(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-27
(45)【発行日】2023-03-07
(54)【発明の名称】内部冷却通路を有する電気機械
(51)【国際特許分類】
H02K 1/20 20060101AFI20230228BHJP
H02K 5/20 20060101ALI20230228BHJP
【FI】
H02K1/20 Z
H02K5/20
(21)【出願番号】P 2021550284
(86)(22)【出願日】2020-02-26
(86)【国際出願番号】 US2020019811
(87)【国際公開番号】W WO2020176572
(87)【国際公開日】2020-09-03
【審査請求日】2021-08-27
(32)【優先日】2019-02-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515009952
【氏名又は名称】シェフラー テクノロジーズ アー・ゲー ウント コー. カー・ゲー
【氏名又は名称原語表記】Schaeffler Technologies AG & Co. KG
【住所又は居所原語表記】Industriestr. 1-3, 91074 Herzogenaurach, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】マシュー ペイン
(72)【発明者】
【氏名】マークス シュタインベアガー
【審査官】三澤 哲也
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0054094(US,A1)
【文献】欧州特許出願公開第03157138(EP,A1)
【文献】特開2009-240113(JP,A)
【文献】特表2018-504881(JP,A)
【文献】特開2009-261181(JP,A)
【文献】特開2012-182952(JP,A)
【文献】特開平06-054469(JP,A)
【文献】特開2011-167045(JP,A)
【文献】特開2001-095205(JP,A)
【文献】米国特許第04182137(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0123409(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 1/20
H02K 5/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気機械であって、
固定子コアであって、対向する第1および第2の端面と、前記端面間の外面と、前記固定子コア内に画定されている複数の流体通路と、を含
み、
各流体通路が、
前記外面内に画定された入口孔と、
前記コアの長さに沿って延在し、前記入口孔と流体連通する、内側寄りの通路と、
前記コアの長さに沿って延在し、前記第1の端面内に画定されている第1の出口孔を有する、外側寄りの通路と、
前記内側寄りの通路を前記外側寄りの通路と流体連通して接続する相互接続通路と、
を有する、固定子コアと、
前記入口孔を囲み、前記入口孔に流体を供給するように構成された第1の環状流体チャンバを画定する円筒形の固定子ハウジングと、
主供給通路と、前記主供給通路及び前記第1の環状流体チャンバと流体連通する第2の環状流体チャンバと、を画定し、前記固定子ハウジングの外面を覆うケースと、
を備える、電気機械。
【請求項2】
前記入口孔が、前記外面の周りに少なくとも部分的に延在するアレイ状に、円周方向に配置されている、請求項1に記載の電気機械。
【請求項3】
前記固定子ハウジングが、前記固定子コアの前記外面に対して配設された内面
と、外面
と、を有し、
前記固定子ハウジングの前記外面から前記
第1の環状流体チャンバまで延在する少なくとも1つの孔を画定する、請求項2に記載の電気機械。
【請求項4】
前記第2の環状流体チャンバが、前記ケースの内面内に陥凹し
、前記固定子ハウジングの前記孔が、前記第2の環状流体チャンバと流体連通する、請求項3に記載の電気機械。
【請求項5】
前記入口孔のすべてが、共通の軸方向位置を有する、請求項1に記載の電気機械。
【請求項6】
各通路が、前記入口孔から前記内側寄りの通路まで延在する供給通路をさらに含む、請求項1に記載の電気機械。
【請求項7】
前記供給通路が、実質的に径方向に延在する、請求項6に記載の電気機械。
【請求項8】
前記外側寄りの通路が、前記固定子コアを完全に通って延在し、前記第2の端面内に画定されている第2の出口孔をさらに有する、請求項1に記載の電気機械。
【請求項9】
前記内側寄りの通路が、前記固定子コアの全長に延在する、請求項1に記載の電気機械。
【請求項10】
各流体通路が、
前記コアを通って延在し、前記第1の端面内に画定されている第1の出口孔を有する、第2の外側寄りの通路と、
前記内側寄りの通路を前記第2の外側寄りの通路と流体連通して接続する、第2の相互接続通路と、をさらに含む、請求項1に記載の電気機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電気機械に関し、より具体的には、固定子コア内に画定された内部冷却通路に関する。
【背景技術】
【0002】
電気機械は、固定子コアと、クーパー巻線と、を有する、固定子を典型的に含む。分布、集中、およびヘアピンなど、異なる巻線配置が既知である。電気機械の回転子は、固定子コア内で回転可能に支持される。固定子と回転子とが協働して、電気エネルギーを機械運動に、またはその逆に、変換する。電気機械は、電気エネルギーから機械運動を生じるために使用される場合には、モータと称され得、機械運動から電気エネルギーを生じるために使用される場合には、発電機と称され得る。電気機械は、使用中に熱を発生させる。多くの電気機械は、固定子、回転子、または両方を冷却するために、熱管理システムを含む。噴霧冷却は、自動車用途における一般的なタイプの熱管理システムである。噴霧冷却システムは、電気機械にオイルを供給する、電気機械の外部にあるノズルを含み得る。オイルは、電気機械を滝のように流れ落ちる際に熱を吸収して、冷却を達成する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
一実施形態によれば、電気機械は、固定子コアであって、対向する第1および第2の端面と、端面間の外面と、固定子コア内に画定されている複数の流体通路と、を有する、固定子コアを含む。各流体通路は、外面内に画定された入口孔と、コアの長さに沿って延在し、入口孔と流体連通する内側寄りの通路と、を含む。各流体通路は、コアの長さに沿って延在し、第1の端面内に画定されている第1の出口孔を有する、外側寄りの通路と、内側寄りの通路を外側寄りの通路と流体連通して接続する、相互接続通路と、をさらに含む。
【0004】
別の実施形態によれば、電気機械は、異なるラミネーションの少なくとも第1および第2のセットを含む、複数の積層されたラミネーションを有する、固定子コアを含む。第1のラミネーションの各々は、流体開口部の第1のパターンを画定し、第2のラミネーションの各々は、第1のパターンとは異なる、流体開口部の第2のパターンを画定する。ラミネーションの第1のセットは、それを通る流体通路の第1の配置を形成するように開口部が整列された状態で、一緒に積層され、ラミネーションの第2のセットは、それを通る流体通路の第2の配置を形成するように開口部が整列された状態で、一緒に積層される。
【0005】
さらに別の実施形態によれば、電気機械は、陥凹した環状流体チャンバを画定する内面を有する、固定子ハウジングを含む。固定子コアは、固定子ハウジング内に受容され、上記内面に対して配設される外面を有する。固定子コアは、外面内に画定され、環状流体チャンバ内に開口する入口孔を有する少なくとも1つの流体通路を画定する。この通路はまた、固定子コア内に画定され、実質的に軸方向に延在する第1の通路を有する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】例示を目的としてロータが示されていない、電気機械の端面図である。
【
図2】切断線2-2に沿った、電気機械の断面図である。
【
図3】電気機械の例示的な冷却通路を実線として示した概略斜視図である。
図3に示された冷却通路の通路およびチャンバは、固定子コア内に配設された実際の構造構成要素ではない。むしろ、固定子コアは、その中のすき間である通路の境界を画定する。
【
図4】ラミネーションの第1のセットを示す、第1の軸方向位置における固定子コアの断面図である。
【
図5】ラミネーションの第2のセットを示す、第2の軸方向位置における固定子コアの断面図である。
【
図6】ラミネーションの第3のセットを示す、第3の軸方向位置における固定子コアの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本開示の実施形態が、本明細書に記載されている。しかしながら、開示された実施形態は単なる例であり、他の実施形態は様々な代替形態を取り得ることを理解されたい。図は必ずしも縮尺どおりではなく、いくつかの特徴は、特定の構成要素の詳細を示すために誇張または最小化されている場合がある。したがって、本明細書に開示される特定の構造的詳細および機能的詳細は、限定として解釈されるべきではなく、単に、当業者に実施形態を様々に使用することを教示するための代表的な基礎として解釈されるべきである。当業者が理解するように、図のいずれか1つを参照して図示および説明される様々な特徴は、1つ以上の他の図に示される特徴と組み合わせて、明示的に図示または説明されない実施形態をもたらすことができる。図示された特徴の組み合わせは、典型的な用途のための代表的な実施形態を提供する。しかしながら、特定の用途または実装のために、本開示の教示と一致する特徴の様々な組み合わせおよび修正が所望される可能性がある。
【0008】
具体的な構成要素および/または条件は、当然のことながら、変わり得るため、本発明は、後述の具体的実施形態および方法に限定されるものではない。さらに、本明細書で使用される用語は、本発明の特定の実施形態を説明する目的のためだけに使用され、いかようにも限定することを意図していない。
【0009】
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される場合、他に文脈で明示しない限り、単数の形態「1つの(a)」、「1つの(an)」および「その(the)」は、複数形の指示対象を含む。例えば、単数形の構成要素への言及は、複数の構成要素も含むことを意図している。
【0010】
「実質的に」または「約」という用語が、本明細書で、開示されるまたは特許請求される実施形態を説明するために使用され得る。「実質的に」または「約」という用語は、本開示で開示されるまたは特許請求される値または相対的な特性を修飾し得る。そのような場合、「実質的に」または「約」は、それが修飾する値または相対的な特性が、値または相対的な特性の±2パーセント内にあることを意味し得る。
【0011】
図1および2を参照すると、例示的な電気機械20は、複数のラミネーション24を有する固定子22を含む。電気機械20は、モータ、発電機、または両方であり得る。ラミネーション24の各々は、前側と、後ろ側と、を含む。完全に形成および積層されると、前側および後ろ側は、隣接する前側および後ろ側に対して配設されて、固定子コア26を形成する。固定子コア26は、典型的に、鉄で作製されるが、他の金属で形成されてもよい。固定子コア26は、チューブ状であり、中空の中心を画定する。固定子コア26は、外径を画定する外面28と、内径30と、を有する。固定子コア26は、内径30に向かって径方向内方に延在する複数の歯34を画定する。ボビン36は、歯34上に受容される。ボビン36は、ボビン36の周りに巻かれた巻線40を支持する。例示される実施形態は、集中巻線を示すが、電気機械20は、他の実施形態では、ヘアピン巻線機または分布巻線機であり得る。例示される実施形態はまた、24個の歯およびボビンを示すが、より多いまたはより少ないものが使用されてもよい。
【0012】
回転子(図示せず)は、固定子コア26内で回転可能に支持される。回転子は、シャフトまたは他の出力に固定され得る。電流が固定子22に供給されると、磁場が形成されて、回転子を固定子22内で回転させ、負荷に供給される電力を発生させる。
【0013】
固定子26は、固定子ハウジング42(固定子リムと呼ばれることもある)によって支持される。固定子ハウジング42は、一般に円筒形であり得、固定子26の外面28に対して配設されている内面44と、外面46と、を含む。固定子ハウジング42は、ケース50内に装着される。ケース50は、変速機ケースなどであり得る。ケース50は、固定子ハウジング42の外面46に対して配設されている内面52を画定する。
【0014】
動作中、電気機械20は、固定子コア26および巻線40内に熱を発生させる。電気機械20の過熱を防止するために、流体回路を提供して、動作中に発生する熱を除去することができる。流体回路は、オイルなどの冷媒を供給する。オイルは、自動変速機流体(ATF)であってもよい。流体回路は、ケース50、固定子ハウジング42、固定子コア26、およびこれらの組み合わせを通って進み得る。
【0015】
一実施形態によれば、流体回路60は、ケース50内に画定された主供給通路62を含む。通路62は、実質的に軸方向に延在する通路64と、実質的に径方向に延在する通路66と、を含み得る。ケース50は、内面52内に陥凹した環状流体チャンバ68を画定する。通路66は、通路64と、流体チャンバ68との間に延在する。流体チャンバ68は、固定子ハウジング42を完全に取り巻き得、内部に流体を蓄積して、流体を固定子コア26に供給するように構成されている。固定子ハウジング42は、内面44と、外面46との間に延在する複数の孔48を画定する。孔48は、チャンバ68と流体連通し、チャンバ68内の流体が固定子コア26に流れるのを可能にする。孔48は、互いに対して軸方向に整列され、ハウジング42を少なくとも部分的に取り巻くアレイ状に円周方向に配置され得る。固定子ハウジング42はまた、内面44内に陥凹している環状流体チャンバ70も画定する。孔48は、流体をチャンバ70に供給する。チャンバ70は、チャンバ68よりも小さくてもよい。環状チャンバ68および70、ならびに孔48は、外側環状チャンバ68が内側環状チャンバ70を囲む状態で、同じ軸方向位置に位置し得る。
【0016】
固定子コア26は、流体回路60の一部である少なくとも1つの内部流体通路72を画定する。通路72の数は、電気機械20の冷却要件に依存する。通路72は、互いに対して円周方向に離間している。例示される実施形態では、24個の流体通路72が提供されている、すなわち、各ボビン36が、関連付けられた通路72を含み、流体通路72は、等しく離間している。他の実施形態では、より多いまたはより少ない通路が使用されてもよく、間隔は、等しくても等しくなくてもよい。通路72は、固定子コア26を通して流体を循環させるように、かつ巻線40上に流体を供給するように構成されており、これにより、電気機械20から熱が除去される。重力により、流体が電気機械20から除去され、再循環のためにオイル溜めに回収される。
【0017】
環状チャンバ70は、固定子コア26の外面28を少なくとも部分的に取り巻き、少なくとも1つの通路72に流体を供給するためのマニホールドとして機能する。各通路72は、外面28内に画定された入口孔74を含む。入口孔74は、流体チャンバ70と軸方向に整列されており、流体チャンバ70からの流体を受容するように構成されている。入口孔74は、固定子コア26を少なくとも部分的に取り巻くように、外面28の周りに円周方向に配置され得る。例示される実施形態では、入口孔74は、固定子コア26を完全に取り巻いている。
【0018】
図1、2、および3を参照すると、各通路72はまた、コア26の長さに沿って実質的に軸方向に延在し、入口孔74と流体連通する内側寄りの通路76も含む。通路76は、コア26を完全に通って延在し得、この場合、第1の孔78が、コア26の第1の端面80内に画定され、第2の孔82が、第2の端面81内に画定される。孔78および82は、ボビン36によって覆われる。ボビン36は、一般に、流体が孔78および82を通って流れることを防止するが、完全には封止し得ず、いくらかのオイルが、これらの孔78、82を通って流れ得る。
【0019】
各通路72は、コア26の長さに沿って概して軸方向に延在し、通路76と流体連通する少なくとも1つの外側寄りの通路をさらに含む。(「内側寄り(inboard)」および「外側寄り(outboard)」という用語は、固定子コアの内径からの相対位置を指す。内側寄りは、内径により近い品目を指し、外側寄りは、内径からより遠い品目を指す。)例えば、通路72は、第1の外側寄りの通路84と、第2の外側寄りの通路86と、を含む。通路84は、コア26を完全に通って延在し得、第1の端面80内に画定されている第1の出口孔88と、第2の端面81内に画定されている第2の出口孔90と、を有し得る。通路86も、コア26を完全に通って延在し得、第1の端面80内に画定されている第1の出口孔92と、第2の端面81内に画定されている第2の出口孔94と、を有し得る。出口孔88、90、92、94は、通路72の末端を形成し、巻線40上にオイルを供給するように、ボビン36と円周方向に整列されている。
【0020】
各通路72は、少なくとも1つの外側寄りの通路を内側寄りの通路に流体的に接続する少なくとも1つの相互接続通路を含む。例示される実施形態では、第1の相互接続通路100が、外側寄りの通路84と、内側寄りの通路76との間を接続し、第2の相互接続通路102が、外側寄りの通路86と、内側寄りの通路76との間を接続する。通路100は、内側寄りの通路76に接続されている第1の端部104と、外側寄りの通路84に接続されている第2の端部106と、を含む。通路102は、内側寄りの通路76に接続されている第1の端部108と、外側寄りの通路86に接続されている第2の端部110と、を含む。相互接続通路は、一般に、内径から外径に向かって外向きに延在する。いくつかの実施形態では、相互接続通路は、径方向に延在し得、言い換えれば、相互接続通路は、例えば、
図3に示されるように、傾斜角で延在し得る。相互接続通路の配向は、軸方向成分を含み得るか、または、例えば、
図3に示されるように、径方向および円周方向成分のみを含み得る。
【0021】
図3および4を参照すると、第1および第2の相互接続通路は、(図示されるように)単一のチャンバの一部であり得るか、または2つの別個の通路であり得る。例えば、固定子コア26は、第1および第2の通路100、102を含むV字形のチャンバ112を画定し得る。チャンバ112は、異なる実施形態では、他の形状を有し得る。チャンバ112は、端面80、81から軸方向にオフセットするために、中間部分またはコア26内に配設され得る。例示される実施形態では、チャンバ112は、端面80により近くなっているが、チャンバ112は、固定子コア26内のどこにでも位置し得る。内側寄りの通路76は、入口開口部114および出口開口部116を介して、チャンバ112と流体連通している(
図2参照)。内側寄りの通路76は、チャンバ112を通して連続的であってもよく、示されるように不連続的であってもよい。チャンバ112は、開口部118および120を介して、外側寄りの通路84と流体連通しており、チャンバ112は、開口部122および124を介して、外側寄りの通路86と流体連通している。
【0022】
図3および5を参照すると、通路72は、供給通路、入口孔74から内側寄りの通路76まで延在しているあれを含む。供給通路は、実質的に径方向に延在し得る。供給通路は、固定子コア26内に切り抜き131によって画定される長方形のチャンバ130であってもよい。供給チャンバ130は、入口孔74から底部138まで延在する。内側寄りの通路76は、供給チャンバ130がオイル溜め部132を有するように、底部138の上で供給チャンバ130と交差する。内側寄りの通路76は、対向する壁140および142内に画定された開口部134および136を介して、供給チャンバ130と流体連通している。内側寄りの通路76は、例示される実施形態に示されるように、不連続的であり得る。通路76は、供給チャンバ130およびVチャンバ112において不連続的であり得る。すなわち、内側寄りの通路76は、お互いに流体連通する3つのセグメント150、152、および154を有し得る。
【0023】
動作中、内側環状チャンバ70内の流体は、入口孔74を介して通路72に流れる。各通路72では、流体は、供給チャンバ130に流入し、次いで、開口部134、136を介して内側寄りの通路76に流れる。次いで、流体は、固定子コア26を通って軸方向に流れることによって、チャンバ112に移動し、それにより、熱が、固定子コア26から流体に伝達される。チャンバ112は、流体を、相互接続通路100および102を介して、それぞれ外側寄りの通路84および86に分配する。外側寄りの通路84および86は、流体を、固定子コア26を通って出口孔88、90、92、94に運び、ここで、流体が、固定子コア26を出て、巻線40上に滴る。
【0024】
図4、5、および6を参照すると、ラミネーション24は、スタンピングによって形成され得る。スタンピングプロセスは、積層されてコア26を形成すると、協働して通路72を画定する、ラミネーション内の1つ以上の流体開口部を形成し得る。コア26は、流体開口部の異なるパターンを有するラミネーションの1つ以上のセットを含み得る。異なるパターンは、共通の開口部と、個別の開口部との両方を有し得る。開口部は、位置、サイズ、形状などが異なり得る。ラミネーション24は、流体開口部のうちの1つ以上が、回転整列されて、通路72を形成するように積層される。ラミネーションの異なるセットが、通路72の通路および/またはチャンバの異なる配置を形成し得る。
【0025】
例示される実施形態では、固定子コア26は、ラミネーションの3つの異なるセット160、162,および164を含む。ラミネーションの第1のセット160は、積層されるときに、協働して1つ以上のVチャンバ112を画定する、開口部の第1のパターン166を有する。開口部の第1のパターン166は、V字形の開口部168を含み得る。
【0026】
ラミネーションの第2のパターン162は、協働して、供給チャンバ130と、外側寄りの通路84および86と、を画定する、開口部の第2のパターン170を有する。開口部の第2のパターン170は、長方形のスロット172と、スロット172の両側に配設されている一対の孔174および176と、を含み得る。長方形のスロット172は、協働して、供給チャンバ130を画定し、孔174および176は、それぞれ通路84および86の一部を画定する。
【0027】
ラミネーションの第3のセット164は、協働して内側寄りの通路76と、外側寄りの通路84と、外側寄りの通路86と、を画定する、開口部の第3のパターン180を有する。第3のパターンは、第1の孔182と、第2の孔184と、第3の孔186と、を含み得る。孔182および184は、孔174および176と同じである。第1の孔182は、通路86の一部を画定し、第2の孔184は、通路84の一部を画定し、孔186は、通路76を画定する。
【0028】
第3のラミネーション164の孔182は、第2のラミネーション162の孔174、およびV開口部168の端部190と整列されて、通路86を形成する。第3のラミネーション164の孔184は、第2のラミネーション162の孔176、およびV開口部168の端部192と整列されて、通路84を形成する。第3のラミネーション164の孔186は、V開口部168の底部194、およびスロット172と整列されて、内側寄りの通路76を形成する。
【0029】
図2を参照すると、ラミネーションのセットが、軸方向に、同様なラミネーションのグループ内に配置されている。ラミネーションのセットは、単一のグループ、または複数のグループを含み得る。例えば、ラミネーションの第3のセット164は、固定子コア26内で支配的なタイプのラミネーションであり得、3つの別個のグループ(積層体)200、202、および204に配置され得る。ラミネーションの第1のセット160は、グループ200と、グループ202との間に軸方向に挟まれている単一のグループ206を含み得る。ラミネーションの第2のセット162もまた、グループ202と、グループ204との間に軸方向に挟まれている単一のグループ208を含み得る。
【0030】
上述の流体回路60は、固定子コア26および巻線40を効果的に冷却する。流体通路60の内側寄りの通路76は、固定子コア26の最も熱い部分を冷却する一方で、巻線40上に流体の流れを提供するために、コア内26に径方向に深く埋め込まれて、共に歯34の中にある。
【0031】
例示的な実施形態が上記に説明されているが、これらの実施形態が、特許請求の範囲に含まれるすべての可能な形態を説明することは意図されていない。本明細書で使用される用語は、限定ではなく説明の用語であり、本開示の趣旨および範囲から逸脱することなく、様々な変更を行うことができることが理解される。前述のように、様々な実施形態の特徴を組み合わせて、明示的に説明または図示されていない可能性がある本発明のさらなる実施形態を形成することができる。様々な実施形態は、1つ以上の所望の特性に関して、利点を提供するか、または他の実施形態または従来技術の実装よりも好ましいと説明されている可能性があるが、当業者は、1つ以上の特徴または特性を妥協して特定の用途および実装に依存する所望の全体的なシステム属性を達成することができることを認識する。これらの属性は、コスト、強度、耐久性、ライフサイクルコスト、市場性、外観、包装、サイズ、保守性、重量、製造性、組み立ての容易さなどを含み得るが、これらに限定されない。したがって、任意の実施形態が、1つ以上の特性に関して他の実施形態または先行技術の実装よりも望ましくないと記載される限りにおいて、これらの実施形態が本開示の範囲外ではなく、特定の用途に望ましい場合があり得る。
【0032】
以下は、図に示されている参照番号のリストである。しかしながら、これらの用語の使用は、一実施形態に関して単に例示を目的とするものであることを理解されたい。また、図に例示され、特許請求の範囲に存在する特定の用語を相関させる参照番号の使用は、例示される実施形態のみを網羅するように特許請求の範囲を限定することを意図しない。
【符号の説明】
【0033】
20 電気機械
22 固定子
24 ラミネーション
26 固定子コア
28 外面
30 内径
34 歯
36 ボビン
40 巻線
42 固定子ハウジング
44 内面
46 外面
48 孔
50 ケース
52 内面
60 流体回路
62 通路
64 通路
66 通路
68 流体チャンバ
70 環状チャンバ
72 通路
74 入口孔
76 通路
78 孔
80 端面
81 端面
82 孔
84 通路
86 通路
88 孔
90 孔
92 孔
94 孔
100 相互接続通路
102 相互接続通路
104 第1の端部
106 第2の端部
108 第1の端部
110 第2の端部
112 チャンバ
114 入口開口部
116 出口開口部
118 開口部
120 開口部
122 開口部
124 開口部
130 供給チャンバ
131 切り抜き
132 ある部分
134 開口部
136 開口部
138 底部
140 壁
142 壁
150 セグメント
152 セグメント
154 セグメント
160 第1のラミネーション
162 第2のラミネーション
164 第3のラミネーション
166 開口部
168 開口部
170 開口部
172 スロット
174 孔
176 孔
180 開口部
182 孔
184 孔
186 孔
190 端部
192 端部
194 底部
200 グループ
202 グループ
204 グループ
206 グループ
208 グループ