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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-28
(45)【発行日】2023-03-08
(54)【発明の名称】集魚灯及び集魚灯を用いた漁法
(51)【国際特許分類】
   A01K 79/00 20060101AFI20230301BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20230301BHJP
   F21L 4/00 20060101ALI20230301BHJP
   F21V 23/00 20150101ALI20230301BHJP
   F21V 31/00 20060101ALI20230301BHJP
【FI】
A01K79/00 H
F21S2/00 642
F21L4/00 200
F21V23/00 120
F21V31/00 100
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2019546090
(86)(22)【出願日】2017-10-26
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-12-12
(86)【国際出願番号】 GB2017053231
(87)【国際公開番号】W WO2018083449
(87)【国際公開日】2018-05-11
【審査請求日】2020-10-23
(31)【優先権主張番号】1618409.5
(32)【優先日】2016-11-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】519159592
【氏名又は名称】フィッシュテック マリン エルティーディー
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】キベル,ベン
【審査官】赤坂 祐樹
(56)【参考文献】
【文献】スペイン国特許出願公開第2211304(ES,A1)
【文献】実開昭47-037585(JP,U)
【文献】実開平04-043802(JP,U)
【文献】実開昭50-102890(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01K 79/00、85/00-85/01
F21S 2/00
F21L 4/00
F21V 23/00、31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
釣り縄に取り付けるための集魚灯であって、
耐水性ハウジングを備え、前記耐水性ハウジングが、
第1の部品と、
第2の部品と、を有し、
前記第2の部品が、前記耐水性ハウジングを形成するために前記第1の部品の開口部に挿入可能であるように構成された硬質キャップであるプラグ部分を備え、前記プラグ部分にわたる圧縮強さが、前記開口部にわたる前記第1の部品の圧縮強さよりも少なくとも10%だけ実質的に大きく、
前記プラグ部分が、内部にスペーサを備え、前記スペーサが、前記プラグ部分の圧縮を防止するように配置されており、
集魚灯がさらに、
前記ハウジング内に設けられたLEDと、
前記LEDに電力供給するための前記ハウジング内にある電源と、
前記LEDからの光を通過させるための半透明部分を持つハウジングと、
前記ハウジングに設置された縄取付けメカニズムと、
を備える、集魚灯。
【請求項2】
前記ハウジングが、使用中、前記第2の部品の前記プラグ部分と前記第1の部品の前記開口部との間に位置するOリングをさらに備える、請求項1に記載の集魚灯。
【請求項3】
前記ハウジングが、前記Oリングを収容するための溝をさらに備える、請求項2に記載の集魚灯。
【請求項4】
プリント回路板をさらに備え、前記プリント回路板に前記LEDが電気的に連結されている、請求項1~3のうちのいずれか一項に記載の集魚灯。
【請求項5】
前記開口部とは反対側の端部において前記第1の部品内に配設された電池電気接触部をさらに備え、前記電池電気接触部が、第1の電池の正極端子と第2の電池の負極端子とを直列に電気的に接続するように構成され、前記第1及び第2の電池が、前記電源を形成する、請求項1~のうちのいずれか一項に記載の集魚灯。
【請求項6】
前記開口部と、前記開口部とは反対側の前記第1の部品の端部との間に延在している長手方向の仕切板をさらに備え、前記仕切板が、前記電池電気接触部を所定位置に保持するように構成されている、請求項に記載の集魚灯。
【請求項7】
水中に沈めると前記LEDを作動させるようにさらに構成されている、請求項1~のうちのいずれか一項に記載の集魚灯。
【請求項8】
一対の水接触ピンをさらに備え、前記水接触ピンが、前記プリント回路板と電気的に連絡し、前記ハウジングから突出するように配置され、それにより、前記ピンの突出端部間に存在する水が、前記LEDを点灯させる電気回路を完成させる、請求項4に記載の集魚灯。
【請求項9】
前記一対の水接触ピンが、ばねを介して前記プリント回路板と電気接触して設置される、請求項に記載の集魚灯。
【請求項10】
前記縄取付けメカニズムが、少なくとも2つの縄接続機構を備える、請求項1~のうちのいずれか一項に記載の集魚灯。
【請求項11】
請求項に記載の集魚灯を提供するステップと、
釣り縄を提供するステップと、
前記集魚灯を釣り縄に取り付けるステップと、
前記LEDが点灯するように、釣り縄に付けた前記集魚灯を沈めるステップと、
を備える漁法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、集魚灯及びそのような集魚灯を使用する漁法に関し、限定はしないが、特に延縄漁での使用が見出される。
【背景技術】
【0002】
延縄漁は、商業漁業の一技法であり、この技法は、例えば約40kmの長さの幹縄(約6mmの直径を有し、約1~2トンの破壊強さを有する)を使用し、枝縄を用いて、幹縄に沿って間隔を置いて餌針が取り付けられる。通常、延縄漁は、メカジキ、マグロ、オヒョウ、ギンダラ、及び多くの他の種を対象としている。
【0003】
夜間に光が魚を引き寄せることはよく知られており、特に青色及び緑色の光は、魚の視覚のピーク感度にあるため、魚を引き寄せる。また、かなりの量の光が水面で反射して、それにより無駄が生じるのを避けるために、好ましくは人工集魚灯が水中タイプであることが望ましい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
使い捨てグロースティックは、自立型の短時間光源であり、隔離された数種の液体物質を含有する半透明のプラスチックチューブを備え、これらの液体物質は、(例えば、これらの物質を互いに隔てている障壁を壊すことによって)混ぜられたときに、化学発光によって光を生じることから、水中タイプの集魚灯として使用されることが知られている。このライトは一旦作動すると消灯することができず、1回しか使用できず、比較的低い輝度であることが多い。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1の態様によれば、釣り縄に取り付けるための集魚灯であって、
耐水性ハウジングを備え、耐水性ハウジングが第1の部品及び第2の部品を有し、第2の部品が耐水性ハウジングを形成するために第1の部品の開口部に挿入可能であるように構成されたプラグ部分を備え、プラグ部分にわたる圧縮強さが、開口部にわたる第1の部品の圧縮強さよりも実質的に大きく、集魚灯がさらにハウジング内に設けられたLEDと、LEDに電力供給するためにハウジング内に電源と、ハウジングがLEDからの光を通過させるための半透明部分を有するハウジングと、ハウジング上に縄取付けメカニズムと、を備える集魚灯が提供される。
【0006】
このようにして、延縄漁において枝縄に取り付けることができる(従来のグロースティックよりも高い輝度を有することがある)電気式光源が提供される。さらに、集魚灯がある深さに配置されるときに、ハウジングに対する水圧は、開口部内のプラグ部分を圧縮するよりも大きく、開口部にわたる第1の部品を圧縮する。したがって、実際に外水圧が上昇すると、水の浸入に対する封止力を高めるように作用する。プラグ部分にわたる圧縮強さは、開口部にわたる第1の部品の圧縮強さよりも、少なくとも10%、20%、50%、100%、及び/又は200%大きくてよい。
【0007】
このハウジングは、少なくとも1m、5m、10m、100m、500m、1000m、及び/又は3000mの深さまで耐水性を有し得る。
【0008】
LEDは、従来の発光ダイオードでよい。LEDは、青色及び/又は緑色の光を放出するように構成されてよい。あるいは、LEDは、白を含む任意の他の色又は色の組合せの光を放出するように構成されてよい。LEDは、1個だけでも、複数であってもよい。
【0009】
半透明部分は、透明部分を備えていても、あるいは、半透明部分は、実質的に透明ではない部分を備えていてもよい。半透明部分は、着色されていてもよく、つまり、半透明部分は、LEDからの特定の波長の光だけを通過させることができる。半透明部分は、ポリカーボネート材料を含んでよい。あるいは又はさらに、半透明部分は、プラスチック若しくは同様の材料を含んでよく、及び/又は射出成形されてよい。
【0010】
ハウジングの他の部分は、不透明であっても半透明であってもよく、例えば、ハウジング全体が半透明であってもよい。不透明部分は、ポリカーボネート材料を含んでよい。あるいは又はさらに、不透明部分は、ナイロン若しくは同様の材料を含んでよく、及び/又は射出成形されてよい。
【0011】
ハウジングは、集魚灯の内容物を点検、交換、及び/又は修理することができるように組立て及び分解を行うことができる。第2の部品は、第1の部品の開口部内にぴったり嵌まるように構成されてよい。この嵌合は、滑り嵌め及び/又は摩擦嵌めでよい。
【0012】
さらに、ハウジングは、使用中、第2の部品のプラグ部分と第1の部品の開口部との間に位置するOリングを備えていてよい。
【0013】
このようにすると、Oリングは、第1の部品と第2の部品との間に封止を形成する助けとなり得る。Oリングは、ゴム、シリコーン、及び/又は合成ゴムを含んでいてよい。Oリングは、プラグ部分の外周部の周りに嵌まる及び/又は開口部の内周部の周りに嵌まるように位置してよい。ハウジングは、そのようなOリングを1つだけ、2つ、3つ、又は4つ以上備えていてよい。
【0014】
さらに、ハウジングは、Oリングを収受するための溝を備えていてよい。
【0015】
このようにすると、プラグ部分及び/又は開口部の軸線に沿ったOリングの移動を防止することができる。溝は、環状の溝でよい。溝は、プラグ部分の外周部の周りに延在する及び/又は開口部の内周部の周りに延在するように位置してよい。ハウジングは、そのような溝を1つだけ、2つ、3つ、又は4つ以上備えていてよく、例えば、それぞれのOリングごとに1つずつ備えていてよい。
【0016】
このようにして、集魚灯がある深さに配置されるときに、ハウジングに対する水圧は、開口部内のプラグ部分を圧縮するよりも大きく、開口部にわたる第1の部品を圧縮し、これは、任意のOリングが通過して押し出され得るOリング周囲の領域を少なくする働きをすることができる。したがって、実際に、外水圧の上昇は、水の浸入に対する封止力を高めるように作用する。
【0017】
プラグ部分は実質的に硬質でよく、開口部の周りの周壁の厚さよりも大きい厚さを有する周壁を備えていてよく、及び/又は第1の部品が構成される材料の固有の圧縮強さよりも実質的に大きい固有の圧縮強さを有する材料を含んでよい。ハウジングを形成する材料は、0.5~5mm、特に1~3mm、より詳細には約1.5mmの厚さを有する壁を形成し得る。
【0018】
あるいは又はさらに、プラグ部分は、内部にボディーを備えていてよく、このボディーは、プラグ部分の圧縮を防止するために配置される。
【0019】
集魚灯は、プリント回路板をさらに備えていてよく、プリント回路板にLEDが電気的に連結されている。
【0020】
例えば、このLEDは、プリント回路板(PCB)にはんだ付けされてよい。
【0021】
プリント回路板は、使用中、第1の部品内に位置してよく、LEDは、使用中、第2の部品内に位置してよい。
【0022】
プリント回路板へのLEDの連結が、プリント回路板をボディーに連結されるように、電気接触部はプリント回路板からボディーを通ってLEDまで延在してよい。
【0023】
電源は、少なくとも1つの電池を備えていてよく、例えば電池を1つだけ、2つ、3つ、4つ、又は5つ以上備えていてよい。上記又は各電池は、その第1の端部に正極及び負極端子を備えていてよい。このようにすると、上記又は各電池をプリント回路板と直接接続することができる。
【0024】
あるいは、上記又は各電池は、その第1の端部に正極端子を備え、第1の端部とは反対側のその第2の端部に負極端子を備えていてよい。電源が、奇数個のそのような電池を備える場合、プリント回路板とは反対側の電池(のうちの1つ)の端部に電気接触部を設けなければならず、電気接触部とプリント回路板との間に電気導体を設けなければならない。
【0025】
電源が、偶数個のそのような電池を備える場合、電池を互いに直列に接続することができ、したがって、電池の長さにわたり近傍に導体が延在する必要がない。
【0026】
集魚灯は、開口部とは反対側の端部において第1の部品内に配設された電気接触部をさらに備えていてよく、この電気接触部は、第1の電池の正極端子を第2の電池の負極端子と電気的に直列に接続するように構成され、第1及び第2の電池が、電源を形成する。
【0027】
集魚灯は、開口部と、開口部とは反対側の第1の部品の端部との間に延在している長手方向の仕切板をさらに備えていてよく、この仕切板は、電気接触部を所定位置に保持するように構成される。
【0028】
このようにして、集魚灯の容易な組立てが可能になり得る。さらに、仕切板は、隣接する電池間に仕切壁を形成してもよく、任意選択で、電池を挿入するためのガイドを形成する。さらに、第1の部品内に仕切板が存在することによって、第1の部品の壁の圧縮を実質的に防止することができる。すなわち、この仕切板は、補強部材となり得る。
【0029】
代替実施形態では、プリント回路板が、開口部とは反対側の端部において第1の部品内に配設されてよく、電気接触部が、プラグ部分に配設されてよい。
【0030】
例えば、電池は、AA、AAA、C、若しくはD型の電池、又は任意の他の適切な形態の電池でよい。
【0031】
集魚灯は、水中に沈めるとLEDを作動させるようにさらに構成されていてよい。
【0032】
集魚灯は、一対の水接触ピンをさらに備えていてよく、水接触ピンは、プリント回路板と電気的に連絡し、ハウジングから突出するように配置され、それにより、これらのピンの突出端部間に存在する水がLEDを点灯させる電気回路を完成させる。
【0033】
水接触ピンは、5mm、4mm、3mm、2mm、及び/又は1mm未満だけハウジングから突出していてよい。水接触ピンは、水の浸入を防止するために、締まり嵌めによって、ハウジング、第1の部品、第2の部品、プラグ部分、及び/又はボディーを通って延在することができる。例えば、ハウジングのそれぞれの穴(又はこれらの穴の一部)内にこれらのピンを設置するために、少なくとも5N、特に少なくとも20N、より詳細には少なくとも30N、50N、又は70Nの力が必要となり得る。あるいは及び/又はさらに、これらのピンは、それぞれの穴内に接着されるか、又は(例えば、ゴムチューブ又はOリングによって)他の方法で封止されてよい。
【0034】
水接触ピンは、ばねを介してプリント回路板と電気的に接触して設置してよい。
【0035】
このようにすると、製造公差を低減することができ、はんだ付けをなくすことができる。プリント回路板への水接触ピンのはんだ付けは、これらのピンに沿って伝わる望ましくない量の熱を生じる可能性があり、そのような熱の発生がハウジングを熱的に損傷する恐れがあるので、はんだ付けをなくすことは有利である。
【0036】
縄取付けメカニズムは、少なくとも2つの縄接続機構を備える。
【0037】
このようにして、集魚灯は、その集魚灯が取り付けられる釣り縄と一直線に取り付けることができる。
【0038】
あるいは、縄取付けメカニズムは、縄接続機構を1つだけ備えていてもよい。上記又は各縄接続機構は、0.5mm~3mm、特に1mm~2.5mm、より詳細には約2mmの直径を有する釣り縄に接続するのに適していてよい。
【0039】
上記又は各接続機構は、クリップ、ループ、バンド、クランプ、又は任意の他の形態の接続機構を備えていてよい。実質的に、上記又は各接続機構は、接続機構が接続される縄を把持することができるように弾性及び/又は弾力性があってよい。
【0040】
本発明の第2の態様によれば、第1の態様に記載の集魚灯を提供するステップと、釣り縄を提供するステップと、集魚灯を釣り縄に取り付けるステップと、及びLEDが点灯するように釣り縄に付けた集魚灯を沈めるステップと、を備える漁法が提供される。
【0041】
本発明の上記及び他の特性、特徴、及び利点は、例として本発明の原理を図示する添付図面と併せて、以下の詳細な説明から明らかになろう。本明細書は、本発明の範囲を限定することなく、例示の目的でのみ与えられる。以下に引用する参照図面は、添付図面を表す。
【図面の簡単な説明】
【0042】
図1】集魚灯の分解図である。
図2】部分的に組み立てられ、釣り縄に取り付けられる過程において示された、図1の集魚灯の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
いくつかの図面に関連して本発明を述べるが、本発明は、それらの図面には限定されず、特許請求の範囲によってのみ限定される。記載する図面は、概略にすぎず、非限定的なものである。各図面は、本発明の特徴の全てを含んでいないことがあり、したがって、必ずしも本発明の一実施形態であるとみなすべきではない。図面では、例示のために、いくつかの要素のサイズが誇張されていることがあり、縮尺通りには描かれていないことがある。寸法及び相対寸法は、本発明の実際の実施化には対応していない。
【0044】
さらに、本明細書及び特許請求の範囲における「第1」、「第2」、「第3」などの用語は、同様の要素同士を区別するために使用されており、時間的に、空間的に、序列、又は他の何らかの方法で順序を表すために必ずしも使用されるものではない。そのように使用される用語が適切な状況の下で相互交換可能であること、及び本明細書に記載又は例示する以外の順序でも操作が可能であることを理解されたい。
【0045】
さらに、本明細書及び特許請求の範囲における「上部」、「底部」、「上方」、「下方」などの用語は、説明の目的で使用されており、必ずしも相対位置を述べるために使用されてはいない。そのように使用される用語が適切な状況の下で相互交換可能であること、及び本明細書に記載又は例示する以外の向きでも操作が可能であることを理解されたい。
【0046】
特許請求の範囲内で使用される用語「備える」は、その後に列挙される手段に制限されると解釈すべきではないことに留意されたい。この用語は、他の要素又はステップを除外しない。したがって、言及される指定の特徴、整数、ステップ、又は構成要素の存在を特定するものであるが、1つ又は複数の他の特徴、整数、ステップ、若しくは構成要素、又はそれらの群の存在又は追加を除外するものではないと解釈すべきである。したがって、「手段A及びBを備えるデバイス」という表現の範囲は、構成要素A及びBのみからなるデバイスに限定されるべきではない。本発明に関して、それは、デバイスのあくまで関連する構成要素が、A及びBであることを意味する。
【0047】
同様に、本明細書で使用される用語「接続される」は、直接的な接続のみに限定されるものと解釈すべきではないことに留意されたい。したがって、「デバイスBに接続されたデバイスA」という表現の範囲は、デバイスAの出力がデバイスBの入力に直接接続されているデバイス又はシステムに限定されるべきではない。この表現は、Aの出力とBの入力との間に経路が存在し、その経路が、他のデバイス又は手段を含む経路であり得ることを意味する。「接続される」は、2つ以上の要素が、物理的若しくは電気的に直接接触している、又は2つ以上の要素が、互いに直接は接触していないが、それでも互いに協働若しくは相互作用することを意味することがある。例えば、ワイヤレス接続が想定される。
【0048】
本明細書を通して「実施形態」又は「態様」への言及は、その実施形態又は態様に関連して述べる特定の特徴、構造、又は特性が、本発明の少なくとも1つの実施形態又は態様に含まれることを意味する。したがって、本明細書を通して様々な箇所における「一実施形態では」、「ある実施形態では」、又は「ある態様では」という語句の出現は、必ずしも全てが同じ実施形態又は態様に言及してはおらず、異なる実施形態又は態様に言及していることもある。さらに、本発明の任意の実施形態又は態様の特定の特徴、構造、又は特性は、1つ又は複数の実施形態又は態様において、本開示から当業者に明らかであるような適切な任意の方法で組み合わせることができる。
【0049】
同様に、本明細書において、本開示を簡素化すると共に、様々な発明態様のうちの1つ又は複数を理解するのを助ける目的で、本発明の様々な特徴が、時として単一の実施形態、図、又はその記述にまとめられることを理解すべきである。しかし、この開示法は、特許請求された発明が、各請求項に明示的に記載された特徴よりも多くの特徴を必要とするという意図を表すものと解釈すべきではない。さらに、個々の任意の図面又は態様の記述は、必ずしも本発明の一実施形態であるとみなすべきではない。そうではなく、以下の請求項が表すように、発明態様は、前に開示した単一の実施形態の特徴を全て含まない。したがって、詳細な説明に続く請求項は、本明細書においてこの詳細な説明に明示的に組み込まれ、各請求項は、それ自体が本発明の個別の実施形態として独立している。
【0050】
さらに、本明細書で述べるいくつかの実施形態は、他の実施形態に含まれるいくつかの特徴を含むが、異なる実施形態の特徴の組合せは、本発明の範囲内であり、当業者によって理解されるようにさらなる実施形態を成すものと意図される。例えば、以下の請求項において、特許請求される任意の実施形態を任意の組合せで使用することができる。
【0051】
本明細書に提示される記載では、多数の具体的な詳細を述べる。しかし、これらの具体的な詳細を伴わずに本発明の実施形態を実施できることが理解される。他の例では、本明細書の理解を妨げないように、よく知られている方法、構造、及び技法は詳細には示していない。
【0052】
本発明の論述では、特に指示がない限り、パラメータの許容範囲の上限又は下限についての代替値の開示は、上記値の一方が他方よりも非常に好ましいという指摘と合わせて、上記代替値の好ましいほうの値と好ましくないほうの値との間にある上記パラメータの各中間値自体が、上記好ましくないほうの値よりも好ましく、また、上記好ましくないほうの値と上記中間値との間にある各値よりも好ましいことを示唆する陳述であると解釈すべきである。
【0053】
「少なくとも1つの」という用語の使用は、いくつかの状況のうちの1つのみを意味することがある。
【0054】
ここで、本発明の原理を、本発明の例示的な特徴に関係する少なくとも1つの図面の詳細な説明によって述べる。当業者の知識に従って、本発明の根底にある概念又は技術的な教示から逸脱することなく他の構成を取ることができることは明らかであり、本発明は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。
【0055】
図1は、本体1を備える集魚灯の分解図であり、本体1には、2個の電池3(例えばAAA型の電池)を挿入することができ、本体1は、キャップ5によって封止することができる。本体1の上端部には、キーパ9を回転可能に受け取ることができるペグ7が設けられている。ペグ7とキーパ9は、互いにねじ留めされても、実質的に嵌め込むだけのものでもよい。例えば、ペグ7は、ペグ7からキーパ9が偶発的に外れるのを防止するために拡張ヘッドを備えてもよい。ペグ7は、長手方向で釣り縄を収容するのに適した縦溝11を備える。キーパ9は、垂直向きのスロット13を備え、このスロット13は、縦溝11と位置合わせされたときに、実質的に(長手方向ではなく)径方向で釣り縄を溝11に挿入したり溝11から取り外したりすることができるように構成される。
【0056】
互いに電気的に連結された2つのコイルばね15が、本体1に挿入されることがある。例えば、図示されるように、2つのコイルばね15は、一片のワイヤから形成されてよい。コイルばね15は、本体内で、本体の上端部に設置されてよい。コイルばね15は、長手方向挿入具17によって所定位置に保持され、長手方向挿入具17は、本体1の向かい合う2つの壁の間に挿入されて摩擦嵌めによって保持される。各電池3が、長手方向挿入具17のそれぞれの側で本体1に挿入されて、ばねと係合することができる。このようにして、一方の電池の負極端子を、コイルばね15を介して他方の電池の正極端子と直接連結することができる。
【0057】
キャップ5は、その外面に、それぞれのOリング21を収容するために構成された2つの同軸溝19を含む。ここで、キャップ5を、本体1の下端部の開口部に挿入することができ、Oリング21が接合部を封止して、本体1内に水密体積を形成する。
【0058】
リング23を、キャップ5に被せて本体1にはめ込むことができる。リング23は、摩擦嵌めによって所定位置に固定されてもよく、及び/又は好ましくは本体1の隆起部を越えて所定位置にクリック止めすることができる。リング23には、釣り縄が収容できる突出環部25が設けられている。
【0059】
キャップ5は、実質的に半透明の端部を有し、LED27からの光が通過できるようにする。LED27は、LED27が接続されているプリント回路板29を介して電池3によって電力供給され、プリント回路板29に対して電池3が電気的に接触している。LED27のワイヤコネクタがスペーサ31の内部を通過してプリント回路板29に(例えば、はんだ付けによって)接続されるので、LED27の拡張ヘッドは、プリント回路板29に向かってスペーサ31を持つ。
【0060】
スペーサ31は、キャップ5内でOリング21のすぐ下に挿入されて、径方向内向きへのキャップ5の圧縮を防止する。さもなければ、そのような圧縮により、本体1内のキャップ5の封止が損なわれる。
【0061】
また、プリント回路板29と共に、スイッチが電気的に組み込まれている。図示される構成では、このスイッチは、水により作動されるスイッチである。すなわち、2本の電気プローブ33が、プリント回路板からキャップ5の穴を通って集魚灯の外部まで延在する。プローブ33の2つの突出端部間の水(特に、塩水)の存在により、LED27の作動を引き起こす回路が完成する。プローブ33は、それぞれのコイルばね35を介してプリント回路板と電気的に連絡する。また、各プローブは、スペーサ31のそれぞれの穴を通過するように配置されている。
【0062】
図2は、キャップ5が本体1に挿入されて水密体積を形成している状態で示した、図1の集魚灯の斜視図である。釣り縄35は、スロット13を通して、本体1の溝11及びリング23の突出環部25に挿入されている。釣り縄35へのこのデバイスの固定は、スロット13の位置が溝11の位置と揃わないようにキーパ9を回転させ、リング23をキャップ5に被せて本体1上にスライドさせることによって完成される。
図1
図2