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特許7235532医療用画像処理装置、画像処理方法およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-28
(45)【発行日】2023-03-08
(54)【発明の名称】医療用画像処理装置、画像処理方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/045 20060101AFI20230301BHJP
   G02B 23/24 20060101ALI20230301BHJP
   G06T 3/40 20060101ALI20230301BHJP
【FI】
A61B1/045 610
A61B1/045 613
G02B23/24 B
G06T3/40 700
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2019032069
(22)【出願日】2019-02-25
(65)【公開番号】P2020130884
(43)【公開日】2020-08-31
【審査請求日】2021-12-03
(73)【特許権者】
【識別番号】313009556
【氏名又は名称】ソニー・オリンパスメディカルソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】道畑 泰平
【審査官】▲高▼木 尚哉
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2012/008299(WO,A1)
【文献】特開2003-019131(JP,A)
【文献】国際公開第2016/098716(WO,A1)
【文献】特開平11-341485(JP,A)
【文献】国際公開第2018/179979(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 1/00-1/32
G02B 23/24-23/26
G06T 3/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
メモリおよびハードウェアからなる少なくとも1つ以上のプロセッサを備え、
前記プロセッサは、
外部から入力された被検体を撮像することによって生成された所定の画素数からなる第1の観察画像情報に対して、画素数の拡大処理または画素数の縮小処理を行って前記所定の画素数と異なる画素数を有する第2の観察画像情報を生成し、
前記第2の観察画像情報に対して、前記第2の観察画像情報に対応する第2の観察画像に含まれる前記被検体の構造を強調する強調処理を行って第3の観察画像情報を生成し、
前記第3の観察画像情報に対して画素数の拡大処理または画素数の縮小処理を行って前記第2の観察画像情報の画素数と異なる画素数を有する第4の観察画像情報を生成し、
前記第3の観察画像情報を、前記第3の観察画像情報の画素数に対応する解像度を有する第1の表示装置が接続される第1の回路へ出力し、
前記第4の観察画像情報を、前記第1の表示装置の解像度とは異なる解像度であって、前記第4の観察画像情報の画素数に対応する解像度を有する第2の表示装置が接続される第2の回路へ出力する、
医療用画像処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の医療用画像処理装置であって、
前記プロセッサは、
前記第1の観察画像情報に対して前記画素数の拡大処理を行って前記第2の観察画像情報を生成し、
前記第3の観察画像情報に対して前記画素数の拡大処理を行って前記第4の観察画像情報を生成する、
医療用画像処理装置。
【請求項3】
請求項に記載の医療用画像処理装置であって、
前記第1の観察画像情報は、FullHD画像の画素数以下より少ない画素数を有し、
前記プロセッサは、
前記第1の観察画像情報に対して前記画素数の拡大処理を行ってFullHD画像の画素数と同じ画素数を有する前記第2の観察画像情報を生成し、
FullHD画像の画素数と同じ画素数を有する前記第3の観察画像情報に対して前記画素数の拡大処理を行って4K画像の画素数と同じ画素数を有する前記第4の観察画像情報を生成する、
医療用画像処理装置。
【請求項4】
請求項1に記載の医療用画像処理装置であって、
前記プロセッサは、
前記第1の観察画像情報に対して前記画素数の拡大処理を行って前記第2の観察画像情報を生成し、
前記第3の観察画像情報に対して前記画素数の縮小処理を行って前記第4の観察画像情報を生成する、
医療用画像処理装置。
【請求項5】
請求項に記載の医療用画像処理装置であって、
前記第1の観察画像情報は、FullHD画像の画素数以下より少ない画素数を有し、
前記プロセッサは、
前記第1の観察画像情報に対して前記画素数の拡大処理を行って4K画像の画素数と同じ画素数を有する前記第2の観察画像情報を生成し、
4K画像の画素数と同じ画素数を有する前記第3の観察画像情報に対して前記画素数の縮小処理を行ってFullHD画像の画素数と同じ画素数を有する前記第4の観察画像情報を生成する、
医療用画像処理装置。
【請求項6】
メモリおよびハードウェアからなる少なくとも1つ以上のプロセッサを備える医療用画像処理装置が実行する画像処理方法であって、
前記プロセッサが、
外部から入力された被検体を撮像することによって生成された所定の画素数からなる第1の観察画像情報に対して、画素数の拡大処理または画素数の縮小処理を行って前記所定の画素数と異なる画素数を有する第2の観察画像情報を生成し、
前記第2の観察画像情報に対して、前記第2の観察画像情報に対応する第2の観察画像に含まれる前記被検体の構造を強調する強調処理を行って第3の観察画像情報を生成し、
前記第3の観察画像情報に対して画素数の拡大処理または画素数の縮小処理を行って前記第2の観察画像情報の画素数と異なる画素数を有する第4の観察画像情報を生成し、
前記第3の観察画像情報を、前記第3の観察画像情報の画素数に対応する解像度を有する第1の表示装置が接続される第1の回路へ出力し、
前記第4の観察画像情報を、前記第1の表示装置の解像度とは異なる解像度であって、前記第4の観察画像情報の画素数に対応する解像度を有する第2の表示装置が接続される第2の回路へ出力する、
画像処理方法。
【請求項7】
メモリおよびハードウェアからなる少なくとも1つ以上のプロセッサを備える医療用画像処理装置に実行させるプログラムであって、
前記プロセッサに、
外部から入力された被検体を撮像することによって生成された所定の画素数からなる第1の観察画像情報に対して、画素数の拡大処理または画素数の縮小処理を行って前記所定の画素数と異なる画素数を有する第2の観察画像情報を生成させ、
前記第2の観察画像情報に対して、前記第2の観察画像情報に対応する第2の観察画像に含まれる前記被検体の構造を強調する強調処理を行って第3の観察画像情報を生成させ、
前記第3の観察画像情報に対して画素数の拡大処理または画素数の縮小処理を行って前記第2の観察画像情報の画素数と異なる画素数を有する第4の観察画像情報を生成させ、
前記第3の観察画像情報を、前記第3の観察画像情報の画素数に対応する解像度を有する第1の表示装置が接続される第1の回路へ出力させ、
前記第4の観察画像情報を、前記第1の表示装置の解像度とは異なる解像度であって、前記第4の観察画像情報の画素数に対応する解像度を有する第2の表示装置が接続される第2の回路へ出力させる、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、被検体を撮像した観察画像情報に対して画像処理を行う医療用画像処理装置、画像処理方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、内視鏡では、CCD(Charge Coupled Device)から出力されたデジタルの画像に対して拡大処理を行った後に、エンハンス処理を行って表示装置へ出力する技術が知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平7-148111号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、近年、内視鏡では、解像度が異なる複数の表示装置の各々に、表示装置の解像度に応じた画像を生成することによって出力している。しかしながら、上述した特許文献1では、一種類の解像度の表示装置のみしか想定されていないため、解像度が異なる複数の表示装置へ画像を出力した場合、画像の輪郭がボケたり、ノイズが持ち上がってしまったりする問題点があった。
【0005】
本開示は、上記に鑑みてなされたものであって、解像度が異なる複数の表示装置へ画像を出力する場合であっても、画像の輪郭がボケることを防止するとともに、ノイズを低減することができる医療用画像処理装置、画像処理方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示に係る医療用画像処理装置は、メモリおよびハードウェアからなる少なくとも1つ以上のプロセッサを備え、前記プロセッサは、外部から入力された被検体を撮像することによって生成された所定の画素数からなる第1の観察画像情報に対して、拡大処理または縮小処理を行って前記所定の画素数と異なる第2の観察画像情報を生成し、前記第2の観察画像情報に対して、前記第2の観察画像情報に対応する第2の観察画像に含まれる前記被検体の構造を強調する強調処理を行って第3の観察画像情報を生成し、前記第3の観察画像情報に対して拡大処理または縮小処理を行って前記第2の観察画像情報の画素数と異なる第4の観察画像情報を生成して出力する。
【0007】
また、本開示に係る医療用画像処理装置は、上記開示において、前記プロセッサは、前記第3の観察画像情報に対応する第3の観察画像と同じ画素数を有する画像を表示可能な第1の表示装置が接続される第1の回路と、前記第4の観察画像情報に対応する第4の観察画像と同じ画素数を有する画像を表示可能な第2の表示装置が接続される第2の回路と、に接続され、前記第3の観察画像情報を前記第1の回路へ出力し、かつ、前記第4の観察画像情報を前記第2の回路へ出力する。
【0008】
また、本開示に係る医療用画像処理装置は、上記開示において、前記プロセッサは、前記第1の観察画像情報に対して拡大処理を行って前記第2の観察画像情報を生成し、前記第3の観察画像情報に対して拡大処理を行って前記第4の観察画像情報を生成する。
【0009】
また、本開示に係る医療用画像処理装置は、上記開示において、前記第1の観察画像情報は、FullHD画像の画素数以下より少ない画素数を有し、前記プロセッサは、前記第1の観察画像情報に対して拡大処理を行ってFullHD画像の画素数と同じ画素数を有する前記第2の観察画像情報を生成し、FullHD画像の画素数と同じ画素数を有する前記第3の観察画像情報に対して拡大処理を行って4K画像の画素数と同じ画素数を有する前記第4の観察画像情報を生成する。
【0010】
また、本開示に係る医療用画像処理装置は、上記開示において、前記プロセッサは、前記第1の観察画像情報に対して拡大処理を行って前記第2の観察画像情報を生成し、前記第3の観察画像情報に対して縮小処理を行って前記第4の観察画像情報を生成する。
【0011】
また、本開示に係る医療用画像処理装置は、上記開示において、前記第1の観察画像情報は、FullHD画像の画素数以下より少ない画素数を有し、前記プロセッサは、前記第1の観察画像情報に対して拡大処理を行って4K画像の画素数と同じ画素数を有する前記第2の観察画像情報を生成し、4K画像の画素数と同じ画素数を有する前記第3の観察画像情報に対して縮小処理を行ってFullHD画像の画素数と同じ画素数を有する前記第4の観察画像情報を生成する。
【0012】
また、本開示に係る画像処理方法は、メモリおよびハードウェアからなる少なくとも1つ以上のプロセッサを備える医療用画像処理装置が実行する画像処理方法であって、前記プロセッサが、外部から入力された被検体を撮像することによって生成された所定の画素数からなる第1の観察画像情報に対して、拡大処理または縮小処理を行って前記所定の画素数と異なる第2の観察画像情報を生成し、前記第2の観察画像情報に対して、前記第2の観察画像情報に対応する第2の観察画像に含まれる前記被検体の構造を強調する強調処理を行って第3の観察画像情報を生成し、前記第3の観察画像情報に対して拡大処理または縮小処理を行って前記第2の観察画像情報の画素数と異なる第4の観察画像情報を生成して出力する。
【0013】
また、本開示に係るプログラムは、メモリおよびハードウェアからなる少なくとも1つ以上のプロセッサを備える医療用画像処理装置に実行させるプログラムであって、前記プロセッサに、外部から入力された被検体を撮像することによって生成された所定の画素数からなる第1の観察画像情報に対して、拡大処理または縮小処理を行って前記所定の画素数と異なる第2の観察画像情報を生成させ、前記第2の観察画像情報に対して、前記第2の観察画像情報に対応する第2の観察画像に含まれる前記被検体の構造を強調する強調処理を行って第3の観察画像情報を生成させ、前記第3の観察画像情報に対して拡大処理または縮小処理を行って前記第2の観察画像情報の画素数と異なる第4の観察画像情報を生成させて出力させる。
【発明の効果】
【0014】
本開示によれば、解像度が異なる複数の表示装置へ画像を出力する場合であっても、画像の輪郭がボケることを防止するとともに、ノイズを低減することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、実施の形態1に係る内視鏡システムの概略構成を示す図である。
図2図2は、実施の形態1に係る内視鏡システムが備えるカメラヘッドおよび制御装置の機能構成を示すブロック図である。
図3図3は、実施の形態1に係る制御装置9が実行する処理の概要を示すフローチャートである。
図4図4は、実施の形態2に係る内視鏡システムの概略構成を示す図である。
図5図5は、実施の形態3に係る手術用顕微鏡システムの概略構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本開示を実施するための形態(以下、「実施の形態」という)を図面とともに詳細に説明する。なお、以下の実施の形態により、本開示が限定されるものではない。また、以下の説明において参照する各図は、本開示の内容を理解でき得る程度に形状、大きさ、および位置関係を概略的に示しているに過ぎない。即ち、本開示は、各図で例示された形状、大きさ、および位置関係のみに限定されるものではない。さらに、図面の記載において、同一の部分には同一の符号を付して説明する。さらにまた、本開示に係る医療用観察システムの一例として、内視鏡システムについて説明する。また、図面の記載において、同一の部分には同一の符号を付して説明する。
【0017】
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1に係る内視鏡システムの概略構成を示す図である。図1に示す内視鏡システム1は、医療分野に用いられ、人や動物の生体等の被検体の内部(生体内)に挿入され、内部を撮像した画像を表示することによって被検体を観察する装置である。なお、実施の形態1では、内視鏡システム1として、図1に示す硬性鏡(挿入部2)を用いた硬性内視鏡システムについて説明するが、これに限定されることなく、例えば軟性内視鏡システムであってもよい。
【0018】
図1に示す内視鏡システム1は、挿入部2(内視鏡)と、光源装置3と、ライトガイド4と、カメラヘッド5(内視鏡用撮像装置)と、第1の伝送ケーブル6と、第1の表示装置7と、第2の伝送ケーブル8と、制御装置9と、第3の伝送ケーブル10と、第2の表示装置11と、を備える。
【0019】
挿入部2は、硬質または少なくとも一部が軟性で細長形状を有し、患者等の被検体内に挿入される。挿入部2の内部には、1または複数のレンズを用いて構成され、観察像を結合する光学系が設けられている。
【0020】
光源装置3は、ライトガイド4の一端が接続される。光源装置3は、制御装置9による制御のもと、ライトガイド4の一端に被検体内を照明するための光を出射(供給)する。光源装置3は、白色光を発光するLED(Light Emitting Diode)光源やLD(Laser Diode)等の半導体レーザ素子を用いて構成される。
【0021】
ライトガイド4は、一端が光源装置3に着脱自在に接続され、かつ、他端が挿入部2に着脱自在に接続される。ライトガイド4は、光源装置3から出射された光を一端から他端に導光し、挿入部2へ供給する。
【0022】
カメラヘッド5は、挿入部2の接眼部21が着脱自在に接続される。カメラヘッド5は、制御装置9の制御のもと、挿入部2によって結像された観察像を撮像することによって撮像信号を生成し、この撮像信号(電気信号)を光信号に変換して出力する。また、カメラヘッド5は、円周方向に回転可能に設けられた操作リング部51と、内視鏡システム1の各種の操作を指示する指示信号の入力を受け付ける複数の入力部52と、を備える。
【0023】
第1の伝送ケーブル6は、一端が第1のコネクタ部61を介して制御装置9に着脱自在に接続され、他端が第2のコネクタ部62を介してカメラヘッド5に接続される。第1の伝送ケーブル6は、カメラヘッド5から出力される撮像信号を制御装置9へ伝送し、かつ、制御装置9から出力される制御信号、同期信号、クロック信号および電力等をカメラヘッド5へ伝送する。
【0024】
第1の表示装置7は、第2の伝送ケーブル8を介して制御装置9に接続可能であり、制御装置9の制御のもと、制御装置9において処理された画像信号に基づく表示画像(以下、「第1の表示画像」という)や内視鏡システム1に関する各種情報を表示する。また、第1の表示装置7は、モニタサイズが31インチ以上、好ましく55インチ以上である。なお、実施の形態1では、第1の表示装置7は、モニタサイズを31インチ以上で構成しているが、これに限定されることなく、FullHD画像の画素数、例えば2メガピクセル(例えば1920×1080ピクセルの所謂2Kの解像度)以上の解像度を有する画像を表示可能なモニタサイズであればよい。
【0025】
第2の伝送ケーブル8は、一端が第1の表示装置7または第2の表示装置11に着脱自在に接続され、他端が制御装置9に着脱自在に接続される。第2の伝送ケーブル8は、制御装置9において処理された画像信号に基づく表示画像を第1の表示装置7または第2の表示装置11に伝送する。
【0026】
制御装置9は、メモリと、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)およびFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを有するプロセッサを用いて構成され、メモリに記録されたプログラムに従って、第1の伝送ケーブル6、第2の伝送ケーブル8および第3の伝送ケーブル10の各々を介して、光源装置3、カメラヘッド5、第1の表示装置7および第2の表示装置11の動作を統括的に制御する。
【0027】
第3の伝送ケーブル10は、一端が光源装置3に着脱自在に接続され、他端側が制御装置9に着脱自在に接続される。第3の伝送ケーブル10は、制御装置9からの制御信号を光源装置3に伝送する。
【0028】
第2の表示装置11は、第2の伝送ケーブル8を介して制御装置9に接続可能であり、制御装置9の制御のもと、制御装置9において処理された画像信号に基づく表示画像(以下、「第2の表示画像」という)や内視鏡システム1に関する各種情報を表示する。第2の表示装置11は、液晶または有機EL等を用いて構成される。また、第2の表示装置11は、モニタサイズが31インチ以上、好ましく55インチ以上である。なお、実施の形態1では、第2の表示装置11は、モニタサイズを31インチ以上で構成しているが、これに限定されることなく、4K画像の画素数と同じ画素数、例えば8メガピクセル(例えば3840×2160ピクセルの所謂4Kの解像度)以上の解像度、より好ましくは32メガピクセル(例えば7680×4320ピクセルの所謂8Kの解像度)以上の解像度を有する画像を表示可能なモニタサイズであればよい。
【0029】
〔カメラヘッドおよび制御装置の詳細な構成〕
次に、カメラヘッド5および制御装置9の機能構成について説明する。図2は、内視鏡システム1が備えるカメラヘッド5および制御装置9の機能構成を示すブロック図である。なお、図2においては、説明の便宜上、挿入部2、光源装置3、ライトガイド4、第1の伝送ケーブル6、第2の伝送ケーブル8および第3の伝送ケーブル10を省略している。
【0030】
〔カメラヘッドの構成〕
まず、カメラヘッド5の構成について説明する。
カメラヘッド5は、レンズユニット501と、撮像部502と、通信モジュール503と、カメラヘッドメモリ504と、カメラヘッド制御部505と、を備える。
【0031】
レンズユニット501は、1または複数のレンズを用いて構成され、撮像部502の受光面に被写体像を結像する。また、レンズユニット501は、カメラヘッド制御部505の制御のもと、図示しない駆動部がレンズを光軸方向に沿って移動させることによって焦点位置を変化させるAF(Auto Focus)および焦点距離を変化させる光学ズームを行う。なお、本実施の形態1では、レンズユニット501に絞り機構および光軸上に挿脱可能な光学フィルタ機構を設けてもよい。
【0032】
撮像部502(撮像素子)は、カメラヘッド制御部505の制御のもと、挿入部2およびレンズユニット501が結像した被写体像を受光して光電変換を行うことによって撮像信号(RAWデータ)を生成し、この撮像信号を通信モジュール503へ出力する。撮像部502は、CCD(Charge Coupled Device)またはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等用いて構成される。撮像部502は、例えば2メガピクセル(例えば1920×1080ピクセルの所謂2Kの解像度)以下の解像度を有する。
【0033】
通信モジュール503は、第1の伝送ケーブル6を介して制御装置9から送信された各種の信号をカメラヘッド5内の各部に出力する。また、通信モジュール503は、第1の伝送ケーブル6を介して、撮像部502が生成した撮像信号やカメラヘッド5の現在の状態に関する情報等に対してパラレルシリアル変換処理等を行って制御装置9へ出力する。
【0034】
カメラヘッドメモリ504は、カメラヘッド5を識別するカメラヘッド情報およびカメラヘッド5が実行する各種のプログラムを記憶する。ここで、カメラヘッド情報には、撮像部502の画素数およびカメラヘッド5の識別ID等が含まれる。カメラヘッドメモリ504は、揮発性メモリおよび不揮発性メモリ等を用いて構成される。ここで、カメラヘッドメモリ504は、カメラヘッド5内でなくコネクタ部61に設けられていてもよい。
【0035】
カメラヘッド制御部505は、通信モジュール503から入力された各種信号に基づいて、カメラヘッド5を構成する各部の動作を制御する。カメラヘッド制御部505は、メモリとCPU等のハードウェアを有するプロセッサを用いて構成される。
【0036】
〔制御装置の構成〕
次に、制御装置9の構成について説明する。
通信モジュール91と、信号処理部92と、画像処理部93と、出力選択部94と、入力部95と、メモリ96と、出力部97と、制御部98と、を備える。
【0037】
通信モジュール91は、カメラヘッド5から入力された撮像信号を含む各種信号を制御部98や信号処理部92へ出力する。また、通信モジュール91は、制御部98から入力された各種信号をカメラヘッド5へ送信する。具体的には、通信モジュール91は、制御部98から入力された信号に対してパラレルシリアル変換処理等を行ってカメラヘッド5へ出力する。さらに、通信モジュール91は、カメラヘッド5から入力された信号に対して、シリアルパラレル変換処理等を行って制御装置9を構成する各部に出力する。
【0038】
信号処理部92は、通信モジュール91を介してカメラヘッド5から入力された撮像信号に対して、ノイズ低減処理やA/D変換処理等の信号処理を行って画像処理部93へ出力する。
【0039】
画像処理部93は、制御部98の制御のもと、信号処理部92から入力される撮像信号に対して、各種の画像処理を行って出力選択部94へ出力する。ここで、所定の画像処理としては、補間処理、色補正処理、色強調処理および輪郭強調処理等の各種の公知の画像処理である。画像処理部93は、メモリと、GPU、FPGAまたはCPU等のハードウェアを有するプロセッサを用いて構成される。また、実施の形態1では、画像処理部93が医療用画像処理装置として機能する。また、画像処理部93は、少なくとも、拡大処理部931と、強調処理部932と、リサイズ処理部933と、を有する。
【0040】
拡大処理部931は、制御部98の制御のもと、信号処理部92から入力された第1の観察画像情報に対して、拡大処理を実行する。具体的には、拡大処理部931は、2K以下の画素数を有する第1の観察画像情報に対して、2K以上の画素数を有する2K以上の画素数を有する画像データに画素数を拡大する拡大処理を実行することによって第2の観察画像情報を生成する。
【0041】
強調処理部932は、制御部98の制御のもと、拡大処理部931から入力された第2の観察画像情報に対して、強調処理を実行することによって第3の観察画像情報を生成して出力選択部94へ出力する。ここで、強調処理とは、エンハンス処理等の被検体の構造やエッジを強調する処理である。なお、強調処理部932は、強調処理と合わせて、ノイズ低減処理を行ってもよい。
【0042】
リサイズ処理部933は、制御部98の制御のもと、強調処理部932から入力された第3の観察画像情報に対して、拡大処理または縮小処理を実行する。具体的には、リサイズ処理部933は、2Kの画素数を有する第3の観察画像情報に対して、4Kの画素数を有する画像データに画素数を拡大する拡大処理を実行することによって第4の観察画像情報を生成して出力選択部94へ出力する。
【0043】
出力選択部94は、少なくとも第1の表示装置7および第2の表示装置11の一方が接続される。出力選択部94は、第1の表示装置7に接続され、第3の観察画像情報を第1の表示装置7に出力する第1の回路941と、第2の表示装置11に接続され、第4の観察画像情報を第2の表示装置11に出力する第2の回路942と、を有する。
【0044】
入力部95は、キーボード、マウスおよびタッチパネル等を用いて構成される。入力部95は、ユーザの操作による各種情報の入力を受け付ける。
【0045】
メモリ96は、揮発性メモリ、不揮発性メモリおよびフレームメモリ等を用いて構成される。メモリ96は、内視鏡システム1が実行する各種のプログラムや処理中に使用される各種のデータを記憶する。なお、メモリ96は、制御装置9に対して装着自在なメモリカード等をさらに備えてもよい。
【0046】
出力部97は、スピーカ、プリンタおよびディスプレイ等を用いて構成される。出力部97は、内視鏡システム1に関する各種情報を出力する。
【0047】
制御部98は、内視鏡システム1を構成する各部を統括的に制御する。制御部98は、メモリおよびCPU等のハードウェアを用いて構成される。
【0048】
〔制御装置の処理〕
次に、制御装置9が実行する処理について説明する。
図3は、制御装置9が実行する処理の概要を示すフローチャートである。
【0049】
図3に示すように、まず、制御部98は、出力選択部94が出力する表示装置の解像度を示す出力先情報および通信モジュール91を介してカメラヘッド5の解像度を示すカメラヘッド情報を取得する(ステップS101)。
【0050】
続いて、制御部98は、通信モジュール91を介してカメラヘッド5によって生成された撮像信号である第1の観察画像情報を取得する(ステップS102)。
【0051】
その後、制御部98は、出力先情報に基づいて、第1の表示装置7が出力選択部94に接続されたか否かを判断する(ステップS103)。制御部98によって第1の表示装置7が出力選択部94に接続されたと判断された場合(ステップS103:Yes)、制御装置9は、後述するステップS104へ移行する。これに対して、制御部98によって第1の表示装置7が出力選択部94に接続されていないと判断された場合(ステップS103:No)、制御装置9は、後述するステップS108へ移行する。
【0052】
ステップS104において、拡大処理部931は、制御部98の制御のもと、信号処理部92から入力された第1の観察画像情報に対して、拡大処理を実行する。具体的には、拡大処理部931は、2K以下の画素数を有する第1の観察画像情報に対して、2K以上の画素数を有する画像データに画素数を拡大する拡大処理を実行することによって第2の観察画像情報を生成して強調処理部932へ出力する。
【0053】
続いて、強調処理部932は、制御部98の制御のもと、拡大処理部931から入力された第2の観察画像情報に対して、第2の観察画像情報に対応する第2の観察画像に含まれる被検体の構造を強調する強調処理を実行して被検体の構造を強調した第3の観察画像情報を生成して出力選択部94の第1の回路941へ出力する(ステップS105)。
【0054】
その後、第1の回路941は、制御部98の制御のもと、第1の表示装置7に第3の観察画像情報を出力する(ステップS106)。これにより、第1の表示装置7は、第3の観察画像情報に対応する2K画質の第1の表示画像であって、被検体の構造が強調され、かつ、ノイズが低減された第1の表示画像を表示することができる。
【0055】
続いて、入力部95から被検体の観察を終了する指示信号が入力された場合(ステップS107:Yes)、制御装置9は、本処理を終了する。これに対して、入力部95から被検体の観察を終了する指示信号が入力されていない場合(ステップS107:No)、制御装置9は、上述したステップS101へ戻る。
【0056】
ステップS108において、拡大処理部931は、制御部98の制御のもと、信号処理部92から入力された第1の観察画像情報に対して、拡大処理を実行する。具体的には、拡大処理部931は、2K以下の画素数を有する第1の観察画像情報に対して、2K以上の画素数を有する画像データに画素数を拡大する拡大処理を実行することによって第2の観察画像情報を生成して強調処理部932へ出力する。
【0057】
続いて、強調処理部932は、制御部98の制御のもと、拡大処理部931から入力された第2の観察画像情報に対して、第2の観察画像情報に対応する第2の観察画像に含まれる被検体の構造を強調する強調処理を実行して被検体の構造を強調した第3の観察画像情報を生成してリサイズ処理部933へ出力する(ステップS109)。
【0058】
その後、リサイズ処理部933は、制御部98の制御のもと、強調処理部932から入力された第3の観察画像情報に対して、拡大処理を実行する(ステップS110)。具体的には、リサイズ処理部933は、2Kの画素数を有する第3の観察画像情報に対して、4Kの画素数を有する画像データに画素数を拡大する拡大処理を実行することによって第4の観察画像情報を生成して出力選択部94の第2の回路942へ出力する。
【0059】
続いて、第2の回路942は、制御部98の制御のもと、第2の表示装置11に第4の観察画像情報を出力する(ステップS111)。これにより、第2の表示装置11は、第4の観察画像情報に対応する4K画質の第2の表示画像であって、被検体の構造が強調され、かつ、ノイズが低減された第2の表示画像を表示することができる。ステップS111の後、制御装置9は、ステップS107へ移行する。
【0060】
以上説明した実施の形態1によれば、画像処理部93が通信モジュールおよび信号処理部92を介してカメラヘッド5から入力された第1の観察画像情報に対して、拡大処理を行って第1の観察画像情報の画素数と異なる第2の観察画像情報を生成し、第2の観察画像情報に対して、第2の観察画像情報に対応する第2の観察画像に含まれる被検体の構造を強調する強調処理を行って第3の観察画像情報を生成し、第3の観察画像情報に対して拡大処理を行って第2の観察画像情報の画素数と異なる第4の観察画像情報を生成して出力するので、解像度が異なる第1の表示装置7または第2の表示装置11へ画像を出力する場合であっても、画像の輪郭がボケることを防止するとともに、ノイズを低減することができる。
【0061】
また、実施の形態1によれば、画像処理部93が第3の観察画像情報を第1の回路941へ出力し、かつ、第4の観察画像情報を第2の回路942へ出力するので、解像度が異なる第1の表示装置7または第2の表示装置11へ画像を出力する場合であっても、画像の輪郭がボケることを防止するとともに、ノイズを低減することができる。
【0062】
また、実施の形態1によれば、画像処理部93が第1の観察画像情報に対して拡大処理を行って第2の観察画像情報を生成し、第3の観察画像情報に対して拡大処理を行って第4の観察画像情報を生成するので、解像度が異なる第1の表示装置7または第2の表示装置11へ画像を出力する場合であっても、画像の輪郭がボケることを防止するとともに、ノイズを低減することができる。
【0063】
また、実施の形態1によれば、画像処理部93が第1の観察画像情報に対して拡大処理を行ってFullHD画像の画素数と同じ画素数を有する第2の観察画像情報を生成し、FullHD画像の画素数と同じ画素数を有する第3の観察画像情報に対して拡大処理を行って4K画像の画素数と同じ画素数を有する第4の観察画像情報を生成するので、解像度が異なる第1の表示装置7または第2の表示装置11へ画像を出力する場合であっても、画像の輪郭がボケることを防止するとともに、ノイズを低減することができる。
【0064】
なお、実施の形態1では、画像処理部93が拡大処理、強調処理および拡大処理を行うことによって第4の観察画像情報を生成して第2の表示装置11へ出力していたが、第1の表示装置7または第2の表示装置11において表示可能な画像の解像度に応じて適宜変更することができる。具体的には、画像処理部93が第1の観察画像情報に対して拡大処理を行って第2の観察画像情報を生成し、第3の観察画像情報に対して縮小処理を行って第4の観察画像情報を生成してもよい。より具体的には、画像処理部93は、第1の観察画像情報に対して拡大処理を行って4K画像の画素数と同じ画素数を有する第2の観察画像情報を生成し、4K画像の画素数と同じ画素数を有する第3の観察画像情報に対して縮小処理を行ってFullHD画像の画素数と同じ画素数を有する第4の観察画像情報を生成してもよい。これにより、解像度が異なる第1の表示装置7または第2の表示装置11へ画像を出力する場合であっても、画像の輪郭がボケることを防止するとともに、ノイズを低減することができる。
【0065】
また、実施の形態1では、出力選択部94に第1の回路941および第2の回路942が設けられていたが、これに限定されることなく、一つの出力回路のみを設け、この出力回路に接続される第1の表示装置7または第2の表示装置11の解像度に応じて画像処理部93が画像処理の処理内容を変更するようにしてもよい。
【0066】
また、実施の形態1では、第2の表示装置11が第1の表示装置7よりも高解像度を有する画像を表示可能であればよく、例えば第2の表示装置11が8Kの解像度を有するモニタサイズである場合において、第1の表示装置7が4Kの解像度を有するモニタサイズであってもよい。このとき、拡大表示部931は、4K画像を生成し、リサイズ処理部933は、8K画像を生成してもよい。
【0067】
(実施の形態2)
次に、実施の形態2について説明する。上述した実施の形態1では、硬性鏡を用いた硬性内視鏡システムに適用した場合について説明したが、実施の形態2では、軟性の内視鏡を用いた軟性内視鏡システムに適用した場合について説明する。なお、上述した実施の形態1に係る内視鏡システム1と同一の構成には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0068】
〔内視鏡システムの概略構成〕
図4は、実施の形態2に係る内視鏡システムの概略構成を示す図である。図4に示す内視鏡システム200は、被検体内に挿入部202を挿入することによって観察部位の体内画像を撮像して撮像信号を生成する内視鏡201と、内視鏡201に照明光を供給する光源装置210と、内視鏡201が取得した撮像信号に所定の画像処理を施すとともに、内視鏡システム200全体の動作を統括的に制御する制御装置220と、制御装置220が画像処理を施した体内画像を表示する第1の表示装置230と、制御装置220が画像処理を施した体内画像を表示する第2の表示装置240と、を備える。
【0069】
内視鏡201は、少なくとも、上述したレンズユニット501と、撮像部502と、を有する。
【0070】
制御装置220は、少なくとも、上述した通信モジュール91と、信号処理部92と、画像処理部93と、出力選択部94と、入力部95と、メモリ96と、出力部97と、制御部98と、を有する。
【0071】
第1の表示装置230は、モニタサイズが31インチ以上、好ましく55インチ以上である。第1の表示装置230は、モニタサイズを31インチ以上で構成しているが、これに限定されることなく、他のモニタサイズ、例えば2メガピクセル(例えば1920×1080ピクセルの所謂2Kの解像度)以上の解像度を有する画像を表示可能なモニタサイズであればよい。
【0072】
第2の表示装置240は、モニタサイズが31インチ以上、好ましく55インチ以上である。第2の表示装置240は、モニタサイズを31インチ以上で構成しているが、これに限定されることなく、他のモニタサイズ、例えば8メガピクセル(例えば3840×2160ピクセルの所謂4Kの解像度)以上の解像度、より好ましくは32メガピクセル(例えば7680×4320ピクセルの所謂8Kの解像度)以上の解像度を有する画像を表示可能なモニタサイズであればよい。なお、第2の表示装置240は、第1の表示装置230よりも高解像度を有する画像を表示可能であればよく、例えば第2の表示装置240が8Kの解像度を有するモニタサイズである場合において、第1の表示装置230が4Kの解像度を有するモニタサイズであってもよい。このとき、拡大表示部931は、4K画像を生成し、リサイズ処理部933は、8K画像を生成してもよい。
【0073】
以上説明した実施の形態2によれば、軟性の内視鏡システム200であっても、上述した実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
【0074】
(実施の形態3)
次に、実施の形態3について説明する。上述した実施の形態1,2では、内視鏡システムであったが、実施の形態3では、手術用顕微鏡システムに適用した場合について説明する。なお、上述した実施の形態1に係る内視鏡システム1と同一の構成には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0075】
〔手術用顕微鏡システムの構成〕
図5は、実施の形態3に係る手術用顕微鏡システムの概略構成を示す図である。図5に示す手術用顕微鏡システム300は、被写体を観察するための画像を撮像することによって取得する医療用撮像装置である顕微鏡装置310と、顕微鏡装置310が撮像した画像を表示する第1の表示装置311と、第2の表示装置320と、を備える。なお、第1の表示装置311または第2の表示装置320と顕微鏡装置310とを一体に構成することも可能である。
【0076】
顕微鏡装置310は、被写体の微小部位を拡大して撮像する顕微鏡部312と、顕微鏡部312の基端部に接続し、顕微鏡部312を回動可能に支持するアームを含む支持部313と、支持部313の基端部を回動可能に保持し、床面上を移動可能なベース部314と、を有する。ベース部314は、手術用顕微鏡システム300の動作を制御する制御装置315と、顕微鏡装置310から被写体に照射する照明光を生成する光源装置316と、を有する。なお、制御装置315は、少なくとも、上述した通信モジュール91と、信号処理部92と、画像処理部93と、出力選択部94と、入力部95と、メモリ96と、出力部97と、制御部98と、を有する。また、ベース部314は、床面上に移動可能に設けるのではなく、天井や壁面等に固定して支持部313を支持する構成としてもよい。
【0077】
顕微鏡部312は、例えば、円柱状をなして、その内部に上述したレンズユニット501および撮像部502を有する。顕微鏡部312の側面には、顕微鏡装置310の動作指示の入力を受け付けるスイッチが設けられている。顕微鏡部312の下端部の開口面には、内部を保護するカバーガラスが設けられている(図示せず)。
【0078】
第1の表示装置311は、モニタサイズが31インチ以上、好ましく55インチ以上である。第1の表示装置311は、モニタサイズを31インチ以上で構成しているが、これに限定されることなく、他のモニタサイズ、例えば2メガピクセル(例えば1920×1080ピクセルの所謂2Kの解像度)以上の解像度を有する画像を表示可能なモニタサイズであればよい。
【0079】
第2の表示装置320は、モニタサイズが31インチ以上、好ましく55インチ以上である。第2の表示装置320は、モニタサイズを31インチ以上で構成しているが、これに限定されることなく、他のモニタサイズ、例えば8メガピクセル(例えば3840×2160ピクセルの所謂4Kの解像度)以上の解像度、より好ましくは32メガピクセル(例えば7680×4320ピクセルの所謂8Kの解像度)以上の解像度を有する画像を表示可能なモニタサイズであればよい。なお、第2の表示装置320は、第1の表示装置311よりも高解像度を有する画像を表示可能であればよく、例えば第2の表示装置320が8Kの解像度を有するモニタサイズである場合において、第1の表示装置311が4Kの解像度を有するモニタサイズであってもよい。このとき、拡大表示部931は、4K画像を生成し、リサイズ処理部933は、8K画像を生成してもよい。
【0080】
このように構成された手術用顕微鏡システム300は、術者等のユーザが顕微鏡部312を把持した状態で各種スイッチを操作しながら、顕微鏡部312を移動させたり、ズーム操作を行ったり、照明光を切り替えたりする。なお、顕微鏡部312の形状は、ユーザが把持して視野方向を変更しやすいように、観察方向に細長く延びる形状であれば好ましい。このため、顕微鏡部312の形状は、円柱状以外の形状であってもよく、例えば多角柱状であってもよい。
【0081】
以上説明した実施の形態3によれば、手術用顕微鏡システム300においても、上述した実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
【0082】
(その他の実施の形態)
上述した本開示の実施の形態1~3に係る医療用観察システムに開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることによって、種々の発明を形成することができる。例えば、上述した本開示の実施の形態1~3に係る医療用観察システムに記載した全構成要素からいくつかの構成要素を削除してもよい。さらに、上述した本開示の実施の形態1~3に係る医療用観察システムで説明した構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【0083】
また、本開示の実施の形態1~3に係る医療用観察システムでは、上述してきた「部」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、制御部は、制御手段や制御回路に読み替えることができる。
【0084】
また、本開示の実施の形態1~3に係る医療用観察システムに実行させるプログラムは、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルデータでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)、USB媒体、フラッシュメモリ等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。
【0085】
また、本開示の実施の形態1~3に係る医療用観察システムに実行させるプログラムは、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。
【0086】
なお、本明細書におけるタイミングチャートの説明では、「まず」、「その後」、「続いて」等の表現を用いてタイミング間の処理の前後関係を明示していたが、本開示を実施するために必要な処理の順序は、それらの表現によって一意的に定められるわけではない。即ち、本明細書で記載したタイミングチャートにおける処理の順序は、矛盾のない範囲で変更することができる。
【0087】
以上、本願の実施の形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、本発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【符号の説明】
【0088】
1,200 内視鏡システム
2,202 挿入部
3,210,316 光源装置
4 ライトガイド
5 カメラヘッド
6 第1の伝送ケーブル
7,230,311 第1の表示装置
8 第2の伝送ケーブル
9,220,315 制御装置
10 第3の伝送ケーブル
11,240,320 第2の表示装置
91 通信モジュール
92 信号処理部
93 画像処理部
94 出力選択部
95 入力部
96 メモリ
97 出力部
98 制御部
300 手術用顕微鏡システム
501 レンズユニット
502 撮像部
503 通信モジュール
504 カメラヘッドメモリ
505 カメラヘッド制御部
931 拡大処理部
932 強調処理部
933 リサイズ処理部
941 第1の回路
942 第2の回路
図1
図2
図3
図4
図5