(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-28
(45)【発行日】2023-03-08
(54)【発明の名称】照明装置
(51)【国際特許分類】
F21S 8/00 20060101AFI20230301BHJP
F21V 3/00 20150101ALI20230301BHJP
F21V 3/02 20060101ALI20230301BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20230301BHJP
【FI】
F21S8/00 100
F21V3/00 300
F21V3/02
F21Y115:10
(21)【出願番号】P 2019127297
(22)【出願日】2019-07-09
【審査請求日】2022-03-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】390014546
【氏名又は名称】三菱電機照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109612
【氏名又は名称】倉谷 泰孝
(74)【代理人】
【識別番号】100153176
【氏名又は名称】松井 重明
(74)【代理人】
【識別番号】100116643
【氏名又は名称】伊達 研郎
(72)【発明者】
【氏名】石田 昌寛
(72)【発明者】
【氏名】檜木 亮
(72)【発明者】
【氏名】臼井 昭男
【審査官】下原 浩嗣
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-237208(JP,A)
【文献】特開2008-248621(JP,A)
【文献】米国特許第5746502(US,A)
【文献】特開2012-201386(JP,A)
【文献】特開2017-162839(JP,A)
【文献】特開2012-99277(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 8/00
F21V 3/00
F21V 3/02
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源部が発する光を透過する透光性カバーと、
前記透光性カバーの端部に隣接させて取り付けられた端部カバーと、を備え、
前記透光性カバーは、入射された光を出射する発光面を有し、
前記端部カバーは、前記発光面と当接する一方側は前記発光面に対して連続的な面が形成される掃出部を有する照明装置。
【請求項2】
前記掃出部は、前記透光性カバーから離れるにつれて傾斜する傾斜面である請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記掃出部は、前記透光性カバーの前記発光面と略面一な平面である請求項1に記載の照明装置。
【請求項4】
前記透光性カバーの発光面は、長辺と短辺を有する長方形状であり、
前記透光性カバーは、前記長辺を両側から挟み込むように支持する透光性カバー取付部を有する請求項1~請求項3のいずれか一項に記載の照明装置。
【請求項5】
前記端部カバーは、前記透光性カバー取付部と略面一となる外郭部を有する請求項4に記載の照明器具。
【請求項6】
前記透光性カバーから出射する光が天井方向または床面方向に照射するように、前記透光性カバーと前記掃出部が上方または下方の少なくとも何れか一方に取り付けられた請求項1~請求項5のいずれか一項に記載の照明装置。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
壁面に取り付けられ上下方向に光を照射する照明器具があり、この照明器具は、光が透過する透過部と不透過部が一体成型された外郭カバーが取り付けられることで実現している。(例えば、特許文献1参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0002】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来の照明器具では透過部と不透過部が一体成型されたものであるため、透光部と不透過部を面一にして清掃性をよくすることができるが、外郭カバーの製造方法や材料が限られたり、製造コストが高くなったりするなど制約事項が多い。
【0004】
本発明は、汎用性の高い簡易な構造で、上方を照射する照明装置における上方透光性カバーの清掃性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の照明装置は、光源部が発する光を透過する透光性カバーと、前記透光性カバーの端部に隣接させて取り付けられた端部カバーと、を備え、前記透光性カバーは、入射された光を出射する発光面を有し、前記端部カバーは、前記発光面と当接する一方側は前記発光面に対して連続的な面が形成される掃出部を有する。
【発明の効果】
【0006】
汎用性の高い簡易な構造で、上方を照射する照明装置における上方透光性カバーの清掃性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】実施の形態1の照明装置1000の斜視図である。
【
図2】
図1の照明装置1000の上面図、正面図、下面図、側面図である。
【
図3】
図1の照明装置1000の分解斜視図である。
【
図4】
図2の照明装置1000のA-A断面を示す断面図である。
【
図5】
図1の照明装置1000の灯具本体部210の左端部及び右端部に取り付けられる端部カバー260の斜視図である。
【
図6】
図1の照明装置1000の左端部側及び右端部側を拡大した拡大斜視図である。
【
図7】
図6の照明装置1000の左端部側における概略の断面を示す概略断面図である。
【
図8】実施の形態1の他の形態を示す照明装置1000の左端部側における概略の断面を示す概略断面図である。
【
図9】実施の形態1の他の形態を示す照明装置1000の左端部側における概略の断面を示す概略断面図である。
【
図10】実施の形態2の照明装置1000の左端部側を示す斜視図である。
【
図11】実施の形態2の他の形態を示す照明装置1000の左端部側を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
実施の形態1.
図1~
図5を用いて、本実施の形態の照明装置1000の構造について説明する。
照明装置1000は、壁面に取り付けられる器具本体部100と、この器具本体部100に取り付けられる灯具200を有する。
器具本体部100は、壁面に取り付けられる取付板110と、取付板110に取り付けられた点灯装置120と、灯具200を取り付けるための灯具取付部130と、補助灯140と、点灯装置120及び補助灯140への電力供給をオンオフする引き紐150を有する。
【0009】
灯具取付部130は、灯具200の上部を支える上部支持部131と、下部支持部132とを有する。
上部支持部131は、平板状の引掛支持片であり、この引掛支持片にネジ穴131aが形成されている。
下部支持部132は、L字状に折り曲げられて形成され、灯具200の内側から弾性力を用いて支持する弾性部材を有する。
【0010】
灯具200は、照明装置1000としての外郭をなす灯具本体部210と、灯具本体部210に取り付けられ、上方を照射する上方光源部220と、この上方光源部220の発光方向を覆い、灯具本体部210に取り付けられた上方透光性カバー230と、灯具本体部210に取り付けられ、下方を照射する下方光源部240と、この下方光源部240の発光方向を覆い、灯具本体部210に取り付けられた下方透光性カバー250と、灯具本体部210の両端に取り付けられた端部カバー260と、を有する。
【0011】
灯具本体部210は、例えば、アルミニウムを押し出して成型されたフレームであり、断面がπ字状に形成されており、上面に上方光源部220が取り付けられる上方光学部品取付部211と、下面に下方光源部240が取付けらえる下方光学部品取付部212と、上面と下面に挟まれた部分に位置し、器具本体部100が取り付けられる器具本体取付部213を有する。このように、灯具本体部210をアルミニウムなどの金属製の部材を用いることで、取り付けられた上方光源部220あるいは下方光源部240で発熱した熱を伝熱させて拡散するとともに、外気中に放射することができ、効率的に上方光源部220、下方光源部240の放熱を行うことができる。
【0012】
上方光学部品取付部211は、上方光源部220が取り付けられる上方光源取付部211aと、取り付けられた上方光源部220の発光面に対して離間するように、上方透光性カバー230を保持する上方透光性カバー取付部211bとを有する。
【0013】
上方光源取付部211aは、上方光源部220が発した光を天井面側に照射するため、壁面とは反対側に向かって照射するように傾斜している。なお、天井面側に照射をできるように、反射板やレンズなどの光学部品を用いてもよく、この場合、壁面とは垂直になるように、LEDモジュール(上方光源部220)が取り付けられる面を床面に対して水平としてもよい。また、照明装置1000の直上の天井面や壁面側を照射したい場合は、適宜、上方光源取付部211aの傾きや光学部品をその用途に合わせて選定するとよい。
【0014】
上方透光性カバー取付部211bは、上方透光性カバー230の長手方向の両端を挟み込んで支持し、上方光源部220との距離や角度を規定するものである。
【0015】
下方光学部品取付部212は、上方光学部品取付部211と同様に、下方光源部240が取り付けられる下方光源取付部212aと、取り付けられた下方光源部240の発光面に対して離間するように、下方透光性カバー250を保持する下方透光性カバー取付部212bとを有する。
【0016】
下方光源取付部212aは、下方光源部240が発した光を壁面側に照射するため、壁面側に向かって照射するように傾斜している。なお、壁面側に照射をできるように、反射板やレンズなどの光学部品を用いてもよく、この場合、壁面とは垂直になるように、LEDモジュール(下方光源部240)が取り付けられる面を床面に対して水平としてもよい。また、照明装置1000の直下の床面や壁面側とは反対側の床面を照射したい場合は、適宜、下方光源取付部212aの下方光源取付部212aの傾きや光学部品をその用途に合わせて選定するとよい。
【0017】
下方透光性カバー取付部212bは、下方透光性カバー250の長手方向の両端を挟み込んで支持し、下方光源部240との距離や角度を規定するものである。
【0018】
器具本体取付部213は、上部支持部131の上部側に載りかかる上部係合部213aと、下部支持部132の弾性部が押圧されるとともに係合する下部係合部213bを有する。なお、上部係合部213aにはネジ穴131aに対応するようにネジ穴213aaが形成されている。
【0019】
上方透光性カバー230、下方透光性カバー250は、長方形状の平板で形成されており、それぞれ透光性カバー取付部211b、212bに長手方向からスライド挿入して取り付ける。なお、上方透光性カバー230、下方透光性カバー250は乳白の拡散性カバーの他、透明なカバーやレンズなどの光学制御機能を持ったカバーであってもよく、また、平板ではなく凹凸を有したり曲面で形成されたりしてもよい。なお、上方透光性カバー230に凹凸形状が含まれる場合、上方透光性カバー230の外郭面側(照明装置1000の外郭を構成する面)の凹凸は極力小さくするか、外郭面側のみ凹凸をなくした方が好ましい。
【0020】
端部カバー部260は、灯具本体部210の端部にネジなどで取り付けられる端部カバー取付板261と、この端部カバー取付板261にネジなどで取り付けられ、照明装置1000の外郭を形成する端部カバー本体262と、この端部カバー本体262に形成され、上方透光性カバー230を清掃する際に埃などを排出するための掃出部263と、を有する。
【0021】
端部カバー260が灯具本体部210に取り付けられた状態において、
図6、
図7に示すように、掃出部263は、上方透光性カバー230の端部に重なるように隣接配置されており、かつ、この上方透光性カバー230の表面に対して掃出部263の表面がほぼ段差が生じないような連続的な面を形成している。
このように、掃出部263が上方透光性カバー230の端部に重なるようにすることで、上方透光性カバー230と掃出部263の間に隙間が生じにくく、上方透光性カバー230に堆積したチリや埃などを清掃する際、チリや埃などが隙間に詰まり難くすることができ、
図6、
図7に矢印で示したように、掃出部263を介して掃き出し易くすることができる。
【0022】
なお、
図8に示すように、上方透光性カバー230の表面と掃出部263の表面は段差がないように横並びに配置したり、あるいは、
図9に示すように、掃出部263の表面が上方透光性カバー240の表面よりも下方に一段下がるように配置したりしてもよい。
また、掃出部263の表面の形状は、清掃時にチリや埃などが詰まりにくいように、平面状あるいは曲面状にするとよい。なお、掃出部263の表面形状を多面状にしてもよいが、この場合、45°以下の折曲がり部とするか、アール形状の折曲がり部にするなど、チリや埃が詰まりにくくなるような、なだらかな表面形状となるようにするとよい。
【0023】
このように、上方透光性カバー230の表面と掃出部263の表面との位置関係を略面一(表面同士がほぼ連なった形状)または掃出部263の表面を上方透光性カバー230の表面から一段下げることにより、上方透光性カバー230を雑巾などで拭く際、長手方向に雑巾を拭いていくことによって、上方透光性カバー230の表面に溜まったチリや埃を、掃出部263を介して照明装置1000の外方に掃き出すことができ、清掃がし易くなる。また、上方透光性カバー230に堆積したチリや埃を容易に取り除くことができるようになるので、短時間で清掃を行うことができ、清掃の作業効率が向上する。
【0024】
また、灯具本体部210に、上方透光性カバー230並びに下方透光性カバー250を組み合わせて取り付けられるようにしたことにより、それぞれの部材(材質含む。)を用途に応じて選択することができ、組み合わせの自由度を高くすることができる。
【0025】
また、本実施の形態では、端部カバー260の上方に上方透光性カバー230に隣接するように掃出部263を備えた場合について説明したが、端部カバー260の下方、つまり下方透光性カバー250に隣接させて掃出部を備えてもよい。
【0026】
なお、本実施の形態では、照明装置1000を壁面に取り付け、上下方向にそれぞれ照射することを前提にして説明しているため、説明の便宜上、上下方向を規定しているが、同等の構成、作用効果が得られるものであれば、本実施の形態で規定した上下方向にとらわれることなく適用しても構わない。
【0027】
実施の形態2.
本実施の形態は、実施の形態1の変形例である。本実施の形態において、実施の形態1と同様の構成、構造については同符号を付して説明を省略し、実施の形態1と異なる部分である端部カバーについて、主に説明をする。
【0028】
本実施の形態における端部カバー260は、実施の形態1と同様に、灯具本体部210の端部にネジなどで取り付けられる端部カバー取付板261と、この端部カバー取付板261にネジなどで取り付けられ、照明装置1000の外郭を形成する端部カバー本体262と、この端部カバー本体262に形成され、上方透光性カバー230を清掃する際に埃などを排出するための掃出部263と、を有する。
【0029】
掃出部263は、上方透光性カバー230の短手方向の発光面と同形状をなしている。例えば、
図10に示すように、上方透光性カバー230の短手方向の表面形状が平面であれば掃出部263の表面形状は平面、あるいは
図11に示すように、上方透光性カバー230の短手方向の表面形状が曲面であれば掃出部263の表面形状も曲面という具合である。つまり、上方透光性カバー230に連接される掃出部263の表面形状を合わせることによって、上方透光性カバー230と掃出部263とが連続的なデザインとなるようにしている。このようにすることによって、上方透光性カバー230と掃出部263との一体性を高めたデザインとすることができる。
【0030】
なお、上方透光性カバー230の発光面と掃出部263の表面の上下方向における配置関係は、実施の形態と同様、掃出部263の表面が、上方透光性カバー230の発光面と略面一または一段下がった位置関係となるようにしている。
【0031】
この実施の形態の照明装置1000によれば、実施の形態1と同様の作用効果が得られ、さらに、掃出部263の形状を簡素なものとすることで、端部カバー260の成型が簡素化され、製造コストを下げることができる。
【符号の説明】
【0032】
1000 照明装置、100 器具本体部、110 取付板、120 点灯装置、130 灯具取付部、131 上部支持部、131a ネジ穴、132 下部支持部、140 補助灯140、150 引き紐、200 灯具、210 灯具本体部、211 上方光学部品取付部、211a 上方光源取付部、211b 透光性カバー取付部、212 下方光学部品取付部、212a 下方光源取付部、212b 透光性カバー取付部、213 器具本体取付部、213a 上部係合部、213aa ネジ穴、213b 下部係合部、220 上方光源部、230 上方透光性カバー、240 下方光源部、250 下方透光性カバー、260 端部カバー部、261 端部カバー取付板、262 端部カバー本体、263 掃出部。