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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-28
(45)【発行日】2023-03-08
(54)【発明の名称】排気浄化装置
(51)【国際特許分類】
   F01N 3/18 20060101AFI20230301BHJP
【FI】
F01N3/18 C
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020008496
(22)【出願日】2020-01-22
(65)【公開番号】P2021116698
(43)【公開日】2021-08-10
【審査請求日】2022-04-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100124062
【弁理士】
【氏名又は名称】三上 敬史
(74)【代理人】
【識別番号】100148013
【弁理士】
【氏名又は名称】中山 浩光
(74)【代理人】
【識別番号】100192511
【弁理士】
【氏名又は名称】柴田 晃史
(72)【発明者】
【氏名】山本 尚哉
【審査官】増岡 亘
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-191681(JP,A)
【文献】特開2013-185499(JP,A)
【文献】特開平10-2215(JP,A)
【文献】特開平4-276111(JP,A)
【文献】国際公開第2012/111102(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01N 3/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関の排気流路に設けられた触媒と、
前記触媒の上流に設けられ、前記排気流路を流れる排気ガスを加熱する電熱体と、
前記電熱体に接続された電源の前記電熱体への通電の有無を制御する電源制御部と、
前記電熱体の発熱を検出可能に設けられたPTCサーミスタを含む第1温度検出部と、
前記電源制御部への通電指示を行う通電制御部と、
前記PTCサーミスタの抵抗値と前記通電指示の有無とに基づいて、前記電熱体又は前記電源が異常であるか否かを判定すると共に前記電源制御部が異常であるか否かを判定する異常判定部と、を備え、
前記第1温度検出部は、前記触媒の熱劣化が促進される温度を含む第1温度域で前記PTCサーミスタの抵抗値が高感度となるように構成されている、排気浄化装置。
【請求項2】
前記異常判定部は、
前記第1温度域に含まれる温度に対応する所定の第1抵抗値閾値を前記PTCサーミスタの抵抗値が超えており、且つ、前記通電指示が有った場合には、前記電源が異常であると判定し、
前記PTCサーミスタの抵抗値が前記第1抵抗値閾値を超えており、且つ、前記通電指示が無かった場合には、前記電源制御部が異常であると判定する、請求項1に記載の排気浄化装置。
【請求項3】
前記電熱体の発熱を検出可能に設けられたCTRサーミスタを含む第2温度検出部を備え、
前記第2温度検出部は、前記触媒の活性が不十分となる温度を含む第2温度域で前記CTRサーミスタの抵抗値が高感度となるように構成されており、
前記異常判定部は、
前記第2温度域に含まれる温度に対応する所定の第2抵抗値閾値を前記CTRサーミスタの抵抗値が超えており、且つ、前記通電指示が有った場合には、前記電熱体が異常であると判定し、
前記CTRサーミスタの抵抗値が前記第2抵抗値閾値を超えており、且つ、前記通電指示が無かった場合には、前記電源制御部が異常であると判定する、請求項1又は2に記載の排気浄化装置。
【請求項4】
前記電熱体からの漏洩電流を検出可能に設けられた電流センサを備え、
前記異常判定部は、前記電流センサの電流値に基づいて、前記電熱体が異常であるか否かを判定する、請求項1~3の何れか一項に記載の排気浄化装置。
【請求項5】
前記触媒の温度である触媒温度を取得する触媒温度センサ、及び、前記内燃機関の吸入空気の流量である空気流量を取得する空気流量センサ、の少なくとも何れかを含む対象センサを備え、
前記通電制御部は、前記対象センサが故障している場合、前記電源制御部への通電指示を行わず、
前記異常判定部は、
前記対象センサが故障しており、且つ、前記第1温度域に含まれる温度に対応する所定の第1抵抗値閾値を前記PTCサーミスタの抵抗値が超えている場合には、前記電源制御部が異常であると判定する、請求項1~4の何れか一項に記載の排気浄化装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排気浄化装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、異常判定機能を有する排気浄化装置として、通電加熱式触媒装置を備える排気浄化装置が知られている(例えば、特許文献1)。特許文献1記載の通電加熱式触媒装置は、触媒担体の温度変化に伴って触媒担体の通電抵抗値が変化するいわゆるNTC特性を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2009-191681号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来技術では、触媒温度が高くなるにつれて、触媒担体の通電抵抗値の変化量が小さくなる。そのため、触媒温度が高い場合における通電加熱式触媒装置の異常判定の精度には改良の余地が残されている。また、上記従来技術では、通電加熱式触媒装置の異常の原因が触媒担体自体にあるのか、通電の有無を制御するコントローラにあるのかの区別が容易ではない。
【0005】
本発明は、触媒の熱劣化が促進される温度を含む温度域で少なくとも異常の有無を判定でき、異常の原因を特定することが可能となる排気浄化装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る排気浄化装置は、内燃機関の排気流路に設けられた触媒と、触媒の上流に設けられ、排気流路を流れる排気ガスを加熱する電熱体と、電熱体に接続された電源の電熱体への通電の有無を制御する電源制御部と、電熱体の発熱を検出可能に設けられたPTCサーミスタを含む第1温度検出部と、電源制御部への通電指示を行う通電制御部と、PTCサーミスタの抵抗値と通電指示の有無とに基づいて、電熱体又は電源が異常であるか否かを判定すると共に電源制御部が異常であるか否かを判定する異常判定部と、を備え、第1温度検出部は、触媒の熱劣化が促進される温度を含む第1温度域でPTCサーミスタの抵抗値が高感度となるように構成されている。
【0007】
本発明の一態様に係る排気浄化装置では、触媒の熱劣化が促進される温度を含む第1温度域でPTCサーミスタの抵抗値が高感度となるように構成されている第1温度検出部を用いて、異常を判定する。そのため、触媒の熱劣化が促進される温度を含む温度域で異常の判定を行うことができる。また、通電指示の有無に更に基づいて異常を判定するため、判定が行われる異常として、電熱体又は電源の異常と電源制御部の異常とを区別することが可能となる。したがって、この排気浄化装置によれば、触媒の熱劣化が促進される温度を含む温度域で少なくとも異常の有無を判定でき、異常の原因を特定することが可能となる。
【0008】
一実施形態において、異常判定部は、第1温度域に含まれる温度に対応する所定の第1抵抗値閾値をPTCサーミスタの抵抗値が超えており、且つ、通電指示が有った場合には、電源が異常であると判定し、PTCサーミスタの抵抗値が第1抵抗値閾値を超えており、且つ、通電指示が無かった場合には、電源制御部が異常であると判定してもよい。この場合、PTCサーミスタの抵抗値が第1抵抗値閾値を超えていることから、触媒の熱劣化が促進される温度に触媒温度が達している。ここで、通電指示が有った場合には、通電による加熱の結果であることから、例えば過電圧等、電源が異常であると考えられる。あるいは、通電指示が無かった場合には、通電指示が無いにもかかわらず通電による加熱が有ったことから、電源制御部が異常であると考えられる。このように、触媒の熱劣化が促進される温度を含む温度域で異常の有無を判定でき、異常の原因を特定することが可能となる。
【0009】
一実施形態において、電熱体の発熱を検出可能に設けられたCTRサーミスタを含む第2温度検出部を備え、第2温度検出部は、触媒の活性が不十分となる温度を含む第2温度域でCTRサーミスタの抵抗値が高感度となるように構成されており、異常判定部は、第2温度域に含まれる温度に対応する所定の第2抵抗値閾値をCTRサーミスタの抵抗値が超えており、且つ、通電指示が有った場合には、電熱体が異常であると判定し、CTRサーミスタの抵抗値が第2抵抗値閾値を超えており、且つ、通電指示が無かった場合には、電源制御部が異常であると判定してもよい。この場合、CTRサーミスタの抵抗値が第2抵抗値閾値を超えていることから、触媒の活性が十分となる温度に触媒温度が達していない。ここで、通電指示が有った場合には、通電指示が有ったにもかかわらず通電による加熱が不十分であることから、例えば断線又は接触不良等、電熱体が異常であると考えられる。あるいは、通電指示が無かった場合には、触媒の活性が不十分にもかかわらず通電による加熱が無かったことから、電源制御部が異常であると考えられる。このように、触媒の活性が不十分となる温度を含む温度域で異常の有無を判定でき、異常の原因を特定することが可能となる。
【0010】
一実施形態において、電熱体からの漏洩電流を検出可能に設けられた電流センサを備え、異常判定部は、電流センサの電流値に基づいて、電熱体が異常であるか否かを判定してもよい。この場合、電熱体の異常として、漏電を特定することが可能となる。
【0011】
一実施形態において、触媒の温度である触媒温度を取得する触媒温度センサ、及び、内燃機関の吸入空気の流量である空気流量を取得する空気流量センサ、の少なくとも何れかを含む対象センサを備え、通電制御部は、対象センサが故障している場合、電源制御部への通電指示を行わず、異常判定部は、対象センサが故障しており、且つ、第1温度域に含まれる温度に対応する所定の第1抵抗値閾値をPTCサーミスタの抵抗値が超えている場合には、電源制御部が異常であると判定してもよい。この場合、対象センサが故障しており通電指示が無いにもかかわらず、通電による加熱の結果、触媒の熱劣化が促進される温度に触媒温度が達している可能性があると考えられる。このように、電源制御部の異常を特定することが可能となる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、触媒の熱劣化が促進される温度を含む温度域で少なくとも異常の有無を判定でき、異常の原因を特定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】実施形態の排気浄化装置の概略構成図である。
図2図1の排気浄化装置のECUに関する構成を示すブロック図である。
図3】第1温度検出部の特性を例示する図である。
図4】第2温度検出部の特性を例示する図である。
図5図1の排気浄化装置の処理を例示するフローチャートである。
図6図1の排気浄化装置の処理を例示するフローチャートである。
図7図1の排気浄化装置の処理を例示するフローチャートである。
図8図1の排気浄化装置の処理を例示するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の説明において、同一又は相当要素には同一符号を用い、重複する説明は省略する。
【0015】
[排気浄化装置の構成]
図1は、実施形態の排気浄化装置の概略構成図である。図1において、本実施形態の排気浄化装置100は、例えば車両に搭載され、内燃機関であるディーゼルエンジン1(以下、単にエンジン1という)から排出される排気ガスを浄化する。排気浄化装置100は、各種制御を実行するECU[Electronic Control Unit]10を備えている。エンジン1は、燃焼室2に燃料を噴射するインジェクタ(図示省略)を有している。
【0016】
排気浄化装置100は、ディーゼル排気微粒子除去フィルタ[DPF:Diesel Particulate Filter]3、及び、選択還元触媒(触媒)[SCR:Selective Catalytic Reduction]4を備えている。DPF3及びSCR4は、エンジン1に接続された排気流路5に上流側から下流側に向けて順に配設されている。なお、排気流路5について「上流側」とは排気ガスの流れ方向の上流側を意味し、「下流側」とは排気ガスの流れ方向の下流側を意味する。
【0017】
DPF3には、ディーゼル酸化触媒[DOC:Diesel Oxidation Catalyst]が設けられていてもよい。DOCは、排気ガスに含まれるHC及びCO等を酸化して浄化する。DPF3は、排気ガスに含まれる粒子状物質[PM:Particulate Matter]を捕集することで、排気ガスからPMを取り除く。SCR4は、排気ガスに含まれるNOxを還元して浄化する。
【0018】
SCR4は、NOxを効率良く還元するために適した担体の常用温度域を有している。常用温度域は、例えばSCR4に担持される貴金属の組成等に応じて定まる。常用温度域は、その温度を超えるとSCR4の熱劣化が促進される上限温度を有する。常用温度域は、その温度を下回るとSCR4の活性が不十分となる下限温度を有する。
【0019】
排気浄化装置100は、排気流路5におけるSCR4の上流側に配設された添加弁(図示省略)を備えている。添加弁は、SCR4に尿素水を添加するようにECU10によって制御される。例えば常用温度域のSCR4に尿素水が添加弁によって添加されると、尿素水がNHとなってSCR4に吸着され、そのNHが排気ガス中のNOxと反応することで、NOxが還元される。
【0020】
排気流路5におけるSCR4の上流側、例えば添加弁とSCR4との間には、電熱体7が配設されている。電熱体7は、通電によって発熱し、排気流路5を流れる排気ガスを加熱する部材である。電熱体7は、排気ガスを流通可能としつつ排気ガスを加熱可能な公知の形状を採用することができる。電熱体7の通電は、EH[Electric Heater]コントローラ(電源制御部)20によって制御される。以下、電熱体7と定電圧電源8とを合わせて、ヒータ部と称する場合がある。
【0021】
EHコントローラ20は、ECU10からの通電指示の有無に基づいて、電熱体7に接続された定電圧電源8の電熱体7への通電の有無を制御する。定電圧電源8としては、例えば車両のバッテリ等の電源を用いることができる。
【0022】
EHコントローラ20が正常である場合においてECU10からの通電指示が有ったとき、EHコントローラ20は、定電圧電源8の電力を電熱体7に通電させる。EHコントローラ20が正常である場合においてECU10からの通電指示が無いとき、EHコントローラ20は、定電圧電源8の電力を電熱体7に通電させない。
【0023】
EHコントローラ20が異常である場合、ECU10からの通電指示が有っても、EHコントローラ20は、定電圧電源8の電力を電熱体7に通電させないことが生じ得る。EHコントローラ20が異常である場合、ECU10からの通電指示が無くても、EHコントローラ20は、定電圧電源8の電力を電熱体7に通電させることが生じ得る。
【0024】
図2は、図1の排気浄化装置のECUに関する構成を示すブロック図である。図1及び図2に示されるように、排気浄化装置100は、空気流量センサ(対象センサ)21と、触媒温度センサ(対象センサ)22と、PTCサーミスタ23と、CTRサーミスタ24と、電流センサ25と、を備えている。ECU10には、上記各センサ21~25、添加弁、及び、EHコントローラ20が接続されている。なお、図2において定電圧電源8の図示は省略されている。
【0025】
空気流量センサ21は、エンジン1の吸入空気の流量である空気流量を取得する検出器である。空気流量センサ21は、例えばエンジン1に接続された吸気流路6に設けられている。空気流量センサ21は、検出した吸入空気量の検出信号をECU10に送信する。
【0026】
触媒温度センサ22は、SCR4の温度である触媒温度を取得する検出器である。触媒温度センサ22は、例えばSCR4に設けられている。触媒温度センサ22は、検出した触媒温度に関する検出信号をECU10に送信する。
【0027】
PTCサーミスタ23は、電熱体7の発熱を検出可能に、例えば排気流路5をなす配管表面に設けられている。PTCサーミスタ23は、入熱された温度に応じて抵抗値が正の傾きで変化する特性を有する。PTCサーミスタ23は、入熱された温度に対応する抵抗値信号をECU10に送信する。
【0028】
PTCサーミスタ23は、第1温度検出部23Aに含まれている。第1温度検出部23Aは、SCR4の熱劣化が促進される温度を含む第1温度域でPTCサーミスタ23の抵抗値が高感度となるように構成されている。「抵抗値が高感度」とは、温度変化に対する抵抗値の変化勾配が大きいことを意味する。
【0029】
第1温度検出部23Aは、PTCサーミスタ23のみで構成されてもよい。この場合、PTCサーミスタ23の単体特性として、SCR4の熱劣化が促進される温度を含む第1温度域でPTCサーミスタ23の抵抗値が高感度となるような特性を有していればよい。図3は、第1温度検出部23Aの特性を例示する図である。図3に示されるように、第1温度検出部23Aは、第1温度域Tr1でPTCサーミスタ23の抵抗値が高感度となるように構成されている。図3の例では、第1温度域Tr1は、温度T1以上且つ温度T2以下の温度域である。第1温度域Tr1は、SCR4の熱劣化が促進される上限温度を含み、例えば上限温度は図3の温度T1である。PTCサーミスタ23の材料及び構成は、このような温度特性を有するように選定される。
【0030】
あるいは、第1温度検出部23Aは、PTCサーミスタ23に加えて、PTCサーミスタ23と排気流路5の配管表面との間に伝熱調整部材(図示省略)が介在させられて構成されてもよい。この場合、PTCサーミスタ23の単体特性としては上記第1温度域Tr1よりも低い温度域で抵抗値が高感度となるような特性を有することができる。このようなPTCサーミスタ23であっても、PTCサーミスタ23への伝熱が調整されることにより、排気流路5の配管表面においてSCR4の熱劣化が促進される上限温度を含む第1温度域Tr1となる場合にPTCサーミスタ23の抵抗値が高感度となるように第1温度検出部23Aを構成することができる。伝熱調整部材としては、例えばアルミめっき鋼板、グラスウール等のヒートインシュレータを用いることができる。アルミめっき鋼板は、耐熱性の高いものであってもよい。伝熱調整部材は、PTCサーミスタ23と排気流路5の配管表面との間だけでなく、SCR4の周囲に設けられていてもよい。
【0031】
CTRサーミスタ24は、電熱体7の発熱を検出可能に、例えば排気流路5をなす配管表面に設けられている。CTRサーミスタ24は、入熱された温度に応じて抵抗値が負の傾きで変化する特性を有する。CTRサーミスタ24は、入熱された温度に対応する抵抗値信号をECU10に送信する。
【0032】
CTRサーミスタ24は、第2温度検出部24Aに含まれている。第2温度検出部24Aは、SCR4の活性が不十分となる温度を含む第2温度域でCTRサーミスタ24の抵抗値が高感度となるように構成されている。
【0033】
第2温度検出部24Aは、CTRサーミスタ24のみで構成されてもよい。この場合、CTRサーミスタ24の単体特性として、SCR4の活性が不十分となる温度を含む第2温度域でCTRサーミスタ24の抵抗値が高感度となるような特性を有していればよい。図4は、第2温度検出部24Aの特性を例示する図である。図4に示されるように、第2温度検出部24Aは、第2温度域Tr2でCTRサーミスタ24の抵抗値が高感度となるように構成されている。図4の例では、第2温度域Tr2は、温度T3以上且つ温度T4以下の温度域である。第2温度域Tr2は、SCR4の活性が不十分となる下限温度を含み、例えば下限温度は図4の温度T4である。CTRサーミスタ24の材料及び構成は、このような温度特性を有するように選定される。
【0034】
あるいは、第2温度検出部24Aは、CTRサーミスタ24に加えて、CTRサーミスタ24と排気流路5の配管表面との間に伝熱調整部材(図示省略)が介在させられて構成されてもよい。この場合、CTRサーミスタ24の単体特性としては上記第2温度域Tr2よりも低い温度域で抵抗値が高感度となるような特性を有することができる。このようなCTRサーミスタ24であっても、CTRサーミスタ24への伝熱が調整されることにより、排気流路5の配管表面においてSCR4の活性が不十分となる下限温度を含む第2温度域Tr2となる場合にCTRサーミスタ24の抵抗値が高感度となるように第2温度検出部24Aを構成することができる。伝熱調整部材としては、例えばアルミめっき鋼板、グラスウール等のヒートインシュレータを用いることができる。アルミめっき鋼板は、耐熱性の高いものであってもよい。伝熱調整部材は、CTRサーミスタ24と排気流路5の配管表面との間だけでなく、SCR4の周囲に設けられていてもよい。
【0035】
電流センサ25は、電熱体7からの漏洩電流を検出可能に、例えば排気流路5をなす配管表面に設けられている。電流センサ25は、検出した漏洩電流の検出信号をECU10に送信する。
【0036】
ECU10は、CPU[Central Processing Unit]、ROM[Read Only Memory]、RAM[Random Access Memory]、CAN[Controller Area Network]通信回路等を有する電子制御ユニットである。ECU10では、ROMに記憶されているプログラムをRAMにロードし、RAMにロードされたプログラムをCPUで実行することにより各種の機能を実現する。ECU10は、複数の電子制御ユニットから構成されていてもよい。
【0037】
ECU10は、機能的構成として、電流値取得部11と、抵抗値取得部12と、通電制御部13と、異常判定部14と、を有している。
【0038】
電流値取得部11は、電流センサ25の検出信号に基づいて、漏洩電流の電流値を取得する。電流値取得部11は、例えば、電流センサ25で電流を検出した場合、当該電流を電熱体7からの漏洩電流として取得する。
【0039】
抵抗値取得部12は、PTCサーミスタ23の抵抗値信号に基づいて、PTCサーミスタ23の抵抗値を取得する。抵抗値取得部12は、CTRサーミスタ24の抵抗値信号に基づいて、CTRサーミスタ24の抵抗値を取得する。
【0040】
通電制御部13は、EHコントローラ20への通電指示を行う。通電制御部13は、例えば、触媒温度センサ22で取得した触媒温度に基づいて、SCR4の温度が常用温度域となるように、EHコントローラ20への通電指示を行ってもよい。通電制御部13は、空気流量センサ21で取得した空気流量を考慮して、EHコントローラ20への通電指示を行ってもよい。通電制御部13は、空気流量センサ21及び触媒温度センサ22の少なくとも何れかが故障している場合(対象センサが故障している場合)、EHコントローラ20への通電指示を行わなくてもよい。
【0041】
異常判定部14は、PTCサーミスタ23の抵抗値とEHコントローラ20への通電指示の有無とに基づいて、電熱体7又は定電圧電源8が異常であるか否かを判定すると共にEHコントローラ20が異常であるか否かを判定する。
【0042】
具体的には、異常判定部14は、PTCサーミスタ23の抵抗値が所定の第1抵抗値閾値を超えており、且つ、EHコントローラ20への通電指示が有った場合には、定電圧電源8が異常であると判定する。異常判定部14は、PTCサーミスタの抵抗値が第1抵抗値閾値を超えており、且つ、EHコントローラ20への通電指示が無かった場合には、EHコントローラ20が異常であると判定する。第1抵抗値閾値は、SCR4が過度に加熱されている状態か否かを判定するためのPTCサーミスタ23の抵抗値の閾値である。第1抵抗値閾値は、第1温度域Tr1に含まれる温度に対応する抵抗値であればよく、例えば図3の抵抗値Rth1とすることができる。
【0043】
異常判定部14は、CTRサーミスタ24の抵抗値が所定の第2抵抗値閾値を超えており、且つ、EHコントローラ20への通電指示が有った場合には、電熱体7が異常であると判定してもよい。異常判定部14は、CTRサーミスタ24の抵抗値が第2抵抗値閾値を超えており、且つ、EHコントローラ20への通電指示が無かった場合には、EHコントローラ20が異常であると判定してもよい。第2抵抗値閾値は、SCR4が加熱されるべきところ加熱されていない状態か否かを判定するためのCTRサーミスタ24の抵抗値の閾値である。第2抵抗値閾値は、第2温度域Tr2に含まれる温度に対応する抵抗値であればよく、例えば図4の抵抗値Rth2とすることができる。
【0044】
異常判定部14は、電流センサ25の電流値に基づいて、電熱体7が異常であるか否かを判定してもよい。異常判定部14は、例えば、電流値取得部11によって電熱体7からの漏洩電流が取得された場合、電熱体7が漏電異常であると判定する。異常判定部14は、例えば、上述の、CTRサーミスタ24の抵抗値が所定の第2抵抗値閾値を超えており、且つ、EHコントローラ20への通電指示が有った場合において、更に電流値取得部11によって電熱体7からの漏洩電流が取得された場合には、電熱体7が電熱体7が漏電異常であると判定するようにしてもよい。
【0045】
異常判定部14は、空気流量センサ21及び触媒温度センサ22の少なくとも何れかが故障しており(対象センサが故障しており)、且つ、PTCサーミスタ23の抵抗値が第1抵抗値閾値を超えている場合には、EHコントローラ20が異常であると判定してもよい。
【0046】
[ECUによる処理]
次に、ECU10による処理の一例について、図5図8を参照して説明する。図5図8は、図1の排気浄化装置の処理を例示するフローチャートである。排気浄化装置100のECU10は、エンジン1の運転中において、図5図8に示される処理を、それぞれ独立に又は並行して、繰り返し実行する。
【0047】
図5に示されるように、ECU10は、S01において、電流値取得部11により、漏電が検知されたか否かの判定を行う。電流値取得部11は、例えば、電流センサ25で電流を検出した場合、当該電流を電熱体7からの漏洩電流として取得し、漏電が検知されたと判定する。電流値取得部11は、例えば、電流センサ25で電流を検出しない場合、漏電が検知されないと判定する。
【0048】
漏電が検知されたと電流値取得部11により判定された場合(S01:YES)、ECU10は、S02の処理に移行する。一方、漏電が検知されないと電流値取得部11により判定された場合(S01:NO)、ECU10は、図5の処理を終了する。
【0049】
ECU10は、S02において、異常判定部14により、ヒータ部異常(漏電)であると判定する。ECU10は、S03において、通電制御部13により、通電制御の中止を行う。通電制御部13は、例えば異常が解消されるまで、EHコントローラ20への通電指示を行わない。その後、ECU10は、図5の処理を終了する。
【0050】
図6に示されるように、ECU10は、S11において、異常判定部14により、PTCサーミスタ23で抵抗大を検知したか否かの判定を行う。異常判定部14は、例えば抵抗値取得部12で取得した抵抗値を用いて、PTCサーミスタ23の抵抗値が第1抵抗値閾値を超えているか否かを判定する。PTCサーミスタ23の抵抗値が第1抵抗値閾値を超えていると異常判定部14により判定された場合(S11:YES)、ECU10は、S12の処理に移行する。一方、PTCサーミスタ23の抵抗値が第1抵抗値閾値を超えていないと異常判定部14により判定された場合(S11:NO)、ECU10は、図6の処理を終了する。
【0051】
ECU10は、S12において、異常判定部14により、通電指示があったか否かの判定を行う。異常判定部14は、例えばEHコントローラ20が出力するフラグデータの参照等により、EHコントローラ20への通電指示が有ったか否かを判定する。EHコントローラ20への通電指示が有ったと異常判定部14により判定された場合(S12:YES)、ECU10は、S13の処理に移行する。
【0052】
ECU10は、S13において、異常判定部14により、ヒータ部異常(過電圧)であると判定する。ECU10は、S14において、通電制御部13により、通電制御の中止を行う。その後、ECU10は、図6の処理を終了する。
【0053】
一方、EHコントローラ20への通電指示が無かったと異常判定部14により判定された場合(S12:NO)、ECU10は、S15の処理に移行する。ECU10は、S15において、異常判定部14により、EHコントローラ20が異常であると判定する。ECU10は、S14において、通電制御部13により、通電制御の中止を行う。その後、ECU10は、図6の処理を終了する。
【0054】
図7に示されるように、ECU10は、S21において、異常判定部14により、CTRサーミスタ24で抵抗大を検知したか否かの判定を行う。異常判定部14は、例えば抵抗値取得部12で取得した抵抗値を用いて、CTRサーミスタ24の抵抗値が第2抵抗値閾値を超えているか否かを判定する。CTRサーミスタ24の抵抗値が第2抵抗値閾値を超えていると異常判定部14により判定された場合(S21:YES)、ECU10は、S22の処理に移行する。一方、CTRサーミスタ24の抵抗値が第2抵抗値閾値を超えていないと異常判定部14により判定された場合(S21:NO)、ECU10は、図7の処理を終了する。
【0055】
ECU10は、S22において、異常判定部14により、通電指示があったか否かの判定を行う。異常判定部14は、例えばEHコントローラ20が出力するフラグデータの参照等により、EHコントローラ20への通電指示が有ったか否かを判定する。EHコントローラ20への通電指示が有ったと異常判定部14により判定された場合(S22:YES)、ECU10は、S23の処理に移行する。
【0056】
ECU10は、S23において、異常判定部14により、ヒータ部異常(断線又は接触不良)であると判定する。ECU10は、S24において、通電制御部13により、通電制御の中止を行う。その後、ECU10は、図7の処理を終了する。
【0057】
一方、EHコントローラ20への通電指示が無かったと異常判定部14により判定された場合(S22:NO)、ECU10は、S25の処理に移行する。ECU10は、S25において、異常判定部14により、EHコントローラ20が異常であると判定する。ECU10は、S24において、通電制御部13により、通電制御の中止を行う。その後、ECU10は、図7の処理を終了する。
【0058】
図8に示されるように、ECU10は、S31において、異常判定部14により、空気流量センサ21及び触媒温度センサ22の少なくとも何れかが故障(対象センサが故障)しているか否かの判定を行う。異常判定部14は、例えばECU10で利用されるセンサ故障に関するフラグデータの参照等により、対象センサが故障しているか否かを判定する。対象センサが故障していると異常判定部14により判定された場合(S31:YES)、ECU10は、S32の処理に移行する。一方、対象センサが故障していないと異常判定部14により判定された場合(S31:NO)、ECU10は、図8の処理を終了する。
【0059】
ECU10は、S32において、異常判定部14により、PTCサーミスタ23で抵抗大を検知したか否かの判定を行う。異常判定部14は、例えば抵抗値取得部12で取得した抵抗値を用いて、PTCサーミスタ23の抵抗値が第1抵抗値閾値を超えているか否かを判定する。PTCサーミスタ23の抵抗値が第1抵抗値閾値を超えていると異常判定部14により判定された場合(S32:YES)、ECU10は、S33の処理に移行する。ECU10は、S33において、異常判定部14により、EHコントローラ20が異常であると判定する。ECU10は、S34において、通電制御部13により、通電制御の中止を行う。その後、ECU10は、図8の処理を終了する。
【0060】
一方、PTCサーミスタ23の抵抗値が第1抵抗値閾値を超えていないと異常判定部14により判定された場合(S32:NO)、S34の処理に移行する。ECU10は、S34において、通電制御部13により、通電制御の中止を行う。その後、ECU10は、図8の処理を終了する。
【0061】
[作用及び効果]
以上説明したように排気浄化装置100では、SCR4の熱劣化が促進される上限温度を含む第1温度域Tr1でPTCサーミスタ23の抵抗値が高感度となるように構成されている第1温度検出部23Aを用いて、異常を判定する。そのため、SCR4の熱劣化が促進される上限温度を含む第1温度域Tr1で異常の判定を行うことができる。また、EHコントローラ20への通電指示の有無に更に基づいて異常を判定するため、判定が行われる異常として、電熱体7又は定電圧電源8の異常とEHコントローラ20の異常とを区別することが可能となる。したがって、排気浄化装置100によれば、SCR4の熱劣化が促進される上限温度を含む第1温度域Tr1で少なくとも異常の有無を判定でき、異常の原因を特定することが可能となる。
【0062】
排気浄化装置100では、異常判定部14は、第1温度域Tr1に含まれる温度に対応する所定の第1抵抗値閾値をPTCサーミスタ23の抵抗値が超えており、且つ、EHコントローラ20への通電指示が有った場合には、定電圧電源8が異常であると判定し、PTCサーミスタ23の抵抗値が第1抵抗値閾値を超えており、且つ、EHコントローラ20への通電指示が無かった場合には、EHコントローラ20が異常であると判定する。これにより、PTCサーミスタ23の抵抗値が第1抵抗値閾値を超えていることから、SCR4の熱劣化が促進される上限温度に触媒温度が達している。ここで、EHコントローラ20への通電指示が有った場合には、通電による加熱の結果であることから、例えば過電圧等、電源が異常であると考えられる。あるいは、EHコントローラ20への通電指示が無かった場合には、通電指示が無いにもかかわらず通電による加熱が有ったことから、EHコントローラ20が異常であると考えられる。このように、SCR4の熱劣化が促進される上限温度を含む第1温度域Tr1で異常の有無を判定でき、異常の原因を特定することが可能となる。
【0063】
排気浄化装置100では、電熱体7の発熱を検出可能に設けられたCTRサーミスタ24を含む第2温度検出部24Aを備え、第2温度検出部24Aは、SCR4の活性が不十分となる下限温度を含む第2温度域Tr2でCTRサーミスタ24の抵抗値が高感度となるように構成されており、異常判定部14は、第2温度域Tr2に含まれる温度に対応する所定の第2抵抗値閾値をCTRサーミスタ24の抵抗値が超えており、且つ、EHコントローラ20への通電指示が有った場合には、電熱体7が異常であると判定し、CTRサーミスタ24の抵抗値が第2抵抗値閾値を超えており、且つ、EHコントローラ20への通電指示が無かった場合には、EHコントローラ20が異常であると判定する。これにより、CTRサーミスタ24の抵抗値が第2抵抗値閾値を超えていることから、SCR4の活性が十分となる温度に触媒温度が達していない。ここで、EHコントローラ20への通電指示が有った場合には、通電指示が有ったにもかかわらず通電による加熱が不十分であることから、例えば断線又は接触不良等、電熱体7が異常であると考えられる。あるいは、EHコントローラ20への通電指示が無かった場合には、SCR4の活性が不十分にもかかわらず通電による加熱が無かったことから、EHコントローラ20が異常であると考えられる。このように、SCR4の活性が不十分となる下限温度を含む第2温度域Tr2で異常の有無を判定でき、異常の原因を特定することが可能となる。
【0064】
排気浄化装置100では、電熱体7からの漏洩電流を検出可能に設けられた電流センサ25を備え、異常判定部14は、電流センサ25の電流値に基づいて、電熱体7が異常であるか否かを判定する。これにより、電熱体7の異常として、漏電を特定することが可能となる。
【0065】
排気浄化装置100では、エンジン1の吸入空気の流量である空気流量を取得する空気流量センサ21、及び、SCR4の温度である触媒温度を取得する触媒温度センサ22の少なくとも何れかを含む対象センサを備え、通電制御部13は、対象センサが故障している場合、EHコントローラ20への通電指示を行わず、異常判定部14は、対象センサが故障しており、且つ、PTCサーミスタ23の抵抗値が第1抵抗値閾値を超えている場合には、EHコントローラ20が異常であると判定する。これにより、対象センサが故障しており通電指示が無いにもかかわらず、通電による加熱の結果、SCR4の熱劣化が促進される上限温度に触媒温度が達している可能性があるとの異常を特定することが可能となる。
【0066】
[変形例]
以上、本発明に係る実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に限られるものではない。
【0067】
上記実施形態では、PTCサーミスタ23は、排気流路5をなす配管表面に設けられていたが、これに限定されず、電熱体7の発熱を検出可能に設けられていればよい。例えば、電熱体7に直接触れるように設けられていてもよい。また、PTCサーミスタ23の特性は、上記図3の例に限定されない。
【0068】
上記実施形態では、CTRサーミスタ24は、排気流路5をなす配管表面に設けられていたが、これに限定されず、電熱体7の発熱を検出可能に設けられていればよい。例えば、電熱体7に直接触れるように設けられていてもよい。また、CTRサーミスタ24の特性は、上記図4の例に限定されない。
【0069】
上記実施形態では、電流センサ25は、排気流路5をなす配管表面に設けられていたが、これに限定されず、電熱体7からの漏洩電流を検出可能に設けられていればよい。例えば、電熱体7に直接触れるように設けられていてもよい。
【0070】
上記実施形態では、PTCサーミスタ23の抵抗値について第1抵抗値閾値を用いて異常の判定を行ったが、必ずしも第1抵抗値閾値を用いなくてもよい。また、CTRサーミスタ24の抵抗値について第2抵抗値閾値を用いて異常の判定を行ったが、必ずしも第2抵抗値閾値を用いなくてもよい。また、PTCサーミスタ23を用いた異常の判定、及び、CTRサーミスタ24を用いた異常の判定の何れか一方は、省略されてもよい。また、電流センサ25を用いた異常の判定は、省略されてもよい。
【0071】
上記実施形態では、空気流量センサ21は吸気流路6に設けられた流量センサであったが、例えばエンジン1のインテークマニフォールド等に設けられた圧力センサであってもよい。触媒温度センサ22は、直接SCR4に設けられなくてもよい。例えば、触媒温度センサ22は、排気流路5におけるSCR4の上流側又は下流側に設けられており、排気ガスの温度を触媒温度として取得してもよい。
【0072】
上記実施形態において、対象センサとして、空気流量センサ21及び触媒温度センサ22を備えていたが、何れか一方が省略されてもよい。あるいは、両方が省略されてもよい。
【0073】
上記実施形態では、触媒としてSCR4を例示したが、その他の触媒であってもよい。
【0074】
上記実施形態では、内燃機関としてディーゼルエンジン1を例示したが、例えばガソリンエンジン等、その他の内燃機関であってもよい。
【符号の説明】
【0075】
4…SCR、選択還元触媒(触媒)、5…排気流路、7…電熱体、13…通電制御部、14…異常判定部、20…EHコントローラ(電源制御部)、21…空気流量センサ(対象センサ)、22…触媒温度センサ(対象センサ)、23…PTCサーミスタ、24…CTRサーミスタ、25…電流センサ、100…排気浄化装置。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8