(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-28
(45)【発行日】2023-03-08
(54)【発明の名称】液晶の多相制御
(51)【国際特許分類】
H01Q 13/08 20060101AFI20230301BHJP
H01Q 3/34 20060101ALI20230301BHJP
H01Q 3/44 20060101ALI20230301BHJP
【FI】
H01Q13/08
H01Q3/34
H01Q3/44
(21)【出願番号】P 2020512565
(86)(22)【出願日】2018-08-30
(86)【国際出願番号】 US2018048974
(87)【国際公開番号】W WO2019046655
(87)【国際公開日】2019-03-07
【審査請求日】2021-08-27
(32)【優先日】2017-08-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518321174
【氏名又は名称】ウェハー エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】WAFER LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100121728
【氏名又は名称】井関 勝守
(74)【代理人】
【識別番号】100165803
【氏名又は名称】金子 修平
(74)【代理人】
【識別番号】100170900
【氏名又は名称】大西 渉
(72)【発明者】
【氏名】ハジザ,デディ ダビデ
【審査官】岸田 伸太郎
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/065255(WO,A1)
【文献】特開2005-099689(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第106932933(CN,A)
【文献】 O.H.Karabey et al.,”A 2-D Electronically Steered Phased-Array Antenna With 2×2 Elements in LC Display Technology”,IEEE TRANSACTIONS ON MICROWAVE THEORY AND TECHNIQUES,2012年,Vol.60, No.5,pp.1297-1306
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01Q 13/08
H01Q 3/34
H01Q 3/44
IEEE Xplore
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
多相可変誘電体アンテナであって、
上部誘電体と、
底部誘電体と、
前記上部誘電体と前記底部誘電体との間の可変誘電体プレートと、
前記可変誘電体プレートの上に設けられた複数の導電性デバイスと、
前記底部誘電体の下に設けられたRF給電部と、を備え、
前記可変誘電体プレートは、
上部バインダと、
底部バインダと、
前記上部バインダと前記底部バインダとの間に設けられた可変比誘電率材料であって、当該可変比誘電率材料は、ピクセルへ分割され、それぞれのピクセルは、対応する導電性デバイスの下に配置され、複数の電極を有している、可変比誘電率材料と、
複数の導電ラインであって、それぞれの導電ラインは、独立して、前記電極の1つとコントローラとに接続されて、その結果、単一のピクセルの前記複数の電極のそれぞれが、独立して、前記コントローラから作動信号を受信する複数の導電ラインと、を備え
、
前記複数の導電デバイスのそれぞれは、遅延ライン又は放射パッチのうちの1つを含む、多相可変誘電体アンテナ。
【請求項2】
前記上部誘電体の上方に設けられた複数の放射パッチと、
複数の導電性ビアであって、それぞれが、前記導電性デバイスの1つと、前記放射パッチの対応する1つとの間に電気接続を提供する複数の導電性ビアと、をさらに備える請求項1に記載の多相可変誘電体アンテナ。
【請求項3】
前記放射パッチの1つの下においてそれぞれが位置合わせされた複数の窓を有するRF接地部をさらに備える請求項2に記載の多相可変誘電体アンテナ。
【請求項4】
前記複数の導電ラインは、独立して、前記放射パッチの1つと前記コントローラとに接
続されて、その結果、前記複数の放射パッチのそれぞれが、独立して、前記コントローラ
から作動信号を受信する導電ラインを含む、請求項2に記載の多相可変誘電体アンテナ。
【請求項5】
前記可変誘電体プレートは、さらに、前記上部バインダと底部バインダとの間に設けら
れた複数のスペーサを備える請求項1に記載の多相可変誘電体アンテナ。
【請求項6】
前記可変誘電体プレートは、さらに、それぞれのピクセル用の複数の接地電極を備える
請求項1に記載の多相可変誘電体アンテナ。
【請求項7】
前記可変誘電体プレートは、さらに、複数の接地ラインであって、それぞれの接地ライ
ンが、独立して、前記接地電極の1つと前記コントローラとに接続されて、その結果、単
一のピクセルの前記複数の接地電極のそれぞれが、独立して、前記コントローラから作動
信号を受信する複数の接地ラインを備える請求項6に記載の多相可変誘電体アンテナ。
【請求項8】
前記複数の導電性デバイスのそれぞれは、RF信号を放射パッチに送るように構成され
た遅延ラインを含む請求項1に記載の多相可変誘電体アンテナ。
【請求項9】
前記複数の導電性デバイスのそれぞれが、放射パッチからRF信号を受信し、前記コン
トローラからピクセル作動信号を受信するように構成された請求項1に記載の多相可変誘
電体アンテナ。
【請求項10】
さらに、前記RF給電部と前記複数の導電性デバイスとの間にDCオープン及びRF短
絡を備える請求項1に記載の多相可変誘電体アンテナ。
【請求項11】
前記複数の導電性デバイスのそれぞれが、蛇行した導電ストリップとして形成された遅
延ラインを含み、前記ピクセルのいくつかは、前記蛇行した導電ストリップに沿って配置
された請求項1に記載の多相可変誘電体アンテナ。
【請求項12】
複数のRF放射パッチをさらに備え、前記遅延ラインのそれぞれが前記RF放射パッチ
の1つに接続された請求項11に記載の多相可変誘電体アンテナ。
【請求項13】
さらに、それぞれのピクセルの下に配置された複数の接地電極を備え、複数の接地信号
ラインのそれぞれが、個々にかつ独占的に前記接地電極の1つに接続されて、前記コント
ローラに通じる請求項11に記載の多相可変誘電体アンテナ。
【請求項14】
可変比誘電率材料を上部バインダと底部バインダとの間に配置するステップと、
前記可変比誘電率材料からピクセルを形成するステップと、
複数の電極を上部バインダに形成するステップであって、前記複数の電極の1つ以上の
電極のサブセットがそれぞれのピクセルに対して設けられる、複数の電極を上部バインダ
に形成するステップと、
複数の信号ラインを形成するステップであって、それぞれの信号ラインは、前記複数の
電極の1つのみに独立してかつ独占的に接続されて、コントローラに通じる、複数の信号
ラインを形成するステップと、
前記底部バインダ上に接地構成を形成するステップと、
複数の導電性デバイスを前記上部バインダ上方に形成するステップであって、前記ピク
セルの少なくとも1つが、前記導電性デバイスのそれぞれの下に位置する、複数の導電性
デバイスを前記上部バインダの上方に形成するステップと、を含む多相可変誘電体アンテ
ナの製造方法。
【請求項15】
前記接地構成を形成するステップは、それぞれのピクセルの下に複数の接地電極を形成
するステップと、複数の接地信号ラインを形成するステップであって、それぞれが個々に
かつ独占的に前記接地電極の1つに接続されて、前記コントローラに通じる、複数の接地
信号ラインを形成するステップとを含む請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記複数の導電性デバイスを形成するステップは、蛇行した複数の導電ラインを形成す
るステップであって、前記蛇行した複数の導電ラインのそれぞれは複数のピクセルの上方
に形成される、複数の蛇行した導電ラインを形成するステップを含む、請求項14に記載
の方法。
【請求項17】
複数の放射パッチを形成するステップと、複数の接点を形成するステップであって、そ
れぞれの接点が前記放射パッチの1つを前記蛇行する導電ラインの1つに接続する、複数
の接点を形成するステップとをさらに含む請求項16に記載の方法。
【請求項18】
さらに、前記上部バインダと底部バインダとの間に複数の絶縁スペーサを配置するステ
ップを含む請求項14に記載の方法。
【請求項19】
さらに、前記底部バインダの下に絶縁プレートを配置するステップと、当該絶縁プレー
トにRF接地面を形成するステップとを含む請求項14に記載の方法。
【請求項20】
各ピクセルにおいて、前記複数の電極のうちの1つは、遅延ラインを含む請求項1に記載の多相可変誘電体アンテナ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2017年8月30日出願の米国仮出願第62/552,273号の優先権を主張し、その開示は、参照によりそのすべてが本明細書に援用される。
【背景技術】
【0002】
1.分野
本開示は、概ね、液晶デバイスの分野に関し、特に、液晶のドメイン配向の制御に関する。
【0003】
2.関連技術
液晶は、種々のアプリケーションにおいて使用可能である。液晶の特徴は、外乱(externalperturbation)によって、液晶系の巨視的特性が著しく変化し得ることである。巨視的特性におけるこの変化を、2つだけ例を挙げれば光学系及び電気系において用いることができる。電場及び磁場の両方を、このような変化を引き起こすために用いることができる。場の大きさと、分子が配向する速度とは、特定のアプリケーションにとって重要な特性である。
【0004】
特別な表面処理を液晶デバイスに用いて、双極分子に特定の配向をさせ、よってダイレクタを配向させることができる。外場に沿ったダイレクタの配向は、分子の電気的性質により引き起こされる。この点において、ダイレクタは、任意の場所近くの分子の好ましい配向の向きを表す、大きさを持たない単位ベクトルnのことを言う。永久電気双極子は、分子の一方の端部が正味の正電荷を有し、一方、他方の端部は正味の負の電荷を有する結果もたらされる。外部電場を液晶に掛けると、双極分子は、それ自体を場の向きに沿って配向させる傾向がある。
【0005】
一般的な系では、分子は、緩和状態、すなわち、外場を掛けていない状態では、一方向に配向する。変化が必要な場合、適切な電場を掛け、この電場は、分子を、掛けた場の強度と相関する量だけ回転させる。その作用がもう必要なくなって、場を除去すると、分子が緩和状態に戻る。電気的反応及び化学的反応として2つの作用、つまり、場を掛けると、電気的反応が起こって分子が回転する作用と、場を除去すると、化学的反応によって、分子が緩和状態に戻る作用とが考えられる。しかしながら、電気的反応は、化学的反応よりもずっと早く起こる。よって、経時的作動は、対称的ではない、つまり、「ON」は、「OFF」よりもずっと早い。
【0006】
LCDディスプレイ等の光学系では、この非対称的な現象は、リフレッシュレートが比較的緩やかであっても、滑らかで許容可能な画像を維持するので、実際有利に働く。電極に電位を掛けて、ピクセルが「ON」になると、ダイレクタは急速に配向を変えて、光が、そのピクセルを通過して所望の強度まで照らし得る。スキャンが他のピクセルに進行すると、電位は、リフレッシュシーケンスにおける次のサイクルまで、そのピクセルには掛からなくなる。しかしながら、光は、なお通過可能であるものの、ダイレクタの緩和にかかる時間が長くなると、全体がOFFになる前に、次のリフレッシュサイクルが、電位を再び掛け、人間の目には強度のわずかな低下は分からないので滑らかな画像を維持する結果になる。
【0007】
電極を使用して液晶の配向を制御する際の情報をさらに得るため、読み手には、例えば、米国特許第5,105,186号明細書及び米国特許第8,111,232号明細書と、米国特許出願公開第2008/0024688号明細書に目を向けてもらう。この技術は、フラットパネルディスプレイ用のネマチック相液晶の従来の使用に関連する。
【0008】
最近、出願人は、非光学デバイスの特性及び作動を制御するために液晶を使用することを提案した。例を、米国特許第7,466,269号明細書及び7,884,766号明細書と、米国特許出願公開第2018-0062238号明細書において参照可能である。このようなデバイスでは、ダイレクタの配向を、液晶層の誘電率を変更するために制御して、それにより、電気デバイスの作動特性を変化させる。しかしながら、本発明者が発見したように、従来技術とは反対に、液晶の非対称的な作動は、このようなアプリケーションには望ましくない。本発明者は、電気デバイスの作動を制御するとき、「OFF」の過程を「ON」の過程と同程度速くすることが望ましいと判断した。
【0009】
そのために、当該技術において、液晶のダイレクタの制御を改善する必要がある。
【発明の概要】
【0010】
以下の本開示の発明の概要は、本発明におけるいくつかの態様及び特徴の基本的な理解を得るために含ませている。この発明の概要は本発明の広範囲の概略ではなく、それ自体特に本発明の不可欠若しくは重要な要素を特定すること、又は本発明の範囲を詳述することを意図しない。その唯一の目的は、以下に記載されるより詳細な説明の前置きとして簡易な形態で本発明のいくつかの概念を提示することにある。
【0011】
開示の実施形態は、改善された液晶ドメイン配向の制御を提供する。開示の実施形態は、複数の電極を用い、複数の電極のそれぞれが、ドメイン系を迅速に所望の状態にし得る独立した制御ラインを具える複数の電極を利用する。
【0012】
一般的な態様では、液晶系を、複数のピクセルグループのそれぞれのグループが電気デバイスの作動特性を制御するように作動可能な複数のピクセルグループを具えて、製作する。それぞれのグループは、複数のピクセルを含み、それぞれのピクセルは、複数の電場の状態を生成し空間での配向を相違させるように空間に配置された複数の電極を含む。それぞれの状態は、液晶のドメインをピクセル内において相違する所望の配向で配置するように設定される。
【0013】
開示の実施形態では、液晶材料は、ガラス、PET、テフロン等の上部誘電体プレートと、底部誘電体プレートとの間に挟まれている。画定されたそれぞれのピクセルについて、複数の上部電極が上部誘電体に設けられ、少なくとも1つの電極が底部誘電体に設けられる。上部電極及び底部電極のそれぞれが、コントローラにより任意の極性に独立して通電され得る個別の制御ラインに接続される。異なる電位を異なる極性で個々の電極に掛けることによって、種々のモードまたは状態を液晶系内において画定し得る。ダイレクタの向きと振幅は、掛ける電荷の大きさと、電荷を掛ける電極の選択とにより、制御可能である。
【0014】
一態様によれば、多相可変誘電体アンテナが提供され、この多相誘電体アンテナは、上部誘電体と、底部誘電体と、上部誘電体と底部誘電体との間の可変誘電体プレートと、可変誘電体プレートの上方に設けられた複数の導電性デバイスと、底部誘電体の下に設けられたRF給電部と、を備え、可変誘電体プレートは、上部バインダと、底部バインダと、上部バインダと底部バインダとの間に設けられた可変比誘電率材料と、を備え、可変比誘電率材料は、ピクセルに分割され、ピクセルのそれぞれは、対応の導電性デバイスの下に配置され、複数の電極と、複数の導電ラインとを具え、当該複数の導電ラインのそれぞれは、独立して、電極の1つとコントローラとに接続されて、その結果、単一のピクセルの複数の電極のそれぞれが、独立して、コントローラから作動信号を受信する。
【0015】
多相可変誘電体アンテナは、さらに、上部誘電体の上方に設けられた複数の放射パッチと、複数の導電性ビアであって、それぞれが、導電性デバイスの1つと、放射パッチの対応する1つとの間に電気接続を提供する複数の導電性ビアとを備え得る。アンテナは、放射パッチの1つの下においてそれぞれが位置合わせされた複数の窓を有するRF接地部もさらに備え得る。複数の導電ラインは、独立して、放射パッチの1つとコントローラとに接続された導電ラインを含み得、その結果、複数の放射パッチのそれぞれが、独立して、コントローラから作動信号を受信する。可変誘電体プレートは、さらに、上部バインダと底部バインダとの間に設けられた複数のスペーサを備え得る。可変誘電体プレートは、さらに、それぞれのピクセル用の複数の接地電極を備え得る。可変誘電体プレートは、さらに、複数の接地ラインであって、それぞれの接地ラインが、独立して、接地電極の1つとコントローラとに接続されて、単一のピクセルの複数の接地電極のそれぞれが、独立して、コントローラから作動信号を受信する複数の接地ラインを備え得る。その上、複数の導電性デバイスのそれぞれは、RF信号を放射パッチに送信するように構成された遅延ラインを含み得、また、放射パッチからRF信号を受信しコントローラからピクセル作動信号を受信するように構成し得る。アンテナは、RF給電部と複数の導電性デバイスとの間にDCオープン及びRF短絡の構成を含み得る。複数の導電性デバイスのそれぞれが、蛇行した導電ストリップとして形成された遅延ラインを含み得、ピクセルのいくつかは、蛇行した導電ストリップに沿って配置される。複数のRF放射パッチを含ませることができ、遅延ラインのそれぞれがRF放射パッチの1つに接続される。アンテナは、さらに、それぞれのピクセルの下に配置された複数の接地電極を備え、複数の接地信号ラインのそれぞれが、個々にかつ独占的に接地電極の1つに接続され、よってコントローラに通じる。
【0016】
別の態様によれば、多相可変誘電体アンテナを製作する方法が、提供され、当該方法は、可変比誘電率材料を上部バインダと底部バインダとの間に配置するステップと、可変比誘電率材料からピクセルを形成するステップと、複数の電極を上部バインダに形成するステップであって、複数の電極の1つ以上の電極のサブセットをそれぞれのピクセルの上方に設ける、複数の電極を上部バインダに形成するステップと、複数の信号ラインを形成するステップであって、それぞれの信号ラインは、複数の電極の1つのみに独立してかつ独占的に接続されてコントローラに通じる、複数の信号ラインを形成するステップと、底部バインダ上に接地構成を形成するステップと、複数の導電性デバイスを上部バインダの上方に形成するステップであって、ピクセルの少なくとも1つが導電性デバイスのそれぞれの下に位置する複数の導電性デバイスを上部バインダ上方に形成するステップと、を含む。接地構成を形成するステップは、それぞれのピクセルの下に複数の接地電極を形成するステップと、複数の接地信号ラインを形成するステップであって、それぞれが個々にかつ独占的に接地電極の1つに接続されてコントローラに通じる、複数の接地信号ラインを形成するステップとを含み得る。複数の導電性デバイスを形成するステップは、蛇行した複数の導電ラインを形成するステップであって、蛇行した複数の導電ラインのそれぞれは複数のピクセルの上方に形成される、複数の蛇行した導電ラインを形成するステップを含み得る。本方法は、さらに、複数の放射パッチを形成するステップと、複数の接点を形成するステップであって、それぞれの接点が放射パッチの1つを、蛇行する導電ラインの1つに接続する、複数の接点を形成するステップとを含み得る。
【0017】
本発明の他の態様及び特徴は、以下の図面を参照して行う詳細な説明から明らかとなるだろう。詳細な説明及び図面は、添付の特許請求の範囲によって規定される本発明の種々の実施形態の種々の非限定的例をなすものであることが理解すべきである。
【0018】
本明細書に含まれるとともに本明細書の一部をなす添付の図面は、本発明の実施形態を例示するものであり、詳細な説明とともに本発明の原理を説明し図示する役割を担う。図面は、概略的に、例示の実施形態の主な特徴を示すことを意図している。図面は、実際の実施形態のすべての特徴や示される要素の相対的寸法を示すことを意図するものではなく、正確な縮尺で描いていない。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図2】
図2は、本発明の一実施形態に係る液晶構造を示す。
【
図3】
図3は、本発明の別の実施形態に係る液晶構造を示す。
【
図4】
図4は、導電性パッチを電極として使用する本発明の別の実施形態に係る液晶構造を示す。
【
図5A】
図5Aは、一実施形態に係る電子デバイスの一例を示す。
【
図5B】
図5Bは、一実施形態に係る電子デバイスの一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の液晶構造の実施形態およびその作動について、図面を参照して説明する。様々な用途のために又は様々な利点を得るために、種々の実施形態又はそれらの組合せを使用することができる。本明細書に開示する種々の特徴は、得ようとする結果次第で、利点を要件や制約と両立させて、部分的に又はそのすべてを単独で又は他の特徴と組み合わせて使用することができる。ゆえに、特定の利点は種々の実施形態において強調されるが、開示の実施形態に限定されるわけではない。すなわち、本明細書に開示の特徴は、それらが記載される実施形態に限定されるわけではなく、他の特徴と「組み合わせ適合させ」、他の実施形態に組み込むことができる。
【0021】
図面に、場またはダイレクタを表示していることに留意すべきである。これらの表示は、以下にさらに徹底的に説明していくように、特定の例に相互に関連してくるものであり、また、異なる電位をかけることにより変化し得るものである。
【0022】
図1は、先行技術に係る液晶構造の断面の一部を示す。液晶材料100、例えば、ネマチック相液晶が、上部誘電体105と、底部誘電体110との間に挟まれている。カラーフィルタ115が上部誘電体105上に設けられ、照射層120が底部誘電体110上に設けられている。(
図1に示す2つのピクセルの)それぞれのピクセルにおけるダイレクタの配向は、電位を、導電性材料からなる上部電極125と底部電極130とにかけることにより制御する。上部電極125は、ユーザに対して透明である必要があり、したがって、それぞれのピクセルに対して、上部電極は、3枚の薄い、ITO等の透明導電性ストリップからなる。3枚のストリップを、次に、単一の横向きの導電性ストリップに接続し、3枚すべてが常時同じ電位に維持されるようにする。
図1の断面には横向きのストリップを図示できないので、ストリップをコントローラ140に接続する3本の導体ライン127により模している。すなわち、コントローラからの信号は、横向きのストリップを介して同時に3枚のストリップに印加されて、128で示す均一な場が生成される。底部電極130は、1枚の大きなプレートとして作製可能であり、コントローラに通じる1本の信号線も有する。場128は、3枚のストリップ125と底部電極130との間の電位差により生成される。3枚のストリップは、すべて同じ電位に保持されるので、場の向きは、均一で変化しないが、その大きさは、電極に印加される電位の大きさにより変化し得る。
【0023】
電子デバイスについて検討すべき事項は、LCD等の光学デバイスについて検討すべき事項とは異なる。例えば、電子デバイスについては、電極が光学的に透明か否かは問題ではない。さらに、場の大きさを変更することは、電子デバイスにとっても重要だが、本発明者は、場の向き及び/または場の形状、および場が変化する速度を制御することも重要であると判断した。以下の実施形態は、大きさに加えて、場の向きと形状を変更可能とするものである。
【0024】
図2に、大きさに加えて、場の向きと形状を制御可能な実施形態を図示する。
図1に示すように、液晶100は、上部誘電体105と底部誘電体110との間に挟まれている。電子デバイスに、カラーフィルタは不要である。その代わりに、電子デバイスを、例えば、遅延ライン、放射パッチ等の導電性回路116の形態で、上部誘電体105上に設ける。また、照射部120は、不要なので、排除している。
図2において、底部電極130は、
図1と同様に維持し得る。それとは逆に、それぞれのピクセル用の上部電極は、個々に制御される複数の(ここでは3つの)電極126a~126cを設けるように変更している。1つのピクセル内において個々に制御される上部電極126a~126cのそれぞれは、コントローラ140に個々に接続されている。コントローラが、電極126a~126cに、極性が異なる別々の電位をかけることによって、場128の向きと形状は、
図2に例示したように変化し得る。
【0025】
一例として、
図2では、コントローラは、2つのピクセルに異なる信号を印加している。左にあるピクセルについて、コントローラは、接地信号を、底部電極130と、最も左の上部電極126aにも印加している。その結果、生成される場は、
図1に図示した従来の均一な場と比較して、歪んでいる。ここに示した図面は、シミュレーションプログラムにより作成していないので、場は、概略を図示しており、実際に生じた場の正確な図示にはなっていない。場の大きさは、電極126b及び電極126cに印加される正電位の大きさにより制御される。
【0026】
また、
図2において、右のピクセルについて、コントローラは、正の電位を最も右の上部電極126cのみに印加し、その他の全ての電極は、接地電位を受信する。このように、コントローラは、
図2に概略を図示したように、場の歪みを強化する。よって、本明細書に開示の制御方式によって、標準的なLCD制御方式では不可能な場の生成が可能である。
【0027】
本明細書に開示の制御方式には、従来のLCD制御方式よりもっと多くのラインを要することを理解すべきである。しかしながら、ライン及び電極は、透明にする必要はないので、アルミニウムまたは銅から作製可能であり、それにより、ITOと比較してコンダクタンスが改善される。
【0028】
図3に、複数の上部電極126a~126cと複数の底部電極130a~130cとをピクセルそれぞれのために設けた実施形態を図示する。上部電極126a~126c及び底部電極130a~130cのそれぞれは、独立してかつ別々にコントローラに接続されており、その結果、コントローラはそれぞれの電極に作動信号を別々に印加することができる。確かに、特定の場を生成するために、電極の全てに通電する必要は全くない。このことを、
図3の特定の図に例示しているが、他のいかなる実施形態または実施にも適用可能である。
【0029】
図3に図示した状況では、左のピクセルに通電して、右のピクセルとは異なる場を生成している。左のピクセルにおいて、コントローラは、負電位または接地電位を、底部電極130a及び130bに掛けるが、底部電極130cには電位を掛けず、すなわち、浮遊状態のままである。コントローラは、正電位を上部電極126b及び126cに掛けるが、上部電極126aには電位を掛けない。繰り返すが、結果として生じる場は、従来のLCDの場と比較して歪む。右にあるピクセルについて、コントローラは、負電位または接地電位を、2つの底部電極130b及び130cと、上部電極126cに掛ける。コントローラは、正電位を上部電極126a及び126bに掛けるが、底部電極130aは浮遊状態にしておく。結果として生じる場は、従来のLCDの場と比較して歪む。
【0030】
図3の実施形態は、スペーサ144の使用も図示している。電子デバイスについて、上部誘電体と底部誘電体との間の距離は、デバイスの性能に影響を与えるものであり、精確に維持すべきである。従って、
図3の実施形態では、絶縁スペーサ、例えば、ガラスビーズを、上部誘電体と底部誘電体との間隔と、デバイス全体における均等さとを維持するために使用する。
【0031】
図4に別の実施形態を示す。
図4では、それぞれのピクセルは、2つの上部電極126a及び126cを有し、底部には、1つの総合接地電極、またはいくつかの電極、この特定の例では、2つの底部電極130a及び130cを存在させることができ、それぞれが、独立して、コントローラ140に接続される。さらに、導電性パッチ116の形態の電子デバイスのそれぞれもまた、コントローラに接続され、作動信号を受信する。よって、電子デバイス116のそれぞれは、電子デバイスとしての機能に加えて、遅延ライン、放射パッチ等の作動電極としても機能する。
【0032】
図4に図示した特定の作動モーメントにおいて、左のピクセルでは、コントローラ140が正電位を上部電極126cと導電性パッチ116とに掛けることにより、場が生成されている。コントローラは、負電位または接地電位を底部電極130aに掛けるが、上部電極126a及び底部電極130cは浮遊状態に維持する。右のピクセルに対して、コントローラは、正電位を、上部電極126aと底部電極130aに掛けるが、導電性パッチ116には電位を掛けず、接地電位または負電位を上部電極126c及び底部電極130cに掛ける。よって、本明細書において説明するように、開示の実施形態によって、液晶系の多相制御が可能となる。
【0033】
液晶系の状態が異なることは、ピクセルの上方に位置する導電性パッチに対する比誘電率が異なることを示す。導電性パッチの下のピクセルにおける比誘電率を変更することによって、導電性パッチの作動特性を変化させ得る。例えば、導電性パッチが遅延ラインであるとき、ピクセルの液晶の状態を変更すると、比誘電率が変化することになり、それにより、遅延ラインにより生じる遅延量が変化する。異なる状態は、異なる場を掛けることにより、その系の化学的緩和をせずに、電子的に制御されるので、遅延量は、迅速に制御可能である。このように、遅延ラインは、例えば、信号が導電性パッチを進行する際の相の変化を制御することに使用可能である。
【0034】
同様に、導電性パッチが放射パッチであるとき、液晶の状態を変更することを、導電性パッチの共振周波数を制御することに用い得る。コントローラを使用して迅速に制御することによって、共振が迅速に変化可能となって、その結果、放射パッチは、複数の周波数で、連続して作動することができる。
【0035】
図5A及び
図5Bに、電子デバイス、図では電子的にスキャンされるアンテナにおいて、
図3の実施形態を用いた一例を図示する。放射デバイスの例は、
図5A~
図5Bに図示した革新的な多相制御誘電体を用いた例では、米国特許出願第15/654,643号明細書に本発明者が開示した多層型ソフトウェアを用いており、その内容を参照により本明細書に援用する。よって、本明細書に開示の実施形態に関する関連部分のみが、本明細書において繰り返される。
図5Bは、2つの放射パッチを示すアンテナ部分の断面であり、
図5Aは、多層型ソフトウェア画定アンテナの1つの放射パッチの一例の平面図である。
【0036】
図5A及び
図5Bの実施形態において、液晶に変化が起こることにより影響を受ける電子デバイスは、遅延ライン116である。遅延ライン116は、信号を、ビア525を通って放射パッチ510に伝導する。放射パッチ510は、一般的に、上部誘電体スペーサ500上に形成され、この上部誘電体スペーサ500は、一般に、ガラス、PET、Rogers、Rohacell等の誘電体(絶縁)プレート又は誘電体シートの形態とし得る。放射パッチ510は、例えば導電膜の接着、スパッタリング、プリント等によってスペーサ500の上面に形成する。
【0037】
パッチ510の場所において、ビア525が、スペーサ500に形成され、導体が、ビアを通って、パッチ510の背面に接続される。遅延ライン116は、例えば、スペーサ500の底面(又は上部誘電体105の上面)に形成され、ビア525の導体に物理的及び電気的に接続される。遅延ライン116は、例えば、導電膜の接着、導電性材料のスパッタリング、プリント等により作製される蛇行した導電ラインであり、液晶ピクセルの上方を通っている。本明細書に開示のように、電位を、ピクセルの上部電極及び底部電極に掛けることによって、信号が遅延ラインを通って伝達される際に遅延が引き起こされ得る。遅延は、例えば、アンテナアレイのスキャン、極性の変化等につながる信号位相の変更に用いることができる。
【0038】
遅延ライン116における遅延は、本明細書に開示の実施形態のいずれかにより構成される可変比誘電率(VDC)プレート540により制御される。VDCプレート540を構成するための任意の方法が、アンテナの実施形態とともに用いることに適切であり得るが、特定の実施形態における省略表現として、VDCプレート540を、上部バインダ105(例えば、ガラス、PET等)と、可変比誘電率材料100(例えば、ねじれネマチック液晶層)と、下部バインダ110とからなるものとして図示する。他の実施形態では、バインダ層105及び110の一方又は両方を省略してよい。さらに、ガラスビーズ144を、バインダ同士の精確な間隔を保証することに使用し得る。
【0039】
いくつかの実施形態では、例えば、ねじれネマチック液晶層を使用する場合、VDCプレート540はまた、上部バインダ105の底部に成膜及び/若しくは接着することができるアライメント層(薄過ぎるため図示不可能)を含む。アライメント層は、液晶分子を制限基板の端縁部にアライメントするため、ラビング又はUV硬化されるポリイミド系PVA等の材料の薄層であり得る。
【0040】
VDCプレート540におけるそれぞれのピクセルの実効比誘電率は、このVDCプレート540に跨って電位を印加することにより制御することができる。その目的で、上部電極及び下部電極が形成され、制御可能な電圧供給部140に接続される。上に開示の実施形態において示したように、電極を形成するために種々の構成が存在する。
図5Bに図示した構成では、ピクセルのそれぞれに対して、複数の上部電極126及び底部電極130を設けている。上部電極及び底部電極のそれぞれは、独立して、可変電圧供給部140に接続されている。
【0041】
よって、コントローラ140により、個別の電極それぞれに掛かる出力電圧を変更することによって、個別のどの電極の近傍におけるVDC材料の比誘電率を変更し、それにより、遅延ライン116を進行するRF信号を変更することが可能である。同様に、従来のコントローラは、制御信号を供給してアンテナの特性を制御することに使用可能であるが、それぞれのピクセル内にある個別の電極に信号を送るように変更しなければならない。よって、アンテナの性能及び特徴はソフトウェアを使用して制御可能であり、つまりソフトウェア制御アンテナである。
【0042】
この点で、本説明において接地という用語の使用は、一般的に許容しうる接地電位、すなわちアース電位と、設定電位又は浮遊電位としうる共通(コモン)電位又は基準電位との双方を指すことを明確にするべきものである。例えば、従来のLCDディスプレイコントローラは、ピクセルごとに2つの信号を出力し、この信号の一方を、グランドまたは共通信号と呼ぶ。同様に、図面において、負の電位及び接地用の記号を使用しているが、これは互換的にアース電位或いは、共通又は負の電位のいずれかを意味するように簡略表現として使用している。したがって、接地という用語が本明細書に使用されるときは常に、設定電位又は浮遊電位であり得る共通電位又は基準電位という用語が含まれている。
【0043】
送信モードにおいて、RF信号がコネクタ546(例えば同軸ケーブルコネクタ)を通って給電パッチ560に印加される。
図5Bに示すように、給電パッチ560と遅延ライン116との間に電気DC接続は存在しない。しかしながら、開示の実施形態において、層は、給電パッチ560と遅延ライン116との間にRF短絡が得られるように設計している。
図5Bに示すように、背面導電性接地(又は共通)層555が、背面絶縁体(又は誘電体)454の上面と底部バインダ110の底面とに形成されている。背面導電性接地層555は、実質的に、アンテナアレイの全領域を覆う導体の層である。それぞれのRFフィード位置において、窓(DC遮断部)553が背面導電性接地層555に設けられる。RF信号は、給電パッチ560から窓553を通って進行し、遅延ライン116に結合される。受信時には反対のことが起こる。よって、DCオープン及びRF短絡が遅延ライン116と給電パッチ560との間に形成される。
【0044】
一実施形態によれば、多相可変誘電体アンテナの製造方法が提供される。本方法は、液晶材料100等の可変比誘電率材料を、上部バインダ105と底部バインダ110との間に配置し、可変比誘電率材料からなるピクセルを形成するステップとを含む。ピクセルは、液晶材料内に物理的な仕切りまたは障壁を形成するか、又は単に作動電極126の場所を画定することによって、形成し得る。複数の作動電極を上部バインダに形成することは、例えば、銅又はアルミニウム線を形成することにより行い、複数の電極の1つ以上の電極のサブセットをそれぞれのピクセルに対して設ける。さらに、図に示したように、電極126は、上部バインダの上面又は底面上に形成し得る。(
図5Bでは117で示す)複数の信号ラインを形成することは、電極126の形成と一体的に又は別々に行い得る。形成方法に拘わらず、それぞれの信号ラインは、複数の電極の1つのみに独立してかつ独占的に接続されて、コントローラ140に通じている。底部バインダ上に以下の接地構成を形成することは、図に示すように、それぞれのピクセル用に1つ以上の接地電極を具えることにより行い得る。さらに、図に示したように、接地構成は、銅又はアルミニウム電極を用いて底部バインダの上面又は底面に形成し得る。それぞれのピクセル用に形成される接地電極の数に拘わらず、複数の接地信号ライン118が、形成され、それぞれが、複数の接地電極の1つのみに独立してかつ独占的に接続されて、コントローラ140に通じている。複数の導電性デバイスが、上部バインダ上方に形成され、ピクセルの少なくとも1つが、導電性ストリップのそれぞれの下に位置する。導電性デバイスとは、絶縁体505の上に形成される遅延ライン116、スペーサ500の上に形成される放射パッチ510等を指し得る。少なくとも1つのピクセルを、導電性デバイス、つまり、遅延ライン116又は放射パッチ510のいずれかの下に具えることによって、コントローラ140により実行されるソフトウェアを用いて、導電性デバイスの作動特性を制御可能となる。
【0045】
図5Bに図示するように、本方法は、絶縁体507上に接地面555を形成することにより進められる。接地面555は、RF信号が導電性デバイス中を進行するための接地基準(ground reference)になる。
図5Bの実施形態では、RF信号が導電性デバイスの方へ進行していく抵抗接続は存在しない。むしろ、RF信号は、容量結合される。これは、導電性デバイスと給電ライン546との間に、抵抗性開口部であるRF短絡を形成することにより行われる。抵抗性開口部であるRF短絡は、給電対象の導電性デバイスの真下で位置調整した場所において窓553を接地面に作製することにより形成される。
図5Bの例では、1つの窓553を、遅延ライン116のそれぞれの真下に形成している。次いで、給電パッチ560を、窓553と位置調整して絶縁体454上に形成して、その結果、RF信号が、窓553を通じて遅延ライン116に、それらの間を抵抗性接続されずに、容量結合される。RF信号は、同軸コネクタ546により給電ライン560に結合される。
【0046】
図5Bの図面は、それぞれの遅延ライン116の下に1つのピクセル202のみを図示するように簡略化している。これは、本説明を明確にし、理解しやすくするためである。しかしながら、実施において、それぞれの遅延ラインに、長さ及び幅に沿って配置されるいくつかのピクセルを具えることができ、それぞれのピクセルは、図示したように別々に制御可能であって、それにより、どんな時でも遅延ラインの所望の作動特性が達成される。遅延レベルを上げるために、遅延ラインは、
図5Aに図示するように、蛇行ラインとして形成されて、その結果、多くのピクセルが、長さに沿って形成され、遅延ラインの長さの大部分の下では比誘電率が変化する。
【0047】
いくつかの実施形態では、接地電極130を省くことができ、また、接地面555を、同様に、ピクセル作動信号用の接地基準として使用可能であることにも留意すべきである。しかしながら、このような実施は、個々のピクセルを制御するのに利用可能な状態の数を減らすことになり、また、開示の本発明の利点を幾分減らしてしまいかねない。
【0048】
本明細書に記載の処理や技術は、本質的に任意の特定の装置に関するものではなく、任意の適切な構成要素の組合せによって実施することができる、ということを理解すべきである。さらに、本明細書に記載の教示に従って、種々のタイプの汎用デバイスを使用することができる。本発明は、特定の実施形態に関して記載しているが、これらは、あらゆる点で限定ではなく例示を目的としている。本発明の実施に多様な組合せが適するということを当業者は理解するであろう。
【0049】
さらに、本発明の他の態様は、本明細書を考慮して本明細書に開示の本発明を実施することから、当業者には明らかになる。記載の実施形態の種々の態様及び/又は構成要素は単独で又は任意の組合せで使用することができる。明細書及び例は例示のみとして考慮され、本発明の真の範囲及び趣旨は以下の特許請求の範囲によって示されるということを意図している。