IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エーテーハー・チューリッヒの特許一覧 ▶ ユニベアズィテート チューリッヒの特許一覧

特許7235248組織工学及び外科的応用のための整列多孔質繊維状足場
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-28
(45)【発行日】2023-03-08
(54)【発明の名称】組織工学及び外科的応用のための整列多孔質繊維状足場
(51)【国際特許分類】
   A61L 27/40 20060101AFI20230301BHJP
   A61L 27/14 20060101ALI20230301BHJP
   A61L 27/58 20060101ALI20230301BHJP
   A61L 27/34 20060101ALI20230301BHJP
   A61L 27/18 20060101ALI20230301BHJP
   A61L 27/16 20060101ALI20230301BHJP
   A61L 27/38 20060101ALI20230301BHJP
   D06M 15/507 20060101ALI20230301BHJP
   D06M 15/564 20060101ALI20230301BHJP
   D06M 15/61 20060101ALI20230301BHJP
   D06M 15/513 20060101ALI20230301BHJP
   D06M 15/53 20060101ALI20230301BHJP
   D06M 15/263 20060101ALI20230301BHJP
   D06M 15/356 20060101ALI20230301BHJP
   D06M 15/233 20060101ALI20230301BHJP
【FI】
A61L27/40
A61L27/14
A61L27/58
A61L27/34
A61L27/18
A61L27/16
A61L27/38
D06M15/507
D06M15/564
D06M15/61
D06M15/513
D06M15/53
D06M15/263
D06M15/356
D06M15/233
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2019545851
(86)(22)【出願日】2017-10-27
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-01-23
(86)【国際出願番号】 EP2017077700
(87)【国際公開番号】W WO2018083047
(87)【国際公開日】2018-05-11
【審査請求日】2020-08-06
(31)【優先権主張番号】16197169.2
(32)【優先日】2016-11-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】508139000
【氏名又は名称】エーテーハー・チューリッヒ
【氏名又は名称原語表記】ETH Zurich
(73)【特許権者】
【識別番号】519154128
【氏名又は名称】ユニベアズィテート チューリッヒ
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ホールシュトルプ、シモン フィリップ
(72)【発明者】
【氏名】ホッセイニ、セイエドバーヒド
(72)【発明者】
【氏名】ボーゲル、ビオラ
【審査官】福山 則明
(56)【参考文献】
【文献】特表2001-527101(JP,A)
【文献】特表2002-539854(JP,A)
【文献】特表2009-524507(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61L 27/00-27/60
D06M 15/00-15/715
C12M 1/00- 3/10
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリマー足場を調製するための方法であって、
a.第1のポリマーのフィラメントを含む布地片を提供するステップ、ここで前記第1のポリマーは生分解性又は生体適合性であり、前記片は長手方向伸長軸によって特徴付けられる;
b.コーティングステップにおいて、前記フィラメントに第2のポリマーのコーティングを施すステップ、ここで前記第2のポリマーは、前記第1のポリマーの融点より低いガラス転移温度によって特徴付けられる;
c.前記片をその長手方向の伸長軸に沿って延伸し、それによって、整列した繊維状足場を得るステップ
を含む、上記方法。
【請求項2】
前記布地片が不織布メッシュである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記布地片がフェルト様布地である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
ステップcにおいて、前記布地片がその長手方向伸長軸に沿って175%を超えて延伸される、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
‐ステップcで延伸する前に、前記布地片は、前記フィラメントの第1の整列指数iA1によって特徴付けられ、
‐ステップcで延伸した後、前記整列した繊維状足場は、第2の整列指数iA2によって特徴付けられ、
‐前記第1の整列指数に対する前記第2の整列指数の比iA2/iA1は、2以上である、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
‐iA1の値が≦30%である、及び/又は
‐iA2の値が≧70%である、及び/又は
‐比iA2/iA1の値は≧2である、
請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記第1及び第2のポリマーがそれぞれガラス転移温度Tg及び融解温度Tmを特徴とし、ステップc.が、
‐第1のポリマーと第2のポリマーの両方のTgより高く、
‐第1のポリマーと第2のポリマーの両方のTmより低い温度で行われる、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
a.前記第2のポリマーは生分解性及び/又は生体適合性ポリマーであり、及び/又は
b.前記フィラメントに塗布される前記第2のポリマーの量は、前記第1のポリマーの前記フィラメントの質量に対して10%から40質量%の範囲である、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
a.第1のポリマーは、ポリエステル、ポリウレタン及びポリアニリンを含む群から選択され、又は第1のポリマーは、
‐ポリグリコリド、ポリ(乳酸)、PLGA、ポリ(トリメチレンカーボネート)、ポリヒドロキシブチレート、ポリ(4‐ヒドロキシブチレート)、ポリ(3‐ヒドロキシブチレート)、ポリ(グリコリド‐co‐カプロラクトン)、ポリ(グリコリド‐co‐トリメチレンカーボネート)、又はグリコール酸若しくは乳酸モノマーを含むコポリマーを含む第1の群から、又は
‐ポリエチレングリコール(PEG)又はPEGコポリマー;ポリアニリン;ポリエチレンテレフタレート;ポリ(2‐メトキシエチルアクリレート);ポリ(2‐メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン);ポリ(テトラヒドロフルフリルアクリレート);ポリスチレン、又は第2の群に含まれる2つ若しくは3つのポリマー種を含むコポリマーを含む第2の群から選択され、及び/又は
b.第2のポリマーは、上記a.に記載の第1の群又は第2の群から選択されるが、第1のポリマーとは異なる;
請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記第2のポリマーは、ポリ‐3‐ヒドロキシブチレート及びポリ‐4‐ヒドロキシブチレートからなる群から選択される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記第2のポリマーが、
a.第1のポリマーが請求項9aに記載の第1の群から選択される場合、請求項9aに記載の第1の群、又は
b.第1のポリマーが請求項9aに記載の第2の群から選択される場合、請求項9aに記載の第2の群
から選択される、請求項9又は10に記載の方法。
【請求項12】
前記コーティングステップにおいて、前記第2のポリマーが溶媒に溶解した状態で前記第1のポリマーの前記フィラメントに塗布され、前記第1のポリマーが下記表1の1つの行から選択され、及び前記第2のポリマーが下記表1の前記第1のポリマーと同じ行から選択される、請求項1~のいずれか一項に記載の方法。
【表1】
【請求項13】
前記溶媒が、下記表2の、選択された前記第2のポリマーと同じ行から選択される、請求項12に記載の方法。
【表2】
【請求項14】
前記フィラメントが、100nmから250μmの間の直径を特徴とする、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
a.請求項1のステップaで提供された布地片は、第1のポリマーのかさ密度に対して5%~15%の足場比重を特徴とする、及び/又は
b.請求項1のステップcで得られた布地片は、第1のポリマーのかさ密度に対して10%~20%の足場比重を特徴とする、及び/又は
c.請求項1のステップcで得られた布地片は、第1のポリマーのかさ密度に関して測定された足場比重が、請求項1のステップaで提供される布地片の足場比重よりも30%以上高いことを特徴とする、
請求項1~14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
人工組織を提供するための生体外方法であって、
a.請求項1~15のいずれか一項に記載の方法に従って整列した繊維状足場を提供するステップ;
b.哺乳動物細胞を含む細胞培養培地中に前記整列した繊維状足場を懸濁するステップ
を含む上記生体外方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人工組織の生成における真核細胞の付着又は適切な組織治癒のためのポリマー足場(スキャフォールド)の外科的移植のための生分解性又は生体適合性ポリマー足場の製造方法に関する。本発明はさらに、本発明の方法によって作製された足場、及びそれに由来する人工組織に関する。
【背景技術】
【0002】
説明
インビボでの組織及び細胞は、発達及び形態形成において形成される優先配向で大部分が組織化されている。その目的がインビトロ条件で組織機能を複製することである人工組織の場合、特定の細胞組織化を達成することは、人工組織の将来の機能性に影響を及ぼし得る。いくつかの例には、筋線維の平行整列、腱のコラーゲン線維、及び血管平滑筋細胞のらせん整列が含まれる。例えば、組織化された筋繊維の累積的な微小収縮は強い収縮を達成することを可能にし、腱及び心臓弁のような耐荷重性組織において、細胞外マトリックス(ECM)の一部としてのコラーゲン繊維の平行整列は組織の靭性を著しく改善する。さらに、脊髄などの軟組織では、神経索損傷の修復を改善するために、本来の組織化と同様に正しい方向に刺激を伝達するために軸索の整列した組織化が必要とされる。
【0003】
三次元(3D)細胞増殖を利用する組織工学及び外科的再建用途は、インビボで機能的に保証するために適切な足場を必要とする。細胞はECM沈着及びコラーゲンフィブリル(小線維)の成熟後に成熟マトリックスをほとんど再構築することができないので、インビトロでの細胞整列の早期誘導は重要である。
【0004】
細胞整列を誘導するために現在様々な方法が使用されている。第1のアプローチは、接触ガイダンスとしてマイクロナノトポグラフィを有する加工表面又は材料上に細胞を閉じ込めることに基づく。第2のアプローチは、細胞の収縮活動又は外部のひずみのいずれかによって発生した機械的力の適用に基づいており、それによって整列を誘導する。表面、例えば内皮細胞培養物中の細胞上に播種細胞又は流動剪断応力(摩擦)を有するエラストマーシートに加えることができる引張応力などの外部の機械的な力もまた整列を誘導することができる。しかしながら、これらの方法は二次元組織化に限定されており、その二次元組織化では、細胞層が互いの上に成長することはほとんどない。ヒドロゲル系における3D細胞整列は、ヒドロゲル内の栄養灌流の欠如のために数細胞層に限定されている。
【0005】
市販の不織布フェルト様ポリグリコール酸(PGA)足場(Biofelt(登録商標))は、PGA繊維を溶融紡糸し、さらにカーディング及びニードルパンチ加工することによって製造されてきた。このプロセスは産業機械を使って行われる。それ故、調製された足場は、異なる形状、サイズで入手可能であり、様々な生体吸収性ポリマーから製造することができる。この無溶媒プロセスは、電界紡糸のような溶媒キャスティング手順よりも危険性が低いが、処理が困難であるために足場材料を開発するためにはあまり実践されていない。重要なことに、そして電気紡糸足場とは対照的に、それは約90%の高い多孔度をもたらし、細胞を急速に成長させ、3D組織構造を形成する能力を首尾よく実証した。足場材料としてPGAメッシュを使用して、インサイチュ(in situ)腱再生並びに恒常性心臓及び腹壁手術が報告された。しかしながら、そのような溶融紡糸足場は、主に足場の一体性の問題のために、3D整列組織を調製するために使用されたことはなかった。電界紡糸に使用される繊維整列技術は、マイクロファイバー(直径約15μm)を有する溶融紡糸足場の繊維の一体性の損失をもたらすであろう。
【発明の概要】
【0006】
上記の最新技術に基づいて、本発明の目的は、3D細胞培養及びその後の人工組織の生成に有用な方法及び材料を提供するための手段及び方法を提供することである。この目的は本明細書の特許請求の範囲によって達成される。
【発明を実施するための形態】
【0007】
用語と定義
本明細書の文脈における生分解性ポリマー又は生体吸収性ポリマーという用語は、人体内で、又は細胞培養条件下で能動的に(酵素的加水分解によって)又は受動的に(化学的加水分解によって)、日から年に及ぶ時間枠で、分解するポリマーに関する。生分解性ポリマーは、2つの品質によって特徴付けられる:ポリマーは、生物学的に意味のある時間枠内で生理学的条件下でその構成モノマー部分又はその誘導体にゆっくり溶解され、それらが含まれる生物体に対して、この分解の生成物は少なくとも溶解の条件下で生じる濃度で毒性はない。分解又は吸収に必要な時間は、ポリマーの性質、移植部位及びポリマーの寸法及び多孔度に依存する。典型的な生分解性又は生体吸収性ポリマーは、PLA、PGA、PGLA又はポリ酪酸である。
【0008】
本明細書の文脈における生体適合性ポリマーという用語は、必ずしも溶解することなく、人体内で許容されるポリマーに関する。非分解性足場は、例えば再建/美容整形手術において、及び脊髄修復手術におけるニューロンの手引きとして使用することができる。ニューロンは保護組織を作り出すことができず、それ故その場での支持体によって保護される必要がある。脳神経外科では、神経成長は整列した足場を提供することによっても支持され、同時に非分解性足場によって機械的一体性を支持する。
【0009】
本明細書の文脈における用語ポリグリコリド及びPGAは、一般式
【化1】

によって記載されるポリマー、ポリ[オキシ(1‐オキソ‐1,2‐エタンジイル)](CAS番号26009‐09‐0)、特に、nが900~1200であるか、又はポリマーの平均分子量が約60,000g/molである上記式のポリマーに関する。
【0010】
本明細書の文脈におけるポリ(乳酸)、ポリ乳酸及びPLAという用語は、一般式
【化2】

で表される乳酸のポリエステル(CAS番号26100‐51‐6)、特に、nが700~1000であるか、又はポリマーの平均分子量が約60,000g/molである上記式のポリマーに関する。
【0011】
本明細書の文脈におけるポリ‐3‐ヒドロキシブチレート又はP3HBという用語は、その生合成経路にもかかわらず、比較的単純な構造を有する強力な熱可塑性ポリエステルである3‐ヒドロキシ酪酸のポリエステルに関する。本明細書で有用なP3HBの特定の調製物は、400,000~600,000g/molの平均分子量を特徴とする。
【0012】
本明細書の文脈におけるポリ‐4‐ヒドロキシブチレート又はP4HBという用語は、その生合成経路にもかかわらず、比較的単純な構造を有する強力な熱可塑性ポリエステルである4‐ヒドロキシ酪酸のポリエステルに関する。本明細書で有用なP4HBの特定の調製物は、400,000~600,000g/molの平均分子量を特徴とする。
【0013】
本明細書の文脈におけるガラス転移温度又はTgという用語は、温度が上昇するにつれて、ガラス転移、硬質で比較的脆い「ガラス状」状態から溶融状態又はゴム様状態への非晶質材料の可逆的転移が起こる温度範囲に関する。本明細書に記載のTg値は、特に明記しない限り、示差走査熱量測定法によって決定される値に関する。測定プロトコルについては、ISO 11357‐2;プラスチック‐示差走査熱量測定(DSC)‐第2部:ガラス転移温度の測定(1999)を参照せよ。
【0014】
本明細書の文脈における整列指数という用語は、総繊維数に対して、延伸軸に対して±20度の角度を有する顕微鏡検査によって計数された繊維の百分率に関する。
【0015】
本明細書で使用される多孔質材料の多孔度という用語は、材料科学において知られている標準的なパラメータに関し、1(又は100%)から、材料(又は足場、sc)サンプル密度に対するかさ(バルク)(b)の比を引いたものとして計算される:
【数1】
【0016】
発明の説明
本発明は、哺乳動物細胞の増殖を可能にするのに十分な多孔度を特徴とする、高度に整列したマイクロファイバーの足場を作製する方法に関する。多孔度の典型的な値は、75%、80%、85%又はさらには約90%を超える範囲にある。
【0017】
第1の態様によれば、本発明は、ポリマー足場を調製するための方法に関し、以下のステップを含む。
a.第1のポリマーのフィラメントの布地片を提供するステップ、ここで前記第1のポリマーは生分解性又は生体適合性であり、前記片は長手方向伸長軸によって特徴付けられる;
b.前記フィラメントの配列に第2のポリマーのコーティングを適用するステップ、ここで前記第2のポリマーは、前記第1のポリマーの融点より低いガラス転移温度によって特徴付けられる;その後
c.前記片をその長手方向伸長軸に沿って延伸し、それによって前記フィラメントを整列させる、
それによって、整列した微小繊維状足場が得られるステップ。
【0018】
特定の実施形態では、第1のポリマーのフィラメントの布地片は、不織布メッシュである。特定の実施形態において、第1のポリマーのフィラメントの布地片は、フェルト様の布地である。
【0019】
編み技術又は製織技術が布地を一軸方向に延伸することを可能にする限り、織物を布地として使用することも可能である。織物において新しい配向を見出すための繊維の変位は、所望の繊維配列を達成するために重要である。したがって、すべての編成技術が本発明の適用に適しているわけではないが、当業者は本明細書に提示されている手引きによって本発明の方法に適している布地を選択することができるであろう。
【0020】
特定の実施形態では、布地片はステップcでその長手方向伸長軸に沿って175%を超えて延伸される、すなわち長さ10cmの片は17.5cm以上に延伸される。特定の実施形態では、布地片は、175%から250%の間、さらには300%まで延伸される。特定の実施形態では、布地片は、約200%に延伸される。
【0021】
フィラメントにおいて要求される整列を達成するのに十分な延伸度は著しく変動する。それは第1のポリマー繊維の性質、その加工及び絡み合いの程度に依存する。本発明の利点をもたらす配向を達成するのに有効な延伸度は、様々な材料において110%から1000%の延伸まで変化する。
【0022】
特定の実施形態では、延伸プロセスは、ステップcにおける延伸の前後に、ある程度の整列を適用することによって定量化することができる。それによって、プロセスに入る布地片は、フィラメントの第1の整列指数iA1によって特徴付けられ、整列微小繊維状足場は、ステップcにおける延伸後の第2の整列指数iA2によって特徴付けられる。
【0023】
第1の整列指数に対する第2の整列指数の比iA2/iA1は、布地が延伸された程度の尺度である。特定の実施形態では、この比は2より大きく、特に2.5より大きく、さらに特に3より大きい。
【0024】
特定の実施形態では、上で定義された整列指数は、ランダム足場については20~25%、その延伸前の長さの150%(1.5倍)まで延伸されたサンプルについては55~60%、そして延伸前の長さの200%(2.0倍)まで延伸されたサンプルについては75~80%である。
【0025】
単純なマイクロファイバー延伸によって得られる足場は、高い多孔度と細胞侵入を可能にするのに十分大きい孔とを組み合わせ、これはナノファイバーを超える利点を提供する。しかしながら、マイクロファイバーを整列させると、それらが崩壊することになる。第2のポリマーの適用は、繊維網目構造のこの破壊を防止し、それは細胞の移動及び培養に適した材料中でのマイクロファイバーの高い多孔度及びそれらの整列を組み合わせることを可能にする。特定の実施形態では、第1及び第2のポリマーはそれぞれガラス転移温度Tg及び融解温度Tmによって特徴付けられ、ステップcは第1及び第2のポリマーの両方のTgよりも高く、かつ第1及び第2のポリマーの両方のTmよりも低い温度で行われる。言い換えれば、整列を達成するために、ポリマーは、十分に可塑性であるためにそれらのガラス転移点を超えて加熱されていなければならないが、溶融してはならない。
【0026】
特定の実施形態では、第1のポリマーは規定のTmを有していなくてもよい。当業者は、プロセス温度の主要点が足場マトリックスの融点より低いが両方のポリマーのガラス転移点より高い温度でプロセスを実施することであることを理解する。
【0027】
特定の実施形態において、ステップc.は、50℃から150℃、特に60℃から80℃の間の温度で行われる。これらの温度は、PGA(及び/又はポリ‐L‐乳酸(PLLA)及びPLGA)ベースの足場に対して特に良好に機能する。
【0028】
特定の実施形態では、加えられた張力を解放する前に、足場はステップcの後に冷却される。
【0029】
特定の実施形態では、第2のポリマーは生分解性及び/又は生体適合性ポリマーである。
【0030】
特定の実施形態において、フィラメントに塗布される第2のポリマーの量は、第1のポリマーのフィラメントの質量に対して10%から40%(質量%;m/m)の範囲である。例えば、PGAフィラメントからなる10gの布は、ポリヒドロキシブチレートで被覆された後に13gの質量を有し、これは30%の第2のポリマーの塗布に相当する。
【0031】
1つの特定の実施形態では、10%~40%の量の第2のポリマーが、THF中の2%(w/v)ポリヒドロキシブチレートの溶液中の第1のポリマー足場の深層コーティングによって塗布される。
【0032】
特定の実施形態では、第1のポリマーは、ポリエステル、ポリウレタン及びポリアニリンを含む群から選択される。特定の実施形態では、第1のポリマーは、ポリグリコリド(PGA)、ポリ(乳酸)(PLA)、ポリ乳酸グリコール酸(PLGA)、ポリ(トリメチレンカーボネート)(PTMC)、及びグリコール酸又は乳酸モノマーを含むコポリマーを含む群から選択される。
【0033】
ポリアニリンはバイオセンサー技術で使用される導電性ポリマー(PANI)である。それは生分解性ではないが生体適合性である。PANIは、本明細書では、脊髄損傷に対処する際に使用するために、特に神経成長の誘導又は切断された神経への刺激の適用におけるその有用性のために、永久足場を構築するための適切な材料として考えられる。
【0034】
特定の実施形態では、第1のポリマーはポリエチレングリコール(PEG);ポリエチレンテレフタレート(PET);ポリ(2‐メトキシエチルアクリレート)(PMEA);ポリ(2‐メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン)(PMPC);ポリ(テトラヒドロフルフリルアクリレート(PTHFA);及びポリスチレン(PST)を含む群から選択される。
【0035】
第2のポリマーは、第1のポリマーのフィラメントを被覆し、延伸力が解放された後にそれらを整列状態に保つのに役立つ。第2のポリマーは第1のポリマーとは異なる。それは溶液中の浸漬コーティングにより塗布される。溶媒又はポリマー自体が第1のポリマーを溶解してはならないことは明らかである。第2のポリマーは、適用される条件下で第1のポリマーを完全には溶解しない溶媒中で第2のポリマーが溶解しなければならないという条件で、第1のポリマーについて与えられたリストから選択することができる。
【0036】
特定の実施形態において、両方のポリマーを溶解することができる溶媒が使用されるが、少なくとも第1のものは、第2のポリマーが適用される条件下で非常にゆっくりとしか溶解されない。
【0037】
例えば、第2のポリマーのポリマー溶液は、一晩溶解することによって得ることができ、次いでこれを溶液中にフラッシュ浸漬することによって第1のポリマー上に塗布し、その後足場を真空中に置いて乾燥させる。高分子量となるであろう第1のポリマーは構造を崩壊させる点まで溶解せず、第2のポリマーのコーティングは第1のポリマー上に残り、繊維接合部を形成する。
【0038】
特定の実施形態では、第2のポリマーはポリヒドロキシブチレート、特にP4HB及びP3HBである。非限定的な一例として、P4HBをTHF(テトラヒドロフラン)に溶解して、PGA、PLA、PLLA、及びPLGAの繊維を被覆することができる。
【0039】
第1のポリマー、第2のポリマー及び溶媒のさらなる有利な組み合わせは、非限定的な例として、表1に示される。
【表1】
【0040】
特定の実施形態では、フィラメントは、100nmから250μmの間、特に1μmから50μmの間、さらに特に10μmから20μmの間の直径を特徴とする。
【0041】
特定の実施形態では、ステップa.で提供される布地片は、第1のポリマーのかさ密度に対して5~15%の足場比重を特徴とする。特定の実施形態において、ステップc.で得られた布地片は、第1のポリマーのかさ密度に対して10%~20%の足場比重を特徴とする。特定の実施形態において、ステップc.で得られた布地片は、第1のポリマーのかさ密度に対して測定した足場比重が1.5~3倍、特に約2倍であり、ステップa.で提供された布地片の足場比重よりも大きいことを特徴とする。
【0042】
材料の多孔度は、式
【数2】

を用いて足場密度及びかさ密度の値から計算することができる。ここで、
【数3】

は、バルク材料の密度であり、
【数4】

は、多孔質足場の密度である。
【0043】
本発明の別の態様は、人工組織を提供するための生体外方法に関し、以下のステップを含む。
a.その実施形態のいずれかにおいて、本発明の第1の態様として上に述べた方法に従って整列した微小繊維状足場を提供するステップ;及び
b.整列された微小繊維状足場を哺乳動物細胞を含む細胞培養培地に懸濁するステップ。
【0044】
特定の実施形態では、哺乳動物細胞は線維芽細胞、筋芽細胞及びニューロンから選択される。特定の実施形態において、細胞培養培地は、37℃で細胞増殖及び分化のためのすべての栄養素及び増殖因子をコンプロマイズし、細胞は20日間まで培養中に保たれた。
【0045】
さらに別の態様は、第2の生分解性又は生体適合性ポリマーで被覆された第1の生分解性又は生体適合性ポリマーのフィラメントの整列した微小繊維状足場に関し、以下を特徴とする。
a.前記足場の多孔度は80%以上、特に85%以上、さらに特に90%以上である。
b.整列指数は50%より大きく、特に75%以上、さらに特に85%以上である、及び/又は
c.前記フィラメントの直径は100nmから250μm、特に5μmから50μm、さらに特に10μmから20μmの範囲である。
【0046】
骨再生のために適用される足場のような特定の用途は、例えば50%のようなより低い多孔度値によって特徴付けられ得る。
【0047】
特定の実施形態では、足場を構成する繊維又はフィラメントは、5μm以上50μm以下の範囲の直径を特徴とする。
【0048】
繊維又はフィラメントの直径のパラメータは、細胞浸潤に利用しやすい孔を形成することに関して重要である。例えば、ナノメートル範囲の繊維では、90%の多孔度でも整列した足場を作製することができる。しかしながら、そのようなナノメートルの高多孔度足場の問題は、それらが、細胞が浸潤するには小さすぎる多数の細孔によって特徴付けられることである。細胞浸潤のための良好な孔径を有するマイクロメートル範囲のマイクロファイバーランダム足場は当該分野で公知であるが、これらの繊維は必要な整列を欠いている。
【0049】
したがって、高度に多孔質の足場における孔の接近可能性は別々に評価されるべきである。発泡体及びヒドロゲルなどの非繊維状足場の他の例は、両方とも通常95%を超える多孔度を有するが、それらの孔は細胞浸潤に十分にアクセス可能ではない。したがって、これらの足場は細胞の存在下でインサイチュ(in situ)で作製する必要がある。
【0050】
本発明のこの態様のある実施形態において、第1のポリマーはポリエステル、ポリウレタン及びポリアニリンを含む群から選択される。
【0051】
特定の実施形態では、第1のポリマーは生分解性ポリマーを含む第1の群、特にポリグリコリド、ポリ(乳酸)、PLGA、ポリ(トリメチレンカーボネート)、ポリ(4‐ヒドロキシブチレート)、ポリ(3‐ヒドロキシブチレート)、ポリ(グリコリド‐コ‐カプロラクトン)、ポリ(グリコリド‐コ‐トリメチレンカーボネート)、又はグリコール酸若しくは乳酸モノマーを含むコポリマーを含む群から選択される。
【0052】
多くの用途において、生分解性であるように選択された場合、この第1のポリマーは、足場全体を生分解性にするために生分解性でもある第2の(コーティング)ポリマーと組み合わされる。
【0053】
本発明のこの態様の特定の実施形態において、第1のポリマーは、非生分解性だが生体適合性のポリマーを含む第2の群から選択され、特にポリアニリン、ポリエチレングリコール(PEG);ポリエチレンテレフタレート;ポリ(2‐メトキシエチルアクリレート);ポリ(2‐メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン);ポリ(テトラヒドロフルフリルアクリレート);ポリスチレン、又はこの第2の群に含まれる2つ若しくは3つの異なるポリマーのコポリマー、特にPEGと他の第2の群のいずれかの非生分解性ポリマーとのコポリマーからなる群から選択されるポリマーである。
【0054】
本発明のこの態様の特定の実施形態では、第2のポリマーは、特にP4HB及びP3HBから選択されるポリヒドロキシブチレートである。
【0055】
本発明のこの態様の特定の実施形態では、足場は、第1のポリマーのかさ密度に対して10~20%の足場比重を特徴とする。
【0056】
結論として、本発明者らは、足場の多孔度及び繊維の一体化を維持しながら、微小繊維状ポリマー足場において繊維の整列を誘導するための新規なアプローチを報告する。そのようなポリマー足場は、組織工学及び外科的用途に頻繁に使用されており、3D細胞及び組織培養のための適切なプラットフォームを提供する。本明細書に提示された単純なアプローチは、小線維足場における繊維整列のための普遍的な方法を提供する。実施例に提供される細胞研究は、足場繊維方向に沿った細胞及びマトリックスの整列を可能にし、ミリメートルスケールの3D整列組織構築物を成長させるための本発明の方法の適合性を例示する。本発明の方法は、心臓及び骨格筋、腱、神経、並びに血管組織修復及び工学を含む、足場内での細胞整列の真の3D誘導が必要とされる組織工学及び再建手術の多くの分野における適用に適している。
【0057】
本明細書中に開示される方法によって提供される足場は、インビトロで人工組織を作製するために使用され得るか、又は指向性の組織治癒及び修復を促進するための外科用パッチとして直接使用され得る。第2の態様のために(パッチとして)提供される足場は、細胞培養物中での事前のインキュベーションなしに適用され得る。
【0058】
本発明の別の態様は、細胞なしで足場を直接移植することによる又は体内に直接ECMによる、本明細書に開示される足場の外科的適用又はインビボ適用に関し、それは新しい組織生成を導き、それによって治癒過程を改善すると期待される。
【0059】
例えば第1のポリマー又は第2のポリマー、多孔度又は細胞タイプなどの単一の分離可能な特徴に対する代替物が「実施形態」として本明細書に記載される場合は常に、そのような代替物は自由に組み合わされて本明細書に開示された本発明の個別の実施形態を形成し得ることを理解されたい。
【0060】
本発明は、以下の実施例及び図面によってさらに説明され、これから、さらなる実施形態及び利点を引き出すことができる。これらの実施例は本発明を説明するためのものであり、その範囲を限定するためのものではない。
【図面の簡単な説明】
【0061】
図1図1は、整列したPGA足場の製造及び繊維整列分析を示す。(a)足場をTgより上及びTmより下に加熱し、続いて延伸装置を使用することによって一方向ひずみを加えることによってランダムPGA網目構造中に整列を誘導するプロセスの説明図(b)長方形のランダムPGA足場の幅と長さは、異なる延伸を適用すると変化した(50%と100%)。(c)様々に延伸されたPGA足場の整列分析。(d)P4HB相互接続を用いて100%延伸した際の高度に整列したPGA足場を視覚化した対応する足場の偽色蛍光画像及び(e)電子顕微鏡写真。二重頭の矢印は加えられたひずみの方向を示し、小さい矢印はPGA繊維を相互接続するP4HBコーティングを示す。スケールバー(a)5mm、(d)200μm(e)50μm。
【0062】
図2図2は、延伸及び整列したPGA足場の物理的性質の変化を示す。(a)比重[mg/cm]は、PGA足場の100%延伸後に有意に増加した。(b)PGA足場の足場多孔度(比重に反比例する)。(c)繊維径は、ランダムPGA足場の加工における外部ひずみによって影響されなかった。(d)様々な延伸PGA足場のひずみ応力曲線。100%延伸PGA足場の曲線の傾き(ヤング率)が大幅に増加している。
【0063】
図3図3は、様々に延伸したPGA足場上でヒツジ血管線維芽細胞を1週間培養した後の細胞核及びF‐アクチン整列分析を示す。(a)様々に延伸したPGA足場上に播種したF‐アクチン(紫)及び核(青)について染色した血管線維芽細胞の多面共焦点画像の最大Z投影強度は、小線維足場の間及び上に細胞が成長していることを示す。(b)それぞれのアクチン繊維整列定量化は、整列した小線維足場による整列誘導を示している。ひずみ軸の±10度以内の整列した(c)アクチン繊維及び(d)細胞核の百分率は、無作為に配向したPGA足場と比較して、延伸サンプルにおける改善されたFアクチン及び細胞核整列を示している。スケールバー:200μm(a、左)及び50μm(a、右)。
【0064】
図4図4は、ウサギ腱線維芽細胞によって組み立てられたフィブロネクチンマトリックス、及びランダム及び整列PGA足場上で3週間培養した後のその整列定量化を示す。3週間の培養中、培地中の標識化フィブロネクチン(緑色)の取り込みにより可視化された(a、b、c)整列及び(d、e、f)ランダムPGA足場(灰色)上のフィブロネクチンマトリックス集合体の多面共焦点画像の最大Z投影強度は、PGA繊維の間及び周囲へのフィブロネクチン沈着を示す。(g)足場の繊維方向に沿った繊維状フィブロネクチン束の整列の定量化は、整列したPGA足場内でより高いレベルの異方性を示す。(h、k)培養足場の断面図は、足場の種類及び流れに直面する側面に沈着した優先的により高いフィブロネクチンとは無関係に、足場を横切ってフィブロネクチンマトリックス形成が起こることを示している(白い矢印)。
【実施例
【0065】

本発明者らは、本明細書において、市販の生分解性/再吸収性ポリマー、特にPGAを用いてセンチメートルスケールでマイクロファイバー整列を誘導するための簡単な方法を報告する。例示的実施形態として、本発明者らは不織PGAメッシュを使用した。本発明の方法は、基本的に他の任意の微小繊維状足場に適用することができる。
【0066】
初めに、PGA繊維をポリ4‐ヒドロキシブチレート(P4HB)で被覆し、次に両方のポリマーのガラス転移温度(Tg)より上に加熱し、一方向のひずみをPGA‐P4HB網目構造に適用することにより整列させた。加えられたひずみの結果として、PGA繊維は巻きが解かれ、個々の繊維はひずみ軸に対して平行に整列した。そのような整列したPGAマイクロファイバー網目構造は、細胞組織化を誘導し、その多孔質構造への細胞整列を開始するための足場として使用された。本明細書に提示された結果は、そのような多孔質かつ整列した足場が3D細胞浸潤を提供し、3D組織化を維持しながら、接触誘導によって細胞を効率的に整列させることができることを実証する。さらに、灌流装置及び適切な足場の多孔性による効率的な細胞播種を使用することにより、本発明者らは整列した3D微小組織を得ることができた。このアプローチは、提示された例に限定されず、組織工学、再建手術及び基本的な細胞研究のために使用されている他の小線維足場に適用可能である。
【0067】
実施例1:Tgより上のP4HB被覆PGA足場の延伸は、網目構造をほどき、繊維整列を誘導する
PGAは、35~45℃の転移温度(Tg)及び220~230℃の融点(Tm)を有し、一方、ポリ4‐ヒドロキシブチレート(P4HB)のTg及びTmは、それぞれ5~15℃及び168~182℃の間で変化する。PGA足場をP4HB溶液(テトラヒドロフラン(THF)中1.75%)に浸漬し、続いて周囲温度で一晩乾燥することによってPGA足場をP4HBで被覆する。P4HBを添加すると、PGA繊維の分解時間が延び、組織工学応用に用いた場合、足場上の保護層として作用し、同時に交差する繊維を橋渡しすることにより足場の一体性を改善する。両方のポリマーのTgを超えて80℃まで足場を加熱することは、足場繊維及びP4HBの軟化をもたらし、それ故、繊維の切断や足場の損傷を誘導することなく一方向のひずみの適用を可能にした。PGAのTg以下の温度を例えば室温まで連続的に低下させると、繊維を相互に連結し、足場の一体性を保持しながら、P4HBとともに、繊維網を新しい配置に固化及び設定することができた(図1a)。マクロスケールでは、一方向性のひずみによって、幅を減少させ、長さを増大することによりポリマー網目構造の長方形の形状が変形した。プラスチックフィルムとは対照的に、PGA網目構造の形状の変化は、弾性フィルムで観察されたものとほぼ同じであり、中央のごく一部に蓄積するのではなく、延伸足場の全長にわたって幅の減少の分布を示した(図1a)。この挙動は、この処理アプローチを、初期にランダムに配向された足場のより大きな面積から整列された足場を得るのに適したものにする(図1)。巨視的測定は、延伸に伴うそれぞれ50%及び100%の長さの増大に関連して、最大53%及び73%の幅の減少を示した(図1b)。足場の厚さは、無ひずみ状態の858±55μmから、50%及び100%延伸PGA状態のそれぞれ1170±172μm及び1036±191μmに増加した。繊維配列を定量化するために、我々は3D蛍光共焦点画像を分析した。100%延伸サンプルでは、53%の繊維が軸ひずみに対して整列(±10度)したが、50%の延伸は34%の繊維整列をもたらした。非延伸PGA網目構造は、軸ひずみに対して整列した繊維がわずか14%であった(図1c及びd)。電子顕微鏡写真はまた、PGA繊維の整列、及び延伸を適用した後のPGA繊維へのP4HB相互接続の存在を確認した(図1e、白い矢印)。
【0068】
足場密度測定は、無ひずみ(105±6.9mg/cm)及び50%延伸(102±18.3mg/cm)足場について比重の有意な変化を示さなかったが、100%延伸(157.4±28.2mg/cm)足場について有意な増加が観察された(図2a)。これは、バルクPGAポリマーの密度(1530mg/cm)よりもはるかに低い。足場の多孔度測定は、あたかも同量の足場がバルクPGAで充填されているかのように仮定して行った。足場多孔度の計算は、92.9±0.5%、93.2±0.9%及び89.6を示した。それぞれ0、50及び100%延伸足場について8±1.3%の多孔度(図2b)。これは、足場の約90%の多孔度及び比重測定に関しては逆の傾向を意味する。繊維径分析は、異なって延伸されたPGA足場についての繊維径のいかなる有意な変化も示さず、足場に加えられたひずみがプロセス中の個々の繊維に直接影響を及ぼさなかったことを意味する(図2c)。最後に、様々に整列した繊維状PGA足場の機械的性質を測定し、元のPGA足場と比較した(図2d)。元の足場(11.3MPa)と比較して50%の延伸足場(12.9MPa)のヤング率のわずかな増加が観察されたが、PGA網目構造を100%延伸すると96.3MPaまでヤング率が増加した。ランダムな元のPGA足場の破断ひずみは約40%であり、このタイプの足場を100%まで延伸するためには、Tgを超えて足場を加熱することが極めて重要な点であることを示唆している。
【0069】
第1のポリマー(特に:PGA)繊維の一体性における第2のポリマー、特にP4HBの役割は、足場に細胞懸濁液を直接播種すること、又はさらなる細胞浸潤のために身体に移植することを計画する場合に特に重要である。電子顕微鏡画像(図1c、小さな矢印)は、P4HBポリマーで充填された繊維間領域を示す。これらの高分子架橋は、延伸中も繊維網状構造の結合を維持し、弾性接着剤のように振る舞い、網目構造を安定させる。延伸プロセスの後、これらの相互接続はひずみの下で高度に変形したが、それでも接続を維持した(図1d、e)。室温よりわずかに低いP4HBのTgに由来する変形能は、80℃でのアニーリングプロセスと共に、このポリマーの変形及び成形を助けた。コーティング層なしでPGA足場を延伸すること、又は延伸プロセス後にコーティングを溶解することは足場の一体性を示し、これは二次ポリマーコーティングの重要な役割を示している。
【0070】
実施例2:3D整列多孔質PGA足場に埋め込まれた細胞を、PGA繊維の方向に誘導し整列させた
足場に播種したときに細胞が増殖して培地から十分な栄養素を受け取ることを確実にするために、本発明者らは、細胞培養期間中に組織を灌流するために単純な円形シェーカーを使用した。このようなバイオリアクターにより、1mm厚までのかなり厚い組織シートで細胞を増殖させることができた。最初に、ヒツジ血管線維芽細胞をPGA‐P4HB足場を使用して1週間の間に装置内で培養した。その後、アクチン繊維と核整列を分析した(図3a及びb)。分析は、アクチンストレスファイバーの大部分が100%延伸PGA足場に整列していることを示した(図3b)。計数された整列アクチン繊維から、51.1±5.7%が100%延伸足場でPGA繊維の延伸軸に対して±10度、50%延伸足場で37.6±6.5%、及びランダムに配向したPGA足場で6.9%±4.7で整列した(図3b、c)。さらに、細胞核整列分析は、100%、50%及び非延伸PGA足場について、それぞれ、PGA繊維の延伸軸に対して±10度で52.6±10.2%、36.9±13.6%及び14.4±3.7%の整列細胞核を示した(図3d)。これは、アクチン繊維整列分析において得られた結果を支持する。
【0071】
足場を横切るフィブロネクチンマトリックスの三次元沈着
整列に関する研究の大部分は短時間(数時間~数日)での細胞核又はアクチン整列を報告しているが、本発明者らは、一週間後の細胞核及びアクチン繊維整列だけでなく、3週間後の主要ECM成分としてフィブロネクチンフィブリル(小線維)束整列も評価した。これを行うために、AlexaFluor(登録商標)488標識フィブロネクチンをウサギ腱線維芽細胞の培地に3週間かけて加えた。培養時間中、標識されたフィブロネクチンは灌流され、ECMに共集合し、足場を横切るフィブロネクチンフィブリル(小線維)ネットワークの可視化を可能にし、フィブロネクチンフィブリル(小線維)の配向角を分析するために使用された(図4)。小線維フィブロネクチン束整列の定量化は、100%延伸サンプル(図4において「整列された足場」と称される)及びランダムPGA足場において行われた。これを行うために、最初に高解像度画像を包含オブジェクト(「しきい値処理済」)について分析し、次にしきい値オブジェクトの長軸の角度を束の配向角度として定義した。整列PGA足場上の集合したフィブロネクチンマトリックスは、ランダムPGA足場と比較した場合、より高い整列を示した(図4a~g)。しかしながら、ランダムPGA足場におけるわずかに優先的な整列は可視であり、これは整列及び/又は組織収縮の軸に対して平行な流れ方向から生じ得る。断面画像(図4e、f)を用いて、フィブロネクチンがどのように足場を横切って沈着したかを示し、構築物の三次元性及び効率的な細胞播種及び浸潤に対する足場の孔径の適合性を示した。フィブロネクチンは足場を横切って沈着したが、沈着は側面に顕著であり、これは流れに直面し(画像h、k中の矢印)、前面での灌流の増強を示した。3週齢のECMの評価は、この年齢ではECMが安定しているので重要である可能性があり、そのような組織は採取及び動物への移植に適していることが以前に示されている。また、脱細胞化及びさらなるECM足場の移植は、最近注目を集め、動物及びヒトの臨床研究において有望な結果を明らかにした別の選択肢である。通常、操作された組織の脱細胞化は、さらなる処理のために高品質のECMを採取するための適切な範囲と考えられる4~8週間のインビトロ培養の後に行うことができる。脱細胞化ECMの短期2D再細胞化はまた、細胞が沈着したフィブロネクチン繊維に沿って整列し、繊維の方向性に従うことができることを示した。これを考慮して、ここで行われた3週齢のフィブロネクチンマトリックスの分析は、最終的な細胞整列結果を予測することができ、それは将来の臨床応用のための1つの関心点となるであろう。さらに、3週間後に整列を維持することは、そのような足場のインビボ移植がおそらく新しい組織形成を誘導するのに十分な時間を有するであろう予測指標となり得る。
【0072】
脱細胞化整列ECMはさらなる細胞整列、「既製の」脱細胞化操作組織への応用を導く
PGA又は他のポリマー足場からの脱細胞化組織工学マトリックスは、血管及び心臓弁の組織工学において、特に緊急事態及び発展途上国において異種移植片及び同種移植片に対する容易に入手可能な「既製の」代替物として有用であり得る。これに関連して、本発明者らは、脱細胞化プロセス後の整列ECMが細胞整列を誘導することができるかどうかを調べた。これを行うために、ポリジメチルシロキサン(PDMS)表面上のナノパターン化リッジをシリコン‐SU8型から複製した。型は従来のフォトリソグラフィー手法により製造され、Aldo Ferrari博士により寛大に提供された。PDMS表面は、深さ350nm、幅500nm及びリッジ幅500nmの溝を有していた。ナノパターン化PDMS表面をフィブロネクチン(50μg/ml)で被覆し、次いでヒト包皮線維芽細胞(HFF)を被覆表面上に播種した。細胞接着後、AlexaFlour(登録商標)488標識フィブロネクチンを細胞培養培地(5μg/ml)に添加し、細胞に3日間細胞外マトリックスを構築させた。3日後、表面をpH8.5中0.5%のTriton X100を用いて15分間脱細胞化し、かくして脱細胞化ECMマトリックスを得た。その後、無細胞ECM足場にHFFを播種し、24時間インキュベートした。ここでは、イメージング、脱細胞化及び再細胞化のプロセスを容易にするために、3D構築物の代わりに2D表面を使用した。AlexaFlour(登録商標)488標識フィブロネクチンを(培地に標識フィブロネクチンを添加することにより)組み込むと、平坦面と比較してフィブロネクチン小線維束が溝の方向に沿ってどのように整列しているかを容易に視覚化できた。脱細胞化プロセス後のフィブロネクチンECM上への線維芽細胞の再播種は、新しく播種された細胞が組み立てられたマトリックスの方向に沿って整列することができ、古いECMが細胞整列(アクチン整列)を開始し、トポグラフィカルなガイダンスとして役立つことができることを示している。この知見は、さらなる再細胞化及び細胞整列が事前整列脱細胞化マトリックスによって引き起こされ得る既製用途のための代替マトリックスとしての事前整列化脱細胞化マトリックスの適用を支持する。
【0073】
比較例3:
PLGAをクロロホルムとエタノールの混合物(75:25w/w)に溶解することにより、最終ポリマー濃度6重量%のPLGAポリマー溶液を調製した。ポリマーを室温で一晩溶解し、均質性を得るために使用前に溶液を30分間撹拌した。
【0074】
電界紡糸足場の製造のために、ステンレス鋼管(内径1mm及び壁厚0.3mm、Angst&Pfister AG、チューリッヒ、スイス)、DC高圧電源(Glassman High Voltage Inc.、High Bridge、NE、USA)、コレクター及びシリンジポンプとしての中空円筒回転アルミニウムマンドレル(AL1000 Aladdin、World Precision Instruments、Inc.、ドイツ)で作られた鈍端を有する紡糸ヘッドからなる、社内で組み立てられた電界紡糸装置を使用した。ポリマー溶液を5mLシリンジ(B.Braun Melsungen AG、ドイツ)に充填し、0.7mL/hの流速で紡糸ヘッドにポンプで注入した。11kVの電圧を印加し、紡糸ヘッドとコレクターとの間の距離を15cmに固定した。生成した足場をアルミニウムホイル上に集め、室温で一晩真空乾燥した。次に布をALホイルから集めて手動ストレッチャー装置に取り付けた。その後、布を60℃まで加熱し、2倍(200%)延伸した。この比較例では、第2のポリマーを塗布しなかった。延伸すると、ファイバーコイルは開かれ、80%の整列指数で整列された。しかしながら、布地の張力が解放されると、二次ポリマーが存在しないために繊維の一体性及び整列性が失われた。繊維直径は1~2μmの範囲であると決定された。この比較例は、電界紡糸のような他の技術によって製造された他の種類のランダム織物及び織物の一体性を保つための第2のポリマーコーティングの適用の重要性に本発明を適用できることを示している。
【0075】
材料と方法:
足場の調製
市販の不織布PGA足場(厚さ1.0mm;比重70mg/cm;Biofelt、Bereldange Luxembourg)をテトラヒドロフラン(Sigma‐Aldrich、米国ミズーリ州セントルイス)中の1.75%ポリ‐4‐ヒドロキシブチレート(P4HB;MW:100000;TEPHA Inc.、米国マサチューセッツ州レキシントン)でコーティングした。網目構造の一体性を高め、PGAの分解速度を遅くするためにP4HBを添加した。整列したPGA足場を調製するために、一片のPGA足場を延伸装置に取り付け、オーブン中80℃で2分間加熱した。試験片をオーブンから取り出した後、それらを手動で、それらの元の長さから1.5倍又は2倍に可能な限り速く延伸した。その後、足場を室温に冷却し、将来の分析及び細胞培養研究に使用した。
【0076】
PGA網目構造の整列解析
PGA繊維を可視化するために、405nm又は488nmで励起した際のPGA繊維の自己蛍光特性をレーザー走査共焦点顕微鏡(Olympus、FV1000、日本)で画像化した。PGA足場の画像を得た後、ImageJソフトウェアを用いて繊維配向を決定した。手短に言えば、ImageJの粒子分析器オプションを介して10°刻み(0~90°)で繊維角度をすべての走査面において計算し、各刻みに対する繊維の数を数え、繊維の総数からの平均百分率(%)として表した。
【0077】
足場比重及び多孔度分析
PGA足場の比重は、重量測定的に決定された、すなわち、足場の重量は、足場の総体積で割られた。足場の長さ及び幅は定規によって測定され、それらの厚さは明視野顕微鏡画像を用いてそれらの断面から測定された。結果はmg/cm で表される。さらに、足場の多孔度は、足場の比重をPGAのかさ密度(1530mg/cm)に割ることによって計算し、百分率として表した。
【0078】
機械分析
100N荷重セルを備えた一軸荷重試験機(Instron引張試験機、High Wycombe、Buck、UK:モデル5864)を使用して測定された応力/ひずみ曲線から、異なる延伸PGA足場の機械的性質を得た。長方形の形状及び10×2mmの試験領域及び800~1200μmの厚さ範囲を有するサンプルを使用した。破損するまで20mm/分の伸長速度を適用した。ヤング率[MPa]と破断ひずみ[%]はすべての条件で決定された(n=3)。
【0079】
ミニバイオリアクターへのPGA足場の設置
PGA足場の3D環境で効果的に細胞増殖を可能にするために、我々は単純な拍動流ミニバイオリアクターを開発した。我々の以前の研究は、このバイオリアクターが静的条件(引用)と比較した場合に、工学的に作製されたPGA足場へのECM沈着を改善することを示した。簡潔には、PGA足場を、UV光学接着剤(Norland光学接着剤、米国ニュージャージー州)を使用して、ペトリ皿(直径5cm)の周壁に固定した。足場はオービタルシェーカーの各パルスによって前後に動いていた。足場を取り付けた後、70%エタノール中の10%過酸化水素の混合物及びUV光を1時間使用して装置を滅菌した。全設定を滅菌PBSで少なくとも3回洗浄し、乾燥させ、続いて10%ウシ胎児血清(FBS、Invitrogen、米国)を補ったDMEM‐Glutamax(Invitrogen、米国)、1%ペニシリン/ストレプトマイシン(P/S、Invitrogen、米国)及び50μg/ml L‐アスコルビン酸(Sigma、米国)からなる培地中で細胞播種前に一晩インキュベートした。
【0080】
PGA足場の細胞播種とコンディショニング
ヒト静脈筋線維芽細胞を大伏在大静脈から採取し、血管工学及び細胞整列分析のためのモデルとして増殖した。さらに、アキレス腱由来のウサギ腱細胞を、以前に記載されたように単離して培養したもの(Evrovaら、Macromolecular Bioscience 2016、19、1048)を、工学的に作成された腱を再構築するためのモデルとして使用した。細胞播種は、以前に記載されているように(Moetら、Biomaterials 2005、26、3113)、担体としてフィブリンゲルを使用して行った。手短に言えば、細胞を標準的な細胞培養プロトコルのように解凍し、増殖させ、トリプシン処理した。その後、細胞をPBS(10IUトロンビン/ml)中の滅菌ウシトロンビン(Sigma、USA)溶液中に再懸濁した。10mg/mlの活性フィブリノーゲンに等しい14mgの凍結乾燥ウシフィブリノーゲン粉末(Sigma、USA)を培地に溶解することによってフィブリノーゲン溶液を調製し、この溶液を0.21μmの滅菌フィルターを用いて濾過滅菌した。続いて、トロンビン溶液中の細胞を等容量の滅菌ウシフィブリノーゲン溶液に添加した。短時間混合した後、細胞を含むフィブリン溶液をPGA足場上にピペットで移した。フィブリンゲルの凝固時間は20から40秒の間で変化すると決定された。したがって、培養培地を添加する前に、構築物を37℃及び10%COで15分間重合させた。全ての構築物を最初の24時間静的条件下で培養し、その後オービタルシェーカー(VWR、米国)及びミニバイオリアクタープラットフォームを用いて灌流を開始した。シェーカー(振盪機)の回転半径は19mmであり、1Hzの回転速度(60rpm)を試験中の全てのサンプルに適用した。培地の半分を交換し、蒸発した培地を滅菌脱イオン水で調整することによって、培地を3日ごとに交換した。研究中の最適化されたDMEM緩衝化のために、インキュベーションは37℃及び10%COで行われた。
【0081】
PGA足場上の細胞及び細胞外マトリックスのイメージング
特定の培養期間の後、サンプルをアクチン及び核について免疫染色した。免疫染色のために、サンプルをPBSで洗浄し、次いでPBS中の4%パラホルムアルデヒド中で30分間固定した。アルブミンを添加することにより抗体の非特異的吸着を防止した(BSA、2%w/v、30分)。アクチン細胞骨格は、Alexaflour(登録商標)488結合ファロイジン(Invitrogen、米国)を用いて染色した。細胞核をDAPIで染色した(2μg/ml、10分)。サンプルを最後にPBSで3回洗浄し、画像化した。
【0082】
細胞核、F‐アクチン及びフィブロネクチン整列分析
細胞核整列は、ImageJの共焦点画像及び粒子分析器オプションを使用して分析した。405nmレーザーを使用するとPGA繊維の自己蛍光が干渉するので、核を円形度、サイズによって細分化し、さらにすべてのサンプルにおいて手動でチェックした。核の配向角度を定義した後、繊維の延伸軸に対して±10度の核、すなわち好ましい繊維方向を数え、整列細胞核として提示した。
【0083】
高解像度共焦点画像を用いて、アクチン細胞骨格とフィブロネクチン束の小線維ネットワークとの整列を分析するために同様のアプローチを用いた。最初に、画像を閾値処理してアクチン繊維又はフィブロネクチン束の周囲を規定した。次にImageJ粒子分析器を用いて各粒子の長軸とその配向角度を定義した。これらの角度はアクチン繊維及びフィブロネクチン束の配向角度として定義された。次いで、アクチン又はフィブロネクチンの配向角度を5度瓶(ビン)に分類して、0度と180度の間の角度についてのヒストグラムを得た。PGA繊維の延伸軸に対して±10度のアクチン繊維を整列アクチン繊維と仮定した。
【0084】
統計
一元配置分散分析(ANOVA)と事後ボンフェローニ検定(PASW統計 18ソフトウェア)を用いてデータを比較した。エラーバーは標準偏差を表す。0.05以下のp値は統計的に有意であると考えられた。
図1-1】
図1-2】
図1-3】
図2
図3-1】
図3-2】
図4-1】
図4-2】