(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-28
(45)【発行日】2023-03-08
(54)【発明の名称】収益計上仕訳装置、収益計上仕訳方法、および、収益計上仕訳プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 40/12 20230101AFI20230301BHJP
【FI】
G06Q40/12
(21)【出願番号】P 2019041832
(22)【出願日】2019-03-07
【審査請求日】2021-12-09
(73)【特許権者】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】菊池 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 翔太
(72)【発明者】
【氏名】上野 剛光
【審査官】山崎 誠也
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-112988(JP,A)
【文献】特開2011-159260(JP,A)
【文献】仕訳処理完全ガイド,第1版,第一法規株式会社,2011年01月25日,p.211-222
【文献】五十嵐 邦正,基礎 財務会計,第16版,有限会社森山書店,2014年09月25日,p.151-170
【文献】大日方 隆,アドバンスト財務会計,第2版,中央経済社,2013年03月20日,p.91-120
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶部と制御部とを備えた収益計上仕訳装置であって、
前記記憶部は、
割賦支払の債権の各返済予定日と当該返済予定日における予定収益額とを紐付けて設定した返済予定データを記憶する返済予定記憶手段、
を備え、
前記制御部は、
期末が到来した場合、前記返済予定データに基づいて、翌期の前記返済予定日における前記予定収益額を繰延収益額として含む期末計上収益データを作成する期末計上収益作成手段と、
前記返済予定日が到来した場合、前記
期末計上収益データに基づいて、収益計上仕訳データを作成する仕訳作成手段
と、
を備えたことを特徴とする収益計上仕訳装置。
【請求項2】
前記返済予定データは、
更に、収益認識基準が設定されており、
前記仕訳作成手段は、
前記収益認識基準が回収期限到来基準であり、且つ、前記返済予定日が到来した場合、前記
期末計上収益データに基づいて、前記収益計上仕訳データを作成することを特徴とする請求項
1に記載の収益計上仕訳装置。
【請求項3】
前記収益計上仕訳データは、
借方の勘定科目が繰延収益、且つ、貸方の勘定科目が売上であることを特徴とする請求項1
または2に記載の収益計上仕訳装置。
【請求項4】
前記予定収益額は、
前記返済予定日における返済予定額に対する手数料充当額であることを特徴とする請求項1から
3のいずれか一つに記載の収益計上仕訳装置。
【請求項5】
前記期末は、
週末、月末、月度末、四半期末、半期末、年末、または、年度末であることを特徴とする請求項
1または
2に記載の収益計上仕訳装置。
【請求項6】
記憶部と制御部とを備えた収益計上仕訳装置に実行させるための収益計上仕訳方法であって、
前記記憶部は、
割賦支払の債権の各返済予定日と当該返済予定日における予定収益額とを紐付けて設定した返済予定データを記憶する返済予定記憶手段、
を備え、
前記制御部で実行さ
れる、
期末が到来した場合、前記返済予定データに基づいて、翌期の前記返済予定日における前記予定収益額を繰延収益額として含む期末計上収益データを作成する期末計上収益作成ステップと、
前記返済予定日が到来した場合、前記
期末計上収益データに基づいて、収益計上仕訳データを作成する仕訳作成ステップ
と、
を含むことを特徴とする収益計上仕訳方法。
【請求項7】
記憶部と制御部とを備えた収益計上仕訳装置に実行させるための収益計上仕訳プログラムであって、
前記記憶部は、
割賦支払の債権の各返済予定日と当該返済予定日における予定収益額とを紐付けて設定した返済予定データを記憶する返済予定記憶手段、
を備え、
前記制御部において、
期末が到来した場合、前記返済予定データに基づいて、翌期の前記返済予定日における前記予定収益額を繰延収益額として含む期末計上収益データを作成する期末計上収益作成ステップと、
前記返済予定日が到来した場合、前記
期末計上収益データに基づいて、収益計上仕訳データを作成する仕訳作成ステップ
と、
を実行させるための収益計上仕訳プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収益計上仕訳装置、収益計上仕訳方法、および、収益計上仕訳プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、割賦購入が指定されている場合、ユーザからの売上入力に応じて、すなわち、回収基準で、仕訳データを生成する構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1記載の発明においては、回収期限到来基準で、割賦販売の返済予定日に未実現利益の計上仕訳を自動的に行うことができなかったという課題があった。
【0005】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、販売基準および回収基準ではなく、回収予定日が到来したタイミングで仕訳を起こすような仕組みを構築し、回収期限到来基準の自動仕訳発生を実現することができる収益計上仕訳装置、収益計上仕訳方法、および、収益計上仕訳プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る収益計上仕訳装置は、記憶部と制御部とを備えた収益計上仕訳装置であって、前記記憶部は、割賦支払の債権の各返済予定日と当該返済予定日における予定収益額とを紐付けて設定した返済予定データを記憶する返済予定記憶手段、を備え、前記制御部は、前記返済予定日が到来した場合、前記返済予定データに基づいて、収益計上仕訳データを作成する仕訳作成手段、を備えたことを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係る収益計上仕訳装置において、前記制御部は、期末が到来した場合、前記返済予定データに基づいて、翌期の前記返済予定日における前記予定収益額を繰延収益額として含む期末計上収益データを作成する期末計上収益作成手段、を更に備え、前記仕訳作成手段は、前記返済予定日が到来した場合、前記期末計上収益データに基づいて、前記収益計上仕訳データを作成することを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る収益計上仕訳装置において、前記返済予定データは、更に、収益認識基準が設定されており、前記仕訳作成手段は、前記収益認識基準が回収期限到来基準であり、且つ、前記返済予定日が到来した場合、前記返済予定データに基づいて、前記収益計上仕訳データを作成することを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る収益計上仕訳装置において、前記収益計上仕訳データは、借方の勘定科目が繰延収益、且つ、貸方の勘定科目が売上であることを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る収益計上仕訳装置において、前記予定収益額は、前記返済予定日における返済予定額に対する手数料充当額であることを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る収益計上仕訳装置において、前記期末は、週末、月末、月度末、四半期末、半期末、年末、または、年度末であることを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る収益計上仕訳方法は、記憶部と制御部とを備えた収益計上仕訳装置に実行させるための収益計上仕訳方法であって、前記記憶部は、割賦支払の債権の各返済予定日と当該返済予定日における予定収益額とを紐付けて設定した返済予定データを記憶する返済予定記憶手段、を備え、前記制御部で実行させる、前記返済予定日が到来した場合、前記返済予定データに基づいて、収益計上仕訳データを作成する仕訳作成ステップ、を含むことを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る収益計上仕訳プログラムは、記憶部と制御部とを備えた収益計上仕訳装置に実行させるための収益計上仕訳プログラムであって、前記記憶部は、割賦支払の債権の各返済予定日と当該返済予定日における予定収益額とを紐付けて設定した返済予定データを記憶する返済予定記憶手段、を備え、前記制御部において、前記返済予定日が到来した場合、前記返済予定データに基づいて、収益計上仕訳データを作成する仕訳作成ステップ、を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、回収期限到来基準の収益計上に対応できるという効果を奏する。また、本発明によれば、割賦販売における全ての収益認識基準をマスタ設定で対応可能となる為、どの収益認識基準を採用する顧客に対しても対応可能であるという効果を奏する。また、本発明によれば、商品毎に別の収益認識基準を適用することも可能であるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は、本実施形態における収益計上仕訳装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、本実施形態における収益計上仕訳装置の処理の一例を示すフローチャートである。
【
図3】
図3は、本実施形態における収益計上仕訳処理の一例を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は本実施形態により限定されるものではない。
【0017】
[1.概要]
まず、本発明の概要を説明する。
【0018】
割賦販売は、通常の販売と異なり、代金回収が長期的な分割払いとなることによるリスクがあるため、貸倒引当金等の特別な配慮が必要となる。そこで、従来から、収益認識をより慎重に行うために、販売基準だけでなく、回収期限到来基準、または、回収基準での収益計上が容認されていた。
【0019】
しかしながら、従来は、ログデータに基づいて、仕訳データ作成が行われていたため、回収して実際に利益が発生したタイミングでしか売上計上の仕訳を起こすことができなかったため、販売基準、または、回収基準での収益計上でしか会計計上できなかった。
【0020】
そこで、本実施形態においては、期末締処理で翌期分の到来予定利益を固め、回収予定日が到来したタイミングで仕訳を起こすことで、回収期限の到来基準で未実現利益の仕訳を自動的に発生させている。
【0021】
[2.構成]
本実施形態に係る収益計上仕訳装置100の構成の一例について、
図1を参照して説明する。
図1は、本実施形態における収益計上仕訳装置100の構成の一例を示すブロック図である。
【0022】
図1に示すように、収益計上仕訳装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータである。なお、収益計上仕訳装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。
【0023】
収益計上仕訳装置100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。収益計上仕訳装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0024】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、収益計上仕訳装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、収益計上仕訳装置100とサーバ200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。
【0025】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブル、およびファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。記憶部106は、返済予定ファイル106aと、仕訳ファイル106bとを備えている。
【0026】
返済予定ファイル106aは、割賦支払の債権の返済予定データを記憶する。ここで、返済予定ファイル106aは、割賦支払の債権の各返済予定日と当該返済予定日における予定収益額とを紐付けて設定した返済予定データを記憶していてもよい。また、返済予定データは、収益認識基準が設定されていてもよい。また、予定収益額は、返済予定日における返済予定額に対する手数料充当額であってもよい。また、返済予定データは、債権キー等の債権識別子、収益認識基準データ、返済予定日付、返済予定日における返済予定額(返済額合計)、返済予定額に対する元金充当額、返済前残高、および/または、返済後残高等を含んでいてもよい。
【0027】
仕訳ファイル106bは、仕訳データを記憶する。ここで、仕訳ファイル106bは、収益計上仕訳データを記憶していてもよい。ここで、収益計上仕訳データは、借方の勘定科目が繰延収益であってもよい。また、収益計上仕訳データは、借方の勘定科目が繰延収益、且つ、貸方の勘定科目が売上であってもよい。また、仕訳データは、計上日付、勘定科目データ、借方金額、および/または、貸方金額等を含んでいてもよい。また、仕訳ファイル106bは、翌期の返済予定日における予定収益額を繰延収益額として含む期末計上収益データを記憶していてもよい。ここで、期末計上収益データは、債権識別子、および/または、計上日付等を含んでいてもよい。
【0028】
入出力インターフェース部108には、入力装置112および出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(タッチパネルを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、およびマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114またはプリンタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。
【0029】
制御部102は、収益計上仕訳装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。制御部102は、機能概念的に、期末計上収益作成部102aと、仕訳作成部102bとを備えている。
【0030】
期末計上収益作成部102aは、期末計上収益データを作成する。ここで、期末計上収益作成部102aは、期末が到来した場合、返済予定データに基づいて、翌期の返済予定日における予定収益額を繰延収益額として含む期末計上収益データを作成してもよい。また、期末は、週末、月末、月度末、四半期末、半期末、年末、または、年度末であってもよい。また、期末計上収益作成部102aは、期末計上収益データを仕訳ファイル106bに格納してもよい。
【0031】
仕訳作成部102bは、仕訳データを作成する。ここで、仕訳作成部102bは、返済予定日が到来した場合、返済予定データに基づいて、収益計上仕訳データを作成してもよい。また、仕訳作成部102bは、返済予定日が到来した場合、期末計上収益データに基づいて、収益計上仕訳データを作成してもよい。また、仕訳作成部102bは、収益認識基準が回収期限到来基準であり、且つ、返済予定日が到来した場合、返済予定データに基づいて、収益計上仕訳データを作成してもよい。また、仕訳作成部102bは、仕訳データを仕訳ファイル106bに格納してもよい。
【0032】
[3.具体例]
本実施形態の具体例について、
図2および
図3を参照して説明する。
【0033】
[収益計上仕訳処理]
ここで、
図2および
図3を参照して、本実施形態における収益計上仕訳処理の一例について説明する。
図2は、本実施形態における収益計上仕訳装置100の処理の一例を示すフローチャートである。
【0034】
図2に示すように、期末計上収益作成部102aは、期末が到来したか否かを判定する(ステップSA-1)。
【0035】
そして、期末計上収益作成部102aは、期末が到来していないと判定した場合(ステップSA-1:No)、所定時間(例えば、1日等)待機して、処理を再度ステップSA-1に移行させる。
【0036】
一方、期末計上収益作成部102aは、期末が到来したと判定した場合(ステップSA-1:Yes)、処理をステップSA-2に移行させる。
【0037】
そして、期末計上収益作成部102aは、返済予定ファイル106aに記憶された割賦支払の債権の返済予定データに基づいて、債権識別子および計上日付を含み、翌期の返済予定日における予定収益額を繰延収益額として含む期末計上収益データを作成し、当該期末計上収益データを仕訳ファイル106bに格納する(ステップSA-2)。
【0038】
そして、仕訳作成部102bは、返済予定ファイル106aに記憶された返済予定データに収益認識基準として回収期限到来基準が設定されているか否かを判定する(ステップSA-3)。
【0039】
そして、仕訳作成部102bは、返済予定データに収益認識基準として回収期限到来基準が設定されていない(回収基準が設定されている)と判定した場合(ステップSA-3:No)、処理をステップSA-4に移行させる。
【0040】
そして、仕訳作成部102bは、ユーザにより返済予定日における元金充当額および手数料充当額を含む返済予定額が入金され、当該返済予定額が回収されているか否かを判定する(ステップSA-4)。
【0041】
そして、仕訳作成部102bは、返済予定日における返済予定額が回収されていないと判定した場合(ステップSA-4:No)、所定時間(例えば、1日等)待機して、処理を再度ステップSA-4に移行させる。
【0042】
一方、仕訳作成部102bは、返済予定日における返済予定額が回収されていると判定した場合(ステップSA-4:Yes)、処理をステップSA-5に移行させる。
【0043】
そして、仕訳作成部102bは、借方の勘定科目を手数料、且つ、貸方の勘定科目を売上とする収益計上仕訳データを作成し、当該収益計上仕訳データを仕訳ファイル106bに格納し(ステップSA-5)、処理をステップSA-8に移行させる。
【0044】
一方、仕訳作成部102bは、返済予定データに収益認識基準として回収期限到来基準が設定されていると判定した場合(ステップSA-3:Yes)、処理をステップSA-6に移行させる。
【0045】
そして、仕訳作成部102bは、返済予定日が到来したか否かを判定する(ステップSA-6)。
【0046】
そして、仕訳作成部102bは、返済予定日が到来していないと判定した場合(ステップSA-6:No)、所定時間(例えば、1日等)待機して、処理を再度ステップSA-6に移行させる。
【0047】
一方、仕訳作成部102bは、返済予定日が到来したと判定した場合(ステップSA-6:Yes)、処理をステップSA-7に移行させる。
【0048】
そして、仕訳作成部102bは、仕訳ファイル106bに記憶された前期の期末計上収益データに基づいて、借方の勘定科目を繰延収益、且つ、貸方の勘定科目を売上とする収益計上仕訳データを作成し、当該収益計上仕訳データを仕訳ファイル106bに格納する(ステップSA-7)。
【0049】
そして、期末計上収益作成部102aは、返済予定ファイル106aに記憶された返済予定データに含まれる返済後残高が0円であるか否かを判定する(ステップSA-8)。
【0050】
そして、期末計上収益作成部102aは、返済予定ファイル106aに記憶された返済予定データに含まれる返済後残高が0円ではないと判定した場合(ステップSA-8:No)、処理をステップSA-1に移行させる。
【0051】
一方、期末計上収益作成部102aは、返済予定ファイル106aに記憶された返済予定データに含まれる返済後残高が0円であると判定した場合(ステップSA-8:Yes)、処理を終了する。
【0052】
ここで、
図3を参照して、本実施形態における収益計上仕訳処理の具体例について説明する。
図3は、本実施形態における収益計上仕訳処理の一例を示すフロー図である。
【0053】
図3に示すように、本実施形態においては、2018年3月の月末が到来した場合、月末締処理として、返済予定ファイル106aに記憶された割賦支払の債権の返済予定データに基づいて、翌月の返済予定日(2018年4月7日)において計上予定の手数料充当額(1,000円)を繰延収益額として含み、債権キー(101)および計上日付(2018年4月7日)を含む期末計上収益データが作成される(ステップSB-1)。
【0054】
そして、
図3に示すように、本実施形態においては、計上日である返済予定日(2018年4月7日)が到来した場合、計上の有無に関係なく、前期(2018年3月)の期末計上収益データに基づいて、借方の勘定科目を繰延収益、且つ、貸方の勘定科目を売上とする収益計上仕訳データが自動的に作成され、債権の完済予定である2018年1月7日の最終返済予定日まで仕訳が自動的に発生する(ステップSB-2)。
【0055】
[4.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0056】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0057】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0058】
また、収益計上仕訳装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0059】
例えば、収益計上仕訳装置100が備える処理機能、特に制御部102にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて収益計上仕訳装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0060】
また、このコンピュータプログラムは、収益計上仕訳装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0061】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0062】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、本実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0063】
記憶部106に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0064】
また、収益計上仕訳装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、収益計上仕訳装置100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0065】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0066】
本発明は、割賦販売における全ての収益基準をマスタ設定で対応可能となるため、様々な会計基準を採用する業界において有用である。
【符号の説明】
【0067】
100 収益計上仕訳装置
102 制御部
102a 期末計上収益作成部
102b 仕訳作成部
104 通信インターフェース部
106 記憶部
106a 返済予定ファイル
106b 仕訳ファイル
108 入出力インターフェース部
112 入力装置
114 出力装置
200 サーバ
300 ネットワーク