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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-27
(45)【発行日】2023-03-07
(54)【発明の名称】注射ペンおよび注射ペン用のアダプタ
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/178 20060101AFI20230228BHJP
   A61M 5/31 20060101ALI20230228BHJP
【FI】
A61M5/178
A61M5/31 502
【請求項の数】 21
(21)【出願番号】P 2021530955
(86)(22)【出願日】2018-11-29
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-26
(86)【国際出願番号】 US2018063047
(87)【国際公開番号】W WO2020112113
(87)【国際公開日】2020-06-04
【審査請求日】2021-09-10
(73)【特許権者】
【識別番号】522179943
【氏名又は名称】エンベクタ コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ロバート ウェスト
【審査官】山田 裕介
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-102614(JP,A)
【文献】特表2013-534174(JP,A)
【文献】特表2012-526626(JP,A)
【文献】特開平06-209996(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 5/178
A61M 5/31
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
注射ペンであって、
ペン本体は、近位端を有する管状壁と、針アセンブリに接続されるように構成された反対側の遠位端とを備え、
前記管状壁の遠位端は、貫通カットを含み、前記貫通カットは、前記管状壁の開口部を規定し、前記貫通カットは、前記遠位端がそこに格納された針アッセンブリにアクセスするために針アセンブリパッケージに対して押し下げられたときに、貫通されたバリア材料を形成するために前記針アセンブリパッケージに提供されるバリア材料を貫通するように構成されたエッジを有し、前記貫通カットの開口部は、前記貫通されたバリア材料を前記針アッセンブリから離れるように案内するために前記貫通されたバリア材料を受け入れるように構成され、
前記貫通カットが、前記ペン本体の長手方向軸と前記遠位端の垂直軸との間の指定された角度で前記管状壁に配置され、
前記指定された角度は、前記貫通カットのエッジによって突き刺された後に前記バリア材料を捕捉し、前記バリア材料を前記針アセンブリから離すように導くために、選択されている、注射ペン。
【請求項2】
前記貫通カットのエッジが、前記遠位端から延びる歯を含む、請求項1に記載の注射ペン。
【請求項3】
前記歯が、少なくとも前記バリア材料の厚さに対応する距離だけ前記遠位端から延びている、請求項2に記載の注射ペン。
【請求項4】
前記歯が尖った先端を含む、請求項2に記載の注射ペン。
【請求項5】
前記歯が丸い先端を含む、請求項2に記載の注射ペン。
【請求項6】
前記貫通カットのエッジが、前記開口部の少なくとも1つの側に沿ったサイシングエッジを含む、請求項1に記載の注射ペン。
【請求項7】
前記貫通カットの開口部が弧状の形状を有する、請求項1に記載の注射ペン。
【請求項8】
前記貫通カットの開口部は、直線状であることを特徴とする請求項1に記載の注射ペン。
【請求項9】
前記貫通カットが、前記ペン本体の遠位端に隣接する遠位端と、前記貫通カットの遠位端の反対側にある近位端とを有し、前記開口部が、前記貫通カットの遠位端および前記貫通カットの近位端の間に延び、
前記貫通カットは、第1の方向および第2の方向の選択された1つに配置され、前記第1の方向は、ペンがその長手方向軸の周りを時計回りに回転したときに、前記貫通カットの遠位端が前記貫通カットの近位端に先行することを可能にし、前記第2の方向は、ペンがその長手方向軸の周りを反時計回りに回転したときに、前記貫通カットの遠位端が前記貫通カットの近位端に先行することを可能にする、請求項1に記載の注射ペン。
【請求項10】
前記遠位端が、前記針アセンブリが保管される前記針アセンブリパッケージの空洞に適合し、前記針アセンブリの少なくとも一部を受け入れるような寸法が決められている、請求項1に記載の注射ペン。
【請求項11】
注射ペン用のアダプタであって、
前記アダプタは、注射ペンに接続されるように構成された近位端および針アセンブリに接続されるように構成された遠位端を有する管状壁を含むハブであって、前記管状壁が前記近位端と前記遠位端との間で前記ハブの長手方向軸に沿って延びるチャネルを規定し、前記チャネルがその中に針アセンブリの少なくとも一部を受け入れるように構成されている前記ハブを含み、
前記管状壁の遠位端は、貫通カットを含み、前記貫通カットは、前記管状壁の開口部を規定し、前記貫通カットは、前記ハブがそこに格納された針アッセンブリにアクセスするために針アセンブリパッケージに対して押し下げられたときに、貫通されたバリア材料を形成するために前記針アセンブリパッケージに提供されるバリア材料を貫通するように構成されたエッジを有し、前記貫通カットの開口部は、前記貫通されたバリア材料を前記針アッセンブリから離れるように案内するために前記貫通されたバリア材料を受け入れるように構成され、
前記貫通カットが、前記ハブの長手方向軸と前記ハブの遠位端の垂直軸との間の指定された角度で前記管状壁に配置され、
前記指定された角度は、前記貫通カットのエッジによって突き刺された後に前記バリア材料を捕捉し、前記バリア材料を前記針アセンブリから離すように導くために、選択されている、注射ペン用のアダプタ。
【請求項12】
前記貫通カットのエッジが、前記ハブの遠位端から延びる歯を含む、請求項11に記載のアダプタ。
【請求項13】
前記歯が、前記ハブの遠位端から、少なくとも前記バリア材料の厚さに対応する距離だけ延びる、請求項12に記載のアダプタ。
【請求項14】
前記歯が尖った先端を含む、請求項12に記載のアダプタ。
【請求項15】
前記歯が丸い先端を含む、請求項12に記載のアダプタ。
【請求項16】
前記貫通カットのエッジが、前記開口部の少なくとも1つの側に沿ったサイシングエッジを含む、請求項11に記載のアダプタ。
【請求項17】
前記貫通カットの開口部が弧状の形状を有する、請求項11に記載のアダプタ。
【請求項18】
前記貫通カットの開口部が直線形状を有する、請求項11に記載のアダプタ。
【請求項19】
前記貫通カットが、前記ハブの前記遠位端に隣接する遠位端と、前記貫通カットの前記遠位端の反対側にある近位端とを有し、前記開口部は、前記貫通カットの遠位端と前記貫通カットの近位端との間に延び、
前記貫通カットは、第1の方向および第2の方向の選択された1つに配置され、前記第1の方向は、ハブがその長手方向軸の周りを時計回りに回転したときに、前記貫通カットの遠位端が前記貫通カットの近位端に先行することを可能にし、前記第2の方向は、ハブがその長手方向軸の周りを反時計回りに回転したときに、前記貫通カットの遠位端が前記貫通カットの近位端に先行することを可能にする、請求項11に記載のアダプタ。
【請求項20】
前記ハブは、ペンと嵌合するようにその近位端で寸法が定められている、請求項11に記載のアダプタ。
【請求項21】
前記ハブは、その遠位端に、前記針アセンブリが保管される前記針アセンブリパッケージの空洞に適合し、前記針アセンブリの少なくとも一部を受け入れるような寸法が決められている支柱(post)セクションを有し、
前記貫通カットは前記ハブの支柱セクションに配置されている、請求項11に記載のアダプタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パッケージ化された針アセンブリへのアクセスを改善する機能を備えるペンおよびペン針アダプタに関する。
【背景技術】
【0002】
例示的な実施形態は、概して、薬物送達ペン用のパッケージされたペン針にアクセスするように構成されたペンまたはペン針アダプタに関し、より具体的には、ペン針に取り付けられるペンの先端または遠位端、またはペン用アダプタに関し、ペン針アセンブリのパッケージに使用されるバリア素材を壊して収集するための、切り取り(scything)および獲得(capture)機能を備えている。
【0003】
投薬ペンは、投薬の自己管理を容易にするために開発された。従来の投薬ペンは、図1の数字1で全体的に識別される。ペン1には、数回の投与に十分な薬が入ったカートリッジが入っている。従来のカートリッジは、反対側の近位端と遠位端を備えている。遠位端は、図1の数字2で識別される穿刺可能で再封可能なゴム隔膜によって閉じられている。近位端は、滑り止めが液密に係合している。従来のカートリッジは、近位端(図示せず)および反対側の遠位端6を備えた細長いペン状の本体4内に配置されている。ペン本体の近位端は、カートリッジのストッパーを遠位方向に選択的に駆動するプランジャーと、プランジャーとストッパーが移動できる距離を決定する用量設定機構とを含む。ペン本体4の遠位端6は、ペン針アセンブリ90と螺合するためのネジ山(threads)8の配列を含む。ペン針アセンブリ90は、対向する近位点および遠位点92および93を有する針カニューレ91と、近位先端(tip)92を囲むねじ付き取付スカート94とを含む。取付スカート94は、ペン本体4の遠位端6のネジ山8とねじ込み係合可能である。安全シールド95は、遠位点93および取付スカート94の一部に解放可能に係合して、偶発的な針の突き刺しを防止する。
【0004】
定期的に投薬量を注射しなければならない人は、投薬ペン1とペン針アセンブリ90を携行する。各ペン針アセンブリ90は、その針カニューレ91を安全に有し、それ自体のシールド95内に無菌状態で密封されており、投薬量を投与する直前にアクセスされる。次に、ペン針アセンブリ90がペン1の遠位端6に取り付けられる。この取り付けにより、針カニューレ91の近位点92がカートリッジのゴム隔膜2を突き刺し、針カニューレ91をペン1内の薬剤と連通するように配置する。次に、ペン1を使用して、選択した用量の薬剤を注射する。注射が完了した後、針アセンブリ90はペン1から分離され、廃棄される。ペン1は、薬がなくなるまでこの方法で繰り返し使用できる。このようなペン1は、多くの便利さと効率を提供する。しかし、未使用の針の保管と使用済みの針の最終処分には問題がある。特に、新しい針の供給品は、ハンドバッグやブリーフケースの底にばらばらに散らばっていることが多く、使用済みの針は安全でない方法で処分されることが多い。
【0005】
図2および図3を参照すると、ペン針マガジンディスペンサーは、滅菌された未使用の針を保管するように構成され、最終処分まで使用済みの針を保管する手段を提供する。図2に示すように、ペン針マガジンディスペンサーの例は、カバー(図示せず)を有することができる容器30を含む。容器30は、無菌バリア150で覆われた上面を含む。容器30は、複数の空洞(キャビティ)35を含み、各空洞35は、以下でさらに説明するペン針アセンブリ100を含むスリーブ40を受け入れる寸法である。各ペン針アセンブリ100は、元々、容器30の上面に取り付けられた無菌バリア150によって、それぞれのスリーブ40および空洞35内で密封されている。無菌バリア150は、例えば、空洞35と整列した開口を有する基板と、基板に接着された透明または不透明のプラスチックまたは箔フィルムとを含むことができる。無菌バリア150は、また、容器30の上面に直接接着することもできる。したがって、無菌バリア150は、空洞35内の各スリーブ40に含まれる未使用のペン針アセンブリ100に無菌性を提供し、特定のスリーブ40内のペン針アセンブリ100が使用されたかどうかをユーザが識別する簡単な手段を提供する。例えば、滅菌バリア150は、ペン針アセンブリ100の位置に対応する各空洞35の開口部に印刷されたしるしなどのしるしをその上に印刷することができる。
【0006】
図2は、また、ペン針アセンブリ100、アダプタ50、およびそこから分解された薬物送達ペン1の分解斜視図を示す。アダプタ50は、従来の薬剤送達ペン1の遠位端6上のねじ8と嵌合するように寸法が決められた一組のねじ52を有する、開いた近位端51を備えたハブ56を含む。アダプタ50はまた、その遠位端54に開口部53を有するポスト55を含む。ハブ56およびポスト55は、針アセンブリ100を受け入れるためのチャネルを共有する。例えば、ハブ56およびポスト55は、管状壁によって規定することができ、アダプタに一体である。アダプタ50をペン1の遠位端6にねじ込んだ後、アダプタ50の遠位端54は、針アセンブリ100の近位端108上のキー109をアダプタ50内の対応するキー溝に挿入することにより、スリーブ40からペン針アセンブリ100を取り外すために使用される。
【0007】
図2を参照すると、ペン針アセンブリ100は、複数のキー109を有するハブ102と、スリーブ40内のネジ山44のセットと嵌合する寸法のネジ山101のセットを有する遠位端107とを含む。針カニューレ103は、ハブ102内に取り付けられ、遠位点104および近位点105を含む。針アセンブリ100のキー109がアダプタ50の対応するキー溝に挿入されると、薬剤投与ペン1の回転により、ペン針アセンブリ100がスリーブ40内で回転し、針アセンブリ100のキー109がキー溝に沿ってアダプタ50のチャネル内に移動させる。キー109がキー溝から適合50のチャネル内に移動すると、エッジ106がアダプタ50のらせん面上を移動して、キー109をアダプタチャネル内にロックし、ペン針アセンブリ100がアダプタ50から滑り落ちるのを防止する。アダプタのらせん状の表面がエッジ106と相互作用することにより、ペン針アセンブリ100をアダプタ50内の所定の位置に駆動するのに役立ち、表面111がアダプタ50の遠位端54と接触してペン針アセンブリ100をアダプタ50内にしっかりと保持する。
【0008】
未使用の針アセンブリ100を容器30の空洞35から取り出すために、アダプタ50を備えたペン1は、図3に示すように、ペン針マガジンディスペンサーの容器30の空洞35に挿され、回転させて(例えば、時計回り方向A)上記のように、空洞35内の針アセンブリ100をアダプタ50に取り付ける。使用後、薬物送達ペン1のアダプタ50に取り付けられた使用済みペン針アセンブリ100は、戻り止め55と保持溝43が嵌合し、ペン針アセンブリ100上のネジ山101のセットと接触するまで、空洞内のスリーブ40に再挿入される。薬物送達ペン1を図3に示す反対方向Bに回転させて、ペン針アセンブリ100をスリーブ40に戻し、次に、ペン針アセンブリ100がアダプタ50から引き出されるときにペン1を容器30から引き抜く。
【0009】
アダプタ50のポスト55の遠位端54は、内部の針アセンブリ100にアクセスするために、空洞35上の無菌バリア150を突き破らなければならない。問題は、壊れたバリア150の一部が空洞35に押し込まれるか、さもなければ空洞35への開口部で束ねられ、アダプタ50とペン針アセンブリ100との間の接続を妨げ、および/または接続されたアダプタと針アセンブリの空洞35内外への移動を妨げる可能性がある。
【発明の概要】
【0010】
上記および他の問題は、本発明の例示的な実施形態により克服され、追加の利点が実現される。
【0011】
近位端を有する管状壁と、針アセンブリに接続されるように構成された反対側の遠位端とを含む注射ペン用のペン本体または取り外し可能なペン針アダプタを提供することは、例示的な実施形態の一態様である。ここで、管状壁の遠位端は、貫通カットを含み、貫通カットは、管状壁の開口部を規定し、貫通カットは、遠位端が針アセンブリに対して押し下げられたときに針アセンブリパッケージに提供されるバリア材料を貫通するように構成されたエッジを有する。そこに格納された針アセンブリにアクセスするためのパッケージング、および貫通カットの開口部は、それが針アセンブリから離れるように案内するために貫通された後にバリア材料を受け入れるように構成される。
【0012】
例示的な実施形態の態様によれば、貫通カットのエッジは、遠位端から延びる歯を含む。
【0013】
例示的な実施形態の態様によれば、歯は、少なくともバリア材料の厚さに対応する距離だけ遠位端から延びる。
【0014】
例示的な実施形態の態様によれば、歯は、尖った先端または丸い先端を含む。
【0015】
例示的な実施形態の態様によれば、貫通カットのエッジは、開口部の少なくとも一方の側に沿ったサイズのエッジを含む。
【0016】
例示的な実施形態の態様によれば、貫通カットの開口部は、弓状または直線状である。
【0017】
例示的な実施形態の態様によれば、貫通カットは、ペン本体の長手方向軸と遠位端の垂直軸との間の指定された角度で管状壁に配置される。例えば、指定された角度は、貫通カットのエッジによって突き刺された後にバリア材料を捕捉し、バリア材料を針アセンブリから離すように導くために選択される。
【0018】
例示的な実施形態の態様によれば、貫通カットは、ペン本体の遠位端に隣接する遠位端と、貫通カットの遠位端の反対側にある近位端とを有し、開口部は、貫通カットの遠位端と貫通カットの近位端との間に延在する。貫通カットは、第1の方向および第2の方向のうちの選択された1つに配置され、第1の方向は、ペンが長手方向軸の周りに時計回り方向に回転したときに、貫通カットの遠位端が貫通カットの近位端に先行することができ、第2の方向は、ペンが長手方向軸の周りに反時計回りに回転したときに、貫通カットの遠位端が貫通カットの近位端に先行することを可能にする。
【0019】
例示的な実施形態の態様によれば、遠位端は、針アセンブリが格納される針アセンブリパッケージの空洞(cavity)に適合し、針アセンブリの少なくとも一部を受け入れるような寸法である。
【0020】
例示的な実施形態の一態様は、注射ペンに接続されるように構成された近位端と、針アセンブリに接続されるように構成されたその遠位端とを有する管状壁を備えるハブを有する注射ペン用のアダプタを提供することである。近位端と遠位端との間でハブの長手方向軸に沿って延びるチャネルをその中に規定する壁であって、チャネルは、その中に針アセンブリの少なくとも一部を受け入れるように構成される。管状壁の遠位端が貫通カットを含んでいる。
【0021】
例示的な実施形態の態様によれば、ハブは、ペンと嵌合するようにその近位端の寸法が決められている。さらに、ハブは、その遠位端に、針アセンブリが格納されている針アセンブリパッケージの空洞に適合し、針アセンブリの少なくとも一部を受け入れるように寸法が決められた支柱セクションを有し、貫通カットはハブのポストセクションに配置される。
【0022】
本発明の追加および/または他の態様および利点は、以下の説明に記載されることになるか、または、説明から明らかとなるか、または、本発明の実施によって知ることになる。本発明は、上記の態様のうちの1つまたは複数、および/または、それらの特徴およびそれらの組み合わせのうちの1つまたは複数を有する、ペン針アダプタおよびそれを操作するための方法を含み得る。本発明は、例えば、添付の特許請求の範囲に記載されている上記の態様の1つまたは複数の特徴、および/または、組み合わせを含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
本発明の実施形態の上記および/または他の態様および利点は、添付の図面と併せて、以下の詳細な説明からより容易に理解されるであろう。
図1図1は、従来のペン針および従来の薬剤投与ペンの遠位端の分解斜視図である。
図2図2は、従来のペン、従来のペン針、および従来の部分的に組み立てられたペン針マガジンディスペンサーの分解斜視図である。
図3図3は、アダプタにペン針を取り付けたり、アダプタから取り外したりするときの、図2の投薬ペンおよびペン針マガジン ディスペンサーの斜視図である。
図4A図4Aは、ペン針アセンブリを装填するために薬物送達ペンと共に使用するための例示的な実施形態に従って構成されたアダプタの斜視図である。
図4B図4Bは、図4Aのアダプタの部分的な斜視図である。
図4C図4Cは、図4Aのアダプタの部分的な断面図である。
図5A図5Aは、例示的な実施形態に従って構築されたアダプタを示す一連の図であり、ペン針アセンブリを含む空洞を覆うバリア材料を示す図である。
図5B図5Bも、例示的な実施形態に従って構築されたアダプタを示す一連の図であり、ペン針アセンブリを含む空洞を覆うバリア材料を突き刺して殴打する。
図5C図5Cも、例示的な実施形態に従って構築されたアダプタを示す一連の図であり、ペン針アセンブリを含む空洞を覆うバリア材料を突き刺して殴打した後に、材料を捕捉して空洞開口部から遠ざける。
図6A図6Aは、ペン針アセンブリを装填するために薬物送達ペンと共に使用するための例示的な実施形態に従って構成されたアダプタの斜視図である。
図6B図6Bは、図6Aのアダプタの部分的な斜視図である。
図6C図6Cは、図6Aのアダプタの部分的な断面図である。
図7A図7Aは、ペン針アセンブリを装填するために薬物送達ペンと共に使用するための別の例示的な実施形態に従って構成されたアダプタの斜視図である。
図7B図7Bは、ペン針アセンブリを装填するために薬物送達ペンと共に使用するためのさらに別の例示的な実施形態に従って構成されたアダプタの断面図である。
図8A図8Aは、ペン針アセンブリを装填するために薬物送達ペンと共に使用するためのさらに別の例示的な実施形態に従って構築されたアダプタの部分斜視図である。
図8B図8Bは、ペン針アセンブリを装填するために薬物送達ペンと共に使用するためのさらに別の例示的な実施形態に従って構築されたアダプタの部分断面図である。
図9A図9Aは、ペン針アセンブリを含む対応する空洞用の個別の無菌バリアを有する例示的なペン針マガジンディスペンサーの斜視図である。
図9B図9Bは、例示的な針アセンブリ容器、およびペン針アセンブリおよび個別の無菌バリアを有する例示的なパッケージの斜視図である。 図面全体を通して、同様の参照番号は、同様の要素、特徴、および構造を指すと理解されるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0024】
次に、添付の図面に示されている本発明の例示的な実施形態を詳細に参照する。本明細書で説明される実施形態は、図面を参照することによって、本発明を例示するものであるが、これに限定するものではない。
【0025】
図4A、4Bおよび4Cを参照すると、例示的なペンの先端または遠位端、または例示的なペン用の取り外し可能なアダプタ160は、例示的な実施形態に従って、ペン針マガジンディスペンサーの容器30内の空洞35を覆う、またはパッケージ(例えば、単一の針アセンブリ100を含む図9Bのパッケージ42)を覆う無菌バリアまたは他の材料150の上記の問題を克服するために構築される。本明細書に記載されるように、例示的なアダプタ160の先端または遠位端164は、図4Aから8Bに示される異なる例示的実施形態に従って説明されなければならない。しかしながら、アダプタ160の先端または遠位端164は、例示的なペンに一体的に提供され得ることが理解されるべきである。言い換えれば、アダプタ160は、ペンの端部にねじ込まれたりスナップフィットされたりするのではなく、図4Aから8Bに示される異なる例示的な実施形態によれば、ペンはその上に一体的に形成されて、アダプタ160の遠位端または先端164と同様に、その遠位端または先端を有する。
【0026】
針アセンブリ100を取り外すために穴を開けると、バリアまたは包装材料150の全部または一部が、空洞35またはパッケージ42への開口部に集まる可能性があり、これは、アダプタ160と針アセンブリ100との間の接続を妨げ、および/または接続されたアダプタおよび針アセンブリの空洞35またはパッケージ42に出入りする動きを妨げる可能性がある。ペン針アセンブリ100(すなわち、容器30の空洞35または個々の針アセンブリパッケージ42内)を封入するために使用される無菌バリアまたは他の材料150は、指定された厚さThを有し、容器35(例えば、図2)内の複数の空洞にわたる層として、またはパッケージ42(図9B)上の単一のラベルまたはステッカー150として、または容器30(図9A)内の空洞35のそれぞれの上に展開できることを理解されたい。
【0027】
図4A、4Bおよび4Cに示されるように、例示的なアダプタ160は、その長手方向軸に沿って延びる内部空間またはチャネル163を有し、その遠位端164でペン針アセンブリ100を受け入れるように寸法および形状が定められている。アダプタ160は、ペン1の遠位端6に接続または取り付けられるように構成された近位端161を有する。例えば、アダプタ160は、ペン1の遠位端6のネジ山8と協働するために、その近位端161にネジ山162を備えたハブ166を有することができる。ハブ166は、その遠位端164が少なくとも部分的に容器の空洞35またはパッケージ42に挿入される寸法であるポスト165として構成されたその一体部分を有することができ、針アセンブリ100を保管するように寸法が決められている。したがって、ハブ166は、ペン1と同様の直径(例えば、内部空間またはチャネル163の約3/8インチ(in)または88ミリメートル(mm)の内径に、内径の両側のハブ166の壁の厚さを加えたもの)と同様の直径を有することができる。ハブ166は、ペン1と取り外し可能に(例えば、ネジ山、またはスナップまたは圧力嵌めによって)係合することができ、またはペン1と一体化することができる。ポスト165は、例えば、針アセンブリ100の直径と同様の直径(例えば、図2に示される例示的な直径Cによって示されるように、約1/8インチまたは0.150インチ未満)を有することができる。内部空間またはチャネル163の形状、ならびにハブ166およびポスト165の外部形状は、管状または円筒形として示されている。内部空間またはチャネル163、およびハブ166またはポスト165の外部形状は、内部空間の断面が三角形、またはハブ166および/またはポスト165の三角形の周囲などの異なる形状を有することができ、また、寸法および形状は、アダプタ160の長手方向軸に沿って内部または外部で変化することができることを理解されたい。さらに、ハブ160の外部は、リブ168または他のテクスチャを備えて、ユーザによるその把持を改善することができ、または滑らかにすることができる。
【0028】
例示的な実施形態の有利な態様によれば、アダプタ160の先端または遠位端164には、ポスト165の管状壁に貫通カット(through cut)200が設けられている。様々な例示的な実施形態に関連して以下に説明するように、貫通カット200は、貫通カット200のサイシング(scything:切断)エッジ208とアダプタの遠位端面204との間で異なる長さ、幅、形状、および角度を有することができ(以下、サイシング角度210という)、およびこれらの特性のそれぞれは、針アセンブリ100を含む空洞35またはパッケージ42からバリア材料150を貫通して案内するアダプタの能力に影響を与える可能性がある。さらに、例示的な実施形態の別の有利な態様によれば、サイシングエッジ208の先端は、材料150を貫通することを容易にする形状(例えば、点)を有する歯202として構成することができる。さらに、歯202は、材料150を貫通する効果を改善するために、遠位端面204から選択された距離を延ばすことができ、材料150を捕捉してそれを空洞35またはパッケージ42の内部または開口部から離すように案内する。
【0029】
図4A、4Bおよび4Cに示される例示的な実施形態によれば、貫通カット200は弧状の形状を有する。貫通カット200の長さ、貫通カット200の幅、貫通カット200の弓形の湾曲度、および貫通カット200の方向(例えば、図4Cのアダプタ160の立面図に示されるように、遠位端面204から右または左方向、例えば右方向に延びる)、および材料150の可撓性および厚さに応じて、サイズ調整角度210を選択することができ、変更することができる。例えば、貫通カット200の幅および/または長さを大きくすると、幅および/または長さを小さくするよりも多くの材料150を捕捉することができる。貫通カット200のこのより大きな幅および/または長さは、材料150の層(例えば、複数の空洞35の開口部を含む、図2の容器30の上部の領域を覆う層)に対して材料150のラベル(例えば、図9Aに示されるように、個々の空洞開口部のみを覆うラベル)を貫通するときに役立つことができる。さらに、サイシング(scything)角度210および貫通カット200の弧状形状の湾曲の程度は、材料をカットするサイシングエッジ208の能力に影響を及ぼし、両方を選択して、空洞35またはパッケージ42の内部または開口部から離れた材料150の穿孔および/または切断部分152の誘導を最適化することができる。
【0030】
例示された実施形態の別の態様によれば、アダプタ160からカット200までは、材料150を貫通する効果を改善するために、遠位端面204から選択された距離だけ延びる歯202を形成するように構成することができる。例えば、歯202は、材料150の厚さTh以上である距離d(dTh)だけ遠位端面204を超えて延在して、突き刺し(piercing)およびサイシング(scything)を補助することができる。さらに、歯202は、尖った端部、丸い端部、または鈍い端部を有するなど、異なる形状を有することができる。
【0031】
ここで、例示的な実施形態による、図4Aから4Cに示されるアダプタ160の動作のシーケンスを示す図5A、5Bおよび5Cが参照され、材料150を貫通およびサイシングする。説明の目的で、図5A、5Bおよび5Cは、針アセンブリカテーテル105の端部を示すことによって証明されるように、針アセンブリがその中に配置された容器40内の空洞35を覆う材料150の層の部分的な断面図を示し、アダプタ160が針アセンブリ100と首尾よく接続されるとき、アダプタ160の空間163に挿入される。図5A、5B、および5Cはまた、貫通カット200を有するアダプタ160のポスト165の部分的な断面を示している。また、アダプタ160のサイシングエッジ208および歯202も示されている。図5Aの図示の実施形態では、アダプタ160の歯202は、材料150と接触しているが、材料150をまだ突き刺していない。アダプタ160が、バリア材料150を備えた別のタイプの針アセンブリパッケージ42であり得る容器空洞35にユーザによって押し込まれると、図5Bに示すように、歯202は、アダプタ160の遠位端面204に先行し、材料150を貫通して、材料に穿孔された開口部を作製する。図5Cを参照すると、ポスト165が空洞35内にさらに移動すると、トリミングされたまたは切断された材料片152が、サイシングエッジ208に沿って案内される。さらに、アダプタ160を時計回りに回転させて、材料150のサイズ調整または円運動での切断を促進し、追加のトリミングまたは切断された材料152が、貫通カット200のガイドエッジ208によって空洞の開口部から離れるように案内することができる。したがって、アダプタ160は、材料150を便利に貫通して、パッケージ(すなわち、容器40内の空洞35またはパッケージ42の内部空間)から保管された未使用の針アセンブリ100にアクセスし、材料片152が保管空洞またはスペースから離れるようにガイドされるため、そこに留まることがないことを確実にするという利点を実現する。したがって、材料150は、アダプタ160(すなわち、アダプタ160の遠位端164と同様の先端または遠位端と一体的に形成されたペン)の格納された針アセンブリ100への接続を妨げる可能性が低い。さらに、材料152は、接続された針アセンブリ100が使用のために空洞または空間から移動し、その後、使用後の最終的な保管および廃棄のために空洞または空間に戻るのを妨げる可能性が低い。
【0032】
図6A、6Bおよび6Cに示される別の例示的な実施形態によれば、アダプタ160は、図4A、4B、および4Cに示されるアダプタ160の弓状の貫通カットと比較して真っ直ぐな貫通カット202を有する。アダプタ160は、図6Aおよび6Bに示すように、管状壁の周囲に配置された3つの貫通カット202などの複数の貫通カット202を任意に有することができる。また、図6A、6Bおよび6Cのアダプタ160のサイシング角210は、図4A、4Bおよび4Cに示されるアダプタ160のサイシング角210より大きい。図6A、6Bおよび6Cにおける真っ直ぐなサイシングエッジ208およびより大きなサイシング角は、図4A図4Bおよび図4Cに示されたアダプタ16のサイシングエッジ208およびサイシング角210よりも、貫通材料152を開口部から空洞35またはパッケージ42へ物理的に移動させる(遠ざける)のにより効果的であり得る。例えば、図6A図6B、および図6Cの貫通カット202は、図4A、4B、および4Cに示されるアダプタ160の貫通カット202よりも、トリミングされた材料片152を捕捉するためのより多くのスペースを有する寸法にすることができる。また、図6A図6B、および図6Cのアダプタ160のサイシング角210は、大きいほど、材料片152を、図4A、4Bおよび4Cに示されるアダプタ160の貫通カット202よりも容器40の空洞35またはパッケージ42の内部空間からさらに上に、かつそこから遠ざけるために有用であり得る。
【0033】
図示の実施形態の別の態様によれば、アダプタ160の貫通カット202またはペンの遠位端は、ポスト165の壁を完全に貫通していない場合があり、その結果、遠位端面204は、図6Bのように、アクセスオリフィス206の周りに中実の周囲を有することができる。上述のように、ハブ166および/またはポート165、および/またはそれらの開口部163およびアクセスオリフィス206は、円形または三角形または他の形状などの異なる断面形状であり得る。
【0034】
上述のように、貫通カット202の方向は、ユーザによるアダプタ160の時計回りまたは反時計回りの運動中に、サイシングエッジ208を操作するために選択することができる。例えば、図4Bおよび4Cに示される貫通カット200の方向は、アダプタ160を備えたペン1を時計回りに回転させて、容器40またはパッケージ42を覆うバリア材料150を貫通して切断するためのものである。図7Aおよび7Bは、容器40またはパッケージ42を覆うバリア材料150を貫通して切断するためのアダプタ160を備えたペン1の反時計回りの回転の反対方向を除いて、図4Bおよび4Cに示される貫通カット200を示している。
【0035】
同様に、図6Bおよび6Cに示される貫通カット200の方向は、アダプタ160を備えたペン1を時計回りに回転させて、容器40またはパッケージ42を覆うバリア材料150を貫通して切断するためのものである。図8Aおよび8Bは、容器40またはパッケージ42を覆うバリア材料150を貫通して切断するためのアダプタ160を備えたペン1の反時計回りの回転の反対方向を除いて、図6Bおよび6Cに示される貫通カット200を示している。
【0036】
本開示が、以下で説明にされるか、または図面に図示される、構造の詳細、および構成要素の配置に、その適用が限定されないことが当業者によって理解されよう。本明細書の実施形態は、他の実施形態が可能であり、様々な方法で実施または実行することができる。また、本明細書にて使用される表現、および用語は、説明を目的とするものであり、限定するものとみなすべきではないことが理解されよう。本明細書における「含む」、「備える」、または「有する」、およびそれらの変形例の使用は、追加の項目と同様に、その後に列挙される項目、およびその均等物を包含することを意味する。特に限定されない限り、本明細書における「接続された」、「結合された」、および「据え付けられた」という用語、およびそれらの変形例は、広範囲に用いられ、直接的および間接的な接続、結合、および取り付けを包含する。さらに、「接続された」および「結合された」という用語、およびそれらの変形例は、物理的または機械的な、接続または結合に限定されない。さらに、上、下、底面、および上面などの用語は、相対的であって、図解を補助するために使用されるものではあるが、限定するものではない。
【0037】
上記の説明および図は、例としてのみ意図されており、以下の特許請求の範囲に記載されている場合を除いて、決して本発明を限定することは意図されていない。特に、当業者は、上で説明した様々な例示的な実施形態の様々な要素の様々な技術的態様を、他の多くの方法で容易に組み合わせることができ、それらはすべて本発明の範囲内であると見なされる。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図6C
図7A
図7B
図8A
図8B
図9A
図9B