(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-28
(45)【発行日】2023-03-08
(54)【発明の名称】伝送装置及び伝送方法
(51)【国際特許分類】
H04B 10/27 20130101AFI20230301BHJP
H04B 10/077 20130101ALI20230301BHJP
【FI】
H04B10/27
H04B10/077
(21)【出願番号】P 2019099348
(22)【出願日】2019-05-28
【審査請求日】2022-02-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087480
【氏名又は名称】片山 修平
(72)【発明者】
【氏名】宿南 宣文
【審査官】佐藤 敬介
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-024589(JP,A)
【文献】特開2005-295099(JP,A)
【文献】国際公開第2007/034545(WO,A1)
【文献】特開2012-186636(JP,A)
【文献】特開2017-157941(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 10/27
H04B 10/077
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
他の伝送装置に第1伝送路を介し第1主信号光を送信し、前記他の伝送装置から第2伝送路を介し第2主信号光を受信する伝送装置において、
前記伝送装置の監視制御に関する第1監視信号光を前記他の伝送装置に送信する送信部と、
前記他の伝送装置の監視制御に関する第2監視信号光を前記他の伝送装置から受信する受信部と、
前記送信部及び前記受信部と前記第1伝送路及び前記第2伝送路の間の接続状態を、前記送信部が前記第1伝送路に接続され、前記受信部が前記第2伝送路に接続された第1接続状態、または前記送信部が前記第2伝送路に接続され、前記受信部が前記第1伝送路に接続された第2接続状態に切り替える光スイッチとを有することを特徴とする伝送装置。
【請求項2】
前記伝送装置及び前記他の伝送装置の組み合わせに応じた設定情報を取得し、前記設定情報に基づき前記光スイッチに接続状態の切り替えを指示する指示部を有することを特徴とする請求項1に記載の伝送装置。
【請求項3】
前記指示部は、前記伝送装置及び前記他の伝送装置を監視制御する監視制御装置から前記設定情報を取得することを特徴とする請求項2に記載の伝送装置。
【請求項4】
前記第1伝送路から前記光スイッチに入力される前記第2監視信号光を検出する第1検出部と、
前記第2伝送路から前記光スイッチに入力される前記第2監視信号光を検出する第2検出部と、
前記第1検出部及び前記第2検出部の検出結果に基づき前記光スイッチに接続状態の切り替えを指示する指示部とを有することを特徴とする請求項1に記載の伝送装置。
【請求項5】
前記第1伝送路と前記光スイッチの間に接続される第1導波部と、
前記第2伝送路と前記光スイッチの間に接続される第2導波部とを、さらに有し、
前記送信部及び前記受信部は、前記伝送装置に対して着脱自在であり、
前記第1主信号光及び前記第2主信号光は、第1波長帯の帯域をそれぞれ有し、
前記第1導波部は、前記光スイッチから入力された第2波長帯の前記第1監視信号光を前記第1伝送路に導き、前記第1波長帯の前記第2監視信号光を前記第1伝送路から前記光スイッチに導き、
前記第2導波部は、前記光スイッチから入力された前記第1波長帯の前記第1監視信号光を前記第2伝送路に導き、前記第2波長帯の前記第2監視信号光を前記第2伝送路から前記光スイッチに導くことを特徴とする請求項1または4に記載の伝送装置。
【請求項6】
他の伝送装置に第1伝送路を介し第1主信号光を送信し、前記他の伝送装置から第2伝送路を介し第2主信号光を受信する伝送装置において、
前記伝送装置の監視制御に関する第1監視信号光を前記他の伝送装置にそれぞれ送信する第1送信部及び第2送信部と、
前記他の伝送装置の監視制御に関する第2監視信号光を前記他の伝送装置からそれぞれ受信する第1受信部及び第2受信部と、
前記第1伝送路の接続先を前記第1送信部または前記第1受信部に切り替える第1光スイッチと、
前記第2伝送路の接続先を前記第2送信部または前記第2受信部に切り替える第2光スイッチとを有することを特徴とする伝送装置。
【請求項7】
他の伝送装置に第1伝送路を介し第1波長帯の第1主信号光を送信し、前記他の伝送装置から第2伝送路を介し前記第1波長帯の第2主信号光を受信する伝送装置において、
前記伝送装置の監視制御に関する第2波長帯の第1監視信号光を送信する第3送信部と、
前記第1波長帯の前記第1監視信号光を送信する第4送信部と、
前記他の伝送装置の監視制御に関する前記第2波長帯の第2監視信号光を受信する第3受信部と、
前記第1波長帯の前記第2監視信号光を受信する第4受信部と、
前記第3送信部から入力された前記第1監視信号光を前記第1伝送路に導き、前記第2監視信号光を前記第1伝送路から前記第4受信部に導く第3導波部と、
前記第4送信部から入力された前記第1監視信号光を前記第2伝送路に導き、前記第2監視信号光を前記第2伝送路から前記第3受信部に導く第4導波部とを有することを特徴とする伝送装置。
【請求項8】
第1伝送装置が、第1伝送路を介し第2伝送装置に第1主信号光を送信し、前記第2伝送装置から第2伝送路を介し第2主信号光を受信する伝送方法において、
前記第1伝送装置の送信部が、前記第1伝送装置の監視制御に関する第1監視信号光を前記第2伝送装置に送信し、
前記第1伝送装置の受信部が、前記第2伝送装置の監視制御に関する第2監視信号光を前記第2伝送装置から受信し、
前記第1伝送装置の光スイッチが、前記送信部及び前記受信部と前記第1伝送路及び前記第2伝送路の間の接続状態を、前記送信部が前記第1伝送路に接続され、前記受信部が前記第2伝送路に接続された第1接続状態、または前記送信部が前記第2伝送路に接続され、前記受信部が前記第1伝送路に接続された第2接続状態に切り替えることを特徴とする伝送方法。
【請求項9】
第1伝送装置が、第1伝送路を介し第2伝送装置に第1主信号光を送信し、前記第2伝送装置から第2伝送路を介し第2主信号光を受信する伝送方法において、
前記第1伝送装置の第1送信部及び第2送信部が、前記第1伝送装置の監視制御に関する第1監視信号光を前記第2伝送装置にそれぞれ送信し、
前記第1伝送装置の第1受信部及び第2受信部が、前記第2伝送装置の監視制御に関する第2監視信号光を前記第2伝送装置からそれぞれ受信し、
前記第1伝送装置の第1光スイッチが、前記第1伝送路の接続先を前記第1送信部または前記第1受信部に切り替え、
前記第1伝送装置の第2光スイッチが、前記第2伝送路の接続先を前記第2送信部または前記第2受信部に切り替えることを特徴とする伝送方法。
【請求項10】
第1伝送装置から第1伝送路を介し第2伝送装置に第1波長帯の第1主信号光を送信し、前記第2伝送装置から第2伝送路を介し前記第1伝送装置に前記第1波長帯の第2主信号光を受信する伝送方法において、
前記第1伝送装置の第3送信部が、前記第1伝送装置の監視制御に関する第2波長帯の第1監視信号光を送信し、
前記第1伝送装置の第4送信部が、前記第1波長帯の前記第1監視信号光を送信し、
前記第1伝送装置の第3受信部が、前記第2伝送装置の監視制御に関する前記第2波長帯の第2監視信号光を受信し、
前記第1伝送装置の第4受信部が、前記第1波長帯の前記第2監視信号光を受信し、
前記第1伝送装置の第3導波部が、前記第3送信部から入力された前記第1監視信号光を前記第1伝送路に導き、前記第2監視信号光を前記第1伝送路から前記第4受信部に導き、
前記第1伝送装置の第4導波部が、前記第4送信部から入力された前記第1監視信号光を前記第2伝送路に導き、前記第2監視信号光を前記第2伝送路から前記第3受信部に導くことを特徴とする伝送方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本件は、伝送装置及び伝送方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、複数の波長光が波長多重された主信号光に伝送システムの監視信号光を合波して伝送する伝送装置がある(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
監視信号光の送信パワーが高くなると、伝送路中で主信号光と監視信号光に相互位相変調などの非線形光学効果が生じることにより主信号光の伝送品質が低下するおそれがある。これに対し、伝送路において監視信号光の伝送方向と主信号光の伝送方向を互いに反対方向にすれば、相互位相変調の相互作用長さが、各伝送方向が同一である場合より短縮されるため、非線形光学効果を抑制することができる。
【0005】
しかし、監視信号光及び主信号光の各伝送方向が互いに反対方向である伝送装置(以下、「逆方向伝送装置」と表記)と、監視信号光及び主信号光の各伝送方向が同一方向である伝送装置(以下、「順方向伝送装置」と表記)とがネットワーク内に混在する場合、逆方向伝送装置と順方向伝送装置は監視信号光を互いに送受信することができない。このため、ネットワーク内で互いに接続可能な伝送装置の組み合わせが逆方向伝送装置同士または順方向伝送装置同士に限定されてしまう。
【0006】
そこで本件は、主信号光に対する監視信号光の伝送方向を切り替えることができる伝送装置及び伝送方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
1つの態様では、伝送装置は、他の伝送装置に第1伝送路を介し第1主信号光を送信し、前記他の伝送装置から第2伝送路を介し第2主信号光を受信する伝送装置において、前記伝送装置の監視制御に関する第1監視信号光を前記他の伝送装置に送信する送信部と、前記他の伝送装置の監視制御に関する第2監視信号光を前記他の伝送装置から受信する受信部と、前記送信部及び前記受信部と前記第1伝送路及び前記第2伝送路の間の接続状態を、前記送信部が前記第1伝送路に接続され、前記受信部が前記第2伝送路に接続された第1接続状態、または前記送信部が前記第2伝送路に接続され、前記受信部が前記第1伝送路に接続された第2接続状態に切り替える光スイッチとを有する。
【0008】
1つの態様では、伝送装置は、他の伝送装置に第1伝送路を介し第1主信号光を送信し、前記他の伝送装置から第2伝送路を介し第2主信号光を受信する伝送装置において、前記伝送装置の監視制御に関する第1監視信号光を前記他の伝送装置にそれぞれ送信する第1送信部及び第2送信部と、前記他の伝送装置の監視制御に関する第2監視信号光を前記他の伝送装置からそれぞれ受信する第1受信部及び第2受信部と、前記第1伝送路の接続先を前記第1送信部または前記第1受信部に切り替える第1光スイッチと、前記第2伝送路の接続先を前記第2送信部または前記第2受信部に切り替える第2光スイッチとを有する。
【0009】
1つの態様では、伝送装置は、他の伝送装置に第1伝送路を介し第1波長帯の第1主信号光を送信し、前記他の伝送装置から第2伝送路を介し前記第1波長帯の第2主信号光を受信する伝送装置において、前記伝送装置の監視制御に関する第2波長帯の第1監視信号光を送信する第3送信部と、前記第1波長帯の前記第1監視信号光を送信する第4送信部と、前記他の伝送装置の監視制御に関する前記第2波長帯の第2監視信号光を受信する第3受信部と、前記第1波長帯の前記第2監視信号光を受信する第4受信部と、前記第3送信部から入力された前記第1監視信号光を前記第1伝送路に導き、前記第2監視信号光を前記第1伝送路から前記第4受信部に導く第3導波部と、前記第4送信部から入力された前記第1監視信号光を前記第2伝送路に導き、前記第2監視信号光を前記第2伝送路から前記第3受信部に導く第4導波部とを有する。
【0010】
1つの態様では、伝送方法は、第1伝送装置が、第1伝送路を介し第2伝送装置に第1主信号光を送信し、前記第2伝送装置から第2伝送路を介し第2主信号光を受信する伝送方法において、前記第1伝送装置の送信部が、前記第1伝送装置の監視制御に関する第1監視信号光を前記第2伝送装置に送信し、前記第1伝送装置の受信部が、前記第2伝送装置の監視制御に関する第2監視信号光を前記第2伝送装置から受信し、前記第1伝送装置の光スイッチが、前記送信部及び前記受信部と前記第1伝送路及び前記第2伝送路の間の接続状態を、前記送信部が前記第1伝送路に接続され、前記受信部が前記第2伝送路に接続された第1接続状態、または前記送信部が前記第2伝送路に接続され、前記受信部が前記第1伝送路に接続された第2接続状態に切り替える方法である。
【0011】
1つの態様では、伝送方法は、第1伝送装置が、第1伝送路を介し第2伝送装置に第1主信号光を送信し、前記第2伝送装置から第2伝送路を介し第2主信号光を受信する伝送方法において、前記第1伝送装置の第1送信部及び第2送信部が、前記第1伝送装置の監視制御に関する第1監視信号光を前記第2伝送装置にそれぞれ送信し、前記第1伝送装置の第1受信部及び第2受信部が、前記第2伝送装置の監視制御に関する第2監視信号光を前記第2伝送装置からそれぞれ受信し、前記第1伝送装置の第1光スイッチが、前記第1伝送路の接続先を前記第1送信部または前記第1受信部に切り替え、前記第1伝送装置の第2光スイッチが、前記第2伝送路の接続先を前記第2送信部または前記第2受信部に切り替える方法である。
【0012】
1つの態様では、伝送方法は、第1伝送装置から第1伝送路を介し第2伝送装置に第1波長帯の第1主信号光を送信し、前記第2伝送装置から第2伝送路を介し前記第1伝送装置に前記第1波長帯の第2主信号光を受信する伝送方法において、前記第1伝送装置の第3送信部が、前記第1伝送装置の監視制御に関する第2波長帯の第1監視信号光を送信し、前記第1伝送装置の第4送信部が、前記第1波長帯の前記第1監視信号光を送信し、前記第1伝送装置の第3受信部が、前記第2伝送装置の監視制御に関する前記第2波長帯の第2監視信号光を受信し、前記第1伝送装置の第4受信部が、前記第1波長帯の前記第2監視信号光を受信し、前記第1伝送装置の第3導波部が、前記第3送信部から入力された前記第1監視信号光を前記第1伝送路に導き、前記第2監視信号光を前記第1伝送路から前記第4受信部に導き、前記第1伝送装置の第4導波部が、前記第4送信部から入力された前記第1監視信号光を前記第2伝送路に導き、前記第2監視信号光を前記第2伝送路から前記第3受信部に導く方法である。
【発明の効果】
【0013】
1つの側面として、主信号光に対する監視信号光の伝送方向を切り替えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】順方向伝送装置同士が接続された伝送システムの一例を示す構成図である。
【
図2】逆方向伝送装置同士が接続された伝送システムの一例を示す構成図である。
【
図3】第1実施例の両方向伝送装置と順方向伝送装置が接続された伝送システムの一例を示す構成図である。
【
図4】第1実施例の両方向伝送装置と逆方向伝送装置が接続された伝送システムの一例を示す構成図である。
【
図5】第1実施例の両方向伝送装置の光スイッチの設定処理の一例を示すフローチャートである。
【
図6】第2実施例の両方向伝送装置と順方向伝送装置が接続された伝送システムの一例を示す構成図である。
【
図7】第2実施例の両方向伝送装置と逆方向伝送装置が接続された伝送システムの一例を示す構成図である。
【
図8】第2実施例の両方向伝送装置の光スイッチの設定処理の一例を示すフローチャートである。
【
図9】第3実施例の両方向伝送装置と順方向伝送装置が接続された伝送システムの一例を示す構成図である。
【
図10】第3実施例の両方向伝送装置と逆方向伝送装置が接続された伝送システムの一例を示す構成図である。
【
図11】第3実施例の両方向伝送装置の光スイッチの設定処理の一例を示すフローチャートである。
【
図12】第4実施例の両方向伝送装置と順方向伝送装置が接続された伝送システムの一例を示す構成図である。
【
図13】第4実施例の両方向伝送装置と逆方向伝送装置が接続された伝送システムの一例を示す構成図である。
【
図14】第5実施例の両方向伝送装置と順方向伝送装置が接続された伝送システムの一例を示す構成図である。
【
図15】第5実施例の両方向伝送装置と逆方向伝送装置が接続された伝送システムの一例を示す構成図である。
【
図16】第5実施例の両方向伝送装置のSFP(Small Form-factor Pluggable)の選択処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は、順方向伝送装置2a,2a’同士が接続された伝送システムの一例を示す構成図である。伝送システムは、光ファイバなどの伝送路90,91を介して接続された一組の順方向伝送装置2a,2a’を有する。なお、順方向伝送装置2aと順方向伝送装置2a’は同一の構成を有する。
【0016】
順方向伝送装置2a,2a’は、例えばROADM(Reconfigurable Optical Add-and-Drop Multiplexer)などの波長多重伝送装置である。順方向伝送装置2a,2a’は、波長が相違する複数の波長光を波長多重した主信号光S2m,S1mをそれぞれ伝送する。主信号光Smには、イーサネット(登録商標、以下同様)フレームなどのユーザデータを含む複数の波長光が波長多重されている。
【0017】
順方向伝送装置2aは、主信号光S2mと、順方向伝送装置2aの監視制御に関する監視信号光S2cとを、伝送路90を介して他方の順方向伝送装置2a’に送信し、他方の順方向伝送装置2a’は主信号光S2m及び監視信号光S2cを受信する。このとき、順方向伝送装置2aは、監視信号光S2cを主信号光S2mに合波して伝送路90に出力する。
【0018】
このように、主信号光S2m及び監視信号光S2cは伝送路90を同一方向に伝送する。符号R1aは、順方向伝送装置2aから順方向伝送装置2a’に伝送される主信号光S2mの経路を示し、符号R1bは、順方向伝送装置2aから順方向伝送装置2a’に伝送される監視信号光S2cの経路を示す。
【0019】
順方向伝送装置2a’は、主信号光S1mと、順方向伝送装置2a’の監視制御に関する監視信号光S1cとを、伝送路91を介して他方の順方向伝送装置2aに送信し、他方の順方向伝送装置2aは主信号光S1m及び監視信号光S1cを受信する。このとき、順方向伝送装置2a’は、監視信号光S1cを主信号光S1mに合波して伝送路91に出力する。
【0020】
このように、主信号光S1m及び監視信号光S1cは伝送路91を同一方向に伝送する。符号R1dは、順方向伝送装置2a’から順方向伝送装置2aに伝送される主信号光S1mの経路を示し、符号R1cは、順方向伝送装置2a’から順方向伝送装置2aに伝送される監視信号光S1cの経路を示す。
【0021】
監視信号光S1c,S2cは、例えばOSC(Optical Supervisory Channel)光であり、光ファイバの接続状態などの監視制御情報を含む。監視信号光S1c,S2cは、主信号光S1m,S2mに含まれる波長光の波長帯とは所定の波長帯域分だけそれぞれ離れた波長を有する。順方向伝送装置2a,2a’は、監視制御情報に基づいて、主信号光S1m,S2mの伝送に関する各種の制御を行う。以下に順方向伝送装置2a,2a’の構成を述べる。
【0022】
順方向伝送装置2a,2a’は、それぞれ、FPGA20と、メモリ26と、SFP25と、光アンプ21,22と、フィルタ23,24とを有する。なお、順方向伝送装置2a,2a’は、FPGA20に代えて、ASIC(Application Specified Integrated Circuit)などの他の回路を備えてもよい。
【0023】
光アンプ22は、隣接ノードから入力された主信号光S1m,S2mを増幅する。FPGA20は光アンプ22の利得を制御する。主信号光S1m,S2mは光アンプ22からフィルタ24に入力される。
【0024】
SFP25は、順方向伝送装置2a,2a’に着脱自在な光モジュールである。SFP25は、監視信号光S1c,S2cを送信する送信部(Tx)250と、監視信号光S1c,S2cを受信する受信部(Rx)251とを有する。
【0025】
送信部250は、監視制御情報に基づく強度変調により監視信号光S1c,S2cを生成する。送信部250は、監視信号光S1c,S2cを出力するレーザダイオード及び変調回路などを備える。監視信号光S1c,S2cは、送信部250からフィルタ24に入力される。
【0026】
順方向伝送装置2a’のフィルタ24は監視信号光S1cを主信号光S1mに合波し、順方向伝送装置2aのフィルタ24は監視信号光S2cを主信号光S2mに合波する。フィルタ24しては、例えば波長多重機能を備える光フィルタが挙げられるが、これに限定されない。監視信号光S1c及び主信号光S1mの合波光はフィルタ24から伝送路91に出力され、監視信号光S2c及び主信号光S2mの合波光はフィルタ24から伝送路90に出力される。
【0027】
監視信号光S1c及び主信号光S1mの合波光は、伝送路91から順方向伝送装置2aのフィルタ23に入力される。フィルタ23は、伝送路91から入力された合波光から主信号光S1m及び監視信号光S1cを分波する。
【0028】
また、監視信号光S2c及び主信号光S2mの合波光は、伝送路90から順方向伝送装置2a’のフィルタ23に入力される。フィルタ23は、伝送路91から入力された合波光から主信号光S2m及び監視信号光S2cを分波する。フィルタ24としては、例えば波長分離機能を備える光フィルタが挙げられるが、これに限定されない。
【0029】
主信号光S1m,S2mはフィルタ24から光アンプ21にそれぞれ入力される。光アンプ21は主信号光S1m,S2mを増幅する。FPGA20は光アンプ21の利得を制御する。主信号光S1m,S2mは光アンプ21から隣接ノードにそれぞれ出力される。
【0030】
SFP25の受信部251は、監視信号光S1c,S2cを受信して電気的な監視信号に変換してFPGA20に出力する。受信部251は、監視信号光S1c,S2cを監視信号に変換するためのPD(Photo Diode)などを有する。
【0031】
FPGA20は、監視信号のペイロードデータから監視制御情報を取得する。FPGA20は、例えば監視制御情報に基づき光アンプ21,22の利得を制御する。このとき、FPGA20は、例えばメモリ26に格納された各種のデータベースを用いる。
【0032】
監視信号光S1c,S2cの送信パワーが高くなると、伝送路91,90中で主信号光S1m,S2mと監視信号光S1c,S2cに相互位相変調などの非線形光学効果が生じることにより主信号光S1m,S2mの伝送品質が低下するおそれがある。これに対し、伝送路91,90において監視信号光S1c,S2cの伝送方向と主信号光S1m,S2mの伝送方向を互いに反対方向にすれば、相互位相変調の相互作用長さが、本例のように各伝送方向が同一である場合より短縮されるため、非線形光学効果を抑制することができる。
【0033】
図2は、逆方向伝送装置2b,2b’同士が接続された伝送システムの一例を示す構成図である。
図2において、
図1と共通する構成には同一の符号を付し、その説明は省略する。
【0034】
伝送システムは、光ファイバなどの伝送路90,91を介して接続された一組の逆方向伝送装置2b,2b’を有する。なお、逆方向伝送装置2bと逆方向伝送装置2b’は同一の構成を有する。
【0035】
逆方向伝送装置2b,2b’は、例えばROADMなどの波長多重伝送装置である逆方向伝送装置2b,2b’は、波長が相違する複数の波長光を波長多重した主信号光S2m,S1mをそれぞれ伝送する。
【0036】
逆方向伝送装置2bは、伝送路90を介して主信号光S2mを他方の逆方向伝送装置2b’に送信し、伝送路91を介して監視信号光S2cを他方の逆方向伝送装置2b’に送信する。逆方向伝送装置2b’は主信号光S2m及び監視信号光S2cを受信する。
【0037】
また、逆方向伝送装置2b’は、伝送路91を介して主信号光S1mを他方の逆方向伝送装置2bに送信し、伝送路90を介して監視信号光S1cを他方の逆方向伝送装置2bに送信する。他方の逆方向伝送装置2bは主信号光S1m及び監視信号光S1cを受信する。
【0038】
このように、主信号光S2m及び監視信号光S1cは伝送路90を互いに反対方向に伝送し、主信号光S1m及び監視信号光S2cは伝送路91を互いに反対方向に伝送する。符号R2aは、逆方向伝送装置2bから逆方向伝送装置2b’に伝送される主信号光S2mの経路を示し、符号R2bは、逆方向伝送装置2b’から逆方向伝送装置2bに伝送される監視信号光S1cの経路を示す。また、符号R2cは、逆方向伝送装置2bから逆方向伝送装置2b’に伝送される監視信号光S2cの経路を示し、符号R2dは、逆方向伝送装置2b’から逆方向伝送装置2bに伝送される主信号光S1mの経路を示す。
【0039】
逆方向伝送装置2b,2b’は、それぞれ、上記のフィルタ23,24に代えてフィルタ23a,24aを有する。逆方向伝送装置2bのフィルタ23aは、送信部250から入力された監視信号光S2cを伝送路91に導き、逆方向伝送装置2b’のフィルタ24aは、伝送路91から入力された監視信号光S2cを受信部251に導く。
【0040】
また、逆方向伝送装置2b’のフィルタ23aは、送信部250から入力された監視信号光S1cを伝送路90に導き、逆方向伝送装置2bのフィルタ24aは、伝送路90から入力された監視信号光S1cを受信部251に導く。フィルタ23a,24aとしては、例えば波長分離機能を備える光フィルタが挙げられるが、これに限定されない。
【0041】
このように、逆方向伝送装置2b,2b’同士が接続された伝送システムでは、主信号光S2m及び監視信号光S1cが伝送路90を互いに反対方向に伝送し、主信号光S1m及び監視信号光S2cが伝送路91を互いに反対方向に伝送する。このため、相互位相変調の相互作用長さが、順方向伝送装置2a,2a’ が接続された伝送システムの場合より短縮されるため、非線形光学効果を抑制することができる。
【0042】
しかし、順方向伝送装置2a,2a’及び逆方向伝送装置2b,2b’がネットワーク内に混在する場合、順方向伝送装置2a,2a’及び逆方向伝送装置2b,2b’は監視信号光S1c,S2cを互いに送受信することができない。このため、ネットワーク内で互いに接続可能な伝送装置の組み合わせが逆方向伝送装置2b,2b’同士または順方向伝送装置2a,2a’同士に限定されてしまう。
【0043】
そこで、実施例の伝送装置は、SFPと伝送路90,91の間の光スイッチの切り替えまたはSFPの選択により監視信号光S1c,S2cが伝送される伝送路90,91を切り替える。これにより、各伝送路90,91に伝送される主信号光S1m,S2mに対する監視信号光S1c,S2cの伝送方向の切り替えが可能となる。
【0044】
したがって、実施例の伝送装置は、順方向伝送装置2a,2a’及び逆方向伝送装置2b,2b’の何れと接続された場合でも、監視信号光S1c,S2cを互いに送受信することができる。なお、以下の説明では、実施例の伝送装置を「両方向伝送装置」と表記する。
【0045】
(第1実施例)
図3は、第1実施例の両方向伝送装置1と順方向伝送装置2aが接続された伝送システムの一例を示す構成図である。
図3において、
図1と共通する構成には同一の符号を付し、その説明は省略する。なお、両方向伝送装置1は第1伝送装置の一例であり、順方向伝送装置2aは第2伝送装置の一例である。
【0046】
伝送システムは、伝送路90,91を介して接続された順方向伝送装置2a及び両方向伝送装置1を有する。順方向伝送装置2aの構成は、上述したとおりである。
【0047】
両方向伝送装置1は、SFP15に接続された光スイッチ17により監視信号光S1c,S2cの伝送路90,91を切り替えるため、順方向伝送装置2a,2a’及び逆方向伝送装置2b,2b’の何れとでも監視信号光S1c,S2cを互いに送受信することができる。ここで、監視信号光S1cには、両方向伝送装置1の監視制御に関する監視制御情報が含まれる。
【0048】
図3には、順方向伝送装置2aと接続された場合の両方向伝送装置1の動作が示されている。両方向伝送装置1は、伝送路91を介して主信号光S1m及び監視信号光S1cを順方向伝送装置2aに送信する。順方向伝送装置2aは主信号光S1m及び監視信号光S1cを受信する。
【0049】
また、順方向伝送装置2aは、伝送路90を介して主信号光S2m及び監視信号光S2cを両方向伝送装置1に送信する。両方向伝送装置1は主信号光S2m及び監視信号光S2cを受信する。なお、主信号光S1mは第1主信号光の一例であり、主信号光S2mは第2主信号光の一例である。監視信号光S1cは第1監視信号光の一例であり、監視信号光S2cは第2監視信号光の一例である。また、伝送路91は第1伝送路の一例であり、伝送路90は第2伝送路の一例である。
【0050】
このように、主信号光S2m及び監視信号光S2cは伝送路90を同一方向に伝送し、主信号光S1mと監視信号光S1cは伝送路91を同一方向に伝送する。符号R3aは、順方向伝送装置2aから両方向伝送装置1に伝送される主信号光S2mの経路を示し、符号R3bは、順方向伝送装置2aから両方向伝送装置1に伝送される監視信号光S2cの経路を示す。
【0051】
また、符号R3dは、両方向伝送装置1から順方向伝送装置2aに伝送される主信号光S1mの経路を示し、符号R3cは、両方向伝送装置1から順方向伝送装置2aに伝送される監視信号光S1cの経路を示す。以下に両方向伝送装置1の構成を述べる。
【0052】
両方向伝送装置1は、FPGA10と、メモリ16と、SFP15と、光アンプ11,12と、フィルタ13,14と、光スイッチ17とを有する。
【0053】
光アンプ12は、隣接ノードから入力された主信号光S1mを増幅する。FPGA10は光アンプ12の利得を制御する。主信号光S1mは光アンプ12からフィルタ14に入力される。
【0054】
SFP15は、両方向伝送装置1に着脱自在な光モジュールである。SFP15は、監視信号光S1cを順方向伝送装置2aに送信する送信部(Tx)150と、監視信号光S2cを順方向伝送装置2aから受信する受信部(Rx)151とを有する。
【0055】
送信部150は、FPGA10から入力された監視制御情報に基づく強度変調により監視信号光S1cを生成する。送信部150は、監視信号光S1cを出力するレーザダイオード及び変調回路などを備える。監視信号光S1cは、送信部150から光スイッチ17に入力される。
【0056】
光スイッチ17は、例えば、光が入出力される2×2のポート#1~#4を有する。ポート#1はフィルタ13と光学的に接続され(例えば光ファイバによる接続など。以下の記載も同様の意味とする。)、ポート#2はフィルタ14に光学的に接続されている。また、ポート#3は受信部151に光学的に接続され、ポート#4は送信部150に光学的に接続されている。
【0057】
光スイッチ17は、ポート#1,#2とポート#3,#4の間の接続状態を、FPGA10からの切り替え信号に従ってストレート状態またはクロス状態に切り替える。FPGA10は、伝送システムを監視制御するネットワーク(NW)監視制御装置9からのスイッチ設定に応じて光スイッチ17に切り替え信号を出力する。
【0058】
ネットワーク監視制御装置9は、不図示の監視用ネットワークを介して、例えば順方向伝送装置2aのメモリ26及び両方向伝送装置1のメモリ16から各装置の識別情報を取得する。ネットワーク監視制御装置9は、識別情報に基づき両方向伝送装置1と順方向伝送装置2aの接続を検出した場合、両方向伝送装置1のFPGA10に「順方向モード」の伝送設定を行う。「順方向モード」の伝送設定の場合、FPGA10は、ストレート状態を示す切り替え信号を光スイッチ17に出力する。
【0059】
このため、光スイッチ17は接続状態をストレート状態に切り替える。ストレート状態の場合、ポート#1とポート#3が互いに接続され、ポート#2とポート#4が互いに接続される。
【0060】
これにより、伝送路90と受信部151がフィルタ13を介し互いに接続され、伝送路91と送信部150がフィルタ14を介し互いに接続される。なお、ストレート状態は光スイッチ17の第1接続状態の一例である。
【0061】
送信部150が送信した監視信号光S1cは、光スイッチ17のポート#4,#2を経由してフィルタ14に入力される。
【0062】
フィルタ14は、光スイッチ17から入力された監視信号光S1cを伝送路91に導き、主信号光S1mを光アンプ12から伝送路91に導く。このとき、フィルタ14は監視信号光S1cを主信号光S1mに合波する。フィルタ14としては、例えば波長多重分離機能を備える光フィルタが挙げられるが、これに限定されない。監視信号光S1c及び主信号光S1mの合波光はフィルタ14から伝送路91に出力される。
【0063】
監視信号光S1c及び主信号光S1mの合波光は、伝送路91から順方向伝送装置2aのフィルタ23に入力される。フィルタ23は、伝送路91から入力された合波光から主信号光S1m及び監視信号光S1cを分波する。これにより、順方向伝送装置2aは主信号光S1m及び監視信号光S1cを受信する。
【0064】
また、順方向伝送装置2aは、監視信号光S2c及び主信号光S2mの合波光を伝送路90に出力する。合波光は、伝送路90から両方向伝送装置1のフィルタ13に入力される。
【0065】
フィルタ13は、伝送路91から入力された合波光から主信号光S2m及び監視信号光S2cを分波する。これにより、フィルタ13は、監視信号光S2cを伝送路90から光スイッチ17に導き、主信号光S2mを伝送路90から光アンプ11に導く。フィルタ13としては、例えば波長多重分離機能を備える光フィルタが挙げられるが、これに限定されない。
【0066】
主信号光S2mはフィルタ13から光アンプ11に入力される。光アンプ11は主信号光S2mを増幅する。FPGA10は光アンプ11の利得を制御する。主信号光S2mは光アンプ11から隣接ノードに出力される。
【0067】
また、監視信号光S2cは、フィルタ13から光スイッチ17のポート#1,#3を経由して受信部151に入力される。これにより、受信部151は順方向伝送装置2aから監視信号光S2cを受信する。
【0068】
受信部151は、監視信号光S2cを受信して電気的な監視信号に変換してFPGA10に出力する。受信部151は、監視信号光S2cを監視信号に変換するためのPDなどを有する。
【0069】
FPGA10は、監視信号のペイロードデータから監視制御情報を取得する。FPGA10は、例えば監視制御情報に基づき光アンプ11,12の利得を制御する。このとき、FPGA10は、例えばメモリ16に格納された各種のデータベースを用いる。
【0070】
このように、両方向伝送装置1は、光スイッチ17の接続状態がストレート状態であるとき、監視信号光S1cを、伝送路91を介し送信し、監視信号光S2cを、伝送路90を介し受信することができる。
【0071】
このため、両方向伝送装置1は、順方向伝送装置2aと主信号光S1m,S2m及び監視信号光S1c,S2cを送受信することができる。このとき、伝送路91における主信号光S1mと監視信号光S1cの伝送方向は同一であり、伝送路90における主信号光S2mと監視信号光S2cの伝送方向は同一である。
【0072】
次に逆方向伝送装置2bと両方向伝送装置1が接続された伝送システムについて説明する。
【0073】
図4は、第1実施例の両方向伝送装置1と逆方向伝送装置2bが接続された伝送システムの一例を示す構成図である。
図4において、
図2及び
図3と共通する構成には同一の符号を付し、その説明は省略する。なお、逆方向伝送装置2bは第2伝送装置の一例である。
【0074】
伝送システムは、伝送路90,91を介して接続された逆方向伝送装置2b及び両方向伝送装置1を有する。逆方向伝送装置2bの構成は、上述したとおりである。
【0075】
図4には、逆方向伝送装置2bと接続された場合の両方向伝送装置1の動作が示されている。両方向伝送装置1は、伝送路91を介して主信号光S1mを逆方向伝送装置2bに送信し、伝送路90を介して監視信号光S1cを逆方向伝送装置2bに送信する。逆方向伝送装置2bは主信号光S1m及び監視信号光S1cを受信する。
【0076】
また、逆方向伝送装置2bは、伝送路90を介して主信号光S2mを両方向伝送装置1に送信し、伝送路91を介して監視信号光S2cを両方向伝送装置1に送信する。両方向伝送装置1は主信号光S2m及び監視信号光S2cを受信する。
【0077】
このように、主信号光S2m及び監視信号光S1cは伝送路90を互いに反対方向に伝送し、主信号光S1mと監視信号光S2cは伝送路91を互いに反対方向に伝送する。符号R4aは、逆方向伝送装置2bから両方向伝送装置1に伝送される主信号光S2mの経路を示し、符号R4dは、両方向伝送装置1から逆方向伝送装置2bに伝送される主信号光S1mの経路を示す。符号R4cは、逆方向伝送装置2bから両方向伝送装置1に伝送される監視信号光S2cの経路を示し、符号R4bは、両方向伝送装置1から逆方向伝送装置2bに伝送される監視信号光S1cの経路を示す。
【0078】
ネットワーク監視制御装置9は、不図示の監視用ネットワークを介して、例えば逆方向伝送装置2bのメモリ26及び両方向伝送装置1のメモリ16から各装置の識別情報を取得する。ネットワーク監視制御装置9は、識別情報に基づき両方向伝送装置1と逆方向伝送装置2bの接続を検出した場合、両方向伝送装置1のFPGA10に「逆方向モード」の伝送設定を行う。「逆方向モード」の伝送設定の場合、FPGA10は、クロス状態を示す切り替え信号を光スイッチ17に出力する。
【0079】
このため、光スイッチ17は接続状態をクロス状態に切り替える。クロス状態の場合、ポート#1とポート#4が互いに接続され、ポート#2とポート#3が互いに接続される。
【0080】
これにより、伝送路91と受信部151がフィルタ14を介し互いに接続され、伝送路90と送信部150がフィルタ13を介し互いに接続される。なお、クロス状態は光スイッチ17の第2接続状態の一例である。
【0081】
送信部150が送信した監視信号光S1cは、光スイッチ17のポート#4,#1を経由してフィルタ13に入力される。フィルタ13は、光スイッチ17から入力された監視信号光S1cを伝送路90に導き、主信号光S2mを伝送路90から光アンプ11に導く。
【0082】
監視信号光S1cは、伝送路90から逆方向伝送装置2bのフィルタ24aに入力される。フィルタ24aは、伝送路90から入力された監視信号光S1cを受信部251に導く。これにより、逆方向伝送装置2bは監視信号光S1cを受信する。
【0083】
また、逆方向伝送装置2bにおいて、送信部250が送信した監視信号光S2cはフィルタ23aから伝送路91に出力される。監視信号光S2cは伝送路91から両方向伝送装置1のフィルタ14に入力される。
【0084】
フィルタ14は、監視信号光S2cを伝送路91から光スイッチ17に導く。監視信号光S2cは、光スイッチ17のポート#2,#3を経由して受信部151に入力される。これにより、受信部151は逆方向伝送装置2bから監視信号光S2cを受信する。
【0085】
このように、両方向伝送装置1は、光スイッチ17の接続状態がクロス状態であるとき、監視信号光S1cを、伝送路90を介し送信し、監視信号光S2cを、伝送路91を介し受信することができる。
【0086】
このため、両方向伝送装置1は、逆方向伝送装置2bと主信号光S1m,S2m及び監視信号光S1c,S2cを送受信することができる。このとき、伝送路91における主信号光S1mと監視信号光S2cの各伝送方向は反対であり、伝送路90における主信号光S2mと監視信号光S1cの各伝送方向は反対である。
【0087】
したがって、両方向伝送装置1は、光スイッチ17の接続状態の切り替えにより主信号光S1m,S2mに対する監視信号光S1c,S2cの伝送方向を切り替えることができる。
【0088】
図5は、第1実施例の両方向伝送装置1の光スイッチ17の設定処理の一例を示すフローチャートである。本処理は、実施例の伝送方法である。
【0089】
FPGA10は、ネットワーク監視制御装置9からの要求に応じて、例えばメモリ16から装置の識別情報を読み出し、ネットワーク監視制御装置9に送信する(ステップSt1)。このとき、ネットワーク監視制御装置9は、両方向伝送装置1の接続先の順方向伝送装置2aまたは逆方向伝送装置2bからも識別情報を取得する。
【0090】
ネットワーク監視制御装置9は、識別情報から両方向伝送装置1の接続先の伝送装置が順方向伝送装置2a及び逆方向伝送装置2bの何れであるかを判断する。ネットワーク監視制御装置9は、接続先が順方向伝送装置2aである場合、「順方向モード」の伝送設定の情報を両方向伝送装置1に送信し、接続先が逆方向伝送装置2bである場合、「逆方向モード」の伝送設定の情報を両方向伝送装置1に送信する。
【0091】
次にFPGA10は、不図示の通信ポートを介して、ネットワーク監視制御装置9から伝送設定の情報を受信する(ステップSt2)。FPGA10は、伝送設定が「順方向モード」である場合(ステップSt3のYes)、切り替え信号により光スイッチ17の接続状態をストレート状態に設定する(ステップSt4)。また、FPGA10は、伝送設定が「逆方向モード」である場合(ステップSt3のNo)、切り替え信号により光スイッチ17の接続状態をクロス状態に設定する(ステップSt5)。
【0092】
次にFPGA10は、SFP15による監視信号光S1c,S2cの送受信を開始する(ステップSt6)。このようにして、両方向伝送装置1は光スイッチ17の設定処理を実行する。
【0093】
このように、両方向伝送装置1は、光スイッチ17が接続状態をクロス状態に切り替えることにより逆方向伝送装置2bと主信号光S1m,S2m及び監視信号光S1c,S2cを送受信することができる。
【0094】
このため、両方向伝送装置1は、順方向伝送装置2a及び逆方向伝送装置2bの何れとも主信号光S1m,S2m及び監視信号光S1c,S2cを互いに送受信することができる。つまり、両方向伝送装置1は、順方向伝送装置2a及び逆方向伝送装置2bに対して接続の互換性を備える。
【0095】
したがって、両方向伝送装置1は、ネットワーク内における接続可能な伝送装置の組み合わせの制限を緩和することができる。
【0096】
また、FPGA10は、両方向伝送装置1と順方向伝送装置2aまたは逆方向伝送装置2bの組み合わせに応じた設定情報を取得し、設定情報に基づきに基づき光スイッチ17に接続状態の切り替えを指示する。このため、両方向伝送装置1は、接続先が順方向伝送装置2a及び逆方向伝送装置2bの何れかに応じて光スイッチ17に接続状態を容易に切り替えることができる。なお、FPGA10は指示部の一例である。
【0097】
さらに、FPGA10はネットワーク監視制御装置9から設定情報を取得するため、例えばユーザが手動で上記の設定情報を入力する場合より光スイッチ17に接続状態の切り替えの処理の負荷が低減される。なお、ネットワーク監視制御装置9は監視制御装置の一例である。
【0098】
(第2実施例)
第1実施例の両方向伝送装置1は、ネットワーク監視制御装置9からの伝送設定に従って光スイッチ17の接続状態を設定したが、監視信号光S2cの受信状態を判定することにより、伝送設定を受信せずに光スイッチ17の接続状態を設定してもよい。
【0099】
図6は、第2実施例の両方向伝送装置1aと順方向伝送装置2aが接続された伝送システムの一例を示す構成図である。
図6において、
図1及び
図3と共通する構成には同一の符号を付し、その説明は省略する。なお、両方向伝送装置1aは第1伝送装置の一例である。
【0100】
両方向伝送装置1aは、第1実施例の両方向伝送装置1の構成に加えて、光スプリッタ18a,18b及びPD19a,19bを有する。光スプリッタ18bは、光スイッチ17のポート#1とフィルタ13の間に接続され、光スプリッタ18aは、光スイッチ17のポート#2とフィルタ14の間に接続されている。また、PD19a,19bは光スプリッタ18a,18bにそれぞれ接続されている。
【0101】
また、両方向伝送装置1aは、FPGA10に代えてFPGA10aを有する。FPGA10aは、PD19a,19bから入力される検出信号に応じて光スイッチ17に切り替え信号を出力するが、他の機能はFPGA10と同一である。
【0102】
図6には、順方向伝送装置2aと接続された場合の両方向伝送装置1aの動作が示されている。順方向伝送装置2aが送信した監視信号光S2cは、伝送路90に伝送され、フィルタ13から光スイッチ17のポート#1に入力される。
【0103】
符号R3b’は監視信号光S2cの経路を示す。光スプリッタ18bは、フィルタ13から入力された監視信号光S2cを分波して光スイッチ17及びPD19bに導く。
【0104】
PD19bは、第2検出部の一例であり、伝送路90から光スイッチ17に入力される監視信号光S2cを検出する。PD19bは、監視信号光S2cから電気的な検出信号をFPGA10aに出力する。これにより、FPGA10aは、順方向伝送装置2aから監視信号光S2cを受信したか否かを判定することができる。
【0105】
FPGA10aは、PD19bから検出信号が入力された場合、光スイッチ17の接続状態をストレート状態に設定する。これにより、監視信号光S2cは光スイッチ17を経由して受信部151に入力されるため、両方向伝送装置1aは順方向伝送装置2aから監視信号光S2cを受信することができる。
【0106】
また、送信部150が送信した監視信号光S1cは、光スイッチ17を経由してフィルタ14に入力される。これにより、両方向伝送装置1aは順方向伝送装置2aに監視信号光S1cを送信することができる。
【0107】
また、両方向伝送装置1aが逆方向伝送装置2bと接続された場合、監視信号光S2cはPD19bではなくPD19aに入力される。FPGA10aは、PD19bから検出信号が入力されず、PD19aから検出信号が入力された場合、光スイッチ17の接続状態をクロス状態に設定する。
【0108】
図7は、第2実施例の両方向伝送装置1aと逆方向伝送装置2bが接続された伝送システムの一例を示す構成図である。
図7において、
図4及び
図6と共通する構成には同一の符号を付し、その説明は省略する。
【0109】
図7には、逆方向伝送装置2bと接続された場合の両方向伝送装置1aの動作が示されている。逆方向伝送装置2bが送信した監視信号光S2cは、伝送路91に伝送され、フィルタ14から光スイッチ17のポート#2に入力される。
【0110】
符号R4c’は監視信号光S2cの経路を示す。光スプリッタ18aは、フィルタ14から入力された監視信号光S2cを分波して光スイッチ17及びPD19aに導く。
【0111】
PD19aは、第1検出部の一例であり、伝送路91から光スイッチ17に入力される監視信号光S2cを検出する。PD19aは、監視信号光S2cから電気的な検出信号をFPGA10aに出力する。これにより、FPGA10aは、逆方向伝送装置2bから監視信号光S2cを受信したか否かを判定することができる。
【0112】
FPGA10aは、PD19bから検出信号が入力されず、PD19aから検出信号が入力された場合、光スイッチ17の接続状態をクロス状態に設定する。これにより、監視信号光S2cは光スイッチ17を経由して受信部151に入力されるため、両方向伝送装置1aは逆方向伝送装置2bから監視信号光S2cを受信することができる。
【0113】
また、送信部150が送信した監視信号光S1cは、光スイッチ17を経由してフィルタ13に入力される。これにより、両方向伝送装置1aは逆方向伝送装置2bに監視信号光S1cを送信することができる。
【0114】
図8は、第2実施例の両方向伝送装置1aの光スイッチ17の設定処理の一例を示すフローチャートである。本処理は、実施例の伝送方法である。なお、本処理に先立って、両方向伝送装置1aの接続先の順方向伝送装置2aまたは逆方向伝送装置2bは監視信号光S2cの送信を開始する。
【0115】
FPGA10aは、PD19bから入力される検出信号に基づいて、PD19bが監視信号光S2cを検出したか否かを判定する(ステップSt11)。FPGA10aは、PD19bが監視信号光S2cを検出した場合(ステップSt11のYes)、両方向伝送装置1aの接続先が順方向伝送装置2aであると判断して、切り替え信号により光スイッチ17の接続状態をストレート状態に設定する(ステップSt12)。次にFPGA10aは、SFP15による監視信号光S1c,S2cの送受信を開始する(ステップSt13)。
【0116】
また、FPGA10aは、PD19bが監視信号光S2cを検出していない場合(ステップSt11のNo)、PD19aから入力される検出信号に基づいて、PD19aが監視信号光S2cを検出したか否かを判定する(ステップSt14)。FPGA10aは、PD19aが監視信号光S2cを検出した場合(ステップSt14のYes)、両方向伝送装置1aの接続先が逆方向伝送装置2bであると判断して、切り替え信号により光スイッチ17の接続状態をクロス状態に設定する(ステップSt15)。次にFPGA10aは、SFP15による監視信号光S1c,S2cの送受信を開始する(ステップSt13)。
【0117】
また、FPGA10aは、PD19aが監視信号光S2cを検出していない場合(ステップSt14のNo)、両方向伝送装置1aと順方向伝送装置2aまたは逆方向伝送装置2bの接続が異常(例えば光ファイバの切断など)であると判断し、障害を検出する(ステップSt16)。このようにして、光スイッチ17の設定処理は実行される。
【0118】
このように、FPGA10aは、PD19a,PD19bの検出結果に基づき光スイッチ17に接続状態の切り替えを指示する。このため、FPGA10aは、第1実施例とは異なり、ネットワーク監視制御装置9からの伝送設定を受信せずに、自律的に光スイッチ17の接続状態を両方向伝送装置1aの接続先の装置の種類に応じて設定することができる。
【0119】
(第3実施例)
第1実施例の両方向伝送装置1及び第2実施例の両方向伝送装置1aは、例えばSFP15が故障した場合、接続先の順方向伝送装置2aまたは逆方向伝送装置2bとの間で監視信号光S1c,S2cの送受信の両方が不可能となるおそれがある。そこで、本例の両方向伝送装置1bは、2個のSFP15a,15bを冗長に備えることにより、一方のSFP15a,15bが故障した場合、他方の正常なSFP15a,15bにより監視信号光S1cの送信または監視信号光S2cの受信を可能とする。
【0120】
図9は、第3実施例の両方向伝送装置1bと順方向伝送装置2aが接続された伝送システムの一例を示す構成図である。
図9において、
図6と共通する構成には同一の符号を付し、その説明は省略する。なお、両方向伝送装置1bは第1伝送装置の一例である。
【0121】
両方向伝送装置1bは、第2実施例の光スイッチ17及びSFP15に代えて、各2個の光スイッチ17a,17b及びSFP15a,15bを有する。SFP15a,15bは、SFP15と同様の構成を備えている。SFP15aは、送信部150a及び受信部151aを有する。SFP15bは、送信部150b及び受信部151bを有する。
【0122】
送信部150a,150bは、それぞれ、監視信号光S1cを順方向伝送装置2aに送信する。送信部150aは第1送信部の一例であり、送信部150bは第2送信部の一例である。
【0123】
受信部151a,151bは、それぞれ、監視信号光S2cを順方向伝送装置2aから受信する。受信部151aは第1受信部の一例であり、受信部151bは第2受信部の一例である。
【0124】
光スイッチ17a,17bは、それぞれ、1×2のポート#1~#3を有する。光スイッチ17aのポート#1は光スプリッタ18aに接続され、光スイッチ17aのポート#2は受信部151aに接続され、光スイッチ17aのポート#3は送信部150aに接続されている。
【0125】
光スイッチ17bのポート#1は光スプリッタ18bに接続され、光スイッチ17bのポート#2は受信部151bに接続され、光スイッチ17bのポート#3は送信部150bに接続されている。なお、光スイッチ17aは第1光スイッチの一例であり、光スイッチ17bは第2光スイッチの一例である。
【0126】
光スイッチ17aは、FPGA10bからの切り替え信号に従って、ポート#1の接続先をポート#2またはポート#3に切り替える。光スイッチ17aのポート#1及びポート#2が互いに接続された場合、伝送路91と受信部151aは、フィルタ14及び光スプリッタ18aを介して光学的に互いに接続される。
【0127】
また、光スイッチ17aのポート#1及びポート#3が互いに接続された場合、伝送路91と送信部150aは、フィルタ14及び光スプリッタ18aを介して光学的に互いに接続される。このため、光スイッチ17aは、伝送路91の接続先を受信部151aまたは送信部150aに切り替えることができる。
【0128】
光スイッチ17bは、FPGA10bからの切り替え信号に従って、ポート#1の接続先をポート#2またはポート#3に切り替える。光スイッチ17bのポート#1及びポート#2が互いに接続された場合、伝送路90と受信部151bは、フィルタ13及び光スプリッタ18bを介して光学的に互いに接続される。
【0129】
また、光スイッチ17bのポート#1及びポート#3が互いに接続された場合、伝送路90と送信部150bは、フィルタ13及び光スプリッタ18bを介して光学的に互いに接続される。このため、光スイッチ17bは、伝送路90の接続先を受信部151bまたは送信部150bに切り替えることができる。
【0130】
また、両方向伝送装置1bは、FPGA10に代えてFPGA10bを有する。FPGA10bは、PD19a,19bからの検出信号に応じて光スイッチ17a,17bのポート#1~#3間の接続状態を切り替え信号により切り替える。なお、FPGA10bの他の機能はFPGA10と同様である。
【0131】
図9には、順方向伝送装置2aと接続された場合の両方向伝送装置1bの動作が示されている。順方向伝送装置2aが送信した監視信号光S2cは、伝送路90に伝送され、フィルタ13から光スイッチ17bのポート#1に入力される。
【0132】
符号R3eは監視信号光S2cの経路を示す。フィルタ13は、監視信号光S2cを伝送路90から光スイッチ17bに導く。光スプリッタ18bは、フィルタ13から入力された監視信号光S2cを分波して光スイッチ17b及びPD19bに導く。
【0133】
FPGA10bは、PD19bから検出信号が入力された場合、切り替え信号により、光スイッチ17bのポート#1及びポート#2を接続状態に設定する。これにより、伝送路90と受信部151bが光学的に接続される。したがって、監視信号光S2cは、光スイッチ17bのポート#1,#2を経由して受信部151bに入力されるため、両方向伝送装置1bは順方向伝送装置2aから監視信号光S2cを受信することができる。
【0134】
また、FPGA10bは、PD19bから検出信号が入力された場合、切り替え信号により、光スイッチ17aのポート#1及びポート#3を接続状態に設定する。これにより、伝送路91と送信部150aが光学的に接続される。したがって、送信部150aが送信した監視信号光S1cは、光スイッチ17aのポート#3,#1を経由してフィルタ14に入力される。
【0135】
符号R3fは監視信号光S1cの経路を示す。フィルタ14は、光スイッチ17aから入力された監視信号光S1cを伝送路91に導く。これにより、両方向伝送装置1bは順方向伝送装置2aに監視信号光S1cを送信することができる。
【0136】
このように、両方向伝送装置1bは、光スイッチ17aが伝送路91の接続先を送信部150aに切り替え、光スイッチ17bが伝送路90の接続先を受信部151bに切り替えることにより順方向伝送装置2aと主信号光S1m,S2m及び監視信号光S1c,S2cを送受信することができる。このとき、伝送路91における主信号光S1mと監視信号光S1cの伝送方向は同一であり、伝送路90における主信号光S2mと監視信号光S2cの伝送方向は同一である。
【0137】
また、両方向伝送装置1bが逆方向伝送装置2bと接続された場合、監視信号光S2cはPD19bではなくPD19aに入力される。FPGA10bは、PD19bから検出信号が入力されず、PD19aから検出信号が入力された場合、光スイッチ17aのポート#1,#2を接続状態に設定し、光スイッチ17bのポート#1,#3を接続状態に設定する。
【0138】
図10は、第3実施例の両方向伝送装置1bと逆方向伝送装置2bが接続された伝送システムの一例を示す構成図である。
図10において、
図9と共通する構成には同一の符号を付し、その説明は省略する。
【0139】
図10には、逆方向伝送装置2bと接続された場合の両方向伝送装置1bの動作が示されている。送信部150a,150bは、それぞれ、監視信号光S1cを逆方向伝送装置2bに送信する。受信部151a,151bは、それぞれ、監視信号光S2cを逆方向伝送装置2bから受信する。
【0140】
符号R4fは監視信号光S2cの経路を示す。逆方向伝送装置2bが送信した監視信号光S2cは、伝送路91からフィルタ14に入力される。フィルタ14は、監視信号光S2cを伝送路91から光スプリッタ18aに導く。光スプリッタ18aは、フィルタ14から入力された監視信号光S2cを分波して光スイッチ17a及びPD19aに導く。
【0141】
FPGA10bは、PD19aから検出信号が入力された場合、切り替え信号により、光スイッチ17aのポート#1及びポート#2を接続状態に設定する。これにより、伝送路91と受信部151aが光学的に接続される。したがって、監視信号光S2cは、光スイッチ17aのポート#1,#2を経由して受信部151aに入力されるため、両方向伝送装置1bは逆方向伝送装置2bから監視信号光S2cを受信することができる。
【0142】
また、FPGA10bは、PD19aから検出信号が入力された場合、切り替え信号により、光スイッチ17bのポート#1及びポート#3を接続状態に設定する。これにより、伝送路90と送信部150bが光学的に接続される。したがって、送信部150bが送信した監視信号光S1cは、光スイッチ17bのポート#3,#1を経由してフィルタ13に入力される。
【0143】
符号R4eは監視信号光S1cの経路を示す。フィルタ13は、光スイッチ17bから入力された監視信号光S1cを伝送路90に導く。これにより、両方向伝送装置1bは逆方向伝送装置2bに監視信号光S1cを送信することができる。
【0144】
このように、両方向伝送装置1bは、光スイッチ17aが伝送路91の接続先を受信部151aに切り替え、光スイッチ17bが伝送路90の接続先を送信部150bに切り替えることにより逆方向伝送装置2bと主信号光S1m,S2m及び監視信号光S1c,S2cを送受信することができる。このとき、伝送路91における主信号光S1mと監視信号光S2cの各伝送方向は反対であり、伝送路90における主信号光S2mと監視信号光S1cの各伝送方向は反対である。
【0145】
したがって、両方向伝送装置1は、光スイッチ17a,17bの切り替えにより主信号光S1m,S2mに対する監視信号光S1c,S2cの伝送方向を切り替えることができる。
【0146】
これにより、両方向伝送装置1bは、順方向伝送装置2a及び逆方向伝送装置2bの何れとも主信号光S1m,S2m及び監視信号光S1c,S2cを互いに送受信することができる。つまり、両方向伝送装置1bは、順方向伝送装置2a及び逆方向伝送装置2bに対して接続の互換性を備える。
【0147】
したがって、両方向伝送装置1bは、ネットワーク内における接続可能な伝送装置の組み合わせの制限を緩和することができる。
【0148】
図11は、第3実施例の両方向伝送装置1bの光スイッチ17a,17bの設定処理の一例を示すフローチャートである。
図11において、
図8と共通する処理には同一の符号を付し、その説明は省略する。
【0149】
本処理は、実施例の伝送方法である。なお、本処理に先立って、両方向伝送装置1aの接続先の順方向伝送装置2aまたは逆方向伝送装置2bは監視信号光S2cの送信を開始する。
【0150】
FPGA10bは、PD19bが監視信号光S2cを検出した場合(ステップSt11のYes)、両方向伝送装置1aの接続先が順方向伝送装置2aであると判断して、光スイッチ17aのポート#1,#3を接続状態に設定し(ステップSt12a)、光スイッチ17bのポート#1,#2を接続状態に設定する(ステップSt12b)。なお、ステップSt12bは、ステップSt12aより先に実行されてもよい。その後、ステップSt13が実行される。
【0151】
また、FPGA10bは、PD19aが監視信号光S2cを検出した場合(ステップSt14のYes)、両方向伝送装置1aの接続先が逆方向伝送装置2bであると判断して、光スイッチ17aのポート#1,#2を接続状態に設定し(ステップSt15a)、光スイッチ17bのポート#1,#3を接続状態に設定する(ステップSt15b)。なお、ステップSt15bは、ステップSt15aより先に実行されてもよい。その後、ステップSt13が実行される。このようにして、光スイッチ17a,17bの設定処理は実行される。
【0152】
このように、FPGA10bは、PD19a,PD19bの検出結果に基づき光スイッチ17a,17bに接続状態の切り替えを指示する。このため、FPGA10bは、第2実施例と同様に、ネットワーク監視制御装置9からの伝送設定を受信せずに、自律的に光スイッチ17の接続状態を両方向伝送装置1bの接続先の装置の種類に応じて設定することができる。なお、FPGA10bは、第1実施例と同様に、ネットワーク監視制御装置9からの伝送設定を受信し、伝送設定に応じて光スイッチ17a,17bに接続状態の切り替えを指示してもよい。
【0153】
(第4実施例)
第1~第3実施例において、主信号光S1m,S2mの波長帯と監視信号光S1c,S2cの波長帯は相違するが、主信号光S1m,S2mの波長帯と監視信号光S1c,S2cの伝送方向が互いに反対である場合、各波長帯は同一としてもよい。監視信号光S1c,S2cの波長帯と主信号光S1m,S2mの波長帯が同一である場合、使用可能な波長帯のリソースに空きが生ずるため、空いた波長帯を主信号光S1m,S2mまたはラマン励起光源に割り当てることが可能となる。
【0154】
なお、以下の例において、順方向伝送装置2aの送信部250はSバンドの監視信号光S2cを送信し、順方向伝送装置2aの受信部251はSバンドの監視信号光S1cを受信する。また、逆方向伝送装置2bの送信部250はCバンドの監視信号光S2cを送信し、逆方向伝送装置2bの受信部251はCバンドの監視信号光S1cを受信する。
【0155】
図12は、第4実施例の両方向伝送装置1cと順方向伝送装置2aが接続された伝送システムの一例を示す構成図である。
図12において、
図3と共通する構成には同一の符号を付し、その説明は省略する。なお、両方向伝送装置1cは第1伝送装置の一例である。
【0156】
符号R5dは主信号光S1mの経路を示す。両方向伝送装置1cは、伝送路91を介して例えばCバンド(1550(nm)帯)の主信号光S1mを順方向伝送装置2aに送信する。順方向伝送装置2aは主信号光S1mを受信する。
【0157】
符号R5aは主信号光S2mの経路を示す。順方向伝送装置2aは、伝送路90を介して例えばCバンドの主信号光S2mを両方向伝送装置1cに送信する。両方向伝送装置1cは主信号光S2mを受信する。なお、Cバンドは第1波長帯の一例である。
【0158】
両方向伝送装置1cは、フィルタ14に代えて導波部3aを有し、フィルタ13に代えて導波部3bを有する。導波部3aは、第1導波部の一例であり、伝送路91と光スイッチ17の間に接続される。
【0159】
導波部3aは、互いに光学的に接続されたフィルタ31a,32a及びサーキュレータ30aを有する。フィルタ31aは伝送路91と光学的に接続され、フィルタ32aは光スイッチ17のポート#2と光学的に接続され、サーキュレータ30aは光アンプ12と光学的に接続されている。
【0160】
導波部3bは、第2導波部の一例であり、伝送路90と光スイッチ17の間に接続される。導波部3bは、互いに光学的に接続されたフィルタ31b,32b及びサーキュレータ30bを有する。フィルタ31bは伝送路90と光学的に接続され、フィルタ32bは光スイッチ17のポート#1と光学的に接続され、サーキュレータ30bは光アンプ11と光学的に接続されている。
【0161】
また、両方向伝送装置1cは、SFP15に代えて、例えばSバンド(1510(nm)帯)の監視信号光S1c,S2cを送受信するSFP15sを有する。SFP15sは、SFP15と同様の機能を有し、両方向伝送装置1cに対して着脱自在であり、送信部150s及び受信部151sを有する。
【0162】
送信部150sは、Sバンドの監視信号光S1cを送信し、受信部151sは、Sバンドの監視信号光S2cを受信する。送信部150sは、光スイッチ17のポート#4と光学的に接続され、受信部151sは、光スイッチ17のポート#3と光学的に接続されている。なお、Sバンドは第2波長帯の一例である。
【0163】
図12には、順方向伝送装置2aと接続された場合の両方向伝送装置1cの動作が示されている。FPGA10は、接続先が順方向伝送装置2aであるため、上述したように光スイッチ17の接続状態をストレート状態に設定する。
【0164】
符号R5cは監視信号光S1cの経路を示す。監視信号光S1cは送信部150sから光スイッチ17のポート#4,#2を経由してフィルタ32aに入力される。フィルタ32aは監視信号光S1cをフィルタ31aに導き、フィルタ31aは監視信号光S1cを伝送路91に導く。
【0165】
これにより、両方向伝送装置1cは監視信号光S1cを順方向伝送装置2aに送信する。なお、フィルタ31a,32aとしては、例えば波長多重分離機能を備える光フィルタが挙げられるが、これに限定されない。
【0166】
また、サーキュレータ30aは、主信号光S1mをフィルタ31aに導く。このとき、主信号光S1mはサーキュレータ30aからフィルタ32aには入力されない。フィルタ32aは主信号光S1mを伝送路91に導く。これにより、両方向伝送装置1cは主信号光S1mを順方向伝送装置2aに送信する。
【0167】
符号R5bは監視信号光S2cの経路を示す。順方向伝送装置2aが送信した監視信号光S2cは、伝送路90からフィルタ31bに入力される。フィルタ31bは監視信号光S2cをフィルタ32bに導き、フィルタ32bは監視信号光S2cを光スイッチ17に導く。監視信号光S2cは、光スイッチ17のポート#1,#3を経由して受信部151sに入力される。
【0168】
これにより、両方向伝送装置1cは順方向伝送装置2aから監視信号光S2cを受信する。なお、フィルタ31b,32bとしては、例えば波長多重分離機能を備える光フィルタが挙げられるが、これに限定されない。
【0169】
また、フィルタ31bは、順方向伝送装置2aが送信した主信号光S2mを伝送路90からサーキュレータ30bに導く。サーキュレータ30bは、主信号光S2mを光アンプ11に導く。このとき、主信号光S2mはサーキュレータ30bからフィルタ32bには入力されない。これにより、両方向伝送装置1cは順方向伝送装置2aから主信号光S2mを受信する。
【0170】
次に逆方向伝送装置2bと両方向伝送装置1cが接続された伝送システムについて説明する。
【0171】
図13は、第4実施例の両方向伝送装置1cと逆方向伝送装置2bが接続された伝送システムの一例を示す構成図である。
図13において、
図12と共通する構成には同一の符号を付し、その説明は省略する。
【0172】
符号R6dは主信号光S1mの経路を示す。両方向伝送装置1cは、伝送路91を介して例えばCバンドの主信号光S1mを逆方向伝送装置2bに送信する。逆方向伝送装置2bは主信号光S1mを受信する。
【0173】
符号R6aは主信号光S2mの経路を示す。逆方向伝送装置2bは、伝送路90を介して例えばCバンドの主信号光S2mを両方向伝送装置1cに送信する。両方向伝送装置1cは主信号光S2mを受信する。
【0174】
また、両方向伝送装置1cは、SFP15sに代えて、例えばCバンドの監視信号光S1c,S2cを送受信するSFP15cを有する。SFP15cは、SFP15と同様の機能を有し、両方向伝送装置1cに対して着脱自在であり、送信部150c及び受信部151cを有する。
【0175】
送信部150cは、Cバンドの監視信号光S1cを送信し、受信部151cは、Cバンドの監視信号光S2cを受信する。送信部150cは、光スイッチ17のポート#4と光学的に接続され、受信部151cは、光スイッチ17のポート#3と光学的に接続されている。
【0176】
図13には、逆方向伝送装置2bと接続された場合の両方向伝送装置1cの動作が示されている。FPGA10は、接続先が逆方向伝送装置2bであるため、上述したように光スイッチ17の接続状態をクロス状態に設定する。
【0177】
符号R6bは監視信号光S1cの経路を示す。監視信号光S1cは送信部150cから光スイッチ17のポート#4,#1を経由してフィルタ32bに入力される。フィルタ32bは監視信号光S1cをフィルタ31bに導き、フィルタ31bは監視信号光S1cを伝送路90に導く。これにより、両方向伝送装置1cは監視信号光S1cを逆方向伝送装置2bに送信する。
【0178】
符号R6cは監視信号光S2cの経路を示す。逆方向伝送装置2bが送信したCバンドの監視信号光S2cは、伝送路91からフィルタ31aに入力される。フィルタ31aは監視信号光S2cをフィルタ32aに導き、フィルタ32aは監視信号光S2cを光スイッチ17に導く。監視信号光S2cは、光スイッチ17のポート#2,#3を経由して受信部151cに入力される。これにより、両方向伝送装置1cは逆方向伝送装置2bから監視信号光S2cを受信する。
【0179】
このように、導波部3aは、光スイッチ17から入力されたSバンドの監視信号光S1cを伝送路91に導き、Cバンドの監視信号光S2cを伝送路91から光スイッチ17に導く。また、導波部3bは、光スイッチ17から入力されたCバンドの監視信号光S1cを伝送路90に導き、Sバンドの監視信号光S2cを伝送路90光スイッチ17に導く。
【0180】
両方向伝送装置1cは、SFP15s,15cが着脱自在であるため、接続先が順方向伝送装置2aである場合、Sバンドの監視信号光S1cを送受信するSFP15sを用い、接続先が逆方向伝送装置2bである場合、Cバンドの監視信号光S1cを送受信するSFP15cを用いることができる。
【0181】
また、光スイッチ17は接続状態をストレート状態またはクロス状態に切り替える。両方向伝送装置1cは、上記のように、光スイッチ17の接続状態の切り替えにより、順方向伝送装置2aとSバンドの監視信号光S1c,S2cを送受信することができ、逆方向伝送装置2bとCバンドの監視信号光S1c,S2cを送受信することができる。
【0182】
したがって、両方向伝送装置1cは、ネットワーク内における接続可能な伝送装置の組み合わせの制限を緩和することができる。また、両方向伝送装置1cは、接続先が逆方向伝送装置2bである場合、Sバンドを監視信号光S1c,S2cに用いないため、未使用のSバンドを主信号光S1m,S2mまたはラマン励起光源に割り当てることが可能である。
【0183】
(第5実施例)
第4実施例では、両方向伝送装置1cの接続先が順方向伝送装置2aである場合、Sバンドに対応するSFP15sが両方向伝送装置1cに用いられ、両方向伝送装置1cの接続先が逆方向伝送装置2bである場合、Cバンドに対応するSFP15cが用いられる。このため、接続先装置の種類に応じて2種類のSFP15s,15cを付け替える手間が生ずる。
【0184】
そこで、本例の両方向伝送装置1dは、2種類のSFP15s,15cを備えることにより、SFP15s,15cを付け替える手間を省く。
【0185】
図14は、第5実施例の両方向伝送装置1dと順方向伝送装置2aが接続された伝送システムの一例を示す構成図である。
図14において、
図12及び
図13と共通する構成には同一の符号を付し、その説明は省略する。なお、両方向伝送装置1dは第1伝送装置の一例である。
【0186】
符号R7dは主信号光S1mの経路を示す。両方向伝送装置1dは、伝送路91を介して例えばCバンドの主信号光S1mを順方向伝送装置2aに送信する。順方向伝送装置2aは主信号光S1mを受信する。
【0187】
符号R7aは主信号光S2mの経路を示す。順方向伝送装置2aは、伝送路90を介して例えばCバンドの主信号光S2mを両方向伝送装置1dに送信する。両方向伝送装置1dは主信号光S2mを受信する。
【0188】
両方向伝送装置1dは、導波部3aに代えて導波部4aを有し、導波部3bに代えて導波部4bを有する。導波部4aは、第3導波部の一例であり、互いに光学的に接続されたフィルタ41a及びサーキュレータ40aを有する。フィルタ41aは伝送路91及び送信部150sに光学的に接続され、サーキュレータ40aは受信部151c及び光アンプ12に光学的に接続されている。
【0189】
導波部4bは、第4導波部の一例であり、互いに光学的に接続されたフィルタ41b及びサーキュレータ40bを有する。フィルタ41bは伝送路90及び受信部151sに光学的に接続され、サーキュレータ40bは送信部150c及び光アンプ11に光学的に接続されている。
【0190】
また、両方向伝送装置1dはSFP15s,15cを有する。SFP15sは送信部150s及び受信部151sを有し、SFP15cは送信部150c及び受信部151cを有する。
【0191】
送信部150sは、第3送信部の一例であり、Sバンドの監視信号光S1cを送信する。受信部151sは、第3受信部の一例であり、Sバンドの監視信号光S2cを受信する。
【0192】
送信部150cは、第4送信部の一例であり、Cバンドの監視信号光S1cを送信する。受信部151cは、第4受信部の一例であり、Cバンドの監視信号光S2cを受信する。
【0193】
両方向伝送装置1dは、光スイッチ17を有していない。このため、導波部4a,4bが、伝送路90,91とSFP15s,15cの間の監視信号光S1c,S2cの経路を監視信号光S1c,S2cの波長帯に応じて切り替える。
【0194】
図14には、順方向伝送装置2aと接続された場合の両方向伝送装置1dの動作が示されている。両方向伝送装置1dは、FPGA10に代えてFPGA10dを有する。FPGA10dは、SFP15s,15cから監視信号光S1c,S2cの送受信器を選択するが、他の機能はFPGA10と同一である。FPGA10dは、ネットワーク監視制御装置9から「順方向モード」の伝送設定を受信した場合、Sバンド対応のSFP15sを選択する。
【0195】
符号R7cは監視信号光S1cの経路を示す。監視信号光S1cは送信部150sからフィルタ41aに入力される。フィルタ41aは監視信号光S1cを伝送路91に導く。
【0196】
これにより、両方向伝送装置1dは監視信号光S1cを順方向伝送装置2aに送信する。なお、フィルタ41aとしては、例えば波長多重分離機能を備える光フィルタが挙げられるが、これに限定されない。
【0197】
また、サーキュレータ40aは、主信号光S1mをフィルタ41aに導く。このとき、主信号光S1mはサーキュレータ40aから受信部151cには入力されない。フィルタ41aは主信号光S1mを伝送路91に導く。これにより、両方向伝送装置1dは主信号光S1mを順方向伝送装置2aに送信する。
【0198】
符号R7bは監視信号光S2cの経路を示す。順方向伝送装置2aが送信したSバンドの監視信号光S2cは、伝送路90からフィルタ41bに入力される。フィルタ41bは監視信号光S2cを受信部151sに導く。
【0199】
これにより、両方向伝送装置1dは順方向伝送装置2aから監視信号光S2cを受信する。なお、フィルタ41bとしては、例えば波長多重分離機能を備える光フィルタが挙げられるが、これに限定されない。
【0200】
また、フィルタ41bは、順方向伝送装置2aが送信した主信号光S2mを伝送路90からサーキュレータ40bに導く。サーキュレータ40bは、主信号光S2mを光アンプ11に導く。このとき、主信号光S2mはサーキュレータ40bから送信部150cには入力されない。これにより、両方向伝送装置1dは順方向伝送装置2aから主信号光S2mを受信する。
【0201】
次に逆方向伝送装置2bと両方向伝送装置1dが接続された伝送システムについて説明する。
【0202】
図15は、第5実施例の両方向伝送装置1cと逆方向伝送装置2bが接続された伝送システムの一例を示す構成図である。
図15において、
図14と共通する構成には同一の符号を付し、その説明は省略する。
【0203】
符号R8dは主信号光S1mの経路を示す。両方向伝送装置1dは、伝送路91を介して例えばCバンドの主信号光S1mを逆方向伝送装置2bに送信する。逆方向伝送装置2bは主信号光S1mを受信する。
【0204】
符号R8aは主信号光S2mの経路を示す。逆方向伝送装置2bは、伝送路90を介して例えばCバンドの主信号光S2mを両方向伝送装置1cに送信する。両方向伝送装置1cは主信号光S2mを受信する。
【0205】
図15には、逆方向伝送装置2bと接続された場合の両方向伝送装置1dの動作が示されている。FPGA10dは、ネットワーク監視制御装置9から「逆方向モード」の伝送設定を受信した場合、Cバンド対応のSFP15cを選択する。
【0206】
符号R8bは監視信号光S1cの経路を示す。監視信号光S1cは送信部150cからサーキュレータ40bに入力される。サーキュレータ40bは監視信号光S1cをフィルタ41bに導き、フィルタ41bは監視信号光S1cを伝送路90に導く。これにより、両方向伝送装置1cは監視信号光S1cを逆方向伝送装置2bに送信する。
【0207】
符号R8cは監視信号光S2cの経路を示す。逆方向伝送装置2bが送信したCバンドの監視信号光S2cは、伝送路91からフィルタ41aに入力される。フィルタ41aは監視信号光S2cをサーキュレータ40aに導き、サーキュレータ40aは監視信号光S2cを受信部151cに導く。これにより、両方向伝送装置1dは逆方向伝送装置2bから監視信号光S2cを受信する。
【0208】
このように、導波部4aは、送信部150sから入力された監視信号光S1cを伝送路91に導き、監視信号光S2cを伝送路91から受信部151cに導く。また、導波部4bは、送信部150cから入力された監視信号光S1cを伝送路90に導き、監視信号光S2cを伝送路90から受信部151sに導く。
【0209】
したがって、両方向伝送装置1dは、送信部150s及び受信部151sにより順方向伝送装置2aとSバンドの監視信号光S1c,S2cを送受信し、送信部150c及び受信部151cにより逆方向伝送装置2bとCバンドの監視信号光S1c,S2cを送受信することができる。
【0210】
よって、両方向伝送装置1dは、ネットワーク内における接続可能な伝送装置の組み合わせの制限を緩和することができる。また、両方向伝送装置1dは、接続先が逆方向伝送装置2bである場合、Sバンドを監視信号光S1c,S2cに用いないため、未使用のSバンドを主信号光S1m,S2mまたはラマン励起光源に割り当てることが可能である。
【0211】
図16は、第5実施例の両方向伝送装置1dのSFP15s,15cの選択処理の一例を示すフローチャートである。
【0212】
FPGA10dは、ネットワーク監視制御装置9からの要求に応じて、例えばメモリ16から装置の識別情報を読み出し、ネットワーク監視制御装置9に送信する(ステップSt31)。このとき、ネットワーク監視制御装置9は、両方向伝送装置1dの接続先の順方向伝送装置2aまたは逆方向伝送装置2bからも識別情報を取得する。
【0213】
ネットワーク監視制御装置9は、識別情報から両方向伝送装置1dの接続先の伝送装置が順方向伝送装置2a及び逆方向伝送装置2bの何れであるかを判断する。ネットワーク監視制御装置9は、接続先が順方向伝送装置2aである場合、「順方向モード」の伝送設定の情報を両方向伝送装置1dに送信し、接続先が逆方向伝送装置2bである場合、「逆方向モード」の伝送設定の情報を両方向伝送装置1dに送信する。
【0214】
次にFPGA10dは、不図示の通信ポートを介して、ネットワーク監視制御装置9から伝送設定の情報を受信する(ステップSt32)。FPGA10dは、伝送設定が「順方向モード」である場合(ステップSt33のYes)、監視信号光S1c,S2cを送受信する送受信器としてSFP15sを選択する(ステップSt34)。また、FPGA10dは、伝送設定が「逆方向モード」である場合(ステップSt33のNo)、監視信号光S1c,S2cを送受信する送受信器としてSFP15cを選択する(ステップSt36)。
【0215】
次にFPGA10dは、選択済みのSFP15s,15cによる監視信号光S1c,S2cの送受信を開始する(ステップSt35)。このようにして、両方向伝送装置1はSFP15s,15cの選択処理を実行する。
【0216】
なお、両方向伝送装置1dは、第2実施例のようにPD19a,19bにより監視信号光S1cの受信の有無を判定し、判定結果に応じてSFP15s,15cを選択してもよい。また、上記の各実施例において、FPGA10,10a,10b,10dに代えて、ASICなどの他の回路が設けられてもよい。
【0217】
上述した実施形態は本発明の好適な実施の例である。但し、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施可能である。
【0218】
なお、以上の説明に関して更に以下の付記を開示する。
(付記1) 他の伝送装置に第1伝送路を介し第1主信号光を送信し、前記他の伝送装置から第2伝送路を介し第2主信号光を受信する伝送装置において、
前記伝送装置の監視制御に関する第1監視信号光を前記他の伝送装置に送信する送信部と、
前記他の伝送装置の監視制御に関する第2監視信号光を前記他の伝送装置から受信する受信部と、
前記送信部及び前記受信部と前記第1伝送路及び前記第2伝送路の間の接続状態を、前記送信部が前記第1伝送路に接続され、前記受信部が前記第2伝送路に接続された第1接続状態、または前記送信部が前記第2伝送路に接続され、前記受信部が前記第1伝送路に接続された第2接続状態に切り替える光スイッチとを有することを特徴とする伝送装置。
(付記2) 前記伝送装置及び前記他の伝送装置の組み合わせに応じた設定情報を取得し、前記設定情報に基づき前記光スイッチに接続状態の切り替えを指示する指示部を有することを特徴とする付記1に記載の伝送装置。
(付記3) 前記指示部は、前記伝送装置及び前記他の伝送装置を監視制御する監視制御装置から前記設定情報を取得することを特徴とする付記2に記載の伝送装置。
(付記4) 前記第1伝送路から前記光スイッチに入力される前記第2監視信号光を検出する第1検出部と、
前記第2伝送路から前記光スイッチに入力される前記第2監視信号光を検出する第2検出部と、
前記第1検出部及び前記第2検出部の検出結果に基づき前記光スイッチに接続状態の切り替えを指示する指示部とを有することを特徴とする付記1に記載の伝送装置。
(付記5) 前記第1伝送路と前記光スイッチの間に接続される第1導波部と、
前記第2伝送路と前記光スイッチの間に接続される第2導波部とを、さらに有し、前記送信部及び前記受信部は、前記伝送装置に対して着脱自在であり、前記第1主信号光及び前記第2主信号光は、第1波長帯の帯域をそれぞれ有し、前記第1導波部は、前記光スイッチから入力された第2波長帯の前記第1監視信号光を前記第1伝送路に導き、前記第1波長帯の前記第2監視信号光を前記第1伝送路から前記光スイッチに導き、前記第2導波部は、前記光スイッチから入力された前記第1波長帯の前記第1監視信号光を前記第2伝送路に導き、前記第2波長帯の前記第2監視信号光を前記第2伝送路から前記光スイッチに導くことを特徴とする付記1または4に記載の伝送装置。
(付記6) 他の伝送装置に第1伝送路を介し第1主信号光を送信し、前記他の伝送装置から第2伝送路を介し第2主信号光を受信する伝送装置において、
前記伝送装置の監視制御に関する第1監視信号光を前記他の伝送装置にそれぞれ送信する第1送信部及び第2送信部と、
前記他の伝送装置の監視制御に関する第2監視信号光を前記他の伝送装置からそれぞれ受信する第1受信部及び第2受信部と、
前記第1伝送路の接続先を前記第1送信部または前記第1受信部に切り替える第1光スイッチと、
前記第2伝送路の接続先を前記第2送信部または前記第2受信部に切り替える第2光スイッチとを有することを特徴とする伝送装置。
(付記7) 前記第1伝送路から前記第1光スイッチに入力される前記第2監視信号光を検出する第1検出部と、
前記第2伝送路から前記第2光スイッチに入力される前記第2監視信号光を検出する第2検出部と、
前記第1検出部及び前記第2検出部の検出結果に基づき、前記第1光スイッチに前記第1伝送路の接続先を指示し、前記第2光スイッチに前記第2伝送路の接続先を指示する指示部とを有することを特徴とする付記6に記載の伝送装置。
(付記8) 他の伝送装置に第1伝送路を介し第1波長帯の第1主信号光を送信し、前記他の伝送装置から第2伝送路を介し前記第1波長帯の第2主信号光を受信する伝送装置において、
前記伝送装置の監視制御に関する第2波長帯の第1監視信号光を送信する第3送信部と、
前記第1波長帯の前記第1監視信号光を送信する第4送信部と、
前記他の伝送装置の監視制御に関する前記第2波長帯の第2監視信号光を受信する第3受信部と、
前記第1波長帯の前記第2監視信号光を受信する第4受信部と、
前記第3送信部から入力された前記第1監視信号光を前記第1伝送路に導き、前記第2監視信号光を前記第1伝送路から前記第4受信部に導く第3導波部と、
前記第4送信部から入力された前記第1監視信号光を前記第2伝送路に導き、前記第2監視信号光を前記第2伝送路から前記第3受信部に導く第4導波部とを有することを特徴とする伝送装置。
(付記9) 第1伝送装置が、第1伝送路を介し第2伝送装置に第1主信号光を送信し、前記第2伝送装置から第2伝送路を介し第2主信号光を受信する伝送方法において、
前記第1伝送装置の送信部が、前記第1伝送装置の監視制御に関する第1監視信号光を前記第2伝送装置に送信し、
前記第1伝送装置の受信部が、前記第2伝送装置の監視制御に関する第2監視信号光を前記第2伝送装置から受信し、
前記第1伝送装置の光スイッチが、前記送信部及び前記受信部と前記第1伝送路及び前記第2伝送路の間の接続状態を、前記送信部が前記第1伝送路に接続され、前記受信部が前記第2伝送路に接続された第1接続状態、または前記送信部が前記第2伝送路に接続され、前記受信部が前記第1伝送路に接続された第2接続状態に切り替えることを特徴とする伝送方法。
(付記10) 前記第1伝送装置は、
前記第1伝送路から前記光スイッチに入力される前記第2監視信号光を検出し、
前記第2伝送路から前記光スイッチに入力される前記第2監視信号光を検出し、
前記第1監視信号光及び前記第2監視信号光の検出結果に基づき前記光スイッチに接続状態の切り替えを指示することを特徴とする付記9に記載の伝送方法。
(付記11) 前記送信部及び前記受信部は、前記第1伝送装置に対して着脱自在であり、
前記第1主信号光及び前記第2主信号光は、第1波長帯の帯域をそれぞれ有し、
前記第1伝送装置
前記光スイッチから入力された第2波長帯の前記第1監視信号光を前記第1伝送路に導き、前記第1波長帯の前記第2監視信号光を前記第1伝送路から前記光スイッチに導き、
前記光スイッチから入力された前記第1波長帯の前記第1監視信号光を前記第2伝送路に導き、前記第2波長帯の前記第2監視信号光を前記第2伝送路から前記光スイッチに導くことを特徴とする付記9または10に記載の伝送方法。
(付記12) 第1伝送装置が、第1伝送路を介し第2伝送装置に第1主信号光を送信し、前記第2伝送装置から第2伝送路を介し第2主信号光を受信する伝送方法において、
前記第1伝送装置の第1送信部及び第2送信部が、前記第1伝送装置の監視制御に関する第1監視信号光を前記第2伝送装置にそれぞれ送信し、
前記第1伝送装置の第1受信部及び第2受信部が、前記第2伝送装置の監視制御に関する第2監視信号光を前記第2伝送装置からそれぞれ受信し、
前記第1伝送装置の第1光スイッチが、前記第1伝送路の接続先を前記第1送信部または前記第1受信部に切り替え、
前記第1伝送装置の第2光スイッチが、前記第2伝送路の接続先を前記第2送信部または前記第2受信部に切り替えることを特徴とする伝送方法。
(付記13) 前記第1伝送装置は、
前記第1伝送路から前記第1光スイッチに入力される前記第2監視信号光を検出し、
前記第2伝送路から前記第2光スイッチに入力される前記第2監視信号光を検出し、
前記第1監視信号光及び前記第2監視信号光の検出結果に基づき、前記第1光スイッチに前記第1伝送路の接続先を指示し、前記第2光スイッチに前記第2伝送路の接続先を指示することを特徴とする付記12に記載の伝送方法。
(付記14) 第1伝送装置から第1伝送路を介し第2伝送装置に第1波長帯の第1主信号光を送信し、前記第2伝送装置から第2伝送路を介し前記第1伝送装置に前記第1波長帯の第2主信号光を受信する伝送方法において、
前記第1伝送装置の第3送信部が、前記第1伝送装置の監視制御に関する第2波長帯の第1監視信号光を送信し、
前記第1伝送装置の第4送信部が、前記第1波長帯の前記第1監視信号光を送信し、
前記第1伝送装置の第3受信部が、前記第2伝送装置の監視制御に関する前記第2波長帯の第2監視信号光を受信し、
前記第1伝送装置の第4受信部が、前記第1波長帯の前記第2監視信号光を受信し、
前記第1伝送装置の第3導波部が、前記第3送信部から入力された前記第1監視信号光を前記第1伝送路に導き、前記第2監視信号光を前記第1伝送路から前記第4受信部に導き、
前記第1伝送装置の第4導波部が、前記第4送信部から入力された前記第1監視信号光を前記第2伝送路に導き、前記第2監視信号光を前記第2伝送路から前記第3受信部に導くことを特徴とする伝送方法。
【符号の説明】
【0219】
1,1a~1d 両方向伝送装置
2a,2a’ 順方向伝送装置
2b,2b’ 逆方向伝送装置
3a,3b,4a,4b 導波部
10,10a,10b,10d FPGA
13,14 フィルタ
17,17a,17b 光スイッチ
19a,19b PD
90,91 伝送路
150,150a,150b,150c,150s 送信部
151,151a,151b,151c,151s 受信部