(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-28
(45)【発行日】2023-03-08
(54)【発明の名称】機械式駐車設備
(51)【国際特許分類】
E04H 6/18 20060101AFI20230301BHJP
E04H 6/00 20060101ALI20230301BHJP
【FI】
E04H6/18 601A
E04H6/00 A
E04H6/18 606A
(21)【出願番号】P 2018239177
(22)【出願日】2018-12-21
【審査請求日】2021-10-19
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 新明和工業株式会社が販売(引渡日 平成30年10月26日 施工した場所 愛知県名古屋市中区錦3丁目1406 施主 JA三井リース建物株式会社)
(73)【特許権者】
【識別番号】000002358
【氏名又は名称】新明和工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】弁理士法人有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小出 和寛
(72)【発明者】
【氏名】船岡 峰寛
【審査官】兼丸 弘道
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-262854(JP,A)
【文献】特開2010-024722(JP,A)
【文献】特開2014-009517(JP,A)
【文献】特開2013-144882(JP,A)
【文献】特開2013-122123(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04H 6/00-6/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両を搭載するための複数のパレットの各々を格納する複数の格納部と、
前記格納部と入出庫部との間で前記パレットを搬送するパレット搬送部と、
車両を入庫する際に、操作者によって任意の空パレットを呼び出すための
第1操作が行わ
れる空パレット呼出し部と、
操作者によって、空パレットを含む前記複数のパレットの中から
前記第1操作による呼出し対象から除外されるパレットを選択
する第2操作が行われる除外パレット設定部と、
前記
第2操作によって選択される前記パレット
を除外パレットとして記憶する記憶部を有し、
前記第1操作が行われたときに前記除外パレットに該当しない空パレットを前記格納部から前記入出庫部へ搬送させるように前記パレット搬送部を制御する制御部と、
を備えた機械式駐車設備。
【請求項2】
前記除外パレット設定部は、前記パレットの番号を指定する操作によって前記除外
されるパレットを選択する
前記第2操作が行われるよう構成された、
請求項1に記載の機械式駐車設備。
【請求項3】
操作者によって、前記記憶部
に記憶された前記除外パレットの番号を指定する
第3操作が行われる除外パレット取消部をさらに備え、
前記制御部は、
前記
第3操作によって指定される番号の前記除外パレットを前記記憶部から消去するよう構成された、
請求項1または2に記載の機械式駐車設備。
【請求項4】
操作者によって前記パレットの番号を指定して前記パレットを呼び出すための
第4操作が行わ
れる指定パレット呼出し部をさらに備え、
前記制御部は、
前記指定パレット呼出し部
に前記第4操作が行われたときに前記指定された番号のパレットを前記格納部から前記入出庫部へ搬送させるように前記パレット搬送部を制御するよう構成された、
請求項1~3のいずれかに記載の機械式駐車設備。
【請求項5】
各々の前記格納部の番号と各々の前記パレットの番号とが1対1に対応しており、各々の前記格納部には、当該格納部の番号と同一番号の前記パレットが格納されるよう構成された、
請求項1~4のいずれかに記載の機械式駐車設備。
【請求項6】
画面に全ての前記パレットの番号の一覧を表示し、その際、前記除外パレットの番号とこれ以外の前記パレットの番号とを区別可能なように表示する表示部をさらに備えた、
請求項1~5のいずれかに記載の機械式駐車設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機械式駐車設備に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、機械式駐車設備の利用方法には、月極契約方式や一時貸し方式等がある。月極契約方式の場合には、契約利用者が運転操作盤を操作して車両の入出庫を行うことができるようになっている。一方、一時貸し方式の場合には、管理人が運転操作盤を操作して車両の入出庫を行うようになっている。
【0003】
特許文献1には、機械式駐車設備の運転モードを、契約利用者が運転操作盤の操作を行う通常モード(会員モード)と、管理人が運転操作盤の操作を行う管理モード(専任モード)とに切り替えられることが記載されている。また、車両の種類(普通車、ハイルーフ車)に応じた格納部が設けられていることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のような機械式駐車設備を管理モードで運転する際、入庫の場合には、管理人が運転操作盤の空呼ボタンを押すことで、全ての空パレットのうち(搭載車両の種類が決められている場合には入庫車両の種類に対応する全ての空パレットのうち)例えば最短時間で到着する空パレットが呼び出される。あるいは、特許文献1のような運転盤の実車表示に基づいて、テンキーから直接パレット番号を入力することで、指定した空パレットが呼び出される。また、通常モードで運転する際には、契約利用者が、例えば暗証番号を入力し、スタートボタンを押すことで、全ての空パレットのうち(搭載車両の種類が決められている場合には入庫車両の種類に対応する全ての空パレットのうち)、最短時間で到着する空パレットが呼び出される。
【0006】
このような機械式駐車設備の一部の格納部を、車で来訪するホテルの宿泊客や一時貸しの予約者等の車両(駐車予定車両)のための駐車スペースとして確保しておきたい場合がある。この場合、管理人がホワイトボードやノート等に記載して管理していたが、その管理が煩わしく、また、記載ミスや記入漏れ等によって、駐車スペースを確保できなくなることがあるという問題がある。
【0007】
本発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、駐車予定車両の駐車スペースの確保を容易かつ確実に行うことができる機械式駐車設備を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明のある態様に係る機械式駐車設備は、車両を搭載するための複数のパレットの各々を格納する複数の格納部と、前記格納部と入出庫部との間で前記パレットを搬送するパレット搬送部と、車両を入庫する際に、操作者によって任意の空パレットを呼び出すための操作が行われ、その操作によって、前記格納部から前記入出庫部へ任意の空パレットを呼び出すための空パレット呼出し信号を出力する空パレット呼出し部と、前記複数のパレットの中から前記空パレット呼出し部の操作による呼出し対象から除外されるパレットを選択して除外パレットに設定するための操作が行われる除外パレット設定部と、前記除外パレット設定部の操作によって選択される前記パレットを前記除外パレットとして記憶する記憶部を有し、前記空パレット呼出し部からの前記空パレット呼出し信号を入力したときに前記除外パレットに該当しない空パレットを前記格納部から前記入出庫部へ搬送させるように前記パレット搬送部を制御する制御部と、を備えている。
【0009】
この構成によれば、除外パレット設定部の操作で設定された除外パレットに該当するパレットは、空パレット呼出し部の操作によって呼び出されることはない。よって、一時貸しの予約者や車で来訪するホテルの宿泊客等の利用者の車両(駐車予定車両)用に除外パレットを設定しておくことで、駐車スペースを確実に確保することができ、管理人は、駐車予定車両の駐車スペースの確保のために、ホワイトボードやノート等に記載して管理する必要がない。よって、駐車予定車両の駐車スペースの確保を容易かつ確実に行うことができ、管理人の負担も軽減できる。
【0010】
また、前記除外パレット設定部は、前記パレットの番号を指定する操作によって前記除外パレットを選択する操作が行われるよう構成されていてもよい。
【0011】
また、前記記憶部から前記除外パレットを消去するために前記除外パレットの番号を指定する操作が行われる除外パレット取消部をさらに備え、前記制御部は、前記除外パレット取消部の操作によって指定される番号の前記除外パレットを前記記憶部から消去するよう構成されていてもよい。
【0012】
また、操作者によって前記パレットの番号を指定して前記パレットを呼び出すための操作が行われ、その操作によって前記指定された番号のパレットを呼び出すための指定パレット呼出し信号を出力する指定パレット呼出し部をさらに備え、前記制御部は、前記指定パレット呼出し部からの前記指定パレット呼出し信号を入力したときに前記指定された番号のパレットを前記格納部から前記入出庫部へ搬送させるように前記パレット搬送部を制御するよう構成されていてもよい。
【0013】
この構成によれば、除外パレットを含む全てのパレットの中から、パレットの番号を指定することで、この指定された番号のパレットを入出庫部へ呼び出すことができる。
【0014】
また、各々の前記格納部の番号と各々の前記パレットの番号とが1対1に対応しており、各々の前記格納部には、当該格納部の番号と同一番号の前記パレットが格納されるよう構成されていてもよい。
【0015】
この構成によれば、格納部の番号とパレットの番号とを紐づけるための記憶情報(対照テーブル等)を不要とし、制御部が実行する制御プログラムの簡素化が図れる。
【0016】
また、画面に全ての前記パレットの番号の一覧を表示し、その際、前記除外パレットの番号とこれ以外の前記パレットの番号とを区別可能なように表示する表示部をさらに備えていてもよい。
【0017】
この構成によれば、管理人等の操作者が除外パレットとこれ以外のパレットとを容易に識別することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明は、以上に説明した構成を有し、駐車予定車両の駐車スペースの確保を容易かつ確実に行うことができる機械式駐車設備を提供することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】
図1は、本実施形態における機械式駐車設備の一例であるエレベータ式駐車設備の内部を示す概略正面図である。
【
図2】
図2は、
図1に示す機械式駐車設備の概略ブロック図である。
【
図3】
図3は、管理モードの場合の運転操作盤の表示部の表示画面の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、空呼ボタンがタッチ操作されたときの制御装置の処理の一例を示すフローチャートである。
【
図5】
図5は、通常モードの場合の運転操作盤の表示部の表示画面の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、除外パレットの設定及び取消操作を行うための専用操作盤の表示部の表示画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。なお、以下では全ての図面を通じて同一又は相当する要素には同一の参照符号を付して、その重複する説明を省略する。また、本発明は、以下の実施形態に限定されない。
【0021】
(実施形態)
図1は、本実施形態における機械式駐車設備の一例であるエレベータ式駐車設備の内部を示す概略正面図である。以下では、
図1のように機械式駐車設備の正面から視た方向を前後左右として説明する。
【0022】
図1に示すように、この機械式駐車設備1は、車両を搭載するパレットPが複数収容されている駐車塔2を備えている。この駐車塔2は、地上1階が入出庫部3となっている。入出庫部3にはピット4が形成され、前部には、車両の出入口となる入出庫口6が設けられ、この入出庫口6に上下にスライドして開閉する入出庫扉7が設けられている。また、駐車塔2の外部で入出庫口6の近傍に管理人室40が設けられ、この管理人室40の外壁に、機械式駐車設備1の入出庫の運転操作等を行うための運転操作盤8が設けられている。
【0023】
この機械式駐車設備1では、駐車塔2の中央部に鉛直方向に延びる昇降路25が設けられている。この昇降路25を挟んで左右両側に、パレットPに搭載された車両を格納するための複数段の格納部S(SL,SM,SH)が鉛直方向に並んで設けられている。これらの各格納部Sには、棚柱30に固定された棚レール31が設けられている。車輪(図示せず)の設けられたパレットPが棚レール31に沿って移動し、パレットPの払出し/引込みがなされる。
【0024】
各格納部Sは、普通車格納部SL,ミドルルーフ車格納部SM及びハイルーフ車格納部SHに分類されている。本例では、6台の普通車格納部SLを有する普通車格納エリア2Lが最下部に設けられ、その上に6台のミドルルーフ車格納部SMを有するミドルルーフ車格納エリア2Mが設けられ、その上に8台のハイルーフ車格納部SHを有するハイルーフ車格納エリア2Hが設けられている。
【0025】
駐車塔2の内部において、四角形で囲んだ1~20の数字は、それぞれ棚レール31を備えた格納部S(SL,SM,SH)に予め付与された番号(格納部番号)を示す。普通車格納部SLは、格納部番号1~6の6つの格納部Sが該当し、ミドルルーフ車格納部SMは、格納部番号7~12の6つの格納部Sが該当し、ハイルーフ車格納部SHは、格納部番号13~20の8つの格納部Sが該当する。
【0026】
なお、ハイルーフ車HV、ミドルルーフ車MV、普通車LVを分類する基準車高として、本実施形態では、例えば、ハイルーフ車HVを車高2000mm以下とし、ミドルルーフ車MVを車高1750mm以下とし、普通車LVを車高1550mm以下として設定されている。これら異車種の車高設定値は、適宜決定すればよい。
【0027】
また、本例では、各格納部Sは、普通車格納部SL,ミドルルーフ車格納部SM及びハイルーフ車格納部SHの3つの車種用に分類されているが、例えば、普通車(低車高車)格納部と高車高車格納部との2つの車種用に分類されていてもよい。また、同じ車種用の格納部がまとまるようにレイアウトされているが、ミックス型のレイアウトでもよく、本例に限定されるものではない。さらに、各格納部Sが車種別に分類されていなくてもよい。
【0028】
また、昇降路25には、パレットPを載せる搬器20が配設されている。搬器20には、パレット移載機構(図示せず)が設けられており、このパレット移載機構によって、搬器20と各格納部Sとの間で、パレットPが棚レール31に沿って移動し、パレットPの払出し/引込みがなされる。さらに、ピット4内には、パレットPを持上げて旋回させるパレット旋回装置24が備えられており、このパレット旋回装置24により、パレットPが入出庫部3で180°旋回させられる。これらのパレット移載機構及びパレット旋回装置24は、公知の手段を採用できる。
【0029】
駐車塔2の上部には、搬器20を昇降路25に沿って昇降させる昇降駆動装置21が設けられている。昇降駆動装置21から昇降路25に垂下されたワイヤロープ22に搬器20が吊り下げられており、昇降駆動装置21を駆動することにより、ワイヤロープ22で吊下げられた搬器20が昇降路25で昇降させられる。このような搬器20を昇降させる機構も公知の手段を採用できる。
【0030】
本実施形態では、パレットPを搬送するパレット搬送装置9(
図2)が、パレット移載機構を有する搬器20、昇降駆動装置21、及びパレット旋回装置24等によって構成されている。このパレット搬送装置9によって、各パレットPは、所定の格納部Sと入出庫部3との間で搬送される。
【0031】
図2は、機械式駐車設備1の概略ブロック図である。
図2に示すように、機械式駐車設備1は、運転操作盤8と、パレット搬送装置9と、入出庫扉7を開閉する入出庫扉開閉装置10とを有している。なお、機械式駐車設備1は、エレベータ式に限らず、垂直循環式、水平多層式、箱型循環式、平面往復式等の駐車装置であってもよい。
【0032】
運転操作盤8は、制御装置81、画面に文字及び画像等を表示する表示部82と、及び操作入力部83等を備えている。操作入力部83は、指定パレット呼出し部83a、空パレット呼出し部83b、除外パレット設定部83c及び除外パレット取消部83d等を有し、操作者(駐車設備の管理人や利用者等)の操作による操作信号を制御装置81へ出力する。
【0033】
制御装置81は、操作入力部83からの操作信号を入力し、表示部82、パレット搬送装置9及び入出庫扉開閉装置10を制御する。この制御装置81は、CPU等の演算処理部と、ROMおよびRAM等を含みCPUが実行する制御プログラム及び種々のデータ等を記憶する記憶部81mとを有しており、CPUが制御プログラムを実行することにより機械式駐車設備1全体を制御する。なお、制御装置81は、集中制御する単独の制御装置によって構成されていてもよいし、互いに協働して分散制御する複数の制御装置によって構成されていてもよい。例えば、パレット搬送装置9を制御する制御装置と、入出庫扉開閉装置10を制御する制御装置とが、制御装置81から別個に分離されていてもよいし、さらに運転操作盤8の外部に設けられていてもよい。
【0034】
この機械式駐車設備1の運転モードには、車両を入出庫する際に、管理人が運転操作盤8の操作を行う管理モードと、契約利用者が運転操作盤8の操作を行う通常モードとがある。
【0035】
図3は、管理モードの場合の運転操作盤8の表示部82の表示画面の一例を示す図である。なお、本例では、表示部82の画面上に操作を行うためのタッチパネル(操作入力部83)が備えられている。すなわち、操作入力部83と表示部82とは一体化されたタッチパネル付きディスプレイとして構成されているが、操作入力部83が表示部82とは別の操作ボタン等によって設けられてあってもよい。本例では、表示部82とは別に、表示部82の画面の下方に、無人確認ボタン84、安全確認ボタン85及び取消ボタン86等が設けられている。
【0036】
図3に示す画面の左側には、パレット表示領域91が設けられ、このパレット表示領域91には、1~20の各パレットPに予め付与された番号(パレット番号)が表示され、車両が搭載されているパレットP(実車パレット)には車両のアイコンViが表示されるようになっている。ここで、1~20のパレット番号の各表示部分はタッチボタンBnとなっており、人がタッチすることで、その番号のパレットPを選択(指定)することができる。ここでは、画面内に全てのパレット番号を表示できているが、パレットPの数が多く、画面内に全てのパレット番号を表示できない場合には、パレット表示領域91内のパレット番号等の表示を上下にスクロールするためのスクロール用ボタンB4,B5が表示される。
【0037】
なお、本実施形態では、各タッチボタンBnに示された1~20の各パレット番号と、
図1に示す四角形で囲まれた1~20の各格納部番号とが、同一番号で対応するように付与されている。そして、
図3では、明示することができないが、パレット番号のタッチボタンBn及び車両のアイコンViは、それぞれ、対応する車種に応じて色を変えて表示される。すなわち、普通車格納部SLの格納部番号1~6に対応するパレット番号1~6のタッチボタンBnと、そのタッチボタンBnに対応する車両のアイコンViとが第1の色(例えば青色)で表示される。そして、ミドルルーフ車格納部SMの格納部番号7~12に対応するパレット番号7~12のタッチボタンBnと、そのタッチボタンBnに対応する車両のアイコンViとが第2の色(例えば緑色)で表示される。また、ハイルーフ車格納部SHの格納部番号13~20に対応するパレット番号13~20のタッチボタンBnと、そのタッチボタンBnに対応する車両のアイコンViとが第3の色(例えば黄色)で表示される。また、
図3では、車両のアイコンViは、対応する車種に応じて大きさを変えて表示されている。
【0038】
パレット表示領域91の下部には、「スタート」、「訂正」の各ボタンB6,B7が設けられ、さらにその下に「登録」、「取消」の各ボタンB8,B9が設けられている。
【0039】
また、パレット表示領域91と隣接する右側上部には、「入口番号」、「呼番号」、「待ち時間」の表示領域が設けられ、その下にメッセージ欄92が設けられている。メッセージ欄92の下には、パレット使用状態(入庫状態)表示欄93と各車種の空呼ボタンB1,B2,B3とが設けられ、これらの下に、「安全確認(扉閉)」、「扉開」、「取消」、「暗証」の各ボタンB11~B14が設けられている。
【0040】
そして、画面の最下段には、モード切替ボタンB10、満車表示部R1及び出庫警報部R2等が設けられている。
【0041】
この管理モードの場合、利用者が例えば一時貸し利用者であり、管理人が操作者となり、管理人によって運転操作盤8の操作が行われる。
【0042】
まず、後述の除外パレットの設定が行われていない場合の入庫の際について説明する。管理人は、入庫しようとする一時貸し利用者の車両の車種を判別し、普通車である場合には空呼ボタンB1をタッチ操作することにより、その操作信号に基づいて、制御装置81は、パレット搬送装置9を制御して、任意の普通車格納部SLから車両が搭載されていない空パレットPを入出庫部3へ呼び出す。また、入庫車両がミドルルーフ車である場合には空呼ボタンB2をタッチ操作することにより、その操作信号に基づいて、制御装置81は、パレット搬送装置9を制御して、任意のミドルルーフ車格納部SMから空パレットPを入出庫部3へ呼び出す。また、入庫車両がハイルーフ車である場合には空呼ボタンB3をタッチ操作することにより、その操作信号に基づいて、制御装置81は、パレット搬送装置9を制御して、任意のハイルーフ車格納部SHから空パレットPを入出庫部3へ呼び出す。
【0043】
上記において、入庫車両の車種に応じた空呼ボタンB1,B2,B3を操作すると、通常、入庫車両の車種に応じた格納部SL,SM,SHの空パレットPのなかから、最短時間で入出庫部3へ到着する空パレットが呼び出される。空呼ボタンB1,B2,B3が、空パレット呼出し部83bに相当する。
【0044】
なお、パレット表示領域91を見て車両のアイコンViが表示されていない空パレットの中から所望のパレット番号のタッチボタンBnをタッチ操作した後、スタートボタンB6をタッチ操作することによっても、所望のパレット番号のパレットPを格納部Sから入出庫部3へ呼び出すことができる。
【0045】
入出庫部3へ空パレットPが到着すると、制御装置81は入出庫扉開閉装置10に入出庫扉7を開かせる。この後、利用者は入出庫部3の空パレットP上へ車両を乗り入れて停止させ、下車して入出庫部3から出てくる。管理人は、入出庫部3内に人がいないことを確認して安全確認ボタンB11をタッチ操作する。この操作信号に基づいて、制御装置81は、入出庫扉開閉装置10に入出庫扉7を閉じさせ、パレット搬送装置9に、車両を載せたパレットPを入出庫部3から元の格納部Sへ搬送させる。これにより入庫動作が完了する。
【0046】
本実施形態では、管理人が除外パレット設定操作を行うことにより、空パレット呼出し部(空呼ボタンB1,B2,B3)による呼出し対象から除外されるパレット(除外パレット)を設定することができる。この場合、管理人が、除外パレットに設定しようとする1つまたは複数の各パレット番号のタッチボタンBnをタッチ操作した後、登録ボタンB8をタッチ操作することによって、当該パレット番号を含む除外パレット設定信号が制御装置81へ出力される。この除外パレット設定信号に基づいて、制御装置81は、除外パレットのパレット番号を記憶部81m内の除外パレット設定テーブルに記憶する。これにより除外パレットが設定される。この場合に操作されるタッチボタンBn及び登録ボタンB8が除外パレット設定部83cに相当する。なお、この実施形態において、除外パレットの登録(設定)に伴いパレット搬送装置9を制御して動作させたり、所定時間後に動作を開始させることはしない。
【0047】
また、除外パレットの設定を取り消して通常のパレットとする場合には、管理人が、除外パレットに設定されているパレット番号のタッチボタンBnをタッチ操作した後、取消ボタンB9をタッチ操作することによって、当該パレット番号を含む除外パレット取消信号が制御装置81へ出力される。この除外パレット取消信号に基づいて、制御装置81は、タッチ操作されたタッチボタンBnに対応するパレット番号を記憶部81m内の除外パレット設定テーブルから消去する。これにより除外パレットの設定が取り消される。この場合に操作されるタッチボタンBn及び取消ボタンB9が除外パレット取消部83dに相当する。
【0048】
図3の表示例では、パレット番号が1~10のパレットPが除外パレットに設定されている。ここで、除外パレットとそれ以外のパレットを区別できるように、除外パレットのパレット番号のタッチボタンBnの周囲部分D1(ハッチング部分)を、その内側部分と色を変えて表示するようになっている。これにより、管理人は、除外パレットとそれ以外のパレットとを容易に識別できる。
【0049】
また、
図3の表示例では、ミドルルーフ車用のパレット番号7~12の6つのパレットPのうち、パレット番号7~10の4つのパレットPが除外パレットに設定されており、このうち、パレット番号7,8の2つのパレットPに実車(車両を搭載)されている。この状態では、パレット使用状態表示欄93の「ミドルルーフ」の実車台数が「2」と表示されている。また、空車台数が「2」と表示されているが、これは除外パレットに設定されておらず、かつ実車されていないパレット(この例ではパレット番号11,12のパレット)の個数に相当する。すなわち、空呼ボタンB2の操作によって呼出し可能なパレットの数が「2」であることが表示されている。
【0050】
また、「普通車」の場合、普通車用のパレット番号1~6の6つのパレットPの全てが除外パレットに設定されており、実車台数に関わらず、空車台数が「0」と表示される。すなわち、実車台数に関わらず、空車台数が「0」と表示されていると、空呼ボタンB1の操作によって呼出し可能なパレットの数が「0」である。
【0051】
なお、パレット使用状態表示欄93において、「普通車」、「ミドルルーフ」、「ハイルーフ」の実車、空車の表示台数の算出方法は同じである。
【0052】
図4は、空呼ボタンB1~B3のいずれかがタッチ操作されたときの制御装置81の処理の一例を示すフローチャートである。
【0053】
管理人は、後述の通常モードと同様の画面(
図5)のテンキー94を操作して各自与えられた暗証番号を入力後、入庫車両の車種を判別し、判別した車種に対応する空呼ボタンB1~B3をタッチ操作することによりその操作信号(本例では車種情報を含む空パレット呼出し信号)が制御装置81に入力される。
【0054】
制御装置81は、車種情報を含む空パレット呼出し信号を入力すると(ステップS1でYes)、車種に応じた格納部Sの空パレットを検索する(ステップS2)。
【0055】
そして、車種に応じた格納部Sに除外パレット以外の空パレットがあれば(ステップS3でYes)、制御装置81は、パレット搬送装置9を制御して、上記空パレットを入出庫部3へ呼び出す(ステップS4)。
【0056】
一方、除外パレット以外の空パレットがなければ(ステップS3でNo)、制御装置81は、表示部82に、満車表示部R1を点灯または点滅表示させて、空パレットの呼び出しは行われない(ステップS5)。
【0057】
上述の処理によって、例えば、
図3のパレット使用状態表示欄93に表示された状態から、普通車用の空呼ボタンB1がタッチ操作された場合には、普通車格納部SLに除外パレット以外の空パレットはないので、満車表示部R1が点灯または点滅表示される。また、ミドルルーフ用の空呼ボタンB2がタッチ操作された場合には、ミドルルーフ車格納部SMの除外パレット以外の空パレットはパレット番号11,12の2つのパレットPが該当するので、そのいずれか1つ(例えば、パレット番号が小さい方のパレット)が入出庫部3へ呼び出される。また、ハイルーフ用の空呼ボタンB3がタッチ操作された場合には、ハイルーフ車格納部SHの除外パレット以外の空パレットはパレット番号13,15~18のパレットPが該当するので、そのいずれか1つ(例えば、パレット番号が最も小さい最短時間で到着するパレット)が入出庫部3へ呼び出される。
【0058】
なお、
図3の例では、「普通車」のように、空車台数が「0」のときに普通車用の空呼ボタンB1がタッチ操作された場合には、空パレットを検索する(ステップS2)ことなく、満車表示部R1を点灯または点滅表示させる(ステップS5)ようにしてもよい。また、空車台数が「0」のときには、空呼ボタンB1の「空呼」の表示を、「満車」に変えて表示したり、空呼ボタンB1そのものを表示しないようにして、空パレットの呼び出し操作を行えないようにしてもよい(つまり、
図4のステップS1で「NO」)。
【0059】
なお、除外パレットに設定されている空パレットを呼び出して入庫する場合には、管理人は、所望の除外パレットのパレット番号のタッチボタンBnをタッチ操作した後、スタートボタンB6をタッチ操作することにより、所望の除外パレットが入出庫部3へ呼び出される。この際、除外パレットのパレット番号のタッチボタンBnは、その周囲部分D1が除外パレット以外のパレットとは異なるように色を変えて表示されているので、管理人は、除外パレットのパレット番号のタッチボタンBnを容易に見つけることができ、操作を行いやすい。
【0060】
上述のステップS4で空パレットが呼び出された後、及び、除外パレットに設定されている空パレットが呼び出された後は、前述したように、入出庫部3へ空パレットPが到着すると、入出庫扉7が開かれ、利用者が入出庫部3の空パレットP上へ車両を乗り入れて入出庫部3から出てくると、利用者自身が入出庫部3内に人がいないことを確認して無人確認ボタン84を操作する。さらに、管理人は、入出庫部3内に人がいないことを再確認して安全確認ボタンB11をタッチ操作する。その後、後述の通常モードと同様の画面(
図5)へ自動的に切り替わり、テンキー94を操作して管理人が各自与えられた暗証番号を再度入力して同一人物の操作であることが照合されると、制御装置81は、入出庫扉開閉装置10に入出庫扉7を閉じさせ、パレット搬送装置9に、車両を載せたパレットPを入出庫部3から元の格納部Sへ搬送させる。これにより入庫動作が完了する。また、管理人は、利用者の車両を搭載したパレットPの番号(パレット番号)が記載された番号札を利用者に手渡す。なお、パレットPの番号は、呼び出し中に表示部82の画面上段の「呼番号」表示領域に表示される。
【0061】
また、出庫する場合には、除外パレットも除外パレット以外の通常パレットの場合も同様であり、管理人は、利用者から番号札を受け取り、各自与えられた暗証番号を入力後、番号札に記載されたパレット番号と番号が一致するタッチボタンBnをタッチ操作した後、スタートボタンB6をタッチ操作する。これにより、タッチ操作されたタッチボタンBnに表示されたパレット番号のパレットPが、パレット番号と同一番号の格納部Sから入出庫部3へ呼び出される。そして、入出庫部3へパレットPが到着すると、入出庫扉7が開かれる。この後、利用者がパレットP上の車両へ乗り込んで車両を運転して入出庫部3から出てくると、管理人は、入出庫部3内に人がいないことを確認して安全確認ボタンB11をタッチ操作する。その後、後述の通常モードと同様の画面(
図5)へ自動的に切り替わり、テンキー94を操作して管理人が各自与えられた暗証番号を再度入力して同一人物の操作であることが照合されると、制御装置81は、入出庫扉開閉装置10に入出庫扉7を閉じさせ、パレット搬送装置9に、空のパレットPを入出庫部3から元の格納部Sへ搬送させる。これにより出庫動作が完了する。
【0062】
なお、入庫及び出庫のいずれの場合も、所望(指定)のパレット番号のタッチボタンBnをタッチ操作した後、スタートボタンB6をタッチ操作することで、所望のパレット番号のパレットPを呼び出すための操作信号(指定パレット呼出し信号)が操作入力部83から制御装置81へ出力される。この場合に操作されるタッチボタンBn及びスタートボタンB6が指定パレット呼出し部83aに相当する。
【0063】
また、上記管理モードの画面(
図3)でモード切替ボタンB10をタッチ操作して後述の専用操作盤(
図6)と同様の画面へ切り替え可能とし、入庫及び出庫のいずれの場合も、除外パレットを含む所望(指定)のパレットを呼び出す場合には、スタートボタンB6をタッチ操作することなく、呼び出すパレットのパレット番号のタッチボタンBnをタッチ操作するだけで、入出庫部3に呼び出されるようにしてもよい。
【0064】
以上のように、所望のパレットを前もって除外パレットに設定しておくことで、任意の空パレットを呼び出す操作(空呼ボタンB1~B3のタッチ操作)によって、除外パレットに該当するパレットが呼び出されることはない。よって、一時貸しの利用者が予約者である場合に、その予約者用に除外パレットを設定しておくことで、その予約者の駐車スペースを確実に確保することができ、管理人は、予約者の駐車予定車両の駐車スペースの確保のために、ホワイトボードやノート等に記載して管理する必要がない。よって、駐車予定車両の駐車スペースの確保を容易かつ確実に行うことができ、管理人の負担も軽減できる。
【0065】
また、機械式駐車設備1が、例えば、ホテルに隣接して設置され、上述のように一時貸し方式で運用されている場合に、ホテルへ自動車で来訪する宿泊客用に除外パレットを設定しておくことで、その宿泊客の駐車スペースを確実に確保することができ、管理人は、宿泊客の駐車予定車両の駐車スペースの確保のために、ホワイトボードやノート等に記載して管理する必要がない。よって、駐車予定車両の駐車スペースの確保を容易かつ確実に行うことができ、管理人の負担も軽減できる。
【0066】
また、上記の宿泊客が連泊する場合には、最初のチェックインから入出庫が繰り返し行われても、宿泊客がチェックアウトするまで、その宿泊客用に除外パレットを設定したままにしておくことで、その間の宿泊客の駐車スペースを確実に確保することができるとともに管理人の負担も軽減できる。また、宿泊客にとっても、出入りのたびにパレット番号が変わることがないので、番号札を都度確認する煩わしさを軽減することができる。
【0067】
また、本例では、パレットPの番号(パレット番号)を、そのパレットPが格納される格納部Sの番号(格納部番号)と同一にしているため、制御装置81は、操作入力部83から指定(入力)されたパレット番号のパレットPを呼び出す際、パレット番号と同一の格納部番号の格納部SのパレットPを呼び出すようにパレット搬送装置9を制御すればよい。よって、パレット番号と格納部番号とを紐づけるための対照テーブルを不要とし、制御装置81の制御プログラムの簡素化が図れる。なお、本実施形態において、例えば記憶部81mに上記対照テーブルが設けられてパレット番号と格納部番号とが紐づけられてあれば、パレットPが格納される格納部Sの番号とそのパレット番号とが同一でなくてもよい。
【0068】
上記では、管理モードの場合について説明したが、この機械式駐車設備1は、利用者が操作を行う通常モードでも運転が可能である。例えば、収容台数の一部が月極契約した利用者に割り当てられた場合、利用者自身が操作者となり、運転操作盤8を操作して入出庫を行う。この場合、管理人は、例えば、管理モードの表示画面上のモード切替ボタンB10(
図3)をタッチ操作して通常モードの画面に切替えておく。
【0069】
図5は、通常モードの場合の運転操作盤8の表示部82の表示画面の一例を示す図である。この
図5に示す通常モードの画面では、左側領域がテンキー94等の表示領域となり、テンキー94及びスタートボタンB21が表示されている。その他、
図3と対応する要素については同一符号を付している。
【0070】
利用者(契約者)は、自分の車両を入出庫する場合、テンキー94をタッチ操作して契約者専用の暗証番号を入力し、スタートボタンB21をタッチ操作する。これにより、暗証番号が制御装置81へ入力される。制御装置81では、入力された暗証番号を記憶部81mに記憶されている契約者情報テーブルを参照して、利用者が予め登録された契約者であるか否かを判定する。契約者情報テーブルには、予め定められている契約者番号と、契約者識別情報(暗証番号)と、当該契約者の車両の車種情報と、入出庫情報とが対応付けられて記憶されている。
【0071】
そして、制御装置81では、利用者が契約者でないと判定した場合には、例えば表示部82にエラー表示を行わせる。一方、契約者であると判定した場合には、入庫か出庫かを判別する入出庫判別処理を行う。ここでの判別は、例えば前述の契約者情報テーブルの入出庫情報を参照して行う。なお、契約者情報テーブルには上述の管理人に与えられた暗証番号も記憶されており、テンキー94を操作して入力された暗証番号が管理人のものである場合には、
図3に示す管理モードの操作画面に切り替わる。
【0072】
ここで、契約者情報テーブルの入出庫情報は、個々の契約者の車両が入庫済みであるか否かを示す情報である。例えば、車両が入庫されている場合には、個々の契約者の車両が載置されているパレットPの番号が記憶されており、車両が入庫されていない場合には、パレットPの番号は記憶されていない(あるいは空であることを示す情報を記憶していてもよい)。そして、制御装置81は、契約者の車両が入庫及び出庫されるたびに契約者情報テーブルの入出庫情報を更新するようにしている。
【0073】
制御装置81は、入出庫判別処理によって入庫と判別した場合には、契約者情報テーブルから利用者の車両の車種情報を参照し、
図4のステップS2以降の処理を行う。そして、空パレットを呼び出した場合には、利用者が入出庫部3の空パレット上へ車両を乗り入れて入出庫部3から出てきた後、入出庫部3内に人がいないことを確認してタッチ操作するための安全確認ボタンB11(
図3参照)を表示部82に表示させる。
【0074】
また、上述の入出庫判別処理によって入庫と判別した場合においては、利用者のテンキー94による暗証番号の入力操作及びスタートボタンB21のタッチ操作が、任意の空パレットを呼び出す操作に相当し、この場合においてはテンキー94及びスタートボタンB21が空パレット呼出し部83bに相当する。
【0075】
また、制御装置81は、入出庫判別処理によって出庫と判別した場合には、契約者情報テーブルの入出庫情報テーブルを参照して利用者の車両が搭載されたパレットPを、パレット搬送装置9を制御して入出庫部3へ呼び出す。また、前述の入庫の場合同様、安全確認ボタンB11(
図3参照)を表示部82に表示させる。
【0076】
また、本例の運転操作盤8では、管理モードにおいて、除外パレットの設定及び取消操作が可能なように構成されているが、除外パレットの設定及び取消操作を行うための専用操作盤が別途設けられて制御装置81と通信可能に構成されてあってもよい。このような専用操作盤は、例えば、管理人室40の内部に設けられてあってもよい。
【0077】
図6は、上記専用操作盤の表示部の表示画面の一例を示す図である。
図6において、
図3と相当する部分には同一符号を付している。この専用操作盤11は、
図6の表示画面では、「使用パレット固定操作盤」と表示されているが、名称は「除外パレット設定操作盤」でも何でもよい。
【0078】
この専用操作盤11では、
図3のパレット表示領域91とはパレット番号のタッチボタンBnの配置等は異なるが、同様の機能を有するパレット表示領域95が設けられている。
図6の場合、パレット番号が表示されたタッチボタンBn内に、パレットに実車されている場合には車両のアイコンViが表示されるようになっている。
【0079】
また、画面の下部には、
図3の場合と同様の登録ボタンB8及び取消ボタンB9が設けられ、
図3の場合と同様の操作を行うことによって、除外パレットの設定および取消を行うことができる。なお、ここでは、タッチ操作されたタッチボタンBnに対応するパレット番号が番号表示領域96に表示されるようになっている。
【0080】
また、例えば、ホテルのフロント等にあるパソコン等の情報処理装置を制御装置81と通信可能に接続し、上記情報処理装置に専用操作盤11の機能を実現するための専用プログラムをインストールしておいて、この情報処理装置(専用プログラム)を操作して除外パレットの設定および取消を行うようにしてもよい。これにより、例えば、ホテルの宿泊客が自動車で来訪する場合には、前述の管理人に連絡しなくても、ホテルの従業員が宿泊客用として除外パレットの設定を容易に行うことが可能になる。
【0081】
なお、
図3及び
図6の例では、パレットを選択(指定)する際に、パレット番号が表示されたタッチボタンBnをタッチ操作するようにしたが、これに代えて、画面表示された又はハードウエアで構成されたテンキーを操作してパレット番号を入力するようにしてもよい。
【0082】
また、本実施形態では、各格納部Sが車種別に分類された機械式駐車設備1を例に説明したが、各格納部Sが車種別に分類されていない機械式駐車設備であってもよい。
【0083】
上記説明から、当業者にとっては、本発明の多くの改良や他の実施形態が明らかである。従って、上記説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本発明を実行する最良の態様を当業者に教示する目的で提供されたものである。本発明の精神を逸脱することなく、その構造及び/又は機能の詳細を実質的に変更できる。
【産業上の利用可能性】
【0084】
本発明は、駐車予定車両の駐車スペースの確保を容易かつ確実に行うことができる機械式駐車設備等として有用である。
【符号の説明】
【0085】
S,SL,SM,SH 格納部
P パレット
3 入出庫部
8 運転操作盤
81 制御装置
81m 記憶部
82 表示部
83 操作入力部
83a 指定パレット呼出し部
83b 空パレット呼出し部
83c 除外パレット設定部
83d 除外パレット取消部
9 パレット搬送装置
10 入出庫扉開閉装置
11 専用操作盤