(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-28
(45)【発行日】2023-03-08
(54)【発明の名称】点灯制御装置および照明装置
(51)【国際特許分類】
H05B 47/155 20200101AFI20230301BHJP
【FI】
H05B47/155
(21)【出願番号】P 2018247130
(22)【出願日】2018-12-28
【審査請求日】2021-12-03
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】390014546
【氏名又は名称】三菱電機照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100082175
【氏名又は名称】高田 守
(74)【代理人】
【識別番号】100106150
【氏名又は名称】高橋 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100148057
【氏名又は名称】久野 淑己
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 浩士
(72)【発明者】
【氏名】大津 定治
(72)【発明者】
【氏名】平本 雄也
【審査官】坂口 達紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-212082(JP,A)
【文献】国際公開第2018/139017(WO,A1)
【文献】特開2008-103199(JP,A)
【文献】特開2017-123319(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0057818(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 39/00-39/10
45/00-45/58
47/00-47/29
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の光源をそれぞれ点灯させる複数の点灯回路と、
前記複数の光源にそれぞれ対応する複数の調光指令値を外部から受信し、前記複数の点灯回路を制御する制御装置と、
を備え、
前記制御装置は、前記複数の調光指令値に応じた前記複数の点灯回路の出力電力の和が予め定められた値である設定値を超える場合、前記出力電力の和が前記設定値以下となるように前記複数の調光指令値の各々を低下させ
、
前記制御装置は、前記複数の点灯回路をそれぞれ制御する複数の制御部を含み、
前記複数の制御部の各々は、前記複数の調光指令値を受信し、前記出力電力の和が前記設定値を超える場合、前記出力電力の和が前記設定値以下となるように前記複数の調光指令値のうち自己が処理する調光指令値を低下させることを特徴とする点灯制御装置。
【請求項2】
前記制御装置は、前記複数の調光指令値の比率を維持して前記複数の調光指令値の各々を低下させることを特徴とする請求項1に記載の点灯制御装置
。
【請求項3】
外部から前記複数の調光指令値が入力される外部受信端子を備え、
前記複数の制御部は、前記外部受信端子に対して直列に接続され、前記複数の調光指令値を各々が受信することを特徴とする請求項
1または2に記載の点灯制御装置。
【請求項4】
前記複数の制御部には、前記複数の調光指令値が並列に入力されることを特徴とする請求項
1または2に記載の点灯制御装置。
【請求項5】
前記複数の調光指令値は複数の調光率であり、
前記制御装置は、前記複数の調光指令値の和が予め定められた値を超える場合、前記複数の調光指令値の和が予め定められた値以下となるように前記複数の調光指令値の各々を低下させることを特徴とする請求項1から
4の何れか1項に記載の点灯制御装置。
【請求項6】
前記制御装置は、外部から前記複数の調光指令値が入力されない場合、予め定められた調光指令値で前記複数の光源を点灯させることを特徴とする請求項1から
5の何れか1項に記載の点灯制御装置。
【請求項7】
前記予め定められた調光指令値は、外部から受信した直前の調光指令値であることを特徴とする請求項
6に記載の点灯制御装置。
【請求項8】
請求項1から
7の何れか1項に記載の点灯制御装置と、
前記複数の光源と、
前記複数の調光指令値を前記点灯制御装置に入力する制御ユニットと、
を備えることを特徴とする照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、点灯制御装置および照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、2つの点灯部と、制御部を備える電源回路が開示されている。点灯部は、第1光源部を点灯させる第1電流と、第2光源部を点灯させる第2電流とを生成する。制御部は、第1光源部から発生する光の光量を制御する第1制御信号と、第2光源部から発生する光の光量を制御する第2制御信号とに基づき、点灯部を制御する。制御部は、第1制御信号に基づいて第1電流の出力値を設定する。また、制御部は、第1電流の出力値と第2電流の出力値との合計値が出力定格値以下となるように、第2出力値を規制する。従って、電源回路から過剰な量の電流が出力されることを抑制できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の電源装置では、第1光源部の発光量に応じて、第2光源部の発光量を制限する。このため、2つの光源部が発光した光を混合した色温度が、外部から指定された色温度と異なる恐れがある。
【0005】
本発明は、上述の課題を解決するためになされたもので、出力電力を抑制しつつ、複数の光源の発光量の比率の目標値と、実際の発光状態との差異を抑制できる点灯制御装置および照明装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る点灯制御装置は、複数の光源をそれぞれ点灯させる複数の点灯回路と、該複数の光源にそれぞれ対応する複数の調光指令値を外部から受信し、該複数の点灯回路を制御する制御装置と、を備え、該制御装置は、該複数の調光指令値に応じた該複数の点灯回路の出力電力の和が予め定められた値である設定値を超える場合、該出力電力の和が該設定値以下となるように該複数の調光指令値の各々を低下させ、該制御装置は、該複数の点灯回路をそれぞれ制御する複数の制御部を含み、該複数の制御部の各々は、該複数の調光指令値を受信し、該出力電力の和が該設定値を超える場合、該出力電力の和が該設定値以下となるように該複数の調光指令値のうち自己が処理する調光指令値を低下させる。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る点灯制御装置では、制御装置は複数の点灯回路の出力電力の和が設定値以下となるように、複数の調光指令値の各々を低下させる。従って、点灯制御装置の出力電力を抑制しつつ、複数の光源の発光量の比率の目標値と、実際の発光状態との差異を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施の形態1に係る照明装置の回路ブロック図である。
【
図2】実施の形態1に係る第1制御部の動作を説明するフローチャートである。
【
図3】比較例における色温度と出力電力との関係を示す図である。
【
図4】実施の形態1における色温度と出力電力との関係を示す図である。
【
図5】実施の形態1の第4の変形例に係る第1制御部の動作を説明するフローチャートである。
【
図6】実施の形態1の変形例における色温度と出力電力との関係を示す図である。
【
図7】実施の形態2に係る照明装置の回路ブロック図である。
【
図8】実施の形態3に係る照明装置の回路ブロック図である。
【
図9】実施の形態4に係る照明装置の回路ブロック図である。
【
図10】調光信号のDUTY比と調光率の関係の一例を示す図である。
【
図11】調光信号の周期と調光率の関係の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の実施の形態に係る点灯制御装置および照明装置について図面を参照して説明する。同じ又は対応する構成要素には同じ符号を付し、説明の繰り返しを省略する場合がある。
【0010】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る照明装置100の回路ブロック図である。照明装置100は、点灯制御装置1、第1光源部11-1、第2光源部11-2および制御ユニット12を備える。点灯制御装置1は商用電源ACから電力を供給され、第1光源部11-1、第2光源部11-2を点灯させる。点灯制御装置1は、第1光源部11-1および第2光源部11-2に、調光または調色制御された電力を供給する。
【0011】
商用電源ACは交流電源である。点灯制御装置1は、直流電源に接続されていてもよい。点灯制御装置1に直流電源を接続する場合、後で説明する整流回路13、突入電流抑制回路14、およびPFC(Power Factor Correction)回路15は不要となる。
【0012】
点灯制御装置1の出力側には、端子部CN1を介して第1光源部11-1が接続される。また、点灯制御装置1の出力側には、端子部CN2を介して第2光源部11-2が接続される。第1光源部11-1および第2光源部11-2は、直列に接続された複数の光源を有する。光源は例えばLED等の発光素子である。複数の光源は並列または直並列に接続されても良い。また、第1光源部11-1および第2光源部11-2の各々は、光源を1つ以上有すればよい。
【0013】
第1光源部11-1は、例えば色温度5000Kの光を発するLEDを備える。第2光源部11-2は、第1光源部とは異なる色温度の光を発するLEDを備える。第2光源部11-2の色温度は、例えば色温度3000Kである。
【0014】
また、点灯制御装置1には、端子部CN3を介して制御ユニット12が接続される。制御ユニット12は、複数の調光指令値を点灯制御装置1に入力する。制御ユニット12は例えば調光コントローラである。
【0015】
点灯制御装置1は、整流回路13、突入電流抑制回路14、PFC回路15、第1点灯回路21、第2点灯回路22、第1制御部IC1および第2制御部IC2を備える。整流回路13は、交流電圧を整流し脈流電圧に変換する。整流回路13は、例えばダイオードブリッジにより構成される全波整流回路を備える。また、整流回路13は入力フィルタ回路を備える。入力フィルタ回路は例えばノイズフィルタ回路である。
【0016】
突入電流抑制回路14は、整流回路13の出力に接続される。突入電流抑制回路14は、商用電源ACの投入時に後段のPFC回路15と並列に接続されたコンデンサに、急激に流れ込む突入電流を抑制する。
【0017】
PFC回路15は、力率改善回路である。PFC回路15は突入電流抑制回路14の出力に接続される。PFC回路15は、突入電流抑制回路14から出力される脈流電圧を直流電圧に変換して出力する。PFC回路15は、例えば昇圧チョッパ回路である。PFC回路は、図示しないコイル、スイッチング素子およびダイオードで構成される。
【0018】
PFC回路15の出力には、第1点灯回路21の入力および第2点灯回路22の入力が並列に接続される。PFC回路15は、第1点灯回路21と第2点灯回路22に電力を供給する共通の電源回路である。
【0019】
第1点灯回路21は、第1光源部11-1に電力を供給する。第1点灯回路21は例えばバックコンバータ回路である。第1点灯回路21は、スイッチング素子Q1、ダイオードD1、コイルL1、コンデンサC1および抵抗R1から構成される。
【0020】
第2点灯回路22は、第2光源部11-2に電力を供給する。第2点灯回路22は例えばバックコンバータ回路である。第2点灯回路22は、スイッチング素子Q2、ダイオードD2、コイルL2、コンデンサC2、および抵抗R2から構成される。スイッチング素子Q1、Q2は、例えばMOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)である。
【0021】
点灯制御装置1は第1点灯回路21と第2点灯回路22を制御する制御装置を備える。制御装置は、第1制御部IC1と第2制御部IC2から構成される。第1制御部IC1、第2制御部IC2は、例えばマイコンである。第1制御部IC1は第1点灯回路21を制御する。第2制御部IC2は第2点灯回路22を制御する。
【0022】
第1点灯回路21において、PFC回路15の高電位側の出力には、スイッチング素子Q1のドレインが接続される。スイッチング素子Q1のソースには、コイルL1の一端とダイオードD1のカソードが接続される。スイッチング素子Q1のゲートは、図示しないMOSFETドライバを介して第1制御部IC1のVg1端子に接続される。
【0023】
コイルL1の他端は、コンデンサC1の正極に接続される。第1制御部IC1の端子P1と抵抗R1の一端は、コンデンサC1の負極に接続される。ダイオードD1のアノードと抵抗R1の他端は、PFC回路15の低電位側の出力である回路基準電位GNDに接続される。コンデンサC1には、端子部CN1が接続される。コンデンサC1は、端子部CN1を介して第1光源部11-1に接続される。
【0024】
同様に、PFC回路15の高電位側の出力には、スイッチング素子Q2のドレインが接続される。スイッチング素子Q2のソースには、コイルL2の一端とダイオードD2のカソードが接続される。スイッチング素子Q2のゲートは、図示しないMOSFETドライバを介して第2制御部IC2のVg2端子に接続される。
【0025】
コイルL2の他端は、コンデンサC2の正極に接続される。第2制御部IC2の端子P2と抵抗R2の一端は、コンデンサC2の負極に接続される。ダイオードD2のアノードと抵抗R2の他端は、PFC回路15の低電位側の出力である回路基準電位GNDに接続される。コンデンサC2には、端子部CN2が接続される。コンデンサC2は、端子部CN2を介して第2光源部11-2に接続される。
【0026】
第1制御部IC1は、第1制御部IC1の端子P1の電圧が定められた電圧になるように、第1制御部IC1の端子Vg1からスイッチング素子Q1を動作させるスイッチング信号を出力する。これにより、第1光源部11-1に予め定められた直流電流が流れる。従って、第1光源部11-1を定電流制御することができる。また、第1光源部11-1の調光を行う際には、第1制御部IC1の端子P1に入力される電圧の目標値を変化させる。これにより、第1光源部11-1に流れる電流が変化する。
【0027】
同様に、第2制御部IC2は、第2制御部IC2の端子P2の電圧が定められた電圧になるように、第2制御部IC2の端子Vg2からスイッチング素子Q2を動作させるスイッチング信号を出力する。これにより、第2光源部11-2に予め定められた直流電流が流れる。従って、第2光源部11-2を定電流制御することができる。また、第2光源部11-2の調光を行う際には、第2制御部IC2の端子P2に入力される電圧の目標値を変化させる。これにより、第2光源部11-2に流れる電流が変化する。
【0028】
なお、マイコンで構成される第1制御部IC1、第2制御部IC2の動作電圧では、一般にスイッチング素子Q1、Q2の駆動電圧として足りない。点灯制御装置1では、端子Vg1、端子Vg2から図示しないMOSFETドライバに一旦スイッチング信号を入力する。MOSFETドライバからスイッチング素子Q1、Q2にスイッチング信号を出力することにより、安定してスイッチングができる。
【0029】
次に、制御ユニット12と点灯制御装置1の接続について説明する。制御ユニット12の通信端子は、第1制御部IC1の通信端子と第2制御部IC2の通信端子に直列に接続される。制御ユニット12は、通信端子として受信端子Rx0と送信端子Tx0を有する。第1制御部IC1は通信端子として受信端子Rx1と送信端子Tx1を有する。第2制御部IC2は通信端子として受信端子Rx2と送信端子Tx2を有する。
【0030】
端子部CN3は外部受信端子17と外部送信端子18とを有する。外部受信端子17は制御ユニット12の送信端子Tx0と接続され、外部送信端子18は制御ユニット12の受信端子Rx0と接続される。制御ユニット12の送信端子Tx0は、端子部CN3を介して第1制御部IC1の受信端子Rx1に接続される。第1制御部IC1の送信端子Tx1は、第2制御部IC2の受信端子Rx2に接続される。第2制御部IC2の送信端子Tx2は、端子部CN3を介して制御ユニット12の受信端子Rx0に接続される。
【0031】
制御ユニット12には、端子部CN3を介して点灯制御装置1の図示しない制御電源電圧VDDおよび第1点灯回路21および第2点灯回路22の回路基準電位GNDが接続される。
【0032】
このように接続された制御ユニット12の通信端子、第1制御部IC1の通信端子および第2制御部IC2の通信端子を用いて、制御ユニット12、第1制御部IC1および第2制御部IC2間で通信を行うことができる。通信には、例えばUART(Universal Asynchronous Reciever Transmitter)などの有線インタフェースを用いる。
【0033】
制御ユニット12から送信された信号は、第1制御部IC1と第2制御部IC2の双方で受信する。外部受信端子17には、外部から第1光源部11-1に対応する第1調光指令値と第2光源部11-2に対応する第2調光指令値が順番に入力される。第1制御部IC1と第2制御部IC2は、外部受信端子17に対して直列に接続される。第1制御部IC1は、制御ユニット12から受信した調光指令値を、通信端子を介して第2制御部IC2に送信する。このため、第1調光指令値および第2調光指令値を、第1制御部IC1と第2制御部IC2の各々が受信する。従って、それぞれの制御部は、他の制御部で処理される調光指令値を参照できる。
【0034】
次に、制御ユニット12と点灯制御装置1間で送受信される通信信号の一例を説明する。通信信号は例えば、スタート、種別、データ本体を合わせたコードを備える。スタートは、例えば0x4等の固定コードである。スタートは、通信の開始を示す。ここで、0xは16進数を意味する。
【0035】
種別は、要求と応答に分けられる。要求は、何れの制御部が操作対象であるかを示す信号である。例えば、要求0x1は、第1制御部IC1が制御する第1点灯回路21用の調光指令要求を示す。また、要求0x2は、第2制御部IC2が制御する第2点灯回路22用の調光指令要求を示す。
【0036】
応答は、点灯制御装置1が送信された信号を受信したことを制御ユニット12に通知する信号である。要求の受信対象は、受信した要求に例えば0x8を加えて応答として送信する。例えば、要求0x1を受信した第1制御部IC1は、応答として0x9を送信する。要求0x2を受信した第2制御部IC2は、応答として0xAを送信する。なお、自制御部宛てでない要求を受信した制御部は、受信した要求を応答に変換せずに、そのまま送信する。
【0037】
データ本体には、調光指令値が格納される。データ本体では、PWM(Pulse Width Modulation)信号のDUTY比で表される調光指令値が16進数で表記される。調光指令値のデータサイズは例えば1バイトである。また、PWM信号のDUTY比はパーセントで表される。
【0038】
例えば、全光の調光率100%は、PWM信号のDUTY比5%に相当する。PWM信号のDUTY比5%を指令するデータ本体は、5を16進変換した0x05となる。下限値の調光率5%は、PWM信号のDUTY比85%に相当する。PWM信号のDUTY比85%を指令するデータ本体は、85を16進変換した0x55となる。消灯の調光率0%は、PWM信号のDUTY比100%に相当する。PWM信号のDUTY比100%を指令するデータ本体は、100を16進変換した0x64となる。以下では、調光指令値を調光率で表記する。
【0039】
図2は、実施の形態1に係る第1制御部IC1の動作を説明するフローチャートである。
図2を用いて、第1制御部IC1の動作を説明する。まず、第1制御部IC1は、通信信号を受信する(ステップS1)。第1制御部IC1は、通信信号の要求を参照する。これにより第1制御部IC1は、受信した通信信号が自制御部宛ての通信信号か否かを判別する(ステップS2)。
【0040】
受信した通信信号が、自制御部宛ての通信信号であった場合、第1制御部IC1は、要求に0x8を加えて応答を生成する。以下で、通信信号のうち種別が応答のものを応答信号と呼ぶ。このように、第1制御部IC1は、応答信号を生成し送信する(ステップS3)。また、第1制御部IC1は、受信した自制御部宛ての調光指令値を保存する(ステップS4)。ここで、調光指令値とともに調光指令値を処理する制御部の情報を保存しても良い。
【0041】
一方、ステップS2で受信した通信信号が、自制御部宛ての通信ではなかった場合、第1制御部IC1は、受信した通信信号をデータ加工せず、そのまま送信する(ステップS5)。ステップS2またはステップS5の後、第1制御部IC1は次の通信信号を待つ。
【0042】
第1制御部IC1は、各制御部宛てに送信された調光指令値を全て受信したか否かを判断する(ステップS6)。ここで、調光指令値を全て受信したか否かを判断する方法は、複数考えられる。例えば、制御部が2つの場合、第1制御部IC1宛てに送信された調光指令値と第2制御部IC2宛に送信された調光指令値を順番に受信待機し、第2制御部IC2宛てに送信された調光指令値を受信したことをトリガーとして、ステップS6を実施してもよい。
【0043】
制御ユニット12は、複数の制御部でそれぞれ処理される複数の調光指令値を順番に送信する。各制御部は、最後の制御部で処理される調光指令値を受信するとステップS6を実施する。この場合、各制御部は、いずれかの制御部宛てに送信された調光指令値の受信に失敗すると、今まで受信した調光指令値を破棄し、第1制御部IC1宛ての調光指令値の受信を待機する。
【0044】
制御ユニット12は、複数の制御部でそれぞれ処理される複数の調光指令値をランダムに送信しても良い。各制御部は、複数の制御部にそれぞれ対応する複数のフラグを有する。複数のフラグの初期値は0である。各制御部は、対応する調光指令値を受信済みの制御部のフラグを立てる。つまり、フラグを1にする。また、各制御部は、フラグ全ての積が1となった場合にステップS6を実施する。各制御部は、フラグが1の制御部について重複して調光指令値を受信した場合、古いデータを廃棄し最新のデータを優先しても良い。
【0045】
ステップS6で全ての調光指令値を受信した場合、第1制御部IC1はステップS7に進む。ステップS6で全ての調光指令値を受信していない場合、第2制御部IC2は、次の通信信号を待つ。
【0046】
本実施の形態では、調光指令値は調光率に対応する。ステップS7において、第1制御部IC1は全ての調光指令値に戻づく調光率を合計する。ここでは、第1調光指令値に対応する第1調光率T1と、第2調光指令値に対応する第2調光率T2の和を算出する。
【0047】
次に、第1制御部IC1は合計した調光率と予め定められた設定値である調光率リミットSとを比較する(ステップS8)。調光率リミットSは照明装置100全体の調光率の上限値を示す。つまり、調光率リミットSは、第1光源部11-1と第2光源部11-2の光が合成された調光率の上限値である。本実施の形態では調光率リミットSは100%である。ステップS8では、第1調光率T1と第2調光率T2の和が100%より大きいか否かを判別する。
【0048】
第1制御部IC1は、第1調光率T1と第2調光率T2との和が調光率リミットを超える場合、第1調光率T1と第2調光率T2との和が調光率リミットと一致するように新たな第1調光率S1を算出する(ステップS9)。ここで、新たな第1調光率S1=S×T1/(T1+T2)である。
【0049】
第1制御部IC1は、第1調光率T1を新たな第1調光率S1に書き換える。また、第1制御部IC1は、新たな第1調光率S1に基づき、第1点灯回路21を調光制御する(ステップS10)。
【0050】
一方、ステップS8において第1調光率T1と第2調光率T2の和が調光率リミットS以下である場合、第1制御部IC1は第1調光率T1に基づき調光制御を行う(ステップS10)。
【0051】
次に、第2制御部IC2の動作を説明する。ステップS1~ステップS8は、第1制御部IC1の動作と同じである。なお、第2制御部IC2は、制御ユニット12からではなく第1制御部IC1から通信信号を受信する。第2制御部IC2は、第1調光率T1と第2調光率T2との和が調光率リミットを超える場合、第1調光率T1と第2調光率T2との和が調光率リミットと一致するように新たな第2調光率S2を算出する(ステップS9)。ここで、新たな第2調光率S2=S×T2/(T1+T2)である。
【0052】
第2制御部IC2は、第2調光率T2を新たな第2調光率S2に書き換える。また、第2制御部IC2は、新たな第2調光率S2に基づき、第2点灯回路22を調光制御する(ステップS10)。一方、ステップS8において第1調光率T1と第2調光率T2の和が調光率リミットS以下である場合、第2制御部IC2は第2調光率T2に基づき調光制御を行う(ステップS10)。
【0053】
図3は、比較例における色温度と出力電力との関係を示す図である。
図4は実施の形態1における色温度と出力電力との関係を示す図である。
図3に示される比較例では、照明装置100に調光率リミットが設けられない。
図3および
図4では、第1点灯回路21および第2点灯回路22の出力電力をそれぞれ調光率0%から100%まで変化させている。また、第1光源部11-1の色温度を5000K、第2光源部11-2の色温度を3000Kに設定している。
【0054】
調光率リミットが設けられない場合、
図3に示されるように、第1点灯回路21および第2点灯回路22を調光率100%で点灯させると、色温度は約4000Kとなり、出力電力は最大となる。このように、第1点灯回路21と第2点灯回路22が独立した調光信号に基づいて制御されると、色温度によっては、照明装置としての全体の調光率が目的とする値を超えてしまう場合がある。また、第1点灯回路21および第2点灯回路22を共に調光率100%点灯とする明るさは、必ずしも必要ではないことが多い。さらに、出力電力が高い状態では、照明装置100を構成する回路に過剰に負荷をかける恐れがある。
【0055】
これに対し、本実施の形態では、第1調光率T1と第2調光率T2を上述の演算式で新たな第1調光率S1と第2調光率S2に書き換える。これにより、第1調光率T1と第2調光率T2の和を予め定められた値以下にすることができる。調光率は点灯回路の出力電力に対応する。即ち、本実施の形態では、複数の点灯回路の出力電力の和を設定値以下に抑制できる。従って、合成された調光率に対応する点灯制御装置1としての最大出力が、予め設定された上限値を超えることを防止できる。
【0056】
これにより、
図4に示されるように、色温度によらず、点灯制御装置1の出力電力を設定値以下に抑制できる。従って、外部から出力範囲外の調光指令値を受信した場合にも、点灯制御装置1を過剰な負荷から保護できる。また、一般に第1点灯回路21および第2点灯回路22の合計電力が一定となるように制御することが要求される場合が多い。このため、本実施の形態では点灯制御装置1を適切に制御できる。
【0057】
また、出力電力を制限するために、一方の光源部の発光量に応じて、他方の光源部の発光量を制限することが考えられる。この場合、2つの光源部が発した光を混合した色温度が、外部から指定された色温度と異なる恐れがある。
【0058】
例えば、第1光源部の発光量を7、第2光源部の発光量を7とする指令を外部から受信したとする。このとき、第1光源部と第2光源部の発光量は等しいため、外部から指定された色温度は第1光源部と第2光源部の中間の色温度である。ここで、第1光源部と第2光源部の発光量の合計の上限値が10であるとする。この上限値を満たすように、第1光源部の発光量7を参照して第2光源部の発光量を3にすると、発光量の比率が変わる。従って、外部から指定された色温度と異なり、第1光源部の色温度寄りの光色となる。
【0059】
これに対し、本実施の形態では、第1制御部IC1と第2制御部IC2の各々は、外部から受信した複数の調光指令値の比率を維持して、複数の調光指令値の各々を低下させる。このため、出力電力を抑制しつつ、外部から指定された色温度を実現できる。従って、照明装置100を目的とする調色度で点灯させることができる。よって、演出性および光の品質を向上できる。また、外部から指定した色温度がそのまま実現されるため、照明装置100の発光色を容易に調節できる。
【0060】
本実施の形態の第1の変形例として、点灯制御装置1は制御部、点灯回路、光源部をそれぞれ3つ以上備えても良い。これにより、光源部が発する光の調色範囲を広げることができる。
【0061】
点灯制御装置1が備える制御部、点灯回路、光源部の数は、それぞれ複数であれば良い。この場合、点灯制御装置1は、複数の光源部をそれぞれ点灯させる複数の点灯回路と、制御装置とを備える。制御装置は、複数の点灯回路をそれぞれ制御する複数の制御部を含む。複数の制御部の各々は、複数の光源部にそれぞれ対応する複数の調光指令値の全てを外部から受信する。複数の制御部の各々は、複数の調光指令値に応じた複数の点灯回路の出力電力の和が設定値を超える場合、出力電力の和が設定値以下となるように自己が処理する調光指令値を低下させる。
【0062】
また、第1の変形例においても、複数の制御部は送信端子と受信端子を介して直列に接続される。また、複数の制御部のうち先頭の制御部の受信端子は、制御ユニット12の送信端子Tx0と接続される。複数の制御部のうち最後の制御部の送信端子は、制御ユニット12の受信端子Rx0に接続される。これにより、各々の制御部が全ての調光指令値を受信できる。
【0063】
また、本実施の形態では、外部から受信した複数の調光指令値の比率を維持するものとしたが、これに限るものではない。本実施の形態の第2の変形例として、複数の制御部の各々は、外部から受信した複数の調光指令値の比率を維持せずに、出力電力の和が設定値以下となるように自己が処理する調光指令値を低下させも良い。例えば、各々の制御部は、使用者が違和感を覚えない範囲で、複数の調光指令値の比率を変更しても良い。この場合も、複数の調光指令値の各々が低下するため、複数の調光指令値のうち一つのみが調節される場合と比較して、外部から指定された複数の光源の発光量の比率と、実際の発光状態との差異を抑制できる。
【0064】
また、本実施の形態では、自制御部宛ての通信信号を受信した場合に応答信号を生成した(ステップS2、ステップS3)。本実施の形態の第3の変形例として、応答信号を生成する制御部を特定の制御部に固定しても良い。例えば応答信号を送信する制御部が第1制御部IC1である場合、第1制御部IC1は何れの制御部宛ての通信信号を受信しても応答信号を送信する。また、第2制御部IC2は受信した通信信号をそのまま送信する。
【0065】
図5は、実施の形態1の第4の変形例に係る第1制御部IC1の動作を説明するフローチャートである。第4の変形例では調光率リミットSが100%以外の値に設定される。ステップS1~ステップS7は実施の形態1と同様である。ステップS208において、第1制御部IC1は合計した調光率と調光率リミットSとを比較する。ここで、調光率リミットSは例えば120%である。
【0066】
第1制御部IC1は、第1調光率T1と第2調光率T2との和が調光率リミットSを超える場合、第1調光率T1と第2調光率T2との和が調光率リミットSと一致するように新たな第1調光率S1を算出する(ステップS209)。新たな第1調光率S1の算出方法は、Sの値が異なる以外は、ステップS9と同じである。以降のステップは実施の形態1と同様である。
【0067】
図6は、実施の形態1の第4の変形例における色温度と出力電力との関係を示す図である。調光率リミットSを設定することで、第1制御部IC1と第2制御部IC2の調光率を合計した調光率が、全光点灯を下回る、あるいは、超えるように変更できる。従って、仕様変更および設計変更を容易に行うことができる。特に、光出力を多くしたい場合、例えば調光率リミットS=120%とすることで、容易に光出力を上げることができる。この際、第1調光指令値と第2調光指令値との比率を維持すれば、混合した色温度に対して使用者が覚える違和感を抑制できる。
【0068】
また、第1点灯回路21、第2点灯回路22に対して直流電力を供給するPFC回路15などの共通の電源回路の出力電力幅を一定の範囲内に狭めることができる。このため、電源回路にかかる負担を抑制できる。出力電力幅を一定の範囲内に狭めることで、出力電力幅をワイドレンジとすることなく、ナローレンジでの設計が可能となる。従って、設計が容易となる。また、部品の小型化、低コスト化が実現できる。
【0069】
また、第1光源部11-1、第2光源部11-2の一方が調光率リミットSと一致する調光率で点灯し、他方が消灯した状態から、双方の光源部を点灯させる場合にも、合成された調光率を確実に調光率リミットS以下に制限できる。特に、第1光源部11-1、第2光源部11-2の一方のみが、例えば調光率95パーセントの高い調光率で点灯した状態から、双方の光源部を点灯させる場合に、照明装置100が明るくなりすぎることを防止できる。
【0070】
また、本実施の形態では、複数の制御部の各々は、出力電力の和が設定値以下となるように自己が処理する調光指令値を低下させた。本実施の形態の第5の変形例として、複数の制御部の各々は、複数の調光指令値に応じた複数の点灯回路の出力電力の和が設定値より小さい場合、出力電力の和が設定値と一致するように自己が処理する調光指令値を増加させても良い。これにより、外部からの調光指令値によらず、出力電力を一定に維持できる。
【0071】
また、本実施の形態の第6の変形例として、複数の制御部の各々は、外部から複数の調光指令値が入力されない場合、予め定められた調光指令値で対応する光源部を点灯させても良い。第1制御部IC1、第2制御部IC2は、予め調光率を記憶している。第1制御部IC1、第2制御部IC2は、予め記憶された調光率に基づいて、第1光源部11-1、第2光源部11-2をそれぞれ点灯させる。
【0072】
外部から複数の調光指令値が入力されない場合、例えば合計の調光率が100%となるように制御が行われてもよい。具体的には、第1制御部IC1、第2制御部IC2は、第1光源部11-1と第2光源部11-2をともに50%とする。また、第1制御部IC1、第2制御部IC2は、第1光源部11-1と第2光源部11-2の一方を100%、他方を0%としても良い。これに限らず、例えば第1光源部11-1と第2光源部11-2の一方を50%、他方を30%とし、合計の調光率が100%未満となる制御を行っても良い。
【0073】
予め定められた調光指令値は、外部から受信した直前の調光指令値であっても良い。これにより、調光コントローラの故障または通信線の断線などによって、調光指令値が点灯制御装置に入力されない場合にも、光源部を点灯させることができる。
【0074】
本実施の形態の点灯制御装置1は、調色可能な複数の光源部を備える各種の照明装置に適用できる。点灯制御装置1は例えば、ダウンライト、ペンダント型ライト、高天井照明等に用いても良い。
【0075】
また、本実施の形態の複数の光源部は互いに色温度が異なる。これに限らず、複数の光源部は、光の出射方向、光の広がる角度または配置位置等が異なっても良い。
【0076】
これらの変形は以下の実施の形態に係る点灯制御装置および照明装置について適宜応用することができる。なお、以下の実施の形態に係る点灯制御装置および照明装置については実施の形態1との共通点が多いので、実施の形態1との相違点を中心に説明する。
【0077】
実施の形態2.
図7は、実施の形態2に係る照明装置300の回路ブロック図である。照明装置300は、点灯制御装置301を備える。点灯制御装置301では、制御ユニット12の通信端子が、第1制御部IC1の通信端子と第2制御部IC2の通信端子に並列に接続される。これにより、複数の制御部には、複数の調光指令値が並列に入力される。
【0078】
即ち、第1制御部IC1受信端子Rx1および第2制御部IC2の受信端子Rx2は、端子部CN3を介して制御ユニット12の送信端子Tx0と並列に接続される。これにより、第1制御部IC1および第2制御部IC2の各々は外部から通信信号を受信できる。また、第1制御部IC1の送信端子Tx1と第2制御部IC2の送信端子Tx2は、端子部CN3を介して制御ユニット12の受信端子Rx0と並列に接続される。これにより、第1制御部IC1と第2制御部IC2の各々は、外部へ応答信号を送信できる。
【0079】
制御ユニット12の通信端子から送信された信号は、第1制御部IC1と第2制御部IC2の双方で受信される。このため、それぞれの制御部は、他の制御部に送信された調光指令値を参照できる。これにより実施の形態1と同様に、第1点灯回路21および第2点灯回路22の合計電力が一定値を超えないようにしつつ、第1調光指令値と第2調光指令値との比率を維持できる。
【0080】
また、第1制御部IC1の送信端子Tx1と第2制御部IC2の送信端子Tx2が、外部へ応答信号を送信する。このため、実施の形態1と同様に、点灯制御装置301は制御ユニット12との間で双方向通信を行うことができる。
【0081】
本実施の形態では、第1制御部IC1と第2制御部IC2は制御ユニット12からの通信信号を一斉に受信する。このとき、第1制御部IC1と第2制御部IC2の双方が制御ユニット12に応答信号を送信すると、応答信号が衝突する可能性がある。これにより、通信エラーが発生する可能性がある。また、制御ユニット12が1回の通信で2重に応答信号を受信し、通信が成立しないおそれがある。
【0082】
このような応答信号の衝突を避けるため、点灯制御装置301は、第1制御部IC1と第2制御部IC2の一方のみが応答信号を送信する。これにより、点灯制御装置301と制御ユニット12との双方向の有線通信を行うことができる。
【0083】
制御ユニット12は、先ず宛先を第1制御部IC1とした通信信号を送信し、次に宛先を第2制御部IC2とした通信信号を送信する。このため、宛先に指定された制御部が応答を返しても良い。これにより、制御ユニット12は、少なくとも宛先に指定された制御部との通信が成立したことを確認できる。
【0084】
この方法に限らず、応答信号を送信する制御部を固定してもよい。これにより、制御ユニット12は、少なくとも応答信号を送信する制御部との通信が成立したことを確認できる。
【0085】
また、本実施の形態では、制御ユニット12と点灯制御装置301間の通信を、制御部が1つの場合の双方向の有線通信と同等の通信時間で行うことができる。例えば、送信端子から受信端子への通信に約8msの通信時間が必要な場合を考える。このとき、実施の形態1では、制御ユニット12が通信信号を送信してから、第1制御部IC1および第2制御部IC2を介して制御ユニット12が応答信号を受信するまでの通信時間は、約24msである。これに対し、本実施の形態では、複数の制御部が制御ユニットと並列に接続されるため、制御ユニット12が通信信号を送信してから応答信号を受信するまでの通信時間は、約16msである。
【0086】
また、
図7では、第1制御部IC1の送信端子Tx1と第2制御部IC2の送信端子Tx2の両方が制御ユニット12と接続された。これに限らず、複数の制御部のうち少なくとも1つが外部へ応答信号を送信可能に端子部CN3に接続されても良い。例えば、応答信号を送信する制御部を固定する場合、応答信号を送信する制御部の送信端子のみが制御ユニット12と接続されても良い。
【0087】
実施の形態3.
図8は、実施の形態3に係る照明装置400の回路ブロック図である。照明装置400は点灯制御装置401を備える。点灯制御装置401は、制御装置として1つの制御部IC0を有する。制御部IC0の通信端子は、制御ユニット12の通信端子と接続される。
【0088】
制御ユニット12の送信端子Tx0は、端子部CN3を介して制御部IC0の受信端子Rxに接続される。制御部IC0の送信端子Txは、端子部CN3を介して制御ユニット12の受信端子Rx0に接続される。これにより制御部IC0は、双方向の有線通信を用いて、第1点灯回路21用の第1調光指令値と第2点灯回路22用の第2調光指令値を受信できる。
【0089】
制御部IC0は、出力端子P1からスイッチング素子Q1を動作させるスイッチング信号を出力する。スイッチング信号は、第1点灯回路21のドライバDRV1の端子Vref1で受信される。ドライバDRV1はMOSFETドライバである。第1制御部IC1は、ドライバDRV1を介してスイッチング素子Q1をスイッチングさせる。
【0090】
また、制御部IC0は、出力端子P2からスイッチング素子Q2を動作させるスイッチング信号を出力する。スイッチング信号は、第2点灯回路22のドライバDRV2のVref2端子で受信される。ドライバDRV2はMOSFETドライバである。制御部IC0は、ドライバDRV2を介してスイッチング素子Q2をスイッチングさせる。
【0091】
また、制御部IC0は、実施の形態2と同様に、受信した第1調光率T1と第2調光率T2の和を算出する。第1調光率T1と第2調光率T2の和が調光率リミットS以下の場合、制御部IC0は、第1調光率T1に応じて第1点灯回路21を制御し、第2調光率T2に応じて第2点灯回路22を制御する。
【0092】
また、第1調光率T1と第2調光率T2の和が調光率リミットSより大きい場合、制御部IC0は新たな第1調光率S1と新たな第2調光率S2を算出する。つまり、制御部IC0は、出力電力の和が設定値以下となるように複数の調光指令値の各々を低下させる。制御部IC0は、新たな第1調光率S1に応じて第1点灯回路21を制御し、新たな第2調光率S2に応じて第2点灯回路22を制御する。従って、実施の形態2と同様の効果が得られる。
【0093】
実施の形態4.
図9は、実施の形態4に係る照明装置500の回路ブロック図である。照明装置500は、制御ユニット12に代えて調光器512を有する。また、照明装置500は第1制御部IC1および第2制御部IC2と、端子部CN3との間に調光IF回路519を備える。その他の構成は実施の形態2と同様である。
【0094】
調光器512は、端子部CN3に調光信号であるPWM信号を出力する。第1制御部IC1と第2制御部IC2は、調光IF回路519を介して、PWM信号を受信する。なお、調光器512から送信されたPWM信号は、調光IF回路519を介し第1制御部IC1の入力端子DIM1および第2制御部IC2の入力端子DIM2に入力される。また、本実施の形態では、第1制御部IC1の送信端子Tx1および第2制御部IC2の送信端子Tx2を用いない。
【0095】
図10は、調光信号のDUTY比と調光率の関係の一例を示す図である。第1点灯回路21の第1調光率T1および第2点灯回路22の第2調光率T2は、調光信号のDUTY比として第1制御部IC1および第2制御部IC2に送信される。調光信号のDUTY比5%は、調光率100%の全光状態に対応する。また、調光信号のDUTY比90%は、調光率0%の消灯状態に対応する。
【0096】
図11は、調光信号の周期と調光率の関係の一例を示す図である。第1調光率T1および第2調光率T2は、調光信号の周期として第1制御部IC1および第2制御部IC2に送信されても良い。調光信号の周波数100Hz、即ち周期10msは、調光率100%の全光状態に対応する。また、調光信号の周波数1kHz、即ち周期1msは調光率0%の消灯状態に対応する。
【0097】
調光器512は、DUTY比または周期の異なる複数の調光信号を順番に出力する。第1制御部IC1および第2制御部IC2の各々は、複数の調光信号の全てを受信する。これにより、第1制御部IC1と第2制御部IC2の各々は、第1調光率T1と第2調光率T2を把握できる。従って、実施の形態2と同様に、第1点灯回路21および第2点灯回路22の合計電力が一定値を超えないようにしつつ、第1調光指令値と第2調光指令値との比率を維持できる。
【0098】
なお、各実施の形態で説明した技術的特徴は適宜に組み合わせて用いてもよい。
【符号の説明】
【0099】
1、301、401、501 点灯制御装置、100、300、400、500 照明装置、11-1 第1光源部、11-2 第2光源部、12 制御ユニット、13 整流回路、14 突入電流抑制回路、15 PFC回路、17 外部受信端子、18 外部送信端子、21 第1点灯回路、22 第2点灯回路、512 調光器、AC 商用電源、C1、C2 コンデンサ、CN1、CN2、CN3 端子部、D1、D2 ダイオード、GND 回路基準電位、IC0 制御部、IC1 第1制御部、IC2 第2制御部、L1、L2 コイル、Q1、Q2 スイッチング素子、R1、R2 抵抗