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特許7235198印刷制限システム、印刷制限SNSシステムおよび印刷制限プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-28
(45)【発行日】2023-03-08
(54)【発明の名称】印刷制限システム、印刷制限SNSシステムおよび印刷制限プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/12 20060101AFI20230301BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20230301BHJP
【FI】
G06F3/12 339
G06F3/12 303
G06F3/12 336
G06F3/12 344
B41J29/38
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019004033
(22)【出願日】2019-01-15
(65)【公開番号】P2020113092
(43)【公開日】2020-07-27
【審査請求日】2021-12-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100140796
【弁理士】
【氏名又は名称】原口 貴志
(72)【発明者】
【氏名】岡 陽介
(72)【発明者】
【氏名】新井 吉彦
(72)【発明者】
【氏名】山口 哲史
(72)【発明者】
【氏名】津田 京司
(72)【発明者】
【氏名】樋渡 達也
【審査官】白石 圭吾
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-131125(JP,A)
【文献】特開2009-069871(JP,A)
【文献】特開2008-188822(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/09 - 3/12
B41J 29/00 - 29/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置において利用可能な印刷量としてのクォータを利用者のグループ毎に管理するクォータ管理部と、
複数の前記グループに所属する前記利用者が前記画像形成装置によって印刷を実行する場合に、前記複数のグループのうち、前記クォータを消費するグループとしてのクォータ消費グループを決定するクォータ消費グループ決定部と
を備え、
前記クォータ消費グループ決定部は、
前記グループに関連するキーワードをグループ毎に示すグループキーワード情報と、
印刷の対象の文書から抽出したテキスト、および、前記文書のファイル名の少なくとも一方に含まれる単語と
に基づいて前記グループと、前記文書との関連度を算出し、算出した前記関連度に基づいて前記クォータ消費グループを決定することを特徴とする印刷制限システム。
【請求項2】
前記クォータ消費グループ決定部は、前記関連度が特定の閾値以上である前記グループが存在しない場合に、前記関連度に基づいて前記クォータ消費グループを決定せず、今後の特定の期間のクォータの使用量の予測値を前記グループ毎に算出し、算出した前記予測値を現在の前記クォータから減じた数が最大である前記グループを前記クォータ消費グループとして決定することを特徴とする請求項1に記載の印刷制限システム。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の印刷制限システムと、
チャットを実現するSNSを提供するSNSシステムと
を備え、
前記SNSシステムは、チャットボットを備え、
前記チャットボットは、前記クォータの譲渡の依頼を前記利用者から前記チャットによって受けた場合に、受けた前記依頼の内容を前記印刷制限システムに通知し、
前記クォータ管理部は、前記チャットボットから通知された前記内容で前記クォータの譲渡を実行することを特徴とする印刷制限SNSシステム。
【請求項4】
請求項1または請求項2に記載の印刷制限システムと、
チャットを実現するSNSを提供するSNSシステムと
を備え、
前記SNSシステムは、チャットボットを備え、
前記チャットボットは、前記クォータの残量の確認の依頼を前記利用者から前記チャットによって受けた場合に、前記クォータの残量を前記印刷制限システムに問い合わせ、
前記クォータ管理部は、前記チャットボットから問い合わせを受けた前記残量を前記チャットボットに通知し、
前記チャットボットは、前記クォータ管理部から通知された前記残量を前記チャットによって前記利用者に通知することを特徴とする印刷制限SNSシステム。
【請求項5】
請求項1または請求項2に記載の印刷制限システムと、
チャットを実現するSNSを提供するSNSシステムと
を備え、
前記クォータ管理部は、前記クォータに関する情報を前記チャットによって前記利用者に通知することを特徴とする印刷制限SNSシステム。
【請求項6】
画像形成装置において利用可能な印刷量としてのクォータを利用者のグループ毎に管理するクォータ管理部と、
複数の前記グループに所属する前記利用者が前記画像形成装置によって印刷を実行する場合に、前記複数のグループのうち、前記クォータを消費するグループとしてのクォータ消費グループを決定するクォータ消費グループ決定部と
をコンピューターに実現させ、
前記クォータ消費グループ決定部は、
前記グループに関連するキーワードをグループ毎に示すグループキーワード情報と、
印刷の対象の文書から抽出したテキスト、および、前記文書のファイル名の少なくとも一方に含まれる単語と
に基づいて前記グループと、前記文書との関連度を算出し、算出した前記関連度に基づいて前記クォータ消費グループを決定することを特徴とする印刷制限プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置による印刷を制限する印刷制限システム、印刷制限SNSシステムおよび印刷制限プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成装置において利用可能な印刷量に基づいて画像形成装置による印刷を制限する印刷制限システムが知られている(例えば、特許文献1-3参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2003-330686号公報
【文献】特開2008-186101号公報
【文献】特開2011-086112号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の印刷制限システムにおいては、画像形成装置において利用可能な印刷量としてのクォータを利用者のグループ毎に管理する場合に、複数のグループに所属する利用者が画像形成装置によって印刷を実行するとき、いずれのグループのクォータを消費するかということについて考慮されていないという問題がある。したがって、利用者は、複数のグループに所属する場合に、画像形成装置によって印刷を実行するとき、いずれのグループのクォータを消費するかを利用者自身で指定しなければならない。
【0005】
そこで、本発明は、複数のグループに所属する利用者が画像形成装置によって印刷を実行する場合の利便性を向上することができる印刷制限システム、印刷制限SNSシステムおよび印刷制限プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の印刷制限システムは、画像形成装置において利用可能な印刷量としてのクォータを利用者のグループ毎に管理するクォータ管理部と、複数の前記グループに所属する前記利用者が前記画像形成装置によって印刷を実行する場合に、前記複数のグループのうち、前記クォータを消費するグループとしてのクォータ消費グループを決定するクォータ消費グループ決定部とを備え、前記クォータ消費グループ決定部は、前記グループに関連するキーワードをグループ毎に示すグループキーワード情報と、印刷の対象の文書から抽出したテキスト、および、前記文書のファイル名の少なくとも一方に含まれる単語とに基づいて前記グループと、前記文書との関連度を算出し、算出した前記関連度に基づいて前記クォータ消費グループを決定することを特徴とする。
【0007】
この構成により、本発明の印刷制限システムは、複数のグループに所属する利用者が画像形成装置によって印刷を実行する場合に、グループに関連するキーワードをグループ毎に示すグループキーワード情報と、印刷の対象の文書から抽出したテキスト、および、この文書のファイル名の少なくとも一方に含まれる単語とに基づいてグループと、文書との関連度を算出し、算出した関連度に基づいて、クォータを消費するグループを決定するので、いずれのグループのクォータを消費するかを利用者に指定させる必要が無く、利便性を向上することができる。また、本発明の印刷制限システムは、グループと、印刷の対象の文書との関連度に基づいて、クォータを消費するグループを決定するので、印刷の対象の文書との関連度が高いグループのクォータを消費する可能性を向上することができ、その結果、適切なグループのクォータを消費する可能性を向上することができる。
【0008】
本発明の印刷制限システムにおいて、前記クォータ消費グループ決定部は、今後の特定の期間のクォータの使用量の予測値を前記グループ毎に算出し、算出した前記予測値を現在の前記クォータから減じた数が最大である前記グループを前記クォータ消費グループとして決定しても良い。
【0009】
この構成により、本発明の印刷制限システムは、今後の特定の期間のクォータの使用量の予測値をグループ毎に算出し、算出した予測値を現在のクォータから減じた数が最大であるグループを、クォータを消費するグループとして決定するので、クォータに余裕があるグループのクォータを消費する可能性を向上することができ、その結果、適切なグループのクォータを消費する可能性を向上することができる。
【0010】
本発明の印刷制限SNSシステムは、上述の印刷制限システムと、チャットを実現するSNSを提供するSNSシステムとを備え、前記SNSシステムは、チャットボットを備え、前記チャットボットは、前記クォータの譲渡の依頼を前記利用者から前記チャットによって受けた場合に、受けた前記依頼の内容を前記印刷制限システムに通知し、前記クォータ管理部は、前記チャットボットから通知された前記内容で前記クォータの譲渡を実行することを特徴とする。
【0011】
この構成により、本発明の印刷制限SNSシステムは、クォータの譲渡の依頼を利用者からチャットによってチャットボットが受けた場合に、受けた依頼の内容をチャットボットが印刷制限システムに通知し、チャットボットから通知された内容でクォータ管理部がクォータの譲渡を実行するので、クォータの譲渡を利用者がチャットによって実行することができ、利便性を向上することができる。
【0012】
本発明の印刷制限SNSシステムは、上述の印刷制限システムと、チャットを実現するSNSを提供するSNSシステムとを備え、前記SNSシステムは、チャットボットを備え、前記チャットボットは、前記クォータの残量の確認の依頼を前記利用者から前記チャットによって受けた場合に、前記クォータの残量を前記印刷制限システムに問い合わせ、前記クォータ管理部は、前記チャットボットから問い合わせを受けた前記残量を前記チャットボットに通知し、前記チャットボットは、前記クォータ管理部から通知された前記残量を前記チャットによって前記利用者に通知することを特徴とする。
【0013】
この構成により、本発明の印刷制限SNSシステムは、クォータの残量の確認の依頼を利用者からチャットによってチャットボットが受けた場合に、クォータの残量をチャットボットが印刷制限システムに問い合わせ、チャットボットから問い合わせを受けたクォータの残量をクォータ管理部がチャットボットに通知し、クォータ管理部から通知されたクォータの残量をチャットボットがチャットによって利用者に通知するので、クォータの残量の確認を利用者がチャットによって実行することができ、利便性を向上することができる。
【0014】
本発明の印刷制限SNSシステムは、上述の印刷制限システムと、チャットを実現するSNSを提供するSNSシステムとを備え、前記クォータ管理部は、前記クォータに関する情報を前記チャットによって前記利用者に通知することを特徴とする。
【0015】
この構成により、本発明の印刷制限SNSシステムは、クォータに関する情報をクォータ管理部がチャットによって利用者に通知するので、クォータに関する情報の通知を利用者がチャットによって受けることができ、利便性を向上することができる。
【0016】
本発明の印刷制限プログラムは、画像形成装置において利用可能な印刷量としてのクォータを利用者のグループ毎に管理するクォータ管理部と、複数の前記グループに所属する前記利用者が前記画像形成装置によって印刷を実行する場合に、前記複数のグループのうち、前記クォータを消費するグループとしてのクォータ消費グループを決定するクォータ消費グループ決定部とをコンピューターに実現させ、前記クォータ消費グループ決定部は、前記グループに関連するキーワードをグループ毎に示すグループキーワード情報と、印刷の対象の文書から抽出したテキスト、および、前記文書のファイル名の少なくとも一方に含まれる単語とに基づいて前記グループと、前記文書との関連度を算出し、算出した前記関連度に基づいて前記クォータ消費グループを決定することを特徴とする。
【0017】
この構成により、本発明の印刷制限プログラムを実行するコンピューターは、複数のグループに所属する利用者が画像形成装置によって印刷を実行する場合に、グループに関連するキーワードをグループ毎に示すグループキーワード情報と、印刷の対象の文書から抽出したテキスト、および、この文書のファイル名の少なくとも一方に含まれる単語とに基づいてグループと、文書との関連度を算出し、算出した関連度に基づいて、クォータを消費するグループを決定するので、いずれのグループのクォータを消費するかを利用者に指定させる必要が無く、利便性を向上することができる。また、本発明の印刷制限プログラムを実行するコンピューターは、グループと、印刷の対象の文書との関連度に基づいて、クォータを消費するグループを決定するので、印刷の対象の文書との関連度が高いグループのクォータを消費する可能性を向上することができ、その結果、適切なグループのクォータを消費する可能性を向上することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明の印刷制限システム、印刷制限SNSシステムおよび印刷制限プログラムは、複数のグループに所属する利用者が画像形成装置によって印刷を実行する場合の利便性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の一実施の形態に係る画像形成システムのブロック図である。
図2】MFPである場合の図1に示す画像形成装置のブロック図である。
図3】1台のコンピューターによって構成される場合の図1に示す印刷制限システムのブロック図である。
図4】1台のコンピューターによって構成される場合の図1に示すSNSシステムのブロック図である。
図5】利用者を追加する場合の図3に示す印刷制限システムの動作のフローチャートである。
図6】グループを追加する場合の図3に示す印刷制限システムの動作のフローチャートである。
図7】利用者が印刷を実行する場合の図1に示す画像形成システムの動作のシーケンス図である。
図8図7に示す印刷可否判定処理のフローチャートである。
図9図8に示すクォータ消費グループ決定処理のフローチャートである。
図10図8に示す動作において生成する印刷文書単語リストの一例を示す図である。
図11】グループAに所属する利用者aが利用者bに印刷枚数10枚分のクォータを譲渡する場合の図1に示す画像形成システムの動作のシーケンス図である。
図12図11に示す動作における、利用者aと、利用者bとのチャットの画面の一例を示す図である。
図13図11に示す動作における、利用者aと、チャットボットとのチャットの画面の一例を示す図である。
図14図11における「権限有り」のシーケンス図である。
図15】グループAに所属する利用者aがクォータの残量を確認する場合の図1に示す画像形成システムの動作のシーケンス図である。
図16図15に示す動作における、利用者aと、チャットボットとのチャットの画面の一例を示す図である。
図17】グループAのクォータの残量が0になった場合の図1に示す画像形成システムの動作のシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0021】
まず、本発明の一実施の形態に係る画像形成システムの構成について説明する。
【0022】
図1は、本実施の形態に係る画像形成システム10のブロック図である。
【0023】
図1に示すように、画像形成システム10は、印刷を実行する画像形成装置20を備えている。画像形成システム10は、画像形成装置20以外にも、画像形成装置20と同様の構成の画像形成装置を少なくとも1つ備えることが可能である。画像形成システム10における画像形成装置は、例えば、MFP(Multifunction Peripheral)、プリンター専用機などによって構成されている。
【0024】
画像形成システム10は、利用可能な印刷量(以下「クォータ」という。)を利用者毎および利用者が所属するグループ毎に管理するとともに、クォータに基づいて画像形成装置による印刷を制限する印刷制限システム30を備えている。ここで、印刷量とは、例えば、印刷枚数である。印刷制限システム30は、1つのコンピューターによって構成されても良いし、複数のコンピューターによって構成されても良い。
【0025】
画像形成システム10は、SNS(Social Networking Service)を提供するSNSシステム40を備えている。SNSシステム40は、1つのコンピューターによって構成されても良いし、複数のコンピューターによって構成されても良い。
【0026】
画像形成システム10は、利用者によって使用される利用者端末50を備えている。画像形成システム10は、利用者端末50以外にも、利用者端末50と同様の構成の利用者端末を少なくとも1つ備えることが可能である。画像形成システム10における利用者端末は、例えば、スマートフォン、PC(Personal Computer)などによって構成されている。
【0027】
画像形成システム10は、利用者による画像形成装置の利用を管理する管理者によって使用される管理者端末60を備えている。管理者端末60は、例えば、スマートフォン、PCなどによって構成されている。
【0028】
印刷制限システム30は、画像形成システム10における画像形成装置、SNSシステム40および管理者端末60と、LAN(Local Area Network)、インターネットなどのネットワークを介して通信可能である。画像形成システム10における利用者端末は、SNSシステム40と、LAN、インターネットなどのネットワークを介して通信可能である。
【0029】
図2は、MFPである場合の画像形成装置20のブロック図である。
【0030】
図2に示すように、画像形成装置20は、種々の操作が入力される例えばボタンなどの操作デバイスである操作部21と、種々の情報を表示する例えばLCD(Liquid Crystal Display)などの表示デバイスである表示部22と、用紙などの記録媒体に画像を印刷する印刷デバイスであるプリンター23と、原稿から画像を読み取る読取デバイスであるスキャナー24と、図示していない外部のファクシミリ装置と公衆電話回線などの通信回線経由でファックス通信を行うファックスデバイスであるファックス通信部25と、LAN、インターネットなどのネットワーク経由で、または、ネットワークを介さずに有線または無線によって直接に、外部の装置と通信を行う通信デバイスである通信部26と、各種の情報を記憶する例えば半導体メモリー、HDD(Hard Disk Drive)などの不揮発性の記憶デバイスである記憶部27と、画像形成装置20全体を制御する制御部28とを備えている。
【0031】
制御部28は、例えば、CPU(Central Processing Unit)と、プログラムおよび各種のデータを記憶しているROM(Read Only Memory)と、制御部28のCPUの作業領域として用いられるメモリーとしてのRAMとを備えている。制御部28のCPUは、記憶部27または制御部28のROMに記憶されているプログラムを実行する。
【0032】
図3は、1台のコンピューターによって構成される場合の印刷制限システム30のブロック図である。
【0033】
図3に示す印刷制限システム30は、種々の操作が入力される例えばキーボード、マウスなどの操作デバイスである操作部31と、種々の情報を表示する例えばLCDなどの表示デバイスである表示部32と、LAN、インターネットなどのネットワーク経由で、または、ネットワークを介さずに有線または無線によって直接に、外部の装置と通信を行う通信デバイスである通信部33と、各種の情報を記憶する例えば半導体メモリー、HDDなどの不揮発性の記憶デバイスである記憶部34と、印刷制限システム30全体を制御する制御部35とを備えている。
【0034】
記憶部34は、クォータに基づいて画像形成装置による印刷を制限するための印刷制限プログラム34aを記憶している。印刷制限プログラム34aは、例えば、印刷制限システム30の製造段階で印刷制限システム30にインストールされていても良いし、例えばCD(Compact Disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、USB(Universal Serial Bus)メモリーなどの外部記憶媒体から印刷制限システム30に追加でインストールされても良いし、ネットワーク上から印刷制限システム30に追加でインストールされても良い。
【0035】
記憶部34は、利用者の認証用情報を利用者毎に示す認証用情報リスト34bと、グループに所属する利用者をグループ毎に示すグループリスト34cと、グループに関連するキーワードをグループ毎に示すグループキーワード情報としてのグループキーワードリスト34dと、グループのクォータの譲渡の権限を有する者をグループ毎に示すクォータ譲渡権限リスト34eとを記憶している。
【0036】
記憶部34は、利用者毎およびグループ毎のクォータを示すクォータリスト34fと、利用者毎およびグループ毎のクォータの使用履歴を示すクォータ使用履歴リスト34gとを記憶している。なお、クォータリスト34fは、グループに所属していない利用者に対してのみ、利用者のクォータを示すことができる。クォータリスト34fは、グループに所属している利用者に対して、利用者のクォータを示すことができず、この利用者が所属するグループのクォータのみを示すことができる。
【0037】
制御部35は、例えば、CPUと、プログラムおよび各種のデータを記憶しているROMと、制御部35のCPUの作業領域として用いられるメモリーとしてのRAMとを備えている。制御部35のCPUは、記憶部34または制御部35のROMに記憶されているプログラムを実行する。
【0038】
制御部35は、印刷制限プログラム34aを実行することによって、クォータを利用者のグループ毎に管理するクォータ管理部35aと、複数のグループに所属する利用者が画像形成装置によって印刷を実行する場合に、複数のグループのうち、クォータを消費するグループ(以下「クォータ消費グループ」という。)を決定するクォータ消費グループ決定部35bとを実現する。
【0039】
図4は、1台のコンピューターによって構成される場合のSNSシステム40のブロック図である。
【0040】
図4に示すSNSシステム40は、種々の操作が入力される例えばキーボード、マウスなどの操作デバイスである操作部41と、種々の情報を表示する例えばLCDなどの表示デバイスである表示部42と、LAN、インターネットなどのネットワーク経由で、または、ネットワークを介さずに有線または無線によって直接に、外部の装置と通信を行う通信デバイスである通信部43と、各種の情報を記憶する例えば半導体メモリー、HDDなどの不揮発性の記憶デバイスである記憶部44と、SNSシステム40全体を制御する制御部45とを備えている。
【0041】
記憶部44は、チャットを実現するためのチャットプログラム44aと、チャットにおいて自動的に会話するためのチャットボットプログラム44bとを記憶している。チャットプログラム44aおよびチャットボットプログラム44bは、それぞれ、例えば、SNSシステム40の製造段階でSNSシステム40にインストールされていても良いし、例えばCD、DVD、USBメモリーなどの外部記憶媒体からSNSシステム40に追加でインストールされても良いし、ネットワーク上からSNSシステム40に追加でインストールされても良い。
【0042】
制御部45は、例えば、CPUと、プログラムおよび各種のデータを記憶しているROMと、制御部45のCPUの作業領域として用いられるメモリーとしてのRAMとを備えている。制御部45のCPUは、記憶部44または制御部45のROMに記憶されているプログラムを実行する。
【0043】
制御部45は、チャットボットプログラム44bを実行することによって、チャットボット45aを実現する。
【0044】
次に、画像形成システム10の動作について説明する。
【0045】
まず、利用者を追加する場合の印刷制限システム30の動作について説明する。
【0046】
図5は、利用者を追加する場合の印刷制限システム30の動作のフローチャートである。
【0047】
管理者は、管理者端末60を介して印刷制限システム30に利用者の追加の処理の開始を指示することができる。印刷制限システム30のクォータ管理部35aは、利用者の追加の処理の開始が指示されると、図5に示す動作を実行する。
【0048】
図5に示すように、クォータ管理部35aは、管理者が追加することを希望する利用者の認証用情報と、この利用者に所属させるグループと、この利用者のクォータとの回答を管理者端末60を介して管理者に要求し(S101)、S101における要求に対する回答を受信したと判断するまで、S101における要求に対する回答を受信したか否かを判断する(S102)。
【0049】
クォータ管理部35aは、S101における要求に対する回答を受信したとS102において判断すると、受信した回答に応じて認証用情報リスト34b、グループリスト34cおよびクォータリスト34fを更新する(S103)。ここで、クォータ管理部35aは、利用者に所属させるグループが管理者からの回答に含まれている場合、この利用者のクォータが管理者からの回答に含まれていたとしても、この利用者のクォータをクォータリスト34fに追加しない。クォータ管理部35aは、利用者に所属させるグループが管理者からの回答に含まれていない場合に、この利用者のクォータが管理者からの回答に含まれているとき、管理者からの回答に含まれている、この利用者のクォータをクォータリスト34fに追加する。
【0050】
クォータ管理部35aは、S103の処理の後、図5に示す動作を終了する。
【0051】
以上においては、管理者が利用者毎にクォータを割り当てている。しかしながら、クォータの割り当て方法については、例えば、全ての利用者に対して同数を割り当てる方法など、様々な方法が採用されることが可能である。
【0052】
次に、グループを追加する場合の印刷制限システム30の動作について説明する。
【0053】
図6は、グループを追加する場合の印刷制限システム30の動作のフローチャートである。
【0054】
管理者は、管理者端末60を介して印刷制限システム30にグループの追加の処理の開始を指示することができる。印刷制限システム30のクォータ管理部35aは、グループの追加の処理の開始が指示されると、図6に示す動作を実行する。
【0055】
図6に示すように、クォータ管理部35aは、管理者が追加することを希望するグループと、このグループに関連するキーワードと、このグループのクォータと、このグループのクォータの譲渡の権限を有する者との回答を管理者端末60を介して管理者に要求し(S121)、S121における要求に対する回答を受信したと判断するまで、S121における要求に対する回答を受信したか否かを判断する(S122)。
【0056】
クォータ管理部35aは、S121における要求に対する回答を受信したとS122において判断すると、受信した回答に応じてグループリスト34c、グループキーワードリスト34d、クォータ譲渡権限リスト34eおよびクォータリスト34fを更新する(S123)。ここで、クォータ管理部35aは、管理者からの回答に含まれるグループに所属する利用者のクォータがクォータリスト34fに含まれている場合、この利用者のクォータをクォータリスト34fから削除する。
【0057】
クォータ管理部35aは、S123の処理の後、図6に示す動作を終了する。
【0058】
以上においては、管理者がグループ毎にクォータを割り当てている。しかしながら、クォータの割り当て方法については、例えば、全てのグループに対して同数を割り当てる方法、グループに所属する利用者の人数に応じた数を割り当てる方法など、様々な方法が採用されることが可能である。
【0059】
また、以上においては、管理者がグループを作成している。しかしながら、クォータ管理部35aは、LDAP(Lightweight Directory Access Protocol)やSNSを介して印刷制限システム30の外部のシステムからグループの情報を取り込んでも良い。
【0060】
次に、利用者が印刷を実行する場合の画像形成システム10の動作について説明する。
【0061】
図7は、利用者が印刷を実行する場合の画像形成システム10の動作のシーケンス図である。
【0062】
利用者は、画像形成装置20に印刷の実行を指示することができる。例えば、利用者は、利用者端末50を介して画像形成装置20に印刷データを送信することによって、この印刷データに基づいた印刷の実行を画像形成装置20に指示したり、スキャナー24によって原稿から読み取った画像のプリンター23による印刷、すなわち、コピーの実行を画像形成装置20の操作部21を介して画像形成装置20に指示したりすることができる。
【0063】
画像形成装置20の制御部28は、利用者から印刷の実行が指示されると、図7に示すように、実行が指示された印刷が実行可能であるか否かを印刷制限システム30に問い合わせる(S141)。ここで、S141における問い合わせには、印刷の実行を指示した利用者と、印刷予定の枚数とが含まれる。
【0064】
印刷制限システム30のクォータ管理部35aは、S141における問い合わせを受けると、図8に示す印刷可否判定処理を実行する(S142)。
【0065】
なお、S141における問い合わせに含まれる利用者は、S142の処理以前に印刷制限システム30にログインしている必要がある。例えば、利用者端末50は、画像形成装置20に印刷データを送信する場合には、利用者の認証用情報を印刷データに含めることができる。また、画像形成装置20の制御部28は、操作部21を介して印刷の指示を受け付ける場合には、利用者の認証用情報を操作部21を介して受け付けることができる。制御部28は、取得した認証用情報を印刷制限システム30に送信することによって、利用者のログインを印刷制限システム30に要求する。
【0066】
図8は、図7に示す印刷可否判定処理のフローチャートである。
【0067】
図8に示すように、クォータ管理部35aは、S141における問い合わせに含まれる利用者(以下「対象利用者」という。)がグループに所属しているか否かをグループリスト34cに基づいて判断する(S161)。
【0068】
クォータ管理部35aは、対象利用者がグループに所属していないとS161において判断すると、対象利用者のクォータをクォータリスト34fから取得する(S162)。
【0069】
クォータ管理部35aは、対象利用者がグループに所属しているとS161において判断すると、対象利用者が所属している全てのグループのクォータをクォータリスト34fから取得し(S163)、S163において取得したクォータの合計を算出する(S164)。
【0070】
クォータ管理部35aは、S162またはS164の処理の後、S162において取得したクォータ、または、S164において算出した合計が、S141における問い合わせに含まれる印刷予定の枚数以上であるか否かを判断する(S165)。
【0071】
クォータ管理部35aは、S162において取得したクォータ、または、S164において算出した合計が、S141における問い合わせに含まれる印刷予定の枚数以上ではないとS165において判断すると、対象の印刷が実行可能ではないと判定して(S166)、図8に示す動作を終了する。
【0072】
クォータ管理部35aは、S162において取得したクォータ、または、S164において算出した合計が、S141における問い合わせに含まれる印刷予定の枚数以上であるとS165において判断すると、対象の印刷が実行可能であると判定する(S167)。
【0073】
次いで、クォータ管理部35aは、対象利用者が複数のグループに所属しているか否かをグループリスト34cに基づいて判断する(S168)。
【0074】
クォータ消費グループ決定部35bは、対象利用者が複数のグループに所属しているとS168において判断すると、クォータ消費グループを決定するクォータ消費グループ決定処理を実行する(S169)。
【0075】
図9は、図8に示すクォータ消費グループ決定処理のフローチャートである。
【0076】
図9に示すように、クォータ消費グループ決定部35bは、対象の印刷の対象の文書からテキストを抽出する(S181)。ここで、対象の文書は、S141における問い合わせに含まれていても良いし、S181の処理の直前にクォータ消費グループ決定部35bが画像形成装置20から取得しても良い。また、クォータ消費グループ決定部35bは、対象の文書が画像である場合には、OCR(Optical Character Recognition)によってテキストを抽出する。
【0077】
クォータ消費グループ決定部35bは、S181の処理の後、S181において抽出したテキストに含まれる単語のリスト(以下「印刷文書単語リスト」という。)を生成する(S182)。
【0078】
図10は、図8に示す動作において生成する印刷文書単語リストの一例を示す図である。
【0079】
図10に示す印刷文書単語リスト70には、S181において抽出されたテキストに出現する単語と、この単語の出現頻度とが対応付けて示されている。
【0080】
図9に示すように、クォータ消費グループ決定部35bは、S182の処理の後、S182において生成した印刷文書単語リストに基づいて、対象利用者が所属している複数のグループのそれぞれに対して、対象の印刷の対象の文書との関連度を算出する(S183)。例えば、クォータ消費グループ決定部35bは、S182において生成した印刷文書単語リストに含まれる単語のうち、対象のグループにグループキーワードリスト34dにおいて設定されているキーワードと一致する全ての単語の出現頻度の合計を、S182において生成した印刷文書単語リストに含まれる全ての単語の出現頻度の合計で割ることによって、対象の印刷の対象の文書との関連度を算出する。
【0081】
クォータ消費グループ決定部35bは、S183の処理の後、S183において算出した関連度が特定の閾値以上であるグループが存在するか否かを判断する(S184)。
【0082】
クォータ消費グループ決定部35bは、関連度が特定の閾値以上であるグループが存在するとS184において判断すると、S183において算出した関連度が最も高いグループをクォータ消費グループとして決定する(S185)。
【0083】
クォータ消費グループ決定部35bは、関連度が特定の閾値以上であるグループが存在しないとS184において判断すると、対象の印刷の対象の文書のファイル名に基づいて、対象利用者が所属している複数のグループのそれぞれに対して、対象の印刷の対象の文書との関連度を算出する(S186)。S186における算出方法は、例えば、S182~S183における算出方法と同様である。
【0084】
クォータ消費グループ決定部35bは、S186の処理の後、S186において算出した関連度が特定の閾値以上であるグループが存在するか否かを判断する(S187)。ここで、S187における閾値は、S184における閾値とは異なる値でも良い。
【0085】
クォータ消費グループ決定部35bは、関連度が特定の閾値以上であるグループが存在するとS187において判断すると、S186において算出した関連度が最も高いグループをクォータ消費グループとして決定する(S188)。
【0086】
クォータ消費グループ決定部35bは、関連度が特定の閾値以上であるグループが存在しないとS187において判断すると、対象利用者が所属している複数のグループのそれぞれに対して、例えば今月のクォータの使用量の予測値など、今後の特定の期間のクォータの使用量の予測値を算出する(S189)。例えば、クォータ消費グループ決定部35bは、今月のクォータの予測値を算出する場合、対象利用者が所属している複数のグループのそれぞれに対して、クォータ使用履歴リスト34gに基づいて、前月までの1ヶ月当たりのクォータの使用量を取得した後、前月までの1ヶ月当たりのクォータの使用量の平均値を算出し、この平均値を、今月のクォータの使用量の予測値としても良い。
【0087】
クォータ消費グループ決定部35bは、S189の処理の後、対象利用者が所属している複数のグループのうち、S189において算出した予測値を現在のクォータから減じた数が最大であるグループをクォータ消費グループとして決定する(S190)。
【0088】
クォータ消費グループ決定部35bは、S185、S188またはS190の処理を実行すると、図9に示すクォータ消費グループ決定処理を終了する。
【0089】
なお、クォータ消費グループ決定部35bは、図9に示すクォータ消費グループ決定処理を1回実行したことによって決定したクォータ消費グループ(以下「第1優先のクォータ消費グループ」という。)のクォータだけでは、S141における問い合わせに含まれる印刷予定の枚数に足りない場合には、対象利用者が所属している複数のグループのうち、第1優先のクォータ消費グループを除いたグループに対して、再度図9に示すクォータ消費グループ決定処理を実行して第2優先のクォータ消費グループを決定する。同様に、クォータ消費グループ決定部35bは、必要に応じて、第3優先以降のクォータ消費グループを決定することができる。
【0090】
クォータ管理部35aは、対象利用者が複数のグループに所属していないとS168において判断するか、S169のクォータ消費グループ決定処理が終了すると、図8に示す動作を終了する。
【0091】
図7に示すように、クォータ管理部35aは、対象の印刷が実行可能ではないとS142において判定すると、対象の印刷が実行可能ではない旨を画像形成装置20に通知する(S143)。したがって、画像形成装置20の制御部28は、対象の印刷が実行可能ではない旨を利用者に通知する(S144)。ここで、制御部28は、利用者からの印刷の実行の指示が利用者端末50を介して入力されていた場合、対象の印刷が実行可能ではない旨を利用者端末50に送信することによって、利用者端末50の表示部を介して利用者に通知する。また、制御部28は、利用者からの印刷の実行の指示が操作部21から入力されていた場合、対象の印刷が実行可能ではない旨を表示部22に表示することによって利用者に通知する。
【0092】
印刷制限システム30のクォータ管理部35aは、対象の印刷が実行可能であるとS142において判定すると、対象の印刷が実行可能である旨を画像形成装置20に通知する(S145)。したがって、画像形成装置20の制御部28は、対象の印刷を実行し(S146)、対象の印刷の完了を印刷制限システム30に通知する(S147)。S147における通知には、画像形成装置20による実際の印刷枚数が含まれている。
【0093】
印刷制限システム30のクォータ管理部35aは、S147における通知を受けると、S147における通知に含まれる印刷枚数に応じてクォータリスト34fを更新する(S148)。ここで、クォータ管理部35aは、対象利用者が複数のグループに所属している場合には、S169のクォータ消費グループ決定処理において決定したクォータ消費グループのクォータを印刷枚数に応じて減少させる。
【0094】
クォータ管理部35aは、S148の処理の後、S148の処理に応じてクォータ使用履歴リスト34gを更新する(S149)。
【0095】
次に、クォータを譲渡する場合の画像形成システム10の動作について説明する。
【0096】
以下においては、グループAに所属する利用者aが利用者bに印刷枚数10枚分のクォータを譲渡する場合について説明する。
【0097】
なお、以降の説明において、チャットは、全てSNSシステム40の制御部45がチャットプログラム44aを実行することによって実現している。また、利用者は、利用者端末を介してチャットを利用することが可能である。
【0098】
図11は、グループAに所属する利用者aが利用者bに印刷枚数10枚分のクォータを譲渡する場合の画像形成システム10の動作のシーケンス図である。
【0099】
図11においては、利用者bが利用者aに印刷枚数10枚分のクォータの譲渡の依頼をチャットによって通知した(S201)後、利用者aが利用者bに依頼の承諾をチャットによって通知している(S202)。
【0100】
図12は、利用者aと、利用者bとのチャットの画面の一例を示す図である。
【0101】
図12において、メッセージ231が、S201において通知されたメッセージであり、メッセージ232が、S202において通知されたメッセージである。
【0102】
図11に示すように、利用者aは、S202における通知の後、グループAのクォータから利用者bに印刷枚数10枚分を譲渡することをチャットによってチャットボット45aに依頼する(S203)。チャットボット45aは、S203の依頼を受けると、依頼を受け付けたことをチャットによって利用者aに通知する(S204)。
【0103】
図13は、利用者aと、チャットボット45aとのチャットの画面の一例を示す図である。
【0104】
図13において、メッセージ241が、S203において通知されたメッセージであり、メッセージ242が、S204において通知されたメッセージである。
【0105】
図11に示すように、チャットボット45aは、S204の通知をした後、利用者aがグループAのクォータから利用者bに印刷枚数10枚分を譲渡することを希望していることを印刷制限システム30に通知する(S205)。
【0106】
印刷制限システム30のクォータ管理部35aは、S205における通知を受けると、利用者aがグループAのクォータの譲渡の権限を有しているか否かをクォータ譲渡権限リスト34eに基づいて判断する(S206)。
【0107】
クォータ管理部35aは、利用者aがグループAのクォータの譲渡の権限を有していないとS206において判断すると、利用者aがグループAのクォータの譲渡の権限を有していないために譲渡が失敗した旨をチャットボット45aに通知する(S207)。チャットボット45aは、S207の通知を受けると、利用者aがグループAのクォータの譲渡の権限を有していないために譲渡が失敗した旨をチャットによって利用者aに通知する(S208)。
【0108】
図14は、図11における「権限有り」のシーケンス図である。
【0109】
クォータ管理部35aは、利用者aがグループAのクォータの譲渡の権限を有しているとS206において判断すると、図14に示すように、グループAに所属している、利用者aを除く全ての利用者をグループリスト34cに基づいて特定する(S209)。
【0110】
次いで、クォータ管理部35aは、利用者aがグループAのクォータから利用者bに印刷枚数10枚分を譲渡することに対する承諾をS209において特定した利用者のそれぞれから得ることをチャットボット45aに依頼する(S210)。
【0111】
チャットボット45aは、利用者aがグループAのクォータから利用者bに印刷枚数10枚分を譲渡することに対する承諾を、S210において承諾を得ることを依頼された利用者のそれぞれに対してチャットによって要求する(S211)。
【0112】
S211において承諾が要求された利用者は、要求された承諾の可否をチャットによってチャットボット45aに通知する(S212)。
【0113】
チャットボット45aは、S212の通知を受けると、S212の通知内容を印刷制限システム30に通知する(S213)。
【0114】
印刷制限システム30のクォータ管理部35aは、S209において特定した全ての利用者に関してS213における通知を受けると、利用者aがグループAのクォータから利用者bに印刷枚数10枚分を譲渡することに対する承諾を、S209において特定した全ての利用者から得られたか否かを判断する(S214)。
【0115】
クォータ管理部35aは、グループAに所属する少なくとも1人の利用者から承諾が得られなかったとS214において判断すると、グループAに所属する少なくとも1人の利用者から承諾が得られなかったために譲渡が失敗した旨をチャットボット45aに通知する(S215)。チャットボット45aは、S215の通知を受けると、グループAに所属する少なくとも1人の利用者から承諾が得られなかったために譲渡が失敗した旨をチャットによって利用者aに通知する(S216)。
【0116】
クォータ管理部35aは、グループAに所属する全ての利用者から承諾が得られたとS214において判断すると、グループAのクォータを10減らして利用者bのクォータを10増やすようにクォータリスト34fを更新する(S217)。
【0117】
次いで、クォータ管理部35aは、譲渡が成功した旨をチャットボット45aに通知する(S218)。チャットボット45aは、S218の通知を受けると、譲渡が成功した旨をチャットによって利用者aに通知する(S219)。図13に示すメッセージ243は、S219において通知されるメッセージの一例である。
【0118】
なお、クォータ管理部35aは、以上において、利用者aがグループAのクォータの譲渡の権限を有していることがクォータ譲渡権限リスト34eに設定されている場合に、グループAのクォータの譲渡を許可している。しかしながら、グループのクォータの譲渡のための依頼人の条件は、譲渡の権限を有していることがクォータ譲渡権限リスト34eに設定されている者という条件以外の条件でも良い。例えば、クォータ管理部35aは、グループを生成した者から、このグループのクォータの譲渡の依頼があった場合に、この譲渡を許可しても良い。また、クォータ管理部35aは、グループに所属している利用者から、このグループのクォータの譲渡の依頼があった場合に、この譲渡を許可しても良い。
【0119】
また、クォータ管理部35aは、以上において、グループAに所属する全ての利用者から承諾が得られた場合に、グループAのクォータの譲渡を許可している。しかしながら、クォータ管理部35aは、グループのクォータの譲渡のために、このグループに所属する利用者からの承諾を要求しなくても良い。
【0120】
以上においては、グループに所属する利用者がこのグループに所属していない利用者にクォータを譲渡する場合について説明している。しかしながら、グループに所属していない利用者が他の利用者にクォータを譲渡する場合についても同様である。
【0121】
次に、クォータの残量を確認する場合の画像形成システム10の動作について説明する。
【0122】
以下においては、グループAに所属する利用者aがクォータの残量を確認する場合について説明する。
【0123】
図15は、グループAに所属する利用者aがクォータの残量を確認する場合の画像形成システム10の動作のシーケンス図である。
【0124】
図15に示すように、利用者aは、グループAのクォータの残量を確認することをチャットによってチャットボット45aに依頼する(S261)。チャットボット45aは、S261の依頼を受けると、依頼を受け付けたことをチャットによって利用者aに通知する(S262)。
【0125】
図16は、利用者aと、チャットボット45aとのチャットの画面の一例を示す図である。
【0126】
図16において、メッセージ281が、S261において通知されたメッセージであり、メッセージ282が、S262において通知されたメッセージである。
【0127】
図15に示すように、チャットボット45aは、S262の通知をした後、グループAのクォータの残量を印刷制限システム30に問い合わせる(S263)。
【0128】
印刷制限システム30のクォータ管理部35aは、S263の問い合わせを受けると、グループAのクォータの残量をクォータリスト34fに基づいて取得し(S264)、取得した残量をチャットボット45aに通知する(S265)。
【0129】
チャットボット45aは、S265の通知を受けると、S265において通知された残量をチャットによって利用者aに通知する(S266)。図16に示すメッセージ283は、S266において通知されるメッセージの一例である。
【0130】
以上においては、グループのクォータの残量を確認する場合について説明している。しかしながら、グループに所属していない利用者のクォータの残量を確認する場合についても同様である。
【0131】
次に、クォータの残量が0になった場合の画像形成システム10の動作について説明する。
【0132】
以下においては、グループAのクォータの残量が0になった場合について説明する。
【0133】
図17は、グループAのクォータの残量が0になった場合の画像形成システム10の動作のシーケンス図である。
【0134】
図17に示すように、印刷制限システム30のクォータ管理部35aは、グループAのクォータの残量が0になったことを検知すると、グループAに所属している全ての利用者をグループリスト34cに基づいて特定する(S301)。
【0135】
次いで、クォータ管理部35aは、グループAのクォータの残量が0になったことを、S301において特定した利用者のそれぞれに対してチャットによって通知する(S302)。
【0136】
以上においては、グループのクォータの残量が0になった場合について説明している。しかしながら、グループに所属していない利用者のクォータの残量が0になった場合についても同様である。
【0137】
以上においては、クォータの残量が0になった場合について説明している。しかしながら、クォータの残量が0になったこと以外にも、クォータに関する各種の情報をクォータ管理部35aから利用者にチャットによって通知することができる。
【0138】
以上に説明したように、印刷制限システム30は、複数のグループに所属する利用者が画像形成装置によって印刷を実行する場合に、グループに関連するキーワードをグループ毎に示すグループキーワードリスト34dと、印刷の対象の文書から抽出したテキスト、および、この文書のファイル名の少なくとも一方に含まれる単語とに基づいてグループと、文書との関連度を算出し(S183またはS186)、算出した関連度に基づいて、クォータを消費するグループを決定する(S185またはS188)ので、いずれのグループのクォータを消費するかを利用者に指定させる必要が無く、利便性を向上することができる。
【0139】
印刷制限システム30は、グループと、印刷の対象の文書との関連度に基づいて、クォータを消費するグループを決定する(S185またはS188)ので、印刷の対象の文書との関連度が高いグループのクォータを消費する可能性を向上することができ、その結果、適切なグループのクォータを消費する可能性を向上することができる。
【0140】
印刷制限システム30は、今後の特定の期間のクォータの使用量の予測値をグループ毎に算出し(S189)、算出した予測値を現在のクォータから減じた数が最大であるグループを、クォータを消費するグループとして決定する(S190)ので、クォータに余裕があるグループのクォータを消費する可能性を向上することができ、その結果、適切なグループのクォータを消費する可能性を向上することができる。
【0141】
画像形成システム10は、クォータの譲渡の依頼を利用者からチャットによってチャットボット45aが受けた場合(S203)に、受けた依頼の内容をチャットボット45aが印刷制限システム30に通知し(S205)、チャットボット45aから通知された内容でクォータ管理部35aがクォータの譲渡を実行する(S217)ので、クォータの譲渡を利用者がチャットによって管理者を介することなく実行することができ、利便性を向上することができる。
【0142】
画像形成システム10は、クォータの残量の確認の依頼を利用者からチャットによってチャットボット45aが受けた場合(S261)に、クォータの残量をチャットボット45aが印刷制限システム30に問い合わせ(S263)、チャットボット45aから問い合わせを受けたクォータの残量をクォータ管理部35aがチャットボット45aに通知し(S265)、クォータ管理部35aから通知されたクォータの残量をチャットボット45aがチャットによって利用者に通知する(S266)ので、クォータの残量の確認を利用者がチャットによって管理者を介することなく実行することができ、利便性を向上することができる。
【0143】
画像形成システム10は、クォータの利用時の警告など、クォータに関する種々の情報をクォータ管理部35aがチャットによって利用者に通知する(S302)ので、クォータに関する情報の通知を利用者がチャットによって管理者を介することなく受けることができ、利便性を向上することができる。
【符号の説明】
【0144】
10 画像形成システム(印刷制限SNSシステム)
20 画像形成装置
30 印刷制限システム
34a 印刷制限プログラム
34d グループキーワードリスト(グループキーワード情報)
35a クォータ管理部
35b クォータ消費グループ決定部
40 SNSシステム
45a チャットボット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17