(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-28
(45)【発行日】2023-03-08
(54)【発明の名称】インクジェット記録装置
(51)【国際特許分類】
B41J 2/01 20060101AFI20230301BHJP
【FI】
B41J2/01 307
(21)【出願番号】P 2019015557
(22)【出願日】2019-01-31
【審査請求日】2021-12-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】陶 智博
(72)【発明者】
【氏名】冨岡 宏行
【審査官】小野 郁磨
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-296518(JP,A)
【文献】特開2017-094712(JP,A)
【文献】特開2012-187784(JP,A)
【文献】特開2006-188013(JP,A)
【文献】特開2004-216816(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0019592(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 2/01-2/215
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
インクジェット記録装置であって、
ヘッドアッセンブリと、
前記ヘッドアッセンブリが設置される設置部と
を備え、
前記ヘッドアッセンブリは、
ベース部材と、
インクを吐出する複数の記録ヘッドと、
前記複数の記録ヘッドを前記ベース部材に連結する複数の連結部材と、
前記複数の記録ヘッドのうちの少なくとも1つの記録ヘッドの回転軸となる少なくとも1つの第1回転軸部材と、
前記少なくとも1つの記録ヘッドを、前記少なくとも1つの第1回転軸部材を回転中心として回転させる少なくとも1つの第1角度調整機構と
を備え、
前記複数の記録ヘッドはそれぞれ、第1端部と、前記第1端部とは反対側の第2端部とを有し、
前記複数の連結部材は、
前記複数の記録ヘッドの前記第1端部をそれぞれ前記ベース部材に連結する複数の第1連結部材と、
前記複数の記録ヘッドの前記第2端部をそれぞれ前記ベース部材に連結する複数の第2連結部材と
を含み、
前記少なくとも1つの第1回転軸部材は、前記複数の第1連結部材のうち、前記少なくとも1つの記録ヘッドの前記第1端部を前記ベース部材に連結する第1連結部材に設けられ、
前記少なくとも1つの第1角度調整機構は、前記複数の第2連結部材のうち、前記少なくとも1つの記録ヘッドの前記第2端部を前記ベース部材に連結する第2連結部材に設けら
れ、
前記インクジェット記録装置は、
前記設置部に設けられ、前記ヘッドアッセンブリの回転軸となる第2回転軸部材と、
前記設置部に設けられ、前記第2回転軸部材を回転中心として前記ヘッドアッセンブリを回転させる第2角度調整機構と
を備え、
前記第2角度調整機構は、
第3回転軸部材と、
前記第3回転軸部材を回転中心として回転自在に配置される角度調整部材と
を有し、
前記角度調整部材は、前記ヘッドアッセンブリに係合する第1係合部を有し、
前記ヘッドアッセンブリは、前記第1係合部と係合するヘッド側係合部を有し、
前記角度調整部材は、前記第3回転軸部材を回転中心として第3回転方向に回転することに応じて、前記第1係合部が前記ヘッド側係合部を押すように構成されており、
前記ヘッドアッセンブリは、前記第1係合部が前記ヘッド側係合部を押すことに応じて、前記第2回転軸部材を回転中心として回転するように構成されている、インクジェット記録装置。
【請求項2】
前記少なくとも1つの第1角度調整機構は、
前記少なくとも1つの記録ヘッドの前記第2端部に当接して、前記少なくとも1つの記録ヘッドを第1回転方向に回転させる第1押当部材と、
前記第1回転方向とは反対の第2回転方向に、前記少なくとも1つの記録ヘッドの前記第2端部を付勢する第1付勢部材と
を有する、請求項1に記載の
インクジェット記録装置。
【請求項3】
前記ヘッドアッセンブリは、第1端部と、前記第1端部とは反対側の第2端部とを有し、
前記記録ヘッドはそれぞれ、自身の前記第1端部が自身の前記第2端部と比べて前記ヘッドアッセンブリの前記第1端部側に位置するように配置される、請求項1又は請求項2に記載の
インクジェット記録装置。
【請求項4】
前記ヘッドアッセンブリは、第1端部と、前記第1端部とは反対側の第2端部とを有し、
前記第2回転軸部材は、前記ヘッドアッセンブリの前記第1端部側に配置され、
前記第2角度調整機構は、前記ヘッドアッセンブリの前記第2端部側に配置される、
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
【請求項5】
前記第2角度調整機構は、前記角度調整部材と係合する第2押当部材を有し、
前記角度調整部材は、前記第2押当部材と係合する第2係合部を有し、
前記第2角度調整機構は、前記第2押当部材が前記第2係合部を押すことに応じて、前記角度調整部材が前記第3回転方向に回転するように構成されている、
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
【請求項6】
前記第2角度調整機構は、前記第2押当部材に連結し、前記第2押当部材が前記第2係合部を押すように前記第2押当部材を移動させる連結機構を有する、請求項
5に記載のインクジェット記録装置。
【請求項7】
前記連結機構は、作業者が操作可能な操作部材を有し、
前記連結機構は、前記操作部材が操作されることに応じて前記第2押当部材を移動させるように構成されている、請求項
6に記載のインクジェット記録装置。
【請求項8】
前記設置部は、側壁を有し、
前記角度調整部材は、前記側壁の内側に配置され、
前記操作部材は、前記側壁の外側に配置される、請求項
7に記載のインクジェット記録装置。
【請求項9】
前記第2角度調整機構は、第4回転方向に前記角度調整部材が回転するように前記角度調整部材を付勢する第2付勢部材を有し、
前記第4回転方向は、前記第3回転方向とは反対の回転方向である、請求項
1から請求項
8のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
【請求項10】
前記第2角度調整機構は、前記角度調整部材の回転を規制する規制部材を有する、請求項
1から請求項
9のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヘッドアッセンブリ、及びインクジェット記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
インクジェット記録装置の一種に、ラインヘッド式のインクジェット記録装置がある。ラインヘッド式のインクジェット記録装置は、搬送中の記録媒体に向けて記録ヘッドからインクを吐出して、記録媒体に画像を記録する。記録ヘッドは、インクを吐出するノズル孔が形成されたノズル面を有する。
【0003】
ラインヘッド式のインクジェット記録装置は、一般的に、複数の記録ヘッドを有するヘッドアッセンブリを備える。複数の記録ヘッドは、記録媒体の搬送方向に直交する記録媒体の幅方向に並べて配置される。また、ラインヘッド式のインクジェット記録装置は、1つのヘッドアッセンブリの各記録ヘッドから1色(同色)のインクを吐出するように構成されている。したがって、カラー印刷に対応するラインヘッド式のインクジェット記録装置は、例えば4つのヘッドアッセンブリを備える。詳しくは、イエロー色、シアン色、マゼンタ色、及び黒色の各色に対応するヘッドアッセンブリがインクジェット記録装置の装置本体に搭載される。各色のヘッドアッセンブリは、記録媒体の搬送方向に並べて配置される。
【0004】
ラインヘッド式のインクジェット記録装置は、記録ヘッドの位置決めをより正確に行う必要がある。例えば、平面視した場合に、同色のインクを吐出する記録ヘッドの角度が揃っているように、記録ヘッドを位置決めする必要がある。換言すると、記録媒体の搬送方向と記録媒体の幅方向とを含む面内で、同色のインクを吐出する記録ヘッドを平行に並べる必要がある。同色のインクを吐出する記録ヘッドの角度が揃っていない場合、画像品質が低下するおそれがあるためである。具体的には、縦筋画像が発生するおそれがある。
【0005】
特許文献1には、インクジェットヘッドを位置決めする機構が開示されている。具体的には、特許文献1には、インクジェットヘッドと、フレームと、2つの位置決めピンと、2つのアライメントプレートとを備えたヘッドアッセンブリが開示されている。詳しくは、インクジェットヘッドは、記録媒体の幅方向における両端に鍔部を有し、2つの鍔部にそれぞれ1つのアライメントプレートが取り付けられる。2つの位置決めピンは、記録媒体の幅方向において対向し、フレームの主面から垂直に突出する。インクジェットヘッドをフレームに固定する際には、一方のアライメントプレートの側面に一方の位置決めピンが当接し、他方のアライメントプレートの側面に他方の位置決めピンが当接するように、インクジェットヘッドの鍔部をフレームに押し当てる。この結果、インクジェットヘッドの位置が定まる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に開示されたヘッドアッセンブリは、インクジェットヘッドをフレームに固定した後に、インクジェットヘッドの角度を調整できない。したがって、例えば、位置決めピンの位置、又はアライメントプレートの位置の誤差に起因して、同色のインクを吐出するインクジェットヘッドの角度が揃わない可能性がある。
【0008】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、記録ヘッドの角度を調整できるヘッドアッセンブリ、及びインクジェット記録装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のヘッドアッセンブリは、ベース部材と、複数の記録ヘッドと、複数の連結部材と、少なくとも1つの第1回転軸部材と、少なくとも1つの第1角度調整機構とを備える。前記複数の記録ヘッドは、インクを吐出する。前記複数の連結部材は、前記複数の記録ヘッドを前記ベース部材に連結する。前記少なくとも1つの第1回転軸部材は、前記複数の記録ヘッドのうちの少なくとも1つの記録ヘッドの回転軸となる。前記少なくとも1つの第1角度調整機構は、前記少なくとも1つの記録ヘッドを、対応する前記第1回転軸部材を回転中心として回転させる。前記複数の記録ヘッドはそれぞれ、第1端部と、前記第1端部とは反対側の第2端部とを有する。前記複数の連結部材は、複数の第1連結部材と、複数の第2連結部材とを含む。前記複数の第1連結部材は、前記複数の記録ヘッドの前記第1端部をそれぞれ前記ベース部材に連結する。前記複数の第2連結部材は、前記複数の記録ヘッドの前記第2端部をそれぞれ前記ベース部材に連結する。前記第1回転軸部材は、対応する前記記録ヘッドの前記第1連結部材に設けられる。前記第1角度調整機構は、対応する前記記録ヘッドの前記第2連結部材に設けられる。
【0010】
本発明のインクジェット記録装置は、上記のヘッドアッセンブリと、上記のヘッドアッセンブリが設置される設置部とを備える。
【発明の効果】
【0011】
本発明のヘッドアッセンブリ、及びインクジェット記録装置によれば、記録ヘッドの角度を調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の実施形態に係るヘッドアッセンブリを示す斜視図である。
【
図2】本発明の実施形態に係るヘッドアッセンブリを示す斜視図である。
【
図3】本発明の実施形態に係るヘッドアッセンブリを示す背面図である。
【
図4】本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置を示す図である。
【
図5】本発明の実施形態に係るヘッドアッセンブリを示す底面図である。
【
図6】本発明の実施形態に係る第2記録ヘッド及び第1角度調整機構を示す底面図である。
【
図7】本発明の実施形態に係る第2記録ヘッド及び第1角度調整機構を示す拡大斜視図である。
【
図8】本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置を示す図である。
【
図9】本発明の実施形態に係るヘッドアッセンブリを示す底面図である。
【
図10】本発明の実施形態に係る第2角度調整機構を示す斜視図である。
【
図11】本発明の実施形態に係る第2角度調整機構及び第2連結部材を示す底面図である。
【
図12】本発明の実施形態に係る第2角度調整機構を示す斜視図である。
【
図13】本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。但し、図中、同一又は相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。また、説明が重複する箇所については、適宜説明を省略する場合がある。なお、図面には、理解を容易にするために、前後方向、上下方向、及び左右方向を記載しているが、本発明に係るヘッドアッセンブリ及びインクジェット記録装置の製造時及び使用時の向きを限定する意図はない。
【0014】
まず、
図1を参照して、本実施形態のヘッドアッセンブリ1を説明する。
図1は、本実施形態に係るヘッドアッセンブリ1を示す斜視図である。詳しくは、
図1は、左斜め前の上方から見たヘッドアッセンブリ1を示す。
図1に示すように、ヘッドアッセンブリ1は、ベース部材2、複数の記録ヘッド3、及び複数の連結部材4を備える。
【0015】
ヘッドアッセンブリ1は長尺の部品であり、第1端部1aと、第1端部1aとは反対側の第2端部1bとを有する。第1端部1aは、ヘッドアッセンブリ1の長手方向における一方の端部であり、第2端部1bは、ヘッドアッセンブリ1の長手方向における他方の端部である。本実施形態において、ヘッドアッセンブリ1の第1端部1aは左側の端部であり、ヘッドアッセンブリ1の第2端部1bは右側の端部である。
【0016】
複数の連結部材4は、複数の記録ヘッド3をベース部材2に連結する。ベース部材2は、長尺の部材である。本実施形態において、複数の記録ヘッド3は、第1記録ヘッド3a及び第2記録ヘッド3bを含む。また、本実施形態のヘッドアッセンブリ1は、記録ヘッド3ごとに、2つの連結部材4を備える。2つの連結部材4は、第1連結部材4a、及び第2連結部材4bを含む。第1連結部材4aは、対応する記録ヘッド3の左側に配置されて、対応する記録ヘッド3の左側の端部をベース部材2に連結する。第2連結部材4bは、対応する記録ヘッド3の右側に配置されて、対応する記録ヘッド3の右側の端部をベース部材2に連結する。本実施形態において、ベース部材2に対して記録ヘッド3が配置される側は下側であり、その反対側は上側である。
【0017】
次に、
図2を参照して、本実施形態のヘッドアッセンブリ1を説明する。
図2は、本実施形態に係るヘッドアッセンブリ1を示す斜視図である。詳しくは、
図2は、左斜め後ろの上方から見たヘッドアッセンブリ1を示す。
図2に示すように、複数の記録ヘッド3は、第1記録ヘッド3a及び第2記録ヘッド3bに加えて、第3記録ヘッド3cを更に含む。
【0018】
本実施形態において、第1記録ヘッド3aは、ヘッドアッセンブリ1の第1端部1a側に配置される。第2記録ヘッド3bは、ヘッドアッセンブリ1の第2端部1b側に配置される。第3記録ヘッド3cは、ヘッドアッセンブリ1の中央部に配置される。また、第1記録ヘッド3a~第3記録ヘッド3cは、ベース部材2の長手方向に沿って千鳥状に配置される。詳しくは、第3記録ヘッド3cは、第1記録ヘッド3a及び第2記録ヘッド3bと比べて後ろ側に配置される。
【0019】
次に、
図3を参照して、本実施形態のヘッドアッセンブリ1を説明する。
図3は、本実施形態に係るヘッドアッセンブリ1を示す背面図である。
図3に示すように、記録ヘッド3は、ノズル面31を有する。記録ヘッド3は、ノズル面31からインクを吐出する。具体的には、ノズル面31に多数のノズル孔が形成されており、ノズル孔からインクが吐出される。ノズル面31は、記録ヘッド3の下面(底面)の少なくとも一部を構成する。なお、第1記録ヘッド3a~第3記録ヘッド3cは、同色のインクを吐出する。
【0020】
次に、
図4を参照して、本実施形態のインクジェット記録装置100を説明する。
図4は、本実施形態のインクジェット記録装置100を示す図である。
図4に示すように、インクジェット記録装置100は、ヘッドアッセンブリ1と、設置部5と、位置決め部材8とを備える。
【0021】
ヘッドアッセンブリ1は、設置部5に設置される。設置部5は、例えば、上面が開放された枠体である。この場合、設置部5は、ヘッドアッセンブリ1を収容する。設置部5は、インクジェット記録装置100が備える本体フレームに支持される。
【0022】
設置部5は、第1側壁5a、第2側壁5b、及び底壁5cを有する。本実施形態において、第1側壁5aは左側壁であり、第2側壁5bは右側壁である。第1側壁5aは、底壁5cの左端部に接続して、底壁5cから上方向に延びる。第2側壁5bは、底壁5cの右端部に接続して、底壁5cから上方向に延びる。
【0023】
底壁5cは、開口5hと、載置面51とを有する。載置面51には、ヘッドアッセンブリ1の下面の一部が載置される。ヘッドアッセンブリ1が設置部5に設置されると、第1記録ヘッド3a~第3記録ヘッド3cのそれぞれの下端部32(ノズル面側の端部)が開口5hから突出する。その結果、第1記録ヘッド3a~第3記録ヘッド3cのそれぞれのノズル面31は、設置部5の底壁5cの下方に配置される。
【0024】
位置決め部材8は、設置部5に設けられて、設置部5に設置されたヘッドアッセンブリ1の位置を決める。具体的には、位置決め部材8は、ヘッドアッセンブリ1の長手方向の位置を決める。本実施形態において、位置決め部材8は、ピン状部材であり、設置部5の底壁5cに設けられる。詳しくは、位置決め部材8は、載置面51から上方向に延びる。また、位置決め部材8は、ヘッドアッセンブリ1の第1端部1a側に配置される。ヘッドアッセンブリ1の第1端部1a側に設けられた第1連結部材4aは、挿入穴41を有する。位置決め部材8が挿入穴41に挿入されることにより、ヘッドアッセンブリ1が位置決めされる。本実施形態において、挿入穴41は貫通穴である。なお、以下の説明において、ヘッドアッセンブリ1の第1端部1a側に設けられた第1連結部材4aを、「第1連結部材4aa」と記載する場合がある。
【0025】
次に、
図5を参照して、本実施形態のヘッドアッセンブリ1を説明する。
図5は、本実施形態に係るヘッドアッセンブリ1を示す底面図である。
図5に示すように、記録ヘッド3は、左右方向に沿って延びる。換言すると、記録ヘッド3は、ヘッドアッセンブリ1の長手方向に沿って延びる。
【0026】
図5に示すように、本実施形態のヘッドアッセンブリ1は、2つの回転軸部材61を有する。2つの回転軸部材61のうちの一方は、第2記録ヘッド3bの回転軸である。2つの回転軸部材61のうちの他方は、第3記録ヘッド3cの回転軸である。第2記録ヘッド3b及び第3記録ヘッド3cはそれぞれ、対応する回転軸部材61を回転中心として、回転方向R1及び回転方向R2に回転自在である。回転方向R2は、回転方向R1とは反対の回転方向である。回転軸部材61は、第1連結部材4aに設けられる。詳しくは、本実施形態の回転軸部材61は、第1連結部材4aa以外の第1連結部材4aに設けられる。
【0027】
次に、
図6を参照して、本実施形態の回転軸部材61及び第1角度調整機構6を説明する。
図6は、本実施形態に係る第2記録ヘッド3b及び第1角度調整機構6を示す底面図である。
【0028】
図6に示すように、第2記録ヘッド3bは、第1端部33aと、第1端部33aとは反対側の第2端部33bとを有する。第1端部33aは、第2記録ヘッド3bの左側の端部であり、第2端部33bは、第2記録ヘッド3bの右側の端部である。なお、第1記録ヘッド3a及び第3記録ヘッド3cも第2記録ヘッド3bと同様に、第1端部33a及び第2端部33bを有する。したがって、
図1及び
図2を参照して説明した3つの第1連結部材4aは、第1記録ヘッド3a~第3記録ヘッド3cのそれぞれの第1端部33aをベース部材2に連結する。同様に、
図1及び
図2を参照して説明した3つの第2連結部材4bは、第1記録ヘッド3a~第3記録ヘッド3cのそれぞれの第2端部33bをベース部材2に連結する。
【0029】
図6に示すように、ヘッドアッセンブリ1は、回転軸部材61に加えて、第1角度調整機構6を更に備える。第1角度調整機構6は、第2連結部材4bに設けられる。第1角度調整機構6は、回転軸部材61を回転中心として第2記録ヘッド3bを回転させて、第2記録ヘッド3bの角度を調整する。具体的には、作業者が第1角度調整機構6を操作することにより、第2記録ヘッド3bが回転方向R1又は回転方向R2へ回転する。なお、ヘッドアッセンブリ1は、第2記録ヘッド3bに対して設けられる第1角度調整機構6に加えて、第3記録ヘッド3cに対して設けられる第1角度調整機構6を更に備える。
【0030】
以上、
図1~
図6を参照して、本実施形態のヘッドアッセンブリ1を説明した。本実施形態によれば、作業者は、第2記録ヘッド3bに対して設けられた第1角度調整機構6を操作して、第2記録ヘッド3bを回転方向R1又は回転方向R2へ回転させることができる。同様に、作業者は、第3記録ヘッド3cに対して設けられた第1角度調整機構6を操作して、第3記録ヘッド3cを回転方向R1又は回転方向R2へ回転させることができる。したがって、第2記録ヘッド3b及び第3記録ヘッド3cの角度を容易に調整することができる。その結果、第1記録ヘッド3aに対して第2記録ヘッド3b及び第3記録ヘッド3cが平行となるように、第2記録ヘッド3b及び第3記録ヘッド3cの角度を調整することができる。第2記録ヘッド3b及び第3記録ヘッド3cの角度の調整は、例えば、ヘッドアッセンブリ1の組立時に行われる。
【0031】
続いて、
図6を参照して、本実施形態のヘッドアッセンブリ1を更に説明する。
図6に示すように、第2記録ヘッド3bの第1端部33aは第1延伸部34aを含み、第2記録ヘッド3bの第2端部33bは第2延伸部34bを含む。第1延伸部34a及び第2延伸部34bは、ノズル面31の外側に位置する。具体的には、第1延伸部34aは、ノズル面31の左側に位置する。第2延伸部34bは、ノズル面31の右側に位置する。回転軸部材61は、第1連結部材4aに設けられて、第2記録ヘッド3bの第1延伸部34aを回転自在に支持する。
【0032】
なお、第3記録ヘッド3cも、第2記録ヘッド3bと同様に、第1延伸部34a、及び第2延伸部34bを有する。また、第3記録ヘッド3cの回転軸部材61も、第2記録ヘッド3bの回転軸部材61と同様に、第1連結部材4aに設けられて、第3記録ヘッド3cの第1延伸部34aを回転自在に支持する。
【0033】
図6に示すように、第1角度調整機構6は、押当部材62と、付勢部材63とを有する。押当部材62及び付勢部材63は、第2連結部材4bに設けられる。押当部材62は、第2記録ヘッド3bの第2端部33bに当接する。付勢部材63は、第2記録ヘッド3bの第2端部33bを回転方向R2に付勢する。したがって、作業者は、押当部材62の位置を調整して、第2記録ヘッド3bを回転方向R1又は回転方向R2へ回転させることができる。本実施形態において、押当部材62は、第2記録ヘッド3bの第2延伸部34bに当接し、付勢部材63は、第2記録ヘッド3bの第2延伸部34bを付勢する。
【0034】
次に、
図7を参照して、本実施形態の第2記録ヘッド3b及び第1角度調整機構6を更に説明する。
図7は、本実施形態に係る第2記録ヘッド3b及び第1角度調整機構6を示す拡大斜視図である。
【0035】
図7に示すように、ヘッドアッセンブリ1は、締結部材35を備える。また、第2記録ヘッド3bは、第2延伸部34bに形成された穴36を有する。締結部材35は、第2延伸部34bの穴36を介して、第2連結部材4bに締結される。第2延伸部34bの穴36の径は、締結部材35の軸の径よりも大きい。
【0036】
図7に示すように、第1角度調整機構6は、押当部材62と、付勢部材63とに加えて、支持部64を更に有する。支持部64は、第2連結部材4bに設けられて、押当部材62を支持する。詳しくは、支持部64は、押当部材62が第2延伸部34bの後面に当接するように、押当部材62を支持する。また、支持部64は、移動方向D1に沿って移動自在に押当部材62を支持する。押当部材62が移動方向D1に沿って移動することにより、押当部材62の支持部64からの突出量が変化する。
【0037】
具体的には、支持部64は、移動方向D1に沿って延びる貫通穴を有する。貫通穴はねじ穴である。押当部材62の表面にはねじ溝が形成されており、押当部材62は、支持部64の貫通穴に螺合する。したがって、作業者は、押当部材62を回転させることにより、押当部材62を移動方向D1に沿って移動させることができる。換言すると、作業者は、押当部材62を回転させることにより、押当部材62の支持部64からの突出量を変化させることができる。押当部材62の支持部64からの突出量が増加すると、第2延伸部34bが押当部材62によって押されて、第2延伸部34bが移動する。その結果、
図6を参照して説明した回転方向R1へ第2記録ヘッド3bが回転する。押当部材62は、例えば、イモネジである。
【0038】
付勢部材63は、第2延伸部34bの前面に当接して、付勢方向D2に沿って第2延伸部34bを付勢する。したがって、押当部材62の支持部64からの突出量が減少すると、付勢部材63の付勢力により、押当部材62の移動に追従して第2延伸部34bが移動する。その結果、
図6を参照して説明した回転方向R2へ第2記録ヘッド3bが回転する。付勢部材63は、例えば、ばね部材である。
【0039】
以上、
図6及び
図7を参照して説明したように、本実施形態によれば、作業者は、押当部材62を移動方向D1に移動させることにより、第2記録ヘッド3bを回転させることができる。したがって、第2記録ヘッド3bの角度を容易に調整することができる。
【0040】
なお、第3記録ヘッド3cに対して設けられる第1角度調整機構6は、第2記録ヘッド3bに対して設けられる第1角度調整機構6と同様の構成を有する。したがって、本実施形態によれば、第3記録ヘッド3cの角度を容易に調整することができる。
【0041】
続いて、
図8及び
図9を参照して、本実施形態のインクジェット記録装置100を更に説明する。
図8は、本実施形態に係るインクジェット記録装置100を示す図である。なお、図面を簡略化するために、
図8において、
図4を参照して説明した底壁5cの一部及び第2側壁5bは省略されている。
図9は、本実施形態に係るヘッドアッセンブリ1を示す底面図である。詳しくは、
図9は、ヘッドアッセンブリ1の回転方向R3及び回転方向R4を示す。回転方向R4は、回転方向R3とは反対の回転方向である。
【0042】
図8に示すように、インクジェット記録装置100は、第2角度調整機構9を更に備える。第2角度調整機構9は、位置決め部材8を回転中心としてヘッドアッセンブリ1を回転させる。すなわち、本実施形態において、位置決め部材8は、ヘッドアッセンブリ1の回転軸として機能する。換言すると、位置決め部材8は、回転軸部材として機能する。第2角度調整機構9は、
図4を参照して説明した設置部5に設けられる。具体的には、第2角度調整機構9は、ヘッドアッセンブリ1の第2端部1b側に設けられる。
【0043】
詳しくは、第2角度調整機構9は、
図9に示すように、位置決め部材8(挿入穴41)を回転中心として、ヘッドアッセンブリ1を回転方向R3又は回転方向R4に回転させる。その結果、ヘッドアッセンブリ1の角度が調整される。
【0044】
以上、
図8及び
図9を参照して、本実施形態のインクジェット記録装置100を説明した。本実施形態によれば、作業者は、第2角度調整機構9を操作して、ヘッドアッセンブリ1の角度を調整できる。詳しくは、
図13を参照して説明するように、インクジェット記録装置100は、4つのヘッドアッセンブリ1(第1ヘッドアッセンブリ11、第2ヘッドアッセンブリ12、第3ヘッドアッセンブリ13、及び第4ヘッドアッセンブリ14)を備える。インクジェット記録装置100は、4つのヘッドアッセンブリ1のそれぞれに対して設けられた第2角度調整機構9を備える。したがって、本実施形態によれば、4つのヘッドアッセンブリ1の角度を調整して、4つのヘッドアッセンブリ1を平行に配置することができる。ヘッドアッセンブリ1の角度の調整は、ヘッドアッセンブリ1を設置部5に設置した後に行われる。
【0045】
次に、
図5及び
図9を参照して、本実施形態のヘッドアッセンブリ1を更に説明する。
図6を参照して説明したように、第1記録ヘッド3a~第3記録ヘッド3cはそれぞれ第1端部33a(左側の端部)及び第2端部33b(右側の端部)を有する。
図5及び
図9に示すように、第1記録ヘッド3a~第3記録ヘッド3cのそれぞれの第1端部33aは、ヘッドアッセンブリ1の第1端部1a側に配置される。また、第1記録ヘッド3a~第3記録ヘッド3cのそれぞれの第2端部33bは、ヘッドアッセンブリ1の第2端部1b側に配置される。したがって、第2記録ヘッド3bの回転軸部材61、第3記録ヘッド3cの回転軸部材61、及び、ヘッドアッセンブリ1の回転軸部材(位置決め部材8)は全て、ヘッドアッセンブリ1の第1端部1a側に配置される。換言すると、第2記録ヘッド3bの回転軸と、第3記録ヘッド3cの回転軸と、ヘッドアッセンブリ1の回転軸とが同じ側に配置される。その結果、記録ヘッド3の角度調整作業、及びヘッドアッセンブリ1の角度調整作業が容易となる。
【0046】
続いて、
図10~
図12を参照して、本実施形態の第2角度調整機構9を更に説明する。
図10は、本実施形態に係る第2角度調整機構9を示す斜視図である。詳しくは、
図10は、右斜め後ろから見た第2角度調整機構9を示す。
【0047】
図10に示すように、第2角度調整機構9は、取付板91と、連結機構92と、押当部材93と、回転軸部材94と、角度調整部材95と、回転軸部材96とを有する。また、第2角度調整機構9は、3つの締結部材B1~B3を有する。
【0048】
連結機構92及び回転軸部材94は、取付板91に取り付けられる。取付板91は、3つの締結部材B1~B3によって、
図4を参照して説明した第2側壁5bに固定される。
【0049】
回転軸部材94は、押当部材93を移動方向D3に沿って移動自在に支持する。連結機構92は、押当部材93に連結する。連結機構92は、作業者によって操作される。連結機構92は、作業者による操作に応じて、押当部材93を移動方向D3に沿って移動させる。
図11を参照して説明するように、押当部材93が移動方向D3に沿って移動することにより、角度調整部材95が回転軸部材96を回転中心として回転する。
【0050】
本実施形態において、連結機構92は、作業者が操作可能な操作部材921を有する。連結機構92は、作業者が操作部材921を操作することに応じて、押当部材93を移動方向D3に沿って移動させる。詳しくは、本実施形態の連結機構92は、操作部材921に加えて、アイドルギア922を有する。
【0051】
操作部材921は、取付板91に回転自在に取り付けられる。操作部材921は、操作部921aと、ギア部921bと、操作穴921cとを有する。作業者は、例えば六角レンチを操作穴921cに嵌合させて、操作部材921を回転させることができる。ギア部921bは歯部を有する。歯部は、ギア部921bの周面に形成される。具体的には、ギア部921bの歯部は、ギア部921bの周方向に沿って配列される複数の歯を有する。
【0052】
押当部材93は、回転軸部材94によって回転自在に支持されている。換言すると、押当部材93は、回転軸部材94を回転中心として回転自在である。押当部材93は、ギア部93aを有する。ギア部93aは歯部を有する。歯部は、ギア部93aの周面に形成される。具体的には、ギア部93aの歯部は、ギア部93aの周方向に沿って配列される複数の歯を有する。
【0053】
アイドルギア922は、取付板91に回転自在に取り付けられる。アイドルギア922は、歯部を有する。歯部は、アイドルギア922の周面に形成される。具体的には、アイドルギア922の歯部は、アイドルギア922の周方向に沿って配列される複数の歯を有する。アイドルギア922は、アイドルギア922の歯部が、操作部材921(ギア部921b)の歯部及び押当部材93(ギア部93a)の歯部と噛み合う位置に配置される。この結果、操作部材921の回転に応じて、押当部材93が回転する。
【0054】
押当部材93は、貫通穴を有する。貫通穴はねじ穴である。回転軸部材94の軸部の表面にはねじ溝が形成されており、押当部材93の貫通穴は、回転軸部材94の軸部に螺合する。この結果、押当部材93は、アイドルギア922の回転に応じて、移動方向D3に沿って移動する。
【0055】
本実施形態において、連結機構92は、クリック部923を更に有する。また、操作部材921は、複数の凹部921dを有する。複数の凹部921dは、操作部921aの周面に形成されている。詳しくは、複数の凹部921dは、操作部921aの周方向に沿って配列される。
【0056】
クリック部923は、操作部材921の回転に応じて、操作部材921の複数の凹部921dに順次係合する。この結果、操作部材921を操作する作業者に対し、クリック部923からクリック感が与えられる。したがって、作業者は、ヘッドアッセンブリ1の角度調整作業中に、クリック感に基づいて、ヘッドアッセンブリ1の角度が変更されていることを認識することができる。クリック部923は、例えば、板バネを加工して作製される。
【0057】
次に、
図11を参照して、第2角度調整機構9及びヘッドアッセンブリ1を更に説明する。
図11は、本実施形態に係る第2角度調整機構9及び第2連結部材4bを示す底面図である。詳しくは、
図11は、ヘッドアッセンブリ1の第2端部1b側に設けられた第2連結部材4bを示す。以下、ヘッドアッセンブリ1の第2端部1b側に設けられた第2連結部材4bを、「第2連結部材4bb」と記載する場合がある。
【0058】
図11に示すように、角度調整部材95は、第2側壁5bの内側に配置される。角度調整部材95は、回転軸部材96を回転中心として回転自在に配置される。具体的には、角度調整部材95は、回転方向R5及び回転方向R6に回転自在である。回転方向R6は、回転方向R5とは反対の回転方向である。
【0059】
角度調整部材95は、ヘッドアッセンブリ1と係合する第1係合部951を有する。本実施形態において、第1係合部951は、回転軸部材96が延びる方向と直交する方向に延びる突出片である。具体的には、第1係合部951は、角度調整部材95の中心部(回転軸部材96)から径方向に突出する。詳しくは、第1係合部951は、第2連結部材4bbの下端部42に向かって延びる。
【0060】
ヘッドアッセンブリ1は、第1係合部951と係合するヘッド側係合部43を有する。本実施形態において、ヘッド側係合部43は、第1係合部951と当接する突出片であり、第2連結部材4bbの下端部42から突出する。換言すると、第2連結部材4bbの下端部42が、ヘッド側係合部43を有する。
【0061】
角度調整部材95は、回転軸部材96を回転中心として回転方向R5に回転することに応じて、第1係合部951がヘッド側係合部43を押すように配置される。ヘッドアッセンブリ1は、第1係合部951がヘッド側係合部43を押すことに応じて、
図8及び
図9を参照して説明したように、位置決め部材8(挿入穴41)を回転中心として回転方向R4に回転する。
【0062】
また、
図11に示すように、角度調整部材95は、押当部材93と係合する第2係合部952を更に有する。本実施形態において、第2係合部952は、回転軸部材96が延びる方向と直交する方向に延びる突出片である。具体的には、第2係合部952は、角度調整部材95の中心部(回転軸部材96)から径方向に突出する。詳しくは、第2係合部952は、第1係合部951が突出する方向とは異なる方向に突出する。
【0063】
押当部材93は、当接部93bを有する。当接部93bは、角度調整部材95に当接する。具体的には、当接部93bは、第2係合部952に当接する。押当部材93が移動方向D3に沿って移動して、当接部93bが第2係合部952を押すことに応じて、角度調整部材95が回転方向R5に回転する。その結果、ヘッドアッセンブリ1は、
図8及び
図9を参照して説明したように、位置決め部材8(挿入穴41)を回転中心として回転方向R4に回転する。換言すると、作業者が操作部材921を操作することに応じて、ヘッドアッセンブリ1が、回転方向R4に回転する。したがって、作業者は、操作部材921を操作して、ヘッドアッセンブリ1の角度を調整することができる。
【0064】
詳しくは、当接部93bは、取付板91を貫通する。押当部材93が移動方向D3に沿って移動することに応じて、当接部93bの取付板91からの突出量が変化する。したがって、作業者は、操作部材921を回転させることにより、当接部93bの取付板91からの突出量を変化させることができる。当接部93bの取付板91からの突出量が増加すると、第2係合部952が当接部93bによって押されて、角度調整部材95が回転方向R5に回転する。その結果、ヘッドアッセンブリ1は、位置決め部材8を回転中心として回転方向R4に回転する。
【0065】
また、
図11に示すように、第2角度調整機構9は、付勢部材97を有する。付勢部材97は、回転方向R6に角度調整部材95が回転するように、角度調整部材95を付勢する。付勢部材97は、例えば、ばね部材である。
【0066】
詳しくは、角度調整部材95は、付勢部材97と係合する第3係合部953を有する。本実施形態において、第3係合部953は、回転軸部材96が延びる方向と直交する方向に延びる突出片である。具体的には、第3係合部953は、角度調整部材95の中心部(回転軸部材96)から径方向に突出する。詳しくは、第3係合部953は、第1係合部951が突出する方向と異なり且つ第2係合部952が突出する方向と異なる方向に突出する。付勢部材97は、角度調整部材95が回転方向R6に回転するように、第3係合部953を付勢する。
【0067】
したがって、作業者が操作部材921を操作することに応じて、当接部93bの取付板91からの突出量が減少すると、付勢部材97の付勢力により、押当部材93の移動に追従して角度調整部材95が回転方向R6に回転する。その結果、ヘッドアッセンブリ1は、
図8及び
図9を参照して説明したように、位置決め部材8(挿入穴41)を回転中心として回転方向R3に回転する。
【0068】
また、
図11に示すように、操作部材921は第2側壁5bの外側に配置される。したがって、作業者は、設置部5に設置されたヘッドアッセンブリ1の角度を容易に調整することができる。
【0069】
次に、
図12を参照して、第2角度調整機構9を更に説明する。
図12は、本実施形態に係る第2角度調整機構9を示す斜視図である。詳しくは、
図12は、左斜め前の上方から見た第2角度調整機構9を示す。
【0070】
図12に示すように、第2角度調整機構9は、規制部材98を更に有する。規制部材98は、角度調整部材95の回転を規制する。本実施形態の規制部材98は、角度調整部材95の回転方向R5への回転を規制する。具体的には、
図11を参照して説明したように、角度調整部材95は、当接部93bの取付板91からの突出量の増加に応じて、回転方向R5へ回転する。したがって、規制部材98は、当接部93bの取付板91からの突出量の増加に応じた角度調整部材95の回転を規制する。
【0071】
規制部材98が、角度調整部材95の回転方向R5への回転を規制することにより、ヘッドアッセンブリ1の角度調整時に、設置部5を構成する部品にヘッドアッセンブリ1が衝突し難くなる。その結果、設置部5を構成する部品にヘッドアッセンブリ1が衝突することに起因するヘッドアッセンブリ1の故障を低減できる。例えば、設置部5を構成する部品に記録ヘッド3のノズル面31が衝突し難くなる。その結果、設置部5を構成する部品に記録ヘッド3のノズル面31が衝突することに起因するノズル孔の破損を低減できる。
【0072】
なお、
図11に示すように、角度調整部材95の回転方向R6への回転は、第2側壁5b又は取付板91によって規制される。具体的には、押当部材93の移動が、第2側壁5bによって規制される。あるいは、第2係合部952の回転が、取付板91によって規制される。
【0073】
次に、
図13を参照して、本実施形態のインクジェット記録装置100を更に説明する。
図13は、本実施形態に係るインクジェット記録装置100の構成を示す図である。
【0074】
図13に示すように、インクジェット記録装置100は、給紙部110と、シート搬送部120と、排出部130と、メンテナンスユニット140とを備える。また、インクジェット記録装置100は、第1ヘッドアッセンブリ11と、第2ヘッドアッセンブリ12と、第3ヘッドアッセンブリ13と、第4ヘッドアッセンブリ14とを備える。
【0075】
給紙部110は、シート搬送部120にシートSを給紙する。本実施形態の給紙部110は、給紙カセット111と、給紙ローラー112とを有する。給紙カセット111は、少なくとも1枚のシートSを収容する。給紙ローラー112は、給紙カセット111からシート搬送部120へシートSを送り出す。なお、シートSは記録媒体の一例である。
【0076】
シート搬送部120は、シートSを排出部130まで搬送する。詳しくは、シート搬送部120は、複数の搬送ガイド121と、複数の搬送ローラー対122と、レジストローラー対123とを有する。搬送ガイド121はシートSの搬送路を構成する。搬送ローラー対122は、搬送路に沿ってシートSを搬送する。レジストローラー対123は、第1ヘッドアッセンブリ11~第4ヘッドアッセンブリ14と対向する領域へのシートSの搬送タイミングを調整する。
【0077】
本実施形態のシート搬送部120は、第1搬送ユニット124と、第2搬送ユニット125とを有する。第1搬送ユニット124は、第1ヘッドアッセンブリ11~第4ヘッドアッセンブリ14と対向する。第1搬送ユニット124は、第1ヘッドアッセンブリ11~第4ヘッドアッセンブリ14の直下の領域においてシートSを搬送する。第2搬送ユニット125は、第1搬送ユニット124から送り出されたシートSを、排出部130へ向けて搬送する。
【0078】
第1ヘッドアッセンブリ11~第4ヘッドアッセンブリ14に設けられた記録ヘッド3は、第1搬送ユニット124によって搬送されているシートSに向けて、インクを吐出する。具体的には、第1ヘッドアッセンブリ11~第4ヘッドアッセンブリ14のそれぞれの記録ヘッド3は、互いに異なる色のインクを吐出する。例えば、第1ヘッドアッセンブリ11の記録ヘッド3は、ブラック色のインクを吐出する。第2ヘッドアッセンブリ12の記録ヘッド3は、シアン色のインクを吐出する。第3ヘッドアッセンブリ13の記録ヘッド3は、マゼンタ色のインクを吐出する。第4ヘッドアッセンブリ14の記録ヘッド3は、イエロー色のインクを吐出する。
【0079】
排出部130は、装置本体の外部にシートSを排出する。本実施形態の排出部130は、排出トレイ131と、排出ローラー対132とを有する。排出ローラー対132は、シートSを排出トレイ131に送り出す。
【0080】
メンテナンスユニット140は、第1ヘッドアッセンブリ11~第4ヘッドアッセンブリ14のそれぞれの記録ヘッド3をメンテナンスする。メンテナンスユニット140は、シートSへの画像の記録時に第2搬送ユニット125の下方に位置し、記録ヘッド3のメンテナンス時に、第1ヘッドアッセンブリ11~第4ヘッドアッセンブリ14の直下の位置へ移動する。なお、記録ヘッド3のメンテナンス時には、第1搬送ユニット124は、退避位置に移動している。退避位置は、第1搬送ユニット124がメンテナンスユニット140と衝突しない位置である。
【0081】
本実施形態のメンテナンスユニット140は、キャップ部141と、クリーニング部142とを有する。
図3を参照して説明したように、記録ヘッド3はノズル面31を有する。キャップ部141は、キャッピング部材141aを有する。キャッピング部材141aは、記録ヘッド3のノズル面31をキャッピングして、インクが乾燥し難い環境を提供する。
【0082】
クリーニング部142は、記録ヘッド3のノズル面31を清掃する。具体定には、クリーニング部142は、ワイプブレード142aを有する。ワイプブレード142aは、例えば、樹脂を材料として含む。ワイプブレード142aは、ノズル面31を清掃するクリーニング部材である。
【0083】
クリーニング部142は、記録ヘッド3の下面にワイプブレード142aを接触させた状態で、
図5を参照して説明した記録ヘッド3の長手方向に沿ってワイプブレード142aを移動させる。この結果、ノズル面31がワイプブレード142aによって払拭されて、ノズル面31が清掃される。具体的には、ノズル面31に付着していたインクが、ワイプブレード142aによって拭き取られる。
【0084】
以上、
図1~
図13を参照して本発明の実施形態について説明した。但し、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施できる。また、上記の実施形態に開示される構成要素は適宜改変可能である。図面は、発明の理解を容易にするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚さ、長さ、個数、間隔等は、図面作成の都合上から実際とは異なる場合もある。また、上記の実施形態で示す各構成要素の構成は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0085】
例えば、本発明の実施形態において、第2記録ヘッド3bの回転軸と、第3記録ヘッド3cの回転軸と、ヘッドアッセンブリ1の回転軸とが同じ側(ヘッドアッセンブリ1の第1端部1a側)に配置される構成を説明したが、本発明はこの構成に限定されない。例えば、第2記録ヘッド3bの回転軸、及び第3記録ヘッド3cの回転軸が、ヘッドアッセンブリ1の第2端部1b側に配置されてもよい。
【0086】
また、本発明の実施形態において、第1記録ヘッド3aに対し回転軸部材61及び第1角度調整機構6を設けない構成を説明したが、ヘッドアッセンブリ1は、第1記録ヘッド3aに対して設けられる回転軸部材61及び第1角度調整機構6を備え得る。
【0087】
また、本発明の実施形態において、第1ヘッドアッセンブリ11~第4ヘッドアッセンブリ14に対して第2角度調整機構9を設ける構成を説明したが、本発明はこの構成に限定されない。例えば、インクジェット記録装置100は、第1ヘッドアッセンブリ11に対して第2角度調整機構9が設けられていない構成であってもよい。
【0088】
また、本発明の実施形態において、インクジェット記録装置100は、4つのヘッドアッセンブリ1を備えたが、インクジェット記録装置100は、1つ、2つ、又は3つのヘッドアッセンブリ1を備えてもよいし、5つ以上のヘッドアッセンブリ1を備えてもよい。
【0089】
また、本発明の実施形態において、ヘッドアッセンブリ1は、3つの記録ヘッド3を有したが、ヘッドアッセンブリ1は、1つ、又は2つの記録ヘッド3を有してもよいし、4つ以上の記録ヘッド3を有してもよい。
【0090】
また、本発明の実施形態において、連結機構92は、操作部材921と、アイドルギア922とを有したが、連結機構92は、操作部材921のみを有してもよい。すなわち、連結機構92は、操作部材921(ギア部921b)の歯部と押当部材93(ギア部93a)の歯部とが噛み合う構成であってもよい。あるいは、連結機構92は、複数のアイドルギア922を有してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0091】
本発明は、インクジェット方式で記録媒体に画像を記録する装置の分野に有用である。
【符号の説明】
【0092】
1 ヘッドアッセンブリ
2 ベース部材
3 記録ヘッド
4 連結部材
5 設置部
6 第1角度調整機構
8 位置決め部材
9 第2角度調整機構
31 ノズル面
33a 第1端部
33b 第2端部
61 回転軸部材
62 押当部材
63 付勢部材
92 連結機構
95 角度調整部材
100 インクジェット記録装置
921 操作部材