(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-28
(45)【発行日】2023-03-08
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
A63F 13/69 20140101AFI20230301BHJP
A63F 13/79 20140101ALI20230301BHJP
A63F 13/792 20140101ALI20230301BHJP
【FI】
A63F13/69 510
A63F13/79
A63F13/792
(21)【出願番号】P 2019022575
(22)【出願日】2019-02-12
【審査請求日】2021-11-11
(73)【特許権者】
【識別番号】595000427
【氏名又は名称】株式会社コーエーテクモゲームス
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】大橋 竜之介
【審査官】鈴木 智之
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-055997(JP,A)
【文献】特開2017-055996(JP,A)
【文献】特開2014-188166(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/24
A63F 13/00-13/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレイヤがゲーム内で所持している所持アイテムを使用するゲームを、プレイヤにプレイさせる情報処理装置であって、
プレイヤによるアイテムの入手操作に基づき、1つ以上のアイテムを選択するアイテム選択部と、
選択された前記アイテムを、プレイヤが試用できる試用アイテムとして登録する試用登録部と、
プレイヤが所持している所持アイテム及びプレイヤが試用できる試用アイテムを使用するゲームをプレイヤに実行させるゲーム制御部と、
プレイヤによる購入操作を受け付けた試用アイテムをプレイヤが所持している所持アイテムとして登録し、試用アイテムの購入操作を受け付けなかった試用アイテムの登録を解除する購入制御部と、
を有
し、
前記購入制御部は、試用アイテムとして登録されてから所定期間が過ぎた後、所定回数の試用があった後、又はプレイヤがゲームに勝利した後、試用アイテムの購入操作をプレイヤから受け付けることと、ゲーム内のレベルが高いプレイヤよりもレベルが低いプレイヤの方が、前記所定期間を長く、又は前記所定回数を多く設定することと
を特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
プレイヤがゲーム内で所持している所持アイテムを使用するゲームを、プレイヤにプレイさせる情報処理装置であって、
プレイヤによるアイテムの入手操作に基づき、1つ以上のアイテムを選択するアイテム選択部と、
選択された前記アイテムを、プレイヤが試用できる試用アイテムとして登録する試用登録部と、
プレイヤが所持している所持アイテム及びプレイヤが試用できる試用アイテムを使用するゲームをプレイヤに実行させるゲーム制御部と、
プレイヤによる購入操作を受け付けた試用アイテムをプレイヤが所持している所持アイテムとして登録し、試用アイテムの購入操作を受け付けなかった試用アイテムの登録を解除する購入制御部と、
を有し、
前記購入制御部は、試用アイテムとして登録されてからの経過期間が長いよりも短い方が試用アイテムを購入するための対価が少ないこと
を特徴とす
る情報処理装置。
【請求項3】
前記アイテム選択部は、アイテムの抽選操作に基づき、複数のアイテムの中から抽選により1つ以上のアイテムを選択すること
を特徴とする請求項1
又は2記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記ゲーム制御部は、ゲームの実行に使用した前記所持アイテムのレベルを上昇させる処理を、ゲームの実行に使用した前記試用アイテムに対しても行うこと
を特徴とする請求項1乃至
3何れか一項記載の情報処理装置。
【請求項5】
プレイヤがゲーム内で所持している所持アイテムを使用するゲームを、プレイヤにプレイさせる情報処理装置が、
プレイヤによるアイテムの入手操作に基づき、1つ以上のアイテムを選択するアイテム選択ステップと、
選択された前記アイテムを、プレイヤが試用できる試用アイテムとして登録する試用登録ステップと、
プレイヤが所持している所持アイテム及びプレイヤが試用できる試用アイテムを使用するゲームをプレイヤに実行させるゲーム制御ステップと、
プレイヤによる購入操作を受け付けた試用アイテムをプレイヤが所持している所持アイテムとして登録し、試用アイテムの購入操作を受け付けなかった試用アイテムの登録を解除する購入操作受付ステップと、
を実行
し、
前記購入操作受付ステップは、試用アイテムとして登録されてから所定期間が過ぎた後、所定回数の試用があった後、又はプレイヤがゲームに勝利した後、試用アイテムの購入操作をプレイヤから受け付けることと、ゲーム内のレベルが高いプレイヤよりもレベルが低いプレイヤの方が、前記所定期間を長く、又は前記所定回数を多く設定することと
を特徴とする情報処理方法。
【請求項6】
プレイヤがゲーム内で所持している所持アイテムを使用するゲームを、プレイヤにプレイさせる情報処理装置が、
プレイヤによるアイテムの入手操作に基づき、1つ以上のアイテムを選択するアイテム選択ステップと、
選択された前記アイテムを、プレイヤが試用できる試用アイテムとして登録する試用登録ステップと、
プレイヤが所持している所持アイテム及びプレイヤが試用できる試用アイテムを使用するゲームをプレイヤに実行させるゲーム制御ステップと、
プレイヤによる購入操作を受け付けた試用アイテムをプレイヤが所持している所持アイテムとして登録し、試用アイテムの購入操作を受け付けなかった試用アイテムの登録を解除する購入操作受付ステップと、
を実行し、
前記購入操作受付ステップは、試用アイテムとして登録されてからの経過期間が長いよりも短い方が試用アイテムを購入するための対価が少ないこと
を特徴とする情報処理方法。
【請求項7】
プレイヤがゲーム内で所持している所持アイテムを使用するゲームを、プレイヤにプレイさせる情報処理装置を、
プレイヤによるアイテムの入手操作に基づき、1つ以上のアイテムを選択するアイテム選択部、
選択された前記アイテムを、プレイヤが試用できる試用アイテムとして登録する試用登録部、
プレイヤが所持している所持アイテム及びプレイヤが試用できる試用アイテムを使用するゲームをプレイヤに実行させるゲーム制御部、
プレイヤによる購入操作を受け付けた試用アイテムをプレイヤが所持している所持アイテムとして登録し、試用アイテムの購入操作を受け付けなかった試用アイテムの登録を解除する購入制御部、
として機能させ
、
前記購入制御部は、試用アイテムとして登録されてから所定期間が過ぎた後、所定回数の試用があった後、又はプレイヤがゲームに勝利した後、試用アイテムの購入操作をプレイヤから受け付けることと、ゲーム内のレベルが高いプレイヤよりもレベルが低いプレイヤの方が、前記所定期間を長く、又は前記所定回数を多く設定することと
を特徴とするプログラム。
【請求項8】
プレイヤがゲーム内で所持している所持アイテムを使用するゲームを、プレイヤにプレイさせる情報処理装置を、
プレイヤによるアイテムの入手操作に基づき、1つ以上のアイテムを選択するアイテム選択部、
選択された前記アイテムを、プレイヤが試用できる試用アイテムとして登録する試用登録部、
プレイヤが所持している所持アイテム及びプレイヤが試用できる試用アイテムを使用するゲームをプレイヤに実行させるゲーム制御部、
プレイヤによる購入操作を受け付けた試用アイテムをプレイヤが所持している所持アイテムとして登録し、試用アイテムの購入操作を受け付けなかった試用アイテムの登録を解除する購入制御部、
として機能させ、
前記購入制御部は、試用アイテムとして登録されてからの経過期間が長いよりも短い方が試用アイテムを購入するための対価が少ないこと
を特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ゲーム内でプレイヤが使用するアイテムをプレイヤに購入させる、ガチャと呼ばれる仕組みや、パック販売等がある。従来のガチャやパック販売等は、ランダムな確率に基づいてアイテムを提供するため、提供されるアイテムがプレイヤの所望するアイテムと異なる場合があった。
【0003】
このため、ガチャの結果により提供されるアイテムを見てから、アイテムを購入するか否かをプレイヤが決定できる後払いガチャと呼ばれる仕組みがあった(例えば非特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【文献】"「後払いガチャ」なるアプリ課金システムが画期的と話題に ガチャの結果を先に表示、お金を払うかはユーザー次第"、[online]、平成30年09月01日、ITmedia Inc.、[平成31年11月22日検索]、インターネット<URL:http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1809/01/news020.html>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、プレイヤはゲーム内で実際に使用してみなければ、提供されるアイテムが所望するアイテムであるか判断できない場合があった。なお、非特許文献1に記載の後払いガチャの仕組みであっても、プレイヤは提供されるアイテムが所望するアイテムであるか判断できない場合があるという問題を解消できない。
【0006】
本開示は、ゲーム内で使用するアイテムを試用した後で購入できる新たな仕組みを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一の態様によれば、プレイヤがゲーム内で所持している所持アイテムを使用するゲームを、プレイヤにプレイさせる情報処理装置であって、プレイヤによるアイテムの入手操作に基づき、1つ以上のアイテムを選択するアイテム選択部と、選択された前記アイテムを、プレイヤが試用できる試用アイテムとして登録する試用登録部と、プレイヤが所持している所持アイテム及びプレイヤが試用できる試用アイテムを使用するゲームをプレイヤに実行させるゲーム制御部と、プレイヤによる購入操作を受け付けた試用アイテムをプレイヤが所持している所持アイテムとして登録し、試用アイテムの購入操作を受け付けなかった試用アイテムの登録を解除する購入制御部と、を有し、前記購入制御部は、試用アイテムとして登録されてから所定期間が過ぎた後、所定回数の試用があった後、又はプレイヤがゲームに勝利した後、試用アイテムの購入操作をプレイヤから受け付けることと、ゲーム内のレベルが高いプレイヤよりもレベルが低いプレイヤの方が、前記所定期間を長く、又は前記所定回数を多く設定することとを特徴とする情報処理装置が提供される。
【発明の効果】
【0008】
一の側面によれば、ゲーム内で使用するアイテムを試用した後で購入できる新たな仕組みを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】一実施形態に係るゲームシステムの一例を示す図である。
【
図2】一実施形態に係るクライアントのハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図3】一実施形態に係るサーバのハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図4】一実施形態に係るクライアントの機能構成の一例を示す図である。
【
図5】一実施形態に係るサーバの機能構成の一例を示す図である。
【
図6】アイテムテーブルについて説明する一例の図である。
【
図7】一実施形態に係るゲームシステムのアイテムの試用と購入に関する処理の一例のフローチャートである。
【
図8】本実施形態に係る購入操作受付画面の一例を示す図である。
【
図9】一実施形態に係るゲームシステムのアイテムの試用と購入に関する処理の一例のフローチャートである。
【
図10】一実施形態に係るゲームシステムのアイテムの試用と購入に関する処理の一例のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示を実施するための形態について図面を参照して説明する。本実施形態ではプレイヤがゲームで利用するアイテムであって、ランダムな確率に基づいて選択したアイテムをガチャやパック販売によりプレイヤに購入させる例について説明する。
【0011】
なお、ランダムな確率に基づいてアイテムを選択する処理は選択対象である複数のアイテムからプレイヤに提供する1つ以上のアイテムを選択する情報処理である。また、アイテムはプレイヤがゲーム内で利用する電子的な媒体であって、ゲーム内で利用する電子的なアイテム、カード、キャラクタ、武器、防具などを含む。
【0012】
[ゲームシステム]
まず、一実施形態に係るゲームシステム10について、
図1を参照して説明する。一実施形態に係るゲームシステム10は、クライアント20とサーバ30とがネットワーク40を介して通信可能に接続された構成である。
【0013】
クライアント20はプレイヤがゲームをプレイする情報処理装置の一例である。情報処理装置はスマートフォンなどの携帯電話機、携帯ゲーム機、パーソナルコンピュータ、タブレット端末、家庭用ゲーム装置、業務用ゲーム装置等である。クライアント20はプレイヤからの操作をタッチパネル、コントローラ、マウス、キーボード等で受け付け、プレイヤにゲームをプレイさせる。なお、クライアント20の個数は3つに限定されるものではなく、3つ以外であってもよい。
【0014】
サーバ30はクライアント20との間でデータを送受信することで、ゲームに必要な機能をクライアント20に提供する情報処理装置の一例である。サーバ30はクラウドコンピュータにより実現してもよい。なお、
図1に示したサーバ30の個数は、1つに限定されるものではなく、2つ以上で分散処理してもよい。
【0015】
例えばサーバ30はクライアント20へのゲームプログラム(アプリケーション)のダウンロード処理やプレイヤのログイン処理、プレイヤ情報やゲームスコアの管理、プレイヤに提供するアイテムの選択処理、プレイヤによるアイテムの試用と購入に関する処理などに利用される。
【0016】
図2は、クライアント20のハードウェア構成の一例を示す図である。クライアント20は、CPU(Central Processing Unit)121、記憶装置122、通信装置123、入力装置124及び表示装置125を有する。CPU121は、クライアント20を制御する。記憶装置122は、例えばROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などのメモリ、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)などのストレージである。
【0017】
通信装置123は、通信を制御するネットワーク回路などの通信デバイスである。入力装置124は、タッチパッド、コントローラ、マウス、キーボード、カメラ、マイクなどの入力デバイスである。また、表示装置125はディスプレイ、スピーカなどの出力デバイスである。タッチパネルはタッチパッドとディスプレイとを組み合わせることで実現される。
【0018】
図3は、サーバ30のハードウェア構成の一例を示す図である。サーバ30は、CPU131、記憶装置132及び通信装置133を有する。CPU131は、サーバ30を制御する。記憶装置132は、例えばROMやRAMなどのメモリ、HDDやSSDなどのストレージである。通信装置133は、通信を制御するネットワークカードなどの通信デバイスである。
【0019】
図4はクライアント20の機能構成の一例を示す図である。クライアント20は、記憶部21、制御部22、操作部23、表示部24及び端末側通信部25を有する。記憶部21は、後述するアイテムテーブル26、ゲームプログラム27などのプログラム、そのプログラムが利用するデータなどを記憶している。なお、記憶部21は、記憶装置122により実現されてもよいし、ネットワーク40を介して接続された記憶装置により実現されてもよい。
【0020】
図4に戻り、制御部22はクライアント20の全体の制御を行う。制御部22はCPU121がゲームプログラム27に記載された処理を実行することにより実現される。操作部23は入力装置124に対するプレイヤの各種操作を受け付ける。表示部24は表示装置125にゲーム画像を表示する。なお、操作部23はCPU121が入力装置124を制御することで実現される。また、表示部24は、CPU121が表示装置125を制御することで実現される。
【0021】
ここで入力装置124に対するプレイヤの各種操作とは、CPU121に処理を実行させるため、プレイヤが操作部23を操る操作をいう。操作部23はゲームをプレイするプレイヤから各種操作を受け付ける。制御部22はプレイヤから受け付けた各種操作に基づき、ゲームを進行させる。表示部24は制御部22が生成した後述のようなゲーム画像を表示する。端末側通信部25は、サーバ30と通信する。端末側通信部25はCPU121がゲームプログラム27を実行し、ゲームプログラム27に従って通信装置123を制御することで実現される。
【0022】
図5は、サーバ30の機能構成の一例を示す図である。
図5のサーバ30は、記憶部31、サーバ制御部32及びサーバ側通信部33を有する。記憶部31は、ゲームプログラム51、サーバプログラム52などのプログラム、そのプログラムが利用するデータ、後述するアイテムテーブル53などを記憶している。記憶部31は記憶装置132により実現されてもよいし、ネットワーク40を介して接続された記憶装置により実現されてもよい。
【0023】
図5に戻り、サーバ制御部32は、サーバ30の全体の制御を行う。サーバ制御部32は、CPU131がサーバプログラム52に記載された処理を実行することにより実現される。
【0024】
例えば、サーバ制御部32は記憶部31に記憶されているゲームプログラム51、そのゲームプログラム51が利用するデータや後述するアイテムテーブル53をクライアント20へダウンロードさせるダウンロード処理を行う。
【0025】
また、サーバ制御部32のアイテム選択部54はガチャやパック販売等によりプレイヤに提供するアイテムの選択処理を行う。試用登録部55は、プレイヤに提供するアイテムの試用に関する処理を行う。ゲーム制御部56はプレイヤが所持する所持アイテムとプレイヤが試用できる試用アイテムとを使用するゲームをプレイヤに実行させる。購入制御部57は、プレイヤに試用させたアイテムの購入に関する処理を行う。
【0026】
また、サーバ側通信部33はクライアント20と通信する。サーバ側通信部33は、CPU131がサーバプログラム52を実行し、サーバプログラム52に従って通信装置133を制御することで実現される。
【0027】
クライアント20のアイテムテーブル26は、そのクライアント20を操作するプレイヤのアイテムテーブルを有する。また、サーバ30のアイテムテーブル53はゲームシステム10を利用するプレイヤのアイテムテーブルを有する。ここでは、クライアント20のアイテムテーブル26を一例として説明する。
【0028】
図6はアイテムテーブル26について説明する一例の図である。本実施形態のゲームシステム10では、クライアント20を操作するプレイヤに購入前のアイテムを試用させる機能を提供するため、
図6のアイテムテーブル26を利用する。
【0029】
図6に示すようにアイテムテーブル26は項目として、アイテムID、試用フラグ、残り試用期間、残り試用回数、を有している。アイテムIDは、アイテムを一意に識別するための識別情報の一例である。試用フラグは、アイテムが所持アイテムであるか試用アイテムであるかを示す情報である。残り試用期間は、試用アイテムを試用できる残りの期間を表している。残り試用回数は、試用アイテムを試用できる残りの回数を表している。
【0030】
なお、
図6のアイテムテーブル26は、プレイヤに試用アイテムを購入するか否かを判断させるタイミングを設定した情報の一例として、残り試用回数及び残り試用回数を設定しているが、その他の情報であってもよい。例えばプレイヤに試用アイテムを購入するか否かを判断させるタイミングは、例えば試用アイテムを試用したゲームの勝利の回数などであってもよい。このように、試用アイテムはプレイヤが使い続けられないように、プレイヤが購入するか否かを判断しなければならないタイミングが設定されている。
【0031】
なお、プレイヤに試用アイテムを購入するか否かを判断させるタイミングは、全てのプレイヤに対して一定に設定してもよいし、例えばプレイヤのランクなどに基づき、可変に設定してもよい。例えばゲームに慣れていないと考えられるランクの低いプレイヤに対しては、試用アイテムの試用が多くできるように、プレイヤに試用アイテムを購入するか否かを判断させるタイミングを設定するようにしてもよい。
【0032】
[ゲーム動作]
次に、クライアント20でプレイヤによりプレイされるゲームのアイテムの試用と購入に関する処理について
図7を参照しながら説明する。
図7は、一実施形態に係るゲームシステム10のアイテムの試用と購入に関する処理の一例のフローチャートである。
【0033】
クライアント20を操作するプレイヤはゲーム内で使用するアイテムを新たに入手したい場合、クライアント20に対してアイテムの入手操作を行う。アイテムの入手操作は例えばガチャやパック販売などのランダムな確率に基づいてアイテムを入手するための操作であってもよいし、プレイヤの選択に基づいてアイテムを入手するための操作であってもよい。
【0034】
プレイヤによるアイテムの入手操作をクライアント20から受け付けたサーバ30は選択対象である複数のアイテムからプレイヤに提供するアイテムを選択するアイテム選択処理を行う(S12)。サーバ30はステップS12で選択したアイテムを試用アイテムとしてアイテムテーブル53に登録する試用登録処理を行う(S14)。また、ステップS14の試用登録処理ではクライアント20のアイテムテーブル26にもステップS12で選択したアイテムを試用アイテムとして登録する。プレイヤによるアイテムの入手操作をクライアント20から受け付けていないサーバ30はステップS12及びステップS14の処理をスキップする。
【0035】
なお、アイテムテーブル26及び53に登録された試用アイテムは、登録されてからの期間の経過やプレイヤによるゲームでの試用により残り試用期間や残り試用回数が減少していく。
【0036】
サーバ30は残り試用期間や残り試用回数が無くなった試用アイテムがアイテムテーブル26及び53にあるか否かを判定する(S16)。残り試用期間や残り試用回数が無くなった試用アイテムがアイテムテーブル26及び53に無ければ、サーバ30はステップS10に戻り、処理を続ける。
【0037】
残り試用期間や残り試用回数が無くなった試用アイテムがアイテムテーブル26及び53にあればサーバ30は、試用期間又は試用回数が無くなった試用アイテムの購入操作受付処理を行う(S18)。試用期間又は試用回数が無くなった試用アイテムの購入操作受付処理は、例えば
図8の購入操作受付画面1000をプレイヤが操作するクライアント20に表示し、プレイヤによる試用アイテムを購入する購入操作又は試用アイテムを購入しない非購入操作をクライアント20から受け付ける。
【0038】
プレイヤによる試用アイテムを購入する購入操作を受け付けたサーバ30は、アイテムテーブル26及び53の試用フラグを「off」に更新することにより、購入操作を受け付けた試用アイテムを所持アイテムに変更する(S22)。また、プレイヤによる試用アイテムを購入する購入操作を受け付けなかったサーバ30は、試用期間又は試用回数が無くなった試用アイテムをアイテムテーブル26及び53から削除する(S24)。
【0039】
このように、
図7のフローチャートの処理によれば、プレイヤは入手したアイテムを試用期間又は試用回数が無くなるまで試用することができ、試用した後でアイテムを購入するか否かを判断できる。アイテムを購入する前に試用できるので、アイテムの使用感がプレイヤの想像と異なることや、プレイヤの所持アイテムとの相性が悪いことが、アイテムの購入後に分かり、プレイヤが後悔することを防ぐことができる。
【0040】
また、プレイヤは、お試し気分でアイテムを入手し、色々なアイテムを試用することができるので、気に入るアイテムに出会う確率が高まる。したがって、本実施形態によればプレイヤに対するアイテムの販売が促進されると共に、ユーザ満足度も向上することができる。
【0041】
図7のフローチャートでは、試用期間又は試用回数が無くなった試用アイテムの購入操作受付処理を行う例を説明したが、例えば
図9に示すように、ゲームの勝利により試用アイテムの購入操作受付処理を行うようにしてもよい。
【0042】
図9は一実施形態に係るゲームシステム10のアイテムの試用と購入に関する処理の一例のフローチャートである。ステップS30~S34の処理は
図7のステップS10~S14の処理と同一であるため、説明を省略する。
【0043】
サーバ30はゲームに勝利したか否かを判定する(S36)。ゲームに勝利していなければサーバ30はステップS30に戻り、処理を続ける。ゲームに勝利していればサーバ30は、勝利したゲームに使用した試用アイテムの購入操作受付処理を行う(S38)。勝利したゲームに使用した試用アイテムの購入操作受付処理は、購入操作受付画面をプレイヤが操作するクライアント20に表示し、プレイヤによる試用アイテムを購入する購入操作又は試用アイテムを購入しない非購入操作をクライアント20から受け付ける。
【0044】
プレイヤによる試用アイテムを購入する購入操作を受け付けたサーバ30は、アイテムテーブル26及び53の試用フラグを「off」に更新することにより、勝利したゲームに使用した試用アイテムを所持アイテムに変更する(S42)。また、プレイヤによる試用アイテムを購入する購入操作を受け付けなかったサーバ30は、勝利したゲームに使用した試用アイテムをアイテムテーブル26及び53から削除する(S44)。
【0045】
図7のフローチャートでは、試用期間又は試用回数が無くなった試用アイテムの購入操作受付処理を行う例を説明したが、例えば
図10のように、プレイヤからの試用アイテムの購入操作開始指示により試用アイテムの購入操作受付処理を行うようにしてもよい。
【0046】
図10は一実施形態に係るゲームシステム10のアイテムの試用と購入に関する処理の一例のフローチャートである。クライアント20を操作するプレイヤは試用期間又は試用回数が無くなる前の試用アイテムの購入操作を開始したい場合、クライアント20に対して試用アイテムの購入操作開始指示を行う。プレイヤによる試用アイテムの購入操作開始指示をクライアント20から受け付けたサーバ30は、プレイヤの試用アイテムの購入操作受付処理を行う(S52)。
【0047】
プレイヤによる試用アイテムを購入する購入操作を受け付けたサーバ30は、アイテムテーブル26及び53の試用フラグを「off」に更新することにより、購入操作を受け付けた試用アイテムを所持アイテムに変更する(S56)。また、プレイヤによる試用アイテムを購入する購入操作を受け付けなかったサーバ30はステップS56の処理をスキップする。
【0048】
このように、
図10のフローチャートの処理によれば、プレイヤは入手したアイテムを試用期間又は試用回数が無くなる前に購入することができる。このような場合は、残り試用期間又は残り試用回数が多いほど、試用アイテムを購入する対価を多く割引するようにすることもできる。
【0049】
また、
図10のフローチャートによれば、例えば使用した所持アイテムに経験値が付与されるゲームであって、試用アイテムに経験値が付与されないゲームであれば、プレイヤは購入の意思が固まった時点で試用アイテムを購入できる。なお、使用した所持アイテムに経験値が付与されると共に、試用アイテムにも経験値が付与され、購入により所持アイテムに変更される試用アイテムの経験値を、所持アイテムの経験値として引き継げるようにしてもよい。
【0050】
以上、本実施形態によれば、ゲーム内で使用するアイテムを試用した後で購入できる新たな仕組みを提供できる。
【0051】
開示した一実施形態のゲームシステム10、クライアント20及びサーバ30は例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。上記の実施形態は添付の請求の範囲及びその主旨を逸脱することなく、様々な形態で変形及び改良が可能である。また、上記した複数の実施形態に記載された事項は、矛盾しない範囲で他の構成も取り得ることができ、また、矛盾しない範囲で組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0052】
10 ゲームシステム
20 クライアント
21 記憶部
22 制御部
23 操作部
24 表示部
25 端末側通信部
26 アイテムテーブル
27 ゲームプログラム
30 サーバ
31 記憶部
32 サーバ制御部
33 サーバ側通信部
40 ネットワーク
51 ゲームプログラム
52 サーバプログラム
53 アイテムテーブル
54 アイテム選択部
55 試用登録部
56 ゲーム制御部
57 購入制御部