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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-27
(45)【発行日】2023-03-07
(54)【発明の名称】感知システムを有する薬剤送達装置
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/315 20060101AFI20230228BHJP
   A61M 5/20 20060101ALI20230228BHJP
【FI】
A61M5/315 550J
A61M5/20 510
【請求項の数】 25
(21)【出願番号】P 2021548685
(86)(22)【出願日】2020-02-20
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-04
(86)【国際出願番号】 US2020018957
(87)【国際公開番号】W WO2020176317
(87)【国際公開日】2020-09-03
【審査請求日】2021-08-19
(31)【優先権主張番号】62/811,194
(32)【優先日】2019-02-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】594197872
【氏名又は名称】イーライ リリー アンド カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100095360
【弁理士】
【氏名又は名称】片山 英二
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100187964
【弁理士】
【氏名又は名称】新井 剛
(72)【発明者】
【氏名】コノートン,オーエン パトリック
(72)【発明者】
【氏名】ラウレンツィ,ブレンダン フランシス
(72)【発明者】
【氏名】ローラー,ヴィンセント パトリック トーマス
(72)【発明者】
【氏名】マーフィー,パトリック ケヴィン
(72)【発明者】
【氏名】プシェニー,ショーン マシュー
(72)【発明者】
【氏名】リゲル,オリバー ブライアン
【審査官】鈴木 洋昭
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/036576(WO,A1)
【文献】特表2004-526486(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0022328(US,A1)
【文献】特表2019-500968(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 5/315
A61M 5/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬剤送達装置であって、
ハウジングと、
出口と、
薬剤が前記出口から分注される用量分注モードを作動させるために前記ハウジングに対して軸方向に並進可能である用量ボタンであって、支持体と、前記支持体に結合されたキャップと、を備える、用量ボタンと、
前記支持体と前記キャップとの間に画定された区画と、
前記用量分注モード中に前記ハウジングに対して回転する管状本体と、
電子機器アセンブリであって、前記管状本体の回転を感知するように構成されたセンサと、前記センサから信号を受信するように構成されたントローラとを含み、前記電子アセンブリの少なくとも一部分が、前記区画内に位置決めされており、前記支持体が、開口部を含み、前記センサの少なくとも一部が前記開口部を通って軸方向に延在している、前記電子機器アセンブリと
を備える前記薬剤送達装置。
【請求項2】
前記管状本体が、前記用量分注モード中に前記用量ボタンに対して回転し、前記センサが、前記用量ボタンに対する前記管状本体の回転を感知するように構成されている、請求項1に記載の薬剤送達装置。
【請求項3】
前記用量ボタンが、用量設定モード中に前記ハウジングに対して回転可能であり、かつ前記用量設定モード中に前記管状本体と共に回転する、請求項1に記載の薬剤送達装置。
【請求項4】
前記支持体が、前記支持体の近位面に位置する第1の開口部および第2の開口部を含み、前記開口部の各々が、前記センサの少なくとも一部分を受容するように構成され、前記センサの前記一部分が、前記開口部の1つだけを通って軸方向に延在している、請求項1に記載の薬剤送達装置。
【請求項5】
前記支持体が、半径方向外向きに延在している複数の突出部を含み、前記突出部が、前記キャップと係合して、前記キャップを前記支持体に結合する、請求項1に記載の薬剤送達装置。
【請求項6】
用量設定モード中に前記ハウジングに対して回転する回転可能なねじをさらに備え、
前記用量設定モード中の前記ねじの回転の程度が、前記用量分注モード中に前記出口から分注される薬剤の量を判定し、前記管状本体が、前記回転可能なねじに回転可能に固定されている、請求項1に記載の薬剤送達装置。
【請求項7】
前記用量ボタンが、前記用量設定モード中に前記回転可能なねじおよび前記管状本体と共に回転し、前記回転可能なねじおよび前記管状本体が、前記用量分注モード中に前記用量ボタンに対して回転する、請求項に記載の薬剤送達装置。
【請求項8】
前記センサが、スイッチを備える、請求項1に記載の薬剤送達装置。
【請求項9】
前記管状本体が、複数の突出部およびくぼみを備え、前記スイッチが、前記用量分注モード中の前記用量ボタンに対する前記管状本体の回転中に前記突出部に対して摺動する、請求項に記載の薬剤送達装置。
【請求項10】
前記複数の突出部が、円形の配設で互いに等間隔に離間配置されている、請求項に記載の薬剤送達装置。
【請求項11】
前記センサが、ホール効果センサを備える、請求項1~のいずれか一項に記載の薬剤送達装置。
【請求項12】
前記センサが、加速度計を備える、請求項1~のいずれか一項に記載の薬剤送達装置。
【請求項13】
クラッチをさらに備え、
前記用量設定モード中に前記用量ボタンおよび前記管状本体が共に回転するように、前記クラッチおよび前記管状本体が、前記用量設定モード中に前記用量ボタンを前記管状本体に結合する相補的なスプラインを有し、
前記クラッチの前記スプラインが、前記用量分注モード中に前記管状本体の前記スプラインから分離し、前記管状本体から前記用量ボタンを結合解除して、前記管状本体が前記用量ボタンに対して回転することを可能にする、請求項1~12のいずれか一項に記載の薬剤送達装置。
【請求項14】
前記クラッチの少なくとも一部分が、前記管状本体を通過する、請求項13に記載の薬剤送達装置。
【請求項15】
前記支持体および前記キャップが、前記支持体および前記キャップに共に嵌合する相補的な嵌合特徴を有する、請求項1~14のいずれか一項に記載の薬剤送達装置。
【請求項16】
前記ハウジングが、薬剤を含むリザーバをさらに備える、請求項1~15のいずれか一項に記載の薬剤送達装置。
【請求項17】
薬剤送達装置を組み立てる方法であって、
ハウジングを提供するステップと、
出口を提供するステップと、
管状本体を前記ハウジングに結合するステップであって、前記管状本体が、薬剤が前記出口から分注される用量分注モード中に前記ハウジングに対して回転するように構成されている、ステップと、
キャップと支持体との間で電子機器アセンブリを少なくとも部分的に取り囲み、前記キャップを前記支持体に取り付けることによって、前記キャップおよび前記支持体を有する用量ボタンを形成するステップであって、前記電子機器アセンブリが、前記管状本体の回転を感知するように構成されたセンサを有し、前記支持体が、開口部を備え、前記センサの少なくとも一部が前記開口部を通って軸方向に延在している、ステップと、
前記用量ボタンを、前記ハウジングに対して軸方向に並進可能であるように構成するステップであって、前記用量ボタンを前記ハウジングに対して軸方向に並進させることが、前記用量分注モードを作動させる、ステップと
を含む前記方法。
【請求項18】
前記支持体が、第1の開口部および第2の開口部を画定し、各開口部が、前記センサの少なくとも一部分を受容するように構成され、
前記方法が、前記支持体の前記開口部の1つだけを通して前記センサの前記一部分を少なくとも部分的に挿入して、前記センサが、前記管状本体と相互作用することを可能にするステップをさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記管状本体を回転可能なねじに結合して、前記管状本体を前記回転可能なねじに回転可能に固定するステップと、前記用量設定モード中に前記回転可能なねじが前記ハウジングに対して回転可能であるように構成するステップと
をさらに含み、
前記用量設定モード中の前記ねじの回転の程度が、前記用量分注モード中に前記出口から分注される薬剤の量を判定する、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記用量分注モード中に前記管状本体を前記用量ボタンに対して回転するように構成するステップと、前記センサを、前記用量ボタンに対する前記管状本体の回転を感知するように構成するステップとをさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項21】
前記用量ボタンを、用量設定モード中に前記ハウジングに対して回転可能であるように、および前記用量設定モード中に前記管状本体と共に回転可能であるように構成するステップをさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項22】
前記用量ボタンを、前記用量設定モード中に前記回転可能なねじおよび前記管状本体と共に回転可能であるように構成するステップと、前記回転可能なねじおよび前記管状本体を、前記用量分注モード中に前記用量ボタンに対して回転可能であるように構成するステップとをさらに含む、請求項19に記載の方法。
【請求項23】
前記センサのためのスイッチを提供するステップをさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項24】
複数の突出部およびくぼみを有する前記管状本体を提供するステップをさらに含み、
前記スイッチが、前記用量分注モード中の前記用量ボタンに対する前記管状本体の回転中に前記突出部に対して摺動する、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
クラッチを、前記管状本体を通して少なくとも部分的に挿入するステップをさらに含み、
用量設定モード中に前記用量ボタンおよび前記管状本体が共に回転するように、前記クラッチおよび前記管状本体は、前記用量設定モード中に前記用量ボタンを前記管状本体に結合する相補的なスプラインを有し、前記クラッチの前記スプラインは、用量分注モード中に前記管状本体の前記スプラインから分離し、前記管状本体から前記用量ボタンを結合解除して、前記管状本体が前記用量ボタンに対して回転することを可能にする、請求項1723のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
様々な疾患に罹患している患者は、自分自身に薬物を注射しなければならないことが頻繁にある。人が薬物を便利にかつ正確に自己投与することを可能にするために、ペン型注射器または注射ペンとして広く知られている様々な装置が開発されている。一般に、これらのペンは、ピストンを含み、かつ複数用量の液体薬物を含有するカートリッジが装備されている。駆動部材は、遠位に移動可能であり、カートリッジ内のピストンを前進させて、含有された薬物を遠位カートリッジ端の出口から、典型的には針を介して、分注する。
【0002】
使い捨てまたは事前充填されたペンでは、ペンがカートリッジ内の薬物の供給量を使い果たすように利用された後、ユーザは、ペン全体を廃棄し、新しい代わりのペンを使用し始める。再使用可能なペンでは、ペンがカートリッジ内の薬物の供給量を使い果たすように利用された後、ペンは、分解されて、使用済みのカートリッジを新しいカートリッジに交換することが可能になり、次に、ペンは、その後の使用のために再組み立てされる。
【0003】
多くのペン型注射器および他の薬物送達装置は、装置の動作によって送達される用量に比例した様態で、部材が互いに対して回転および/または平行移動する機械的システムを利用する。送達された用量を評価するために、薬剤送達装置の部材の相対的動きを測定するシステムが開発された。但し、大量生産と、製品のライフサイクルを通して再現性のある精度とを実現するために装置またはモジュールに統合されるシステムは、設計が困難である。適切な量の薬物の投与は、薬物送達装置によって送達される用量が正確であることを必要とする。多くのペン型注射器および他の薬物送達装置は、注射事象中に装置によって送達される薬物の量を自動的に検出して記録するための機能を含まない。自動化システムがない場合、患者は各注射の量および時間を手動で追跡しなければならない。
【0004】
発明者らは、注射事象中に薬剤送達装置によって送達された用量を自動的に検出するように、ならびに/または従来技術のこれらのおよび他の欠点のうちの1つ以上を克服するように動作可能である装置の必要を認識した。
【発明の概要】
【0005】
本開示は、薬剤送達装置の近位部分に位置決めされた薬剤送達装置のための電子用量検出システムに関する。用量送達検出システムは、薬剤送達装置によって送達された薬剤の用量を判定するためのデータを検出するように動作可能である。
【0006】
一実施形態では、ハウジングと、出口と、薬剤が出口から分注される用量分注モードを作動させるためにハウジングに対して軸方向に並進可能である用量ボタンと、を含む、薬剤送達装置が提供される。用量ボタンは、支持体と、支持体に結合されたキャップと、を含む。薬剤送達装置はまた、支持体とキャップとの間に画定された区画と、用量分注モード中にハウジングに対して回転する管状本体と、電子機器アセンブリと、を含む。電子機器アセンブリは、管状本体の回転を検出するように構成されたセンサと、センサから信号を受信するように構成されたコントローラと、を含む。電子アセンブリの少なくとも一部分は、区画内に位置決めされている。
【0007】
一実施形態では、薬剤送達装置を組み立てる方法は、ハウジングを提供することと、出口を提供することと、管状本体をハウジングに結合することと、を含む。管状本体は、薬剤が出口から分注される用量分注モード中に、ハウジングに対して回転するように構成される。本方法はまた、キャップと支持体との間で電子機器アセンブリを少なくとも部分的に取り囲み、キャップを支持体に取り付けることによって、キャップおよび支持体を有する用量ボタンを形成することも含む。電子機器アセンブリは、管状本体の回転を感知するように構成されたセンサを有する。本方法はまた、ハウジングに対して軸方向に並進可能な用量ボタンを構成することも含む。用量ボタンをハウジングに対して軸方向に並進させることは、用量分注モードを作動させる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本開示のさらなる実施形態、ならびにその特徴および利点は、添付の図面と併せて本明細書の説明を参照することによってより明らかになるであろう。図中の構成要素は必ずしも縮尺通りではない。さらに、図面において、同様の参照番号は、異なる図を通して対応する部分を示す。
図1】本開示の態様による、用量検出システムを有する薬剤送達装置の斜視図である。
図2】支持体およびカバーを有する用量ボタンを示し、カバーがサポートから分離されて示されている、図1の薬剤送達装置の部分分解斜視図である。
図3】用量検出システムの構成要素を示す、図1の薬剤送達装置の部分分解側面図である。
図4図1の薬剤送達装置の断面図である。
図5】用量検出システムの構成要素を示す、図1の薬剤送達装置の近位端の部分破断図である。
図6】用量ボタンカバー内に保持されたプリント回路基板を示す、図1の用量ボタンの一部分の下面図である。
図7図6に示す用量ボタンカバーの一部分の分解図である。
図8】薬剤送達装置の用量検出システムのフランジの斜視図である。
図9図8のフランジの上面図である。
図10】用量ボタン支持体の斜視図である。
図11図10の用量ボタン支持体の上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示は、以下の[1]から[26]を含む。
[1]薬剤送達装置であって、
ハウジングと、
出口と、
薬剤が上記出口から分注される用量分注モードを作動させるために上記ハウジングに対して軸方向に並進可能である用量ボタンであって、支持体と上記支持体に結合されたキャップとを備える上記用量ボタンと、
上記支持体と上記キャップとの間に画定された区画と、
上記用量分注モード中に上記ハウジングに対して回転する管状本体と、
電子機器アセンブリであって、上記管状本体の軸方向回転を感知するように構成されたセンサと、上記センサから信号を受信するように構成されたコントローラとを含み、上記電子アセンブリの少なくとも一部分が、上記区画内に位置決めされている、上記電子機器アセンブリと
を備える上記薬剤送達装置。
[2]上記管状本体が、上記用量分注モード中に上記用量ボタンに対して回転し、上記センサが、上記用量ボタンに対する上記管状本体の回転を感知するように構成されている、上記[1]に記載の薬剤送達装置。
[3]上記用量ボタンが、用量設定モード中に上記ハウジングに対して回転可能であり、かつ上記用量設定モード中に上記管状本体と共に回転する、上記[1]に記載の薬剤送達装置。
[4]上記支持体が開口部を含み、上記センサの少なくとも一部分が上記開口部を通って軸方向に延在している、上記[1]に記載の薬剤送達装置。
[5]上記支持体が、上記支持体の近位面に位置する第1の開口部および第2の開口部を含み、上記開口部の各々が、上記センサの少なくとも一部分を受容するように構成され、上記センサの上記一部分が、上記開口部の1つだけを通って軸方向に延在している、上記[1]に記載の薬剤送達装置。
[6]上記支持体が、半径方向外向きに延在している複数の突出部を含み、上記突出部が、上記キャップと係合して、上記キャップを上記支持体に結合する、上記[1]に記載の薬剤送達装置。
[7]用量設定モード中に上記ハウジングに対して回転する回転可能なねじをさらに備え、
上記用量設定モード中の上記ねじの回転の程度が、上記用量分注モード中に上記出口から分注される薬剤の量を判定し、上記管状本体が、上記回転可能なねじに回転可能に固定されている、上記[1]に記載の薬剤送達装置。
[8]上記用量ボタンが、上記用量設定モード中に上記回転可能なねじおよび上記管状本体と共に回転し、上記回転可能なねじおよび上記管状本体が、上記用量分注モード中に上記用量ボタンに対して回転する、上記[7]に記載の薬剤送達装置。
[9]上記センサが、スイッチを備える、上記[1]に記載の薬剤送達装置。
[10]上記管状本体が、複数の突出部およびくぼみを備え、上記スイッチが、上記用量分注モード中の上記用量ボタンに対する上記管状本体の回転中に上記突出部に対して摺動する、上記[9]に記載の薬剤送達装置。
[11]上記複数の突出部が、円形の配設で互いに等間隔に離間配置されている、上記[10]に記載の薬剤送達装置。
[12]上記センサが、ホール効果センサを備える、上記[8]に記載の薬剤送達装置。
[13]上記センサが、加速度計を備える、上記[8]に記載の薬剤送達装置。
[14]クラッチをさらに備え、
上記用量設定モード中に上記用量ボタンおよび上記管状本体が共に回転するように、上記クラッチおよび上記管状本体は、上記用量設定モード中に上記用量ボタンを上記管状本体に結合する相補的なスプラインを有し、
上記クラッチの上記スプラインは、上記用量分注モード中に上記管状本体の上記スプラインから分離し、上記管状本体から上記用量ボタンを結合解除して、上記管状本体が上記用量ボタンに対して回転することを可能にする、上記[8]に記載の薬剤送達装置。
[15]上記クラッチの少なくとも一部分が、上記管状本体を通過する、上記[14]に記載の薬剤送達装置。
[16]上記支持体および上記キャップが、上記支持体および上記キャップに共に嵌合する相補的な嵌合特徴を有する、上記[1]に記載の薬剤送達装置。
[17]上記ハウジングが、薬剤を含むリザーバをさらに備える、上記[1]に記載の薬剤送達装置。
[18]薬剤送達装置を組み立てる方法であって、
ハウジングを提供するステップと、
出口を提供するステップと、
管状本体を上記ハウジングに結合するステップであって、上記管状本体が、薬剤が上記出口から分注される用量分注モード中に上記ハウジングに対して回転するように構成されている、ステップと、
キャップと支持体との間で電子機器アセンブリを少なくとも部分的に取り囲み、上記キャップを上記支持体に取り付けることによって、上記キャップおよび上記支持体を有する用量ボタンを形成するステップであって、上記電子機器アセンブリが、上記管状本体の軸方向回転を感知するように構成されたセンサを有する、ステップと、
上記用量ボタンを、上記ハウジングに対して軸方向に並進可能であるように構成するステップであって、上記用量ボタンを上記ハウジングに対して軸方向に並進させることが、上記用量分注モードを作動させる、ステップと
を含む上記方法。
[19]上記支持体が、第1の開口部および第2の開口部を画定し、各々が、上記センサの少なくとも一部分を受容するように構成され、上記方法が、上記支持体の上記開口部の1つだけを通して上記センサの上記一部分を少なくとも部分的に挿入して、上記センサが、上記管状本体と相互作用することを可能にすることをさらに含む、上記[18]に記載の方法。
[20]上記管状本体を回転可能なねじに結合して、上記管状本体を上記回転可能なねじに回転可能に固定するステップと、上記用量設定モード中に上記回転可能なねじが上記ハウジングに対して回転可能であるように構成するステップと
をさらに含み、
上記用量設定モード中の上記ねじの回転の程度が、上記用量分注モード中に上記出口から分注される薬剤の量を判定する、上記[18]に記載の方法。
[21]上記用量分注モード中に上記管状本体を上記用量ボタンに対して回転するように構成するステップと、上記センサを、上記用量ボタンに対する上記管状本体の回転を感知するように構成するステップとをさらに含む、上記[18]に記載の方法。
[22]上記用量ボタンを、用量設定モード中に上記ハウジングに対して回転可能であるように、および上記用量設定モード中に上記管状本体と共に回転可能であるように構成するステップをさらに含む、上記[18]に記載の方法。
[23]上記用量ボタンを、上記用量設定モード中に上記回転可能なねじおよび上記管状本体と共に回転可能であるように構成するステップと、上記回転可能なねじおよび上記管状本体を、上記用量分注モード中に上記用量ボタンに対して回転可能であるように構成するステップとをさらに含む、上記[19]に記載の方法。
[24]上記センサのためのスイッチを提供するステップをさらに含む、上記[18]に記載の方法。
[25]複数の突出部およびくぼみを有する上記管状本体を提供するステップをさらに含み、
上記スイッチが、上記用量分注モード中の上記用量ボタンに対する上記管状本体の回転中に上記突出部に対して摺動する、上記[24]に記載の方法。
[26]クラッチを、上記管状本体を通して少なくとも部分的に挿入することをさらに含み、用量設定モード中に上記用量ボタンおよび上記管状本体が共に回転するように、上記クラッチおよび上記管状本体が、上記用量設定モード中に上記用量ボタンを上記管状本体に結合する相補的なスプラインを有し、上記クラッチの上記スプラインが、用量分注モード中に上記管状本体の上記スプラインから分離し、上記管状本体から上記用量ボタンを結合解除して、上記管状本体が上記用量ボタンに対して回転することを可能にする、上記[24]に記載の方法。
本開示の原理の理解を促進するために、次に、図面に例示された実施形態を参照し、特定の言語を使用して、これを説明する。しかしながら、これによって本発明の範囲を限定することを意図しないことが理解されるだろう。
【0010】
本開示は、薬物送達装置用の検知システムに関する。一態様では、感知システムは、薬剤送達装置によって送達される用量の量を判定するために、用量設定アセンブリと薬剤送達装置のアクチュエータアセンブリとの間の相対的な回転移動を感知するためのものである。検知された相対回転移動は、送達される用量と相関している。例として、薬物送達装置は、ペン型注射器の形態で記載されている。しかしながら、薬剤送達装置は、ペン型注射器、注入ポンプおよびシリンジなどの、ある薬剤のある用量を設定しかつ送達するために使用される任意の装置であり得る。薬物は、このような薬物送達装置によって送達され得る種類のうちのいずれかであり得る。
【0011】
本明細書に記載された装置は、例えばリザーバまたはカートリッジ20内などに、薬剤をさらに含み得る。別の実施形態では、システムは、装置10を含む1つ以上の装置および薬物を含み得る。「薬物」という用語は、限定されないが、インスリン、インスリンリスプロまたはインスリングラルギンなどのインスリンアナログ、インスリン誘導体、ダラグルチドまたはリラグルチドなどのGLP-1受容体アゴニスト、グルカゴン、グルカゴン類似体、グルカゴン誘導体、胃抑制ポリペプチド(GIP)、GIP類似体、GIP誘導体、オキシントモジュリン類似体、オキシントモジュリン誘導体、治療用抗体および上記の装置による送達が可能な任意の治療薬を含む、1つ以上の治療薬を指す。本装置において使用されるような薬物は、1つ以上の賦形剤と共に製剤化されてもよい。装置は、人に薬物を送達するために、患者、介護者、または医療専門家によって、概して上述のような様態で操作される。
【0012】
例示的な薬物送達装置10は、針を通して患者に薬物を注射するように構成されるペン型注射器として図1図4に示されている。装置10は、先端部分14および基端部分16を含む細長いペン形状ハウジング12を備え得る、本体11を含む。遠位部分14は、ペンキャップ18内で受容され得る。図4を参照すると、遠位部分14は、ハウジングの出口21の分注動作を通して分注される医薬流体を保持するように構成されたカートリッジ20を収容し得る。遠位部分14の出口21は、注射針24を備え得る。いくつかの実施形態では、注射針は、ハウジングから取り外し可能であるが、いくつかの実施形態は、カートリッジユニットに固定された針を含む。いくつかの実施形態では、注射針は、各使用後に新しい注射針と交換される。
【0013】
ピストン26は、リザーバ20内に位置決めされ得る。薬剤送達装置は、用量分注動作中にピストン26をリザーバ20の出口に向かって前進させて、針付き端部を通して、収容された薬物を押し出すように動作可能である、基端部分16内に位置決めされた注入機構を含み得る。注入機構は、リザーバ20を通しピストン26を前進させるようにハウジング12に対して軸方向に移動可能である、例示的にねじの形態の駆動部材28を含み得る。
【0014】
装置は、装置10によって分注される用量を設定するための、ハウジング12に結合された用量設定アセンブリを含み得る。図3および図4に最も良く見られるように、例示する実施形態では、用量設定アセンブリは、用量設定ねじ32と、フランジ38と、を含む。用量設定ねじ32は、用量設定および用量分注中に、長手方向回転軸AAを中心にハウジング12に対して螺旋移動する(すなわち、軸方向かつ回転方向に同時に移動する)ように動作可能なねじ要素の形態である。図3および図4は、そのホーム位置またはゼロ用量位置でハウジング12の中へ完全にねじ込まれた用量設定ねじ32を示す。用量設定部材32は、ハウジング12から近位方向に、1回の注射で装置10によって送達可能な最大用量に対応する完全に延長された位置に到達するまで、近位方向にねじを緩めるように動作可能である。延在した位置は、漸増的な延在した位置(0.5または1単位の用量設定など)に対応する位置から、1回の注射で装置10によって送達可能な最大用量に対応する完全に延在した位置までの間にあり、1回の注射で装置10によって送達可能な最小用量に対応するホーム位置またはゼロ位置に到達するまで、ハウジング12を遠位方向にねじ込むための、任意の位置であり得る。
【0015】
図3および図4を参照すると、用量設定ねじ32は、ハウジング12の対応するねじ付き内面13に係合して、用量設定ねじ32がハウジング12に対して螺旋移動する(すなわち、回転および並進する)ことを可能にする、螺旋状ねじ付き外面を含む。用量設定ねじ32は、装置10のスリーブ34(図4)のねじ付き外面に係合する、螺旋状ねじ付き内面をさらに含む。スリーブ34は、駆動部材28の雄ねじと係合した雌ねじを含み、よって、スリーブ34が軸方向移動するときに、駆動部材28を軸方向に駆動して、ピストン26を移動させる。用量設定ねじ32の外面は、設定用量をユーザに示すために投与量窓36を通して視認可能である数字などの、用量インジケータマーキングを含む。
【0016】
上述のように、いくつかの実施形態では、用量設定アセンブリは、用量設定ねじ32の開口近位端に結合され、用量設定ねじ32の開口部41内で受容される突出部40によって用量設定ねじ32に軸方向かつ回転方向に係止される、管状フランジ38をさらに含む。フランジ38の突出部40は、図3図8、および図9に見ることができ、用量設定ねじ32の開口部41は、図3に見ることができる。
【0017】
図3および図4に見られるように、送達装置10は、クラッチ52および用量ボタン30を有するアクチュエータアセンブリを含み得る。クラッチ52は、用量設定ねじ32内で受容され、クラッチ52は、その近位端で軸方向に延在しているステム54を含む。アクチュエータアセンブリの用量ボタン30は、用量設定ねじ32およびフランジ38の近位に位置決めされている。用量ボタン30は、支持体42と、キャップまたはカバー56と、を含む。考察されるように、支持体42およびカバー56は、薬剤送達装置によって送達される用量の量に関するデータを記憶および/または通信するために使用される電子構成要素を取り囲む。
【0018】
用量ボタンの支持体42は、用量ボタン30およびクラッチ52を共に軸方向にかつ回転可能に固定するために、締まり嵌めまたは超音波溶接などによって、クラッチ52のステム54に取り付けられ得る。
【0019】
いくつかの実施形態では、クラッチの一部分は、フランジ38のルーメン39を通過し得る。フランジのルーメン39は、図8および図9に最良に見られる。ルーメン39は、いくつかの実施形態では、クラッチ52を適所にセンタリングするのを補助する役割を果たし得る。
【0020】
用量ボタン30の近位面60は、アクチュエータアセンブリ(用量ボタン30およびクラッチ52)を遠位方向の押すために、手動で、すなわち、ユーザによって直接、力を印加することができる押圧表面としての役割を果たし得る。バイアス部材68、例示的にばねは、支持体42の先端面70と管状フランジ38の基端面72との間に配置されて(図8および図9)、作動アセンブリの支持体42および用量設定アセンブリのフランジ38を互いに軸方向に離れて付勢し得る。用量ボタン30は、用量分注動作を開始するように、ユーザによって押下可能である。いくつかの実施形態では、バイアス部材68は、この近位面72に対して着座され、フランジ38の隆起したカラー37を取り囲み得る。
【0021】
送達装置10は、用量設定モードおよび用量分注モードで動作可能である。用量設定動作モードでは、用量ボタン30をハウジング12に対して回転させて、装置10によって送達される所望の用量を設定する。いくつかの実施形態では、用量ボタン30をハウジング12に対して一方向に回転させることは、用量ボタン30をハウジング12に対して軸方向に近位に並進させ、用量ボタン30をハウジング12に対して反対方向に回転させることは、用量ボタン30をハウジングに対して軸方向に遠位に並進させる。いくつかの実施形態では、用量ボタンの時計回りの回転は、用量ボタン30を遠位に移動させ、用量ボタンの反時計回りの回転は、用量ボタンを近位に移動させるか、またはその逆である。
【0022】
いくつかの実施形態では、用量ボタン30を回転させて、用量ボタン30を近位方向に軸方向に並進させることは、設定用量を増加させる役割を果たし、用量ボタン30を回転させて、用量ボタン30を遠位方向に軸方向に並進させることは、設定用量を減少させる役割を果たす。用量ボタン30は、用量設定動作中に、設定用量の最小の漸増的増加または減少に対応する、予め定義された回転増分で調整可能である。用量ボタンは、各回転増分が可聴および/または触覚の「クリック」を生成するように、戻り止め機構を含み得る。例えば、1つの増分または「クリック」は、薬剤の1/2単位または1単位に等しくなり得る。
【0023】
いくつかの実施形態では、設定容量は、投与量窓36を通して示されるダイヤルゲージマーキングを介してユーザに視認可能であり得る。用量設定モード中に、用量ボタン30およびクラッチ52を含むアクチュエータアセンブリは、フランジ38および用量設定ねじ32を含む用量設定アセンブリと共に軸方向かつ回転可能に移動する。
【0024】
用量設定ねじ32およびフランジ38は、用量設定ねじ32とハウジング12とのねじ接続部により、互いに回転可能に固定され、用量設定中に回転および近位に移動させる。この用量設定動作中に、用量ボタン30は、バイアス部材68によって共に付勢されるフランジ38およびクラッチ52(図4)の相補的なスプライン74によって、フランジ38および用量設定ねじ32に対して回転可能に固定される。用量設定過程では、用量設定ねじ32、フランジ38、クラッチ52、および用量ボタン30は、「開始」位置から「終了」位置まで、螺旋様式(すなわち、同時の回転および軸方向並進)で、ハウジング12に対して共に移動する。ハウジングに対するこの回転および並進は、薬剤送達装置10の動作による用量設定の量に比例する。
【0025】
所望の用量が設定されてから、注射針24が、例えばユーザの皮膚を適切に貫通するように装置10を操作される。用量分注動作モードは、用量ボタン30の近位面60に印加される軸方向の遠位力に応答して開始される。軸方向力は、ユーザによって用量ボタン30に直接印加される。これによって、ハウジング12に対する遠位方向におけるアクチュエータアセンブリ(用量ボタン30およびクラッチ52)の軸方向移動が生じる。
【0026】
アクチュエータアセンブリの軸方向シフト動作は、付勢部材68を圧縮し、用量ボタン30と管状フランジ38との間の間隙を低減させるか、または閉じる。この相対的な軸方向移動は、クラッチ52およびフランジ38上の相補的なスプライン74を分離し、それによって、用量ボタン30を、フランジ38および用量設定ねじ32への回転可能な固定から係合解除する。具体的には、用量設定ねじ32は、用量ボタン30から回転可能に結合解除されて、用量ボタン30およびハウジング12に対する用量設定ねじ32の逆駆動回転を可能にする。また、用量設定ねじ32およびフランジ38がハウジング12に対して自由に回転できる間、ユーザが用量ボタン30を押圧して係合させることによって、用量ボタン30のハウジング12に対する回転が保持される。
【0027】
用量ボタン30およびクラッチ52を、ハウジング12に対して回転させることなく軸方向に押し込み続けると、用量設定ねじ32が用量ボタン30に対して回転するにつれてハウジング12にねじ戻される。注射されるべき量がまだ残っていることを示す用量マーキングは、窓36を通して視認可能である。用量設定ねじ32がねじ込まれてスリーブ34を遠位に前進させると、駆動部材28が遠位に前進して、リザーバ20を通してピストン26を押し、針24を通して薬剤を放出する。
【0028】
用量分注動作中に、薬剤送達装置から放出される薬物の量は、用量設定ねじ32がハウジング12にねじ戻されるときの、ハウジング12に対する用量設定ねじ32の回転移動量に比例する。いくつかの実施形態では、用量分注モード中に用量ボタン30がハウジング12に対して回転可能に固定されるので、薬剤送達装置から放出される薬物の量は、用量設定ねじ32がハウジング12にねじ戻されるときの用量ボタン30に対する用量設定ねじ32の回転移動量に比例していると見なされ得る。注射は、用量設定ねじ32の雌ねじがスリーブ34の対応する雄ねじの遠位端に到達したときに完了する(図4)。次いで、装置10は、図2および図4に示すような準備状態またはゼロ用量位置に再度配設される。
【0029】
上で考察されるように、送達される用量は、用量送達中の、アクチュエータアセンブリ(クラッチ52および用量ボタン30)に対する用量設定アセンブリ(フランジ38および用量設定ねじ32)の回転量に基づいて導出され得る。この回転は、用量送達中に用量設定アセンブリが回転するときに「カウント」される、用量設定アセンブリの漸増的移動を検出することによって判定され得る。
【0030】
例示的な送達装置10の設計および動作のさらなる詳細は、Medication Dispensing Apparatus with Triple Screw Threads for Mechanical Advantageと題される米国特許第7,291,132号に見出すことができ、その全体的な開示は、参照により本明細書に組み込まれる。送達装置の別の例は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、「Automatic Injection Device With Delay Mechanism Including Dual Functioning Biasing Member」と題される米国特許第8,734,394号に見出すことができる自動注射装置であり、そのような装置は、薬物送達装置内の相対回転の検知に基づいて薬物送達装置から送達された薬物の量を判定するように、本明細書に記載の1つ以上の様々なセンサシステムを用いて変更される。送達装置の別の例は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、「Medication Injector Apparatus with Drive Assembly that Facilitates Reset」と題された米国特許第7,195,616号に見出すことができる再使用可能ペン型装置であり、そのような装置は、薬剤送達装置内の相対回転の検知に基づいて薬剤送達装置から送達された薬剤の量を判定するように、本明細書に記載の1つ以上の様々なセンサシステムを用いて変更される。
【0031】
本明細書では、用量設定部材と装置本体との相対回転に基づいて送達される用量の量を判定するように動作可能であり得る用量検出システムを記載している。用量検出システムは、装置本体に取り付けられ、かつ用量送達中に回転軸を中心に装置本体に対して回転可能である、フランジ38、ねじ32、またはモノリシック単位としての両方の組み合わせなどの、用量設定および/または送達部材を利用する。被検知要素は、用量設定部材に取り付けられて回転固定される。アクチュエータは、装置本体に取り付けられ、用量送達中に装置本体に対して回転しないように保持される。それにより、被検知要素は、送達される用量の量に関連して用量送達中にアクチュエータに対して回転する。
【0032】
いくつかの実施形態では、用量検出システムは、アクチュエータアセンブリに取り付けられた回転センサと、感知要素の回転軸を中心に半径方向に均等に離間された表面特徴を含む被感知要素と、を備える。
【0033】
いくつかの実施形態では、用量検出システムは、センサと、薬剤送達装置の構成要素に取り付けられた被感知構成要素と、を含み得る。「取り付けられた」という用語は、それらが本明細書に記載されるように動作可能であるように、構成要素の位置を薬物送達装置の別の構成要素または部材に固定する任意の様態を包含する。例えば、センサは、薬剤送達装置の構成要素に直接位置決めすること、その中で受容すること、それと一体化すること、または別様にそこに接続することによって、該構成要素に取り付けられ得る。接続は、例えば、摩擦係合、スプライン、スナップまたは圧入、音波溶接または接着剤によって形成される接続を含み得る。
【0034】
「直接取り付けられた」という用語は、2つの構成要素、または1つの構成用途と1つの部材が、取り付け構成要素以外の中間部材を用いることなく物理的に一緒に固定される取り付けを説明するために使用される。取り付け構成要素は、取り付けを容易にするために2つの構成要素間に介在する締結具、アダプタ、または締結システムの他の部品(圧縮膜など)を備えることができる。「直接取り付け」は、構成要素/部材が1つ以上の中間機能部材によって結合される取り付けと区別される。
【0035】
「固定された」という用語は、示される運動が起こってもまたは起こらなくてもよいことを示すために使用される。例えば、2つの部材が回転して一緒に移動することが必要とされる場合、第1の部材は第2の部材と「回転固定」される。一態様では、部材は、構造的にではなく機能的に別の部材に対して「固定」されてもよい。例えば、2つの部材間の摩擦係合がそれらを一緒に回転固定するようにある部材が別の部材に対して押圧されてもよいが、2つの部材は第1の部材の押圧がなければ一緒に固定され得ない。
【0036】
様々なセンサ配設が、本明細書で想到される。概して、センサ配設は、センサと、被感知構成要素と、を備える。「センサ」という用語は、被感知構成要素の相対位置または移動を検出することが可能である任意の構成要素を指す。センサは、関連する電気的構成要素と共に使用して、センサを動作させ得る。「被感知構成要素」は、センサがセンサに対する被感知構成要素の位置および/または移動を検出することが可能である任意の構成要素である。用量検出システムの場合、被感知構成要素は、センサに対して回転し、該センサは、被感知構成要素の回転移動を検出することが可能である。センサは、1つ以上の感知素子を備え得、被感知構成要素は、1つ以上の被感知要素を備え得る。センサは、被感知構成要素の移動を検出し、被感知構成要素の移動を表す出力を提供する。
【0037】
例示的に、用量検出システムは、本明細書に記載するようなセンサ配設の動作に好適な電子機器アセンブリを含む。薬剤送達装置は、センサからの出力を受信するようにセンサに動作可能に接続されたコントローラを含み得る。コントローラは、総変位、例えば、角度変位を判定するために使用される総カウント数に対して、最初のものから最後のものまでのカウントを示すセンサからの生成信号を受信し始める。用量設定アセンブリの角度移動を検出する場合、コントローラは、薬剤送達装置の動作によって送達される用量の量を出力から判定するために使用することができる、用量設定アセンブリの角度移動を示すデータを受信するように構成され得る。コントローラは、薬剤送達装置の動作によって送達された用量を出力から判定するように構成され得る。コントローラは、プロセッサ、電源、メモリ、マイクロコントローラなどの従来の構成要素を含み得る。代替的に、少なくともいくつかの構成要素は、コンピュータ、スマートフォン、または他の装置などによって、別々に提供されてもよい。次いで、有線接続または無線接続などによって、適切な時間に外部コントローラ構成要素をセンサと動作可能に接続するための手段が提供される。
【0038】
一態様によれば、電子機器アセンブリは、感知された回転を表す信号をセンサから受信するための、プロセッサと動作可能に通信する1つ以上のセンサを含む、センサ配設を含む。例示的な電子機器アセンブリ76は、図5図7に示し、センサ86と、複数の電子構成要素を有するプリント回路基板(PCB)77と、を含むことができる。プリント回路基板は、フレキシブルプリント回路基板であり得る。電子機器アセンブリ76の回路基板は、少なくとも1つの処理コアおよび内部メモリを備えるコントローラとしてマイクロコントローラユニット(MCU)を含み得る。電子機器アセンブリは、構成要素に電力を供給するための電源79、例えば電池、例示的にコイン電池を含み得る。電子機器アセンブリ76のコントローラは、アクチュエータアセンブリに対する用量設定アセンブリの検出された回転に基づいて、用量設定および/もしくは用量送達中の用量設定アセンブリの角度移動を検出すること、ならびに/または薬剤送達装置10によって送達された用量を検出すること、を含む、本明細書に記載した動作を実行するように動作する制御ロジックを含み得る。電子機器アセンブリの構成要素は、全でではないが、用量ボタン30内の区画85に収容され得る。いくつかの実施形態では、区画85は、用量ボタンの支持体42の近位面71と用量ボタンのカバー56の先端面81との間に画定され得る。図5に示す実施形態では、電子機器アセンブリ76は、送達装置の用量ボタン30内に恒久的に一体化されている。他の実施形態では、電子機器アセンブリは、薬剤送達装置のアクチュエータアセンブリに取り外し可能に取り付けることができるモジュールとして提供される。
【0039】
カバー56内に保持された電子機器アセンブリ76の下面図を図6に示し、電子機器アセンブリ76の分解図を図7に示す。図6および図7に示すように、電子機器アセンブリ76は、プリント回路基板(PCB)77と、接触面111を有するセンサ86と、を含み得る。図7に示すように、電子機器アセンブリ76はまた、電池79と、電池ケージ87とを含み得る。例えば磁気センサなどの本明細書に記載する他のセンサは、接触面を含み得ないが、非接触様式で動作し得る。
【0040】
いくつかの実施形態では、センサ86の少なくとも一部分は、用量ボタン30の区画85の外へ延在している。図10および図11に最も良く見られるように、用量ボタン30の支持体42の近位面71は、センサ86がそこを通って軸方向に延在することができる1つ以上の開口部(第1の開口部45aおよび第2の開口部45bとして示す)を含み得る。いくつかの実施形態では、薬剤送達装置の組み立て中に、センサ86の接触面111は、支持体42の開口部45a、45bのどちらかを軸方向に通過する。これによって、センサの接触面111が、用量ボタン30の区画85の外部にある構成要素と相互作用することを可能にし得る。いくつかの実施形態では、センサを収容するために支持体42の開口部(第1の開口部45aなど)の1つだけしか必要でないが、例えば支持体構成要素の対称性のために、第2の開口部45bが提供され得、これは、支持体42の角度配向に応じてセンサをどちらかの開口部に配置することを可能にすることによって、構成要素を、および/または薬剤送達装置を有する構成要素のアセンブリを製造するのを補助する。センサに接触面がない場合、センサは、開口部を通って延在するいかなるセンサ部分も有することなく、または開口部を通って延在する部分を有するが被感知構成要素に係合するように構成されることなく、開口部45a、45bの上に位置決めされ得る。
【0041】
電子機器アセンブリ76のコントローラは、用量送達を判定するために使用される総角度移動および/または検出された用量送達をローカルメモリ(例えば、内部フラッシュメモリまたはオンボードEEPROM)に記憶するように動作可能であり得る。コントローラは、総カウント、総角度移動、および/または検出された用量を表す信号をユーザのモバイル装置またはリモートサーバなどの外部装置に無線で送信するようにさらに動作可能であり得る。送信は、例えば、Bluetooth低エネルギー(BLE)または他の好適な短距離もしくは長距離無線通信プロトコルを介して行われることができる。例示的に、BLE制御ロジックおよびコントローラは、同じ回路上で一体化されている。
【0042】
考察されるように、一態様によれば、用量検出システムは、薬剤送達装置の2つのアセンブリ間の相対回転移動を検出することを含む。送達用量の量との既知の関係を有する回転の程度によって、センサは、用量注射の開始から用量注射の終了までの角度移動量を検出するように動作する。例えば、いくつかの実施形態では、ペン型注射器の関係は、用量設定アセンブリの18°の角度変位が1用量単位に相当するが、他の角度関係もまた好適であり、例えば1単位または1/2単位のために9度、10度、15度、20度、24度、または36度などが使用され得る。センサシステムは、用量送達中の用量設定部材の全角変位を判定するように動作可能である。したがって、角度変位が90°であれば、5単位の用量が送達されたことになる。
【0043】
角度変位は、注射が進むにつれて用量の増分をカウントすることによって判定される。例えば、検知システムは、各繰り返しが既定の程度の回転角度の指標となるように、被検知要素の繰り返しパターンを使用することができる。都合のよいことに、パターンは、各繰り返しが薬物送達装置を用いて設定され得る用量の最小増分に対応するように確立することができる。
【0044】
用量検出システム構成要素は、恒久的にまたは取り外し可能に薬剤送達装置に取り付けられ得る。いくつかの実施形態では、用量検出システム構成要素の少なくともいくつかは、薬剤送達装置に取り外し可能に取り付けられるモジュールの形態で提供される。他の実施形態では、用量検出システム構成要素は、薬剤送達装置に恒久的に取り付けられる。
【0045】
いくつかの実施形態では、センサは、用量送達中に、薬剤送達装置によって送達される用量の量が判定される用量設定ねじ32に回転可能に固定された被感知構成要素の相対回転を検出し得る。例示的な一実施形態では、回転センサは、アクチュエータアセンブリに取り付けられ、かつ回転可能に固定されている。アクチュエータアセンブリは、用量送達中に、装置ハウジングに対して回転しない。
【0046】
いくつかの実施形態では、被感知構成要素は、用量設定ねじ32に取り付けられ、かつ回転可能に固定され、用量送達中に用量ボタン30および装置ハウジング12に対して回転する。本明細書に記載の実施形態のいくつかでは、被感知構成要素は、互いに対して周方向に配置された複数の近位側延在突起部を有するリング構造を含む。突起部は、回転センサの可動要素を偏向させる形状および大きさとされている。このような被感知構成要素の1つの実施形態は、管状フランジ38(図3図5図8、および図9に最も良く示す)である。本明細書に記載された実施形態は、送達装置の用量ボタンに取り外し可能に取り付け可能であるか、または送達装置の用量ボタン内に一体化されるモジュールが提供され得る。
【0047】
用量送達中に、用量設定ねじ32は、用量ボタン30に対して自由に回転できる。例示的な実施形態では、電子機器アセンブリ76は、用量ボタン30によって回転可能に固定され、用量送達中に回転しない。
【0048】
図2図3、および図5に見られるように、用量ボタン30は、支持体42に結合されたカバー56を備える。電子機器アセンブリ76は、カバー56と支持体との間に画定された区画85内に少なくとも部分的に収容され得る。いくつかの実施形態では、カバーおよび支持体は、カバーおよび支持体を共に結合するように互いに係合する、対応するスプラインを有する。例えば、いくつかの実施形態では、カバー56は、カバー56上にあり、かつ支持体上の1つ以上の突出部43に対応する1つ以上のスナップ57を介して、支持体42に結合され得る。図5および図6に見られるように、カバー56上のスナップ57は、内周側壁73から半径方向内向きに指向され得る。図5図10、および図11に見られるように、支持体42の突出部43は、支持体42の外周側壁75から半径方向外向きに指向され得る。突出部43は、三角形ランプ形状を形成し得る。
【0049】
カバー56上のスナップ57は、支持体の突出部43の上にスナップ留めし、該突出部と噛み合わせて、カバーを支持体に結合するように構成されている。いくつかの実施形態では、支持体の突出部は、支持体の外周側壁の周囲に連続環状突出部を備える。カバー56は、摩擦係合、締まり嵌め、または任意の他の好適な嵌合を介して、支持体42に取り付けられ得る。いくつかの実施形態では、カバー56は、組み立て中に、例えば超音波溶接、接着剤、または他の好適な固定手法を介して、支持体42に恒久的に固定される。
【0050】
図8および図9に見られるように、管状フランジ38は、回転軸を中心に半径方向に均等に離間され得る、および用量の1単位または漸増的単位の相当量に相関するように配設され得る、複数の軸方向を指向する歯102を含み得る。この例示的実施形態では、管状フランジ38は、2つの隣接する歯間の回転距離が18度の回転に対応するように、回転可能に互いに均等に離間された20個の歯102を含む。したがって、図8の管状フランジ38によって、管状フランジ38の18度の回転は、1投薬量単位または1/2投薬量単位を表すために使用され得る。他の実施形態では、他の角度関係を生じさせるために異なる総歯数が使用され得ること、例えば1単位または0.5単位のために9度、10度、15度、18度、20度、24度、または36度などが使用され得ることを理解されたい。
【0051】
凹部124は、隣接した歯102の各対の間に画定され得る。各歯102は、略三角形形状のプロファイルを有し、各々が、センサの接触面111が摺動し得る表面120を有し得る。
【0052】
いくつかの実施形態では、管状フランジの回転を検出するためのセンサは、用量送達中のアクチュエータアセンブリに対するフランジの回転中に接触面が歯に対してかつその上を摺動するように構成されるように、管状フランジの歯に装着することが可能な接触部分を有し、かつばね付勢される、移動可能な要素を含む。センサは、接触部分が歯の上を移動することに応答して、フランジに対応する信号を生成する。コントローラは、センサによって生成された信号に応答して、用量送達中のアクチュエータアセンブリに対するフランジの検出された回転に基づいて、送達される投与量を判定するための用量カウントを判定する。
【0053】
接触面は、管状フランジの物理的特徴に対して付勢されて、回転中の接触面と物理的特徴との間の適切な接触を確実にし得る。一実施形態では、可動部材は、接触面から変位した位置においてアクチュエータに取り付けられた1つの部分を有する弾性部材である。一例では、可動部材は、一端でアクチュエータに取り付けられ、他端に接触面を有するビームを備える追従部材である。ビームは、曲げられて接触面を表面特徴部の方向に付勢する。あるいは、可動部材は、様々な他の方法のいずれかで付勢され得る。弾性ビームの使用に加えて、例えば、ばね部品の使用により、付勢が提供されてもよい。そのようなばね構成要素は、例えば、圧縮、引張、またはねじりコイルばねを備えてもよい。さらに他の実施形態では、可動部材は、可動要素を支える別個の弾性部材またはばね構成要素によって、被感知要素の表面特徴部に対して付勢され得る。
【0054】
図5は、管状フランジ38の歯102と相互作用する接触面111を有するセンサ86の実施形態を表す。送達中にフランジ38が用量ボタン30に対して回転すると、フランジの歯102がセンサ86の接触面に111に接触し、それに対して摺動し、接触面111を振動様式で移動させる。接触面111の移動は、フランジ38の歯102の間に画定された凹部124の中へおよび外へ接触面111が摺動するように、軸方向および横方向の移動の組み合わせであり得る。センサ86は、接触面111の移動を追跡し、該移動をコントローラに送信される出力信号と関連付けるように構成され得る。一実施形態では、センサは、用量ボタンに対する管状本体の回転中に突出部に対して摺動したときに、用量分注モード中にスイッチの状態を開放状態と閉鎖状態との間で変化させる振動様式で移動する、接触面111を画定するスイッチを備える。
【0055】
管状フランジ上の歯の代替例として、センサと相互作用する表面特徴は、センサによって検出可能なあらゆるものを備え得る。センサ配設は、例えば、触覚特性、光学特性、電気特性、および磁気特性を含む、様々な被感知特徴に基づき得る。図に示す例示的実施形態では、表面特徴は、用量設定アセンブリがアクチュエータアセンブリに対して回転するときの漸増的移動の検出を可能にする、物理的特徴である。代替の実施形態では、センサは、歯が磁石または識別可能な磁気特性を有する圧電センサ、ホール効果センサなどの磁気センサ、歯が金属特性を有する容量または誘導センサ、振動を回転移動と相関させることができる、例えばラチェット駆動または他の戻り止め機構の振動を検出するための加速度計、反射センサ、遮断器センサ、もしくは光学エンコーダなどの光学センサ、または、第2の構成要素に対する第1の構成要素の回転を感知するための好適な任意の他のセンサであり得る。
【0056】
いくつかの実施形態では、ユーザが用量ボタン30の表面60を軸方向に押圧すると、用量ボタン30がハウジング12に対して遠位に進み、ばね68を圧縮する。用量ボタン30を継続的に遠位に押圧すると、ハウジング12に対して螺旋方向への用量設定ねじ32の逆駆動をもたらす。その結果、用量ボタン30を軸方向に押圧することによって、用量設定ねじ32およびフランジ38が回転するように駆動される。いくつかの実施形態では、用量検出システムは、用量ボタンが押圧されている間だけ用量を検出するように動作可能である。
【0057】
いくつかの実施形態では、電子機器アセンブリは、被感知要素の表面特徴からの回転センサのトリガによって生じるカウントの間に経過した時間を判定するために、クロックまたはタイマを含み得る。ある期間後にコントローラによっていかなるカウントも検出されなかった場合、これを使用して、用量が完了したことを示し得る。
【0058】
いくつかの実施形態では、単一の感知システムが、用量検出感知およびウェイクアップ起動の両方に使用され得る。例えば、コントローラは、被感知要素の回転をセンサが最初に感知した時点で、電子機器アセンブリをより大きいまたは全電力状態にウェイクアップまたは起動することを可能にするように構成される。ウェイクアップ特徴は、用量分注事象が生じないときの不用意な電力損失または使用を最小にするために、電子構成要素の電源を投入して用量を検知するための電源(電池として示す)からの電力伝送を可能にするように構成されている。他の実施形態では、別々のウェイクアップスイッチが提供され、用量ボタンハウジング内に配設され、用量ボタンがその遠位位置にあるときにトリガされ得る。電子機器アセンブリの作動後、コントローラは、総角度変位、したがって送達された用量を判定するのに使用される総カウント数の最初から最後のものまでのカウントを示す、生成された信号を回転センサから受信し始める。
【0059】
いくつかの実施形態では、電子機器アセンブリは、回転センサから出力信号を受信するように構成されたコントローラを有し得る。電子機器アセンブリのコントローラは、中間信号を、所定の時間を表す所定の幅を有する単一のステップ/方形波であり得る調整済みデジタル信号に変換するようにプログラムされ得る。いくつかの実施形態では、所定のレベルよりも低い出力信号は、除去または無視され得る。
【0060】
一態様によれば、ユーザは、どれくらいの薬剤が薬剤送達装置内に残っているかに関するデジタルフィードバックを受信し得る。薬剤送達装置の薬物レベルが低くなったときに、ユーザは、薬剤送達装置からおよび/または外部装置から、薬剤レベルが低いことをユーザに通知するアラートを受信し得る。例えば、ユーザは、モバイル装置から、例えばアプリ、テキストメッセージ、またはSMSから、アラートを受信し得る。アラートは、視覚的、聴覚的、触覚的(例えば、振動)、またはそれらの任意の組み合わせであり得る。
【0061】
いくつかの実施形態では、ユーザは、それらの薬剤を再充填するように、および/または再使用可能な薬剤送達装置の場合は、薬剤カートリッジを新しいカートリッジと交換するように勧められ得る。いくつかの実施形態では、薬剤レベルが低いことを検出したときに、再充填要求が薬局に自動的に送信され得る。
【0062】
薬剤レベルを判定する方法は、異なる方法で達成され得る。いくつかの実施形態では、外部装置は、薬剤送達装置内に残っている薬剤のレベルの記録を記憶する。薬剤送達装置は、通信を外部装置に送信して、各薬剤送達事象から送達された投与量を外部装置に通知し得る。薬剤送達装置は、このような投与量情報を上述のセンサから判定し得る。次いで、外部装置は、各薬剤送達事象の後の残りの薬剤量を計算し、記憶し得る。例えば、外部装置は、送達服用量を最新の残りの薬剤量から減算し得る。
【0063】
いくつかの実施形態では、薬剤送達装置内の残りの薬剤量に関する情報は、薬剤送達装置自体によって計算され得、および/または記憶され得る。次いで、薬剤送達装置は、どのくらいの薬剤が薬剤送達装置内に残っているかを外部装置に通信し得る。
【0064】
いくつかの実施形態では、薬剤送達装置内に残っている薬剤量を追跡することは、患者の遵守目的のために使用され得る。ユーザ、介護者、保健医療提供者、保険料支払者、および/または薬剤を作成している会社は、ユーザが所定の量および/または時間に薬剤を接種しているかどうかを監視することを望み得る。いくつかの実施形態では、このような情報を他の装置と併せて使用して、患者の治療を向上させ得る。例えば、薬剤送達装置は、グルコース計と併せて使用され得る。患者に送達される投与量は、グルコースレベル情報と対にして、薬剤の有効性、患者の処方計画の有効性などの情報を判定し得る。このような情報は、例えば患者の処方計画を向上させるための可能な方法を提案することによって、患者の治療を向上させるのを補助し得る。
【0065】
一態様によれば、薬剤送達装置は、ユーザが薬剤送達装置の位置を見つけるのを支援する能力を有し得る。発明者らは、特に携帯可能であり、異なる場所で使用することができる場合に、ユーザは、自分の薬剤送達装置を見つけるのに苦労することがあり得ることを認識した。発明者らは、ユーザが装置の場所を特定するのを補助するために、装置の場所特定を支援する必要性を認識した。
【0066】
いくつかの実施形態では、薬剤送達装置の場所は、1つ以上のモバイル装置によって追跡される。例えば、薬剤送達装置は、1つ以上のモバイル装置と、またはリモートサーバなどの他の外部装置と通信するように構成され得る。通信は、片方向通信または双方向通信であり得る。
【0067】
いくつかの実施形態では、薬剤送達装置は、一意の識別子などの情報を定期的にアドバタイズする。モバイル装置は、薬剤送達装置のために定期的に走査し得、アドバタイズする薬剤送達装置がモバイル装置との通信範囲内にある場合、モバイル装置は、薬剤送達装置から通信を受信する。次いで、内蔵のGPSまたは他の場所識別能力を有し得るモバイル装置は、ある場所を各受信した通信と関連付け得る。特に、薬剤送達装置とモバイル装置との間の通信プロトコルがBluetoothなどの短距離通信プロトコルである場合、モバイル装置は、薬剤送達装置の場所として、モバイル装置自体の現在の場所、またはモバイル装置自体の現在の場所の周囲の半径を割り当て得る。いくつかの実施形態では、モバイル装置がもはや薬剤送達装置から通信を受信しなくなり、おそらくは薬剤送達装置がモバイル装置の通信範囲の外へ移動したことを示すときに、モバイル装置は、モバイル装置が薬剤送達装置から最後に通信を受信したときであり得る、薬剤送達装置の最新の場所を記憶する。この最新の場所は、ユーザが薬剤送達装置の場所を判定するのを補助するために、ユーザに提示され得る。
【0068】
いくつかの実施形態では、モバイル装置が薬剤送達装置との通信範囲に入ったときに、モバイル装置は、薬剤送達装置が近くにあることをユーザに知らせ得る。これは、ユーザが薬剤送達装置を物理的に見つけるのを補助するために使用され得る。
【0069】
いくつかの実施形態では、モバイル装置が、薬剤送達装置がもはやモバイル装置との通信範囲内にない(例えば、モバイル装置が、予想期間内に薬剤送達装置から通知を受信しない)ことを感知したとき、モバイル装置は、薬剤送達装置がもはや近くにないこと、または少なくとももはやモバイル装置自体の近くにないことをユーザに通知し得る。このような特徴は、ユーザが、ユーザがある場所から離れるときに、薬剤送達装置を持ってくるのを忘れることを回避するのを補助し得る。
【0070】
いくつかの実施形態では、薬剤送達装置の場所を特定するのを補助するために、複数のモバイル装置を協働させ得る。例えば、一群のモバイル装置が、薬剤送達装置を定期的に走査するように構成され得る。モバイル装置の1つが(例えば、薬剤送達装置が通信範囲内にあることを感知することによって)薬剤送達装置の場所を特定したとき、モバイル装置は、見つけた薬剤送達装置の識別情報および/または場所を残りのモバイル装置に通信し得る。これは、例えば、世帯員の各々が自分自身のモバイル装置を有する世帯設定において使用され得る。
【0071】
いくつかの実施形態では、薬剤送達装置は、内蔵のスピーカを含み得る。ユーザが薬剤送達装置を見つけるのを補助するために、スピーカは、音を発するようにユーザによってトリガされ得る。いくつかの実施形態では、ユーザは、モバイル装置を使用して、音を発するようにスピーカをトリガし得る。
【0072】
いくつかの実施形態では、薬剤送達装置自体は、内蔵のGPSまたは他の場所特定能力を有し得る。薬剤送達装置は、その場所を、モバイル装置または他の外部装置に、例えば、リモートサーバに直接通信し得る。
【0073】
一態様によれば、薬剤送達装置が初めて使用された日付、およびいくつかの実施形態では時間が追跡される。
【0074】
このような特徴の1つの例示的な使用事例は、薬剤有効期限を判定することである。例えば、いくつかの実施形態では、薬剤送達装置は、ユーザが初めて薬剤送達装置を開いたこと、オンにしたこと、または作動させたことを外部装置に通信し得る。外部装置は、例えば、有効期限データベース内の薬剤送達装置の識別番号をルックアップすることによって、薬剤が期限切れになっているかどうかを確認し得る。
【0075】
このような特徴の別の例示的な使用事例は、サプライチェーン管理を支援することである。特定の薬剤送達装置がいつ初めて作動されたかを知ることは、製造業者に、重要なサプライチェーン情報、例えば、製造業者が薬剤送達装置を販売した後に、それがユーザに到達して、ユーザによって使用されるまでにどのくらいの時間がかかったか、を与えることができる。最初の使用を外部装置に通信するときに、薬剤送達装置はまた、その特定の識別番号も通信して、製造業者がその情報を既知の装置と関連付けて、その情報をデータベースに記憶することを可能にする。情報は、装置の種類、地理学などによって分類され得る。
【0076】
いくつかの実施形態では、薬剤送達装置の最初の使用から経過した時間が監視され得る。いくつかの種類の投薬および薬剤送達装置によって、薬剤送達装置内の薬剤は、薬剤送達装置が最初に使用されてある量の薬剤を送達してからある時間が経過した後に期限切れになる。これは、特に多回用量型の薬剤送達装置に適用され得る。このように、薬剤送達装置は、いつユーザが装置を作動させて薬剤を初めて送達したかを検出し得る。いくつかの実施形態では、次いで、装置は、内部タイマのカウントダウンを開始し、タイマが所定の時間に到達したときに、薬剤が期限切れになったことをユーザに知らせ得る。アラートの例としては、ライトをオン、オフにすること、もしくは点滅させること、および/または特定の色の光、聴覚的音、振動、もしくはそれらの任意の組み合わせを使用することが挙げられる。いくつかの実施形態では、薬剤送達装置は、例えば送達を不可能にする物理的および/または電気的ロックアウトによって、ユーザが装置を作動させることを防止し得る。いくつかの実施形態では、ユーザが装置を作動させて薬剤を初めて送達したことを薬剤送達装置が検出したときに、薬剤送達装置は、最初の送達が生じたことを外部装置に通信し得る。次いで、外部装置は、薬剤の有効期限へのカウントダウンを開始し得る。カウントダウンが完了したときに、外部装置は、薬剤が期限切れになったというアラートをユーザに送信し得、および/または薬剤送達装置に通信し得る。
【0077】
一態様によれば、薬剤の温度が監視され得る。薬剤の温度は、直接的または間接的に監視され得る。直接測定の一例としては、薬剤と実際に接触させて温度センサを配置することが挙げられる。間接測定の一例としては、温度センサを使用して、薬剤の近くの領域または構成要素の温度を測定して、薬剤の実際の温度に近似させることが挙げられる。例えば、一実施形態では、温度センサは、薬剤送達装置のPCBに位置している。間接測定の別の例としては、様々な温度環境に露出されたときに実際と同様に振る舞う薬剤送達装置内の材料の温度を直接測定することが挙げられる。
【0078】
温度測定は、定期的に生じ得る。測定温度に関する情報は、測定が生じるたびに、またはバッチで、薬剤送達装置内に記憶され得るか、外部装置に通信され得るか、またはそれらの任意の組み合わせであり得る。
【0079】
本明細書で「温度エクスカーション」と称される許容可能な温度範囲外に測定温度があることを薬剤送達装置が感知した場合、様々な反応が生じ得る。いくつかの実施形態では、薬剤送達装置は、情報をユーザに直接知らせ、および/または1つ以上の外部装置に通信し、次にユーザに知らせ得る。アラートは、温度エクスカーションが検出されたときにリアルタイムで生じ得るか、またはユーザが次に薬剤送達装置を使用するときに生じ得る。いくつかの実施形態では、温度エクスカーションが検出されたときに、薬剤送達装置は、温度エクスカーションの時間および/または日付を、ならびに測定温度を記憶し得、および/または外部装置に通信し得る。
【0080】
一態様によれば、薬剤送達装置は、および/またはモバイル装置アプリなどの薬剤送達装置と通信する外部プログラムは、薬剤送達装置と外部装置の間に無線通信を制御するためのセキュリティ特徴を含み得る。いくつかの実施形態では、薬剤送達装置は、サードパーティから薬剤送達装置への不要なアクセスを防止する、ボンド管理特徴を含む。このボンド管理特徴では、ユーザは、それらの薬剤送達装置を、薬剤送達装置との使用に特殊化されたアプリを走らせ得るユーザのモバイル装置にすでにペアリングしている。異なるモバイル装置が薬剤送達装置と接続しようとした場合、ユーザは、サードパーティが薬剤送達装置と接続しようとしている旨の通知を受信し得る。ユーザは、サードパーティが薬剤送達装置と接続することを許可または拒否し得る。いくつかの実施形態では、この設定は、繰り返しの通知を回避するために、アプリおよび/または薬剤送達装置によって「覚えられ」得る。いくつかの実施形態では、アプリは、ユーザが過去の許可設定を変更すること、例えば、以前に拒否したサードパーティモバイル装置へのアクセスを許可すること、または以前に承認したサードパーティモバイル装置へのアクセスを拒否することを可能にするメニューを含むように構成され得る。
【0081】
一態様によれば、薬剤送達装置がリコールを受けた場合、ユーザは、外部装置によって、または薬剤送達装置自体によって通知され得る。いくつかの実施形態では、薬剤送達装置は、その一意の識別番号を、リコール情報を識別番号と関連付けるデータベースを有するリモートサーバと通信し得る外部装置にブロードキャストする。薬剤送達装置は、リモートサーバ自体と直接通信し得る。
【0082】
いくつかの実施形態では、モバイル装置などの外部装置は、薬剤送達装置および/または装置内の薬剤がリコールを受け、使用するべきではないことをユーザに知らせる。アラートは、モバイル装置上で走っているアプリによって、テキストメッセージを介して、SMSを介して、Eメールを介して、またはそれらの任意の組み合わせによって表示されるメッセージを含む、異なる形態をとり得る。
【0083】
いくつかの実施形態では、薬剤送達装置は、リモートサーバおよび/またはモバイル装置などの中間外部装置によって指示されて、薬剤送達装置および/または薬剤がリコールを受け、使用するべきではないことをユーザに知らせるアラートを示すように指示され得る。いくつかの実施形態では、薬剤送達装置は、装置が使用されることを防止する物理的および/または電気的ロックアウトを作動させ得る。
【0084】
一態様によれば、ユーザの所定の処方計画に従った用量の投与に失敗したことを検出するために、薬剤送達装置が使用され得る。例えば、ユーザが偶然に1度に2回の用量を投与した場合、または時間的に近すぎる場合は、外部装置または薬剤送達装置自体が、ユーザにエラーを通知する。他の例として、ユーザは、偶然にまたは直感的に用量を飛ばし得るか、または誤った用量を使用し得る。
【0085】
この種類のエラーの検出は、ユーザに改善策をとる機会を与え得る。外部装置は、改善策のための提案をユーザに提供し得、ユーザの保健医療提供者に通知し得るか、ユーザを保健医療提供者に接続し得るか、またはそれらの任意の組み合わせであり得る。
【0086】
いくつかの実施形態では、薬剤送達装置は、薬剤の送達を検出することが可能であり得、また、送達された投与量を検出することが可能であり得るので、このようなエラーを監視することが可能である。薬剤送達装置は、このような情報を外部装置に通信し得る。
【0087】
次いで、外部送達装置または薬剤送達装置自体は、このような投与が適切であったかどうかを判定し得る。いくつかの実施形態では、外部装置または薬剤送達装置自体は、予想した投与に対して、実際の投与のタイミングおよび投与量を比較し得る。実際の投与が予想した投与と一致していない場合、外部装置および/または薬剤送達装置は、例えば、それらが用量を誤ったこと、多すぎるもしくは少なすぎる投与量で投与したこと、またはそれらの任意の組み合わせを、ユーザに通知し得る。1つの例示的な実施形態では、薬剤送達装置は、投与量および送達時間をモバイル装置に通信する。次いで、モバイル装置は、リモートサーバと通信して、この実際の投与が予想した所定の処方計画と一致しているかどうかを判定する。実際の投与が予想した処方計画と一致していない場合、モバイル装置は、ユーザに投与のエラーを知らせる。用量を誤った状況では、リモートサーバは、モバイル装置と通信して、投与されるべきであった投与量をモバイル装置に通知し得る。モバイル装置が、投与量が投与されたことを示す情報を薬剤送達装置から受信しなかった場合、モバイル装置は、アラートをユーザに送信して、ユーザが自分の薬剤を接種することを思い出させ得る。
【0088】
図示された装置は、ユーザが手動で取り扱って選択的に用量を設定し、次いでその設定された用量を注射する、一般に称されるところでは、再使用可能ペン型薬剤注射装置である。このタイプの注射装置は周知であり、感知システムは、別様に構築されたペン型薬剤注射装置、別の形状とされた注射装置、および輸液ポンプ装置を含む、様々に構成された薬剤送達装置に使用するように適合され得るので、装置の記載は単に例示的なものである。薬物は、このような薬物送達装置によって送達され得るタイプのうちのいずれかであり得る。以下にさらに記載される感知システムは、他の別様に構成された装置に使用され得るので、装置は例示的であり、限定的ではないと意図される。
【0089】
以下のものの使用法を明確にし、ここに公衆に通知すると、「<A>、<B>、...および<N>の少なくとも1つ」、または「<A>、<B>、...<N>、またはそれらの組み合わせの少なくとも1つ」、または「<A>、<B>、...および/または<N>」という文言は、本出願人によって最も広範な意味で定義され、本出願人によって反対の主張が明示的になされない限り上記または下記のいかなる他の暗黙の定義にも取って代わり、A、B...およびNを含む群から選択された1つ以上の要素を意味する。言い換えれば、この文言は、要素A、B、...またはNの1つ以上の任意の組み合わせを意味し、任意の1つの要素のみ、またはその1つの要素と、列挙されていない追加の要素も含み得る他の要素の1つ以上との組み合わせを含む。
【0090】
様々な実施形態を説明してきたが、さらに多くの実施形態および実装が可能であることが当業者には明らかであろう。したがって、本明細書に記載の実施形態は例であり、唯一の可能な実施形態および実装ではない。さらに、上述の利点は必ずしも唯一の利点ではなく、記載された利点の全てが各実施形態で達成されるとは必ずしも予想されない。
【0091】
以下の態様を含むがこれらに限定されない様々な態様が、この開示に記載されている。
【0092】
1.薬剤送達装置であって、ハウジングと、出口と、薬剤が出口から分注される用量分注モードを作動させるためにハウジングに対して軸方向に並進可能である用量ボタンであって、支持体と、支持体に結合されたキャップと、を備える、用量ボタンと、支持体とキャップとの間に画定された区画と、用量分注モード中にハウジングに対して回転する管状本体と、電子機器アセンブリであって、管状本体の回転を感知するように構成されたセンサと、センサから信号を受信するように構成されたントローラと、を含み、電子アセンブリの少なくとも一部分が、区画内に位置決めされている、電子機器アセンブリと、を備える、薬剤送達装置。
【0093】
2.管状本体が、用量分注モード中に用量ボタンに対して回転し、センサが、用量ボタンに対する管状本体の回転を感知するように構成されている、態様1に記載の薬剤送達装置。
【0094】
3.用量ボタンが、用量設定モード中にハウジングに対して回転可能であり、かつ用量設定モード中に管状本体と共に回転する、態様1~2のいずれか1つに記載の薬剤送達装置。
【0095】
4.支持体が、センサの少なくとも一部分がそこを通って延在している開口部を含む、態様1~3のいずれか1つに記載の薬剤送達装置。
【0096】
5.開口部が、支持体の近位面に位置している、態様4に記載の薬剤送達装置。
【0097】
6.支持体が、半径方向外向きに延在している複数の突出部を含み、突出部が、キャップと係合して、キャップを支持体に結合する、態様1~5のいずれか1つに記載の薬剤送達装置。
【0098】
7.用量設定モード中にハウジングに対して回転する回転可能なねじをさらに備え、用量設定モード中のねじの回転の程度が、用量分注モード中に出口から分注される薬剤の量を判定し、管状本体が、回転可能なねじに回転可能に固定されている、態様1~6のいずれか1つに記載の薬剤送達装置。
【0099】
8.用量ボタンが、用量設定モード中に回転可能なねじおよび管状本体と共に回転し、回転可能なねじおよび管状本体が、用量分注モード中に用量ボタンに対して回転する、態様7に記載の薬剤送達装置。
【0100】
9.センサが、スイッチを備える、態様1~8のいずれか1つに記載の薬剤送達装置。
【0101】
10.管状本体が、複数の突出部およびくぼみを備え、スイッチが、用量分注モード中の用量ボタンに対する管状本体の回転中に突出部に対して摺動する、態様9に記載の薬剤送達装置。
【0102】
11.複数の突出部が、円形の配設で互いに等間隔に離間配置されている、態様10に記載の薬剤送達装置。
【0103】
12.センサが、ホール効果センサを備える、態様8に記載の薬剤送達装置。
【0104】
13.センサが、加速度計を備える、態様8に記載の薬剤送達装置。
【0105】
14.クラッチをさらに備え、用量設定モード中に用量ボタンおよび管状本体が共に回転するように、クラッチおよび管状本体が、用量設定モード中に用量ボタンを管状本体に結合する相補的なスプラインを有し、クラッチのスプラインが、用量分注モード中に管状本体のスプラインから分離し、管状本体から用量ボタンを結合解除して、管状本体が用量ボタンに対して回転することを可能にする、態様8に記載の薬剤送達装置。
【0106】
15.クラッチの少なくとも一部分が、管状本体を通過する、態様14に記載の薬剤送達装置。
【0107】
16.支持体およびキャップが、支持体およびキャップに共に嵌合する相補的な嵌合特徴を有する、態様1~15のいずれか1つに記載の薬剤送達装置。
【0108】
17.薬剤送達装置を組み立てる方法であって、ハウジングを提供することと、出口を提供することと、管状本体をハウジングに結合することであって、管状本体が、薬剤が出口から分注される用量分注モード中にハウジングに対して回転するように構成されている、結合することと、キャップと支持体との間で電子機器アセンブリを少なくとも部分的に取り囲み、キャップを支持体に取り付けることによって、キャップおよび支持体を有する用量ボタンを形成することであって、電子機器アセンブリが、管状本体の回転を感知するように構成されたセンサを有する、形成することと、用量ボタンを、ハウジングに対して軸方向に並進可能であるように構成することであって、用量ボタンをハウジングに対して軸方向に並進させることが、用量分注モードを作動させる、構成することと、を含む、方法。
【0109】
18.センサを支持体の開口部を通して少なくとも部分的に挿入して、センサが、管状本体と相互作用することを可能にすることをさらに含む、態様17に記載の方法。
【0110】
19.管状本体を回転可能なねじに結合して、管状本体を回転可能なねじに回転可能に固定することと、さらに含む、用量設定モード中に回転可能なねじがハウジングに対して回転可能であるように構成することと、をさらに含み、用量設定モード中のねじの回転の程度が、用量分注モード中に出口から分注される薬剤の量を判定する、態様17~18のいずれか1つに記載の方法。
【0111】
20.用量分注モード中に管状本体を用量ボタンに対して回転するように構成することと、センサを、用量ボタンに対する管状本体の回転を感知するように構成することと、をさらに含む、態様17~19のいずれか1つに記載の方法。
【0112】
21.用量ボタンを、用量設定モード中にハウジングに対して回転可能であるように、および用量設定モード中に管状本体と共に回転可能であるように構成することをさらに含む、態様17~20のいずれか1つに記載の方法。
【0113】
22.用量ボタンを、用量設定モード中に回転可能なねじおよび管状本体と共に回転可能であるように構成することと、回転可能なねじおよび管状本体を、用量分注モード中に用量ボタンに対して回転可能であるように構成することと、をさらに含む、態様19に記載の方法。
【0114】
23.センサのためのスイッチを提供することをさらに含む、態様17~22のいずれか1つに記載の方法。
【0115】
24.複数の突出部およびくぼみを有する管状本体を提供することをさらに含み、スイッチが、用量分注モード中の用量ボタンに対する管状本体の回転中に突出部に対して摺動する、態様23に記載の方法。
【0116】
25.クラッチを、管状本体を通して少なくとも部分的挿入することをさらに含み、用量設定モード中に用量ボタンおよび管状本体が共に回転するように、クラッチおよび管状本体が、用量設定モード中に用量ボタンを管状本体に結合する相補的なスプラインを有し、クラッチのスプラインが、用量分注モード中に管状本体の前プラインから分離し、管状本体から用量ボタンを結合解除して、管状本体が用量ボタンに対して回転することを可能にする、態様23に記載の方法。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11