(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-27
(45)【発行日】2023-03-07
(54)【発明の名称】シャーシアセンブリ及び車両
(51)【国際特許分類】
B60K 1/04 20190101AFI20230228BHJP
H01M 50/249 20210101ALI20230228BHJP
H01M 50/204 20210101ALI20230228BHJP
H01M 10/48 20060101ALI20230228BHJP
H01M 50/244 20210101ALI20230228BHJP
B62D 21/02 20060101ALI20230228BHJP
【FI】
B60K1/04 Z
H01M50/249
H01M50/204 401F
H01M10/48 301
H01M50/244 Z
H01M50/204 401D
B62D21/02 Z
(21)【出願番号】P 2021529115
(86)(22)【出願日】2020-08-05
(86)【国際出願番号】 CN2020106925
(87)【国際公開番号】W WO2021237937
(87)【国際公開日】2021-12-02
【審査請求日】2021-05-21
(31)【優先権主張番号】202010464225.8
(32)【優先日】2020-05-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202020922703.0
(32)【優先日】2020-05-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】521221180
【氏名又は名称】湖北億緯動力有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002181
【氏名又は名称】特許業務法人IP-FOCUS
(72)【発明者】
【氏名】江 吉兵
(72)【発明者】
【氏名】徐 博豪
(72)【発明者】
【氏名】徐 宇虹
(72)【発明者】
【氏名】顧 妍妍
(72)【発明者】
【氏名】張 国祥
(72)【発明者】
【氏名】袁 中直
(72)【発明者】
【氏名】劉 金成
【審査官】伊藤 秀行
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-006313(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第112776653(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第107346811(CN,A)
【文献】特開2019-057470(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第103770615(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第109203956(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第108944396(CN,A)
【文献】中国実用新案第209441175(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 1/04
H01M 50/249
H01M 50/204
H01M 10/48
H01M 50/244
B62D 21/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の取付位置が設けられ、電池モジュール(3)が取り付けられるように設けられるシャーシ(1)と、
制御システムによって制御されるクイックリリース装置(2)であって、前記電池モジュール(3)は、前記クイックリリース装置(2)を介して前記取付位置に取り付けられるクイックリリース装置(2)と、
前記電池モジュール(3)にワンタッチで電気的に接続され、前記制御システムによって制御される電圧電気接続アセンブリと、を含
み、
前記電圧電気接続アセンブリは、
前記電池モジュール(3)にワンタッチで電気的に接続され、前記制御システムによって制御される高電圧電気接続アセンブリと、
前記電池モジュール(3)にワンタッチで電気的に接続され、前記制御システムによって制御される低電圧電気接続アセンブリと、を含み、
前記高電圧電気接続アセンブリは、
前記制御システムに電気的に接続される第1ワンタッチジョイント(4)と、
前記第1ワンタッチジョイント(4)を介して前記電池モジュール(3)に電気的に接続されるように設けられる高圧電気接続モジュール(5)と、を含み、
前記第1ワンタッチジョイント(4)は、前記電池モジュール(3)の高圧インターフェースに挿着され、
前記制御システムは、前記第1ワンタッチジョイント(4)を制御するように設けられ、
前記低電圧電気接続アセンブリは、
前記制御システムに電気的に接続される第2ワンタッチジョイント(6)と、
前記第2ワンタッチジョイント(6)を介して前記電池モジュール(3)に電気的に接続されるように設けられる低圧電気接続モジュール(7)と、を含み、
前記第2ワンタッチジョイント(6)は、前記電池モジュール(3)の低圧インターフェースに挿着され、
前記制御システムは、前記第2ワンタッチジョイント(6)を制御するようにさらに設けられる、
シャーシアセンブリ。
【請求項2】
熱管理モジュールと第3ワンタッチジョイント(8)とをさらに含み、
前記熱管理モジュールは、前記第3ワンタッチジョイント(8)を介して前記電池モジュール(3)に電気的に接続される、
請求項
1に記載のシャーシアセンブリ。
【請求項3】
前記シャーシ(1)は、平行に設けられる少なくとも二つのフレームサイドメンバ(111)と、前記フレームサイドメンバ(111)に固定されるように前記フレームサイドメンバ(111)に垂直に設けられる少なくとも二つのフレームクロスメンバ(112)とを含むベースフレーム(11)を含み、
前記電池モジュール(3)は、前記クイックリリース装置(2)を介して前記ベースフレーム(11)に固定され、
前記低圧電気接続モジュール(7)は、前記ベースフレーム(11)に取り付けられる、
請求項
1に記載のシャーシアセンブリ。
【請求項4】
前記フレームサイドメンバ(111)は二つであり、
各フレームクロスメンバ(112)は、両端が前記二つの前記フレームサイドメンバ(111)にそれぞれ固定され、
隣接する二つの前記フレームクロスメンバ(112)の間には、前記取付位置が形成され、
前記ベースフレーム(11)には、一列の前記取付位置が形成される、
請求項
3に記載のシャーシアセンブリ。
【請求項5】
前記フレームサイドメンバ(111)は三つであり、
三つの前記フレームサイドメンバ(111)は順次離間して設けられ、
各フレームクロスメンバ(112)は、両端が隣接する二つの前記フレームサイドメンバ(111)にそれぞれ固定されるように、隣接する二つの前記フレームサイドメンバ(111)の間に設けられ、
隣接する二つの前記フレームクロスメンバ(112)の間には、前記取付位置が形成され、
前記ベースフレーム(11)には、二列の前記取付位置が形成される、
請求項
3に記載のシャーシアセンブリ。
【請求項6】
前記電池モジュール(3)は、前記取付位置に対応して設けられ、四隅又はいずれかの対向する二つの側面が前記クイックリリース装置(2)を介して前記ベースフレーム(11)に固定される、
請求項
4又は
5に記載のシャーシアセンブリ。
【請求項7】
前記シャーシ(1)は、前記電池モジュール(3)の上方を覆うように前記ベースフレーム(11)に固定される下ボディフロア(12)をさらに含み、
前記高圧電気接続モジュール(5)は、前記下ボディフロア(12)に設けられる、
請求項
3に記載のシャーシアセンブリ。
【請求項8】
前記高圧電気接続モジュール(5)には、複数の高圧ケーブル(51)が設けられ、
前記第1ワンタッチジョイント(4)は、前記高圧電気接続モジュール(5)から離間する前記高圧ケーブル(51)の一端に設けられる、
請求項
1に記載のシャーシアセンブリ。
【請求項9】
前記低圧電気接続モジュール(7)には、複数の低圧ケーブル(71)が設けられ、
前記第2ワンタッチジョイント(6)は、前記低圧電気接続モジュール(7)から離間する前記低圧ケーブル(71)の一端に設けられる、
請求項
1に記載のシャーシアセンブリ。
【請求項10】
前記電池モジュール(3)には、前記制御システムに電気的に接続される温度検出部材が設けられる、
請求項
3に記載のシャーシアセンブリ。
【請求項11】
前記制御システムに電気的に接続されるように前記ベースフレーム(11)に設けられ、前記電池モジュール(3)を消火するように設けられる消火装置をさらに含む、
請求項
3に記載のシャーシアセンブリ。
【請求項12】
前記クイックリリース装置(2)は、
前記シャーシ(1)に回転可能に設けられ、ロック位置とアンロック位置とを有する回転フック(211)を含む回転アセンブリ(21)と、
前記電池モジュール(3)に設けられるフック溝(31)を含むフックアセンブリであって、前記回転フック(211)は、前記電池モジュール(3)が前記シャーシ(1)の所定の取付位置にあり、かつ前記回転フック(211)が前記ロック位置まで回転するとき、前記フック溝(31)に係着し、前記電池モジュール(3)が前記シャーシ(1)の所定の取付位置にあり、かつ前記回転フック(211)が前記アンロック位置まで回転するとき、前記フック溝(31)から離間するように設けられるフックアセンブリと、を含む、
請求項1に記載のシャーシアセンブリ。
【請求項13】
前記電池モジュール(3)には、挿着孔が形成される接続フランジ(33)が設けられ、
前記第1ワンタッチジョイント(4)は、
第1端が前記挿着孔を貫通し、キャビティ(411)が設けられ、前記第1端の外周壁に前記キャビティ(411)に連通する貫通孔(412)が形成される挿入ポール(41)と、
前記貫通孔(412)に設けられ、前記挿入ポール(41)の外周壁に部分的に露出されるとともに、前記接続フランジ(33)の下面に当接可能な弾性膨張アセンブリと、
前記挿入ポール(41)の外周壁に環設され、下端面が前記接続フランジ(33)の上面に当接するリミットフランジ(44)と、を含む、
請求項
1に記載のシャーシアセンブリ。
【請求項14】
前記弾性膨張アセンブリは、
前記貫通孔(412)に密封して設けられる弾性密封部材(42)と、
前記弾性密封部材(42)の外側に位置するように前記貫通孔(412)内に収容される鋼球(43)と、を含み、
前記第1ワンタッチジョイント(4)が前記電池モジュール(3)に挿着されるとき、前記鋼球(43)は、前記接続フランジ(33)の下面に当接可能に前記挿入ポール(41)の外周壁に部分的に伸出する、
請求項
13に記載のシャーシアセンブリ。
【請求項15】
請求項1から
14のいずれか1項に記載のシャーシアセンブリを含む車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2020年5月27日に中国知的財産局に出願された中国特許出願第202010464225.8号、及び2020年5月27日に中国知的財産局に出願された中国特許出願第202020922703.0号に基づく優先権を主張するものであり、当該特許出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
本発明は、電気自動車の電池モジュールの技術分野に関し、例えばシャーシアセンブリ及び車両に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、市場に出回っているほとんどの電池システム及び電動車両の構造グループ化形式は、いずれもセル-モジュール-P電池パック-フレームの段階グループ化形式であり、一部の車両では、グループ化の過程においてモジュールという階層を省略し、セル-電池パック-フレームのグループ化形式を直接使用する。しかしながら、上記いずれのグループ化形式でも、電池パックの階層が単独で存在し、フレームに固定して接続されるため、当該グループ化形式では、電動車両に次のような欠点や不足が存在する。
【0003】
1、車両の電池システムは、メンテナンスの前にフレームから電池パックを取り外してから、内部分解を行い、メンテナンスプロセスは複雑である。2、車両の走行中に衝突が発生した場合、フレーム自体の変形によりモジュール又はセルに対する応力が発生するだけでなく、フレームによる電池パックの押圧及び電池パック自体の部材の変形によりモジュール又はセルに二次損傷を引き起こす可能性がある。例えば、大電量の電動車両を配置する必要がある場合、側面衝突や側柱衝突による車両全体への損傷が大幅に増加する。
【発明の概要】
【0004】
本発明によれば、単一のモジュールの迅速な脱着メンテナンスの問題及び車両の衝突中に電池モジュールが損傷を受ける問題を処理することができるシャーシアセンブリ及び車両が提供される。
【0005】
一実施例によれば、複数の取付位置が設けられ、電池モジュールが取り付けられるように設けられるシャーシと、
制御システムによって制御されるクイックリリース装置であって、前記電池モジュールは、前記クイックリリース装置を介して前記取付位置に取り付けられるクイックリリース装置と、
前記電池モジュールにワンタッチで電気的に接続され、前記制御システムによって制御される電圧電気接続アセンブリと、を含むシャーシアセンブリが提供される。
【0006】
また、一実施例によれば、上記シャーシアセンブリを含む車両が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明に係るシャーシアセンブリの構造を示す第一概略図である。
【
図2】本発明に係るシャーシアセンブリの構造を示す第二概略図である。
【
図3】本発明に係るシャーシアセンブリの部分構造を示す第一概略図である。
【
図4】本発明に係るシャーシアセンブリの部分構造を示す第二概略図である。
【
図5】本発明に係るシャーシアセンブリの部分構造を示す第三概略図である。
【
図6】本発明に係るクイックリリース装置の構造を示す概略図である。
【
図7】本発明に係るクイックリリース装置の回転フックがロック位置にあるときの構造を示す概略図である。
【
図9】本発明に係る回転アセンブリの構造を示す概略図である。
【
図10】本発明に係るクイックリリース装置の回転フックがアンロック位置にあるときの構造を示す概略図である。
【
図11】本発明に係る第1ワンタッチジョイントが電池モジュールに挿着された部分構造を示す概略図である。
【
図12】本発明に係る第1ワンタッチジョイントの構造を示す概略図である。
【
図13】本発明に係る第1ワンタッチジョイントの構造分解図である。
【
図14】本発明に係る第1ワンタッチジョイントの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
なお、類似する符号や文字は、以下の図面において類似する項目を示しているため、ある項目が図面において定義されると、その後の図面においてさらに定義及び解釈する必要はない。
【0009】
なお、本発明の説明において、「上」、「下」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「内」、「外」などの用語が指示する方位又は位置関係は、図面に示す方位又は位置関係、又は、当該出願製品の使用時に通常置かれる方位又は位置関係に基づくものであり、本発明の説明及び説明の簡略化のみを目的とし、装置又は部品が特定の方位を有し、特定の方位で構築及び操作する必要があることを指示又は暗示するものではないため、本発明を制限するものとは理解することができない。また、「第1」、「第2」、「第3」などの用語は、説明を区別するためにのみ用いられ、相対的な重要性を指示又は暗示するものとは理解することができない。本発明の説明において、「複数」とは、特に断りのない限り、二つ以上を意味する。
【0010】
なお、本発明の説明において、特に断りのない限り、「設定」、「接続」という用語は、広く理解されるべきであり、例えば、固定接続であってもよく、取り外し可能な接続又は一体的接続であってもよい。機械接続であってもよく、電気接続であってもよい。当業者にとって、具体的な状況に応じて本発明における上記用語の具体的な意味を理解することができる。
【0011】
本発明において、特に断りのない限り、第1特徴が第2特徴の「上」又は「下」にあることは、第1特徴と第2特徴とが直接接触することを含んでもよく、第1特徴と第2特徴とが直接接触するのではなく、それらの間の他の特徴を介して接触することを含んでもよい。また、第1特徴が第2特徴の「上」、「上方」及び「上面」にあることは、第1特徴が第2特徴の真上及び斜め上方にあることを含み、又は、第1特徴の水平高さが第2特徴よりも高いことのみを示す。第1特徴が第2特徴の「下」、「下方」及び「下面」にあることは、第2特徴の真下及び斜め下方にあることを含み、又は、第1特徴の水平高さが第2特徴よりも小さいことのみを示す。
【0012】
以下は、本発明の実施例について詳細に説明するが、前記実施例の一例は図面に示される。ここで、終始同一又は類似する符号は、同一若しくは類似する部品又は同一若しくは類似する機能を有する部品を示す。以下、図面を参照しながら説明する実施例は、一例であり、本発明を説明するためのものであり、本発明を制限するものとは理解することができない。
【0013】
図1~
図5に示すように、本実施例によれば、シャーシ1、クイックリリース装置2、電池モジュール3、電圧電気接続アセンブリ、熱管理モジュール、第3ワンタッチジョイント8及び制御システムを含むシャーシアセンブリが開示される。
【0014】
シャーシ1には、複数の取付位置が設けられる。例えば、シャーシ1は、少なくとも二つの平行かつ離間して設けられるフレームサイドメンバ111と、フレームサイドメンバ111に固定されるようにフレームサイドメンバ111に垂直に設けられる少なくとも二つのフレームクロスメンバ112とを含むベースフレーム11を含む。任意に、本実施例において、フレームサイドメンバ111は二つであり、二つのフレームサイドメンバ111は離間して設けられる。フレームクロスメンバ112は、両端が二つのフレームサイドメンバ111にそれぞれ固定される。二つの隣接するフレームクロスメンバ112の間には取付位置が形成される。ベースフレーム11には一列の取付位置が形成される。他の実施例において、フレームサイドメンバ111は三つであり、三つのフレームサイドメンバ111は順次離間して設けられる。フレームクロスメンバ112は、両端がフレームサイドメンバ111にそれぞれ固定されるように隣接する二つのフレームサイドメンバ111の間に設けられる。二つの隣接するフレームクロスメンバ112の間には取付位置が形成される。ベースフレーム11には二列の取付位置が形成される。
【0015】
隣接する二つのフレームクロスメンバ112の間には、上記取付位置が形成され、すなわち、取付位置は、隣接する二つのフレームサイドメンバ111と隣接する二つのフレームクロスメンバ112とによって取り囲まれた矩形領域である。電池モジュール3は、外形が取付位置に対応するように設けられ、すなわち、平面断面形状が矩形であり、各取付位置にはいずれも電池モジュール3が設けられる。他の実施例において、電池モジュール3の数及び取り付けられる取付位置は、実際のニーズに応じて選択されてもよく、ここでは、フレームクロスメンバ112及びフレームサイドメンバ111の数をさらに限定しない。
【0016】
電池モジュール3は、クイックリリース装置2を介してベースフレーム11の取付位置に固定される。電池モジュール3は、四隅又はいずれかの対向する二つの側面若しくは四つの側面がクイックリリース装置2を介してベースフレーム11に固定される。例示的に、本実施例において、電池モジュール3は、二つの長辺の側面が複数のクイックリリース装置2を介して電池モジュール3の両側のフレームクロスメンバ112にそれぞれ固定される。
【0017】
クイックリリース装置2は、制御システムに電気的に接続される。制御システムは、電池モジュール3の固定を解除して電池モジュール3がベースフレーム11から脱落できるように、クイックリリース装置2を制御することができる。制御システムによるクイックリリース装置2の制御方式は、関連技術であり、ここでは説明を省略する。
【0018】
電圧電気接続アセンブリは、電池モジュール3にワンタッチで電気的に接続され、制御システムによって制御される。電圧電気接続アセンブリは、高電圧電気接続アセンブリ及び低電圧電気接続アセンブリを含む。
【0019】
高電圧電気接続アセンブリは、電池モジュール3にワンタッチで電気的に接続され、制御システムに電気的に接続される。制御システムは、電池モジュール3からの高電圧電気接続アセンブリの脱落を制御するように設けられる。高電圧電気接続アセンブリは、第1ワンタッチジョイント4及び高圧電気接続モジュール5を含む。高圧電気接続モジュール5は、第1ワンタッチジョイント4を介して電池モジュール3に電気的に接続される。例示的に、高圧電気接続モジュール5には複数の高圧ケーブル51が設けられる。高圧ケーブル51の数は電池モジュール3の数以上である。高圧ケーブル51の数が電池モジュール3の数よりも多い場合、余剰の高圧ケーブル51は予備として残される。高圧ケーブル51は、高圧電気接続モジュール5から離間する一端に電池モジュール3の高圧インターフェースに挿着される第1ワンタッチジョイント4が接続される。第1ワンタッチジョイント4は、電気的ワンタッチジョイントであり、高電圧の通過を許容することができる。第1ワンタッチジョイント4は、制御システムに電気的に接続される。制御システムは、電池モジュール3からの第1ワンタッチジョイント4の脱落を制御することができる。制御システムによる第1ワンタッチジョイント4の制御方式は、関連技術であり、ここでは説明を省略する。
【0020】
低電圧電気接続アセンブリは、電池モジュール3にワンタッチで電気的に接続され、制御システムに電気的に接続される。制御システムは、電池モジュール3からの低電圧電気接続アセンブリの脱落を制御するように設けられる。低電圧電気接続アセンブリは、第2ワンタッチジョイント6及び低圧電気接続モジュール7を含む。低圧電気接続モジュール7は、ベースフレーム11の一端に位置するようにベースフレーム11に取り付けられる。低圧電気接続モジュール7は、第2ワンタッチジョイント6を介して電池モジュール3に電気的に接続される。例示的に、低圧電気接続モジュール7には複数の低圧ケーブル71が設けられる。低圧ケーブル71の数は電池モジュール3の数以上である。低圧ケーブル71の数が電池モジュール3の数よりも多い場合、余剰の低圧ケーブル71は予備として残される。低圧ケーブル71は、低圧電気接続モジュール7から離間する一端に電池モジュール3の低圧インターフェースに挿着される第2ワンタッチジョイント6が接続される。第2ワンタッチジョイント6は、電気的ワンタッチジョイントであり、低電圧の通過を許容することができる。第2ワンタッチジョイント6は、制御システムに電気的に接続される。制御システムは、電池モジュール3からの第2ワンタッチジョイント6の脱落を制御することができる。制御システムによる第2ワンタッチジョイント6の制御方式は、関連技術であり、ここでは説明を省略する。
【0021】
熱管理モジュールは、第3ワンタッチジョイント8を介して電池モジュール3に電気的に接続され、冷却媒体を流通する二つの熱管理制御水管91が設けられる。熱管理制御水管91には、電池モジュール3の熱管理インターフェースに挿着される複数の第3ワンタッチジョイント8が設けられる。熱管理モジュールは、一方の熱管理制御水管91を介して電池モジュール3に冷却媒体を供給して電池モジュール3を冷却し、電池モジュール3を冷却した後の冷却媒体を他方の熱管理制御水管91を介して熱管理モジュール内に戻す。 第3ワンタッチジョイント8は、水道管ワンタッチジョイントであり、冷却媒体の通過を許容することができる。第3ワンタッチジョイント8は、制御システムに電気的に接続される。制御システムは、電池モジュール3からの第3ワンタッチジョイント8の脱落を制御することができる。制御システムによる第3ワンタッチジョイント8の制御方式は、関連技術であり、ここでは説明を省略する。
【0022】
制御システムは、当該シャーシアセンブリに制御支持を提供するようにシャーシ1に固定され、電池管理システム(Battery Management System、BMS)、電池システム配電ボックス(Battery Distribution Unit、BDU)、高圧配電ボックス(Power Distribution Unit、PDU)などの制御部品のすべての機能を含み、アフターサービスプラットフォームに接続されることにより、転送を少なくし、エネルギ効率を向上させる役割が果たされる。アフターサービスプラットフォームへの信号送信は、主にアフターサービスプラットフォームによる電池モジュール3の状態の監視を便利にするためである。
【0023】
任意に、シャーシ1は、電池モジュール3を覆うようにベースフレーム11に固定される下ボディフロア12をさらに含む。高圧電気接続モジュール5は下ボディフロア12に設けられ、本実施例において下ボディフロア12の下面に設けられ、他の実施例において、下ボディフロア12の上面に設けられてもよい。低圧ケーブル71、高圧ケーブル51及び熱管理制御水管91は、いずれも下ボディフロア12の下面に位置し、他の実施例において、下ボディフロア12の上面に位置してもよい。
【0024】
電池モジュール3は、冷却板、セル、側面固定板、辺縁固定板及び高圧銅ブスバーを含む。また、当該電池モジュール3は、IP67以上の密封を有し、密封性能が強く、通常動作する場合は、電池液漏れのリスクを効果的に回避することができる。電池モジュール3には温度検出部材が設けられ、本実施例において温度センサとすることができる。温度検出部材は制御システムに電気的に接続され、両者間の電気的接続方式及び制御方式は関連技術であり、ここでは説明を省略する。温度検出部材は、電池モジュール3の温度状態を監視するために、電池モジュール3の温度を検出し、検出した情報を制御システムに送信するように設けられる。
【0025】
任意に、制御システムに電気的に接続されるようにベースフレーム11に設けられる消火装置をさらに含み、電池モジュール3に火災が発生した場合、制御システムは、電池モジュール3を消火するように消火装置を制御することができ、火災の広がりが回避される。
【0026】
車両に不測の事態が発生した場合、制御システムは、車両の衝突センサなどにより、シャーシ1が間もなく損傷を受けることを検出したとき、車速が速ければ、30km/h以下に低下するように車速を制御し、その後、第1ワンタッチジョイント4、第2ワンタッチジョイント6、第3ワンタッチジョイント8及びクイックリリース装置2を制御するように起動することにより、第1ワンタッチジョイント4、第2ワンタッチジョイント6及び第3ワンタッチジョイント8を電池モジュール3から離脱させ、クイックリリース装置2に電池モジュール3の固定を解除させ、電池モジュール3をベースフレーム11、低圧電気接続モジュール7、高圧電気接続モジュール5及び熱管理モジュールとの接続から離脱させるので、間もなく発生するシャーシ1の損傷による電池モジュール3への損傷が回避される。
【0027】
車両の走行中又は静止駐車状態において熱暴走が発生した場合、制御システムは、電池モジュール3内の温度検出部材により電池モジュール3の熱暴走を検出したとき、第1ワンタッチジョイント4、第2ワンタッチジョイント6、第3ワンタッチジョイント8及びクイックリリース装置2を制御するように起動することにより、第1ワンタッチジョイント4、第2ワンタッチジョイント6及び第3ワンタッチジョイント8を電池モジュール3から離脱させ、クイックリリース装置2に電池モジュール3の固定を解除させ、電池モジュール3をベースフレーム11、低圧電気接続モジュール7、高圧電気接続モジュール5及び熱管理モジュールとの接続から離脱させ、ベースフレーム11に固定され、熱暴走が発生した電池モジュール3を迅速に脱落させ、間もなく発生する熱暴走行為の電池モジュール3全体への広がりによる車両全体への損傷が回避される。
【0028】
自動車には、バイパスシステム及び高低圧システムが標準装備され、故障した電池モジュール3が脱落した後、自動車のバイパスシステムは、自動車の熱管理システム及び高低圧システムの動作を維持し、残りの電池モジュール3の動作を維持し続け、その後、残りの電池モジュール3を使用して走行を継続するように車両を統合して制御する。バイパスシステムが自動車熱管理システム及び高低圧システムを維持することは、主に、残りの電池モジュール3の動作の継続を維持することと、故障した電池モジュール3が脱落した後、車両回路の直並列接続が完全なものに保持されるように確保し、車両全体の動作に影響を与えないことの二つの問題を解決するためである。
【0029】
車両に電池モジュール3に損傷を与える不測の事態が発生した場合には、制御システムを介して電池モジュール3を予め判定し、減速して停車するように運転者に事前に通知し、アフターサービスプラットフォームガイダンス制御システムを介して問題のある電池モジュール3を脱落させる。
【0030】
当該電池モジュール3がシャーシ1に設けられる形式により、単一の電池モジュール3の熱暴走による電池パック全体への損傷の問題が解決され、また、単一の電池モジュール3の迅速な着脱メンテナンスの問題がさらに解決され、車両の衝突中に電池モジュール3が損傷を受けて火災を起こす問題が解決される。さらに、同じ種類の電池モジュール3のグループ化プラットフォームを使用して、異なる車両の電量需要配置を完了させることができる。
【0031】
例示的に、
図6~
図10に示すように、クイックリリース装置2は、フックアセンブリ及び回転アセンブリ21を含み、シャーシ1には、取付座113が設けられる。本実施例において、取付座113は、フレームクロスメンバ112に設けられてもよく、フレームサイドメンバ111に設けられてもよい。又は、フレームサイドメンバ111及びフレームクロスメンバ112には、いずれも取付座113が設けられてもよい。
【0032】
回転アセンブリ21は、取付座113に回転可能に設けられる回転フック211を含む。フックアセンブリは、電池モジュール3に設けられるフック溝31を含む。回転フック211は、ロック位置及びアンロック位置を有する。電池モジュール3が車両における所定の取付位置にあるとき、回転フック211は、ロック位置まで回転し、フック溝31に係着する。回転フック211がアンロック位置まで回転するとき、回転フック211はフック溝31から離間する。本実施例に係るクイックリリース装置2は、構造が簡単で、回転フック211がフック溝31に係着することにより電池モジュール3をロックして固定し、車両走行中の振動による緩みがなく、電池モジュール3自体の重力により、回転フック211の位置を制限するための他の構造を追加する必要がないので、電池モジュール3がシャーシ1に固定される安定性が向上し、操作時間が短縮され、電池モジュール3のロック時間が少なくなり、電池モジュール3の着脱効率が向上する。
【0033】
例示的に、
図7に示すように、電池モジュール3をロックするとき、電池モジュール3は、所定の取付位置にあり、クイックリリース装置2の回転フック211は、ロック位置にあり、フック溝31に係着し、電池モジュール3がロックされる。
図10に示すように、電池モジュール3を取り外すとき、クイックリリース装置2の回転フック211は、アンロック位置にあり、フック溝31から脱出し、電池モジュール3は自重力により落下し、自動的に取り外しが完了する。
【0034】
本実施例において、回転フック211は、表面に減衰材料が被覆され、電池モジュール3をロックするとき、回転フック211がフック溝31に締り嵌めするように係着することができるだけではなく、回転フック211とフック溝31との摩擦力が増大され、係着の安定性が向上する。電池モジュール3を取り外すときはフック溝31からの回転フック211の脱出を阻害せず、クイックリリース装置2の実用性が向上する。
【0035】
本実施例において、電池モジュール3の対向する両側がシャーシ1にロックされ、シャーシ1は、電池モジュール3の両側のうちの各側にいずれも取付座113が設けられ、各取付座113には一つの回転フック211が設けられる。
【0036】
本実施例において、電池モジュール3は、対向する両側にフック溝31が設けられる。電池モジュール3が車両の所定の取付位置にあるとき、シャーシ1における回転フック211は、電池モジュール3の両側のフック溝31に係着する。
【0037】
任意に、電池モジュール3は、両側に少なくとも二つのバンプ32がそれぞれ設けられ、フック溝31はバンプ32の上面に形成され、回転フック211の位置及び数はバンプ32に対応する。少なくとも二つのバンプ32を設けることにより、回転フック211と電池モジュール3との接続位置の数を増加させることができ、電池モジュール3の固定後の安定性が増加される。
【0038】
本実施例において、電池モジュール3は、両側に二つのバンプ32がそれぞれ設けられ、各バンプ32には一つのフック溝31が形成される。
【0039】
本実施例において、フック溝31は、回転フック211の回転軸線方向に沿ってバンプ32の両側に延在し、バンプ32の両側端面に連通し、フック溝31と回転フック211との接触面積が大きくなり、電池モジュール3のロック安定性が向上する。
【0040】
任意に、
図8に示すように、回転アセンブリ21は、回転により回転フック211の回転を動かすように設けられる回転軸212をさらに含む。回転フック211は、第1端が回転軸212の第1端に接続され、第2端が弧状に設けられるとともに、フック溝31に係着するように設けられる。さらに、回転軸212の第2端は、取付座113の一方側に回転可能に接続される。
【0041】
本実施例において、回転フック211は、回転軸線が水平方向に沿って設けられるように回転軸212と同軸であり、回転軸212は、回転フック211を向く円周面に第1接続台2122が突設される。回転フック211は、第1端が第1接続台2122に固定され、第2端が回転軸212から離間して設けられるとともに、フック溝31に係着可能である。回転軸212に第1接続台2122が突設され、かつ回転フック211の第1端が第1接続台2122に接続されることにより、回転フック211の第2端が回転軸212から離間して設けられることに有利であり、回転フック211の第2端がフック溝31に係着するのに便利である。
【0042】
本実施例において、回転フック211は円弧状に設けられ、電池モジュール3のロック安定性を保証するために、フック溝31の溝断面形状は、回転フック211に合わせる円弧状である。さらに、回転フック211の強度及びロック安定性を保証するために、電池モジュール3の重量に応じて、回転フック211の軸方向幅及び径方向厚さを調整することができ、回転フック211の軸方向におけるフック溝31の溝切幅及び、回転フック211の径方向におけるフック溝31の溝断面厚さもそれに応じて調整される。
【0043】
任意に、回転フック211は、回転軸212を向く内周面に歯溝2111が形成され、第1接続台2122には歯溝2111に噛合する歯2121が設けられる。回転軸212の回転時に回転フック211の同期回転を動かせることが保証され、電池モジュール3のロック安定性が向上する。
【0044】
本実施例において、回転フック211は、回転軸212を向く円弧面に第2接続台が突設され、第2接続台は、回転軸212における第1接続台2122に接続され、歯溝2111が形成され、第1接続台2122における歯2121は歯溝2111に噛合する。
【0045】
任意に、回転アセンブリ21は、駆動モータをさらに含む。駆動モータは、出力軸が回転軸212に接続され、回転軸212の自動回転を制御することができる。電池モジュール3をロック又は取り外すとき、回転フック211は、フック溝31に自動的に係着し、又はフック溝31から脱出することができ、クイックリリース装置2の自動化程度と使用利便性が向上する。
【0046】
任意に、
図9に示すように、回転アセンブリ21は、連動軸213をさらに含む。連動軸213は、両端が隣接する二つの回転軸線が重なり合う回転軸212に接続され、複数の回転軸212の同期回転を保証することができ、電池モジュール3のロック精度が向上し、同時に一つの駆動モータを使用することで少なくとも二つの回転軸212の同期回転を同時に駆動することができるため、駆動モータの数の需要が少なくなり、コストが低減される。駆動モータは制御システムに電気的に接続され、制御システムによって連動軸213の回転を駆動するように駆動モータを制御し、ひいては回転フック211が回転するように回転軸212の回転を駆動する。
【0047】
本実施例において、電池モジュール3の同一側のシャーシ1に置かれる二つの回転軸212が同軸線に設けられるため、電池モジュール3の同一側の二つの回転軸212間には連動軸213が接続され、一方の回転軸212が駆動モータの出力軸に接続される。
【0048】
任意に、取付座113は、板状に設けられ、第1端がシャーシ1に一体に接続され、第2端が回転フック211の端部と面一で円弧状をなしている。回転軸212は、第2端が取付座113の一方側に回転可能に接続される。電池モジュール3をロックするとき、すなわち、電池モジュール3が車両における所定の取付位置にあるとき、取付座113の下面がバンプ32の上面にフィットする。取付座113が電池モジュール3の溝切面に接触するとき、電池モジュール3がロック位置にあると判断することができ、電池モジュール3の位置決め時間が少なくなり、電池モジュール3の着脱効率が向上する。
【0049】
本実施例において、回転フック211の軸方向において、フック溝31の溝切幅は、回転フック211及び板状の取付座113の厚さの和以上である。
【0050】
他の実施例において、取付座113の第2端の大きさは、電池モジュール3が回転フック211に向かって移動する過程において、電池モジュール3の移動を妨げなければよいことが保証されるべきであるが、ここでは限定されない。
【0051】
制御システムは、回転フック211の所定の角度の回転を駆動するように駆動モータを制御するように設定される。電池モジュール3をロックして固定する必要があり、かつ電池モジュール3がシャーシ1の所定の取付位置にあるとき、制御システムは、回転フック211のロック位置への反時計回り又は時計回りの回転を駆動するように駆動モータを制御するように設定されることにより、回転フック211がフック溝31に係着することができ、電池モジュール3のロックが実現される。電池モジュール3の取り外しが必要な場合には、制御システムは、回転フック211のアンロック位置への逆方向の回転を駆動するように駆動モータを制御するように設定されることにより、回転フック211がフック溝31から脱出することができ、電池は自重力により落下し、電池モジュール3の取り外しが完了する。制御システムを設定することにより、ロックシステムの自動化程度と使用利便性が向上する。
【0052】
他の実施例において、取付座113は、底面に圧力センサが設けられてよく、電池モジュール3がシャーシ1における所定の取付位置に向かって移動する過程において、取付座113の底面が電池モジュール3のフック溝31が形成される溝切面に対して相対的に近接し、圧力センサが受ける圧力が所定の圧力の最大値を超えたとき、制御システムは、回転フック211のロック位置への回転を動かすように駆動モータを自動的に起動させるようにさらに設定されることにより、回転フック211がフック溝31に係着することができ、電池モジュール3のロックが実現される。
【0053】
他の実施例において、クイックリリース装置2は、他のクイックリリース機構であってもよく、電池モジュール3の取付位置への迅速な取り付けが可能であり、かつ、制御システムによって電池モジュール3の固定を迅速に解除するようにクイックリリース装置2を制御し、電池モジュール3をシャーシ1から脱落させることが可能であればよく、ここでは特に限定されない。
【0054】
例示的に、
図11~
図14に示すように、電池モジュール3には、挿着孔が形成される接続フランジ33が設けられる。
【0055】
第1ワンタッチジョイント4は、挿入ポール41、弾性膨張アセンブリ及びリミットフランジ44を含む。挿入ポール41は、第1端が挿着孔を貫通し、キャビティ411が設けられ、第1端の外周壁にキャビティ411に連通する貫通孔412が形成される。貫通孔412には、挿入ポール41の外周壁から部分的に露出されるとともに、接続フランジ33の下面に当接可能な弾性膨張アセンブリが設けられる。例示的に、弾性膨張アセンブリは、貫通孔412とキャビティ411とが連通する位置に位置するように貫通孔412に密封して設けられる弾性密封部材42と、鋼球43と、を含む。鋼球43は、弾性密封部材42の外側に位置するように貫通孔412内に収容され、貫通孔412内に完全に位置することができるが、弾性密封部材42により挿入ポール41の外周壁から部分的に伸出して露出されてもよい。第1ワンタッチジョイント4が電池モジュール3に挿着されるとき、鋼球43は、接続フランジ33の下面に当接可能に挿入ポール41の外周壁から部分的に伸出することができる。リミットフランジ44は、挿入ポール41の外周壁に環設され、下端面が接続フランジ33の上面に当接する。鋼球43とリミットフランジ44とを組み合わせることにより、第1ワンタッチジョイント4を電池モジュール3に固定することができる。
【0056】
本実施例において、
図12~
図14に示すように、弾性膨張アセンブリは、全部で五つあり、すなわち、弾性密封部材42及び鋼球43はそれぞれ五つあり、他の実施例において、弾性膨張アセンブリは、一つ、二つ、三つ、四つ又は六つ、さらにはそれ以上であってもよく、リミットフランジ44は、円環状構造であり、挿入ポール41の外周壁に取り囲むように突設され、溶接固定であってもよく、挿入ポール41と一体成形であってもよく、本実施例において、リミットフランジ44と挿入ポール41とは一体成形である。同時に、鋼球43が対応する貫通孔412内を移動可能とし、かつ、挿入ポール41の外周壁に部分的に伸出するようにするために、本実施例において、鋼球43の直径は、弾性密封部材42が密封して設けられていない貫通孔412の一端の孔径よりも大きい。また、キャビティ411内の圧力が貫通孔412を介して漏れ出すことが回避されるように挿入ポール41のキャビティ411が終始密封状態にあることを保証するために、本実施例の弾性密封部材42は、弾性ゴム材質であり、形状が略球殻状をなし、殻体開口端がキャビティ411に連通する貫通孔412の一端に締り嵌めするように固定され、殻体開口と貫通孔412との間に鋼球43を収容する収容空間が形成され、鋼球43が収容空間内に移動可能に組み立てられる。鋼球43が貫通孔412から膨出されて脱落できず、弾性密封部材42の殻体開口端がキャビティ411に連通する貫通孔412の一端に終始締り嵌めするように固定されるので、その結果、キャビティ411内の圧力が貫通孔412を介して漏れ出すことができない。
【0057】
挿入ポール41には、軸方向に沿って送油通路413が設けられる。挿入ポール41は、頂端にオイルポンプに接続される分流管(図示せず)が接続され、オイルポンプ及び分流管を介して送油通路413に作動油を送油することができるため、キャビティ411内に作動油を通油し、キャビティ411内の圧力を上昇させ、鋼球43を接続フランジ33の下面に当接させるように弾性密封部材42が鋼球43を外側に移動するように押し動かす。作動油により、鋼球43は内側に移動することがなく、鋼球43とリミットフランジ44とを組み合わせて第1ワンタッチジョイント4を接続フランジ33に固定することができる。
【0058】
弾性密封部材42に対する作動油の圧力を解除すると、弾性密封部材42の弾性支持により、鋼球43は接続フランジ33の下面に当接することができるが、弾性密封部材42が弾性変形可能であり、かつキャビティ411内の膨張圧力による支持が失われるため、挿入ポール41の外周壁に伸出する鋼球43の一端が接続フランジ33の下面からの押圧力を受けたとき、弾性密封部材42が変形し、同時に鋼球43が貫通孔412内に退避し、ひいては接続フランジ33の下面に対して支持力が発生することができなくなり、電池モジュール3が重力により自動的に脱落し、電池モジュール3の迅速な取り外しが実現される。
【0059】
オイルポンプは、制御システムによって制御される。制御システムは、キャビティ411内に作動油を送油するようにオイルポンプを制御することにより、キャビティ411内の圧力を上昇させ、鋼球43を接続フランジ33の下面に当接させるように弾性密封部材42が鋼球43を外側に移動するように押し動かす。
【0060】
他の実施例において、制御システムに電気的に接続される高圧シリンダを介して、高圧シリンダが送油通路413を介してキャビティ411内に高圧気体を送気し、鋼球43が接続フランジ33の下面に当接するように高圧気体によって鋼球43の外側への移動を動かすように弾性密封部材42を駆動する。油圧駆動と気圧駆動の原理及び制御回路は関連技術であるため、これについての説明も省略する。
【0061】
例示的に、複数の挿入ポール41のキャビティ411内の膨張圧力を効果的に保持するために、本実施例において、二位置二方電気制御弁(図示せず)をさらに含む。ここで、二位置二方電気制御弁は、入口がオイルポンプの出口に連通し、出口が分流管の入口に連通する。複数のキャビティ411内に高圧作動油を送油し、ひいては膨張接続する必要がある場合には、まず二位置二方電気制御弁を開状態にし、例えば3~5秒の所定の時間開状態のままにし、オイルポンプが複数のキャビティ411内に高圧油をポンプで送油し、かつ弾性密封部材42が設けられていない各貫通孔412の一端の孔壁に鋼球43が押し付けられて移動不能になると、二位置二方電気制御弁が閉時間に達したときに自動的に閉じ、ひいては複数のキャビティ411内の圧力がロックされ、圧力を保持する役割が果たされる。このとき、オイルポンプも作動を停止し、ひいては第1ワンタッチジョイント4を介してシャーシ1にロックされる電池モジュール3のロック作業が完了する。減圧により電池モジュール3を取り外す必要があるとき、二位置二方電気制御弁が開き、かつオイルポンプが作動せず、このとき、複数のキャビティ411内の圧力は、分流管、オイルポンプ、オイルタンクの経路に沿って減圧を完了させ、第1ワンタッチジョイント4は、電池モジュール3に接続するために膨張しなくなり、電池モジュール3は重力により自動的に離脱し、ひいては取り外し作業が完了する。
【0062】
本実施例における第1ワンタッチジョイント4は、例示的な構造に過ぎず、他の実施例において、第1ワンタッチジョイント4は、他のワンタッチ構造であってもよく、高圧電流に耐え得るものであり、かつ、制御システムによって電池モジュール3から迅速に脱落可能であればよく、ここでは他の具体的限定的な説明は省略する。
【0063】
第2ワンタッチジョイント6の構造は、第1ワンタッチジョイント4の構造と同様であってもよく、他のワンタッチ構造であってもよく、低圧電流に耐え得るものであり、かつ、制御システムによって電池モジュール3から迅速に脱落可能であればよく、ここでは他の具体的限定的な説明は省略する。
【0064】
本実施例によれば、上記シャーシアセンブリを含む車両がさらに開示され、シャーシアセンブリの電池モジュール3は、車両の走行に電気エネルギを供給する。
【0065】
本発明の有益な効果は以下のとおりである。車両に不測の事態が発生した場合、制御システムは、車両の衝突センサなどにより、シャーシ1が間もなく損傷を受けることを検出したとき、車速が速ければ、30km/h以下に低下するように車速を制御し、その後、電圧電気接続アセンブリ及びクイックリリース装置2を制御するように起動することにより、電圧電気接続アセンブリを電池モジュール3から離脱させ、クイックリリース装置2に電池モジュール3の固定を解除させるとともに、電池モジュール3を離脱させるので、間もなく発生するフレームの損傷による電池モジュール3への損傷が回避される。電池モジュール3は、クイックリリース装置2を介して取付位置に取り付けられ、電池モジュール3の交換やメンテナンスが必要な場合には、電池パック全体を分解することなく対応するモジュールのみを解体することができる。
【0066】
当該電池モジュール3がシャーシ1に設けられる形式により、単一の電池モジュール3の迅速な着脱メンテナンスの問題がさらに解決され、車両の衝突中に電池モジュール3が損傷を受けて火災を起こす問題が解決され、さらに、同じ種類の電池モジュール3のグループ化プラットフォームを使用して、異なる車両の電量需要配置を完了させることができる。電池モジュール3がシャーシ1に直接設けられるので、車両全体の配置では、フレームクロスメンバ112及びフレームサイドメンバ111並びに保護構造の配置のためのより大きなスペースを有し、衝突エネルギ吸収領域が大幅に増加し、衝突後にモジュール又は電池が受ける応力又は自己歪みが大幅に改善される。
【0067】
また、車両の走行中又は静止駐車状態において熱暴走が発生した場合、制御システムは、電池モジュール3内の温度検出部材により電池モジュール3の熱暴走を検出したとき、第1ワンタッチジョイント4、第2ワンタッチジョイント6、第3ワンタッチジョイント8及びクイックリリース装置2を制御するように起動することにより、第1ワンタッチジョイント4、第2ワンタッチジョイント6及び第3ワンタッチジョイント8を電池モジュール3から離脱させ、クイックリリース装置2に電池モジュール3の固定を解除させ、電池モジュール3をベースフレーム11、低圧電気接続モジュール7、高圧電気接続モジュール5及び熱管理モジュールとの接続から離脱させ、ベースフレーム11に固定され、熱暴走が発生した電池モジュール3を迅速に脱落させ、間もなく発生する熱暴走行為の電池モジュール3全体への広がりによる車両全体への損傷が回避される。
【0068】
車両に電池モジュールに損傷を与える不測の事態が発生した場合には、制御システムを介して電池モジュール3を予め判定し、減速して停車するように運転者に事前に通知し、アフターサービスプラットフォームガイダンス制御システムを介して問題のある電池モジュール3を脱落させる。
【0069】
本発明は、出願日が2020年5月2日、出願番号が202010464225.8及び出願日が2020年5月27日、出願番号が2020922703.0の中国特許出願の優先権を主張し、上記出願の全内容は、参照により本発明に組み込まれる。
【符号の説明】
【0070】
1、シャーシ 11、ベースフレーム 111、フレームサイドメンバ 112、フレームクロスメンバ 113、取付座 12、下ボディフロア
2、クイックリリース装置 21、回転アセンブリ 211、回転フック 2111、歯溝 212、回転軸 2121、歯 2122、第1接続台 213、連動軸
3、電池モジュール 31、フック溝 32、バンプ 33、接続フランジ
4、第1ワンタッチジョイント 41、挿入ポール 411、キャビティ 412、貫通孔 413、送油通路 42、弾性密封部材 43、鋼球 44、リミットフランジ
5、高圧電気接続モジュール 51、高圧ケーブル
6、第2ワンタッチジョイント
7、低圧電気接続モジュール 71、低圧ケーブル
8、第3ワンタッチジョイント 91、熱管理制御水管