(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-28
(45)【発行日】2023-03-08
(54)【発明の名称】不織布シート
(51)【国際特許分類】
B32B 5/26 20060101AFI20230301BHJP
D04H 1/4242 20120101ALI20230301BHJP
D04H 1/4342 20120101ALI20230301BHJP
D04H 1/4374 20120101ALI20230301BHJP
D03D 15/513 20210101ALI20230301BHJP
【FI】
B32B5/26
D04H1/4242
D04H1/4342
D04H1/4374
D03D15/513
(21)【出願番号】P 2019519425
(86)(22)【出願日】2019-03-13
(86)【国際出願番号】 JP2019010193
(87)【国際公開番号】W WO2019188276
(87)【国際公開日】2019-10-03
【審査請求日】2021-09-30
(31)【優先権主張番号】P 2018067720
(32)【優先日】2018-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000003159
【氏名又は名称】東レ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】原田 大
(72)【発明者】
【氏名】土倉 弘至
【審査官】長谷川 大輔
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-062608(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0209823(US,A1)
【文献】実開昭63-069181(JP,U)
【文献】特開平08-142246(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B32B1/00-43/00
D03D1/00-27/18
D04H1/00-18/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
高温収縮率が3%以下で、且つISO22007-3(2008年)に準拠する熱伝導率が0.060W/m・K以下である非溶融繊維Aを含むウェブから成る防炎層を少なくとも1層含み、該防炎層が、JIS K-7201-2(2007年)に準拠するLOI値が25以上である炭化型耐熱繊維Bを含むスクリム層と結合してなる不織布シートであって、前記非溶融繊維Aは耐炎化繊維であり、炭化型耐熱繊維Bはポリアリーレンスルフィドで構成される繊維であり、
前記不織布シート中に、非溶融繊維Aを15~70質量%含有し、
前記不織布シート中に、炭化型耐熱繊維Bを30~85質量%含有する不織布シート
であり、ファイヤーブロッキング材用である不織布シート。
【請求項2】
前記不織布シート中に、前記非溶融繊維Aおよび炭化型耐熱繊維B以外の繊維Cを20質量%以下含有する請求項1に記載の不織布シート。
【請求項3】
ファイヤーブロッキング材が壁材、床材、またはクッションのファイヤーブロッキング材である、請求項
1または2に記載の不織布シート。
【請求項4】
ファイヤーブロッキング材が自動車若しくは航空機のウレタンクッションのファイヤーブロッキング材、またはベッドマットレスのファイヤーブロッキング材である請求項
1~3の何れかに記載の不織布シート。
【請求項5】
請求項
1~4の何れかに記載の不織布シートを含むファイヤーブロッキング材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、不織布シートに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、難燃性が求められる用途では、ポリエステル、ナイロン、セルロース系繊維に難燃効果のある薬剤を原糸段階で練りこむ方法や後加工で付与する方法が採用されてきた。
【0003】
難燃剤としては、ハロゲン系やリン系が一般的に用いられるが、近年では、環境規制により、ハロゲン系薬剤からリン系薬剤への置き換えが進んでいる。しかし、リン系薬剤では、従来のハロゲン系薬剤の難燃効果に及ばないものがある。
【0004】
そこで、より高い難燃性を付与する方法として、高い難燃性を有したポリマーを複合する方法がある。例えば、耐炎化糸とポリフェニレンスルフィド繊維の複合体からなるペーパー(特許文献1)や、耐炎化糸とポリフェニレンスルフィド繊維の複合体からなるフェルト(特許文献2)などが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】国際公開第2017/6807号
【文献】特開2013-169996号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の難燃性能は、JISに規定されたバーナーで一方の面から加熱したとき、その材料自体がどれだけ燃焼しにくいか、あるいは、材料がバーナーの炎を遮断できるかを試験したものであり、実際の火災のように火勢の強い炎に長時間晒されたり、他の可燃物が存在する場合の延焼防止に際して、十分とはいえなかった。特許文献1記載の方法では、JISに規定されたバーナーで炎を遮ることができるものの、加熱源の温度がより高い場合や、温度上昇により発火が生じる可燃物がペーパーと密着している場合には、炎によって炭化したポリフェニレンスルフィドが熱を伝えることで、炎が当たっていない裏側の温度が急激に上昇し、炎が当たっていない反対側に密着した可燃物の発火点を超えると発火が生じるため、改善の余地があった。
【0007】
また、特許文献2では、耐炎化糸とポリフェニレンスルフィド繊維の複合体からなるフェルトが開示されているが、フェルトの密度が小さく、バーナーによって加熱された空気がフェルトの隙間から抜けて、炎が当たっていない反対側の雰囲気温度が急激に上昇し、炎が当たっていない反対側に可燃物を配した際に、可燃物が発火してしまう可能性があった。
【0008】
さらに、薄地のフェルトの場合には、フェルト製造工程での加工張力によって、タテ方向に伸びてしまい、部分的にフェルトが薄くなってしまううえ、耐摩耗性にも乏しいという問題があった。
【0009】
したがって本発明は、高い遮炎性と断熱性および耐摩耗性を備えた不織布シートを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は上記課題を解決するために、次のような手段を採用する。
【0011】
(1)高温収縮率が3%以下で、且つISO22007-3(2008年)に準拠する熱伝導率が0.060W/m・K以下である非溶融繊維Aを含むウェブから成る防炎層を少なくとも1層含み、該防炎層が、JIS K-7201-2(2007年)に準拠するLOI値が25以上である炭化型耐熱繊維Bを含むスクリム層と結合してなる不織布シート。
【0012】
(2)前記不織布シート中に、非溶融繊維Aを15~70質量%含有する(1)に記載の不織布シート。
【0013】
(3)前記不織布シート中に、炭化型耐熱繊維Bを30~85質量%含有する(1)または(2)に記載の不織布シート。
【0014】
(4)前記非溶融繊維Aおよび炭化型耐熱繊維B以外の繊維Cを20質量%以下含有する(1)~(3)の何れかに記載の不織布シート。
【0015】
(5)前記非溶融繊維Aが、耐炎化繊維またはメタアラミド系繊維である(1)~(4)の何れかに記載の不織布シート。
【0016】
(6)前記炭化型耐熱繊維Bが、異方性溶融ポリエステル、難燃性ポリ(アルキレンテレフタレート)、難燃性ポリ(アクリロニトリルブタジエンスチレン)、難燃性ポリスルホン、ポリ(エーテル-エーテル-ケトン)、ポリ(エーテル-ケトン-ケトン)、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、ポリアリーレンスルフィド、ポリフェニルスルホン、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、メタアラミド、パラアラミドおよびこれらの混合物の群から選択される樹脂からなる繊維である(1)~(5)の何れかに記載の不織布シート。
【発明の効果】
【0017】
本発明の不織布は、上記の構成を備えることにより、高い遮炎性及び断熱性と耐摩耗性を備えている。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】遮炎性および断熱性を評価するための燃焼試験を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明は、高温収縮率が3%以下で、且つISO22007-3(2008年)に準拠する熱伝導率が0.060W/m・K以下である非溶融繊維Aを含むウェブから成る防炎層を少なくとも1層含み、該防炎層が、JIS K 7201-2(2007年)に準拠するLOI値が25以上である炭化型耐熱繊維Bを含むスクリム層と結合している、不織布シートである。
【0020】
《高温収縮率》
本発明において高温収縮率とは、不織布の原料となる繊維を標準状態(20℃、相対湿度65%)中で12時間放置後、0.1cN/dtexの張力を与えて原長L0を測定し、その繊維に対して荷重を付加せずに290℃の乾熱雰囲気に30分間暴露し、標準状態(20℃、相対湿度65%)中で十分冷却したうえで、さらに繊維に対して0.1cN/dtexの張力を与えて長さL1を測定し、L0およびL1から以下の式で求められる数値である。
高温収縮率=〔(L0-L1)/L0〕×100(%)
炎が近づき、熱が加わると非溶融繊維は炭化するが、非溶融繊維の高温収縮率が3%以下であるから、高温となった接炎部近辺は収縮しにくく、炎の接していない低温部と高温度部の間で生じる熱応力による破断が生じにくいので、防炎層は長時間炎に晒されても形態が安定する。この点で、高温収縮率は低いことが好ましいが、縮まずとも熱によって大幅に膨張しても、熱応力による防炎層の破断を生じる原因となるので、高温収縮率は-5%以上であることが好ましい。なかでも高温収縮率が0~2%であることが好ましい。
【0021】
《熱伝導率》
熱伝導率とは、熱の伝導のしやすさを数値化したものであり、熱伝導率が小さいとは、一方の面から材料が加熱された際の、加熱されていない部分の温度上昇が小さくなることを意味する。目付200g/m2、JIS L1913(2010)に準拠する方法で測定した厚さが2mm(密度100kg/m3)のフェルトを試験体とし、ISO22007-3(2008年)に準拠する方法で測定した熱伝導率が0.060W/m・K以下である素材は、熱を伝えにくく、不織布にして一方の面から加熱した際に、加熱していない反対側の温度上昇を抑制することができ、反対側に可燃物が配されても可燃物が発火する可能性が低くなる。熱伝導率は低い方が好ましいが、入手可能な繊維材料では、0.020W/m・K程度が上限である。
【0022】
《LOI値》
LOI値は、窒素と酸素の混合気体において、物質の燃焼を持続させるのに必要な最小酸素量の容積百分率であり、LOI値が高いほど燃え難いと言える。そこで、JIS K7201-2(2007年)に準拠するLOI値が25以上である熱可塑性繊維は燃えにくく、たとえ、着火しても火源を離せばすぐに消火し、通常わずかに燃え広がった部分に炭化膜を形成し、この炭化部分が延焼を防ぐことができる。LOI値は高い方が好ましいが、現実に入手可能な物質のLOI値の上限は65程度である。
【0023】
《発火温度》
発火温度は、JIS K7193(2010年)に準拠した方法で測定した自然発火温度である。
【0024】
《融点》
融点は、JIS K7121(2012年)に準拠した方法で測定した値である。10℃/分で加熱した際の融解ピーク温度の値をいう。
【0025】
《防炎層がスクリム層と結合した不織布シート》
後述の非溶融繊維Aを含むウェブからなる防炎層は、スクリム層と結合させることで、不織布シートとする。スクリム層は、防炎層と結合させることでいわゆる補強層として機能する。スクリム層は、織物、または編物で構成されることが好ましい。これにより、繊維がランダムに配向した防炎層に対し、織物、編物等の規則正しい均一な組織とすることで、炎が当たったときの形態安定や防炎層へのダメージ軽減性に優れた不織布シートとなすことができる。
【0026】
また、不織布形態では、繊維が互いに絡み合っているのみであり、形態安定性や通常の使用環境下で長時間使用した場合に、摩耗によって不織布を構成する繊維が脱落し、不織布が薄地化して破れやすくなってしまう。一方、スクリム層が織編物のように規則正しい均一な組織で構成される場合、糸条が特定の構造で組織され、その糸条の単繊維が紡績、交絡、撚等の組織を有する場合にはさらに単繊維が相当する構造で組織されることになる。そのため、防炎層に比較して耐摩耗性に優れる。すなわち、スクリム層は、上述したような、炎が当たったときの形態安定や防炎層へのダメージ軽減のほか、炎が当たっていない通常の使用環境下での、耐摩耗層として機能するため、スクリム層を構成する繊維にはLOI値の高さおよび融点の範囲に加えて、機械強度も要求される。そのため、本発明においてはスクリム層には少なくとも後述する炭化型耐熱性繊維Bを用いるが、本発明の効果を損なわない範囲、例えば20質量%程度で後述の非溶融繊維Aや繊維Cのような他の繊維を混用してもよい。
【0027】
防炎層には少なくとも後述の非溶融繊維Aを用いるが、本発明の効果を損なわない範囲で後述の炭化型耐熱性繊維Bや繊維Cのような他の繊維を混用してもよい。炭化型耐熱性繊維Bは、炭化することで難燃性を高めることから、防炎層中に80質量%を超えない範囲で混用してもよく、繊維Cは、20質量%程度混用してもよい。
【0028】
《非溶融繊維A》
本発明において、非溶融繊維Aとは炎にさらされた際に液化せずに繊維形状を保つ繊維をいい、800℃の温度で液化および発火しないものが好ましく、1000℃以上の温度で液化および発火しないものがさらに好ましい。上記高温収縮率が本発明で規定する範囲にある非溶融繊維として、例えば、耐炎化繊維、メタアラミド系繊維およびガラス繊維を挙げることができる。耐炎化繊維は、アクリロニトリル系、ピッチ系、セルロース系、フェノール系繊維等から選択される繊維を原料として耐炎化処理を行った繊維である。これらは単独で使用しても2種類以上を同時に使用してもよい。なかでも、高温収縮率が低くかつ、熱によって炭素化が進行する耐炎化繊維が好ましく、各種の耐炎化繊維の中で比重が小さく柔軟で難燃性に優れる繊維としてアクリロニトリル系耐炎化繊維がより好ましく用いられ、かかる耐炎化繊維は前駆体としてのアクリル系繊維を高温の空気中で加熱、酸化することによって得られる。市販品としては、後記する実施例および比較例で使用した、Zoltek社製耐炎化繊維PYRON(登録商標)の他、東邦テナックス(株)パイロメックス(Pyromex)(登録商標)等が挙げられる。また、一般にメタアラミド系繊維は高温収縮率が高く、本発明で規定する高温収縮率を満たさないが、高温収縮率を抑制処理することにより本発明の高温収縮率の範囲内としたメタアラミド系繊維であれば、好ましく使用することができる。また本発明で好ましく用いられる非溶融繊維は、非溶融繊維単独あるいは異素材と複合する方法で用いられ、繊維長は30~120mmの範囲内にあることが好ましく、38~70mmの範囲内にあることがより好ましい。繊維長が38~70mmの範囲内であれば、一般的なニードルパンチ法や水流交絡法で不織布とすることが可能であり、異素材と複合することが容易である。また、非溶融繊維の単繊維の太さについても、特に限定されるものではないが、カード工程の通過性の点から、単繊維繊度は0.1~10dtexの範囲内にあるものが好ましい。
【0029】
不織布シートにおける非溶融繊維の含有率が低すぎると、骨材としての機能が不十分となるため、不織布における非溶融繊維Aの混率は、15質量%以上であるのが好ましく、20質量%以上であるのがより好ましい。上限としては70質量%以下であることが好ましい。
【0030】
《炭化型耐熱繊維B》
本発明で用いる炭化型耐熱繊維Bとしては、前記LOI値が本発明で規定する範囲にあり、かつ空気中300℃で5分加熱した際に、質量残渣率が10質量%以上のものをいい、非溶融であっても、熱可塑性の繊維であってもよい。
【0031】
ここで、非溶融の繊維とは、炎にさらされた際に液化せずに繊維形状を保つ繊維をいい、800℃の温度で液化および発火しないもののことをいい、これらの具体例としては、耐炎化繊維、メタアラミド系繊維およびガラス繊維を挙げることができる。耐炎化繊維は、アクリロニトリル系、ピッチ系、セルロース系、フェノール系繊維等を挙げることができる。
【0032】
熱可塑性の繊維としては、融点が非溶融繊維Aの発火温度よりも低い融点を有するものである。
【0033】
これら炭化型耐熱繊維Bの好ましい具体例としては例えば、異方性溶融ポリエステル、難燃性ポリ(アルキレンテレフタレート)、難燃性ポリ(アクリロニトリルブタジエンスチレン)、難燃性ポリスルホン、ポリ(エーテル-エーテル-ケトン)、ポリ(エーテル-ケトン-ケトン)、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、ポリアリーレンスルフィド、ポリフェニルスルホン、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、メタアラミド、パラアラミド等のアラミドおよびこれらの混合物の群から選択されるポリマーで構成される繊維を挙げることができる。これらは単独で使用しても、2種類以上を同時に使用してもよい。LOI値が本発明で規定する範囲にあることで、空気中での燃焼を抑制し、ポリマーが炭化しやすくなる。
【0034】
非溶融性の繊維を用いてスクリムとなす場合、加熱によってスクリムの形状のまま緻密な炭化層となるうえ、防炎層を形成するウェブ部分が熱収縮を起こしても、その応力を受け止めることで不織布シート全体の変形を抑制できるため、遮炎性を長時間維持することができる。
【0035】
また、熱可塑性の繊維を用いてスクリムとなす場合、融点が非溶融繊維Aの発火温度よりも低いことで、溶融したポリマーが接炎面表面で緻密な炭化層を形成するため、防炎層への熱ダメージを緩和する上、非溶融繊維Aの表面および繊維間でも強固な炭化皮膜を形成して、さらにそれが炭化されることで酸素を遮断する効果が高くなり、防炎層中の非溶融繊維Aの酸化劣化をさらに抑制できるため、遮炎性を長時間維持することができる。その場合、融点は、非溶融繊維Aの発火温度よりも200℃以上低いことが好ましく、300℃以上低いことがさらに好ましい。
【0036】
スクリム層には、上述したように炎が当たったときの形態安定や防炎層へのダメージ軽減のほか、耐摩耗層として機能させる点から、スクリム層を構成する繊維にはLOI値の高さおよび融点の範囲に加えて、機械強度も要求される。かかる炭化型耐熱性繊維Bのなかでも入手の容易さの点から、非溶融繊維で好ましいのは、メタアラミド繊維、パラアラミド繊維等のアラミド繊維であり、熱可塑性繊維で最も好ましいのはポリフェニレンスルフィド繊維(以下、PPS繊維ともいう)である。
【0037】
また、ポリマーそれ自体のLOI値が本発明で規定する範囲にないポリマーであっても、難燃剤で処理することによって、処理後のLOI値が本発明で規定する範囲内であれば好ましく用いることができる。ポリマー構造中あるいは、難燃剤中に硫黄原子を含むことにより、ポリマーあるいは難燃の熱分解時にリン酸あるいは硫酸を生成し、ポリマー基材を脱水炭化させる機構を発現するため、PPSは最も好ましく、また、難燃剤を用いる場合には、リン系や硫黄系の難燃剤が好ましい。
【0038】
本発明で用いられる炭化型耐熱性繊維Bは、上記ポリマー繊維単独あるいは異素材と複合する方法で用いられ、短繊維であっても長繊維であってもよい。
【0039】
短繊維である場合には、繊維長は30~120mmの範囲内にあることが好ましく、38~51mmの範囲内にあることがより好ましい。繊維長が38~51mmの範囲内であれば、一般的な紡績工程で紡績糸とすることが容易であり、得られた紡績糸を一般的な方法で製織あるいは編成することで織物あるいは編物とし、スクリムと成す。
【0040】
長繊維の場合には、生糸のまま用いても良いし、一般的に知られた各種糸加工を行ったのち、製織あるいは編成してスクリムと成す。
【0041】
炭化型耐熱繊維Bの単繊維の太さについては、特に限定されるものではないが、短繊維の場合には、カード工程の通過性の点から、単繊維繊度は0.1~10dtexの範囲内にあるものが好ましい。
【0042】
本発明で好ましく用いられるPPS繊維は、ポリマー構成単位が-(C6H4-S)-を主な構造単位とする重合体からなる合成繊維である。これらPPS重合体の代表例としては、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンスルフィドスルホン、ポリフェニレンスルフィドケトン、これらのランダム共重合体、ブロック共重合体およびそれらの混合物などが挙げられる。特に好ましいPPS重合体としては、ポリマーの主要構造単位として、-(C6H4-S)-で表されるp-フェニレンスルフィド単位を、好ましくは90モル%以上含有するポリフェニレンスルフィドが望ましい。質量の観点からは、p-フェニレンスルフィド単位を80質量%、さらには90質量%以上含有するポリフェニレンスルフィドが望ましい。
【0043】
本発明で用いられるPPS繊維の製造方法は、上述のフェニレンスルフィド構造単位を有するポリマーをその融点以上で溶融し、紡糸口金から紡出することにより繊維状にする方法が好ましい。紡出された繊維は、そのままでは未延伸のPPS繊維である。未延伸のPPS繊維は、その大部分が非晶構造であり、破断伸度は高い。一方、このような繊維は熱による寸法安定性が乏しいので、紡出に続いて熱延伸して配向させ、繊維の強力と熱寸法安定性を向上させた延伸糸が市販されている。PPS繊維としては、“トルコン”(登録商標)(東レ製)、“プロコン”(登録商標)(東洋紡績製)など、複数のものが流通している。
【0044】
本発明においては、本発明の範囲を満たす範囲で上記未延伸のPPS繊維と延伸糸を併用することができる。なお、PPS繊維の代わりに本発明の範囲を満たす繊維の延伸糸と未延伸糸を併用することでももちろん構わない。
【0045】
防炎層の不織布ウェブに用いられる繊維は、繊維長は30~120mmの範囲内にあることが好ましく、38~70mmの範囲内にあることがより好ましい。繊維長が38~70mmの範囲内であれば、一般的なニードルパンチ法や水流交絡法で不織布とすることが可能であり、異素材と複合することが容易である。また、単繊維の太さについても、特に限定されるものではないが、カード工程の通過性の点から、単繊維繊度は0.1~10dtexの範囲内にあるものが好ましい。
【0046】
防炎層およびスクリムから成る不織布シートにおいて、炭化型耐熱繊維Bの混率が低すぎると、炭化層の厚みが薄くなり、遮炎性能が低下する。そのため、不織布シートにおける炭化型耐熱繊維Bの混率は、30~85質量%であることが好ましく、さらには、40~60質量%であることが好ましい。
【0047】
《非溶融繊維Aおよび炭化型耐熱繊維B以外の繊維C》
非溶融繊維Aおよび炭化型耐熱繊維B以外の繊維Cを、不織布シートに特定の性能をさらに付加するために含有させてもよい。例えば、不織布シートの吸湿性や吸水性を向上させるために、防炎層中にビニロン繊維を、また、不織布シート全体の耐摩耗性を向上させるために防炎層の中およびスクリム中にポリエステル繊維やナイロン繊維等を混合して用いてもよい。また、前記不織布シート中に、繊維Cの混率は本発明の効果を損なわない限り特に制限はないが、前記非溶融繊維Aおよび炭化型耐熱繊維B以外の繊維Cの混率は、20質量%以下であるのが好ましく、10質量%以下であるのがより好ましい。
【0048】
本発明の不織布シートの防炎層部に用いる繊維の形態として、繊維同士の絡合性を十分得るために、繊維のけん縮数は7個/2.54cm以上であることが好ましく、さらには12個/2.54cm以上であることが好ましい。なお、本発明のけん縮数とは、JIS L 1015(2000)に準拠して、測定したものである。非溶融繊維Aに加え、炭化型耐熱繊維Bおよびその他の繊維Cを防炎層部のウェブに含む場合には、それぞれの短繊維の長さは、より均一なウェブを得るために、同じ長さとすることが好ましい。なお同じ長さは厳密に同じでなくてもよく、非溶融繊維Aの長さに対し炭化型耐熱繊維Bおよびその他の繊維Cは±5%程度の差異があってもよい。かかる観点から、非溶融繊維Aの繊維長も、炭化型耐熱繊維Bおよびその他の繊維Cの繊維長も30~120mmの範囲内にあることが好ましく、38~70mmの範囲内にあることがより好ましい。
【0049】
本発明の不織布シートは、上記短繊維を用いて作製したウェブ、つまり防炎層と、炭化型耐熱繊維Bを含むスクリムをニードルパンチ法や水流交絡法などで交絡させて製造される。
【0050】
不織布シートの構造は、本発明で規定する範囲内であれば制限されるものではないが、不織布シートの目付けが大きいほど遮炎性能と耐摩耗性に優れるため、80g/m2以上であることが望ましい。目付けは、30cm角のサンプル質量を1平米あたりの質量に換算することで求められる。
【0051】
不織布シート製造後、本発明で規定する範囲内であれば、テンターを用いて熱セットしてもよいし、カレンダー加工をおこなってもよい。当然、生機のまま使用してもよい。セット温度は高温収縮率を抑制する効果が得られる温度がよく、好ましくは160~240℃、より好ましくは190~230℃である。カレンダー加工は、不織布の厚さや表面感を調整するものであり、本発明で規定する範囲内であれば、カレンダーの速度、圧力、温度は制限されるものではない。
【0052】
かくして得られる本発明の不織布シートは遮炎性と断熱性および耐摩耗性に優れるため、火災延焼防止効果を必要とし、かつ耐摩耗性が必要な、壁材、床材、クッションのファイヤーブロッキング材などに使用するのに好適であって、特に、自動車や航空機などのウレタンクッションのファイヤーブロッキング材およびベッドマットレスのファイヤーブロッキング材で使用するのに好適に使用することができる。
【実施例】
【0053】
次に、実施例に基づき本発明を具体的に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。本発明の技術的範囲を逸脱しない範囲において、様々な変形や修正が可能である。なお、本実施例で用いる各種特性の測定方法は、以下のとおりである。
【0054】
[目付]
30cm角のサンプルの質量を測定し、1m2当たりの質量(g/m2)で表した。
【0055】
[厚さ]
JIS L-1913(2010年)に準拠して、測定した。
【0056】
[遮炎性および断熱性評価]
富士ゴム産業株式会社から市販されている軟質ウレタンフォームをタテ20cm、ヨコ20cm、厚さ20cmにカットし、ウレタンフォーム1とする。本発明の不織布シート2をスクリム面が外側になるようにウレタンフォーム1に被覆し、
図1の3で示した箇所を綿糸で縫製して縫製部3を形成する。サンプルから5cm離れた位置から、バーナー4で5分間加熱する。バーナーは、新富士バーナー株式会社製パワートーチRZ-730を用いた。炎の温度は、熱伝対を用いて1000度となるように調整する。5分間加熱後にバーナーの炎を消し、不織布シートと、内部のウレタンの状態を観察した。5分間加熱後も不織布シートに孔が開いていない場合は「遮炎性あり」とし、Aとする。5分間加熱中に不織布に孔が開き、内部のウレタンフォームに炎が達した場合は「遮炎性無し」とし、Fとする。5分間加熱後にバーナーの炎を消し、室温で10分間冷却後、内部のウレタンフォームの質量減少率が10質量%より大きい場合をウレタンフォームへの「断熱性なし」とし、Fとする。ウレタンフォームの質量減少率が10質量%以下の場合をB、5質量%以下の場合をAとした。
【0057】
[耐摩耗性評価]
JIS L-1096 E法(マーチンデール法)に準拠し、標準摩擦布と不織布シートのスクリム面を多方向に摩擦し、エンドポイントまでの摩擦回数を測定した。スクリムがないものについては、フェルト面を摩擦した。3回の平均を算出し、10回単位で表した。
【0058】
次に、以下の実施例および比較例における用語について説明する。
【0059】
《PPS繊維の延伸糸》
延伸されたPPS繊維として、単繊維繊度2.2dtex(直径14μm)、カット長
51mmの東レ製“トルコン”(登録商標)、品番S371を用いた。このPPS繊維のLOI値は34、融点は284℃である。このPPS繊維のけん縮数は13個/2.54cmであった。
【0060】
《耐炎化繊維》
1.7dtexのZoltek社製耐炎化繊維PYRONを51mmにカットしたものを用いた。PYRONの高温収縮率は1.6%であった。JIS K7193(2010年)に準拠した方法で加熱したところ、800℃でも発火は認められず、発火温度は800℃以上である。また、熱伝導率は、0.042W/m・Kであった。この耐炎化繊維のけん縮数は11個/2.54cmであった。
【0061】
《メタアラミド繊維》
1.7dtexのToray Chemical Korea Inc.製のメタアラミド繊維を51mmにカットしたものを用いた。このメタアラミド繊維のけん縮数は11個/2.54cmであった。
【0062】
《ポリエチレンテレフタレート(PET)繊維》
延伸されたPET繊維として、単繊維繊度2.2dtex(直径14μm)、カット長51mmの東レ製“テトロン”(登録商標)を用いた。このPET繊維のLOI値は22、融点は267℃である。このPET繊維のけん縮数は15個/2.54cmであった。
【0063】
[実施例1]
(紡績)
PPS繊維の延伸糸を開繊機によって混合し、次いで混打綿機によって更に混合し、次いで梳綿機に通じてスライバーとした。得られたスライバーの質量は、20.19g/5.46mであった。次いで練条機でトータルドラフトを8倍に設定して延伸し、18.69g/5.46mのスライバーとした。次いで粗紡機で0 . 55T / 2 . 5 4 c m に加撚して7.4倍に延伸し、216.20g/5.46mの粗糸を得た。次いで精紡機で16.4T / 2 . 5 4 c m に加撚してトータルドラフト30倍に延伸して加撚し、綿番手で30番の紡績糸を得た。得られた紡績糸をダブルツイスターで64.7T/2.54cmで上撚をかけ、30番手双糸とした。
【0064】
(製織)
得られた紡績糸を、レピア織機で経138本/10cm、緯79本/10cmの平織りで製織し、94g/m2のスクリムを得た。
【0065】
(不織布シート作製)
耐炎化繊維を開繊機によって混合し、次いで混打綿機によって更に混合し、次いでカード機に通じてウェブを作製した。得られたウェブをクロスラップ機にて積層したのち、スクリムと重ねてニードルパンチマシンでフェルト化し、PPS繊維の延伸糸および耐炎化繊維からなる不織布シートを得た。不織布シートのPPS延伸糸と耐炎化繊維糸の質量混率は、48対52、目付は194g/m2、厚さは1.81mmであった。
【0066】
(遮炎性および断熱性評価)
5分間、炎は不織布を貫通することもなく、内部のウレタンフォームへの着火もなく、ウレタンフォームの質量減少率は1.5質量%であり、十分な遮炎性と断熱性を有していた。
【0067】
(耐摩耗性評価)
不織布シートの耐摩耗性は2100回と耐摩耗性に優れていた。
【0068】
以下の実施例2~4は表中も含め、それぞれ参考例1~3と読み替えるものとする。
[実施例2]
実施例1で、ウェブのPPS繊維の延伸糸と耐炎化繊維の質量混率を、80対20に変更して、不織布シートを作製した。不織布シートの目付は194g/m2、厚さは1.83mmで、PPS繊維の延伸糸と耐炎化繊維の質量混率は90対10であった。
【0069】
本不織布シートは、5分間、炎は不織布を貫通することもなく、内部のウレタンフォームへの着火もなく、ウレタンフォームの質量減少率は9.3質量%であり、十分な遮炎性と断熱性を有していた。また、耐摩耗性は2230回であり、耐摩耗性に優れていた。
【0070】
[実施例3]
実施例1で、紡績糸の混率をPPS繊維の延伸糸100%から、PPS繊維の延伸糸対PET繊維(1.7dtex、51mmカット)50対50に変更し、30番手双糸とし、得られた紡績糸を、レピア織機で経138本/10cm、緯79本/10cmの平織りで製織して、94g/m2のスクリムを得た。
さらに、耐炎化繊維を開繊機によって混合し、次いで混打綿機によって更に混合し、次いでカード機に通じてウェブを作製した。得られたウェブをクロスラップ機にて積層したのち、スクリムと重ねてニードルパンチマシンでフェルト化し、PPS繊維の延伸糸および耐炎化繊維からなる不織布シートを得た。不織布シートのPPS繊維の延伸糸、耐炎化繊維およびPET繊維の質量混率は、24対52対24であり、目付は194g/m2、厚さは1.79mmであった。
【0071】
本不織布シートは、5分間、炎は不織布を貫通することもなく、内部のウレタンフォームへの着火もなく、ウレタンフォームの質量減少率は9.5質量%であり、十分な遮炎性と断熱性を有していた。また、耐摩耗性は2370回であり、耐摩耗性に優れていた。
【0072】
[実施例4]
実施例1で、紡績糸の混率をPPS繊維の延伸糸100%から、メタアラミド繊維100%に変更し、30番手双糸とし、得られた紡績糸を、レピア織機で経138本/10cm、緯79本/10cmの平織りで製織して、94g/m2のスクリムを得た。
さらに、耐炎化繊維を開繊機によって混合し、次いで混打綿機によって更に混合し、次いでカード機に通じてウェブを作製した。得られたウェブをクロスラップ機にて積層したのち、スクリムと重ねてニードルパンチマシンでフェルト化し、メタアラミド繊維および耐炎化繊維からなる不織布シートを得た。不織布シートのメタアラミド繊維と耐炎化繊維の質量混率は、48対52であり、目付は194g/m2、厚さは1.78mmであった。
本不織布シートは、5分間、炎は不織布を貫通することもなく、内部のウレタンフォームへの着火もなく、ウレタンフォームの質量減少率は2.1質量%であり、十分な遮炎性と断熱性を有していた。また、耐摩耗性は2610回であり、耐摩耗性に優れていた。
【0073】
[比較例1]
実施例1で、紡績糸の混率をPPS繊維の延伸糸100%から、PET繊維(1.7dtex、51mmカット)100%に変更し、30番手双糸とし、得られた紡績糸を、レピア織機で経138本/10cm、緯79本/10cmの平織りで製織して、94g/m2のスクリムを得た。
さらに、耐炎化繊維を開繊機によって混合し、次いで混打綿機によって更に混合し、次いでカード機に通じてウェブを作製した。得られたウェブをクロスラップ機にて積層したのち、スクリムと重ねてニードルパンチマシンでフェルト化し、PET繊維および耐炎化繊維からなる不織布シートを得た。不織布シートのPET繊維と耐炎化繊維の質量混率は、48対52であり、目付は194g/m2、厚さは1.73mmであった。
【0074】
本不織布シートは、5分間、炎は不織布を貫通することはなかったものの、スクリム表面で延焼が起こり、その熱が内部のウレタンフォームに伝わり、ウレタンフォームの質量減少率は16.4質量%と断熱性に劣っていた。耐摩耗性は2370回であり、耐摩耗性には優れていた。
【0075】
[比較例2]
スクリムを使用せず、 耐炎化繊維とPPS繊維の延伸糸を52対48の質量比で開繊機に投入して混合し、次いで混打綿機によって更に混合し、次いでカード機に通じてウェブを作製した。得られたウェブをクロスラップ機にて積層したのち、ニードルパンチマシンでフェルト化し、PPS繊維の延伸糸および耐炎化繊維からなる不織布シートを得た。目付は194g/m2、厚さは2.04mmであった。
【0076】
本不織布シートは、5分間、炎は不織布を貫通することはなく、ウレタンフォームの質量減少率も4.3質量%と断熱性にも優れていた。しかし、耐摩耗性は210回であり、耐摩耗性には劣っていた。
【0077】
[比較例3]
1.7dtexのZoltek社製耐炎化繊維PYRON、1.0dtexの東レ社製PPS延伸糸“トルコン”(登録商標)、および3.0dtexの東レ社製PPS未延伸糸“トルコン”(登録商標)、をそれぞれ6mmに切断し、この耐炎化繊維とPPS繊維の未延伸糸とPPS繊維の延伸糸とを40対30対30(すなわち、耐炎化繊維40対PPS繊維60)の質量比率になるように準備した。それらを水に分散し分散液を作成した。分散液から手抄きの抄紙機で湿紙を作製した。湿紙を、回転型乾燥機を用いて110℃で70秒間加熱、乾燥し、続いて鉄ロール表面温度を200℃とし、線圧490N/cm、ロール回転速度5m/分で片面1回ずつ、計2回、加熱・加圧して、不織布シートを得た。得られた不織布シートは目付け100g/m2、厚み0.17mmであった。
【0078】
本不織布シートは、2分30秒後に、炎が当たって炭化した部分が炎の風圧で孔が開き、十分な遮炎性を示さなかった。そのため、内部のウレタンフォームに着火し、ウレタンフォームが全焼した。耐摩耗性は340回であり、耐摩耗性に劣っていた。
【0079】
【産業上の利用可能性】
【0080】
本発明は、火災の延焼防止に有効で、難燃性が要求される衣料材、壁材、床材、天井材、被覆材などに使用するのに好適であって、特に、耐火防護服や、自動車や航空機などのウレタンシート材の延焼防止被覆材およびベッドマットレスの延焼防止で使用するのに好適である。
【符号の説明】
【0081】
1 ウレタンフォーム
2 不織布シート
3 縫製部
4 バーナー