(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-28
(45)【発行日】2023-03-08
(54)【発明の名称】箱状物圧縮装置
(51)【国際特許分類】
B30B 9/28 20060101AFI20230301BHJP
B30B 9/32 20060101ALI20230301BHJP
B02C 13/02 20060101ALI20230301BHJP
【FI】
B30B9/28 B
B30B9/32 A
B02C13/02
(21)【出願番号】P 2022092037
(22)【出願日】2022-06-07
(62)【分割の表示】P 2018020110の分割
【原出願日】2018-02-07
【審査請求日】2022-06-07
(31)【優先権主張番号】P 2017201348
(32)【優先日】2017-10-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000171746
【氏名又は名称】株式会社ササキコーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100086184
【氏名又は名称】安原 正義
(74)【代理人】
【識別番号】100096389
【氏名又は名称】金本 哲男
(74)【代理人】
【識別番号】100167634
【氏名又は名称】扇田 尚紀
(72)【発明者】
【氏名】阿部 真也
(72)【発明者】
【氏名】戸田 勉
【審査官】豊島 唯
(56)【参考文献】
【文献】特開昭59-154184(JP,A)
【文献】特開平7-101501(JP,A)
【文献】米国特許第4862796(US,A)
【文献】特開平08-318396(JP,A)
【文献】実開昭52-087069(JP,U)
【文献】特開2001-113396(JP,A)
【文献】特開2009-082955(JP,A)
【文献】特開2013-091546(JP,A)
【文献】特開2004-338892(JP,A)
【文献】特開平01-258896(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B30B 9/28 - 9/32
B30B 5/04 - 5/06
B02C 13/02 - 13/04
B65B 69/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
箱状物等の被圧縮物を載置して搬送するためのベルトコンベアと、
前記ベルトコンベア上流側で、前記ベルトコンベアの上方に配置された複数のパドルと、を備え、
前記パドルのうち、少なくとも1つの前記パドルの回転外周速度は前記ベルトコンベアの搬送速度と略同一になる構成であり、前記パドルの互いの回転外周速度は異なる構成である、
ことを特徴とした箱状物圧縮装置。
【請求項2】
前記パドルは、回転軸から外側に向けて放射状に複数設けた突設板と、
前記突設板のそれぞれの回転外周側の先端部には、回転方向前側の前記突設板の後側の面から回転方向後側の前記突設板の前側の面を架け渡すように設けられた架設板と、
を備えることを特徴とした請求項1に記載の箱状物圧縮装置。
【請求項3】
前記パドルは、前記ベルトコンベア上流側で前記前記ベルトコンベア上方に配置された第1パドルと、
前記第1パドルより前記ベルトコンベアの下流側で前記ベルトコンベア上方に位置する第2パドルと、を備え、
前記第1パドルの回転数と、前記第2パドルの回転数は同回転数で回転する、
ことを特徴とした請求項1または2に記載の箱状物圧縮装置。
【請求項4】
前記ベルトコンベアの下流側に配置され、前記ベルトコンベアで搬送された前記被圧縮物を圧縮するための上部圧縮ローラと、を備え、
前記上部圧縮ローラの回転外周速度は前記ベルトコンベアの搬送速度と略同一である、
ことを特徴とした請求項1または2に記載の箱状物圧縮装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、箱状物圧縮装置、詳細には、空のダンボール箱等の紙製容器を圧縮する装置に関するものであり、無端ベルトコンベアで搬送するとともに、設けたパドルで強制的に搬送方向に送り、圧縮ローラで圧縮する装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ダンボール箱等の減容する装置として、実登3194380号公報(特許文献1)の「段ボール箱類解砕装置」と、特開2017-105480号公報(特許文献2)の「段ボール箱の解体装置及び解体方法」が開示されている。
【0003】
特許文献1に開示された「段ボール箱類解砕装置」は、「装置本体の一端側から空の段ボール箱類を投入し、装置本体内で段ボール箱類を破砕して破砕片とし、破砕片を装置本体の他端側から搬出する段ボール箱類解砕装置」である。
また、特許文献2に開示された「段ボール箱の解体装置及び解体方法」は、「組み立てられた状態のダンボール箱を平坦な展開状態のダンボール箱に解体する装置であって、一方の開口の外蓋と内蓋を内方に折り曲げた状態でダンボール箱の少なくとも一つの折曲げ部に作用して当該折曲げ部によって接続されている部位の両端の接続辺を同時に破断する押圧板を備えた押圧機構を具備する」装置及び解体方法である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】実登3194380号公報
【文献】特開2017-105480号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
店舗から廃棄される空のダンボール箱等は、運送の効率の面から圧縮等の減容がなされてから、回収業者によって搬送されることが望まれる。
大型小売店舗や大型物流店舗では、廃棄される空のダンボール箱等の減容は全自動プレス機等の導入により廃ダンボールの処理は自動化されている。しかし、中小規模の小売店舗及び物流店舗では、前記全自動プレス機は大型であるため設置するスペースがない。また装置の機構も複雑なことから高額であり、導入コストの面から採用されていない現状がある。さらに、前記全自動プレス機で圧縮され減容された空のダンボール箱等は、ひと塊の大きくて硬いブロック状になるまで圧縮されるため、既存の回収用パッカー車ではブロックが大きすぎて回収できない、又は硬すぎて回収用パッカー車の回転板や押込板で詰まる等の現状がある。
前述の事情を踏まえ、前記中小規模の小売店舗及び物流店舗では、前記空のダンボール箱等は人手による解体が行われた後、回収業者のパッカー車等によって回収され、さらに専門業者によって廃棄処理やリサイクル処理がされるサイクルが慣例となっている。前述のような人手による空のダンボール箱等の減容は、粘着テープや接着剤を剥がしてから、止め具等を取外し、箱状態から折り畳んで解体又は減容をしている現状がある。
【0006】
空のダンボール箱等を減容するために、特許文献1の「段ボール箱類解砕装置」は、空のダンボール箱等を破砕して減容するように構成されている。しかしながら、空のダンボール箱等の破砕工程は、前述のしたように、店舗から回収された後に専門の業者によって行われ廃棄処理されるため、店舗による破砕装置による破砕工程は不要な工程であり、装置の製造コストが上昇する。また、破砕片を撒き散らすことがあるため回収する工程が増え、小売店舗及び物流店舗に設置する低ランニングコストで導入コストな低い装置としては不向きである。
次に、特許文献2の「段ボール箱の解体装置及び解体方法」は、ダンボールを解体して折り畳むための機構が製造コストを上昇させることにより、中小規模の小売店舗や物流店舗での導入ができない。
【0007】
このことから本発明の目的は、空のダンボール箱等を簡単な機構で圧縮することで、低コストな装置で、人力での空のダンボール箱等の解体作業から作業者を解放し、誰でも容易に空のダンボール箱等の減容を行うことができる空のダンボール箱等の圧縮装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、この発明は、
箱状物等の被圧縮物を載置して搬送するためのベルトコンベアと、
前記ベルトコンベア上流側で、前記ベルトコンベアの上方に配置された複数のパドルと、を備え、
前記パドルのうち、少なくとも1つの前記パドルの回転外周速度は前記ベルトコンベアの搬送速度と略同一になる構成であり、前記パドルの互いの回転外周速度は異なる構成である、
ことを特徴とした箱状物圧縮装置、
である。
【0009】
この発明は、更に、
前記パドルは、回転軸から外側に向けて放射状に複数設けた突設板と、
前記突設板のそれぞれの回転外周側の先端部には、回転方向前側の前記突設板の後側の面から回転方向後側の前記突設板の前側の面を架け渡すように設けられた架設板と、
を備えることを特徴とした箱状物圧縮装置、
である。
【0010】
この発明は、更に、
前記パドルは、前記ベルトコンベア上流側で前記前記ベルトコンベア上方に配置された第1パドルと、
前記第1パドルより前記ベルトコンベアの下流側で前記ベルトコンベア上方に位置する第2パドルと、を備え、
前記第1パドルの回転数と、前記第2パドルの回転数は同回転数で回転する、
ことを特徴とした箱状物圧縮装置、
である。
【0011】
この発明は、更に、
前記ベルトコンベアの下流側に配置され、前記ベルトコンベアで搬送された前記被圧縮物を圧縮するための上部圧縮ローラと、を備え、
前記上部圧縮ローラの回転外周速度は前記ベルトコンベアの搬送速度と略同一である、
ことを特徴とした箱状物圧縮装置、
である。
【発明の効果】
【0012】
この発明によれば、箱状物圧縮装置、詳細には、空のダンボール箱等の回収に必要とされる空のダンボール箱を圧縮減容する装置を安価な構造で提供するとともに、作業者が容易に空のダンボール箱等箱状物の圧縮作業が行える。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の第1実施例の箱状物圧縮装置の斜視図である。
【
図2】本発明の第1実施例の箱状物圧縮装置の側面図である。
【
図3】本発明の第1実施例の箱状物圧縮装置の平面図である。
【
図4】本発明の第1実施例の箱状物圧縮装置の正面図である。
【
図5】本発明の第1実施例の箱状物圧縮装置の
図3に示すA-Aで断面した側面図である。
【
図6】本発明の第1実施例の箱状物圧縮装置の搬送部及び圧縮部を
図5に示すB-Bで断面した後面図である。
【
図7】本発明の第1実施例の箱状物圧縮装置の搬送部及び圧縮部を
図3に示すC-Cで断面した側面図である。
【
図8】本発明の第2実施例の箱状物圧縮装置の側面図である。
【
図9】本発明の第2実施例の箱状物圧縮装置の圧縮部の内部構造斜視図である。
【
図10】本発明の第2実施例の箱状物圧縮装置の側面図であって回転方向の相関関係を表す図である。
【
図11】本発明の第3実施例の箱状物圧縮装置の側面図である。
【
図12】本発明の第3実施例の箱状物圧縮装置の圧縮部の内部構造斜視図である。
【
図13】本発明の第3実施例の箱状物圧縮装置の側面図であって回転方向の相関関係を表す図である。
【
図14】本発明の第3実施例の箱状物圧縮装置の圧縮ローラの一部拡大側面図である。
【
図15】本発明の第3実施例の箱状物圧縮装置の圧縮ローラの一部拡大斜視図である。
【
図16】本発明の第1実施例の箱状物圧縮装置の使用状態の一部拡大側面図である。
【
図17】本発明の第3実施例の箱状物圧縮装置の使用状態の一部拡大側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の実施の一形態である第1実施例を、
図1乃至
図7に基づいて説明する。
本発明の空のダンボール箱等箱状物の圧縮装置1は、フレーム部2によって支えられた搬送部3及び圧縮部4及び投入部5と、操作部6で構成されていて、空のダンボール箱等箱状物(以下被圧縮物Kと呼称する)を圧縮し減容するための装置である。被圧縮物Kは、作業者によって
図2に示す左側の前記投入部5から投入され、作業者が前記操作部6で操作を行うことで、前記搬送部3のベルトコンベア340に載置された被圧縮物Kは、
図2に示す右側の下流方向に搬送される。下流方向に搬送された被圧縮物Kは、前記圧縮部4で1次圧縮、2次圧縮、最終圧縮される。徐々に圧縮され、最終圧縮された被圧縮物Kは、前記ベルトコンベア340の下流側にさらに搬送され、前記ベルトコンベア340の後端部から排出される。本第1実施例の説明において、
図2に示す左側を投入側M、右側を排出側Nとする。
【0015】
図2に示す前記フレーム部2は、空のダンボール箱等の箱状物圧縮装置1を構成する骨格部分であり、前記搬送部3と前記圧縮部4と前記投入部5を支えるため強固に構成されている。
前記搬送部3は、前記フレーム部2の上部に設置されている。前記投入部5から投入され前記搬送部3に備えられた前記ベルトコンベア340上に載置された被圧縮物Kは、
図2に示す左側から右側に搬送され、前記圧縮部4に搬送される。
前記圧縮部4は、前記ベルトコンベア340で搬送された被圧縮物Kを、第1パドル420で1次圧縮、第2パドル430で2次圧縮、上部圧縮ローラ440で最終圧縮するようにして、徐々に圧縮する部分である。前記圧縮部4にて圧縮された被圧縮物Kは、前記ベルトコンベア340でさらに下流側に搬送され、
図2に示す右側のベルトコンベア340の後端部から排出される。
前記投入部5は、被圧縮物Kを作業者が前記ベルトコンベア340上に載置する部分である。
前記操作部6は前記投入部5近傍に設置され、前記空のダンボール箱等の箱状物圧縮装置1を作動させるため、作業者がスイッチ操作をする部分である。
【0016】
前記フレーム部2は、主に土台フレーム210と、モータ取付板211、側部フレーム220とで構成される。
図2に示す土台フレーム210は、前記空のダンボール箱等の箱状物圧縮装置1の土台であり、角材で直方体の枠状に囲んだように構成されている。前記直方体は
図2に示す左右方向に最も長く、
図2に示す上下方向は最も短い形状をしている。
さらに、直方体で構成された前記土台フレーム210の排出側Nの角部で、
図4に示す右側の辺には、四角形状の板材で構成されたモータ取付板211が、前記土台フレーム210の上方の辺と下方の辺を架け渡すように配置されて固着されている。
【0017】
前記モータ取付板211は、前記搬送部3と前記圧縮部4を駆動させるモータ310を取り付けられるように孔が複数箇所に設けられている。前記モータ取付板211に取り付けられるモータ310は、前記土台フレーム210の内側から出力軸311を水平方向の外側に向けて取り付けられる。本第1実施例の出力軸311の回転方向は、
図2及び
図5の側面視において時計回りの回転である。
【0018】
前記土台フレーム210の下面の4個所の角部にはキャスタ240が取り付けられていて、前記空のダンボール等の箱状物圧縮装置1が自在に移動できる。前記キャスタ240には、ホイル部の回転を固定するレバーが取り付けられていて、ホイル部の回転を固定することで、前記空のダンボール等の箱状物圧縮装置1を固定することができる。
さらに前記フレーム部2の上方部には、前記搬送部3及び圧縮部4を取り付けるための側部フレーム左23Lと側部フレーム右23Rが取り付けられている。
【0019】
前記側部フレーム左23Lと前記側部フレーム右23Rは板状の部材で構成され、
図4に示す前記土台フレーム210の左右端部の上部から上方へ垂設され固着されている。本第1実施例において、
図4に示す前記土台フレーム210の左側の上部からは前記側部フレーム左23Lが、右側の上部からは前記側部フレーム右23Rが、それぞれ前記ベルトコンベア340の搬送方向と平行に配置される。前記側部フレーム左23Lと前記側部フレーム右23Rの形状は、前記ベルトコンベア340を挟んで対称形状であり、
図2に示す側面視で略四角形の板で、排出側Nの上部角部を大きく斜めに角を切り落とし、投入側Mの上部及び下部の角部を水平面に対し浅い角度で切り落とした形状をしている。前記側部フレーム左23Lと前記側部フレーム右23Rのそれぞれの外周部と、中央部の垂直方向と、下方部の水平方向と、下端部には、外側の面に強度を確保するためのリブが設けられている。
【0020】
前記側部フレーム左23L及び前記側部フレーム右23Rのそれぞれの下方部外側の面で、前記モータ310の上方側に位置するように、後述する搬送部3の下部圧縮ローラ313を軸支するためのベアリング保持部321が固着されている。前記ベアリング保持部321は長方形状の厚板で上下方向に長く形成されている。前記ベアリング保持部321の上下方向の2箇所には、段付き孔が前記下部圧縮ローラ313と平行に設けられていて、小さい径が内側に位置するように構成している。前記ベアリング保持部321の上下に2箇所設けられた前記段付き孔には、前記ベアリング322が挿入されている。
【0021】
前記側部フレーム左23Lと前記側部フレーム右23Rの間には、被圧縮物Kを搬送するための搬送部3が位置している。前記搬送部3は、下部圧縮ローラ313と、ベルトコンベア340と、テンションローラ350と、を備える。
【0022】
前記下部圧縮ローラ313は、前記モータ310の上方で、回転軸を前記出力軸311と平行に配置されている。前記下部圧縮ローラ313は、前記側部フレーム左23L及び前記側部フレーム右23Rの下方部で、
図2及び
図5に示す右側の排出側Nの近傍に、架け渡すように配置される。
【0023】
前記下部圧縮ローラ313は、パイプの両端部を円形の板材で蓋をするように固着されていて、前記板材の中央部から外側方向に向けて、回転軸となるシャフト部が前記パイプと平行に突設した形状をしている。前記下部圧縮ローラ313のパイプは、前記側部フレーム左23Lと前記側部フレーム右23Rの間の長さよりも短く設定されている。前記下部圧縮ローラ313は、両端部に備えた前記シャフト部を前記側部フレーム左23L及び前記側部フレーム右23Rのそれぞれの外側面に設置された前記ベアリング保持部321で保持された前記ベアリング322に挿入されて回転自在に支持される。
【0024】
前記下部圧縮ローラ313のシャフト部は、前記側部フレーム右23R側が長く、前記ベアリング322より突き出ている。排出側Nに位置する前記下部圧縮ローラ313と反対側の投入側Mには、テンションローラ350が設けられている。
【0025】
前記テンションローラ350は、パイプ形状で、前記下部圧縮ローラ313と略同じ長さに設定され、前記側部フレーム左23L及び前記側部フレーム右23Rの下方部で、
図2及び
図5に示す左側の投入側Mの近傍に、架け渡すように配置される。前記テンションローラ350は、回転軸の位置を前記下部圧縮ローラ313と略同じ高さか、やや硬い高さに設定され、前記テンションローラ350の回転軸は前記下部圧縮ローラ313と平行に設けられている。
【0026】
前記テンションローラ350は、両端部の内径で保持されたベアリング352と、該ベアリング352に挿入されたテンションシャフト351によって、回転自在に軸支されている。前記テンションシャフト351の両端は、前記側部フレーム左23L、側前記側部フレーム右23Rより突き出ている。
前記テンションシャフト351の両端には、軸部に対し垂直方向にねじ孔が設けられていて、該ねじ孔は水平方向に向けられている。前記テンションシャフト351は、前記側部フレーム左23Lと側部フレーム右23Rに固定されたボルト353が、前記ねじ孔に螺入されることによって、位置を固定され支持されている。
【0027】
前記前記下部圧縮ローラ313と前記テンションローラ350には、ベルトコンベア340が巻着されている。前記ベルトコンベア340は、始端と終端が連続した無端形状であり、前記下部圧縮ローラ313の長さと略同じ幅を有していて、外周面は大きな凹凸が無く滑らかである。
また、巻着された前記ベルトコンベア340は、上面部を略水平となるように設置され、前記上面部に被圧縮物Kを載置し、投入側Nから排出側Mの方向に搬送することができる。
【0028】
前記ベルトコンベア340は、張りが緩いと前記ベルトコンベア340の駆動源となる前記下部圧縮ローラ313でスリップして搬送が行われないことがある。前記スリップを解消するため、前記テンションローラ350を前記ベルトコンベア340の搬送方向と平行の水平方向への移動で、前記ベルトコンベア340の張り調整が可能である。前記テンションローラ350を水平方向への移動は、前記ボルト353を回転させてして行う。前記張り調整が終了したら、ナット354でボルト353を締め付けて回り止めをする。
【0029】
図7に示す前記ベルトコンベア340上部の搬送面の内周部には、サポートテーブル361が、前記側部フレーム左23Lと側部フレーム右23Rに架け渡すように配置されている。前記サポートテーブル361は、前記ベルトコンベア340上部の搬送面に載置された被圧縮物Kが、沈み込まないように前記ベルトコンベア340を内周側から支えて補助している。
【0030】
前記ベルトコンベア340の駆動方法について
図5を用いて説明する。前記ベルトコンベア340は、前記モータ310を駆動源とし、チェーンを介して伝動される。
前記モータ310の前記出力軸311には、第1スプロケット312が挿入され固着されている。前記出力軸311の端部に該出力軸311の外径より大きい外径の座金を当接させて、さらにボルトを螺入することで前記第1スプロケット312の抜け止めをしている。
【0031】
また、前記下部圧縮ローラ313の前記側部フレーム右23R側のシャフト部には、下部ギヤ314と第2スプロケット315が挿入され固着されている。前記下部ギヤ314の使用方法については、後述する圧縮部4を作動させるものである。前記下部圧縮ローラ313両端のシャフト端部に、該シャフト外径より大きい外径の座金を当接させて、さらにボルトを螺入することで、前記下部ギヤ314と前記第2スプロケット315の抜け止めがされると共に、前記下部圧縮ローラ313は軸方向に固定された状態となり、安定して回転することができる。
【0032】
前記第1スプロケット312と前記第2スプロケット315には、コンベア駆動チェーン330が巻着される。該コンベア駆動チェーン330は、モータ310で発生させた回転を前記下部圧縮ローラ313に伝動することで、前記ベルトコンベア340を駆動させる。本例において、前記コンベア駆動チェーン330は、
図2及び
図5及び
図7に示す側面視で時計回転である。また、前記ベルトコンベア340も前記コンベア駆動チェーン330と同様に右回転である。
【0033】
前記コンベア駆動チェーン330の弛み側には、チェーンの弛みを除去するテンショナ331が設けられている。本第1実施例においては、
図5に示す前記コンベア駆動チェーン330の外周の左側に、前記テンショナ331が設けられている。
【0034】
該テンショナ331は、矩形状の板で前記コンベア駆動チェーン330の面を円弧状に膨出させた形状の押圧面を有している。該押圧面は、前記コンベア駆動チェーン330を水平方向の内周側に押し付けるように位置している。前記テンショナ331の前記押圧面と反対側の面の中央部には、水平方向に向けて固着されたガイド棒333が水平方向に設けられている。
【0035】
前記ガイド棒333は丸棒で形成されていて、前記前記土台フレーム210に固着されたパイプ状のホルダ335の内径部に挿入され、水平方向のみに移動自在に保持されている。さらに、前記ガイド棒333に挿入され、前記テンショナ331と前記ホルダ335の間には、弾性部材334が配置されている。
【0036】
該弾性部材334は、前記テンショナ331を前記コンベア駆動チェーン330の内周側に常時押圧するように付勢している。該弾性部材334によって前記コンベア駆動チェーン330が押圧されることで、前記コンベア駆動チェーン330に張力を与え、弛みによって前記第1スプロケット312及び前記第2スプロケット315から前記コンベア駆動チェーン330が脱落することを防止する。
【0037】
前述のように構成することで、前記ベルトコンベア340は、前記下部圧縮ローラ313によって駆動される。前記下部圧縮ローラ313と前記テンションローラ350に巻着された前記ベルトコンベア340の上面部は、投入側Mから排出側Nへ向けて水平に移動することが可能になる。前記ベルトコンベア340の上流側の上面部に載置された被圧縮物Kは、前記ベルトコンベア340の移動と共に投入側Mから排出側Nへ向けて水平に移動することができる。
【0038】
前記ベルトコンベア340の上方には圧縮部4が位置している。前記圧縮部4は、第1パドル420、第2パドル430、上部圧縮ローラ440と、を有している。
前記ベルトコンベア340で搬送された被圧縮物Kは、前記圧縮部4に搬送され、前記第1パドル420の回転で1次圧縮し、次に第2パドル430の回転で2次圧縮した後に、前記上部圧縮ローラ440で最終圧縮されるように、徐々に圧縮される。
【0039】
前記第1パドル420、前記第2パドル430、前記上部圧縮ローラ440の取付位置関係を説明する。
【0040】
前記第1パドル420は、前記ベルトコンベア340上流側に載置され下流側に搬送された被圧縮物Kを1次圧縮するためのものである。前記第1パドル420は、前記ベルトコンベア340の上方で上流側に位置していて、前記側部フレーム左23L及び前記側部フレーム右23Rに架け渡されるように配置される。
【0041】
前記第1パドル420は、回転軸となる第1パドルシャフト部421と被圧縮物Kを圧縮する複数の第1突設板422を有して、回転軸は前記下部圧縮ローラ313と平行に配置される。本例においては、前記第1突設板422は4個であり、回転方向は
図7に示す反時計回転である。前記第1パドル420の回転させる駆動方法については後述する。
【0042】
前記第1パドルシャフト部421の両端部は、前記側部フレーム左23L及び前記側部
フレーム右23Rの外側の面に固着されたパドル保持部423の孔部で保持されたベアリ
ング424で軸支されることで、前記第1パドル420は回転自在である。
前記パドル保持部423は、矩形状の部材で、中央部にベルトコンベア側にやや小さい直径の孔部を有した段付き孔が設けられていて、前記ベアリング424が前記側部フレーム左23L及び前記側部フレーム右23Rの内側に動かないように保持している。
前記第1パドルシャフト部421の前記側部フレーム右23R側の端部は、前記ベアリング424より突出している。
【0043】
複数設けられた前記第1突設板422は、前記第1突設板422の幅が前記下部圧縮ローラ313と略同じ幅の矩形状の板で、板の平面部426を回転方向に向けている。前記第1突設板422の先端部は、回転の外側方向に向けて放射状に配置され、前記第1パドルシャフト部421に固着されている。
前記第1突設板422の回転外周側の先端部は回転方向側に曲げられていて、前記ベルトコンベア340によって搬送された被圧縮物Kを押し叩き圧縮すると同時に、前記第1パドル420より前記ベルトコンベア340下流側に位置する前記第2パドル430へ効率的に送り出す効果がある。さらに前記第1突設板422の回転方向の後側の面にはリブ427が固着され、前記第1突設板422を強固に保っている。
【0044】
上記のように構成された前記第1パドル420は、回転によって前記ベルトコンベア340で搬送された被圧縮物Kを1次圧縮させる。さらに1次圧縮された被圧縮物Kは前記ベルトコンベア340で下流側に搬送され、前記第2パドル430の回転で2次圧縮される。
【0045】
前記第2パドル430の回転軸は、前記第1パドル420と平行で、前記第1パドル420より前記ベルトコンベア340下流側で、前記前記第1パドル420の下方側に位置している。前記第2パドル430の回転軸は、前記第1パドル420と平行に配置された前記下部圧縮ローラ313と平行とも言える。
前記第2パドル430は、前記側部フレーム左23L及び前記側部フレーム右23Rに架け渡されるように配置される。
【0046】
前記第2パドル430は、回転軸となる第2パドルシャフト部431と被圧縮物Kを圧縮する複数の第2突設板432を有していて、回転方向は
図2及び
図5及び
図7に示す反時計回転である。前記第2パドル430の駆動方法については後述する。
【0047】
前記第2パドルシャフト部431の両端部は、前記側部フレーム左23L及び前記側部フレーム右23Rの外側の面に固着された前記パドル保持部423の段付き孔部で保持された前記ベアリング424で軸支されることで、前記第2パドル430は回転自在である。前記第2パドルシャフト部431の前記側部フレーム右23R側の軸部は、前記ベアリング424より突出している。
【0048】
複数設けられた前記第2突設板432は、幅が前記下部圧縮ローラ313と略同じ矩形状の板で、板の平面部433を回転方向に向けている。前記第2突設板432の先端部は、回転の外側方向に向けて放射状に配置され、前記第2パドルシャフト部431に固着されている。本例においては、前記第2突設板432は4個である。
前記第2突設板432は、回転半径方向の長さを前記第1突設板422より小さく設けている。故に前記第2パドル430の回転外周径は、前記第1パドル420の回転外周径よりも小さい。
【0049】
前記第1パドル420より前記第2パドル430の回転外周径が小さいことで、それぞれの回転軸同士を近接させることができる。近接されたそれぞれの回転外周の下方部で被圧縮物Kを圧縮する際、1次圧縮後にすぐに2次圧縮ができ、圧縮時間の短縮が可能になる。また、装置全体の大きさも小型化できるため、無用な材料を使用せずに済み、低コスト化が可能になる。
さらに、前記第2パドル430の回転外周径は、隣接する前記前記第1パドル420の回転外周径とは重合しないように位置している。
【0050】
前記第2パドル430で2次圧縮された被圧縮物Kは、前記ベルトコンベア340で下流側に搬送され、前記上部圧縮ローラ440で最終圧縮される。
前記上部圧縮ローラ440の回転軸は、前記第2パドル430の下方で、前記第2パドル430より前記ベルトコンベア340の下流側に位置していて、前記下部圧縮ローラ313の上方に配置される。前記上部圧縮ローラ440の回転軸は、前記第2パドル430の回転軸と平行で、前記側部フレーム左23L及び前記側部フレーム右23Rを架け渡すように配置される。すなわち、前記圧縮部4を構成する前記第1パドル420と前記第2パドル430と前記上部圧縮ローラ440の回転軸は、前記搬送部3の前記下部圧縮ローラ313とそれぞれ互いに平行である。
【0051】
前記上部圧縮ローラ440は、パイプの両端部を円形の板材で蓋をするように固着されていて、前記板材の中央部から外側方向に向けて、回転軸となるシャフト部が前記パイプと平行に突設した形状をしている。前記上部圧縮ローラ440を構成するパイプは、前記側部フレーム左23Lと前記側部フレーム右23Rの互いの板面間の長さよりも短く設定されている。
前記上部圧縮ローラ440端部の前記シャフト部は、前記側部フレーム左23L及び前記側部フレーム右23Rに備えられた前記ベアリング保持部321の上側の孔部で保持された前記ベアリング322で軸支されることにより、前記上部圧縮ローラ440は回転自在に支持されている。前記上部圧縮ローラ440の前記シャフト部は、前記側部フレーム右23R側が長く、前記ベアリング322より突き出ている。
【0052】
前記上部圧縮ローラ440の回転外周径は、前記下部圧縮ローラ313の回転外周径と略同じに構成され、互いの回転外周径は干渉せず隙間が開けられている。該隙間は、圧縮された被圧縮物Kが通り抜けられる程度の隙間幅を有している。
また、本第1実施例において前記上部圧縮ローラ440の回転外周径は、前記第2パドルの回転外周径よりも小さく設定される。さらに、前記上部圧縮ローラ440の回転外周径は、隣接する前記第2パドル430の回転外周径とも重合することはない。すなわち、圧縮部4を構成する前記下部圧縮ローラ313と前記第1パドル420と前記第2パドル430と前記上部圧縮ローラ440は、互いの回転外周が重合せずに回転が可能である。
【0053】
前記圧縮部4の駆動方法を説明する。前記圧縮部4の駆動は前記モータ310を駆動源とし、前記下部圧縮ローラ313を経由して前記上部圧縮ローラ440、第2パドル430、前記第1パドル420の順番で伝動される。
前記下部圧縮ローラ313から前記上部圧縮ローラ440への伝動はギヤによって行われる。ギヤ伝動を行うため前記上部圧縮ローラ440の前記側部フレーム右23R側のシャフトには上部ギヤ441が固着されている。前記上部ギヤ441は、前述した前記下部圧縮ローラ313に挿入され固着された前記下部ギヤ314が噛合する。
【0054】
前記下部ギヤ314と前記上部ギヤ441は、それぞれ同じ歯数と同じ外径で、外径は前記下部圧縮ローラ313外径及び前記上部圧縮ローラ440外径よりも大きい。すなわち、前記下部圧縮ローラ313と前記上部圧縮ローラ440は同じ回転数で回転する。
また、ギヤ駆動することで前記下部圧縮ローラ313と前記上部圧縮ローラ440の回転軸間を一定にすることができ、安定した圧縮空間が保つことができる。
【0055】
前記上部圧縮ローラ440に隣接した前記第2パドル430は、前記上部圧縮ローラ440からチェーンによって伝動されて回転駆動される。前記上部圧縮ローラ440に備えられた前記上部ギヤ441と隣接させて、第3スプロケット451が前記上部圧縮ローラ440の前記シャフト部に固着されている。また、被駆動側の前記第2パドルシャフト部431の前記側部フレーム右23R側には、第4スプロケット452が挿入され固着されている。
【0056】
さらに前記第3スプロケット451と第4スプロケット452には、第2パドル駆動チェーン453が巻着されていることで、前記第2パドル430は前記上部圧縮ローラ440と連動して回転駆動が可能である。また、前記第4スプロケット452は、前記第3スプロケット451より歯数が多く大径に構成されることで、前記上部圧縮ローラ440対して前記第2パドル430は、回転数が小さい。
本第1実施例の場合は、前記上部圧縮ローラ440は35rpmで、前記第2パドル430は18rpmに設定されている。また回転外周径は、前記上部圧縮ローラ440対して前記第2パドル430が大きく設定されているため、互いの回転外周速度は略同一に設定されている。すなわち、前記第2パドル430の回転外周速度は、前記ベルトコンベア340の搬送速度とも略同一になる。本第1実施例の場合は、前記ベルトコンベア340の搬送速度は、15m/分乃至30m/分程度に設定されている。
回転外周速度と搬送速度の一致は、前記第2パドル430の排出側Nに位置する前記上部圧縮ローラ440に、被圧縮物Kを跳ね飛ばして過剰に供給させることが無く、前記上部圧縮ローラ440と前記下部圧縮ローラ313の間に被圧縮物Kを詰まらせることを防止する。
【0057】
また、前記第2パドルシャフト部431の両端端部には、該第2パドルシャフト部431の外径より大きい外径の座金を当接させ、さらにボルトを螺入され、座金を固着させる。前記座金によって前記第2パドル430は軸方向に移動できないように固定され、第4スプロケット452も脱落すること無く安定して回転することができる。
【0058】
前記第2パドル430の回転は、前記ベルトコンベア340上流側に隣接する前記第1パドル420をチェーンにて伝動させ、回転させる。前記側部フレーム右23R側の外側に突出している前記第2パドルシャフト部431には、第5スプロケット461が前記第4スプロケット452に隣接させて挿入され固着されている。前記第5スプロケット461は、前記第4スプロケット452より歯数が少なく小径に構成される。
【0059】
被駆動側である前記第1パドルシャフト部421の前記側部フレーム右23R側の外側に突き出た前記第1パドルシャフト部421には、第6スプロケット462が挿入され固着されている。
さらに前記第5スプロケット461と第6スプロケット462には、第1パドル駆動チェーン463が巻着されていることで、前記第1パドル420は前記第2パドル430と連動して回転駆動が可能になる。
【0060】
前記第6スプロケット462は、前記第5スプロケット461と同数の歯数で構成される。すなわち、前記第2パドル430と前記第1パドルは同回転数で回転する。
また、回転外周径は前記第2パドル430より、前記第1パドル420の回転外周径が大きいため、回転外周速度は前記第1パドル420の方が前記第2パドル430より速い。故に前記第1パドル420の回転外周速度は、前記第2パドル430の回転外周速度と略同一である前記ベルトコンベア340の搬送速度よりも速いとも言える。前記第1パドル420の回転外周速度が前記ベルトコンベア340の搬送速度よりも速いことで、回転する前記第1パドル420に設けられた第1突設板422は、前記ベルトコンベア340上の被圧縮物Kを押し叩き、効率的に被圧縮物Kを1次圧縮する。
【0061】
前記第1パドルシャフト部421の両端端部には、該第1パドルシャフト部421の外径より大きい外径の座金を当接させ、さらにボルトを螺入することで、前記座金を固着させる。前記座金によって前記第1パドル420は、軸方向に移動できないように固定され、第6スプロケット462も脱落すること無く安定して回転することができる。
【0062】
本第1実施例においては、前記圧縮部4の前記上部圧縮ローラ440、前記第2パドル430、第1パドル420は、いずれも
図2及び
図5及び
図7に示す左回転である。
【0063】
前記上部圧縮ローラ440の前記ベルトコンベア340の排出側N近傍から、前記第2パドル430、前記第1パドル420の上方をパドルカバー470で覆っている。前記パドルカバー470は前記側部フレーム左23Lと前記側部フレーム右23Rに架け渡すように配置され固着される。
また、伝動部材を覆うように側部フレーム右23Rの外側にはチェーンカバー471が取り付けられている。さらに、前記土台フレーム210の側面周囲を覆うように下部カバー472が取り付けられることで、作業者が前記搬送部3及び圧縮部4の伝動部材に直接触れないように配慮されている。
【0064】
前述したように圧縮部4を構成することで、前記ベルトコンベア340上面部の上流側に載置された被圧縮物Kは、下流側に移動して回転駆動する前記第1パドル420で1次圧縮される。1次圧縮された被圧縮物Kは、前記ベルトコンベア340によって下流側へ移動し、回転駆動する前記第2パドル430で2次圧縮される。2次圧縮された被圧縮物Kは、前記ベルトコンベア340によって下流側へ移動し、前記ベルトコンベア340後端側に位置する前記下部圧縮ローラ313と、前記下部圧縮ローラ313の上部に位置し、前記下部圧縮ローラ313と同回転数で、前記下部圧縮ローラ313と協働して回転する前記上部圧縮ローラ440とによって最終圧縮される。最終圧縮された被圧縮物Kは、前記ベルトコンベア340によってさらに下流側に移動することで、前記ベルトコンベア340の後端側である排出側Nから排出することができる。
【0065】
前記ベルトコンベア340上面部の上流側に被圧縮物Kを載置するために、前記投入部5が構成されている。前記投入部5は、主に被圧縮物を載置するテーブル510と扉520を備える。前記テーブル510は、前記ベルトコンベア340に載置する前の被圧縮物Kを一時的に載置するための部材である。前記テーブル510に被圧縮物Kを一時的に載置することで、作業者が意図しない被圧縮物Kの搬送を防ぐ役割がある。
前記テーブル510は、板状の部材であり、前記ベルトコンベア340の上面部を投入側Mに延設したように水平方向に設けられる。前記テーブル510の幅は、前記側部フレーム左23Lと、前記側部フレーム右23Rを架け渡すように設けられ、前記テーブル510の投入側Mの端部は、前記側部フレーム左23L及び前記側部フレーム右23Rの投入側Mの端部と略同じに位置するように設けられている。
すなわち、前記側部フレーム左23L及び前記側部フレーム右23Rと前記テーブル510と前記パドルカバー470の投入側Mの端部には、矩形状に解放された空間を塞ぐように、扉520が設けられる。
【0066】
前記扉520は矩形状の板金で構成され、
図4に示す右側の端部は側部フレーム右23Rに設けた前記リブに重合するように延設されている。前記扉520の前記側部フレーム左23L側の端部には、回動軸を垂直方向に向けたヒンジ521が取り付けられる。前記ヒンジ521は前記側部フレーム左23Lの投入側Mの端部に固着され、蝶着状態になった前記扉520は開閉自在である。本第1実施例において、前記ヒンジ521は垂直方向の3か所に設けている。
【0067】
前記扉520の前記側部フレーム右23R側にはハンドル522が設けられる。該ハンドル522を作業者が掴むことで、前記扉520は容易に開閉が可能である。
前記側部フレーム右23Rの前記リブ部の前記扉520接する面には、磁石523が取付けられる。前記扉520が閉鎖状態では、磁石523により板金で構成された前記扉520は止着されることで、作業者によって前記ハンドル522を操作しない限り前記扉520は閉鎖状態を維持する。作業者によって前記ハンドル522を投入側Mに引くことで前記扉520は開放状態となる。
【0068】
前記扉520の近傍で前記側部フレーム右23Rには、操作部6が設けられる。操作部6は、スイッチ類を収納するスイッチボックス610と、前記スイッチ類である電源スイッチ620、正転スイッチ630、逆転スイッチ640、非常停止スイッチ650、リミットスイッチ660とを備えている。前記スイッチボックス610内には電源と前記スイッチ類と前記モータ310を繋ぐ電気回路(図示せず)が構成されている。
【0069】
前記スイッチボックス610は、垂直方向に長い辺を有した直方体の形状をしていて、前記側部フレーム右23Rの投入側Mの外側の面に設置される。前記スイッチボックス610の投入側Mの面には、スイッチ類を収めるための複数の孔が垂直方向に1列に開けられている。前記複数の孔には、上から前記電源スイッチ620、前記正転スイッチ630、前記非常停止スイッチ650、前記逆転スイッチ640が取付けられる。
前記電源スイッチ620は装置の主電源となるスイッチで、主電源を「入」状態と主電源を「切」状態にできるように切り替えられる。
【0070】
前記正転スイッチ630は、主電源を「入」状態で前記正転スイッチ630のボタン部を押し込むと、前記モータ310が正転駆動し、前記下部圧縮ローラ313が
図2及び
図5及び
図7に示す側面視で時計回りに回転する。前記ベルトコンベア340の上面部は、投入側Mから排出側Nに移動するように作動される。また、前記上部圧縮ローラ440及び前記第1パドル420及び前記第2パドル430が、
図2及び
図5及び
図7に示す反時計回りに回転作動する。作動を停止させる場合は、再度正転スイッチ630を押し込むと
すべての駆動は停止される。
【0071】
前記逆転スイッチ640は、主電源を「入」状態で前記逆転スイッチ640のボタン部を押し込むと、前記モータ310の前記出力軸311が逆転駆動する。さらに、連動して前記下部圧縮ローラ313も逆回転する。本例において、逆転駆動時の前記出力軸311及び前記下部圧縮ローラ313の回転方向は、
図2及び
図5及び
図7に示す反時計回りに回転する。前記下部圧縮ローラ313に巻着された前記ベルトコンベア340の上面部は、排出側Nから投入側Mに移動するように作動される。
また、前記下部圧縮ローラ313と連動して駆動する前記上部圧縮ローラ440及び前記第1パドル420及び前記第2パドル430は、
図2及び
図5及び
図7に示す時計回りに回転し、前記ベルトコンベア340上の被圧縮物Kを投入側Mへ押し戻すように作動する。
【0072】
前記逆転スイッチ640での前記搬送部3及び前記圧縮部4の逆転動作は、前記逆転スイッチ640のボタン部を作業者が押圧したときのみ動作し、前記逆転動作を停止させる場合は、作業者が逆転スイッチ640を放すことで停止される。前記逆転動作は、搬送部3での搬送工程及び圧縮部4での圧縮工程で発生した異常を除去する際に、装置の駆動を逆回転させるために用いられる。
【0073】
前記非常停止スイッチ650は、前記空のダンボール箱等の箱状物圧縮装置1の駆動を緊急停止する際に使用するもので、前記非常停止スイッチ650のボタン部を押し込むことで、電気回路が遮断され前記空のダンボール箱等の箱状物圧縮装置1の駆動がすべて停止する。前記空のダンボール箱等の箱状物圧縮装置1の駆動を再開させるためには、前記非常停止スイッチ650のボタン部を回すことで電気回路の接続が復帰され、前記空のダンボール箱等の箱状物圧縮装置1の駆動が再度可能になる。
【0074】
前記リミットスイッチ660は、前記非常停止スイッチ650の近傍に備えられ、突出部661が前記スイッチボックス610及び前記側部フレーム右23Rから突出するように固定される。前記リミットスイッチ660の突出部661は、前記扉520が閉鎖状態のときに前記リミットスイッチ660の内部に押し込まれることで電気回路が接続状態となる。反対に、前記扉520が開放状態のときは、前記リミットスイッチ660の内部に押し込まれた突出部661が突出することで電気回路が遮断状態となる。
すなわち、前記扉520を開放すると電気回路の遮断により前記搬送部3及び圧縮部4の駆動が停止し、前記扉520を閉鎖すると電気回路の接続により前記搬送部3及び圧縮部4の駆動可能な状態となる。前記扉520が不意に開放された状態になった場合は、作業者が搬送部3及び圧縮部4に巻き込まれないように安全面に配慮がなされている。
【0075】
また、前記電気回路(図示せず)内には、前記モータ310が過負荷になった場合に電気回路を自動で遮断する遮断回路(図示せず)が構成されている。前記搬送部3及び前記圧縮部4が異常状態になった場合の過負荷から、前記空のダンボール箱等の箱状物圧縮装置1を保護する。
【0076】
上記のように構成した前記空のダンボール箱等の箱状物圧縮装置1は、前記投入部5から被圧縮物Kを投入し、前記操作部6でスイッチ操作をすることで前記搬送部3が駆動する。前記搬送部3の前記ベルトコンベア340によって前記被圧縮物Kは、下流方向に搬送され、前記圧縮部4の前記第1パドル420と前記第2パドル430と前記上部圧縮ローラ440と前記下部圧縮ローラ313で圧縮された後、前記前記ベルトコンベア340排出側Nの端部から排出される。
【0077】
第1実施例について、前記空のダンボール箱等の箱状物圧縮装置1で被圧縮物Kを圧縮する作業方法を説明する。
作業者は前記スイッチボックス610の前記電源スイッチ620を「入」状態にし、さらに前記正転スイッチ630を押圧すると、前記モータ310が正転駆動し、搬送部3及び圧縮部4も同時に正転駆動する。すなわち、前記ベルトコンベア340の上面部は、投入側Nから排出側Nへ移動し、前記第1パドル420及び前記第2パドル430及び前記上部圧縮ローラ440は、
図2及び
図5及び
図7に示す反時計回りに回転する。
前記投入部5より被圧縮物Kを投入するため、前記扉520を開放状態にして、被圧縮物Kをテーブル510上に一時載置する。前記扉520を開放させている間は、前記リミットスイッチ660の電気回路の遮断作用により前記モータ310が駆動を停止し、前記搬送部3の前記ベルトコンベア340及び前記圧縮部4の前記第1パドル420及び前記第2パドル430と前記上部圧縮ローラ440も同時に駆動を停止する。駆動を停止した前記ベルトコンベア340の上面の上流側に、前記テーブル510上に一時載置した前記被圧縮物Kを作業者が移動させる。
【0078】
作業者によって前記扉520が閉じられて投入部5が閉鎖状態になると、前記リミットスイッチ660によって電気回路が接続され、前記モータ310が再度正転駆動を開始する。前記搬送部3の前記ベルトコンベア340及び前記圧縮部4の前記第1パドル420及び前記第2パドル430と前記上部圧縮ローラ440も同時に正転駆動を開始する。
前記ベルトコンベア340上の被圧縮物Kは、前記ベルトコンベア340の移動と共に下流側の排出側Nへ移動し、前記第1パドル420の回転によって1次圧縮される。1次圧縮された前記被圧縮物Kは、さらに前記ベルトコンベア340の移動と共に下流側へ移動し、前記第2パドル430の回転によって2次圧縮される。2次圧縮された前記被圧縮物Kは、1次圧縮時よりさらに圧縮された状態となり、前記ベルトコンベア340によって下流側に移動し、前記上部圧縮ローラ440及び下部圧縮ローラ313の回転によって最終圧縮される。最終圧縮された前記被圧縮物Kは、前記上部圧縮ローラ440及び下部圧縮ローラ313の回転と前記ベルトコンベア340の下流側への移動によって排出側Mに押し出され排出されることで、前記被圧縮物Kの圧縮工程が完了する。
被圧縮物Kの圧縮作業が終了したら、前記正転スイッチ630を再度押して、前記搬送部3と圧縮部4の駆動を停止させる。さらに、前記電源スイッチ620を「切」状態にして前記空のダンボール箱等の箱状物圧縮装置1の電源を全て遮断して、全ての作業が終了する。
【0079】
一方で被圧縮物Kの圧縮工程中に、作業者が不意に前記扉520を開いてしまった場合は、前記リミットスイッチ660によって電気回路が遮断され、搬送部3や圧縮部4の駆動は停止する。
また、前記空のダンボール箱等の箱状物圧縮装置1での被圧縮物Kの圧縮工程中に、異物の噛み込み等で、搬送部3や圧縮部4に過負荷が掛かると、前記電気回路に構成された遮断回路(図示せず)によって搬送部3や圧縮部4は駆動を自動で停止する。
【0080】
前記搬送部3や前記圧縮部4に異物の噛み込み等の異常が発生した場合、該異常を取り除くためには、作業者が前記逆転スイッチ640を押すことで、搬送部3や圧縮部4が逆転駆動し、異物が押し戻される。すなわち、前記ベルトコンベア340の上面部は排出側Nから投入側Nへ移動し、前記第1パドル420及び前記第2パドル430及び前記上部圧縮ローラ440は、
図2及び
図5及び
図7に示す時計回りに回転して、前記異物を押し戻す。押し戻された異物が回収できる位置に移動したら、作業者は前記逆転スイッチ640から手を放して搬送部3や圧縮部4の駆動を停止させた後に異物を回収する。
さらに、前記被圧縮物Kの圧縮工程中に前記空のダンボール箱等の箱状物圧縮装置1を緊急停止させる場合には、前記非常停止スイッチ650を押すことによって電気回路を遮断して駆動を停止させる。
【0081】
第1実施例について、上述のように構成した前記空のダンボール箱等の箱状物圧縮装置1は、簡単で低コストな装置で空のダンボール箱等の箱状物被圧縮物Kを圧縮することができ、被圧縮物Kを投入部5からベルトコンベア340に載置し、スイッチ操作するのみで、作業者は容易に空のダンボール箱等の箱状物被圧縮物Kの圧縮及び減容を行うことができる。
【0082】
したがって、第1実施例に係る発明は、以下からなる。
箱状物の被圧縮物を載置して搬送するためのベルトコンベアと、
該ベルトコンベアの下流側に配置され、前記ベルトコンベアを巻着させた下部圧縮ローラと、該下部圧縮ローラの上方で該下部圧縮ローラの回転軸と平行に配置し、前記下部圧縮ローラと協働して、前記ベルトコンベアで搬送された前記被圧縮物を圧縮するための上部圧縮ローラと、
該上部圧縮ローラの回転軸と平行に設けられ、前記ベルトコンベア上流側に配置された第1パドルと、
該第1パドルの回転軸と平行に設けられ、前記第1パドルより前記ベルトコンベアの下流側で前記上部圧縮ローラより上流側に位置する第2パドルと、
を備え、
前記第1パドルの回転軸は、前記第2パドルの回転軸より上方に位置させ、前記第2パドルの回転軸は、前記上部圧縮ローラの回転軸より上方に位置させ、前記ベルトコンベアで搬送された被圧縮物を、前記第1パドルと前記第2パドルで徐々に圧縮しながら送り込み、前記下部圧縮ローラと前記上部圧縮ローラで圧縮した後に前記ベルトコンベアの終端部から排出することを特徴とした箱状物圧縮装置である。
【0083】
更に、第1実施例は、
前記第1パドル及び前記第2パドルは、複数の突設板が回転軸から外側に向けて放射状に設けられていて、前記突設板の平面部は、前記第1パドル及び前記第2パドルの回転方向に向けられ、前記ベルトコンベアで搬送された前記被圧縮物を圧縮することを特徴とした箱状物圧縮装置である。
【0084】
更に、第1実施例は、
前記第2パドルの回転外周径は、前記第1パドルの回転外周径より小さく設けられていることを特徴とした箱状物圧縮装置である。
【0085】
更に、第1実施例は、
前記第2パドルの回転数は、前記第1パドルの回転数と同一に設定されていていることを特徴とした箱状物圧縮装置である。
【0086】
更に、第1実施例は、
前記ベルトコンベアの上流側には扉が設けられていて、該扉は開放状態になると、前記ベルトコンベアと前記下部圧縮ローラと前記上部圧縮ローラと前記第1パドルと前記2パドルは動作を停止することを特徴とした箱状物圧縮装置である。
【0087】
そのため、第1実施例に係る発明は、以下の効果を有するものである。
第1実施例に係る発明によれば、箱状物の回収に必要とされる箱状物を圧縮減容する装置を安価な構造で提供するとともに、作業者が容易に箱状物の圧縮作業が行える。
【0088】
本発明の実施の一形態である第2実施例を、
図8乃至
図10に基づいて説明する。
第2実施例では、第1架設板425が隣接する第1突設板422間に設けてある。また、第2架設板434が隣接する第2突設板432間に設けてある。他の構成は、作用効果とも第1実施例と同様である。
第1パドル420の回転軸となる第1パドルシャフト部421及び、第2パドル430の回転軸となる第2パドルシャフト部431からは、外側に向けて放射状に設けられた複数の第1突設板422、第2突設板432を設けている。
【0089】
複数の第1突設板422、第2突設板432のそれぞれの回転外周側の先端部には、回転方向前側の前記各第1突設板422、第2突設板432の後側の面から回転方向後側の隣接する第1突設板422、第2突設板432の前側の面を架け渡すように、それぞれに第1架設板425、第2架設板434を設ける。
前記第1架設板425、第2架設板434の回転外周径は、前記第1架設板425、第2架設板434が取付けられた、前記第1突設板422、第2突設板432の回転外周径より小さく設けられている。
【0090】
第1パドル420の第1突設板422の突出長さは、第2パドル430の第2突設板432の突出長さより長い。
そのため、第1架設板425、第2架設板434で被圧縮物Kを圧縮する際、第1架設板425、第2架設板434によって後方(扉520側)に押し戻される空のダンボール等被圧縮物Kの動きを第1パドル420の第1突設板422の長く出た突出部で抑える効果がある。故に、空のダンボール箱である被圧縮物Kを確実に捉え、次工程に送る効果がある。
【0091】
第1パドル420の回転外周速度は、ベルトコンベア340速度より速い。
そのため、第1パドル420で1次圧縮された空のダンボール箱等の箱状物である被圧縮物Kの上部は、第1パドル420の第1突設板422の突出で捉えられて、相対的にベルトコンベア340より前方に倒そうとする。結果、空のダンボール箱である被圧縮物Kは、すり潰す又は引き裂かれるように圧縮するので、単純に上下圧縮されたものとは空のダンボール箱である被圧縮物Kの圧縮に要する負荷を低減させることができる。負荷の低減により、必要動力を低く抑えることができ、装置の小型化に寄与する。
図1乃至
図7に図示する第1実施例でも同様である([0064]の記載参照)。
【0092】
第2パドル430の回転外周速度と第2突設板432の突出長さについて説明する。
第1パドル420とは違い、第2パドル430で圧縮されるダンボール等被圧縮物Kは、ある程度圧縮されている。又は、第1パドル420では圧縮できなかった小サイズの空のダンボール箱である被圧縮物Kが対象となる。
そのため、第2パドル430では、積極的にすり潰すことは必要ではなく、ベルトコンベア340にて送られた空のダンボール箱である被圧縮物Kをそのまま圧縮することに重きを置いている。故に、第2突設板432の突出長さは第1パドル420ほど必要ではなく、圧縮された空のダンボール箱である被圧縮物Kまたは小サイズのダンボールを捉える効果のみを狙っている。
【0093】
第1実施例と同様、第2実施例の第2パドル430の回転外周速度は、ベルトコンベア340の搬送速度とも略同一になる([0060]の記載参照)。本第2実施例の場合も、前記ベルトコンベア340の搬送速度は、15m/分乃至30m/分程度に設定されている。
回転外周速度と搬送速度の一致により、第2パドル430の排出側Nに位置する前記上部圧縮ローラ440に、被圧縮物Kを跳ね飛ばして過剰に供給させることが無く、上部圧縮ローラ440と下部圧縮ローラ313の間に被圧縮物Kを詰まらせることを防止する。
【0094】
本発明の実施の一形態である第3実施例を、
図11乃至
図15、
図17に基づいて説明する。
第3実施例では、第3パドル480を1個設けてある。481は、第3パドルシャフト部である。482は第3突設板、483は第3架設板である。
第3実施例では、第2実施例と同様、第3架設板483が、隣接する第3突設板482間に設けてある。他は、作用効果についても、第1実施例、第2実施例と同様である。
パドルは、第2実施例の第1パドル420、第2パドル430の中間の大きさの第3パドル480、1個からなる。
【0095】
図14、
図15に図示する上部圧縮ローラ440では、表面軸方向に平行に突起部442を等間隔に4個設ける。
突起部442の断面サイズは、9mm角の正方形である。
突起部442を設けているため、単に円形のローラだけではダンボールが滑って効率良く後方側に引き込まれないことがあることから、そのような現象を未然に防ぐ役割がある。
また、突起部442によって局部的に強く圧縮することで、圧縮部分に凹凸状の「コシ」が入り、上部圧縮ローラ440で圧縮後のダンボールが再度膨らもうとする現象を防ぐ。単純に、上下圧縮ローラ440、313間の隙間を狭めただけだと圧縮に要する負荷が高くなり、結果として必要動力が増出し、装置自体が大型化してしまうことを防ぐ。
【0096】
図16に図示するように、架設板がない第1パドル420を1個設けた場合は、被圧縮物Kの角Aが立つことがあるので、上部圧縮ローラ440に巻き込まれないことがある。それに対して、
図17に図示するように、第3パドル480のように、第3架設板483を、隣接する第3突設板482間に設けてある設けた場合は、第3パドル480で被圧縮物Kの角Aを潰すことが可能である。そのため、次工程で、被圧縮物Kを確実に上部圧縮ローラ440の回転に誘引する。
第3実施例では、上部圧縮ローラ440に表面軸方向に平行に突起部442を等間隔に設けているため、確実に被圧縮物Kを後方に送り出すとともに、確実に圧縮する。
【産業上の利用可能性】
【0097】
この発明は、空のダンボール箱の他に、紙製の包装体及び紙製の包装容器を圧縮減容する圧縮装置に適用できる。
【符号の説明】
【0098】
1 箱状物圧縮装置
2 フレーム部
210 土台フレーム
23L 側部フレーム左
23R 側部フレーム右
3 搬送部
310 モータ
313 下部圧縮ローラ
340 ベルトコンベア
4 圧縮部
420 第1パドル
422 第1突設板
425 第1架設板
430 第2パドル
432 第2突設板
434 第2架設板
440 上部圧縮ローラ
480 第3パドル
482 第3突設板
483 第3架設板
5 投入部
520 扉
6 操作部
620 電源スイッチ
630 正転スイッチ
640 逆転スイッチ
650 非常停止スイッチ
660 リミットスイッチ
K 被圧縮物