(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-28
(45)【発行日】2023-03-08
(54)【発明の名称】タッチパネル及びその製造方法、タッチ表示装置
(51)【国際特許分類】
G06F 3/041 20060101AFI20230301BHJP
G06F 3/044 20060101ALI20230301BHJP
【FI】
G06F3/041 640
G06F3/041 660
G06F3/041 422
G06F3/044 125
(21)【出願番号】P 2018562193
(86)(22)【出願日】2018-05-24
(86)【国際出願番号】 CN2018088174
(87)【国際公開番号】W WO2019029226
(87)【国際公開日】2019-02-14
【審査請求日】2021-05-12
(31)【優先権主張番号】201710684332.X
(32)【優先日】2017-08-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】510280589
【氏名又は名称】京東方科技集團股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BOE TECHNOLOGY GROUP CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.10 Jiuxianqiao Rd.,Chaoyang District,Beijing 100015,CHINA
(73)【特許権者】
【識別番号】512282165
【氏名又は名称】合肥▲シン▼晟光▲電▼科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】HEFEI XINSHENG OPTOELECTRONICS TECHNOLOGY CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Xinzhan Industrial Park,Hefei,Anhui,230012,P.R.CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】▲鄭▼ ▲啓▼涛
(72)【発明者】
【氏名】▲許▼ ▲鄒▼明
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ 雷
(72)【発明者】
【氏名】王 静
(72)【発明者】
【氏名】田 健
(72)【発明者】
【氏名】▲謝▼ ▲曉▼冬
(72)【発明者】
【氏名】▲陳▼ ▲トン▼
(72)【発明者】
【氏名】田 新斌
(72)【発明者】
【氏名】何 ▲敏▼
【審査官】田川 泰宏
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0070406(US,A1)
【文献】特開2011-197685(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第03168722(EP,A1)
【文献】特開2015-162245(JP,A)
【文献】特開2016-129017(JP,A)
【文献】特開2014-232375(JP,A)
【文献】特開2015-097076(JP,A)
【文献】特開2013-041470(JP,A)
【文献】特開2015-162166(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/041
G06F 3/044
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチパネルであって、タッチ領域を含み、
前記タッチ領域は、間隔を置いて配列される複数の導電部と複数の電気接続部とを含み、
前記複数の導電部の所在領域が電極領域を含み、
前記複数の電気接続部は、第1方向に沿って延在する複数の第1電極及び第2方向に沿って延在すると共に前記第1電極と絶縁する複数の第2電極を形成するように前記電極領域における前記導電部を電気的に接続し、
前記第2方向に関して各前記第1電極は少なくとも2つの前記導電部を含み、前記第1方向に関して各前記第2電極は少なくとも2つの前記導電部を含
み、
前記複数の導電部の所在領域は、前記第1電極と前記第2電極との間に位置するダミー領域を更に含む、タッチパネル。
【請求項2】
前記複数の導電部は、前記タッチ領域に均一に分布されている、請求項
1に記載のタッチパネル。
【請求項3】
前記タッチ領域における各前記導電部の平面形状及びサイズがいずれも同様である、請求項1
又は2に記載のタッチパネル。
【請求項4】
各前記導電部のエッジが折れ線形である、請求項1から
3のいずれか1項に記載のタッチパネル。
【請求項5】
前記導電部の材料は、透明導電材料を含む、請求項1から
4のいずれか1項に記載のタッチパネル。
【請求項6】
前記導電部の材料は、前記電気接続部の材料と同様である、請求項
5に記載のタッチパネル。
【請求項7】
各前記電気接続部の延在方向は、前記第1方向及び前記第2方向に平行しない請求項1から
6のいずれか1項に記載のタッチパネル。
【請求項8】
前記第1電極と前記第2電極との交差箇所において、
前記第1電極は、前記第1方向に沿って配列される少なくとも2列の電気的接続の前記導電部を含み、
前記第2電極は、前記第2方向に沿って配列される少なくとも2列の電気的接続の前記導電部を含む、請求項1から
7のいずれか1項に記載のタッチパネル。
【請求項9】
各前記電気接続部は、前記導電部と異なる層に設置されている、請求項1から
8のいずれか1項に記載のタッチパネル。
【請求項10】
前記第1電極と前記第2電極との交差箇所に、前記第1電極及び前記第2電極のうちの少なくとも1つにおける前記電気接続部が前記導電部と異なる層に設置され、前記第1電極と前記第2電極との交差箇所以外に、各前記電気接続部が前記導電部と同一層に設置されている、請求項1から
8のいずれか1項に記載のタッチパネル。
【請求項11】
前記導電部の平面形状は、矩形、三角形、菱形、正六角形又は円形のうちの1つを含む、請求項1から
10のいずれか1項に記載のタッチパネル。
【請求項12】
隣接する前記導電部同士の最短距離が各前記導電部の平面形状の最大寸法より小さい、請求項1から
11のいずれか1項に記載のタッチパネル。
【請求項13】
隣接する前記導電部同士の最短距離が10~50μmである、請求項
12に記載のタッチパネル。
【請求項14】
フレキシブルタッチパネルである、請求項1から
13のいずれか1項に記載のタッチパネル。
【請求項15】
タッチパネルの製造方法であって、
第1導電層を提供することと、
前記第1導電層をパターニングすることによって間隔を置いて配列され、かつ、所在領域が電極領域を含む複数の導電部を形成することと、
前記電極領域に複数の電気接続部を形成して、前記電極領域において第1方向に沿って延在する複数の第1電極及び第2方向に沿って延在する複数の第2電極を形成するように前記電極領域における前記導電部を電気的に接続し、前記第1電極と前記第2電極を絶縁して設置することと、を含み、
前記第2方向に関して各前記第1電極は少なくとも2つの前記導電部を含み、前記第1方向に関して各前記第2電極は少なくとも2つの前記導電部を含
み、
前記複数の導電部の所在領域は、前記第1電極と前記第2電極との間に位置するダミー領域を更に含む、タッチパネルの製造方法。
【請求項16】
前記複数の電気接続部を形成する前に、前記導電部に絶縁層を形成し、前記電極領域に位置する前記絶縁層に貫通孔を形成し、次に前記絶縁層に、前記貫通孔によって前記導電部に電気的に接続された第2導電層を形成し、前記第2導電層をパターニングすることによって前記電極領域に前記複数の電気接続部を形成する、請求項
15に記載のタッチパネルの製造方法。
【請求項17】
前記第1電極と前記第2電極との交差箇所に、前記第1電極及び前記第2電極のうちの少なくとも1つにおける前記電気接続部が前記導電部と異なる層に形成され、前記第1電極と前記第2電極との交差箇所以外に、前記導電部が各前記電気接続部と同一層に形成される、請求項
15に記載のタッチパネルの製造方法。
【請求項18】
タッチ表示装置であって、
請求項1から
14のいずれか1項に記載のタッチパネルを含むタッチ表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の少なくとも1つの実施例はタッチパネル及びその製造方法、タッチ表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、タッチパネル技術としての静電容量式タッチ技術がよく使用されている。一般的に、静電容量式タッチパネルは自己容量方式及び相互容量方式を含む。自己容量方式タッチパネルはベース基板に透明導電材料で製造されたタッチ電極アレイを含み、タッチ電極アレイにおけるタッチ電極がそれぞれ地面とコンデンサを構成する。相互容量方式タッチパネルは、ベース基板に透明導電材料で製造されて互いに絶縁している横電極及び縦電極を含み、2組の電極の交差箇所にコンデンサが形成される。指でタッチパネルにタッチするとき、タッチポイント近傍の2つの電極同士の結合に影響を与えたため、この2つの電極同士の電気容量を変化させる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本開示の少なくとも1つの実施例に係るタッチパネルであって、タッチ領域を含み、タッチ領域は、間隔を置いて配列される複数の導電部と複数の電気接続部とを含み、複数の導電部の所在領域が電極領域を含み、複数の電気接続部は、第1方向に沿って延在する複数の第1電極及び第2方向に沿って延在すると共に第1電極と絶縁する複数の第2電極を形成するように電極領域における導電部を電気的に接続し、且つ、第2方向に関して各第1電極は少なくとも2つの導電部を含み、第1方向に関して各第2電極は少なくとも2つの導電部を含む。
【0004】
例えば、少なくとも1つの実施例に係るタッチパネルにおいて、複数の導電部の所在領域は、前記第1電極と前記第2電極との間に位置するダミー領域を更に含む。
【0005】
例えば、少なくとも1つの実施例に係るタッチパネルにおいて、複数の導電部は、タッチ領域に均一に分布されている。
【0006】
例えば、少なくとも1つの実施例に係るタッチパネルにおいて、タッチ領域における各導電部の平面形状及びサイズがいずれも同様である。
【0007】
例えば、少なくとも1つの実施例に係るタッチパネルにおいて、各導電部のエッジが折れ線形である。
【0008】
例えば、少なくとも1つの実施例に係るタッチパネルにおいて、導電部の材料は、透明導電材料を含む。
【0009】
例えば、少なくとも1つの実施例に係るタッチパネルにおいて、導電部の材料は、前記電気接続部の材料と同様である。
【0010】
例えば、少なくとも1つの実施例に係るタッチパネルにおいて、各電気接続部の延在方向は、第1方向及び第2方向に平行しない。
【0011】
例えば、少なくとも1つの実施例に係るタッチパネルにおいて、第1電極と第2電極との交差箇所において、第1電極は、第1方向に沿って配列される少なくとも2列の電気的接続の導電部を含み、第2電極は、第2方向に沿って配列される少なくとも2列の電気的接続の導電部を含む。
【0012】
例えば、少なくとも1つの実施例に係るタッチパネルにおいて、各電気接続部は、導電部と異なる層に設置されている。
【0013】
例えば、少なくとも1つの実施例に係るタッチパネルにおいて、第1電極と第2電極との交差箇所に、第1電極及び第2電極のうちの少なくとも1つにおける電気接続部が導電部と異なる層に設置され、第1電極と第2電極との交差箇所以外に、各電気接続部が導電部と同一層に設置されている。
【0014】
例えば、少なくとも1つの実施例に係るタッチパネルにおいて、第1方向が第2方向に垂直である。
【0015】
例えば、少なくとも1つの実施例に係るタッチパネルにおいて、導電部の平面形状は、矩形、三角形、菱形、正六角形又は円形のうちの1つを含む。
【0016】
例えば、少なくとも1つの実施例に係るタッチパネルにおいて、隣接する導電部同士の最短距離が各導電部の平面形状の最大寸法より小さい。
【0017】
例えば、少なくとも1つの実施例に係るタッチパネルにおいて、導電部の平面形状の最大寸法が280μmである。
【0018】
例えば、少なくとも1つの実施例に係るタッチパネルにおいて、隣接する導電部同士の最短距離が10~50μmである。
【0019】
例えば、少なくとも1つの実施例に係るタッチパネルにおいて、タッチパネルはフレキシブルタッチパネルである。
【0020】
本開示の少なくとも1つの実施例に係るタッチパネルの製造方法は、第1導電層を提供することと、第1導電層をパターニングすることによって間隔を置いて配列され、かつ、所在領域が電極領域を含む複数の導電部を形成することと、電極領域に複数の電気接続部を形成して、電極領域において第1方向に沿って延在する複数の第1電極及び第2方向に沿って延在する複数の第2電極を形成するように電極領域における導電部を電気的に接続し、第1電極と第2電極を絶縁して設置することと、を含み、第2方向に関して各第1電極は少なくとも2つの導電部を含み、第1方向に関して各第2電極は少なくとも2つの導電部を含む。
【0021】
例えば、少なくとも1つの実施例に係るタッチパネルの製造方法において、複数の導電部の所在領域は、第1電極と第2電極との間に位置するダミー領域を更に含む。
【0022】
例えば、少なくとも1つの実施例に係るタッチパネルの製造方法において、複数の電気接続部を形成する前に、導電部に絶縁層を形成し、電極領域に位置する絶縁層に貫通孔を形成し、次に絶縁層に、貫通孔によって導電部に電気的に接続された第2導電層を形成し、第2導電層をパターニングすることによって電極領域に複数の電気接続部を形成する。
【0023】
例えば、少なくとも1つの実施例に係るタッチパネルの製造方法において、第1電極と第2電極との交差箇所に、第1電極及び第2電極のうちの少なくとも1つにおける電気接続部が導電部と異なる層に形成され、第1電極と第2電極との交差箇所以外に、導電部が各電気接続部と同一層に形成される。
【0024】
本開示の少なくとも1つの実施例に係るタッチ表示装置は、上記いずれか1つの実施例に係るタッチパネルを含む。
【0025】
本開示の実施例の技術案をより明瞭に説明するために、以下、実施例の図面を簡単に説明するが、勿論、以下の説明における図面は本開示の一部の実施例に関するものに過ぎず、本開示を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】
図1はフレキシブルタッチパネルにおける1つのタッチユニットパターンの模式図である。
【
図2A】
図2Aは本開示の一実施例に係るタッチパネルにおけるタッチ領域の部分平面構造模式図である。
【
図2B】
図2Bは
図2Aに示す第1電極と第2電極との間の1つの交差箇所の部分平面構造模式図である。
【
図3A】
図3Aは本開示の一実施例の一例における
図2Aに示すAB線に沿って切断したXZ平面の部分断面模式図である。
【
図3B】
図3Bは本開示の一実施例の一例における
図2Aに示すCD線に沿って切断したXZ平面の部分断面模式図である。
【
図3C】
図3Cは本開示の一実施例の別の例における第1電極と第2電極との交差箇所以外の電極領域の部分断面模式図である。
【
図4】
図4は本開示の一実施例に係るタッチパネルの製造方法の模式的なフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本開示の実施形態の目的、技術案及び利点をさらに明確にするように、本開示の実施形態の図面を参照しながら、本開示の実施形態の技術案を明確で完全に説明する。勿論、説明される実施形態は、本開示の実施形態の一部であり、全ての実施形態ではない。説明される本開示の実施形態に基づき、当業者が創造的な労働をしない前提で得られる全ての他の実施形態は、いずれも本開示の保護範囲に入る。
【0028】
特別に定義しなければ、本開示に使われる技術用語又は科学用語は本開示の所属分野における一般の従業者が理解できる通常の意味である。本開示に使われる「第1」、「第2」及び類似する用語は、異なる構成要素を区別するためのものに過ぎず、順番、数量又は重要度を示すものではない。「含む」又は「備える」等の類似する用語は、該用語の前に記載された素子又は部品が該用語の後に挙げられる素子又は部品及びそれらと同等のものをカバーするが、ほかの素子又は物体を排除しないことを意味する。「接続」又は「繋がる」等の類似する用語は、物理的又は機械的な接続に制限されるものではなく、直接接続されるか間接的に接続されるかを問わず、電気的な接続を含むこともできる。「上」、「下」、「左」、「右」等は単に相対位置関係を意味するものであり、説明される対象の絶対位置関係が変わると、当該相対位置関係もそれにつれて変わる可能性がある。
【0029】
図1はフレキシブルタッチパネルにおける1つのタッチユニットパターンの模式図であり、
図1に示すように、該タッチユニットはX方向に沿って延在する大寸法のブロック状の第1タッチ電極11、及びY方向に沿って延在する大寸法のブロック状の第2タッチ電極12を含む。例えば、第1タッチ電極11及び第2タッチ電極12のうちの一方はタッチ駆動電極であり、他方はタッチセンシング電極である。第1タッチ電極11が第2タッチ電極12と絶縁して設置されるため、隣接する2枚の第2タッチ電極12を電気的に接続するように第1タッチ電極11と第2タッチ電極12との交差箇所にブリッジ接続構造13を設置する。
【0030】
フレキシブルタッチパネルは
図1に示すタッチユニットパターンを複数含むため、タッチパネルにはX方向に沿って延在する複数の大寸法のブロック状の第1タッチ電極11及びY方向に沿って延在する複数の大寸法のブロック状の第2タッチ電極12が含まれる。複数の第1タッチ電極11と複数の第2タッチ電極12とは、重なり位置にコンデンサを形成することができるため、指でタッチするとき、タッチポイント近傍のコンデンサの結合に影響を与え、それによりタッチポイント近傍のコンデンサの電気容量を変化させる。このため、このような電気容量の変化によってタッチ位置を判断することができる。
【0031】
研究した結果、本願の発明者は、現在、フレキシブルタッチスクリーンの製造プロセスにおいて、GF(Glass Film)ブリッジングプロセスの将来性が期待されるが、そのプロセス自体にも解決が強く望まれる問題が多くあることを発見した。例えば、タッチユニットパターンの設計において、ブリッジの材料が金属(Metal)を用いるべきか、又は透明導電材料(例えば、酸化インジウム、ITO)を用いるべきかについては、まだ異議がある。Metalブリッジを用いる場合、展延性が高いが、モーションブラー除去効果が低い。ITOブリッジを用いる場合、モーションブラー除去効果が高いが、展延性が低く、ITOブリッジが折り曲げられると、破断しやすい。また、タッチユニットにおけるタッチ電極が寸法のより大きなITOパターン(例えば4~5cm寸法のITOブロック)を用いる場合にも、タッチ電極自体には大きな内部応力を有し、折り曲げられると、破断しやすい。従って、タッチユニットのパターンを設計するとき、モーションブラー除去効果及び耐折り曲げ性を両立すべきである。
【0032】
本開示の実施例はタッチパネル及びその製造方法、タッチ表示装置を提供する。該タッチパネルはタッチ領域を含み、タッチ領域は、間隔を置いて配列される複数の導電部と複数の電気接続部とを含み、複数の導電部の所在領域が電極領域を含み、複数の電気接続部は、第1方向に沿って延在する複数の第1電極及び第2方向に沿って延在する複数の第2電極を形成するように電極領域における導電部を電気的に接続し、第1方向が第2方向と交差し、第1電極が第2電極と絶縁し、且つ、第2方向に関して各第1電極は少なくとも2つの導電部を含み、第1方向に関して各第2電極は少なくとも2つの導電部を含む。本開示の実施例におけるタッチパネルのタッチ電極は大寸法のITOブロックを用いずに、間隔を置いて配列される複数の導電部を用いて、電気接続部によって電極領域に位置する導電部を電気的に接続することにより、タッチ電極を形成し、それによりタッチパネルにおける内部応力を効果的に除去し、タッチパネルの耐折り曲げ性を向上させることができる。
【0033】
以下、図面を参照しながら本開示の実施例に係るタッチパネル及びその製造方法、タッチ表示装置を説明する。
【0034】
本開示の一実施例はタッチパネルを提供し、
図2Aは本開示の一実施例に係るタッチパネルにおけるタッチ領域の部分構造模式図であり、
図2Aに示すように、タッチ領域100は、X方向及びY方向に沿って間隔を置いて配列される複数の導電部110及び複数の電気接続部120を含む。複数の導電部110の所在領域は電極領域111を含み、電極領域111は
図2Aにおける破線で示される領域である。複数の電気接続部120は電極領域111に位置して、第1方向(X方向)に沿って延在する複数の第1電極113、及び第2方向(Y方向)に沿って延在する複数の第2電極114を形成するように電極領域111における導電部110を電気的に接続し、第1方向が第2方向と交差し、第1電極113が第2電極114と絶縁し、且つ、第2方向に関して各第1電極113は少なくとも2つの導電部110を含み、第1方向に関して各第2電極114は少なくとも2つの導電部110を含む。
【0035】
例えば、各第1電極113(又は各第2電極114)における複数の導電部110が一体に電気的に接続されるが、ほかの第1電極113又は第2電極114に含まれる導電部110に電気的に接続されていない。
【0036】
例えば、複数の導電部110の所在領域は更に第1電極113と第2電極114との間に位置するダミー領域112を含み、つまり、ダミー領域112が破線で示される領域(電極領域111)以外の領域であり、ダミー領域112における導電部110が電極領域111における導電部110と絶縁して設置される。
【0037】
本開示の実施例に係るタッチパネルにおける第1電極113と第2電極114との重なり位置にコンデンサを形成することができ、指でタッチするとき、タッチポイント近傍のコンデンサの結合に影響を与えるため、タッチポイント近傍のコンデンサの電気容量を変化させる。このため、このような電気容量の変化によってタッチ位置を判断することができる。例えば、第1電極113が駆動電極(Tx)通路であってもよく、第2電極114がセンシング電極(Rx)通路であってもよい。本実施例はこれに限らず、駆動電極(Tx)通路とセンシング電極(Rx)通路とを交換してもよい。
【0038】
本開示の実施例に係るタッチパネルにおけるタッチ電極、つまり第1電極及び第2電極は大寸法のITOブロックを用いずに、間隔を置いて配列される小寸法の複数の導電部を用いて、電気接続部によって電極領域に位置する導電部を電気的に接続することにより、第1電極及び第2電極を形成し、それによりタッチパネルにおける内部応力を効果的に除去し、タッチパネルの耐折り曲げ性を向上させることができる。一方、第1電極と第2電極との間のダミー領域には間隔を置いて配列される複数の小寸法の導電部が含まれるため、第1電極と第2電極との間の相互容量の値を調整することができる。
【0039】
例えば、
図2Aに示すように、タッチ領域100における各導電部110の平面形状及びサイズがいずれも同様である。
【0040】
例えば、
図2Aに示すように、本実施例における導電部110の平面形状の最大寸法が280μmであり、つまり、本実施例は導電部110の平面形状を正方形に近似した形状とする場合を例として説明し、該導電部110が200μm×200μmの正方形であってもよい。
【0041】
例えば、
図1におけるX方向に沿って最大寸法4mm~5mmのブロック状の第2タッチ電極12に比べて、本実施例におけるタッチ電極(第1電極又は第2電極)はより小さな寸法の導電部110及び電気接続部120で構成され、タッチパネルにおける内部応力を効果的に除去し、タッチパネルの耐折り曲げ性を向上させることができる。本実施例は導電部110の具体的な寸法を制限せず、実際のタッチパネルの寸法によって決定される。
【0042】
例えば、
図2Aに示すように、隣接する導電部110同士の最短距離が各導電部110の平面形状の最大寸法より小さい。例えば、本実施例における隣接する導電部110同士の最短距離が280μmより小さい。
【0043】
例えば、
図2Aに示すように、隣接する導電部110同士の最短距離が10~50μmである。例えば、本実施例における隣接する導電部110同士の最短距離を30μmとして設定してもよく、本実施例は以上の場合を含むが、それに限らない。
【0044】
例えば、
図2Aに示すように、導電部110の材料が透明導電材料、例えば酸化インジウム(ITO)等であってもよい。本実施例において、電気的接続の複数の小寸法の導電部で構成されたタッチ電極で1枚の大寸法のITOタッチ電極を代替した後、導電部110を設置している領域と、導電部110を設置していない領域との屈折率の違いに起因して、タッチパネルのモーションブラー除去効果が低いことを考慮すると、本実施例における複数の導電部110をタッチ領域100に均一に分布し、つまり、複数の導電部110の電極領域111及びダミー領域112における分布密度を同様にすることにより、タッチパネル全体のモーションブラー除去効果を効果的に向上させる。
【0045】
例えば、
図2Aに示すように、本実施例はダミー領域112には均一に分布されている複数の導電部110を設置することにより、タッチ領域100のコンデンサの均一性を向上させる。
【0046】
例えば、
図2Aに示すように、各導電部110のエッジが折れ線形である。本実施例における正方形に近似した形状の導電部110を例として、一般的な直線形の代わりに、各導電部110の4つのエッジを折れ線形に設計することにより、高解像度の有機発光ダイオード等の光源と組み合わせるとき、モアレ現象の発生を避ける。なお、ここで、導電部110のエッジが折れ線形に設計されるため、該導電部110の形状が「正方形に近似した形状」である。
【0047】
例えば、本実施例に係る導電部110の平面形状は
図2Aに示す正方形に限らず、例えば、更に矩形、三角形、菱形、正六角形又は円形のうちの1つを含んでもよい。例えば、円滑な直線又は曲線の代わりに、矩形、三角形、菱形、正六角形又は円形形状の導電部のエッジを折れ線形に設計することにより、高解像度の有機発光ダイオード等の光源と組み合わせるとき、モアレ現象の発生を避ける。
【0048】
例えば、
図2Aに示すように、各電気接続部120の延在方向が第1方向及び第2方向に平行しない。例えば、第1方向(X方向)が第2方向(Y方向)に垂直であり、本実施例は以上の場合を含むが、それに限らない。
【0049】
例えば、第1電極113を形成するように導電部110を電気的に接続するための複数の電気接続部120の延在方向はすべて同様であってもよいし、その一部が同様であってもよい。同様に、第2電極114を形成するように導電部110を電気的に接続するための複数の電気接続部120の延在方向はすべて同様であってもよいし、その一部が同様であってもよく、本実施例はこれを制限しない。本実施例における電気接続部の第1方向及び第2方向に対して傾斜した設計によって、電気接続部がいずれも第1方向又は第2方向に沿って高密度で配置されることに起因して視覚効果に影響を与えながら肉眼に識別されることを避けることができ、従って、更にタッチパネルのモーションブラー除去効果を向上させることができる。
【0050】
例えば、導電部110の材料が電気接続部120の材料と同様であり、例えば、いずれも透明導電材料であり、従って導電部110と電気接続部120との電気接続性を向上させることができる。
【0051】
例えば、
図2Aに示すように、本実施例における第1電極113及び第2電極114は亜鈴のような配列形状を用いてもよいが、それに限らず、実際のタッチパネルにおけるコンデンサに対する要件に応じて、第1電極113のY方向に沿う長さを全体同様に設置し、第2電極114のX方向に沿う長さを全体同様に設置してもよい。
【0052】
なお、タッチ領域100における電極領域111及びダミー領域112の平面構造模式図を明瞭に示すために、導電部110及び電気接続部120以外のほかの膜層を示していない。
【0053】
例えば、
図2Aには電気接続部の配置位置を模式的に示すものに過ぎず、第1電極及び第2電極を形成するように電気接続部によって電極領域の導電部の電気的接続を実現すればよく、具体的な配置位置は制限しない。
【0054】
例えば、
図2Bは
図2Aに示す第1電極113と第2電極114との1つの交差箇所の部分平面構造模式図であり、本実施例は
図2A中第1電極113及び第2電極114における最も狭い位置を第1電極113と第2電極114との交差箇所とする。
図2Bに示すように、第1電極113と第2電極114との交差箇所に、第1電極113はX方向に沿って配列される電気的接続の少なくとも2列の導電部110を含み、第2電極114はY方向に沿って配列される電気的接続の少なくとも2列の導電部110を含む。本実施例において、第1電極113と第2電極114との交差箇所に、X方向に沿って配列される第1電極113には電気接続部120により電気的に接続される少なくとも2列の導電部110が設置され、且つY方向に沿って配列される第2電極114には電気接続部120により電気的に接続される少なくとも2列の導電部110が設置されるため、いずれか1つの電極における電気的接続の1列の導電部110の電気接続部120が破断したとき、又は、いずれか1つの電極におけるいずれか1列の導電部110が非電気接続状態にあるとき、少なくとも1列の導電部110全体が依然として電気接続状態にあり、従って良いタッチ機能を実現することができる。
【0055】
例えば、
図2Bに示すように、第1電極113は、X方向に関して電気的接続の3列の導電部110を含み、第2電極114は、Y方向に関して電気的接続の2列の導電部110を含み、いずれか1つのみの電気接続部120が破断した場合、タッチパネル全体のタッチ機能に影響を与えることがない。本実施例は以上の場合を含むが、それに限らず、例えば、第1電極113はX方向に関して電気的接続の2列の導電部110を含み、第2電極114はY方向に関して電気的接続の3列の導電部110を含み、又は、第1電極113及び第2電極114はいずれも電気的接続の3列の導電部110を含んでもよい。
【0056】
例えば、
図3Aは本開示の一実施例の一例における
図2AにおけるAB線に沿って切断したXZ面の部分断面模式図であり、
図3Aには第1電極と第2電極との交差箇所以外の電極領域の断面図を示す。
図3Aに示すように、タッチパネルは更にベース基板130を含み、第1電極113における導電部110がベース基板130に設置される。本実施例の一例において、すべての導電部110(第1電極113における導電部110及び第2電極における導電部)がいずれも同一層に位置し、すべての電気接続部120が同一層に位置し、電気接続部120が導電部110と異なる層に設置され、つまり、各電気接続部120が導電部110と異なる層に設置される。
【0057】
例えば、ベース基板130から離れた導電部110の一側に第1透明絶縁層140が設置される。例えば、
図3Aに示すように、第1電極113と第2電極との交差箇所以外の電極領域において、第1電極113及び第2電極に第1透明絶縁層140が設置される。
【0058】
例えば、
図3Aに示すように、ベース基板130から離れた第1透明絶縁層140の一側に電気接続部120が設置され、電気接続部120が第1透明絶縁層140の第1電極113(第1電極113における導電部110)に位置する貫通孔141によって第1電極113に電気的に接続され、つまり、第1電極113における導電部110同士がブリッジによって接続される。それと同時に、電気接続部120も第1透明絶縁層140の第2電極(第2電極における導電部)に位置する貫通孔141によって第2電極に電気的に接続される(図示せず)。第1電極113と第2電極との交差箇所以外の電極領域において、電気接続部120は一般的に隣接する導電部110を接続することに用いられるが、本実施例はこれに限らない。
【0059】
例えば、ベース基板130から離れた電気接続部120の一側に更に第2透明絶縁層150が設置される。例えば、第1透明絶縁層140及び第2透明絶縁層150が光学接着剤層、例えば透明光学接着剤であってもよく、絶縁、接着及び保護作用を果たすことができる。本実施例はこれに限らず、例えば、第1透明絶縁層140及び第2透明絶縁層150が更にほかの絶縁材料であってもよい。
【0060】
例えば、
図3Bは本開示の一実施例の一例における
図2AにおけるCD線に沿って切断したXZ平面の部分断面模式図であり、
図3Bに第1電極と第2電極との交差箇所の電極領域の断面図を示す。
図3Bに示すように、本例において、各電気接続部120が導電部110と異なる層に設置される。第1電極113と第2電極114との交差箇所における短絡を防止するために、第1電極113を電気的に接続するための電気接続部120及び第2電極114を電気的に接続するための電気接続部が同一層に設置されるが、第1電極113を電気的に接続するための電気接続部120が第2電極114における導電部110に電気的に接続されることがない。
【0061】
例えば、
図3Bに示すように、第1電極113と第2電極114との交差箇所に、第1電極113を電気的に接続するための電気接続部120が第1電極113における導電部110のみに位置する第1透明絶縁層140の貫通孔141によって第1電極113における導電部110に接続され、つまり、一般的に駆動電極とセンシング電極との交差箇所のブリッジ接続構造と同様であり、そして、
図3Bに示す第2電極114の延在方向、つまりXZ面に垂直である方向に、該第2電極114を形成するように電気接続部120によって隣接する導電部を電気的に接続するが、
図3Bに示す電気接続部120がX方向に沿った隣接する2つの導電部110を電気的にすることがない。
【0062】
本例において、各電気接続部が導電部と異なる層に設置され、つまり、第1電極及び第2電極を形成するように導電部同士をブリッジ接続の方式で電気的に接続することを実現する構造を採用し、それによりタッチパネルの内部応力を効果的に除去して、タッチパネルの耐折り曲げ性を向上させることができる。
【0063】
例えば、
図3Cは本開示の一実施例の別の例における第1電極と第2電極との交差箇所以外の電極領域の部分断面模式図であり、
図3Cに別の例における
図3Aと同様の位置の電極領域の断面模式図を示す。
図3Cに示すように、第1電極113と第2電極との交差箇所以外に、各電気接続部120が導電部110と同一層に設置される。第1電極113と第2電極との交差箇所以外に、導電部110及び電気接続部120がベース基板130に設置され、ベース基板130から離れた導電部110及び電気接続部120の一側に透明絶縁層160が設置され、つまり
図3Aにおける設置された第1透明絶縁層140の材料と同様の材料を用いてもよい。
【0064】
例えば、
図3Cに示す例において、第1電極113と第2電極との交差箇所の電極領域において、第1電極113及び第2電極のうちの少なくとも1つの電気接続部120が導電部110と異なる層に設置される(図示せず)。例えば、第1電極113と第2電極との交差箇所の電極領域において、第1電極113及び第2電極における電気接続部120がいずれも導電部110と異なる層に設置される。例えば、第1電極113と第2電極との交差箇所の電極領域において、第1電極113及び第2電極のうちの一方の電気接続部120が導電部110と異なる層に設置され、第1電極113及び第2電極のうちの他方の電気接続部120が導電部110と同一層に設置される。例えば、
図3Cに示す例において、第1電極113と第2電極との交差箇所の電極領域の部分断面図は
図3Bに示す断面図と同様であるが、第2電極の延在方向、つまりXZ面に垂直である方向に沿って、第2電極における導電部が電気接続部120と同一層に位置してもよいし、異なる層に位置してもよい。
【0065】
本開示のほかの実施例はタッチパネルの製造方法を提供し、
図4は本開示の一実施例に係るタッチパネルの製造方法の模式的なフローチャートであり、具体的に以下のステップを含む。
【0066】
S201、第1導電層を提供する。
【0067】
例えば、ベース基板に第1導電層を形成する。例えば、第1導電層の材料は酸化インジウム(ITO)を含んでもよいが、これに限らず。
【0068】
S202、第1導電層をパターニングすることによって間隔を置いて配列され、かつ、所在領域が電極領域を含む複数の導電部を形成する。
【0069】
例えば、第1導電層に一層のフォトレジストを塗布し、フォトレジストに対して露出、現像等のプロセスを行ってフォトレジストパターンを製造し、次にフォトレジストパターンをマスクとして、第1導電層をエッチングすることにより、間隔を置いて配列される複数の導電部を形成する。導電部を形成した後、フォトレジストパターンを剥離する。
【0070】
例えば、複数の導電部の所在領域は更にダミー領域を含む。
【0071】
例えば、本実施例の一例において、導電層をパターニングして形成した複数の導電部同士は離間されており、接続箇所を有しない。
【0072】
例えば、タッチ領域に形成された各導電部の平面形状及びサイズがいずれも同様である。
【0073】
例えば、形成された複数の導電部をタッチ領域に均一に分布することにより、タッチ領域のモーションブラー除去効果を向上させる。
【0074】
例えば、ダミー領域における導電部が電極領域における導電部と絶縁している。
【0075】
例えば、ダミー領域における複数の導電部によってタッチ領域のコンデンサの均一性を向上させることができる。
【0076】
例えば、形成された複数の導電部のうち、各導電部のエッジが折れ線形であるため、高解像度の有機発光ダイオードと組み合わせるとき、モアレ現象の発生を避けることができる。
【0077】
例えば、形成された導電部の平面形状は矩形、三角形、菱形、正六角形又は円形のうちの1つを含むが、本例はこれを制限しない。
【0078】
例えば、導電部の平面形状の最大寸法が280μmであるが、本例はこれに限らず、実際の製造されたタッチパネルのサイズによって決定される。例えば、本例において、導電部の平面形状が正方形に近似した形状であり、正方形の辺長が200μmである。
【0079】
例えば、隣接する導電部同士の最短距離が各導電部の平面形状の最大寸法より小さい。
【0080】
例えば、隣接する導電部同士の最短距離が10~50μmであり、本実施例は以上の場合を含むが、それに限らない。例えば、隣接する導電部同士の最短距離が30μmである。
【0081】
例えば、導電部に金属層を形成し、金属層をパターニングすることにより、非タッチ領域においてバインディング領域及びバインディング領域に接続するための金属配線を形成する。例えば、非タッチ領域がタッチ領域の周りの周辺領域であってもよい。
【0082】
S203、電極領域に複数の電気接続部を形成し、電極領域に第1方向に沿って延在する複数の第1電極、及び第2方向に沿って延在する複数の第2電極を形成するように電極領域における導電部を電気的に接続し、第1電極と第2電極とを絶縁して設置し、且つ、第2方向に関して各第1電極は少なくとも2つの導電部を含み、第1方向に関して各第2電極は少なくとも2つの導電部を含む。
【0083】
例えば、ダミー領域が第1電極と第2電極との間に位置する。
【0084】
例えば、ベース基板から離れた導電部の一側に絶縁層、つまり第1透明絶縁層を形成し、電極領域に位置する絶縁層に貫通孔を形成し、且つバインディング領域を露出させるようにバインディング領域に位置する絶縁層を透かし彫りにする。
【0085】
例えば、絶縁層及びバインディング領域に第2導電層を形成し、例えば、形成された第2導電層の材料が導電部の材料と同様であってもよいし、導電部の材料と異なってもよい。例えば、導電部の材料が透明導電材料である。
【0086】
例えば、電極領域に位置する第2導電層が貫通孔によって導電部に電気的に接続され、第2導電層をパターニングすることにより、電極領域に複数の電気接続部を形成し、つまり、各電気接続部が導電部と異なる層に形成される。
【0087】
例えば、バインディング領域に形成された第2導電層はバインディング領域の金属層を保護することに用いられる。
【0088】
例えば、導電部の材料が電気接続部の材料と同様であり、例えば、導電部の材料及び電気接続部の材料がいずれも透明導電材料であるため、導電部と電気接続部との電気接続性を向上させることができる。
【0089】
例えば、各電気接続部の延在方向が第1方向及び第2方向に平行しないため、更にタッチパネルのモーションブラー除去効果を向上させることができる。
【0090】
例えば、第1電極と第2電極との交差箇所に、形成された第1電極は第1方向に沿って配列される電気的接続の少なくとも2列の導電部を含み、形成された第2電極は第2方向に沿って配列される電気的接続の少なくとも2列の導電部を含む。このため、第1電極と第2電極との交差箇所に、いずれか1つの電極における電気的接続の1列の導電部の電気接続部が破断したとき、少なくとも1列の導電部全体が依然として電気接続状態にあり、従って良いタッチ機能を実現することができる。
【0091】
例えば、本実施例の別の例において、パターニングにより導電部を形成すると同時に、一部の電気接続部を形成することができ、つまり、第1導電層をパターニングすることにより、第1電極と第2電極との交差箇所以外の領域における導電部の間に電気接続部を同一層に形成することができる。
【0092】
例えば、本例において、第1電極と第2電極との交差箇所に、第1電極及び第2電極のうちの少なくとも1つの電気接続部が導電部と異なる層に形成される。例えば、第1電極及び第2電極のうちの一方の電気接続部が導電部と同一層に形成され、第1電極及び第2電極のうちの他方の電気接続部が導電部と異なる層に形成され、つまり、第1電極及び第2電極のうちの一方の電気接続部が導電部と同一層に形成されるが、第1電極及び第2電極のうちの他方の複数の導電部が別の層に形成された電気接続部によってブリッジによる接続を実現する。
【0093】
例えば、本例において、第1電極と第2電極との交差箇所に、第1電極及び第2電極の電気接続部がいずれも導電部と異なる層に形成され、つまり、第1電極及び第2電極のうち、各電極における導電部がいずれも別の層に形成された電気接続部によってブリッジによる接続を実現する。
【0094】
例えば、本実施例に係るタッチパネルの製造方法で製造されたタッチパネルはフレキシブルタッチパネルであってもよい。
【0095】
本実施例に形成されたタッチパネルにおけるタッチ電極、つまり第1電極及び第2電極は大寸法のITOブロックを用いずに、間隔を置いて配列される小寸法の複数の導電部を用いて、電気接続部によって電極領域に位置する導電部を電気的に接続することにより、第1電極及び第2電極を形成し、それによりタッチパネルにおける内部応力を効果的に除去し、タッチパネルの耐折り曲げ性を向上させることができる。一方、第1電極と第2電極との間のダミー領域には間隔を置いて配列される複数の小寸法の導電部が含まれるため、第1電極と第2電極との間の相互容量の値を調整することができる。
【0096】
本開示のほかの実施例は表示装置を提供し、上記実施例に係るいずれか1つのタッチパネルを含み、タッチパネルにおけるタッチ電極は大寸法のITOブロックを用いずに、間隔を置いて配列される複数の小寸法の導電部を用いて、電気接続部によって電極領域に位置する導電部を電気的に接続することにより、第1電極及び第2電極を形成し、それによりタッチパネルにおける内部応力を効果的に除去し、タッチパネルの耐折り曲げ性を向上させることができる。
【0097】
例えば、該表示装置はフレキシブル表示装置、例えば、液晶表示装置、有機発光ダイオード(Organic Light-Emitting Diode、OLED)表示装置等の表示デバイス及び該表示装置を含むテレビ、デジタルカメラ、携帯電話、腕時計、タブレットPC、ノートパソコン、カーナビゲーション等の表示機能を有する任意の製品又は部材であってもよいが、本実施例はこれに限らない。
【0098】
なお、
(1)特に定義しない限り、本開示の実施例及び図面において、同一番号が同一意味を示す。
(2)本開示の実施例の図面において、本開示の実施例に関わる構造のみに関し、ほかの構造は通常の設計を参照すればよい。
(3)明瞭にするために、本開示の実施例を説明するための図面において、層又は領域が拡大される。層、膜、領域又は基板のような素子は別の素子の「上」又は「下」に位置すると称されるとき、該素子が別の素子の「上」又は「下」に「直接」位置してもよいし、中間素子が存在してもよいと理解される。
【0099】
以上の説明は、本開示の具体的な実施形態に過ぎず、本開示の保護範囲を制限するものではなく、当業者が本開示に開示された技術的範囲内に容易に想到し得る変更又は置換は、いずれも本開示の保護範囲内に含まれるべきである。従って、本開示の保護範囲は前記特許請求の保護範囲に準じるべきである。
【0100】
本願は、2017年8月11日に提出した中国特許出願第201710684332.X号の優先権を主張し、ここで、上記中国特許出願に開示されている全内容が本願の一部として援用される。
【符号の説明】
【0101】
11 第1タッチ電極
12 第2タッチ電極
13 ブリッジ接続構造
100 タッチ領域
110 導電部
111 電極領域
112 ダミー領域
113 第1電極
114 第2電極
120 電気接続部
130 ベース基板
140 第1透明絶縁層
141 貫通孔
150 第2透明絶縁層
160 透明絶縁層