(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-28
(45)【発行日】2023-03-08
(54)【発明の名称】車両用メニュー表示制御装置、車載機器操作システム、及びGUIプログラム
(51)【国際特許分類】
B60K 35/00 20060101AFI20230301BHJP
G09G 5/00 20060101ALI20230301BHJP
G09G 5/08 20060101ALI20230301BHJP
G09G 5/10 20060101ALI20230301BHJP
B60R 11/02 20060101ALI20230301BHJP
【FI】
B60K35/00 A
G09G5/00 510B
G09G5/00 510H
G09G5/08 D
G09G5/10 B
B60R11/02 C
(21)【出願番号】P 2020501603
(86)(22)【出願日】2019-01-24
(86)【国際出願番号】 JP2019002296
(87)【国際公開番号】W WO2019163390
(87)【国際公開日】2019-08-29
【審査請求日】2021-11-15
(31)【優先権主張番号】P 2018029283
(32)【優先日】2018-02-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000231512
【氏名又は名称】日本精機株式会社
(72)【発明者】
【氏名】清塚 満
【審査官】糟谷 瑛
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-093550(JP,A)
【文献】特開2006-151192(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 11/02
B60K 35/00
G06F 3/0362
G06F 3/048
G09G 5/00
G09G 5/08
G09G 5/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示光をウインドシールドに照射し、前記表示光を車両前方の実景と重ねてユーザに視認させる表示装置と、円環状の操作面を有する操作入力装置と、制御装置と、を備えた車両用メニュー表示制御装置であって、
前記制御装置は、
前記表示装置に、円の中心を基点に半径方向に延びる2本の線と、前記2本の線の間の円弧で囲まれた、円を分割した扇形状の表示領域にそれぞれメニュー項目を割り当てたラジアル操作メニューを表示させる表示制御手段と、
前記ラジアル操作メニューに含まれる一つのメニュー項目を指定するのに、前記円環状の操作面を触れるかなぞる前記ユーザの操作に応じて逐次生成される操作位置情報を取得する位置情報取得手段と、を備え、
前記表示制御手段は、
前記位置情報取得手段が取得した前記操作位置情報に基づく前記ユーザの操作に応じて前記表示装置に表示されている前記メニュー項目の一つを指定するポインタの表示位置を変化させ、
前記ポインタにより指定される一つのメニュー項目を含む所定範囲の表示領域に割り当てられている1以上のメニュー項目を第1の輝度で表示させ、前記所定範囲の表示領域に割り当てられていないメニュー項目を、前記第1の輝度より低い第2の輝度で表示させ
、
前記操作位置情報に基づき前記ポインタの回転方向を判定し、前記所定範囲の表示領域のうち、現時点での前記ポインタの表示位置を基準に、回転方向に割り当てられているメニュー項目を前記第1の輝度で表示し、逆回転方向に割り当てられているメニュー項目を前記第2の輝度で表示させる、
ことを特徴とする車両用メニュー表示制御装置。
【請求項2】
表示光をウインドシールドに照射し、前記表示光を車両前方の実景と重ねてユーザに視認させる表示装置と、円環状の操作面を有する操作入力装置と、制御装置と、を備えた車両用メニュー表示制御装置であって、
前記制御装置は、
前記表示装置に、円の中心を基点に半径方向に延びる2本の線と、前記2本の線の間の円弧で囲まれた、円を分割した扇形状の表示領域にそれぞれメニュー項目を割り当てたラジアル操作メニューを表示させる表示制御手段と、
前記ラジアル操作メニューに含まれる一つのメニュー項目を指定するのに、前記円環状の操作面を触れるかなぞる前記ユーザの操作に応じて逐次生成される操作位置情報を取得する位置情報取得手段と、を備え、
前記表示制御手段は、
前記位置情報取得手段が取得した前記操作位置情報に基づく前記ユーザの操作に応じて前記表示装置に表示されている前記メニュー項目の一つを指定するポインタの表示位置を変化させ、
前記ポインタにより指定される一つのメニュー項目を含む所定範囲の表示領域に割り当てられている1以上のメニュー項目を第1の輝度で表示させ、前記所定範囲の表示領域に割り当てられていないメニュー項目を、前記第1の輝度より低い第2の輝度で表示させ
、
前記表示装置に表示されたラジアル操作メニューのうち、停止しているポインタが指定するメニュー項目を基準に、時計回りと反時計回りの同じ範囲の表示領域に割り当てられているメニュー項目を前記第1の輝度で表示させ、前記表示領域に割り当てられていないメニュー項目を前記第2の輝度で表示させる、
ことを特徴とする車両用メニュー表示制御装置。
【請求項3】
表示光をウインドシールドに照射し、前記表示光を車両前方の実景と重ねてユーザに視認させる表示装置と、円環状の操作面を有する操作入力装置と、制御装置と、を備えた車両用メニュー表示制御装置であって、
前記制御装置は、
前記表示装置に、円の中心を基点に半径方向に延びる2本の線と、前記2本の線の間の円弧で囲まれた、円を分割した扇形状の表示領域にそれぞれメニュー項目を割り当てたラジアル操作メニューを表示させる表示制御手段と、
前記ラジアル操作メニューに含まれる一つのメニュー項目を指定するのに、前記円環状の操作面を触れるかなぞる前記ユーザの操作に応じて逐次生成される操作位置情報を取得する位置情報取得手段と、を備え、
前記表示制御手段は、
前記位置情報取得手段が取得した前記操作位置情報に基づく前記ユーザの操作に応じて前記表示装置に表示されている前記メニュー項目の一つを指定するポインタの表示位置を変化させ、
前記ポインタにより指定される一つのメニュー項目を含む所定範囲の表示領域に割り当てられている1以上のメニュー項目を第1の輝度で表示させ、前記所定範囲の表示領域に割り当てられていないメニュー項目を、前記第1の輝度より低い第2の輝度で表示させ
、
前記表示装置に表示された前記ラジアル操作メニュー中、前記ポインタにより指定されたメニュー項目が階層構造を有する場合、前記指定されたメニュー項目に関連するメニュー項目が割り当てられている表示領域を前記第1の輝度で表示させ、前記表示領域に割り当てられていないメニュー項目を前記第2の輝度で表示させる、
ことを特徴とする車両用メニュー表示制御装置。
【請求項4】
1以上の車載機器と、
表示光をウインドシールドに照射し、前記表示光を車両前方の実景と重ねてユーザに視認させる表示装置と、
円環状の操作面を有する操作入力装置と、
前記表示装置に、円の中心を基点に半径方向に延びる2本の線と、前記2本の線の間の円弧で囲まれた、円を分割した扇形状の表示領域にそれぞれメニュー項目を割り当てたラジアル操作メニューを表示させる表示制御手段、
前記ラジアル操作メニューに含まれる一つのメニュー項目を指定するのに、前記円環状
の操作面を触れるかなぞる前記ユーザの操作に応じて逐次生成される操作位置情報を取得する位置情報取得手段、
及び前記車載機器の操作処理を行う処理実行手段、を含み、
前記表示制御手段が、前記位置情報取得手段が取得した前記操作位置情報に基づく前記ユーザの操作に応じて前記表示装置に表示されている前記メニュー項目の一つを指定するポインタの表示位置を変化させ、前記ポインタにより指定される一つのメニュー項目を含む所定範囲の表示領域に割り当てられている1以上のメニュー項目を第1の輝度で表示させ、前記所定範囲の表示領域に割り当てられていないメニュー項目を、前記第1の輝度より低い第2の輝度で表示させ
、前記表示装置に表示されたラジアル操作メニューのうち、停止しているポインタが指定するメニュー項目を基準に、時計回りと反時計回りの同じ範囲の表示領域に割り当てられているメニュー項目を前記第1の輝度で表示させ、前記表示領域に割り当てられていないメニュー項目を前記第2の輝度で表示させる制御を行ない、前記処理実行手段が、最終的に選択されるメニュー項目に対応する前記車載機器の操作処理を実行する制御装置と、
を有することを特徴とする車載機器操作システム。
【請求項5】
表示光をウインドシールドに照射し、前記表示光を車両前方の実景と重ねてユーザに視認させる表示装置と、円環状の操作面を有する操作入力装置と、制御装置と、を備えた車両用メニュー表示制御装置の、前記制御装置によって実行されるGUIプログラムであって、
前記表示装置に、
円の中心を基点に半径方向に延びる2本の線と、前記2本の線の間の円弧で囲まれた、円を分割した扇形状の表示領域にそれぞれメニュー項目を割り当てたラジアル操作メニューを表示させる第1の処理と、
前記ラジアル操作メニューに含まれる一つのメニュー項目を指定するのに、前記円環状の操作面を触れるかなぞる前記ユーザの操作に応じて逐次生成される操作位置情報を取得する第2の処理と、を実行させ、
前記第1の処理は、
前記第2の処理で取得した前記操作位置情報に基づく前記ユーザの操作に応じて前記表示装置に表示されている前記メニュー項目の一つを指定するポインタの表示位置を変化させる処理と、
前記ポインタにより指定される一つのメニュー項目を含む所定範囲の表示領域に割り当てられている1以上のメニュー項目を第1の輝度で表示させ、前記所定範囲の表示領域に割り当てられていないメニュー項目を、前記第1の輝度より低い第2の輝度で表示させ
、
前記操作位置情報に基づき前記ポインタの回転方向を判定し、前記所定範囲の表示領域のうち、現時点での前記ポインタの表示位置を基準に、回転方向に割り当てられているメニュー項目を前記第1の輝度で表示し、逆回転方向に割り当てられているメニュー項目を前記第2の輝度で表示させる
制御を行う処理と、を含むことを特徴とするGUIプログラム。
【請求項6】
表示光をウインドシールドに照射し、前記表示光を車両前方の実景と重ねてユーザに視認させる表示装置と、円環状の操作面を有する操作入力装置と、制御装置と、を備えた車両用メニュー表示制御装置の、前記制御装置によって実行されるGUIプログラムであって、
前記表示装置に、
円の中心を基点に半径方向に延びる2本の線と、前記2本の線の間の円弧で囲まれた、円を分割した扇形状の表示領域にそれぞれメニュー項目を割り当てたラジアル操作メニューを表示させる第1の処理と、
前記ラジアル操作メニューに含まれる一つのメニュー項目を指定するのに、前記円環状の操作面を触れるかなぞる前記ユーザの操作に応じて逐次生成される操作位置情報を取得する第2の処理と、を実行させ、
前記第1の処理は、
前記第2の処理で取得した前記操作位置情報に基づく前記ユーザの操作に応じて前記表示装置に表示されている前記メニュー項目の一つを指定するポインタの表示位置を変化させる処理と、
前記ポインタにより指定される一つのメニュー項目を含む所定範囲の表示領域に割り当てられている1以上のメニュー項目を第1の輝度で表示させ、前記所定範囲の表示領域に割り当てられていないメニュー項目を、前記第1の輝度より低い第2の輝度で表示させ
、
前記表示装置に表示されたラジアル操作メニューのうち、停止しているポインタが指定するメニュー項目を基準に、時計回りと反時計回りの同じ範囲の表示領域に割り当てられているメニュー項目を前記第1の輝度で表示させ、前記表示領域に割り当てられていないメニュー項目を前記第2の輝度で表示させる
制御を行う処理と、を含むことを特徴とするGUIプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、自動車等の車両に搭載される車両用メニュー表示制御装置、車載機器操作システム、及びGUIプログラム等に関する。
【背景技術】
【0002】
GUI(グラフィカル・ユーザ・インタフェース)は、マウス等のポインティングデバイスを使用して直観的にコンピュータを操作できるようにしたヒューマンインタフェースである。従来、GUIを用いて表示装置にメニューを表示し、所望のメニューを選択できるようにすることが知られている。
【0003】
ところで、ヘッドアップディスプレイ(HUD)等の表示装置に表示された車載機器のメニュー項目を示すアイコンを、ポインティングデバイスによりユーザ(車両の運転手等)がブラインド操作で選択できるようにした車載機器操作システムが、例えば、特許文献1に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ヘッドアップディスプレイ(HUD)は、例えば、バックライト光源により透過表示を行う液晶表示装置(LCD)等によりメニュー項目を示すアイコン等の表示像を生成し、虚像としてウインドシールド(フロントガラス)に照射し、この虚像を車両の前方の実景と重ねてユーザ(車両の運転手等)に視認させることができる表示装置である。
【0006】
このため、虚像をユーザが識別しやすいように着色等により強調表示すれば、その虚像に重なる前景部分は見えなくなり、ユーザの前方の視野が狭くなり、前方の実景の視認性を低下させる場合も想定される。
【0007】
本発明は、上記した課題に着目してなされたものであり、ユーザの前方の視野を確保して安全運転に寄与することができるようにした、車両用メニュー表示制御装置、車載機器操作システム、及びGUIプログラムを提供することを目的とする。
【0008】
本発明の他の目的は、以下に例示する態様及び最良の実施形態、並びに添付の図面を参照することによって、当業者に明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0009】
以下に、本発明の概要を容易に理解するために、本発明に従う態様を例示する。
【0010】
第1の態様において、車両用メニュー表示制御装置は、
表示光をウインドシールドに照射し、前記表示光を車両前方の実景と重ねてユーザに視認させる表示装置と、円環状の操作面を有する操作入力装置と、制御装置と、を備えた車両用メニュー表示制御装置であって、
前記制御装置は、
前記表示装置に、円の中心を基点に半径方向に延びる2本の線と、前記2本の線の間の円弧で囲まれた、円を分割した扇形状の表示領域にそれぞれメニュー項目を割り当てたラジアル操作メニューを表示させる表示制御手段と、
前記ラジアル操作メニューに含まれる一つのメニュー項目を指定するのに、前記円環状の操作面を触れるかなぞる前記ユーザの操作に応じて逐次生成される操作位置情報を取得する位置情報取得手段と、を備え、
前記表示制御手段は、
前記位置情報取得手段が取得した前記操作位置情報に基づく前記ユーザの操作に応じて前記表示装置に表示されている前記メニュー項目の一つを指定するポインタの表示位置を変化させ、
前記ポインタにより指定される一つのメニュー項目を含む所定範囲の表示領域に割り当てられている1以上のメニュー項目を第1の輝度で表示させ、前記所定範囲の表示領域に割り当てられていないメニュー項目を、前記第1の輝度より低い第2の輝度で表示させる制御を行う。
【0011】
第1の態様では、表示制御手段は、位置情報取得手段が取得した操作位置情報に基づくユーザの操作に応じて表示装置に表示されているメニュー項目の一つを指定するポインタの表示位置を変化させ、ポインタにより指定される一つのメニュー項目を含む所定範囲の表示領域に割り当てられている1以上のメニュー項目を第1の輝度で表示させ、所定範囲の表示領域に割り当てられていないメニュー項目を、第1の輝度より低い第2の輝度で表示させる制御を行う。
【0012】
このため、例えば、第1の輝度を、表示装置10への通常表示状態での明るさとし、第2の輝度を、その明るさよりも減光して表示することにより、所定範囲外の表示領域に割り当てられているメニュー項目が、所定範囲の表示領域に割り当てられているメニュー項目よりも暗く表示されることになる。したがって、ユーザ(車両の運転手等)は、所定範囲外の表示領域に重なる部分の車両の前方の前景を目視確認できるようになり、ラジアル操作メニューの全ての表示領域が第1の輝度で表示される場合に比べて前方視野を確保でき、その結果、安全運転に寄与することができる。これは、特に、バックライト光源により透過表示を行う液晶表示装置(LCD)等によりメニュー項目を示す表示像を生成し、虚像としてウインドシールド(フロントガラス)に照射し、この虚像を車両の前方の実景と重ねてユーザ(車両の運転手等)に視認させるヘッドアップディスプレイを表示装置として用いた場合に有効である。
【0013】
第1の態様に従属する第2の態様において、
前記表示制御手段は、前記操作位置情報に基づき前記ポインタの回転方向を判定し、前記所定範囲の表示領域のうち、現時点での前記ポインタの表示位置を基準に、回転方向に割り当てられているメニュー項目を前記第1の輝度で表示し、逆回転方向に割り当てられているメニュー項目を前記第2の輝度で表示させる制御を行う。
【0014】
第2の態様では、表示制御手段が、操作位置情報に基づきポインタの回転方向を判定し、所定範囲の表示領域のうち、現時点でのポインタの表示位置を基準に、回転方向に割り当てられているメニュー項目を第1の輝度で、逆回転方向に割り当てられているメニュー項目を第2の輝度で表示させる制御を行う。このため、例えば、通常輝度で表示する所定範囲の領域であっても、逆回転方向に割り当てられているメニュー項目を暗く減光して表示することにより、車両前方の前景と重なる領域が減り、その分の前方視野を確保することができ、一層、安全運転に寄与することができる。また、回転方向に割り当てられたメニュー項目を、逆回転方向に割り当てられたメニュー項目に比べて強調する効果もあって、ユーザに最終的に選択されるメニュー項目を迅速に目立って視認させることもできる。
【0015】
第1の態様に従属する第3の態様において、
前記表示制御手段は、
前記表示装置に表示されたラジアル操作メニューのうち、停止しているポインタが指定するメニュー項目を基準に、時計回りと反時計回りの同じ範囲の表示領域に割り当てられているメニュー項目を前記第1の輝度で表示させる制御を行い、前記表示領域に割り当てられていないメニュー項目を前記第2の輝度で表示させる制御を行う。
【0016】
第3の態様によれば、表示制御手段が、停止しているポインタが指定するメニュー項目を基準に、時計回りと反時計回りの同じ範囲の表示領域に割り当てられているメニュー項目を除くメニュー項目を、例えば、暗く減光して表示する制御を行うことにより、ユーザ(運転手等)は、そのメニュー項目に重なる部分の車両の前方の前景を目視確認できるようになる。従って、ラジアル操作メニューの全ての表示領域が第1の輝度で表示される場合に比べて前方視野を確保でき、その結果、ユーザ(運転手等)は、安全運転に寄与することができる。
【0017】
第1の態様に従属する第4の態様において、
前記表示制御手段は、
前記表示装置に表示された前記ラジアル操作メニュー中、前記ポインタにより指定されたメニュー項目が階層構造を有する場合、前記指定されたメニュー項目に関連するメニュー項目が割り当てられている表示領域を前記第1の輝度で表示させ、前記表示領域に割り当てられていないメニュー項目を前記第2の輝度で表示させる制御を行う。
【0018】
第4の態様では、表示制御手段が、ラジアル操作メニュー中、ポインタにより指定される項目が階層構造を有する場合、指定されたメニュー項目と関連するメニュー項目を同じ輝度で表示する制御を行ため、階層グループ内での輝度が均一化され、他のメニュー項目と明るさが区別して表示されるため、ユーザ(運転手等)に、同じ階層グループであることを明確に認識させることができる。
【0019】
第5の態様において、車載機器操作システムは、
1以上の車載機器と、
表示光をウインドシールドに照射し、前記表示光を車両前方の実景と重ねてユーザに視認させる表示装置と、
円環状の操作面を有する操作入力装置と、
前記表示装置に、円の中心を基点に半径方向に延びる2本の線と、前記2本の線の間の円弧で囲まれた、円を分割した扇形状の領域にそれぞれメニュー項目を割り当てたラジアル操作メニューを表示させる表示制御手段、
前記ラジアル操作メニューに含まれる一つのメニュー項目を指定するのに、前記円環状の操作面を触れるかなぞる前記ユーザの操作に応じて逐次生成される操作位置情報を取得する位置情報取得手段、
及び前記車載機器の操作処理を行う処理実行手段、を含み、
前記表示制御手段が、前記位置情報取得手段が取得した前記操作位置情報に基づく前記ユーザの操作に応じて前記表示装置に表示されている前記メニュー項目の一つを指定するポインタの表示位置を変化させ、前記ポインタにより指定される一つのメニュー項目を含む所定範囲の領域に割り当てられている1以上のメニュー項目を第1の輝度で表示させ、前記所定範囲の領域に割り当てられていないメニュー項目を、前記第1の輝度より低い第2の輝度で表示させる制御を行ない、前記処理実行手段が、最終的に選択されるメニュー項目に対応する前記車載機器の操作処理を実行する制御装置と、を有する。
【0020】
第5の態様によれば、ユーザの前方の視野を確保して安全運転に寄与することができるようにした車載機器操作システムを実現することができる。
【0021】
第6の態様において、GUIプログラムは、
表示光をウインドシールドに照射し、前記表示光を車両前方の実景と重ねてユーザに視認させる表示装置と、円環状の操作面を有する操作入力装置と、制御装置と、を備えた車両用メニュー表示制御装置の、前記制御装置によって実行されるGUIプログラムであって、
前記制御装置に、
前記表示装置に、円の中心を基点に半径方向に延びる2本の線と、前記2本の線の間の円弧で囲まれた、円を分割した扇形状の領域にそれぞれメニュー項目を割り当てたラジアル操作メニューを表示させる第1の処理と、
前記ラジアル操作メニューに含まれる一つのメニュー項目を指定するのに、前記円環状の操作面を触れるかなぞる前記ユーザの操作に応じて逐次生成される操作位置情報を取得する第2の処理と、を実行させ、
前記第1の処理は、
前記第2の処理で取得した前記操作位置情報に基づく前記ユーザの操作に応じて前記表示装置に表示されている前記メニュー項目の一つを指定するポインタの表示位置を変化させる処理と、
前記ポインタにより指定される一つのメニュー項目を含む所定範囲の領域に割り当てられている1以上のメニュー項目を第1の輝度で表示させ、前記所定範囲の領域に割り当てられていないメニュー項目を、前記第1の輝度より低い第2の輝度で表示させる制御を行う処理と、を含む。
【0022】
第6の態様によれば、制御装置が、メモリに記憶されたGUIプログラムを逐次読み出し、実行することにより、ユーザ(運転手等)の前方の視野を確保して安全運転に寄与することができる車両用メニュー表示制御装置を実現することができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、ユーザの前方の視野を確保して安全運転に寄与することができるようにした、車両用メニュー表示制御装置、車載機器操作システム、及びGUIプログラムを提供することができる。
【0024】
当業者は、例示した本発明に従う態様が、本発明の精神を逸脱することなく、さらに変更され得ることを容易に理解できるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明の実施の形態の車載機器操作システムの全体構成図である。
【
図2】車載機器操作システムにおいて使用される表示装置の構成図である。
【
図3】初期表示モードにおけるラジアル操作メニューの構成例を示す図である。
【
図4】階層表示モードにおけるラジアル操作メニューの構成例を示す図である。
【
図5】車載機器操作システムにおいて使用される操作入力装置外観を示す図であり、(a)は、表面図、(b)は断面図である。
【
図6】本発明の実施の形態の車両用メニュー表示制御装置の構成図である。
【
図7】車載機器操作処理の手順を示すフローチャートである。
【
図8】メニュー項目とポインタの表示遷移を示す図である。
【
図9】メニュー項目の表示切替え処理の手順を示すフローチャートである。
【
図10】操作入力装置での操作位置とラジアル操作メニューとの対応関係、及びラジアル操作メニューの表示形態の一例を示す図である。
【
図11】ラジアル操作メニューの表示形態の他の例を示す図である。
【
図12】ラジアル操作メニューの表示形態の更に他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下に説明する最良の実施形態は、本発明を容易に理解するために用いられている。従って、当業者は、本発明が、以下に説明される実施形態によって不当に限定されないことを留意すべきである。
【0027】
(実施形態の構成)
図1を参照する。
図1は、本発明の実施の形態(以下、単に、本実施形態という)の車載機器操作システム100の全体の構成例を示す図である。
【0028】
図1に示すように、本実施形態の車載機器操作システム100は、表示装置10と、制御装置20と、入出力I/F30(入出力インターフェース)と、信号I/F40(信号インターフェース)と、例えば、ステアリングホイール3に設けられ、ユーザ(ここでは運転者とする)が指(手)で操作可能な操作入力装置200と、を備える。又、車両ECU401、ナビ(ナビゲーション)ECU402、オーディオECU403、空調ECU404、通信機器等の外部通信部405を含む車載機器400を有し、これらは、バス(BUS)を介して入出力I/F30に接続されている。
【0029】
表示装置10は、実像及び虚像の画像の少なくとも一方を表示可能であり、ここでは、例えば、虚像を表示するHUD(ヘッドアップディスプレイ)装置を搭載するものとし、このHUD装置によって、ウインドシールド(フロントガラス)2等の虚像表示領域101(図中、破線の四角で示される虚像表示可能領域)内に虚像を表示する。
【0030】
図1では、虚像として、ラジアル操作メニュー500(V)が表示されている。なお、符号500(V)の「(V)」は、虚像であることを示している。ここで、ラジアル操作メニューとは、円の中心を基点に半径方向に延びる2本の線と、この2本の線の間の円弧で囲まれた、円を分割した扇形状の領域に、それぞれメニュー項目を割り当てたメニュー形式をいう。
【0031】
また、符号502は、ユーザの指(手)の動き(操作入力装置200が検出する)に応じて位置が変化するポインタ502(ここでは、時計の針のように、時計回りあるいは反時計回りに移動する)である。このポインタ502は、ラジアル操作メニュー500(V)に含まれる複数のメニュー項目のうちの1つを指定する機能を有する。
【0032】
本実施形態の車載機器操作システム100において、表示装置10として使用されるHUD装置の内部構成の一例が
図2に示されている。HUD装置は、自動車などの車両のダッシュボードに搭載される。HUD装置は、表示光をウインドシールドに照射し、表示光を車両前方の実景と重ねてユーザに視認させる表示装置である。
【0033】
具体的に、
図2に示すように、HUD装置は、投射部材の一例であるフロントガラス310に向けて表示光N1を出射する。視認者(主に運転者E)は、フロントガラス310に反射した表示光N1を受けて、虚像として表示されるラジアル操作メニューV1を視認可能となる。
【0034】
HUD装置は、筐体110と、表示器121と、光学系122と、駆動部123と、制御部124と、を備える。
【0035】
筐体110は、例えば、遮光性のある黒色の樹脂からなり、HUD装置の各部を収容する箱状をなす。筐体110の一部には開口部が設けられており、開口部は、表示光N1が透過する透光性のカバー111で覆われている。
【0036】
表示器121は、例えば、TFT(Thin Film Transistor)液晶パネルと、液晶パネルを背後から照明する光源(バックライト)と、を備え、光源が発する光により表示オブジェクト(ラジアル操作メニュー500(V))を透過表示する。光源は、例えばLED(Light Emitting Diode)から構成され、液晶パネルは、液晶セル、偏光板、着色透過層、拡散板、を含む。なお、液晶パネルは、液晶バネルを挟む一対の偏光フィルタ等から構成されるものとし、制御装置20による制御の下で、表示光の透過率を変化させることで光量を調整(調光)することができるものとする。
【0037】
表示器121は、制御部124による制御のもと表示光を出射する透過型表示素子であれば、TFT液晶パネルに限らず、DMD(Digital Micro Mirror Device)やLCOS(登録商標:Liquid Crystal On Sillicon)等の反射型表示素子であってもよい。
【0038】
光学系122は、一例として、スクリーン、平面鏡、反射鏡としての凹面鏡等を含む。スクリーンは、ホログラフィックディフユーザやマイクロレンズアレイ、拡散板等から構成される透過型スクリーンであり、表示器121により出射される表示光の光路上に設置される。平面鏡は、合成樹脂やガラスから形成された平板状の基材と、基材の一表面に形成される金属の反射膜と、を備え、表示光を凹面鏡に導く。凹面鏡は、入射した表示光を拡散しつつフロントガラス310へ向けて反射する。凹面鏡は、合成樹脂やガラス等から形成された基材と、その基材の一表面に形成される金属の反射膜と、を備える。フロントガラス310は、入射した表示光を運転者Eの方向(アイボックス)に向けて反射する。
【0039】
駆動部123は、アクチュエーター又はステッピングモータなどからなり、これらの駆動力を回転力として光学系122(凹面鏡)に伝達する。凹面鏡は、駆動部123の動作により、紙面垂直方向に延びる回転軸を中心に、表示位置と格納位置との間で回転する。
【0040】
制御部124は、マイコン等のCPU(Central Processing Unit)を含み、表示器121,及び駆動部123を制御する。制御部124は、制御装置20からの指令に基づき、液晶パネルにラジアル操作メニューを表示し、このとき、偏光フィルタへの印加電圧の大きさを制御(PAM:Pulse Amplitude Modulation)することで、表示光の偏光角度を0~90°の範囲で任意に制御し、これにより表示光の透過率(調光率)を制御する。又、駆動部123を通じて凹面鏡を表示位置と格納位置との間で回転させる制御も行う。
【0041】
なお、表示装置10は、インストルパネル内又はインストルパネル上に設けられる表示パネル等の表示器であってもよく、HUD装置と表示器とが併用されるものであってもよい。
【0042】
説明を
図1に戻す。車載機器400(車両ECU401、ナビECU402、オーディオECU403、空調ECU404、外部通信部(通信機器)405)は、外部機器情報を、バス(BUS)を介して入出力I/F30に送る。
【0043】
ここで、車両ECU401は、車両1の走行モード(ECOモード、SPORTモード)、平均燃費、走行可能距離(航続可能距離)、水温、油温などを出力可能である。制御装置20は、上記した情報に基づき、車両1の走行モードを示し、あるいは選択されることで走行モードを変更可能とする画像(選択画像)を表示したり、平均燃費、走行可能距離(航続可能距離)、水温、油温等を表示したりする。1つの項目が選択された場合には、さらに、車両1に関する詳細情報に関する項目をラジアル操作メニュー500内に表示してもよい。
【0044】
ナビECU402は、次の分岐路の方向及び分岐路までの距離に関する情報や、車両1の経路付近に位置するオススメの経由地に関する施設情報や、これを経由した場合にロスする時間などの情報を出力可能である。制御装置20に含まれる表示制御装置(
図6の符号201)は、上記の情報に基づき、例えば、次の分岐路の方向及び分岐路までの距離、経路案内のオン/オフを切り替える画像、オススメの経由地に関する施設情報、及び経由地を設定する画像等の少なくとも1つをメニューとして表示することができる。
【0045】
オーディオECU403は、オススメの音楽に関する情報などを出力可能である。制御装置20は、上記した情報に基づき、オススメの音楽(オーディオ)に関する情報や、楽曲を選択するための画像をメニューとして表示することができる。
【0046】
空調ECU404は、現在の空調状態に関する情報等を出力可能である。制御装置20は、上記した情報に基づき、現在の空調状態に関する情報や、空調状態を変更可能とする画像を表示することができる。
【0047】
外部通信部405は、着信状態やメール受信情報など、車両1の外部からの情報を出力可能である。制御装置20は、上記した情報に基づき、着信があること、メール受信があることを示す情報、電話を受話する又はメールを音声で読ませることが可能な画像等をメニューとして表示することができる。
【0048】
以下に、
図3、
図4を用いて、表示装置10に表示されるラジアル操作メニュー500(V)の詳細について説明する。上述したように、ラジアル操作メニュー500(V)とは、円の中心を基点に半径方向に延びる2本の線と、この2本の線の間の円弧で囲まれた、円を分割した扇形状の領域に、それぞれメニュー項目を割り当てたメニュー形式である。なお、以下の説明において、制御装置20が、車載機器400の制御状態に関わる情報を取得あるいは検索し、この取得あるいは検索した情報を画像としてラジアル操作メニュー500(V)を構成する各扇形状の領域内に割り当てたアイコン画像をメニュー項目Jと称して説明し、ユーザの指(手)の動き(操作入力装置200が検出する)に応じて位置が変化する指定画像Kをポインタ502として説明する。
【0049】
メニュー項目Jは、扇形状の領域に区画された表示領域を有する画像であり、初期表示モードとして、例えば、
図3に示すように、円の中心Pを基点に連続的に配列される。本実施形態の車載機器操作システム100では、アイコン画像を示すメニュー項目Jとして、階層メニュー項目J1と、処理メニュー項目J2と、表示メニュー項目J3と、が表示されるようになっている。
【0050】
階層メニュー項目J1は、操作する車載機器400の種類(例えば、「AIR CONTROL」)や制御状態を示す情報(例えば、設定温度「28℃」)などが区画された表示領域内に表示された画像であり、この階層メニュー項目J1を、操作入力装置200の操作により選択することで、選択された階層メニュー項目J1に関連する新しいメニュー項目Jを表示する階層表示モードへ移行させることが可能である。
【0051】
階層表示モードへの移行について具体的に説明する。例えば、空調ECU404に関連する階層メニュー項目J1を、操作入力装置200の操作により選択した場合、表示装置10の表示は、
図3の初期表示モードから
図4の階層表示モードに移行する。
【0052】
階層表示モードで表示されるメニュー項目Jとしては、
図4に示すように、空調ECU404に関する空調装置の風量,風向きに関する処理メニュー項目J2や、温度設定に関する階層メニュー項目J1や、表示を元に戻すリターン画像J4などが表示される(階層
表示モード)。
【0053】
風量,風向きに関する処理メニュー項目J2を選択することで、空調装置の風量,風向きを変更することができ、温度設定に関する階層メニュー項目J1を選択することで温度設定に関する階層表示モードに移行することができる。又、リターン画像J4を選択することで元の初期表示モード(
図3の状態)に表示を戻すことができる。
【0054】
また、メニュー項目Jの周囲には、メニュー項目Jを取り囲むように装飾する円環状の装飾画像Hが表示され、制御装置20は、メニュー項目Jの表示が変化する場合、この装飾画像Hの色や形状などの表示態様を変化させる。具体的には、表示モードが移行する際(初期表示モードから階層表示モードに移行する際)に、装飾画像Hを装飾画像Ha(
図3)から装飾画像Hb(
図4)に変化させことができる。
【0055】
処理メニュー項目J2は、車載機器400を制御する項目(例えば、
図3「ABS」)や設定値(例えば、
図4の空調ECU404が制御する風量値「1」)などが表示された画像であり、この処理メニュー項目J2を、操作入力装置200の操作により選択することで、表示された項目や設定値に合わせて車載機器400に各種処理を実行させることが可能である。具体的に、例えば、「TCS」などを操作入力装置200により選択することで、車両ECU401に対してTCS機能のオンオフ処理を実行させることができる。
【0056】
なお、選択された処理メニュー項目J2は、選択されたことを示すように色や形状が変化した表示態様J2aで表示され、選択されたことをユーザに認識させる。
【0057】
表示メニュー項目J3は、車両ECU401から入力される車両情報(例えば、水温、油温)などを区画された表示領域内に表示した画像であり、ユーザに情報を伝達するための画像である。この表示メニュー項目J3を、操作入力装置200の操作により選択することで、表示された情報の詳細情報を表示させることが可能である。また、この表示メニュー項目J3を、操作入力装置200の操作により選択することで、選択された表示メニュー項目J3を非表示としてもよい。
【0058】
表示メニュー項目J3の区画された表示領域内に表示される情報は、車両ECU401から出力される各種センサ情報(例えば、水温、油温等)に関わる情報,車両1の各種設定(例えば、ABS,TCS,ECSなどの機能オンオフ、ECOモード、SPORTモードなどの走行モード)に関わる情報、ナビECU402から出力されるナビ情報(例えば、到着時間,目標地点までの距離,ターンバイターン等)に関わる情報、オーディオECU403の再生時間,曲名などを示す情報、空調ECU404の設定(例えば、温度設定、風量、風向など)を示す情報、外部通信部405に接続された外部機器の制御状態を示す情報(例えば、着信の有無、メール内容)などの、制御装置20が車載機器400から取得/検索した情報である。これら制御装置20が連続的または断続的に車載機器400から取得/検索した情報によってメニュー項目J内の表示が更新される。
【0059】
また、メニュー項目Jは、制御装置20が車載機器400から取得/検索した情報に関する画像のみならず、制御装置20自身が生成する情報に基づく画像であってもよい。具体的に、例えば、制御装置20が計時機能を有している場合、メニュー項目Jとしてストップウォッチ画像を表示してもよい。又、表示装置10が計時機能を有している場合、制御装置20が表示装置10の計時機能を実行して、表示装置10にメニュー項目Jとしてストップウォッチ画像を表示させてもよい。
【0060】
ポインタ502(K)は、円の中心Pを基点としてメニュー項目J側に延在してメニュー項目Jを指定する指針を示す画像であり、後述する操作入力装置200の操作位置Cの移動に応じて、滑らかに指示位置Dを変化させ、指定するメニュー項目Jを切り替えるものである。ユーザ(運転手等)は、このポインタ502(K)を視認することによって、操作入力装置200の操作で指定しているメニュー項目Jを確認することが可能である。なお、ポインタ502(K)は、操作入力装置200の操作で指定しているメニュー項目Jの外郭を強調表示するカーソル指定画像Kaや、操作入力装置200の操作位置Cをメニュー項目Jの外側から指示するポインタ指定画像Kbなどで代替してもよく、これらの指示方式を組み合わせてもよい。
【0061】
次に、
図5を参照して、操作入力装置200の構成を説明する。
図5(a)は、操作入力装置200の外観を示す図、
図5(b)は、
図5(a)におけるb-b線に沿う断面構造を示す図である。ここでは、操作入力装置200が、
図1において示したラジアル操作メニュー500(V)におけるメニュー項目を選択することに用いられることを想定して説明する。
【0062】
図5(a)に示すように、操作入力装置200は、ステアリングホイール3に配設され、ユーザの指(ここでは、例えば親指とする)の位置(操作位置C)を検出する円環状の操作位置検出部210と、この操作位置検出部210と一体となって設けられ、操作位置検出部210が親指で押されることで、ユーザによって選択(決定)がなされたことを検出する決定操作検出部220と、リターン処理を行うときに使用されるリターンスイッチ230と、を有する。
【0063】
操作位置検出部210は、円環状の操作面に、例えば、0時~23時の方向に等間隔で配置された複数のセンサ電極(後述するセンサシート)が実装されており、この操作面をユーザが触れることにより、センサ電極毎の静電容量の変化を検出することで、ユーザの操作位置C(例えば、円環の0時の位置から23時の位置)を検出することができる。又、ユーザが円環の操作面上を時計回りか反時計回りに所定の軌跡を描くようになぞる操作を行うことによりその軌跡を操作位置情報として検出することもできる。なお、上記の例では、操作入力装置200の操作を指(手)で行なうものとするが、ユーザの、その他の身体部位を用いてもよい。
【0064】
操作入力装置200は、具体的に、ユーザの親指等が操作面に触れた位置(操作位置C)を検出するタッチセンサであり、例えば、
図5(b)に示すように、表面カバー211と、センサシート212と、スペーサ213と、を備える。操作入力装置200は、ユーザが、親指等で操作面上を触れる操作(以下、タッチ操作という)あるいは所定の軌跡を描くようになぞる操作(以下、ジェスチャ操作という)を行った際に、ユーザの親指等が円環の操作面に触れている位置(操作位置C)を検出し、ユーザによる選択(決定)がなされると、その選択(決定)を検出して、例えば、選択(決定)がなされたことを示す信号(選択信号、言い換えれば選択(決定)検出信号)を出力する。
【0065】
操作入力装置200における表面カバー211は、合成樹脂等の遮光性の絶縁材料によってシート状に形成され、凸状断面の立体形状が、中心点Qを中心とする円の円周に沿って連続的に形成された凸部(凸領域)211a(
図5(b)において、放射状の模様が付された領域)と、凸部(凸領域)211aに連接する比較的平坦な平坦部(平坦領域)211bと、を有する。凸部(凸領域)211aは、山状の断面(凸状断面)を有し、その山(凸形状)は、中心点Qに向かう方向(内側)に長く、その反対方向である外側に短い輪郭線(稜線)を有する。その山(凸形状)が、中心点Qを中心とする円の円周に沿って、連続的に設けられることで凸部(凸領域)211aが構成される。
【0066】
また、
図5(b)に示されているように、表面カバー211における凸部(凸領域)211aの下には、センサシート212が設けられており、これらを含む部分によって、上記の操作位置検出部210が構成される。ユーザは、例えば、上記の凸部(凸領域)211aの、長手方向(中心点Qに向かう方向であり、言い換えれば内側方向)の斜面を指の触感で認識することにより、操作位置検出部210上における指のおおよその位置を認識することができ、操作入力装置200を見なくても、操作入力装置200を操作することができる。
【0067】
言い換えれば、ブラインド操作が可能となる。なお、上記の凸部(凸領域)211aが設けられない場合も想定され得るが、この場合でも、ユーザが、中心点Qを中心とした円の円周に沿って手(指)の位置を移動させた場合、ユーザは、自身が移動させた手(指)の軌跡(指等がタッチセンサの操作面に接触した位置の時間的変遷の跡)を知覚できることから、ユーザは、自身の手の位置が、円の円周上のおおよそどの位置にあるかの見当をつけることができる。したがって、この場合でも、ブラインド操作が可能である。
【0068】
センサシート212は、少なくとも凸部(凸領域)211aに対応する表面カバー211の裏面側において、中心点Qを中心とする円の円周に沿って配設され、ユーザの指の操作位置Cを検出して、制御装置20に、ユーザの指等の操作位置Cに関する情報(操作位置の情報、あるいは操作位置を示す信号)を出力する。センサシート212は、例えば、絞り加工により表面カバー211と一体成形されることで、表面カバー211と同様の形状に加工される(
図5(b)参照)。
【0069】
このように一体成形されることで、表面カバー211とセンサシート212は、一枚のシートのようになり、上記の凸部(凸領域)211aの段差形状は、その一枚のシートの曲がった部分(盛り上がった部分)で構成されることになる。また、このように一体成形されることで、表面カバー211の裏面とセンサシート212の表面とが当接する。これにより、表面カバー211の段差形状に対応して、センサシート212の検出部が配置されることになる。このように表面カバー211の段差形状に対応してセンサシート212の検出部が配置されているため、ユーザの指等の移動が、凸部(凸領域)211a等の段差形状を有した操作面上で行われるものであっても、例えば、制御装置20が、ユーザの指の位置を検出することが可能である。
【0070】
スペーサ213は、センサシート212の裏面側に位置し、一体成形された表面カバー211とセンサシート212の形状に合わせて形成され、ユーザの指等によって、表面カバー211が表側から押圧された際に、上記の形状を保持する部材である。
【0071】
決定操作検出部220は、操作位置検出部210の裏面側に複数(
図5(b)の例では3個)設けられる。決定操作検出部220は、制御装置20と電気的に接続されており、ユーザが、操作位置検出部210の操作面(表面カバー211の凸部(凸領域))211aを押下する操作(以下、押下操作という)を行うと、決定操作検出部220が押され、これによって、ユーザによって選択(決定)がなされたことが検出され、選択(決定)がなされたことを示す信号(選択信号、言い換えれば選択(決定)検出信号)が出力される。出力された選択(決定)検出信号は、制御装置20に送られる。制御装置20は、送られてきた選択(決定)検出信号に基づき、例えば、ラジアル操作メニュー500(V)に含まれる複数のメニュー項目Jのうちのどのメニュー項目が選択されたかを判定し、その選択に応じたメニュー項目Jを示す画像を生成して表示装置10に表示する。これによって、選択された項目の内容に応じて、操作メニューの表示が切り替えられる。
【0072】
リターンスイッチ230は、操作位置検出部210及び決定操作検出部220とは離れた位置にあるスイッチである。ユーザが、リターンスイッチ230の操作面を押下する(言い換えれば、押下操作がなされる)と、制御装置20にリターン信号が送信される。制御装置20は、リターンスイッチ230からのリターン信号に基づき、ラジアル操作メニュー500(V)の表示を、直近の過去のメニュー項目Jを示す画像に戻す。言い換えれば、直前の表示への切り替えが行われる。
【0073】
次に、
図6を参照して本実施形態の車両用メニュー表示制御装置300(特に、
図1の制御装置20)の、より具体的な構成について説明する。ここで、車両用メニュー表示制御装置とは、制御装置20を核とし、表示装置10と、操作入力装置200を含む構成をいう。
図6において、
図1と共通する部分については同じ符号が示されている。制御装置20は、ハードウエア的には、マイコン等のCPUと、及びメモリを含む周辺LSI(Large Scall Integration)で構成され、機能的には、
図6に示すように、表示制御部201(表示制御手段)と、位置情報取得部202(位置情報取得手段)と、処理実行部203(処理実行手段)と、を含む。
【0074】
表示制御部201は、表示装置10にラジアル操作メニュー500(V)を表示させる。表示制御部201は、例えば、記憶部204に予め用意されて記憶されているメニューファイルの中から使用可能なメニュー項目Jを読み出し、複数のメニュー項目Jの配置を割り当て(合成)、又、必要な情報を組み込むことで複数のメニュー項目からなるラジアル操作メニュー500(V)を生成し、同じく、記憶部204の一部領域に割り当てられている画像RAM領域に書き込む。なお、必要な情報の中には、配置されたメニュー項目が階層構造を有するか否かを示すフラグ情報も含まれる。表示制御部201は、表示装置10(表示器121)の表示タイミングに同期して画像RAM領域から生成されたラジアル操作メニュー(表示データ)を読み込んで表示装置10に表示する。
【0075】
表示制御部201は、表示装置10にラジアル操作メニュー500(V)を表示させる他に、位置情報取得部202が取得した操作位置情報に基づくユーザの操作(ジェスチャ操作)の軌跡に応じて表示装置に表示されているメニュー項目の一つを指定するポインタ502の表示位置を変化させる表示制御手段として機能する。又、表示制御部201は、ポインタ502により指定される一つのメニュー項目を含む所定範囲の表示領域に割り当てられている1以上のメニュー項目を第1の輝度で表示させ、所定範囲の表示領域に割り当てられていないメニュー項目を、第1の輝度よりも低い第2の輝度で表示させる制御を行う表示制御手段としても機能する。
【0076】
表示制御部201は、ユーザの操作の軌跡(ジェスチャ操作)に応じて表示装置10に表示されているメニュー項目の一つを指定するポインタ502の表示位置を変化させる制御を行う。ここで、操作入力装置200における操作位置検出部210の円環状の操作面の中心を基点としたユーザによる回転操作の相対角度(
図10(a)のθQ)と、表示装置10に表示されたラジアル操作メニュー500の円の中心を基点とするポインタ502の指定位置との相対角度(
図10(b)のθP)とが略一致している。
【0077】
なお、所定範囲の表示領域に割り当てられているメニュー項目とは、ポインタ502によるメニュー項目Jの切り替えのために、例えば、60度回転させるユーザによるジェスチャ操作が必要な場合、例えば、進行方向(回転方向)に60度の範囲の表示領域に割り当てられているメニュー項目のことをいう。なお、表示制御部201は、ラジアル操作メニュー500(V)における円の中心を通って半径方向に延びる基準線分に対し、円の中心とタッチ位置とを結ぶ線分とでなす角度(中心角)を演算することにより、所定範囲の領域を求めることができる。
【0078】
また、第1の輝度とは、例えば、通常表示状態での明るさとし、通常表示状態での明るさとは、車両走行時にデフォルトで設定されている表示装置の輝度設定値、あるいはユーザによって変更設定された輝度値をいう。又、第2の輝度とは、通常表示状態での明るさより暗くなるように、所定の減光率で減光する調光制御により得られる輝度をいう。ここで、所定の減光率とは、例えば、20%をいう。このため、表示制御部201は、例えば、第1の輝度を、表示装置10に表示している通常表示状態における明るさとし、第2の輝度を、その明るさよりも暗く(例えば、通常表示状態における明るさより20%減光)する調光制御を行うことにより、所定範囲の表示領域の外に割り当てられたメニュー項目Jを、所定範囲の表示領域に割り当てられたメニュー項目Jよりも暗く減光して表示する。表示制御部201は、例えば、表示装置10(
図2のHUD装置の表示器121(液晶パネル))に対する印加電圧の大きさをPAM制御することで、表示光の偏光角度を0~90°の範囲で任意に制御して表示光の透過率(調光率)を制御することにより上記した調光制御が可能である。
【0079】
表示制御部201は、操作位置情報に基づきポインタ502の回転方向を判定し、所定範囲の表示領域のうち、現時点でのポインタ502の表示位置を基準に、回転方向に割り当てられているメニュー項目Jを第1の輝度で表示し、逆回転方向に割り当てられているメニュー項目Jを第2の輝度で表示させる制御を行なってもよい。この場合、通常の明るさで表示する所定範囲の領域であっても、逆回転方向に割り当てられているメニュー項目を比較的暗く減光して表示することにより、車両前方の前景と重なる領域が減り、その分の前方視野を確保することができる。
【0080】
また、表示制御部201は、表示装置10に表示されたラジアル操作メニュー500(V)のうち、停止しているポインタ502が指定するメニュー項目Jを基準に、時計回りと反時計回りの同じ範囲の表示領域に割り当てられているメニュー項目Jを第1の輝度で表示させる制御を行い、その範囲の表示領域に割り当てられていないメニュー項目Jを第2の輝度で表示させる調光制御を行なってもよい。この場合、停止しているポインタ502が指定するメニュー項目を基準に、時計回りと反時計回りの同じ範囲の表示領域に割り当てられているメニュー項目を除くメニュー項目が、例えば、暗く減光されて表示されることで、ユーザ(車両の運転手等)は、そのメニュー項目に重なる部分の車両の前方の前景を目視確認できるようになる。
【0081】
また、表示制御部201は、表示装置10に表示されたラジアル操作メニュー500(V)のうち、ポインタ502により指定されたメニュー項目Jが階層構造を有する場合、関連するメニュー項目を指定された階層メニュー項目J1と同じ輝度で表示させる制御を行なってもよい。この場合、関連するメニュー項目を同じ輝度で表示する制御を行なうため、階層グループ内での輝度が均一化され、ユーザ(運転手等)に、同じ階層グループであることを明確に認識させることかができる。
【0082】
位置情報取得部202は、ラジアル操作メニュー500(V)に含まれる一つのメニュー項目Jを選択するために、操作入力装置200を使用し、表示装置10に表示された円環の任意の点をタッチするか、又はなぞるユーザの操作に応じて生成される操作位置情報を取得する位置情報取得手段として機能する。
【0083】
処理実行部203は、最終的に選択されるメニュー項目Jに対応する車載機器400の操作処理を実行する処理実行手段として機能する。例えば、
図3に示すメニュー項目Jを、ユーザが操作入力装置200を使用して操作することにより選択すると、決定操作検出部220が、ユーザによって選択(決定)がなされたことを検出し、選択(決定)がなされたことを示す信号が出力されることで、表示されたメニュー項目Jや設定値に合わせて車載機器400に各種処理を実行させることができる。例えば、「TCS」などが操作入力装置200により選択されることで、車両ECU401に対してTCS機能のオンオフ処理を実行させることができる。
【0084】
記憶部204には、スタティックRAMやダイナミックRAM、あるいはフラッシュRAM等の半導体記憶素子が実装されており、この半導体記憶素子に、本実施形態のGUIプログラム、画像データ、ラジアル操作メニュー生成時に使用される作業領域、そして、
図1に、破線の四角で示される虚像表示可能領域101の写しである画像RAM領域が割り当てられ、記憶されている。
【0085】
なお、上述した表示制御部201、位置情報取得部202、処理実行部203は、いずれも制御装置20が内蔵するマイコン等のCPUが、記憶部204の一部領域に格納されたGUIプログラムを逐次読み出し実行することにより、それぞれが有する機能を実現するものとする。
【0086】
(実施形態の動作)
以下、本実施形態の車載機器操作システム100による車載機器操作処理について、
図7、
図8を参照しながら説明する。
図7は、本実施形態に係る車載機器操作システム100の車載機器操作処理を説明するフローチャートであり、
図8は、表示装置10に表示されたラジアル操作メニュー500(V)における各メニュー項目Jとポインタ502の表示遷移を示す図である。
【0087】
本実施形態の車載機器操作システム100は、車両1の起動に基づいて動作を開始する。制御装置20は、車両1の起動に伴い、画像データを記憶部204から読み出してラジアル操作メニュー500(V)を生成し(ステップS101)、表示装置10に対して、生成されたラジアル操作メニュー500(V)の画像信号を出力する。この車両1の起動後に表示されるラジアル操作メニュー500(V)の各メニュー項目Jは、それ以前の車両1が停止する際に表示装置10に表示されていたメニュー項目Jと同じものである。
【0088】
なお、メニュー項目J内にそれぞれ表示される車載機器400の制御状態などに関する情報画像は、車両1の起動後に制御装置40が車載機器400から取得/検索した情報に基づいて表示が行われる。そして、表示装置10は、制御装置20から出力されるラジアル操作メニュー500(V)の画像信号に基づいて、
図8(a)に示すような円の中心Pを基点にした扇形状の領域に割り当てられた表示領域を複数有するメニュー項目Jを初期メニューとして表示する(ステップS102)。
【0089】
なお、車両1の起動時の表示モードは、特定の階層メニュー項目J1の階層表示モードではなく、車載機器400に関するメニュー項目Jを表示する初期表示モードとする。また、車両1の起動に伴って表示を開始する際、制御装置20は、記憶部204から画像データを読み出し、まず、装飾画像Hとポインタ502(K)とを表示させた後、ポインタ502(K)を消去し、同時にメニュー項目Jを表示させる等の起動時演出を行なってもよい。
【0090】
次に、制御装置20は、操作入力装置200からユーザの指の位置信号(操作位置C)を取得し(ステップS103)、この操作位置Cに対応したメニュー項目Jをポインタ502(K)が指定するようにポインタ502(K)の画像信号を生成して、表示装置10に出力する。表示装置10は、制御装置20から出力されるポインタ502(K)の画像信号に基づいて、
図8(b)に示すように、ユーザが操作位置検出部210(円環状の操作面)に触れた位置に対応する、表示装置10上の指示位置Dを指示するようにポインタ502(K)を表示する(ステップS104)。
【0091】
ここで、ユーザが、操作入力装置200(操作位置検出部210)の円環状の操作面上で操作位置Cを移動させるジェスチャ操作を行った場合、このジェスチャ操作に基づく操作位置Cの移動に対応して、
図8(c)に示すように、ポインタ502(K)の指示位置Dも変化する。ここで、操作位置検出部210上のジェスチャ操作に基づく操作位置Cとポインタ502(K)の指示位置Dとが対応するとは、操作入力装置200における操作位置検出部210の円環状の操作面の中心Qを基点としたユーザによる回転操作の相対角度と、表示装置10に表示されたラジアル操作メニュー500(V)の円の中心Pを基点とするポインタ502(K)の指定位置との相対角度とが略一致していることを意味する。
【0092】
次に、制御装置20が、操作入力装置200(決定操作検出部220)から決定信号を取り込む(ステップS105“YES”)と、この決定信号とともに位置情報取得部202を介して操作位置情報を取り込み、その操作位置情報に対応したメニュー項目Jを選択する。次に、制御装置20は、選択されたメニュー項目Jに関連付けられた下位の階層メニュー項目J1の有無を判定し(ステップS105)、ここで、階層メニュー項目J1が無いと判定された場合(ステップS106“NO”)、その選択が最終選択である、と判定され、そのメニュー項目Jに対応する実行制御を行なうと共に、初期メニューの表示に復帰させる(ステップS108)。
【0093】
一方、下位階層のメニュー項目J1があると判定されると(ステップS106“Y”)、制御装置20は、表示装置10に、選択されたメニュー項目Jに関連付けられた下位階層のメニュー項目J1(次階層のメニュー項目)を表示する(ステップS107)。下位階層のメニュー項目J1が選択された場合(例えば、空調装置に関するメニュー項目J1が選択された場合)は、
図8(d)に示すように選択された階層メニュー項目J1に関連するメニュー項目を新しく表示する階層表示モードに移行させる。
【0094】
階層表示モードである
図8(d)において、ラジアル操作メニュー500(V)のメニュー項目Jとして、風量を決定する処理メニュー項目J2と、風向を決定する処理メニュー項目J2と、設定温度を設定するための階層メニュー項目J1と、表示を前の状態に戻すリターン画像J4と、を有する。ユーザは、操作入力装置200の操作位置Cを変化させ、決定操作検出部220を押下操作「Push」することでメニュー項目Jを選択することができる。
【0095】
図8(d)は、風量「3」と所定の風向を示す処理メニュー項目J2が、操作入力装置200(決定操作検出部220)の押下操作「Push」により選択された様子を示しており、ここで、処理メニュー項目J2が選択された場合、制御装置20により、選択された条件で車載機器400(空調ECU404)の処理が実行さる。なお、選択された処理メニュー項目J2は、選択されたことを示すように色や形状が変化した表示態様J2aで表示され、選択されたことをユーザに認識させてもよい。
【0096】
次に、
図9~
図12を参照して本実施形態の車両用メニュー表示制御装置300の動作について詳細に説明する。
図9は、制御装置20(GUIプログラム)によるメニュー項目表示切替え処理の手順を示したフローチャート、
図10は、
図9のフローチャートの説明を補足する意味で示した、操作入力装置200での操作位置とラジアル操作メニュー500(V)との間の相対的な位置の対応関係、及びその表示形態の一例を示した図、
図11,
図12は、ラジアル操作メニュー500(V)の表示形態の他の例を示した図である。
【0097】
図9のフローチャートにおいて、制御装置20は、まず、操作入力装置200から、円環状の操作面(操作位置検出部210)をタッチするかジェスチャを行う、ユーザの操作に応じて逐次生成される操作位置情報を取得する(ステップS201)。この操作位置情報は、制御装置20における位置情報取得部202が取得し、位置情報取得部202は、取得した操作位置情報を、表示制御部201に引き渡す。
【0098】
表示制御部201は、位置情報取得部202が取得した操作位置情報からポインタ502が移動中(ユーザのジェスチャ操作による回転中)か否かを判定する(ステップS202)。ポインタ502が移動であるか否かの判定は、現時点で取得した操作位置情報と、直前に取得した位置情報との比較により判定することができる。表示制御部201は、ポインタ502が移動中であれば(ステップS202“YES”)、更に、ポインタ502の進行方向(ユーザは、メニュー項目を選択するのに操作入力装置200の操作円環状の操作面をなぞる操作を行うため、回転方向と同義)を判定する(ステップS203)。進行方向(回転方向)の判定は、表示制御部201が、操作位置検出部210の環状の操作面の中心とタッチ位置とを結ぶ半径方向の線分がなす角度である中心角を算出し、移動前のタッチ位置の中心角との差分によりユーザ操作の軌跡を求め、その軌跡により、ポインタ502が時計回りか半時計回りに回転しているかを算出することにより実現される。
【0099】
ポインタ502の進行方向(回転方向)を判定した表示制御部201は、ユーザ操作の軌跡に応じてポインタ502の表示位置を変化させる。すなわち、表示制御部201は、操作入力装置200における操作位置検出部210の円環状の操作面上の回転操作に応じて、その中心角を算出し、以前のタッチ位置の中心角との差分からユーザ操作の軌跡を求め、中心角に対応したポインタの表示位置を変化させる。このとき、操作位置検出部210の円環状の操作面の中心Qを起点とする相対角度(後述する
図10のθQ)が、表示装置10に表示されるラジアル操作メニュー500(V)の円の中心Pを基点とするポインタ502の指定位置との相対角度(後述するθPのθP)が略一致する。
【0100】
続いて、表示制御部201は、ポインタ502により指定される一つのメニュー項目を含む所定範囲の表示領域に割り当てられているメニュー項目Jを、例えば、通常表示状態の明るさで表示させ、所定範囲の表示領域に割り当てられていないメニュー項目Jを、例えば、通常表示状態の明るさよりも20%減光した明るさで表示させる調光制御を行う(ステップS204)。なお、減光率は任意である。又、所定範囲の表示領域とは、例えば、回転方向に50°、逆回転方向に10度の範囲をいい、この表示領域の角度についても任意である。
【0101】
一方、ポインタ移動中判定処理(ステップS202)において、ポインタ502が移動中でない(停止している)場合(ステップS202“NO”)、表示制御部201は、停止しているポインタ502が指定するメニュー項目Jを基準に、両側(時計回りと反時計回りの同じ範囲)の表示領域に割り当てられているメニュー項目Jを通常表示状態の明るさで表示を行う制御を行い、その表示領域に含まれない表示領域に割り当てられているメニュー項目を、通常の明るさより暗く、例えば、20%の明るさに減光して表示する(ステップS205)。
【0102】
なお、明るさを減光する調光制御は、例えば、
図2に示したように、表示装置10(HUD)が、液晶パネルが実装された表示器121を有する場合、液晶パネルが内蔵する偏光フィルタへの印加電圧の大きさをPAM駆動し、表示光の偏光角度を0~90°の範囲で任意に制御(表示光の透過率(調光率)を制御)することにより、実現することができる。
【0103】
上述した
図9のフローチャートのステップS201~S205の処理について、
図10を参照して補足説明を行う。
図10は、操作入力装置200(円環状の操作面を有する操作位置検出部210)での操作位置と、表示装置10に表示されるポインタ502の表示位置との間の相対的な位置の対応関係、及び表示装置10に表示されるラジアル操作メニュー500(V)の表示形態の一例を示した図である。
【0104】
図10(a)において、符号210は、先に
図5を用いて説明したとおり、操作入力装置200における円環状の操作位置検出部210に対応した、円環状の凸部(凸領域)を示している。また、符号220は、操作入力装置200における円環状の決定操作検出部220の円環状の凸部(凸領域)上における位置を示している。ここでは、ラジアル操作メニューのメニュー項目Aに対応している。
【0105】
図10(b)において、ラジアル操作メニュー500(V)は、Pを中心とする円の内部に同じ形状で同じサイズの、例えば、12の扇形状の部分円の領域に、メニュー項目A,メニュー項目B,メニュー項目C,メニュー項目D・・・がそれぞれ割り当てられており、各メニュー項目Jに対応するそれぞれの画像が表示されたものになっている。又、ラジアル操作メニュー500(V)に含まれる一つのメニュー項目を指定するのに使用されるポインタ502(K1,K2,K3)がラジアル操作メニュー500(V)に重ね合わせて表示されている。ここで、K1~K3は、メニュー項目切り替え処理時におけるポインタ表示の移動軌跡(K1→K2→K3)を示したものであり、K1は、メュー項目切り替え操作前、K2はメニュー項目切り替え操作途中(移動中)、K3は、メニュー項目切り替え操作後のポインタ502の停止位置をそれぞれ示している。
【0106】
図10(b)において、ポインタ502(K1)は、メニュー項目Dの位置にあり、メニュー項目Dは、例えば、設定温度を示しているものとする。その状態で風量切り替えを、メニュー項目Aで示す例えば、「AUTO」に設定したい場合、ユーザは、
図10(a)に、符号Cで示すように、操作入力装置200の指定位置を、メニュー項目Dの位置からメニュー項目Aの位置へ90°反時計回りの方向へ回転させる操作が必要になる。
【0107】
このため、ユーザは、操作入力装置200における操作位置検出部210の円環状の操作面の中心Qを基点とした反時計回りに回転操作を行ない、これをうけて表示制御部201は、そのユーザ操作の軌跡(C)に対応してポインタ502の表示位置を逐次更新する(K1→K2→K3)。これは、表示制御部201が、記憶部204の一部領域に割り当てられている画像RAMの内容を書替え、表示装置10の、ラジアル操作メニュー500(V)に重ね合わせて表示されるポインタ502の表示を更新することにより実現される。但し、表示制御部201がポインタ502の表示位置を更新するにあたり、移動中のポインタK2の位置を基準にすれば、操作入力装置200の操作位置検出部210における円環状の操作面の中心Qを基点とする相対角度θQと、表示装置10に表示されるラジアル操作メニュー500(V)の円の中心Pを基点とするポインタK2の指定位置との相対角度(θP)とが略一致していることが必要である。
【0108】
ここで、表示装置10に表示されたラジアル操作メニュー500(V)において、ユーザが認知を必要とする範囲は、メニュー項目Aからメニュー項目Dの表示領域の範囲である。このため、表示制御部201は、ポインタ502(K1)の進行方向(回転方向)を判定し、ポインタ502(K1)が移動中であれば、移動途中のポインタ502(K2)を基準に、ポインタ502(K2)の回転方向(反時計回り)に、例えば、50°、逆方向(時計回り)に、例えば、10°の表示領域の範囲(α11とα12)に割り当てられたメニュー項目を通常表示状態での明るさで表示を行う制御を行い、その表示領域に含まれない表示領域(β1)に割り当てられているメニュー項目を、通常表示状態での明るさの20%の明るさに減光して表示する。
【0109】
なお、表示領域の範囲α11,α12とβの角度は、それぞれ任意であり、例えば、α11とα12の合計が45°、βが15°等であってもよい。この場合、βで示す角度が大きいほど車両前方の前景の視認性が向上する。
【0110】
一方、ポインタ502が停止している場合、表示制御部201は、停止しているポインタ502(K1)が指定しているメニュー項目Dを基準に、両側(時計回りと反時計回りの同じ範囲)の表示領域(α21とα22)に割り当てられているメニュー項目Dとメニュー項目Eを通常表示状態での明るさで表示を行う制御を行い、その表示領域に含まれない表示領域(β2)に割り当てられているメニュー項目を、通常表示状態での明るさの、例えば、20%の明るさに減光して表示する。
【0111】
このため、ユーザ(車両の運転手等)は、通常表示状態での明るさより所定の減光率で暗い状態での明るさ(第2の輝度)で表示される表示領域β1あるいはβ2に重なる部分の車両の前方の前景を目視確認できるようになり、ラジアル操作メニュー500(V)の全ての表示領域が通常表示状態での明るさ(第1の輝度)で表示される場合に比べて前方視野を確保でき、その結果、ユーザは、安全運転に寄与することができる。
【0112】
なお、
図10(b)に示すラジアル操作メニュー500(V)の表示形態では、第1の輝度を、通常表示状態での明るさとし、第2の輝度をその明るさよりも暗くなるように減光制御し、所定範囲外の表示領域(β1あるいはβ2)に割り当てられているメニュー項目が、所定範囲の表示領域(α11とα12、あるいはα21とα22)に割り当てられているメニュー項目よりも暗く減光されて表示される例について説明したが、第1の輝度で表示される所定範囲の表示領域(α11とα12、あるいはα21とα22)を、更に細分して表示することにより、一層前方の視野を確保することができる。
図11に、このためのラジアル操作メニュー500(V)の表示形態の一例が示されている。
【0113】
図11に示す表示形態では、ポインタ502がメニュー項目Aを指定する際に、移動中のポインタ502(K2)を基準に、回転方向の表示領域α3に割り当てられているメニュー項目A,B,Cを通常表示状態での明るさで表示し、逆回転方向の表示領域β3に割り当てられているメニュー項目Dを、通常表示状態での明るさの20%減光した明るさで表示している。この減光のための調光制御は、
図10(b)に示す表示形態と同様、表示制御部201が行う。
【0114】
なお、
図11に示すラジアル操作メニュー500(V)の表示形態によれば、ポインタ502の回転方向の表示領域α3に割り当てられているメニュー項目A,メニュー項目B,メニュー項目Cを通常表示状態での明るさで表示し、逆回転方向の表示領域β3に割り当てられているメニュー項目Dを通常表示状態での明るさを20%減光して表示しているが、表示領域の範囲α3、β3の角度は任意であり、β3で示す角度が大きいほど車両前方の前景の視認性が向上する。
【0115】
この表示形態によれば、通常の明るさで表示する所定範囲の領域であっても、逆回転方向に割り当てられているメニュー項目を暗く減光して表示することにより、車両前方の前景と重なる領域が減り、その分の前方視野を確保することができ、一層、安全運転に寄与することができる。また、回転方向に割り当てられたメニュー項目を、逆回転方向に割り当てられたメニュー項目に比べて強調する効果もあって、ユーザに最終的に選択されるメニュー項目を迅速に目立って視認させることもできる。
【0116】
説明を
図9のフローチャートに戻す。表示装置10に表示されるラジアル操作メニュー500(V)は、例えば、階層構造を有しており、選択された一つのメニュー項目に関連付けられた下位階層のメニュー項目がある場合は、その下位階層のメニュー項目が順次表示される。下位階層のないメニュー項目が選択されると、表示制御部201から処理実行部203に対して最終的に選択されたメニュー項目の内容を示す情報が送られる。
【0117】
このため、表示制御部201は、操作入力装置200(決定操作検出部220)から出力される決定信号を取得する(ステップS206“YES”)と、位置情報取得部202を介してその操作位置情報を取り込み、その操作位置情報に対応したメニュー項目を選択する。ここで、選択されたメニュー項目に関連付けられた下位のメニュー項目(階層メニュー項目)の有無を判定する(ステップS207)。下位のメニュー項目が無いと判定された場合(ステップS207“NO”)、その選択が最終選択である、ということになり、処理実行部203が、そのメニュー項目に対応する実行制御を行ない(ステップS208)、同時に、表示制御部201は、表示装置10を初期メニューの表示に復帰させる。
【0118】
なお、選択されたメニュー項目が階層構造を有するか否かは、最終的に選択されたメニュー項目の内容を示す情報に含まれる、ラジアル操作メニュー500(V)を構成するメニュー項目毎に生成されるフラグ情報を参照することにより判定される。
【0119】
一方、「階層メニュー項目あり」と判定されると(ステップS207“YES”)、表示制御部201は、表示装置10に、指定された階層メニュー項目に関連付けられたメニュー項目を表示するが、このとき、ポインタ502で指定された階層メニュー項目に関連するメニュー項目を同じ輝度で表示させる制御を行う(ステップS209)。ここでは、ポインタ502により指定されたメニュー項目が階層構造を有する場合、指定されたメニュー項目に関連するメニュー項目が割り当てられている表示領域を通常表示状態での明るさで表示させ、その表示領域に割り当てられていないメニュー項目を減光して表示させる。
【0120】
図12に、ラジアル操作メニュー500(V)の表示形態の他の例が示されている。ここでは、階層表示モードにおけるラジアル操作メニュー500(V)の構成例が示されている。ここで、ポインタ501(K)が、風量を示すメニュー項目「3」を指定していれば、表示制御装置201は、メニュー項目「3」を含み、他の風量を示すメニュー項目「1」、「2」、「AUTO」が表示されている表示領域の範囲(α4)を、例えば、通常表示状態での明るさで表示し、風量以外の他のメニュー項目が割り当てられている表示領域の範囲(β4)を20%減光して表示する。又、ポインタ501(K)で風向きを示すメニュー項目のいずれかが指定されている場合、風向きを示すメニュー項目が割り当てられている表示領域の範囲が通常状態での明るさで表示され、風向き以外のメニュー項目が割り当てられている表示領域の範囲が20%減光して表示される。このことにより、階層グループ内での輝度が均一化され、階層化されたメニュー項目が他と区別して表示されるため、ユーザ(運転手等)に、同じ階層グループであることを明確に認識させることができる。
【0121】
なお、
図10、
図11、
図12に示すラジアル操作メニュー500(V)の表示形態において、指定されたメニュー項目近傍に割り当てられているメニュー項目の表示領域を、減光されない通常表示状態での明るさとし、他のメニュー項目が割り当てられている表示領域を20%減光して表示する例についてのみ説明したが、この減光率ついては制限されるものでなく、任意である。
【0122】
(実施形態の効果)
以上説明のように本実施形態の車両用メニュー表示制御装置300によれば、表示制御部201は、位置情報取得部202が取得した操作位置情報に基づくユーザの操作に応じて表示装置10に表示されているメニュー項目の一つを指定するポインタ502の表示位置を変化させ、ポインタ502により指定される一つのメニュー項目を含む所定範囲の表示領域に割り当てられている1以上のメニュー項目を第1の輝度で表示させ、所定範囲の表示領域に割り当てられていないメニュー項目を、第1の輝度より低い第2の輝度で表示させる制御を行う。
【0123】
このため、表示制御部201は、例えば、第1の輝度を、通常表示状態での明るさとし、第2の輝度を、その明るさよりも暗くなるように減光した明るさとすることにより、表示装置10に、所定範囲外の領域に割り当てられているメニュー項目が、所定範囲に割り当てられているメニュー項目よりも暗く表示される。したがって、ユーザ(車両の運転手等)は、所定範囲外に重なる部分の車両の前方の前景を目視確認できるようになり、ラジアル操作メニュー500(V)の全ての表示領域が通常表示状態での明るさで表示される場合に比べて前方視野を確保でき、その結果、ユーザは、安全運転に寄与することができる。これは、特に、バックライト光源により透過表示を行う液晶表示装置(LCD)等によりメニュー項目を示すアイコン等の表示像を生成し、虚像としてウインドシールド(フロントガラス)に照射し、この虚像を車両の前方の実景と重ねてユーザ(車両の運転手等)に視認させるヘッドアップディスプレイを表示装置として用いた場合、特に好適な効果が得られる。
【0124】
また、本実施形態の車両用メニュー表示制御装置300によれば、表示制御部201は、操作位置情報に基づきポインタの回転方向を判定し、所定範囲の表示領域のうち、現時点でのポインタの表示位置を基準に、回転方向に割り当てられているメニュー項目を第1の輝度で、逆回転方向に割り当てられているメニュー項目を第2の輝度で表示させる制御を行う。このため、例えば、通常表示状態での明るさで表示する所定範囲の領域であっても、逆回転方向に割り当てられているメニュー項目を比較的暗く減光して表示することにより、車両前方の前景と重なる領域が減り、その分の前方視野を確保することができ、一層、安全運転に寄与することができる。また、回転方向に割り当てられたメニュー項目を、逆回転方向に割り当てられたメニュー項目に比べて強調する効果もあって、ユーザに最終的に選択されるメニュー項目を迅速に目立って視認させることもできる。
【0125】
また、本実施形態の車両用メニュー表示制御装置300によれば、表示制御部201が、停止しているポインタ502が指定するメニュー項目を基準に、時計回りと反時計回りの同じ範囲の表示領域に割り当てられているメニュー項目を除く他のメニュー項目を、例えば、暗く減光して表示する制御を行うことにより、ユーザ(運転手等)は、そのメニュー項目に重なる部分の車両の前方の前景を目視確認できるようになる。従って、ラジアル操作メニュー500(V)の全ての表示領域が通常表示状態での明るさで表示される場合に比べて前方視野を確保でき、その結果、ユーザ(運転手等)は、安全運転に寄与することができる。
【0126】
また、本実施形態の車両用メニュー表示制御装置300によれば、表示制御部201が、ラジアル操作メニュー500(V)中、ポインタ501により指定される項目が階層構造を有する場合、指定されたメニュー項目と関連するメニュー項目を同じ輝度で表示する制御を行ため、階層グループ内での輝度が均一化され、他のメニュー項目と明るさが区別して表示されるため、ユーザ(運転手等)に、同じ階層グループであることを明確に認識させることができる。
【0127】
また、本実施形態の車載機器操作システム100によれば、ユーザの前方の視野を確保して安全運転に寄与することができる。
【0128】
また、本実施形態のGUIプログラムによれば、制御装置20が、記憶部204に記憶されたGUIプログラムを逐次読み出し、実行することにより、ユーザ(運転手等)の前方の視野を確保して安全運転に寄与することができる車両用メニュー表示制御装置300を実現することができる。
【0129】
なお、本明細書において、車両とは、例えば、自動車、電車、飛行機、船舶と鵜の「乗り物」を示す用語として広義に解釈し、又、メニューも、例えば、「複数の選択肢を含む表示」というように、広義に解釈するものとする。
【0130】
本発明は、上述した例示的な実施形態に限定されず、また、当業者は、上述の例示的な実施形態を特許請求の範囲に含まれる範囲まで、容易に変更することができるであろう。
【産業上の利用可能性】
【0131】
本発明は、車両に搭載される車載機器を操作するためにユーザが操作する車載機器操作システム100に適用可能である。
【符号の説明】
【0132】
10・・・表示装置、20・・・制御装置、100・・・車載機器操作システム、201・・・表示制御部(表示制御手段)、202・・・位置情報取得部(位置情報取得手段)、203・・・処理実行部(処理実行手段)、204・・・記憶部、300・・・車両用メニュー表示制御装置、500(V)・・・ラジアル操作メニュー、502・・・ポインタ