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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-28
(45)【発行日】2023-03-08
(54)【発明の名称】金型加熱装置
(51)【国際特許分類】
   B22C 9/06 20060101AFI20230301BHJP
   B29C 33/06 20060101ALI20230301BHJP
   B22D 17/22 20060101ALI20230301BHJP
   B22D 18/04 20060101ALI20230301BHJP
【FI】
B22C9/06 B
B29C33/06
B22D17/22 D
B22D18/04 Q
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2018222680
(22)【出願日】2018-11-28
(65)【公開番号】P2020082158
(43)【公開日】2020-06-04
【審査請求日】2021-11-19
(73)【特許権者】
【識別番号】390018315
【氏名又は名称】メトロ電気工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000213297
【氏名又は名称】中部電力株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100078721
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 喜樹
(74)【代理人】
【識別番号】100124420
【弁理士】
【氏名又は名称】園田 清隆
(72)【発明者】
【氏名】吉原 寛美
(72)【発明者】
【氏名】倉田 征治
(72)【発明者】
【氏名】永松 克明
(72)【発明者】
【氏名】河村 和彦
(72)【発明者】
【氏名】竹内 章浩
(72)【発明者】
【氏名】杉山 公英
【審査官】清水 研吾
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-150790(JP,A)
【文献】特開2012-170976(JP,A)
【文献】特開2003-311750(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B22C
B29C
B22D
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定金型と、前記固定金型に対向する可動金型とを型締めして形成されるキャビティに溶融材料が注入される前に、前記固定金型と前記可動金型との間に配置され、前記固定金型及び前記可動金型を予備加熱する金型加熱装置であって、
前記固定金型側の第1開口部と前記可動金型側の第2開口部とを有する本体枠と、
前記本体枠に支持されており、通電により赤外線を放射する発熱体が管内に封入されている赤外線ヒータと、
を備えており、
前記赤外線ヒータにおける前記赤外線の放射により、前記第1開口部と前記第2開口部とにおいて、前記固定金型及び前記可動金型における製品を形成する箇所である前記キャビティを形成する面を他の部分より高温に加熱するため、端縁の部分より発熱量が大きい中央部を有する発熱面が形成される
ことを特徴とする金型加熱装置。
【請求項2】
前記発熱体は、3本以上並設されており、中央に配置された前記発熱体は、その中央部の発熱量が他の部分より大きいものとされている
ことを特徴とする請求項1に記載の金型加熱装置。
【請求項3】
更に、前記赤外線ヒータを保持するホルダ及びストッパの少なくとも一方を備えており、
前記ホルダ及びストッパの少なくとも一方は、前記本体枠の前記第1開口部及び前記第2開口部の少なくとも一方において止められる
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の金型加熱装置。
【請求項4】
更に、互いに抜き差し可能であるヒータ側コネクタ部と電源側コネクタ部とを有するコネクタを備えており、
前記赤外線ヒータは、前記発熱体と接続されるヒータ導線を有しており、
前記ヒータ側コネクタ部は、前記ヒータ導線に接続されており、
前記電源側コネクタ部は、電源側の導線に接続されている
ことを特徴とする請求項1ないしは請求項3の何れかに記載の金型加熱装置。
【請求項5】
前記赤外線ヒータの前記管の片側部には、前記赤外線の一部を反射する反射膜が形成されている
ことを特徴とする請求項1ないしは請求項4の何れかに記載の金型加熱装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金型を加熱する金型加熱装置に関する。
【背景技術】
【0002】
固定金型と可動金型との間に配置されてこれらを予備加熱する金型加熱装置として、特開2015-150790号公報(特許文献1)及び特開2016-78812号公報(特許文献2)に記載されたものが知られている。
これらの装置では、互いに同一である6本の赤外線ヒータが同方向を向く状態で並べられている。
又、これらの装置では、各赤外線ヒータは、ホルダカバーの下方に配置されており本体側壁において内方に突出した突出片にネジ止めされるホルダと、ストッパカバーの下方に配置されており本体内壁に同様にネジ止めされるストッパとにより、本体内に保持されている。
更に、特開2016-78812号公報の金型加熱装置では、本体から延びており赤外線ヒータの電力線と外部電源に接続される電力線とが通される筒状部材の中央部に、これらの電力線同士を接続する端子台を収めた端子箱が設けられており、当該端子箱の端子台に各赤外線ヒータの電線が直接接続される。
加えて、これらの装置では、各赤外線ヒータは、不活性ガスを封入した石英ガラス管内に所定形状の炭素質発熱体を配置して形成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-150790号公報
【文献】特開2016-78812号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の金型加熱装置では、発熱量が同一である赤外線ヒータが6本並べられているため、製品を成形する箇所であるキャビティが配置される金型の中央部、及び金型の端縁の双方が同様に加熱されることとなり、金型の効率的な加熱について向上の余地がある。
又、上記の金型加熱装置では、各赤外線ヒータを保持するホルダ及びストッパが本体側壁の突出片にネジ止めされているので、比較的に面積が狭く又金型からの輻射熱を受け易いために熱を保持し易い本体側壁が熱変形したり、本体側壁の突出片におけるネジが熱により溶けて固着したりする可能性がある。
更に、上記の金型加熱装置では、筒状部材中央部の端子台に赤外線ヒータの電力線が直接接続されるため、赤外線ヒータを交換する際、電線を端子台から外したうえで本体及び筒状部材において取り回さなければならず、赤外線ヒータの交換に手間がかかる。
加えて、上記の金型加熱装置では、赤外線ヒータは、所定の態様で形成されているため、1本当たりの発熱量及び金型の予備加熱に適した発熱態様について向上する余地があるものとなっている。
【0005】
そこで、本発明の主な目的は、金型をより効率的に加熱可能である金型加熱装置を提供することである。
又、本発明の別の主な目的は、本体側壁等の熱変形の発生、及び各赤外線ヒータを保持するホルダ及びストッパのネジの固着の発生が防止される金型加熱装置を提供することである。
更に、本発明の別の主な目的は、赤外線ヒータが交換し易い金型加熱装置を提供することである。
加えて、本発明の別の主な目的は、1本当たりの発熱量がより大きく、又金型の予備加熱に一層適した発熱態様が実現され、加熱量を維持しながら赤外線ヒータの本数を減少し得る金型加熱装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、金型加熱装置において、固定金型と、前記固定金型に対向する可動金型とを型締めして形成されるキャビティに溶融材料が注入される前に、前記固定金型と前記可動金型との間に配置され、前記固定金型及び前記可動金型を予備加熱する金型加熱装置であって、前記固定金型側の第1開口部と前記可動金型側の第2開口部とを有する本体枠と、前記本体枠に支持されており、通電により赤外線を放射する発熱体が管内に封入されている赤外線ヒータと、を備えており、前記赤外線ヒータにおける前記赤外線の放射により、前記第1開口部と前記第2開口部とにおいて、前記固定金型及び前記可動金型における製品を形成する箇所である前記キャビティを形成する面を他の部分より高温に加熱するため、端縁の部分より発熱量が大きい中央部を有する発熱面が形成されることを特徴とするものである。
請求項2に記載の発明は、上記発明において、前記発熱体は、3本以上並設されており、中央に配置された前記発熱体は、その中央部の発熱量が他の部分より大きいものとされていることを特徴とするものである。
請求項3に記載の発明は、上記発明において、更に、前記赤外線ヒータを保持するホルダ及びストッパの少なくとも一方を備えており、前記ホルダ及びストッパの少なくとも一方は、前記本体枠の前記第1開口部及び前記第2開口部の少なくとも一方において止められることを特徴とするものである。
請求項4に記載の発明は、上記発明において、更に、互いに抜き差し可能であるヒータ側コネクタ部と電源側コネクタ部とを有するコネクタを備えており、前記赤外線ヒータは、前記発熱体と接続されるヒータ導線を有しており、前記ヒータ側コネクタ部は、前記ヒータ導線に接続されており、前記電源側コネクタ部は、電源側の導線に接続されていることを特徴とするものである。
請求項5に記載の発明は、上記発明において、前記赤外線ヒータの前記管の片側部には、前記赤外線の一部を反射する反射膜が形成されていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明の主な効果は、金型をより効率的に加熱可能である金型加熱装置が提供されることである。
又、本発明の別の主な効果は、本体側壁等の熱変形の発生、及び各赤外線ヒータを保持するホルダ及びストッパのネジの固着の発生が防止される金型加熱装置が提供されることである。
更に、本発明の別の主な効果は、赤外線ヒータが交換し易い金型加熱装置が提供されることである。
加えて、本発明の別の主な効果は、1本当たりの発熱量がより大きく、又金型の予備加熱に一層適した発熱態様が実現され、加熱量を維持しながら赤外線ヒータの本数を減少し得る金型加熱装置が提供されることである。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明に係る金型加熱装置の上面図である。
図2図1のA-A線断面図である。
図3図1における本体部後部及び把手部前部の一部開蓋拡大図である。
図4図3においてストッパを着け各コネクタを外した状態の図である。
図5図4のB-B線断面図である。
図6図4のC部に係る斜視図である。
図7図1の赤外線ヒータの(a)下面図,(b)左側面図,(c)(b)のD-D線断面図である。
図8図1の金型加熱装置によって予備加熱される鋳造機の金型付近の模式図である。
図9】模擬金型加熱試験における、加熱時間と、(a)下型,(b)上型に係る金型温度との関係が示されるグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係る実施の形態の例が、その変更例と共に、適宜図面に基づいて説明される。
尚、当該形態は、下記の例及び変更例に限定されない。
【0010】
[構成等]
図1は、本発明に係る金型加熱装置1の上面図である。図2は、図1のA-A線断面図である。尚、図1における上が金型加熱装置1の右であり、左が金型加熱装置1の前である。又、図2における上が金型加熱装置1の上であり、左が金型加熱装置1の前である。かような金型加熱装置1の方向は、説明の便宜上定められたものであり、各種の部材又は部分の移動及び設置の態様等により、変化することがある。
金型加熱装置1は、本体部2と、本体部2の後端部から後方に延びる箱付き円筒状の把手部4と、を有する。
【0011】
本体部2は、本体枠10と、複数(2本)の赤外線ヒータ12Aと、複数(2本)の赤外線ヒータ12Bと、各赤外線ヒータ12A,12Bを保持する前後一対のホルダ14と、後のホルダ14の後側に配置されるストッパ16と、ストッパ16の後側に配置される複数(4個)のコネクタ18及び1枚のコネクタカバー20と、これらの後側であって本体部2の後端に配置される後カバー22と、を有する。
【0012】
図3は、図1における本体部2後部及び把手部4前部(ストッパ16及びコネクタカバー20を外した状態)の一部開蓋拡大図である。図4は、図3においてストッパ16を着け各コネクタ18を外した状態の図である。図5は、図4のB-B線断面図である。図6は、図4のC部に係る斜視図である。
本体枠10は、金属(ステンレススチールSUS310S)製であり、左右の側部10bと、それらの下壁部間に渡された梁部10aと、本体枠10の後部において左右の側部10bの下壁部間に渡された底板10cと、を有する枠状に形成されている。
各側部10bは、前後が開放された角筒状である。梁部10aは、左右に延びる棒状である。
ここでは、本体枠10の前後方向の長さは690mm(ミリメートル)、左右方向の長さは276mmとされる。又、各側部10bの上下方向の高さは56mm、左右方向の幅は20mm、板厚は1.5mmとされている。
【0013】
本体枠10は、左右の側部10b(及び前後のホルダ14)に囲まれた、下部における第1開口部Odと、上部における第2開口部Ouとを有している。
各側部10bの左右外面の中央部には、前後及び下方に広がる側板26がネジ止めされている。尚、側板26は、上方あるいは上方及び下方に広がっていても良く、又本体枠10の前後の少なくとも一方に設けられていても良い。
各側部10bの前後(本体枠10下部の四隅)には、それぞれ上下に延びており上部外面にネジ溝(図示略)を有している脚28が入れられている。各脚28は、ネジ溝を側部10b下壁部のネジ孔(図示略)に対して進めることで伸縮可能である。
尚、本体枠10の材質、形状及び各種の寸法の少なくとも何れかは、上記のものから変更されても良い。又、各脚28は、ネジ溝以外の構造により伸縮可能とされても良い。
【0014】
図7は、赤外線ヒータ12Bの(a)下面図,(b)左側面図,(c)(b)のD-D線断面図である。
各赤外線ヒータ12A,12Bは、本体枠10内において、前後方向に延び、左右に並ぶように設けられる。各赤外線ヒータ12Aは、左右方向の中央側に配置され、各赤外線ヒータ12Bは、左右方向の両外側に配置される。
各赤外線ヒータ12Aと各赤外線ヒータ12Bは、一部を除いて互いに同様に成る。以下、まず各赤外線ヒータ12Bが説明される。
【0015】
各赤外線ヒータ12Bは、不活性ガス(例えばアルゴンガス)が封入される円筒状の石英ガラス管30と、その中に配置される左右一対の炭素質発熱体32B(発熱体)と、石英ガラス管30の後端部に設けられる口金34と、各炭素質発熱体32Bから口金34内へ延びる内部導線36と、各内部導線36と口金34内で電気的に接続されており口金34から後方に延びる一対のヒータ導線38と、を有する。
石英ガラス管30は、比較的に大径とされており、ここでは直径34mmとされている。石英ガラス管30の上半部には、反射膜39が形成されている。尚、反射膜39は、石英ガラス管30の上端部のみに形成されていても良いし、金型の配置によっては左半部あるいは左端部等に形成されていても良く、これらを総合して、本発明では反射膜39が石英ガラス管30の「片側部」に形成されているものとされる。
反射膜39は、各炭素質発熱体32Bが放射する赤外線の一部を反射する膜である。反射されなかった(又ごく僅かである吸収もされなかった)赤外線は、反射膜39を透過して外方に至る。反射膜39は、例えば塗料の塗布により形成される。当該塗料として、例えばアルミナ系セラミックス塗料及びジルコニア系セラミックス塗料の少なくとも一方が用いられる。又、反射膜39は、アルミを始めとする金属の蒸着により形成されても良いし、金属のメッキにより形成されても良い。反射膜39は、石英ガラス管30の内面及び外面の少なくとも一方に形成されても良い。
各炭素質発熱体32Bは、石英ガラス管30と同様な長さを有しており、炭素質板の端部を除く全体において左右両側から等間隔で交互に同じ長さのスリットが入れられて、蛇行する形状となっている。一対の炭素質発熱体32Bは、それぞれ水平な姿勢となり、又蛇行形状が線対称となる状態で、左右に並べられている。一対の炭素質発熱体32Bは、図示されない前端側の内部導線により、直列に接続される。尚、ここでは各赤外線ヒータ12Bの全長(石英ガラス管30前端から口金34後端までの長さ)は560mmであり、蛇行形状部(発熱部)の長さ(発光長)は400mmであり、蛇行形状部前端から石英ガラス管30前端までの長さは60mmであり、蛇行形状部後端から口金34後端までの長さは100mmである。
【0016】
各赤外線ヒータ12Aは、各炭素質発熱体32Bが各炭素質発熱体32A(発熱体)に代わることを除き、各赤外線ヒータ12Bと同様に成る。各炭素質発熱体32Aは、石英ガラス管30と同様な長さを有しており、炭素質板の端縁部を除く中央部32cにおいて、各炭素質発熱体32Bと同様に蛇行する形状となっている。又、各炭素質発熱体32Aは、その中央部32cの前後両側(各端縁部32e)において、左右両側から等間隔で交互に中央部より短い長さのスリットが入れられて、中央部より太い(面積の広い)状態で蛇行するようになっている。
各赤外線ヒータ12Aは、各赤外線ヒータ12Bと同じ電力で駆動される場合、各炭素質発熱体32Aにおける前後の端縁部32eにおいて比較的に電気抵抗が少なく、その分中央部32cにおいて高いエネルギー即ち高い発熱量で赤外線を発生し、赤外線ヒータ12Bの炭素質発熱体32Bより高い発熱量で赤外線を発生する。又、各炭素質発熱体32Aの端縁部32eにおいても、比較的に低いエネルギー(発熱量)ではあるものの、赤外線を放射する。即ち、各赤外線ヒータ12Aの発熱量は、端縁部32eより中央部32cにおいて大きくなっている。
【0017】
そして、中央の赤外線ヒータ12A及び縁の赤外線ヒータ12Bにより、本体枠10の第1開口部Odにおいて、各赤外線ヒータ12Aの炭素質発熱体32A(合計4本)の中央部32cによる発熱量が比較的に大きい部分と、その周りである各赤外線ヒータ12Aの炭素質発熱体32Aの各端縁部32e及び赤外線ヒータ12Bの炭素質発熱体32Bによる発熱量が比較的に小さい部分とを有する発熱面が形成される。
又、中央の赤外線ヒータ12A及び縁の赤外線ヒータ12Bにより、本体枠10の第2開口部Ouにおいて、同様に中央部32cの発熱量がその周りに比べて大きい発熱面が形成される。
尚、赤外線ヒータ12A,12Bの少なくとも一方の数は様々に変更可能であり、例えばそれぞれ3本ずつあるいはそれ以上のそれぞれ同数とされても良いし、赤外線ヒータ12Aが1本でその両隣に赤外線ヒータ12Bに1本ずつ配置されても良いし、赤外線ヒータ12Aが3本でその両隣に赤外線ヒータ12Bに2本ずつ配置されても良い。又、各赤外線ヒータ12A,12Bの各種部分における材質、形状及び数の少なくとも何れかは、適宜変更可能であり、例えば石英ガラス管30は石英ガラス以外の赤外線を透過する耐熱性の材質であっても良いし、炭素質以外の赤外線を放射する材質の発熱体が用いられても良いし、炭素質発熱体32A,32Bの少なくとも一方の形状はスリットの交互配置以外により形成されても良いし、炭素質発熱体32A,32Bの少なくとも一方は、炭素質発熱体32A,32B1本毎に1個あるいは3個以上とされても良いし、ヒータ導線38は、炭素質発熱体32A,32B1本毎に1本あるいは3本以上とされても良い。
【0018】
各ホルダ14は、前後で同様に成る。以下、図4~6で表れている後のホルダ14が説明される。
ホルダ14は、金属製であり筒状に折り曲げられた板状であるホルダ枠50と、ホルダ枠50に対しそれぞれネジ52で固定される複数(4個)の金属製の小枠54と、を有する。
ホルダ枠50の上壁部50uの左右両側はネジ止め片50aとして左右方向外方に突出している。各ホルダ枠50は、ネジ止め片50aが本体枠10における対応する側部10bの上壁部の上側に載せられた状態で上下方向のネジ56が通されることで、本体枠10に固定される。即ち、ホルダ14は、本体枠10の第2開口部Ouにおいて止められる。尚、ホルダ14は、本体枠10の第1開口部Od(側部10bの下壁部)において止められても良く、あるいは第1開口部Od及び第2開口部Ouの双方に止められても良い。
上壁部50uは、前後方向に延びる複数の放熱孔を有している。
ホルダ枠50の前壁部は、上下に分かれている。上前壁部50bの下辺は、上方へ半円状に凹む複数(4箇所)の上切り欠き部を、左右方向において等間隔で並ぶ状態で有している。下前壁部50cの上辺は、上前壁部50bと対応するように、下方へ半円状に凹む複数(4箇所)の下切り欠き部を有している。互いに向かい合った上切り欠き部と下切り欠き部との間には、各赤外線ヒータ12A,12Bが通過している。又、ホルダ枠50の後壁部50dには、各赤外線ヒータ12A,12Bが通過する図示されない孔が形成されている。
各小枠54は、各赤外線ヒータ12A,12Bの石英ガラス管30の外径と同径であるリング状部と、その上部から上方に延びており前後及び下に開放した折り板状の連結部とを有しており、連結部の上壁部がホルダ枠50の上壁部50uの下側に接した状態でネジ52が通されることで、ホルダ枠50に固定される。各小枠54のリング状部には、対応する赤外線ヒータ12A,12Bの石英ガラス管30が接触して対応する赤外線ヒータ12A,12Bが通されており、各小枠54によって対応する赤外線ヒータ12A,12Bが吊り下げられる。
【0019】
ストッパ16は、金属製であり、左右及び下に開放した折り板状の板状である。ストッパ16の上壁部16uの左右両側はネジ止め片16aとして左右方向外方に突出している。ストッパ16は、ホルダ枠50と同様にネジ止め片16aが本体枠10の側部10bの上側に載せられた状態で上下方向のネジ60が通されることで、本体枠10に固定される。上壁部16uは、前後方向に延びる複数の放熱孔を有している。
ストッパ16における前壁部16bの下端部と後壁部16cの下端部とで、各赤外線ヒータ12A,12Bの口金34の上部が挟まれており、ストッパ16は、各赤外線ヒータ12A,12Bを保持して、特に前後に移動しないように止めている。
尚、ストッパ16は、省略されても良い。
【0020】
各コネクタ18は、ヒータ側コネクタ部18Hと電源側コネクタ部18Pとを有している。ヒータ側コネクタ部18Hと電源側コネクタ部18Pとは、互いに差し込むだけで電気的及び機械的に接続され、接続状態から爪を持ち上げて互いに離れるように引っ張ることで、再接続可能に電気的及び機械的に抜き出される。
各コネクタ18は、本体枠10の後部に設けられた底板10cの後部に、台62を介して取り付けられる。本体枠10は、各赤外線ヒータ12A,12Bの口金34の後側において、各コネクタ18を配置するための空間、即ちメンテナンスボックス部Mを有している。
各コネクタ18は、350℃にも耐えられる耐熱性である。
各ヒータ側コネクタ部18Hは、一対のヒータ導線38と接続されている。各電源側コネクタ部18Pは、電源側となる一対の中間導線68と接続されている。
尚、各コネクタ18は、様々に変更可能であり、例えば爪以外により接続されるものであっても良い。
【0021】
コネクタカバー20は、金属製であって板状であり、ホルダ枠50及びストッパ16と同様に、ネジ70によって本体枠10に固定されている。
コネクタカバー20は、ホルダ枠50及びストッパ16と同様に、複数の放熱孔を有している。
コネクタカバー20は、各コネクタ18の上方を覆っている。
コネクタカバー20は、本体枠10の底板10cに対向している。
【0022】
後カバー22は、金属製であって板状であり、左端部の上下と右端部の上下とにおいて、本体枠10における左右の側部10bの各上下の壁部と接触している。そして、それぞれの当該接触部分に対して上下方向のネジ72が通されることで、後カバー22が本体枠10に固定される。
尚、各ホルダ14、ストッパ16、コネクタカバー20、及び後カバー22のうちの少なくとも何れかは様々に変更されても良い。例えば、これらのうちの少なくとも何れかは、耐熱樹脂製とされても良く、放熱孔を備えていなくても良い。ホルダ14が一方のみあるいは3個以上設けられても良いし、ストッパ16が2個以上設けられても良い。これらのうちの少なくとも何れかが一体化されても良い。
【0023】
把手部4は、前筒部80と、前筒部80と同径である後筒部82と、これらの間に配置されており端子台81(図2)を収容している端子箱84と、を有する。
【0024】
前筒部80の前端部は、後カバー22に固定され、本体枠10とつながっている。
前筒部80の後端部は、端子箱84の前壁部に固定され、端子箱84とつながっている。
前筒部80内には、各中間導線68(4対で合計8本)が通されている。各中間導線68は、端子台81に電気的に接続される。又、端子台81には、電源導線90が電気的に接続されている。電源導線90は、ここでは4芯1本のケーブルであり、当該芯は、図示されない電源における三相交流の各相に係る3個の芯、及びアースに係る1個の芯である。電源導線90の各芯は、端子台81を介して、各中間導線68の何れかに適切に接続され、各コネクタ18及び各ヒータ導線38を経て、各赤外線ヒータ12A,12B(各炭素質発熱体32A,32B)に電気的に接続される。電源から各赤外線ヒータ12A,12Bへの電力は、図示されない制御手段(例えば電源のマイクロコンピュータ)によって制御可能である。
【0025】
後筒部82の前端部は、端子箱84の後壁部に固定され、端子箱84とつながっている。
後筒部82内には、電源導線90の前端部が通されている。電源導線90の大部分(前端部以外)は、後筒部82の後端から露出して後方に延びる。
尚、把手部4は、様々に変更可能であり、例えば後筒部82が省略されても良い。
【0026】
以下、このような金型加熱装置1の動作例が説明される。
図8は、金型加熱装置1によって予備加熱される鋳造機100の金型102付近の模式図である。
金型加熱装置1は、所定の製品を得る鋳造機100の金型102を、連続鋳造の開始直後から良好な製品を得るために、初回の溶融金属の注入前に予備加熱する。
鋳造機100は、固定金型としての金属製の下型104と、下型104に対向する可動金型としての金属製の上型106と、下型104の上方に位置する上型106を上下方向に昇降させる昇降装置108と、を有する。金型102は、下型104及び上型106を有する。下型104の上部には、下キャビティ104aが形成されており、上型106の下部には、上キャビティ106aが形成されている。上型106は、昇降装置108によって、下型104に接近して接触可能であり、又下型104から離れることも可能である。上型106と下型104が接触して型締めされると、下キャビティ104a及び上キャビティ106aによって、製品の形状に対応する空間であるキャビティが形成される。
又、下型104の下方には、溶融金属が貯留される溶融金属釜(図示略)と接続された釜接続口110が配置されている。下型104は、下キャビティ104aの底部において、釜接続口110と連通する複数の溶融金属注入口104bを有している。
鋳造機100では、下型104及び上型106の型締め後、溶融金属注入口104bからキャビティ内に圧力をかけた溶融金属が注入され、注入された溶融金属が固化されて、金属製品が鋳造される。金属製品として、例えばアルミニウム(合金を含む)製のエンジンの部品が挙げられる。
【0027】
かような鋳造機100における鋳造の前(連続鋳造における最初の溶融金属の注入前)に、以下に説明されるようにして、金型加熱装置1は下型104及び上型106を予備加熱する。かような予備加熱により、キャビティ内部での溶融金属の流動性が高まり、キャビティ内部への溶融金属の充填不足が防止され、製品の成形不良が防止される。
【0028】
即ち、予め、ユーザは、昇降装置108により、上型106を下型104から所定距離だけ離れた状態で固定させる。
そして、ユーザは、前筒部80及び後筒部82を持って、金型加熱装置1を下型104の上に載せる。このとき、側板26が各赤外線ヒータ12A,12Bの両側から下型104の両側にかけて広がり、各赤外線ヒータ12A,12Bと下型104との間の空間を覆う。又、脚28が下型104の上に載ることにより、金型加熱装置1が下型104上に支持され、脚28が伸縮可能であることから、様々な形状の下型104に対し各赤外線ヒータ12A,12Bが平行(最も効率良く加熱可能な姿勢)になるように、金型加熱装置1が安定して支持される。ユーザは、金型加熱装置1を下型104の上に載せた後、金型加熱装置1から手を離す。
次に、ユーザは、昇降装置108により、上型106を金型加熱装置1に接近させ、下型104と上型106との間に金型加熱装置1を配置する。このとき、各赤外線ヒータ12A,12Bの上部は上型106に対向し、各赤外線ヒータ12A,12Bの下部は下型104に対向する。
【0029】
続いて、ユーザは、金型加熱装置1の電源導線90を電源に接続する。すると、各赤外線ヒータ12A,12Bの各炭素質発熱体32A,32Bに電流が供給され、各炭素質発熱体32A,32Bが赤熱して赤外線を放射する。放射された赤外線のうち下方に向かうものは、下型104に達して下型104を輻射熱により加熱する。他方、放射された赤外線のうち上方に向かうものの一部は、石英ガラス管30の反射膜39により反射され、下方に向かうこととなる。特に下方に向かう赤外線は、各側板26により、下型104の外方に進行しないようにされ、下型104に集中するようにされる。又、赤外線のうち上方に向かうものの残余の部分は、(僅かな吸収を無視すれば)反射膜39を透過し、そのまま上方に進んで上型106に達して上型106を輻射熱により加熱する。よって、上方への赤外線Iuのエネルギーに比べ、下方への赤外線Idのエネルギーが大きくなり、溶融金属注入口104bが存在する下型104が十分に予備加熱されることとなる。尚、上型106は下型104からの対流による熱によっても加熱されるため、下型104をより高エネルギーで加熱することで、金型102の効率良い加熱が実現される。
又、各赤外線ヒータ12A(中央部32c)の配置により、各炭素質発熱体32A,32Bにより形成される加熱面が、上から(下から)みた場合、中央部において、他の部分より高い発熱量で赤外線が放射されて、より高温となっている。よって、下型104及び上型106における製品を形成する箇所であるキャビティ内面を他の部分より高温に加熱して、予備加熱後の鋳造時における溶融金属の流動性を効率的に高めることができ、キャビティ内部への溶融金属の充填不足が防止され、製品の成形不良が防止できる。
【0030】
このような予備加熱によって、下型104及び上型106の温度が所定の温度以上に昇温された時には、ユーザは、昇降装置108により上型106を下型104から所定距離だけ離れた状態で固定し、把手部4を把持して金型加熱装置1を下型104及び上型106の間から取り出す。そして、ユーザは、予備加熱された金型102を用いて連続鋳造を行う。
【0031】
又、何れかの各赤外線ヒータ12A,12Bにおける炭素質発熱体32A,32Bが断線した場合等において、当該赤外線ヒータ12A,12Bを交換する場合、ユーザは、コネクタカバー20を外した後、対応するヒータ側コネクタ部18Hを外して当該赤外線ヒータ12A,12Bを抜き出し、対応する新しい赤外線ヒータ12A,12Bを取り付けてそのヒータ側コネクタ部18Hを電源側コネクタ部18Pに差し込み、コネクタカバー20を取り付ければ良い。よって、ユーザは、従来のように、端子台81から赤外線ヒータの導線を外し、前筒部80から当該導線を引き抜き、赤外線ヒータを交換して新しい導線を前筒部80に入れていき、端子台81の対応する端子に接続する手間を掛ける必要がなく、メンテナンスボックス部Mにアクセスしてコネクタ18を着け外しするだけで赤外線ヒータ12A,12Bを交換することができる。又、コネクタ18は耐熱性であるから、メンテナンスボックス部Mに配置されて赤外線ヒータ12A,12B及び金型102から熱を受けたとしても確実に接続を維持する。尚、コネクタ18は、コネクタカバー20及び底板10cによっても熱等から保護される。
【0032】
かような金型加熱装置1のより具体的な作用効果を調べるため、金型加熱装置1に係る実施例1,2及び金型加熱装置1とは異なる比較例1によって模擬金型を加熱する試験が行われた。
実施例1は、上述において例示された各赤外線ヒータ12A,12Bの本数及び寸法を有する金型加熱装置1であり、石英ガラス管30上半部の反射膜39は、アルミナ系セラミックス塗料が石英ガラス管30の外面に塗布されることにより形成されている。各赤外線ヒータ12A,12Bの1本当たりの定格出力は、4kW(キロワット)である。
実施例2は、反射膜39が全て省略されたことを除き、実施例1と同様に成る。
比較例1は、特開2016-78812号公報(上記特許文献1)に記載のものと同様であり、赤外線ヒータ12Bと同様に全体的に同様に発熱する赤外線ヒータ(定格出力3kW)が6本設けられたものである。比較例1における赤外線ヒータは、何れも反射膜を備えていない。尚、比較例1の本体における側板の肉厚は、1.0mmである。
そして、これら全てについて、下型が平金型で上型が凹凸金型である同じ模擬金型を、室温から180分間程度加熱した。これらは、何れも、下型との間隔が50mmで上型との間隔が100mm程度であるように設置された。かような加熱において、下型の上面から2mm下方の部分の温度変化と、上型の被加熱面から2mm上方の部分の温度変化とが、それぞれの部分に配置された温度センサにより測定された。
【0033】
図9(a)は、当該試験における加熱時間(加熱開始からの経過時間,分)と下型に係る金型温度(℃)との関係が示されるグラフであり、図9(b)は、当該試験における加熱時間(分)と上型に係る金型温度(℃)との関係が示されるグラフである。
比較例1の出力は、3kWの赤外線ヒータ(石英ガラス管の直径28mm)が6本配置され、合計18kWとなっており、実施例1,2における4kW4本の総合出力16kWを上回っている。よって、特に上型(図9(b))では、比較例1の加熱温度は、実施例1,2を、何れの加熱時間においても順に170℃,80℃程度上回っている。尚、実施例1,2における各赤外線ヒータ12A,12Bの1本当たりの出力(4kW)は、比較例1の同出力(3kW)を上回っているところ、実施例1,2における石英ガラス管30の直径は34mmと比較例1に対して大径化されており、その分冷却効率が向上して、1本当たりの出力が増しても耐久性が確保される。
他方、下型(図9(a))では、反射膜39を有する実施例1が、総合出力で劣るにもかかわらず比較例1と同等な加熱温度を呈している。即ち、実施例1では、赤外線ヒータ12A,12Bの本数が比較例1に対して2本減少しているにもかかわらず、下型について比較例1と同等な加熱を行える。このように同等な加熱温度となることについては、反射膜39により下方への赤外線Idが増加したことが要因の一つとなっているものと考えられる。実際の金型の予備加熱では、上述の金型102の場合のように、溶融金属注入口104bを有する下型104の加熱温度が十分確保されることが肝要であり、実施例1では比較例1より赤外線ヒータの本数が減少したにもかかわらず比較例1と同様の下型に対する予備加熱が提供される。
実施例2では、下型の加熱温度は実施例1及び比較例1より100℃程度低いものの、上型の加熱温度は実施例1より90℃程度高くなっており、金型及び成形の少なくとも一方の種類によっては有用となる。
【0034】
かような金型加熱装置1は、次のような作用効果を奏する。
即ち、金型加熱装置1は、下型104と、下型104に対向する上型106とを型締めして形成されるキャビティに溶融金属が注入される前に、下型104と上型106との間に配置され、下型104及び上型106を予備加熱するものであって、下型104側の第1開口部Odと上型106側の第2開口部Ouとを有する本体枠10と、本体枠10に支持されており、通電により赤外線を放射する炭素質発熱体32A,32Bが石英ガラス管30内に封入されている赤外線ヒータ12A,12Bと、を備えており、赤外線ヒータ12A,12Bにおける赤外線の放射により、第1開口部Odと第2開口部Ouとにおいて、端縁の部分より発熱量が大きい中央部を有する発熱面が形成される。よって、金型加熱装置1により、予備加熱後の鋳造時における金型102のキャビティ内での溶融金属の流動性が効率的に高められ、鋳造当初から良品が製造されて、製品不良率の低減が図られる。
又、炭素質発熱体32A,32Bは、8本(4組)並設されており、中央(2組4本)に配置された炭素質発熱体32Aは、その中央部32cの発熱量が他の部分より大きいものとされている。よって、金型102のキャビティ内での溶融金属の流動性が効率的に高められ、製品不良率が低減された金型加熱装置1がシンプルに形成される。
更に、赤外線ヒータ12A,12Bを保持するホルダ14及びストッパ16を備えており、ホルダ14及びストッパ16は、本体枠10の第2開口部Odにおいて止められる。よって、金型102の輻射熱により比較的に高熱となり易い本体枠10の側部ではなく、比較的に高熱となり難い部分に対してホルダ14及びストッパ16が固定され、ネジ等の固着によりホルダ14及びストッパ16が取り外し難くなる事態が防止される。
又更に、互いに抜き差し可能であるヒータ側コネクタ部18Hと電源側コネクタ部18Pとを有するコネクタ18を備えており、赤外線ヒータ12A,12Bは、炭素質発熱体32A,32Bと接続されるヒータ導線38を有しており、ヒータ側コネクタ部18Hは、ヒータ導線38に接続されており、電源側コネクタ部18Pは、電源側の中間導線68に接続されている。よって、赤外線ヒータ12A,12Bの交換がより容易になり、メンテナンスが一層簡素化されてより短時間で確実に完了可能となる。
加えて、赤外線ヒータ12A,12Bの石英ガラス管30の片側部には、赤外線の一部を反射する反射膜39が形成されている。よって、下型104及び上型106の性質に応じた加熱状況が実現され、赤外線ヒータ12A,12Bの本数の減少といった一層効率的な加熱が実現される。
【0035】
尚、本発明は、更に次の変更例を適宜有する。
本体枠10における第1開口部Od及び第2開口部Ouの少なくとも一方は、矩形以外の形状であっても良く、前後のホルダ14の少なくとも一方を含まずに形成されても良い。
上キャビティ106aが省略され、下キャビティ104aのみによって金型102のキャビティが形成されても良い。
固定金型と可動金型とが左右に配置され、可動金型が左右方向で移動可能とされても良い。
溶融材料として溶融金属に代えて溶融樹脂が用いられ、鋳造に代えて樹脂製品の成形が行われても良い。
【符号の説明】
【0036】
1・・金型加熱装置、10・・本体枠、12A,12B・・赤外線ヒータ、14・・ホルダ、18・・コネクタ、18H・・ヒータ側コネクタ部、18P・・電源側コネクタ部、30・・石英ガラス管(管)、32A,32B・・炭素質発熱体(発熱体)、32c・・(炭素質発熱体の)中央部、38・・ヒータ導線、38・・反射膜、68・・中間導線(電源側の導線)、102・・金型、104・・下型(固定金型)、106・・上型(可動金型)、Od・・(本体枠の)第1開口部、Ou・・(本体枠の)第2開口部。
図1
図2
図3
図4
図5
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図7
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図9