IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社エクスプロアの特許一覧

<>
  • 特許-イベント企画生成システム 図1
  • 特許-イベント企画生成システム 図2
  • 特許-イベント企画生成システム 図3
  • 特許-イベント企画生成システム 図4
  • 特許-イベント企画生成システム 図5
  • 特許-イベント企画生成システム 図6
  • 特許-イベント企画生成システム 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-28
(45)【発行日】2023-03-08
(54)【発明の名称】イベント企画生成システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20230301BHJP
   G06N 3/02 20060101ALI20230301BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06N3/02
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2021078156
(22)【出願日】2021-04-30
(65)【公開番号】P2022171482
(43)【公開日】2022-11-11
【審査請求日】2021-07-19
(73)【特許権者】
【識別番号】510203809
【氏名又は名称】株式会社エクスプロア
(74)【代理人】
【識別番号】100110559
【弁理士】
【氏名又は名称】友野 英三
(72)【発明者】
【氏名】羽澤 学
【審査官】宮地 匡人
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-028792(JP,A)
【文献】井上 亮平,バーチャルアイドル(キャラクター)コンテンツにおいて有効な戦略と今後の展望について,高知工科大学2013年度卒業論文,2014年,https://www.kochi-tech.ac.jp/library/ron/pdf/2013/03/14/a1140404.pdf
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G06N 3/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部の単数あるいは複数のユーザ端末と通信可能な通信部と、
仮想キャラクタの性格モデルを形成し、かつ過去に開催されたイベントの評価を学習してその結果を保存することのできる仮想キャラクタ装置と
を備えるイベント企画作成システムであって、
前記仮想キャラクタ装置は、
イベント状況収集部と、
前処理部と、
仮想キャラクタの性格モデルを形成する、もしくは該仮想キャラクタの特性を表現する、ための情報を規定する少なくとも1つの性格表現部と、
前記仮想キャラクタを評価する、もしくは行ったイベントと評価との関係を表現する、ための情報を規定する少なくとも1つの評価部と、
前記評価部による総合的評価を提示する出力部と、
新規企画を出力するための企画トリガーとしての乱数を生成する乱数生成部と、
前記性格表現部及び前記評価部に対してコメント及び/もしくは各種評価項目に係る情報を入力値として、開催されたイベントについての評価を学習することに加え、新規イベントの生成時には各種評価項目に対して前記乱数生成部による乱数を与えて出力されるイベント総合評価値の中から選択されるイベント総合評価値に係る乱数のセットをイベント企画のベクトル表現とし、前記ベクトル表現からイベントの内容をデコードすることにより、新規イベントを生成する手段と
を備えることを特徴とするイベント企画作成システム。
【請求項2】
前記仮想キャラクタ装置は、前記性格表現部及び前記評価部の評価出力値を調整できる評価値調整部をさらに備えることを特徴とする請求項1記載のイベント企画作成システム。
【請求項3】
前記イベント状況収集部は、
前記仮想キャラクタに係る様々な入力値を検出する仮想センサと、
センサからの信号を画像情報及び/もしくは音声情報を含む特性情報と、抽出すべき情報の特性に合致した信号情報とを出力する信号処理部と
を少なくとも備えることを特徴とする請求項1記載のイベント企画作成システム。
【請求項4】
前記性格表現部及び前記評価部においてDeep Learningを含む機械学習技術が行われることを特徴とする請求項1記載のイベント企画作成システム。
【請求項5】
前記仮想キャラクタの性格を表現する手段として、5因子モデルを用い、
前記前処理部が前記仮想キャラクタに係る入力値を検出するセンサを少なくとも備え、
前記前処理部及び前記性格表現部において、ユーザからの入力情報およびセンサからの入力情報を複数の因子と対応付けて性格を変化させることを特徴とする請求項1記載のイベント企画作成システム。
【請求項6】
前記複数の因子として、神経症傾向と、外向性と、開放性と、調和性と、統制性との5因子とすることを特徴とする請求項5記載のイベント企画作成システム。
【請求項7】
前記性格表現部において、生得的性格付けを初期設定可能であることを特徴とする請求項1記載のイベント企画作成システム。
【請求項8】
前記性格表現部において、ユーザからの入力情報および前記センサからの入力情報により前記学習を行い、前記仮想キャラクタの性格を変更可能であることを特徴とする請求項記載のイベント企画作成システム。
【請求項9】
前記イベントの評価を担うものとして、全体評価部、楽曲評価部、ダンス評価部、衣裳評価部のうちの少なくとも1つを有し、さらにこれら以外の評価部を追加することが可能であることを特徴とする請求項1記載のイベント企画作成システム。
【請求項10】
前記出力部に対して、運営者からの指示によって企画が生成されることを特徴とする請求項1記載のイベント企画作成システム。
【請求項11】
前記性格表現部、前記全体評価部、前記楽曲評価部、前記ダンス評価部、前記衣裳評価部の出力値を調整する評価調整部を有することを特徴とする請求項9記載のイベント企画作成システム。
【請求項12】
前記性格表現部、前記全体評価部、前記楽曲評価部、前記ダンス評価部、前記衣裳評価部の出力値を外部から調整可能である評価調整部を有することを特徴とする請求項9記載のイベント企画作成システム。
【請求項13】
前記乱数生成部において、乱数の性質の設定に運営者の意図が反映されることが可能であることを特徴とする請求項1記載のイベント企画作成システム。
【請求項14】
前記乱数生成部において、乱数で生成された企画を前記学習済の前記機械学習の中で評価させることを特徴とする請求項4記載のイベント企画作成システム。
【請求項15】
前記乱数生成部において、乱数で生成された企画を前記学習済の機械学習の中で評価させた結果を表示させ、外部から生成企画の採否を選択できることを特徴とする請求項14記載のイベント企画作成システム。
【請求項16】
前記乱数生成部において、乱数によって生成されたイベント企画に係る評価が閾値以上か否かに応じて表示もしくは非表示が選択されることが可能であることを特徴とする請求項1記載のイベント企画作成システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はたとえばイベント企画生成システムに係り、特に仮想キャラクタによるイベントおよびそれに伴う商品を企画するイベント企画生成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
一種の仮想キャラクタであるバーチャルアイドルがコンサートなどのイベントを行ったり、バーチャルアイドルに関連する商品を売り出したりする場合、その企画はバーチャルアイドルが発想したものではなく、運営者が発想・企画したものである。
【0003】
上記のように、バーチャルアイドルは仮想の疑似人格を有していることにはなっているが、各種のイベントを経験することにより、自らその経験やデータを基に性格や疑似人格を発展させていくわけではない。
【0004】
また、運営者が発想した企画は、バーチャルアイドルの過去のイベントの反響やファンの要望を考慮して運営者が作成するものであり、どうしても運営者の好みや傾向が混在してしまい、バーチャルアイドルの過去の経験やファンの要望を正しく反映したものとはずれが生じる場合が多い。
【0005】
特許文献1では、コミニュケーションシステムにおいて、仮想キャラクタに略等しい疑似人格を想定し、問い合わせをしてきたユーザに、そのユーザに対応した特定の疑似人格を表現した文体にて応答するシステム発明を開示している。ユーザにとっては、あたかも疑似人格が考えてユーザに話しかけているようではあるが、実際にはユーザからの問い合わせに含まれるキーワードから、あらかじめ決められたユーザ辞書中の言葉を選択して応答するようプログラミングされているだけである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2004-54781号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述のように、これまでのバーチャルアイドルがコンサートなどのイベントを行ったり、バーチャルアイドルに関連する商品が売り出されることに関連する技術では、バーチャルアイドルの名を借りて運営者が企画をするというところに本質が存在し、この殻を破るものではなかった。本願は、こうした点に鑑みて、バーチャルアイドルの名を借りて運営者が企画をするのではなく、バーチャルアイドルが自らの性格や嗜好を発展させ、それに基づいてイベント企画や商品企画を出力する、仮想キャラクタによるイベント企画生成システムを提供することを課題とする。
【0008】
また、仮想キャラクタに関係するファンやユーザからの感想、要望等を収集するための方策を提供することも本願の別の課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は、種々考察を重ねた結果、ディープラーニングを含む人工ニューラルネットワーク(Artificial Neural Network,ANN)によって疑似人格が表現されたバーチャルアイドルが、収集された各種データを学習するような仕組みにすれば、上述のような、バーチャルアイドルの名を借りながらその実、運営者が企画をするという点を脱却できるのではないか、との点に思い至った。そして、仮想キャラクタの性格モデルを形成し、かつ過去に開催されたイベントの評価を学習してその結果を保存することのできる仮想キャラクタ装置と、前記仮想キャラクタ装置と交信を行うことができることで、脱却できることとなるとの着想を得た。そこで、上記のような各課題を解決するために、本発明の第1の態様に係るイベント企画生成システムは、外部の単数あるいは複数のユーザ端末と通信可能な通信部と、仮想キャラクタの性格モデルを形成し、かつ過去に開催されたイベントの評価を学習してその結果を保存することのできる仮想キャラクタ装置とを備えて構成される。
【0010】
本発明の第2の態様として、上記第1の態様において、前記仮想キャラクタ装置は、イベント状況収集部と、前処理部と、仮想キャラクタの性格モデルを形成する、もしくは該仮想キャラクタの特性を表現する、ための情報を規定する少なくとも1つの性格表現部と、前記仮想キャラクタを評価する、もしくは行ったイベントと評価との関係を表現する、ための情報を規定する少なくとも1つの評価部と、前記評価部による総合的評価を提示する出力部と、新規企画を出力するための企画トリガーとしての乱数を生成する乱数生成部と、前記性格表現部及び前記評価部に対してコメント及び/もしくは各種評価項目に係る情報を入力値として、開催されたイベントについての評価を学習することに加え、新規イベントの生成時には各種評価項目に対して前記乱数生成部による乱数を与えて出力されるイベント総合評価値の中から選択されるイベント総合評価値に係る乱数のセットをイベント企画のベクトル表現とし、前記ベクトル表現からイベントの内容をデコードすることにより、新規イベントを生成する手段とを備えることとしてもよい。
【0011】
上記ユーザ端末は、インターネットのようなSNSを介して仮想キャラクタ装置と交信し、ユーザの感想や要望を仮想キャラクタ装置に伝える。また、ユーザ端末は、ユーザのプライバシーを保つため暗号化電子キーによって特定ユーザによってのみ使用ができる。
【0012】
本発明の第3の態様として、上記第2の態様において、前記仮想キャラクタ装置は、前記性格表現部及び前記評価部の評価出力値を調整できる評価値調整部をさらに備えるものとしてもよい。
【0013】
本発明の第4の態様として、上記第1~第3の態様のうちのいずれかの態様において、前記ユーザ端末は、メモリ部と、入出力部とを備え、コンピュータと交信することができるものとしてもよい。
【0014】
本発明の第5の態様として、上記第4の態様において、前記ユーザ端末は、表示部と、無線送受信部とをさらに備えるものとしてもよい。
【0015】
本発明の第6の態様として、上記第2の態様において、前記イベント状況収集部は、前記仮想キャラクタに係る様々な入力値を検出する仮想センサと、センサからの信号を画像情報及び/もしくは音声情報を含む特性情報と、抽出すべき情報の特性に合致した信号情報とを出力する信号処理部とを少なくとも備えるものとしてもよい。
【0016】
本発明の第7の態様として、上記第2の態様において、前記性格表現部及び前記評価部においてDeep Learningを含む機械学習技術が行われるものとしてもよい。
【0017】
本発明の第8の態様として、上記第2の態様において、前記仮想キャラクタの性格を表現する手段として、5因子モデルを用い、前記前処理部が前記仮想キャラクタに係る入力値を検出するセンサを少なくとも備え、前記前処理部及び前記性格表現部において、ユーザからの入力情報およびセンサからの入力情報を複数の因子と対応付けて性格を変化させるようにしてもよい。
【0018】
本発明の第9の態様として、上記第8の態様において、前記複数の因子として、神経症傾向と、外向性と、開放性と、調和性と、統制性との5因子とするようにしてもよい。
【0019】
本発明の第10の態様として、上記第2の態様において、前記性格表現部において、生得的性格付けを初期設定可能であるとしてもよい。
【0020】
本発明の第11の態様として、上記第2の態様において、前記性格表現部において、ユーザからの入力情報および前記センサからの入力情報により前記学習を行い、前記仮想キャラクタの性格を変更可能であるとしてもよい。
【0021】
本発明の第12の態様として、上記第2の態様において、前記イベントの評価を担うものとして、全体評価部、楽曲評価部、ダンス評価部、衣裳評価部のうちの少なくとも1つを有し、さらにこれら以外の評価部を追加することが可能であるとしてもよい。
【0022】
本発明の第13の態様として、上記第2の態様において、前記出力部に対して、運営者からの指示によって企画が生成されるものとしてもよい。
【0023】
本発明の第14の態様として、上記第12の態様において、前記性格表現部、前記全体評価部、前記楽曲評価部、前記ダンス評価部、前記衣裳評価部の出力値を調整する評価調整部を有するとしてもよい。
【0024】
本発明の第15の態様として、上記第12の態様において、前記性格表現部、前記全体評価部、前記楽曲評価部、前記ダンス評価部、前記衣裳評価部の出力値を外部から調整可能である評価調整部を有するとしてもよい。
【0025】
本発明の第16の態様として、上記第2の態様において、前記乱数生成部において、乱数の性質の設定に運営者の意図が反映されることが可能であるとしてもよい。
【0026】
本発明の第17の態様として、上記第7の態様において、前記乱数生成部において、乱数で生成された企画を前記学習済の前記機械学習の中で評価させるとしてもよい。
【0027】
本発明の第18の態様として、上記第17の態様において、前記乱数生成部において、乱数で生成された企画を前記学習済の機械学習の中で評価させた結果を表示させ、外部から生成企画の採否を選択できるとしてもよい。
【0028】
本発明の第19の態様として、上記第2の態様において、前記乱数生成部において、乱数によって生成されたイベント企画に係る評価が閾値以上か否かに応じて表示もしくは非表示が選択されることが可能であるとしてもよい。
【0029】
上記のいずれかの態様において、ユーザ端末の一つの態様としては、ユーザがポケットに入れて簡単に持ち運べるよう小型化したものがあり、この態様によれば、ユーザの移動先のパーソナルコンピュータ(以下、「PC」と略記することもある。)の汎用接続端子に接続し、PCのキーボードの様な入力部によりユーザの感想や要望を、SNSを介して仮想キャラクタ装置に伝えることができる。
【0030】
また、上記において、ユーザ端末の別の態様としては、携帯電話程度に大型化し、小型の表示器と簡単なキーボードあるいは画面表示のタッチキーとSNS接続用無線送受信装置とを有するものがあり、この態様によれば、PCを使用せずユーザがどこでも仮想キャラクタ―にアクセスできるものである。
【発明の効果】
【0031】
本発明の実施態様に係る企画作成システムによれば、従来行われていたバーチャルアイドルの企画の様に企画会社の運営者が企画するものではなく、仮想キャラクタに集まる各種の情報を学習することにより、ANN等を用いたAIによって新規企画が生成される。
【0032】
また、従来の運営者が介在した企画では特定人が介在せざるを得なかったことに起因する運営者の思い込みや勘違いを、上記構成を備える本願の各態様によれば排除でき、運営者が気付かなかったアイデアであってもこれを盛り込むこともできる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】本発明の一実施形態に係る企画を生成可能な仮想キャラクタ装置の機能構成図である。
図2】本発明の一実施形態に係る仮想キャラクタ装置の性格表現部の処理機能を示すための概念的機能ブロック図である。
図3】本発明の一実施形態に係る仮想キャラクタ装置の処理機能を示すための概念的機能ブロック図である。
図4】本発明の一実施形態に係る仮想キャラクタ装置の楽曲評価部の処理機能を示すための概念的機能ブロック図である。
図5】本発明の一実施形態に係る仮想キャラクタ装置のダンス評価部の処理機能を示すための概念的機能ブロック図である。
図6】本発明の一実施形態に係る仮想キャラクタ装置の衣裳評価部の処理機能を示すための概念的機能ブロック図である。
図7】本発明の一実施形態に係る仮想キャラクタ装置のイベント提案のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態に係る仮想キャラクタによる企画生成システムを説明する。
【0035】
図1は、本発明の一実施形態に係る仮想キャラクタによるイベント企画生成システムの機能構成図である。図1に示すように、本実施形態に係る仮想キャラクタによるイベント企画生成システム25は、3~24の番号を付した各部を備えて構成される仮想キャラクタ装置Aと、SNS2のようなインターネットを介して仮想キャラクタ装置Aと交信を行うことができるユーザ端末1とを備えて構成され、これらが主に、仮想空間上で催されるイベント(図示しない)を対象として動作・機能する。
【0036】
仮想キャラクタ装置Aは、イベント状況収集部3、通信部4と前処理部5、SNS等を介したコメント・イベントの状況情報提示部6、全体評価項目・イベントの状況情報提示部7、楽曲評価項目・イベントの状況情報提示部8、ダンス評価項目・イベントの状況情報提示部9、衣裳評価項目・イベントの状況情報提示部10、性格表現部11、全体評価部12、楽曲評価部13、ダンス評価部14、衣装評価部15、各評価値調整部16~20、統合部21、出力処理部22、企画トリガー部23、および乱数生成部24を有して構成される。
【0037】
ユーザ端末1は、持ち歩き(型)アイドルとも称するもので、たとえばUSBメモリースティックのような小型形状をした情報媒体として実現することができるものであり、大容量メモリ回路及び入出力回路を主体(図示省略)に内蔵している。ユーザ端末1は、SNS2に接続可能な汎用PCに接続されることで、ユーザ(利用者)がSNS2を介して仮想キャラクタ装置Aと交信したり、仮想キャラクタに対するユーザの感想や要望を伝えたりすることができる。或いは、別途またユーザ端末1が内蔵する大容量メモリ回路には、仮想キャラクタに対するユーザの感想や要望を記録できると共にユーザの行動も記録することができる。なお、同図では、携帯端末/PCに対して「1」と付番しているが、本実施形態においては、「1」に該当するものが、情報媒体としてのユーザ端末である(この場合には、ユーザ端末1が汎用PCに接続されることで一定の機能を果たす)態様であっても、情報媒体と汎用PCとが組み合わされもしくは一体化されたものに対して「1」が付番される態様であってもよい。
【0038】
仮想キャラクタ装置Aを構成する上記3~24の番号を付した各部は、ハードウェア的には、たとえばCPU及びメモリをその主要構成部として有する通常のパーソナルコンピュータ、サーバー、或いはこれに相当するものによって実現される。
【0039】
仮想キャラクタ装置Aの動作モードは、大別して、学習モードとイベント生成モードとに分かれる。まず学習モードにおける仮想キャラクタ装置Aの機能及び動作を示す。
【0040】
学習モードに係る、性格表現部11、全体評価部12、楽曲評価部13、ダンス評価部14、衣装評価部15は、例えばDeep Learning(DL)で実装される学習が可能な機能ブロック部分であり、下記に詳述するとおり、学習の結果として仮想キャラクタが内部に表現される。ここではDL等のANN(artificial neural network:人工ニューラルネットワーク)で処理する方法を示すが、Bayesianネットワーク、更には他のAI的手法を用いてもよく、いずれのAI的手法を用いるものでも本発明の包摂範囲である。
【0041】
以下、学習モードにおける性格表現部11~衣装評価部15各部の機能、構成、動作を説明する。まず性格表現部11に仮想キャラクタの疑似人格及び性格を規定する後述する特性5因子モデル(http://park.itc.u-tokyo.ac.jp/tanno/)を構築することにより、仮想キャラクタの性格モデルを形成する。初期状態において、生得的性格(特性5因子や、仮想キャラクタの年齢、性別、出身地など)を所与のものとして(この場合には、たとえば、イベント開催地に合わせての、或いはアンケート結果に基づく出身地設定、たとえばアンケート結果に基づく、或いはイベント参加者の最多年齢に一致させる年齢設定、たとえばアンケート結果に基づく、或いはイベント参加者の最多性に一致させる性別設定、等による所与のものとすることができる)得られる情報を、又は、乱数関数をもとに任意に得られる値からの情報を、初期設定しておくことができる。
【0042】
性格表現部11に仮想キャラクタの性格モデルを規定する後述の特性5因子モデルを構築することとしたのは以下の理由による。
【0043】
仮想キャラクタの性格モデルとして、人格と性格(英語では共に「personality」)は古くから研究され(例えばカント、ユンク、フロイトなど)、現在でも心理学者を中心に研究が行われている。これらの中には性格モデルの研究が含まれており、現在ではビッグファイブと呼ばれる特性5因子モデルが最も妥当であるとされる。
【0044】
特性5因子モデルでは、次の5つの要素が定義される。
N:神経症傾向(Neuroticism):落ち込みやすいなど感情面・情緒面で不安定な傾向のことであり、環境刺激やストレッサ―に対する敏感さ、不安や緊張の強さを表す要素である。
E:外向性(Extraversion):興味関心が外界に向けられる傾向のことであり、社交性や活動性、積極性を表す要素である。
O:開放性(Openness to experience):知的、美的、文化的に新しい経験に開放的な傾向のことであり、知的好奇心強さ、創造力、新しいものへの親和性を表す要素である。
A:協調性(Agreeableness):バランスを取り協調的な行動をとる傾向のことであり、利他性や共感性、優しさを表す要素である。
C:統制性(Conscientiousness):責任感があり勤勉で真面目な傾向のことであり、自己統制力や達成への意志、真面目さ、責任感の強さを表す要素である。
以上の5つの要素N、E、O、A、Cを、人格と性格を特徴付ける特性5因子として捉える。 ビッグファイブというこの特性5因子モデルは、ゴールドバーグ,L.R.が提唱したパーソナイティの特性論で、人間の持つ様々な性格は5つの要素の組み合わせで構成されるとするものであり、文化差・民族差を超えた普遍性を持つものとされている。
【0045】
図2は、本発明の一実施形態に係る仮想キャラクタ装置の性格表現部の処理機能を示すための概念的機能ブロック図である。同図では、主体的な位置に存在するものとして性格表現部11が示されており、仮想キャラクタ装置は、イベント状況収集部3(同図では、イベント状況収集部3は、たとえば、観客や周囲の状況等の動画/静止画像情報を収集するテレビカメラ、及び観客や周囲の状況等の音声情報を収集するマイクロフォンとして実現される旨が示されている)及び通信部4から入力されるユーザからの様々な情報(仮想キャラクタに対するユーザのコメント、感想、要望、ユーザの行動)が、形態素解析、音声処理、画像解析等を行う前処理部5によって前処理され、こうして前処理された前処理済情報に対して、コメント・イベントの状況情報提示部6にて、SNS等からのコメント・イベントの状況情報等が抽出されることで性格表現部11への入力が生成される。DLによって構成される性格表現部11の出力は特性5因子であり、性格表現部のDLは上記入力と出力とである特性5因子の関係が学習によって構築される。これにより、経験による後天的な性格がDLに構築されることとなる。
【0046】
前処理部5には、通信部4からたとえばバーチャルアイドルのような仮想キャラクタの疑似人格や性格を形成するためのユーザからの情報(図2では総称的に「コメント」として表記されているがコメントに限定されるものではなく、疑似人格を形成するために用いることのできるあらゆる情報であってよい)が受け渡され、さらに、バーチャルアイドルがバーチャル空間でイベントなどを行ったときに様々な入力値を検出するイベント状況収集部3(上述の如くマイクロフォンやテレビカメラなど)を有し、これらを通して得られた拍手や歓声の大きさや回数などの情報が仮想キャラクタの経験情報として変換/格納され、SNS等からのコメント・イベント状況の前処理部5に対してこれら経験情報として変換/格納されたものが信号として受け渡される。
【0047】
前処理部5から得られる、これらイベント開催時のファンの反応情報(イベント開催時反応情報としてはファンからの反応情報がその一例であってこれに限定されるものではない)から、体の動き情報、歓声情報、拍手情報等が抽出され、この抽出された各種情報がイベント状況収集部3系統の情報として、性格表現部11への入力情報となる(図2下半分)。
【0048】
性格表現部11の出力素子はN:神経症傾向(N)、外向性(E)、開放性(O)、協調性(A)、統制性(C)の特性5因子であり、出力ベクトルαとして出力される。これら5因子の強度ベクトルαによって、仮想キャラクタの疑似人格や性格が表現される。
【0049】
上記では、疑似キャラクタの疑似人格や性格のモデル化として特性5因子モデルを採用した場合について述べたが、他のモデルを採用してもよい。本発明の一実施形態において重要なことは、疑似キャラクタの性格や疑似人格を何らかのモデルで表現し、それを性格表現部11として有することである。
【0050】
次に全体評価部12について説明する。図3は、本発明の一実施形態に係る仮想キャラクタ装置の処理機能を示すための概念的機能ブロック図である。同図では、主体的な位置に存在するものとして全体評価部12が示されている。イベント状況収集部3で収集されたイベントに対するイベント主催者の複数の評価細目(規模、対象、楽曲、ダンス、トーク、グッズなどを含むことができるがこれらに限られない)とマイクロフォンやテレビカメラを含む各種センサで収集されたイベント開催時の観客の反応を前処理部5で前処理して入力とし、これらがそれぞれ数値化されてDLに入力される。出力はイベント全体の複数の評価項目であり、上記入力と上前記出力との関係をDLが学習することで、イベント評価細目および観客の反応とイベントの全体的評価との関係性を指標する情報が得られる。
【0051】
観客の反応として、テレビカメラの映像が前処理された後に体の動きを表す因子(拍手、歓声、体の動きなど)に分解され、それが数値化されてDLに入力される。さらに、マイクロフォンの音声信号については、音声認識を含む処理が行なわれた後に処理済の音声情報から歓声情報や拍手情報などが抽出され、かかる抽出された各種情報がDLに入力される。ただし、イベントでの観客の映像及び音声として例示したリアクション情報は、上記に限られるものではない。イベント全体の複数の評価の尺度として好嫌、興奮、アピール、驚き、感動を例示したが、これらに限られるものではない。これら全体的評価を表現する因子の強度ベクトルαがイベントの全体的評価を表現する。
【0052】
図4は、本発明の一実施形態に係る仮想キャラクタ装置の楽曲評価部の処理機能を示すための概念的機能ブロック図である。同図では、主体的な位置に存在するものとして楽曲評価部13が示されている。イベントで演奏された楽曲の特性情報と観客の反応情報とが数値化されたものを入力とし、楽曲の複数の評価項目情報を出力とし、これら入力と出力との関係をDLで学習することで、イベントにおける楽曲の特性および観客の反応と、楽曲評価との関係性を指標する情報が得られる。楽曲の特性としては、たとえば楽曲のジャンル、オリジナルかカバーか、ポップスか懐メロか、ヒットの度合いなどが数値化されたものが与えられるが、これらに限られるものではなく、たとえば楽曲の特性を表現する因子が選択されてもよい。
【0053】
一方、観客の反応情報としては、テレビカメラによって撮像された映像情報を前処理した後に、かかる前処理済情報を体の動きを表す因子(拍手、歓声、体の動きなど)ごとの各情報に分解し、それら各々が数値化されてDLに入力される。さらに、マイクロフォンから得られる音声信号に対しては、音声認識を含む処理が行なわれた後に、当該処理済音声情報から歓声情報や拍手情報などが抽出されて、DLに入力される。イベントでの観客の映像情報及び音声情報は、イベント全体がまとめて入力される態様に限られるものではなく、たとえば、楽曲毎に観客の反応情報が入力される態様を採用してもよい。イベントでの観客の映像情報及び音声情報としては、上述した態様に限られるものではなく、たとえば、楽曲毎に観客の反応情報が入力として与えられる態様であってもよい。楽曲評価を与える因子として、上記では好嫌、興奮、アピール、驚き、感動を例として挙げたが、これらに限られるものではない。これら楽曲評価を表現する因子の強度ベクトルαがイベントの楽曲評価を表現する。
【0054】
図5は、本発明の一実施形態に係る仮想キャラクタ装置のダンス評価部の処理機能を示すための概念的機能ブロック図である。同図では、主体的な位置に存在するものとしてダンス評価部14が示されている。イベントで踊られたダンスの特性情報と観客の反応情報とが数値化されたものを入力とし、ダンスの複数の評価項目情報を出力とし、これら入力と出力との関係がDLで学習されることで、イベントにおけるダンスの特性および観客の反応と、ダンス評価との関係性を指標する情報が得られる。ダンスの特性としては、たとえばダンスのジャンル、人数、男女比などが数値化されたものが与えられるが、これらに限られるものではなく、たとえばダンスの特性を表現する因子が選択されてもよい。
【0055】
一方、観客の反応情報としては、テレビカメラによって撮像された映像情報を前処理した後に、かかる前処理済情報を体の動きを表す因子(拍手、歓声、体の動きなど)ごとの各情報に分解し、それら各々が数値化されてDLに入力される。さらに、マイクロフォンから得られる音声信号に対しては、音声認識を含む処理が行なわれた後に、当該処理済音声情報から歓声情報や拍手情報などの因子が抽出され、DLに入力される。イベントでの観客の映像情報及び音声情報は、イベント全体がまとめて入力される態様に限られるものではなく、たとえば、ダンス毎に観客の反応情報が入力される態様を採用してもよい。ダンス評価を与える因子として、上記では好嫌、興奮、アピール、驚き、感動を例として挙げたが、これらに限られるものではない。これらダンス評価を表現する因子の強度ベクトルαがイベントのダンス評価を表現する。
【0056】
図6は、本発明の一実施形態に係る仮想キャラクタ装置の衣裳評価部の処理機能を示すための概念的機能ブロック図である。同図では、主体的な位置に存在するものとして衣装評価部15が示されている。イベントで使われた衣装の特性情報と観客の反応情報とが数値化されたものを入力とし、衣装の複数の評価項目情報を出力とし、これら入力と出力との関係がDLで学習されることで、イベントにおける衣装の特性および観客の反応と、衣装評価との関係性を指標する情報が得られる。衣装の特性としては、たとえばジャンル、色、スタイルなどが数値化されたものが与えられるが、これらに限られるものではなく、たとえば衣装の特性を表現する因子を選択されてもよい。
【0057】
一方、観客の反応情報としては、テレビカメラによって撮像された映像情報を前処理した後に、かかる前処理済情報を体の動きを表す因子(拍手、歓声、体の動きなど)ごとの各情報に分解し、それら各々が数値化されて、DLに入力される。さらに、マイクロフォンから得られる音声信号に対しては、音声認識を含む処理が行なわれた後に、当該処理済音声情報から歓声情報や拍手情報などの因子が抽出され、DLに入力される。イベントでの観客の映像情報及び音声情報は、イベント全体がまとめて入力される態様に限られるものではなく、たとえば、ダンス毎に観客の反応情報が入力される態様を採用してもよい。衣装評価を与える因子として、上記では好嫌、興奮、アピール、驚き、感動を例として挙げたが、これらに限られるものではない。これら衣装評価を表現する因子の強度ベクトルαがイベントの衣装評価を表現する。
【0058】
上述のように求められたイベントにおける各評価値ベクトルα~α図1に示す統合部21で合計され、出力部22で表示される。しかし、イベント主催者として、手持ちの仮想キャラクタ毎に特性を制御し、全体として、より人気を博するようにしたいこともある。この場合には、イベント主催者は、どの評価項目を重視するかを決定する必要がある。そこで、こうした場合には、オプションとして、各評価値ベクトルα~αに対して評価値調整部16~20を設けて重み付けをしてもよく、その結果が調整後の評価値β~βとして出力され、統合部21に入力されてもよい。調整を行わない場合には、各評価値ベクトルα~αに対する評価値調値をすべて等しく設定してもよい。
【0059】
次に、イベント生成モードにおける動作について説明する。学習モードでは、観客のSNSやイベントでの反応と評価、およびイベント主催者による評価が、それぞれ情報(たとえば値)として、性格表現部11、全体評価部12、楽曲評価部13、ダンス評価部14、衣裳評価部15のそれぞれのDLに入力され、それぞれDLの学習が行われ、各DLからの出力が統合されてイベント総合評価情報が得られる態様を説明した。この学習によって各DLには各評価ジャンルに対するイベント内容と評価との対応関係が構築されており、いわば観客が好むイベントが学習の結果として各DLに表現されることが実現されている。そこでイベント生成モードでは、学習モードにおける学習結果を利用して評価の高いイベントを生成する方法を示す。
【0060】
DLなどのANNを用いた学習では、そのままでは(従来技術では)、自動的に新規イベントを生成することはできない。しかし、本願の実施形態においては、イベント内容を記述する(たとえば乱数関数演算によって得られる)乱数ベクトルがDLに入力される。こうすることで、上記学習済DLにはイベント内容と評価との関係が学習されていることから、それに対する評価が出力されることができる。本実施形態では、さらに、多くの乱数ベクトルが自動生成されてDLに入力され、かかる入力されたものの中から評価の高い乱数ベクトルが選ばれる。この乱数ベクトルがイベント内容にデコードされることで、評価の高いイベント内容情報を得ることができる。これが本発明の実施形態における新規イベント生成の考え方の基礎である。
【0061】
その方法を図1に戻って示す。イベント生成モードでの信号の流れを破線で示す。まずイベント運営者が、上記仮想キャラクタ装置に対して企画トリガー部23を介して新規イベント生成のトリガーを掛ける。すると乱数生成部24によって(たとえば乱数関数演算によって自動的に)上記乱数ベクトルが生成され、かかる生成された乱数ベクトルが、性格表現部11、全体評価部12、楽曲評価部13、ダンス評価部14、衣裳評価部15の各DLに入力される。それによってベクトルとして評価値β~βが得られ、統合部21及び出力部22を介して、当該乱数ベクトルに対するイベント総合評価値が得られる。イベント運営者はこの評価値を見て満足に行く結果が得られたら、新規イベントとして採用することができる。
【0062】
上記動作をフローチャートにてさらに説明する。図7は、本発明の一実施形態に係る仮想キャラクタ装置のイベント提案のフローチャートである。同図に示されるように、スタートではイベント運営者が仮想キャラクタ装置に対して企画生成のトリガーを掛ける(ステップ701)。次に乱数方式を設定する(ステップ702)。例えば、イベント運営者は次のイベントをどういうものにするかの意図を有しており、その意図を反映させる必要がある。そのために、乱数の性質(たとえば、乱数のスペクトルがホワイトノイズ型、ポアッソン分布型、ローパスフィルタ型、ハイパスフィルタ型などであってよいが、こられに限られるものではない)を指定したりすることができる。ステップ702として、極端な場合には乱数を与える代わりに、入力する値を固定してしまう方法もあり得る。これによりランダムに生成されるイベントを方向付けすることが可能となり、イベント運営者の意図を反映させることが可能となる。
【0063】
こうして設定された乱数方式が実行されることで自動的に乱数が生成され(ステップ703)、学習済のDLに入力される(ステップ704)。ここから評価値の計算・出力までの動作(ステップ705)は図1に示す学習モードと同様であり、最終的に当該乱数ベクトルに対するイベントの総合評価が出力され(ステップ706)表示される(ステップ707)。この評価が満足できるものであれば(ステップ707の「Y」)、入力された乱数ベクトルからイベント内容がデコードされる(ステップ708)ことによってイベント内容が表示され(ステップ710)、イベント運営者はイベント内容を知ることができる。満足できるものでなければ(ステップ707の「N」)次の乱数が生成される(ステップ701)。
【0064】
上記動作はDLの学習ではないので高速に計算することができる。従って、出力される評価値に閾値を設けておき、何回も乱数生成と評価出力とを繰り返し、閾値を超えたイベントについてのみ表示してもよい。
【0065】
DLをはじめとするANNの特徴は、入出力間の非線形関係を学習によって獲得できることにある。言い換えれば、ANNは例題を示すことで入出力間の関係を内部に構築できる。このことはすなわち、人間が気付かなかった入出力間の関係がANNの学習結果に含まれている可能性があることを意味する。本発明の実施形態はこのANNの性質を利用しており、乱数を入力することによって、出力されるものの中から望ましい結果を選択するメカニズムを、イベント企画に応用・適用したものである。
【0066】
上記説明では、仮想キャラクタとしてバーチャルアイドルを例に挙げて、仮想キャラクタによる企画作成システム20を説明したが、下記に述べる様々な分野への広い応用は全て本発明の技術思想に含まれるものである。
【産業上の利用可能性】
【0067】
本発明の利用・応用について、例えば実在・仮想に限らず、営業マンに応用すれば、客先の情報や要望、クレーム等の情報をデータとして収集し、次の新製品企画を出力することが可能となり、商業や製造業分野への応用が開ける。
【0068】
さらに、実在・仮想に限らず、俳優や演出家に応用すれば、演技や演劇の企画を実際の俳優や演出家への指導・育成に利用することができる等、芸能・芸術分野へも応用可能性を広げることが可能となるものと考えられる。このように、本発明は産業、商業、流通などの広い分野への利用可能性が期待できるものである。
【符号の説明】
【0069】
1…携帯端末/PC、2…SNS、3…イベント状況収集部、4…通信部、5…前処理部、6…SNS等からのコメント・イベントの状況処理部、7…全体評価項目・イベントの状況処理部、8…楽曲評価項目・イベントの状況処理部、9…ダンス評価項目・イベントの状況処理部、10…衣装評価項目・イベントの状況処理部、11…性格表現部、12…全体評価部、13…楽曲評価部、14…ダンス評価部、15…衣装評価部、16…評価調整部、17…評価調整部、18…評価調整部、19…評価調整部、20…評価調整部、21…統合部、22…出力部、23…企画トリガー部、24…乱数生成部、25…仮想キャラクタ装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7