33の前後方向の端部は、複数の第2横部材34のうち、前後方向に沿って最も外側に位置する第2横部材34よりも前後方向に突出している。
【0035】
オプション取付け部32は、フレーム部31を挟んで左右一対設けられ、さらに左右一対のオプション取付け部32が、前後方向に間隔をあけて一対設けられている。つまり、本実施形態では、4つのオプション取付け部32が設けられている。これらのオプション取付け部32は、平面視において寝台装置10の4隅に1つずつ配置されている。各オプション取付け部32は、第2縦部材33から左右方向に延びる前後一対の突出部35と、これらの両突出部35に、左右方向(突出部35の突出方向)に進退自在に装着されたオプション受け36と、を備えている。オプション受け36は、寝台11から左右方向に突出している。オプション受け36には、図示しない転落防止用の柵体が着脱される。
【0036】
各々のオプション取付け部32が備える2つの突出部35のうち、前後方向における寝台装置10の中央寄りの突出部35は、寝台11が最も下降された位置(最下降位置)である場合に、ベースフレーム25の第1縦部材28に当接される当接部として機能する。以下、このベースフレーム25の第1縦部材28に当接される突出部35を当接突出部35aと称する。これらの当接突出部35aは、下面が平面状とされており、寝台11が最下降位置とされた場合に、ベースフレーム25の第1縦部材28に上方から当接し、寝台11からメインフレーム26が受ける荷重をベースフレーム25に伝達する。つまり、本実施形態の寝台装置10においては、寝台11が最下降位置(すなわちメインフレーム26の最下降位置)である場合には、メインフレーム26がベースフレーム25によって直接的に支持される。
【0037】
また、メインフレーム26は、昇降連結機構27に対して着脱可能とされており、前後方向に沿って頭側フレーム37(頭側に対応する部位)と足側フレーム38(足側に対応する部位)とに2分割される。つまり、本実施形態では、メインフレーム26は、使用者の頭側Hと足側Fとに分離自在とされている。より詳細には、本実施形態では、一対の第2縦部材33がそれぞれ、前後方向に沿って頭側部材33aと足側部材33bとに2分割される。そして、左右一対の頭側部材33aを、複数の第2横部材34のうちの頭側Hに位置する2つの第2横部材34が連結することで、頭側フレーム37が形成されている。また、左右一対の足側部材33bを、複数の第2横部材34のうちの足側Fに位置する3つの第2横部材34が連結することで、足側フレーム38が形成されている。オプション取付け部32は、頭側フレーム37および足側フレーム38のそれぞれに、左右一対ずつ配置されている。
【0038】
頭側フレーム37には、背ボトム16が固定されるリトラフレーム39と、リトラフレーム39(背ボトム16)を第1回動軸23回りに回動させる第1回動部材43と、が設けられている。リトラフレーム39および第1回動部材43はいずれも、平面視において頭側Hに向けて開口する倒立U字状に形成されている。
リトラフレーム39は、左右方向に間隔をあけて一対設けられたボトム支持部40と、ボトム支持部40における前後方向の足側Fの端部同士を連結する連結軸41と、を備えている。連結軸41の左右方向の端部は、ボトム支持部40から左右方向に突出している。
【0039】
図3および図4に示すように、リトラフレーム39は、リトラ用リンク42を介してメインフレーム26に連結されている。リトラ用リンク42は、リトラフレーム39を左右方向に挟んで一対設けられている。各リトラ用リンク42の足側Fの端部には、連結軸41の左右方向の端部が回動自在に連結されている。各リトラ用リンク42における頭側Hの端部は、メインフレーム26に第1回動軸23を介して回動自在に連結されている。第1回動軸23は、リトラ用リンク42をメインフレーム26に回動自在に連結している。
【0040】
図2から図4に示すように、第1回動部材43は、背ボトム16の下面に沿って前後方向に延びる左右一対の第1押上腕部43aと、左右一対の第1押上腕部43aを左右方向に連結する第1連結部43bと、を備えている。第1連結部43bは、第1押上腕部43aの足側Fの端部を連結している。第1連結部43bの左右方向の端部は、第1押上腕部43aから左右方向に突出していて、第2縦部材33に回動自在に連結されている。第1押上腕部43aの頭側Hの端部は、ボトム支持部40の下面に摺動自在に当接する。
【0041】
上記頭側フレーム37では、第1回動部材43が上側に向けて回動することで、第1押上腕部43aの頭側Hの端部がボトム支持部40の下面に対して摺動し、第1回動部材43がリトラフレーム39を押し上げる。すると、リトラ用リンク42が第1回動軸23回りに回動するとともに、リトラフレーム39が連結軸41回りに回動する。これにより、図2に示すように、背ボトム16全体が頭側Hに移動しながら、背ボトム16が第1回動軸23回りに起伏回動し、背ボトム16が水平面に対して傾斜するいわゆる背上げ状態となる。
【0042】
背上げ状態とされたリトラフレーム39は、前後方向に延びるリトラ用ステー44によって支持される。リトラ用ステー44は、リトラフレーム39と、複数の第2横部材34のうち、最も頭側Hに位置する第2横部材34と、の間に設けられている。リトラ用ステー44の足側Fの端部は、リトラフレーム39に回動自在に連結され、リトラ用ステー44の頭側Hの端部は、第2横部材34に回動自在に連結されている。リトラ用ステー44は、背上げ状態とされたリトラフレーム39を頭側H斜め下方から支持する。
【0043】
図3および図4に示すように、足側フレーム38には、脚ボトム18が第2回動軸24を介して固定される固定部材45と、脚ボトム18を第2回動軸24回りに回動させる第2回動部材46と、が設けられている。
固定部材45は、足側フレーム38を構成する複数の第2横部材34のうち、最も頭側Hに位置する第2横部材34に設けられている。固定部材45は、第2横部材34から足側Fに向けて突出している。固定部材45には、脚ボトム18のうち、頭側Hの端部が、第2回動軸24を介して回動自在に固定される。
【0044】
第2回動部材46は、第2縦部材33に、押上軸47回りに回動自在に連結されている。押上軸47は、第2回動部材46を左右方向に挟んで一対設けられている。これらの両押上軸47は、互いに同軸に配置されている。
【0045】
第2回動部材46は、平面視において足側Fに開口する倒立U字状に形成されている。第2回動部材46は、脚ボトム18の下面に沿って前後方向に延びる左右一対の第2押上腕部48と、左右一対の第2押上腕部48を左右方向に連結する第2連結部49と、を備えている。第2連結部49は、左右一対の第2押上腕部48における頭側Hの端部同士を連結している。第2押上腕部48の頭側Hの端部は、第2縦部材33に押上軸47を介して連結されている。第2押上腕部48の足側Fの端部は、膝ボトム19の下面に摺動自在に当接する。
【0046】
上記足側フレーム38では、第2回動部材46が上側に向けて回動することで、第2押上腕部48の足側Fの端部が膝ボトム19の下面上を摺動しながら、第2回動部材46が膝ボトム19を押し上げる。すると、図2に示すように、膝ボトム19が第1回動軸23回りに回動し、膝ボトム19における足側Fの端部が上昇する一方、足ボトム20が相対的に屈曲軸22回りに回動し、寝台面21において膝に対応する部分が上方に向けて突となるように屈曲するいわゆる脚上げ状態となる。
【0047】
なお足ボトム20には、足先上げ用ステー50が設けられている。足先上げ用ステー50は、脚ボトム18を足先上げ状態で保持する。足先上げ状態の脚ボトム18は、脚ボトム18を脚上げ状態とした後、足ボトム20を屈曲軸22回りに上側に向けて回動させてなる。足先上げ用ステー50は、足ボトム20の下面に沿って前後方向に延びている。足先上げ用ステー50における足側Fの端部は、足ボトム20に回動自在に連結されている。足先上げ用ステー50における頭側Hの端部は、自由端とされている。
上記足先上げ用ステー50では、脚ボトム18が足先上げ状態とされたときに、足先上げ用ステー50の全体が、下方に向けて回動して足ボトム20から頭側H斜め下方に延び、足先上げ用ステー50における頭側Hの端部が、第2縦部材33に係止される。
【0048】
ここで、腰ボトム17における頭側Hの端部は、リトラフレーム39に固定され、腰ボトム17における足側Fの端部は、固定部材45に固定される。背ボトム16が起伏回動するときに、腰ボトム17における頭側Hの端部が背ボトム16とともに起伏し、腰ボトム17は全体として、前後方向に伸長しながら下方に向けて突となるように湾曲する。
【0049】
支持架台12では、第1回動部材43および第2回動部材46が、前述の標準状態から背ボトム16および脚ボトム18を回動させることで、寝台11は、図2に2点鎖線で示すような、背上げおよび脚上げ(膝上げ)がされた典型的な使用状態となる。寝台11を標準状態から使用状態にするときには、脚上げを背上げに先行して実施することで、使用者の寝台装置10に対するずれを効果的に防止することができる。
【0050】
図3図5および図6に示すように、昇降連結機構27は、ベースフレーム25とメインフレーム26とを連結しており、メインフレーム26をベースフレーム25に対して昇降自在に支持している。昇降連結機構27は、いわゆるXリンク構造を採用している。昇降連結機構27は、第1リンク51(リンク部材)と、第2リンク52(リンク部材)と、連結棒53と、を備えている。
第1リンク51および第2リンク52はそれぞれ、左右方向に間隔をあけて一対設けられている。第1リンク51および第2リンク52は、いずれも前後方向に延びる棒状の部材である、これらの第1リンク51および第2リンク52それぞれにおける前後方向の中央部同士は、連結ピン54を介して回動自在に連結されている。このように連結ピン54によって第1リンク51と第2リンク52とが中央部で連結されることによって、第1リンク51と第2リンク52とは、X状に回動可能に組み付けられている。このような第1リンク51と第2リンク52とは、寝台11(すなわちメインフレーム26)を上昇させるに従って鉛直姿勢(長手方向が鉛直方向を向く姿勢)に近づき、寝台11(すなわちメインフレーム26)を下降させるに従って水平姿勢(長手方向が水平方向を向く姿勢)に近づくように連結ピン54を中心として回動される。
【0051】
連結棒53は、4つ設けられている。各連結棒53は、左右一対の第1リンク51それぞれにおける前後方向の両端部同士、および、左右一対の第2リンク52それぞれにおける前後方向の両端部同士を連結している。
4つの連結棒53のうち、第1リンク51の頭側Hの端部を連結する連結棒53は、第1縦部材28に回動自在に連結され、第2リンク52の頭側Hの端部を連結する連結棒53は、第2縦部材33に回動自在に連結されている。4つの連結棒53のうち、第1リンク51の足側Fの端部を連結する連結棒53は、第2縦部材33に設けられた上案内部55に装着され、第2リンク52の足側Fの端部を連結する連結棒53は、第1縦部材28に設けられた下案内部56に装着される。上案内部55および下案内部56はそれぞれ、連結棒53を前後方向に沿って摺動自在に支持する。
【0052】
このような昇降連結機構27は、後述するリンク駆動機構59で生成される動力によって、第1リンク51が上側に向けて回動されると、第2リンク52も連動して上側に向けて回動される。このとき、第1リンク51における足側Fの端部、および第2リンク52における足側Fの端部がそれぞれ、上案内部55または下案内部56によって頭側Hに案内されながら、第1リンク51および第2リンク52が回動し、ベースフレーム25に対してメインフレーム26が上昇する。
【0053】
図3および図4に示すように、駆動機構13は、支持架台12に取り付けられ、寝台11および支持架台12のうちの少なくとも一部である可動部57を移動させる。駆動機構13は、前後方向に伸縮する直動アクチュエータとされ、前後方向に伸縮することで可動部57を移動させる。駆動機構13は、可動部57としての背ボトム16または脚ボトム18を回動させるボトム駆動機構58と、可動部57としての第1リンク51または第2リンク52を回動させるリンク駆動機構59と、を備えている。
【0054】
ボトム駆動機構58は、背ボトム16を回動させる第1駆動機構58aと、脚ボトム18を回動させる第2駆動機構58bと、を備えている。
第1駆動機構58aは、支持架台12において前後方向に沿う頭側Hに位置する部分に配置されている。第1駆動機構58aは、前後方向に伸長することで、第1回動部材43を上側に向けて回動させる。第1駆動機構58aは、複数の第2横部材34のうち、最も頭側Hに位置する第2横部材34と、第1連結部43bと、の間に設けられている。第1駆動機構58aは、第2横部材34および第1連結部43bそれぞれから突出する取付け部材60を介して、第2横部材34および第1連結部43bに連結されている。第1駆動機構58aは、取付け部材60に回動自在に連結されている。
【0055】
第2駆動機構58bは、支持架台12における前後方向の中央部に配置されている。第2駆動機構58bは、前後方向に伸長することで、第2回動部材46を上側に向けて回動させる。第2駆動機構58bは、足側フレーム38に設けられた複数の第2横部材34のうち、最も頭側Hに位置する第2横部材34と、第2回動部材46の第2連結部49と、の間に設けられている。第2駆動機構58bは、第2横部材34および第2連結部49それぞれから突出する取付け部材60を介して、第2横部材34および第2連結部49に連結されている。第2駆動機構58bは、取付け部材60に回動自在に連結されている。
【0056】
リンク駆動機構59は、支持架台12において前後方向に沿う足側Fに位置する部分に配置されている。リンク駆動機構59は、前後方向に伸長することで、第1リンク51を上側に向けて回動させる。リンク駆動機構59は、第1リンク51と、複数の連結棒53のうち、第1リンク51の足側Fの端部を連結する連結棒53と、の間に設けられている。リンク駆動機構59は、連結棒53から突出する取付け部材60を介して、連結棒53に連結されている。リンク駆動機構59は、変換機構61を介して第1リンク51に連結されている。変換機構61は、リンク駆動機構59の伸縮運動を第1リンク51の回動運動に変換する。リンク駆動機構59は、取付け部材60および変換機構61に回動自在に連結されている。
【0057】
図1から図6に示すように、ボード14は、支持架台12に固定され、寝台面21よりも上方に立ち上がっている。ボード14は、前後一対、備えられていて、第2縦部材33の前後方向の両側の端部から立ち上がっている。
制御部15は、駆動機構13を制御する。制御部15は、駆動機構13に電気的に接続されている。制御部15には、電源コードCおよび図示しない操作部が電気的に接続されている。制御部15には、電源コードCを介して外部から給電されるとともに、上記操作部を介して外部からの指示が入力される。制御部15は、外部からの指示に基づいて駆動機構13を制御する。
【0058】
このような本実施形態の寝台装置10では、リンク駆動機構59の伸縮運動が変換機構61によって回転運動に変換され、この回転運動によって昇降連結機構27の第1リンク51と第2リンク52とが連結ピン54を中心として回動される。さらに、第1リンク51と第2リンク52との回動によってメインフレーム26及び寝台11が昇降される。ここで、メインフレーム26及び寝台11が上昇されている場合(最下降位置よりも上方に位置する場合)には、図7(a)に示すように、メインフレーム26の第2縦部材33から水平方向に突出する当接突出部35aは、ベースフレーム25の第1縦部材28の上方に位置される。つまり、当接突出部35aは、ベースフレーム25から上方に離間されている。一方で、メインフレーム26及び寝台11が最下降位置である場合には、図7(b)に示すように、当接突出部35aは、ベースフレーム25の第1縦部材28の平坦な上面に上方から当接する。これにより、メインフレーム26及び寝台11が最下降位置である場合には、メインフレーム26がベースフレーム25によって直接的に支持される。
【0059】
以上のような本実施形態の寝台装置10においては、メインフレーム26が寝台11の最下降位置でベースフレーム25に上方から当接する当接突出部35aを備えている。このため、本実施形態の寝台装置10によれば、寝台11が最も下降された位置である最下降位置において、寝台11を直接的に支持するメインフレーム26が直接的にベースフレーム25に当接し、メインフレーム26がベースフレーム25によって下方から支持される。このため、昇降連結機構27の構成部材同士(例えば、第1リンク51と第2リンク52)を当接させることなく、最下降位置にてメインフレーム26を安定的に支持することができる。つまり、本実施形態の寝台装置10によれば、昇降連結機構27がXリンク構造を有している場合であっても、X状に回動可能に連結された棒状の第1リンク51と第2リンク52の間に当接部を設置する必要がなくなる。このため、従来よりもリンク部材を水平姿勢に近づけることができ、さらなる低床化を実現することが可能となる。
【0060】
また、本実施形態の寝台装置10によれば、最下降位置にてメインフレーム26がベースフレーム25に直接的に当接さて支持されるため、昇降連結機構27が小型でありかつ部分的に撓みやすい場合であっても、寝台11が設置床Sと接触することを防止することができる。また、メインフレーム26がベースフレーム25に当接されることにより、寝台11の最下降位置における剛性が向上される。このため、狭隘な空間や設置床Sの近傍に部材を設置しても、他部材や設置床との干渉を防止することができる。したがって、ベースフレーム25にキャスターを設置したり、ボトム駆動機構58を設置したり、柵等のオプションを設置床Sに近づけて配置したりすることが可能となる。
【0061】
また、本実施形態の寝台装置10においては、メインフレーム26が、寝台11に直接的に当接される第2縦部材33と、第2縦部材33から水平方向に突出すると共に最下降位置にてベースフレーム25に上方から当接する当接突出部35aとを備えている。このような本実施形態の寝台装置10によれば、メインフレーム26が第2縦部材33と別に、第2縦部材33から水平方向に突出する当接突出部35aを備えている。また、寝台11が最下降位置の場合に、メインフレーム26の当接突出部35aがベースフレーム25に対して当接する。寝台11を直接的に支持する第2縦部材33をベースフレーム25に当接させようとすると、平面視において第2縦部材33をベースフレーム25と重なるように配置する必要がある等、第2縦部材33のレイアウト等に制約が生じ、メインフレーム26の主たる機能である寝台支持機能に制限を与えることになりかねない。これに対して、本実施形態の寝台装置10のように、第2縦部材33と別体の部位である当接突出部35aをベースフレーム25に当接させるようにすれば、第2縦部材33のレイアウト等に制約が生じることを防止することができる。
【0062】
また、本実施形態の寝台装置10は、オプション部材が着脱されるオプション受け36を備え、当接突出部35aが、オプション受け36を左右方向(第2縦部材33からの突出方向)に進退自在に支持している。このような本実施形態の寝台装置10によれば、ベースフレーム25と当接する当接突出部35aが、オプション受け36を支持する支持部として機能する。このため、オプション受け36の支持部を別途設置する必要がなく、構造を簡素化し、小型化、軽量化及び剛性向上を実現すると同時に、最下降位置でオプション受け36が床に接触することを回避することができる。
【0063】
また、本実施形態の寝台装置10においては、メインフレーム26が、昇降連結機構27に対して着脱自在とされており、さらに、利用者の頭側Hと足側Fとに分離自在とされている。このため、搬送時にメインフレーム26を昇降連結機構27から脱離し、さらに頭側Hと足側Fとに分割することができる。このため、本実施形態の寝台装置10によれば、複数の部位に分離することができ、搬送性に優れ、一般家庭にも容易に出し入れできる構造となる。
【0064】
また、本実施形態の寝台装置10においては、昇降連結機構27が、Xリンク構造を有している。このため、安定して寝台11の昇降を行うことができる。さらに、このようなXリンク構造を有する昇降連結機構27を採用した場合であっても、昇降連結機構27の部材同士を当接させてメインフレーム26を安定させる必要がないため、低床化を実現することができる。
【0065】
また、本実施形態の寝台装置10においては、メインフレーム26の位置が最下降位置よりも高いときに、メインフレーム26及び寝台11の荷重の全てを昇降連結機構27で受けるのに対し、最下降位置のときに、昇降連結機構27で受けていた荷重の少なくとも一部が当接突出部35aを通じて直接的にベースフレーム25に伝達され、当該当接突出部35aを介してベースフレーム25が荷重の少なくとも一部を支持する。このため、最下降位置の場合における昇降連結機構27の荷重支持力が小さくなり、昇降連結機構27の支持負荷を低減することができる。
【0066】
以上、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。上述した実施形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の趣旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0067】
例えば、上記実施形態においては、当接突出部35aをメインフレーム26が備え、この当接突出部35aが寝台11の最下降位置にてベースフレーム25に当接する構成について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、ベースフレーム25に当接突出部を設置し、この当接突出部が寝台11の最下降位置にてメインフレーム26の第2縦部材33に下方から当接する構成を採用することも可能である。このような場合には、メインフレーム26が備える第2縦部材33が本発明における当接部として機能する。
【0068】
また、上記実施形態においては、昇降連結機構としてXリンク構造を有する構成を採用した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、他の構造を有する昇降連結機構を採用することも可能である。
【0069】
また、上記実施形態においては、当接突出部35aを第2縦部材33と異なる材料により形成することも可能である。例えば、当接突出部35aを弾性体により形成し、ベースフレーム25と当接する場合の衝撃を緩和するようにしても良い。また、当接突出部35aの下側の表層のみを弾性体により形成し、その他の部位を金属等の剛性体により形成しても良い。このように、本発明における当接部は、必ずしも下側フレームの他の部位と同一材料によって形成されている必要はない。さらに、当接部が当接されるベースフレーム25の領域についても、同様の他の領域と同一材料によって形成されている必要はなく、弾性体からなる表層を有する構成等を採用することも可能である。
【0070】
また、上記実施形態においては、本発明の寝台(寝台11)が背ボトム16と、腰ボトム17と、脚ボトム18とを備る構成を採用した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、寝台が、例えば、背ボトム16と、腰ボトム17と、脚ボトム18との下側に配置されるクッション部材等をさらに備える構成を採用することもできる。このように、本発明における寝台は、ボトムのみからなる構成に限定されるものではなく、ボトムに加えて他の部材を備える構成を採用することも可能である。
【0071】
また、上記実施形態においては、メインフレーム26は、使用者の頭側Hと足側Fとに分離自在とされているが、分離される機構に限定されるわけではなく、頭側と脚側が一体化されたものでも可能である。病院や高齢者福祉施設等、エレベーター等の設備が調っていれば、一体化されたベッドであっても搬送は容易であるので、必ずしも、分離する機構に限定されるわけではない。
【符号の説明】
【0072】
10 寝台装置
11 寝台
25 ベースフレーム(下側フレーム)
26 メインフレーム(上側フレーム)
27 昇降連結機構
28 第1縦部材
33 第2縦部材(寝台支持部材)
35 突出部
35a 当接突出部(当接部)
37 頭側フレーム(頭側に対応する部位)
38 足側フレーム(足側に対応する部位)
51 第1リンク(リンク部材)
52 第2リンク(リンク部材)
54 連結ピン
S 設置床
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7