(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-27
(45)【発行日】2023-03-07
(54)【発明の名称】情報処理装置及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 20/08 20120101AFI20230228BHJP
【FI】
G06Q20/08
(21)【出願番号】P 2022053177
(22)【出願日】2022-03-29
【審査請求日】2022-05-27
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】藤埜 敏典
(72)【発明者】
【氏名】辻 恭平
【審査官】田上 隆一
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-039643(JP,A)
【文献】特開2007-122623(JP,A)
【文献】Pick up Topics (3),CardWave,日本,株式会社インフキュリオンコンサルティング,2021年06月25日,第34巻 第3号 ,p.46~47
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザを識別するためのユーザ識別情報と、前記ユーザが複数の決済それぞれに使用した複数の決済用デバイスそれぞれを識別するための複数のデバイス識別情報と、前記複数の決済それぞれに対応する複数の決済履歴とを関連付けた履歴情報を記憶する
とともに、前記ユーザ識別情報と、前記ユーザが決済に用いる決済手段において前記ユーザを識別するための識別情報とを関連付けて記憶する記憶部と、
店舗において使用される店舗端末であって、前記決済用デバイスが記憶している前記デバイス識別情報と前記ユーザ識別情報とを前記決済用デバイスから受信した前記店舗端末から、当該デバイス識別情報と、当該ユーザ識別情報と、前記店舗における決済に対応する決済金額とを含む決済要求を受信する決済要求受信部と、
受信した前記決済要求に含まれる前記ユーザ識別情報
に関連付けて前記記憶部に記憶されている前記決済手段において前記ユーザを識別するための識別情報と、前記決済金額とに基づいて、前記決済要求に対応する決済を行う決済処理部と、
受信した前記決済要求に対応する前記決済の決済履歴と、受信した前記決済要求に含まれる前記ユーザ識別情報及び前記デバイス識別情報とを関連付けて前記履歴情報として前記記憶部に記憶させる記憶制御部と、
を有する情報処理装置。
【請求項2】
前記決済要求受信部は、前記店舗端末から、前記店舗を識別するための店舗識別情報をさらに含む前記決済要求を受信し、
前記記憶制御部は、受信した前記決済要求に対応する前記決済の決済履歴と、受信した前記決済要求に含まれる前記ユーザ識別情報、前記店舗識別情報、及び前記デバイス識別情報とを関連付けて前記履歴情報として前記記憶部に記憶させる、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記ユーザの前記ユーザ識別情報と、前記ユーザが使用する前記決済用デバイスに対応する前記デバイス識別情報とを関連付けたペアリング情報を前記記憶部に記憶させる登録部をさらに有する、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記登録部は、前記ユーザが使用するユーザ端末から、前記ユーザ識別情報と、前記ユーザ端末とペアリングされた前記決済用デバイスに対応する前記デバイス識別情報とを受信し、受信した前記ユーザ識別情報と、前記デバイス識別情報とを関連付けた前記ペアリング情報を前記記憶部に記憶させる、
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記決済処理部は、受信した前記決済要求に含まれる前記ユーザ識別情報と前記デバイス識別情報とが関連付けられて前記ペアリング情報として前記記憶部に記憶されていることを条件として、前記決済要求に対応する決済を行う、
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記登録部は、前記決済用デバイスの前記デバイス識別情報と、前記決済用デバイスを使用した前記決済を許可するか否かを示す許否情報とを関連付けて記憶させ、
前記決済処理部は、受信した前記決済要求に含まれる前記デバイス識別情報に関連付けられている前記許否情報が前記決済を許可することを示している場合に、前記決済要求に対応する決済を行う、
請求項3から5のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記登録部は、前記ユーザが使用するユーザ端末から、前記ユーザ識別情報と、前記ユーザ端末とペアリングされた前記決済用デバイスに対応する前記デバイス識別情報と、前記許否情報とを受信し、受信した前記ユーザ識別情報と、前記デバイス識別情報と、前記許否情報とを関連付けた前記ペアリング情報を前記記憶部に記憶させる、
請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記登録部は、前記ユーザ識別情報と、前記ユーザが使用するユーザ端末とペアリングされた前記決済用デバイスに対応する前記デバイス識別情報と、前記決済用デバイスの製造者又は提供者を識別するための提供元識別情報とを関連付けた前記ペアリング情報を前記記憶部に記憶させる、
請求項3から7のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記登録部は、前記ユーザ端末から、前記ユーザ識別情報と、前記ユーザ端末とペアリングされた前記決済用デバイスに対応する前記デバイス識別情報と、前記決済用デバイスの製造者又は提供者を識別するための提供元識別情報とを受信し、受信した前記ユーザ識別情報と前記デバイス識別情報と前記提供元識別情報とを関連付けた前記ペアリング情報を前記記憶部に記憶させる、
請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記記憶部は、前記ユーザの前記ユーザ識別情報と、前記ユーザの属性を示す属性情報とを関連付けて記憶し、
前記記憶制御部は、受信した前記決済要求に対応する前記決済の決済履歴と、受信した前記決済要求に含まれる前記ユーザ識別情報及び前記デバイス識別情報と、前記ユーザ識別情報に関連付けられている前記属性情報とを関連付けて前記履歴情報として前記記憶部に記憶させる、
請求項8又は9に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記ペアリング情報において、前記履歴情報に含まれる前記デバイス識別情報に関連付けられている前記提供元識別情報を特定し、当該提供元識別情報に対応する前記決済用デバイスの製造者又は提供者に、当該履歴情報に含まれる少なくとも一部の情報を提供する提供部をさらに有する、
請求項8から10のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記記憶部は、前記ユーザの前記ユーザ識別情報と、前記ユーザの属性を示す属性情報とを関連付けて記憶し、
前記提供部は、前記履歴情報に含まれる前記デバイス識別情報に関連付けられている前記ユーザ識別情報に対応する前記属性情報を特定し、当該デバイス識別情報に関連付けられている前記提供元識別情報に対応する前記決済用デバイスの製造者又は提供者に、当該履歴情報に含まれる少なくとも一部の情報と、特定した前記属性情報とを提供する、
請求項11に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記記憶部は、前記決済用デバイスを用いた決済に対して付与される特典の付与条件と、当該特典の内容とを示す特典情報とを関連付けて記憶し、
前記決済要求に対応する前記決済が、当該決済要求に含まれている前記デバイス識別情報に対応する前記特典の付与条件を満たしていることを条件として、当該特典情報が示す特典を前記ユーザに付与する特典付与部をさらに有する、
請求項1から12のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項14】
前記特典付与部は、前記決済要求に対応する前記決済が、当該決済要求に含まれている前記デバイス識別情報に対応する前記特典の付与条件を満たしていることを条件として、当該デバイス識別情報に対応する前記決済用デバイスの製造者又は提供者により登録された前記特典情報に対応する特典を前記ユーザに付与する、
請求項13に記載の情報処理装置。
【請求項15】
前記特典付与部により前記ユーザに付与された前記特典に対応する金額を、当該特典に対応する前記特典情報に関連付けられている前記デバイス識別情報が示す前記決済用デバイスの製造者又は提供者に請求する請求部をさらに有する、
請求項14に記載の情報処理装置。
【請求項16】
前記ユーザが使用するユーザ端末から、前記ユーザ識別情報を含む前記決済履歴の閲覧要求を受信すると、前記履歴情報において、当該ユーザ識別情報に関連付けられている前記デバイス識別情報及び前記決済履歴を前記ユーザ端末に送信する履歴情報送信部をさらに有する、
請求項1から15のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項17】
前記履歴情報送信部は、前記ユーザ端末から、前記ユーザ識別情報と、前記デバイス識別情報とを含む前記決済履歴の閲覧要求を受信すると、前記履歴情報において、当該ユーザ識別情報及び当該デバイス識別情報に関連付けられている前記決済履歴を前記ユーザ端末に送信する、
請求項16に記載の情報処理装置。
【請求項18】
コンピュータが実行する、
店舗において使用される店舗端末であって、ユーザが決済に使用する決済用デバイスが記憶している前記決済用デバイスを識別するためのデバイス識別情報と前記ユーザを識別するためのユーザ識別情報とを前記決済用デバイスから受信した前記店舗端末から、当該デバイス識別情報と、当該ユーザ識別情報と、前記店舗における決済に対応する決済金額とを含む決済要求を受信するステップと、
前記コンピュータが有する前記ユーザ識別情報と、前記ユーザが決済に用いる決済手段において前記ユーザを識別するための識別情報とを関連付けて記憶する記憶部において、受信した前記決済要求に含まれる前記ユーザ識別情報
に関連付けて記憶されている前記決済手段において前記ユーザを識別するための識別情報と、前記決済金額とに基づいて、前記決済要求に対応する決済を行うステップと、
受信した前記決済要求に対応する前記決済の決済履歴と、受信した前記決済要求に含まれる前記ユーザ識別情報及び前記デバイス識別情報とを関連付けて履歴情報として記憶部に記憶させるステップと、
を有する情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、スマートフォンを用いて決済を行う方法の他に、他のデバイスを用いて決済を行う方法が提案されている。例えば、特許文献1には、指に装着するデバイスを用いて決済を行う方法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
決済に用いることが可能な複数のデバイスをユーザが保有している場合、これら複数のデバイスそれぞれを使用した決済がどのくらい行われているのかを把握できないという問題があった。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、複数のデバイスそれぞれに対応する決済履歴を把握できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様に係る情報処理装置は、ユーザを識別するためのユーザ識別情報と、前記ユーザが複数の決済それぞれに使用した複数の決済用デバイスそれぞれを識別するための複数のデバイス識別情報と、前記複数の決済それぞれに対応する複数の決済履歴とを関連付けた履歴情報を記憶する記憶部と、店舗において使用される店舗端末であって、前記決済用デバイスが記憶している前記デバイス識別情報と前記ユーザ識別情報とを前記決済用デバイスから受信した前記店舗端末から、当該デバイス識別情報と、当該ユーザ識別情報と、前記店舗における決済に対応する決済金額とを含む決済要求を受信する決済要求受信部と、受信した前記決済要求に含まれる前記ユーザ識別情報と、前記決済金額とに基づいて、前記決済要求に対応する決済を行う決済処理部と、受信した前記決済要求に対応する前記決済の決済履歴と、受信した前記決済要求に含まれる前記ユーザ識別情報及び前記デバイス識別情報とを関連付けて前記履歴情報として前記記憶部に記憶させる記憶制御部と、を有する。
【0007】
前記決済要求受信部は、前記店舗端末から、前記店舗を識別するための店舗識別情報をさらに含む前記決済要求を受信し、前記記憶制御部は、受信した前記決済要求に対応する前記決済の決済履歴と、受信した前記決済要求に含まれる前記ユーザ識別情報、前記店舗識別情報、及び前記デバイス識別情報とを関連付けて前記履歴情報として前記記憶部に記憶させてもよい。
【0008】
前記情報処理装置は、前記ユーザの前記ユーザ識別情報と、前記ユーザが使用する前記決済用デバイスに対応する前記デバイス識別情報とを関連付けたペアリング情報を前記記憶部に記憶させる登録部をさらに有してもよい。
【0009】
前記登録部は、前記ユーザが使用するユーザ端末から、前記ユーザ識別情報と、前記ユーザ端末とペアリングされた前記決済用デバイスに対応する前記デバイス識別情報とを受信し、受信した前記ユーザ識別情報と、前記デバイス識別情報とを関連付けた前記ペアリング情報を前記記憶部に記憶させてもよい。
【0010】
前記決済処理部は、受信した前記決済要求に含まれる前記ユーザ識別情報と前記デバイス識別情報とが関連付けられて前記ペアリング情報として前記記憶部に記憶されていることを条件として、前記決済要求に対応する決済を行ってもよい。
【0011】
前記登録部は、前記決済用デバイスの前記デバイス識別情報と、前記決済用デバイスを使用した前記決済を許可するか否かを示す許否情報とを関連付けて記憶させ、前記決済処理部は、受信した前記決済要求に含まれる前記デバイス識別情報に関連付けられている前記許否情報が前記決済を許可することを示している場合に、前記決済要求に対応する決済を行ってもよい。
【0012】
前記登録部は、前記ユーザが使用するユーザ端末から、前記ユーザ識別情報と、前記ユーザ端末とペアリングされた前記決済用デバイスに対応する前記デバイス識別情報と、前記許否情報とを受信し、受信した前記ユーザ識別情報と、前記デバイス識別情報と、前記許否情報とを関連付けた前記ペアリング情報を前記記憶部に記憶させてもよい。
【0013】
前記登録部は、前記ユーザ識別情報と、前記ユーザが使用するユーザ端末とペアリングされた前記決済用デバイスに対応する前記デバイス識別情報と、前記決済用デバイスの製造者又は提供者を識別するための提供元識別情報とを関連付けた前記ペアリング情報を前記記憶部に記憶させてもよい。
【0014】
前記登録部は、前記ユーザ端末から、前記ユーザ識別情報と、前記ユーザ端末とペアリングされた前記決済用デバイスに対応する前記デバイス識別情報と、前記決済用デバイスの製造者又は提供者を識別するための提供元識別情報とを受信し、受信した前記ユーザ識別情報と前記デバイス識別情報と前記提供元識別情報とを関連付けた前記ペアリング情報を前記記憶部に記憶させてもよい。
【0015】
前記記憶部は、前記ユーザの前記ユーザ識別情報と、前記ユーザの属性を示す属性情報とを関連付けて記憶し、前記記憶制御部は、受信した前記決済要求に対応する前記決済の決済履歴と、受信した前記決済要求に含まれる前記ユーザ識別情報及び前記デバイス識別情報と、前記ユーザ識別情報に関連付けられている前記属性情報とを関連付けて前記履歴情報として前記記憶部に記憶させてもよい。
【0016】
前記情報処理装置は、前記ペアリング情報において、前記履歴情報に含まれる前記デバイス識別情報に関連付けられている前記提供元識別情報を特定し、当該提供元識別情報に対応する前記決済用デバイスの製造者又は提供者に、当該履歴情報に含まれる少なくとも一部の情報を提供する提供部をさらに有してもよい。
【0017】
前記記憶部は、前記ユーザの前記ユーザ識別情報と、前記ユーザの属性を示す属性情報とを関連付けて記憶し、前記提供部は、前記履歴情報に含まれる前記デバイス識別情報に関連付けられている前記ユーザ識別情報に対応する前記属性情報を特定し、当該デバイス識別情報に関連付けられている前記提供元識別情報に対応する前記決済用デバイスの製造者又は提供者に、当該履歴情報に含まれる少なくとも一部の情報と、特定した前記属性情報とを提供してもよい。
【0018】
前記記憶部は、前記決済用デバイスを用いた決済に対して付与される特典の付与条件と、当該特典の内容とを示す特典情報とを関連付けて記憶し、前記情報処理装置は、前記決済要求に対応する前記決済が、当該決済要求に含まれている前記デバイス識別情報に対応する前記特典の付与条件を満たしていることを条件として、当該特典情報が示す特典を前記ユーザに付与する特典付与部をさらに有してもよい。
【0019】
前記特典付与部は、前記決済要求に対応する前記決済が、当該決済要求に含まれている前記デバイス識別情報に対応する前記特典の付与条件を満たしていることを条件として、当該デバイス識別情報に対応する前記決済用デバイスの製造者又は提供者により登録された前記特典情報に対応する特典を前記ユーザに付与してもよい。
【0020】
前記情報処理装置は、前記特典付与部により前記ユーザに付与された前記特典に対応する金額を、当該特典に対応する前記特典情報に関連付けられている前記デバイス識別情報が示す前記決済用デバイスの製造者又は提供者に請求する請求部をさらに有してもよい。
【0021】
前記情報処理装置は、前記ユーザが使用するユーザ端末から、前記ユーザ識別情報を含む前記決済履歴の閲覧要求を受信すると、前記履歴情報において、当該ユーザ識別情報に関連付けられている前記デバイス識別情報及び前記決済履歴を前記ユーザ端末に送信する履歴情報送信部をさらに有してもよい。
【0022】
前記履歴情報送信部は、前記ユーザ端末から、前記ユーザ識別情報と、前記デバイス識別情報とを含む前記決済履歴の閲覧要求を受信すると、前記履歴情報において、当該ユーザ識別情報及び当該デバイス識別情報に関連付けられている前記決済履歴を前記ユーザ端末に送信してもよい。
【0023】
本発明の第2の態様に係る情報処理方法は、コンピュータが実行する、店舗において使用される店舗端末であって、ユーザが決済に使用する決済用デバイスが記憶している前記決済用デバイスを識別するためのデバイス識別情報と前記ユーザを識別するためのユーザ識別情報とを前記決済用デバイスから受信した前記店舗端末から、当該デバイス識別情報と、当該ユーザ識別情報と、前記店舗における決済に対応する決済金額とを含む決済要求を受信するステップと、受信した前記決済要求に含まれる前記ユーザ識別情報と、前記決済金額とに基づいて、前記決済要求に対応する決済を行うステップと、受信した前記決済要求に対応する前記決済の決済履歴と、受信した前記決済要求に含まれる前記ユーザ識別情報及び前記デバイス識別情報とを関連付けて履歴情報として記憶部に記憶させるステップと、を有する。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、複数のデバイスそれぞれに対応する決済履歴を把握することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【発明を実施するための形態】
【0026】
[決済システムSの概要]
図1は、決済システムSの概要を示す図である。決済システムSは、ユーザが店舗において商品又はサービスを購入する場合に、ユーザが所持する決済用デバイス3を用いた決済が可能なシステムである。
【0027】
決済システムSは、情報処理装置としての決済処理装置1と、ユーザ端末2と、決済用デバイス3と、店舗端末4とを備える。決済処理装置1は、購入金額の決済を行うサーバである。ユーザ端末2は、ユーザが使用する情報端末であり、例えばスマートフォン、タブレット又はパーソナルコンピュータである。決済用デバイス3は、例えば、近距離無線通信を行う通信部及び記憶部を有するICチップであり、例えば、ユーザの爪に接着されたり、皮膚に埋め込まれたりする。店舗端末4は、例えばPOS端末、タブレット又はパーソナルコンピュータである。
【0028】
以下、
図1を参照しながら、決済が完了するまでの流れを説明する。なお、以下の説明において、商品又はサービスをまとめて商品という。まず、ユーザは、決済用デバイス3を用いた決済を可能とするために、ユーザ端末2から決済用デバイス3にユーザを識別するためのユーザIDを送信し、決済用デバイス3にユーザIDを記憶させる(
図1における(1))。ユーザIDは、例えば、決済処理装置1に係る決済サービスを提供する決済事業者がユーザに付与するIDである。また、決済用デバイス3には、決済用デバイス3を識別するためのデバイスIDが記憶されている。デバイスIDは、例えば、デバイスの提供者や製造者がデバイスを識別するためにデバイスに付与した品番や型番等のIDである。
【0029】
ユーザは、店舗において商品を購入する場合に、店舗端末4に決済用デバイス3を近づける。店舗端末4は、決済用デバイス3と近距離無線通信を行い、決済用デバイス3からユーザIDとデバイスIDとを取得する(
図1における(2))。店舗端末4は、取得したユーザID及びデバイスIDと、店舗を識別するための店舗IDと、決済金額とを含む決済要求を決済処理装置1に送信する(
図1における(3))。店舗IDは、例えば、決済事業者が店舗に付与するIDである。
【0030】
決済処理装置1は、決済要求を受信すると、受信した決済要求に含まれるユーザID、店舗ID及び決済金額に基づいて決済を行う(
図1における(4))。決済処理装置1は、決済が完了すると、当該決済の決済履歴と、受信した決済要求に含まれるユーザID及びデバイスIDとを関連付けて決済履歴情報として記憶する(
図1における(5))。このようにすることで、決済履歴を分析する分析者等は、複数のデバイスそれぞれに対応する決済履歴を把握することができる。
【0031】
[決済処理装置1の機能構成]
続いて、決済処理装置1の構成の詳細を説明する。
図2は、決済処理装置1の機能構成を示す図である。決済処理装置1は、通信部11と、記憶部12と、制御部13とを有する。
通信部11は、インターネット等のネットワークを介してユーザ端末2及び店舗端末4とデータを送受信するための通信インターフェースである。
【0032】
記憶部12は、各種のデータを記憶する記憶媒体であり、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、及びハードディスク等を有する。記憶部12は、制御部13が実行するプログラムを記憶する。記憶部12は、制御部13を、登録部131、決済要求受信部132、決済処理部133、記憶制御部134、特典付与部135、請求部136、履歴情報送信部137、及び提供部138として機能させる決済用プログラムを記憶する。
【0033】
また、記憶部12は、ユーザを識別するためのユーザIDと、ユーザが複数の決済それぞれに使用した複数の決済用デバイス3それぞれを識別するための複数のデバイスIDと、複数の決済それぞれに対応する複数の決済履歴とを関連付けた決済履歴情報を記憶する。
図3は、決済履歴情報の一例を示す図である。
図3に示すように、決済履歴情報は、決済IDと、決済が行われた店舗の店舗IDと、決済金額と、決済日時と、決済に対応する商品を購入したユーザのユーザIDと、ユーザの属性と、ユーザが決済に用いたデバイスIDとを関連付けた情報である。
【0034】
また、記憶部12は、ユーザが使用可能な決済用デバイス3を特定するためのペアリング情報を記憶する。
図4は、ペアリング情報の一例を示す図である。
図4に示すように、ペアリング情報は、ユーザのユーザIDと、当該ユーザが使用する決済用デバイス3のデバイスIDと、当該決済用デバイス3が決済に使用可能か否かを示す許否情報とを関連付けた情報である。許否情報には、1又は0が格納される。許否情報が1である場合、決済用デバイス3を使用した決済が許可されていることを示しており、許否情報が0である場合、決済用デバイス3を使用した決済が許可されていないことを示している。
【0035】
また、記憶部12は、決済用デバイス3を用いた決済に対して付与される特典の付与条件と、当該特典の内容とを示す特典情報とを関連付けた特典管理情報を記憶する。
図5は、特典管理情報の一例を示す図である。
図5に示すように、特典管理情報は、特典を識別するための特典IDと、決済に使用することにより当該特典が付与される決済用デバイス3のデバイスIDと、提供者IDと、当該特典の内容を示す特典情報と、特典の付与条件とを少なくとも関連付けた情報である。例えば、特典管理情報は、決済用デバイス3の製造者又は提供者により登録される。
【0036】
特典情報が示す特典は、例えば、店舗における決済に対応する決済金額に対する所定の割引額の割引、決済後におけるユーザへの所定の払戻額の払い戻し、又はユーザが店舗等で利用可能なポイント、景品の提供である。なお、特典管理情報において、特典IDにデバイスIDが関連付けられることとしたが、これに限らず、特典の付与条件に、特典を付与する対象となる決済用デバイスのデバイスIDが含まれていてもよい。
【0037】
また、記憶部12は、複数のユーザそれぞれのユーザIDと、ユーザの属性を示す属性情報とを少なくとも関連付けたユーザ情報を記憶する。
図6は、ユーザ情報の一例を示す図である。
図6に示すように、ユーザ情報は、ユーザのユーザIDと、当該ユーザの属性を示す属性情報とを少なくとも関連付けた情報である。ユーザの属性は、例えば、性別、年齢、居住地、職種等を示す情報である。
【0038】
また、記憶部12は、ユーザに対する特典の付与履歴を示す付与履歴情報を記憶する。
図7は、付与履歴情報の一例を示す図である。
図7に示すように、付与履歴情報は、特典が付与されたユーザのユーザIDと、特典を示す特典IDと、特典に対応する決済が行われた店舗を示す店舗IDと、特典に対応する決済の決済金額と、特典が付与された特典付与時刻とを関連付けた情報である。
【0039】
制御部13は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。制御部13は、記憶部12に記憶された決済用プログラムを実行することにより、登録部131、決済要求受信部132、決済処理部133、記憶制御部134、特典付与部135、請求部136、履歴情報送信部137、及び提供部138として機能する。
【0040】
登録部131は、ユーザのユーザIDと、当該ユーザが使用する決済用デバイス3に対応するデバイスIDとを関連付けたペアリング情報を記憶部12に記憶させる。登録部131は、ユーザ端末2から、ユーザが決済に使用する決済用デバイス3の登録を受け付けることにより、ペアリング情報を記憶部12に記憶させる。
【0041】
まず、ユーザは、決済用デバイス3を決済において使用できるようにするために、決済用デバイス3の初期設定を行う。具体的には、ユーザは、ユーザ端末2と、決済用デバイス3との間で近距離無線通信を行うことにより、ユーザが使用するユーザ端末2と、ユーザが使用する決済用デバイス3とのペアリングを行う。ユーザ端末2は、決済用デバイス3から、当該決済用デバイス3のデバイスIDを受信する。
【0042】
ユーザ端末2は、デバイスIDを受信すると、当該デバイスIDに対応する決済用デバイス3の製造者又は提供者を識別するための提供元IDを取得する。例えば、ユーザ端末2は、デバイスIDと、提供元IDとを関連付けて記憶する記憶装置(不図示)にアクセスし、受信したデバイスIDに関連付けられている提供元IDを取得する。そして、ユーザ端末2は、ユーザIDと、受信したデバイスIDと、取得した提供元IDとを関連付けて自身が有する記憶部に記憶させる。また、ユーザ端末2は、ユーザIDと、デバイスIDと、提供元IDとを含むデバイス登録要求を決済処理装置1に送信する。
【0043】
決済用デバイス3は、近距離無線通信によりユーザ端末2からユーザIDを受信し、受信したユーザIDを自身が有する記憶部に記憶させる。これにより、決済用デバイス3は、ユーザ端末2とのペアリングが行われ、決済時にユーザIDとデバイスIDとを店舗端末4に送信することが可能となる。
【0044】
登録部131は、ユーザが使用するユーザ端末2から、ユーザIDと、ユーザ端末2とペアリングされた決済用デバイス3に対応するデバイスIDと、提供元IDとを含むデバイス登録要求を受信する。登録部131は、デバイス登録要求を受信すると、デバイス登録要求に含まれているユーザID、デバイスID及び提供元IDと、許否情報とを関連付けてペアリング情報として記憶部12に記憶させる。ここで、許否情報の初期値は1である。これにより、デバイス登録要求に含まれるデバイスIDが示す決済用デバイス3を決済に使用することができるようになる。
【0045】
また、登録部131は、ユーザ端末2から、許否情報の変更を受け付ける。例えば、登録部131は、ユーザ端末2から、ユーザIDと、当該ユーザ端末2とペアリングされた決済用デバイス3に対応するデバイスIDと、許否情報とを含むペアリング情報変更要求を受信する。
【0046】
登録部131は、ペアリング情報変更要求を受信すると、受信したペアリング情報変更要求に含まれているユーザIDとデバイスIDとに関連付けられて記憶部12に記憶されているデバイスIDを、ペアリング情報変更要求に含まれている許否情報に更新する。これにより、登録部131は、受信したペアリング情報変更要求に含まれているユーザIDと、デバイスIDと、許否情報とを関連付けたペアリング情報を記憶部12に記憶させる。このようにすることで、ユーザは、自身が決済用デバイス3を使用しない場合等に、当該決済用デバイス3を用いた決済ができないようにし、当該決済用デバイス3が盗難された場合等において決済されないようにすることができる。
【0047】
なお、登録部131は、ユーザ端末2から、ユーザIDと、デバイスIDと、提供元IDとを含むデバイス登録要求を受信したが、これに限らない。登録部131は、提供元IDを含まずに、ユーザIDと、デバイスIDとを含むデバイス登録要求をユーザ端末2から受信してもよい。この場合、登録部131は、デバイスIDと、提供元IDとを関連付けて記憶する記憶装置にアクセスし、受信したデバイスIDに関連付けられている提供元IDを取得してもよい。そして、登録部131は、ユーザIDと、デバイスIDと、取得した提供元IDとを関連付けてペアリング情報として記憶部12に記憶させてもよい。また、記憶装置が、デバイスIDと、提供元IDとを関連付けて記憶することとしたが、これに限らず、決済処理装置1の記憶部12が、デバイスIDと、提供元IDとを関連付けて記憶してもよい。
【0048】
決済用デバイス3のペアリングが完了した後、ユーザが店舗において商品を購入する場合、ユーザは店舗端末4が有する近距離無線通信を行う読取部に、決済用デバイス3を近づける。決済用デバイス3は、近距離無線通信により、自身に記憶されているユーザIDと、デバイスIDとを店舗端末4に送信する。店舗端末4は、決済用デバイス3からユーザIDとデバイスIDとを受信すると、当該ユーザIDとデバイスIDと、店舗を識別するための店舗IDと、決済金額とを含む決済要求を決済処理装置1に送信する。
【0049】
決済要求受信部132は、店舗において使用される店舗端末4であって、決済用デバイス3が記憶しているデバイスIDとユーザIDとを決済用デバイス3から受信した店舗端末4から、当該デバイスIDと、当該ユーザIDと、当該店舗を識別するための店舗IDと、当該店舗における決済に対応する決済金額とを含む決済要求を受信する。なお、決済要求受信部132は、ユーザが購入した商品を識別するための商品IDを含む決済要求を受信してもよい。
【0050】
決済処理部133は、決済要求受信部132が受信した決済要求に含まれるユーザIDと、店舗IDと、決済金額とに基づいて、当該決済要求に対応する決済を行う。決済処理部133は、決済要求に含まれているユーザIDと、デバイスIDとが関連付けてペアリング情報として記憶部12に記憶されていることを条件として、当該決済要求に対応する決済を行うようにしてもよい。また、決済処理部133は、受信した決済要求に含まれるデバイスIDに関連付けられている許否情報が決済を許可することを示していることを条件として、決済要求に対応する決済を行うようにしてもよい。
【0051】
具体的にはまず、決済処理部133は、決済要求受信部132が決済要求を受信すると、当該決済要求に含まれているユーザIDと、デバイスIDとが関連付けてペアリング情報として記憶部12に記憶されているか否かを判定する。そして、決済処理部133は、決済要求に含まれているユーザIDと、デバイスIDとが関連付けてペアリング情報として記憶部12に記憶されていると判定すると、当該ユーザIDとデバイスIDとに関連付けられている許否情報を特定する。決済処理部133は、特定した許否情報が決済を許可することを示しているか否かをさらに判定する。決済処理部133は、許否情報が決済を許可することを示していると判定すると、決済要求に対応する決済を行う。
【0052】
決済処理部133は、受信した決済要求に含まれるユーザIDに対応するユーザの電子通貨の口座から決済金額を引き落とす支払処理を実行する。決済処理部133は、ユーザの電子通貨の口座から決済金額を引き落とす支払処理を実行したが、これに限らない。例えば、支払手段として、電子口座からの引き落としではなく、クレジットカードを用いた支払手段がユーザにより選択されている場合、クレジットカードに対応する支払処理を実行してもよい。
【0053】
この場合、記憶部12には、予めユーザIDと、ユーザのクレジットカードのカード番号とが関連付けて記憶されている。決済処理部133は、支払手段としてクレジットカードが選択されている場合、受信した決済要求に含まれているユーザIDに関連付けられているクレジットカードのカード番号を特定する。そして、決済処理部133は、支払処理として、クレジットカード会社に対して、特定したカード番号及び決済要求に含まれている決済金額を送信し、当該決済金額の支払いの事前承認申請(オーソリゼーション)を行うようにしてもよい。この場合、クレジットカード会社から、承認を受け付けたことを支払処理の完了としてもよい。
【0054】
また、決済処理部133は、決済要求に含まれている店舗IDで特定される店舗の口座に、受信した決済要求に含まれる決済金額に対応する店舗受取金額を入金する処理を実行する。例えば、決済処理部133は、決済金額から決済サービスに対応する決済手数料を差し引いた金額を店舗受取金額として算出し、決済要求に含まれている店舗IDで特定される店舗の口座に、算出した店舗受取金額を入金する処理を実行する。なお、決済処理部133は、所定時間(例えば1カ月)おきに、所定期間(例えば1カ月間)において算出された店舗受取金額を合計し、店舗受取金額の合計額を、店舗IDで特定される店舗の口座にまとめて入金するようにしてもよい。
【0055】
決済処理部133は、支払処理が完了すると、決済要求に対応する決済を識別するための決済IDを生成し、当該決済IDと、決済金額とを少なくとも含む決済完了情報を、決済要求に含まれているユーザIDに対応するユーザ端末2に送信する。このようにすることで、ユーザは、ユーザ端末2が受信した決済完了情報を確認して、決済用デバイス3による決済が完了したことを確認することができる。
【0056】
記憶制御部134は、受信した決済要求に対応する決済の決済履歴と、受信した決済要求に含まれるユーザID、店舗ID及びデバイスIDとを関連付けて決済履歴情報として記憶部12に記憶させる。記憶制御部134は、受信した決済要求に対応する決済の決済履歴と、受信した決済要求に含まれるユーザID及びデバイスIDと、当該ユーザIDに関連付けられているユーザの属性情報とを関連付けて決済履歴情報として記憶部12に記憶させる。
【0057】
具体的には、記憶制御部134は、記憶部12に記憶されているユーザ情報を参照し、受信した決済要求に含まれるユーザIDに関連付けられているユーザの属性を特定する。記憶制御部134は、決済処理部133が生成した決済IDと、決済金額と、決済が行われた日時とを含む決済履歴と、受信した決済要求に含まれる店舗ID、ユーザID及びデバイスIDと、特定したユーザの属性とを関連付けて記憶部12に決済履歴情報として記憶させる。なお、決済要求に商品IDが含まれている場合、記憶制御部134は、当該商品IDを決済履歴情報に含めるようにしてもよい。
【0058】
特典付与部135は、決済要求受信部132が受信した決済要求に対応する決済が、当該決済要求に含まれているデバイスIDに関連付けられている特典の付与条件を満たしていることを条件として、当該デバイスIDに関連付けられている特典情報が示す特典をユーザに付与する。具体的には、特典付与部135は、決済要求受信部132が受信した決済要求に対応して決済処理部133が決済を行うと、記憶部12に記憶されている特典管理情報を参照し、当該決済要求に含まれているデバイスIDに関連付けられている特典情報及び特典の付与条件を特定する。特典付与部135は、決済要求に対応する決済が特典の付与条件を満たしている場合に、特定した特典情報が示す特典をユーザに付与する。
【0059】
ここで、特典が決済金額からの割引である場合、特典付与部135は、決済処理部133による決済処理が実行される前に、受信した決済情報に含まれる決済金額に対し、割引金額を減算するようにしてもよい。この場合、決済処理部133は、特典付与部135により割引が適用された後の決済金額に基づいて支払処理を行ってもよい。
【0060】
また、特典付与部135は、ユーザに特典を付与すると、特典の付与履歴を示す付与履歴情報を記憶部12に記憶させる。具体的には、特典付与部135は、決済処理部133により決済された金額、すなわち、決済に対応するユーザの電子口座から差し引かれた金額と、決済要求に含まれる店舗ID及びユーザIDと、当該ユーザIDが示すユーザに付与された特典の特典IDと、特典が付与された時刻である特典付与時刻とを関連付けて付与履歴情報として記憶部12に記憶させる。
【0061】
請求部136は、特典付与部135によりユーザに付与された特典に対応する金額を、当該特典に対応する特典情報に関連付けられているデバイスIDが示す決済用デバイス3の製造者又は提供者に請求する。
【0062】
例えば、記憶部12は、特典の特典IDと、当該特典IDが示す特典に対応する金額と、特典に対応する金額の請求先を示す請求先情報とを関連付けた特典別請求先情報を記憶する。請求部136は、特典付与部135により特典が付与されたことに応じて、記憶部12に記憶されている特典管理情報及び特典別請求先情報を参照し、当該特典に対応する金額と、請求先とを特定する。
【0063】
そして、請求部136は、特定した請求先である決済用デバイス3の製造者又は提供者に対し、特定した金額を請求する。なお、請求部136は、特典付与部135により特典が付与されたことに応じて特典に対応する金額を請求したがこれに限らない。請求部136は、所定時間おきに記憶部12に記憶されている付与履歴情報を参照し、複数の特典それぞれに対応する金額の合計額と、請求先とを特定してもよい。そして、請求部136は、特定した請求先に対し、特定した金額の合計額を請求してもよい。
【0064】
履歴情報送信部137は、ユーザのユーザ端末2から、当該ユーザのユーザIDを含む決済履歴の閲覧要求を受信すると、記憶部12に記憶されている決済履歴情報において、当該ユーザIDに関連付けられているデバイスIDと決済履歴とをユーザ端末2に送信する。
【0065】
ここで、履歴情報送信部137は、ユーザ端末2から、当該ユーザのユーザIDと、ユーザIDに関連付けられている一以上のデバイスIDのうち、ユーザが選択したデバイスIDとを含む決済履歴の閲覧要求を受信してもよい。この場合、履歴情報送信部137は、記憶部12に記憶されている決済履歴情報において、受信した閲覧要求に含まれているユーザID及びデバイスIDに関連付けられている決済履歴を特定する。そして、履歴情報送信部137は、特定した決済履歴をユーザ端末2に送信する。このようにすることで、ユーザは、自身が使用する一以上の決済用デバイス3それぞれの決済履歴を確認することができる。
【0066】
提供部138は、記憶部12に記憶されている決済履歴情報に含まれるデバイスIDが示す決済用デバイス3の製造者又は提供者に、決済履歴情報に含まれる少なくとも一部の情報を提供する。具体的には、提供部138は、記憶部12に記憶されているペアリング情報及び決済履歴情報を参照し、決済履歴情報に含まれるデバイスIDに関連付けられている提供者IDと、デバイスIDに関連付けられているユーザIDに対応するユーザの属性情報とを特定する。提供者IDは、製造者又は提供者を識別するための提供元識別情報である。
【0067】
また、提供者IDと、決済用デバイス3の製造者又は提供者の連絡先を示す連絡先情報とを関連付けて記憶部12に記憶させておき、提供部138は、特定した提供者IDに関連付けられている連絡先情報を特定する。提供部138は、当該提供者IDに対応する決済用デバイス3の製造者又は提供者に、当該デバイスIDに関連付けられている決済履歴情報に含まれる少なくとも一部の情報を提供する。例えば、提供部138は、決済履歴情報に含まれる決済金額、決済日時、店舗ID、ユーザの属性情報を提供する。
【0068】
なお、提供部138は、決済履歴情報に含まれる決済金額、決済日時、店舗ID、ユーザの属性情報を提供することとしたが、これに限らない。提供部138は、複数の決済履歴情報に基づく、決済金額の平均値や、ユーザの属性情報のうちの最も多い属性を示す情報を提供してもよい。また、決済履歴情報に、商品の商品IDが含まれる場合、提供部138は、決済用デバイス3を使用した決済において購入された商品の商品ID、最も多く購入された商品の商品ID、又は最も多く購入された商品の属性が提供されてもよい。このようにすることで、決済用デバイス3の製造者又は提供者は、決済用デバイス3を利用した決済の分析、及び決済用デバイス3の利用者の分析を行うことができる。
【0069】
[動作シーケンス]
図8は、決済システムSの動作シーケンス図である。なお、
図8に示すシーケンス図に示す決済用デバイス3は、ユーザ端末2とペアリングが完了しているものとする。
まず、ユーザが店舗において商品等を店員に提示する。店舗端末4は、店員が入力した商品の商品ID又は商品に付されたバーコードから読み取った商品IDに基づいて商品の価格を特定し、決済金額を算出する(S1)。店舗端末4は、自身に設けられた近距離無線通信を行う読取部により、ユーザID及びデバイスIDの受信を受け付ける。
【0070】
決済用デバイス3と店舗端末4とが近距離無線通信を行い、決済用デバイス3が自身に記憶されているユーザID及びデバイスIDを読取装置に送信する(S2)。店舗端末4は、決済用デバイス3からユーザID及びデバイスIDを受信すると、店舗IDと、S1において算出された決済金額と、決済用デバイス3から受信したユーザID及びデバイスIDとを含む決済要求を決済処理装置1に送信する(S3)。
【0071】
決済処理装置1の決済要求受信部132は、店舗端末4から、店舗ID、決済金額、ユーザID、及びデバイスIDを含む決済要求を受信する。決済処理部133は、決済要求受信部132が受信した決済要求に含まれるユーザIDと、店舗IDと、決済金額とに基づいて、当該決済要求に対応する決済処理を行う(S4)。
【0072】
続いて、記憶制御部134は、受信した決済要求に対応する決済の決済履歴と、受信した決済要求に含まれるユーザID、店舗ID及びデバイスIDとを関連付けて決済履歴情報として記憶部12に記憶させる(S5)。
【0073】
続いて、特典付与部135は、決済要求受信部132が受信した決済要求に対応する決済が、当該決済要求に含まれているデバイスIDに関連付けられている特典の付与条件を満たしていることを条件として、当該特典をユーザに適用する(S6)。
【0074】
続いて、決済処理部133は、ユーザ端末2に決済完了情報を送信する(S7)。決済処理部133は、ユーザに特典が付与された場合に、特典が付与されたことを示す情報を含む決済完了情報をユーザ端末2に送信する。
【0075】
その後、請求部136は、記憶部12に記憶されている付与履歴情報を参照し、複数の特典それぞれに対応する金額と、請求先とを特定する(S8)。そして、請求部136は、特定した請求先に対して特定した金額を請求する請求処理を実行する(S9)。
【0076】
続いて、提供部138は、記憶部12に記憶されている決済履歴情報に含まれるデバイスIDが示す決済用デバイス3の製造者又は提供者に、決済履歴情報に含まれる少なくとも一部の情報を提供する(S10)。
【0077】
[変形例1]
なお、上述の実施形態では、決済処理部133は、決済要求に含まれるユーザIDとデバイスIDとが関連付けられてペアリング情報として記憶部12に記憶されていることを条件として、決済要求に対応する決済を行うこととしたが、これに限らない。決済処理部133は、決済要求に含まれるユーザIDとデバイスIDとが関連付けられてペアリング情報として記憶部12に記憶されていない場合、決済要求に含まれるユーザIDに対応するユーザ端末2に、決済を行うか否かの確認画面を表示させ、決済を行う指示を受け付けたことに応じて、決済を行うようにしてもよい。この場合、登録部131は、決済を行う指示を受け付けたことに応じて、決済要求に含まれるユーザIDとデバイスIDとを関連付けてペアリング情報として記憶部12に記憶させるようにしてもよい。
【0078】
[変形例2]
また、上述の実施形態では、決済用デバイス3とユーザ端末2とが異なるものとして説明したが、これに限らない。例えば、ユーザ端末2は、決済用デバイス3として動作してもよい。この場合、ユーザ端末2は、自身を識別するためのデバイスIDと、ユーザのユーザIDとを記憶する。そして、ユーザがユーザ端末2を用いて決済を行う場合に、ユーザ端末2は、店舗端末4に、ユーザIDと、自身を識別するためのデバイスIDとを送信する。このようにすることで、決済処理装置1は、ユーザ端末2による決済と、決済用デバイス3による決済とのそれぞれに対応する決済履歴情報を記憶部12に記憶させることができる。
【0079】
[決済システムSによる効果]
以上説明したように、本実施形態に係る決済処理装置1は、決済用デバイス3が記憶しているデバイスIDとユーザIDとを決済用デバイス3から受信した店舗端末4から、当該デバイスIDと、当該ユーザIDと、店舗における決済に対応する決済金額とを含む決済要求を受信し、当該ユーザ識別情報と決済金額とに基づいて、決済要求に対応する決済を行う。そして、決済処理装置1は、受信した決済要求に対応する決済の決済履歴と、受信した決済要求に含まれるユーザID及びデバイスIDとを関連付けて決済履歴情報として記憶部12に記憶させる。このようにすることで、決済履歴を分析する分析者等は、複数のデバイスそれぞれに対応する決済履歴を把握することができる。
【0080】
なお、本発明により、国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)の目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」に貢献することが可能となる。
【0081】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【符号の説明】
【0082】
1 決済処理装置
2 ユーザ端末
3 決済用デバイス
4 店舗端末
11 通信部
12 記憶部
13 制御部
131 登録部
132 決済要求受信部
133 決済処理部
134 記憶制御部
135 特典付与部
136 請求部
137 履歴情報送信部
138 提供部
S 決済システム
【要約】 (修正有)
【課題】複数のデバイスそれぞれに対応する決済履歴を把握する情報処理装置及び情報処理方法を提供する。
【解決手段】決済処理装置1は、ユーザIDと、ユーザが複数の決済夫々に使用した複数の決済用デバイス夫々の複数のデバイスIDと、複数の決済夫々に対応する複数の決済履歴とを関連付けた履歴情報を記憶する記憶部12と、デバイスIDとユーザIDとを決済用デバイスから受信した店舗端末から、当該デバイスIDと、当該ユーザIDと、店舗における決済に対応する決済金額とを含む決済要求を受信する決済要求受信部132と、受信した決済要求に含まれるユーザIDと決済金額とに基づいて、決済要求に対応する決済を行う決済処理部133と、受信した前記決済要求に対応する決済の決済履歴と、受信した決済要求に含まれるユーザID及びデバイスIDとを関連付けて履歴情報として記憶部に記憶させる記憶制御部134と、を有する。
【選択図】
図2