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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-28
(45)【発行日】2023-03-08
(54)【発明の名称】電気接続デバイスおよびその冷却
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/533 20060101AFI20230301BHJP
   H01R 13/46 20060101ALI20230301BHJP
   H01M 10/613 20140101ALI20230301BHJP
   H01M 10/6556 20140101ALI20230301BHJP
   H01M 10/625 20140101ALI20230301BHJP
   H01M 10/6563 20140101ALI20230301BHJP
   H01M 10/6568 20140101ALI20230301BHJP
   H01M 10/6553 20140101ALI20230301BHJP
【FI】
H01R13/533 A
H01R13/46 303C
H01M10/613
H01M10/6556
H01M10/625
H01M10/6563
H01M10/6568
H01M10/6553
【請求項の数】 3
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2018159080
(22)【出願日】2018-08-28
(65)【公開番号】P2019046799
(43)【公開日】2019-03-22
【審査請求日】2021-08-16
(31)【優先権主張番号】1757940
(32)【優先日】2017-08-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】518405522
【氏名又は名称】アプティブ・テクノロジーズ・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100134544
【弁理士】
【氏名又は名称】森 隆一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】フレデリック・メネス
(72)【発明者】
【氏名】ジャン・ファブル
(72)【発明者】
【氏名】ステファーヌ・ラコート
【審査官】高橋 学
(56)【参考文献】
【文献】仏国特許出願公開第03029361(FR,A1)
【文献】特表2016-513337(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0267115(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/533
H01R 13/46
H01M 10/613
H01M 10/6556
H01M 10/625
H01M 10/6563
H01M 10/6568
H01M 10/6553
H01M 50/50
H01M 50/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1電気端子ターミナルコネクタ(122)と第2電気端子ターミナルコネクタ(124)の間を電気的に連結するように設計された電気接続分路(16)であって、該電気接続分路は一式の電流導体要素を備え、該電流導体要素は、
垂直軸(V)に沿って延び、前記1電気端子ターミナルコネクタ(122)と連結されるように設計され、且つ前記第1電気端子ターミナルコネクタ(122)と、該第1電気端子ターミナルコネクタ(122)に連結された第1電気接続ターミナル(26)と、の間に電流を流すように設計された第1電気接続ターミナル(26)と
前記垂直軸(V)に沿って延び、前記第2電気端子ターミナルコネクタ(124)と連結されるように設計され、且つ前記第2電気端子ターミナルコネクタ(124)と、該第2電気端子ターミナルコネクタ(124)に連結された第2電気接続ターミナル(28)と、の間に電流を流すように設計された第2電気接続ターミナル(28)と、
前記第1電気接続ターミナル(26)から前記第2電気接続ターミナル(28)へと電流を流すように設計された、2つの電気接続ターミナル(26、28)のための電気連結要素(30)と、を備え、
少なくとも前第1電気接続ターミナル(26)は、該第1電気接続ターミナル(26)を通じて配置された分路導管(42)を備え、これにより前記第1電気接続ターミナル内に冷媒を流し、
前記分路導管(42)は開放端導管であり、当該導管の少なくとも1つの端部は、電気接続分路(16)を冷媒供給管(20)に接続するように設計された分路相互接続手段(58)を備え、前記分路導管(42)は直線的な導管である、電気接続分路(16)。
【請求項2】
前記第1電気接続ターミナル(26)は雄型電気接続ターミナルであり、前記第1電気端子ターミナルコネクタ(122)内に挿入されるように設計された、全体的に円筒形の端子端部(38)を備えている、請求項1に記載の電気接続分路(16)。
【請求項3】
前記分路導管(42)は、前記第1電気接続ターミナル(26)を通じて配置され、前記垂直軸(V)に沿って延びている、請求項1または2に記載の電気接続分路(16)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気接続デバイスおよびその冷却回路に関し、より具体的には、本発明は電気接続分路および冷却回路を備えた電気端子ターミナルコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
ハイブリッド自動車または電気自動車に関して、そのような車両の電気機械の多様な部品に電力供給するために、高電圧バッテリパックを使用することが知られている。一般的に、バッテリパックは、より中電圧の複数のバッテリ要素を備え、これらの要素は、所望の高電圧を得るために、互いに相互接続されている。
【0003】
電気接続分路を使用して、バッテリ要素間の相互接続を形成することが知られている。しかしながら、これらのタイプの自動車の絶え間ない電流増加の要求に伴い、接続分路の過熱を回避するために、分路のサイズは増大する傾向にあり、これによりバッテリパックの体積は、自動車内におけるその実施に関して現実の問題となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、これらの問題を解決するための新規な解決策を提案することが重要である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
2つの電気端子ターミナルコネクタの間に電気的に連結されるように設計された電気接続分路は、一式の電流導体要素を備え、この一式の導体要素は、垂直軸に沿って延び、第1および第2電気端子ターミナルコネクタと連結されるように設計され、且つ電流を各電気端子ターミナルコネクタと、電気端子ターミナルコネクタに連結された電気接続ターミナルと、の間に電流を流すように設計された第1電気接続ターミナルおよび第2電気接続ターミナルを備えている。2つの電気接続ターミナルのための電気連結要素は、一方の電気接続ターミナルから他方の電気接続ターミナルへと電流を流すように設計されている。少なくとも1つの導体要素は、導体要素を通じて配置された分路導管を備え、これにより導体要素内に冷媒を流す。冷媒は、分路の導体要素の発熱を減少させることを可能にし、妥当な分路サイズを維持することを可能にしている。
【0006】
分路導管は開放端導管であり、この導管の少なくとも1つの端部は、分路を冷媒供給管に接続するように設計された分路相互接続手段を備えている。冷却管は、空気または水性要素のような、冷媒の経路を形成することを可能にしている。分路導管は、直線的な導管とすることが可能である。
【0007】
第1電気接続ターミナルは雄型電気接続ターミナルであって、第1電気端子ターミナルコネクタ内に挿入されるように設計された、全体的に円筒形の端子端部を備えることが可能である。分路導管は第1電気接続ターミナルを通じて配置されることが可能であり、且つ垂直軸に沿って延びることが可能である。第1電気ターミナルの端子端部は、分路導管と流体連通するように配置された内部キャビティを備えることが可能であり、その内部に別の導管を挿入して、分路導管と連続して冷媒を流すことが可能である。第2電気接続ターミナルは、第1電気接続ターミナルと同じ特徴を備えることが可能である。
【0008】
電気接続分路の電気的接続を受けるように設計された電気端子ターミナルコネクタは、分路の電気接続ターミナルと電気的に連結するように設計された電気接続ターミナルを備えている。ターミナルコネクタ導管は端子ターミナルコネクタを通じて配置され、これにより冷媒をその内部に流している。冷媒は端子ターミナルコネクタの発熱を減少させることを可能にし、且つ妥当な端子ターミナルコネクタのサイズを維持することを可能にしている。
【0009】
ターミナルコネクタ導管は開放端の導管とすることが可能であり、その導管の少なくとも一方の端部は、別の冷却管をそこに連結するように設計されたターミナルコネクタ相互接続手段を備えている。冷却管は、空気または水性要素のような冷媒の経路を形成することを可能にしている。ターミナルコネクタ導管は、直線的な導管とすることが可能である。電気連結ターミナルは、垂直軸に沿って延び且つ全体的に円筒形の端子スリーブを備えた雌型電気端子とすることが可能であり、この端子スリーブは、垂直軸に沿って延び且つ分路の電気接続ターミナルを受けるように設計されている。
【0010】
ハウジングは端子スリーブの円筒形の壁を覆うことが可能であり、ハウジングはハウジング底部を備え、この底部を通じて、垂直軸に沿って延びたターミナルコネクタ導管が配置されることが可能である。中空部品はハウジング底部に配置されることが可能であり、中空部品は、ハウジング底部から端子スリーブの内部へと垂直軸に沿って延び、これにより分路の雄型電気接続ターミナルの端子端部の内部キャビティ内に挿入されることを可能にし、且つターミナルコネクタ導管を形成して、冷媒の循環を可能にしている。
【0011】
部品は部品の周囲に配置されたシールを備えることが可能であり、このシールは、内部キャビティと部品との間に密着して圧縮されるように設計されている。ハウジング底部は、ターミナルコネクタ導管を形成し且つ垂直軸に沿って下向きに延びた冷媒排出ダクトを備えることが可能である。
【0012】
前述の電気接続分路および電気端子ターミナルコネクタを備えた電気アセンブリは、第1電気端子ターミナルコネクタの連結ターミナルと電気的に連結された分路の第1電気接続ターミナルを備えている。
【0013】
分路導管は、ターミナルコネクタ導管と流体連通することが可能である。アセンブリは、分路導管と流体連通して固定された第1冷却管と、ターミナルコネクタ導管と流体連通して固定された第2冷却管と、を備えることが可能である。少なくとも1つの冷却管は、その一方の端部においてポンプに固定されることが可能であり、冷媒の循環を可能にしている。
【0014】
第2電気端子ターミナルコネクタの電気連結ターミナルを備えた分路の第2電気接続ターミナルのアセンブリは、第1電気端子ターミナルコネクタの電気連結ターミナルを備えた分路の第1電気接続ターミナルのアセンブリと同じ特徴を備えることが可能である。
【0015】
本発明の他の特徴、目的、および利点は、非限定的な例によって与えられた添付図を踏まえて、以下の詳細な記載を読むことにより明らかになるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の第1実施形態による、電気接続分路によって互いに電気的に接続されたバッテリ要素を備えたバッテリパックを概略的に示した斜視図である。
図2図1のバッテリ要素と電気的に接続するように設計された、電気接続分路の第1実施形態を概略的に示した斜視図である。
図3】プラスチックハウジング要素を除いた、図2による分路を概略的に示した斜視図である。
図4図2による分路の軸方向断面を概略的に示した図である。
図5図2による分路の電気接続ターミナルを受けるように設計された電気端子ターミナルコネクタの第1実施形態を概略的に示した分解斜視図である。
図6】バッテリ要素に装着された、図5による組み立てられた電気端子ターミナルコネクタの軸方向断面を概略的に示した図である。
図7】2つの図5による電気端子ターミナルコネクタを備えた、図2による電気接続分路の電気アセンブリの実施形態の軸方向断面を概略的に示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
記載を補助するために、非限定的な様式において、長手軸L、横軸T、および垂直軸Vを備えた直交基準フレームが定義されている。「下」、「上」、「上に」、「下に」、「底」、および「上部」の向きは、垂直方向に従って定義されている。「左」、「右」、および「横」の向きは、横軸に従って定義されている。「前」および「後」も、長手方向に従って定義されている。
【0018】
図1によれば、ハイブリッド自動車または電気自動車に組み込まれるように設計されたバッテリ要素11のアセンブリ10が示されている。体積を制限するために、バッテリ要素11は2つの隣接した長手方向の列に配置されている。バッテリ要素11のアセンブリ10は、2つの側方端部のうちの一方において、陽極接点12および陰極接点14を備え、それらの接点の間には、バッテリ要素11のアセンブリ10の全電圧が供給されている。
【0019】
図示された実施形態によれば、バッテリ要素11のアセンブリ10は12個のバッテリ要素11を備え、各列が6個のバッテリ要素11を備えている。バッテリ要素11は直列に搭載され、これは、第1バッテリ要素の陽極が第2バッテリ要素の陰極に接続され、第2バッテリ要素の陽極が第3バッテリ要素の陰極に接続されるなどして、第12バッテリ要素の陽極が、バッテリ要素11のアセンブリ10の陽極接点12に電気的に連結されていることを意味している。第1バッテリ要素の陰極は、バッテリ要素11のアセンブリ10の陰極接点14に電気的に連結されている。
【0020】
図示された実施形態によれば、バッテリ要素11の陽極と陰極との間の電気的接続は、電気接続分路16を使用して形成されている。特に、分路16はバッテリ要素11の2つの列の間に配置されている。この配置は、特に陽極接点12および陰極接点14の対向した端部に配置されることを可能にしており、分路は、6番目のバッテリ要素の陽極とバッテリ要素11のアセンブリ10の保護ヒューズのターミナルコネクタとの間に接続され、別の分路も、7番目のバッテリ要素の陰極とヒューズの他のターミナルコネクタとの間に接続されている。
【0021】
また、この実施形態によれば、各接点12、14は、電気接続分路16によってそのバッテリ要素に電気的に連結されている。
【0022】
バッテリ要素11のアセンブリ10が応答型である場合、例えば400アンペアのオーダーの非常に強い電流が、各電気接続分路16を通じた流れを形成することが可能である。各分路16の電流の流れは、その発熱を生じる。電気接続分路16の発熱を減少させる方法の1つは、それらを冷却することである。
【0023】
図示された実施形態によれば、分路16の冷却回路18が実施されている。冷却回路18は冷却管20、22を備え、空気、ガス、水または他の任意の液体等の冷媒を、分路16を通じて流すことを可能にしている。より具体的には、分路16に冷媒を供給する管20および分路16を通過した流体を回収するための管22が、特定されている。
【0024】
冷却回路18はポンプ24も備え、分路16の供給管20内に冷媒を投入することを可能にしている。この実施形態によれば、回収管22は、ポンプ24内に流体を再投入することを可能にしている。ポンプ24は、十分に回収された流体を冷却して、その流体を冷却回路18内に再投入することを可能にする装置を備えている。
【0025】
例示的且つ非限定的な様式においては、供給管20、22内に空気の流れを形成するファンが、ポンプ24として提供可能である。
【0026】
図2および図3によれば、冷却回路18によって冷却されるように設計された電気接続分路16の実施形態が図示されている。分路16は、第1および第2電気端子ターミナルコネクタと連結されるように設計された第1電気接続ターミナル26および第2電気接続ターミナル28、ならびに2つの電気接続ターミナル26、28を連結した電気連結要素30のような導電体を備えている。
【0027】
各電気接続ターミナル26、28は、電気絶縁ハウジング要素34内に収容された導電性金属ロッド32、36から成る。好適に、各ロッド32、36は、全体的に円筒形状である。ハウジング要素34はロッド32、36を外側被覆することが可能であるか、またはロッド32、36はハウジング34内に圧入されることが可能である。
【0028】
各金属ロッド32、36は、垂直軸Vに沿って延びている。各金属ロッド32、36は、ロッド32、36を電気端子ターミナルコネクタと連結することが可能な底部を備えている。ロッド32、36の底部は、これ以降は端子端部38、40と称される。この例においては、端子端部38、40は全体的に円筒系の金属部分であり、電気端子ターミナルコネクタに配置された雌部分を補完する。換言すると、図示された実施形態によれば、第1電気接続ターミナル26および第2電気接続ターミナル28は、雄ターミナルである。ロッドの頂部は、電気連結要素30によって互いに電気的に連結されている。
【0029】
図4によれば、各電気接続ターミナル26、28は開放端導管を備え、この導管はこれ以降は分路導管42、44と称され、各金属ロッド32、36を通じて冷媒を流すように設計されている。各分路導管42、44は、各金属ロッド32、36の上端33、37から端子端部38、40の内部キャビティ46、48へと垂直軸に沿って延び、各内部キャビティ46、48は、各金属ロッド32、36の底部自由端50、52につながっている。換言すると、各分路導管42、44は、分路16の各電気接続ターミナル26、28の上端33、37から、各端子端部38,40の内部キャビティ46、48へと垂直に直線的に延び、これらの内部キャビティ46、48は、分路導管42、44と流体連通している。したがって、各分路導管42、44は、キャビティ46、48と結合した結合端54、56と称される端部を備えている。各分路導管42、44は開放端導管であり、すなわち導管はその各端部において開口部を備えている。
【0030】
したがって、各ロッド32、36の上端33、37は開口部を備え、各分路導管42、44内への冷媒の導入を可能にしている。
【0031】
各内部キャビティ46、48は、電気端子ターミナルコネクタ内に分路16を案内し且つ保持するための部品を受容するように設計されている。好適に、分路導管42は一定の径の開口部を備え、この径は内部キャビティ46の開口径よりも小さい。
【0032】
分路16への供給管20の端部の固定を簡素化するために、分路相互接続手段58が、分路導管42と供給管20との間の、分路16の各電気接続ターミナル26、28の上端33に配置されている。好適に、分路相互接続手段58は、分路導管42内にねじ込んで締結することによって挿入される、カラー型の管固定手段とすることが可能である。明らかに、アクセス性の目的のために、各分路相互接続手段58は、電気絶縁ハウジング要素34の開口部を通じて配置され、電気接続ターミナル26、28の上端33を覆っている。
【0033】
それとは異なり、分路導管42は、2つの電気接続ターミナル26、28を連結した電気連結要素30を通じて配置されることも可能である。
【0034】
各電気接続ターミナル26、28は、これらのターミナル26、28の端子端部38、40に配置された内部キャビティ46、48を備えなくすることも可能である。この別の実施形態においては、結果として各電気接続ターミナル26、28に配置された各分路導管42、44は、各ロッド32、36の上端33、37から、各ロッド32、36の底端50、52へと延びている。この特別な実施形態によれば、分路導管42の底端において、分路相互接続手段58は、好適に分路16の各上端33、37に配置されていることと一致し、これにより分路16を貫通した流体のための回収管22をそこに容易に固定することが可能となるような手段が考えられる。この特別な場合においては、分路16の電気接続ターミナル26、28は、これにより電気端子ターミナルコネクタ内に分路16を案内し且つ保持するための部品を全く備えていない電気ターミナルコネクタ内へと挿入されるように設計される。
【0035】
より経済的には、冷却管20、22を分路導管42、44に接続しないことが考えられる。ある場合においては、分路導管42、44を通じる自然空気対流が、分路16の冷却のために十分である。
【0036】
分路導管42、44の手段は、雄型の電気接続ターミナル26、28を備えた分路に限定されない。実際に、雌型の電気接続ターミナルを通じた分路導管42、44の手段を考慮することも可能である。重要なことは、分路16の少なくとも1つの導体要素を通じた分路導管42、44を配置し、この分路を、分路16の発熱の原因となり得る電流に通過させることである。
【0037】
図5によれば、電気接続分路16の電気接続ターミナルを受容するように設計された電気端子ターミナルコネクタ60の実施形態が図示されている。図示された電気端子ターミナルコネクタ60は、これ以降は電気連結ターミナル62と称される雌型電気ターミナルを備えた電気ターミナルコネクタである。電気端子ターミナルコネクタ60は、分路16を通じて流れ得る冷媒の排出を可能にするようにも設計されている。
【0038】
電気端子ターミナルコネクタ60は、頂部から底部にかけて、好適にプラスチック製の、ターミナルコネクタ60をバッテリ要素11に固定するように設計された取付要素64、電気連結ターミナル62、電流をバッテリ要素11から電気連結ターミナル62へと導くように設計された導電性バスバー66、および電気連結ターミナル62を覆うように設計されたプラスチックハウジング68、を備えている。
【0039】
より具体的には、取付要素64は第1の平坦な水平プレート70を備え、このプレートは、分路16の電気接続ターミナル26を電気連結ターミナル62内に挿入するように設計された中央開口部72を備えている。第1プレート70は、ターミナルコネクタの上に電気的絶縁体を提供している。第1プレート70は、その端縁の一方に、垂直軸Vに沿って上向きに延びた中空舌片74を備え、電気端子ターミナルコネクタ60のスナグへの取り付けを可能にしている。第1プレート70はスナグ76も備え、このスナグは、第1プレート70の端縁に配置され且つ垂直軸Vに沿って下向きに延びており、これにより第1プレート70をプラスチックハウジング68に固定することを可能にしている。
【0040】
第1プレート70の中央開口部72は、分路16の雄型電気接続ターミナル26、28の各ロッド32、36の直径とほぼ同一の直径を有する。中央開口部72は環状壁78を備え、この環状壁は、第1プレート70の頂面から、第1プレート70の底面を越えて配置され且つこれにより第1プレート70の下のリング78を形成したその底部自由端へ、と垂直軸Vに沿って延びている。
【0041】
電気連結ターミナル62または雌型ターミナルは、チューリップ型のターミナルであり、複数の弾性接触指80を備え、これらの接触指は、垂直軸Vに沿って下向きに、環状ベース82から雌型端子スリーブ84を形成したそれらの底部自由端へと延びている。環状ベース82は、取付要素64の第1プレート70のリング78の周囲に組み付けられるように設計されている。各接触指86は、電気連結ターミナル62の内側に向かって軸方向に湾曲されており、これにより電気連結ターミナル62のスリーブ84の内径は、第1プレート70の中央開口部72の直径よりも小さく、これは、分路が電気端子ターミナルコネクタ60内に挿入された場合に、接触指80が分路16のロッド32の端子端部38と電気的に接触するようになることを可能にするためである。
【0042】
バスバー66は、電気連結ターミナル62に固定されるように設計された第1部分86、およびバッテリ要素11の陽極または陰極に固定されるように設計された第2部分88、を備えている。
【0043】
第1部分86は、円形開口部90を備えた、第2の平坦な水平プレートを備えている。円形開口部90は円形壁を備え、この円形壁は、第1部分86の頂面から、第1部分86の頂面を越えて配置され且つこれにより第1部分86のリング92を形成したその頂部自由端へ、と垂直軸Vに沿って上向きに延びている。リング92は、電気連結ターミナル62の環状ベース82の周囲に、環状ベースと接触するように挿入されて、これにより分路16が電気端子ターミナルコネクタ60内に挿入された場合に、電流をバッテリ要素11から電気連結ターミナル62へと、したがって分路16のロッド32へと導くように設計されている。換言すると、リング92の直径は、連結ターミナル62のベース82の直径よりもわずかに大きく、これによりリング92は、電気連結ターミナル62のベース82の周囲に摩擦篏合されるように設計されている。
【0044】
第1部分86と連続した第2部分88は平坦な垂直板であり、垂直軸Vに沿って下向きに、第2水平板の端縁からその底部自由端まで延びている。
【0045】
プラスチックハウジング68は円筒形のハウジングであり、ハウジング底部94およびハウジング底部94と同じ寸法の表面領域を備えた上部開口部96を備えている。上部開口部96は円形の開口部であり、バスバー66の第1部分86の底面に当接するように設計された平坦フランジ97を備えている。ハウジング68の上部開口部96は、バスバー66の第1部分86のリング92の直径と同じ直径である。
【0046】
ハウジング底部94には、垂直軸Vに沿って下向きに向いたダクト98に出現する開口部が設けられ、これにより電気端子ターミナルコネクタ60を通過した冷媒の排出を可能にしている。したがって、ダクト98は、ハウジング底部94からその底端部100へと延びている。したがって、ダクト98は案内ダクト導管を備え、冷媒をその底端部100へと案内することを可能にしている。
【0047】
回収管22の端部を、電気端子ターミナルコネクタ60のダクト98の底端部100に容易に固定するために、ターミナルコネクタ相互接続手段102が、ダクト98の底端部100に配置されている。好適に、ターミナルコネクタ相互接続手段102は、カラー型の管固定手段であって、ターミナルコネクタのダクト内にねじ込むことによって挿入されることが可能である。好適に、ターミナルコネクタ相互接続手段102は、分路相互接続手段58と同一である。
【0048】
図6によれば、プラスチックハウジングの底部94は、分路16を電気端子ターミナルコネクタ60内に案内し且つ保持するための中空部品104を備えている。中空部品104は、ハウジング底部94から電気連結ターミナル62の端子スリーブ84に配置された自身の自由端へと、垂直軸Vに沿って延びている。中空部品104は、ダクト98と同軸に配置されている。
【0049】
中空部品104は、ダクト98の導管と流体連通して配置され、これにより分路導管42とは異なった開放端導管を形成しており、これ以降はターミナルコネクタ導管106と称される。ターミナルコネクタ導管106は、電気端子ターミナルコネクタ60を通じて冷媒を流し、これにより分路16が端子ターミナルコネクタ60に連結された場合に、分路16内に流れた流体を回収するように設計されている。各ターミナルコネクタの導管106は、垂直軸Vに沿って、各部品の上端部108から各ダクト98の底部自由端100へと延びている。換言すると、ターミナルコネクタ導管106は、垂直且つ直線的に、各部品104の上端部108からターミナルコネクタ相互接続手段102へと延びている。
【0050】
したがって、電気端子ターミナルコネクタ60の部品104の上端部108は開口部を備え、部品104が分路16の電気ターミナル26の内部キャビティ内に挿入された場合に、分路導管42の結合端54から流れてきた冷媒を回収することを可能にしている。
【0051】
この実施形態によれば、電気端子ターミナルコネクタ60の部品104には、環状シール110が設けられている。シール110は部品104の周囲に配置され、雄型電気接続ターミナル26の内部キャビティ46と、部品104と、の間に密着して圧縮されるように設計されており、これにより分路16の電気接続ターミナル26が電気端子ターミナルコネクタ60内に挿入された場合に、分路導管42およびターミナルコネクタ導管106は、埃の侵入から保護され、また、冷媒は分路導管42とターミナルコネクタ導管106との間のみを通過し、電気接続ターミナル26の結合端54における流体の損失が存在しない。
【0052】
別の実施形態によれば、電気端子ターミナルコネクタ60は、雄型の電気接続ターミナル26の周囲に挿入されるように設計された、単純な導体リングをすることが可能である。導体リングは少なくとも1つの金属拡張部を備え、バッテリ要素11の陽極または陰極に固定されることを可能にしている。リングは、例えばリングの厚さを通じて配置されることが可能なターミナルコネクタ導管106を備えることも可能である。この実施形態によれば、電気ターミナルコネクタは、取付要素64もしくはプラスチックハウジング68を備えていないか、または図5の電気端子ターミナルコネクタ60のバスバー66も備えていない。
【0053】
代替的な実施形態によれば、電気端子ターミナルコネクタは、雄型の電気連結ターミナルを備えたターミナルコネクタとすることが可能であり、これにより分路の雌型電気接続ターミナルに電気的に連結されることが可能である。好適に、各電気接続または連結ターミナルは、冷媒の流れを通すように設計されたダクトを備えることが可能である。
【0054】
図7によれば、2つの電気端子ターミナルコネクタ122、124を備えた分路16の電気アセンブリ120の実施形態が図示されている。電気接続分路16は、電気端子ターミナルコネクタ122、124内に挿入されている。より具体的には、分路16の第1電気接続ターミナル26および第2電気接続ターミナル28は、第1電気端子ターミナルコネクタ122および第2電気端子ターミナルコネクタ124と電気的に連結されている。第1および第2電気端子ターミナルコネクタ122、124は、図5および図6に記載された電気端子ターミナルコネクタ60と同一である。第1端子ターミナルコネクタ122は第1バッテリ要素126に固定され、一方で第2電気端子ターミナルコネクタ124は第2バッテリ要素128に固定されている。より具体的には、第1電気端子ターミナルコネクタ122のバスバー130は、第1バッテリ要素126の決定された極性の極、例えば陽極に電気的に連結されており、第2電気端子ターミナルコネクタ124のバスバー133は、第1電気端子ターミナルコネクタ122のバスバー130に連結された第1バッテリ要素126の極と相補的な極性の、第2バッテリ要素128の極、すなわち例えば陰極に電気的に連結されている。
【0055】
この実施形態によれば、各電気接続ターミナル26、28は電気連結ターミナル130、132内に挿入され、これにより各電気連結ターミナル130、132の弾性接触指123、125は、各電気接続ターミナル26、28の端子端部38、40と接触状態となる。各端子端部38、40の内部キャビティ46、48は、各電気端子ターミナルコネクタ122、124の各案内部品134、136の周囲に挿入され、これにより各部品134、136の周囲に配置された各環状シール138、140は、内部キャビティ46、48の壁と各部品134、136との間で圧縮される。この手段は、各ターミナルコネクタ導管142、144が、各分路導管42、44と流体連通して、各導管42、44、142、144を直線的にすることを可能にしている。
【0056】
分路の各電気接続ターミナル26、28の分路導管42、44には、冷媒供給管20によって冷媒が供給され、この冷媒供給管20は、第1供給分岐管21および第2供給分岐管23を備え、これにより第1および第2電気接続ターミナル26、28に個々に供給する。供給管の第1および第2分岐管21、23は、各電気接続ターミナル26、28に配置された分路相互接続手段58によって各分路導管42、44に固定されている。各電気接続ターミナル26、28を通過する冷媒は、冷媒回収管22によって各ターミナルコネクタ導管142、144を通じて回収される。より具体的には、回収管22は第1回収分岐管25および第2回収分岐管27を備え、これらはターミナルコネクタ相互接続手段102を通じて、各ダクト146、148の底端部150、152に、すなわち各分路導管142、144の底端部に個々に固定されている。好適に、ターミナルコネクタ相互接続手段102は、分路相互接続手段58と同一である。
【0057】
特別な実施形態によれば、電気アセンブリ120は分路を含み、この分路の単一の電気接続ターミナルは分路導管を備え、この分路の電気端子ターミナルコネクタのみが、ターミナルコネクタ導管を備えた分路導管を有する電気接続ターミナルに連結されることが考えられる。
【0058】
別の実施形態によれば、電気アセンブリ10は分路を備え、分路の雄型の電気接続ターミナルは内部キャビティを備えておらず、分路の電気端子ターミナルコネクタは単純な導体リングであり、この導体リングは、バッテリ要素の極に取り付けるための少なくとも導体手段を備えていることが考えられる。したがって、この別の実施形態によれば、電気端子ターミナルコネクタが分路導管を備えておらず、分路の雄型の2つの電気接続ターミナルのうちの1つが、電気接続ターミナルのロッドの頂端部からロッドの底端部へと延びた分路導管を備えることが考えられる。冷却管との相互接続手段は、各分路導管の両端に配置されることが可能である。この別の実施形態においては、電気端子ターミナルコネクタは、取付要素、もしくはバスバーのいずれも備えておらず、図5に示されたプラスチックハウジングも備えていないことが理解されるべきである。
【0059】
本発明は、バッテリ要素11の陽極および陰極を互いに連結するために記載された電気接続分路16および電気端子ターミナルコネクタ60の使用に限定されるものではない。本発明による分路16およびターミナルコネクタ60は、電流が一方の要素から他方の要素へと通過する、2つの要素の電気的連結を必要とする他の任意の手段に使用されることが可能である。
【符号の説明】
【0060】
10 ・・・アセンブリ
11 ・・・バッテリ要素
12 ・・・陽極接点
14 ・・・陰極接点
16 ・・・電気接続分路
18 ・・・冷却回路
20 ・・・供給管
21 ・・・第1供給分岐管
22 ・・・回収管
23 ・・・第2供給分岐管
24 ・・・ポンプ
26 ・・・第1電気接続ターミナル
28 ・・・第2電気接続ターミナル
30 ・・・電気連結要素
32、36 ・・・導電性金属ロッド
33、37 ・・・上端
34 ・・・電気絶縁ハウジング要素
38、40 ・・・端子端部
42、44 ・・・分路導管
46、48 ・・・内部キャビティ
50、52 ・・・底部自由端
54、56 ・・・結合端
58 ・・・分路相互接続手段
60 ・・・電気端子ターミナルコネクタ
62 ・・・電気連結ターミナル
64 ・・・取付要素
66、130、133 ・・・バスバー
68 ・・・プラスチックハウジング
70 ・・・第1水平プレート
72 ・・・中央開口部
74 ・・・中空舌片
76 ・・・スナグ
78 ・・・リング
80、123、125 ・・・弾性接触指
82 ・・・環状ベース
84 ・・・雌型端子スリーブ
86 ・・・第1部分
88 ・・・第2部分
90 ・・・円形開口部
92 ・・・リング
94 ・・・ハウジング底部
96 ・・・上部開口部
97 ・・・フランジ
98 ・・・ダクト
100 ・・・底端部
102 ・・・ターミナルコネクタ相互接続手段
104 ・・・中空部品
106、142、144 ・・・ターミナルコネクタ導管
108 ・・・上端部
110、138、140 ・・・環状シール
120 ・・・電気アセンブリ
122、124 ・・・電気端子ターミナルコネクタ
126 ・・・第1バッテリ要素
130、132 ・・・電気連結ターミナル
134、136 ・・・案内部品
142、144 ・・・ターミナルコネクタ導管
150、152 ・・・底端部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7