(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-27
(45)【発行日】2023-03-07
(54)【発明の名称】ハウジングおよび電子デバイス
(51)【国際特許分類】
H05K 5/00 20060101AFI20230228BHJP
H01L 23/00 20060101ALI20230228BHJP
H01L 23/04 20060101ALI20230228BHJP
H01R 13/46 20060101ALI20230228BHJP
【FI】
H05K5/00 A
H01L23/00 C
H01L23/04 E
H01R13/46 304Z
(21)【出願番号】P 2021544639
(86)(22)【出願日】2019-12-24
(86)【国際出願番号】 CN2019128027
(87)【国際公開番号】W WO2020233115
(87)【国際公開日】2020-11-26
【審査請求日】2021-07-30
(31)【優先権主張番号】201910420107.4
(32)【優先日】2019-05-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】521467113
【氏名又は名称】華為数字能源技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI DIGITAL POWER TECHNOLOGIES CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】Office 01, 39th Floor, Block A, Antuoshan Headquarters Towers, 33 Antuoshan 6th Road, Futian District, Shenzhen, 518043, P.R.C.
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133569
【氏名又は名称】野村 進
(72)【発明者】
【氏名】▲陳▼ 太▲賢▼
(72)【発明者】
【氏名】夏 全▲飛▼
【審査官】五貫 昭一
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-230025(JP,A)
【文献】特開2004-200454(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 5/00
H01L 23/00
H01L 23/04
H01R 13/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
貫通孔を有する本体と、
前記本体の一方の側に配置され、前記
貫通孔に
ドッキングされた、接続リングと、
を備えた、ハウジングであって、
前記接続リングが、コネクタに接続するように構成され、
前記接続リングが、前記コネクタを収容するため
の遮蔽空間を囲んで
おり、
前記接続リングが、第1の接続部と第2の接続部とを有し、
前記遮蔽空間と同じ側に配置された前記第1の接続部が、第1のコネクタに接続するように構成され、前記遮蔽空間と反対側に配置された前記第2の接続部が、第2のコネクタに接続するように構成され、
前記第1のコネクタが前記第2のコネクタに光電接続され、前記第1のコネクタの一部で前記第2のコネクタに光電接続される部分が、前記遮蔽空間内に位置していることを特徴とする、ハウジング。
【請求項2】
前記本体と前記接続リングとが、一体構造であるか、または溶接されていることを特徴とする、請求項1に記載のハウジング。
【請求項3】
前記第1の接続部および/または前記第2の接続部が、クランプロックまたはねじ式接続のいずれかであることを特徴とする、請求項
1に記載のハウジング。
【請求項4】
少なくとも1つの補強リブが前記接続リングの外壁に配置されていることを特徴とする、請求項1から
3のいずれか一項に記載のハウジング。
【請求項5】
前記接続リングの内側断面輪郭が前記
貫通孔の断面輪郭よりも大きいことを特徴とする、請求項1から
4のいずれか一項に記載のハウジング。
【請求項6】
請求項1から
5のいずれか一項に記載のハウジングと、本体に設置された電気素子とを含む、電子デバイスであって、
コネクタをさらに含み、該コネクタが、接続リングに接続され、前記電気素子に光電接続されていることを特徴とする、電子デバイス。
【請求項7】
前記コネクタが、
前記接続リングに接続された絶縁体と、
前記絶縁体内に配置され、前記電気素子に光電接続される、接続片と
を含むことを特徴とする、請求項
6に記載の電子デバイス。
【請求項8】
前記接続リングと前記電気素子とが、前記本体の同じ側または
両側に位置していることを特徴とする、請求項
6または
7に記載の電子デバイス。
【請求項9】
前記電子デバイスが、封止要素をさらに含み、
前記封止要素が、前記コネクタと前記ハウジングとの間に位置し、前記コネクタと前記ハウジングとの間に密閉して接続されていることを特徴とする、請求項
6から
8のいずれか一項に記載の電子デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年5月20日に中国特許庁に提出された「HOUSING AND ELECTRONIC DEVICE」という名称の中国特許出願第201910420107.4号の優先権を主張するものであり、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本出願は、電子デバイス技術の分野に関し、特に、ハウジングおよび電子デバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
コネクタの機能は、電気エネルギー、電気信号、および光信号を伝送するために、回路内の遮断または絶縁された回路間に通信ブリッジを構築することである。いくつかの電子デバイスでは、通常、コネクタが設置される必要があり、別の電子デバイスへの接続がコネクタを使用して実施される。
【0004】
コネクタおよび電子デバイスを設置する従来の方法には多くの欠点がある。例えば、通常、コネクタの設置場所を提供するために電子デバイスのハウジング上にボス構造が配置される必要がある。ボス構造を配置することにより、電子デバイスのハウジングの重量が増加し、電子デバイスの体積も増加する。これは、軽量かつ小型の設計の利益にならない。加えて、ねじを使用してコネクタをボス構造に設置するために、通常、コネクタの外側ハウジングにフランジ構造が配置される。したがって、ボス構造のサイズがさらに大きくなる。加えて、ねじを使用することによる設置は比較的複雑であり、したがって自動組み立ての利益にならない。
【0005】
加えて、コネクタの中には、コネクタと電子デバイスとの間の電磁干渉を防止するために遮蔽構造を必要とするものもある。従来のコネクタハウジングは、通常、外側ハウジングと、内側ハウジングと、外側ハウジングと内側ハウジングとの間に位置する金属製シールドケースとを含む。これは生産の利益にならず、製造コストが比較的高く、遮蔽の連続性および気密性が確保されない。
【発明の概要】
【0006】
本出願は、簡単でコンパクトな構造を有し、コネクタを容易に設置することができるハウジングおよび電子デバイスを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一態様によれば、本出願は、本体と接続リングとを含むハウジングを提供する。本体は、貫通孔を有する。接続リングは、本体の一方の側に配置され、貫通孔に接続される。接続リングは、コネクタに接続するように構成される。接続リングは、コネクタを収容するための遮蔽空間を囲む。
【0008】
具体的には、ハウジングは、電気素子を保護するために、電気素子の設置場所または収容空間を提供し得る。ハウジング内に設置された電気素子はコネクタを使用して外部デバイスや電気素子に光電接続される必要があるため、コネクタはハウジング上に設置される必要がある。本出願で提供されるハウジングでは、コネクタは、接続リングを使用してハウジングに締め付けられ得、コネクタと別の電気素子または電子デバイスとの間の電磁干渉を防止するために、接続リングによって囲まれた遮蔽空間に収容される。貫通孔は、コネクタと電子素子との間の光電接続を実施するために、ケーブルのルーティングを容易にする。加えて、電気素子は、ハウジング内に設置された電子素子と別のデバイスまたは電子素子との間の接続を実施するために、コネクタを使用して別の電気素子にも光電接続され得る。光電接続は、電気信号および電気エネルギーを伝送するための電気接続を含み得、光信号を伝送するための光接続も含み得る。
【0009】
前述の解決策では、コネクタを設置するために使用されるボス構造がハウジング上に追加的に配置される必要がなく、そのためハウジングの重量および体積を減らすことができる。加えて、コネクタとハウジングとを組み立てるための技術的プロセスをさらに簡素化することもできる。これにより、製造コストが削減され、組み立て効率が向上し、自動組み立てが容易になる。加えて、接続リングは、コネクタのための遮蔽空間を提供することができる。これは、コネクタ上に遮蔽構造を追加的に配置することなく、コネクタの構造を単純化するのに役立ち、それによってコネクタの製造コストが削減される。
【0010】
特定の実施態様では、ハウジングは一体構造であり得る。例えば、ハウジングは、鋳造成形プロセスを使用して製造され得る。あるいは、ハウジングの本体と接続リングとは別々に成形されてもよく、次いで成形された本体と接続リングとは溶接や接着などのプロセスを使用して接続される。
【0011】
実際の適用では、コネクタは、通常、対で使用される。本出願で提供される一実施形態では、接続リングは、外部コネクタにさらに接続され得る。
【0012】
具体的には、接続リングは、第1の接続部と第2の接続部とを有する。第1の接続部は第1のコネクタに接続するように構成され、第2の接続部は第2のコネクタに接続するように構成される。第1のコネクタはハウジング内に設置された電気素子に光電接続され、第2のコネクタは別のデバイスに光電接続される。第1のコネクタが第2のコネクタに接続された後、ハウジング内に設置された電気素子を別のデバイスに光電接続することができる。
【0013】
接続リングとコネクタとの間の複数の接続方法があり得る。例えば、本出願で提供される一実施形態では、接続リングとコネクタとは、締め付け構造を使用して接続される。
【0014】
特定の実施態様では、第1の接続部および第2の接続部はクランプロックであり得る。当然ながら、第1のコネクタ内には第1の接続部に接続するために使用されるクランプロック構造も配置され、第2のコネクタ内には第2の接続部に接続するために使用されるクランプロック構造も配置される。
【0015】
加えて、接続リングの構造強度を高めるために、いくつかの実施形態では、接続リングに少なくとも1つの補強リブが配置され得る。
【0016】
いくつかの特定の実施態様では、接続リングは金属材料で作られ得る。したがって、コネクタを電磁信号からの干渉から保護するため、またはコネクタによって生成された電磁信号が別の電気素子に影響を及ぼすのを防止するために、効果的な遮蔽機能を提供することができる。
【0017】
当然ながら、いくつかの他の実施態様では、接続リングは、代替として、ハウジングの製造コストおよび重量を削減するために、非金属材料で作られてもよい。これに基づいて、接続リングにシールド層が配置され得、そのため接続リングは遮蔽機能も有する。
【0018】
別の態様によれば、本出願は、前述の実施態様のいずれか1つによるハウジングと、本体に設置された電気素子とを含み、コネクタをさらに含む電子デバイスをさらに提供する。コネクタは、接続リングに接続され、電気素子に光電接続される。
【0019】
特定の実施態様では、接続リングは、ハウジングの内側に配置され得るか、またはハウジングの外側に配置され得る。接続リングがハウジングの外側に配置される場合、接続リングはハウジングの内部空間を占有しない。接続リングがハウジングの内側に配置される場合、電子デバイス全体によって占有される体積を減らすことができ、電子デバイスの外形を平坦にすることもできる。
【0020】
いくつかの特定の実施態様では、接続リングも遮蔽機能を有するため、コネクタから遮蔽構造が省略され得る。例えば、本出願で提供される一実施形態では、コネクタは絶縁体と接続片とを含む。絶縁体は、接続リングに接続するように構成される。接続片は、絶縁体内に配置され、電気素子に光電接続される。
【0021】
したがって、コネクタの構造を簡素化することができ、それによってコネクタの製造コストが削減され、遮蔽の連続性および安定性が確保される。
【0022】
加えて、コネクタとハウジングとの間の気密性を向上させ、水分やほこりなどの不純物がコネクタまたはハウジングに侵入するのを防止するために、本出願で提供される一実施形態では、電子デバイスは封止要素をさらに含む。
【0023】
封止要素は、コネクタの絶縁体と接続リングとの間に配置され得るか、またはコネクタの絶縁体とハウジングの本体との間に配置され得る。
【0024】
例えば、本出願で提供される一実施形態では、封止要素は、コネクタの絶縁体と接続リングの内壁との間に配置され得る。
【0025】
本出願で提供される別の実施形態では、封止要素は、コネクタの絶縁体と本体との間に配置され得る。コネクタの絶縁体と本体との間の封止を容易にするために、接続リングの内側断面輪郭が貫通孔の断面輪郭よりも大きく、コネクタの絶縁体と本体との間の封止を容易にする。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本出願の一実施形態による第1の画角からのハウジングの概略構造図である。
【
図2】本出願の一実施形態による第2の画角からのハウジングの概略構造図である。
【
図3】本出願の一実施形態によるコネクタの概略構造図である。
【
図4】本出願の一実施形態による、第1の画角からの別のコネクタの概略構造図である。
【
図5】本出願の一実施形態による、第2の画角からの別のコネクタの概略構造図である。
【
図6】本出願の一実施形態による、コネクタが設置されたハウジングの概略構造図である。
【
図7】本出願の一実施形態による別のハウジングの概略構造図である。
【
図8】本出願の一実施形態による別のハウジングの分解図である。
【
図9】本出願の一実施形態による電子デバイスの概略構造図である。
【
図10】本出願の一実施形態による電子デバイスの分解図である。
【
図11】本出願の一実施形態による電子デバイスの上面図である。
【
図12】本出願の一実施形態による別の電子デバイスの上面図である。
【
図13】本出願の一実施形態によるさらに別の電子デバイスの分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本出願の目的、技術的解決策および利点をより明確にするために、以下で添付の図面を参照して本出願を詳細にさらに説明する。
【0028】
以下の実施形態で使用される用語は、特定の実施形態を説明するためのものにすぎず、本出願を限定するためのものではない。本出願の明細書および特許請求の範囲で使用される単数形の「one(1つ)」、「a」および「this(これ)」という用語は、文脈において明確に特に指定されない限り、「1つまたは複数(one or more)」などの表現も含むことが意図されている。本出願の以下の実施形態において、「少なくとも1つ」または「1つまたは複数」は、1つ、2つ、または3つ以上を意味することをさらに理解されたい。「および/または」という用語は、関連付けられる対象を記述するための関連付け関係を記述するために使用され、3つの関係が存在し得ることを表す。例えば、Aおよび/またはBは、Aのみが存在する、AとBの両方が存在する、Bのみが存在する、の3つの場合を意味し得る。A、Bは、単数形であっても複数形であってもよい。文字「/」は、一般に、関連付けられる対象間の「または」の関係を示す。
【0029】
本明細書において「一実施形態」または「いくつかの実施形態」などへの言及は、本出願の1つまたは複数の実施形態が、その実施形態を参照して説明される特定の特徴、構造、または特性を含むことを意味する。したがって、本明細書において差異と共に現れる、「一実施形態では」、「いくつかの実施形態では」、または「いくつかの他の実施形態では」などの記述は、別の方法で特に強調されない限り、必ずしも同じ実施形態を指すこと意味せず、「すべてではないが1つまたは複数の実施形態」を意味する。「include(含む)」、「comprise(含む)」、「have(有する)」という用語、およびそれらの変形はすべて、別の方法で特に強調されない限り、「含むが限定されない」を意味する。
【0030】
本出願の実施形態で提供されるハウジングの理解を容易にするために、以下ではまず、ハウジングの適用シナリオについて説明する。本出願の実施形態におけるハウジングは、電子デバイス内の電気素子に設置場所または収容空間を提供して電気素子を保護するために、電子デバイスにおいて使用される。電子デバイスは、具体的には、配電ユニット(power distribution unit、PDU)、オンボードコントローラ(on-board controller、OBC)、光ファイバ分配ボックス(optical fiber distribution box、ODB)などであり得る。電子デバイス間または電子デバイスと電気素子との間で光電伝送が行われる必要があるため、接続の利便性および安定性を向上させるために、コネクタが広く使用されている。様々なタイプのコネクタがあるが、それらの機能は非常に単純であり、すなわち、回路内の遮断または絶縁された回路間に通信ブリッジを構築して、電流が流れ、回路が意図された機能を果たすようにすることである。当然ながら、コネクタは単に電流を接続するだけではない。例えば、光ファイバシステムでは、コネクタは、光信号を接続する機能も果たすことができる。
【0031】
実際の使用プロセスでは、電子デバイスと別の電子デバイスとの間の接続を容易にするために、コネクタは、通常、電子デバイスのハウジング上に設置される。本出願の実施形態で提供されるハウジングでは、接続リングは、コネクタの設置を実施するのみならず、実際の要件に応じて対応する機能(例えば、遮蔽機能)を提供することもできる。したがって、本出願におけるハウジングは、単純な構造や広い適用範囲などの利点を有する。加えて、コネクタとハウジングとを組み立てるための技術的プロセスを簡素化することもでき、コネクタの構造さえも簡素化することができる。これにより、製造コストが削減され、組み立て効率が向上し、自動組み立てが容易になる。
【0032】
当然ながら、ハウジングは複数の接続リングを有してもよく、接続リングの断面輪郭は、円、長方形、または三角形などの多角形構造であり得る。加えて、接続リングと本体とは、一体構造または分割構造であり得る。具体的には、接続リングと本体とが一体構造である場合、鋳造プロセスなどが製造に使用され得る。接続リングと本体とが分割構造である場合、接続リングと本体とはまず、別々に製造および成形され得、次いで、接続リングと本体とは、溶接や接着などの接続方法を使用して接続される。
【0033】
具体的には、
図1に示されるように、本出願で提供される一実施形態では、接続リング12の断面輪郭は丸みを帯びた長方形形状であり、ハウジング1は一体構造であり、すなわち、本体11と接続リング12とは一体構造である。
【0034】
接続リング12とコネクタとの間の接続を容易にするために、
図2に示されるように、本出願で提供される一実施形態では、接続リング12は第1の接続部121を有する。
【0035】
特定の実施態様では、接続リング12とコネクタとの間で締め付けやねじ式接続などの接続方法が使用され得る。
【0036】
例えば、本出願で提供される一実施形態では、接続リング12とコネクタとの間で締め付けの接続方法が使用される。具体的には、
図2に示されるように、第1の接続部121は、接続リング12の内側に配置されたクランプロックであり、クランプロックは長方形スロットである。当然ながら、第1の接続部121と締め付けるためのクランプロック構造もコネクタ内に配置されている。例えば、クランプロック構造は、長方形スロットで締め付けられた突起であってもよい。
【0037】
実際の適用では、コネクタは、通常、対で使用される。具体的には、接続リング上に設置されたコネクタは、別のコネクタに接続される必要がある。
【0038】
図3から
図5に示されるように、理解を容易にするために、互いに接続された2つのコネクタは、第1のコネクタ2および第2のコネクタ3として説明される。
【0039】
第1のコネクタ2は、クランプロック構造21を使用してハウジング1の接続リング12上に設置され、ハウジング内に設置された電気素子に光電接続される。第2のコネクタ3は、別の電子デバイスに接続されたコネクタである。第1のコネクタ2と第2のコネクタ3との間では光電接続のみが実施され得るか、または第1のコネクタ2と第2のコネクタ3との間には、光電接続に加えて機械的接続も実施され得る。
【0040】
具体的には、第1のコネクタ2と第2のコネクタ3との間に光電接続のみが実施される場合、外力下で第1のコネクタ2が第2のコネクタ3から外れるのを防止するために、
図1に示されるように、本出願で提供される実施形態では、接続リング12は、第2のコネクタ2に接続するように構成された第2の接続部122をさらに有する。具体的には、接続リング12は、第1のコネクタ2に対してのみならず、第2のコネクタ3にも接続され得る。
【0041】
特定の実施態様では、第2の接続部122はクランプロック構造であり得る。当然ながら、第2のコネクタ3には第2の接続部との締め付けに使用されるクランプロック構造31も配置されている。
図1に示されるように、本出願で提供されるクランプロック構造122は直角三角形の突起であり、直角面は本体11に向けて配置されており、傾斜面は本体11とは反対に向けて配置されている。
図5を参照すると、第2のコネクタ内のクランプロック構造31は、長方形スロットである。第2のコネクタ3が接続リング12に接続される場合、クランプロック構造122は、締め付けを実施するためにクランプロック構造31の長方形スロットに挿入される。
【0042】
別の実施態様では、外力下で第1のコネクタが第2のコネクタから外れるのを防止するために、光電接続に加えて第1のコネクタと第2のコネクタとの間で機械的接続をさらに実施することができる。
【0043】
特定の実施態様では、第1のコネクタと第2のコネクタとの間の機械的接続は、複数の方法で実施され得る。例えば、第1のコネクタと第2のコネクタとは、締め付けやねじ式接続などの方法で接続され得る。具体的には、第1のコネクタと第2のコネクタとが締め付けによって接続される場合には、第1のコネクタと第2のコネクタとに互いに締め付けられることになる締め付け部分が配置されるべきである。これに対応して、第1のコネクタと第2のコネクタとがねじ式接続の形態で接続される場合には、第1のコネクタと第2のコネクタとにねじ構造が配置されるべきである。
【0044】
加えて、いくつかの実際の使用環境では、コネクタと電子デバイスとの間の電磁干渉を防止するために、遮蔽構造が配置される必要がある。
【0045】
図1および
図6に示されるように、本出願で提供される一実施形態では、接続リング12は金属材料で作られている。第1のコネクタ2が接続リング12に固定的に設置された後、接続リング12は、ハウジング1内に位置する電気素子と第1のコネクタ2との間の電磁干渉を防止するために、またはハウジング1の外側の別の電子デバイスと第1のコネクタ2との間の電磁干渉を防止するために、第1のコネクタ2に遮蔽機能を提供し得る。
【0046】
特定の実施態様では、接続リング12と本体11の両方の材料が、金属材料であり得るか、または、本体11にはプラスチックなどの非金属材料が使用され、接続リング12には金属材料が使用される。
【0047】
接続リング12と本体11とが同じ金属材料で作られる場合、ハウジング1は、鋳造プロセスを使用して製造され得るか、または、接続リング12と本体11とが別々に製造され、次いで接続リング12と本体11とが、溶接または接着などのプロセスを使用して接続される。
【0048】
本体11がプラスチック材料で作られ、接続リング12が金属材料で作られる場合、接続リング12がまず成形され得、次いで本体11がインモールド射出成形プロセスを使用して成形される。加えて、本体11と接続リング12とは組み合わされる。当然ながら、接続リング12と本体11とは、代替として、接着やねじ式接続などの方法で接続されてもよい。
【0049】
加えて、
図7および
図8に示されるように、本出願で提供される別の実施形態では、接続リング12は、本体125
とシールド層123とを含む。シールド層123は、金属材料で作られており、本体125は、プラスチックなどの非金属材料で作られていてもよい。このように構成することで、接続リング12に、遮蔽機能および広い材料選択の幅を持たせることが可能になり、ハウジング1全体の製造プロセスおよび材料選択もより柔軟にすることができる。
【0050】
特定の実施態様では、ハウジング1の本体11と接続リング12の本体125とが同じプラスチック材料で作られ得るので、ハウジング1の本体11と接続リング12の本体125とは、射出成形プロセスを使用して射出成形され得る。次いで、成形されたシールド層123は接続リング12の本体125に固定され得る。
【0051】
シールド層123は、具体的には、金属リングであり得、シールド層123は、具体的には、複数の方法で接続リング12の本体125に固定され得る。
【0052】
例えば、接着、締め付け、またはねじ式接続が使用され得る。
【0053】
当然ながら、シールド層123は、代替として、本体125上に成形された金属フィルムであってもよい。例えば、シールド層123を形成するために、蒸着や吹き付け塗装などのプロセスを使用して接続リングの本体上に金属材料が直接成形され得る。
【0054】
加えて、接続リング12の構造強度を高めるために、
図1および
図7に示されるように、本出願で提供される実施形態では、少なくとも1つの補強リブ124が接続リング12の外壁に配置される。
【0055】
具体的には、補強リブ124は、接続リングの長さ方向に沿って延在する細長片構造であり、接続リングの外周面に分散されている。
【0056】
加えて、接続リング12と本体11との接合部が応力集中領域であることを考慮して、接続リング12と本体11との間の接続強度を高めるために、別の実施形態では、補強リブ124は、代替として、接続リング12と本体11との接合部まで延在していてもよい。
【0057】
別の態様では、
図9から
図11に示されるように、本出願の一実施形態は、前述の実施形態のいずれか1つにおけるハウジング1と、本体11に設置された電気素子4とを含み、コネクタ2をさらに含む電子デバイスをさらに提供する。コネクタ2は、接続リング12に接続され、電気素子4に光電接続される。
【0058】
電子デバイスは、具体的には、配電ユニット(power distribution unit、PDU)、オンボードコントローラ(on-board controller、OBC)、光ファイバ分配ボックス(optical fiber distribution box、ODB)などであり得る。電気素子は、具体的には、光ケーブル、プリント回路基板(print circuit board)などであり得る。
【0059】
特定の実施態様では、接続リング12は、ハウジング1の内側に配置され得るか、またはハウジング1の外側に配置され得る。
図11に示されるように、接続リングがハウジング1の外側に配置される場合、接続リングはハウジング1の内部空間を占有しない。
図12に示されるように、接続リング12がハウジングの内側に配置される場合、電子デバイス全体によって占有される体積を減らすことができ、電子デバイスの外形を平坦にすることもできる。したがって、電子デバイスによって占有される空間を減らすことができ、それによって物流輸送が容易になる。
【0060】
いくつかの特定の実施態様では、接続リング12も遮蔽機能を有するため、コネクタ2から遮蔽構造が省略され得る。例えば、
図10に示されるように、本出願で提供される一実施形態では、コネクタ2は、絶縁体22と接続片23とを含む。絶縁体22は、接続リング12に接続するように構成される。接続片23は、絶縁体22内に配置され、電気素子4に光電接続される。
【0061】
したがって、コネクタ2の構造を簡素化することができ、それによってコネクタ2の製造コストが削減され、遮蔽の連続性および安定性が確保される。
【0062】
加えて、コネクタ2とハウジング1との間の気密性を向上させ、水分やほこりなどの不純物がコネクタ2またはハウジング1に侵入するのを防止するために、
図13に示されるように、本出願で提供される一実施形態では、電子デバイスは封止要素5をさらに含む。
【0063】
封止要素5は、コネクタ2の絶縁体22と接続リング12との間に配置され得るか、またはコネクタ2の絶縁体22とハウジング1の本体11との間に配置され得る。
【0064】
例えば、本出願で提供される一実施形態では、封止要素5は、コネクタ2の絶縁体22と接続リング12の内壁との間に配置され得る。特定の実施態様では、環状封止要素5は、絶縁体22の外周面上にスリーブ付けされ得る。コネクタ2が接続リング12内に設置された後、封止要素5の外周面は、ハウジング1とコネクタ2との間の封止を実施するために、接続リング12の内壁に密接に取り付けられる。
【0065】
当然ながら、他の実施形態では、封止要素5は、代替として、ハウジング1の本体11に気密な方法で取り付けられてもよい。
【0066】
例えば、封止要素5は、貫通孔111の内壁に気密な方法で取り付けられ得るか、または封止要素5は、本体11の外壁に気密な方法で取り付けられ得る。コネクタ2の絶縁体22と本体11の外壁との間の封止を容易にするために、接続リング12の内側断面輪郭は貫通孔111の断面輪郭よりも大きく、これにより封止要素5を取り付けるために接続リング12の内壁と貫通孔111との間に十分な接触領域を確保することができ、コネクタ2の絶縁体22と本体11との間の封止が容易になる。
【0067】
特定の実施態様では、封止要素5の具体的な材料は、ニトリルゴム、シリコーンゴム、フルオロシリコーンゴムなどであり得る。
【0068】
以上の説明は、本出願の特定の実施態様にすぎず、本出願の保護範囲を限定することを意図されていない。本出願で開示されている技術的範囲内で当業者によって容易に想起される変形や置換は、本出願の保護範囲内にあるものとする。したがって、本出願の保護範囲は、特許請求の範囲の保護範囲に従うものとする。
【符号の説明】
【0069】
1 ハウジング
2 第1のコネクタ
3 第2のコネクタ
4 電気素子
5 封止要素
11 本体
12 接続リング
21 クランプロック構造
22 絶縁体
23 接続片
31 クランプロック構造
111 貫通孔
121 第1の接続部
122 第2の接続部
123 シールド層
124 補強リブ
125 本体