(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-28
(45)【発行日】2023-03-08
(54)【発明の名称】ビタミンB1類及びカルニチン類を含有する顆粒
(51)【国際特許分類】
A61K 31/51 20060101AFI20230301BHJP
A61K 31/205 20060101ALI20230301BHJP
A61K 47/38 20060101ALI20230301BHJP
A61K 47/32 20060101ALI20230301BHJP
A61K 47/34 20170101ALI20230301BHJP
A61K 31/4415 20060101ALI20230301BHJP
A61K 31/375 20060101ALI20230301BHJP
A61K 31/198 20060101ALI20230301BHJP
A61P 3/02 20060101ALI20230301BHJP
A61K 9/14 20060101ALN20230301BHJP
A61P 1/00 20060101ALN20230301BHJP
A61P 3/00 20060101ALN20230301BHJP
【FI】
A61K31/51
A61K31/205
A61K47/38
A61K47/32
A61K47/34
A61K31/4415
A61K31/375
A61K31/198
A61P3/02 104
A61P3/02
A61P3/02 105
A61K9/14
A61P1/00
A61P3/00
(21)【出願番号】P 2018245226
(22)【出願日】2018-12-27
【審査請求日】2021-12-07
(31)【優先権主張番号】P 2017253414
(32)【優先日】2017-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】521357375
【氏名又は名称】アリナミン製薬株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】廣澤 優美
【審査官】高橋 樹理
(56)【参考文献】
【文献】特開平05-294833(JP,A)
【文献】特開2012-140413(JP,A)
【文献】特開2004-168761(JP,A)
【文献】特表2013-513557(JP,A)
【文献】特開2006-111535(JP,A)
【文献】特開平08-283148(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 31/205
A61K 31/51
A61K 9/00- 9/72
A61K 47/00-47/69
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
核及び外層を有する顆粒であって、核又は外層のいずれか一方にビタミンB
1類を含有し、その他方にカルニチン類を含有
し、
ビタミンB
1
類が、チアミン塩酸塩、チアミン硝酸塩、ビスチアミン硝酸塩、チアミンジスルフィド、チアミンジセチル硫酸エステル塩、ジセチアミン塩酸塩、フルスルチアミン塩酸塩、オクトチアミン、シコチアミン、ビスイブチアミン、フルスルチアミン、プロスルチアミン及びベンフォチアミンからなる群より選択される1種以上であり、
カルニチン類が、L-カルニチン及びカルニチン塩化物からなる群より選択される1種以上である、顆粒。
【請求項2】
核にビタミンB
1類を含有し、及び外層にカルニチン類を含有する、請求項1に記載の顆粒。
【請求項3】
核及び外層の間に中間コーティング層を有する、請求項1
又は2に記載の顆粒。
【請求項4】
中間コーティング層が、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ポリビニルアルコール・アクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体、及びポリビニルアルコール・ポリエチレングリコール・グラフト共重合体からなる群より選択される1種以上を含有する、請求項1~
3のいずれか一項に記載の顆粒。
【請求項5】
核及び/又は外層にビタミンB
6類を更に含有する、請求項1~
4のいずれか一項に記載の顆粒。
【請求項6】
(1)請求項1~
5のいずれか一項に記載の顆粒、ならびに
(2)有効成分としてビタミンC類を含有する顆粒、及び/又は
(3)有効成分としてアミノ酸類を含有する顆粒
を含有する、複合顆粒。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビタミンB1類及びカルニチン類を含有する顆粒に関し、食品、医薬品、医薬部外品の分野において利用される。
【背景技術】
【0002】
複数のビタミン類又はアミノ酸等の有効成分を含有する医薬品、医薬部外品及び食品等が市販されている。これらは、目的に応じて異なるビタミン等を含有しており、複数種類の医薬品、医薬部外品及び食品等をそれぞれ個別に摂取するよりも簡便に必要な有効成分を摂取できる点で、極めて有用である。
ビタミンのなかでも、ビタミンB1類は、生体に対する様々な有用性を有することが知られており、医薬品、医薬部外品及び食品等において広く用いられている。カルニチンは、食欲の増進、胃腸運動の亢進及び膵臓の分泌亢進等の作用を有し、さらに脂肪分解、エネルギー産生、抗疲労作用等、エネルギー代謝に関連することが知られている。これら成分は運動前後に服用することが好ましく、簡便に服用できる製品が望まれている。
運動時での服用を目的とする製剤に限らず、複数の有効成分を含有する錠剤は多数知られている。例えば、特許文献1では、ビタミンB1やコンドロイチン等の有効成分を含有する錠剤を開示している。
複数の有効成分を含有する錠剤は、多くの総有効成分を簡便に摂取できる点で極めて有用であるが、有効成分の用量が多いと1回の服用量が多くなる。このような場合、1回に服用する錠数を少なくすれば錠剤のサイズが大きくなり、錠剤のサイズを小さくすると、服用錠数が多くなるため、服用が煩雑になる。
一回あたりの服用量が多い場合は、剤形が細粒または顆粒剤の方が嚥下は容易である。しかし、各成分を個別に造粒してから混合・包装すると顆粒のサイズ・比重の違いから混合に偏りが生じ、均一性の問題が生じやすい。この問題を解決するためには、複数の成分を同一顆粒中に造粒した多成分顆粒を製造する方法がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明者は、前記の背景技術に鑑み、ビタミンB1類及びカルニチン類を含有する多成分含有顆粒の製造を試行した。
この際、本発明者は、当該顆粒の開発の開始時には予想しなかったこととして、ビタミンB1類及びカルニチン類を混合及び造粒して顆粒を製造した場合、ビタミンB1類の保存安定性の低下という新たな問題が生じることを見出した。
本発明は、当該新たな問題を解決し、ビタミンB1類の保存安定性が高い顆粒を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は、鋭意検討の結果、核及び外層を有する顆粒であって、核又は外層のいずれか一方にビタミンB1類を、他方にカルニチン類をそれぞれ含有する顆粒によって、前記課題が解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
本発明は、次の態様を含む。
【0007】
[1]核及び外層を有する顆粒であって、核又は外層のいずれか一方にビタミンB1類を含有し、その他方にカルニチン類を含有する、顆粒。
[2]核にビタミンB1類を含有し、及び外層にカルニチン類を含有する、[1]に記載の顆粒。
[3]ビタミンB1類が、チアミン塩酸塩、チアミン硝酸塩、ビスチアミン硝酸塩、チアミンジスルフィド、チアミンジセチル硫酸エステル塩、ジセチアミン塩酸塩、フルスルチアミン塩酸塩、オクトチアミン、シコチアミン、ビスイブチアミン、フルスルチアミン、プロスルチアミン及びベンフォチアミンからなる群より選択される1種以上である、[1]又は[2]記載の顆粒。
[4]カルニチン類が、L-カルニチン及びカルニチン塩化物からなる群より選択される1種以上である、[1]~[3]のいずれか一項に記載の顆粒。
[5]核及び外層の間に中間コーティング層を有する、[1]~[4]のいずれか一項に記載の顆粒。
[6]中間コーティング層が、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ポリビニルアルコール・アクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体、及びポリビニルアルコール・ポリエチレングリコール・グラフト共重合体からなる群より選択される1種以上を含有する、[1]~[5]のいずれか一項に記載の顆粒。
[7]核又は外層にビタミンB6類を更に含有する、[1]~[6]のいずれか一項に記載の顆粒。
[8](1)[1]~[7]のいずれか一項に記載の顆粒、ならびに
(2)有効成分としてビタミンC類を含有する顆粒、及び/又は
(3)有効成分としてアミノ酸類を含有する顆粒
を含有する、複合顆粒。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ビタミンB1類及びカルニチン類を含有し、かつビタミンB1類の保存安定性が高い顆粒が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0009】
1.顆粒
本発明の顆粒は、核及び外層を有する造粒物であって、核又は外層のいずれか一方にビタミンB1類を含有し、その他方にカルニチン類を含有する。前記核とは、医薬品又は食品に適用可能な成分から構成される、通常の造粒方法により製造された造粒物を意味し、前記外層とは、前記核の外側に位置する層であって通常のコーティング技術又は造粒技術を用いて配置された層を意味する。
【0010】
当該構造を採用することにより、本発明の顆粒において、ビタミンB1類及びカルニチン類は相互作用が抑制され、ビタミンB1類の保存安定性を維持することができる。
【0011】
本発明の顆粒は、それ自体が、医薬品、医薬部外品、保健機能食品(例:機能性表示食品、栄養機能食品、特定保健用食品)、又は一般食品(例:栄養補助食品、健康補助食品、栄養調整食品)[本明細書中、これらを総括して医薬品等と称する場合がある。]であってもよいし、一成分として含有されていてもよい。
【0012】
本発明の顆粒における外層と核は、接触していてもよく、又は接触していなくてもよい。すなわち、当該外層及び前記核の間には、1以上の中間層が存在していてもよい。中間層は、好適には中間コーティング層である。中間コーティング層は、前記核を、部分的、又は完全にコーティングしていてもよい。
【0013】
更に、本発明の顆粒は、前記外層の外側に、例えば、成分に由来する不快な臭い又は味のマスキングを目的として、更なる外側コーティング層を配置してもよい。
【0014】
本発明の顆粒の好適な一態様は、その内側から、核、及び外層を有する。
本発明の顆粒の別の好適な一態様は、その内側から、核、中間コーティング層、及び外層を有する。
本発明の顆粒の更に別の好適な一態様は、その内側から、核、外層、及び外側コーティング層を有する。
本発明の顆粒の更に別の好適な一態様は、その内側から、核、中間コーティング層、外層、及び外側コーティング層を有する。
【0015】
本発明の顆粒の大きさは、特に規定しないが、目開き1700μmの篩を全量通過することが好ましく、目開き1000μmの篩を全量通過することがより好ましい。
【0016】
1.1.成分
1.1.1.ビタミンB
1
類
本発明の顆粒は、好ましくは、核にビタミンB1類を、及び外層にカルニチン類を、それぞれ含有する。
本明細書中、用語「ビタミンB1類」は、ビタミンB1に加えて、その誘導体又は前駆体も包含することを意図して用いられる。
本発明の顆粒において用いられるビタミンB1類の例は、チアミン、チアミンジスルフィド、フルスルチアミン、オクトチアミン、シコチアミン、ビスチアミン、ジセチアミン、ジベンゾイルチアミン、ベンゾイルチアミンジスルフィド、ビスイブチアミン、ビスベンチアミン、アリチアミン、プロスルチアミン、ベンフォチアミン及びそれらの塩(例えば、チアミン塩酸塩、チアミン塩化物塩酸塩、チアミン硝化物、チアミンジスルフィド硝化物、チアミンジセチル硫酸エステル塩、セトチアミン塩酸塩水和物、フルスルチアミン塩酸塩、ビスチアミン硝酸塩、ジセチアミン塩酸塩)等が挙げられる。
【0017】
本発明の顆粒における前記ビタミンB1類の含有量は、好ましくは0.01~95質量%の範囲内、より好ましくは0.02~50質量%の範囲内、及び更に好ましくは0.02~15質量%の範囲内である。
【0018】
1.1.2.カルニチン類
本発明において用いられるカルニチン類は、好適には、L-カルニチン又はカルニチン塩化物である。カルニチン塩化物は、d体、l体、又はラセミ体であってもよい。本発明においては、L-カルニチン及びカルニチン塩化物を組み合わせて使用してもよい。
本発明の顆粒におけるカルニチン類の含有量は、好ましくは0.01~99質量%の範囲内、より好ましくは0.1~90質量%の範囲内、及び更に好ましくは0.5~50質量%の範囲内である。
【0019】
1.1.3.その他の有効成分
本発明の顆粒は、本発明の効果を著しく阻害しない限り、ビタミンB1類及びカルニチン類以外に、医薬品等に用いられる有効成分の1種以上を含有していてもよい。その例は、ビタミンB1類以外のビタミン類、アミノ酸類、及びこれら以外の有効成分を包含する。これらの他の有効成分の量は、その種類、及び目的等に応じて、適宜設定され得る。これらの有効成分は、それぞれ、核、外層、及びその他の部分からなる群より選択される1以上の部分に、適宜、含有され得る。
【0020】
前記ビタミンB1類以外のビタミン類の例は、ビタミンA類(例:レチノール、レチノイン酸、レチナール、レチノール酢酸エステル、レチノールパルミチン酸エステル、ビタミンA油、肝油、強肝油)、ビタミンB2類[例:リボフラビン、リボフラビン誘導体(例:リボフラビンリン酸エステル、リボフラビン酢酸エステル、リボフラビン酪酸エステル等のリボフラビンエステル;フラビンアデニンジヌクレオチドナトリウム等)及びその塩(例:リボフラビンリン酸エステルナトリウム)]、ビタミンB6類[例:ピリドキシン、ピリドキサミン、ピリドキサール、それらの誘導体(例:ピリドキシンリン酸エステル、ピリドキサールリン酸エステル水和物、ピリドキサミンリン酸エステル、ピリドキシンパルミチン酸エステル)及びその塩(例:ピリドキシン塩酸塩、ピリドキサール塩酸塩、ピリドキサミン二塩酸塩)]、ビタミンB12類(例:コバラミン、シアノコバラミン、メチルコバラミン、アデノシルコバラミン、ヒドロキソコバラミン、ヒドロキソコバラミン塩酸塩、ヒドロキソコバラミン酢酸塩)、ビタミンC類(例:アスコルビン酸、アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸カルシウム、酢酸トコフェロールアスコルビン酸エステル)、ビタミンD類(例:エルゴカルシフェロール、コレカルシフェロール)、ビタミンE類(例:コハク酸d-α-トコフェロール、コハク酸dl-α-トコフェロール、コハク酸dl-α-トコフェロールカルシウム、コハク酸d-α-トコフェロールカルシウム、コハク酸トコフェロールカルシウム、酢酸d-α-トコフェロール、酢酸dl-α-トコフェロール、d-α-トコフェロール、dl-α-トコフェロール)、ナイアシン類(例:ニコチン酸、ニコチン酸アミド)、パントテン酸類(例:パンテノール、パントテン酸カルシウム、パントテン酸ナトリウム)、及びその他のビタミン類(例:ビタミンK類、ビオチン、葉酸、γ-オリザノール)、並びにそれらの組合せを包含する。
【0021】
本発明の顆粒は、好ましくは、ビタミンB6類、ビタミンB12類、ビタミンE類、パントテン酸カルシウム及びγ-オリザノールからなる群から選択される1種以上を含有する。
本発明の顆粒は、好ましくは、前記核又は前記外層に、ビタミンB6類を更に含有する。
【0022】
前記アミノ酸類の例は、アスパラギン酸(例:L-アスパラギン酸、L-アスパラギン酸カリウム、L-アスパラギン酸ナトリウム、L-アスパラギン酸マグネシウム、アスパラギン酸カリウム・マグネシウム等量混合物)、グルタミン酸(例:L-グルタミン酸)、アルギニン(例:L-アルギニン、L-アルギニン塩酸塩)、トリプトファン(例:L-トリプトファン)、リシン(例:L-リシン塩酸塩、L-リシン酢酸塩)、グリシン、ロイシン(例:L-ロイシン)、イソロイシン(例:L-イソロイシン)、トレオニン(例:L-トレオニン)、システイン(例:L-システイン、L-システイン塩酸塩、L-システイン塩酸塩水和物)、バリン(例:L-バリン)、ヒスチジン(例:L-ヒスチジン、L-ヒスチジン塩酸塩、L-ヒスチジン塩酸塩水和物)、及びメチオニン(例:DL-メチオニン)、並びにそれらの組合せを包含する。
【0023】
前記ビタミン類及び前記アミノ酸類以外の有効成分の例は、タウリン(アミノエチルスルホン酸)、ウルソデスオキシコール酸、オロチン酸、オロチン酸コリン、クエン酸カルシウム、グリセリン酸カルシウム、グルコン酸カルシウム水和物、ジクロロ酢酸ジイソプロピルアミン、炭酸カルシウム、沈降炭酸カルシウム、乳酸カルシウム水和物、リン酸水素カルシウム、無水リン酸水素カルシウム、クエン酸鉄アンモニウム、フマル酸第一鉄、グルクロノラクトン、グルクロン酸、グルクロン酸アミド、カフェイン水和物、無水カフェイン、コンドロイチン硫酸ナトリウム、イノシトール、グリチルリチン酸、グリチルリチン酸ナトリウム、グルコン酸ナトリウム、重酒石酸コリン、炭酸マグネシウム、チオクト酸、チオクト酸アミド、デヒドロコール酸、パンテチン、ヨークレシチン、ルチン水和物、及び生薬(例:アセンヤク、ウイキョウ、エゾウコギ、オウセイ、加工ダイサン、ガラナ、カンゾウ、クコシ、ケイヒ、コウジン、サフラン、サンザシ、サンヤク、シゴカ、シャクヤク、シュクシャ、ショウキョウ、ジョテイシ、セイヨウサンザシ、タイソウ、チョウジ、チンピ、トウキ、トシシ、トチュウ、ニクジュヨウ、ニンジン、ニンニク、ブクリョウ、ムイラプアマ、モッコウ、ヤクチ、ヨクイニン、リュウガンニク、ロクジョウ、カイバ、ニクジュヨウ、ハゲキテン、オウギ、ビャクジュツ、ローヤルゼリー)、並びにそれらの組合せを包含する。
【0024】
1.1.4.有効成分以外の成分
本発明の顆粒は、本発明の効果を著しく損なわない限り、前記核に添加剤を含有してもよい。また、同様に、前記外層にも添加剤を含有してもよい。当該添加剤は、例えば、賦形剤、結合剤、崩壊剤等から選択される1種以上であることができる。
【0025】
前記賦形剤の例は、D-マンニトール、D-ソルビトール、エリスリトール、キシリトール、マルチトール、トレハロース等の糖アルコール;乳糖、ブドウ糖、果糖、白糖、粉末還元麦芽糖水アメ等の糖類;結晶セルロース、微結晶セルロース、粉末セルロース、バレイショデンプン、トウモロコシデンプン、デキストリン、βーシクロデキストリン、カルメロースナトリウム、軽質無水ケイ酸、含水二酸化ケイ素、二酸化ケイ素、ケイ酸カルシウム、沈降性炭酸カルシウム、無水リン酸水素カルシウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、乳酸カルシウム、硫酸カルシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、合成ヒドロタルサイト、タルク、カオリン等を包含する。
前記結合剤の例は、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体;結晶セルロース、ポリビニルアルコール、ポビドン、コポリビドン、アクリル酸系高分子、ゼラチン、アラビアゴム、プルラン、アルファー化デンプン、部分アルファー化デンプン、カンテン、トラガント、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、グリセリン等を包含する。
前記崩壊剤の例は、カルメロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム(カルメロースカルシウム)、カルボキシメチルセルロースナトリウム(カルメロースナトリウム)、カルボキシメチルスターチナトリウム、クロスカルメロースナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(L-HPC)、クロスポビドン、トウモロコシデンプン、ヒドロキシプロピルスターチ、部分アルファー化デンプン、アルギン酸、ベントナイト等を包含する。
【0026】
他の添加剤の例は、滑沢剤(例:ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、フマル酸ステアリルナトリウム、タルク、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、硬化油、ポリエチレングリコール、ジメチルポリシロキサン、ミツロウ、サラシミツロウ等);着色剤(例:リボフラビン、酸化チタン、三二酸化鉄、黄色三二酸化鉄等);矯味剤(例:アスパルテーム等の甘味料、アスコルビン酸、クエン酸、ステビア、メントール、カンゾウ粗エキス、単シロップ等);界面活性剤(ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、モノステアリン酸グリセリン、ソルビタン脂肪酸エステル(モノステアリン酸ソルビタン、モノラウリン酸ソルビタン等)、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン、ポリソルベート類、ラウリル硫酸ナトリウム、マクロゴール類、ショ糖脂肪酸エステル等);流動化剤(軽質無水ケイ酸、タルク、含水二酸化ケイ素等);可塑剤(例:クエン酸トリエチル、ポリエチレングリコール、トリアセチン、セタノール等);甘味剤(例:ショ糖、スクラロース、キシリトール、アスパルテーム等の天然又は合成甘味剤);着香剤(例:メントール、香料等);吸着剤、防腐剤、湿潤剤、帯電防止剤等を包含する。
これら添加剤の量は、含有する有効成分の数及びその含有量と、製剤の所望されるサイズに応じて適宜変動させることができるが、好ましくは、本発明の顆粒に対して、例えば、20~99質量%の範囲内、好ましくは40~95質量%の範囲内である。
【0027】
1.1.5.コーティング層
前述の通り、本発明の顆粒は、前記核及び前記外層の間に中間コーティング層を有することができる。
【0028】
当該中間コーティング層は、好ましくは、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ポリビニルアルコール・アクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体、ポリビニルアルコール・ポリエチレングリコール・グラフト共重合体からなる群より選択される1種以上を含有し、より好ましくは、メチルセルロース及びヒドロキシプロピルメチルセルロースからなる群より選択される1種以上を含有する。
さらに本発明の顆粒は、矯味、矯臭、着香、着色等の目的で、前記外層の外側にさらに外側コーティング層を有していてもよい。
当該外側コーティング層は、好ましくは、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ポリビニルアルコール・アクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体、ポリビニルアルコール・ポリエチレングリコール・グラフト共重合体、からなる群より選択される1種以上を含有する。
中間コーティング層は添加剤を含有していてもよい。同様に、外側コーティングも添加剤を含有してもよい。当該添加剤は、例えば、賦形剤、結合剤、甘味料、着色剤、及び着香剤を包含する。
【0029】
1.2.製造方法
本発明の顆粒の核は、造粒成分を混合した後に、適量の溶媒(例えば、水、エタノール又は水とエタノールの混合物)を用いて練合する湿式法により製造される。練合後の造粒工程としては、慣用の方法(例:撹拌造粒法、流動層造粒法、押出造粒法、転動造粒法等)を用いて製造することができ、好ましくは押出造粒法により製造することができる。得られた顆粒は、マルメライザー等の整粒機を用いて整粒してもよい。
このような従来技術を用いて製造した顆粒を核として用いて、造粒技術又はコーティング技術等の慣用の方法(例:流動層コーティング、ワースター式流動層コーティング、遠心流動コーティング、転動流動コーティング等)を用いて中間コーティング層、外層又は外部コーティング層を設けて、本発明の顆粒を製造することができる。
【0030】
例えば、核、中間コーティング層、外層、及び外側コーティングを有する顆粒の場合、
当該顆粒は、
(1)核の原料成分に精製水を添加して練合し、得られた練合物を、湿式押出造粒機等の造粒装置を用いて造粒し、必要に応じて、マルメライザー等の整粒装置を用いて整粒、流動層乾燥機等の乾燥装置を用いて乾燥、及び篩分けを行って素顆粒(核)を調製すること;及び
(2)得られた素顆粒を、中間コーティング層の成分を含むコーティング液、外層の成分を含むコーティング液、及び外側コーティング層の成分を含むコーティング液を、順次、転動流動コーティング機等のコーティング装置を用いてコーティングすること
により、得られる。
当該製造の操作の条件は、技術常識に基づいて、適宜決定すればよい。
【0031】
2.複合顆粒
本発明の複合顆粒は、
(1)本発明の顆粒、ならびに
(2)ビタミンC類を含有する顆粒(以下、顆粒(2)と称する)、及び/又は
(3)アミノ酸類を含有する顆粒(以下、顆粒(3)と称する)
を含有する。
【0032】
本発明の複合顆粒は、それ自体が、医薬品、医薬部外品、保健機能食品(例:機能性表示食品、栄養機能食品、特定保健用食品)、又は一般食品(例:栄養補助食品、健康補助食品、栄養調整食品)[本明細書中、これらを総括して医薬品等と称する場合がある。]であることができる。
【0033】
本発明の複合顆粒に用いられ得る顆粒(2)は、例えば、前記で、ビタミンC類として例示したものの1種以上を含有する。顆粒(2)に用いられるビタミンC類としては、好ましくは、アスコルビン酸、アスコルビン酸カルシウムおよびアスコルビン酸ナトリウムからなる群から選択される1種以上である。ビタミンC類を含有する顆粒は、例えば、特開平11-130674に例示される方法で製造することができる。
【0034】
当該顆粒(2)におけるビタミンC類の含有量は、好ましくは3~95質量%の範囲内、より好ましくは10~90質量%の範囲内、及び更に好ましくは20~80質量%の範囲内である。顆粒(2)の大きさは、特に規定しないが、目開き1700μmの篩を全量通過することが好ましく、目開き1000μmの篩を全量通過することがより好ましい。
【0035】
本発明の複合顆粒に用いられ得る顆粒(3)は、例えば、必須アミノ酸類の1種以上を含有し、好ましくは前記でアミノ酸類として例示したものの1種以上を含有する。顆粒(3)に用いられるアミノ酸類は、好ましくは、L-バリン、L-ロイシン、L-イソロイシン、L-アルギニン塩酸塩、L-トレオニン、L-グルタミン酸、及びL-リシン塩酸塩からなる群より選択される1種以上であることができる。顆粒(3)は従来的な方法で製造することができ、例えば、特開2002-128667、特開2014-122229又は特開2014-205661に記載の方法を用いて製造することができる。
【0036】
顆粒(3)は、ビタミンC類以外の有効成分をさらに含有し得る。当該顆粒(3)におけるアミノ酸類の含有量は、好ましくは20~80質量%の範囲内、より好ましくは30~60質量%の範囲内の範囲内である。顆粒(3)の大きさは、特に規定しないが、目開き1700μmの篩を全量通過することが好ましく、目開き1000μmの篩を全量通過することがより好ましい。
【0037】
本発明の複合顆粒は、顆粒の他に、前記の賦形剤、甘味剤、着香剤等を含有してもよい。
【0038】
本発明の複合顆粒は、前記顆粒(1)、ならびに(2)及び/または(3)を混合することにより、製造できる。本発明の複合顆粒の配合割合は、それぞれ質量比で、顆粒(1):顆粒(2):顆粒(3)=1:0.3~3:0.3~3、顆粒(1):顆粒(2)=1:0.3~3、及び顆粒(1):顆粒(3)=1:0.3~3の範囲内にあることが好ましい。
また、本発明の複合顆粒は、混合均一性の観点から、各顆粒の比容(ml/g)にあまり差がないことが好ましい。各顆粒の比容の比が、顆粒(1):顆粒(2):顆粒(3)=1:0.7~1.3:0.7~1.3、顆粒(1):顆粒(2)=1:0.7~1.3及び顆粒(1):顆粒(3)=1:0.7~1.3の範囲内にあることが好ましく、各顆粒の比容の比が顆粒(1):顆粒(2):顆粒(3)=1:0.8~1.2:0.8~1.2、顆粒(1):顆粒(2)=1:0.8~1.2及び顆粒(1):顆粒(3)=1:0.8~1.2の範囲内にあることが更に好ましい。
【0039】
3.使用
本発明の顆粒、及び本発明の複合顆粒は、それぞれ、必要とする有効成分の量に応じた量で、摂取又は服用することができる。
【実施例】
【0040】
以下、実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0041】
実施例1
フルスルチアミン塩酸塩5.46g(三國製薬工業)、ピリドキシン塩酸塩10g(BASFジャパン)、スクラロース1g(三栄源エフ・エフ・アイ)、アセスルファムカリウム0.5g(ニュートリノヴァ・ジャパン)、結晶セルロース130g(セオラスPH-302、旭化成)、D-マンニトール400g(PEARLITOL 50C、ロケットジャパン)、カルメロースカルシウム20g(E.C.G-505、五徳薬品)、ヒドロキシプロピルセルロース30g(HPC-L、日本曹達)及びトウモロコシデンプン303.04 g(日本コーンスターチ)をバーチカルグラニュレーターに投入して混合し、精製水を添加し、練合した。得られた練合物を、湿式押出造粒機を用いてスクリーンサイズ0.5mmφで造粒し、マルメライザーを用いて整粒し、流動層乾燥機で乾燥させた後、篩分けして素顆粒を得た。
得られた素顆粒を、メチルセルロース41.5g(SM-4、信越化学工業)を精製水に溶解した下掛層液、ヒドロキシプロピルセルロース13.2g(HPC-SSL、日本曹達)、カルニチン塩化物100g(金剛化学)及び軽質無水ケイ酸1.3g(サイリシア320、富士シリシア化学)を精製水と混合した主薬層液、ならびに酸化チタン15g(石原産業)、黄色三二酸化鉄1.4g(葵巳化成)、ヒプロメロース68.6g(TC-5、信越化学工業)及びタルク15g(松村産業)を精製水と混合したマスキング層液で、順次、転動流動コーティング機を用いてコーティングし、顆粒を得た。
【0042】
比較例1
フルスルチアミン塩酸塩5.46g(三國製薬工業)、ピリドキシン塩酸塩10g(BASFジャパン)、スクラロース1g(三栄源エフ・エフ・アイ)、アセスルファムカリウム0.5g(ニュートリノヴァ・ジャパン)、カルニチン塩化物100g(金剛化学)、結晶セルロース130g(セオラスPH-302、旭化成)、D-マンニトール400g(PEARLITOL 50C、ロケットジャパン)、カルメロースカルシウム20g(E.C.G-505、五徳薬品)、ヒドロキシプロピルセルロース30g(HPC-L、日本曹達)及びトウモロコシデンプン303.04 g(日本コーンスターチ)をバーチカルグラニュレーターに投入して混合し、精製水を添加し、練合した。得られた練合物を、湿式押出造粒機を用いてスクリーンサイズ0.5mmφで造粒し、マルメライザーを用いて整粒し、流動層乾燥機で乾燥させた後、篩分けして素顆粒を得た。
得られた素顆粒を、酸化チタン15g(石原産業)、黄色三二酸化鉄1.4g(葵巳化成)、ヒプロメロース68.6g(TC-5、信越化学工業)及びタルク15g(松村産業)を精製水と混合したマスキング層液で、転動流動コーティング機を用いてコーティングし、顆粒を得た。
【0043】
比較例2
フルスルチアミン塩酸塩10g(三國製薬工業)、ピリドキシン塩酸塩10g(BASFジャパン)、スクラロース1g(三栄源エフ・エフ・アイ)、アセスルファムカリウム0.5g(ニュートリノヴァ・ジャパン)、カルニチン塩化物100g(金剛化学)、結晶セルロース130g(セオラスPH-302、旭化成)、D-マンニトール400g(PEARLITOL 50C、ロケットジャパン)、カルメロースカルシウム20g(E.C.G-505、五徳薬品)、ヒドロキシプロピルセルロース30g(HPC-L、日本曹達)及びトウモロコシデンプン298.5 g(日本コーンスターチ)をバーチカルグラニュレーターに投入して混合し、精製水を添加し、練合した。得られた練合物を、湿式押出造粒機を用いてスクリーンサイズ0.7mmφで造粒し、マルメライザーを用いて整粒し、流動層乾燥機で乾燥させた後、篩分けして素顆粒を得た。
得られた素顆粒を、酸化チタン15g(石原産業)、黄色三二酸化鉄1.4g(葵巳化成)、ヒプロメロース68.6g(TC-5、信越化学工業)及びタルク15g(松村産業)を精製水と混合したマスキング層液で、転動流動コーティング機を用いてコーティングし、顆粒を得た。
【0044】
実施例2
スクラロース1g(三栄源エフ・エフ・アイ)、アセスルファムカリウム0.5g(ニュートリノヴァ・ジャパン)、カルニチン塩化物100g(金剛化学)、結晶セルロース130g(セオラスPH-302、旭化成)、D-マンニトール400g(PEARLITOL 50C、ロケットジャパン)、カルメロースカルシウム81g(E.C.G-505、五徳薬品)、ヒドロキシプロピルセルロース27g(HPC-L、日本曹達)及びトウモロコシデンプン250.5 g(日本コーンスターチ)をバーチカルグラニュレーターに投入して混合し、精製水を添加し、練合した。得られた練合物を、湿式押出造粒機を用いてスクリーンサイズ0.5mmφで造粒し、マルメライザーを用いて整粒し、流動層乾燥機で乾燥させた後、篩分けして素顆粒を得た。
得られた素顆粒を、メチルセルロース40.04g(SM-4、信越化学工業)を精製水に溶解した下掛層液、ヒドロキシプロピルセルロース13.2g(HPC-SSL、日本曹達)、フルスルチアミン塩酸塩5.46g(三國製薬工業)、ピリドキシン塩酸塩10g(BASFジャパン)及び軽質無水ケイ酸1.3g(サイリシア320、富士シリシア化学)を精製水と混合した主薬層液、ならびに酸化チタン15g(石原産業)、黄色三二酸化鉄1.4g(葵巳化成)、ヒプロメロース70g(TC-5、信越化学工業)及びタルク15g(松村産業)を精製水と混合したマスキング層液で、順次、転動流動コーティング機を用いてコーティングし、顆粒を得た。
【0045】
実施例3
フルスルチアミン塩酸塩5.46g(三國製薬工業)、スクラロース1g(三栄源エフ・エフ・アイ)、アセスルファムカリウム0.5g(ニュートリノヴァ・ジャパン)、結晶セルロース130g(セオラスPH-302、旭化成)、D-マンニトール400g(PEARLITOL 50C、ロケットジャパン)、カルメロースカルシウム81g(E.C.G-505、五徳薬品)、ヒドロキシプロピルセルロース27g(HPC-L、日本曹達)及びトウモロコシデンプン250.04g(日本コーンスターチ)をバーチカルグラニュレーターに投入して混合し、精製水を添加し、練合した。
得られた練合物を、湿式押出造粒機を用いてスクリーンサイズ0.5mmφで造粒し、マルメライザーを用いて整粒し、流動層乾燥機で乾燥させた後、篩分けして素顆粒を得た。
得られた素顆粒を、メチルセルロース40.5g(SM-4、信越化学工業)を精製水と混合した下掛層液、ヒドロキシプロピルセルロース13.2g(HPC-SSL、日本曹達)、カルニチン塩化物100g(金剛化学)、ピリドキシン塩酸塩10g(BASFジャパン)及び軽質無水ケイ酸1.3g(サイリシア320、富士シリシア化学)を精製水と混合した主薬層液、ならびに酸化チタン15g(石原産業)、黄色三二酸化鉄1.4g(葵巳化成)、ヒプロメロース70g(TC-5、信越化学工業)及びタルク15g(松村産業)を精製水に溶解したマスキング層液で、順次、転動流動コーティング機を用いてコーティングし、顆粒を得た。
【0046】
参考例1
スクラロース2g(三栄源エフ・エフ・アイ)、アセスルファムカリウム1g(ニュートリノヴァ・ジャパン)、L-バリン60g(協和発酵バイオ)、L-ロイシン240g(協和発酵バイオ)、L-イソロイシン60g(協和発酵バイオ)、L-アルギニン塩酸塩300g(協和発酵バイオ)、L-トレオニン60g(協和発酵バイオ)、L-グルタミン酸120g(協和発酵バイオ)、L-リシン塩酸塩100g(協和発酵バイオ)、結晶セルロース54g(セオラスPH-302、旭化成)、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース90g(LH-31、信越化学工業)、酒石酸60g(昭和化工)、無水クエン酸60g(サツマ化工)及びトウモロコシデンプン588 g(松谷化学産業)をバーチカルグラニュレーターに投入して混合し、60%エタノールを添加し、練合した。
得られた練合物を、湿式押出造粒機を用いてスクリーンサイズ0.5mmφで造粒し、マルメライザーを用いて整粒し、流動層乾燥機で乾燥させた後、篩を用いて16~42M(メッシュ)の顆粒を得た。
【0047】
参考例2
スクラロース2g(三栄源エフ・エフ・アイ)、アセスルファムカリウム1g(ニュートリノヴァ・ジャパン)、L-バリン60g(協和発酵バイオ)、L-ロイシン240g(協和発酵バイオ)、L-イソロイシン60g(協和発酵バイオ)、L-アルギニン塩酸塩300g(協和発酵バイオ)、L-トレオニン60g(協和発酵バイオ)、L-グルタミン酸120g(協和発酵バイオ)、L-リシン塩酸塩100g(協和発酵バイオ)、結晶セルロース150g(セオラスPH-302、旭化成)、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース90g(LH-31、信越化学工業)、酒石酸60g(昭和化工)、無水クエン酸60g(サツマ化工)及びトウモロコシデンプン492g(日本コーンスターチ)をバーチカルグラニュレーターに投入して混合し、50%エタノールを添加し、練合した。
得られた練合物を、湿式押出造粒機を用いてスクリーンサイズ0.5mmφで造粒し、マルメライザーを用いて整粒し、流動層乾燥機で乾燥させた後、篩を用いて16~42M(メッシュ)の顆粒を得た。
【0048】
参考例3
スクラロース2g(三栄源エフ・エフ・アイ)、アセスルファムカリウム1g(ニュートリノヴァ・ジャパン)、L-バリン60g(協和発酵バイオ)、L-ロイシン240g(協和発酵バイオ)、L-イソロイシン60g(協和発酵バイオ)、L-アルギニン塩酸塩300g(協和発酵バイオ)、L-トレオニン60g(協和発酵バイオ)、L-グルタミン酸120g(協和発酵バイオ)、L-リシン塩酸塩100g(協和発酵バイオ)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC-L、日本曹達)54g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース90g(LH-31、信越化学工業)、酒石酸60gg(昭和化工)、無水クエン酸60g(サツマ化工)及びトウモロコシデンプン664 g(松谷化学産業)をバーチカルグラニュレーターに投入して混合し、精製水を添加し、練合した。
得られた練合物を、湿式押出造粒機を用いてスクリーンサイズ0.5mmφで造粒し、マルメライザーを用いて整粒し、流動層乾燥機で乾燥させた後、16~42M(メッシュ)の篩を用いて篩分けし、顆粒を得た。
【0049】
参考例4
リボフラビン12g(BASFジャパン)、スクラロース2.1g(三栄源エフ・エフ・アイ)、アセスルファムカリウム1.1g(ニュートリノヴァ・ジャパン)、アスコルビン酸350g(三菱ケミカルフーズ)、アスコルビン酸カルシウム181.5g(DSMニュートリションジャパン)、エリスリトール800g(100M、物産フードサイエンス)、ヒドロキシプロピルセルロース30g(HPC-SSL、信越化学工業)、及びトウモロコシデンプン123.3g(松谷化学産業)をバーチカルグラニュレーターに投入して混合し、エタノールと精製水の混液を添加し、練合した。
得られた練合物を、湿式押出造粒機を用いてスクリーンサイズ0.5mmφで造粒し、流動層乾燥機で乾燥させた後、篩分けして顆粒を得た。
【0050】
参考例5
リボフラビン12g(BASFジャパン)、スクラロース1g(三栄源エフ・エフ・アイ)、トウモロコシデンプン50g(日本コーンスターチ)、アスコルビン酸350g(三菱ケミカルフーズ)、アスコルビン酸カルシウム181.5g(三菱ケミカルフーズ)、エリスリトール375.5g(100M、物産フードサイエンス)を流動層造粒機に投入して、トウモロコシデンプン30g(日本コーンスターチ)を精製水に溶解及び加温した結合剤を噴霧し顆粒を得た。
【0051】
実施例4(複合顆粒の製造)
(1)実施例1、2又は3で得られた顆粒116g、(2)参考例1、2又は3で得られた顆粒179.5g、及び(3)参考例4又は5で得られた顆粒150gを混合し、軽質無水ケイ酸、スクラロース、アセスルファムカリウム及び香料を適量添加して、各複合顆粒を得た。
【0052】
試験例1
実施例1、比較例1及び比較例2で製造した顆粒を、60℃で2週間又は3週間、あるいは50℃で4週間保存した。保存後のフルスルチアミン塩酸塩の残存率を高速液体クロマトグラフィー法により測定した。
結果を表1に示す。
【0053】
【0054】
表1の結果より、本発明の顆粒では、60℃で2週間又は3週間、あるいは50℃で4週間の苛酷な条件での保存において、いずれも、比較例1又は2の顆粒に比べて、フルスルチアミン塩酸塩の安定性が良好であることが示された。
【0055】
実施例5
フルスルチアミン塩酸塩5.46g(三國製薬工業)、ピリドキシン塩酸塩10g(BASFジャパン)、スクラロース1g(三栄源エフ・エフ・アイ)、アセスルファムカリウム0.5g(ニュートリノヴァ・ジャパン)、結晶セルロース130g(セオラスPH-302、旭化成)、D-マンニトール400g(PEARLITOL 50C、ロケットジャパン)、カルメロースカルシウム20g(E.C.G-505、五徳薬品)、ヒドロキシプロピルセルロース30g(HPC-L、日本曹達)及びトウモロコシデンプン303.04 g(日本コーンスターチ)をバーチカルグラニュレーターに投入して混合し、精製水を添加し、練合した。得られた練合物を、湿式押出造粒機を用いてスクリーンサイズ0.5mmφで造粒し、マルメライザーを用いて整粒し、流動層乾燥機で乾燥させた後、篩分けして素顆粒を得た。
得られた素顆粒を、ヒドロキシプロピルセルロース13.2g(HPC-SSL、日本曹達)、カルニチン塩化物100g(金剛化学)及び軽質無水ケイ酸1.3g(サイリシア320、富士シリシア化学)を精製水と混合した主薬層液、ならびに酸化チタン15g(石原産業)、黄色三二酸化鉄1.4g(葵巳化成)、ヒプロメロース68.6g(TC-5、信越化学工業)及びタルク15g(松村産業)を精製水と混合したマスキング層液で、順次、転動流動コーティング機を用いてコーティングし、顆粒を得た。
【0056】
実施例6
フルスルチアミン塩酸塩5.46g(三國製薬工業)、ピリドキシン塩酸塩10g(BASFジャパン)、スクラロース1g(三栄源エフ・エフ・アイ)、アセスルファムカリウム0.5g(ニュートリノヴァ・ジャパン)、結晶セルロース130g(セオラスPH-302、旭化成)、D-マンニトール400g(PEARLITOL 50C、ロケットジャパン)、カルメロースカルシウム20g(E.C.G-505、五徳薬品)、ヒドロキシプロピルセルロース30g(HPC-L、日本曹達)及びトウモロコシデンプン303.04 g(日本コーンスターチ)をバーチカルグラニュレーターに投入して混合し、精製水を添加し、練合した。得られた練合物を、湿式押出造粒機を用いてスクリーンサイズ0.5mmφで造粒し、マルメライザーを用いて整粒し、流動層乾燥機で乾燥させた後、篩分けして素顆粒を得た。
得られた素顆粒を、ヒプロメロース41.5g(TC-5、信越化学工業)を精製水に溶解した下掛層液、ヒドロキシプロピルセルロース13.2g(HPC-SSL、日本曹達)、カルニチン塩化物100g(金剛化学)及び軽質無水ケイ酸1.3g(サイリシア320、富士シリシア化学)を精製水と混合した主薬層液、ならびに酸化チタン15g(石原産業)、黄色三二酸化鉄1.4g(葵巳化成)、ヒプロメロース68.6g(TC-5、信越化学工業)及びタルク15g(松村産業)を精製水と混合したマスキング層液で、順次、転動流動コーティング機を用いてコーティングし、顆粒を得た。
【0057】
試験例2
試験例1に準じて、実施例4、及び実施例5で製造した顆粒、並びに前記実施例1に従って再製造した顆粒を、60℃で2週間又は3週間、あるいは50℃で4週間保存した。保存後のフルスルチアミン塩酸塩の残存率を高速液体クロマトグラフィー法により測定した。
結果を、表2に示す。
【0058】
表2の結果より、本発明の顆粒では、60℃で2週間又は3週間、あるいは50℃で4週間の苛酷な条件での保存において、いずれも、実施例1の製剤と同様に、フルスルチアミン塩酸塩の安定性が良好であることが示された。
【0059】