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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-28
(45)【発行日】2023-03-08
(54)【発明の名称】問題対策システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/10 20230101AFI20230301BHJP
【FI】
G06Q10/10
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2018091635
(22)【出願日】2018-05-10
(65)【公開番号】P2019197429
(43)【公開日】2019-11-14
【審査請求日】2021-04-13
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000001247
【氏名又は名称】株式会社ジェイテクト
(74)【代理人】
【識別番号】110000648
【氏名又は名称】弁理士法人あいち国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 和真
(72)【発明者】
【氏名】朱 光宇
(72)【発明者】
【氏名】奥村 光生
(72)【発明者】
【氏名】判治 友崇
【審査官】鈴木 和樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-151804(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0214468(US,A1)
【文献】特開2006-107282(JP,A)
【文献】特開2016-042245(JP,A)
【文献】特開平06-000268(JP,A)
【文献】特開2004-236196(JP,A)
【文献】特開2017-215931(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
提案者により入力された問題点情報を記憶する問題点情報記憶部と、
前記問題点情報の中で対策を講じる必要があると判断された前記問題点情報を選択可能であり、選択された前記問題点情報に対する対策チームのメンバーとして少なくとも前記提案者以外の人物を含むメンバーを指定可能なメンバー指定ツールと、
前記メンバー指定ツールにより指定された前記メンバーとして、前記対策チームの責任者、および、前記メンバーとして前記責任者によって指定された前記対策チームの1または複数の補助者を記憶するメンバー記憶部と、
指定された前記メンバーのそれぞれが前記問題点情報に対する対策立案または対策実行に関する意見を入力可能であると共に、前記メンバーが当該意見を閲覧可能な意見交換ツールと、
第一作業者が前記責任者として指定されている場合に、前記責任者の所属部署の人物を前記補助者とする第一巻き込み度、または、前記責任者の他部署の人物を前記補助者とする第二巻き込み度に基づいて、予め設定されたアルゴリズムにより前記第一作業者の改善能力を評価する改善能力評価部と、
を備える、問題対策システム。
【請求項2】
前記メンバー指定ツールは、前記責任者によって補助者候補の中から前記補助者を指定可能である、請求項に記載の問題対策システム。
【請求項3】
提案者により入力された問題点情報を記憶する問題点情報記憶部と、
少なくとも前記提案者以外の人物を含み、前記問題点情報に対する対策チームのメンバーとして指定された前記対策チームの責任者、および、前記メンバーとして前記責任者によって指定された前記対策チームの1または複数の補助者を記憶するメンバー記憶部と、
指定された複数の前記メンバーのそれぞれが前記問題点情報に対する対策立案または対策実行に関する意見を入力可能であると共に、複数の前記メンバーが当該意見を閲覧可能な意見交換ツールと、
第一作業者が前記責任者として指定されている場合に、前記責任者の所属部署の人物を前記補助者とする第一巻き込み度、または、前記責任者の他部署の人物を前記補助者とする第二巻き込み度に基づいて、予め設定されたアルゴリズムにより前記第一作業者の改善能力を評価する改善能力評価部と、
を備える、問題対策システム。
【請求項4】
前記問題対策システムは、さらに、
前記責任者によって補助者候補の中から前記補助者を指定可能なメンバー指定ツールを備える、請求項に記載の問題対策システム。
【請求項5】
前記問題対策システムは、さらに、作業者の改善能力、または、作業者の作業負荷状況を記憶する作業者情報記憶部を備え、
前記メンバー指定ツールは、前記補助者候補、および、前記作業者情報記憶部に記憶される情報に基づいて前記補助者候補に関する情報を表示する、請求項に記載の問題対策システム。
【請求項6】
前記意見交換ツールは、複数の前記メンバーによる前記意見に基づいて、前記責任者によって前記対策立案または前記対策実行の結論を入力可能である、請求項1-5の何れか一項に記載の問題対策システム。
【請求項7】
前記改善能力評価部は、前記第一巻き込み度と前記第二巻き込み度を異なる重み付け評価する、請求項1または3に記載の問題対策システム。
【請求項8】
前記意見交換ツールは、前記メンバーが前記意見のログを閲覧可能である、請求項1-の何れか一項に記載の問題対策システム。
【請求項9】
前記意見交換ツールは、前記メンバーによって前記意見に対する良否を入力可能である、請求項1-の何れか一項に記載の問題対策システム。
【請求項10】
前記意見交換ツールは、前記メンバー以外の人物に閲覧の許否を設定可能であり、前記閲覧を許容する設定である場合に外部閲覧者によって前記意見に対する良否を入力可能である、請求項に記載の問題対策システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、問題対策システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
会社においては、社員による改善活動が日々行われている。改善活動とは、例えば、問題点の発見、対策立案、対策実行等である。そして、社員の改善活動は、社員の能力の評価に用いられることがある。改善活動に基づく社員の能力評価は、監督者による主観的な評価であることが一般的であった。
【0003】
ところで、特許文献1には、社員によるアイデアや提案書等を登録、閲覧、修正等ができる管理システムが記載されている。当該システムは、社員によるアイデアの登録、アイデアに基づく提案書の作成(登録)、提案書の回覧の申請、各関係者の回覧の作業、受付部署における提案書の受付、回覧ルート及び回覧状況の可視化や変更等を含む一連の作業をシステムで管理することができるとされている。
【0004】
また、特許文献2には、改善が必要な不具合を受け付けると共に当該不具合に対する対策計画が入力された場合に、当該不具合に対して当該入力された対策が施された複数の改善事例とその効果とを一覧で表示することが記載されている。これにより、とりあえずいくつかの対策を施してみて、この表示を参照して効果の程度を比較すれば、誰でも簡単に最適な対策を決定できるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特許第5916460号公報
【文献】特許第5136026号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献2に記載の技術のように、問題点に対しての改善事例を参考にして、対策立案や対策実行を行うことは有効である。しかし、過去の改善事例のみならず、実際の作業者の能力を有効に活用することも重要である。特に、問題点を提案した者だけで対策立案や対策実行を行うよりも、問題点を提案した者以外の作業者の能力を活用することが、改善活動において重要である。問題点を提案する能力と、対策立案や対策実行を行う能力とは、異なる能力であるため、問題点の提案と対策立案や対策実行とを分業化することが有効である。
【0007】
本発明は、提案された問題点に対して対策立案や対策実行を行うことをより効果的に実現することができる問題対策システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様は、提案者により入力された問題点情報を記憶する問題点情報記憶部と、
前記問題点情報の中で対策を講じる必要があると判断された前記問題点情報を選択可能であり、選択された前記問題点情報に対する対策チームのメンバーとして少なくとも前記提案者以外の人物を含むメンバーを指定可能なメンバー指定ツールと、
前記メンバー指定ツールにより指定された前記メンバーとして、前記対策チームの責任者、および、前記メンバーとして前記責任者によって指定された前記対策チームの1または複数の補助者を記憶するメンバー記憶部と、
指定された前記メンバーのそれぞれが前記問題点情報に対する対策立案または対策実行に関する意見を入力可能であると共に、前記メンバーが当該意見を閲覧可能な意見交換ツールと、
第一作業者が前記責任者として指定されている場合に、前記責任者の所属部署の人物を前記補助者とする第一巻き込み度、または、前記責任者の他部署の人物を前記補助者とする第二巻き込み度に基づいて、予め設定されたアルゴリズムにより前記第一作業者の改善能力を評価する改善能力評価部と、
を備える、問題対策システムにある。
本発明の他の態様は、提案者により入力された問題点情報を記憶する問題点情報記憶部と、
少なくとも前記提案者以外の人物を含み、前記問題点情報に対する対策チームのメンバーとして指定された前記対策チームの責任者、および、前記メンバーとして前記責任者によって指定された前記対策チームの1または複数の補助者を記憶するメンバー記憶部と、
指定された複数の前記メンバーのそれぞれが前記問題点情報に対する対策立案または対策実行に関する意見を入力可能であると共に、複数の前記メンバーが当該意見を閲覧可能な意見交換ツールと、
第一作業者が前記責任者として指定されている場合に、前記責任者の所属部署の人物を前記補助者とする第一巻き込み度、または、前記責任者の他部署の人物を前記補助者とする第二巻き込み度に基づいて、予め設定されたアルゴリズムにより前記第一作業者の改善能力を評価する改善能力評価部とを備える、問題対策システムにある。
【0009】
メンバー記憶部には、対策チームのメンバー記憶されている。記憶されているメンバーには、少なくとも提案者以外の人物が含まれている。当該メンバーは、1つの対策チームに所属することが指定されており、対策立案または対策実行を行うメンバーである。つまり、当該メンバーが、チームとして、問題点情報に対する対策立案または対策実行を行うことができる。従って、指定されたメンバーが、能力を活かして問題点の解決を図ることができる。
【0010】
特に、問題対策システムは、意見交換ツールを備える。意見交換ツールは、指定されたメンバーが、問題点情報に対する対策立案または対策実行に関する意見を入力可能であると共に、指定されたメンバーが当該意見を閲覧可能とされている。つまり、指定されたメンバーが、相互に意見交換可能な環境となっている。その結果、指定されたメンバーが、チームとして問題点の解決を容易に図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】問題対策システムの機能ブロック図である。
図2】掲示板ツールによる表示内容を示す図である。
図3】問題発見のステータスにおいて、問題点情報入力ツールによる表示内容を示す図である。
図4】対策中のステータスにおいて、メンバー指定ツールによる表示内容を示す図であって、対策チームのメンバーが指定されていない状態を示す。
図5】対策中のステータスにおいて、メンバー指定ツールによる表示内容を示す図であって、責任者が指定された状態であって、補助者(所属部署)および補助者(他部署)の候補者が表示されている状態を示す。
図6A】対策中のステータスにおいて、意見交換ツールによる表示内容を示す図である。
図6B】対策中のステータスにおいて、意見交換ツールによる表示内容を示す図である。
図7】対策完了のステータスにおいて、意見交換ツールによる表示内容を示す図である。
図8】問題完了のステータスにおいて、問題点情報入力ツールによる表示内容を示す図である。
図9】改善能力評価部において評価される改善能力に関する能力要素と、それに関連するデータとを示す図である。
図10】改善能力評価部による表示内容を示す図である。
図11】改善能力評価部による表示内容の他の態様を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(1.問題対策システム1の概要)
問題対策システム1の概要について説明する。問題対策システム1は、例えば、生産工場における作業者を対象とし、作業に関する問題点情報を提案するツール、提案された問題点情報に対する対策立案および対策実行に関するツールを含む。すなわち、問題対策システム1は、問題点の解決を容易に且つ効果的に図ることができるシステムである。
【0013】
問題対策システム1は、各作業者が操作できるコンピュータ端末におけるアプリケーションを利用する。特に、各作業者が操作可能なモバイル端末を利用することで、より効率的となる。もちろん、固定端末を利用することを妨げるものではない。
【0014】
さらに、問題対策システム1は、複数のメンバーによる合知合力で問題解決(対策立案および対策実行)を行うこととしている。そこで、複数のメンバーは、少なくとも問題点情報を提案する作業者(提案者)以外の人物を含むようにしている。複数のメンバーが、提案者以外の人物のみにより構成されるようにすることもできるし、提案者および提案者以外の人物により構成されるようにすることもできる。
【0015】
特に、問題対策システム1は、問題点情報を提案する作業者(提案者)と、問題点情報に対する対策立案および対策実行を行う作業者(対策チームのメンバー)とを異なる者とすることを積極的に活用している。つまり、問題点情報を提案する能力と、対策立案および対策実行を行う能力とが異なる能力であることを利用している。そして、問題点情報の提案者以外の作業者が、対策立案および対策実行を行うことが容易に且つ効率的にできるようにしている。つまり、問題対策システム1は、問題点情報の提案と対策立案および対策実行とを、分業化することで、問題解決を図ることとしている。ただし、当該態様に限定されるものではない。
【0016】
さらに、問題対策システム1は、対策立案および対策実行を複数のメンバーによる対策チームで行うことが容易に且つ効率的にできるようにしている。つまり、対策チームの結成を効率的にできるようにされている。そして、対策チームに属する複数のメンバーが、対策立案および対策実行を行う。このように、複数のメンバーが、チームとして、問題点情報に対する対策立案および対策実行を行うことができるため、それぞれの能力を効果的に活かして、且つ、協働することで、問題点の解決を図ることができる。
【0017】
なお、本実施形態において、対策立案と対策実行とは、明確な区別をせずに、総称して対策としている。つまり、本実施形態における対策チームは、対策立案および対策実行の両者を行うチームである。ただし、対策立案と対策実行とを区別して、それぞれ別工程で、対策チームを結成するようにしてもよい。また、対策立案のみを対象としてもよいし、対策実行のみを対象としてもよい。
【0018】
また、問題対策システム1は、生産工場における作業者に限られず、多種多様の業務分野における者を対象とすることもできる。以下においては、生産工場における作業者を対象とした場合を例にあげる。
【0019】
(2.問題対策システム1の構成)
(2-1.システム1の構成要素と表示部11の説明)
問題対策システム1の構成について、図1図10を参照して説明する。問題対策システム1は、図1に示すように、表示部11、掲示板ツール12、掲示板情報記憶部13、問題点情報入力ツール14、問題点情報記憶部15、メンバー指定ツール16、作業者情報記憶部17、メンバー記憶部18、意見交換ツール19、意見情報記憶部20、改善能力評価部21を備える。なお、図1において、各ツール12,14,16,19において枠外の括弧書きの記載は、当該ツールを操作する者を示す。
【0020】
表示部11は、モバイル端末の表示装置、または、固定端末の表示装置である。表示部11は、例えば、複数の作業者のそれぞれが所有しており、各作業者が表示内容を確認することができる。ただし、表示部11は、複数の作業者が共有するようにしてもよい。
【0021】
さらに、掲示板ツール12、問題点情報入力ツール14、メンバー指定ツール16、意見交換ツール19は、モバイル端末または固定端末にインストールされたアプリケーションである。そして、掲示板情報記憶部13、問題点情報記憶部15、作業者情報記憶部17、意見情報記憶部20、および、改善能力評価部21は、複数の端末と無線または有線により接続されたサーバの一機能である。つまり、複数の端末とサーバによりネットワークが構成される。
【0022】
上記構成の他に、モバイル端末または固定端末が、表示部11の機能と、各ツールの入力機能とを有するようにし、サーバが、各ツールのアプリケーション機能、各記憶部、改善能力評価部21の機能を有するようにすることもできる。また、当該サーバは、例えばクラウドサーバとすることもできる。
【0023】
(2-2.掲示板情報12aの内容)
掲示板ツール12は、掲示板情報12aを、表示部11に表示するツールである。掲示板情報12aは、掲示板情報記憶部13に記憶されている。掲示板ツール12は、例えばモバイル端末または固定端末にインストールされており、モバイル端末または固定端末にて実行可能である。
【0024】
表示部11に表示されている掲示板情報12aは、図2に示すように、作業者毎に異なる。図2には、作業者Yの掲示板情報12aが図示されている。作業者Yは、P部P1課に所属している。そこで、作業者Yの掲示板情報12aとして、P部P1課に関する情報が、表示部11に表示されている。
【0025】
掲示板情報12aには、作業者名、所属部課名、「問題発見」のシート、「対策中」のシート、「対策完了」のシート、「問題完了」のシートを含む。ここで、「問題発見」、「対策中」「対策完了」、「問題完了」は、時系列のステータスに対応している。そして、作業者が所属する部課に関する「問題発見」、「対策中」、「対策完了」、「問題完了」のシートが表示されている。
【0026】
「問題発見」のシートは、提案者によって作業に関する問題点情報が提案されたことを示すシートであって、まだ対策が講じられていない状態のシートである。「対策中」のシートは、対策チームによって、問題点情報に対する対策を立案中または実行中である状態のシートである。「対策完了」のシートは、対策チームによる対策を完了した状態であって、提案者の確認待ち状態のシートである。「問題完了」のシートは、対策を完了した内容に対して、提案者が確認を完了した状態のシートである。
【0027】
ところで、図2においては、掲示板情報12aには、作業者Yが所属するP部P1課に関する情報としている。この他に、全ての作業者は、所属部課の掲示板のみならず、他部署の掲示板を閲覧することも可能である。ただし、各シートは、閲覧可能な部課の範囲を制限するように設定することもできるし、全ての部課に対して公開するように設定することもできる。つまり、各シートは、公開範囲を設定することができる。
【0028】
なお、掲示板情報記憶部13は、問題点情報記憶部15、メンバー記憶部18および意見情報記憶部20に記憶されている情報を関連付けた掲示板情報12aを記憶している。
【0029】
(2-3.問題点情報14aの入力)
問題点情報14aの入力には、問題点情報入力ツール14が用いられる。問題点情報入力ツール14は、作業者が提案者として問題点情報14aを入力するためのツールである。問題点情報入力ツール14は、例えばモバイル端末または固定端末にインストールされており、モバイル端末または固定端末にて実行可能である。例えば、問題点情報入力ツール14は、モバイル端末におけるタッチパネル、固定端末に接続された入力機器等である。
【0030】
図2における表示部11に表示されている掲示板情報12aにおける右上欄の「+」マークをタッチまたはクリックされた場合に、表示部11には、図3に示すように、問題点情報入力ツール14による表示内容が表示される。つまり、表示部11には、「問題発見」のステータスのうち、問題点情報入力ツール14による表示内容が表示される。詳細には、表示部11には、提案者によって問題点情報14aが入力可能な表示内容が表示される。問題点情報14aは、問題点、問題点の提案者、優先度、カテゴリ、問題種類タグ、7つの無駄タグ、改善手段タグ、場所、期限等を含む。優先度は、通常の状態、優先が高い状態、緊急の状態から選択される。
【0031】
カテゴリは、例えば、作業性、安全性、品質等に分けられる。問題種類タグは、例えば、作業のやりづらさ、作業工数、段取り時間、無駄な歩行量等に分けられる。7つの無駄タグは、作りすぎの無駄、手持ちの無駄、運搬の無駄、加工そのものの無駄、在庫の無駄、動作の無駄、不良をつくる無駄に分けられる。改善手段タグは、例えば、見える化、外段取り化、作業容易化等に分けられる。場所は、問題が発生している工程等である。
【0032】
そして、提案者は、問題点情報入力ツール14により問題点情報14aを入力した後に、表示部11における「更新」ボタンをタッチ入力すると、提案者により入力された問題点情報14aが問題点情報記憶部15に記憶される。
【0033】
なお、図3においては、問題点情報14aとして、問題点のテキスト情報、問題点の画像ファイル、優先度として「通常」、カテゴリとして「安全性」および「品質」、問題種類タグとして「やりずらさ」、7つの無駄タグとして「動作の無駄」、場所として「工程A」、期限として2019年3月31日が入力されている。
【0034】
(2-4.メンバー指定の処理)
問題点情報14aに対する対策チームのメンバーの指定には、メンバー指定ツール16が用いられる。メンバー指定ツール16は、例えばモバイル端末または固定端末にインストールされており、モバイル端末または固定端末にて実行可能である。
【0035】
上述したように、図3に示すように問題点情報14aの入力が行われると、図2の掲示板情報12aにおいて、入力された問題点情報14aに関する「問題発見」のシートが追加される。そうすると、問題点情報14aが提案された部課の上長が、問題点情報14aを確認して、対策を講じるか否かを判断し、対策を講じる必要があると判断した場合には、上長は、「対策中」のステータスをタッチ入力する。そうすると、図4に示すように、「対策中」のステータスの表示内容16aが表示部11に表示する。ここで、「対策中」のステータスがタッチ入力されると、図2の掲示板情報12aにおいて、当該問題点情報14aに関するシートが、「対策中」欄に移動する。
【0036】
そして、「対策中」のステータスの表示内容16aは、上欄に、問題点情報14aが表示されており、下欄に、対策チームのメンバーの指定に関する項目が表示されている。ここで、対策チームのメンバーは、1人の責任者と、1人または複数人の補助者により構成される。責任者および補助者には、通常は提案者以外の人物が指定される。
【0037】
ここで、合知合力で問題解決にあたることが好ましいため、対策チームは、複数のメンバーにより構成している。特に、対策チームのメンバー(責任者および補助者)は、提案者以外の人物のみによって構成することを積極的に活用している。つまり、提案者と、責任者および補助者とは別人となることを推奨している。
【0038】
ただし、諸事情により、提案者自身を対策チームのメンバーの一人にせざるを得ない場合や、提案者自身が対策に取り組むことを強く希望する場合等のように、特殊な事情がある場合には、提案者が対策チームのメンバーに含まれるように設定できるようにしてもよい。つまり、この場合の対策チームのメンバーは、提案者と、提案者以外の人物とにより構成されることになる。この場合、提案者は、責任者となることもできるし、補助者となることもできる。つまり、対策チームのメンバーは、(a)提案者自身である責任者と提案者以外の補助者とにより構成される場合、(b)提案者以外の責任者と提案者自身である補助者とにより構成される場合、(c)提案者以外の責任者と提案者自身である補助者と提案者以外の補助者とにより構成される場合の何れかとなる。
【0039】
対策チームの責任者の指定は、以下の2通りの手段を採用可能である。1つは、問題点情報14aが提案された部課の上長によって責任者が決定される。もう1つは、問題点情報14aに対して責任者の立候補を募った後に、当該立候補者の中から1人の責任者が決定される。立候補者が複数人である場合には、問題点情報14aが提案された部課の上長が決定するようにしてもよいし、選挙等により決定するようにしてもよい。
【0040】
また、責任者が指定されると、メンバー記憶部18に、問題点情報14aに関連付けて責任者が記憶される。例えば、上長が、作業者Aを責任者として決定するものとする。この場合、上長が、図4に示す表示内容16aにおける責任者欄に、作業者Aを入力する。上長は、メンバー指定ツール16により責任者を入力した後に、表示部11における「更新」ボタンをタッチ入力すると、責任者が、作業者Aに指定される。そうすると、メンバー記憶部18には、作業者Aが当該問題点情報14aに対する対策チームの責任者として記憶される。なお、例えば、作業者Aが責任者に指定された場合、メンバー指定ツール16は、作業者Aに対して、責任者に指定された旨を自動的に電子通報するようにするとよい。
【0041】
責任者Aが指定された後には、メンバー指定ツール16により、対策チームのメンバーとして補助者が指定される。補助者は、責任者Aによって指定される。補助者には、当該問題点情報14aが提案された部課に所属する者(所属部署の補助者)と、当該部課以外の者(他部署の補助者)とが存在する。
【0042】
所属部署の補助者および他部署の補助者の指定は、以下のように行われる。責任者Aが、所属部署の補助者および他部署の補助者を指定する。責任者Aは、指定する際には、作業者情報記憶部17に記憶されている作業者情報を参照にすることができる。作業者情報記憶部17には、対象となり得る作業者の改善能力、または、当該作業者の作業負荷状況が記憶されている。
【0043】
ここで、責任者Aは、補助者を指定する際に、自ら選定するようにしてもよい。その他に、責任者Aは、問題点情報14aに対して補助者の立候補を募った後に、当該立候補者の中から補助者を決定するようにしてもよい。立候補者の中から補助者を決定する際にも、責任者Aが決定するようにしてもよいし、選挙等により決定するようにしてもよい。
【0044】
責任者Aが、所属部署の補助者および他部署の補助者についての候補者を指定した状態における表示部11の表示内容16bは、図5に示すとおりである。図5に示すように、補助者候補は、二点差線で囲まれている。所属部署の補助者候補として、例えば作業者B,C,F,Gが指定され、他部署の補助者候補として、例えば作業者D,Hが指定される。
【0045】
さらに、図5に示すように、各補助者候補の改善能力および現在の作業負荷状況が、記号や数値等により示されている。図5における各補助者候補の改善能力および現在の作業負荷状況は、メンバー指定ツール16によって、作業者情報記憶部17から自動的に取得された情報に基づいて表示部11に表示されている。つまり、メンバー指定ツール16は、表示部11に、補助者候補、および、作業者情報記憶部17に記憶される情報に基づいて補助者候補に関する情報を表示する。
【0046】
そして、責任者Aが、メンバー指定ツール16によって、表示部11に表示されている補助者候補の中から1または複数の補助者を指定する。詳細には、責任者Aは、メンバー指定ツール16により補助者を指定した後に、表示部11における「更新」ボタンをタッチ入力すると、補助者が指定される。メンバー指定ツール16は、指定された補助者を、表示部11にて実線で囲む表示とし、指定されなかった補助者候補は表示部11から削除する。指定された後には、改善能力および作業負荷状況の表示は削除される。
【0047】
補助者が指定されると、メンバー記憶部18には、指定された作業者が対策チームの補助者として記憶される。また、作業者C,D,Eが補助者に指定された場合、メンバー指定ツール16は、作業者C,D,Eに対して、補助者に指定された旨を自動的に電子通報するようにするとよい。
【0048】
ここで、補助者として、所属部署の補助者および他部署の補助者が指定されたが、これに限られるものではない。例えば、補助者として、所属部署の補助者のみを指定してもよいし、他部署の補助者のみを指定するようにしてもよい。これは、責任者Aによって決定できる。
【0049】
このようにして、メンバー指定ツール16によって、問題点情報14aに対する対策チームのメンバーとして、責任者と1または複数の補助者が指定される。従って、対策チームのメンバーとして責任者および補助者の指定が容易に且つ効率的に行われる。さらに、補助者を指定する際には、当該補助者候補に関する情報として、例えば、改善能力および現在の作業負荷状況が表示される。そのため、責任者は、補助者候補の中からどの作業者を補助者とするかについて判断しやすくなる。そして、対策チームのメンバーは、問題点情報14aの提案者とは異なる人物により構成されている。従って、問題発見能力を有する者の能力と改善能力を有する者の能力とを効果的に活かすことができる。また、メンバー記憶部18には、対策チームのメンバーとして指定された責任者および補助者が問題点情報14aに関連付けられて記憶されている。
【0050】
(2-5.意見交換の処理)
対策チームのメンバーが指定された後には、意見交換ツール19によって、対策チームのメンバーのそれぞれが問題点情報14aの対策について意見交換を行うことができる。意見交換ツール19が機能する際の表示部11の表示内容19aは、図6Aおよび図6Bに示すようになる。
【0051】
当該表示内容19aの上欄には、問題点情報14a、責任者および補助者が表示されており、補助者の下欄には、意見のテキスト情報および意見内容に関する画像ファイル等の意見内容の入力欄が設けられている。意見内容を入力可能な者は、対策チームのメンバーのみ、すなわち責任者および補助者のみである。
【0052】
そして、責任者または補助者は、意見交換ツール19により問題点情報14aに対する対策に関する意見を入力可能である。ここで、意見の種類には、コメントと提案とが存在する。そこで、意見の入力者は、意見の内容を入力すると共に、当該意見がコメントであるか提案であるかを判断し、該当する方をチェックする。その後に、意見の入力者は、表示部11における「更新」ボタンをタッチ入力すると、意見の入力が確定する。意見の入力が確定した場合には、意見交換ツール19によって、入力された意見、意見の入力者、および、意見の入力時刻が、意見情報記憶部20に記憶される。
【0053】
さらに、表示部11の表示内容19aにおいて、意見内容の入力欄の下欄には、これまでの意見交換の内容を表示したログが時系列に表示されている。本実施形態においては、新しい意見は最上に表示され、最も古い意見が最下に表示される。つまり、意見交換ツール19が、意見情報記憶部20に記憶されている意見に関する情報を、表示部11にログとして表示している。従って、対策チームの複数のメンバーのそれぞれは、意見交換された意見のログを閲覧可能となる。つまり、対策チームの複数のメンバーのそれぞれは、自身の意見および他者の意見を時系列に閲覧可能である。従って、対策チームのメンバーは、意見のやりとりを容易に把握できる。
【0054】
さらに、表示内容19aにおいて、意見のログ欄には、一旦入力された意見の編集および削除のボタンが表示されている。意見交換ツール19によって、当該編集および削除のボタンをタッチ入力することで、編集および削除が可能となる。
【0055】
さらに、意見交換ツール19によって、表示内容19aの意見のログ欄において、各意見に対する良否(本実施形態においては好評価に限る)を入力可能となっている。意見に対する良否は、対策チームのメンバーによって入力可能であることはもちろん、設定によって対策チームのメンバー以外の人物によって入力可能とすることもできる。
【0056】
ここで、図2において、掲示板情報12aにおいて、公開範囲を設定することができるとした。つまり、当該公開範囲を設定することで、対策チームのメンバー以外の人物に対して、意見交換ツール19による意見のログの閲覧の許否を設定可能となる。そして、閲覧を許容する設定である場合に、許容された外部閲覧者は、意見に対する良否を入力可能となる。本実施形態においては、好評価件数を表示している。
【0057】
そして、意見交換ツール19によって、責任者は、対策チームのメンバーによる意見に基づいて、対策の結論、すなわち改善結果を入力することができる。対策の結論の入力欄は、表示内容19aにおいて、問題点の次の欄に設けられている。なお、対策の結論の入力は、責任者に制限されており、補助者によって行うことはできない。さらに、対策の結論が決定された場合において、対策チームのメンバーの意見を採用したことが分かるように、責任者は、対策の結論を入力する際に、どの意見を採用したかを明確にすることができる。この場合、意見のログにおける該当の意見の箇所に、「採用」の表示が追加される。対策の結論が入力された場合において、対策の結論が、意見情報記憶部20に記憶される。
【0058】
(2-6.完了処理)
責任者によって対策の結論が入力された後において、責任者は、意見交換ツール19によって、「対策完了」のステータスをタッチ入力することで、対策は完了する。この場合の表示部11の表示内容19bは、図7に示すとおりである。また、「対策完了」のステータスがタッチ入力されると、図2の掲示板情報12aにおいて、当該問題点情報14aに関するシートが、「対策完了」欄に移動する。従って、提案者は、自身が提案した問題点情報14aについて対策が完了したことを掲示板情報12aにおいて把握することができる。
【0059】
そして、提案者が、掲示板情報12aにおける「対策完了」のシートを選択すると、図8に示すように、表示部11には問題対策の内容14bが表示される。そして、対策が完了した場合において、提案者は、問題点情報入力ツール14によって、問題完了を入力することができる。つまり、提案者が、「問題完了」のステータスをタッチ入力することで、当該問題点は全て完了する。また、「問題完了」のステータスがタッチ入力されると、図2の掲示板情報12aにおいて、当該問題点情報14aに関するシートは、「問題完了」欄に移動する。従って、提案者、対策チームのメンバー、および、当該掲示板を閲覧可能な者全てが、当該問題点情報14aが完了したことを把握することができる。
【0060】
(2-7.改善能力の評価)
改善能力評価部21が、問題点情報14aの提案、対策立案および対策実行に関する活動に基づいて、当該活動に関わった作業者の改善能力の評価を行う。作業者は、提案者、責任者、補助者のそれぞれの立場となり得る。そこで、第一作業者の改善能力の評価を行う場合について、以下に説明する。
【0061】
改善能力の要素21aは、図9に示すように、「問題発見力」、「改善企画力」および「改善実践力」に大別される。「問題発見力」は、主として、第一作業者が提案者としての能力を評価するものである。「改善企画力」および「改善実践力」は、主として、第一作業者が責任者または補助者としての能力を評価するものである。なお、改善能力の大要素は、その他の種類により分別するようにしてもよい。また、改善能力の大要素の種類数も任意に決定することができる。
【0062】
改善能力の各大要素は、複数段階(例えば5段階)の評価点で表す。改善能力の各大要素の評価点は、複数の小要素に関する評価点に基づいて算出される。改善能力の各小要素は、大要素と同様に、複数段階(例えば5段階)の評価点で表す。例えば、改善能力の大要素の評価点は、対応する複数の小要素に関する評価点の平均値とする。また、改善能力の大要素の評価点は、対応する複数の小要素について重み付けを行って、各小要素の評価点とその重み付けに基づいて算出される値とすることもできる。また、他の算出方式を適用することもできる。
【0063】
改善能力の各大要素は、例えば、以下のように、複数の小要素により表される。大要素「問題発見力」は、改善能力の小要素として、「気づきの頻度」、「気づきの広さ」、「気づきの深さ」に分別される。大要素「改善企画力」は、改善能力の小要素として、「アイデアの幅広さ」、「付加価値の高さ」、「独創性」に分別される。大要素「改善実践力」は、改善能力の小要素として、「解決策の実行手段の実現度」、「他者の巻き込み度」に分別される。なお、改善能力の小要素は、その他の種類により分別するようにしてもよい。また、改善能力の小要素の種類数も任意に決定することができる。
【0064】
また、改善能力の各小要素の評価点は、複数の視点に関する評価点に基づいて算出される。各視点は、大要素及び小要素と同様に、複数段階(例えば5段階)の評価点で表す。例えば、改善能力の小要素の評価点は、対応する複数の視点に関する評価点の平均値とする。また、改善能力の小要素の評価点は、対応する複数の視点について重み付けを行って、各視点の評価点とその重み付けに基づいて算出される値とすることもできる。また、他の算出方式を適用することもできる。
【0065】
大要素「問題発見力」に対応する改善能力の小要素の一つとしての「気づきの頻度」に関する評価点は、「指摘した問題の多さ」、「問題発見意欲」に関する視点の評価点により算出される。「指摘した問題の多さ」に関する評価点は、第一作業者が提案者として入力された問題点情報14aの提案が採用された件数等に基づいて算出される。「問題発見意欲」に関する評価点は、第一作業者が提案者として入力された問題点情報14aの提案件数に基づいて算出される。
【0066】
改善能力の小要素の一つとしての「気づきの広さ」に関する評価点は、「問題発見の引き出し数」、「問題発見の視野の広さ」に関する視点の評価点により算出される。「問題発見の引き出し数」、「問題発見の視点の広さ」に関する評価点は、タグの種類数等に基づいて算出される。ここでの「タグ」とは、問題種類タグ、7つの無駄タグ、改善手段タグの全てを含むようにしてもよいし、一部のタグのみに限定するようにしてもよい。つまり、タグの種類数が多いほど、多数の観点に関する問題発見であることを意味する。また、「問題発見の視点の広さ」に関する評価点は、タグの種類数の他に、例えば、第一作業者が提案者として入力された問題点情報に対する他者からの意見情報に基づいて算出されるようにしてもよい。
【0067】
改善能力の小要素の一つとしての「気づきの深さ」に関する評価点は、「多面的な分析」に関する視点の評価点により算出される。「多面的な分析」に関する評価点は、カテゴリの種類数に基づいて算出される。また、「多面的な分析」に関する評価点は、タグの種類数の他に、例えば、第一作業者が提案者として入力された問題点情報に対する他者からの意見情報に基づいて算出されるようにしてもよい。
【0068】
大要素「改善企画力」に対応する改善能力の小要素の一つとしての「アイデアの幅広さ」に関する評価点は、「改善提案の引き出し数」に関する視点の評価点により算出される。「改善提案の引き出し数」に関する評価点は、他の作業者が提案者として入力された問題点情報に対して、第一作業者が責任者または補助者として行った対策の提案回数に基づき算出される。改善能力の小要素の一つとしての「付加価値の高さ」に関する評価点は、「ROI(投資対効果)」に関する視点の評価点により算出される。「ROI」に関する評価点は、第一作業者が責任者または補助者として提案した対策の採用件数に基づき算出される。改善能力の小要素の一つとしての「独創性」に関する評価点は、「新規性・進歩性の高さ」に関する視点の評価点により算出される。「新規性・進歩性の高さ」に関する評価点は、対策の意見に対する他者による好評価件数に基づき算出される。
【0069】
大要素「改善実践力」に対応する改善能力の小要素の一つとしての「実現度」に関する評価点は、「改善インパクト」、「改善スピード」に関する視点の評価点により算出される。「改善インパクト」に関する評価点は、第一作業者が対策チームに所属した回数に基づき算出される。また、「改善インパクト」に関する評価点は、さらに、第一作業者が責任者または補助者として行った意見情報に基づき算出される。「改善スピード」に関する評価点は、対策に関わった件数に対する完了に至った割合(完了率)に基づき算出される。
【0070】
改善能力の小要素の一つとしての「巻き込み度」に関する評価点は、「所属部署内の巻き込み度(第一巻き込み度)」、「他部署の巻き込み度(第二巻き込み度)」に関する視点の評価点により算出される。「所属部署内の巻き込み度」に関する評価点は、第一作業者が責任者として指定されている場合に、自身の所属部署内の補助者の巻き込み度合に基づき算出される。「他部署の巻き込み度」に関する評価点は、第一作業者が責任者として指定されている場合に、他部署の補助者の巻き込み度合に基づき算出される。
【0071】
そして、上述した小要素の評価点は、予め設定されたアルゴリズムにより算出される。さらに、大要素の評価点は、予め設定されたアルゴリズムにより算出される。このとき、各視点、各小要素の重み付けは、適宜の値に設定される。例えば、「所属部署内の巻き込み度」に関する視点の評価点と「他部署の巻き込み度」に関する視点の評価点とは、異なる重み付けによって、総要素「巻き込み度」を評価する。これにより、評価者が求める改善能力に適合した評価点を得ることができる。
【0072】
改善能力評価部21は、図10に示すように、改善能力評価部21により算出された改善能力を表示部11に表示する。改善能力評価部21は、図10に示すような表示部11に改善能力を表示するようにしてもよいし、図10に示すような内容のデータを第一作業者や監督者等に送信するようにしてもよい。
【0073】
表示部11における改善能力の表示方法は、例えば、レーダーチャートとすることができる。図10においては、改善能力の小要素についてのレーダーチャートを示す。この他に、図11に示すように、改善能力の大要素についてのレーダーチャートを表示することもできる。さらに、図10に示すレーダーチャートと図11に示すレーダーチャートとを、切り替えて表示することもできる。また、表示形式は、レーダーチャートの他に、評価点を数字として示した表としてもよいし、棒グラフ等とすることもできる。
【0074】
このように、表示部11に各作業者の改善能力が表示されることにより、各作業者は自身の改善能力を適切に把握することができる。従って、各作業者は、今後の改善活動をどのように行うべきかを把握することができる。
【符号の説明】
【0075】
1:問題対策システム、 11:表示部、 12:掲示板ツール、 12a:掲示板情報、 13:掲示板情報記憶部、 14:問題点情報入力ツール、 14a:問題点情報、 15:問題点情報記憶部、 16:メンバー指定ツール、 17:作業者情報記憶部、 18:メンバー記憶部、 19:意見交換ツール、 20:意見情報記憶部、 21:改善能力評価部、 21a:改善能力の要素
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7
図8
図9
図10
図11